説明

集積化カラーマスク

本発明は、支持体を用意する工程、前記支持体の一方の側にカラーマスクを被覆する工程、可視光によってフォトパターン化可能材料層を被覆する工程、そして前記層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、フォトパターンを形成する工程を含んで成る、構造を形成する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的構成部品及び光学的構成部品を形成するのに有用な着色マスキング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル・ディスプレイ、RFIDタグ、及び種々の検知用途を含む多くの電子構成部品の製造は、比較的大型の基板に適用される電気的活性材料層を正確にパターン化することに依存する。これらの製品は、種々異なるパターン化された材料から成るいくつかの層から形成されており、ここではこれらの層が特定のレジストレーションを成していることが重要である。パターン化の正確さが求められる理由は、二点ある。先ず第一に、パターン化された構造は、これらの寸法を正確に制御しながら、基板の広い面積全体にわたって再現されなければならない。第二に、これらの構造を有するように形成された製品は、種々異なる、しかし相互作用するいくつかのパターン化された層から形成されており、これらの層が特定のレジストレーション又はアラインメントを成していることが重要である。
【0003】
伝統的には、電子構成部品及びデバイスの製作に必要とされた正確な層アラインメントは、コンベンショナルなフォトリソグラフィを用いて達成される。基板上に電気的活性層及びフォトレジスト層を堆積し、基板上の既存パターンの位置を検出し、そしてその既存パターンに対して露光マスクをアライニングする。フォトレジストを露光し、現像し、そして電気的活性材料をエッチングする。この精密な作業において温度及び湿度が変動すると、それが小さなものであっても、アラインメント誤差を招くのに十分であり、これらの変動を低減するために、厳密な環境制御とともに硬質ガラス基板を使用する。これとは正反対に、オフセット平版印刷、フレキソグラフィ、及びグラビア印刷のようなコンベンショナルな印刷技術は、極端に高い速度で複数の層を適用するものの、オーバーレイ精度はかなり低い。
【0004】
可撓性又はプラスチックの基板上に薄膜電気構成部品(例えばTFT)を製作することに向けられた印刷技術の進歩に対する関心が高まっている。これらの基板は、機械的に堅牢であり、軽量であり、また、ロール・ツー・ロール処理を可能にすることにより、場合によっては製造コストを低下させることになる。可撓性基板の潜在的な利点にもかかわらず、最大1メートル又はそれ以上の典型的な基板幅にわたってトランジスタ構成部品をアライニングするための性能及び能力に影響を及ぼす多くの問題がある。具体的には、例えば、伝統的なフォトリソグラフィ設備を使用して達成可能なオーバーレイ精度は、伝統的に採用される硬質ガラス基板の代わりに可撓性プラスチック基板を使用することにより、深刻な影響が及ぼされるおそれがある。特にプロセス温度が支持体のガラス転移温度(Tg)に近づいたときの寸法安定性、水及び溶剤膨潤、異方性変形、及び応力緩和は全て、プラスチック支持体がガラスよりも劣っている重要なパラメータである。
【0005】
典型的な製作は、連続して行われる堆積工程及びパターン化工程を伴う。これらの製作過程において3つのタイプのレジストレーション誤差、すなわち固定誤差、スケール誤差、及び局所的アラインメント誤差が一般的である。1つのパターンから別のパターンへの均一なシフトを意味する固定誤差は、典型的には運動制御システムの細目によって支配される。具体的には、機械的許容差及び一体型システムの細目が、どの程度正確に基板をマスクに対してアライニングすることができるか、又はどの程度正確に一体型印刷装置を運動中のウェブ上のレジストレーション・マークに対して位置決めできるかを最終的に決定づける。固定誤差に加えて、スケール誤差が重要であることもある。パターン・スケール誤差は、基板を横切って累積し、そしてこれは、支持体の寸法変化、熱膨張、及びパターン化装置に対する基板の角度配置誤差から生じる。運動制御システムが角度配置に影響を及ぼしはするが、パターン・スケール誤差は主として、支持体の特徴によって促進される。熱膨張、湿分又は溶剤に対する曝露から生じる膨張、高温に対する曝露から生じる収縮、及び支持体の保管中の応力緩和(クリープ)が全て、パターン・スケール誤差に関与する。さらに、特に搬送過程が緊張を加えることを伴うことから、非等方的変形から生じる局所的パターン不一致が発生することもある。ロール・ツー・ロール製造に際して使用される可撓性支持体は典型的には、搬送方向において伸長し、そして幅方向において狭まることになる。
【0006】
可撓性基板上に電子装置を製作する際のレジストレーションの問題に対処するためのいくつかのアプローチがあるが、しかし現時点では、先導的な方法はまだ生まれていない。French他によって探求された着脱技術の場合、可撓性基板を硬質キャリアに積層し、これに伝統的なフォトリソグラフィ法を施す(I. French他, “Flexible Displays and Electronics Made in AM-CD Facilities by the EPLaRTM Process”SID 07 Digest, pp. 1680-1683 (2007))。残念ながら、これらの技術で可撓性電子構成部品を最終的に製造するためには、ガラスに基づく現行の処理の費用構造が伴わざるを得ない。既存のパターンを検出するためのアクティブ・アラインメント・システム、及び変形に対する補償スキームも、Brost他によって米国特許第7,100,510号明細書に示唆されている。このアプローチでは、支持体寸法安定性に対する厳密な仕様及び厳重な環境制御を維持することによって正確なパターン・オーバーレイを達成する代わりに、運動制御システムが、歪みを補償するために1基板当たり複数のアラインメントを実施する。Brost他によって提案された解決手段の1つの問題点は、透明な電子構造を製作する際に、材料の透明性が、歪みを検出して補償するために画像分析アルゴリズムを用いることを大幅に難しくしてしまうことである。
【0007】
マスクの数を減らすための異なるアプローチにおいて、種々異なる構造が他のプロセス・パラメータによって制御される単一マスク法を開発することができた。このアプローチの1つの例が、Rao他(Appl. Phys. Lett. 85, 25, p6281 (2004))による“Single-mask, three-dimensional microfabrication of high-aspect-ration structures in bulk silicon using reactive ion etching lag nad sacrificial oxidation”から明らかである。反応性イオン・エッチングにおけるラグを用いることにより、Rao他は、単一のリソグラフィ・パターン化工程だけを用いて、異なる表面プロフィールを得ることができた。米国特許第6,294,445号明細書にBol他によって開示されているように、単一マスク法を用いて、ファスト・リカバリーダイオード(FREDs)も形成されている。Bol他もRao他も、処理条件とともに歪むおそれのある基板を使用することを予想してはおらず、またこのようなものとして、彼らの方法には、単一の固定マスクで十分であった。可撓性基板上に形成された同様の構造、又はインクジェット印刷によってカラーフィルタを製造するのに有用なウェルのようなよりシンプルな構造のために、代わりのマスキング技術が必要となることがある。
【0008】
低い資本投資で高速処理を潜在的に可能にする別のアプローチは、自動アライニング製造法を採用することである。自動アライニング法の場合、所望の構造内の最も重要なアラインメントのための鋳型が、基板に1工程で適用され、その時点からは、後続層のアラインメントが自動的におこなわれる。自動アライニングされたTFTを製作するための種々様々な方法が記載されている。これらの方法のほとんどが、層間の自動アラインメントを可能にするが、しかし、いくつかの層間の極めて精緻化されたアラインメント工程の必要性を顕著に取り除くわけではない。例えば、いくつかのa-Si TFT法におけるゲート電極は、チャネル領域のいずれかの側におけるシリコンのドーピング及びレーザーアニーリングからチャネル領域を保護する「マスク」として使用される。自動アライニング式製作のコンセプトは、米国特許第5,391,507号明細書(Kwasnick他)、米国特許第6,338,988号明細書(Andry他)、及び米国特許出願公開第2004/229411号明細書(Battersby)から理解することができる。
【0009】
複雑なレジストレーションの必要性を排除する完全自動アライニング過程の可能性を提供する公開された1つの技術が、Mei他によって米国特許第7,056,834号明細書に示されているような自動アライニング式インプリント・リソグラフィ(SAIL)である。インプリント・リソグラフィの場合、電子的活性層上に可変厚さのレジストを用意し、そしてフォトレジストの制御された腐食に、化学的エッチング及び材料堆積のシーケンスを適合させることによりTFT構造を製造する。しかしながらSAIL法には困難がある。第一に、ウェブのために堅牢なナノインプリント技術が必要とされる。第二に、SAIL法は、高精度エッチング深さ制御を必要とし、このような制御は低コスト法と整合しないことがある。最後に、SAIL法の顕著な制限は、マスクによって製造された層が完全に独立したものではあり得ないことである。一例としては、このアプローチでは、連続層の下に、マトリックス・バックプレーン・デザインにおける主要要素である開口を形成することは特に難題である。
【0010】
可撓性基板上に薄膜半導体、誘電体及び導体を堆積し、そしてパターン化することへの関心も高まっている。具体的にその理由は、これらの支持体が、機械的により堅牢であり、軽量であり、また、ロール・ツー・ロール処理を可能にすることにより、より経済的且つ実際的な製造を潜在的にもたらすことにある。本発明はシンプル且つ有利なやり方で、種々の支持体に被覆された材料の高精度のパターン化を容易にし、そして可撓性支持体又は種々の他の所望の支持体を使用した場合でさえ、1つ又は2つ以上の前記問題点を解決することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明により対処される問題点は、構造寸法、及び種々異なる層内にあるパターン化された構造のレジストレーション及びアラインメントを正確に制御しながら、広い面積であってもその全体にわたってパターン化された構造を再現することである。加えて、高価な装置又は高価な方法を必要としないやり方で、これらの問題を克服することが強く望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は概ね、
a) 表側と裏側とを有する透明支持体を用意する工程;
b) 該透明支持体の該表側又は該裏側のいずれか一方の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成工程;
c) 該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の表側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能材料層を被覆する工程;
d) 該フォトパターン化可能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、
該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能材料から成り;そして
e) 該機能材料層が、該カラーマスクの色パターンに対応する、結果として生じるパターンを有するように、該フォトパターンを使用して機能材料層をパターン化する工程、
該機能材料層は、該フォトパターン化可能材料層であるか、又は該フォトパターン化可能材料層とは別個の層であってよく、該結果としてのパターンが、該機能材料層の所定の領域を除去することにより、又は該機能材料層を選択的領域堆積することにより形成される、
各工程を含んで成る構造を形成する方法によって達成される。
【0013】
a) 表側と裏側とを有する透明支持体を用意する工程;
b) 該透明支持体の該表側又は該裏側のいずれか一方の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成する工程;
c) 該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の表側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能材料層を被覆する工程;
d) 該フォトパターン化可能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、
該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能材料から成り;
e) 該フォトパターン化可能材料層を被覆する前又は後に、機能材料層を堆積する工程;そして
f) 該機能材料層が、該カラーマスクの色パターンに対応する、結果として生じるパターン化された機能材料層を有するように、該フォトパターンを使用して該機能材料層をパターン化する工程
を含んで成る。
【0014】
別の態様の場合、
a) 透明支持体を用意する工程;
b) 該透明支持体の第1の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成する工程;
c) 該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の第1の側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能機能材料層を被覆する工程;
d) 該フォトパターン化可能機能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、
該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能機能材料から成り;そして
e) 該フォトパターンに対応する該フォトパターン化可能機能材料層領域を除去することにより形成される、結果として生じるパターン化された機能材料層を有するように、該フォトパターン化可能機能材料層をパターン化する工程
を含んで成る方法によって構造を形成することができる。
【0015】
本発明の別の態様は、上記のような方法によって形成された物品に関する。1つの態様の場合、物品は、透明支持体と、透明支持体上の色パターンを有するカラーマスクと、透明支持体の、色パターンと同じ側のパターン化された機能材料層とを含み、パターン化された機能材料層が、透明支持体上の色パターンとレジスタリングされている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の1つの利点は、基板の歪みを補償するための装置及び方法を必要とすることなしに、パターン化された層を形成する方法を提供することである。別の利点は、カラーマスクが基板上に直接に調製され、正しいマスクが使用されることを保証することである。カラーマスクは、パターン化されるべき層に物理的に近接しており、微細な構造がパターン化されるのを可能にするという利点を有している。加えて、カラーマスクは、他のマスキング・パターン化技術とともに、より複雑な構造を形成するために使用することもできる。カラーマスクが支持体上に直接に調製され、完全に視認することができるので、カラーマスクは、製作において、特に透明な電子構造を製作するために重要なアラインメントを単純化するのに役立つ。
【0017】
本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、下記説明及び図面と関連させるとより明らかになる。図面において、図面に共通の同一又は類似の構造を示すためには、可能であれば同一符号が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、透明支持体上の赤色吸収体のパターンを、平面図及び平面図の断面図の両方で示す図である。
【図1A】図1Aは、透明支持体上の赤色吸収体のパターンを、平面図及び平面図の断面図の両方で示す図である。
【図2】図2は、カラーマスクの赤色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図2A】図2Aは、カラーマスクの赤色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図3】図3は、カラーマスクの赤色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図3A】図3Aは、カラーマスクの赤色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【0019】
【図4】図4は、透明支持体上の青色吸収体のパターンを示す図である。
【図4A】図4Aは、透明支持体上の青色吸収体のパターンを示す図である。
【図5】図5は、カラーマスクの青色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図5A】図5Aは、カラーマスクの青色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図6】図6は、カラーマスクの青色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図6A】図6Aは、カラーマスクの青色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する方法を示す図である。
【図7】図7及は、ゲート材料が堆積されパターン化される本発明の方法の1つの態様の工程(a)を示しており、図7Aは図7の構造の断面図である。
【図7A】図7Aは、ゲート材料が堆積されパターン化される本発明の方法の1つの態様の工程(a)を示しており、図7Aは図7の構造の断面図である。
【0020】
【図8】図8は、誘導体材料が堆積される本発明の方法の1つの態様の工程(b)を示しており、図8Aは図8の構造の断面図である。
【図8A】図8Aは、誘導体材料が堆積される本発明の方法の1つの態様の工程(b)を示しており、図8Aは図8の構造の断面図である。
【図9】図9は、半導体材料が堆積されパターン化される本発明の方法の1つの態様の工程(c)を示しており、図9Aは図9の構造の断面図である。
【図9A】図9Aは、半導体材料が堆積されパターン化される本発明の方法の1つの態様の工程(c)を示しており、図9Aは図9の構造の断面図である。
【図10A】図10Aは、フォトパターン化可能フォトレジスト層がカラーマスクを通して露光される本発明の方法の1つの態様の工程(d)を示しており、図10Bは図10Aの構造の断面図であり、図10Cは、図10Bに示されたフォトマスクの平面図である。
【図10B】図10Bは、フォトパターン化可能フォトレジスト層がカラーマスクを通して露光される本発明の方法の1つの態様の工程(d)を示しており、図10Bは図10Aの構造の断面図であり、図10Cは、図10Bに示されたフォトマスクの平面図である。
【図10C】図10Cは、フォトパターン化可能フォトレジスト層がカラーマスクを通して露光される本発明の方法の1つの態様の工程(d)を示しており、図10Bは図10Aの構造の断面図であり、図10Cは、図10Bに示されたフォトマスクの平面図である。
【0021】
【図11】図11は、図10Cのカラーマスクを使用してフォトレジスト層内に形成された格納構造内にソース・ドレイン電極材料が印刷される、本発明の方法の1つの態様の工程(f)を示しており、図11Aは図11の構造の断面図である。
【図11A】図11Aは、図10Cのカラーマスクを使用してフォトレジスト層内に形成された格納構造内にソース・ドレイン電極材料が印刷される、本発明の方法の1つの態様の工程(f)を示しており、図11Aは図11の構造の断面図である。
【図12】図12は、半導体材料が薄膜半導体素子を形成するようにパターン化される本発明の方法の1つの態様の工程(g)を示しており、図12Aは図12の構造の断面図である。
【図12A】図12Aは、半導体材料が薄膜半導体素子を形成するようにパターン化される本発明の方法の1つの態様の工程(g)を示しており、図12Aは図12の構造の断面図である。
【図13】図13は、本発明のカラーマスクと組み合わせた自動アライニング過程のための態様をまとめたプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
理解しやすさのために、本明細書に使用される下記用語を、以下により詳細に説明する。
【0023】
本明細書中に利用される、本発明の物品に適用される「裏側」という用語は、支持体の、カラーマスクを担持する側であり;本明細書中に使用される「表側」という用語は、支持体の、マスク担持側とは反対の側を意味する。
【0024】
「垂直方向」とは、基板表面に対して実質的に垂直であることを意味する。
【0025】
「透明」とは一般に、電磁スペクトルの可視部分(及び/又は所定の変更形では赤外部分)内のほとんどの光量を吸収しない材料又は構造を意味する。本発明において、材料の透明性は、特定のプロセス工程において使用される光の色のみに関連する。透明とは、基準光の少なくとも65%がその部材を通過することを意味する。
【0026】
「フォトパターン化可能」は、露光を施されると、フォトパターンを形成するために、例えば溶解度、粘着性、機械強度、エッチャント又はガスの透過性、表面反応性及び/又は屈折率に関して状態が変化することによって、変化後の状態がパターン化を可能にする材料を意味する。
【0027】
「ポジティブ」とは、フォトマスクの着色部分の上方の領域内に材料を含有するパターンを意味する。
【0028】
「ネガティブ」とは、フォトマスクの透明部分の上方の領域内に材料を含有するパターンを意味する。
【0029】
薄膜トランジスタ(TFT)は、本発明のパターン化法から利益を得ることができる見込みのある電子素子である。次の3つの定義は具体的には薄膜トランジスタに言及するものである。
【0030】
薄膜トランジスタ内の層に関連して、本明細書に使用される「上」、「上方」、及び「下」などという用語は、支持体を基準として層の順序を意味するが、しかし、これらの層がすぐに隣接していること、又は中間層が存在しないことを必ずしも示さない。
【0031】
「ゲート」は一般に、トランジスタ回路形態との関連において使用される場合には、三端子FETの絶縁ゲート端子を意味する。
【0032】
前記用語の説明は、読者を補助するためにのみ提供されるにすぎず、当業者によって理解されるものよりも狭い範囲を有するものとして、又は添付の特許請求の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0033】
本発明の方法は、少なくとも1つのパターン化された層を含有する任意の種々の多層構造を生成するために用いることができる。この方法は従って、導体、インダクタ、キャパシタ、トランジスタ、ダイオード、フォトダイオード、発光ダイオード、及びその他の電子又は光電子構成部品として機能するように構成することができるモノリシック集積構造を製造することができる。さらに、パターン化技術は、有用な電子回路を製造するように配列された多数のこれらのデバイスを同時に製造するために用いることもできる。
【0034】
上述のように、構造を形成するための本発明の方法の1つの態様は、(a)表側と裏側とを有する透明支持体を用意する工程;(b)該透明支持体の該表側又は該裏側のいずれか一方の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成する工程;(c)該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の表側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能材料層を被覆する工程;(d)該フォトパターン化可能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能材料から成り;(e)該フォトパターン化可能材料層を被覆する前又は後に、機能材料層を堆積する工程;そして(f)該機能材料層が、該カラーマスクの色パターンに対応する、結果として生じるパターン化された機能材料層を有するように、該フォトパターンを使用して該機能材料層をパターン化する工程を含んで成る。
【0035】
1つの態様の場合、別のパターン化された機能材料層を形成するために使用される、透明支持体上に形成されたいかなるカラーマスク内にも、異なる色の他の色パターンは存在しない。或いは、共通の譲受人による米国特許出願公開第2007/0269758号明細書及び同第2008/0107878号明細書、及び共通の譲受人による、同時出願された次の米国特許出願明細書:米国特許出願第11/942,780号明細書(Irving他及び発明の名称“PHOTOPATTERNABLE DEPOSITION INHIBITOR CONTAINING SILOXANE)、同第11/986,189号明細書(Irving他及び発明の名称“GRADIENT COLORED MASK”)、同第11/986,102号明細書(Irving他及び発明の名称“MULTICOLOR MASK”)、同第11/986,169号明細書(Irving他及び発明の名称“COLORED MASK COMBINED WITH SELECTIVE AREA DEPOSITION”)、及び同第11/986,088号明細書(Irving他及び発明の名称“MULTICOLORED MASK PROCESS FOR MAKING DISPLAY CIRCUITRY”)、に開示された多色マスクを製造するために、追加の色パターンを形成することもできる。
【0036】
また、念のために述べておくが、唯1つの層をパターン化するために単一のカラーマスクを使用する必要はない。実際には、種々異なるプロセスを用いて、しかし同じカラーマスクを用いて、複数の層をパターン化するために単一のカラーマスクを使用することが好ましいと言える。複数の層は全て同じパターンであるか、又はポジティブ及びネガティブのパターンであってもよい。また、反応性イオン・エッチング(RIE)のような処理を利用することにより、唯1つのマスクを有するアライニングされた複数の構造/パターンを得ることができる。
【0037】
この態様の場合、カラーマスクは構造内に残ることができ、或いは、後から除去することもできる。露光に続いて、フォトパターン化可能層は、種々の方法でパターン化することができる。例えば、可視光に当てられていないフォトパターン化可能材料層領域を、工程(e)の前に除去することができる。
【0038】
フォトパターン化可能材料層を露光するために利用される可視光は、カラーマスクの色パターンの色とマッチする光スペクトルを有することができる。或いは、フォトパターン化可能材料層を露光するために使用される可視光は白光であってもよく、そしてフォトパターン化可能材料は、カラーマスクの色パターンの色にマッチする光スペクトルによって硬化され得る。1つの態様の場合、フォトパターン化可能材料は、カラーマスクの色パターンの色にマッチする光スペクトルを有する可視光によって露光された第2状態に変化させられ、そしてフォトパターン化可能材料を露光するために利用される可視光も同じ色を有している。
【0039】
この方法はさらに、前記パターン化された機能材料層上に少なくとも1つの更なる追加の機能材料層を被覆し、そして、前記パターン化された機能材料層とレジスタリングされた状態で前記追加の機能材料層をパターン化する工程を含む。
【0040】
パターン化された機能材料層が、下でより詳細に説明するように、導体層、誘電体層、又は半導体層であってよく、これらの機能材料は、例えば電子ディスプレイを駆動するための電子回路のような、電子デバイス内の有用な構成部品を形成するために使用することができる。
【0041】
透明支持体の第1の側にカラーマスクを形成した後、可視光に対して感光するフォトパターン化可能機能材料層が、透明支持体の同じ第1の側に形成される別の態様の場合には、別個のフォトレジスト層は必要でない。フォトパターン化可能機能材料層自体を、カラーマスクを通して可視光に暴露することにより、カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する。この事例では、カラーマスク、支持体、及びパターン化された機能材料が構造内に残る。
【0042】
再び述べることになるが、1つの態様の場合、別のパターン化された機能材料層を形成するために使用される、透明支持体上に形成されたいかなるカラーマスク内にも、異なる色の他の色パターンは存在しないことがある。或いは、単一の色パターンを多色マスクの一部として使用することもできる。
【0043】
1つの態様において、色コード化マスクを使用することによって、大面積にわたる可撓性支持体上のパターンの正確なオーバーレイを可能にすることができる。色コード化マスクは、スペクトル増感されたフォトレジストと組み合わされて、支持体上に直接に調製される。続いて透明電子材料を層毎に堆積させることができる。スペクトル増感フォトレジストに、カラーマスクを通して選択的な露光を施すことにより、カラーマスクに対して垂直方向にアライニングされた、支持体上のフォトレジスト・パターンを形成することができる。電気的活性層のパターン化は、ゲート層、誘電体層、半導体層、及びソース/ドレイン層、又は、電子デバイス内で使用するために形成される電子構造内の他の層をパターン化するために、エッチング過程、リフトオフ過程、又は選択的堆積過程を用いることにより達成することができる。カラーマスクは、基板の一部と考えることができ、そして基板のいずれかの側、すなわち、製造される構造の、活性層を有する側、又は活性層とは反対側に形成される。カラーマスクは、1過程における層のうちの少なくとも1つに関するパターン情報を含有することができる。本発明を用いた製作は、支持体の寸法変化から生じる誤差を自動補償する。
【0044】
本発明の好ましい態様の場合、カラーマスクは最終デバイスの一部として残る。これらの態様は、図面との関連において良く理解できる。
【0045】
図面及び下記説明は、本発明のマスキング・スキームを示す。この説明の例は、色吸収材料から構成された単一のカラーマスクを利用し、そして着色光に対して感光性のフォトパターン化可能材料を、透明機能層をパターン化するために利用する。図面は本発明を説明するものであって、本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0046】
露光のために使用される光はパンクロマティック光又は着色光であることが可能である。パンクロマティック光は、可視スペクトルにわたって何らかのスペクトル強度を有する光を意味する。パンクロマティック光は、複数の色を含有する光として当業者によって認識することができる。着色光は一般に、或る特定のスペクトル領域内に高い強度を有し、そして他のスペクトル領域内に低い強度を有する光を意味する。着色光は、最大強度の波長(λmax)、FWHM(半値全幅)、又はバンドパスによって記述することができる。色パターンは、波長の関数としての吸光度によって、又は吸収スペクトル領域によって記述されてよい。典型的な色パターンの吸収スペクトル領域は、この目的では、吸光度が最大吸光度から最大吸光度の10%までの範囲内にある波長として定義することができる。好ましい色吸収体は、選択された可視帯域部分内に最大吸収率を、そして残りの部分内に最大透過率を有する材料である。
【0047】
ここで図面を参照すると、図1及び1Aは、透明支持体(12)上のマスク開口(11)を有する赤色吸収体(16)のパターンとして、それぞれカラーマスクの平面及び断面を示している。図1及び1Aはまた、カラーマスクが支持体の裏側にある本発明の態様を示している。本発明の重要な態様は、カラーマスクが支持体上に形成されるか、又は支持体の一部として作用することである。このことが重要なのは、支持体の寸法の変動(例えば収縮又は熱膨張)を必然的に招く、製作・被覆工程中の変化する温度、圧力、溶剤及び湿度による処理に、支持体(12)を曝すことがあるからである。ウェブ搬送システムは支持体に緊張を加え、同様に寸法不安定性を招く。実際、最低のコスト及び潜在的に最も低廉な支持体材料は、より大きい規模の寸法不安定性を有しやすい。例えば、ポリエステル・フィルムは1℃当たりの熱膨張率が0.0018%であるので、5℃変化すると、1メートルにわたって90μmの寸法変化をもたらすことになる。カラーマスク要素(10)が設けられていると、湿潤膨張及び熱膨張の結果が、累積的且つ壊滅的なアラインメント誤差をもたらさないで済む。単純に言えば、パターン化情報は、支持体に取り付けられ、ひいては支持体が収縮又は膨張した場合に、固定された垂直方向のアラインメント状態にとどまる色吸収層内に含有されている。
【0048】
図2〜3A及び5〜6Aは、カラーマスク(10)の色吸収体パターンとレジスタリングされたフォトパターン化可能材料パターンを選択的に形成するための過程を示している。マスクの色に対応する感光性を有するフォトパターン化可能層(38)を、支持体上に、カラーマスクに被さるように被覆する。このフォトパターン化可能層(38)は、カラーマスクを通して光に当てられる。カラーマスクの色吸収体は、照明光を選択的に透過させ、これにより、フォトパターン化可能層を着色光のパターンに暴露する。例えば、シアン・マスクは赤光を吸収するのに対して、青及び緑光を透過させる。同様に、マゼンタ・マスクは緑光を吸収するのに対して、赤及び青光を透過させ、そして黄マスクは青光を吸収するのに対して、赤及び緑光を透過させる。フォトパターン化可能層の感光性分布は、好ましい態様の場合、カラーマスク(10)内に使用される色吸収材料の吸収スペクトル内部に完全に含まれる。本発明の好ましい態様の場合、フォトパターン化可能層は、重合性化合物又は光可溶性マトリックスと、着色光の特定波長に対してのみ応答する光開始剤とを含有する。光開始剤による着色光の吸収は、光重合反応又は光可溶化反応を開始する。フォトパターン化可能層は、追加の成分を含有してよく、これらの成分の一例としては、高分子バインダー、充填剤、顔料、界面活性剤、付着改質剤、抗酸化剤、共開始剤、及び連鎖移動剤などが挙げられる。フォトパターン化可能層の感光性分布を修正するための1つの好都合な方法は、光開始剤の独自性を用いるものである。照明光のスペクトル分布は、色吸収材料の望ましくない吸収及び/又はフォトパターン化可能層の望ましくない感光性からの影響を最小限にするように具体的に選択することができる。露光後、フォトパターン化可能層は現像される。残りのパターンは、使用されるフォトパターン化可能材料のタイプに応じて、マスク層のポジティブ画像又はネガティブ・パターンであってよい。
【0049】
図2〜3Aは、カラーマスクの赤色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する過程を示している。図2及び2Aは、赤フォトパターン化可能材料(38)を被覆され、そして赤光を含有する光源に当てられたカラーマスク(10)を有する支持体を示している。この光源は白光源、又はパンクロマティック光源であってよい。この態様の場合、フォトパターン化可能層のフォトパターン化可能材料は、ネガ型である。図3及び3Aは、図2からの露光された赤フォトパターン化可能被膜が現像された後、カラーマスク(10)の赤色吸収体パターン(16)とレジスタリングされたフォトパターン化可能材料のフォトパターン(40)を形成する、結果としての構造を示している。
【0050】
図4及び4Aは、支持体の表側にカラーマスクを有する本発明の態様を示している。図3及び3Aに示されているように、カラーマスクは、透明支持体(12)上の青色吸収体(14)のパターンから成る。図4はまた、カラーマスクの頂面上に任意の透明被膜50を有する本発明の態様を示す。透明被膜50は、絶縁特性、平滑化特性、平坦化特性、又はその他の特性を有していてよい。これらの特性は、カラーマスク10上に形成されることになる末端デバイスの性能を改善する。
【0051】
図5〜6Aは、カラーマスク(10)の青色吸収体パターンとレジスタリングされた材料パターンを選択的に形成する過程を示している。図5及び5Aをここで参照すると、青フォトパターン化可能材料(44)を被覆され、そして青光を含有する光源に当てられたカラーマスク(10)が示されている。この光源は白光、又はパンクロマティック光であってよい。この態様の場合、フォトパターン化可能層のフォトパターン化可能材料は、ネガ型である。図6及び6Aは、図5からの露光された青フォトパターン化可能被膜が現像された後、カラーマスク(10)の青色吸収体パターン(14)とレジスタリングされたフォトパターン化可能材料のフォトパターン(46)を形成する、結果としての構造を示している。
【0052】
本発明の別の態様の場合、フォトパターン化可能材料は、パンクロ感光性であってよい。この態様は前の図との関連において理解することができる。パターン化された構造は、カラーマスクを通る露光用の光の色を変え、そしてパンクロマティック光に対して感光するフォトパターン化可能材料を採用することによって形成される。パンクロ感光性被膜は例えば、重合性化合物と、赤、緑、及び青応答性光開始剤の混合物とを含有する状態で調製されてよい。パンクロ硬化性被膜が本発明とともに使用される場合には、形成されるべきパターンは、露光用の光のスペクトル・エネルギー分布を調節することによって選択される。従って、所望パターンのための色吸収材料の吸収スペクトルは、露光用の光の波長にマッチするべきである。
【0053】
本発明の1つの好ましい態様において、カラーマスクは、自動アライニング法の変更形によって薄膜トランジスタ(TFT)を形成する際に使用される。TFTを形成するための自動アライニング法は、共通の譲受人による米国特許出願第11/757,578号及び同第11/757,633号の明細書との関連においてより良く理解することができる。図7及び図7Aをここで参照すると、図7Aは、図7の7A−7A線に沿った図7の構造の断面図である。支持体又は基板1上にゲート構造(電極)、好ましくは金属を形成することを伴う、自動アライニング法の工程(a)が示されている。図7Aに示されているように、支持体1は、基板1の表側に形成されたカラーマスク10を有している。基板1の裏側にカラーマスクを形成してもよいため、これが本発明を限定するものと考えるべきではない。工程(a)は、共通のバスライン7に沿って複数のゲート構造を形成する場合、ゲート電極3とバスライン7とを含むパターン化されたゲート・バス構造5を形成するために、基板1上に導電性材料層を堆積してこれをパターン化することを伴う。パターン化されたゲート・バス構造5をカラーマスク10とアライニングする。バスライン7は、基板1上のバスライン7の続きに沿って追加のゲート電極(図示せず)に接続することができる。ゲート材料は、種々の方法によって同時又は順次に堆積してパターン化することができる。例えば、シャドーマスクを使用して金属を蒸発させることにより、パターン化された構造を形成することができる。或いは、導電性被膜を適用し、続いて、フォトリソグラフィ・エッチングを施すことにより、パターン化された導電性構造を形成することができる。さらに別の方法は、フォトリソグラフィ・リフトオフ法を伴う。このフォトリソグラフィ・リフトオフ法では、予め形成されたフォトレジスト・パターン上に導電性被膜を適用し、次いで、頂面に配置された導電性領域を持ち上げて外すようにフォトレジストを除去する。ゲート−バス構造5を形成するさらに別の方法は、インクジェット印刷(普通はこれに続いてアニーリングを施す)によって流体組成物の形態で導電性材料を適用し、これによりパターン化された構造を形成すること伴う。例えば、溶剤中の銀ナノ粒子を含む流体組成物を、基板に適用し、続いて、任意選択のアニーリング又は他の処理とともに乾燥させることにより、導電性材料を活性化させることができる。別の態様の場合、ゲート−バス構造5は、シャドーマスクを通してクロム金属を蒸着することにより形成される。さらに別の方法は、転写材料、例えば複合多層構造から基板1へのパターン化された導電性構造の接着転写を伴う。
【0054】
図7及び7Aの態様の場合、ゲート−バス構造5は、バスライン7から実質的に垂直に分岐する、長方形の3辺によって形成された半島状のゲート電極3を含んでいる。このように、図7及び7Aのゲート電極3は、第1及び第2の長辺9及び8と末端13とを含んでいる。
【0055】
ゲート電極は、任意の後続のフォトパターニング作業のために使用される化学線を遮断又は減衰する任意の有用な導電性材料から形成することができる。金属、変性ドープ型半導体、導電性ポリマー、及び印刷可能材料、例えばカーボンインク、銀-エポキシ、又は焼結性金属ナノ粒子懸濁液を含む、当業者に知られた種々様々な導体材料も好適である。例えば、ゲート電極は、ドープ型シリコン、又は金属、例えばアルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、銅、タングステン、パラジウム、白金、タンタル、及びチタンを含んでよい。別の態様の場合、ゲート材料は、予め選択された化学線スペクトルの選択的透過を可能にするように着色されていてよい。導電性ポリマー、例えばポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)を使用することもできる。加えて、これらの材料から成る合金、組み合わせ、及び多層が極めて有用である場合がある。
【0056】
ゲート電極の厚さは変化してよく、そして特定の例によれば、これは20〜1000nmであることが可能である。ゲート電極は、化学蒸着、スパッタリング、蒸発、及び/又はドーピング、又は溶液処理によって、構造内に導入されてよい。
【0057】
図8Aが図8の8A−8A線に沿った図8の構造の断面図である図8及び8Aは、ゲート誘電体層15の形成に関する本態様の後続の工程(b)を示している。基板又は支持体1とゲート−バス構造5を含む前の構造上にゲート誘電体材料を適用することにより、図8Aの断面図において最も良く示された、パターン化されていない誘電体層15を形成する。
【0058】
誘電体材料は、例えば窒化ケイ素のプラズマ支援された化学蒸着物であることが可能である。米国特許出願第11/620,738号明細書及び米国特許出願公開第2007/0238311号明細書(本明細書中に引用する)に開示されているような大気化学蒸着法を用いることにより、無機酸化物、例えば酸化アルミニウムを堆積することもできる。当業者に知られた種々の手段によって適用することができる他の材料を使用してもよい。
【0059】
ゲート誘電体はゲート電極と接触した状態で設けられる。このゲート誘電体は、TFTデバイスの残りからゲート電極を電気的に絶縁する。このように、ゲート誘電体は電気絶縁材料を含む。ゲート誘電体は、具体的なデバイス及び使用環境に応じて幅広く変化することができる好適な誘電定数を有するべきである。例えば、2〜100又はそれ以上の誘電定数が、ゲート誘電体に関して知られている。ゲート誘電体のための有用な材料は、例えば透明な無機電気絶縁材料を含んでよい。ゲート誘電体は、透明な高分子材料、例えばポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、シアノセルロース、ポリイミドなどを含んでもよい。ゲート誘電体は、異なる誘電定数を有する種々異なる材料から成る複数の層を含んでもよい。
【0060】
ゲート誘電体にとって有用な材料の具体例は、ストロンチア酸塩、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸チタン酸バリウム、セレン化亜鉛、及び硫化亜鉛を含む。加えて、これらの例から成る合金、組み合わせ、及び多層をゲート誘電体として使用することもできる。これらの材料のうち、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、及び窒化ケイ素が好ましい。加えて、高分子材料、例えばポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリスチレン、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリスチレン、及びこれらの置換型誘導体、ポリ(ビニルナフタレン)、及び置換型誘導体、及びポリ(メチルメタクリレート)、及び好適な誘電定数を有するその他の絶縁体を使用することもできる。
【0061】
ゲート誘導体は、TFT内に別個の層として設けることができ、又は、例えばゲート誘電体(図示せず)を形成するためにゲート材料を酸化することにより、ゲート上に形成することができる。誘電体層は、異なる誘電定数を有する2つ又は3つ以上の層(図示せず)を含んでいてよい。このような絶縁体に関しては、Dimitrakopoulos他による米国特許第5,981,970号明細書(本明細書中に引用)及び継続中の米国特許出願公開第2006/0214154号明細書(本明細書中に引用)において論じられている。ゲート絶縁体材料は典型的には5eVを上回るバンドギャップを示す。
【0062】
ゲート絶縁体層の厚さは変化してよく、そして特定の例によれば、これは10〜300nmであることが可能である。ゲート誘電体層は、化学蒸着、スパッタリング、原子層堆積、蒸発、又は溶液処理のような技術によって、構造内に導入されてよい。
【0063】
図9Aが図9の9A−9A線に沿った図9の構造の断面図である図9及び9Aをここで参照すると、半導体被膜の形成に関する本態様の後続の工程(c)が示されている。例えばインクジェット印刷、スピン塗布、化学蒸着、又は原子層堆積などによって、透明な半導体材料が適用され、これによりゲート誘電体層15及びゲート−バス構造5上に半導体被膜17を形成する。透明な半導体被膜を被覆するための種々の態様を、下でより詳細に説明する。
【0064】
図10A及び10Bを参照すると、図10Bは、図10Aの10B−10B線に沿った図10Aの構造の断面図であり、また図10Cは、図10Bにおける側方図に示されたカラーマスク10の平面図を示している。本態様の工程(d)において、部分的にパターン化されたフォトレジスト層19は、(この特定の態様の場合)枠の形態のマスク部分39を有するカラーマスク10を通して、基板側又は支持体側から露光される。マスク部分39を使用して製造される外側格納要素のための別の形状及びサイズに関する上記説明に照らして、当業者によって明らかなように、カラーマスク10のマスク部分39のための他の形状、例えば平行な棒が採用されてもよい。
【0065】
しかしながら、図10Cの枠形状に基づいて、工程(e)及び(f)が図示されている図11において明らかなように、フォトパターン化されたフォトレジスト層20が製造される。フォトパターン化されたフォトレジスト層19は、中央部分又は保護層(passivation layer)20を形成するだけでなく、外側格納要素22及び23をも形成する。当業者に容易に明らかなように、工程(e)において僅かに異なるフォトマスクが使用されるならば、異なるフォトパターンを得ることができたはずである。しかしながら、図11及び11Aのこの態様では、フォトパターン全体は、ソース及びドレインのための適用された流体に対する連続する側方バリアを形成しており、この場合バリア内にギャップはない。しかし、アライニングされた格納要素は、半導体要素を覆う保護(passivation)構造20によって形成された側と対向して、少なくとも1つ、好ましくは3つの側を有している。流体格納要素22及び23は、真っ直ぐな棒の形状又はL字形状を含む他の形状を成していてよい。図11及び11Aに示されているような工程(f)の場合、ソース25及びドレイン27は、外側格納要素22及び23と組み合わされたフォトパターン化された保護層20によって、2つ以上の側で、この事例では4つ全ての側で取り囲まれているのが示されている。
【0066】
最後に、工程(g)が図12及び12Aに示されており、ここでは、図12Aは、図12の12A−12A線に沿った図12の構造の断面図である。この態様の工程(g)において、連続した半導体被膜17は、保護されていない透明半導体材料を除去することができる流体組成物、例えば酸エッチング溶液を採用することによりパターン化される。ソース及びドレイン材料及び現像されたフォトレジスト層(保護層20及び格納要素22及び23の両方)は、酸エッチング溶液などを免れるので、半導体被膜17の外側境界は、格納要素22及び23によって取り囲まれていない場所でのみ、ソース及びドレインの境界とアライニングされている。その他の場所では、半導体被膜の外側境界は、外側格納要素22及び23とアライニングされている。
【0067】
本発明を示す第1、第2、及び第3態様をまとめるプロセスフロー図が、図13に示されている。四角のうちのそれぞれがプロセスの工程(a)〜(g)のうちの1つに相当し、一目瞭然である。共通譲受人による米国特許出願第11/757,578号明細書との関連において、カラーマスクと組み合わせられた自動アライニング式TFT法を用いた本発明の追加の態様を理解することができる。具体的には、透明半導体層は、連続層ではなくパターンを成して適用されてもよい。加えて、フォトパターン化可能材料は、連続的に適用されてもよい。透明半導体層がパターンを成して適用され、そしてフォトパターン化可能材料が連続的に適用される態様では、図13に示すように、上記工程(g)は省くことができる。
【0068】
本発明の薄膜トランジスタ又は電子デバイスを形成する過程全体は、支持体最大温度200℃未満、より好ましくは150℃未満、最も好ましくは140℃未満、及びさらにより好ましくは100℃未満、又は室温付近の温度(25℃〜70℃)で実施することができる。本明細書に含まれる本発明に関する知識を得れば、温度は一般に、支持体、及び当業者に知られた処理パラメータに応じて選択される。これらの温度は、伝統的な集積回路及び半導体の処理温度を十分に下回る。このことは、種々の比較的低廉な支持体のいずれか、例えば可撓性高分子支持体を使用することを可能にする。こうして、本発明は、性能が著しく改善された薄膜トランジスタを含有する比較的低廉な回路の製造を可能にする。本発明の1つの態様は、好ましくは基板上に半導体薄膜を堆積することによって、薄膜トランジスタを製作する方法に関し、好ましくはこの基板の温度は堆積中200℃以下の温度である。
【0069】
本発明のカラーマスクの追加の用途は、透明材料及び単一マスクを利用する任意のプロセスを含む。例えば、本発明の1つの態様は、FREDsを形成するための単一マスク処理を含む。このことは、Bol他による米国特許第6,294,445号明細書との関連において理解することができる。追加の単一マスク法は、反応性イオン・エッチングのラグを用いた三次元マイクロ加工を含む。上に引用したRao他を参照されたい。カラーマスクは、カラーマスクに対してアライニングされたバリア・リブを形成するように採用されてよい。カラーマスクは、固定的な垂直方向アラインメントを成して複数の材料層をパターン化することができる。例えば、固定的な垂直方向アラインメントを成して2つのトランジスタ・ゲートを形成するように、単一マスクを使用して、デュアル・ゲート・トランジスタ構造を製作することもできる。加えて、スタックされた機能材料から成るパターン化されたアレイ、例えば交互の屈折率のスタック誘電体を、カラーマスクを使用することによって形成することができる。本発明のカラーマスクは、他のパターン化技術、例えば伝統的なフォトマスク、マスクレス・リソグラフィ、又は最終デバイス・デザインによって決定されるアディティブ法との組み合わせで使用されてもよい。
【0070】
本発明の重要な態様は、カラーマスクが、システムのための特に有用なパターン化情報を含有できることである。このカラーマスクは、予想される用途にとって十分な精度及びレジストレーションで、所望の色を含有する画像を生成する任意の方法によって発生させることができる。
【0071】
カラーマスク内の色吸収体は、多くの方法によって堆積させてパターン化することができる。カラーマスクを生成する1つの方法は、適当なスペクトル品質を有する染料又は顔料を含有するインクを使用してマスクに印刷を施すことである。印刷に使用されるインクは、典型的にはビヒクル又は溶剤、バインダー、及び界面活性剤とともに着色剤材料を含む任意の一般的な配合物から成ることができる。このような多色印刷システムの例は、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソグラフィ、オフセット平版印刷、スクリーン又はステンシル印刷、及びレリーフ印刷である。支持体上に種々異なる色吸収層を生成するために、カラー・サーモグラフィ印刷を用いることができる。支持体上に種々異なる色吸収層パターンを形成するために、サーモクロマティック化合物、漂白可能な色素、熱分解可能な化合物、及び化学色形成剤を使用することができる。種々異なる色吸収体は、供与体シートからレーザー又は熱転写法を用いて支持体に適用することができる。或いは、色吸収パターンは、アブレーション記録法によって支持体上に生成することもできる。
【0072】
特に有用な色吸収体は、選択された可視帯部分に最大吸収率を有し、そして残りの部分に最大透過率を有する材料である。いわゆるブロック・タイプの色素及びカットオフ・フィルタ材料が、多色マスクにおける使用にとって理想的である。色吸収材料が適用される前に、支持体の裏側に、色吸収材料のための受容層が任意選択的に被覆されてよい。
【0073】
カラーマスク内の種々異なる色吸収体は、例えば色素を含有する光硬化性被膜、例えば顔料又は染料を含有するフォトレジストを使用してフォトリソグラフィ法によって形成することができる。
【0074】
主基板上に後続の複製のために再利用可能なマスター画像を生成することが特に好都合であり、しかもコスト効率がよい。このような態様の場合、極めて高い精度及び解像度を有するマスター・マスク画像が生成される。このことは、上記技術のうちのいずれかによって達成することができる。好ましくは、このことは、極めて高品質のマスター画像が生成されるのを可能にするフォトリソグラフィ法で行われることになる。硬質の透明基板上にマスター画像を生成することが好ましい場合もある。マスター色画像内の色情報は、カラー複製法又はカラー複写法を用いて主基板上に再現することができる。ネガ型複製法の場合、マスター色画像は、多色マスクのネガティブ複写として提供されることになる。
【0075】
広い面積の電子デバイスを製作するための伝統的なフォトリソグラフィ法の場合、極めて広い面積にわたって優れたアラインメントが行われなければならない。上記マスター複製方法の場合、マスターはこれよりもかなり小さく、ひいてはより製作しやすいが、しかし次いで、より広い面積を覆うように最終基板上に複製パターンを成して複製されることがある。ディスプレイ製造の場合、マザーガラスは普通、いくつかの個々のディスプレイ又は動作単位を含有している。好ましい態様の場合、マスターは1つのフルユニットを含有しており、マザー基板上で数回複製することができる。マスターはフルユニットに関する情報を含有しているので、マスター露光間の位置決め時の許容差はさほど重要ではない。
【0076】
マスター色画像を再現するために、感光性材料を採用する色画像捕捉法を用いることができる。感光性層は、光パターンを捕捉し、続いて色パターンを生成するように処理又は現像されることが可能な任意の材料集合から成っていてよい。このような多色画像捕捉材料の例は、カラーネガティブ写真画像形成層、カラーリバーサル写真画像形成層、カラーフォトサーモグラフィ画像形成層、サイカラー(Cycolor)画像形成層、及び拡散転写カラー写真画像形成層、例えばカラーインスタント・フィルム、及びカラーピクトログラフィ(Pictrography)・フィルムである。或いは、カラー複製又は複写法、例えばカラー・エレクトロフォトグラフィを用いて主基板上にマスター色画像が再現されてもよい。本発明の目的では、付着されたマスクだけが、色を有することを必要とされる。結果としてのカラーマスクは、白光又は可視領域外の光を使用した方法によって生成されてよい。この方法の例は、パンクロ感光性であるがしかし現像されるとカラーマスク画像をもたらす写真プロセスによってマスクを形成することである。
【0077】
カラーマスクは、別個の材料ロール上に生成し、次いで基板に積層することができる。好ましくはラミネーションは、基板とは反対側のマスクの画像側で、マスク画像が、パターン化されるべき機能層にできる限り近接した状態で行われる。基板の裏側にマスクの一部を有する態様の場合、ラミネーションは、マスク画像が基板にできる限り近接するように行われるべきである。
【0078】
カラーマスクの色吸収層上に主支持層を直接に被覆することが、光学的検討事項にとって特に有利である場合がある。この態様の場合、色吸収層は、キャリア支持ロール上にパターン化することもでき、次いで主支持体を、色吸収層上に直接に流延することもできる。
【0079】
或いは、色吸収層を別個の材料(供与体)ロール上にパターン化することができ、次いで、色吸収層の全てを供与体ロールから主基板上に単一工程で転写することもできる。
【0080】
カラーマスク層は、バリア層によって電子的活性層から分離することができる。用途に応じて、薄い支持体の裏側にカラー層を、これらの層が製作過程終了時に漂白又は除去され、アクティブ・デバイス層の平面性及び汚染の問題をもたらさないように、配置することが好ましい場合がある。支持体上に色パターンを適切に置くことができるように、またカラーマスクのための色を選択できるように、従って、遠隔露光されたフォトレジスト層に対する解像度限界を理解することが重要である。カラーマスクを通した露光は、伝統的なフォトリソグラフィにおけるように近接露光と呼ぶことができる。近接モードにおいて、マスクはウェハーと接触しないので、回折効果に起因して解像度損失が存在する。このいわゆる近接印刷モードにおける解像度についての有用な議論は、“Photoreactive Polymers: The Science and Technology of Resists”、A. Reiser, Wiley-Interscience, John Wiley & Sons, 1989, pp. 234-246に見いだすことができる。
【0081】
近接印刷における回折効果は、等式(1)によって記述されるマスク上の最小構造ギャップを制限する。
【0082】
【数1】

【0083】
上記式中、Wminはマスク上の最小構造ギャップであり、λは露光波長であり、そしてSはマスクとウェハーとの間の分離距離である。同様に最小ライン/ギャップ周期が関係式:
【0084】
【数2】

【0085】
によって与えられる。
上記式中、bminは最小ラインギャップ周期であり、λは露光波長であり、sはマスクとウェハーとの間の分離距離であり、そしてzはレジスト厚である。
【0086】
これらのモデルは、可撓性支持体にとって典型的な100μmの距離に対してでさえ、露光波長に応じて、6〜8μmの構造が分解可能であることを示す。やはり100μmの距離において、露光波長に応じて、9〜12μmのライン/ギャップ周期性が分解可能であるはずである。表側マスキングの場合、バリア厚はやはり高度に調節可能である。表Aは、マスクとレジストとの分離距離の関数として最小構造サイズ及び周期性を予測するために、等式(1)及び(2)を使用する。365nm又は650nmの露光用の光を使用する例が、可視スペクトルの2つの終端を代表するものとして示されている。
【0087】
【表1】

【0088】
多くのポリマーは露光を施すことによってそれらの特性を変化させ、ひいてはフォトパターン化可能層として有用にすることができる。多くの典型的な感光性ポリマーはUV及び遠UV線に対してのみ感光性である。好ましくは、本発明のためのフォトパターン化可能材料は、可視光に対して感光性にされる。
【0089】
可視光によって活性化される種々の光重合系が開発されている。UV硬化性材料及び可視フォトパターン化可能材料に関する有用な議論は、“Photoreactive Polymers: The Science and Technology of Resists”、A. Reiser, Wiley-Interscience, John Wiley & Sons, 1989, pp. 102-129に見いだすことができる。本明細書中に引用するFarid他による米国特許第4,859,572号明細書には、有機成分を硬化させ、そして画像パターンを生成するために可視光を使用することに依存する写真画像形成系が記載されている。この参考文献には、本発明の硬化性層内に使用するための種々の好適な可視光感光性光開始剤、モノマー、及び被膜調製ガイドラインが記載されている。
【0090】
光重合開始剤と一緒に重合性化合物を使用することによって、可視光に対する感光性を得ることができる。本発明の好ましい態様において、感光性レジストは、少なくとも1つの、好ましくは2つ又は3つ以上のエチレン系不飽和型結合を末端に有する化合物の中から選択された重合性化合物を含有する。このような化合物は当業者によく知られており、そして本発明において特定の制限なしに使用することができる。このような化合物は例えばモノマー、プレポリマー、すなわちダイマー、トリマー、及びオリゴマー、又はこれらの混合物及びコポリマーの化学形態を有する。モノマー及びこれらのコポリマーの例として、不飽和型カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸;クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)、及びこれらのエステル及びアミドを挙げることができ、そして好ましくは不飽和型カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和型カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが使用される。加えて、求核置換基、例えばヒドロキシル基、アミノ基及びメルカプト基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価イソシアネート及びエポキシとの付加反応生成物、及びこれらの化合物と、単官能価又は多官能価カルボン酸との脱水縮合反応生成物も好ましく使用される。求電子置換基、例えばイソシアナト基及びエポキシ基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価アルコール、アミン及びチオールとの付加反応生成物、並びに、放出可能な置換基、例えばハロゲン基及びトシルオキシ基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価アルコール、アミン及びチオールとの置換反応生成物も好ましく使用される。別の例としては、上記不飽和型カルボン酸の代わりに、不飽和型ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテルなどと置換された化合物を使用することも可能である。
【0091】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和型カルボン酸とのエステルモノマーの具体例は、アクリレートとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンチリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどを含む。メタクリレートの例としては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、及びビス[p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]ジメチルメタン、ビス[p−(メタクリルオキシエトキシ)−フェニル]ジメチルメタンが挙げられる。イタコネートの例としては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリトリトールジイタコネート、及びスルボトールテトライタコネートが挙げられる。クロトネートの例としては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネートが挙げられる。イソクロトネートの例としては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリトリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネートが挙げられる。マレエートの例としては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリトリトールジマレエート、及びソルビトールテトラマレエートが挙げられる。さらに、上記エステルモノマーの混合物を使用することもできる。さらに、脂肪族多価アミン化合物と不飽和型カルボン酸とのアミド・モノマーの具体例は、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリス−アクリルアミド、キシリレンビス−アクリルアミド、及びキシリレンビス−メタクリルアミドを含む。
【0092】
さらに、イソシアネートとヒドロキシル基との付加反応によって得られるウレタン系付加重合性化合物も、本発明の態様において好ましく使用される。具体例は、2つ又は3つ以上の重合可能なビニル基を1分子中に有するビニルウレタン化合物である。この化合物は、2つ又は3つ以上のイソシアネート基を1分子中に有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V):
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH
(R及びR’はそれぞれH又はCH3である)
によって表されるヒドロキシル基を有するビニルモノマーを付加することにより得られる。
【0093】
他の例は、多官能価アクリレート及びメタクリレート、例えばポリエステルアクリレート、及び、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得られるエポキシアクリレートを含む。さらに、Sartomer Company, Inc.(1999)によるSartomer Product Catalog中に挙げられた光硬化可能なモノマー及びオリゴマーを使用することもできる。
【0094】
感光性材料の特徴の最終的な設計に応じて、所望の構造及び量を有する好適な付加重合性化合物又は付加重合性化合物の組み合わせを用いることができる。例えば、下記の点から条件が選択される。感光スピードに関しては、1分子当たりに多くの不飽和型基を含有する構造が好ましく、そして多くの場合二官能価又は三官能価以上の基が好ましい。画像部分、すなわち硬化された被膜の強度を高めるためには、三官能価基又は四官能価以上の基が好ましい。感光度及び強度の両方を制御するためには、種々異なる官能価及び種々異なる重合性基(例えばアクリレート、メタクリレート、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物)を組み合わせて使用することが特に効果的であることがある。大きな分子量を有する化合物又は高疎水性を有する化合物が、感光スピード及び被膜強度において優れてはいるものの、現像スピード及び現像溶液中の沈澱の点からは好ましくない場合がある。付加重合性化合物の選択及び使用は、光重合組成物中の他の成分(例えばバインダー・ポリマー、開始剤、機能材料など)との適合性にとって重要なファクターである。例えば、低純度化合物、或いは2種又は3種以上の化合物を組み合わせて使用することにより、適合性を改善できることがある。さらに、支持体、機能材料、及び上塗り層の付着特性を改善する目的で、特定の構造を有する化合物を選択することも可能である。光重合組成物中の付加重合性化合物の配合比に関しては、量が多ければ多いほど、感光性は高くなる。しかし量があまりにも多いと、不都合な相分離が生じることがある。相分離は、光重合組成物の粘着性(例えば感光性材料成分の転移及び付着から生じる製造の失敗)及び現像溶液からの沈澱に起因する製造過程における問題である。付加重合性化合物は単独で、又は2種又は3種以上の組み合わせで使用することができる。加えて、酸素、解像度、カブリ特性、屈折率の変化、及び表面付着性による重合妨害度を考慮に入れて、付加重合可能な化合物の好適な構造、配合比及び添加量を適宜選択することができる。さらに、層の構成、並びに下塗り及び上塗りの塗布方法を環境に応じて実施することができる。
【0095】
フォトパターン化可能層の被膜形成成分の一部を形成することができる有機高分子バインダーは、(1)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、及びヘキサヒドロテレフタル酸に基づくものを含むポリエステル;(2)ナイロン又はポリアミド;(3)セルロースエーテル及びエステル;(4)ポリアルデヒド;(5)平均重量平均分子量4000〜4,000,000の高分子量エチレンオキシド・ポリマー、例えばポリ(エチレングリコール);(6)ポリウレタン;(7)ポリカーボネート;(8)合成ゴム、例えばブタジエンのホモポリマー及びコポリマー;及び(9)エチレン系不飽和を含有するモノマーから形成されたホモポリマー及びコポリマー、例えば種々のエチレン系不飽和型モノマーのいずれかの重合形態、例えばポリアルキレン(例えばポリエチレン及びポリプロピレン);ポリ(ビニルアルコール);ポリスチレン;ポリ(アクリル酸及びメタクリル酸及びエステル)、例えばポリ(メチルメタクリレート)及びポリ(エチルアクリレート)、並びにコポリマー変異形を含む。重合性化合物及び高分子バインダーは、被膜形成成分の3〜97重量パーセントの重合性化合物、及び被膜形成成分の97〜3重量パーセントの高分子バインダーを含めて、幅広く変化する比率で一緒に採用することができる。別個の高分子バインダーは好ましくはあるものの、フォトパターン化可能被膜の必須部分ではなく、重合性化合物自体がポリマーである場合には、最も一般的には省かれる。
【0096】
上記画像形成系内で使用するために、種々の光開始剤を選択することができる。好ましい光開始剤は有機色素から成る。
【0097】
使用されるべき有機色素の量は好ましくは、光重合組成物の総重量を基準として0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0098】
光開始剤として使用するための有機色素は、最大吸収波長が300〜1000nmの範囲に含まれる従来より知られている化合物から好適に選択することができる。上記多色マスクの対応色吸収材料の吸収スペクトルとオーバラップする吸収スペクトルを有する所望色素を選択することによって、そして必要に応じて、使用されるべき光源に整合するように吸収スペクトルを調節することによって、高い感光性を達成することができる。光源、例えば青、緑又は赤、又は赤外LED(発光ダイオード)、固体レーザー、OLED(有機発光ダイオード)又はレーザー、又は、像様露光において使用するための同様のものを好適に選択することも可能である。
【0099】
開始剤有機色素の具体例は、3−ケトクマリン化合物、チオピリリウム塩、ナフトチアゾールメロシアミン化合物、メロシアニン化合物、及びチオバルビツール酸を含有するメロシアニン色素、ヘミオキサノール色素、及びインドレニン核を有するシアニン、ヘミシアニン及びメロシアニン色素を含む。有機色素の他の例は、Chemistry of Functional Dyes (1981, CMC Publishing Co., Ltd., 第393-416頁)、及びColoring Materials (60[4], 212-224, 1987)に記載された色素を含む。これらの有機色素の具体例は、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノイミン色素、カチオン性インドリン色素、及びカチオン性スチリル色素を含む。前述の色素の例は、ケト色素、例えばクマリン色素(ケトクマリン及びスルホノクマリンを含む)、メロスチリル色素、オキソノール色素及びヘミオキソノール色素;非ケト色素、例えば非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、及びアゾ色素;非ケトポリメチン色素、例えばアゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、及びスチリル色素;キノンイミン色素、例えばアジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、及びチアゾール色素を含む。
【0100】
好ましい光開始剤有機色素は、カチオン性色素及びアニオン性有機ホウ酸塩から形成されたカチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体である。カチオン性色素は、最大吸収波長が300〜1000nmの範囲に含まれる光を吸収し、そしてアニオン性ホウ酸塩は4つのR基を有し、これらのうち3つのR基はそれぞれ、置換基を有することができるアリール基を表し、そして1つのR基はアルキル基又は置換型アルキル基である。このようなカチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体は、米国特許第5,112,752号;同第5,100,755号;同第5,075,393号;同第4,865,942号;同第4,842,980号;同第4,800,149号;同第4,772,530号;及び同第4,772,541号の各明細書に開示されている。
【0101】
カチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体が本発明の光重合組成物中の有機色素として使用される場合には、有機ホウ酸塩を使用する必要はない。しかし光重合感受性を高めるためには、カチオン性色素−ホウ酸錯体と組み合わせて有機ホウ酸塩を使用することが好ましい。有機色素は単独で又は組み合わせで使用することができる。
【0102】
上記カチオン性色素−ホウ酸塩の具体例を以下に示す。ただし、いうまでもなく本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0103】
【化1】

【0104】
【化2】

【0105】
【化3】

【0106】
【化4】

【0107】
【化5】

【0108】
【化6】

【0109】
米国特許第5,112,752号;同第5,100,755号;同第5,075,393号;同第4,865,942号;同第4,842,980号;同第4,800,149号;同第4,772,530号;及び同第4,772,541号の各明細書に開示されているような有機ホウ酸塩と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい場合がある。使用する場合、本発明の光重合組成物中に含有されるホウ酸塩化合物の量は、光重合組成物の総量を基準として0重量%〜20重量%であることが好ましい。本発明の感光性組成物にとって有用なホウ酸塩は、下記一般式(I)
[BR4]-+
によって表される。Zはカチオンを形成することができる基を表し、そして感光性ではなく、また[BR4]-は、アルキル基、置換型アルキル基、アリール基、置換型アリール基、アラルキル基、置換型アラルキル基、アルカリル基、置換型アルカリル基、アルケニル基、置換型アルケニル基、アルキニル基、置換型アルキニル基、脂環式基、置換型脂環式基、複素環式基、置換型複素環式基、及びこれらの誘導体から選択される4つのR基を有するホウ酸塩化合物である。複数のRは、互いに同じか又は異なるものであってよい。加えて、これらの基のうちの2つ又は3つ以上は直接に結合するか又は置換基を介して結合し、そしてホウ素含有複素環を形成することができる。Z+は、光を吸収せず、そしてアルカリ金属、第四アンモニウム、ピリジニウム、キノリニウム、ジアゾニウム、モルホリニウム、テトラゾリウム、アクリジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、オキソスルホニウム、ヨードニウム、S、P、Cu、Ag、Hg、Pd、Fe、Co、Sn、Mo、Cr、Ni、As又はSeを表す。
【0110】
上記ホウ酸塩の具体例を以下に示す。ただし、いうまでもなく本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0111】
【化7】

【0112】
【化8】

【0113】
【化9】

【0114】
【化10】

【0115】
【化11】

【0116】
重合速度に影響を与えるために、種々の添加剤を光開始剤系と一緒に使用することができる。例えば還元剤、例えば酸素スカベンジャー又は活性水素供与体の連鎖移動剤、又はその他の化合物を使用することにより、重合を加速することができる。酸素スカベンジャーはまた自動酸化剤としても知られており、フリーラジカル連鎖過程において酸素を消費することができる。有用な自動酸化剤の例は、N,N−ジアルキルアニリンである。好ましいN,N−ジアルキルアニリンの例は、下記群:メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、3,4−テトラメチレン、フェニル、トリフルオロメチル、アセチル、エトキシカルボニル、カルボキシ、カルボキシレート、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメチルゲルマニル、トリエチルゲルマニル、トリメチルスタニル、トリエチルスタニル、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、フェノキシ、ヒドロキシ、アセチル−オキシ、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、チオ−(メルカプト−)、アセチルチオ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード、によってオルト、メタ又はパラ位置のうちの1つ又は2つ以上の位置で置換されたジアルキルアニリンである。本発明において有用なN,N−ジアルキルアニリンの代表例は4−シアノ−N,N−ジメチルアニリン、4−アセチル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、4−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、3−エトキシ−N,N−ジメチルアニリン、4−フルオロ−N,N−ジメチルアニリン、4−メチル−N,N−ジメチルアニリン、4−エトキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルチオアニシジン、4−アミノ−N,N−ジメチルアニリン、3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアニリン、4−アセトアミド−N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン(DIDMA)、2,6−ジエチル−N,N−ジメチルアニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン(PMA)及びp−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリンである。
【0117】
ジスルフィド共開始剤と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい場合がある。有用なジスルフィドの例は、Davis他による米国特許第5,230,982号明細書に記載されている。最も好ましいジスルフィドのうちの2種は、メルカプトベンゾチアゾ−2−イルジスルフィド及び6−エトキシメルカプトベンゾチアゾル−2−イルジスルフィドである。加えて、チオール、チオケトン、トリハロメチル化合物、ロフィン・ダイマー化合物、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アジニウム塩、有機過酸化物、及びアジドが、重合促進剤として有用な化合物の例である。
【0118】
光硬化性被膜内に内蔵することができる他の添加物は、高分子バインダー、充填剤、顔料、界面活性剤、及び付着改質剤などを含む。支持体及び機能層上の被覆を容易にするために、光硬化性被膜組成物は、溶液又はスラリーを形成するために溶剤中に分散され、次いで、その液体は被覆後、通常は加熱によって蒸発除去される。被膜形成成分及びフォトパターン化可能被膜の添加物に対して不活性のものであるならば、この目的において、いかなる溶剤を採用することもできる。
【0119】
ポジ型フォトパターン化可能材料を用いて本発明を実施することが好ましい場合がある。例えば、Newmanによる米国特許第4,708,925号明細書 (本明細書中に引用)には、ノボラク・フェノール樹脂、オニウム塩、及び色素増感剤を含有するポジ型フォトパターン化可能組成物が記載されている。この系において、アルカリ可溶性フェノール樹脂とオニウム塩との間に相互作用が生じ、この組成物が被膜中に流延されると結果として耐アルカリ溶剤性がもたらされる。オニウム塩の光分解が樹脂に溶解性を取り戻す。増感されたとしても不十分な程度にすぎないキニンジアジドとは異なり、オニウム塩は、UVから赤外線まで(280〜1100nm)の広範囲の電磁スペクトルに容易に増感することができる。
【0120】
オニウム塩を増感させることが知られている化合物の例は、次のクラス:置換型ジフェニルメタンを含むジフェニルメタン、キサンテン、アクリジン、メチン及びポリメチリン(オキソノール、シアニン、及びメロシアニンを含む)色素、チアゾール、チアジン、アジン、アミノケトン、プロピリン、着色芳香族多環式炭化水素、p置換型アミノスチリル化合物、アミノトリアジルメタン、ポリアリーレン、ポリアリールポリエン、2,5−ジフェニルイソベンゾフラン、2,5−ジアリールシクロペンタジエン、ジアリールフラン、ジアリールチオフラン、ジアリールピロール、ポリアリール−フェニレン、クマリン及びポリアリール−2−ピラゾリンにおける化合物である。系に増感剤を添加すると、系は、前記増感剤の吸収スペクトル内に含まれる任意の輻射線に対して感光性にされる。他のポジ型系も当業者に知られている。
【0121】
フォトパターン化可能層はこれが露光されたら、当業者に知られた任意の手段によって現像することができる。現像は、フォトパターン化可能層の可溶性部分を除去するプロセスである。現像方法は典型的には、選択的な溶剤に対する曝露、加熱、又はこれらの組み合わせを含む。液状現像剤は、露光レベルに基づいてフォトパターン化可能層を選択的に除去することができる任意の好都合な液体であることが可能である。露光されたフォトパターン化可能層は、選択的な除去を達成するために、噴霧、フラッシュ、スワブ、浸漬、超音波、又はその他の手段で処理することができる。その最も単純な形態の場合、液状現像剤は、フォトパターン化可能被膜を被覆する際に溶剤として採用されたものと同じ液体であってよい。いくつかの事例において、フォトレジストは、これが最終的に除去されるべき場所で可溶性にされず、その代わりに、現像溶液に対する曝露中に発生する特定の反応を受けやすくされ、次いで溶解が可能になる。
【0122】
フォトパターン化された被膜が最終物品の一部であることを意図されないパターン化過程の場合、フォトパターン化された被膜は、所定の領域のパターン化を成功させるために使用された後で除去されることが必要である。この除去は、プラズマ処理、特に酸素を含むプラズマ、溶剤系ストリッピング、及び機械的手段又は接着手段を含む、当業者に知られた任意の手段によって達成することができる。
【0123】
多くの態様の場合、フォトパターン化可能層は、単に、別の機能層をパターン化するために使用される層に過ぎない。しかしながら、光硬化された層が機能層でもある環境も存在し得る。その例は、硬化性層をその絶縁挙動により誘導体として使用すること、又はその機械特性に起因して小壁又はマイクロセルのような構造要素として使用することである。機能層としてフォトパターン化可能層をこのように使用することは、上記例に限定されない。
【0124】
本発明の物品の製法において、何らかのスペクトルの光を放出する光源、それぞれが何らかのスペクトルの光を吸収することができる色記録を含有するカラーマスク、及び何らかのスペクトルの光に応答することができるフォトパターン化可能層が必要になる。システムはいくつかの様式で機能することができる:
【0125】
(1) 極めて広域の可視スペクトルの光として定義される白光を照明源として使用することができる。この事例において、フォトパターン化可能層が、色マスクの吸収スペクトルと実質的にマッチする感光性分布を有することが必要とされる。実質的にマッチするスペクトルは、それぞれが面積1、0.5超、好ましくは0.75超、最も好ましくは0.9超に対して正規化された2つのスペクトルの積分結果として定義される。
【0126】
(2) 狭域スペクトルの光によって定義される着色光を照明源として使用することができる。この場合、フォトパターン化可能層の吸収スペクトルは、放出光のスペクトルと実質的にマッチするように形成することができ、或いは吸収スペクトルは広域であることが可能である。
【0127】
この過程において、光はカラーマスクを通過し、次いで、基板の表側に前に適用された機能層を通過する。結果として、光は、適用されたフォトパターン化可能層上に形成される結果としての画像に過剰な影響を及ぼさないように十分に弱い変調を伴って、前に適用された層を通過しなければならない。適用される機能層の透明度に対する要件はこうして、フォトパターン化可能層の画像形成過程に与える影響が許容できるほどに低いことに限られる。従って原則的には、前に適用された層は、この吸収率が低く、好ましくは0.5未満の光学濃度を有する限り、光を均一に吸収することができる。さらに、材料は、画像形成用化学物質が使用されない領域でだけ、又はこれらのスペクトル領域が物品の前の製造段階に使用されていた領域でだけ、極めて強力に吸収することができる。さらに、このプロセスにおける最終層は、追加のパターン化が上側で必要とされないので、任意の不透明性を有することができる。
【0128】
本発明の形態は、効果をもたらすように基板を通る指向性の光によって物品の表側にパターンを形成するために、カラーマスクを自由自在に使用することができることである。パターン化を引き起こすために、数多くの方法を用いることができる:
【0129】
(a) 物品の多色マスク上に機能層を均一に被覆し、次いでこの機能層に、基板を通して光に当てられると硬化するフォトパターン化可能レジスト材料が上塗りされる。硬化された材料はこの時除去するのがより難しいので、後続の現像工程において、フォトパターン化可能レジストは、光が衝突していない場所に開口を有するようにパターン化される。次いで物品を、機能層を攻撃する材料に曝露し、こうして、光が衝突していない場所でこの層を除去することができる。これはネガティブ・エッチング法である。
【0130】
(b) 物品の多色マスク上に機能層を均一に被覆し、次いでこの機能層に、裏側から光に当てられると軟化するフォトパターン化可能レジスト材料が上塗りされる。軟化された材料はこの時除去するのがより難しいので、後続の現像工程において、レジストは、光が衝突した場所に開口を有するようにパターン化される。次いで物品を、機能層を攻撃する材料に曝露し、こうして、光が衝突した場所でこの層を除去することができる。これはポジティブ・エッチング法である。
【0131】
(c) フォトパターン化可能レジスト材料を被覆するのに続いて、(a)又は(b)で概略を述べた露光・現像工程を行うことができる。このことは、孔を有するレジスト・パターンをもたらす。次いでこのレジスト材料に、均一な機能材料層を上塗りすることができる。次いで物品全体を、機能材料の下側の残りのフォトレジストを攻撃する材料で処理すると、フォトレジストが残留している場所で材料を除去することができる。これにより、もともとフォトレジストがなかった場所に機能材料が残される。これはリフトオフ法である。
【0132】
(d) 液体及び蒸気相双方の化学物質供給を採用する数多くの堆積法を、特定の領域にのみ材料が選択的に堆積する形式で作業するように調整することができる。例えば、フォトパターン化可能レジスト材料を被覆するのに続いて、(a)又は(b)で概略を述べた露光・現像工程を行うことができる。これに続いて、レジスト材料が残っていない領域にだけ材料を堆積させる堆積法を施す。次いで、物品全体を、残りのフォトレジストを攻撃する材料で処理する。これが選択的堆積である。
【0133】
製造中、試験中、及び/又は使用中にデバイスを支持するために支持体を使用することができる。この開示に使用される「支持体」及び「基板」という用語は互いに置き換え可能に用いられることがある。当業者に明らかなように、商業的な態様のために選択される支持体は、種々の態様を試験又はスクリーニングするために選択される支持体とは異なっていてよい。いくつかの態様の場合、支持体は、デバイスのためのいかなる所要の電気的機能も提供しない。このタイプの支持体は、本明細書において「非関与支持体」と称される。有用な材料は、有機又は無機材料を含むことができる。例えば、支持体は無機ガラス、セラミック・フォイル、高分子材料、充填高分子材料、アクリル、エポキシ、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン)(ポリ(エーテルエーテルケトン)又はPEEKと呼ばれることがある)、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキシド、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エーテルスルホン)(PES)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)、及び繊維強化プラスチック(FRP)を含むことができる。
【0134】
いくつかの態様において、可撓性支持体が使用される。これはロール・ツー・ロール又はロール・ツー・シート処理を可能にする。この処理は連続的に行われてよく、平ら及び/又は硬質の支持体を凌ぐ、規模の経済性及び製造の経済性を提供する。選択された可撓性支持体は好ましくは、直径50cm未満、より好ましくは25cm未満、最も好ましくは10cm未満のシリンダーの周面に、素手のような低い力によって、歪み又は破断を生じさせずに巻き付けることができる。好ましい可撓性支持体はそれ自体に巻き付けることができる。
【0135】
可撓性が問題とならない場合には、基板は、ガラスを含む材料、並びに任意の他の透明材料から成るウェハー又はシートであってよい。
【0136】
支持体の厚さは変化してよく、そして特定の例に従って、厚さは10μm〜1mmであってよい。好ましくは基板の厚さは、10μm〜300μmである。露光用光源が、支持層を通る光の角拡散を制限するように十分に視準されていることを条件として、より厚い基板でも許容することができる。特に多色マスクの一部が支持体の裏側にある態様の場合、多色マスクの第2部分の色吸収層上に主支持層を直接に被覆又は流延することが、光学的検討事項にとって特に有利である場合がある。いくつかの態様の場合、特に支持層が機能層又は多色マスクの色吸収層である場合には、支持体は任意である。
【0137】
加えて、多色マスク及び支持体は一時的な支持体と組み合わされてもよい。このような態様の場合、支持体を多色マスクに取り外し可能に付着させるか又は機械的に取り付けることができる。
【0138】
基板上の被膜を形成することができる任意の材料は、適切なエッチング条件及び/又は堆積条件が選ばれる限り、本発明を用いてパターン化することができる。使用することができる機能材料の一般的なクラスは、導体、誘電体、又は絶縁体、及び半導体を含む。
【0139】
本発明の機能材料は、任意の好都合な方法を用いて堆積することができる。典型的な堆積法は、化学蒸着、スパッタリング、蒸発、熱転写、又は溶液処理を含む。本発明の1つの態様の場合、機能材料はグラビア又はインクジェットを使用して適用される。別の態様では、機能材料は、原子層堆積(ALD)を用いて堆積される。本発明の好ましい態様の場合、機能材料は、複数の開口を有するガス分配マニホルドから成るALDシステムによって堆積され、これらの開口を通って、マニホルドと基板とが相対運動するのに伴って第1及び第2反応ガスが流れる。2006年3月29日付けで出願された同一譲受人による同時係属中の米国特許出願公開第2007/0238311号明細書に、このような方法が記載されている。
【0140】
導体は任意の有用な導電性材料であってよい。金属、変性ドープ型半導体、導電性ポリマー、及び印刷可能材料、例えばカーボンインク、銀-エポキシ、又は焼結性金属ナノ粒子懸濁液を含む、当業者に知られた種々様々な導体材料も好適である。例えば、導体は、ドープ型シリコン、又は金属、例えばアルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、銅、タングステン、パラジウム、白金、タンタル、及びチタンを含んでよい。導体は、透明導体、例えば酸化インジウム錫(ITO)、ZnO、SnO2、又はIn23を含むこともできる。導電性ポリマーは、例えばポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)を使用することもできる。加えて、これらの材料から成る合金、組み合わせ、及び多層が極めて有用である場合がある。
【0141】
導体の厚さは変化してよく、そして特定の例によれば、これは5〜1000nmであることが可能である。導体は、化学蒸着、スパッタリング、蒸発、及び/又はドーピング、又は溶液処理によって、構造内に導入されてよい。
【0142】
誘電体は、パターン化回路の種々の部分を電気的に絶縁する。誘電層は、絶縁体又は絶縁層と呼ぶこともできる。誘電体は、具体的なデバイス及び使用環境に応じて幅広く変化することができる好適な誘電定数を有するべきである。例えば、2〜100又はそれ以上の誘電定数が、ゲート誘電体に関して知られている。誘電体のための有用な材料は、例えば無機電気絶縁材料を含んでよい。ゲート誘電体にとって有用な材料の具体例は、ストロンチア酸塩、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸チタン酸バリウム、セレン化亜鉛、及び硫化亜鉛を含む。加えて、これらの例から成る合金、組み合わせ、及び多層を誘電体として使用することもできる。これらの材料のうち、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び窒化ケイ素が有用である。誘電体は、高分子材料、例えばポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、シアノセルロース、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリスチレン、及びこれらの置換型誘導体、ポリ(ビニルナフタレン)、及び置換型誘導体、及びポリ(メチルメタクリレート)、及び好適な誘電定数を有するその他の絶縁体を含んでもよい。ゲート誘電体は、異なる誘電定数を有する種々異なる材料から成る複数の層を含んでもよい。
【0143】
誘電層の厚さは変化してよく、そして特定の例によれば、これは15〜1000nmであることが可能である。誘電層は、化学蒸着、スパッタリング、原子層堆積、蒸発、又は溶液処理のような技術によって、構造内に導入されてよい。
【0144】
このシステム内で使用される半導体は、有機又は無機であってよい。無機半導体は、共有結合格子を呈する材料のクラスを含み、そして格子が短距離秩序だけを呈するような非晶質材料を含んでもよい。有用な半導体材料の例は、単一元素、例えばケイ素又はゲルマニウム、及び化合物半導体、例えばヒ化ガリウム、窒化ガリウム、硫化カドミウム、及び酸化亜鉛である。有用な有機半導体は、線状アセン、例えばペンタセン、ナフタレンジイミド、例えば同時係属中の特許出願明細書に記載されているようなもの、ペリーレンジイミド、ポリチオフェン、ポリフルオレンを含む。
【0145】
薄膜トランジスタの典型的な用途において、デバイスを通る電流フローを制御することができるスイッチが望まれる。このようなものとして、スイッチがオンにされると高い電流がデバイスを貫流できることが望まれる。電流フローの程度は、半導体電荷キャリア移動度に関連する。デバイスがオフにされると、電流フローが極めて小さいことが望まれる。このことは電荷キャリア濃度に関連する。さらに、デバイスが可視光によって弱くしか、又は全く影響されないことが望ましい。このことが真になるためには、半導体バンドギャップは、可視光による露光がバンド間遷移を引き起こさないように十分に大きく(>3eV)なければならない。高い移動度、低いキャリア濃度、及び高いバンドギャップをもたらすことができる材料は、ZnOである。
【0146】
薄膜トランジスタ又は電子デバイスを形成する過程全体は、支持体最大温度200℃未満、より好ましくは150℃未満、最も好ましくは140℃未満、及びさらにより好ましくは100℃未満、又は室温付近の温度(25℃〜70℃)で実施される。本明細書に含まれる本発明に関する知識を得れば、温度は一般に、支持体、及び当業者に知られた処理パラメータに応じて選択される。これらの温度は、伝統的な集積回路及び半導体の処理温度を十分に下回る。このことは、種々の比較的低廉な支持体、例えば可撓性高分子支持体、及び多色マスクのいずれかを使用することを可能にする。こうして、本発明は、薄膜トランジスタを含有する比較的低廉な回路の製造を可能にする。
【0147】
電子的又は光学的に活性の層は、溶液法、真空蒸着技術、又は大気蒸着法、例えば、2006年3月29日付けで出願された米国特許出願公開第2007/0228470号明細書及び同第2007/0238311号明細書に記載された方法を用いて形成してドープすることができる。
【0148】
本発明の別の態様は、透明支持体と、透明支持体上の色パターンを有するカラーマスクと、透明支持体の、色パターンと同じ側のパターン化された機能材料層とを含む物品であって、パターン化された機能材料層が、透明支持体上の色パターンとレジスタリングされている、物品に関する。1つの態様の場合、1つのパターン化された機能材料層だけが、透明支持体上の色パターンとレジスタリングされている。種々の有用な色パターンが上に記載されている。例えば、色パターンは、白光を効果的に透過させることができるが、しかし色パターンの色の可視光は効果的に透過させることはできない材料から形成することができる。
【0149】
本発明のパターン化方法は好ましくは、選択された基板上に集積される電気的及び光学的に活性の構成部品を形成するために用いられる。回路構成部品は、トランジスタ、抵抗器、キャパシタ、導体、インダクタ、ダイオード、及び適切なパターン化及び材料を選択することにより構成することができる任意のその他の電子構成部品を含むことができる。光学機能成分は、導波路、レンズ、スプリッタ、ディフューザ、輝度向上フィルム、及びその他の光学回路を含むことができる。構造構成部品は、ウェル、充填材及びシーラントの選択的パターン、パターン化バリア層、壁及びスペーサを含むことができる。
【0150】
TFT及びその他のデバイスが有用であるような電子デバイスは、例えば、より複雑な回路、例えばシフト・レジスタ、集積回路、論理回路、スマート・カード、メモリー・デバイス、高周波識別タグ、アクティブ・マトリックス・ディスプレイのためのバックプレーン、アクティブ・マトリックス・ディスプレイ(例えば液晶又はOLED)、太陽電池、リング・オシレータ、及び相補回路、例えばn型トランジスタとp型トランジスタとの組み合わせが用いられるインバータ回路を含む。アクティブ・マトリックス・ディスプレイの場合、ディスプレイの画素の電圧保持回路の一部として、本発明によるトランジスタを使用することができる。このようなデバイスの場合、TFTは、当業者に知られた手段によって、作用接続される。
【0151】
マイクロ電子デバイスの一例は、アクティブ・マトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)である。1つのこのようなデバイスは、電極、及び電極間に配置された電気光学材料を有する素子を含む光電子ディスプレイである。透明なトランジスタの接続電極は、ディスプレイ素子の電極に接続することができ、これに対してスイッチング素子とディスプレイ素子とは、少なくとも部分的に互いにオーバラップする。光電子ディスプレイ素子とはここでは、その光学特性が電気的な量、例えば電流又は電圧の影響下で変化するようなディスプレイ素子、例えば液晶ディスプレイ(LCD)と普通呼ばれる素子であると理解される。今詳細に述べたトランジスタは、液晶ディスプレイ内のスイッチング素子としてのトランジスタの使用が可能になるような高周波数でディスプレイ素子をスイッチするのに十分な通電容量を有する。ディスプレイ素子は、付随するトランジスタによって荷電又は放電されるキャパシタとして電気的な意味で作用する。光電子ディスプレイ・デバイスは、それぞれが例えばマトリックス状に配列されたその固有のトランジスタを有する多くのディスプレイ素子を含んでよい。或る特定のアクティブ・マトリックス画素の構成、特に電流で駆動されるディスプレイ効果を提供する構成は、いくつかのトランジスタ及びその他の電気的成分を画素回路内に必要とすることがある。
【実施例】
【0152】
下記非限定的例により、本発明の実施についてさらに説明する。
【0153】
A.可視光硬化性被膜成分
下記材料及び被覆溶液を使用することにより、可視光パターン化可能被膜を調製した。
【0154】
原液CF−1は、2グラムのポリメチルメタクリレート(PMMA)(MWほぼ75K)と、6.5gのトリメチロールプロパントリアクリレートと、20gのアニソールとを含有した。原液CF−2は、2−プロパノール−1−メトキシアセテートと1−エトキシ−2−プロパノールアセテートとの混合物中のメタクリレート誘導体コポリマーと多官能性アクリレート樹脂とを含有するFuji Photochemicalsによって供給される商業製品CT2000Lであった。原液CF−3は、MEK中に1.25gのノボラク樹脂と、0.2gのIgracure 250 (CIBA Specialty Chemicalsから購入)とを含有した。原液CF−4は、ポジ型商業レジストSC-1827(Rohm and Haas Electronic Materialsから購入)であった。原液CF1〜CF3を、色素光開始剤を添加することにより可視光に対して増感した。光開始剤は表1に示されている。光開始剤溶液を下記のように調製した。YPI−1は、黄光開始剤Aの1%アニソール溶液であった。YPI−2は、黄光開始剤Aの1%シクロヘキサノン溶液であった。MPI−1は、マゼンタ光開始剤の1%アニソール溶液であった。MPI−2は、マゼンタ光開始剤の1%シクロヘキサノン溶液であった。CPI−1は、シアン光開始剤Cの1%アニソール溶液であった。CPI−2は、光開始剤Cの1%シクロヘキサノン溶液であった。現像剤D−1は、MIBKであった。現像剤D−2は、0.002M 水酸化テトラメチルアンモニウムと0.002M ジエタノールアミンとを含有する水溶液であった。現像剤D−3は、Rohm and Haas Electronic Materialsから購入したMicroposit(登録商標)MF(登録商標)-319であった。現像剤D−4は、Kodak Goldstar Plus Positive Plate Developerであった。
【0155】
【表2】

【0156】
B. トランジスタ構造の電気的特徴付け
製作されたデバイスの電気的特徴付けを、Hewlett Packard HP 4156(登録商標)パラメータ分析装置を用いて実施した。デバイス試験は暗い密閉容器内で空気中で行った。
【0157】
いくつかのデバイスから結果を平均した。各デバイスに関して、ゲート電圧(Vg)の種々の値に対するソース−ドレイン電圧(Vd)の関数として、ドレイン電流(Id)を測定した。さらに、各デバイスに関して、ソース−ドレイン電圧の種々の値に対するゲート電圧の関数として、ドレイン電流を測定した。測定されたゲート電圧のそれぞれに対して、Vgをマイナス10V〜40V、典型的には5V、20V、35V及び50Vで掃引した。移動度測定値を35V掃引から求めた。
【0158】
データから抽出されたパラメータは、電界効果移動度(μ)、閾値電圧(Vth)、閾値下勾配(S)、及び測定されたドレイン電流のIon/Ioffの比を含む。電界効果移動度は飽和領域(Vd>Vg−Vth)において抽出した。この領域内では、ドレイン電流は、下記等式:
【0159】
【数3】

【0160】
によって提供される(Sze著 Semiconductor Devices--Physics and Technology, John Wiely & Sons (1981)参照)。上記式中、Wはチャネル幅、そしてLはチャネル長であり、Coxは酸化物層のキャパシタンスであり、これは、酸化物厚及び材料の誘電定数の関数である。この等式から、飽和電界効果移動度を、√Id対Vg曲線の線形部分に対する直線適合部分から抽出した。閾値電圧Vthは、この直線フィットのx切片である。
【0161】
例1:
次のようなカラーマスクを使用してフォトパターンを生成するために、青感光性被膜C−1、緑感光性被膜C−2、及び赤感光性被膜C−3を調製した。表2に示す3.9gのCF−1と0.5gの光開始剤溶液とを含有する溶液から、感光性被膜を調製した。Kodak Professional 8670 Thermal Printerを使用して、赤吸収(シアン)、緑吸収(マゼンタ)、及び青吸収(黄)カラーマスクを調製した。1分間にわたって1000RPMでスピン塗布することにより、感光性被膜を調製し、これらを1分間にわたって80℃で乾燥させ、そして窒素でパージされたガラス・セル内にローディングした。結果として生じた感光性被膜のピーク波長λmaxを表2に示す。露光用の光が感光性被膜に達する前にガラス支持体及びカラーマスクを通過するように、被膜を着色光で照明した。未露光の感光性被膜部分を、D−1中で1分間にわたって現像することにより除去した。これらの工程の結果、カラーマスク上の色パターンに対応するネガティブ・パターン化されたポリマー被膜が形成された。結果を下記表2にまとめる。
【0162】
【表3】

【0163】
例2:
次のようなカラーマスクを使用してフォトパターンを生成するために、青感光性被膜C−4、緑感光性被膜C−5、及び赤感光性被膜C−6を調製した。表2に示す4gのCF−2と0.5gの光開始剤溶液とを含有する溶液から、感光性被膜を調製した。露光用の光が感光性被膜に達する前にガラス支持体及びカラーマスクを通過するように、被膜を着色光で照明した。未露光の感光性被膜部分を、D−2中で1分間にわたって現像することにより除去した。これらの工程の結果、カラーマスク上の色パターンに対応するネガティブ・パターン化されたポリマー被膜が形成された。結果を下記表3にまとめる。
【0164】
【表4】

【0165】
例3:
次のようなカラーマスクを使用してフォトパターンを生成するために、青感光性被膜C−7、緑感光性被膜C−8、及び青感光性被膜C−9を調製した。これらの感光性被膜はポジ型である。
【0166】
被覆用溶液CF7は、5gのCF−3と2gのYPI−2とを含有した。被覆用溶液CF8は、5gのCF−3と2gのMPI−2とを含有した。これらの被覆用溶液を、1分間にわたって2000RPMでスピン塗布し、そして1分間にわたって80℃で乾燥させた。これらの被膜を空気中に曝露し、例C4〜C6のように現像し、そして現像剤溶液D−4を使用して20分間にわたって被膜を現像した。これらの工程の結果、多色マスク上の特定の色パターンに対応するポジティブ・パターン化されたポリマー被膜が形成された。結果を下記表4にまとめる。例C−7はポジ型青感光性被膜である。例C−8はポジ型緑感光性被膜である。同様に被膜C−9を調製し、そして青光に当て、D−3を使用して現像し、ポジティブ・レジスト画像を形成した。
【0167】
【表5】

【0168】
例4:薄膜トランジスタ
透明TFTゲート、誘電体、及び半導体構成部品のためのアラインメント工程を単純にするために、裏側のカラーマスクを使用してトランジスタを調製した。次の方法によって、クリーンなガラス支持体に緑色吸収層GCA−1を適用した。Fujifilm Electronic Materials Co., Ltd.から入手したマゼンタ・フォトレジストSM3000Lで、試料をスピン塗布し(1000RPM)、1分間にわたって95℃でベーキングし、そしてレーザーで書き込まれたモリブデン・マスクを使用して露光した。被膜を現像し、そして5分間にわたって200℃でベーキングして、緑色吸収層GCA−1を形成した。緑色吸収パターンGCA−1は、所望の半導体パターンのネガティブであった。
【0169】
マスク・アラインメント工程を単純にするために色吸収パターンGCA−1を使用して、基板の表側にITOゲート層を堆積し、そしてエッチング過程を用いてパターン化した。次いで、大気堆積法を用いて、アルミナ及び酸化亜鉛のALD被膜を適用した。ネガティブ・エッチング過程及び緑感光性フォトパターン化可能材料を用いて、半導体層をパターン化した。
【0170】
4gのCT2000L(Fujifilm Photochemicalsから入手)と、シクロヘキサノン中に溶解された0.5gの光開始剤Bの1%溶液とを含有する被覆溶液を調製した。被覆用溶液を1分間にわたって2000RPMでスピン塗布し、そして2分間にわたって90℃で乾燥させた。10%PVA被覆を2分間にわたって1000RPMで適用し、そして2分間にわたって90℃で乾燥させた。露光用の光が感光性被膜に達する前にガラス支持体及びカラーマスク層GCA−1を通過するように、被膜を緑光を用いて露光し、そして、0.002M 水酸化テトラメチルアンモニウムと0.002M ジエタノールアミンとを含有する水溶液中で、感光性被膜を現像した。
【0171】
ソース及びドレインと、透明ゲート層、誘電体層、及び半導体層とのマスク・アラインメント工程を単純にするために色吸収パターンGCA−1を使用して、ソース及びドレインのコンタクトをリフトオフ法によって調製した。その結果生じたトランジスタの移動度は、8.8cm2/V-sであった。
【0172】
上記のカラーマスクを採用する製作シーケンスは、たとえ変化する温度及び溶剤による処理に基板を曝したとしても、基板上に透明機能層を正確に配置するのを可能にする。さらに、広い面積の基板の場合にも、累積的且つ壊滅的なアラインメント誤差を招く基板の寸法歪み又は機械的なアラインメント誤差の問題は生じない。カラーマスク及び可視光硬化性被膜を使用することにより、高価なアラインメント装置又は方法を必要としない、レジストレーションの難題に対する独自の解決手段が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 表側と裏側とを有する透明支持体を用意する工程;
b) 該透明支持体の該表側又は該裏側のいずれか一方の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成する工程;
c) 該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の表側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能材料層を被覆する工程;
d) 該フォトパターン化可能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、
該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能材料から成り;
e) 該フォトパターン化可能材料層を被覆する前又は後に、機能材料層を堆積する工程;そして
f) 該機能材料層が、該カラーマスクの色パターンに対応する、結果として生じるパターン化された機能材料層を有するように、該フォトパターンを使用して該機能材料層をパターン化する工程
を含んで成る構造を形成する方法。
【請求項2】
該透明支持体上に形成されたいかなるカラーマスク内にも、別のパターン化された機能材料層を形成するために使用される、異なる色の他の色パターンが存在しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該カラーマスクが該透明支持体の表側にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該カラーマスクと、透明支持体と、パターン化された機能材料層とが、該構造内に残る、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
a) 透明支持体を用意する工程;
b) 該透明支持体の第1の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成する工程;
c) 該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の第1の側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能機能材料層を被覆する工程;
d) 該フォトパターン化可能機能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、
該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能機能材料から成り;そして
e) 該フォトパターンに対応する該フォトパターン化可能機能材料層領域を除去することにより形成される、結果として生じるパターン化された機能材料層を有するように、該フォトパターン化可能機能材料層をパターン化する工程
を含んで成る構造を形成する方法。
【請求項6】
該透明支持体上に形成されたいかなるカラーマスク内にも、フォトパターン化可能機能材料の別のパターン化された層を形成するために使用される、異なる色の他の色パターンが存在しない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該カラーマスクと、透明支持体と、パターン化された機能材料とが、該構造内に残る、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
該フォトパターン化可能材料層の、該可視光に暴露されていない領域が、工程(e)の前に除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該フォトパターン化可能材料層を露光するために利用される可視光が、該カラーマスクの該色パターンの色とマッチする光スペクトルを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該フォトパターン化可能材料層を露光するために使用される可視光が白光であり、そしてフォトパターン化可能材料が、該カラーマスクの色パターンの色にマッチする光スペクトルによってのみ硬化されることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該フォトパターン化可能材料が、該カラーマスクの色パターンの色にマッチする光スペクトルを有する可視光によって、第2の露光された状態に変化させられ、そして該フォトパターン化可能材料を露光するために利用される該可視光も同じ色を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記カラーマスクが、前記透明基板上にマスターカラー画像の写真複製によって、形成された層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記カラーマスクが、該透明支持体とは別個の基板上に予め形成された後で、前記透明支持体上に積層される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記カラーマスクが、前記透明支持体上に直接に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記透明支持体が、ガラス又は可撓性ポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記可視光によって該第2の露光された状態へ変化する該フォトパターン化可能材料が、単一の色に対して感光する材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
該フォトパターン化可能層が、特定の色波長領域内でのみ励起状態に達するように、画像形成輻射線を吸収することができる色素光開始剤を含む、エチレン系付加重合のための開始剤系を含有している、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記パターン化された機能材料層上に少なくとも1つの更なる追加の機能材料層を被覆し、そして前記パターン化された機能材料層とレジスタリングされた状態で前記追加の機能材料層をパターン化する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
透明支持体と、該透明支持体上の色パターンを有するカラーマスクと、該透明支持体の、該色パターンと同じ側のパターン化された機能材料層とを含む物品であって、該パターン化された機能材料層が、該透明支持体上の色パターンとレジスタリングされている、物品。
【請求項20】
該パターン化された機能材料層が、導体性、誘電性、もしくは半導体特性、又は保護特性を有する、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
該パターン化された機能材料層が透明でない、請求項19に記載の物品。
【請求項22】
該パターン化された機能材料層が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び窒化ケイ素、有機ポリマー並びにこれらの混合物から成る群から選択された誘電体材料;又は酸化インジウム錫(ITO)、ZnO、SnO2、もしくはIn23のような透明導体、金属、変性ドープ型半導体、導電性ポリマー、カーボンインク、銀-エポキシ、焼結性金属ナノ粒子懸濁液、及びこれらの混合物から成る群から選択された導電性材料;又は酸化亜鉛、酸化錫、及びこれらの混合物から成る群から選択された半導体材料を含む、請求項19に記載の物品。
【請求項23】
前記物品がトランジスタを含む、請求項19に記載の物品。
【請求項24】
a) 表側と裏側とを有する透明支持体を用意する工程;
b) 該透明支持体の該表側又は該裏側のいずれか一方の側に、色パターンを有するカラーマスクを形成工程;
c) 該カラーマスクを形成した後、該透明支持体の表側に、可視光に対して感光するフォトパターン化可能材料層を被覆する工程;
d) 該フォトパターン化可能材料層を、該カラーマスクを通して可視光に暴露して、該カラーマスクの色パターンに対応するフォトパターンを形成する工程、
該フォトパターンは、被覆されたままの第1状態とは異なる露光された第2状態に変化したフォトパターン化可能材料から成り;そして
e) 該機能材料層が、該カラーマスクの色パターンに対応する、結果として生じるパターンを有するように、該フォトパターンを使用して機能材料層をパターン化する工程、
該機能材料層は、該フォトパターン化可能材料層であるか、又は該フォトパターン化可能材料層とは別個の層であってよく、該結果としてのパターンが、該機能材料層の所定の領域を除去することにより、又は該機能材料層を選択的領域堆積することにより形成される、
各工程を含んで成る構造を形成する方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図9A】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図11A】
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【図12A】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−503668(P2011−503668A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534935(P2010−534935)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/012559
【国際公開番号】WO2009/067147
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】