説明

鉄道車両用のシート

【課題】子供から成人男性まで、様々な体格の人が座っても良好な座り心地を得ることができると共に、掃除がし易い鉄道車両用のシートを提供すること。
【解決手段】座部用シート3は、弾力性のある材料から構成されるクッション体10と、そのクッション体10に取着される表皮カバー20と、そのカバー本体に連結されるシート片30とを備えており、クッション体10には、着座者が着座する座面である複数のバケット部11と、クッション体10をその厚み方向に貫通すると共にシート片30が挿通されるスリット13とが形成される。さらに、クッション体10には、クッション体10の表面から上方に突出されると共に、クッション体10の幅方向に直交する縦方向に延設される区画部12が形成され、スリット13は、区画部12に沿ってクッション体10の縦方向に延設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両用のシートに関し、特に、子供から成人男性まで、様々な体格の人が座っても良好な座り心地を得ることができると共に、掃除がし易い鉄道車両用のシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道車両用のシートが特許文献1に開示されている。かかる従来の鉄道車両用のシートは、弾力性のあるウレタン発泡体(クッション体2)をクッション体として用い、この上に表皮カバー(表皮カバー体3)を取着させることにより、良好な着座感と見栄えの良さとを確保している。
【0003】
かかるクッション体を表皮カバーで取着するための方法について、一例をあげて説明する。まず、クッション体の厚み方向に貫通しクッション体の幅方向に延設されるスリットをクッション体の背もたれ側と背もたれから離間するフロント側とに2本形成する。そして、そのスリット部分に表皮カバーに連結されるシート片を挿通し、そのシート片を下方に引っ張ることによって、表皮カバーがクッション体に取着される。これにより、鉄道車両用のシートに凹設された凹みであり、上方に突出する区画部により区画されたバケット部分が形成され、このバケット部分に着座者のお尻が収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−098013号(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の鉄道車両用のシートでは、スリットに挿通されるシート片によってクッション体が圧縮方向に引っ張られるので、クッション体の表面にスリットに沿った凹みが生じる。そのため、上述したシートには、そのシートに着座した着座者のお尻に接触する部分(座面から圧力を受ける部分)と、接触しない部分(下方に凹んだ部分)とが発生する。
【0006】
これにより、着座者は、そのお尻に圧力を感じる部分と感じない部分とが混在することとなり、かかるお尻に圧力を感じる部分と感じない部分との境界であるエッジ(圧力を感じる側の縁部)に違和感を覚える。また、上述した凹みは、スリットに沿ってクッションの幅方向に延設されると共に、バケット部の背もたれ側とフロント側とに発生する。
【0007】
従って、上述した従来の鉄道車両用のシートでは、着座者がそのシートに着座した場合に、着座者のお尻の位置に上述した凹みが当たると、バケット部に着座した着座者は、違和感を覚えるので、座り心地が悪いという問題点があった。
【0008】
これに対して、かかるエッジがお尻に当たらないように、スリットの位置をシートのフロント側又はシートの背もたれ側にずらすことにより、凹みによるエッジをずらして座り心地の向上を図るという手段が考えられるが、シートには子供から大人まで様々な体格の人が座ることが想定されている。
【0009】
よって、大柄な成人が着座した場合に、そのお尻に凹みによるエッジが当たらないようにスリットを形成すると、幼児や小柄な成人が着座した場合にはそのお尻に凹みによるエッジが当たってしまう。また、逆も同様である。よって、スリットの位置をフロント側又は背もたれ側にずらして凹みによるエッジの位置を変更しても、様々な体格の着座者すべてに対して座り心地の向上を図ることができないという問題点があった。
【0010】
また、引っ張り部分に生じる凹みは鉄道車両用のシートの幅方向に延設される。よって、この凹みに溜まった埃等を掃き出す場合に、まず、凹みに沿って幅方向に掃いて区画部側に埃等を集め、その後、集めた埃等を区画部に沿ってシートの手前側に掃くことにより、埃等をシートの外部に出さなければならない。よって、シートの幅方向に掃く作業と、シートの前後方向に掃く作業とが必要となるので、掃除がし難いという問題があった。
【0011】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、子供から成人男性まで、様々な体格の人が座っても良好な座り心地を得ることができると共に、掃除がし易い鉄道車両用のシートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、請求項1記載の鉄道車両用のシートは、弾力性のある材料から構成されるクッション体と、そのクッション体に取着される表皮カバーと、その表皮カバーに連結されるシート片とを備え、前記クッション体は、着座者が着座する座面である複数のバケット部と、前記クッション体をその厚み方向に貫通すると共に前記シート片が挿通されるスリットとを備え、そのスリットに挿通される前記シート片が引っ張られることにより前記バケット部が形成されると共に前記表皮カバーが前記クッション体に取着されるものであって、前記クッション体は、前記複数のバケット部を区画すると共に前記クッション体の幅方向に直交する縦方向に延設される区画部を備え、前記スリットは、前記区画部に沿って前記クッション体の縦方向に延設されている。
【0013】
請求項2記載の鉄道車両用のシートは、請求項1記載の鉄道車両用のシートにおいて、前記区画部は、前記クッション体の表面から上方に突出形成されると共に、前記クッション体の縦方向に直線状に延設される直線部を備え、前記スリットは、前記区画部の直線部と前記バケット部との境界に設定される仮想の境界線上に延設されている。
【0014】
請求項3記載の鉄道車両用のシートは、請求項2記載の鉄道車両用のシートにおいて、前記表皮カバーが前記クッション体に取着された場合に、前記バケット部の区画部側の縁部は、前記境界線に沿って背もたれ側からその背もたれ側と対向するフロント側に向かって下降傾斜又は上昇傾斜するように構成されている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の鉄道車両用のシートによれば、弾力性のあるクッション部材であるクッション体に、着座者が着座する座面である複数のバケット部と、クッション体をその厚み方向に貫通するスリットとが設けられ、そのスリットに挿通されるシート片が引っ張られることにより、そのシート片に連結される表皮カバーがクッション体に取着される。
【0016】
ここで、請求項1記載の鉄道車両用のシートでは、複数のバケット部を区画する区画部がクッション体の幅方向に直交する縦方向に延設される。よって、シート片が挿通されるスリットは、かかる区画部に沿ってクッション体の縦方向に延設されるので、シート片が引っ張られることにより、区画部に沿ってクッション体がその厚み方向に圧縮され、区画部に沿って凹みが形成される。
【0017】
かかる凹みは、区画部に沿って形成されるので、バケット部を避けた位置でクッション体の縦方向に延設される。従って、区画部によって区画されるバケット部に、背丈の大きい大人から背丈の小さい子供まで様々な体格の人が着座した場合であっても、その凹みが着座者のお尻に当たらず、様々な体格の着座者すべてに対して座り心地の向上を図ることができるという効果がある。
【0018】
また、凹みがクッション体の縦方向に延設されるので、凹みに溜まった埃等をより少ない回数で外部に掃き出すことができ、掃除作業を簡易に行えるという効果がある。
【0019】
即ち、凹みに溜まった埃等を掃き出す場合に、まず、凹みに沿ってクッション体の縦方向の手前側に掃くことにより埃等を集め、その集めた埃等を更に同一方向に掃き出すことにより、埃等を鉄道車両用のシートの外部に排出することができる。
【0020】
よって、凹みに沿ってクッション体の縦方向の手前側に掃くという動作で埃等を鉄道車両用のシートから掃き出すことができる。従って、従来の鉄道車両用のシートのように、クッション体の幅方向に延設される凹みに溜まった埃等を掃き出す際に、クッション体の幅方向に掃く作業と、クッション体の縦方向で手前側に掃く作業とが必要となる場合に比べて、作業工程を少なくできるので、掃除作業を簡易に行える。
【0021】
請求項2記載の鉄道車両用のシートによれば、請求項1記載の鉄道車両用のシートの奏する効果に加え、スリットに挿通させたシート片を引っ張ることにより、クッション体の表面から上方に突出形成される区画部、及びその区画部により表面から区画されるバケット部に表皮カバーを取着する取付作業(表皮カバーの取付作業)の効率化を図れるという効果がある。
【0022】
即ち、クッション体に表皮カバーを取着する場合に、まず、複数のバケット部のうち、クッション体の幅方向で中央に配設されるバケット部に表皮カバーが取着される。具体的には、かかる中央のバケット部の両側に配設されるスリットにシート片が挿通され、そのスリットに挿通されたシート片が引っ張られることにより、中央のバケット部に沿って表皮カバーが密着した状態で取着される。
【0023】
この場合、スリットは、クッション体の表面から上方に突出形成される区画部の直線部とバケット部との境界に設定される仮想の境界線上に延設されている。かかる区画部の直線部は、クッション体の縦方向に直線状に延設されるので、仮想の境界線上にクッション体の縦方向で直線状に延設される凹みが形成される。
【0024】
次に、かかるバケット部の両側に配設される区画部に、表皮カバーが取着される。具体的には、上述した凹みと区画部を介して隣設するスリットにシート片を挿通し、上述した凹みの深さを参照しながら、シート片が引っ張られる。これにより、区画部に沿って表皮カバーが密着した状態で取着される。
【0025】
この場合、上述した凹みを参照しながら(シート片を引っ張ることによって形成される凹みが上述した凹みと同じ深さとなるように)シート片を引っ張ることができるので、仮想の境界線上にクッション体の縦方向で直線状に延設される全ての凹みの深さを均一に設定できる。
【0026】
このように、クッション体の幅方向における中央に配設されたバケット部に表皮カバーを取着した場合に形成される凹みの深さを参照しながら、他のシート片を引っ張ることができるので、表皮カバーの取付作業の効率化を図れる。
【0027】
従来の鉄道車両用のシートでは、クッション体の幅方向にスリットが延設される。よって、そのスリットに挿通されるシート片が引っ張られて形成される凹みが、クッション体の幅方向に延設される。かかる凹みが、まず中央バケット部に形成されると、他のバケット部(中央のバケット部と隣設するバケット部)のスリットに挿通されたシート片が引っ張られることによって凹みが形成される場合に、かかるシート片の中央のバケット部側端が引っ張られてしまう。よって、スリットの延設方向であるクッション体の幅方向にわたって表皮カバーを均一に引っ張ることができず、凹みの深さを均一に設定することができない。
【0028】
従って、全ての凹みの深さを均一に設定するために、全てのスリットにそれぞれシート片を挿通した状態で、各シート片を交互に引っ張りながら凹みの深さが均一となるように、シートを引っ張る張力を調整しなければならない。よって、かかる調整作業に手間がかかるので、作業者の負担が大きい。
【0029】
これに対し、請求項2記載の鉄道車両用のシートによれば、仮想の境界線に沿ってクッション体の縦方向に凹みが延設されるので、かかる凹みが、まず中央のバケット部に形成されても、他のバケット部のスリットに挿通されたシート片によって凹みが形成される場合に、シート片の端部が中央のバケット部側に引っ張られることがない。よって、スリットの延設方向であるクッション体の縦方向にわたって表皮カバーを均一に引っ張ることができるので、凹みの深さを均一に設定することができる。結果として、表皮カバーの取付作業の効率化を図れる。
【0030】
また、スリットは、クッション体の縦方向で直線状に延設されると共に突出形成される区画部の直線部とバケット部との境界線である直線部分に延設されるので、区画部により各バケット部の区画が明瞭となり、各バケット部を跨いだ状態で着座者が着座することを防止できるという効果がある。
【0031】
また、シート片が挿通されるスリットは、区画部の直線部とバケット部との境界に設定される仮想の境界線の直線部分に延設されるので、表皮カバーのシート片により引っ張られる部分にしわが発生せず、表皮カバーの見栄えが向上すると共に、表皮カバーの取付作業の作業性を向上できるという効果がある。
【0032】
例えば、スリットを同一の仮想境界線上に複数本形成し、それぞれのスリットにシート片を挿入して引っ張る場合では、スリットとスリットとの間の表皮カバーにしわが発生してしまう。よって、表皮カバーにしわを発生させないために、複数本のシート片を均等に引っ張らなければならないので、表皮カバーの取付作業の作業性が悪い。
【0033】
これに対し、請求項2記載の鉄道車両用のシートによれば、スリットは、仮想の境界線上に延設されるのみである。よって、表皮カバーのシート片により引っ張られる部分にしわが発生しないので、表皮カバーにしわが発生しないように複数本のシート片を均等に引っ張る必要がなく、表皮カバーの取付作業性を向上できる。
【0034】
請求項3記載の鉄道車両用のシートによれば、請求項2記載の鉄道車両用のシートの奏する効果に加え、表皮カバーがクッション体に取着された場合に、バケット部の区画部側の縁部は、仮想の境界線に沿って背もたれ側からその背もたれ側と対向するフロント側に向かって下降傾斜又は上昇傾斜するように構成される。よって、バケット部の区画部側の縁部が仮想の境界線に沿って背もたれ側からフロント側に向かって下降傾斜するように構成された場合は、凹みの深さを後側より前側で深く設定できる。また、バケット部の区画部側の縁部が仮想の境界線に沿ってフロント側から背もたれ側に向かって下降傾斜するように構成された場合は、凹みの深さを前側より後側で深く設定できる。
【0035】
よって、凹みの深さを前側より後側で深く設定した場合は、凹みが前側に向かって浅くなるのでゴミを掃き出しやすいので、掃除作業を簡易に行えるという効果がある。また、凹みの深さを後側より前側で深く設定した場合は、凹みが後側に向かって浅くなるので、背もたれと鉄道車両用のシートとの連結に形成される隙間にゴミが溜まりにくいので、掃除作業を簡易に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施の形態における鉄道車両用のシートを示す斜視図である。
【図2】(a)は、クッション体の上面図であり、(b)は、図2(a)のIIb―IIb線におけるクッション体の断面図であり、(c)は、図2(a)のIIc―IIc線におけるクッション体の断面図であり、(d)は、図2(a)のIId―IId線におけるクッション体の断面図である。
【図3】(a)は、鉄道車両用のシートの上面図であり、(b)は、図3(a)のIIIb―IIIb線における鉄道車両用のシートの断面図であり、(c)は、図3(a)のIIIc―IIIc線における鉄道車両用のシートの断面図であり、(d)は、図3(a)のIIId―IIId線における鉄道車両用のシートの断面図である。
【図4】(a)は、表皮カバーを取り付ける前の状態を示すクッション体の断面図であり、(b)は、中央のバケット部に表皮カバーを取着した状態を示すクッション体の断面図である。
【図5】本発明の第2実施の形態における鉄道車両用のシートを示しており、(a)は、図3(c)に相当する鉄道車両用のシートの断面図であり、(b)は、図3(d)に相当する鉄道車両用のシートの断面図である。
【図6】本発明の第3実施の形態における鉄道車両用のシートを示しており、(a)は、図3(c)に相当する鉄道車両用のシートの断面図であり、(b)は、図3(d)に相当する鉄道車両用のシートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施の形態における鉄道車両用のシート1の斜視図である。鉄道車両用のシート1は、車両の側面(図示せず)に固定される基礎部2と、その基礎部2に固定される座部用シート3と、その座部用シート3に連結される背もたれシート4と、その背もたれシート4及び座部用シート3の側方に配設され基礎部2に固定される肘掛け部7とを備えて構成される。座部用シート3は、弾力性のある材料から構成されるクッション体10(図2(a)参照)と、そのクッション体10に取着される表皮カバー20(図3(a)参照)と、その表皮カバー20に連結されるシート片30(図3(a)参照)とを備えている。
【0038】
図2を参照して、まず、クッション体10の構成について説明する。図2(a)は、クッション体10の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb―IIb線におけるクッション体10の断面図であり、図2(c)は、図2(a)のIIc―IIc線におけるクッション体10の断面図であり、図2(d)は、図2(a)のIId―IId線におけるクッション体10の断面図である。また、図2(b)では、図2(b)のXで示す部分が、拡大図示されている。
【0039】
図2(a)〜図2(d)に示すように、クッション体10は、クッション体10の幅方向(背もたれシート4(図1参照)に平行な方向,図2(a)及び図2(b)左右方向)がクッション体10の幅方向に直交する縦方向(背もたれシート4に直交する方向,図2(a)上下方向)よりも長尺な矩形状に形成されるクッション部材であり、後述する区画部12を除き、その厚み(図2(b)上下方向の長さ)が略同一に設定される。
【0040】
また、クッション体10には、着座者が着座する座面である複数のバケット部11と、クッション体10をその厚み方向に貫通すると共にシート片30(図4(a)参照)が挿通されるスリット13とが形成される。
【0041】
図2(a)〜図2(d)に示すように、バケット部11は、上述したように着座者が着座する座面であり、平坦状に形成される。かかるバケット部11は、後述する区画部12でクッション体10の表面を区画することによりクッション体10に複数設定される。なお、第1実施の形態では、3つのバケット部が設定される。
【0042】
図2(a)及び図2(b)に示すように、区画部12は、バケット部11を区画する仕切りであり、クッション体10の表面から上方(図2(b)上方)に突出形成されると共に、クッション体10の縦方向(図2(a)上下方向)に延設される。
【0043】
区画部12は、クッション体10の縦方向(図2(a)上下方向)に直線状に延設される直線部12aと、クッション体10の縦方向で直線部12aの両端に、その直線部12aと連続して形成され上面視でクッション体10の外側に向かって(図2(a)上側に向かって又は下側に向かって)三角形状に形成される尖端部12bとを備えている。
【0044】
よって、区画部12は、クッション体10の表面から上方(図2(b)上方)に突出形成されるので、複数のバケット部11の表面をクッション体10の表面から明瞭に区画することができる。従って、バケット部11ごとに着座者を着座させることができるので、着座者が区画部12に跨って着座することを防止でき、座部用シート3(図1参照)に適正人数を着座させることができる。
【0045】
図2(b)に示すように、スリット13は、上述したように、クッション体10をその厚み方向(図2(b)上下方向)に貫通する切れ込み状のものであり、区画部12に沿ってクッション体10の縦方向(図2(b)紙面手前から奥方向)に延設される。具体的には、図2(a)に示すように、スリット13は、座面であるバケット部11と区画部12の直線部12aとの境界に設定される仮想の境界線14上に延設される。
【0046】
かかるスリット13の長さは仮想の境界線14と略同一に設定され、そのスリット13に挿通される後述するシート片30(図3(a)参照)の長さも仮想の境界線14と略同一の長さに設定されている。
【0047】
よって、後述するシート片30(図3(a)参照)がクッション体10の上方(図2(b)上方)からスリット13に挿通されクッション体10の下方(図2(b)下方)に引っ張られることにより、後述する表皮カバー20(図3(a)参照)がバケット部11と区画部12との全域に渡って隙間なく取着される。従って、表皮カバー20にしわが発生することを防止でき、座部用シート3(図1参照)の見栄えが良好となる。
【0048】
次に、図3を参照して、座部用シート3の構成について説明する。図3(a)は、座部用シート3の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb―IIIb線における座部用シート3の断面図であり、図3(c)は、図3(a)のIIIc―IIIc線における座部用シート3の断面図であり、図3(d)は、図3(a)のIIId―IIId線における座部用シート3の断面図である。なお、図3(b)では、図3(b)のYで示す部分が、拡大図示されている。
【0049】
図3(b)及び図3(c)に示すように、座部用シート3は、上述したように、クッション体10に取着される表皮カバー20と、その表皮カバー20に連結されるシート片30とを備えている。
【0050】
図3(a)及び図3(b)に示すように、表皮カバー20は、クッション体10を保護するために、クッション体10の表面を覆う伸縮可能な材料で形成された布であり、表皮カバー20が取着される前のクッション体10の形状と合わせた形状に形成される。即ち、図3(c)及び図3(d)に示すように、区画部12の突出形状と一致する突出形状に形成された突部22と、バケット部11と一致する平面状に形成された表皮部21とを備えている。
【0051】
図3(b)及び図3(d)に示すように、シート片30は、表皮カバー20をクッション体10に密着させるために、表皮カバー20の裏面(図3(b)下側の面)に縫着された布であり、少なくとも、表皮カバー20が取着される前の状態で、クッション体10の区画部12の厚み方向(図3(b)上下方向)における長さより長尺に形成される。
【0052】
図3(b)に示すように、スリット13に挿通されたシート片30が下方(図3(a)下方)に引っ張られることにより、表皮カバー20が伸長し、その伸長した表皮カバー20によって、バケット部11の両側が押圧される。これにより、表皮カバー20によってクッション体10が圧縮される。特に、表皮カバー20のシート片30が縫着された部分によってクッション体10が最も圧縮されるので、クッション体10の境界線14(図2(a)参照)に沿って下向きの凹み5が形成される。これにより、バケット部11のIIIb―IIIb線における断面が上向きの凸形状に形成される。
【0053】
図3(b)及び図3(c)に示すように、また、クッション体10の幅方向(図3(a)左右方向)でバケット部11の両側に仮想の境界線14(図2参照)に沿って凹み5が配設されるので、バケット部11に着座者のお尻が収容される凹みである収容部6が形成される。さらに、クッション体10が圧縮されるので、区画部12に沿って表皮カバー20が密着した状態で取着される。
【0054】
シート片30を引っ張ることによって形成される凹み5は、区画部12、具体的には境界線14(図2(a)参照)に沿って形成されるので、バケット部11を避けた位置でクッション体10の縦方向(図3(a)上下方向)に延設される。従って、第1実施の形態における座部用シート3において、区画部12によって区画されるバケット部11に、背丈の大きい大人から背丈の小さい子供まで様々な体格の人が着座した場合であっても、その凹み5が着座者のお尻に当たらず、様々な体格の着座者すべてに対して座り心地の向上を図ることができる。
【0055】
凹み5に溜まった埃等を掃き出す場合に、まず、凹み5に沿ってクッション体10の縦方向の手前側(図3(a)下側)に掃くことにより埃等を集め、その集めた埃等を更に同一方向に掃き出すことにより、埃等を座部用シート3の外部に排出することができる。
【0056】
よって、凹み5に沿ってクッション体10の縦方向の手前側(図3(a)下側)に掃くという簡単な動作で埃等を座部用シート3から掃き出すことができる。従って、従来の座部用シートのように、クッション体の幅方向(図3(a)左右方向)に延設される凹み5に溜まった埃等を掃き出す際に、かかる幅方向に掃く作業と、クッション体の縦方向で手前側に掃く作業とが必要となる場合に比べて、作業工程を少なくできるので、掃除作業を簡易に行える。
【0057】
次に、図4を参照して、クッション体10に表皮カバー20を取り付ける工程を説明する。図4(a)は、表皮カバー20を取り付ける前の状態を示すクッション体10の断面図であり、図4(b)は、中央のバケット部11に表皮カバー20を取着した状態を示すクッション体10の断面図である。なお、図4(a)及び図4(b)は、図2(b)で示すクッション体10の断面図に対応する。また、矢印Fはクッション体10の前方を、矢印Bは後方を、矢印Uは上方を、矢印Dは下方を、矢印Lは左方を及び矢印Rは右方を示している。
【0058】
図4(a)に示すように、表皮カバー20をクッション体10の上方(図4(a)上方)からクッション体10に被せた後、クッション体10の幅方向(図4(a)左右方向)で中央に配設されるバケット部11から順番に表皮カバー20を取着する。
【0059】
具体的には、図4(b)に示すように、(1)〜(6)の順番でシート片30を引っ張って表皮カバー20をクッション体10に取着する作業(表皮カバー20の取付作業)を行う。まず、(1)中央のバケット部11の両側の一方側(例えば、矢印R側(図4(b)右側)に配設されるスリット13にシート片30が挿通され、そのスリット13に挿通されたシート片30が矢印Dで示すクッション体10の下方(図4(b)下方)に引っ張られる。
【0060】
その後、同様に、(2)中央のバケット部11の両側の他方(例えば、矢印L側(図4(b)左側)に配設されるスリット13にシート片30が挿通され、そのスリット13に挿通されたシート片30が矢印Dで示すクッション体10の下方(図4(b)下方)に引っ張られる。
【0061】
よって、中央のバケット部11の両側でシート片30が矢印Dで示すクッション体10の下方(図4(b)下方)に引っ張られることにより、中央のバケット部11に沿って表皮カバー20の表皮部21が密着した状態で取着される。
【0062】
この場合、スリット13は、クッション体10の表面から矢印Uで示す上方(図4(b)上方)に突出形成される区画部12の直線部12a(図3(a)参照)とバケット部11との境界に設定される仮想の境界線14(図3(a)参照)上に延設されている。かかる区画部12の直線部12aは、クッション体10の縦方向(図4(b)紙面手前から奥方向)に直線状に延設されるので、仮想の境界線14上にクッション体10の縦方向で直線状に延設される凹み5が形成される。
【0063】
次に、かかるバケット部11の両側に配設される各区画部12に、それぞれ表皮カバー20が取着される。具体的には、まず、(3)凹み5((1)の工程で形成される凹み5)と区画部12を介して矢印R側に隣設するスリット13にシート片30が挿通され、上述した凹み5の深さを参照しながら、シート片30が引っ張られる。そして、同様に、(4)凹み5((2)の工程で形成される凹み5)と区画部12を介して矢印L側に隣設するスリット13にシート片30を挿通し、上述した凹み5の深さを参照しながら、シート片30が引っ張られる。
【0064】
これにより、(3)及び(4)の工程において、区画部12に沿って表皮カバー20の突部22が密着した状態で取着され、(1)及び(2)の場合と同様に、仮想の境界線14上にクッション体10の縦方向で直線状に延設される凹み5が形成される。
【0065】
この場合、上述した凹み5((1)又は(2)の工程で形成される凹み5)を参照しながら、(3)又は(4)の工程を行うことができる。具体的には、(3)の工程において、シート片30を引っ張ることによって形成される凹み5が上述した凹み5((1)の工程で形成される凹み5)と同じ深さとなるように調整しながら、シート片30を引っ張ることができる。同様に、(4)の工程において、シート片30を引っ張ることによって形成される凹み5が上述した凹み5((2)の工程で形成される凹み5)と同じ深さとなるように調整しながら、シート片30を引っ張ることができる。
【0066】
その後、(5)〜(6)の工程において同様にスリット13にシート片30が挿通されてクッション体10の矢印Dで示す下方(図4(b)下方)に引っ張られる。よって、(1)〜(6)の工程を順番に行うことにより、仮想の境界線14(図3(a)参照)上にクッション体10の縦方向(図4(b)紙面手前から奥方向)で直線状に延設される全ての凹み5の深さを均一に設定できる(図3(b)参照)。
【0067】
このように、クッション体10の幅方向(図4(b)左右方向)における中央に配設されたバケット部11に表皮カバー20を取着した場合に形成される凹み5の深さを参照しながら、他のシート片30を引っ張ることができるので、表皮カバー20の取付作業の効率化を図れる。
【0068】
従来の座部用シートでは、クッション体の幅方向(図4(b)左右方向)にスリットが延設される。よって、そのスリットに挿通されるシート片が引っ張られて形成される凹みが、クッション体の幅方向に延設される。かかる凹みが、まず中央のバケット部に形成されると、他のバケット部(中央のバケット部と隣設するバケット部)のスリットに挿通されたシート片が引っ張られることによって凹みが形成される場合に、かかるシート片の中央側のバケット部側端が引っ張られてしまう。よって、スリットの延設方向であるクッション体の幅方向(図4(b)左右方向)にわたって表皮カバーを均一に引っ張ることができず、凹みの深さを均一に設定することができない。
【0069】
従って、全ての凹みの深さを均一に設定するために、全てのスリットにそれぞれシート片を挿通した状態で、各シート片を交互に引っ張りながら凹みの深さが均一となるように、シートを引っ張る張力を調整しなければならない。よって、かかる調整作業に手間がかかるので、作業者の負担が大きい。
【0070】
これに対し、本発明の座部用シート3では、仮想の境界線14(図3(a)参照)に沿ってクッション体10の縦方向(図4(b)紙面手前から奥方向)に凹み5が延設される。よって、かかる凹み5が、まず中央のバケット部11に形成されても、他のバケット部11(中央のバケット部11と隣設するバケット部11)のスリット13に挿通されたシート片30によって凹み5が形成される場合に、シート片30の端部が中央のバケット部側(図4(b)紙面中央側)に引っ張られることがない。
【0071】
よって、スリット13の延設方向であるクッション体10の縦方向(図4(b)紙面手前から奥方向)にわたって表皮カバー20を均一に引っ張ることができるので、凹み5の深さを均一に設定することができる。結果として、表皮カバー20の取付作業の効率化を図れる。
【0072】
また、スリット13は、クッション体10の縦方向(図4(b)紙面手前から奥方向)で直線状に延設されると共に突出形成される区画部12の直線部12a(図3(a)参照)とバケット部11との仮想の境界線14(図3(a)参照)の直線部分に延設されるので、区画部12により各バケット部11の区画が明瞭となり、各バケット部11を跨いだ状態で着座者が着座することを防止できる。
【0073】
また、シート片30が挿通されるスリット13は、仮想の境界線14(図3(a)参照)の直線部分に延設されるので、表皮カバー20のシート片30により引っ張られる部分にしわが発生せず、表皮カバー20の見栄えが向上すると共に、表皮カバー20の取付作業の作業性を向上できる。
【0074】
例えば、スリット13を同一の仮想線上に複数本形成し、それぞれのスリット13にシート片30を挿入して引っ張る場合では、スリット13とスリット13との間の表皮カバー20にしわが発生してしまう。よって、表皮カバー20にしわを発生させないために、複数本のシート片30を均等に引っ張らなければならないので、表皮カバー20の取付作業の作業性が悪い。
【0075】
これに対し、本発明の座部用シート3によれば、表皮カバー20のシート片30により引っ張られる部分にしわが発生しないので、表皮カバー20にしわが発生しないように複数本のシート片30を矢印D方向に均等に引っ張る必要がなく、表皮カバー20の取付作業性を向上できる。また、スリット13は、仮想の境界線14(図3(a)参照)上に延設されるのみであるので、バケット部11の着座者のお尻が当たる部分に凹み5が現れない。よって、着座者の座り心地を向上できる。
【0076】
次に、図5を参照して、本発明の第2実施の形態における座部用シート103について説明する。図5は、本発明の第2実施の形態における座部用シート103の断面図であり、図5(a)は、図3(c)の断面図に相当し、図5(b)は、図3(d)の断面図に相当する。また、座部用シート103の上面図及び座部用シート103の縦方向の中央を幅方向にそって切断した断面図は、第1実施の形態と同様であるため、省略されている。また、第3実施の形態の座部用シート203においても同様である。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第3実施の形態についても同様である。
【0077】
第1実施の形態における座部用シート3では、バケット部11の区画部12側の縁部は、境界線14に沿って同じ高さ(図2(d)左右方向の長さ)になるように構成されるのに対して、第2実施の形態における座部用シート103では、表皮カバー120がクッション体110に取着された場合に、バケット部111の区画部12側(図5(a)紙面奥側)の縁部は、境界線14(図2参照)に沿って背もたれシート4(図1参照)側(図5(b)右側)からその背もたれ側と対向するフロント側(図5(b)左側)に向かって下降傾斜するように構成されている。
【0078】
即ち、シート片30を引っ張る張力が背もたれシート4(図1参照)側(図5(b)右側)よりもフロント側(図5(b)左側)で大きくなるように設定されている。よって、表皮カバー120の表皮部121により、クッション体110は背もたれシート4側よりもフロント側で強く押圧されるので、境界線14(図2参照)に沿って形成される凹み105の深さを背もたれ側よりフロント側で深く設定できる。よって、かかる凹み105が背もたれシート4側に向かって浅くなるので、背もたれシート4と座部用シート203との連結部分に形成される隙間にゴミが溜まりにくく、掃除作業を簡易に行うことができる。
【0079】
最後に、図6を参照して、本発明の第3実施の形態における座部用シート203について説明する。図6は、本発明の第3実施の形態における座部用シート203の断面図であり、図6(a)は図3(c)の断面図に相当し、図6(b)は図3(d)の断面図に相当する。
【0080】
第3実施の形態における座部用シート203では、表皮カバー220がクッション体210に取着された場合に、バケット部211の区画部12側(図6(a)紙面奥側)の縁部は、境界線14(図2参照)に沿って背もたれシート4(図1参照)側(図6(b)右側)からその背もたれシート4側と対向するフロント側(図6(b)左側)に向かって上昇傾斜するように構成されている。
【0081】
即ち、シート片30を引っ張る張力がフロント側(図6(b)左側)よりも背もたれシート4(図1参照)側(図6(b)右側)で大きくなるように設定されている。よって、表皮カバー220の表皮部221により、クッション体210はフロント側よりも背もたれシート4側で強く押圧されるので、境界線14(図2参照)に沿って形成される凹み205の深さをフロント側より背もたれシート4側で深く設定できる。かかる凹み205がフロント側に向かって浅くなるので、凹み205に溜まったゴミをフロント側から掃き出しやすく、掃除作業を簡易に行うことができる。
【0082】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0083】
上記の各実施の形態では、クッション体10,110,210に切れ込み状のスリット13を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一定の隙間を有する貫通孔を形成するように構成しても良い。この場合は、貫通孔にシート片30を挿通させる挿通作業を簡易に行うことができるので、かかる挿通作業の作業性の向上が図れる。
【0084】
また、上記の各実施の形態では、表皮カバー20,120,220は、伸縮可能な布で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、伸縮不可能な布で形成してもよい。この場合は、クッション体10,110,210が圧縮した後の形状に一致させて表皮カバー20,120,220が形成されることが好ましい。これにより、表皮カバー20,120,220の形状に一致するまでクッション体10,110,210を圧縮させれば、上述した凹み5,105,205を均一化できるので、凹み5,105,205を参考にしながら表皮カバー20,120,220を取着する必要がない。表皮カバー20,120,220の取付作業を簡易に行うことができる。
【0085】
さらに、上記の各実施の形態では、クッション体10,110,210の表面の全部が区画部12によって複数のバケット部11,111,211に区画される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、クッション体10,110,210の表面の一部が一対の区画部12によって1つのバケット部11,111,211に区画される場合であってもよい。例えば、座部用シート3,103,203の一部にのみ優先座席を設ける場合に有効である。
【0086】
また、上記の各実施の形態では、座部用シート3,103,203のクッション体10,110,210に区画部を設け、その区画部12に沿ってクッション体10,110,210の縦方向にスリット13が延設されたが、必ずしもこれに限られるものではなく、背もたれシート4のクッション体に区画部を設け、その区画部に沿ってクッション体の縦方向(着座者が座部用シートに着座した場合の鉄道用車両シートの上下方向)にスリット13が延設されてもよい。
【0087】
この場合は、座部用シートに着座した着座者の背中にスリットによる凹みが当たらないので、着座者が背中に違和感を覚えることを抑制でき、良好な座り心地を得ることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 鉄道車両用のシート
3 座部用シート(鉄道車両用のシートの一部)
10,110,210 クッション体
11,111,211 バケット部
12 区画部
12a 直線部
13 スリット
14 境界線
20,120,220 表皮カバー
30 シート片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾力性のある材料から構成されるクッション体と、そのクッション体に取着される表皮カバーと、その表皮カバーに連結されるシート片とを備え、前記クッション体は、着座者が着座する座面である複数のバケット部と、前記クッション体をその厚み方向に貫通すると共に前記シート片が挿通されるスリットとを備え、そのスリットに挿通される前記シート片が引っ張られることにより前記バケット部が形成されると共に前記表皮カバーが前記クッション体に取着される鉄道車両用のシートにおいて、
前記クッション体は、前記複数のバケット部を区画すると共に前記クッション体の幅方向に直交する縦方向に延設される区画部を備え、
前記スリットは、前記区画部に沿って前記クッション体の縦方向に延設されることを特徴とする鉄道車両用のシート。
【請求項2】
前記区画部は、前記クッション体の表面から上方に突出形成されると共に、前記クッション体の縦方向に直線状に延設される直線部を備え、
前記スリットは、前記区画部の直線部と前記バケット部との境界に設定される仮想の境界線上に延設されることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用のシート。
【請求項3】
前記表皮カバーが前記クッション体に取着された場合に、前記バケット部の区画部側の縁部は、前記境界線に沿って背もたれ側からその背もたれ側と対向するフロント側に向かって下降傾斜又は上昇傾斜するように構成される請求項2記載の鉄道車両用のシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−280234(P2010−280234A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132781(P2009−132781)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【出願人】(504158881)東京地下鉄株式会社 (22)
【Fターム(参考)】