説明

電子カメラおよび表示システム

【課題】 撮影範囲の確認とともにピントの確認を行うことができ、効率のよい撮影が行えるようにする。
【解決手段】 この発明のデジタルカメラはLCDとEVFとを備えている。第3表示モードではLCDに全体画像を表示し、その中央エリアに枠を表示するとともに、EVFでその中央エリア(枠内)の画像を拡大表示する。またLCDには拡大表示アイコンを表示してEVFで拡大表示していることを撮影者に知らせる。LCDにより撮影範囲の確認が行えるとともに、オートフォーカスは中央エリアの画像をもとに行われるので、EVFによりピント確認も行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、第1表示手段および第2表示手段を備える電子カメラ、および、表示手段を備える電子カメラと、当該電子カメラと通信接続状態で当該電子カメラによる撮影画像を表示可能な表示装置とを備える表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】電子カメラにおいては、高画質化の要請を受けて、画素数は増加の一途をたどっている。その一方で、電子カメラの表示手段のサイズはカメラのサイズによる制限を受けるので限界があり、従って表示画素数にも限界がある。
【0003】このような状況の下で、表示装置でのピントの確認が困難になりつつある。たとえオートフォーカスカメラであっても、意図通りの撮影を行うためには、ピントの確認が不可欠である。
【0004】また、表示手段により拡大表示させることにより、ピントの確認を容易にするものは存在するが、そのようなものにおいては、ピント確認時に撮影範囲の確認ができないという問題があった。
【0005】一方、電子カメラにおいては、EVF(電子ビューファインダ)とLCD(液晶ディスプレイ)という2種類の表示手段を切り換えて表示するものが実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EVFとLCDとを備える電子カメラにおいて、そのうちの一方を表示させるときには他方をオフさせており、両者の使い分けに関して、充分配慮がなされてきたとは言い難かった。せっかく表示手段が複数あるのにも関わらず、ピントの確認と撮影範囲の確認とを同時に行うことができず、撮影を効率よく行うことができなかった。
【0007】この発明は、従来技術における上述の問題の克服を意図しており、撮影範囲の確認とともにピントの確認を行うことができ、効率のよい撮影が行える電子カメラおよび表示システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、撮影画像を各々表示可能な第1表示手段および第2表示手段を備える電子カメラであって、第1表示手段により撮影画像の全体を表示するとともに、第2表示手段により撮影画像中の所定エリアのみを表示する表示制御手段を備えている。
【0009】また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電子カメラであって、所定エリアが撮影画像の中央部である。
【0010】また、請求項3の発明は、請求項1に記載の電子カメラであって、第1表示手段は第2表示手段よりも表示サイズが大きい。
【0011】また、請求項4の発明は、請求項3に記載の電子カメラであって、第1表示手段が液晶ディスプレイであり、第2表示手段が電子ビューファインダである。
【0012】また、請求項5の発明は、請求項4に記載の電子カメラであって、さらに、焦点合わせを自動的に行う自動合焦手段を備え、所定エリアが自動合焦手段による自動焦点合わせ時に参照するエリアである。
【0013】また、請求項6の発明は、請求項4に記載の電子カメラであって、さらに、露出合わせを自動的に行う自動露出調整手段を備え、所定エリアが自動露出調整手段による自動露出調整時に参照するエリアである。
【0014】また、請求項7の発明は、請求項4に記載の電子カメラであって、さらに、ホワイトバランス調整を自動的に行うホワイトバランス調整手段を備え、所定エリアがホワイトバランス調整手段によるホワイトバランス時に参照するエリアである。
【0015】また、請求項8の発明は、請求項1に記載の電子カメラであって、所定エリアを変更するためのエリア変更手段を設けている。
【0016】また、請求項9の発明は、請求項8に記載の電子カメラであって、第1表示手段に対する第2表示手段の表示倍率を設定する設定部材をさらに備え、表示制御手段は、設定部材による設定値に基づいてエリア変更手段を制御している。
【0017】また、請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の電子カメラであって、カメラの電源をオフされた時に第2表示手段が表示している所定エリアに対応する終了時エリアデータを記憶するエリア記憶手段を、さらに備え、表示制御手段が、電子カメラの電源オン時に、終了時エリアデータを読み出し、終了時エリアと同じエリアを第2表示手段が表示するよう制御している。
【0018】また、請求項11の発明は、請求項1に記載の電子カメラであって、さらに、第1表示手段に所定エリアに対応する枠を表示する枠表示手段を備えている。
【0019】また、請求項12の発明は、請求項1に記載の電子カメラであって、さらに、第2表示手段により所定エリアのみを表示していることを知らせる報知画像を第1表示手段および第2表示手段の少なくとも一方に表示する報知画像表示手段を備えている。
【0020】また、請求項13の発明は、請求項1に記載の電子カメラであって、さらに、第1表示手段における画像表示をオフする操作部材を備え、操作部材によって第1表示手段における画像表示をオフされた時には、表示制御手段は第2表示手段により撮影画像全体を表示している。
【0021】また、請求項14の発明は、表示手段を備える電子カメラと、当該電子カメラと接続状態で当該電子カメラによる撮影画像を表示可能な表示装置とを備える表示システムであって、電子カメラが、さらに、表示手段および表示装置のうち、一方で表示されている画像を他方で拡大表示するよう制御する制御手段を備えている。
【0022】また、請求項15の発明は、請求項14に記載に表示システムであって、制御手段が、表示手段に表示されている画像を表示装置に拡大表示している。
【0023】さらに、請求項16の発明は、請求項15に記載の表示システムであって、制御手段が、表示装置に表示されている画像を表示手段に拡大表示している。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0025】<1.第1の実施の形態><デジタルカメラの要部構成>図1〜図3は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1A(1B)の要部構成を示す図であり、図1は平面図、図2は図1のII−II位置から見た断面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1Aの要部構成を概念的に例示することを主眼としている。
【0026】これらの図に示すように、デジタルカメラ1Aは、略直方体状のカメラ本体部2と撮像部3とに大別される構造である。
【0027】撮像部3は、撮影レンズであるマクロ機能付きレンズ群30の後方位置の適所にCCDカラーエリアセンサ303を有する撮像回路302が設けられている。また、このレンズ群30は、ズームレンズ300と合焦レンズ301とを備えている。
【0028】一方、カメラ本体部2の内部には、ズームレンズ300のズーム比の変更と収容位置、撮影位置間のレンズ移動を行うためのズーム用のモータM1、および合焦レンズ301を駆動して合焦を行うためのモータM2とが設けられている。
【0029】カメラ本体部2の前面には、グリップ部Gが設けられ、カメラ本体部2上端部の適所にポップアップ形式の内蔵フラッシュ5が設けられている。また、カメラ本体部2の上面にはシャッタボタン9が設けられている。
【0030】一方、図3に示すように、カメラ本体部2の背面には、略中央に撮影画像のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行なうための液晶ディスプレイ(LCD)10と電子ビューファインダ(EVF)20とが設けられている。LCD10の大きさは横4cm、縦3cmのサイズである。またEVF20は、横1.2cm縦0.9cmの液晶ディスプレイを接眼レンズにて拡大表示するものである。このLCD10およびEVF20では、カラーで画像表示が行われる。また、カメラ本体部2の背面には、「撮影モード」と「再生モード」とを切換設定する撮影/再生モード設定スイッチ14が設けられている。撮影モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード8に記録された撮影画像をLCD10に再生表示するモードである。なお、撮影/再生モード設定スイッチ14は上下方向にスライド可能となっており、上側に位置すると撮影モード、下側に位置すると再生モードになるがそれらの真ん中に位置させると電源オフさせることができるものとなっている。
【0031】デジタルカメラ1Aの背面右方には、4連スイッチ35が設けられており、ボタンL、Rを押すことにより、モータM1が駆動しズーミングを行い、その他、ボタンU、D、L、Rで後述する各種操作を行う。
【0032】また、カメラ本体部2の背面には、LCDボタン31、確定ボタン32、取消ボタン33、およびメニューボタン34が設けられている。このLCDボタン31は、LCD表示またはEVF表示をオンオフさせるためのボタンであり、LCDボタン31を押す毎にLCD表示およびEVF表示の表示モードが切り替わる(後で詳述)。
【0033】また、カメラ本体部2の側面には、外部モニタ端子222が設けられている。この外部モニタ端子222は、デジタルカメラ1Aから外部モニタ223に画像データなどを伝送するための端子である。
【0034】図1に示すように、デジタルカメラ1Aはメモリカード8が装着されるようになっている。また、デジタルカメラ1Aは、4本の単三形乾電池E1〜E4を直列接続してなる電源電池Eを駆動源としている。
【0035】<デジタルカメラ1Aの機能ブロック>図4は、デジタルカメラ1Aの機能ブロック図である。同図において、CCD303は、レンズ群30により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ314は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0036】撮像部3における露出制御は、絞り制御ドライバ306によるレンズ群30の絞りと、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。すなわち、低輝度時は、シャッタスピードとゲイン調整とを組み合わせて露出制御が行なわれる。画像信号のレベル調整は、信号処理回路313内のAGC回路のゲイン調整において行なわれる。
【0037】タイミングジェネレータ314は、タイミング制御回路202から送信される基準クロック基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ314は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0038】信号処理回路313は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理回路313は、CDS(相関二重サンプリング)回路とAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズの低減を行ない、AGC回路のゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行なう。
【0039】調光回路304は、フラッシュ撮影における内蔵フラッシュ5の発光量を全体制御部211Aにより設定された所定の発光量に制御するものである。フラッシュ撮影においては、露出開始と同時に被写体からのフラッシュ光の反射光が調光センサ305により受光され、この受光量が所定の発光量に達すると、調光回路304から発光停止信号が出力され、この発光停止信号に応答して内蔵フラッシュ5の発光を強制的に停止し、これにより内蔵フラッシュ5の発光量が所定の発光量に制御される。
【0040】A/D変換器205は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、タイミング発生回路から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。
【0041】タイミングジェネレータ314、A/D変換器205に対するクロックを生成するタイミング制御回路202が設けられている。タイミング制御回路202は、全体制御部211A内の基準クロックにより制御される。
【0042】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号の黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。また、WB(ホワイトバランス)回路207は、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。WB回路207は、全体制御部211Aから入力されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分の変換係数(特性の傾き)(以下「WBパラメータ」という)は全体制御部211Aにより、オートまたはマニュアルで、撮影画像毎に設定される。
【0043】γ補正回路208は、画素データの階調を補正するものである。γ補正回路208では、一般パーソナルコンピュータ用のモニタが有するγ特性に対応した補正が行れることとなる。
【0044】画像メモリ209は、γ補正回路208から出力される画素データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303画素数に対応する1600×1200画素分の画素データの記憶容量を有し、各画素データが対応する画素位置に記憶されるようになっている。
【0045】VRAM210は、LCD10に表示される画像データのバッファメモリである。VRAM210は、LCD10の画素数(400×300)に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0046】VRAM220は、EVF20に表示される画像データのバッファメモリである。VRAM220は、EVF20の画素数(640×480)に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0047】また、撮影待機状態においては、撮像部3により1/30秒毎に撮像された画像の各画素データがA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、画像メモリ209に一時記憶されるとともに、全体制御部211Aを介してVRAM210、VRAM220に転送され、LCD10やEVF20に表示される(ライブビュー表示)。
【0048】これによって、ユーザは被写体像を視認することができる。また、再生モードにおいては、メモリカード8から読み出された画像が全体制御部211Aで所定の信号処理が施された後、VRAM210に転送され、LCD10に再生表示される。EVF20でも同様の表示が行われる。
【0049】カードI/F212は、メモリカード8への画像データの書込み及び画像データの読出しを行なうためのインターフィースである。また、通信用I/F224は、パーソナルコンピュータ225を通信可能に外部接続するための、例えばUSB規格に準拠したインターフェースである。このカードI/F212、通信用I/F224を介して、メモリカード8やCD−ROM226などの記録媒体に記録している制御プログラムを、全体制御部211A内に取り込むことができる。
【0050】RTC219は、撮影日時を管理するするための時計回路である。図示しない別の電源で駆動される。
【0051】操作部250は、上述したシャッタボタン9、LCDボタン31、確定ボタン32などの各種スイッチ、ボタンなどで構成されている。
【0052】シャッタボタン9は、銀塩カメラで採用されているような半押し状態と押し込んだ状態とが検出可能な2段階スイッチになっている。待機状態でシャッタボタン9を半押し状態にすると、オートフォーカス(AF)、自動露出調整(AE)、ホワイトバランス調整(WB)が後述のようにして全体制御部211Aの制御のもとに行われる。
【0053】NTSC変換器221は、VRAM220に格納される画像信号を、NTSC方式に信号変換を行い、EVF20と、外部モニタ端子222を介して外部モニタ223とに転送する。従って、外部モニタ223を外部モニタ端子に接続した状態では、EVF20と同一の画面が表示される。
【0054】全体制御部211Aは、DRAMからなるワークRAM211a、フラッシュROM211bを内蔵したマイクロコンピュータからなり、上述したカメラの各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1Aの撮影動作を統括制御するものである。
【0055】図5は、全体制御部211A内のCPUやメモリの全体によって実現される内部機能を示すブロック図である。この全体制御部211Aは表示制御部211cを備えており、表示制御部211cは撮影モードにおいて、後述するモード設定値に基づき、第0〜第4表示モードのそれぞれに応じたLCD10およびEVF20の表示制御を行う。また、表示制御部211cはデジタルカメラ1Aの電源オフ時にはモード設定値s、EVF表示倍率m等をフラッシュROM211bに格納したり、逆にデジタルカメラ1Aの電源オン時には、前回電源オフ時のモード設定値s、EVF表示倍率m等をフラッシュROM211bから読み出し、それに応じて、前回電源オフ時の表示モードおよび倍率でLCD10およびEVF20の表示制御を行う。
【0056】また、表示制御部211cは画素数変更処理部211c1、枠表示部211c2、アイコン表示部211c3を備えている。
【0057】EVF20においてLCD10の中央エリアを拡大表示する第3表示モード(後述)において、画素数変更処理部211c1は、後述する間引き(補間)処理を行った画像データをワークRAM211aおよびVRAM220に格納することによって、EVF20によって画像の中央エリアを拡大した拡大画像を表示する。
【0058】枠表示部211c2はその第3表示モードにおけるEVF20に表示された範囲を示す枠(後述)の画像をLCD10に表示させるよう、画像メモリ209から読み出した画像データに枠画像を合成してVRAM210に書き込む。
【0059】アイコン表示部211c3は第3表示モードにおいてEVF20で画像の中央エリアを拡大表示していることを示す拡大表示アイコン(後述)をLCD10に表示する画像データに合成して、VRAM210に書き込む。
【0060】また、表示制御部211cにはAF制御部211d、AE制御部211e、WB制御部211fが接続され(図示省略)ており、撮影モードにおいてシャッタボタン9が半押し状態にされると、表示制御部211cはそれらを制御することにより、後述する第0〜第2および第4表示モードにおいては画像メモリ209の画像データを参照させ、第3表示モードにおいてはワークRAM211aの画像データを参照してそれぞれAF、WB、AEを行うよう制御する。
【0061】AF制御部211dは画像メモリ209またはワークRAM211a内に記憶された画像データを読み出し、その画像のコントラストが最大となるようにモータM1,M2を駆動してレンズを移動させ、焦点合わせを行う。その際、コントラストが最大となるようにするための制御方法としては山登り方式等の公知の技術を用いることができる。
【0062】AE制御部211eは、内部に露出制御値(シャッタスピード(SS)と絞り値)を設定するための輝度判定部211e1と露光量設定部211e2とを備え、輝度判定部211で画像メモリ209またはワークRAM211aに記憶された画像データから輝度を求め、それをもとに露光量設定部が絞り制御ドライバ306およびタイミング制御回路202に適した絞り値やSSを設定することにより露出調整を行う。
【0063】WB制御部211fは画像メモリ209またはワークRAM211aに記憶された画像データからWBパラメータを求め、そのWBパラメータをWB回路に設定する。それによりWB回路がCCD303で得られた画像データに対してWB処理を行う。
【0064】さらに、全体制御部211Aは、上記撮影画像の記録処理を行なうために、フィルタリング処理を行なうフィルタ部211gと、サムネイル画像及び圧縮画像を生成する記録画像生成部211hとを備え、メモリカード8に記録された画像をLCD10やEVF20に再生するために、再生画像を生成する再生画像生成部211iを備えている。
【0065】上記のフィルタ部211gは、デジタルフィルタにより記録すべき画像の高周波成分を補正して輪郭に関する画質の補正を行なうものである。
【0066】記録画像生成部211hは、画像メモリ209から画素データを読み出してメモリカード8に記録すべきサムネイル画像と圧縮画像とを生成する。記録画像生成部211hは、画像メモリ209から横方向と縦方向の両方向でそれぞれ8画素毎に画素データを読み出し、順次、メモリカード8に転送することで、サムネイル画像を生成しつつメモリカード8に記録する。
【0067】また、記録画像生成部211hは、画像メモリ209から全画素データを読み出し、これらの画素データに2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式による所定の圧縮処理を施して圧縮画像の画像データを生成し、この圧縮画像データをメモリカード8の本画像エリアに記録する。
【0068】全体制御部211Aは、撮影モードにおいて、シャッタボタン9により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ209に取り込まれた画像のサムネイル画像と設定された圧縮率によりJPEG方式により圧縮された圧縮画像とを生成し、撮影画像に関するタグ情報(コマ番号、露出値、シャッタスピード、圧縮率、撮影日、撮影時のフラッシュのオンオフのデータ、シーン情報、画像の判定結果等)等の情報とともに両画像をメモリカード8に記憶する。
【0069】デジタルカメラ1Aによって記録された画像の各コマはタグの部分とJPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ((1600×1200)画素)とサムネイル表示用の画像データ(80×60)画素)が記録されている。
【0070】撮影/再生モード設定スイッチ14を再生モードに設定したときには、メモリカード8内のコマ番号の最も大きな画像データが読み出され、再生画像生成部211iにて、データ伸張され、VRAM210、220に転送されることにより、LCD10やEVF20には、コマ番号の最も大きな画像すなわち直近に撮影された画像が表示される。ボタンUを操作することにより、コマ番号の大きな画像が表示され、ボタンDを押すことによりコマ番号の小さな画像が表示される。
【0071】図6はメモリカード8のデータ配列を示す図である。メモリカード8は、図6に示すように、デジタルカメラ1Aによって記憶された画像を、圧縮率1/20で230コマの画像分記憶可能であり、各コマは、タグ情報の部分と、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像信号(640×480画素)とサムネイル表示用の画像信号(80×60画素)が記録されている。各コマ単位で、例えばEXIF形式の画像ファイルとして扱うことが可能である。
【0072】<撮影モードにおける表示制御>以下、この実施の形態に係るデジタルカメラ1Aの撮影モードにおける表示制御について説明する。
【0073】このデジタルカメラ1Aを撮影モードにした状態で電源オンすると、まず初期設定の処理を行う。図7は電源オン時における初期設定の処理手順を示すフローチャートである。この処理は表示制御部211cが行う。
【0074】まず、前回電源オフ時のモード設定値sをフラッシュROM211bから読込む(図7:ステップS1)。ここで、モード設定値とは撮影モードにおけるEVF20およびLCD10の表示モードを指定する値であり、このデジタルカメラ1Aでは、モード設定値sが「0」〜「4」の値を採るものとなっている。なお、以下においてモード設定値sが「0」〜「4」の値を採る表示モードをそれぞれ、第0表示モード〜第4表示モードと呼ぶ。第0表示モード〜第4表示モードにおけるEVF20およびLCD10の表示状態は表1のようになっている。
【0075】
【表1】


【0076】ここで、EVF表示倍率mはEVF20に表示された画像のLCD10に表示された画像に対する表示倍率を表わす。
【0077】モード設定値s=0(第0表示モード)は、EVF20がライブビュー表示(m=1)を行い、LCD10がオフとなる表示モードである。
【0078】モード設定値s=1(第1表示モード)は、EVF20がオフで、LCD10がライブビュー表示を行う表示モードである。
【0079】モード設定値s=2(第2表示モード)は、EVF20がライブビュー表示(m=1)を行い、LCD10がライブビュー表示を行う表示モードである。
【0080】モード設定値s=3(第3表示モード)は、EVF20がライブビュー表示(中央エリア拡大表示、EVF表示倍率mを設定値にする)を行い、LCD10がライブビュー表示(EVF20の表示エリア枠をつけて表示する)を行う表示モードである。
【0081】モード設定値s=4(第4表示モード)は、EVF20がライブビュー表示(m=1)を行い、LCD10が撮影モードの設定状態に関する情報であるカメラステータスを表示する表示モードである。
【0082】つぎに、モード設定値sが「3」か、否かについて判定し(図7:ステップS2)、「3」の場合はステップS3に進み、そうでなければステップS4に進む。
【0083】モード設定値s=3の場合には、フラッシュROM211bに記憶されていた前回電源オフ時のEVF表示倍率m(このデータが終了時エリアデータに相当)を読み込む(図7:ステップS3)。
【0084】つぎに、LCD10およびEVF20の表示(または非表示)を設定に基づいて実際に制御する(図7:ステップS4)。
【0085】以上で電源オン時の初期設定処理を終了する。このように、この実施の形態のデジタルカメラ1Aでは前回電源オフ時の表示モードおよびEVF表示倍率でEVF20の表示を行うので、EVF20により表示される全体画像中の領域(エリア)は前回電源オフ時と同じになる。
【0086】つぎに、表示モード切り替え制御について説明する。図8は表示モード切り替え制御処理の手順を示すフローチャートである。このデジタルカメラ1AではLCDボタン31を押す毎に、表示モードが切り替わるよう、そのたび毎にモード設定値が「1」加算され、「5」になると「0」に戻る制御を表示制御部211cが行っている。
【0087】まず、LCDボタン31が押されたか、否かの判定を行い(図8:ステップS11)、押されていなければ表示モード切り替え制御処理を終了し、押されていれば次のステップに進む。
【0088】つぎに、モード設定値sに「1」を加算する(図8:ステップS12)。
【0089】つぎに、モード設定値s=5か、否かの判定を行い(図8:ステップS13)、「5」でなければ表示モード切り替え制御処理を終了し、そうでなければ次のステップに進む。
【0090】つぎに、モード設定値sを「0」とする(図8:ステップS14)。
【0091】以上で表示モード切り替え制御処理を終了する。
【0092】このように、このデジタルカメラ1AではLCD10とEVF20で様々な表示を行うことができるが、撮影画像データの画素数と、LCD10の画素数と、EVF20の画素数とでは画素数が異なっている。そのため、EVF20やLCD10で画像を表示するためには画像データの間引きまたは補間処理を行う必要がある。そのため、画素数変更処理部211c1は画像メモリ中の画像データを読み出して、データの間引き(補間)処理を行う。以下、EVF20とLCD10の表示画像データの間引き処理について説明する。なお、この間引き(補間)処理は表示制御部211c内の画素数変更処理部211c1において行われる。
【0093】EVF20における拡大表示を行わないときには、画像メモリ209内の、1600×1200画素の画像データに対して1/4(4画素中1画素のみを残し、他を削除する)の間引き処理を施し、400×300画素の画像データとして、VRAM210に格納することにより、その画像がLCD10に表示される。また、画像メモリ209内の、1600×1200画素の画像データに対して2/5の間引き(5画素中2画素のみを残し、他を削除する)処理を施し、640×480画素の画像データとして、VRAM220に格納することにより、その画像データがEVF20に表示される。
【0094】つぎに、モード設定値s=3(第3表示モード)、すなわち、EVF20でLCD10の表示の中央部(中央エリア)を拡大表示する際の、画像データの補間または間引き処理について説明する。
【0095】図9は第3表示モードにおける(a)LCD10による表示画面と、(b)その中央エリアを2倍に拡大したEVF20の表示画面とを示す図である。この実施の形態に係るデジタルカメラ1AではLCD10は400×300画素を有しており、EVF20は640×480画素を有している。EVF20で拡大表示を行う場合には、LCD10は全体画像を表示するとともに、その中央のEVF20の表示範囲に対応する中央エリアCAにその範囲を囲む枠Fの画像を重ねて表示する。具体的には、VRAM210における中央エリアに相当するInt(400/m)×Int(300/m)画素の領域の周囲に枠Fの画像データを書き込むことにより、枠Fの表示を行う。なお、Int(a)は数値aの整数部分を表わす関数である。
【0096】さらに、LCD10は拡大表示モード(モード設定値s=3)である旨の拡大表示アイコンLIを画面右上に表示する。そのため、画像中の右上に対応するVRAM210の領域に拡大表示アイコンの画像データを書き込む。
【0097】また、EVF20に拡大画像を表示するために、画像メモリ209の1600×1200画素の画像データに対して中央部Int(1600/m)×Int(1200/m)画素のみの領域の画像データをワークRAM211aに展開する。そして、ワークRAM211aのデータに対して2/5mの間引き(または補間)処理を行いVRAM220に転送する。なお、このときワークRAM211aに展開された画像データに対して前述のようにAF制御部211d、AE制御部211e、WB制御部211fがそれぞれAF制御、AE制御、WB制御を行う。
【0098】また、撮影者がEVF表示倍率mを変更すると、上記のような処理により中央エリアの範囲が変わり(中央エリアCA2等となり)、枠の大きさも変わり(枠F2等となり)、それに応じてEVF20の表示範囲が変わるものとなっている。
【0099】つぎに、表示倍率設定処理について説明する。表示倍率を変更する際には撮影者はボタンLとボタンRを押すことでEVF20による表示倍率を変更することができる。そのため、表示制御部211cは、ボタンLを押すと1ステップ(0.1単位で)mの値を減少させ、ボタンRを押すと1ステップ(0.1単位で)mの値を増加させる。ただし、mの設定範囲は1以上10以下とし、範囲外の値になるとEVF表示倍率mは変化しないものとする。以下、処理手順を説明する。
【0100】図10は表示倍率設定処理手順を示すフローチャートである。この処理も特に断らない限り表示制御部211cが行う。
【0101】まず、ボタンLが押されたか、否かの判定を行い(図10:ステップS21)、押されていなければステップS24に進み、押されていれば次のステップに進む。
【0102】つぎに、EVF表示倍率m=1か、否かの判定を行い(図10:ステップS22)、押されていればステップS24に進み、押されていなければ次のステップに進む。
【0103】つぎに、EVF表示倍率mを「0.1」減算する(図10:ステップS23)。
【0104】つぎに、ボタンRが押されたか、否かの判定を行い(図10:ステップS24)、押されていれば次のステップに進み、押されていなければステップS27へ進む。
【0105】つぎに、EVF表示倍率mが「10」か、否かの判定を行い(図10:ステップS25)、「10」であればステップS27に進み、そうでなければ次のステップに進む。
【0106】つぎに、EVF表示倍率mに「0.1」加算する(図10:ステップS26)。
【0107】つぎに、画素数変更処理部211c1が画像メモリ209のデータに対して2/5mの間引き(補間)処理を行いVRAM220に転送する(図10:ステップS27)。
【0108】つぎに、EVF表示倍率mが「1」か、否かの判定を行い(図10:ステップS28)、「1」であれば次のステップに進み、そうでなければステップS30に進む。
【0109】つぎに、VRAM210に記憶された画像データに対して、枠表示部211c2が枠の画像データを、アイコン表示部211c3が拡大表示アイコンの画像データをそれぞれ書き込み(図10:ステップS29)、表示倍率設定処理を終了する。
【0110】逆に、ステップS28の判定でEVF表示倍率mが「1」であると判定された場合には、枠および拡大表示アイコンを表示しているか、否かの判定を行い(図10:ステップS30)、表示されていれば次のステップに進み、表示されていなければ、表示倍率設定処理を終了する。
【0111】つぎに、画素数変更処理部211c1が画像メモリ209の画像データに対して「1/4」の間引きを行いVRAM210に上書きし、枠と拡大表示アイコンとを消去する(図10:ステップS31)。
【0112】また、拡大表示モード(第3表示モード)においては、EVF20に表示されているエリア(中央エリア)に関してWB処理、AF処理、AE処理を行う。以下、その処理手順について説明する。
【0113】図11は撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理も特に断らない限り表示制御部211cが行う。
【0114】まず、シャッタボタン9が半押し状態か、否かの判定を行い(図11:ステップS41)、半押しされていれば次のステップに進み、そうでなければ撮影処理を終了する。
【0115】つぎに、モード設定値sが「3」か、否かの判定を行い(図11:ステップS42)、「3」であればステップS44に進み、そうでなければ次のステップに進む。
【0116】つぎに、AF制御部211d、AE制御部211e、WB制御部211fの制御により画像メモリ209の画像データに対してAE、AF、WBの処理、レンズ位置、絞りおよびシャッタスピードの設定を行い、さらに、WBパラメータを取得し(図11:ステップS43)、ステップS46に進む。
【0117】逆に、ステップS42の判定でモード設定値sが「3」であると判定された場合には、画像メモリ209の画像データに対して、中央部Int(1600/m)×Int(1200/m)画素の領域のデータをワークRAM211aに展開する(図11:ステップS44)。
【0118】つぎに、ワークRAM211aの画像データに対してAF制御部211d、AE制御部211e、WB制御部211fの制御によりAE、AF、WBの処理、レンズ位置、絞りおよびシャッタスピードの設定を行い、さらに、WBパラメータを取得する(図11:ステップS45)。
【0119】つぎに、シャッタボタン9が全押し状態か、否かの判定を行い(図11:ステップS46)、全押しであれば次のステップに進み、そうでなければ撮影処理を撮影処理を終了する。
【0120】つぎに、画像データを取得し、画像メモリ209に一時的に格納する(図11:ステップS47)。
【0121】つぎに、画像メモリ209の画像データに対して、WB制御部211fが取得したWBパラメータでWB回路207がWB処理を実行する(図11:ステップS48)。
【0122】最後に、得られた画像データをメモリカードに記録し(図11:ステップS49)、撮影処理を終了する。
【0123】つぎに、このデジタルカメラ1Aの電源をオフにした際の終了処理について説明する。
【0124】図12は終了処理手順を示すフローチャートである。この処理も表示制御部211cが行う。
【0125】まず、表示制御部211cが現在のモード設定値sをフラッシュROM211bに書き込む(図12:ステップS51)。
【0126】つぎに、表示制御部211cがEVF表示倍率mをフラッシュROM211bに書き込む(図12:ステップS52)。
【0127】最後に、表示制御部211cがLCD10およびEVF20の表示をオフにする(図12:ステップS53)。これで、デジタルカメラ1Aの電源オンから電源オフまでの処理についての説明を終わる。
【0128】以上説明したように、本発明の電子カメラに相当する第1の実施の形態に係るデジタルカメラ1Aによれば、第1表示手段としてのLCD10により撮影画像の全体を表示するとともに、第2表示手段としてのEVF20により撮影画像中の中央エリアCAのみを表示する第3表示モードを備えるため、LCD10で撮影範囲の確認が行えるとともにEVF20でピントの確認を行うことができ、操作性がよく、効率のよい撮影が行える。
【0129】また、中央エリアCAが撮影画像の中央部であるため、被写体が中央に位置する画像を撮影する際に、被写体に対して正確にピントが合っているか否かを確認できる。
【0130】また、第3表示モードでは画面の大きいLCD10で全体画像を表示し、高解像度のEVF20で中央画像を表示するため、それぞれ、撮影範囲の確認とピント確認に適している。
【0131】また、中央エリアCAが自動合焦手段による自動焦点合わせ時に参照するエリアであるため、オートフォーカスカメラにおいても主要被写体に対する正確なピントの確認を行うことができる。
【0132】また、中央エリアCAが自動露出調整手段による自動露出調整時に参照するエリアであるため、AE(自動露出調整)カメラにおいても主要被写体に対する自動露出調整結果の確認が行える。
【0133】また、中央エリアCAがホワイトバランス調整手段による自動ホワイトバランス調整時に参照するエリアであるため、WB(自動ホワイトバランス調整)カメラにおいても主要被写体に対する自動ホワイトバランス調整結果の確認が行える。
【0134】また、中央エリアCAが可変であるため、EVF20で表示する範囲、すなわち主要被写体の画像中に占める割合を撮影者の意志に応じて変更することができる。
【0135】また、デジタルカメラ1Aの電源オン時に、前回電源オフ時にEVF20が表示していたエリアと同じエリアをEVF20が表示する、すなわち、同じ表示モード、同じEVF表示倍率で表示するよう制御するため、デジタルカメラ1Aを電源オフ後に再度電源オンする際に電源オフ時と同じエリアを撮影者がわざわざ設定する必要がなく、操作が容易になる。
【0136】また、第3表示モードにおいてLCD10に中央エリアCAに対応する枠を表示するため、主要被写体の占める範囲が判別しやすい。
【0137】また、第3表示モードであることを知らせる報知画像としての拡大表示アイコンをLCD10およびEVF20の少なくとも一方に表示するため、撮影される範囲が中央部のみではないことが確認でき、撮影者の混乱を防止できる。
【0138】さらに、第3表示モードから、LCDボタン31を2回押して、第0表示モードへ移行することによりLCD10による画像表示を終了すると、EVF20が中央エリアCAの表示を終了して全体画像を表示するため、EVF20のみとしたときに、撮影範囲と表示範囲とか一致しないという弊害を排除できる。
【0139】<2.第2の実施の形態>図13はこの発明の第2の実施の形態に係る表示システム100の構成図である。この表示システム100は主に第1の実施の形態とほぼ同様のデジタルカメラ1Bと外部モニタ223とを備えている(図1〜図4参照)。そして、デジタルカメラ1Bの外部モニタ端子222と外部モニタ223の入力端子223aとをケーブルで接続することにより、デジタルカメラ1BのLCD10と外部モニタ223とで第1の実施の形態における第0〜第4表示モードを実現することができるものとなっている。
【0140】ただし、第2の実施の形態では第1の実施の形態に係るデジタルカメラにおいてLCDで表示していた画像を外部モニタ223で表示し、第1の実施の形態に係るデジタルカメラにおいてEVFで表示していた画像を第2の実施の形態ではLCD10に表示する。そのため、第2の実施の形態に係るデジタルカメラ1Bの表示制御部211jは若干、第1の実施の形態に係るデジタルカメラの表示制御部211cと異なる。
【0141】図14は第2の実施の形態に係るデジタルカメラ1Bの部分ブロック図である。第2の実施の形態のデジタルカメラ1Bの表示制御部211j内には表示切替え部211j1が設けられており、外部モニタ端子220に外部モニタ223が接続されているか否かを検出し、接続されていると判断すると、EVF20をオフするとともに、VRAM210およびVRAM220へ出力される画像データを入れ替える。これにより、両VRAM210,220へ書き込まれる画像データが逆になるので、上記のようにLCD10と外部モニタ223に第1の実施の形態と同様の第0〜第4表示モードで画像を表示できる。特に第3表示モードでは外部モニタ223に表示した画像の中央エリアCAのみをLCD10により拡大表示し、手元で見ることができ、ピント確認を正確に行えるようになっている。
【0142】なお、この際に、画像メモリ209からVRAM220へ転送する際の間引き率を2/5に、画像メモリ209からVRAM210へ転送する際の間引き率を1/4mにすれば良い。ボタンL、Rを押したときの倍率mの変更処理は第1実施例と同様であるので省略する。
【0143】なお、第2の実施の形態に係るデジタルカメラ1Bにおけるその他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0144】以上説明したように、第2の実施の形態によれば、LCD10を備える電子カメラであるデジタルカメラ1Bと、そのデジタルカメラ1Bと通信接続状態でそのデジタルカメラによる撮影画像を表示可能な表示装置である外部モニタ223とを備え、第3表示モードでは外部モニタ223で表示されている画像の中央エリアCAをデジタルカメラ1BのLCD10で拡大表示するため、外部モニタ223で撮影範囲の確認が行えるとともにデジタルカメラのLCD10でピントの正確な確認を行うことができ、操作性がよく、効率のよい撮影が行える。
【0145】<3.変形例>上記実施の形態において電子カメラおよび表示システムの例を示したが、この発明はこれに限定されるものではない。
【0146】例えば、上記第1の実施の形態では拡大表示アイコンをLCDにのみ表示するものとしたが、EVFにのみ表示したり、LCDとEVFの両方に表示するものとしてもよい。
【0147】また、上記実施の形態では第3表示モードにおいて、EVFには全体画像中の中央部を表示するものとしたが、中央部に限られず、表示位置を指定する指定手段を設けて撮影者の指定により全体画像中の任意の部分を表示するものとしてもよい。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請求項11の発明によれば、第1表示手段により撮影画像の全体を表示するとともに、第2表示手段により撮影画像中の所定エリアのみを表示する表示制御手段を備えるため、第1表示手段で撮影範囲の確認が行えるとともに第2表示手段でピントの確認を行うことができ、操作性がよく、効率のよい撮影が行える。
【0149】また、特に請求項2の発明によれば、所定エリアが撮影画像の中央部であるため、被写体が中央に位置する画像を撮影する際に、被写体に対して正確にピントが合っているか否かを確認できる。
【0150】また、請求項3の発明によれば、表示サイズの大きな表示手段により全体表示を行うので、どの部分を拡大表示しているのか理解しやすい。
【0151】また、特に請求項4の発明によれば、第1表示手段が液晶ディスプレイであり、第2表示手段が電子ビューファインダであるため、それぞれ、撮影範囲の確認とピント確認に適している。
【0152】また、特に請求項5の発明によれば、所定エリアが自動合焦手段による自動焦点合わせ時に参照するエリアであるため、オートフォーカスカメラにおいても主要被写体に対する正確なピントの確認を行うことができる。
【0153】また、特に請求項6の発明によれば、所定エリアが自動露出調整手段による自動露出調整時に参照するエリアであるため、AE(自動露出調整)カメラにおいても主要被写体に対する自動露出調整結果の確認が行える。
【0154】また、特に請求項7の発明によれば、所定エリアがホワイトバランス調整手段による自動ホワイトバランス調整時に参照するエリアであるため、WB(自動ホワイトバランス調整)カメラにおいても主要被写体に対する自動ホワイトバランス調整結果の確認が行える。
【0155】また、特に請求項8の発明によれば、所定エリアを変更することができるため、第2表示手段で表示する範囲を撮影者の意志に応じて変更することができる。
【0156】また、特に請求項9の発明によれば、表示制御手段が、設定部材による設定値に基づいてエリア変更手段を制御するため、表示倍率を設定できるので、被写体や撮影状態に応じた適当な倍率で拡大表示が可能となる。
【0157】また、特に請求項10の発明によれば、電子カメラの電源オン時に、記憶していた終了時エリアデータを読み出し、その終了時エリアと同じエリアを第2表示手段が表示するため、電子カメラを電源オフ後に再度電源オンする際に電源オフ時と同じエリアを撮影者がわざわざ設定する必要がなく、操作が容易になる。
【0158】また、特に請求項11の発明によれば、第1表示手段に所定エリアに対応する枠を表示するため、主要被写体の占める範囲が判別しやすい。
【0159】また、特に請求項12の発明によれば、所定エリアのみを表示していることを知らせる報知画像を第1表示手段および第2表示手段の少なくとも一方に表示するため、撮影される範囲が中央部のみではないことが確認でき、撮影者の混乱を防止できる。
【0160】また、特に請求項13の発明によれば、操作部材によって第1表示手段における画像表示をオフされた時には、第2表示手段により撮影画像全体を表示するため、第2表示手段のみとしたときに、撮影範囲と表示範囲とが一致しないという弊害を排除できる。
【0161】また、請求項14ないし請求項16の発明によれば、表示手段を備える電子カメラと、当該電子カメラと接続状態で当該電子カメラによる撮影画像を表示可能な表示装置とを備え、一方で表示されている画像を他方で拡大表示するため、第1表示手段で撮影範囲の確認が行えるとともに第2表示手段でピントの正確な確認を行うことができ、操作性がよく、効率のよい撮影が行える。
【0162】また、特に請求項15の発明によれば、外部に接続された表示装置にて拡大表示を行うため、より精密な確認が可能となる。
【0163】また、特に請求項16の発明によれば、手許にある電子カメラにて拡大表示を行うため、プレゼンテーション等に好適なシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1Aの要部構成を示す平面図である。
【図2】図1のII−II位置から見た断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1Aの要部構成を示す背面図である。
【図4】デジタルカメラ1Aの機能ブロック図である。
【図5】全体制御部211A内のCPUやメモリの全体によって実現される内部機能を示すブロック図である。
【図6】メモリカードのデータ配列を示す図である。
【図7】電源オン時における初期設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】表示モード切り替え制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】第3表示モードにおける(a)LCDによる表示画面と、(b)その中央エリアを2倍に拡大したEVFの表示画面とを示す図である。
【図10】表示倍率設定処理手順を示すフローチャートである。
【図11】撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】終了処理手順を示すフローチャートである。
【図13】この発明の第2の実施の形態に係る表示システムの構成図である。
【図14】第2の実施の形態に係るデジタルカメラの部分ブロック図である。
【符号の説明】
1A(1B) デジタルカメラ(電子カメラ)
10 LCD(第1表示手段、表示手段)
20 EVF(第2表示手段)
31 LCDボタン(操作部材)
100 表示システム
202 タイミング制御回路
207 WB回路
211b フラッシュROM(エリア記憶手段)
211A,211B 全体制御部
211c 表示制御部(エリア変更手段)
211c1 間引き処理部
211c2 枠表示部
211c3 アイコン表示部(報知画像表示手段)
211d AF制御部(M1,M2とともに自動合焦手段)
211e AE制御部(202,306とともに自動露出調整手段)
211e1 輝度判定部
211e2 露光量設定部
211f WB制御部(207とともにホワイトバランス調整手段)
211j1 表示切替え部(制御手段)
223 外部モニタ(表示装置)
306 絞り制御ドライバ
CA,CA2 中央エリア(所定エリア)
F,F2 枠
L,R ボタン(設定部材)
LI 拡大表示アイコン(報知画像)
M1、M2 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮影画像を各々表示可能な第1表示手段および第2表示手段を備える電子カメラにおいて、前記第1表示手段により撮影画像の全体を表示するとともに、前記第2表示手段により前記撮影画像中の所定エリアのみを表示する表示制御手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】 請求項1に記載の電子カメラであって、前記所定エリアが前記撮影画像の中央部であることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】 請求項1に記載の電子カメラであって、前記第1表示手段は前記第2表示手段よりも表示サイズが大きいことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】 請求項3に記載の電子カメラであって、前記第1表示手段が液晶ディスプレイであり、前記第2表示手段が電子ビューファインダであることを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】 請求項4に記載の電子カメラであって、さらに、焦点合わせを自動的に行う自動合焦手段を備え、前記所定エリアが前記自動合焦手段による自動焦点合わせ時に参照するエリアであることを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】 請求項4に記載の電子カメラであって、さらに、露出合わせを自動的に行う自動露出調整手段を備え、前記所定エリアが前記自動露出調整手段による自動露出調整時に参照するエリアであることを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】 請求項4に記載の電子カメラであって、さらに、ホワイトバランス調整を自動的に行うホワイトバランス調整手段を備え、前記所定エリアが前記ホワイトバランス調整手段によるホワイトバランス時に参照するエリアであることを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】 請求項1に記載の電子カメラであって、前記所定エリアを変更するためのエリア変更手段を設けたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】 請求項8に記載の電子カメラであって、前記第1表示手段に対する前記第2表示手段の表示倍率を設定する設定部材をさらに備え、前記表示制御手段は、前記設定部材による設定値に基づいて前記エリア変更手段を制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の電子カメラであって、前記カメラの電源をオフされた時に前記第2表示手段が表示している前記所定エリアに対応する終了時エリアデータを記憶するエリア記憶手段を、さらに備え、前記表示制御手段が、前記電子カメラの電源オン時に、前記終了時エリアデータを読み出し、前記終了時エリアと同じエリアを前記第2表示手段が表示するよう制御することを特徴とする電子カメラ。
【請求項11】 請求項1に記載の電子カメラであって、さらに、前記前記第1表示手段に前記所定エリアに対応する枠を表示する枠表示手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項12】 請求項1に記載の電子カメラであって、さらに、前記第2表示手段により前記所定エリアのみを表示していることを知らせる報知画像を前記第1表示手段および第2表示手段の少なくとも一方に表示する報知画像表示手段を備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項13】 請求項1に記載の電子カメラであって、さらに、前記第1表示手段における画像表示をオフする操作部材を備え、前記操作部材によって前記第1表示手段における画像表示をオフされた時には、前記表示制御手段は前記第2表示手段により撮影画像全体を表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項14】 表示手段を備える電子カメラと、当該電子カメラと接続状態で当該電子カメラによる撮影画像を表示可能な表示装置とを備える表示システムにおいて、前記電子カメラが、さらに、前記表示手段および前記表示装置のうち、一方で表示されている画像を他方で拡大表示するよう制御する制御手段を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項15】 請求項14に記載に表示システムであって、前記制御手段が、前記表示手段に表示されている画像を前記表示装置に拡大表示することを特徴とする表示システム。
【請求項16】 請求項15に記載の表示システムであって、前記制御手段が、前記表示装置に表示されている画像を前記表示手段に拡大表示することを特徴とする表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【図11】
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【図14】
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【図13】
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