電動乗用草刈機
【課題】刈草排出方向の選択幅を増やすとともに、簡単な構成でモアブレードの回転方向を刈草排出方向に切換可能として作業性を向上させ、さらに環境に配慮した自走式の電動乗用草刈機を提供する。
【解決手段】回転して草を刈る2枚のモアブレード1,1と、略深皿状のモアデッキと、2枚のモアモータ15,15とを備え、2枚のモアモータ15,15の回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、2枚のモアブレード1,1の回転軸を結ぶ方向のモアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、2枚のモアブレード1,1の回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置するモアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、左側排出口、右側排出口、後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設ける。
【解決手段】回転して草を刈る2枚のモアブレード1,1と、略深皿状のモアデッキと、2枚のモアモータ15,15とを備え、2枚のモアモータ15,15の回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、2枚のモアブレード1,1の回転軸を結ぶ方向のモアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、2枚のモアブレード1,1の回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置するモアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、左側排出口、右側排出口、後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行およびモアブレードの回転をモータの駆動力で賄う自走式の電動乗用草刈機に関し、より詳細には、モアデッキ周面の開口位置を任意に設定し、モアデッキ内のモアブレードによって刈り取った草の機外への排出方向を制御した自走式の電動乗用草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乗用草刈機には、例えば、原動機の動力により車両の走行およびモアブレードを回転させて草刈作業を行わせるものであって、モアデッキ内に複数枚のモアブレードを反転可能に設置し、それら回転方向を切り換えることで、刈草を、刈取り後方への掻き込むリアディスチャージ作業と、モアデッキ内に溜めつつモアブレードによりさらに細かく裁断し、刈取面に落下放置するマルチ作業とに選択できるもの(特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−32号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような乗用草刈機では、刈草を車両後方へのリアディスチャージ作業と、刈取面へのマルチ作業とにしか操作することができず、刈草の排出方向の選択性が少なく作業性が悪く、さらにモアブレードは、原動機の動力をギアやベルトなどの機械式リンク手段によりモアブレードに伝達しているため、モアブレードを反転可能に設けるためにはその構成が複雑となり、生産性やメンテナンス性が悪い。加えて、近年、環境問題が重視される中で、上記のような車体に内燃機関としてのエンジンおよび発電機を搭載した車両では、排ガス規制や騒音を低減させることができない。
そこで、この発明の目的は、刈草排出方向の選択幅を増やすとともに、簡単な構成でモアブレードの回転方向を刈草排出方向に切換可能として作業性を向上させ、さらに環境に配慮した自走式の電動乗用草刈機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、請求項1に記載の発明は、回転して草を刈る2つのモアブレードと、該2つのモアブレードを上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキと、該モアデッキ上に配置され、前記2つのモアブレードのそれぞれの回転軸に取り付けられた2つのモアモータとを備え、該2つのモアモータの回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、前記2つのモアブレードを機体の略幅方向に水平に並べて配置し、該2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向の前記モアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、前記2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置する前記モアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、前記左側排出口、前記右側排出口、前記後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設けることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自走式の乗用草刈機において、前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーのそれぞれの上端部を、前記モアデッキに上から重ね合わせるようにして取り付け、前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの上端部が当接する前記モアデッキ上にそれぞれ検出部を備え、該検出部で前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの存在を検出するとともに、前記検出部で検出した情報に基づいて前記2つのモアモータの回転方向を変更する制御部を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2に記載の自走式の乗用草刈機において、前記モアブレードは、前記回転軸を中心として両回転方向の前端面となる刈取位置に刈刃を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、回転して草を刈る2つのモアブレードと、これら2つのモアブレードを上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキと、このモアデッキ上に配置され、2つのモアブレードのそれぞれの回転軸に取り付けられた2つのモアモータとを備え、これら2つのモアモータの回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、2つのモアブレードを機体の略幅方向に水平に並べて配置し、これら2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向のモアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置するモアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、左側排出口、右側排出口、後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設けるので、3分割したモアデッキ周面の各排出口カバーを着脱させて、モアデッキ内における刈草の排出方向を、これら排出口カバーの1つを装着しない周面方向とし、この排出方向は、車両の左側、右側、後側、あるいは下方(マルチ作業)のいずれか任意に設定することができる。従って、刈草排出方向の選択幅を増やし、草刈り作業の効率を向上させた自走式の電動乗用草刈機を提供することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーのそれぞれの上端部を、モアデッキに上から重ね合わせるようにして取り付け、左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーの上端部が当接するモアデッキ上にそれぞれ検出部を備え、この検出部で左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーの存在を検出するとともに、検出部で検出した情報に基づいて2つのモアモータの回転方向を変更する制御部を備えるので、モアデッキに排出口カバーを簡単な構成で安定的に着脱できるとともに、モアデッキ周面における排出口カバーの装着状況により、作業者がモアブレードの回転方向をその都度設定操作しなくても、自動的にモアモータの回転方向を、モアデッキ内の刈草が排出方向に向かわせるモアブレードの回転方向にすることができる。従って、簡単な構成でモアブレードの回転方向を刈草排出方向に切換可能とし、作業性を向上させた自走式の電動乗用草刈機を提供することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、モアブレードは、回転軸を中心として両回転方向の前端面となる刈取位置に刈刃を形成したので、モアデッキ内の刈草を排出方向に向かわせるためにモアブレードの回転方向を反転させても、その反転した回転方向のモアブレードに刈刃を有するため、排出方向の変更に伴いモアブレードの付け替えなどが必要なく、排出方向の変更を迅速に行うことができる。従って、作業性を向上させた自走式の電動乗用草刈機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一例を示す、自走式の電動乗用草刈機の平面図である。
【図2】自走式の電動乗用草刈機の左側面図である。
【図3】シャーシ、モアブレード駆動用モータおよびモアブレードの配設位置を説明する、電動乗用草刈機の平面模式図である。
【図4】モアブレードの回転軸芯に連結させたモアブレード駆動用モータを示す斜視図である。
【図5】モアデッキを上方から見た拡大斜視図である。
【図6】左排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図である。
【図7】右排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図である。
【図8】後排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図である。
【図9】左側排出口カバーの取付けを示すモアデッキ左側斜視図である。
【図10】検出器の取付例を示すモアデッキおよび左排出口カバーの説明図である。
【図11】モアブレードの回転方向を制御する制御ブロック図である。
【図12】刈草排出方向の設定に対するモアブレードの回転方向を制御するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。図1は本発明の一例を示す、自走式の電動乗用草刈機の平面図、図2は電動乗用草刈機の左側面図、図3はシャーシ、モアブレード駆動用モータおよびモアブレードの配設位置を説明する、電動乗用草刈機の平面模式図、図4はモアブレードの回転軸芯に連結させたモアモータを示す斜視図である。この電動乗用草刈機1は、左右一対のフレーム状のシャーシ11,11と、該シャーシ11,11前後のそれぞれ下方に、一対の前輪12と、一対の後輪13(駆動輪)とを備える。
【0013】
また、前輪12と、後輪13との間には、モアデッキ14を備える。このモアデッキ14は、略楕円状の縁のある皿型で、皿の底面を上にし、その短径方向を(電動ローンモワ10の直進方向より)やや右側に傾けて設けられる。このような構成により、後述するモアブレード1の刈取面の一部をオーバーラップさせ、刈残しを防止することができる。
【0014】
さらに、モアデッキ14の内側には、後述する2枚の左右モアブレード(草刈刃)1,1が、それらスピンドル軸を機体前後方向にずらして機体の略幅方向に水平に並べて配置されている。従って、車両進行方向右側のモアブレード1が左側のモアブレード1よりもやや後方に設置されている。そして、このブレード1,1の回転軸芯上には、それぞれモアブレード駆動用のモアモータ15,15を取付ける。
【0015】
また、シャーシ11,11上には、前部のフロア4および後部のフェンダ5から構成される前低後高の本体カバー20を覆設するとともに、フェンダ5上であって、本体カバー20上における後輪13のやや前方には、運転席21が配設される。なお、フロア4は、作業者の車両乗降および運転席21に着座して車両を操縦する際の足場となるものである。なお、本体カバー20は、合成樹脂などで一体成形することができる。
【0016】
さらに、フェンダ5の前段には、電動ローンモワ10の走行系の左右後輪コントロールレバー22(速度)を左右独立設置するとともに、フェンダ5の前段には、モア草刈高さ調整およびモアデッキ昇降レバー24を備える。
【0017】
また、運転席21の左右それぞれの下方には、冷却口26A,26Aを、運転席21の前側の下方には冷却口26Bを設ける。これら冷却口26A,26Bは、後述のバッテリー25を冷却するための空気を取り入れるためのものであり、本体カバー20に形成されている。
【0018】
さらに、運転席21の後方には、排気口27を2つ設ける。これら排気口27,27は、冷却口26A,26Bから取り入れられた空気が、車体内を通過して排気されるためのものであり、本体カバー20に形成されている。
【0019】
なお、電動ローンモワ10は、草刈りに加えて、走行も電動モータによってまかなうものであり、一対の後輪13の内側にそれぞれ走行用モータ16を備え、これら走行用モータ16によって、後輪13を駆動させる(なお、各後輪13のホイール内にそれぞれホイールモータを備えてもよい)。
【0020】
前述の2つのモアブレード駆動用モータ15および2つの走行用モータ16の電力は、同一のバッテリーから供給される。バッテリー25は、本体カバー20内で、運転席21の下方に複数備える。これは、例えば、バッテリー25を、各後輪13のアクスル間で、かつ、シャーシ11の上に(電動ローンモワ10の直進方向に対して)3つ並べて備え、それら3つのバッテリー25の前後に、これらと直角に1つずつ備えることができる。
【0021】
さらに、各後輪13の後方で、かつ、シャーシ11の下方に、走行方向と直角にバッテリー25を1つ備える。これら6つのバッテリー25は、不図示のブラケットを介してシャーシ11に取り付けられている。なお、バッテリー25は3個を直列に接続して1セットとし、この例では、これを2セット備える。
【0022】
従って、バッテリー25の数は3個であってもよい。その場合には、シャーシ11の上に(電動ローンモワ10の直進方向に対して)3つ並べるものとする。なお、バッテリー25の設置数は上述に限定されない。
【0023】
また、左後輪13のフェンダ5には、バッテリー25を充電する際にプラグを差し込むための給電口28を備える。この給電口28は、本体カバー20に蓋付の開口である。そして、給電口28には、プラグを備え、家庭の電源に接続した電気コードを差し込んで、バッテリー25を充電する。なお、バッテリー25とプラグとの間には、ACアダプタ、インバータおよび充電装置を適宜備える。
【0024】
また、例えば、バッテリー25上には、不図示の制御部が設置される。この制御部は、電動ローンモワ10の走行用モータ16を制御するものであり、左右後輪コントロールレバー22の傾動量(後述)に応じて走行用モータ16の回転方向および回転速度を制御する。また、制御部は、上述した走行用モータ16の制御に加えて、モアブレード駆動用モータ15の回転制御、さらにバッテリー25の微小な電圧の変動を補正する役割も担っている。
【0025】
なお、草刈用モータ15の回転は、走行用モータ16の回転数と連動させたり、走行用モータ16の回転数によらず草刈用モータ15の回転数を一定に維持するように制御することができる。
【0026】
すなわち、車速を速めると、モアブレード1,2の回転数も速まり、車速を落とすと、モアブレード1,1の回転数も遅くなる。そして、モアブレード1,1は、車速を有さない付近でも刈取った草の排出や刈取り性能に影響を及ぼすことのない回転を維持することができる。
【0027】
各前輪12は、それぞれシャフトを介して前輪ブラケット17に回転自在に取り付けられるとともに、この前輪ブラケット17は、車両操向方向に回動自在としてシャーシ11に取り付けられる。そして、左右前輪ブラケット17は、それぞれ独立に回動するものとする。
【0028】
左右後輪コントロールレバー22は、傾動可能に設けられ、運転者が該レバー22を前傾すると、走行用モータ16が前進方向に回転する。一方、左右後輪コントロールレバー22が後傾されると、走行用モータ16は後進方向に回転する。さらに、左右後輪コントロールレバー22の傾動度合いによって走行用モータ16の回転速度が変化する。
【0029】
すなわち、左右後輪コントロールレバー22を大きく前(後)に倒すと、走行用モータ16が前進(後進)方向により早く回転し、左右後輪コントロールレバー22を小さく前(後)に倒すと、走行用モータ16が前進(後進)方向にゆっくりと回転する。運転者は、各後輪コントロールレバー22を前後に適宜操作することで、直後進、旋回などを行うことができる。
【0030】
そして、右側の後輪コントロールレバー22の端部には、モアデッキ14内の2つのモアブレード1,2の回転をON、OFFする草刈スイッチ23を設ける。この草刈スイッチ23は、リミット型のスイッチを用い、運転者が指で押下するとONとなり、再度押下するとOFFとなる。
【0031】
また、左側のシャーシ11の略中央部には、モアデッキ14を昇降させるためのリンクバー18の一端を回動自在に取り付ける。このリンクバー18の他端は、ステー19aを介してモアデッキ14に取り付けられている。なお、ステー19aは、モアデッキ14本体に固設されている。
【0032】
また、リンクバー18は、ステー19aに対して回動自在に取り付けられている。なお、リンクバー18の回動中心は、シャーシ11との連結部である。このリンクバー18は、不図示のリンク機構を介して、モア草刈高さ調整およびモアデッキ昇降レバー24に連結されている。
【0033】
一方、モアデッキ14の前側には、別のステー19bが固設されている。このステー19bには、シャフトSの一端が回動自在に取り付けられている。シャフトSの他端は、不図示のステーを介してシャーシ11に回動自在に取り付けられている。
【0034】
従って、モア草刈高さ調整およびモアデッキ昇降レバー24を操作することで、リンクバー18が回動し、モアデッキ14を上下操作するように構成されている。
【0035】
また、図3に示すように、車体を支持するシャーシ11,11は、車体の左右両端部に配設されている。そして、前輪12と、後輪13との間であって、車体に取付けた位置での各シャーシ11,11の前部内側には、モアブレード1,1を軸支させた上述のモアデッキ14が、不図示のブラケットなどを介して取付けられている。
【0036】
なお、各モアブレード1,1は、各シャーシ11,11近傍にそれら回転軸cを位置させ、端部位置をモアデッキ14内に収めるとともに、車体左右幅の略半分の全長を有するものである。また、モアデッキ14の左右幅と、左右後輪13の左右幅とは略等しいものとされる。
【0037】
そして、このモアデッキ14上には、図4に示すように、各モアブレード駆動用モータ15,15が載置されるとともに、各モアモータ15,15の出力軸15a,15aを、それぞれのモアブレード1,1の回転軸cに直結する。そして、これらモアブレード駆動用モータ15,15は、シャーシ11,11間に取付けられた不図示のパネルにボルトなどで取付けられている。
【0038】
なお、モアモータ15,15は、バッテリー25に不図示の配線で接続されている。また、本実施例では、左右に2枚のモアブレード1,1をモアデッキ14内に配設しているが、シャーシ11,11の端部近傍への設置を含む少なくとも2枚のモアブレード1,1を備えていればよく、その設置枚数は限定されない。以上のような構成にすることで、排ガス規制や騒音を低減させ、環境に配慮した電動乗用草刈機1を提供できる。
【0039】
次に、本願発明の特徴であるモアデッキについて、その具体的構成を説明する。図5はモアデッキを上方から見た拡大斜視図、図6は左排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図、図7は右排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図、図8は後排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図、図9は左側排出口カバーの取付けを示すモアデッキ左側斜視図、図10は検出器の取付例を示すモアデッキおよび左排出口カバーの説明図、図11はモアブレードの回転方向を制御する制御ブロック図、図12は刈草排出方向の設定に対するモアブレードの回転方向を制御するフローチャート図である。
【0040】
まず、図5に示すように、モアデッキ14は、平面視略楕円の略深皿形状であり、その上面左右位置には、モアモータ15,15の設置台s,sが備えられ、それら設置台s,s中央には、出力軸15a,15aを貫通させる穴部15b,15bが形成されている。なお、図5〜9のモアデッキ14は、説明の便宜上、モアブレード1,1およびモアモータ15,15を取外して示したものである。
【0041】
このモアデッキ14の周面r(外周部分)は、これら2枚のモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向のモアデッキ14の周面rを、車両進行方向に対して左側部と、右側部とに切り取って、それぞれ左側排出口31、右側排出口32を形成するとともに、2つのモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側部に位置するモアデッキ14の周面rを切り取って後側排出口33を形成し、左側排出口31、右側排出口32、後側排出口33のそれぞれを覆う左側排出口カバー34、右側排出口カバー35、後側排出口カバー36を着脱自在に設ける。
【0042】
従って、モアデッキ14の周面rにおいて、図6に示すように左側排出口カバー34のみを取外した場合には、刈草の排出方向を車両左側方とし、図7に示すように右側排出口カバー35のみを取外した場合には、刈草の排出方向を車両右側方とするとともに、図8に示すように後側排出口カバー36のみを取外した場合には、刈草の排出方向を車両後方に選択することができる。さらに、全ての排出口カバー34,35,36を取付けた図5に示す状態では、刈草の排出方向を車両下方(マルチ作業)にすることができる。
【0043】
このような構成にすることで、3分割したモアデッキ14周面rの各排出口カバー34,35,36を着脱させて、モアデッキ14内における刈草の排出方向を、これら排出口カバーの1つを装着しない周面r方向とし、この排出方向は、車両の左側、右側、後側、あるいは下方(マルチ作業)のいずれか任意に容易に設定することができる。
【0044】
これら左側排出口カバー34、右側排出口カバー35、後側排出口カバー36は、図9に例示する左側排出口カバー34のように、それぞれの上端部を、モアデッキ14に上から重ね合わせ可能な、側面視略L字形状とし、それら各排出口カバー34,35,36と、モアデッキ14上面との重ね合わせ部分pを、ボルトなどの固定具b(図例では各排出口カバーにつき2箇所を記したが、1箇所または3箇所以上であってもよい)で各排出口カバー34,35,36を着脱自在に設ける。
【0045】
また、後側排出口カバー36の下面には、整流板40が後側排出口カバー36と一体的に設けられており、モアデッキ14に対して後側排出口カバー36を上述のように着脱した際には、整流板40も後側排出口カバー36とともに着脱される。なお、整流板40は、周知のように、モアブレード1,1の回転に伴うモアデッキ14内の気流方向を整えて、モアブレード1,1の回転を円滑にするものである。
【0046】
また、モアデッキ14側の各排出口カバー34,35,36の重ね合わせ部分pには、各排出口カバー34,35,36を載置(設置)した場合に、それぞれの存在を検出するリミットスイッチなどの検出器37,38,39を設置する。
【0047】
従って、図10に示すように、例えば、各排出口カバー34,35,36を、モアデッキ14側の重ね合わせ部分pに設置することで、各排出口カバー34,35,36の裏面が、モアデッキ14側の重ね合わせ部分pから突出する検出器37の突出部37aと接触押圧(検出器37本体内に押入)などすることで、各排出口カバー34,35,36の設置を検出する構成とされる。
【0048】
これら検出器37は、図11に示すように、車両内の適宜位置に設置した制御部Cに接続されるとともに、この制御部Cには、それぞれモアブレード1,1を回転させるモアモータ15,15を接続する。
【0049】
ここで、刈草排出方向の設定に対するモアブレード1,1の回転方向制御を、図12を用いて説明する。まず、制御部Cは、各検出器37,38,39の検出情報に基づいて、例えば、ステップs1において、検出器38,39の検出情報が得られた場合には、排出口カバー35,36の装着により左排出口を形成した刈草の排出方向を車両左側方とするため、モアブレード1,1が平面視時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0050】
次に、制御部Cは、ステップs1での検出器38,39の検出情報が得られず、ステップs2において、検出器37,39の検出情報が得られた場合には、排出口カバー34,36の装着により右側排出口を形成した刈草の排出方向を車両右側方とするため、モアブレード1,1が平面視反時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0051】
次に、制御部Cは、ステップs2での検出器37,39の検出情報が得られず、ステップs3において、検出器37,38の検出情報が得られた場合には、排出口カバー34,35の装着により後側排出口を形成した刈草の排出方向を車両後方とするため、平面視左側のモアブレード1が平面視時計方向に回転するとともに、平面視右側のモアブレード1が平面視反時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0052】
さらに制御部Cは、ステップs3での検出器37,38の検出情報が得られず、ステップs4において、全ての検出器37,38,39から検出情報が得られた場合には、全ての排出口カバー34,35,36の装着により刈草の排出方向を車両下側とするため、平面視左側のモアブレード1が平面視反時計方向に回転するとともに、平面視右側のモアブレード1が平面視時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0053】
以上のような構成にすることで、モアデッキ14に排出口カバー34,35,36を簡単な構成で安定的に着脱できるとともに、モアデッキ14周面rにおける排出口カバー34,35,36の装着状況により、作業者がモアブレード14の回転方向をその都度設定操作しなくても、制御部Cによって自動的にモアモータ15,15の回転方向を、モアデッキ14内の刈草が排出方向に向かわせるモアブレード1,1の回転方向にすることができる。
【0054】
なお、モアブレード1,1は、上述の図4に示したように、回転軸cを中心として両回転方向の前端面(両面)となる刈取位置に刈刃K1,K2を形成したものである。つまり、刈刃K1の反対面に刈刃K2を形成した両刃構成とされる。
【0055】
このような構成により、モアデッキ14内の刈草を排出方向に向かわせるためにモアブレード1,1の回転方向を反転させても、その反転した回転方向のモアブレード1,1に刈刃を有するため、排出方向の変更に伴いモアブレード1,1の付け替えなどが必要なく、排出方向の変更を迅速に行うことができる。
【0056】
以上詳述したように、この例の電動乗用草刈機1は、回転して草を刈る2枚のモアブレード1,1と、これら2枚のモアブレード1,1を上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキ14と、このモアデッキ14上に配置され、2枚のモアブレード1,1のそれぞれの回転軸cに取り付けられた2枚のモアモータ15,15とを備え、これら2枚のモアモータ15,15の回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、2枚のモアブレード1,1を機体の略幅方向に水平に並べて配置し、これら2枚のモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向のモアデッキ14の周面rを切り取って左側排出口31、右側排出口32を形成するとともに、2枚のモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置するモアデッキ14の周面rを切り取って後側排出口33を形成し、左側排出口31、右側排出口32、後側排出口33のそれぞれを覆う左側排出口カバー34、右側排出口カバー35、後側排出口カバー36を着脱自在に設けるものである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
なお、上述の例では、自走式の電動乗用草刈機1について説明したが、本発明はこれに限定されず、手押し式草刈機など草刈機全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 モアブレード
14 モアデッキ
15 モアモータ
31 左側排出口
32 右側排出口
33 後側排出口
34 左側排出口カバー
35 右側排出口カバー
36 後側排出口カバー
37〜39 検出器
C 制御部
b ボルト
p 重ね合わせ部分
r 周面
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行およびモアブレードの回転をモータの駆動力で賄う自走式の電動乗用草刈機に関し、より詳細には、モアデッキ周面の開口位置を任意に設定し、モアデッキ内のモアブレードによって刈り取った草の機外への排出方向を制御した自走式の電動乗用草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乗用草刈機には、例えば、原動機の動力により車両の走行およびモアブレードを回転させて草刈作業を行わせるものであって、モアデッキ内に複数枚のモアブレードを反転可能に設置し、それら回転方向を切り換えることで、刈草を、刈取り後方への掻き込むリアディスチャージ作業と、モアデッキ内に溜めつつモアブレードによりさらに細かく裁断し、刈取面に落下放置するマルチ作業とに選択できるもの(特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−32号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような乗用草刈機では、刈草を車両後方へのリアディスチャージ作業と、刈取面へのマルチ作業とにしか操作することができず、刈草の排出方向の選択性が少なく作業性が悪く、さらにモアブレードは、原動機の動力をギアやベルトなどの機械式リンク手段によりモアブレードに伝達しているため、モアブレードを反転可能に設けるためにはその構成が複雑となり、生産性やメンテナンス性が悪い。加えて、近年、環境問題が重視される中で、上記のような車体に内燃機関としてのエンジンおよび発電機を搭載した車両では、排ガス規制や騒音を低減させることができない。
そこで、この発明の目的は、刈草排出方向の選択幅を増やすとともに、簡単な構成でモアブレードの回転方向を刈草排出方向に切換可能として作業性を向上させ、さらに環境に配慮した自走式の電動乗用草刈機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、請求項1に記載の発明は、回転して草を刈る2つのモアブレードと、該2つのモアブレードを上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキと、該モアデッキ上に配置され、前記2つのモアブレードのそれぞれの回転軸に取り付けられた2つのモアモータとを備え、該2つのモアモータの回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、前記2つのモアブレードを機体の略幅方向に水平に並べて配置し、該2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向の前記モアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、前記2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置する前記モアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、前記左側排出口、前記右側排出口、前記後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設けることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自走式の乗用草刈機において、前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーのそれぞれの上端部を、前記モアデッキに上から重ね合わせるようにして取り付け、前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの上端部が当接する前記モアデッキ上にそれぞれ検出部を備え、該検出部で前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの存在を検出するとともに、前記検出部で検出した情報に基づいて前記2つのモアモータの回転方向を変更する制御部を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2に記載の自走式の乗用草刈機において、前記モアブレードは、前記回転軸を中心として両回転方向の前端面となる刈取位置に刈刃を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、回転して草を刈る2つのモアブレードと、これら2つのモアブレードを上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキと、このモアデッキ上に配置され、2つのモアブレードのそれぞれの回転軸に取り付けられた2つのモアモータとを備え、これら2つのモアモータの回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、2つのモアブレードを機体の略幅方向に水平に並べて配置し、これら2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向のモアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置するモアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、左側排出口、右側排出口、後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設けるので、3分割したモアデッキ周面の各排出口カバーを着脱させて、モアデッキ内における刈草の排出方向を、これら排出口カバーの1つを装着しない周面方向とし、この排出方向は、車両の左側、右側、後側、あるいは下方(マルチ作業)のいずれか任意に設定することができる。従って、刈草排出方向の選択幅を増やし、草刈り作業の効率を向上させた自走式の電動乗用草刈機を提供することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーのそれぞれの上端部を、モアデッキに上から重ね合わせるようにして取り付け、左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーの上端部が当接するモアデッキ上にそれぞれ検出部を備え、この検出部で左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーの存在を検出するとともに、検出部で検出した情報に基づいて2つのモアモータの回転方向を変更する制御部を備えるので、モアデッキに排出口カバーを簡単な構成で安定的に着脱できるとともに、モアデッキ周面における排出口カバーの装着状況により、作業者がモアブレードの回転方向をその都度設定操作しなくても、自動的にモアモータの回転方向を、モアデッキ内の刈草が排出方向に向かわせるモアブレードの回転方向にすることができる。従って、簡単な構成でモアブレードの回転方向を刈草排出方向に切換可能とし、作業性を向上させた自走式の電動乗用草刈機を提供することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、モアブレードは、回転軸を中心として両回転方向の前端面となる刈取位置に刈刃を形成したので、モアデッキ内の刈草を排出方向に向かわせるためにモアブレードの回転方向を反転させても、その反転した回転方向のモアブレードに刈刃を有するため、排出方向の変更に伴いモアブレードの付け替えなどが必要なく、排出方向の変更を迅速に行うことができる。従って、作業性を向上させた自走式の電動乗用草刈機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一例を示す、自走式の電動乗用草刈機の平面図である。
【図2】自走式の電動乗用草刈機の左側面図である。
【図3】シャーシ、モアブレード駆動用モータおよびモアブレードの配設位置を説明する、電動乗用草刈機の平面模式図である。
【図4】モアブレードの回転軸芯に連結させたモアブレード駆動用モータを示す斜視図である。
【図5】モアデッキを上方から見た拡大斜視図である。
【図6】左排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図である。
【図7】右排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図である。
【図8】後排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図である。
【図9】左側排出口カバーの取付けを示すモアデッキ左側斜視図である。
【図10】検出器の取付例を示すモアデッキおよび左排出口カバーの説明図である。
【図11】モアブレードの回転方向を制御する制御ブロック図である。
【図12】刈草排出方向の設定に対するモアブレードの回転方向を制御するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。図1は本発明の一例を示す、自走式の電動乗用草刈機の平面図、図2は電動乗用草刈機の左側面図、図3はシャーシ、モアブレード駆動用モータおよびモアブレードの配設位置を説明する、電動乗用草刈機の平面模式図、図4はモアブレードの回転軸芯に連結させたモアモータを示す斜視図である。この電動乗用草刈機1は、左右一対のフレーム状のシャーシ11,11と、該シャーシ11,11前後のそれぞれ下方に、一対の前輪12と、一対の後輪13(駆動輪)とを備える。
【0013】
また、前輪12と、後輪13との間には、モアデッキ14を備える。このモアデッキ14は、略楕円状の縁のある皿型で、皿の底面を上にし、その短径方向を(電動ローンモワ10の直進方向より)やや右側に傾けて設けられる。このような構成により、後述するモアブレード1の刈取面の一部をオーバーラップさせ、刈残しを防止することができる。
【0014】
さらに、モアデッキ14の内側には、後述する2枚の左右モアブレード(草刈刃)1,1が、それらスピンドル軸を機体前後方向にずらして機体の略幅方向に水平に並べて配置されている。従って、車両進行方向右側のモアブレード1が左側のモアブレード1よりもやや後方に設置されている。そして、このブレード1,1の回転軸芯上には、それぞれモアブレード駆動用のモアモータ15,15を取付ける。
【0015】
また、シャーシ11,11上には、前部のフロア4および後部のフェンダ5から構成される前低後高の本体カバー20を覆設するとともに、フェンダ5上であって、本体カバー20上における後輪13のやや前方には、運転席21が配設される。なお、フロア4は、作業者の車両乗降および運転席21に着座して車両を操縦する際の足場となるものである。なお、本体カバー20は、合成樹脂などで一体成形することができる。
【0016】
さらに、フェンダ5の前段には、電動ローンモワ10の走行系の左右後輪コントロールレバー22(速度)を左右独立設置するとともに、フェンダ5の前段には、モア草刈高さ調整およびモアデッキ昇降レバー24を備える。
【0017】
また、運転席21の左右それぞれの下方には、冷却口26A,26Aを、運転席21の前側の下方には冷却口26Bを設ける。これら冷却口26A,26Bは、後述のバッテリー25を冷却するための空気を取り入れるためのものであり、本体カバー20に形成されている。
【0018】
さらに、運転席21の後方には、排気口27を2つ設ける。これら排気口27,27は、冷却口26A,26Bから取り入れられた空気が、車体内を通過して排気されるためのものであり、本体カバー20に形成されている。
【0019】
なお、電動ローンモワ10は、草刈りに加えて、走行も電動モータによってまかなうものであり、一対の後輪13の内側にそれぞれ走行用モータ16を備え、これら走行用モータ16によって、後輪13を駆動させる(なお、各後輪13のホイール内にそれぞれホイールモータを備えてもよい)。
【0020】
前述の2つのモアブレード駆動用モータ15および2つの走行用モータ16の電力は、同一のバッテリーから供給される。バッテリー25は、本体カバー20内で、運転席21の下方に複数備える。これは、例えば、バッテリー25を、各後輪13のアクスル間で、かつ、シャーシ11の上に(電動ローンモワ10の直進方向に対して)3つ並べて備え、それら3つのバッテリー25の前後に、これらと直角に1つずつ備えることができる。
【0021】
さらに、各後輪13の後方で、かつ、シャーシ11の下方に、走行方向と直角にバッテリー25を1つ備える。これら6つのバッテリー25は、不図示のブラケットを介してシャーシ11に取り付けられている。なお、バッテリー25は3個を直列に接続して1セットとし、この例では、これを2セット備える。
【0022】
従って、バッテリー25の数は3個であってもよい。その場合には、シャーシ11の上に(電動ローンモワ10の直進方向に対して)3つ並べるものとする。なお、バッテリー25の設置数は上述に限定されない。
【0023】
また、左後輪13のフェンダ5には、バッテリー25を充電する際にプラグを差し込むための給電口28を備える。この給電口28は、本体カバー20に蓋付の開口である。そして、給電口28には、プラグを備え、家庭の電源に接続した電気コードを差し込んで、バッテリー25を充電する。なお、バッテリー25とプラグとの間には、ACアダプタ、インバータおよび充電装置を適宜備える。
【0024】
また、例えば、バッテリー25上には、不図示の制御部が設置される。この制御部は、電動ローンモワ10の走行用モータ16を制御するものであり、左右後輪コントロールレバー22の傾動量(後述)に応じて走行用モータ16の回転方向および回転速度を制御する。また、制御部は、上述した走行用モータ16の制御に加えて、モアブレード駆動用モータ15の回転制御、さらにバッテリー25の微小な電圧の変動を補正する役割も担っている。
【0025】
なお、草刈用モータ15の回転は、走行用モータ16の回転数と連動させたり、走行用モータ16の回転数によらず草刈用モータ15の回転数を一定に維持するように制御することができる。
【0026】
すなわち、車速を速めると、モアブレード1,2の回転数も速まり、車速を落とすと、モアブレード1,1の回転数も遅くなる。そして、モアブレード1,1は、車速を有さない付近でも刈取った草の排出や刈取り性能に影響を及ぼすことのない回転を維持することができる。
【0027】
各前輪12は、それぞれシャフトを介して前輪ブラケット17に回転自在に取り付けられるとともに、この前輪ブラケット17は、車両操向方向に回動自在としてシャーシ11に取り付けられる。そして、左右前輪ブラケット17は、それぞれ独立に回動するものとする。
【0028】
左右後輪コントロールレバー22は、傾動可能に設けられ、運転者が該レバー22を前傾すると、走行用モータ16が前進方向に回転する。一方、左右後輪コントロールレバー22が後傾されると、走行用モータ16は後進方向に回転する。さらに、左右後輪コントロールレバー22の傾動度合いによって走行用モータ16の回転速度が変化する。
【0029】
すなわち、左右後輪コントロールレバー22を大きく前(後)に倒すと、走行用モータ16が前進(後進)方向により早く回転し、左右後輪コントロールレバー22を小さく前(後)に倒すと、走行用モータ16が前進(後進)方向にゆっくりと回転する。運転者は、各後輪コントロールレバー22を前後に適宜操作することで、直後進、旋回などを行うことができる。
【0030】
そして、右側の後輪コントロールレバー22の端部には、モアデッキ14内の2つのモアブレード1,2の回転をON、OFFする草刈スイッチ23を設ける。この草刈スイッチ23は、リミット型のスイッチを用い、運転者が指で押下するとONとなり、再度押下するとOFFとなる。
【0031】
また、左側のシャーシ11の略中央部には、モアデッキ14を昇降させるためのリンクバー18の一端を回動自在に取り付ける。このリンクバー18の他端は、ステー19aを介してモアデッキ14に取り付けられている。なお、ステー19aは、モアデッキ14本体に固設されている。
【0032】
また、リンクバー18は、ステー19aに対して回動自在に取り付けられている。なお、リンクバー18の回動中心は、シャーシ11との連結部である。このリンクバー18は、不図示のリンク機構を介して、モア草刈高さ調整およびモアデッキ昇降レバー24に連結されている。
【0033】
一方、モアデッキ14の前側には、別のステー19bが固設されている。このステー19bには、シャフトSの一端が回動自在に取り付けられている。シャフトSの他端は、不図示のステーを介してシャーシ11に回動自在に取り付けられている。
【0034】
従って、モア草刈高さ調整およびモアデッキ昇降レバー24を操作することで、リンクバー18が回動し、モアデッキ14を上下操作するように構成されている。
【0035】
また、図3に示すように、車体を支持するシャーシ11,11は、車体の左右両端部に配設されている。そして、前輪12と、後輪13との間であって、車体に取付けた位置での各シャーシ11,11の前部内側には、モアブレード1,1を軸支させた上述のモアデッキ14が、不図示のブラケットなどを介して取付けられている。
【0036】
なお、各モアブレード1,1は、各シャーシ11,11近傍にそれら回転軸cを位置させ、端部位置をモアデッキ14内に収めるとともに、車体左右幅の略半分の全長を有するものである。また、モアデッキ14の左右幅と、左右後輪13の左右幅とは略等しいものとされる。
【0037】
そして、このモアデッキ14上には、図4に示すように、各モアブレード駆動用モータ15,15が載置されるとともに、各モアモータ15,15の出力軸15a,15aを、それぞれのモアブレード1,1の回転軸cに直結する。そして、これらモアブレード駆動用モータ15,15は、シャーシ11,11間に取付けられた不図示のパネルにボルトなどで取付けられている。
【0038】
なお、モアモータ15,15は、バッテリー25に不図示の配線で接続されている。また、本実施例では、左右に2枚のモアブレード1,1をモアデッキ14内に配設しているが、シャーシ11,11の端部近傍への設置を含む少なくとも2枚のモアブレード1,1を備えていればよく、その設置枚数は限定されない。以上のような構成にすることで、排ガス規制や騒音を低減させ、環境に配慮した電動乗用草刈機1を提供できる。
【0039】
次に、本願発明の特徴であるモアデッキについて、その具体的構成を説明する。図5はモアデッキを上方から見た拡大斜視図、図6は左排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図、図7は右排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図、図8は後排出口を有するモアデッキを下方から見た斜視図、図9は左側排出口カバーの取付けを示すモアデッキ左側斜視図、図10は検出器の取付例を示すモアデッキおよび左排出口カバーの説明図、図11はモアブレードの回転方向を制御する制御ブロック図、図12は刈草排出方向の設定に対するモアブレードの回転方向を制御するフローチャート図である。
【0040】
まず、図5に示すように、モアデッキ14は、平面視略楕円の略深皿形状であり、その上面左右位置には、モアモータ15,15の設置台s,sが備えられ、それら設置台s,s中央には、出力軸15a,15aを貫通させる穴部15b,15bが形成されている。なお、図5〜9のモアデッキ14は、説明の便宜上、モアブレード1,1およびモアモータ15,15を取外して示したものである。
【0041】
このモアデッキ14の周面r(外周部分)は、これら2枚のモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向のモアデッキ14の周面rを、車両進行方向に対して左側部と、右側部とに切り取って、それぞれ左側排出口31、右側排出口32を形成するとともに、2つのモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側部に位置するモアデッキ14の周面rを切り取って後側排出口33を形成し、左側排出口31、右側排出口32、後側排出口33のそれぞれを覆う左側排出口カバー34、右側排出口カバー35、後側排出口カバー36を着脱自在に設ける。
【0042】
従って、モアデッキ14の周面rにおいて、図6に示すように左側排出口カバー34のみを取外した場合には、刈草の排出方向を車両左側方とし、図7に示すように右側排出口カバー35のみを取外した場合には、刈草の排出方向を車両右側方とするとともに、図8に示すように後側排出口カバー36のみを取外した場合には、刈草の排出方向を車両後方に選択することができる。さらに、全ての排出口カバー34,35,36を取付けた図5に示す状態では、刈草の排出方向を車両下方(マルチ作業)にすることができる。
【0043】
このような構成にすることで、3分割したモアデッキ14周面rの各排出口カバー34,35,36を着脱させて、モアデッキ14内における刈草の排出方向を、これら排出口カバーの1つを装着しない周面r方向とし、この排出方向は、車両の左側、右側、後側、あるいは下方(マルチ作業)のいずれか任意に容易に設定することができる。
【0044】
これら左側排出口カバー34、右側排出口カバー35、後側排出口カバー36は、図9に例示する左側排出口カバー34のように、それぞれの上端部を、モアデッキ14に上から重ね合わせ可能な、側面視略L字形状とし、それら各排出口カバー34,35,36と、モアデッキ14上面との重ね合わせ部分pを、ボルトなどの固定具b(図例では各排出口カバーにつき2箇所を記したが、1箇所または3箇所以上であってもよい)で各排出口カバー34,35,36を着脱自在に設ける。
【0045】
また、後側排出口カバー36の下面には、整流板40が後側排出口カバー36と一体的に設けられており、モアデッキ14に対して後側排出口カバー36を上述のように着脱した際には、整流板40も後側排出口カバー36とともに着脱される。なお、整流板40は、周知のように、モアブレード1,1の回転に伴うモアデッキ14内の気流方向を整えて、モアブレード1,1の回転を円滑にするものである。
【0046】
また、モアデッキ14側の各排出口カバー34,35,36の重ね合わせ部分pには、各排出口カバー34,35,36を載置(設置)した場合に、それぞれの存在を検出するリミットスイッチなどの検出器37,38,39を設置する。
【0047】
従って、図10に示すように、例えば、各排出口カバー34,35,36を、モアデッキ14側の重ね合わせ部分pに設置することで、各排出口カバー34,35,36の裏面が、モアデッキ14側の重ね合わせ部分pから突出する検出器37の突出部37aと接触押圧(検出器37本体内に押入)などすることで、各排出口カバー34,35,36の設置を検出する構成とされる。
【0048】
これら検出器37は、図11に示すように、車両内の適宜位置に設置した制御部Cに接続されるとともに、この制御部Cには、それぞれモアブレード1,1を回転させるモアモータ15,15を接続する。
【0049】
ここで、刈草排出方向の設定に対するモアブレード1,1の回転方向制御を、図12を用いて説明する。まず、制御部Cは、各検出器37,38,39の検出情報に基づいて、例えば、ステップs1において、検出器38,39の検出情報が得られた場合には、排出口カバー35,36の装着により左排出口を形成した刈草の排出方向を車両左側方とするため、モアブレード1,1が平面視時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0050】
次に、制御部Cは、ステップs1での検出器38,39の検出情報が得られず、ステップs2において、検出器37,39の検出情報が得られた場合には、排出口カバー34,36の装着により右側排出口を形成した刈草の排出方向を車両右側方とするため、モアブレード1,1が平面視反時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0051】
次に、制御部Cは、ステップs2での検出器37,39の検出情報が得られず、ステップs3において、検出器37,38の検出情報が得られた場合には、排出口カバー34,35の装着により後側排出口を形成した刈草の排出方向を車両後方とするため、平面視左側のモアブレード1が平面視時計方向に回転するとともに、平面視右側のモアブレード1が平面視反時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0052】
さらに制御部Cは、ステップs3での検出器37,38の検出情報が得られず、ステップs4において、全ての検出器37,38,39から検出情報が得られた場合には、全ての排出口カバー34,35,36の装着により刈草の排出方向を車両下側とするため、平面視左側のモアブレード1が平面視反時計方向に回転するとともに、平面視右側のモアブレード1が平面視時計方向に回転するように各モアモータ15,15を駆動させる。
【0053】
以上のような構成にすることで、モアデッキ14に排出口カバー34,35,36を簡単な構成で安定的に着脱できるとともに、モアデッキ14周面rにおける排出口カバー34,35,36の装着状況により、作業者がモアブレード14の回転方向をその都度設定操作しなくても、制御部Cによって自動的にモアモータ15,15の回転方向を、モアデッキ14内の刈草が排出方向に向かわせるモアブレード1,1の回転方向にすることができる。
【0054】
なお、モアブレード1,1は、上述の図4に示したように、回転軸cを中心として両回転方向の前端面(両面)となる刈取位置に刈刃K1,K2を形成したものである。つまり、刈刃K1の反対面に刈刃K2を形成した両刃構成とされる。
【0055】
このような構成により、モアデッキ14内の刈草を排出方向に向かわせるためにモアブレード1,1の回転方向を反転させても、その反転した回転方向のモアブレード1,1に刈刃を有するため、排出方向の変更に伴いモアブレード1,1の付け替えなどが必要なく、排出方向の変更を迅速に行うことができる。
【0056】
以上詳述したように、この例の電動乗用草刈機1は、回転して草を刈る2枚のモアブレード1,1と、これら2枚のモアブレード1,1を上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキ14と、このモアデッキ14上に配置され、2枚のモアブレード1,1のそれぞれの回転軸cに取り付けられた2枚のモアモータ15,15とを備え、これら2枚のモアモータ15,15の回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、2枚のモアブレード1,1を機体の略幅方向に水平に並べて配置し、これら2枚のモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向のモアデッキ14の周面rを切り取って左側排出口31、右側排出口32を形成するとともに、2枚のモアブレード1,1の回転軸cを結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置するモアデッキ14の周面rを切り取って後側排出口33を形成し、左側排出口31、右側排出口32、後側排出口33のそれぞれを覆う左側排出口カバー34、右側排出口カバー35、後側排出口カバー36を着脱自在に設けるものである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
なお、上述の例では、自走式の電動乗用草刈機1について説明したが、本発明はこれに限定されず、手押し式草刈機など草刈機全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 モアブレード
14 モアデッキ
15 モアモータ
31 左側排出口
32 右側排出口
33 後側排出口
34 左側排出口カバー
35 右側排出口カバー
36 後側排出口カバー
37〜39 検出器
C 制御部
b ボルト
p 重ね合わせ部分
r 周面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転して草を刈る2つのモアブレードと、
該2つのモアブレードを上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキと、
該モアデッキ上に配置され、前記2つのモアブレードのそれぞれの回転軸に取り付けられた2つのモアモータとを備え、
該2つのモアモータの回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、
前記2つのモアブレードを機体の略幅方向に水平に並べて配置し、該2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向の前記モアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、前記2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置する前記モアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、
前記左側排出口、前記右側排出口、前記後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設けることを特徴とする、電動草刈機。
【請求項2】
前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーのそれぞれの上端部を、前記モアデッキに上から重ね合わせるようにして取り付け、
前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの上端部が当接する前記モアデッキ上にそれぞれ検出部を備え、
該検出部で前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの存在を検出するとともに、
前記検出部で検出した情報に基づいて前記2つのモアモータの回転方向を変更する制御部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電動草刈機。
【請求項3】
前記モアブレードは、前記回転軸を中心として両回転方向の前端面となる刈取位置に刈刃を形成したことを特徴とする、請求項1〜2に記載の電動草刈機。
【請求項1】
回転して草を刈る2つのモアブレードと、
該2つのモアブレードを上方および側方より覆う略深皿状のモアデッキと、
該モアデッキ上に配置され、前記2つのモアブレードのそれぞれの回転軸に取り付けられた2つのモアモータとを備え、
該2つのモアモータの回転方向がそれぞれ独立に変更自在であり、また、
前記2つのモアブレードを機体の略幅方向に水平に並べて配置し、該2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向の前記モアデッキの周面を切り取って左側排出口、右側排出口を形成するとともに、前記2つのモアブレードの回転軸を結ぶ方向と直交する方向で、かつ、後側に位置する前記モアデッキの周面を切り取って後側排出口を形成し、
前記左側排出口、前記右側排出口、前記後側排出口のそれぞれを覆う左側排出口カバー、右側排出口カバー、後側排出口カバーを着脱自在に設けることを特徴とする、電動草刈機。
【請求項2】
前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーのそれぞれの上端部を、前記モアデッキに上から重ね合わせるようにして取り付け、
前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの上端部が当接する前記モアデッキ上にそれぞれ検出部を備え、
該検出部で前記左側排出口カバー、前記右側排出口カバー、前記後側排出口カバーの存在を検出するとともに、
前記検出部で検出した情報に基づいて前記2つのモアモータの回転方向を変更する制御部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電動草刈機。
【請求項3】
前記モアブレードは、前記回転軸を中心として両回転方向の前端面となる刈取位置に刈刃を形成したことを特徴とする、請求項1〜2に記載の電動草刈機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−5364(P2012−5364A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141613(P2010−141613)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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