鍔付きピンの梱包材、梱包ユニット及び梱包ユニットの組立方法、開梱方法
【課題】多数の鍔付きピンを効率よく運搬することができる梱包材を提供する。
【解決手段】梱包材1は、鍔付きピン4の鍔部41を受け、且つピン部40が嵌まる複数の挿入孔20、20を開設した保持部2を具え、該保持部上の挿入孔は、保持部を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに重ならない位置に形成されている。保持部の側面には、壁部が位置し、該壁部は水平方向に沿って凹部31と凸部30を交互に形成し、該凹部と凸部は保持部を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに嵌まり合う位置に形成されている。
【解決手段】梱包材1は、鍔付きピン4の鍔部41を受け、且つピン部40が嵌まる複数の挿入孔20、20を開設した保持部2を具え、該保持部上の挿入孔は、保持部を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに重ならない位置に形成されている。保持部の側面には、壁部が位置し、該壁部は水平方向に沿って凹部31と凸部30を交互に形成し、該凹部と凸部は保持部を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに嵌まり合う位置に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンバルブのような一端部に鍔を設けたピンを複数梱包する梱包材、該梱包材を用いた梱包ユニット及び梱包ユニットの組立方法、開梱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鍔付きピン(4)の梱包材としては、図8に示すものが提案されている(特許文献1参照)。これは、鍔付きピン(4)として釘を梱包する梱包材であり、釘は周知の如く、先端が尖ったピン部(40)の他端部に鍔部(41)を設け、ピン部(40)は鍔部(41)の反対側に突出しない。梱包材は樹脂から形成された可撓性の長尺部材であるベルト体(8)を具える。ベルト体(8)は、長手方向に沿って複数の保持板(80)(80)を連ね、保持板(80)(80)は上下2段に設けられている。各保持板(80)はピン部(40)が嵌まり、周縁部で鍔部(41)を受ける保持穴(81)を開設している。
【0003】
鍔付きピン(4)(4)が装着されるベルト体(8)は、図9(a)に示すように、渦巻き状に巻回され、図9(b)に示すように、中心部に開口(90)を形成した巻回体(9)を形成する。 図10に示すように、これを2個一対として上下に配備する。ピン部(40)の先端部どうしが対向するように、下側の巻回体(9)を表裏を逆にし、両巻回体(9)(9)間にスペーサ(91)を嵌める。スペーサ(91)は、巻回体(9)の開口(90)周縁部の保持板(80)を受ける筒(92)の上下面から開口(90)に嵌まるガイド(93)(93)を突出しており、ガイド(93)(93)を開口(90)に嵌めた状態で、図11に示すように、両巻回体(9)(9)が筒(92)の高さHだけ上下に離間して組み合わされる。ピン部(40)が巻回体(9)の保持板(80)から突出する長さAは両巻回体(9)(9)の離間距離であるHより短く、両巻回体(9)(9)から突出したピン部(40)の先端部は互いに干渉しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−230815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の構成では、鍔付きピン(4)を梱包した巻回体(9)(9)は高さHだけ離れており、巻回体(9)(9)を組み合わせた全体の寸法が大型化していた。多数の鍔付きピン(4)を梱包して効率よく運搬するには、梱包体全体を小型化する必要がある。
本発明の目的は、多数の鍔付きピンを効率よく運搬することができる梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
梱包材は、一端部に鍔部(41)を有する鍔付きピン(4)の鍔部(41)を受けるとともに、鍔付きピン(4)のピン部(40)が挿通される複数の挿入孔(20)(20)が一面に開設された保持部(2)を具えている。該複数の挿入孔(20)(20)は、同一直線上にて挿入孔を一定間隔毎に配列した列を、配列直線が互いに平行となるように複数設けることによって保持部(2)上に開設されている。1の列の挿入孔(20)と、隣り合う列の挿入孔(20)とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
1.1の保持部(2)に鍔付きピン(4)を挿入すると、鍔部(41)が保持部(2)上面に受けられ、ピン部(40)が挿入孔(20)を通る。1の列の挿入孔(20)と、隣り合う列の挿入孔(20)とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられているから、鍔付きピン(4)を挿入した別の保持部(2)を上下反転させて1の保持部(2)の下方に重ねると、挿入孔(20)(20)は、保持部(2)を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに重ならない位置に形成される。1の保持部(2)に嵌まったピン部(40)と、別の保持部(2)に嵌まったピン部(40)とは干渉しない。これにより、2つの梱包材(1)(1)を互いに表裏を逆にして重ねることにより、1の梱包材と略同じ平面面積にて、1の梱包材よりも多くの鍔付きピン(4)を梱包することができる。
2.また、壁部(3)の凹部(31)と凸部(30)は保持部(2)を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに嵌まり合う位置に形成されているから、2つの梱包材(1)(1)を互いに表裏を逆にして重ねることにより、2つの梱包材分よりも薄い厚みにて1の梱包材よりも多くの鍔付きピン(4)を梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)、(b)、(c)は、本例に係わる梱包材を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。
【図2】梱包材の斜視図である。
【図3】(a)は、保持部を裏から見た下面図であり、図1(a)とは挿入孔の配列が左右逆になる。(b)は、1の保持部に他の保持部を上下反転させて重ねた仮想状態の平面図である。
【図4】仮想状態に於ける壁片の正面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)、(d)は、鍔付きピンの梱包手順を示す斜視図である。
【図6】開梱方法を示す斜視図である。
【図7】複数段積み上げられてケースに挿入された梱包ユニットの正面図である。
【図8】鍔付きピンの従来の梱包材の斜視図である。
【図9】(a)は、図8に示す従来の梱包材を渦巻き状に巻回した巻回体の平面図であり、(b)は(a)の正面図である。
【図10】2つの巻回体の間に、スペーサを配備した状態の分解図である。
【図11】2つの巻回体の間に、スペーサを配備した状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。本例では梱包材(1)に挿入される鍔付きピン(4)として、自動車や二輪車用のピストンバルブを例示する。鍔付きピン(4)の構成は、ピン部(40)の先端部に鍔部(41)を設けた従来と同等の構成である。
図1(a)、(b)、(c)は、本例に係わる梱包材(1)を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。図2は、該梱包材(1)の斜視図である。梱包材(1)は、長方形の天板状の保持部(2)の周縁から囲い片(10)が上向きに突出し、側面は保持部(2)から下向きに延びた壁部(3)を構成している。該壁部(3)の下端には水平方向に沿って凹部(31)乃至凸部(30)を交互に有する壁片(33)が形成されている。梱包材(1)の側部に位置する壁部(3)の中央部には、凹み(11)が形成され、梱包材(1)の運搬時には凹み(11)内に作業者の手が挿入される。
梱包材(1)は発泡樹脂を形成して形成され、肉厚は最低で7mm、発泡樹脂の発泡倍率は、50倍程度(0.02g/リットル)程度であるが、これらの値に限定されない。
【0010】
図1(a)に示すように、保持部(2)上には、ピン部(40)が嵌まる多数の挿入孔(20)(20)が開設されている。挿入孔(20)(20)の間隔は、隣り合う挿入孔(20)(20)に挿入された鍔付きピン(4)の鍔部(41)が干渉しない程度に設けられている。また、挿入孔(20)の径は、挿入されたピン部(40)が落下しないように、軽く圧入される程度に形成されてもよい。更に、図1(c)に示す凸部(30)の下辺から保持部(2)の裏面までの高さCは、保持部(2)の裏面から突出したピン部(40)長さよりも長い。即ち、保持部(2)の挿入孔(20)(20)に鍔付きピン(4)が挿入された状態で、ピン部(40)の下端は凸部(30)の下側から突出しない。
図1(a)では挿入孔(20)(20)は全部で100個開設され、保持部(2)の長手方向に沿った(X方向とする)1つの列(21)に10個の挿入孔(20)(20)が配備されている。即ち、保持部(2)上には、10列が保持部(2)の短手方向(Y方向とする)に沿って配備されている。
1の列(21)と隣り合う列(21a)とでは、挿入孔(20)の位置がX方向に沿ってずれている。1の列(21)と2つ隣の列(21b)では、X方向に沿う挿入孔(20)の位置はずれていない。即ち、挿入孔(20)のX方向の位置は、1つおきの列(21)毎に同じである。
換言すれば、複数の挿入孔(20)(20)は、同一直線上にて挿入孔(20)を一定間隔毎に配列した列(21)を、配列直線が互いに平行となるように複数設けることによって保持部(2)上に開設されている。1の列(21)の挿入孔(20)と、隣り合う列(21a)の挿入孔(20)とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられている。
【0011】
図3(a)は、保持部(2)を裏から見た下面図である。図1(a)とは挿入孔(20)(20)の配列が左右逆になる。図3(b)は、1の保持部(2)に他の保持部(2)を上下反転させて重ねた仮想状態の平面図である。該仮想状態にて、両保持部(2)(2)の挿入孔(20)(20)は、互いに重ならない位置に形成されている。
また、図4は、仮想状態に於ける壁部(3)の正面図である。前記の如く、壁片(33)は水平方向に沿って凹部(31)と凸部(30)を交互に形成しており、仮想状態では凹部(31)は対向する凸部(30)に互いに嵌まり合う。
これにより、2つの同じ梱包材(1)(1)を用意し、一方の梱包材(1)を上下反転させてて他方の梱包材(1)の下側に配備し、互いの壁片(33)(33)の凹部(31)と凸部(30)を合わせることにより、2つの梱包材(1)(1)は組み合わさる。両保持部(2)(2)の挿入孔(20)(20)は、互いに重ならないから、図3(b)に示すように、1つの梱包材(1)の2倍、即ち200本の鍔付きピン(4)が挿入可能となる。換言すれば、ピン部(40)は梱包材(1)(1)の中で、互いに干渉しない。
従って、1種類の梱包材(1)(1)を2つ組み合わせることにより、1つの梱包材(1)の2倍の梱包スペース、特に梱包高さを要することなく、1つの梱包材(1)の2倍の本数の鍔付きピン(4)(4)を梱包することができる。これにより、鍔付きピン(4)を梱包した梱包材(1)(1)の運搬が楽になる。
【0012】
鍔付きピンの梱包手順
図5(a)、(b)、(c)、(d)は、鍔付きピン(4)(4)の梱包手順を示す斜視図である。図5(a)、(b)、(c)、(d)では、図示の便宜上、囲い片(10)と凹み(11)を図示しない。
先ず、図5(a)に示すように、1の梱包材(1)を用意して保持部(2)が上向きになるように配備する。鍔付きピン(4)(4)の鍔部(41)を上に向けて、ピン部(40)を挿入孔(20)に挿入する。鍔部(41)の裏面は保持部(2)の天面に接し、隣り合う鍔付きピン(4)(4)の鍔部(41)とは干渉しない。
全ての鍔付きピン(4)(4)を挿入孔(20)に挿入した後、保持部(2)の上に、図5(b)に示すように、例えば段ボール製の蓋体(50)をテープ(61)にて貼り付ける。蓋体(50)の下面は、鍔部(41)に接する。梱包材(1)を上下逆にしても、鍔付きピン(4)(4)は落下しない。このようにして、梱包材(1)に鍔付きピン(4)(4)を挿入した1の梱包体(5)を製作する。
【0013】
図5(c)に示すように、別途、他の梱包体(5)を作り、該他の梱包体(5)を上下反転させる。該他の梱包体(5)を1の梱包体(5)の下側に配備し、互いの壁部(3)(3)の凹部(31)と凸部(30)を組み合わせる。図5(d)に示すように、2つの梱包体(5)(5)が組み合わさった梱包ユニット(6)が形成され、凹部(31)と凸部(30)とが嵌まり合った状態で、梱包ユニット(6)の周面は塞がれる。また、1の梱包ユニット(6)は、100本の鍔付きピン(4)(4)を挿入した梱包体(5)が2つ組み合わされるから、200本の鍔付きピン(4)(4)が梱包されている。
梱包ユニット(6)の周面にテープ(62)を巻き、これを図7に示すように、複数段積み上げ、且つ横向きに並べてケース(60)に挿入し、パレット(69)に搭載してフォークリフトで運ばれる。梱包材(1)は複数段積み上げても、座屈しない強度に形成されている。
【0014】
開梱手順
図6は、開梱方法を示す斜視図である。図7の状態で運ばれた梱包ユニット(6)は作業場に於いて、開梱される。このとき、作業台(70)の上に蓋体(50)が当接するように載置する。このとき下段に配置された梱包体(5)の蓋体(50)に貼り付けられたテープ(61)を剥がす。上段の梱包体(5)と下段の梱包体(5)とを上方に持ち上げ、蓋体(50)から分離させる。これにより、分離された蓋体(50)の一面に鍔部(41)を下方として、鍔付きピン(4)が起立して整列された状態に保たれる。
これにより、作業者は鍔付きピン(4)を1本ずつ梱包体(5)から取り外す必要はなく、作業効率が上がる。
上段の梱包体(5)も同様に、蓋体(50)を下方に向けて蓋体(50)を分離すれば、鍔付きピン(4)が起立して整列した状態を作り出せる。
勿論、テープ(62)を外し、上段の梱包体(5)と下段の梱包体(5)とを分離した状態から、同様に行うこともできる。
【0015】
本例にあっては、以下の効果がある。
1.1種類の梱包材(1)(1)を2つ組み合わせることにより、1つの梱包材(1)の2倍の梱包スペース、特に梱包高さを要することなく、1つの梱包材(1)の2倍の本数の鍔付きピン(4)(4)を梱包することができる。これにより、鍔付きピン(4)を梱包した梱包材(1)(1)の運搬が楽になる。
2.梱包材(1)は1種類であるから、資材管理が容易になる。即ち、複数種類の梱包材(1)が必要で有れば、梱包材(1)毎の仕分けや区列が必要であるが、本例にあってはその手間がない。
【0016】
梱包材(1)は、合成樹脂、具体的には発泡性ポリスチレン(EPS)から形成される。梱包材(1)は、流通物品を搬送する容器として適切な他の樹脂、例えば熱可塑性樹脂から成形されてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂)、またはこれらを含む複合樹脂が挙げられる。もちろん、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などであってもよい。特にポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む複合樹脂を用いてもよい。
【0017】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
上記例に於いて、鍔付きピン(4)はピストンバルブに限定されない。また、蓋体(50)は鍔部(41)の保護の為に被せられる。従って、鍔部(41)が傷等に丈夫で、且つ挿入孔(20)から鍔付きピン(4)が脱落しなければ、蓋体(50)は設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0018】
(1) 梱包材
(2) 保持部
(3) 壁部
(4) 鍔付きピン
(5) 梱包体
(20) 挿入孔
(30) 凸部
(31) 凹部
(40) ピン部
(41) 鍔部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンバルブのような一端部に鍔を設けたピンを複数梱包する梱包材、該梱包材を用いた梱包ユニット及び梱包ユニットの組立方法、開梱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鍔付きピン(4)の梱包材としては、図8に示すものが提案されている(特許文献1参照)。これは、鍔付きピン(4)として釘を梱包する梱包材であり、釘は周知の如く、先端が尖ったピン部(40)の他端部に鍔部(41)を設け、ピン部(40)は鍔部(41)の反対側に突出しない。梱包材は樹脂から形成された可撓性の長尺部材であるベルト体(8)を具える。ベルト体(8)は、長手方向に沿って複数の保持板(80)(80)を連ね、保持板(80)(80)は上下2段に設けられている。各保持板(80)はピン部(40)が嵌まり、周縁部で鍔部(41)を受ける保持穴(81)を開設している。
【0003】
鍔付きピン(4)(4)が装着されるベルト体(8)は、図9(a)に示すように、渦巻き状に巻回され、図9(b)に示すように、中心部に開口(90)を形成した巻回体(9)を形成する。 図10に示すように、これを2個一対として上下に配備する。ピン部(40)の先端部どうしが対向するように、下側の巻回体(9)を表裏を逆にし、両巻回体(9)(9)間にスペーサ(91)を嵌める。スペーサ(91)は、巻回体(9)の開口(90)周縁部の保持板(80)を受ける筒(92)の上下面から開口(90)に嵌まるガイド(93)(93)を突出しており、ガイド(93)(93)を開口(90)に嵌めた状態で、図11に示すように、両巻回体(9)(9)が筒(92)の高さHだけ上下に離間して組み合わされる。ピン部(40)が巻回体(9)の保持板(80)から突出する長さAは両巻回体(9)(9)の離間距離であるHより短く、両巻回体(9)(9)から突出したピン部(40)の先端部は互いに干渉しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−230815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の構成では、鍔付きピン(4)を梱包した巻回体(9)(9)は高さHだけ離れており、巻回体(9)(9)を組み合わせた全体の寸法が大型化していた。多数の鍔付きピン(4)を梱包して効率よく運搬するには、梱包体全体を小型化する必要がある。
本発明の目的は、多数の鍔付きピンを効率よく運搬することができる梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
梱包材は、一端部に鍔部(41)を有する鍔付きピン(4)の鍔部(41)を受けるとともに、鍔付きピン(4)のピン部(40)が挿通される複数の挿入孔(20)(20)が一面に開設された保持部(2)を具えている。該複数の挿入孔(20)(20)は、同一直線上にて挿入孔を一定間隔毎に配列した列を、配列直線が互いに平行となるように複数設けることによって保持部(2)上に開設されている。1の列の挿入孔(20)と、隣り合う列の挿入孔(20)とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
1.1の保持部(2)に鍔付きピン(4)を挿入すると、鍔部(41)が保持部(2)上面に受けられ、ピン部(40)が挿入孔(20)を通る。1の列の挿入孔(20)と、隣り合う列の挿入孔(20)とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられているから、鍔付きピン(4)を挿入した別の保持部(2)を上下反転させて1の保持部(2)の下方に重ねると、挿入孔(20)(20)は、保持部(2)を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに重ならない位置に形成される。1の保持部(2)に嵌まったピン部(40)と、別の保持部(2)に嵌まったピン部(40)とは干渉しない。これにより、2つの梱包材(1)(1)を互いに表裏を逆にして重ねることにより、1の梱包材と略同じ平面面積にて、1の梱包材よりも多くの鍔付きピン(4)を梱包することができる。
2.また、壁部(3)の凹部(31)と凸部(30)は保持部(2)を上下反転させて重ねた仮想状態にて、互いに嵌まり合う位置に形成されているから、2つの梱包材(1)(1)を互いに表裏を逆にして重ねることにより、2つの梱包材分よりも薄い厚みにて1の梱包材よりも多くの鍔付きピン(4)を梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)、(b)、(c)は、本例に係わる梱包材を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。
【図2】梱包材の斜視図である。
【図3】(a)は、保持部を裏から見た下面図であり、図1(a)とは挿入孔の配列が左右逆になる。(b)は、1の保持部に他の保持部を上下反転させて重ねた仮想状態の平面図である。
【図4】仮想状態に於ける壁片の正面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)、(d)は、鍔付きピンの梱包手順を示す斜視図である。
【図6】開梱方法を示す斜視図である。
【図7】複数段積み上げられてケースに挿入された梱包ユニットの正面図である。
【図8】鍔付きピンの従来の梱包材の斜視図である。
【図9】(a)は、図8に示す従来の梱包材を渦巻き状に巻回した巻回体の平面図であり、(b)は(a)の正面図である。
【図10】2つの巻回体の間に、スペーサを配備した状態の分解図である。
【図11】2つの巻回体の間に、スペーサを配備した状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。本例では梱包材(1)に挿入される鍔付きピン(4)として、自動車や二輪車用のピストンバルブを例示する。鍔付きピン(4)の構成は、ピン部(40)の先端部に鍔部(41)を設けた従来と同等の構成である。
図1(a)、(b)、(c)は、本例に係わる梱包材(1)を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。図2は、該梱包材(1)の斜視図である。梱包材(1)は、長方形の天板状の保持部(2)の周縁から囲い片(10)が上向きに突出し、側面は保持部(2)から下向きに延びた壁部(3)を構成している。該壁部(3)の下端には水平方向に沿って凹部(31)乃至凸部(30)を交互に有する壁片(33)が形成されている。梱包材(1)の側部に位置する壁部(3)の中央部には、凹み(11)が形成され、梱包材(1)の運搬時には凹み(11)内に作業者の手が挿入される。
梱包材(1)は発泡樹脂を形成して形成され、肉厚は最低で7mm、発泡樹脂の発泡倍率は、50倍程度(0.02g/リットル)程度であるが、これらの値に限定されない。
【0010】
図1(a)に示すように、保持部(2)上には、ピン部(40)が嵌まる多数の挿入孔(20)(20)が開設されている。挿入孔(20)(20)の間隔は、隣り合う挿入孔(20)(20)に挿入された鍔付きピン(4)の鍔部(41)が干渉しない程度に設けられている。また、挿入孔(20)の径は、挿入されたピン部(40)が落下しないように、軽く圧入される程度に形成されてもよい。更に、図1(c)に示す凸部(30)の下辺から保持部(2)の裏面までの高さCは、保持部(2)の裏面から突出したピン部(40)長さよりも長い。即ち、保持部(2)の挿入孔(20)(20)に鍔付きピン(4)が挿入された状態で、ピン部(40)の下端は凸部(30)の下側から突出しない。
図1(a)では挿入孔(20)(20)は全部で100個開設され、保持部(2)の長手方向に沿った(X方向とする)1つの列(21)に10個の挿入孔(20)(20)が配備されている。即ち、保持部(2)上には、10列が保持部(2)の短手方向(Y方向とする)に沿って配備されている。
1の列(21)と隣り合う列(21a)とでは、挿入孔(20)の位置がX方向に沿ってずれている。1の列(21)と2つ隣の列(21b)では、X方向に沿う挿入孔(20)の位置はずれていない。即ち、挿入孔(20)のX方向の位置は、1つおきの列(21)毎に同じである。
換言すれば、複数の挿入孔(20)(20)は、同一直線上にて挿入孔(20)を一定間隔毎に配列した列(21)を、配列直線が互いに平行となるように複数設けることによって保持部(2)上に開設されている。1の列(21)の挿入孔(20)と、隣り合う列(21a)の挿入孔(20)とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられている。
【0011】
図3(a)は、保持部(2)を裏から見た下面図である。図1(a)とは挿入孔(20)(20)の配列が左右逆になる。図3(b)は、1の保持部(2)に他の保持部(2)を上下反転させて重ねた仮想状態の平面図である。該仮想状態にて、両保持部(2)(2)の挿入孔(20)(20)は、互いに重ならない位置に形成されている。
また、図4は、仮想状態に於ける壁部(3)の正面図である。前記の如く、壁片(33)は水平方向に沿って凹部(31)と凸部(30)を交互に形成しており、仮想状態では凹部(31)は対向する凸部(30)に互いに嵌まり合う。
これにより、2つの同じ梱包材(1)(1)を用意し、一方の梱包材(1)を上下反転させてて他方の梱包材(1)の下側に配備し、互いの壁片(33)(33)の凹部(31)と凸部(30)を合わせることにより、2つの梱包材(1)(1)は組み合わさる。両保持部(2)(2)の挿入孔(20)(20)は、互いに重ならないから、図3(b)に示すように、1つの梱包材(1)の2倍、即ち200本の鍔付きピン(4)が挿入可能となる。換言すれば、ピン部(40)は梱包材(1)(1)の中で、互いに干渉しない。
従って、1種類の梱包材(1)(1)を2つ組み合わせることにより、1つの梱包材(1)の2倍の梱包スペース、特に梱包高さを要することなく、1つの梱包材(1)の2倍の本数の鍔付きピン(4)(4)を梱包することができる。これにより、鍔付きピン(4)を梱包した梱包材(1)(1)の運搬が楽になる。
【0012】
鍔付きピンの梱包手順
図5(a)、(b)、(c)、(d)は、鍔付きピン(4)(4)の梱包手順を示す斜視図である。図5(a)、(b)、(c)、(d)では、図示の便宜上、囲い片(10)と凹み(11)を図示しない。
先ず、図5(a)に示すように、1の梱包材(1)を用意して保持部(2)が上向きになるように配備する。鍔付きピン(4)(4)の鍔部(41)を上に向けて、ピン部(40)を挿入孔(20)に挿入する。鍔部(41)の裏面は保持部(2)の天面に接し、隣り合う鍔付きピン(4)(4)の鍔部(41)とは干渉しない。
全ての鍔付きピン(4)(4)を挿入孔(20)に挿入した後、保持部(2)の上に、図5(b)に示すように、例えば段ボール製の蓋体(50)をテープ(61)にて貼り付ける。蓋体(50)の下面は、鍔部(41)に接する。梱包材(1)を上下逆にしても、鍔付きピン(4)(4)は落下しない。このようにして、梱包材(1)に鍔付きピン(4)(4)を挿入した1の梱包体(5)を製作する。
【0013】
図5(c)に示すように、別途、他の梱包体(5)を作り、該他の梱包体(5)を上下反転させる。該他の梱包体(5)を1の梱包体(5)の下側に配備し、互いの壁部(3)(3)の凹部(31)と凸部(30)を組み合わせる。図5(d)に示すように、2つの梱包体(5)(5)が組み合わさった梱包ユニット(6)が形成され、凹部(31)と凸部(30)とが嵌まり合った状態で、梱包ユニット(6)の周面は塞がれる。また、1の梱包ユニット(6)は、100本の鍔付きピン(4)(4)を挿入した梱包体(5)が2つ組み合わされるから、200本の鍔付きピン(4)(4)が梱包されている。
梱包ユニット(6)の周面にテープ(62)を巻き、これを図7に示すように、複数段積み上げ、且つ横向きに並べてケース(60)に挿入し、パレット(69)に搭載してフォークリフトで運ばれる。梱包材(1)は複数段積み上げても、座屈しない強度に形成されている。
【0014】
開梱手順
図6は、開梱方法を示す斜視図である。図7の状態で運ばれた梱包ユニット(6)は作業場に於いて、開梱される。このとき、作業台(70)の上に蓋体(50)が当接するように載置する。このとき下段に配置された梱包体(5)の蓋体(50)に貼り付けられたテープ(61)を剥がす。上段の梱包体(5)と下段の梱包体(5)とを上方に持ち上げ、蓋体(50)から分離させる。これにより、分離された蓋体(50)の一面に鍔部(41)を下方として、鍔付きピン(4)が起立して整列された状態に保たれる。
これにより、作業者は鍔付きピン(4)を1本ずつ梱包体(5)から取り外す必要はなく、作業効率が上がる。
上段の梱包体(5)も同様に、蓋体(50)を下方に向けて蓋体(50)を分離すれば、鍔付きピン(4)が起立して整列した状態を作り出せる。
勿論、テープ(62)を外し、上段の梱包体(5)と下段の梱包体(5)とを分離した状態から、同様に行うこともできる。
【0015】
本例にあっては、以下の効果がある。
1.1種類の梱包材(1)(1)を2つ組み合わせることにより、1つの梱包材(1)の2倍の梱包スペース、特に梱包高さを要することなく、1つの梱包材(1)の2倍の本数の鍔付きピン(4)(4)を梱包することができる。これにより、鍔付きピン(4)を梱包した梱包材(1)(1)の運搬が楽になる。
2.梱包材(1)は1種類であるから、資材管理が容易になる。即ち、複数種類の梱包材(1)が必要で有れば、梱包材(1)毎の仕分けや区列が必要であるが、本例にあってはその手間がない。
【0016】
梱包材(1)は、合成樹脂、具体的には発泡性ポリスチレン(EPS)から形成される。梱包材(1)は、流通物品を搬送する容器として適切な他の樹脂、例えば熱可塑性樹脂から成形されてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂)、またはこれらを含む複合樹脂が挙げられる。もちろん、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などであってもよい。特にポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む複合樹脂を用いてもよい。
【0017】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
上記例に於いて、鍔付きピン(4)はピストンバルブに限定されない。また、蓋体(50)は鍔部(41)の保護の為に被せられる。従って、鍔部(41)が傷等に丈夫で、且つ挿入孔(20)から鍔付きピン(4)が脱落しなければ、蓋体(50)は設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0018】
(1) 梱包材
(2) 保持部
(3) 壁部
(4) 鍔付きピン
(5) 梱包体
(20) 挿入孔
(30) 凸部
(31) 凹部
(40) ピン部
(41) 鍔部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に鍔部を有する鍔付きピンの鍔部を受けるとともに、鍔付きピンのピン部が挿通される複数の挿入孔が一面に開設された保持部を具えた梱包材であって、
該複数の挿入孔は、同一直線上にて挿入孔を一定間隔毎に配列した列を、配列直線が互いに平行となるように複数設けることによって保持部上に開設され、
1の列の挿入孔と、隣り合う列の挿入孔とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられたことを特徴とする梱包材。
【請求項2】
保持部は板状であって、保持部の側面には、保持部の周縁に沿って、該ピン部が挿通される方向に延びる壁部が形成された、請求項1に記載の梱包材。
【請求項3】
該挿入孔は、保持部を反転させて重ねた仮想状態にて、互いに重ならない位置に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の梱包材。
【請求項4】
該壁部には、保持部の周縁に沿って凹部と凸部が交互に形成され、
該梱包材を反転させて向かい合わせて重ねた仮想状態に於いて、該凹部と凸部とが互いに嵌まり合う位置に形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の梱包材。
【請求項5】
請求項4に記載の梱包材を用い、夫々鍔部を受けてピン部が挿入孔に挿通された複数本の鍔付きピンが収納される第1の梱包材と第2の梱包材とに於いて、
両梱包材に複数本の鍔付きピンを収納して、第1の梱包体と第2の梱包体とが構成され、
該第1の梱包体と第2の梱包体との何れか一方の梱包体を反転させて向かい合わせて重ねて該凹部と該凸部とが組み合わされた構成を特徴とする梱包ユニット。
【請求項6】
夫々の保持部に複数本の鍔付きピンの鍔部を押さえるための蓋体が装着される、請求項5に記載の梱包ユニット。
【請求項7】
一端部に鍔部を有する鍔付きピンの鍔部を受けるとともに、鍔付きピンのピン部が挿通される複数の挿入孔が一面に開設された板状の保持部と、該保持部の周縁に沿って、該ピン部が挿通される方向に延びるように形成された壁部を具え、
該複数の挿入孔は、同一直線上に一定の間隔をあけて複数列に開設されると共に、該梱包材を反転させて向かい合わせて重ねた仮想状態に於いて、互いに重ならない位置に形成され、該壁部には保持部の周縁に沿って凹部と凸部が交互に形成され、該梱包材を反転させて向かい合わせて重ねた仮想状態に於いて、該凹部と凸部とが互いに嵌まり合う位置に形成されている第1の梱包材と第2の梱包材を用意する工程と、
鍔付きピンのピン部を挿入孔に挿通して鍔付きピンを収納する工程と、
夫々の保持部に複数本の鍔付きピンの鍔部を押さえるための蓋体を装着して、第1の梱包体と第2の梱包体を構成する工程と、
該第1の梱包体と第2の梱包体の何れか一方の梱包体を反転させて向かい合わせて重ねて該凹部と該凸部とを組み合わせて梱包ユニットを組み立てる工程を有する梱包ユニットの組立方法。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の梱包ユニット及び請求項7に記載の組立方法によって組み立てられた梱包ユニットを用いて、
第1の梱包体と第2の梱包体とが積層された状態で、何れか一方の蓋体を下方に向けて載置し、下方の蓋体を取り外し、上段に配置された梱包体及び下段に配置された梱包材を上方に持ち上げて、収納された複数本の鍔付きピンを起立させて整列させる工程を有する開梱方法。
【請求項1】
一端部に鍔部を有する鍔付きピンの鍔部を受けるとともに、鍔付きピンのピン部が挿通される複数の挿入孔が一面に開設された保持部を具えた梱包材であって、
該複数の挿入孔は、同一直線上にて挿入孔を一定間隔毎に配列した列を、配列直線が互いに平行となるように複数設けることによって保持部上に開設され、
1の列の挿入孔と、隣り合う列の挿入孔とは、配列直線に沿って互いに位置をずらし、千鳥状に設けられたことを特徴とする梱包材。
【請求項2】
保持部は板状であって、保持部の側面には、保持部の周縁に沿って、該ピン部が挿通される方向に延びる壁部が形成された、請求項1に記載の梱包材。
【請求項3】
該挿入孔は、保持部を反転させて重ねた仮想状態にて、互いに重ならない位置に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の梱包材。
【請求項4】
該壁部には、保持部の周縁に沿って凹部と凸部が交互に形成され、
該梱包材を反転させて向かい合わせて重ねた仮想状態に於いて、該凹部と凸部とが互いに嵌まり合う位置に形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の梱包材。
【請求項5】
請求項4に記載の梱包材を用い、夫々鍔部を受けてピン部が挿入孔に挿通された複数本の鍔付きピンが収納される第1の梱包材と第2の梱包材とに於いて、
両梱包材に複数本の鍔付きピンを収納して、第1の梱包体と第2の梱包体とが構成され、
該第1の梱包体と第2の梱包体との何れか一方の梱包体を反転させて向かい合わせて重ねて該凹部と該凸部とが組み合わされた構成を特徴とする梱包ユニット。
【請求項6】
夫々の保持部に複数本の鍔付きピンの鍔部を押さえるための蓋体が装着される、請求項5に記載の梱包ユニット。
【請求項7】
一端部に鍔部を有する鍔付きピンの鍔部を受けるとともに、鍔付きピンのピン部が挿通される複数の挿入孔が一面に開設された板状の保持部と、該保持部の周縁に沿って、該ピン部が挿通される方向に延びるように形成された壁部を具え、
該複数の挿入孔は、同一直線上に一定の間隔をあけて複数列に開設されると共に、該梱包材を反転させて向かい合わせて重ねた仮想状態に於いて、互いに重ならない位置に形成され、該壁部には保持部の周縁に沿って凹部と凸部が交互に形成され、該梱包材を反転させて向かい合わせて重ねた仮想状態に於いて、該凹部と凸部とが互いに嵌まり合う位置に形成されている第1の梱包材と第2の梱包材を用意する工程と、
鍔付きピンのピン部を挿入孔に挿通して鍔付きピンを収納する工程と、
夫々の保持部に複数本の鍔付きピンの鍔部を押さえるための蓋体を装着して、第1の梱包体と第2の梱包体を構成する工程と、
該第1の梱包体と第2の梱包体の何れか一方の梱包体を反転させて向かい合わせて重ねて該凹部と該凸部とを組み合わせて梱包ユニットを組み立てる工程を有する梱包ユニットの組立方法。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の梱包ユニット及び請求項7に記載の組立方法によって組み立てられた梱包ユニットを用いて、
第1の梱包体と第2の梱包体とが積層された状態で、何れか一方の蓋体を下方に向けて載置し、下方の蓋体を取り外し、上段に配置された梱包体及び下段に配置された梱包材を上方に持ち上げて、収納された複数本の鍔付きピンを起立させて整列させる工程を有する開梱方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−131905(P2011−131905A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291705(P2009−291705)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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