説明

電力設備演算装置、発電システム、および電力設備演算プログラム

【課題】配電系統の複数のノード電圧が所定範囲になるように電力変換器の最大出力電圧を選択する。
【解決手段】配電系統2020,2022,2024,2026,2040,2030,2032,2034,2036の系統データ、この配電系統に電圧を供給する変圧器2020の電圧データ、前記配電系統に接続される負荷の負荷データ、および、電力変換器2300を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備2400からなる分散型発電設備の設備データが格納されているファイル手段と、前記各データを用いて前記配電系統のノード電圧を算出する電力潮流計算手段と、前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を選択する最大出力電圧選択手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電系統と発電設備との間に接続される電力変換器の最大出力電圧を選択する電力設備演算装置、発電システム、および電力設備演算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、インバータを介して配電系統に接続される分散型発電設備が需要家に備えられたものであり、配電系統に連系された太陽光発電設備の発電量を最大化あるいは最適化することが好ましい。この際、配電系統の電圧・電流を把握するための電力潮流計算は、非特許文献1に報告されている。また、太陽光発電の発電量の評価方法については、特許文献1に開示され、同文献には測定時の日射強度,太陽光電池の温度条件の電流・電圧曲線を利用して、配電系統に接続しないときの太陽光発電の発電量の出力評価方法について記述されている。
【非特許文献1】石川「分散電源導入時の配電線電圧計測手法の開発」OHM,2000年11月号
【特許文献1】特開2004−77309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、配電系統と太陽光発電設備とを連系する場合には、例えば、101V±6Vの電圧運用制約が存在する。また、太陽光発電設備が変圧器を介して受電する配電系統(配電線)にはインピーダンスが存在するため、配電系統の末端電圧の方が変圧器近傍の電圧よりも低くなる傾向にある。このため、変圧器近傍に設置されたインバータの最高出力電圧が95Vの最低電圧に設定されると配電系統の末端電圧がさらに低下することになる。一方、配電系統の末端近傍のインバータ(電力変換器)の最高出力電圧が107Vの最高電圧に設定された場合には、変圧器近傍の電圧がさらに上昇することになる。したがって、配電系統のノード電圧が電圧運用制約(所定範囲)に納まらない場合が生じる。
【0004】
そこで、本発明の課題は、配電系統の複数のノード電圧が所定範囲になるように電力変換器の最大出力電圧を選択することができる電力設備演算装置、発電システム、および、電力設備演算プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明の電力設備演算装置、および、これを用いた発電システムは、配電系統の系統データ、この配電系統に電圧を供給する変圧器の電圧データ、前記配電系統に接続される負荷の負荷データ、および、出力電力を最大に制御する電力変換器を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備からなる分散型発電設備の設備データが格納されているファイル手段と、前記各データを用いて前記配電系統のノード電圧を算出する電力潮流計算手段と、前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を選択する最大出力電圧選択手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、変圧器の2次側出力電圧と電力変換器の出力電圧との電位差が大きいほど、発電設備から変圧器を介して電力会社によって買電される売電電力が多くなるところ、変圧器近傍の電力変換器の最高出力電圧が最高電圧に設定された場合には、末端に設置された電力変換器の出力電圧と変圧器の出力電圧との差が小さくなり、発電設備から電力会社への売電電力が少なくなる。このような場合でも、複数の発電設備の各発電量を平均化する最大出力電圧と、各発電量を各発電設備の定格発電量で除した設備利用率を平均化する最大出力電圧と、各発電量の和を最大化する最大出力電圧との何れかを選択することにより、配電系統に連系された電力変換器の最大出力電圧を最適化することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配電系統の複数のノード電圧が所定範囲になるように電力変換器の最大出力電圧を選択することができる電力設備演算装置、発電システム、および、電力設備演算プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1は本発明の一実施形態である電力システムの構成図である。電力システム2000は、送電線2010と、電柱2060,2062,2064,2066と、電柱2060の上部に設置されており、送電線2010に接続されている柱上変圧器(変圧器)2040と、電柱2060,2062,2064,2066に懸架され、直線状に直列接続されている低圧線2020,2022,2024と、低圧線2020,2022,2024の接続点(ノード)と需要家2050,2052,2054,2056とに各々接続されている引込線2030,2032,2034,2036とを備えている。
【0009】
また、図1(b)は、需要家2050に設けられている屋内配線設備の構成図であり、他の需要家2052,2054,2056の全部または一部に設けられている。引込線2030には、積算電力計2100,2110が接続されており、積算電力計2100には分電盤2200および電力変換器であるインバータ2300を介して、太陽電池からなる太陽光発電設備(発電設備)2400が接続され、発電された電力は電力会社に売電される。また、積算電力計2100は太陽光発電設備2400の発電電力を積算し、負荷2500が接続された積算電力計2110は負荷電力が積算される。ここで、インバータ2300は、有効電力制御、あるいは、進相無効電力制御によって電圧を制限しつつ出力電力を最大にするように制御される。このとき、インバータ2300の最大出力電圧は、予め設定された設定値(整定値)によって制限される。
【0010】
図1に示される複数の需要家2050,2052,2054,2056に設置されている各インバータ2300の設定値を決定するための電力設備演算装置の構成を図を参照して説明する。
図2において、電力設備演算装置100は、パーソナルコンピュータが代表的であり、キーボード、マウス(ポインティングデバイス)等からなる入力手段10と、CRT,LCD(液晶パネル)等からなり表示手段として機能する出力手段20と、LAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークに接続される通信手段25と、コンピュータであるCPU30と、ワーキングメモリとして使用され、計算プログラム,表示用の画像データ、など計算の入力データおよび出力データが一旦格納されるRAM(Random Access Memory)40と、電源投入時に起動するイニシャルプログラムローダが記憶されているROM(Read Only Memory)45と、入力データファイル60、出力ファイル70、オペレーティングシステム(OS)85、および、プログラム(アプリケーションプログラム)80が記憶されているハードディスクドライブ(HDD)90とを備え、各部がバスライン50で接続されている。
【0011】
ここで、入力データファイル60は、系統データ601,日負荷変化データ602,2次側電圧データ603,日射量データ604,太陽光発電発電量データ605,太陽光発電設備データ606,解析条件データ607が記憶され、出力ファイル70は、電圧計算結果701,電流計算結果702,太陽光発電出力結果703,インバータ設定値結果704,目的関数計算結果705が記憶されている。なお、感度結果706は後記する。また、プログラム80は、電力潮流計算手段(電力潮流計算プログラム)801と、最大出力電圧選択手段(電圧表示プログラム)802と、インバータ設定手段(インバータ設定プログラム)803とを備える。
【0012】
次に図3から図14を用いて、入力データファイル60の内容について説明する。
図3は、系統データ601の構成を示したものである。系統データ601では、配電系統の設備のシリアルNoである設備Noと、柱上変圧器,電柱,低圧線,引込線,需要家などの設備種別と、柱上変圧器,低圧線,引込線などの設備容量と、低圧線,引込線などの長さおよびインピーダンスと、柱上変圧器,電柱,需要家をノードで表現したときのノードNoと、低圧線,引込線をブランチで表現したときのブランチNoと、各設備の接続情報である接続設備Noと、太陽光発電などの小規模分散型電源を連系している需要家を設定する太陽光発電連系のデータ項目とを備えている。
【0013】
例えば、設備No.1は、設備容量30kVAの柱上変圧器であり、ノードNoとして「N0」が設定され、接続している設備No.は、5,7(低圧線)である。なお、柱上変圧器であるので、長さ、ブランチNo.は該当データ無し(******)と記述され、この柱上変圧器は太陽光発電には連系されていない。また、設備No.5は、設備容量217A、0.3103+j0.3350[Ω/km]のインピーダンスを有する線種Cu−OW60の低圧線であり、ブランチNo.はB1であり、接続されている設備No.は1.2である。なお、ブランチである低圧線であるので、ノードNo.の該当データは記述されず、太陽光発電への連系はされていない。また、設備No.11は、需要家であり、ノードNo.は「N3」であり、接続している設備は設備No.8の引込線であり、この需要家は太陽光発電に連系されている。
【0014】
図4は、日負荷変化データ602の内容を示した図である。需要家が消費した負荷[kW]を縦軸に、時刻(1日24時間分)を横軸に、各時刻の負荷量を表しているものである。配電系統の需要家の負荷は、各時刻で異なる値となっている。
図5は、柱上変圧器2040の2次側電圧データ603の内容を示しており、縦軸に柱上変圧器2次側電圧が示され、横軸に時刻(1日24時間分)が示されている。このデータは、過去数年分の実績を保有しており、この2次側電圧データは、日負荷変化データの変動を考慮して決められている。
【0015】
図6は、日射量データ604の内容を示したものである。縦軸は日射量、横軸は時刻(1日24時間分)として、各時刻の日射量[MJ/m]を表している。この日射量データ604は、過去数年分のデータを保有している。
図7は、太陽光発電発電データ605の内容を示し、各時刻の太陽光発電定格発電量[kW]を表したものである。縦軸に太陽光発電定格発電量を示し、横軸に時刻(1日24時間分)を示している。この太陽光発電定格発電量は、図6の日射量データ604を利用して計算されたものであり、発電量定格値は、太陽電池定格×パネル効率×日射量/日射最大値によって算出される。
【0016】
図8(a)は太陽光発電設備データ606の表示画面であり、図8(b)は、太陽光発電設備データ606の内容を示している。データの内容は、太陽光発電設備を連系するノードNo,パネル容量,インバータ容量,インバータ制御方式,インバータ電圧設定値上限値,インバータ電圧設定値下限値,インバータ電圧設定値刻み幅,発電効率,インバータ効率の各データである。ここで、インバータ制御方式は有効電力制御,進相無効電力制御等の方式である。
【0017】
図9は、解析条件データ607の内容を示した図である。データの内容は、解析条件、タブーリスト長、繰返し回数のデータであり、例えば、解析条件が「バンク内の需要家の発電量平均化」であり、タブーリスト長が「5」に設定され、繰返し回数が「30」に設定されている。ここで、タブーリスト長について説明する。複数の組合せの中から目的関数を最小にするものを見つける組合せ最適化問題において、目的関数値が見つからないときでも処理を停止せず、目的関数値の増大が最小の解へ移動を行う。このとき、再び同じ解へ戻ることを避けるために、ある解から別の解への移動に伴う何らかの情報を記憶しておき、その情報をもとに近傍グラフの枝を除去する。この移動に伴う情報を属性と呼び、属性を記憶するタブーリストを設けている。このように、Tabu Searchにおいては、枝を除去しながら最良の方向に探索を進めるが、枝の除去が進むにつれ、行き場を失う可能性がある。これを防ぐためにタブーリストの長さを有限とし、この長さをタブーリスト長という。
【0018】
図10から図14までは、出力ファイル200の内容である電圧計算結果701,電流計算結果702,太陽光発電発電量計算結果703,インバータ設定値結果704,目的関数計算結果705を示したものである。
図10は、電圧計算結果701の内容を示したものである。電圧計算結果701は、設備No,ノードNo,電圧計算結果[V]のデータ項目で構成されている。図11は、電流計算結果702の内容を示した図である。電流計算結果202は、設備No,ブランチNo,電流計算結果[A]のデータ項目で構成されている。各ノードの電圧は106V近辺であり、ブランチNo.によって電流が異なっていることが分かる。
【0019】
図12は、太陽光発電発電量計算結果703の内容を示したものである。太陽光発電発電量計算結果703は、時刻毎の太陽光発電発電量計算結果[kW]を示しており、例えば、12時において、4[kW]である。
図13は、インバータ設定値結果704の内容を示したものである。インバータ設定値結果704は、設備No、ノードNo、インバータ設定値の結果のデータ項目で構成されており、例えば、設備No.11の需要家のノードNo.はN3であり、インバータ設定値は107[V]に設定されている。
図14は、目的関数計算結果705を示したものである。目的関数計算結果705は、インバータ毎の電圧設定値と、そのときの目的関数値のデータで構成されており、例えば、ノードN3のインバータ電圧設定値は107[V]であり、ノードN4のインバータ電圧設定値は107[V]であり、目的関数値は10.5である。
【0020】
以下、本実施形態の処理について説明する。ここでは、1日を24点に分割した解析条件で説明する。
電源投入により、ROM45に記憶されたイニシャルプログラムローダがHDD90に記憶されたOS85を起動し、入力手段10によりプログラム80の起動が指示される。図15は、本実施形態の全体処理フローを示したものである。
【0021】
本実施形態のプログラム80(アプリケーションプログラム)が起動すると(S90)、データ入力が行われ(S100)、電力潮流計算によってインバータ2300(図1参照)の最大出力電圧を設定する設定値(整定値)を算出する解析実行され(S110)、解析結果の表示が行われ(S120)、処理が終了する(S130)。
次に個別の処理について説明する。プログラム80の処理が開始すると(S90)、図16に示される系統解析表示画面901が出力手段20に表示される。S100のデータ入力では、解析される前記系統データ601(図3参照),日負荷変化データ602(図4参照),柱上変圧器2次側電圧603,太陽光発電発電量データ605,太陽光発電設備データ606、解析条件データ607が出力手段20に表示されるマンマシンと、入力手段10とを用いて入力される。まず、操作者が最初に解析する系統を系統作画ボタン902を入力手段10であるマウスを用いて選択し、図17に示される系統作画メニュー画面1001を表示させる。次に系統作画メニュー画面1001の柱上変圧器ボタン1002、電柱ボタン1003、低圧線ボタン1004、引込線ボタン1005、需要家ボタン1006をキーボード,マウスなどの入力手段10を用いて選択して、解析する配電系統図を作画する。
【0022】
次に、作画した系統図の中で太陽光発電の設備データを図18に示す太陽光発電設備データ設定画面1009を用いて入力する。太陽光発電設備データ設定画面1009では、パネル1枚のパネル容量入力欄1010、パネル枚数入力欄1011、インバータ制御方式選択ボタン1012、1013、インバータ容量入力欄1014、パネル効率入力欄1015、インバータ効率入力欄1016、屋内配線考慮チェックボックス1017、屋内配線の線種入力欄1018、屋内配線の長さ入力欄1019をキーボードなどの入力手段10を用いて入力する。例えば、線種に「DV60」を指定し、長さ「20」mに指定される。ここで、入力した内容でよければOKボタン1020をマウスなどの入力手段10で選択する。また、入力した内容を取り消すには、Cancelボタン1021をマウスなどの入力手段10で選択する。入力したデータは、太陽光発電設備データ606(図2参照)に格納される。
【0023】
次に、図19の解析条件設定画面1022により、解析条件を設定する。
解析条件には、図18解析条件設定画面1022の中にバンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン1023、バンク内の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン1024、入力したインバータ設定値による解析ボタン1025の3つの解析メニューボタンがある。この中で、実行したい解析条件をマウスなどの入力手段10で選択する。先ほど入力した解析条件でよければ、OKボタン1026をマウスなどの入力手段10で選択する。これにより、入力したデータは解析データ607に格納される。
【0024】
次に、図19の解析条件設定画面1022で、バンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン1023、バンク内の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン1024を選択した場合は、図20の最適化解析条件設定画面1027が表示され、タブーリスト長入力欄1028、繰返し回数処理入力欄1029にキーボードなどの入力手段10を用いて入力する。そして、Okボタン1030を選択することにより、入力されたデータは解析データ607に格納される。
【0025】
すべてのデータが入力されると、図16の系統解析装置の画面901が再び表示され、解析実行ボタン903がマウスなどの入力手段10で選択されると、解析実行S110(図14)のフローが実行される。
解析実行S110には、2つの処理フローがある。1つ目は、図21に示す最適化処理フローであり、図19の解析条件設定画面1022の中のバンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン1023、バンク内の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン1024に設定したときの解析条件時の処理フローである。2つ目は、図19の解析条件設定画面1022に入力したインバータ設定値による解析1025の解析条件の図22に示す処理フローである。
【0026】
最初に、図19の解析条件設定画面1022の中にバンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン1023、バンク内の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン1024に設定したときの処理フロー(図21)について説明する。
解析開始によって(S1101)、系統データ601、太陽光発電設備データ606の読込みが実行される(S1102)。S1102の処理終了後、日負荷変化データ602、柱上変圧器2次側電圧603、太陽光発電定格発電量データ605などが読み込まれる(S1103)。
【0027】
次に、S1103の実行後、すべてのインバータ設定値を太陽光発電設備データ606に格納されているインバータ設定値上限に設定する(S1104)。
次に、設定されたインバータ設定値において、時間毎に太陽光発電の発電量をゼロから定格容量まで増加させながら電力潮流計算により1日の系統電圧、電流を計算する(S1105)。さらに、このときの太陽光発電の発電量も計算する。次に、S1105の結果に対して、目的関数の計算とその結果を格納する(S1106)。この目的関数は、図19の解析条件設定画面1022の中にバンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン1023、バンク内の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン1024による解析条件の設定によって異なる。
バンク内の発電量最大化のインバータ設定値を求めるための目的関数を(1)式に示す。


Σ(Pn) → 最大化 (1)
n=1

Pn:n番目の太陽光発電の1日の発電量

次に、バンク内需要家の発電量の平均化のためのインバータ設定値を求めるための目的関数を(2)式に示す。


Σ|Pn−Ave(P)| → 最小化 (2)
n=1

Pn :n番目の太陽光発電の1日の発電量
Ave(P) :太陽光発電の発電量の平均値
【0028】
次に、処理は各需要家に設置されているすべてのインバータに対して、インバータ設定値を1つ選択し(S1107)、S1105で計算されたインバータ設定値の条件を変更する。S1107で変更された条件で、太陽光発電の発電量を定格容量まで増加させながら電力潮流計算により系統電圧、電流、太陽光発電の発電量を計算する(S1108)。
次に、S1108で求めた太陽光発電の発電量を用いて、解析条件データ607の解析条件の内容により、(1)式、または(2)式で目的関数を計算する(S1109)。
S1107からS1109までの処理を、すべてのインバータとその設定値に対して実行する(S1110)。
【0029】
次に、S1110の中で目的関数が最小(または最大)となったインバータとその設定値を1つ選択し、タブーリストの中にその情報を格納する(S1111)。このとき、すでにタブーリストの中に同一のインバータとその設定値が格納されている場合は、次に目的関数が最小(または、最大)となったインバータとその設定値の情報を格納する。また、タブーリストの長さは、図9の解析条件データのデータ項目のタブーリスト長で設定される。タブーリスト長が「5」の場合は、タブーリストの中に、インバータとその設定値を5個格納することができ、新しいインバータとその設定値の情報がある場合は、一番最小に入れた情報をタブーリストの中から廃棄する。S1110で求めた最小(また最大)の目的関数の値とS1106の目的関数を比較し、小さい方(または、大きい方)を格納する。
【0030】
次に、S1107からS1111までの処理をS100の中で最適化解析条件設定画面1027の入力した繰返し処理回数入力欄1029で設定された回数まで実行する(S1112)。さらに、繰返し処理回数の中で目的関数が最良(大または小)のインバータと設定値を求める(S1113)。そして、S1113の処理終了後、解析が終了する(S1114)。
【0031】
次に、図19の解析条件設定画面1022で入力したインバータ設定値による解析ボタン1025の解析条件選択時の処理フローを示した図22について説明する。
解析開始により(S1115)、系統データ、太陽光発電設備データが読み込まれる(S1116)。次に、日負荷変化データ、柱上変圧器2次側電圧、太陽光発電定格発電量データが読み込まれる(S1117)。
次に、時間毎に太陽光発電の発電量をゼロから定格発電量まで増加させながら電力潮流計算により1日の系統電圧、電流、太陽光発電の発電量が計算される(S1118)。そして、S1118の処理終了後、解析が終了する(S1119)。
【0032】
以上説明したように、図21に示すS1101からS1114までの処理においては、バンク内の発電量を最大化するインバータ設定値、および、バンク内の需要家の発電量を平均化するインバータ設定値を求めることができる。また、図22に示すS1115からS1119までの処理においては、入力したインバータ設定値における系統電圧・電流、太陽光発電の発電量を求めることができる。
【0033】
次に、解析結果表示(図15のS120)の処理内容について説明する。
図16に示される系統解析装置表示画面901の結果表示ボタン904を選択すると、図23解析結果表示メニュー(インバータ設定値計算時)画面1201、または、図24の解析結果表示メニュー画面1207が表示される。画面1201は、図19の解析条件設定画面1022の中のバンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン1023、あるいは、バンク内の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン1024を設定し、これらの解析条件で解析した場合に表示される。
【0034】
画面1207は、図19に示される解析条件設定画面1022で入力したインバータ設定値による解析ボタン1025に設定した場合に表示される。図23に示される解析結果表示メニュー(インバータ設定値計算時)画面1201は、インバータ設定結果ボタン1202、電圧計算結果ボタン1203、電流計算結果ボタン1204、太陽光発電発電量計算結果ボタン1205および終了ボタン1206を備える。図24に示される解析結果表示メニュー画面1207は、図23のインバータ設定結果ボタン1202が除かれた内容で構成され、電圧計算結果ボタン1208,電流計算結果ボタン1209,太陽光発電発電量計算結果ボタン1210および終了ボタン1211を備えている。
【0035】
次に、図23の解析結果表示メニュー(インバータ設定値計算時)画面1201の各表示内容について説明する。
解析結果表示メニュー(インバータ設定値計算時)画面1201のインバータ設定結果ボタン1202を選択すると図25に示されるインバータ設定値と太陽光発電の発電量と目的関数の結果の画面1212が表示される。季節選択ボタン1213を用いて、季節毎のインバータ設定値、太陽光発電の発電量、目的関数が表示される。ここで、戻るボタン1204が選択されると、解析結果表示メニュー画面1201に戻る。
【0036】
次に、画面1201の電圧計算結果ボタン1203を選択すると、図26に示される電圧・電流解析結果表示設備選択画面1215が表示される。ノードN5の電柱にブランチB3の低圧線とブランチB6の引込線が接続されており、ブランチB6の引込線はノードN6の需要家に接続されているのが分かる。また、ブランチB3の低圧線は、ノードN0の柱上変圧器に接続されており、ノードN0の柱上変圧器はブランチB1の低圧線に接続されており、ブランチB1の低圧線はノードN1の電柱に接続されている。ノードN1の電柱は、ブランチB2の低圧線とブランチB4の引込線に接続されており、ブランチB2の低圧線はノードN2の電柱を介してノードN4の需要家に接続されており、ブランチB4の引込線はノードN3の需要家に接続されている。
【0037】
選択画面1215でノードN0の変圧器ボタン1216を選択すると、図27に示される柱上変圧器電圧結果画面1220が表示される。柱上変圧器電圧結果画面1220は、季節選択ボタン1221と時刻毎の電圧変動を表した図と、戻るボタン1222とを備える。画面1220の季節選択ボタン1221を用いて選択した季節の柱上変圧器の電圧結果を電圧計算結果701(図2参照)より抽出し表示する。戻るボタン1222を選択することにより、電圧・電流解析結果表示設備選択画面1215(図26参照)が表示される。表示された選択画面1215でノードN1である電柱ボタン1217を選択すると図28に示される電柱電圧結果画面1223が表示される。
【0038】
電柱電圧結果画面1223は、季節選択ボタン1224と電柱の電圧計算結果を表した図と戻るボタン1225とを備える。季節選択ボタン1224で季節を選択すると選択された季節の電柱電圧を電圧計算結果701(図2参照)より抽出し表示することができる。設備(電柱)電圧結果画面1223の戻るボタン1225を選択すると電圧・電流解析結果表示設備選択画面1215が表示される。次に、電圧・電流解析結果表示設備画面1215の終了ボタン1219を選択すると解析結果表示メニュー画面1201(図23参照)が表示される。以上のようにして、電圧計算結果を電圧計算結果ボタン1203に表示することができる。解析結果表示メニュー画面1201の電流計算結果ボタン1204においても、前記電圧計算結果と同様に電流計算結果を表示することができる。
【0039】
次に、図23に示される太陽光発電発電量計算結果ボタン1205の内容について説明する。解析結果表示メニュー画面1201の太陽光発電発電量計算結果ボタン1205をマウスなどの入力手段10で選択すると図29太陽光発電発電量計算結果メニュー画面913が表示される。太陽光発電発電量計算結果メニュー画面913は、1日太陽光発電発電量計算結果ボタン914、太陽光発電の発電率結果ボタン915、年間発電量試算結果ボタン916を備える。
【0040】
以下、それぞれの内容について説明する。
図29に示される太陽光発電発電量計算結果メニュー画面913より1日太陽光発電発電量計算結果914をマウスなどの入力手段10で選択すると図30の1日太陽光発電量計算結果が表示される。図30の1日太陽光発電量計算結果は、定格発電量918と解析結果の発電量919を表示する。時刻12時近辺で解析結果の発電量919が飽和していることが分かる。
【0041】
次に、図29の太陽光発電発電量計算結果メニュー画面913より、太陽光発電の発電率結果ボタン915をマウスなどの入力手段10で選択すると、図31に示す太陽光発電発電率結果画面920を表示する。太陽光発電発電率とは、1日の太陽光発電定格発電量に対し、実際の解析結果の太陽光発電発電量計算値がどの程度の割合であるかを確認する指標である。太陽光発電発電率結果画面920の戻るボタン921をマウスなどの入力手段10で選択すると図29の太陽光発電発電量計算結果メニュー画面913に戻る。
【0042】
最後に図29の太陽光発電発電量計算結果メニュー画面913より、年間発電量試算結果ボタン916をマウスなどの入力手段10で選択すると図31の年間発電量試算結果922を表示する。年間発電量試算,年間最大発電量試算,年間最低発電量試算について、それぞれ発電量の試算を行う。年間発電量試算の計算方法は、解析時の太陽光発電量を解析時に利用した日射データと過去の日射量データ604を利用して、按分計算して求める。(3)式にm月n日の発電量の計算式を示す。

m月n日発電量試算=解析結果の発電量×m月n日の日射量/解析時に利用した日射量
…(3)式
(3)式で年間発電量試算を計算するときは、日射量データは過去数年分の平均値を利用して計算し、年間最大発電量試算は、日射量データの過去数年分の中の最大値,年間最大発電量試算は、日射量データの過去数年分の中の最小値をそれぞれ利用して計算する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の電力設備演算装置100は、太陽光発電を配電系統に連系したときに、太陽光発電の発電量を最大化、または、需要家の太陽光発電の発電量を平均化するようなインバータ設定値を算出することができる。また、配電系統の電圧,電流,太陽光発電の発電量の日変化を算出することにより、配電系統の状態を把握できる。
【0044】
また、電力線である低圧線2020,2022,2024が直線的に直列接続されており、需要家が各低圧線2020,2022,2024の中間点に引出線2030,2032,2034,2036を介して接続されているとき、出力手段20に、インバータ2300の最大出力電圧が異なった値で表示される。
【0045】
また、電力設備演算装置100で算出された最大出力電圧をインバータ2300に設定することにより、太陽光発電の発電量は、インバータ設定値の電圧値を超えないように発電量が制御される。これにより、太陽光発電の発電量が最大化、または、需要家の太陽光発電の発電量を平均化することができる。
【0046】
(第2実施形態)
第1実施形態は、インバータの電圧上昇抑制機能の設定値を組合せ最適化手法により求めたが、感度係数(インバータ連系地点の電圧の変化量/太陽光発電の発電出力の変化量)を利用した線形計画法による電力潮流計算によっても設定値を求めることができる。
具体的には、インバータの電圧上昇抑制機能の設定値をインバータ連系地点電圧として定式化する。有効電力の感度係数KPij(t)は、
KPij(t)=ΔVpinvi(t)/ΔPj(t)
=(Vpinvi(t)−Vinv0(t))/(Pj(t)−Pj0(t))
(4)
であり、無効電力の感度係数KQij(t)は、
KQij(t)=ΔVqinvi(t)/ΔQj(t)
=(Vqinvi(t)−Vinvi0(t))/(Qj(t)−Qj0(t))
(5)
である。ここで、i=1,2,3,…,n、j=1,2,3,…,n である。
このとき、インバータ連系地点電圧Vinvn(t)は、
【数1】

である。ここで、n:発電システム設置需要家数、ΔPj(t):時刻tにおける需要家No.jの発電出力(有効電力)の変化量、Pj0(t):時刻tにおける需要家No.jのΔPj(t)増分前の発電出力(有効電力)、Pj(t):時刻tにおける需要家No.jのΔPj(t)増分後の発電出力(有効電力)、ΔQj(t):時刻tにおける需要家No.jの発電出力(無効電力)の変化量、Qj0(t):時刻tにおける需要家No.jのΔQj(t)増分前の発電出力(無効電力)、Qj(t):時刻tにおける需要家No.jのΔQj(t)増分後の発電出力(無効電力)、ΔVpinvi(t):時刻tにおける需要家No.jの連系地点の電圧変化量(有効電力増分時)、ΔVqinvi(t):時刻tにおける需要家No.iの連系地点の電圧変化量(無効電力増分時)、Vinvi0(t):時刻tにおける需要家No.iの連系地点電圧(ΔPj(t),ΔQj(t)増分前)、Vpinvi(t):時刻tにおける需要家No.iの連系地点電圧(ΔPj(t)増分後)、Vqinvi(t):時刻tにおける需要家No.iの連系地点電圧(ΔQj(t)増分後)、KQij(t):時刻tにおける感度係数(需要家No.jの発電出力(無効電力)の変化量に対する需要家No.iの連系地点の電圧変化量)
である。
【0047】
このときの制約条件は、(4)式に示すインバータ連系地点電圧の上下限制約である。
95≦Vinv(t)≦107 (i=1,2,3,…,n) (7)
操作変数は、(8)(9)式に示す太陽光発電の発電出力(有効電力)である。
0≦Pi(t)≦P0i(t) (i=1,2,3,…,n) (8)
P0i(t)=Ppv0i(t)×COSθ (9)
(0≦COSθ≦1)、(i=1,2,3,…,n)

(10)(11)式は、太陽光発電の発電出力(無効電力)である。
0≦Qi(t)≦Q0i(t) (i=1,2,3,…,n) (10)
Q0i(t)=Ppv0i(t)×SINθ (11)
=√(Ppv0i(t)−P0i(t))
(COSθ≠0)、(0≦SINθ≦1)、(i=1,2,3,…,n)

線形計画法を利用して、需要家の発電量が平均化され、または、最大化されるインバータ連系地点電圧を求める。そして、求められたインバータ連系地点電圧がインバータの電圧上昇抑制機能の設定値である。
【0048】
次に、インバータの電圧上昇抑制機能の設定値をすべての時間で求める処理について図33を参照して説明する。
まず、各需要家の発電出力をPj0(t)(初期値は、Pj0(t)=0),Qj0(t)(初期値はQj0(t)=0)として、このときの各連系地点電圧Vinvi0を計算する(S210)。次に、各需要家の発電出力をPj(t)=Pj0(t)+ΔPj(t)とQj(t)=Qj0(t)+ΔQj(t)として、このときの各連系地点電圧Vpinvi(t),Vqinvi(t)を計算する(S220)。
次に、S210,S220で計算された各連系地点電圧Vinvi0,Vpinvi(t),Vqinvi(t)を用いて、(5)式により感度係数KPij,KQijを算出し、感度結果706(図2参照)として記憶する(S230)。次に、S230で算出された感度係数KPij,KQijを用いて(6)式を作成し、線形計画法を用いてある需要家の連系地点電圧が制約条件(7)式の上限に達し、各需要家の発電電力のバラツキが最小となる各需要家の連系地点電圧Vinvi(t)を求める(S240)。そして、各時刻においてS210からS240までの処理を実行し、太陽光発電設備が発電している時間帯の各需要家の発電出力が平均化し、または、最大化する各需要家の連系地点電圧Vinvi(t)を求める(S250)。
【0049】
(変形例)
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態の発電システムは、太陽光発電について説明したが、風力発電にも用いることができる。この場合、発電設備は、直流発電機あるいは交流発電機となり、インバータは、直流電圧を交流電圧に変換し、あるいは交流電圧を商用電圧の交流電圧に変換する電力変換器となる。
(2)前記各実施形態は、電力設備演算装置を用いてインバータの最高出力電圧の設定値を求めて、インバータの設定値を季節毎に変更し、あるいは月毎に変更するようにしたが、電力設備演算装置で算出した設定値を通信手段25、および、これに接続された伝送線路を介してリアルタイムでインバータ2300に送信することができる。
(3)第1実施形態は、インバータの電圧上昇抑制機能の設定値を組合せ最適化手法により求め、第2実施形態では感度係数を利用した線形計画法により設定値を求めたが、その他の最適化手法によっても設定値を求めることができる。なお、線形計画法その他の最適化手法も特許請求の範囲に記載した電力潮流計算に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態である発電システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である電力設備演算装置の構成図である。
【図3】系統データの内容例を示す図である。
【図4】日負荷変化データを示す図である。
【図5】柱上変圧器の2次側電圧データを示す図である。
【図6】日射量データを示す図である。
【図7】太陽光発電の定格発電量データを示す図である。
【図8】太陽光発電設備データの画面およびそのデータの例を示す図である。
【図9】解析条件データを示す図である。
【図10】電圧計算結果の一例を示す図である。
【図11】電流計算結果の一例を示す図である。
【図12】太陽光発電出力結果の一例を示す図である。
【図13】インバータ設定値の結果を示す図である。
【図14】目的関数計算結果を示す図である。
【図15】第一実施形態の全体フローを示す図である。
【図16】系統解析表示画面を示す図である。
【図17】系統作画メニュー画面を示す図である。
【図18】太陽光発電設備データ設定画面を示す図である。
【図19】解析条件設定画面を示す図である。
【図20】最適化解析設定画面を示す図である。
【図21】最適化処理のフローチャートである。
【図22】通常解析処理のフローチャートである。
【図23】解析結果表示メニュー(インバータ設定値計算時)の表示画面を示すである。
【図24】解析結果表示メニュー画面を示す図である。
【図25】インバータ設定値と太陽光発電の発電量と目的関数の結果を示す画面の図である。
【図26】電圧・電流解析結果表示設備選択画面を示す図である。
【図27】柱上変圧器の電圧結果画面の図である。
【図28】設備(電柱)電圧結果画面を示す図である。
【図29】太陽光発電発電量計算結果表示メニューを示す表示画面である。
【図30】1日太陽光発電発電量計算結果を示す図である。
【図31】太陽光発電の発電率結果を示す図である。
【図32】年間発電量試算結果を示す図である。
【図33】第2実施形態の演算フローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
10 入力手段
20 出力手段(表示手段)
25 通信手段
30 CPU
40 RAM
45 ROM
50 バスライン
60 入力データファイル(ファイル手段)
70 出力ファイル
80 プログラム(電力設備演算プログラム)
85 OS
90 ハードディスクドライブ(HDD)
100 電力設備演算装置
601 系統データ
602 日負荷変化データ
603 2次側電圧データ
604 日射量データ
605 太陽光発電発電量データ
606 太陽光発電設備データ
607 解析条件データ
701 電圧計算結果
702 電流計算結果
703 太陽光発電出力結果
704 インバータ設定値結果
705 目的関数計算結果
801 電力潮流計算手段(電力潮流計算プログラム)
802 最大出力電圧選択手段(電圧表示プログラム)
803 インバータ設定手段(インバータ設定プログラム)
901 系統解析表示画面
902 系統作画ボタン
903 解析実行ボタン
904 結果表示ボタン
905 終了ボタン
913 太陽光発電発電量計算結果表示メニュー画面
914 1日太陽光発電発電量計算結果ボタン
915 太陽光発電の発電率結果ボタン
916 年間発電量試算結果ボタン
917 戻るボタン
918 定格発電量
919 発電量(解析結果)
920 太陽光発電発電率結果画面
921 戻るボタン
922 年間発電量試算結果画面
923 戻るボタン
1001 系統作画メニュー画面
1002 柱上変圧器ボタン
1003 電柱ボタン
1004 低圧線ボタン
1005 引込線ボタン
1006 需要家ボタン
1009 太陽光発電設備データ設定画面
1010 パネル容量入力欄
1011 パネル枚数入力欄
1012 有効電力制御ボタン
1013 進相無効電力制御ボタン
1014 インバータ容量入力欄
1015 パネル効率入力欄
1016 インバータ効率入力欄
1017 屋内配線考慮チェックボックス
1018 線種入力欄
1019 長さ入力欄
1020 OKボタン
1021 Cancelボタン
1022 解析条件設定画面
1023 バンク内発電量最大化のインバータ設定値ボタン
1024 バンク内の需要家の需要家の発電量平均化のためのインバータ設定値ボタン
1025 入力したインバータ設定値による解析ボタン
1026 Okボタン
1027 最適化解析条件設定画面
1028 タブーリスト長入力欄
1029 繰返し処理回数入力欄
1030 OKボタン
1201 解析結果表示メニュー(インバータ設定値計算時)画面
1202 インバータ設定値結果ボタン
1203 電圧計算結果ボタン
1204 電流計算結果ボタン
1205 太陽光発電発電量計算結果ボタン
1206 終了ボタン
1207 解析結果表示メニュー画面
1208 電圧計算結果ボタン
1209 電流計算結果ボタン
1210 太陽光発電発電量計算結果ボタン
1211 終了ボタン
1212 インバータ設定値と太陽光発電の発電量と目的関数の結果
1213 季節選択ボタン
1204 戻るボタン
1215 電圧・電流解析結果表示設備選択画面
1216 ノードN0(柱上変圧器)
1217 ノードN1(電柱)
1218 ブランチB1(低圧線)
1219 終了ボタン
1220 柱上変圧器電圧結果画面
1221 季節選択ボタン
1222 戻るボタン
1223 設備(電柱)電圧結果画面
1224 季節選択ボタン
1225 戻るボタン
2000 電力システム
2010 送電線
2020,2022,2024 低圧線
2030,2032,2034,2036 引込線
2060,2062,2064,2066 電柱
2050,2052,2054,2056 需要家
2100,2110 積算電力計
2200 分電盤
2300 インバータ
2400 太陽光発電設備
2500 負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電系統の系統データ、この配電系統に電圧を供給する変圧器の電圧データ、前記配電系統に接続される負荷の負荷データ、および、出力電力を最大に制御する電力変換器を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備からなる分散型発電設備の設備データが格納されているファイル手段と、
前記各データを用いて前記配電系統のノード電圧を算出する電力潮流計算手段と、
前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を選択する出力電圧選択手段と
を備えることを特徴とする電力設備演算装置。
【請求項2】
前記出力電圧選択手段は、
前記選択された最大出力電圧の中から、前記複数の発電設備の各発電量を平均化する最大出力電圧と、前記各発電量を前記各発電設備の定格発電量で除した設備利用率を平均化する最大出力電圧と、各発電量の和を最大化する最大出力電圧との何れかを選択することを特徴とする請求項1に記載の電力設備演算装置。
【請求項3】
前記設備データは、前記発電設備の発電容量、前記電力変換器の電力制御方式、前記電力変換器の出力電圧設定値の刻み幅、および、屋内配線データを含むことを特徴とする請求項1に記載の電力設備演算装置。
【請求項4】
前記最大出力電圧は、電圧上昇抑制機能の整定値によって制限されることを特徴とする請求項1に記載の電力設備演算装置。
【請求項5】
前記最大出力電圧は、前記電力変換器の出力電圧の変化量を前記発電設備の発電出力の変化量で除した感度係数を用いて算出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の電力設備演算装置。
【請求項6】
前記発電設備は、太陽電池を用いた太陽光発電設備であり、
前記電力変換器は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータであり、
前記ファイル手段には、日射量が時間的に変化する日射量データが格納され、
前記発電設備データには、前記太陽電池のパネル効率が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の電力設備演算装置。
【請求項7】
前記ファイル手段には、日射量データと、前記太陽光発電設備のパネル容量との何れか一方または双方を利用した太陽光発電定格発電量データが格納されることを特徴とする請求項6に記載の電力設備演算装置。
【請求項8】
前記各データは、年間の変動特性を考慮したデータであり、
前記出力電圧選択手段は、前記複数の発電設備の各年間発電量を平均化し、あるいは各年間発電量の和を最大化するように前記各インバータの最大出力電圧を選択することを特徴とする請求項6に記載の電力設備演算装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電力設備演算装置が算出した年間発電量データを用いて年間発電量、年間最大発電量、年間最低発電量を演算することを特徴とする電力設備演算装置。
【請求項10】
配電系統の系統データ、この配電系統に電圧を供給する変圧器の電圧データ、前記配電系統に接続される負荷の負荷データ、および、出力電力を最大に制御する電力変換器を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備からなる分散型発電設備の設備データを入力する入力手段と、
前記入力された各データを用いて前記配電系統のノード電圧を算出する電力潮流計算手段と、
前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を選択表示する表示手段と
を備えることを特徴とする電力設備演算装置。
【請求項11】
入力手段と、前記入力手段によって入力された入力データを演算するコンピュータと前記演算した演算結果を表示する表示手段とを備える電力設備演算装置であって、
前記入力手段によって入力された配電系統の系統データ、この配電系統に電圧を供給する変圧器の電圧データ、前記配電系統に接続される負荷の負荷データ、および、出力電力を最大に制御する電力変換器を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備からなる分散型発電設備の設備データを用いて前記配電系統のノード電圧を前記コンピュータに算出させる電力潮流計算プログラムと、
前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を前記表示手段に選択表示させる電圧表示プログラムと、
を備えることを特徴とする電力設備演算装置。
【請求項12】
前記配電系統データは、直線的に直列接続された電力線のデータであり、
前記負荷は、前記電力線の複数の中間点に接続され、
前記発電設備は、前記電力線の他の中間点に電力変換器を介して接続され、
前記表示手段は、前記最大出力電圧を異なった値で表示することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の電力設備演算装置。
【請求項13】
変圧器により電圧が供給される配電系統と、
前記配電系統に接続される負荷と、
出力電力を最大に制御する電力変換器を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備からなる分散型発電設備と、
前記配電系統の系統データ、前記変圧器の電圧データ、前記負荷の負荷データ、および、前記複数の発電設備の設備データが格納されているファイル手段と、
前記各データを用いて前記配電系統のノード電圧を算出する電力潮流計算手段と、
前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を出力する最大出力電圧演算手段と、
前記複数の発電設備の各発電量を平均化し、あるいは、各発電量の和を最大化するように前記各電力変換器の最大出力電圧を前記電力変換器に設定する設定手段と
を備えることを特徴とする発電システム。
【請求項14】
前記設定手段は、前記電力変換器と伝送線路を用いて接続されており、前記最大出力電圧が逐次設定されることを特徴とする請求項13に記載の発電システム。
【請求項15】
入力手段によって入力された配電系統の系統データ、この配電系統に電圧を供給する変圧器の電圧データ、前記配電系統に接続される負荷の負荷データ、および、出力電力を最大に制御する電力変換器を介して前記配電系統に接続される複数の発電設備からなる分散型発電設備の設備データを用いて前記配電系統のノード電圧をコンピュータに算出させる電力潮流計算プログラムと、
前記算出されたノード電圧が所定範囲になるような前記電力変換器の最大出力電圧を前記表示手段に選択表示させる電圧表示プログラムと、
を備えることを特徴とする電力設備演算プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2007−295738(P2007−295738A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121763(P2006−121763)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(391004920)東北電機製造株式会社 (7)
【出願人】(000222037)東北電力株式会社 (228)
【Fターム(参考)】