釣り補助具
【課題】惹き寄せられた獲物が捕食することで「あたり」を感じた後で、「合わせ」の操作を行った際に、獲物に針掛りする前に逃げられることを防止し、確実に獲物を針掛りして、釣り上げることができる釣り補助具の提供を目的とする。
【解決手段】釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、該引掛け部分への引掛けを許容する獲物引掛け許容部12A,12Bを釣り補助具本体11A,11Bに備え、上記獲物引掛け許容部12A,12Bの表面に、ループ状であるループ状引掛け毛16を複数植設した。
【解決手段】釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、該引掛け部分への引掛けを許容する獲物引掛け許容部12A,12Bを釣り補助具本体11A,11Bに備え、上記獲物引掛け許容部12A,12Bの表面に、ループ状であるループ状引掛け毛16を複数植設した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、釣り用のルアーをはじめとして、獲物が逃げないように留めておくことのできる釣り補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ルアーフィッシングにおいて、釣り人は、ルアーを水中、或いは水面において進行させ、このようなルアーに惹き寄せられた獲物である魚が、ルアーを捕食することで、「あたり」を感じることになる。これにより釣り人は、ロッド、すなわち竿をしゃくるなどの「合わせ」という操作を行うことで、魚の口等に釣り針を掛かけて魚を釣り上げることができる。
【0003】
しかし、実際には、魚は、一旦、ルアーを捕食しても少しでも違和感を感じると水と一緒に釣り針ごと吐き出す場合や、警戒してルアーを完全に捕食せず、単にルアーを口先で突いているだけの場合がある。
【0004】
このため、従来では、釣り人が「あたり」を感じても「合わせ」のタイミングがずれると、魚の口に釣り針を引掛けることができず、魚を逃がしてしまうことが多いという問題があった。
【0005】
このような問題は、例えば、投げ釣りの場合には、糸ふけ、すなわち、糸の弛みが生じ易く、大きくロッドをしゃくる必要があり、高度な「合わせ」の技術を要することになるため、より顕著になる。また、石鯛のように口の固い魚を釣る場合には、特に、釣り針が歯に掛かり難く、経験者でも「合わせ」の操作を上手く行うことは特に困難であった。
【0006】
上述したように「あたり」を感じても、魚を逃がしてしまうという問題に対して、対策が施されたルアーが提案されている。例えば、特許文献1に開示の魚釣り用ルアーもその1つである。
【0007】
特許文献1に開示の魚釣り用ルアーは、該ルアーを魚が捕食したとき、柔らかい食感を与える程度に軟質である軟質材のコーティング層を表面に形成した構成である。
上述した特許文献1に開示の魚釣り用ルアーは、表面を軟質に形成することで、ルアーを捕食した魚に与える食感が本物の餌でないことに気付くタイミングを遅らせることができるという効果を期待して構成したものである。すなわち、上記ルアーは、釣り人が「あたり」を感じてから「合わせ」の操作をするまでの間を確保して、魚が逃げ去る前に針掛けして釣り上げることができるというものである。
【0008】
しかし、捕食した魚に与える食感が本物の餌でないことに気付くタイミングをある程度遅らせることができても、反応が早い魚を釣る場合であれば、針掛けを行う前に、違和感を感じて逃げてしまう。また、単に表面を軟質にしても、本物の餌の感触と同じとは限らず、食感以外にも臭いなどが本物の餌と異なる場合には、魚に警戒心を抱かせる要因となり、さらなる改良が必要であると言わざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平09−248096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこでこの発明は、惹き寄せられた獲物による「あたり」を感じた後で、「合わせ」の操作を行った際に、獲物に針掛けする前に逃げられることを防止し、獲物を確実に釣り上げることができる釣り補助具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、該引掛け部分への引掛けを許容する獲物引掛け許容部を釣り補助具本体に備え、上記獲物引掛け許容部の表面に、ループ状であるループ状引掛け毛を複数植設したことを特徴とする。
【0012】
以下の説明において、特に示す場合を除いて例えば、釣り補助具をルアーであるとするとともに、獲物を魚であるとして説明する。
上述したように、上記獲物引掛け許容部の表面に、ループ状引掛け毛を複数植設することにより、魚がルアーを捕食したとき、ループ状引掛け毛は、ループ状であるため、ループ状引掛け毛に魚の歯が引掛かり易くなるといえる。
【0013】
これにより、獲物である魚をある程度の時間留めておくことができ、魚がルアーを吐き出そうとしている間に、「合わせ」のためのタイミングを十分に確保することができ、確実に魚を釣り上げることができる。
【0014】
上記獲物とは、例えば、魚類、甲殻類、頭足類、貝類を含む魚介類を挙げることができ、具体的には、魚類の他に、海老、カニ、イカ、貝などを含む。
【0015】
上記「上記釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、」とは、例えば獲物が魚類である場合、例えば、歯や、鱗、鰭を挙げることができ、頭足類の場合、吸盤であり、その他、甲殻類の場合には、触覚や脚、さらには、殻の表面の突起であり、貝類の場合、貝殻を示す。
【0016】
上記獲物引掛け許容部は、釣り補助具本体とは別部材で構成した獲物引掛け許容手段として構成してもよい。この場合、獲物引掛け許容手段は、少なくとも一方の面を、複数の上記ループ状引掛け毛を植設した構成とし、他方の面を上記釣り補助具本体に対して固着することができる。
【0017】
上記獲物引掛け許容手段は、例えば、一対の面ファスナのうち、一方を構成する雌型面ファスナなど、シート体の基布にループ状の毛を植設した構成とすることができる。
【0018】
これら上記獲物引掛け許容手段を上記釣り補助具本体に対して固着する手段としては、例えば、接着剤やテープにより接着したり、熱溶着するなど、特に限定しない。
【0019】
また、上記獲物引掛け許容部は、複数の上記ループ状引掛け毛を、釣り補助具本体の表面に直接植設した獲物引掛け許容領域として構成としてもよい。すなわち、上記獲物引掛け許容領域は、上記釣り補助具本体の少なくとも一部において、複数の上記ループ状引掛け毛を直接植設した領域として構成することができる。
【0020】
さらにまた、上記獲物引掛け許容部は、上記釣り補助具本体に対して1箇所に限らず、複数箇所、或いは、外周全体に備えてもよく、また、様々な形状で備えることができる。
【0021】
この発明の態様として、上記獲物引掛け許容部の近傍に釣り針を備えることができる。
【0022】
例えば、釣り補助具がルアーであるとともに、獲物が魚である場合を例にとり説明すると、上述したように、獲物である魚がルアーを捕食したとき、ループ状引掛け毛を魚の歯に引掛けることができる。
【0023】
これにより、魚がルアーを水ごと釣り針と一緒に吐き出して逃げないように、ある程度の時間留めておくことができ、その間に、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作を行うことで、上記獲物引掛け許容部の近傍に備えた釣り針をしっかりと魚の口等に引掛けることができる。
なお、魚の口等とは、魚の口をはじめ、魚の口以外の例えば、魚の体の一部をも含む。
【0024】
このように、釣り針を魚の口に確実に引掛けることができるため、魚を釣り上げる際に、逃してしまうことがなく、確実に釣り上げることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の前端部よりも少なくとも後方側に備えることができる。
【0026】
上述した構成によれば、魚がルアーを後方側から捕食した場合に、より一層、確実に魚を逃がしてしまうことなく釣り上げることができるという効果を得ることができる。
【0027】
詳しくは、ルアーの進行方向の前方部分は、直接的、或いは、間接的に道糸と接続されているため、魚は、ルアーを後方側から捕食することが多い。このため、上述したように、上記釣り針を、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の前端部よりも少なくとも後方側に備えた構成とすることで、魚がルアーを後方側から捕食したとき、魚の口内において、上記釣り針を上記獲物引掛け許容部の前端部よりも奥側に位置させることができる。
【0028】
これにより、魚の口内において、万が一にもループ状引掛け毛に引掛かった魚の歯が外れた場合においても、魚が捕食したルアーを釣り針ごと吐き出して逃がしてしまうことなく、「合わせ」の操作により、魚の口等に対して釣り針を確実に引掛けることができ、より一層、確実に魚を釣り上げることができる。
【0029】
またこの発明の態様として、上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の上端部よりも少なくとも下側に備えることができる。
【0030】
上述した構成によれば、魚がルアーを下方側から捕食した場合に、より一層、確実に魚を逃がしてしまうことなく釣り上げることができるという効果を得ることができる。
【0031】
詳しくは、上述した構成によれば、魚がルアーを下方側から捕食した場合に、魚の口内において、上記釣り針を上記獲物引掛け許容部の上端部よりも奥側に位置させることができる。これにより、魚の口内において、万が一にもループ状引掛け毛に引掛かった魚の歯が外れた場合においても、魚が捕食したルアーを釣り針ごと吐き出して逃がしてしまうことなく、「合わせ」の操作により、魚の口等に対して釣り針を確実に引掛けることができ、より一層、確実に魚を釣り上げることができる。
【0032】
またこの発明の態様として、上記ループ状引掛け毛を、該ループ状引掛け毛のループ開口方向が上記釣り補助具本体の進行方向に一致させて上記獲物引掛け許容部の表面に植設することができる。
【0033】
上記釣り補助具本体としてのルアーの進行方向の前方部分は、直接的、或いは、間接的に道糸と接続されているため、魚は、ルアーを後方側から捕食することが多い。このため、上述したように構成とすることで、魚が捕食したルアーを吐き出そうとしたとき、そのルアーを吐き出す方向と、ループ状引掛け毛のループ開口方向とがいずれもルアーの進行方向で一致することになり、ループ状引掛け毛を魚の歯に、より一層、確実、且つ、容易に引掛かることができる。
よって、魚を逃がすことなく確実に釣り上げることができる。
【0034】
またこの発明の態様として、道糸の先端側からハリスを介して釣り針を接続し、
上記道糸の先端側を基点として上記釣り針が届く範囲内に上記獲物引掛け許容部を備えることができる。
【0035】
魚がルアーを捕食したとき、上述したように、ループ状引掛け毛が魚の歯などの引掛け部分に引掛けることができるため、魚を逃げないように、ある程度の時間留めておくことができる。ここで、上述したように、上記獲物引掛け許容部を、上記道糸の先端を基点として上記釣り針が届く範囲内に備えることで、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作により、釣り針を魚の体の一部に引掛けることができる。
【0036】
またこの発明の態様として、上記釣り補助具本体を、上記釣り針よりも下方に配置させた状態で道糸の先端側に接続することができる。
【0037】
上述したように、釣り補助具本体を、上記釣り針よりも下方に配置させることにより、蟹や海老などの獲物が、釣り針に取り付けた餌やルアーに惹き寄せられたとき、上記釣り針よりも下方に配置した上記釣り補助具本体に載り上がるなどして接触する。
【0038】
これにより、上記釣り補助具本体に備えた獲物引掛け許容部に有するループ状引掛け毛を、蟹や海老などの獲物における例えば、殻の表面に有する突起などの引掛け部分に引掛けることができる。
【0039】
例えば、獲物が海老である場合、海老の触覚、脚、或いは、甲羅の突起がループ状引掛け毛に引掛かるため、海老が逃げようとして後方に退こうとしても、海老を、上記道糸の先端側を基点として上記釣り針が届く範囲内に留めておくことができる。
【0040】
よって、針掛けのタイミングを確保することができ、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作により、確実に海老や蟹の胴体などに針掛けして釣り上げることができる。
【0041】
またこの発明の態様として、上記釣り補助具本体を、疑似餌として形成することができる。
【0042】
上述した構成により、上記釣り補助具本体自体に獲物を惹き寄せることができることができ、魚は、ループ状引掛け毛を複数植設した上記獲物引掛け許容部を備えた上記釣り補助具本体を直接、飲み込むなどして捕食することになり、ループ状引掛け毛を魚の歯などの引掛け部材に確実、且つ、しっかりと引掛けることができる。
【0043】
疑似餌には、魚類型、昆虫型、或いは、イカ釣りに用いる餌木として構成することができる。或いは、スプーンやスピナーベイト等も含む。
【0044】
またこの発明の態様として、上記疑似餌を、長尺状に形成し、長さ方向に伸縮自在に形成することができる。
【0045】
上述した構成によれば、獲物である魚がルアーを捕食したとき、たとえ、釣り針を含まないルアーの長さ方向の末尾部分のみを捕食した場合であったとしても、ループ状引掛け毛に歯が引掛かるため、魚が逃げないように、ある程度の時間留めておくことができる。さらに、魚は、逃げようとする過程で口を開閉しながらルアーの長さ方向の先端部分までさらに捕食しようとする。これにより、ルアーが長さ方向に収縮変形し、これに伴って、魚は、ルアーを、釣り針を含めた先端部分まで確実に捕食することができる。よって、魚の口等に釣り針を確実に引掛けることができる。
【0046】
またこの発明の態様として、上記引掛け部分は、魚類系の獲物の歯であり、上記ループ状引掛け毛を、上記歯への引掛けを許容する大きさのループ形状で形成し、上記疑似餌を、上記獲物が最大に開いた口の大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成することができる。
【0047】
上述した構成により、魚類系の獲物がルアーを捕食したとき、魚類系の獲物の口が最大に開いた状態で上記疑似餌を飲み込ませることができる。これにより、魚類系の獲物の歯と上記疑似餌との接触部分が大きくなり、より複数のループ状引掛け毛を歯に引掛かけることができる。
よって、魚類系の獲物が逃げないように留めておくことができ、釣り針に引掛けなくとも、複数のループ状引掛け毛を歯に引掛かけた状態で魚を釣り上げることも可能となる。
【0048】
ここで、「上記獲物が最大に開いた口の大きさと略同じ大きさ」とは、獲物が開くことができる口の大きさの最大の大きさを示す。
【0049】
またこの発明の態様として、釣り針を、サビキ釣りの仕掛け用の釣り針で形成し、上記釣り補助具本体を、上記釣り針に取り付けるシート状疑似餌として形成することができる。
【0050】
上述した構成により、サビキ釣りの際に、ロッドを上下に操作させると、サビキ釣り用の釣り針に取り付けたシート状疑似餌が水中を漂うため、小魚や海老が活発に泳いでいる様子を模して獲物を釣り針に惹き寄せることができる。
【0051】
これにより、シート状疑似餌に惹き寄せられた魚は、釣り針の針先よりもむしろシート状疑似餌を捕食しようとする。このような場合において、シート状疑似餌に複数のループ状引掛け毛を備えることで、シート状疑似餌に備えた複数のループ状引掛け毛を、シート状疑似餌を捕食した魚の歯などに引掛けることができ、魚が逃げないようにある程度の時間留めておくことができる。
【0052】
よって、サビキ釣りの際にロッドを上下動させる操作により、獲物を確実に針掛けして釣り上げることができる。
【0053】
またこの発明の態様として、上記釣り補助具本体を、獲物の把持を補助する獲物把持補助具として構成し、上記獲物引掛け許容部を、上記獲物把持補助具における獲物を把持したときの獲物との接触部分に備えることができる。
【0054】
上記獲物把持補助具は、例えば、獲物把持用バサミ(グリッパ)、手袋、或いは、指サックとして構成することができる。
【0055】
これら構成により、上記獲物把持補助具の少なくとも一部を、例えば、釣り上げた鱸系の獲物の口に差し込んで下顎を摘んだ状態で把持することができる。また、上記獲物把持補助具は、上記獲物引掛け許容部を、獲物との接触部分に備えているため、例えば、鱸系の獲物の口元を摘んだとき、ループ状引掛け毛を鱸系の獲物の歯に引掛けることができ、獲物が滑り落ちることなく、しっかりと把持しておくことができる。その他にも、指を直接、魚の口の中に入れて下顎を摘む場合と異なり、手が汚れたり、臭いが残ることもないという効果も得ることができる。
【発明の効果】
【0056】
この発明によれば、惹き寄せられた獲物による「あたり」を感じた後で、「合わせ」の操作を行った際に、獲物に針掛けする前に逃げられることを防止し、獲物を確実に釣り上げることができる釣り補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1A実施形態のルアーの構成説明図。
【図2】第1B実施形態のルアーの構成説明図。
【図3】第2実施形態のルアーの構成説明図。
【図4】第3実施形態のルアーの構成説明図。
【図5】第4実施形態のルアーの構成説明図。
【図6】第5実施形態のルアーの構成説明図。
【図7】第6実施形態のルアーの構成説明図。
【図8】第7実施形態の海老釣り用仕掛け具の構成説明図。
【図9】第8実施形態の獲物把持補助具の構成説明図。
【図10】他の実施形態に係る獲物把持補助具の構成説明図。
【発明を実施するための形態】
【0058】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第1A実施形態)
第1A実施形態における釣り補助具は、ルアー10Aであり、該ルアー10Aは、図1(a),(b)に示すように、ルアー本体11Aと魚引掛け許容布帛12Aとで構成している。
なお、図1(a)は、第1A実施形態におけるルアー10Aの右側面図であり、図2(b)は、図1(a)中のA−A線断面図であり、図2(c)は、図1(a)中のB−B線断面図である。また、以下で説明するルアー10Aの前後方向をD1とし、ルアー10Aの進行方向をD1Fとする。
【0059】
ルアー本体11Aは、小魚に擬似したミノータイプで構成している。ルアー本体11Aの前方側の下部には、板状のリップ13を前方斜め下側に向けて突設している。ルアー本体11Aの先端部、前後方向の中間部分よりも前方部分、及び、後端部には、取付け環14を固着し、それぞれの取付け環14を、釣糸取付け環14a、第1釣り針取付け環14b、第2釣り針取付け環14cに設定している。
【0060】
釣糸取付け環14aには、道糸100を接続し、第1釣り針取付け環14bには、第1釣り針15aを取り付け、及び、第2釣り針取付け環14cには、第2釣り針15bを取り付けている。
【0061】
魚引掛け許容布帛12Aは、ルアー本体11Aの両側面に、ルアー本体11Aの前後方向における頭部分と胴体部分との境界部分の後方部分から後端部分かけて接着剤で添着している。
【0062】
換言すると、第1釣り針15a、及び、第2釣り針15bは、いずれも魚引掛け許容布帛12Aの近傍に備えている。詳しくは、第1釣り針15a、及び、第2釣り針15bは、いずれもルアー本体11Aの進行方向D1F、より詳しくは、前後方向D1における魚引掛け許容布帛12Aの前端部FPよりも少なくとも後方側部分であるとともに、魚引掛け許容布帛12Aの上端部UPよりも少なくとも下側部分に備えている。特に、第1釣り針15aは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真下側に備えているとともに、第2釣り針15bは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真後側に備えている。
【0063】
なお、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真下側とは、魚引掛け許容布帛12Aよりも下方において、該魚引掛け許容布帛12Aの長さ方向(前後方向D1)の範囲内Lに含まれる位置を示す(図1(a)参照)。
魚引掛け許容布帛12Aに対して略真後側とは、魚引掛け許容布帛12Aよりも後方側において、該魚引掛け許容布帛12Aの幅方向(上下方向)の範囲内Wに含まれる位置を示す(図1(a)参照)。
【0064】
魚引掛け許容布帛12Aは、雌型の面ファスナで形成し、図1(b),(c)に示すように、基布17に対してループ状をした複数のループ状引掛け毛16を起毛した構成である。
魚引掛け許容布帛12Aは、ループ状をした複数のループ状引掛け毛16のそれぞれが様々な方向を向いて開口した繊維状であるが、複数のループ状引掛け毛16のうち、半数以上の複数のループ状引掛け毛16のループ開口方向D2が、ルアー10Aの進行方向D1F、すなわち、前後方向D1に一致するよう植設している(図1(b),(c)参照)。
【0065】
上述したルアー10Aを用いて釣り上げる対象となる獲物として鱸系の魚を例に採り、上述したルアー10Aが奏する作用効果について説明する。
ルアー10Aは、上記釣糸取付け環14aに接続した道糸100によって水中において前方へ引っ張られながら進行する。これにより、水中を進行するルアー10Aに惹き寄せられた魚は、通常、ルアー10Aを後方、或いは、下方から飲み込むようにして釣り針15ごと捕食するのが一般である。
【0066】
魚は、ルアー10Aを飲み込んだ後、少しでも違和感を感じると、飲み込まずに、瞬時に水と一緒に釣り針15ごとルアー10Aを吐き出してしまう。このため、従来のルアーを用いた釣りの場合は、魚がルアーを飲み込むことで釣り人が「あたり」の感触を得たとしても、ロッドをしゃくるなどして、「合わせ」の操作を行う前に、既に魚がルアーを吐き出してしまい、魚を逃がしてしまうことが頻発していた。
【0067】
これに対して、上述したルアー10Aを用いた場合、上述したように、一旦、魚がルアー10Aを飲み込むと、魚引掛け許容布帛12Aに植設した複数のループ状引掛け毛16を、魚の歯に引掛けることができる。これにより、魚が違和感を感じて、水と一緒にルアー10Aを吐き出そうとしても、吐き出すことができず、魚を逃がしてしまうことなく、ルアー10Aを飲み込んだ状態にある程度の時間留めておくことができる。
【0068】
よって、魚がルアー10Aを飲み込んだ状態に留めている間に、釣り人は、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作をとることで、釣り針15を魚の歯に引掛けることができる。よって、「あたり」のあった魚を確実に釣り上げることができる。
【0069】
上述したルアー10Aは、上述した作用、効果に加えて、以下のような作用効果を奏することができる。
上記ルアー10Aは、上述したように第1釣り針15aと第2釣り針15bを、上記ルアー本体11Aの進行方向D1F、より詳しくは、前後方向Dにおける上記魚引掛け許容布帛12Aの前端部FPよりも少なくとも後方側に備えた構成である。このため、ルアー10Aを捕食した魚の歯に引掛けた複数のループ状引掛け毛16が、魚が水中で暴れるなどして、万一にも外れた場合であっても、ルアー10Aを後方側から捕食した魚に対しては、該魚がルアー10Aを口から吐き出して逃がしてしまう前に、第1釣り針15aと第2釣り針15bを魚の歯に引掛けることができ、魚を逃がしてしまうことなく、より一層、確実に釣り上げることができる。
【0070】
詳しくは、上述したように、ルアー10Aの進行方向の前端部は、釣糸取付け環14aを介して道糸100と接続されているため、魚は、ルアー10Aの後方側から捕食することが多い。このため、第1釣り針15aと第2釣り針15bを、ルアー本体11Aの進行方向における魚引掛け許容布帛12Aの前端部FPよりも少なくとも後方側に備えることにより、獲物である魚がルアー10Aを捕食したとき、魚の口内において、第1釣り針15aと第2釣り針15bを魚引掛け許容布帛12Aの前端部よりも奥側に位置させることができる。
【0071】
これにより、魚の歯に引掛かったループ状引掛け毛16が、万が一にも外れた場合でも、魚が捕食したルアー10Aを吐き出そうとする際に、魚の口内において、第1釣り針15aと第2釣り針15bは、魚引掛け許容布帛12Aよりも奥側にあるため、ロッドをしゃくるなどして、「合わせ」の操作を行うことで、魚の口等に第1釣り針15aと第2釣り針15bを引掛けることができ、より確実に魚を釣り上げることができるという効果を奏することができる。
【0072】
特に、第2釣り針15bは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真後側に備えているため、ルアー10Aを後方側から捕食した魚の口内において、第1釣り針15aと比較してより奥側に位置させることができる。
【0073】
よって、魚の歯に引掛かったループ状引掛け毛16が、万が一にも外れた場合でも、第2釣り針15bは、第1釣り針15aと比較してより吐き出し難くなり、ロッドをしゃくったときに魚の口等に対して確実に引掛けることができ、魚をより確実に釣り上げることができる。
【0074】
上記ルアー10Aは、上述したように第1釣り針15aと第2釣り針15bを、上記ルアー本体11Aの進行方向における上記魚引掛け許容布帛12Aの上端部UPよりも少なくとも下方側に備えた構成である。このため、ルアー10Aを捕食した魚の歯に引掛けた複数のループ状引掛け毛16が、魚が水中で暴れるなどして、万一にも外れた場合であっても、ルアー10Aを下側から捕食した魚に対しては、該魚がルアー10Aを口から吐き出して逃がしてしまう前に、第1釣り針15aと第2釣り針15bを魚の口等に引掛けることができ、魚を逃がしてしまうことなく、より一層、確実に釣り上げることができる。
【0075】
特に、第1釣り針15aは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真下側に備えているため、ルアー10Aを下側から捕食した魚の口内において、第2釣り針15bと比較してより奥側に位置させることができる。
【0076】
よって、魚の歯に引掛かったループ状引掛け毛16が、万が一にも外れた場合でも、第1釣り針15aは、第2釣り針15bと比較してより吐きだし難くなり、ロッドをしゃくったときに魚の口等に対して確実に釣り針を引掛けることができ、魚をより確実に釣り上げることができる。
【0077】
また、上記ループ状引掛け毛16を、ループ開口方向D2が上記釣り補助具本体の進行方向D1F、すなわち、前後方向D1に一致させて上記魚引掛け許容布帛12Aの表面に植設しているため、魚の歯にループ状引掛け毛16を、より確実に、且つ、よりしっかりと引掛けることができる。よって「あわせ」の操作を行うための十分なタイミングを確保することができ、魚を逃がすことなく釣り上げることができる。
【0078】
詳しくは、上述したように、ルアー10Aの進行方向の前端部は、釣糸取付け環14aを介して道糸100と接続されているため、魚は、ルアー10Aの後方側から捕食することが多い。このため、上述した構成とすることで、魚が捕食したルアー10Aを吐き出そうとしたとき、そのルアー10Aを吐き出す方向D1Fと、ループ状引掛け毛16のループ開口方向D2とを一致させることができ、ループ状引掛け毛16を、魚の歯に格段に引掛け易くなる。
よって、上記ルアー10Aは、より確実に魚を逃がすことなく釣り上げることができる。
【0079】
以下では、他の実施形態における釣り補助具について説明する。
但し、以下で説明する釣り補助具の構成のうち、上述した第1A実施形態におけるルアー10Aと同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。さらに、上述した実施形態の説明においても、特に示す場合を除いて釣りの対象となる獲物は、鱸系の魚として説明するものとする。
【0080】
(第1B実施形態)
第1B実施形態におけるルアー10Bは、図2(a),(b)に示すように、ルアー本体11Bに、複数の上記ループ状引掛け毛16を直接植設した獲物引掛け許容領域12Bを構成することができる。
なお、図2(a)は、第1B実施形態におけるルアー10Bの右側面図であり、図2(b)は、図2(a)中のA−A線断面図である。
【0081】
詳しくは、獲物引掛け許容領域12Bは、ルアー本体11Bにおいける頭部を除く全体部分であり、合成樹脂製のルアー本体11Bの表面から複数のループ状引掛け毛16を直接、植毛した構成である。
【0082】
上述したルアー10Bは、例えば、ルアー本体11Bを樹脂成形により製造する際に、該ルアー本体11Bの成形材料となる樹脂に上記ループ状引掛け毛16の素材である繊維を練り込んで、ルアー本体11Bの表面から複数の上記ループ状引掛け毛16が起毛するように製造することができる。
【0083】
上述したルアー10Bは、獲物引掛け許容領域12Bにおいて、ルアー本体11Bに、複数のループ状引掛け毛16を直接植設した構成であるため、複数のループ状引掛け毛16のそれぞれのルアー本体11Bとの一体性が増し、耐久性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0084】
さらに、ルアー10Bは、獲物引掛け許容領域12Bをルアー本体11Bの胴体部分の周方向全体に亘って形成しているため、魚が後方から飲み込むに限らず、側方から飲み込んでも、ループ状引掛け毛16を歯に確実に引掛けることができるという効果も得ることができる。
【0085】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるルアー20は、図3に示すように、ルアー本体21をワームとして形成し、ルアー本体21の表面に、複数のループ状引掛け毛16を直接、植設した構成である。
なお、図3(a)は、第2実施形態におけるルアー20の右側面図であり、図3(b)は、図3(a)中のA−A線断面図である。
【0086】
詳しくは、ルアー本体21は、常温でもゲル状である柔軟性を有した樹脂材料を長尺状に形成し、長さ方向における前端部、及び、後端部を除いた部分に、長さ方向に沿って複数の節部29を配設した節形成部27を形成している。
【0087】
ルアー本体21は、節形成部27、及び、後端部28を、獲物引掛け許容領域22として、複数のループ状引掛け毛16を表面に植設している。複数のループ状引掛け毛16は、その半分以上の割合をそれぞれループ開口方向D2が長尺状をしたルアー本体21の長さ方向D1に一致させて獲物引掛け許容領域22に植設している。
【0088】
上述したワーム型のルアー本体21は、ルアー20の進行方向D1Fに沿って略真直ぐになるよう長さ方向D1の前方部分を釣り針15に係止している。
【0089】
上述したルアー20を水中において進行させると、釣り針15に係止した部分よりも後方側の釣り針15に係止されていない部分は、水中で揺動しながら漂いながら進行する。このようなルアー20の動きは、小魚が活発に泳ぐ動きに擬似するため、魚を惹き寄せることができ、魚は、例えば、後方からルアー20を飲み込む。
【0090】
ルアー20は、上述した獲物引掛け許容領域22において、複数のループ状引掛け毛16を植設しているため、ループ状引掛け毛16を確実に魚の歯に引掛けることができる。従って、上述したルアー10A,10Bと同様に、一度、「あたり」のあった魚を逃がしてしまうことなく、確実に針掛けて釣り上げることができる。
【0091】
特に、ルアー20を後方から飲み込もうとした魚が、ルアー20における釣り針15の手前の後方部分28までしか飲み込まなくても、ループ状引掛け毛16を魚の歯に引掛けることができるため、ルアー20を飲み込んだ魚が、ルアー20を吐き出すことを防ぐことができる。さらに、ルアー20は、柔軟であり伸縮性を有するため、ルアー20の後方部分28を飲み込んだ魚が、ルアー20を吐き出そうと口を開閉することで、柔軟なルアー20が伸縮し、その過程において、ルアー20の前方部分を含めた全体を魚に飲み込ませることができる。よって、釣り針15も含めてルアー20を飲み込んだ魚の口に釣り針15を引掛けて魚を釣り上げることができる。
【0092】
(第3実施形態)
第3実施形態におけるルアー30は、図4(a),(b)に示すように、ラバージグとして、ルアー本体31、釣り針15、及び、ラバースカート36で構成している。
なお、図4(a)は、第3実施形態におけるルアー30の右側面図であり、図4(b)は、図4(a)中のA−A線断面図である。
【0093】
ルアー本体31は、鉛製の略球型のヘッド31Aとシート状擬似餌31aとで構成し、ヘッド31Aは、道糸100を接続するための取付け環14を上端に固着している。シート状擬似餌31aは、例えば、魚の皮などを材料として薄いシート状、且つ、長尺状に形成し、その表面には、複数のループ状引掛け毛16を起毛状に植設した獲物引掛け許容領域32を構成している。シート状擬似餌31aは、長さ方向の一端部分をヘッド31Aの後端部分に固着している。
【0094】
釣り針15は、ハリス35を介してヘッド31Aの後端に接続し、シート状擬似餌31aの近傍に備えている。詳しくは、ルアー30は、ヘッド31Aを基点としてハリス35を介して接続された釣り針15が届く範囲内にシート状擬似餌31aを備えた構成である。
【0095】
ラバースカート36は、細い長いゴム紐36aを複数本束ねた構成であり、ヘッド31Aの後端に取り付けている。ラバースカート36は、通常のラバースカート36の構成と比較してゴム紐36aの本数を少なく、且つ、短尺に形成している。
【0096】
上述した構成により、魚は、ルアー30の中でも特に、水中を揺動しながら漂うシート状擬似餌31aに惹き寄せられ、シート状擬似餌31aを飲み込もうとする。このとき、シート状擬似餌31aの近傍には、釣り針15を備えているため、魚がシート状擬似餌31aを飲み込む際に釣り針15と一緒に飲み込ませることができる。
【0097】
そして、シート状擬似餌31aには、複数のループ状引掛け毛16を植設しているため、ループ状引掛け毛16を確実に魚の歯に引掛けることができる。従って、上述したルアー30と同様に、一旦、「あたり」のあった魚を取り逃がすことなく、確実に針掛けて釣り上げることができる。
【0098】
(第4実施形態)
第4実施形態におけるルアー40は、図5に示すように、サビキ釣り用の仕掛け49の一部として構成している。
なお、図5に示すように、一部を拡大して示したサビキ釣り用の仕掛け49の構成説明図である。
【0099】
第4実施形態におけるサビキ釣り用の仕掛け49は、幹糸46の下端部に錘付の籠47を備え、釣糸から分岐したハリス48を介して釣り針15、及び、ルアー(40)としてシート状擬似餌40を取り付けている。シート状擬似餌40は、図5に示すように、スキンや魚皮で形成されるシートであり、釣り針15の基部に取り付けている(図5中の一部拡大図参照)。
【0100】
シート状擬似餌40は、第3実施形態のシート状擬似餌31aと同様に、例えば、長尺なシート状擬似餌本体41の表面に複数のループ状引掛け毛16を植設して獲物引掛け許容領域42を構成している。シート状擬似餌31aは、スキンや魚皮と同じ要領でその長さ方向の一端部を釣り針15の基部に巻き付けて取り付けている。
【0101】
上述した構成により、サビキ釣りの際に、ロッドを上下に操作する際に、サビキ釣り用の釣り針15に取り付けるシート状疑似餌40の先端が水中を漂うため、小魚や海老が活発に泳いでいる様子を模して魚を釣り針15に惹き寄せることができる。
【0102】
これにより、シート状疑似餌40に惹き寄せられた魚は、釣り針15の針先よりもむしろシート状疑似餌40を捕食しようとする。このような場合において、シート状疑似餌40に複数のループ状引掛け毛16を備えることで、これら複数のループ状引掛け毛16を、シート状疑似餌40を捕食した魚の歯に引掛けることができ、魚が釣り針15の近傍から離れることを防止することができる。
よって、ロッドをしゃくることにより、魚の口に釣り針15を引掛けることができ、確実に獲物を釣り上げることができる。
【0103】
第4実施形態におけるサビキ釣り用の仕掛け49は、図5に示すように、錘付の籠47を、幹糸46の下端部に装着した仕掛けの例について説明したが、このようなサビキ仕掛けに限定せず、例えば、幹糸46から枝分かれするハリス48よりも上部に籠を取り付けるなど、サビキ仕掛けは特に限定しない。
【0104】
(第5実施形態)
第5実施形態におけるルアー50は、図6に示すように、イカ釣りに用いる餌木として構成している。
なお、図6は、第5実施形態におけるルアー50の右側面図である。
【0105】
ルアー50は、ルアー本体部51とイカ引掛け部55とで構成している。ルアー本体部51は、海老の形状に似せた形状であり、その先端部分を除く部分の表面には、複数のループ状引掛け毛16を植設した獲物引掛け許容領域52を構成している。
【0106】
イカ引掛け部55は、引掛け針56と、引掛け針取付け棒57とで構成している。引掛け針取付け棒57は、ルアー本体部51の後端から突出した棒状部材であり、引掛け針56は、引掛け針取付け棒57の長さ方向に沿って3つを配設している。引掛け針56は、複数の釣り針15を周方向に等分配した状態で引掛け針取付け棒57に装着し、それぞれの釣り針15は、半径方向の中心側から外側へ進むに連れ前方へ向けて突出している。
【0107】
ルアー本体部51に惹き寄せられたイカは、触手を延ばしてルアー本体部51を捕らえるが、従来の餌木の場合、本物の餌でないと察知すると、即座に触手を放して逃げてしまう。
【0108】
ところが、イカは、触手を延ばしてルアー本体部51を捕らえたとき、イカの触手の吸盤には、ノコギリ型の突起を有するものが存在する。このノコギリ型の突起を有する吸盤に複数のループ状引掛け毛16を引掛けることができ、イカが釣り針15の近傍から離れることを防止することができる。
【0109】
よって、一旦、ルアー本体部51を捕えたイカがルアー本体部51から触手を放そうとしている間に、釣りロッドをしゃくるなどの操作により、イカ引掛け部55によって、イカを針掛けして確実に釣り上げることができる。
【0110】
(第6実施形態)
第6実施形態におけるルアー60は、図7に示すように、ルアー本体61と、獲物引掛け許容領域62に植設した複数のループ状引掛け毛16とで構成している。
なお、図7は、第6実施形態におけるルアー60を鱸系の魚110が捕食する様子を示している。
【0111】
ルアー本体61は、第1B実施形態のルアー本体11Bと同様に、小魚に擬似したミノータイプで構成し、ルアー本体61の前方側の下部には、板状のリップ13を前方に向けて突設しているが、釣り針15を備えずに構成している。
【0112】
ルアー本体61は、第1B実施形態のルアー本体11Bよりも小さな大きさで、詳しくは、鱸系の魚が口を最大に開いたときの大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成している。
【0113】
魚引掛け許容布帛12Aは、ルアー本体61の頭部を除く全体に形成し、複数のループ状引掛け毛16のそれぞれは、歯への引掛けを許容する大きさのループ形状で形成している。
【0114】
ルアー60に惹き寄せられた鱸系の魚110は、獲物、すなわち、ルアー本体61の大きさに応じた大きさで口を開けて獲物を捕食しようとする。このため、ルアー本体61は、上述したように、鱸系の魚が口を最大に開いたときの大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成しているため、水中において小魚が泳いでいるように進行させると、これに惹き寄せられた鱸系の魚110は、口を最大限まで開いてルアー本体61を飲み込もうとする。
【0115】
そうすると、ルアー60は、魚110の口が最大限まで開いた状態で、口の中に入り込んで留まるため、魚110の口内で、獲物引掛け許容領域62に対して魚110の歯をより多く接触させることができ、より一層、複数のループ状引掛け毛16を魚の歯に引掛けることができる。
【0116】
よって、複数のループ状引掛け毛16を魚110の歯にしっかりと引掛けた状態とすることができるため、釣り針を魚110の歯に掛けなくとも、そのまま魚を釣り上げることができる。
【0117】
(第7実施形態)
第7実施形態における釣り補助具は、図8に示すような構成の海老釣り用仕掛け具70であり、特に、海老や蟹などの甲殻類を獲物とする釣りに適した仕掛けである。
なお、図8は、海老釣り用仕掛け具70を用いた海老釣りの様子を示している。
【0118】
詳しくは、第7実施形態における海老釣り用仕掛け具70は、2つの釣り針15と、釣り針15を取り付けたハリス78を備え、それぞれのハリス78は、道糸100の先端部にスイベル79を介して接続している。
【0119】
さらに、上述した2つの釣り針15やハリス78よりも下方に板状の海老引掛け部材71を配置し、海老引掛け部材71の先端部分の取付け環14を、スイベル79を介して道糸100の先端部に、適宜、釣り糸を介して接続している。
【0120】
海老引掛け部材71は、海老が載り上がることを許容する大きさで構成した板状で構成し、水に浮かない重量で形成している。海老引掛け部材71の少なくとも一方の面の表面には、複数のループ状引掛け毛16を植設した獲物引掛け許容領域72を構成している。
【0121】
上述したように、海老釣り用仕掛け具70は、水中に投入すると、釣り海老引掛け部材71が水中に沈んで、水底に着地した状態となる。このとき、海老111が、釣り針15に取り付けた餌112やルアーに惹き寄せられ、上記釣り針15よりも下方に配置した上記釣り海老引掛け部材71に対して載り上がるなどして接触する。
【0122】
これにより、海老111の脚、触覚、或いは、殻の表面に有する突起が、上記海老引掛け部材71の獲物引掛け許容領域72に複数植設したループ状引掛け毛16に引掛かり、海老111が逃げようとして後方に退こうとしても、海老引掛け部材71から逃げることを防ぐことができる。
【0123】
よって、海老釣り用仕掛け具70は、海老111を、上記道糸100の先端を基点としてハリス78を介して接続した上記釣り針15が届く範囲内に留めておくことができるため、針掛けのタイミングを確保することができ、確実に針掛けして釣り上げることができる。
なお、釣り補助具は、図8に示すような構成の海老釣り用仕掛け具70として用いるに限らず、適宜、ループ状引掛け毛16のループの大きさや、海老引掛け部材71の大きさ、形状を変更して構成し、蟹などの他の甲殻類を釣り対象の獲物とするよう用いてもよい。
【0124】
(第8実施形態)
第8実施形態における釣り補助具は、上述したルアーなどの釣り用仕掛け具として構成せずに、図9(a),(b)に示すような獲物把持補助具80A,80Bとして構成している。
なお、図9(a)は、鋏型をした獲物把持用バサミ80Aの正面図であり、図9(b)は、火バサミのようにV字型をした獲物把持用バサミ80Bの正面図である。
【0125】
図9(a),(b)に示した獲物把持用バサミ80A,80Bは、先端の獲物把持部81A,81Bに、ゴムなどの弾性体を表層部に装着し、獲物把持部81A,81Bの表面全体には、ループ状引掛け毛16を複数植設した魚引掛け許容布帛82A,82Bを形成している。
【0126】
上述した構成によれば、例えば、釣り上げた鱸系の魚の口に獲物把持部81A,81Bを差し込んで魚の下顎を摘んだ状態で把持することができる。また、獲物把持用バサミ80A,80Bは、魚引掛け許容布帛82A,82Bを、獲物との接触部分である獲物把持部81A,81Bに備えているため、例えば、鱸系の魚の下顎を摘んだとき、ループ状引掛け毛16を鱸系の魚の歯に引掛けることができる。
よって、獲物把持用バサミ80A,80Bは、摘み上げた魚が滑り落ちることなく、しっかりと把持しておくことができる。
【0127】
その他にも、指を魚の口の中に入れて下顎を摘む場合と異なり、手が汚れたり、臭いが残ることもないという効果も得ることができる。
【0128】
また、獲物把持用バサミ80A,80Bは、鱸系の魚の口に差し込んで下顎を摘んだ状態で把持するに限らず、例えば、トゲが突き出したウニなどを怪我することなく、安全に把持することができる。
【0129】
獲物把持補助具は、上述したように獲物把持用バサミ80A,80Bとして構成するに限らず、手で把持する際に装着して魚の把持を補助することができる、例えば、図10(a)に示すような獲物把持補助用手袋90Aや、図10(b)に示すように獲物把持補助用指サック90Bなどで構成することができる。
【0130】
上述した獲物把持補助用手袋90Aは、図10(a)に示すように、手袋本体91Aの少なくとも親指部分にループ状引掛け毛16を複数植設した獲物引掛け許容領域92Aを構成しているため、例えば、鱸系の魚の口に親指を差し込んで下顎を摘んだとき、獲物引掛け許容領域92Aに植設した複数のループ状引掛け毛16を、魚の歯に引掛けることができる。
【0131】
また、上述した獲物把持補助用指サック90Bは、図10(b)に示すように、親指103への装着を許容するよう構成し、指サック本体91Bにおける親指103の指の腹相当部分に、ループ状引掛け毛16を複数植設した獲物引掛け許容領域92Bを構成している。
このため、例えば、鱸系の魚の口に指を差し込んだとき、ループ状引掛け毛16を魚の歯に引掛けて下顎をしっかりと摘むことができる。
【0132】
この発明の構成と、上述した実施形態との対応において、
獲物は、鱸系の魚、イカ、海老111に対応し、
引掛け部分は、鱸系の魚の歯、イカの吸盤、海老111の脚、触覚、甲羅の突起に対応し、
釣り補助具は、ルアー10A,10B,20,30,50,60、擬似餌シート40、海老釣り用仕掛け具70、獲物把持用バサミ80A,80B、獲物把持補助用手袋90A、及び、獲物把持補助用指サック90Bに対応し、
獲物引掛け許容部は、魚引掛け許容布帛12A,82A,82B、及び、獲物引掛け許容領域12B,22,32,42,52,62,72,92A,92Bに対応し、
釣り補助具本体は、ルアー本体11A,11B,21,31,61、シート状擬似餌本体41、ルアー本体部51、海老引掛け部材71、獲物把持部81A,81B、手袋本体91A、及び、指サック本体91Bに対応するものとする。
また、この発明は、上述した実施形態に限らず、その他にも様々な実施形態で形成することができる。
例えば、第1A実施形態におけるルアー10A、及び、第1B実施形態におけるルアー10Bのように、上述した各実施形態のルアー20,30,50,60、海老釣り用仕掛け具70、獲物把持用バサミ80A,80B、獲物把持補助用手袋90A、或いは、獲物把持補助用指サック90Bにおいて、獲物引掛け許容部を、魚引掛け許容布帛82A,82Bとして形成したものは、獲物引掛け許容領域として構成してもよく、獲物引掛け許容領域32,42,52,62,72,92A,92Bとして形成したものは、魚引掛け許容布帛として構成してもよい。
【符号の説明】
【0133】
10A,10B,20,30,50,60…ルアー
11A,11B,21,31,61…ルアー本体
12A,82A,82B…魚引掛け許容布帛
12B,22,32,42,52,62,72,92A,92B…獲物引掛け許容領域
15(15a,15b)…釣り針
16…ループ状引掛け毛
31a…シート状擬似餌
40…シート状擬似餌
41…シート状擬似餌本体
51…ルアー本体部
71…海老引掛け部材
70…海老釣り用仕掛け具
80A,80B…獲物把持用バサミ
81A,81B…獲物把持部
90A…獲物把持補助用手袋
90B…獲物把持補助用指サック
91A…手袋本体
91B…指サック本体
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、釣り用のルアーをはじめとして、獲物が逃げないように留めておくことのできる釣り補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ルアーフィッシングにおいて、釣り人は、ルアーを水中、或いは水面において進行させ、このようなルアーに惹き寄せられた獲物である魚が、ルアーを捕食することで、「あたり」を感じることになる。これにより釣り人は、ロッド、すなわち竿をしゃくるなどの「合わせ」という操作を行うことで、魚の口等に釣り針を掛かけて魚を釣り上げることができる。
【0003】
しかし、実際には、魚は、一旦、ルアーを捕食しても少しでも違和感を感じると水と一緒に釣り針ごと吐き出す場合や、警戒してルアーを完全に捕食せず、単にルアーを口先で突いているだけの場合がある。
【0004】
このため、従来では、釣り人が「あたり」を感じても「合わせ」のタイミングがずれると、魚の口に釣り針を引掛けることができず、魚を逃がしてしまうことが多いという問題があった。
【0005】
このような問題は、例えば、投げ釣りの場合には、糸ふけ、すなわち、糸の弛みが生じ易く、大きくロッドをしゃくる必要があり、高度な「合わせ」の技術を要することになるため、より顕著になる。また、石鯛のように口の固い魚を釣る場合には、特に、釣り針が歯に掛かり難く、経験者でも「合わせ」の操作を上手く行うことは特に困難であった。
【0006】
上述したように「あたり」を感じても、魚を逃がしてしまうという問題に対して、対策が施されたルアーが提案されている。例えば、特許文献1に開示の魚釣り用ルアーもその1つである。
【0007】
特許文献1に開示の魚釣り用ルアーは、該ルアーを魚が捕食したとき、柔らかい食感を与える程度に軟質である軟質材のコーティング層を表面に形成した構成である。
上述した特許文献1に開示の魚釣り用ルアーは、表面を軟質に形成することで、ルアーを捕食した魚に与える食感が本物の餌でないことに気付くタイミングを遅らせることができるという効果を期待して構成したものである。すなわち、上記ルアーは、釣り人が「あたり」を感じてから「合わせ」の操作をするまでの間を確保して、魚が逃げ去る前に針掛けして釣り上げることができるというものである。
【0008】
しかし、捕食した魚に与える食感が本物の餌でないことに気付くタイミングをある程度遅らせることができても、反応が早い魚を釣る場合であれば、針掛けを行う前に、違和感を感じて逃げてしまう。また、単に表面を軟質にしても、本物の餌の感触と同じとは限らず、食感以外にも臭いなどが本物の餌と異なる場合には、魚に警戒心を抱かせる要因となり、さらなる改良が必要であると言わざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平09−248096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこでこの発明は、惹き寄せられた獲物による「あたり」を感じた後で、「合わせ」の操作を行った際に、獲物に針掛けする前に逃げられることを防止し、獲物を確実に釣り上げることができる釣り補助具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、該引掛け部分への引掛けを許容する獲物引掛け許容部を釣り補助具本体に備え、上記獲物引掛け許容部の表面に、ループ状であるループ状引掛け毛を複数植設したことを特徴とする。
【0012】
以下の説明において、特に示す場合を除いて例えば、釣り補助具をルアーであるとするとともに、獲物を魚であるとして説明する。
上述したように、上記獲物引掛け許容部の表面に、ループ状引掛け毛を複数植設することにより、魚がルアーを捕食したとき、ループ状引掛け毛は、ループ状であるため、ループ状引掛け毛に魚の歯が引掛かり易くなるといえる。
【0013】
これにより、獲物である魚をある程度の時間留めておくことができ、魚がルアーを吐き出そうとしている間に、「合わせ」のためのタイミングを十分に確保することができ、確実に魚を釣り上げることができる。
【0014】
上記獲物とは、例えば、魚類、甲殻類、頭足類、貝類を含む魚介類を挙げることができ、具体的には、魚類の他に、海老、カニ、イカ、貝などを含む。
【0015】
上記「上記釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、」とは、例えば獲物が魚類である場合、例えば、歯や、鱗、鰭を挙げることができ、頭足類の場合、吸盤であり、その他、甲殻類の場合には、触覚や脚、さらには、殻の表面の突起であり、貝類の場合、貝殻を示す。
【0016】
上記獲物引掛け許容部は、釣り補助具本体とは別部材で構成した獲物引掛け許容手段として構成してもよい。この場合、獲物引掛け許容手段は、少なくとも一方の面を、複数の上記ループ状引掛け毛を植設した構成とし、他方の面を上記釣り補助具本体に対して固着することができる。
【0017】
上記獲物引掛け許容手段は、例えば、一対の面ファスナのうち、一方を構成する雌型面ファスナなど、シート体の基布にループ状の毛を植設した構成とすることができる。
【0018】
これら上記獲物引掛け許容手段を上記釣り補助具本体に対して固着する手段としては、例えば、接着剤やテープにより接着したり、熱溶着するなど、特に限定しない。
【0019】
また、上記獲物引掛け許容部は、複数の上記ループ状引掛け毛を、釣り補助具本体の表面に直接植設した獲物引掛け許容領域として構成としてもよい。すなわち、上記獲物引掛け許容領域は、上記釣り補助具本体の少なくとも一部において、複数の上記ループ状引掛け毛を直接植設した領域として構成することができる。
【0020】
さらにまた、上記獲物引掛け許容部は、上記釣り補助具本体に対して1箇所に限らず、複数箇所、或いは、外周全体に備えてもよく、また、様々な形状で備えることができる。
【0021】
この発明の態様として、上記獲物引掛け許容部の近傍に釣り針を備えることができる。
【0022】
例えば、釣り補助具がルアーであるとともに、獲物が魚である場合を例にとり説明すると、上述したように、獲物である魚がルアーを捕食したとき、ループ状引掛け毛を魚の歯に引掛けることができる。
【0023】
これにより、魚がルアーを水ごと釣り針と一緒に吐き出して逃げないように、ある程度の時間留めておくことができ、その間に、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作を行うことで、上記獲物引掛け許容部の近傍に備えた釣り針をしっかりと魚の口等に引掛けることができる。
なお、魚の口等とは、魚の口をはじめ、魚の口以外の例えば、魚の体の一部をも含む。
【0024】
このように、釣り針を魚の口に確実に引掛けることができるため、魚を釣り上げる際に、逃してしまうことがなく、確実に釣り上げることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の前端部よりも少なくとも後方側に備えることができる。
【0026】
上述した構成によれば、魚がルアーを後方側から捕食した場合に、より一層、確実に魚を逃がしてしまうことなく釣り上げることができるという効果を得ることができる。
【0027】
詳しくは、ルアーの進行方向の前方部分は、直接的、或いは、間接的に道糸と接続されているため、魚は、ルアーを後方側から捕食することが多い。このため、上述したように、上記釣り針を、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の前端部よりも少なくとも後方側に備えた構成とすることで、魚がルアーを後方側から捕食したとき、魚の口内において、上記釣り針を上記獲物引掛け許容部の前端部よりも奥側に位置させることができる。
【0028】
これにより、魚の口内において、万が一にもループ状引掛け毛に引掛かった魚の歯が外れた場合においても、魚が捕食したルアーを釣り針ごと吐き出して逃がしてしまうことなく、「合わせ」の操作により、魚の口等に対して釣り針を確実に引掛けることができ、より一層、確実に魚を釣り上げることができる。
【0029】
またこの発明の態様として、上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の上端部よりも少なくとも下側に備えることができる。
【0030】
上述した構成によれば、魚がルアーを下方側から捕食した場合に、より一層、確実に魚を逃がしてしまうことなく釣り上げることができるという効果を得ることができる。
【0031】
詳しくは、上述した構成によれば、魚がルアーを下方側から捕食した場合に、魚の口内において、上記釣り針を上記獲物引掛け許容部の上端部よりも奥側に位置させることができる。これにより、魚の口内において、万が一にもループ状引掛け毛に引掛かった魚の歯が外れた場合においても、魚が捕食したルアーを釣り針ごと吐き出して逃がしてしまうことなく、「合わせ」の操作により、魚の口等に対して釣り針を確実に引掛けることができ、より一層、確実に魚を釣り上げることができる。
【0032】
またこの発明の態様として、上記ループ状引掛け毛を、該ループ状引掛け毛のループ開口方向が上記釣り補助具本体の進行方向に一致させて上記獲物引掛け許容部の表面に植設することができる。
【0033】
上記釣り補助具本体としてのルアーの進行方向の前方部分は、直接的、或いは、間接的に道糸と接続されているため、魚は、ルアーを後方側から捕食することが多い。このため、上述したように構成とすることで、魚が捕食したルアーを吐き出そうとしたとき、そのルアーを吐き出す方向と、ループ状引掛け毛のループ開口方向とがいずれもルアーの進行方向で一致することになり、ループ状引掛け毛を魚の歯に、より一層、確実、且つ、容易に引掛かることができる。
よって、魚を逃がすことなく確実に釣り上げることができる。
【0034】
またこの発明の態様として、道糸の先端側からハリスを介して釣り針を接続し、
上記道糸の先端側を基点として上記釣り針が届く範囲内に上記獲物引掛け許容部を備えることができる。
【0035】
魚がルアーを捕食したとき、上述したように、ループ状引掛け毛が魚の歯などの引掛け部分に引掛けることができるため、魚を逃げないように、ある程度の時間留めておくことができる。ここで、上述したように、上記獲物引掛け許容部を、上記道糸の先端を基点として上記釣り針が届く範囲内に備えることで、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作により、釣り針を魚の体の一部に引掛けることができる。
【0036】
またこの発明の態様として、上記釣り補助具本体を、上記釣り針よりも下方に配置させた状態で道糸の先端側に接続することができる。
【0037】
上述したように、釣り補助具本体を、上記釣り針よりも下方に配置させることにより、蟹や海老などの獲物が、釣り針に取り付けた餌やルアーに惹き寄せられたとき、上記釣り針よりも下方に配置した上記釣り補助具本体に載り上がるなどして接触する。
【0038】
これにより、上記釣り補助具本体に備えた獲物引掛け許容部に有するループ状引掛け毛を、蟹や海老などの獲物における例えば、殻の表面に有する突起などの引掛け部分に引掛けることができる。
【0039】
例えば、獲物が海老である場合、海老の触覚、脚、或いは、甲羅の突起がループ状引掛け毛に引掛かるため、海老が逃げようとして後方に退こうとしても、海老を、上記道糸の先端側を基点として上記釣り針が届く範囲内に留めておくことができる。
【0040】
よって、針掛けのタイミングを確保することができ、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作により、確実に海老や蟹の胴体などに針掛けして釣り上げることができる。
【0041】
またこの発明の態様として、上記釣り補助具本体を、疑似餌として形成することができる。
【0042】
上述した構成により、上記釣り補助具本体自体に獲物を惹き寄せることができることができ、魚は、ループ状引掛け毛を複数植設した上記獲物引掛け許容部を備えた上記釣り補助具本体を直接、飲み込むなどして捕食することになり、ループ状引掛け毛を魚の歯などの引掛け部材に確実、且つ、しっかりと引掛けることができる。
【0043】
疑似餌には、魚類型、昆虫型、或いは、イカ釣りに用いる餌木として構成することができる。或いは、スプーンやスピナーベイト等も含む。
【0044】
またこの発明の態様として、上記疑似餌を、長尺状に形成し、長さ方向に伸縮自在に形成することができる。
【0045】
上述した構成によれば、獲物である魚がルアーを捕食したとき、たとえ、釣り針を含まないルアーの長さ方向の末尾部分のみを捕食した場合であったとしても、ループ状引掛け毛に歯が引掛かるため、魚が逃げないように、ある程度の時間留めておくことができる。さらに、魚は、逃げようとする過程で口を開閉しながらルアーの長さ方向の先端部分までさらに捕食しようとする。これにより、ルアーが長さ方向に収縮変形し、これに伴って、魚は、ルアーを、釣り針を含めた先端部分まで確実に捕食することができる。よって、魚の口等に釣り針を確実に引掛けることができる。
【0046】
またこの発明の態様として、上記引掛け部分は、魚類系の獲物の歯であり、上記ループ状引掛け毛を、上記歯への引掛けを許容する大きさのループ形状で形成し、上記疑似餌を、上記獲物が最大に開いた口の大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成することができる。
【0047】
上述した構成により、魚類系の獲物がルアーを捕食したとき、魚類系の獲物の口が最大に開いた状態で上記疑似餌を飲み込ませることができる。これにより、魚類系の獲物の歯と上記疑似餌との接触部分が大きくなり、より複数のループ状引掛け毛を歯に引掛かけることができる。
よって、魚類系の獲物が逃げないように留めておくことができ、釣り針に引掛けなくとも、複数のループ状引掛け毛を歯に引掛かけた状態で魚を釣り上げることも可能となる。
【0048】
ここで、「上記獲物が最大に開いた口の大きさと略同じ大きさ」とは、獲物が開くことができる口の大きさの最大の大きさを示す。
【0049】
またこの発明の態様として、釣り針を、サビキ釣りの仕掛け用の釣り針で形成し、上記釣り補助具本体を、上記釣り針に取り付けるシート状疑似餌として形成することができる。
【0050】
上述した構成により、サビキ釣りの際に、ロッドを上下に操作させると、サビキ釣り用の釣り針に取り付けたシート状疑似餌が水中を漂うため、小魚や海老が活発に泳いでいる様子を模して獲物を釣り針に惹き寄せることができる。
【0051】
これにより、シート状疑似餌に惹き寄せられた魚は、釣り針の針先よりもむしろシート状疑似餌を捕食しようとする。このような場合において、シート状疑似餌に複数のループ状引掛け毛を備えることで、シート状疑似餌に備えた複数のループ状引掛け毛を、シート状疑似餌を捕食した魚の歯などに引掛けることができ、魚が逃げないようにある程度の時間留めておくことができる。
【0052】
よって、サビキ釣りの際にロッドを上下動させる操作により、獲物を確実に針掛けして釣り上げることができる。
【0053】
またこの発明の態様として、上記釣り補助具本体を、獲物の把持を補助する獲物把持補助具として構成し、上記獲物引掛け許容部を、上記獲物把持補助具における獲物を把持したときの獲物との接触部分に備えることができる。
【0054】
上記獲物把持補助具は、例えば、獲物把持用バサミ(グリッパ)、手袋、或いは、指サックとして構成することができる。
【0055】
これら構成により、上記獲物把持補助具の少なくとも一部を、例えば、釣り上げた鱸系の獲物の口に差し込んで下顎を摘んだ状態で把持することができる。また、上記獲物把持補助具は、上記獲物引掛け許容部を、獲物との接触部分に備えているため、例えば、鱸系の獲物の口元を摘んだとき、ループ状引掛け毛を鱸系の獲物の歯に引掛けることができ、獲物が滑り落ちることなく、しっかりと把持しておくことができる。その他にも、指を直接、魚の口の中に入れて下顎を摘む場合と異なり、手が汚れたり、臭いが残ることもないという効果も得ることができる。
【発明の効果】
【0056】
この発明によれば、惹き寄せられた獲物による「あたり」を感じた後で、「合わせ」の操作を行った際に、獲物に針掛けする前に逃げられることを防止し、獲物を確実に釣り上げることができる釣り補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1A実施形態のルアーの構成説明図。
【図2】第1B実施形態のルアーの構成説明図。
【図3】第2実施形態のルアーの構成説明図。
【図4】第3実施形態のルアーの構成説明図。
【図5】第4実施形態のルアーの構成説明図。
【図6】第5実施形態のルアーの構成説明図。
【図7】第6実施形態のルアーの構成説明図。
【図8】第7実施形態の海老釣り用仕掛け具の構成説明図。
【図9】第8実施形態の獲物把持補助具の構成説明図。
【図10】他の実施形態に係る獲物把持補助具の構成説明図。
【発明を実施するための形態】
【0058】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第1A実施形態)
第1A実施形態における釣り補助具は、ルアー10Aであり、該ルアー10Aは、図1(a),(b)に示すように、ルアー本体11Aと魚引掛け許容布帛12Aとで構成している。
なお、図1(a)は、第1A実施形態におけるルアー10Aの右側面図であり、図2(b)は、図1(a)中のA−A線断面図であり、図2(c)は、図1(a)中のB−B線断面図である。また、以下で説明するルアー10Aの前後方向をD1とし、ルアー10Aの進行方向をD1Fとする。
【0059】
ルアー本体11Aは、小魚に擬似したミノータイプで構成している。ルアー本体11Aの前方側の下部には、板状のリップ13を前方斜め下側に向けて突設している。ルアー本体11Aの先端部、前後方向の中間部分よりも前方部分、及び、後端部には、取付け環14を固着し、それぞれの取付け環14を、釣糸取付け環14a、第1釣り針取付け環14b、第2釣り針取付け環14cに設定している。
【0060】
釣糸取付け環14aには、道糸100を接続し、第1釣り針取付け環14bには、第1釣り針15aを取り付け、及び、第2釣り針取付け環14cには、第2釣り針15bを取り付けている。
【0061】
魚引掛け許容布帛12Aは、ルアー本体11Aの両側面に、ルアー本体11Aの前後方向における頭部分と胴体部分との境界部分の後方部分から後端部分かけて接着剤で添着している。
【0062】
換言すると、第1釣り針15a、及び、第2釣り針15bは、いずれも魚引掛け許容布帛12Aの近傍に備えている。詳しくは、第1釣り針15a、及び、第2釣り針15bは、いずれもルアー本体11Aの進行方向D1F、より詳しくは、前後方向D1における魚引掛け許容布帛12Aの前端部FPよりも少なくとも後方側部分であるとともに、魚引掛け許容布帛12Aの上端部UPよりも少なくとも下側部分に備えている。特に、第1釣り針15aは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真下側に備えているとともに、第2釣り針15bは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真後側に備えている。
【0063】
なお、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真下側とは、魚引掛け許容布帛12Aよりも下方において、該魚引掛け許容布帛12Aの長さ方向(前後方向D1)の範囲内Lに含まれる位置を示す(図1(a)参照)。
魚引掛け許容布帛12Aに対して略真後側とは、魚引掛け許容布帛12Aよりも後方側において、該魚引掛け許容布帛12Aの幅方向(上下方向)の範囲内Wに含まれる位置を示す(図1(a)参照)。
【0064】
魚引掛け許容布帛12Aは、雌型の面ファスナで形成し、図1(b),(c)に示すように、基布17に対してループ状をした複数のループ状引掛け毛16を起毛した構成である。
魚引掛け許容布帛12Aは、ループ状をした複数のループ状引掛け毛16のそれぞれが様々な方向を向いて開口した繊維状であるが、複数のループ状引掛け毛16のうち、半数以上の複数のループ状引掛け毛16のループ開口方向D2が、ルアー10Aの進行方向D1F、すなわち、前後方向D1に一致するよう植設している(図1(b),(c)参照)。
【0065】
上述したルアー10Aを用いて釣り上げる対象となる獲物として鱸系の魚を例に採り、上述したルアー10Aが奏する作用効果について説明する。
ルアー10Aは、上記釣糸取付け環14aに接続した道糸100によって水中において前方へ引っ張られながら進行する。これにより、水中を進行するルアー10Aに惹き寄せられた魚は、通常、ルアー10Aを後方、或いは、下方から飲み込むようにして釣り針15ごと捕食するのが一般である。
【0066】
魚は、ルアー10Aを飲み込んだ後、少しでも違和感を感じると、飲み込まずに、瞬時に水と一緒に釣り針15ごとルアー10Aを吐き出してしまう。このため、従来のルアーを用いた釣りの場合は、魚がルアーを飲み込むことで釣り人が「あたり」の感触を得たとしても、ロッドをしゃくるなどして、「合わせ」の操作を行う前に、既に魚がルアーを吐き出してしまい、魚を逃がしてしまうことが頻発していた。
【0067】
これに対して、上述したルアー10Aを用いた場合、上述したように、一旦、魚がルアー10Aを飲み込むと、魚引掛け許容布帛12Aに植設した複数のループ状引掛け毛16を、魚の歯に引掛けることができる。これにより、魚が違和感を感じて、水と一緒にルアー10Aを吐き出そうとしても、吐き出すことができず、魚を逃がしてしまうことなく、ルアー10Aを飲み込んだ状態にある程度の時間留めておくことができる。
【0068】
よって、魚がルアー10Aを飲み込んだ状態に留めている間に、釣り人は、ロッドをしゃくるなどの「合わせ」の操作をとることで、釣り針15を魚の歯に引掛けることができる。よって、「あたり」のあった魚を確実に釣り上げることができる。
【0069】
上述したルアー10Aは、上述した作用、効果に加えて、以下のような作用効果を奏することができる。
上記ルアー10Aは、上述したように第1釣り針15aと第2釣り針15bを、上記ルアー本体11Aの進行方向D1F、より詳しくは、前後方向Dにおける上記魚引掛け許容布帛12Aの前端部FPよりも少なくとも後方側に備えた構成である。このため、ルアー10Aを捕食した魚の歯に引掛けた複数のループ状引掛け毛16が、魚が水中で暴れるなどして、万一にも外れた場合であっても、ルアー10Aを後方側から捕食した魚に対しては、該魚がルアー10Aを口から吐き出して逃がしてしまう前に、第1釣り針15aと第2釣り針15bを魚の歯に引掛けることができ、魚を逃がしてしまうことなく、より一層、確実に釣り上げることができる。
【0070】
詳しくは、上述したように、ルアー10Aの進行方向の前端部は、釣糸取付け環14aを介して道糸100と接続されているため、魚は、ルアー10Aの後方側から捕食することが多い。このため、第1釣り針15aと第2釣り針15bを、ルアー本体11Aの進行方向における魚引掛け許容布帛12Aの前端部FPよりも少なくとも後方側に備えることにより、獲物である魚がルアー10Aを捕食したとき、魚の口内において、第1釣り針15aと第2釣り針15bを魚引掛け許容布帛12Aの前端部よりも奥側に位置させることができる。
【0071】
これにより、魚の歯に引掛かったループ状引掛け毛16が、万が一にも外れた場合でも、魚が捕食したルアー10Aを吐き出そうとする際に、魚の口内において、第1釣り針15aと第2釣り針15bは、魚引掛け許容布帛12Aよりも奥側にあるため、ロッドをしゃくるなどして、「合わせ」の操作を行うことで、魚の口等に第1釣り針15aと第2釣り針15bを引掛けることができ、より確実に魚を釣り上げることができるという効果を奏することができる。
【0072】
特に、第2釣り針15bは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真後側に備えているため、ルアー10Aを後方側から捕食した魚の口内において、第1釣り針15aと比較してより奥側に位置させることができる。
【0073】
よって、魚の歯に引掛かったループ状引掛け毛16が、万が一にも外れた場合でも、第2釣り針15bは、第1釣り針15aと比較してより吐き出し難くなり、ロッドをしゃくったときに魚の口等に対して確実に引掛けることができ、魚をより確実に釣り上げることができる。
【0074】
上記ルアー10Aは、上述したように第1釣り針15aと第2釣り針15bを、上記ルアー本体11Aの進行方向における上記魚引掛け許容布帛12Aの上端部UPよりも少なくとも下方側に備えた構成である。このため、ルアー10Aを捕食した魚の歯に引掛けた複数のループ状引掛け毛16が、魚が水中で暴れるなどして、万一にも外れた場合であっても、ルアー10Aを下側から捕食した魚に対しては、該魚がルアー10Aを口から吐き出して逃がしてしまう前に、第1釣り針15aと第2釣り針15bを魚の口等に引掛けることができ、魚を逃がしてしまうことなく、より一層、確実に釣り上げることができる。
【0075】
特に、第1釣り針15aは、魚引掛け許容布帛12Aに対して略真下側に備えているため、ルアー10Aを下側から捕食した魚の口内において、第2釣り針15bと比較してより奥側に位置させることができる。
【0076】
よって、魚の歯に引掛かったループ状引掛け毛16が、万が一にも外れた場合でも、第1釣り針15aは、第2釣り針15bと比較してより吐きだし難くなり、ロッドをしゃくったときに魚の口等に対して確実に釣り針を引掛けることができ、魚をより確実に釣り上げることができる。
【0077】
また、上記ループ状引掛け毛16を、ループ開口方向D2が上記釣り補助具本体の進行方向D1F、すなわち、前後方向D1に一致させて上記魚引掛け許容布帛12Aの表面に植設しているため、魚の歯にループ状引掛け毛16を、より確実に、且つ、よりしっかりと引掛けることができる。よって「あわせ」の操作を行うための十分なタイミングを確保することができ、魚を逃がすことなく釣り上げることができる。
【0078】
詳しくは、上述したように、ルアー10Aの進行方向の前端部は、釣糸取付け環14aを介して道糸100と接続されているため、魚は、ルアー10Aの後方側から捕食することが多い。このため、上述した構成とすることで、魚が捕食したルアー10Aを吐き出そうとしたとき、そのルアー10Aを吐き出す方向D1Fと、ループ状引掛け毛16のループ開口方向D2とを一致させることができ、ループ状引掛け毛16を、魚の歯に格段に引掛け易くなる。
よって、上記ルアー10Aは、より確実に魚を逃がすことなく釣り上げることができる。
【0079】
以下では、他の実施形態における釣り補助具について説明する。
但し、以下で説明する釣り補助具の構成のうち、上述した第1A実施形態におけるルアー10Aと同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。さらに、上述した実施形態の説明においても、特に示す場合を除いて釣りの対象となる獲物は、鱸系の魚として説明するものとする。
【0080】
(第1B実施形態)
第1B実施形態におけるルアー10Bは、図2(a),(b)に示すように、ルアー本体11Bに、複数の上記ループ状引掛け毛16を直接植設した獲物引掛け許容領域12Bを構成することができる。
なお、図2(a)は、第1B実施形態におけるルアー10Bの右側面図であり、図2(b)は、図2(a)中のA−A線断面図である。
【0081】
詳しくは、獲物引掛け許容領域12Bは、ルアー本体11Bにおいける頭部を除く全体部分であり、合成樹脂製のルアー本体11Bの表面から複数のループ状引掛け毛16を直接、植毛した構成である。
【0082】
上述したルアー10Bは、例えば、ルアー本体11Bを樹脂成形により製造する際に、該ルアー本体11Bの成形材料となる樹脂に上記ループ状引掛け毛16の素材である繊維を練り込んで、ルアー本体11Bの表面から複数の上記ループ状引掛け毛16が起毛するように製造することができる。
【0083】
上述したルアー10Bは、獲物引掛け許容領域12Bにおいて、ルアー本体11Bに、複数のループ状引掛け毛16を直接植設した構成であるため、複数のループ状引掛け毛16のそれぞれのルアー本体11Bとの一体性が増し、耐久性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0084】
さらに、ルアー10Bは、獲物引掛け許容領域12Bをルアー本体11Bの胴体部分の周方向全体に亘って形成しているため、魚が後方から飲み込むに限らず、側方から飲み込んでも、ループ状引掛け毛16を歯に確実に引掛けることができるという効果も得ることができる。
【0085】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるルアー20は、図3に示すように、ルアー本体21をワームとして形成し、ルアー本体21の表面に、複数のループ状引掛け毛16を直接、植設した構成である。
なお、図3(a)は、第2実施形態におけるルアー20の右側面図であり、図3(b)は、図3(a)中のA−A線断面図である。
【0086】
詳しくは、ルアー本体21は、常温でもゲル状である柔軟性を有した樹脂材料を長尺状に形成し、長さ方向における前端部、及び、後端部を除いた部分に、長さ方向に沿って複数の節部29を配設した節形成部27を形成している。
【0087】
ルアー本体21は、節形成部27、及び、後端部28を、獲物引掛け許容領域22として、複数のループ状引掛け毛16を表面に植設している。複数のループ状引掛け毛16は、その半分以上の割合をそれぞれループ開口方向D2が長尺状をしたルアー本体21の長さ方向D1に一致させて獲物引掛け許容領域22に植設している。
【0088】
上述したワーム型のルアー本体21は、ルアー20の進行方向D1Fに沿って略真直ぐになるよう長さ方向D1の前方部分を釣り針15に係止している。
【0089】
上述したルアー20を水中において進行させると、釣り針15に係止した部分よりも後方側の釣り針15に係止されていない部分は、水中で揺動しながら漂いながら進行する。このようなルアー20の動きは、小魚が活発に泳ぐ動きに擬似するため、魚を惹き寄せることができ、魚は、例えば、後方からルアー20を飲み込む。
【0090】
ルアー20は、上述した獲物引掛け許容領域22において、複数のループ状引掛け毛16を植設しているため、ループ状引掛け毛16を確実に魚の歯に引掛けることができる。従って、上述したルアー10A,10Bと同様に、一度、「あたり」のあった魚を逃がしてしまうことなく、確実に針掛けて釣り上げることができる。
【0091】
特に、ルアー20を後方から飲み込もうとした魚が、ルアー20における釣り針15の手前の後方部分28までしか飲み込まなくても、ループ状引掛け毛16を魚の歯に引掛けることができるため、ルアー20を飲み込んだ魚が、ルアー20を吐き出すことを防ぐことができる。さらに、ルアー20は、柔軟であり伸縮性を有するため、ルアー20の後方部分28を飲み込んだ魚が、ルアー20を吐き出そうと口を開閉することで、柔軟なルアー20が伸縮し、その過程において、ルアー20の前方部分を含めた全体を魚に飲み込ませることができる。よって、釣り針15も含めてルアー20を飲み込んだ魚の口に釣り針15を引掛けて魚を釣り上げることができる。
【0092】
(第3実施形態)
第3実施形態におけるルアー30は、図4(a),(b)に示すように、ラバージグとして、ルアー本体31、釣り針15、及び、ラバースカート36で構成している。
なお、図4(a)は、第3実施形態におけるルアー30の右側面図であり、図4(b)は、図4(a)中のA−A線断面図である。
【0093】
ルアー本体31は、鉛製の略球型のヘッド31Aとシート状擬似餌31aとで構成し、ヘッド31Aは、道糸100を接続するための取付け環14を上端に固着している。シート状擬似餌31aは、例えば、魚の皮などを材料として薄いシート状、且つ、長尺状に形成し、その表面には、複数のループ状引掛け毛16を起毛状に植設した獲物引掛け許容領域32を構成している。シート状擬似餌31aは、長さ方向の一端部分をヘッド31Aの後端部分に固着している。
【0094】
釣り針15は、ハリス35を介してヘッド31Aの後端に接続し、シート状擬似餌31aの近傍に備えている。詳しくは、ルアー30は、ヘッド31Aを基点としてハリス35を介して接続された釣り針15が届く範囲内にシート状擬似餌31aを備えた構成である。
【0095】
ラバースカート36は、細い長いゴム紐36aを複数本束ねた構成であり、ヘッド31Aの後端に取り付けている。ラバースカート36は、通常のラバースカート36の構成と比較してゴム紐36aの本数を少なく、且つ、短尺に形成している。
【0096】
上述した構成により、魚は、ルアー30の中でも特に、水中を揺動しながら漂うシート状擬似餌31aに惹き寄せられ、シート状擬似餌31aを飲み込もうとする。このとき、シート状擬似餌31aの近傍には、釣り針15を備えているため、魚がシート状擬似餌31aを飲み込む際に釣り針15と一緒に飲み込ませることができる。
【0097】
そして、シート状擬似餌31aには、複数のループ状引掛け毛16を植設しているため、ループ状引掛け毛16を確実に魚の歯に引掛けることができる。従って、上述したルアー30と同様に、一旦、「あたり」のあった魚を取り逃がすことなく、確実に針掛けて釣り上げることができる。
【0098】
(第4実施形態)
第4実施形態におけるルアー40は、図5に示すように、サビキ釣り用の仕掛け49の一部として構成している。
なお、図5に示すように、一部を拡大して示したサビキ釣り用の仕掛け49の構成説明図である。
【0099】
第4実施形態におけるサビキ釣り用の仕掛け49は、幹糸46の下端部に錘付の籠47を備え、釣糸から分岐したハリス48を介して釣り針15、及び、ルアー(40)としてシート状擬似餌40を取り付けている。シート状擬似餌40は、図5に示すように、スキンや魚皮で形成されるシートであり、釣り針15の基部に取り付けている(図5中の一部拡大図参照)。
【0100】
シート状擬似餌40は、第3実施形態のシート状擬似餌31aと同様に、例えば、長尺なシート状擬似餌本体41の表面に複数のループ状引掛け毛16を植設して獲物引掛け許容領域42を構成している。シート状擬似餌31aは、スキンや魚皮と同じ要領でその長さ方向の一端部を釣り針15の基部に巻き付けて取り付けている。
【0101】
上述した構成により、サビキ釣りの際に、ロッドを上下に操作する際に、サビキ釣り用の釣り針15に取り付けるシート状疑似餌40の先端が水中を漂うため、小魚や海老が活発に泳いでいる様子を模して魚を釣り針15に惹き寄せることができる。
【0102】
これにより、シート状疑似餌40に惹き寄せられた魚は、釣り針15の針先よりもむしろシート状疑似餌40を捕食しようとする。このような場合において、シート状疑似餌40に複数のループ状引掛け毛16を備えることで、これら複数のループ状引掛け毛16を、シート状疑似餌40を捕食した魚の歯に引掛けることができ、魚が釣り針15の近傍から離れることを防止することができる。
よって、ロッドをしゃくることにより、魚の口に釣り針15を引掛けることができ、確実に獲物を釣り上げることができる。
【0103】
第4実施形態におけるサビキ釣り用の仕掛け49は、図5に示すように、錘付の籠47を、幹糸46の下端部に装着した仕掛けの例について説明したが、このようなサビキ仕掛けに限定せず、例えば、幹糸46から枝分かれするハリス48よりも上部に籠を取り付けるなど、サビキ仕掛けは特に限定しない。
【0104】
(第5実施形態)
第5実施形態におけるルアー50は、図6に示すように、イカ釣りに用いる餌木として構成している。
なお、図6は、第5実施形態におけるルアー50の右側面図である。
【0105】
ルアー50は、ルアー本体部51とイカ引掛け部55とで構成している。ルアー本体部51は、海老の形状に似せた形状であり、その先端部分を除く部分の表面には、複数のループ状引掛け毛16を植設した獲物引掛け許容領域52を構成している。
【0106】
イカ引掛け部55は、引掛け針56と、引掛け針取付け棒57とで構成している。引掛け針取付け棒57は、ルアー本体部51の後端から突出した棒状部材であり、引掛け針56は、引掛け針取付け棒57の長さ方向に沿って3つを配設している。引掛け針56は、複数の釣り針15を周方向に等分配した状態で引掛け針取付け棒57に装着し、それぞれの釣り針15は、半径方向の中心側から外側へ進むに連れ前方へ向けて突出している。
【0107】
ルアー本体部51に惹き寄せられたイカは、触手を延ばしてルアー本体部51を捕らえるが、従来の餌木の場合、本物の餌でないと察知すると、即座に触手を放して逃げてしまう。
【0108】
ところが、イカは、触手を延ばしてルアー本体部51を捕らえたとき、イカの触手の吸盤には、ノコギリ型の突起を有するものが存在する。このノコギリ型の突起を有する吸盤に複数のループ状引掛け毛16を引掛けることができ、イカが釣り針15の近傍から離れることを防止することができる。
【0109】
よって、一旦、ルアー本体部51を捕えたイカがルアー本体部51から触手を放そうとしている間に、釣りロッドをしゃくるなどの操作により、イカ引掛け部55によって、イカを針掛けして確実に釣り上げることができる。
【0110】
(第6実施形態)
第6実施形態におけるルアー60は、図7に示すように、ルアー本体61と、獲物引掛け許容領域62に植設した複数のループ状引掛け毛16とで構成している。
なお、図7は、第6実施形態におけるルアー60を鱸系の魚110が捕食する様子を示している。
【0111】
ルアー本体61は、第1B実施形態のルアー本体11Bと同様に、小魚に擬似したミノータイプで構成し、ルアー本体61の前方側の下部には、板状のリップ13を前方に向けて突設しているが、釣り針15を備えずに構成している。
【0112】
ルアー本体61は、第1B実施形態のルアー本体11Bよりも小さな大きさで、詳しくは、鱸系の魚が口を最大に開いたときの大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成している。
【0113】
魚引掛け許容布帛12Aは、ルアー本体61の頭部を除く全体に形成し、複数のループ状引掛け毛16のそれぞれは、歯への引掛けを許容する大きさのループ形状で形成している。
【0114】
ルアー60に惹き寄せられた鱸系の魚110は、獲物、すなわち、ルアー本体61の大きさに応じた大きさで口を開けて獲物を捕食しようとする。このため、ルアー本体61は、上述したように、鱸系の魚が口を最大に開いたときの大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成しているため、水中において小魚が泳いでいるように進行させると、これに惹き寄せられた鱸系の魚110は、口を最大限まで開いてルアー本体61を飲み込もうとする。
【0115】
そうすると、ルアー60は、魚110の口が最大限まで開いた状態で、口の中に入り込んで留まるため、魚110の口内で、獲物引掛け許容領域62に対して魚110の歯をより多く接触させることができ、より一層、複数のループ状引掛け毛16を魚の歯に引掛けることができる。
【0116】
よって、複数のループ状引掛け毛16を魚110の歯にしっかりと引掛けた状態とすることができるため、釣り針を魚110の歯に掛けなくとも、そのまま魚を釣り上げることができる。
【0117】
(第7実施形態)
第7実施形態における釣り補助具は、図8に示すような構成の海老釣り用仕掛け具70であり、特に、海老や蟹などの甲殻類を獲物とする釣りに適した仕掛けである。
なお、図8は、海老釣り用仕掛け具70を用いた海老釣りの様子を示している。
【0118】
詳しくは、第7実施形態における海老釣り用仕掛け具70は、2つの釣り針15と、釣り針15を取り付けたハリス78を備え、それぞれのハリス78は、道糸100の先端部にスイベル79を介して接続している。
【0119】
さらに、上述した2つの釣り針15やハリス78よりも下方に板状の海老引掛け部材71を配置し、海老引掛け部材71の先端部分の取付け環14を、スイベル79を介して道糸100の先端部に、適宜、釣り糸を介して接続している。
【0120】
海老引掛け部材71は、海老が載り上がることを許容する大きさで構成した板状で構成し、水に浮かない重量で形成している。海老引掛け部材71の少なくとも一方の面の表面には、複数のループ状引掛け毛16を植設した獲物引掛け許容領域72を構成している。
【0121】
上述したように、海老釣り用仕掛け具70は、水中に投入すると、釣り海老引掛け部材71が水中に沈んで、水底に着地した状態となる。このとき、海老111が、釣り針15に取り付けた餌112やルアーに惹き寄せられ、上記釣り針15よりも下方に配置した上記釣り海老引掛け部材71に対して載り上がるなどして接触する。
【0122】
これにより、海老111の脚、触覚、或いは、殻の表面に有する突起が、上記海老引掛け部材71の獲物引掛け許容領域72に複数植設したループ状引掛け毛16に引掛かり、海老111が逃げようとして後方に退こうとしても、海老引掛け部材71から逃げることを防ぐことができる。
【0123】
よって、海老釣り用仕掛け具70は、海老111を、上記道糸100の先端を基点としてハリス78を介して接続した上記釣り針15が届く範囲内に留めておくことができるため、針掛けのタイミングを確保することができ、確実に針掛けして釣り上げることができる。
なお、釣り補助具は、図8に示すような構成の海老釣り用仕掛け具70として用いるに限らず、適宜、ループ状引掛け毛16のループの大きさや、海老引掛け部材71の大きさ、形状を変更して構成し、蟹などの他の甲殻類を釣り対象の獲物とするよう用いてもよい。
【0124】
(第8実施形態)
第8実施形態における釣り補助具は、上述したルアーなどの釣り用仕掛け具として構成せずに、図9(a),(b)に示すような獲物把持補助具80A,80Bとして構成している。
なお、図9(a)は、鋏型をした獲物把持用バサミ80Aの正面図であり、図9(b)は、火バサミのようにV字型をした獲物把持用バサミ80Bの正面図である。
【0125】
図9(a),(b)に示した獲物把持用バサミ80A,80Bは、先端の獲物把持部81A,81Bに、ゴムなどの弾性体を表層部に装着し、獲物把持部81A,81Bの表面全体には、ループ状引掛け毛16を複数植設した魚引掛け許容布帛82A,82Bを形成している。
【0126】
上述した構成によれば、例えば、釣り上げた鱸系の魚の口に獲物把持部81A,81Bを差し込んで魚の下顎を摘んだ状態で把持することができる。また、獲物把持用バサミ80A,80Bは、魚引掛け許容布帛82A,82Bを、獲物との接触部分である獲物把持部81A,81Bに備えているため、例えば、鱸系の魚の下顎を摘んだとき、ループ状引掛け毛16を鱸系の魚の歯に引掛けることができる。
よって、獲物把持用バサミ80A,80Bは、摘み上げた魚が滑り落ちることなく、しっかりと把持しておくことができる。
【0127】
その他にも、指を魚の口の中に入れて下顎を摘む場合と異なり、手が汚れたり、臭いが残ることもないという効果も得ることができる。
【0128】
また、獲物把持用バサミ80A,80Bは、鱸系の魚の口に差し込んで下顎を摘んだ状態で把持するに限らず、例えば、トゲが突き出したウニなどを怪我することなく、安全に把持することができる。
【0129】
獲物把持補助具は、上述したように獲物把持用バサミ80A,80Bとして構成するに限らず、手で把持する際に装着して魚の把持を補助することができる、例えば、図10(a)に示すような獲物把持補助用手袋90Aや、図10(b)に示すように獲物把持補助用指サック90Bなどで構成することができる。
【0130】
上述した獲物把持補助用手袋90Aは、図10(a)に示すように、手袋本体91Aの少なくとも親指部分にループ状引掛け毛16を複数植設した獲物引掛け許容領域92Aを構成しているため、例えば、鱸系の魚の口に親指を差し込んで下顎を摘んだとき、獲物引掛け許容領域92Aに植設した複数のループ状引掛け毛16を、魚の歯に引掛けることができる。
【0131】
また、上述した獲物把持補助用指サック90Bは、図10(b)に示すように、親指103への装着を許容するよう構成し、指サック本体91Bにおける親指103の指の腹相当部分に、ループ状引掛け毛16を複数植設した獲物引掛け許容領域92Bを構成している。
このため、例えば、鱸系の魚の口に指を差し込んだとき、ループ状引掛け毛16を魚の歯に引掛けて下顎をしっかりと摘むことができる。
【0132】
この発明の構成と、上述した実施形態との対応において、
獲物は、鱸系の魚、イカ、海老111に対応し、
引掛け部分は、鱸系の魚の歯、イカの吸盤、海老111の脚、触覚、甲羅の突起に対応し、
釣り補助具は、ルアー10A,10B,20,30,50,60、擬似餌シート40、海老釣り用仕掛け具70、獲物把持用バサミ80A,80B、獲物把持補助用手袋90A、及び、獲物把持補助用指サック90Bに対応し、
獲物引掛け許容部は、魚引掛け許容布帛12A,82A,82B、及び、獲物引掛け許容領域12B,22,32,42,52,62,72,92A,92Bに対応し、
釣り補助具本体は、ルアー本体11A,11B,21,31,61、シート状擬似餌本体41、ルアー本体部51、海老引掛け部材71、獲物把持部81A,81B、手袋本体91A、及び、指サック本体91Bに対応するものとする。
また、この発明は、上述した実施形態に限らず、その他にも様々な実施形態で形成することができる。
例えば、第1A実施形態におけるルアー10A、及び、第1B実施形態におけるルアー10Bのように、上述した各実施形態のルアー20,30,50,60、海老釣り用仕掛け具70、獲物把持用バサミ80A,80B、獲物把持補助用手袋90A、或いは、獲物把持補助用指サック90Bにおいて、獲物引掛け許容部を、魚引掛け許容布帛82A,82Bとして形成したものは、獲物引掛け許容領域として構成してもよく、獲物引掛け許容領域32,42,52,62,72,92A,92Bとして形成したものは、魚引掛け許容布帛として構成してもよい。
【符号の説明】
【0133】
10A,10B,20,30,50,60…ルアー
11A,11B,21,31,61…ルアー本体
12A,82A,82B…魚引掛け許容布帛
12B,22,32,42,52,62,72,92A,92B…獲物引掛け許容領域
15(15a,15b)…釣り針
16…ループ状引掛け毛
31a…シート状擬似餌
40…シート状擬似餌
41…シート状擬似餌本体
51…ルアー本体部
71…海老引掛け部材
70…海老釣り用仕掛け具
80A,80B…獲物把持用バサミ
81A,81B…獲物把持部
90A…獲物把持補助用手袋
90B…獲物把持補助用指サック
91A…手袋本体
91B…指サック本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、該引掛け部分への引掛けを許容する獲物引掛け許容部を釣り補助具本体に備え、
上記獲物引掛け許容部の表面に、ループ状であるループ状引掛け毛を複数植設した
釣り補助具。
【請求項2】
上記獲物引掛け許容部の近傍に釣り針を備えた
請求項1に記載の釣り補助具。
【請求項3】
上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の前端部よりも少なくとも後方側に備えた
請求項1、又は、2に記載の釣り補助具。
【請求項4】
上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の上端部よりも少なくとも下側に備えた
請求項1から3のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項5】
上記ループ状引掛け毛を、該ループ状引掛け毛のループ開口方向が上記釣り補助具本体の進行方向に一致させて上記獲物引掛け許容部の表面に植設した
請求項1から4のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項6】
道糸の先端側からハリスを介して釣り針を接続し、
上記道糸の先端側を基点として上記釣り針が届く範囲内に上記獲物引掛け許容部を備えた
請求項1から5のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項7】
上記釣り補助具本体を、上記釣り針よりも下方に配置させた状態で道糸の先端側に接続した
請求項6に記載の釣り補助具。
【請求項8】
上記釣り補助具本体を、疑似餌として形成した
請求項1から6のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項9】
上記疑似餌を、長尺状に形成し、
長さ方向に伸縮自在に形成した
請求項8に記載の釣り補助具。
【請求項10】
上記引掛け部分は、魚類系の獲物の歯であり、
上記ループ状引掛け毛を、上記歯への引掛けを許容する大きさのループ形状で形成し、
上記疑似餌を、上記獲物が最大に開いた口の大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成した
請求項8、又は、9に記載の釣り補助具。
【請求項11】
釣り針を、サビキ釣りの仕掛け用の釣り針で形成し、
上記釣り補助具本体を、上記釣り針に取り付けるシート状疑似餌として形成した
請求項2に記載の釣り補助具。
【請求項12】
上記釣り補助具本体を、獲物の把持を補助する獲物把持補助具として構成し、
上記獲物引掛け許容部を、上記獲物把持補助具における獲物を把持したときの獲物との接触部分に備えた
請求項1に記載の釣り補助具。
【請求項1】
釣りの対象となる獲物における、他の部分と比較して硬質部分、突状部分のうち少なくとも一方の部分を引掛け部分として、該引掛け部分への引掛けを許容する獲物引掛け許容部を釣り補助具本体に備え、
上記獲物引掛け許容部の表面に、ループ状であるループ状引掛け毛を複数植設した
釣り補助具。
【請求項2】
上記獲物引掛け許容部の近傍に釣り針を備えた
請求項1に記載の釣り補助具。
【請求項3】
上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の前端部よりも少なくとも後方側に備えた
請求項1、又は、2に記載の釣り補助具。
【請求項4】
上記釣り針は、上記釣り補助具本体の進行方向における上記獲物引掛け許容部の上端部よりも少なくとも下側に備えた
請求項1から3のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項5】
上記ループ状引掛け毛を、該ループ状引掛け毛のループ開口方向が上記釣り補助具本体の進行方向に一致させて上記獲物引掛け許容部の表面に植設した
請求項1から4のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項6】
道糸の先端側からハリスを介して釣り針を接続し、
上記道糸の先端側を基点として上記釣り針が届く範囲内に上記獲物引掛け許容部を備えた
請求項1から5のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項7】
上記釣り補助具本体を、上記釣り針よりも下方に配置させた状態で道糸の先端側に接続した
請求項6に記載の釣り補助具。
【請求項8】
上記釣り補助具本体を、疑似餌として形成した
請求項1から6のいずれかに記載の釣り補助具。
【請求項9】
上記疑似餌を、長尺状に形成し、
長さ方向に伸縮自在に形成した
請求項8に記載の釣り補助具。
【請求項10】
上記引掛け部分は、魚類系の獲物の歯であり、
上記ループ状引掛け毛を、上記歯への引掛けを許容する大きさのループ形状で形成し、
上記疑似餌を、上記獲物が最大に開いた口の大きさと略同じ大きさで、且つ、口内への挿入を許容する大きさで形成した
請求項8、又は、9に記載の釣り補助具。
【請求項11】
釣り針を、サビキ釣りの仕掛け用の釣り針で形成し、
上記釣り補助具本体を、上記釣り針に取り付けるシート状疑似餌として形成した
請求項2に記載の釣り補助具。
【請求項12】
上記釣り補助具本体を、獲物の把持を補助する獲物把持補助具として構成し、
上記獲物引掛け許容部を、上記獲物把持補助具における獲物を把持したときの獲物との接触部分に備えた
請求項1に記載の釣り補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−95579(P2012−95579A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245011(P2010−245011)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(507314361)株式会社ワンナック (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(507314361)株式会社ワンナック (4)
【Fターム(参考)】
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