説明

鎮圧ローラ

【課題】鎮圧ローラ装置に加重を行う為に、鎮圧ローラのローラ支持フレームの上に、作業機ウエイトを係合装着して支持し、該鎮圧ローラに十分な荷重を付加する構成を提供する。
【解決手段】乗用管理機Tの作業昇降機構16に鎮圧ローラ装置を連結する構成において、該鎮圧ローラ1を支持するローラ支持フレームに、作業機ウエイト2を装着可能とすべく、ウエイト装着枠7を設けた。また、該ウエイト装着枠7は複数の作業機ウエイト2を係止可能とする幅広に構成した。また、該ローラ支持フレームに、乗用管理機Tの作業昇降機構16に装着可能な状態で立てて支持する支持スタンド3を設け、該支持スタンド3を支持状態と外した状態に変更可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4輪型管理機用の土壌鎮圧・整地・麦踏み等に使用する鎮圧ローラ装置に加重を行う為に、鎮圧ローラのローラ支持フレームの上に、作業機ウエイトを係合装着して支持し、該鎮圧ローラに十分な荷重を付加する構成に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に鎮圧ローラによる鎮圧作業の場合には、鎮圧ローラを地面に押しつけて、整地したり、麦踏みをするものであり、地面に対する荷重としては、ロータリー耕耘装置や、施肥装置等のように、鎮圧ローラ装置を付設した作業機の重量をそのままローラ支持フレームを介して鎮圧ローラに伝達することにより、加重を行っていたのである。
【特許文献1】特開2001−120013号公報
【特許文献2】特開2002−218895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、乗用管理機等において、単に整地や麦踏み等を行う場合には、ロータリー耕耘装置や施肥装置等の付設する他の作業機が存在しないので、十分な荷重が与えられないのである。
また、整地のみや麦踏みのみの作業を行う場合には、前述の如き、ロータリー耕耘装置や施肥装置を共に乗用管理機に付設して、鎮圧ローラに荷重を掛けることは出来るのであるが、オペレーターとしては、ロータリー耕耘装置や施肥装置等を共に装着して移動することは回避したいという傾向にあるのである。
即ち、整地鎮圧ローラのみを装着して、作業を行いたいのである。このような場合には、鎮圧ローラのみでは、十分な押圧荷重が得られないのである。
本発明はこの場合において、鎮圧ローラのみでは重量が不足する場合の為に、鎮圧ローラを支持するローラ支持フレームにウエイト装着枠を設けて、複数の作業機ウエイトを搭載可能に構成したものである。
【0004】
また、鎮圧ローラのみを乗用管理機に装着しようとする場合において、他のロータリー耕耘装置や施肥装置が存在しないので、鎮圧ローラのみを立たせた状態で支持して、乗用管理機に装着を容易にすることが不可能となるのである。
本発明においては、このような場合の為に、支持スタンドを設けて、一時的に鎮圧ローラのローラ支持フレームを立たせることが出来るように構成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、該課題を解決する為の手段を説明する。
請求項1においては、乗用管理機Tの作業昇降機構16に鎮圧ローラ装置を連結する構成において、該鎮圧ローラ1を支持するローラ支持フレームに、作業機ウエイト2を装着可能とすべく、ウエイト装着枠7を設けたものである。
請求項2においては、請求項1記載の鎮圧ローラにおいて、該ウエイト装着枠7は複数の作業機ウエイト2を係止可能とする幅広に構成したものである。
請求項3においては、請求項1記載の鎮圧ローラにおいて、該ローラ支持フレームに、乗用管理機Tの作業昇降機構16に装着可能な状態で立てて支持する支持スタンド3を設け、該支持スタンド3を支持状態と外した状態に変更可能に構成したものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の如く、乗用管理機の作業機装着アームに鎮圧ローラ1を連結する構成において、該鎮圧ローラ1を支持するローラ支持フレームに、作業機ウエイト2を装着可能とすべく、ウエイト装着枠7を設けたので、ロータリー耕耘装置や施肥装置等を付設しなくて、鎮圧ローラ装置だけを乗用管理機Tに付設した場合においては、鎮圧ローラ装置自体の重量が整地や麦踏みをするのに十分な荷重が得られない場合が発生するが、本発明の如く構成することにより、作業機ウエイト2を係合載置するだけで十分な鎮圧の為の荷重を得ることが出来るのである。故に、ロータリー耕耘装置や施肥装置を、必要も無いのに付設する必要がなくなったのである。
【0007】
請求項2の如く、請求項1記載の鎮圧ローラにおいて、該ウエイト装着枠7は複数の作業機ウエイト2を係止可能としたので、整地や鎮圧や麦踏み等のそれぞれの作業によって、必要な荷重が相違する場合において、作業機ウエイト2の数を調整することにより、簡単に対応することが可能となったものである。
【0008】
請求項3の如く、請求項1記載の鎮圧ローラにおいて、該ローラ支持フレームに、ローラ支持フレームが乗用管理機Tに装着可能な状態で立てて支持する支持スタンド3を設け、該支持スタンド3を支持状態と外した状態に変更可能に装着したので、ウエイト装着枠7の部分に作業機ウエイト2を付設する場合にも、鎮圧ローラ装置自体は正常の姿勢を維持することができ、また乗用管理機Tの作業昇降機構16に装着する場合にも、鎮圧ローラ装置を必要な立ち姿勢に保持することが可能となったものである。
支持スタンド3が不必要となった場合には、係止ピン8を外して、支持スタンド3を取り外すことが可能となったものである。
取り外した支持スタンド3は、該スタンド挿入筒19に上下逆さにして、上方に向けて係止しておくことが出来るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に実施例を説明する
図1は、本発明の鎮圧ローラを乗用管理機に装着した状態の側面図、図2は図1の状態から鎮圧ローラを上昇させた状態の側面図、図3は図1の状態の後面斜視図、図4は装着ヒッチ部5と乗用管理機側ヒッチ部9とを外した状態の斜視図、図5は微小油圧昇降機構17を設けずに鎮圧ローラを装着するタイプを示す側面図、図6は支持スタンド3とスタンド挿入筒19の関係を示す斜視図、図7は、ウエイト装着枠7と作業機ウエイト2の部分を示す斜視図である。
【0010】
図1・図2・図3・図4において、微小油圧昇降機構17を間に介装した鎮圧ローラの実施例を説明する。
乗用管理機Tの後輪の間に、作業昇降機構16が配置されている。該作業昇降機構16自体が、油圧装置により上下昇降可能に構成されているが、更に、作業昇降機構16の後部に、更に微小油圧昇降機構17が設けられている。該微小油圧昇降機構17には、鎮圧ローラ装置の前端の装着ヒッチ部5を係止する乗用管理機側ヒッチ部9が設けられている。該構成により、乗用管理機側ヒッチ部9は、微小油圧昇降機構17により上下に調整できると共に、作業昇降機構16により昇降回動が成されるように構成されている。
【0011】
前駆乗用管理機側ヒッチ部9に、鎮圧ローラ装置の側の乗用管理機側ヒッチ部9が係合し固定されている。図4に示す如く、装着ヒッチ部5より後方へ、前後フレーム18が構成されている。該前後フレーム18より左右へメインフレーム4が突設されている。該メインフレーム4の両端より、下方へ左右フレーム6・6が延設されている。該左右の左右フレーム6・6の間に、鎮圧ローラ1が枢支されている。該左右フレーム6・6より鎮圧ローラ1の周囲に向けて、泥落とし板10のブラケット11・11が突設されている。該ブラケット11・11により泥落とし板10が支持されており、泥落とし板10は、鎮圧ローラ1の周囲に付着する泥土を掻き落とす役目をしている。
【0012】
図5・図6・図7において、乗用管理機側ヒッチ部9と装着ヒッチ部5との間に微小油圧昇降機構17を装着しない実施例を説明する。
図5に示す如く、乗用管理機側ヒッチ部9には、上側ピン係止部9aと下側ピン係止部9bが設けられている。該上側ピン係止部9aに、装着ヒッチ部5の側の上側ピン5aを上方から引っかけ、作業昇降機構16により乗用管理機側ヒッチ部9を上昇させることにより、装着ヒッチ部5の側の下側ピン5bが下側ピン係止部9bに嵌入して係合するのである。
【0013】
この状態を、維持する為にロックレバー装置9cが設けられており、ロックレバー装置9cにより下側ピン5bの抜け止めを行っているのである。メインフレーム4の中央部の後方に向けて、ウエイト装着枠7を突設している。該ウエイト装着枠7は、メインフレーム4とにより四角形の枠組を構成しており、該ウエイト装着枠7に、複数の作業機ウエイト2が係止可能に構成している。該作業機ウエイト2は、トラクタ等において、機体前部に装着するフロントウエイトと同一形状をしており、把手部2aとウエイト装着枠7への係止部2bを構成している。
【0014】
ローラ支持フレームは、装着ヒッチ部5と前後フレーム18とメインフレーム4と左右フレーム6・6により構成されている。該ローラ支持フレームにウエイト装着枠7を付設しているのである。該作業機ウエイト2は、把手部2aを掴んで上方へ持ち上げを可能としており、係止部2bの部分をウエイト装着枠7に上方から係止して固定するのである。作業機ウエイト2は、1個のみでも係止できるが、図3の如く、複数個をも係止可能に構成しているのである。鎮圧時に必要な荷重分だけ、必要な数の作業機ウエイト2を係止することが出来るのである。
【0015】
前記ウエイト装着枠7に対してロータリー耕耘装置や施肥装置を脱着する場合にも、また乗用管理機Tに対して鎮圧ローラ装置を装着する場合にも、鎮圧ローラ装置は自律して一定の姿勢を維持している必要がある。
この鎮圧ローラ装置を一定の位置に維持すべく、支持スタンド3が設けられている。該支持スタンド3は、全体としてローラ支持フレームを構成するフレームの中の前後フレーム18の部分の側方に、支持スタンド3のスタンド挿入筒19を構成している。
【0016】
前記スタンド挿入筒19に支持スタンド3を挿入して、係止ピン8をスタンド挿入筒19の側方から挿入して、係止固定すべく構成している。故、ローラ支持フレームに対して、支持スタンド3の角度は固定されたものとなっており、鎮圧ローラ1が転動して、支持スタンド3の支持状態を壊すことはないようになっているのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の鎮圧ローラを乗用管理機に装着した状態の側面図。
【図2】図1の状態から鎮圧ローラを上昇させた状態の側面図。
【図3】図1の状態の後面斜視図。
【図4】装着ヒッチ部5と乗用管理機側ヒッチ部9とを外した状態の斜視図。
【図5】微小油圧昇降機構17を設けずに鎮圧ローラを装着するタイプを示す側面図。
【図6】支持スタンド3とスタンド挿入筒19の関係を示す斜視図。
【図7】ウエイト装着枠7と作業機ウエイト2の部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
T 乗用管理機
1 鎮圧ローラ
2 作業機ウエイト
3 支持スタンド
4 メインフレーム
5 装着ヒッチ部
6 左右フレーム
7 ウエイト装着枠
9 乗用管理機側ヒッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用管理機Tの作業昇降機構16に鎮圧ローラ装置を連結する構成において、該鎮圧ローラ1を支持するローラ支持フレームに、作業機ウエイト2を装着可能とすべく、ウエイト装着枠7を設けたことを特徴とする鎮圧ローラ。
【請求項2】
請求項1記載の鎮圧ローラにおいて、該ウエイト装着枠7は複数の作業機ウエイト2を係止可能とする幅広に構成したことを特徴とする鎮圧ローラ。
【請求項3】
請求項1記載の鎮圧ローラにおいて、該ローラ支持フレームに、乗用管理機Tの作業昇降機構16に装着可能な状態で立てて支持する支持スタンド3を設け、該支持スタンド3を支持状態と外した状態に変更可能に構成したことを特徴とする鎮圧ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−288300(P2006−288300A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114832(P2005−114832)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(597041747)アグリテクノ矢崎株式会社 (56)
【Fターム(参考)】