説明

金属ベース回路基板の製造方法及び金属ベース回路基板

【課題】電子部品を金属ベ−スに直付けして放熱性を高め、より高密度実装の進展を可能としながら、安価に加工でき、傷発生等を抑制することを可能とする。
【解決手段】金属ベース3の他側面から肉厚方向の途中までパンチ16を打ち込み金属ベース3の一側面にダイ19の穴17内へ押し込まれて先端周縁部23aの断面が湾曲形状の凸部23を半抜き形成しダミーの銅箔パターン21の有る箇所で絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部を打ち抜く凸部形成工程S1と、打ち抜かれた絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部である抜きカス27を凸部23の湾曲形状を利用して剥離除去し凸部23先端を露出させる剥離工程S2と、凸部23をプレス成型して電子部品搭載部9を形成する搭載部形成工程とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)などの電子部品が取り付けられる金属ベース回路基板の製造方法及び金属ベース回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(発光ダイオード)などに代表される電子部品は、その利便性より広い分野で使用され、放熱性を高めるために金属ベ−ス回路基板が使用されている。
【0003】
前記金属ベ−ス回路基板は、アルミニウムやアルミニウム合金製の金属ベースが用いられ、この金属ベースに絶縁層を介して金属箔、例えば銅箔により回路が形成されている。電子部品は、ワイヤ・ボンディングやハンダ付けなどにより前記回路に接続される構造となっている。
【0004】
したがって、電子部品の発熱は、高い伝熱性を有する金属ベ−スを介して放熱させることができ、高密度実装を行わせることができる。
【0005】
しかし、かかる構造では、電子部品の発熱が、絶縁層を介することで金属ベ−スに伝熱されるため、放熱性がその分低下し、高密度実装にも限界があった。
【0006】
一方、電子部品を金属ベースに直付けするには、切削、研削等の機械加工やレーザー加工を用いて絶縁層を除去し、金属ベースを部分的に露出させる必要があった。
【0007】
しかし、機械加工やレーザー加工では、加工費が高くなり、傷発生等の問題を招く恐れもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−228056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、電子部品の発熱が、絶縁層を介することで金属ベ−スに伝熱されるため、放熱性がその分低下し、高密度実装の進展にも限界があり、反面、機械加工やレーザー加工により絶縁層を除去して電子部品を金属ベースに直付けする場合には、加工費が高くなり、傷発生等の問題を招く恐れがあった点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、電子部品を金属ベ−スに直付けして放熱性を高め、より高密度実装を可能としながら、安価に加工でき、傷発生等を抑制するために、絶縁層を介して回路用の金属箔を備えた金属ベースの一側面に、前記絶縁層及び金属箔の無い電子部品搭載部を形成する金属ベース回路基板の製造方法であって、前記金属ベースの他側面から肉厚方向の途中までパンチを打ち込み該金属ベースの一側面にダイの穴内へ押し込まれ少なくとも先端周縁部断面が湾曲形状の凸部を半抜き形成して前記絶縁層を打ち抜く凸部形成工程と、前記打ち抜かれた絶縁層を前記凸部の湾曲形状を利用して剥離除去し凸部先端を露出させる剥離工程と、前記凸部をプレス成型して前記電子部品搭載部を形成する搭載部形成工程とを備えたことを金属ベース回路基板の製造方法の主要な特徴とする。
【0011】
前記金属ベース回路基板の製造方法により製造される金属ベース回路基板であって、前記絶縁層を介して回路用の金属箔を備えた金属ベースの一側面に、前記絶縁層及び金属箔の無い電子部品搭載部を備えたことを金属ベース回路基板の主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の金属ベース回路基板の製造方法では、パンチの打ち込みによる凸部の半抜き形成により、絶縁層を打ち抜くことができる。
【0013】
この打ち抜きにより、前記凸部の少なくとも先端周縁部の断面の湾曲形状を利用して打ち抜かれた絶縁層を容易に剥離除去させることができる。
【0014】
この剥離後に、電子部品を金属ベースに直付け可能とする電子部品搭載部を、プレスとにより容易に形成することができる。
【0015】
このように、電子部品搭載部を、打ち込みとプレスとにより形成するため、機械加工やレーザー加工が不要となり、安価に加工することができ、傷発生等を抑制することができる。
【0016】
この電子部品搭載部に電子部品を直付けすることで電子部品の発熱を電子部品搭載部へ直接伝熱させることができ、放熱性を高めることができ、高密度実装を進展させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】金属ベース回路基板にLEDを実装した要部平面図である。(実施例1)
【図2】金属ベース回路基板にLEDを実装した要部断面図である。(実施例1)
【図3】金属ベース回路基板の要部断面図である。(実施例1)
【図4】(a)は、凸部形成工程及び剥離工程を示す断面図、(b)は、搭載部形成工程を示す断面図である。(実施例1)
【図5】電子部品搭載部の高さ調整を示す断面図である。(実施例1)
【図6】絶縁層及び銅箔の剥離を示す断面図である。(実施例1)
【図7】絶縁層及び銅箔の剥離を示す断面図である。(実施例1)
【図8】金属ベース回路基板の要部断面図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0018】
電子部品を金属ベ−スに直付けして放熱性を高め、高密度実装の進展を可能としながら、安価に加工でき、傷発生等を抑制するという目的を、絶縁層を介して回路用の金属箔を備えた金属ベースの凸部の半抜き形成による絶縁層の打ち抜きと凸部のプレスとにより実現した。
【実施例1】
【0019】
[金属ベース回路基板]
図1は、金属ベース回路基板にLEDを実装した要部平面図、図2は、金属ベース回路基板にLEDを実装した要部断面図、図3は、金属ベース回路基板の要部断面図である。
【0020】
図1〜図3のように、金属ベース回路基板1は、後述の製造方法により製造され、例えばアルミニウム製或いはアルミニウム合金製の金属ベース3の一側面に、絶縁層5を介し回路用の金属箔として銅箔パターン7を備えている。この金属ベース3は、前記絶縁層5及び銅箔パターン7の無い電子部品搭載部9を備えている。この電子部品搭載部9は、平坦な底部の搭載面9a及び傾斜した側壁部9bを有して断面が凹状に形成されている。
【0021】
電子部品搭載部9の周囲には、捨て銅箔11が周回状に形成されている。この捨て銅箔11は、絶縁層5の打ち抜きを容易にするために残ったものであり、回路は構成しない。但し、捨て銅箔11をアース回路等として利用することもできる。
【0022】
電子部品搭載部9には、搭載面9aの中央部に電子部品として例えばLED13が導電性ペースト(銀粉+エポキシ樹脂)等により取り付けられている。LED13は、ワイヤ・ボンディングなどにより形成された金属ワイヤ15により回路用の銅箔パターン7に接続されている。
【0023】
このようにLED13が電子部品搭載部9に直付けされることでLED13の発熱を電子部品搭載部9へ直接、効率よく伝熱させることができる。
【0024】
また、LED13が凹状の電子部品搭載部9内部に配置されることでLED13の保護を行わせることができ、金属ベース3上への突出も規制することができる。
【0025】
LED13を保護するためにシリコーン樹脂14等をポッティングするとき、電子部品搭載部9が凹状であるため、ダム効果により樹脂流れを抑制することができ、確実なコーティングを行わせることができる。
[金属ベース回路基板の製造方法]
図4(a)は、凸部形成工程及び剥離工程を示し、(b)は、搭載部形成工程を示す断面図である。
【0026】
本発明実施例の金属ベース回路基板の製造方法は、絶縁層5を介して回路用の銅箔パターン7を備えた金属ベース3の一側面に、前記絶縁層5及び銅箔パターン7の無い電子部品搭載部9を形成するものであり、凸部形成工程S1と、剥離工程S2と、搭載部形成工程S3とを備えている。
【0027】
図4(a)の金属ベース3の一側面には、半抜き形成前、全面の絶縁層5を介して回路用の銅箔パターン7が備えられる他、と打ち抜かれる対象の金属箔として、前記絶縁層5の打ち抜きを補助するダミーの銅箔パターン21が円形状に備えられている。
【0028】
なお、絶縁層5及び銅箔パターン7,21の形成は、例えば、次のようにして行う。すなわち、半硬化状態の絶縁材の一方の面に金属ベース3を配置し、他方の面に銅箔を配置し、積層プレスにより一体化し、銅張り積層構造とし、この銅箔面をエッチングにより所望の銅箔パターン7,21を形成する。
【0029】
図4(a)のように、凸部形成工程S1では、例えば丸棒状のパンチ16と穴17を備えたダイ19とが用いられる。パンチ16と穴17との間のクリアランスは、例えば2.5%以下に設定している。但し、このクリアランスは、他の設定にすることもできる。
【0030】
この凸部形成工程S1では、先ずダイ19上に金属ベース3を配置、固定する。このときダミーの銅箔パターン21の中心がダイ19の穴17の中心となるように位置決められる。
【0031】
次いで、金属ベース3の他側面から肉厚方向の途中までパンチ16が打ち込まれ該金属ベース3の肉をダイ19の穴17内へ押し込む。
【0032】
この押し込みによりダイ19の穴17内に凸部23が半抜き形成され、金属ベース3の他側面に打ち込み凹部25が形成される。凸部23の半抜き形成により、ダミーの銅箔パターン21の有る箇所で絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部が打ち抜かれる。
【0033】
このとき、ダミーの銅箔パターン21により凸部23の周囲に捨て銅箔11が残り、絶縁層5の部分的な打ち抜きを補助し、打ち込みを容易にしている。
【0034】
パンチ16の押し込み量は、本実施例において金属ベース3の板厚の半分程度にしている。但し、押し込み量は、他の設定にすることもできる。
【0035】
剥離工程S2は、前記パンチ16と穴17との間のクリアランスの設定、パンチ16の押し込み量の設定により実施され、パンチ後の金属ベース3をダイ19から引き上げ、凸部23をダイ19の穴17から引き抜くことで実行される。
【0036】
すなわち、凸部23には、前記パンチ16による押し込みにより先端周縁部23aの断面が湾曲形状に形状変化し、抜きカス27の周縁が凸部23の先端周縁部23aから剥がれる。
【0037】
この剥がれにより凸部23をダイ19の穴17から引き抜くとき、抜きカス27の周縁が穴17の内周に係合し、抜きカス27が自動的に引き剥がされる。
【0038】
引き剥がされた抜きカス27は、ダイ19の穴17に接続した吸引装置などにより吸引することができる。
【0039】
こうして、剥離工程S2では、絶縁層5及び銅箔パターン21の一部である抜きカス27を前記凸部23の湾曲形状の周縁部23aを利用して剥離除去し、凸部23先端を露出させる。
【0040】
図4(b)のように、搭載部形成工程S3では、例えば平板状のパンチ29とコーン部31を備えたダイ33とが用いられる。
【0041】
図4(a)の凸部形成工程S1及び剥離工程S2を経て先端を露出させた金属ベース3の凸部23を、図4(b)のようにパンチ29及びダイ33によりプレス成型して前記絶縁層5及び銅箔パターン7,21の無い断面が凹状の電子部品搭載部9を形成する。
【0042】
凸部23をパンチ29及びダイ33によりプレス成型したとき、肉は図2矢印のように他側面側へ移動して打ち込み凹部25内へ戻され、打ち込み凹部25が浅くなる。また、一側面へ盛り上がるようにも肉が移動し、捨て銅箔11は、図2のように外周側へ下降傾斜する。
【0043】
図5は、電子部品搭載部の高さ調整を示す断面図である。
【0044】
図2で示す一側面及び他側面の両方向への肉移動のバランスは、搭載部形成工程S3において、図5のようなパンチ29及びダイ35により調整することができる。すなわち、ダイ35には、金属ベース3に形成された打ち込み凹部25内に入る調整凸部37が形成され、この調整凸部37の高さ設定により前記双方向の肉移動のバランスを調整することができる。
【0045】
前記凸部形成工程S1において、凸部23の先端周縁部23aの断面湾曲形状の度合いは、パンチ16の径及びダイ19の穴17の径の選択及びパンチの押し込み量の選択により調整できる。
【0046】
図6、図7は、絶縁層及び銅箔の剥離を示す断面図である。
【0047】
図6の例では、径の小さなパンチにより打ち込み凹部25Aを形成して凸部23Aの先端を半球状とし、先端周縁部23Aaを形成した。この半球状の凸部23Aでは、凸部23Aを形成するだけで絶縁層5及び銅箔パターン21Aの抜きカス27Aが完全に剥がれる。
【0048】
図7の例では、径の大きなパンチにより打ち込み凹部25Bを形成して凸部23Bの先端周縁部23Baの断面にコーナーアールを備え、凸部23Bを扁平な台状に形成する。この台状の凸部23Bでは、絶縁層5及び銅箔パターン21Bの抜きカス27Bの周縁部のみが剥がれる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1では、絶縁層5を介して回路用の銅箔パターン7を備えた金属ベース3の一側面に、前記絶縁層5及び銅箔パターン7の無い電子部品搭載部9を形成する金属ベース回路基板1の製造方法であって、前記金属ベース3の他側面から肉厚方向の途中までパンチ16を打ち込み該金属ベース3の一側面にダイ19の穴17内へ押し込まれ先端周縁部23aの断面が湾曲形状の凸部23を半抜き形成して前記ダミーの銅箔パターン21の有る箇所で絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部を打ち抜く凸部形成工程S1と、前記打ち抜けかれた絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部である抜きカス27を前記凸部23の湾曲形状を利用して剥離除去し凸部23先端を露出させる剥離工程S2と、前記凸部23をプレス成型して前記電子部品搭載部9を形成する搭載部形成工程S3とを備えた。
【0049】
このため、パンチ16の打ち込みによる凸部23の半抜き形成により、ダミーの銅箔パターン21の有る箇所で絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部を打ち抜くことができる。
【0050】
この打ち抜き後に、絶縁層5及びダミーの銅箔パターン21の一部である抜きカス27を凸部23の先端周縁部23aの断面の湾曲形状を利用して容易に剥離除去させることができる。
【0051】
この剥離後に、LED13を金属ベース3に直付け可能とする電子部品搭載部9をプレスにより容易に形成することができる。
【0052】
このように、電子部品搭載部9を、打ち込みとプレスとにより形成するため、機械加工やレーザー加工が不要となり、安価に加工することができ、電子部品搭載部9での傷発生等を抑制することができる。
【0053】
この電子部品搭載部9にLED13を直付けすることでLED13の発熱を電子部品搭載部9へ直接伝熱させることができ、放熱性を高めることができ、高密度実装を進展させることができる。
【0054】
前記金属ベース3は、前記絶縁層5の打ち抜きを補助するダミーの銅箔パターン21を備えた。
【0055】
このため、捨て銅箔11を形成して絶縁層5の打ち抜きを補助し、打ち抜きを容易に行わせることができる。
【0056】
前記凸部形成工程S1は、前記パンチ16の径及びダイ19の穴17の径の選択及びパンチ16の押し込み量の選択により前記凸部23の先端を半球状又は先端周縁部23Baの断面にコーナーアールを備えた台状に形成する。
【0057】
このため、抜きカス27Aを完全に剥がし、或いは抜きカス27Bの周縁部のみを剥がすことができる。
【0058】
前記搭載部形成工程S3は、前記電子部品搭載部9を凹状に形成した。
【0059】
このため、LED13が凹状の電子部品搭載部9内部に配置されることでLED13の保護を行わせることができ、金属ベース3上への突出も規制することができる。
【0060】
電子部品搭載部9は、平坦な底部の搭載面9a及び傾斜した側壁部9bからなり、搭載面9aに搭載されたLED13と一側面の銅箔パターン7とのワイヤ15による接続を側壁部9bの傾斜を利用して容易に行わせることができる。
【0061】
電子部品搭載部9は、凹状に形成されているため、LED13から発行する光を傾斜した側壁部9bで矢印Aのように前面に反射させることができ、照度アップを期待することができる。
【0062】
前記搭載部形成工程S3は、前記他側面に前記パンチ16の打ち込みにより形成された打ち込み凹部25内に前記凸部23側の肉を戻しつつ電子部品搭載部9を凹状に形成した。
【0063】
このため、電子部品搭載部9の深さの設定を自由に行わせることができる。
【実施例2】
【0064】
図8は、実施例2に係り、金属ベース回路基板の要部断面図である。
【0065】
本実施例では、凸部形成工程S1と、剥離工程S2と、搭載部形成工程S3とを備えることは、実施例1と同様であり、搭載部形成工程S3において、電子部品搭載部9Cを平坦状に形成した。電子部品搭載部9Cの平坦な搭載面9Caは、捨て銅箔11と一体化し、銅箔パターン7の上面と同高さに設定されている。電子部品搭載部9Cにおいて絶縁層5の抜き穴周縁5aは、他側面側へ向けて変形し、金属ベース3Cの肉内に食い込んでいる。
【0066】
この搭載部形成工程S3では、金属ベース3Cの他側面にパンチ16の打ち込みにより形成された打ち込み凹部25C内に前記凸部23(図4参照)側の肉を戻しつつ電子部品搭載部9Cを平坦状に形成する。肉の戻し量の設定は、図5のようにして行うことができる。
【0067】
電子部品搭載部9Cの平坦な搭載面9Caにより、高発熱性半導体、例えばパワースイッチング素子等のベアーチップを金属ベース3Cに広い範囲で直付けし、効率よく放熱させることができる。
[その他]
上記各実施例において、絶縁層5、銅箔パターン7、ダミーの銅箔パターン21、捨て銅箔11及び電子部品搭載部9は、金属ベース3の両面に設けることもできる。
【0068】
上記銅箔パターン21の有る箇所で絶縁層5の一部を打ち抜く方法に代えて、銅箔パターン7,21の無い箇所で絶縁層5の一部を打ち抜く方法にすることもできる。
【0069】
抜きカス27,27A,27B等の引き剥がしは、凸部23等をダイ19の穴17から引き抜いた後に行わせることもできる。
【符号の説明】
【0070】
1 金属ベース回路基板
3,3C 金属ベース
5 絶縁層
7 回路用の銅箔パターン(金属箔)
9,9C 電子部品搭載部
11 捨て銅箔
13 LED(電子部品)
17 ダイの穴
19 ダイ
21 ダミーの銅箔パターン
23,23A,23B 凸部
25,25C 打ち込み凹部
27,27A,27B 抜きカス(絶縁層及び金属箔の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層を介して回路用の金属箔を備えた金属ベースの一側面に、前記絶縁層及び金属箔の無い電子部品搭載部を形成する金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記金属ベースの他側面から肉厚方向の途中までパンチを打ち込み該金属ベースの一側面にダイの穴内へ押し込まれ少なくとも先端周縁部の断面が湾曲形状の凸部を半抜き形成して前記絶縁層を打ち抜く凸部形成工程と、
前記打ち抜かれた絶縁層を前記凸部の湾曲形状を利用して剥離除去し凸部先端を露出させる剥離工程と、
前記凸部をプレス成型して前記電子部品搭載部を形成する搭載部形成工程と、
を備えたことを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記金属ベースは、前記絶縁層の打ち抜きを補助するダミーの金属箔を有する、
ことを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記凸部形成工程は、前記パンチの径及びダイの穴の径の選択及びパンチの押し込み量の選択により前記凸部の先端を半球状又は先端周縁部の断面にコーナーアールを備えた台状に形成する、
ことを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記搭載部形成工程は、前記電子部品搭載部を凹状又は平坦状に形成した、
ことを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のずれかに記載の金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記搭載部形成工程は、前記他側面に前記パンチの打ち込みにより形成された打ち込み凹部内に前記凸部側の肉を戻しつつ電子部品搭載部を凹状又は平坦状に形成した、
ことを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の金属ベース回路基板の製造方法により製造される金属ベース回路基板であって、
前記絶縁層を介して回路用の金属箔を備えた金属ベースの一側面に、前記絶縁層及び金属箔の無い電子部品搭載部を備えた、
ことを特徴とする金属ベース回路基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate