説明

集水装置

【課題】地表面の雨水を十分に集水させることができ、マスへの泥やごみ等の異物の侵入を防ぐことでマスの掃除の頻度を抑えることができ、マスを任意の深さに設置させることができる集水装置の提供を課題とする。
【解決手段】排水マス、雨水マス、浸透マス等のマス2に取り付けられて地表面の雨水を集水してマス2へ流し込ませる集水装置1であって、マス2の上部に取り付けられ、マス2へ雨水を浸透させる蓋13付きの雨水浸透立管10と、前記雨水浸透立管10を囲むように配置した雨水受入容器20と、地表面に配置されて前記雨水受入容器20の蓋を構成する雨水集水蓋30とから構成され、雨水集水蓋30から雨水受入容器20に受け入れられた雨水を雨水浸透立管10の側部から該雨水浸透立管10の内部へ浸透させて、マス2内に導く構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を集水させるマスの一部に取り付けられ、地表面の雨水を集水させてマスへ流し込ませると共に、雨水に混ざっている泥やごみ等の異物を取り除かせることができる集水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の雨水マスを示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。従来、地表面の雨水をマスで集水させる雨水マス101としては、地表面に設置した格子蓋102により雨水を集水させ、地中にある泥溜めバスケット104bを備え付けたマス本体104へと雨水を流し込ませるものが一般的であった。この従来の雨水マス101の場合には、地表面のごみがマス本体104の泥溜め部104aの泥溜めバスケット104bに溜まり、掃除が頻繁に必要であるという問題があった。また格子蓋102の大きさが立管103の口径に限定され、十分に雨水を集水させることができないという問題があった。
一方、汚水や雨水に混ざっている泥やごみ等の異物を取り除かせることができる構造をマスの上部に有するものとしては、下記特許文献1に示すような汚水ますや、下記特許文献2に示すような集配水桝が提供されている。
【特許文献1】実開昭51−44259号公報
【特許文献2】実開平7−31994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1、2に示す汚水ますや集配水桝は、汚水や雨水に混ざっている泥やごみ等の異物を取り除かせることができる点に利点があるものである。
しかし上記特許文献1に示す汚水ますは、家庭の台所等から排出される汚水を集水させるためのますであり、そもそも地表面の雨水を集水させるためのますではなかった。
また上記特許文献2に示す集配水桝は、雨水を取り込む導入管が土中にあり、地表面の雨水を直接集水させることができないという問題があった。更に雨水取り込み口の大きさが導入管の口径に限定され、雨水を十分に集水させることができないという問題があった。
また上記特許文献1、2の何れにおいても、汚水ます、集配水桝は地表面から一定の深さにしか設置させることができず、任意の深さに設置させることができるものではなかった。
【0004】
そこで本発明は上記従来技術における問題点を解決し、地表面の雨水を十分に集水させることができ、マスへの泥やごみ等の異物の侵入を防ぐことでマスの掃除の頻度を抑えることができ、マスを任意の深さに設置させることができる集水装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するための本発明の集水装置は、排水マス、雨水マス、浸透マス等のマスに取り付けられて地表面の雨水を集水してマスへ流し込ませる集水装置であって、マスの上部に取り付けられ、マスへ雨水を浸透させる蓋付きの雨水浸透立管と、前記雨水浸透立管を囲むように配置した雨水受入容器と、地表面に配置されて前記雨水受入容器の蓋を構成する雨水集水蓋とから構成され、雨水集水蓋から雨水受入容器に受け入れられた雨水を雨水浸透立管の側部から該雨水浸透立管の内部へ浸透させて、マス内に導く構成としたことを第1の特徴としている。
また本発明の集水装置は、上記第1の特徴に加えて、雨水浸透立管は、側面にスリットを有する筒状体であり、該スリットの位置よりも下方に、前記雨水受入容器の底部が位置するように配置されていることを第2の特徴としている。
また本発明の集水装置は、上記第1又は第2の特徴に加えて、雨水浸透立管の蓋と雨水集水蓋とを面一に組み合わせて地表面に配置すると共に、両者を別々に開閉できる構成としたことを第3の特徴としている。
また本発明の集水装置は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、雨水集水蓋と雨水浸透立管の蓋とを別々に構成し、雨水浸透立管の蓋は雨水集水蓋の下方において雨水浸透立管を密閉する構成としたことを第4の特徴としている。
また本発明の集水装置は、上記第2〜第4の何れかの特徴に加えて、雨水浸透立管の筒状体の側面外周を透水シートで覆うことを第5の特徴としている。
また本発明の集水装置は、上記第2〜第5の何れかの特徴に加えて、筒状体の側面外周のうち、上部は透水シートで覆うことなく開放しておくことを第6の特徴としている。
また本発明の集水装置は、上記第1〜第6の何れかの特徴に加えて、雨水集水蓋は、少なくともマス上部の口径よりも大きいことを第7の特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の集水装置によれば、マスへ雨水を浸透させる蓋付きの雨水浸透立管がマスの上部に取り付けられる構成としていることから、雨水浸透立管からマスへ効果的に雨水を浸透させることができる。また雨水浸透立管を囲むように雨水受入容器を配置する構成としていることから、雨水浸透立管の全面から雨水を浸透させることができる。また雨水受入容器の蓋を構成する雨水集水蓋が地表面に配置される構成としていることから、雨水受入容器の蓋を地表面と段差なく設置できると共に、地表面の雨水を効果的に集水させることができる。また雨水集水蓋から雨水受入容器に集水された雨水を雨水浸透立管の側部から内部へ浸透させてマス内へ導く構成としていることから、雨水受入容器は雨水浸透立管を囲むように取り付けられているところ、雨水浸透立管の側部を有効に利用して雨水をマスへ浸透させることができる。
【0007】
請求項2に記載の集水装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、雨水浸透立管は、側面にスリットを有する筒状体である構成としていることから、内部が空洞となる。よって雨水に含有されるごみ等の異物を効果的にスリットで捕捉させて雨水を筒状体内へ浸透させることができる。また内部が空洞となることで、雨水浸透立管の蓋を開けるだけでマスの内部を確認することができる。また筒状体の底部が雨水受入容器の底部よりも上方になるようにマスの上部に取り付けられる構成としていることから、雨水受入容器の底部を泥溜め部として、設置位置が浅いので容易に溜まった泥を取り除くことが可能となる。勿論、雨水受入容器の底部に溜まる泥やごみ等の異物によってスリットが目詰まりすることを防止できる。
【0008】
請求項3に記載の集水装置によれば、上記請求項1又は2に記載の構成による効果に加えて、雨水浸透立管の蓋と雨水集水蓋とを面一に組み合わせて地表面に配置する構成としていることから、雨水浸透立管の蓋と雨水集水蓋との接合部分に段差を生じさせることがなく、地表面と面一に配置させることができる。また両者を別々に開閉できる構成としていることから、地表面において雨水浸透立管の蓋を開けるだけでマスの内部を迅速に確認することができる。
【0009】
請求項4に記載の集水装置によれば、上記請求項1〜3の何れかに記載の構成による効果に加えて、雨水集水蓋と雨水浸透立管の蓋とを別々に構成し、雨水浸透立管の蓋は雨水集水蓋の下方において雨水浸透立管を密閉する構成としていることから、地表面の雨水を雨水集水蓋の全面で集水させることができると共に、集水された雨水が雨水浸透立管の内部に直接浸入することを効果的に防止することができる。
【0010】
請求項5に記載の集水装置によれば、上記請求項2〜4の何れかに記載の構成による効果に加えて、雨水浸透立管の筒状体の側面外周を透水シートで覆う構成としていることから、雨水に含有されるごみ等の異物が雨水浸透立管のスリットよりも小さい場合であっても、透水シートで効果的に捕捉させることができる。よってマスへごみ等の異物が侵入することを更に効果的に防止できる。
【0011】
請求項6に記載の集水装置によれば、上記請求項2〜5の何れかに記載の構成による効果に加えて、筒状体の側面外周のうち、上部は透水シートで覆うことなく開放しておく構成としていることから、例え透水シートが目詰まりした場合であっても、筒状体上部から雨水を浸透立管内部へと浸透させることができる。
【0012】
請求項7に記載の集水装置によれば、上記請求項1〜6の何れかに記載の構成による効果に加えて、雨水集水蓋は、少なくともマス上部の口径よりも大きい構成としていることから、雨水集水蓋の口径がマス上部の口径に限定されることなく、地表面の雨水を効果的に集水することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態に係る集水装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る集水装置を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。図2は本発明の第1の実施形態に係る集水装置の変形例を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。図3は本発明の第2の実施形態に係る集水装置を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。図4は本発明の第2の実施形態に係る集水装置の変形例を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。図5は図3の部分拡大図である。
【0014】
まず図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る集水装置について説明する。
集水装置1は、マス2の上部に中継立管2cを介して取り付けられ、地表面の雨水を集水してマス2へ流し込ませると同時に、雨水に混ざっている泥やごみ等の異物を取り除かせることのできる装置である。この集水装置1は雨水浸透立管10と、雨水受入容器20と、雨水集水蓋30とから構成される。
【0015】
前記雨水浸透立管10は、雨水集水蓋30により集水された雨水に含有されるごみ等の異物を捕捉させて、雨水を中継立管2cを介してマス2へ浸透させるためのものである。
この雨水浸透立管10は中継立管2cと同一口径の筒状体で構成され、中継立管2cの上部に着脱自在に取り付けられている。筒状体とすることで内部が空洞となる。よって雨水浸透立管10の内部へ雨水を浸透させることができる。また中継立管2cと同一口径とし、中継立管2cの上部に取り付けられていることで、迅速に中継立管2cへ雨水を浸透させることができる。また中継立管2cの長さを適宜変更させるだけで、マス2を任意の深さに設置させることができる。また着脱自在に取り付けられていることで、雨水浸透立管10の着脱を容易に行うことができる。
【0016】
またこの雨水浸透立管10には、側面に同一形状、同一大きさのスリット11が上下3段で全周にわたって均等に多数設けられている。このようにスリット11を設けることで、スリット11の大きさよりも大きいごみ等の異物を確実に捕捉させることができる。よってごみ等の異物がマス2へ侵入することを防止できる。またスリット11を雨水浸透立管10の側面に設けることで、雨水を緩やかに雨水浸透立管10の内部へ浸透させることができる。よって集水された雨水を雨水受入容器20に一定時間溜まらせることができる。従って雨水に含有される泥や大型のごみ等の異物を効果的に沈殿させて集めることが可能となる。
【0017】
更に最下段のスリット11の下部が、後述する泥溜め部23の上面よりも上方になるように取り付けられている。よって泥溜め部23に泥や大型のごみ等の異物が溜まっても、スリット11が異物で遮断されることを防止できる。また同一形状、同一大きさのスリット11を均等に多数設けることで、浸透の初期段階において、マス2への雨水の浸透を均一にさせ易くできる。よって雨水に含有されるごみ等の異物が、特定のスリット11に集中して目詰まりを生じさせることを効果的に防止できる。また浸透が進むにつれて何れかのスリット11で目詰まりが生じた場合でも、スリット11を多数設けているので雨水の浸透効率の低下を抑えることができる。
なおスリット11の形状、大きさ、数、配置等は本実施形態のものに限る必要はなく、適宜変更可能である。
【0018】
雨水浸透立管10には、その側面外周を覆う透水シート12を設けることができる。
前記透水シート12は、前記スリット11の大きさよりも小さいごみ等の異物を捕捉させるためのものである。この透水シート12は、雨水浸透立管10の下2段のスリット11を覆うように張設されている。このような構成とすることで、雨水を一段と緩やかに雨水浸透立管10の内部へ浸透させることができる。よって集水された雨水を雨水受入容器20に一定時間溜まらせることを、より容易に行わせることができる。従って雨水に含有される泥や大型のごみ等の異物を、後述する泥溜め部23により効果的に沈殿させることができる。また雨水浸透立管10の上部に透水シート12を張設させない構成としていることで、透水シート12が目詰まりした場合であっても上部のスリット11で雨水を浸透させることができ、雨水の浸透が中断することを防止できる。
なお透水シート12の材質は、例えばポリエステルがあるが、勿論、如何なる材質の透水シートを用いてもよい。
【0019】
前記雨水浸透立管蓋13は、雨水集水蓋30から集水された雨水を直接雨水浸透立管10の内部に浸入させないようにするためのものである。この雨水浸透立管蓋13は、雨水浸透立管10の上部に開閉自在に取り付けられ、且つ雨水集水蓋30の一部である中央部を構成するように取り付けられている。このような構成とすることで、地表面において雨水浸透立管蓋13を開けるだけでマス2の内部を迅速に確認することができると共に、マス2内の泥溜め部2aに備えられた泥溜めバスケット2bの着脱を行うことができる。また雨水浸透立管10は中継立管2cの上部に着脱自在に取り付けられているだけの構成であるので、雨水浸透立管10の着脱を容易に行うことができる。よって雨水浸透立管10の清掃や交換を容易に行うことができる。
【0020】
前記雨水受入容器20は、雨水集水蓋30により集水された雨水を一時的に溜め、泥や大型のごみ等の異物を底部に沈殿させて集めさせるための容器である。この雨水受入容器20は立管部21と底板部22とからなり、雨水受入容器20内底部を泥溜め部23としている。
【0021】
前記立管部21は、雨水受入容器20の外壁を構成するためのものである。この立管部21は、雨水集水蓋30と同一口径であり、雨水浸透立管10を囲むように取り付けられている。
【0022】
前記底板部22は、雨水受入容器20の底部を構成するためのものである。この底板部22の中央は開孔されており、前記マス2の中継立管2cの上部が貫通して侵入するように構成されている。雨水受入容器20に下方から侵入した中継立管2cに対して、前記雨水浸透立管10が接続されている。雨水受入容器20の底板部22は、前記雨水浸透立管10の最下部のスリット11の位置よりも下方になるように構成される。このような構成とすることで、雨水受入容器20内の底部に泥溜め部23を形成させることができる。この泥溜め部23は雨水浸透立管10の最下段のスリット11の下部よりも下方に形成されるので、泥溜め部23に泥やごみ等の異物を溜めることができると共に、その異物によって雨水浸透立管10のスリット11が詰まることもない。
【0023】
前記泥溜め部23は、雨水集水蓋30により集水された雨水に含有される泥や大型のごみ等の異物を溜めさせるための空間である。この泥溜め部23は立管部21の下部と、底板部22と、雨水浸透立管10の下部とで構成され、環状凹所としての形状をしている。
泥溜め部23は、既述したように、雨水浸透立管10の最下段のスリット11の下部よりも下方に形成される構成としているので、泥溜め部23に泥や大型のごみ等の異物が溜まっても雨水浸透立管10のスリット11が遮断されることはない。更に泥溜め部23の平面視面積は、図1に示すように、雨水浸透立管10の平面視面積よりも大きい構成としている。このような構成とすることで、泥溜め部23に泥や大型のごみ等の異物が溜まっても、雨水浸透立管10のスリット11が遮断されることを一段と効果的に防止できる。
【0024】
雨水集水蓋30は、雨水受入容器20の蓋を構成すると共に、地表面の雨水を雨水受入容器20へと集水させるための蓋である。この雨水集水蓋30は開閉自在であり、図1に示すように、中継立管2cや雨水浸透立管10の口径よりも大きい円形で、上面が地表面と面一となるように取り付けられている。このように中継立管2cや雨水浸透立管10の口径よりも大きい構成とすることで、雨水を集水させる部分の大きさがマス2の口径に限定されることなく、地表面の雨水を効果的に集水させることができる。また雨水集水蓋30を開けるだけで、雨水浸透立管10や泥溜め部23の掃除を容易に行うことができる。
また図1に示すように、雨水浸透立管蓋13と雨水集水蓋30とを面一に組み合わせて地表面に配置している。このような構成とすることで、雨水浸透立管蓋13と雨水集水蓋30との接合部分に段差が生じることがない。よって接合部分に泥やごみ等の異物が溜まることを防止できる。また地表面に配置することで雨水浸透立管蓋13と雨水集水蓋30とを地表面と面一とさせることができる。よって庭等に設置する場合でも、集水装置1につまづく危険性を確実に防止できる。また雨水集水蓋30は、雨水浸透立管蓋13が中央に配置されるように、中央に開口部を有する環状の形状としている。このような構成とすることで、雨水浸透立管蓋13を開けるだけでマス2の内部を迅速に確認することができると共に、マス2内の泥溜め部2aに備えられた泥溜めバスケット2bの着脱を容易に行うことができる。また雨水浸透立管10は中継立管2cの上部に着脱自在に取り付けられているだけの構成であるので、雨水浸透立管10の着脱を容易に行うことができる。よって雨水浸透立管10の清掃や交換を容易に行うことができる。
また雨水集水蓋30には、スリット31を多数設ける構成としている。よってスリット31よりも大きいごみ等の異物を捕捉させることができると共に、地表面の雨水を雨水受入容器20へ効率的に集水させることができる。
なお雨水集水蓋30の形状、大きさ、スリット31の形状、スリット31の数等は本実施形態のものに限る必要はなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0025】
次に図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る集水装置の変形例について説明する。
この集水装置1は、雨水浸透立管蓋130を、雨水集水蓋と面一に組み合わせてその中央部に配置するような構成とはせず、雨水集水蓋300よりも下方の地中に配置するように構成したものである。雨水集水蓋300は円形形状とし、その略全面にスリット310を設けるものとしている。その他の構成については、前記第1の実施形態に係る集水装置1と同じである。同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付して以下説明を省略する。
【0026】
図2に示すように、雨水浸透立管蓋130を雨水集水蓋300よりも下方の地中に配置されることで、雨水集水蓋300の全面を利用して地表面の雨水を雨水受入容器20へと集水させることができる。よって地表面の雨水を一段と多く雨水受入容器20へと集水させることができる。また雨水浸透立管蓋130は、中央部を頂上とする緩やかな山型形状としている。よって雨水集水蓋300により取り込まれた雨水を、雨水浸透立管蓋130の上部に溜まらせることなく傾斜面をつたわらせて、雨水受入容器20へと効率的に集水させることができる。
【0027】
次に図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係る集水装置について説明する。
集水装置1は、前記第1の実施形態に係る集水装置1における雨水浸透立管10に透水シート12を張設する構成とはせず、雨水浸透立管10の周囲に金網40を取り付けている。更に金網40の周囲に螺旋水路50を取り付けている。また前記第1の実施形態に係る集水装置1における底板部22の立管部21との取り付け部を地表面方向に垂直に延ばしている。その他の構成は前記第1の実施形態に係る集水装置1と同一である。同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付して以下説明を省略する。
【0028】
図3に示すように、前記金網40は、雨水集水蓋30により集水された雨水に含有されるごみ等の異物を雨水浸透立管10で捕捉させる前に捕捉させるためのものである。金網40でごみ等の異物を捕捉させることで、雨水浸透立管10のスリット11の目詰まりを格段に防止できる。よって雨水浸透立管10による雨水の浸透を効率的に行うことができる。この金網40は雨水浸透立管10の周囲に着脱自在に取り付けられている。このような構成とすることで、雨水浸透立管10の周囲に集水された雨水に含有されるごみ等の異物を効果的に捕捉させることができる。また雨水集水蓋30を開けるだけで金網40の取り外しを容易に行え、金網40の清掃や交換を容易に行うことができる。
なお、この金網40の網目の大きさは、少なくとも雨水集水蓋30のスリット31よりも小さく且つ雨水浸透立管10のスリット11よりも大きいものであれば、如何なるものであってもよい。
【0029】
図5も参照して、前記螺旋水路50は、雨水集水蓋30により集水された雨水が金網40の上部から下部へと流されていくための水路である。この螺旋水路50は金網40の周囲を取り巻くように着脱自在に取り付けられており、金網40との接触部分に向かって下方に傾斜した、いわゆる滑り台のような傾斜を有する形状をしている。このような構成とすることで、雨水が螺旋水路50を流れていく過程で一定の重みを有するごみ等の異物を金網40側へ転がらせるようにして寄せ集めさせることができる。
更に金網40との接触部分周辺では、地表面に対してほぼ水平な平坦部を有する構成としている。このような構成とすることで、金網40側へ寄せられてきたごみ等の異物を平坦部に溜めることができる。また螺旋水路50を取り外す場合には、螺旋水路50を持ち上げる過程で、溜まったごみ等の異物を下に落とすことなく持ち上げて掃除を行うことができる。
また螺旋水路50は、雨水集水蓋30の全てのスリット31から集水される雨水を受けることができるように幅広な形状である。このような構成とすることで、雨水集水蓋30により集水される全ての雨水を効率的に金網40の上部から下部へと流させることができる。また幅広な構成とすることで、螺旋水路50を流れる雨水の水流を、幅狭な場合に比べて緩やかなものとさせることができる。よって雨水に含有されるごみ等の異物を雨水から分離させ易くできる。よってごみ等の異物の捕捉を効果的に行うことができる。
なお螺旋水路50の角度等は本実施形態のものに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0030】
また底板部22の立管部21との取り付け部を地表面に垂直に延ばしている。このような構成とすることで、底板部22と立管部21との取り付けをより強固に行うことができる。
なお本第2の実施形態においては、雨水浸透立管10に透水シート12を張設する構成とはしていないが、勿論、金網40、螺旋水路50に加えて雨水浸透立管10に透水シート12を張設するような構成であってもよい。
【0031】
次に図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る集水装置の変形例について説明する。
この集水装置1は、雨水浸透立管蓋130を雨水集水蓋の中央部に配置するような構成とはせず、雨水集水蓋300よりも下方の地中に配置するように構成したものである。また第1の実施形態の変形例と同様に、雨水集水蓋300の形状は円形とし、その略全面にスリット310を設けるものとしている。その他の構成については前記第2の実施形態に係る集水装置1と同じである。同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付し以下説明を省略する。
【0032】
図4に示すように、雨水浸透立管蓋130が雨水集水蓋300よりも下方の地中に配置されることで、雨水集水蓋300の全面を利用して地表面の雨水を雨水受入容器20へと集水させることができる。よって地表面の雨水を一段と多く雨水受入容器20へと集水させることができる。また雨水浸透立管蓋130は、中央部を頂上とする緩やかな山型形状としている。よって雨水集水蓋300により取り込まれた雨水を、雨水浸透立管蓋130の上部に溜まらせることなく傾斜面をつたわらせて、雨水受入容器20へと効率的に集水させることができる。
【0033】
以上のように本発明の集水装置1によれば、マス2の上部に容易に取り付けることができ、地表面の雨水を十分に取り込むことができる。またマス2の内部の確認を容易に行うことができると共に、マス2に設けられた泥溜めバスケット2bの着脱を容易に行うことができる。また地表面の泥やごみ等の異物がマス2に侵入することを防止できるので、マス2に備えられた泥溜めバスケット2bの掃除頻度を抑えることができる。
【0034】
なお本発明は本実施の形態に限られるものではなく、任意好適な様々な変更が可能である。例えば雨水受入容器20の泥溜め部23の形状を、底板部22を下方に湾曲させた凹状の形状とすることもできる。このような構成とすることで、一段と泥や大型のごみ等の異物を溜めさせ易くできる。
また雨水受入容器20の泥溜め部23に着脱可能な泥溜めバスケットを更に設けるような構成とすることもできる。このような構成とすることで、雨水集水蓋30を開けて泥溜め部の泥溜めバスケットを取り出すだけで、容易に泥溜め部23に溜まった泥やごみ等の異物を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る集水装置を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る集水装置の変形例を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る集水装置を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る集水装置の変形例を示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図5】図3の部分拡大図である。
【図6】従来の雨水マスを示し、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 集水装置
2 マス
2a 泥溜め部
2b 泥溜めバスケット
2c 中継立管
10 雨水浸透立管
11 スリット
12 透水シート
13 雨水浸透立管蓋
20 雨水受入容器
21 立管部
22 底板部
23 泥溜め部
30 雨水集水蓋
31 スリット
40 金網
50 螺旋水路
130 雨水浸透立管蓋
300 雨水集水蓋
310 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水マス、雨水マス、浸透マス等のマスに取り付けられて地表面の雨水を集水してマスへ流し込ませる集水装置であって、マスの上部に取り付けられ、マスへ雨水を浸透させる蓋付きの雨水浸透立管と、前記雨水浸透立管を囲むように配置した雨水受入容器と、地表面に配置されて前記雨水受入容器の蓋を構成する雨水集水蓋とから構成され、雨水集水蓋から雨水受入容器に受け入れられた雨水を雨水浸透立管の側部から該雨水浸透立管の内部へ浸透させて、マス内に導く構成としたことを特徴とする集水装置。
【請求項2】
雨水浸透立管は、側面にスリットを有する筒状体であり、該スリットの位置よりも下方に、前記雨水受入容器の底部が位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の集水装置。
【請求項3】
雨水浸透立管の蓋と雨水集水蓋とを面一に組み合わせて地表面に配置すると共に、両者を別々に開閉できる構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の集水装置。
【請求項4】
雨水集水蓋と雨水浸透立管の蓋とを別々に構成し、雨水浸透立管の蓋は雨水集水蓋の下方において雨水浸透立管を密閉する構成としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の集水装置。
【請求項5】
雨水浸透立管の筒状体の側面外周を透水シートで覆うことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の集水装置。
【請求項6】
筒状体の側面外周のうち、上部は透水シートで覆うことなく開放しておくことを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の集水装置。
【請求項7】
雨水集水蓋は、少なくともマス上部の口径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の集水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−285932(P2008−285932A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133223(P2007−133223)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】