説明

電子機器、時計装置、歩数計、プログラム

【課題】ラップボタンの押下をしなかった場合でも、ターゲット時間の経過を報知する。
【解決手段】時間を計測する時間計測部を備え、前記時間計測部は、計測した時間が予め定められた目標時間を経過した場合、及び利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、時間を零にして時間の計測を再度開始することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、時計装置、歩数計、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ストップウォッチにおいて、スタートと共に予め設定された目標時間(ターゲット時間)のカウントダウンを開始し、残り時間が零になると利用者に報知をするタイマ(ターゲットタイマ)を搭載するものが知られている。マラソンや陸上競技などでターゲットタイマを搭載したストップウォッチは、例えば以下のように用いられる。スタート地点からの距離表示が例えば1km毎にある場合、1kmの走行に費やす区間の目標時間をターゲットタイマに記憶させておく。カウントダウン開始後、カウントダウンタイマが示す残り時間が0となったときに、ストップウォッチは報音などにより利用者に目標時間が経過したことを報知する。1km地点に距離表示があれば、そこを通過したときに、利用者はラップボタンを押下し、そこからターゲットタイマを再びスタートする。その後、ストップウォッチは目標時間の経過後に、再び報音などにより報知する。これにより、利用者は、各区間の走行の時間配分が適切であるか否かを知ることができる。
特許文献1には、ストップウォッチにおいて、1回目のターゲット時間を入力すると、1回目のターゲット時間の整数倍の値を2回目以降のターゲット時間として自動的に設定することが記載されている。
特許文献2には、ストップウォッチにおいて、前の区間のターゲット時間を次のラップタイムの設定操作の際に初期値として表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平06−28717号公報
【特許文献1】特開平09−72973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、1km地点の距離表示を見逃したなどして、ラップボタンを押下できなかった場合には、1km付近で報知がなされた後、2km地点にてラップ操作を行うまでターゲットタイマが再びスタートされない。したがって、2km地点でラップ操作を行うまで、ターゲットタイマは機能しない。つまり、ラップボタンを押下しなかった場合、次の目標時間を利用者が知ることができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ラップボタンの押下を行わなかったときでも、ターゲット時間の経過を報知する電子機器、電子時計、歩数計、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、時間を計測する時間計測部を備え、前記時間計測部は、計測した時間が予め定められた目標時間を経過した場合、及び利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、時間を零にして時間の計測を再度開始することを特徴とする時計装置である。
【0007】
(2)また、本発明の一態様は、前記時間計測部は、計測した時間が前記目標時間を経過したときに、その旨を利用者に報知する制御を行う制御部を備えることを特徴とする。
(3)また、本発明の一態様は、前記制御部は、計測した時間が前記目標時間を経過した場合に、当該経過した時刻から計測した時間を示す経過時間情報を報知し、利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、当該情報が入力された時刻から計測した時間が、前記目標時間を経過するまでの残り時間を示す残り時間情報を利用者に報知する制御を行うことを特徴とする。
(4)また、本発明の一態様は、前記制御部は、計測した時間が前記目標時間を経過し、かつ、予め定めた時間の経過した場合には、前記残り時間情報を表示することを特徴とする。
(5)また、本発明の一態様は、前記制御部は、計測した時間が前記目標時間を経過し、かつ、歩数計測部が計測した走行距離が、予め定めた距離に達した場合には、前記残り時間情報を表示することを特徴とする。
(6)また、本発明の一態様は、上記の時計装置を備える電子機器である。
(7)また、本発明の一態様は、上記の時計装置を備える歩数計である。
(8)また、本発明の一態様は、上記時計装置のコンピュータに、計測した時間が、予め定められた目標時間を経過した場合、及び利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、時間を零にして、時間の計測を開始する手順を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者がラップボタンを押下しなかった場合でも、利用者にターゲット時間の経過を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るストップウォッチの外観を示す外観図である。
【図2】本実施形態に係るストップウォッチの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るストップウォッチにおけるCPUの機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係るストップウォッチにおける動作と利用者の操作の関係の一例を示した図である。
【図5】本実施形態に係るストップウォッチにおける動作の一例を示したフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るストップウォッチにおける表示の一例を示した図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るストップウォッチの構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本実施形態に係るストップウォッチにおけるCPUの機能ブロック図である。
【図9】本実施形態に係るストップウォッチにおける動作の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係るストップウォッチ1(時計装置)の外観を表す外観図である。図示する例では、ストップウォッチ1は、ボタン11〜14、表示部206を含んで備える。
ボタン11は、利用者からの計時のスタート、ストップ、及びリセットの入力に用いられる。
ボタン12は、利用者からのラップ地点を通過した旨の情報の入力に用いられる。
ボタン13は、利用者からの表示モードの変更の入力に用いられる。
ボタン14は、利用者からの動作モード(ストップウォッチモード、通常時計モード、タイマーモード、ワールド時計モード等)の変更の入力に用いられる。
また、ボタン11〜14を組み合わせて、ラップ地点間の走行目標時間(ターゲット時間)の入力にも用いる。
表示部206は、液晶パネル等の表示素子からなり、計測時間や、各モードの設定情報等を表示する。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るストップウォッチ1(電子機器)の構成を示す概略ブロック図である。図示する例では、ストップウォッチ1は、発振部201、入力部202、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)203、読み出し専用メモリ(ROM)204、ランダムアクセスメモリ(RAM)205、表示部206、及び報知部207を含んで構成される。
【0012】
発振部201は、水晶振動子等の発振子が出力する信号を分周して、CPU203の動作に適した周波数のクロック信号を生成し、出力する。
入力部202は、ボタン11〜14を含んで構成され、外部からの入力を受ける。例えば、利用者は、ストップウォッチのスタート、ストップ、ラップ、ターゲット時間設定、動作モード、又は画面表示の切り替えを行う場合に、時計に設けられたボタン11〜14を用いて指示を入力する。入力部202は、入力に応じた信号をCPU203に出力する。例えば、ボタン12が押下されると、入力部202は、ラップ地点を通過したことを示す信号をCPU203に出力する。
【0013】
CPU203は、発振部201が出力するクロック信号に同期して、様々な処理動作を行う。例えば、CPU203は、以下の処理を行う。CPU203は、入力部202から情報を入力される。CPU203は、ROM204からプログラムを読み込む。CPU203は、RAM205にデータを書き込む。CPU203は、RAM205からデータを読み込む。CPU203は、表示部206に計測時間や、各モードの設定情報等を表示させる。
ROM204は、プログラムその他データが書き込まれている。これらは、必要に応じてCPU203から読み出される。
RAM205は、一時保存が必要なデータを保持する。
報知部207は、報音や振動などによって利用者に、予め設定した時刻が到来したことを知らせる。
【0014】
図3は、CPU203の内部で処理を行う各部の構成を示す概略ブロック図である。図示する例では、制御部301、ラップカウント部302、残りターゲット時間算出部303、スプリットカウント部304、及び表示変更タイマ部305を含んで構成される。
【0015】
制御部301は、ラップカウント部302、残りターゲット時間算出部303、スプリットカウント部304、及び表示変更タイマ部305の初期化、起動、及び各部とのデータの交換等の処理を行う。制御部301は、入力部202、ROM204,RAM205、表示部206、及び報知部207とのデータ入出力の処理を行う。
【0016】
ラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。その場合、計測中のデータは消去(初期化)され、時間データは0からカウントアップされる。ラップカウント部302は、制御部301から、計時した時間(ラップ経過時間)を制御部301に出力させる命令を入力され、ラップ経過時間を制御部301に出力する。ラップカウント部302は、制御部301から、計時した時間(ラップ経過時間)を残りターゲット時間算出部303に出力させる命令を入力され、ラップ経過時間を残りターゲット時間算出部303に出力する。
【0017】
残りターゲット時間算出部303は、制御部301から、ターゲット時間を入力される。残りターゲット時間算出部303は、ラップカウント部からラップ経過時間を入力される。残りターゲット時間算出部303は、ターゲット時間からラップ経過時間を差し引いた値(残りターゲット時間)を算出する。残りターゲット時間算出部303は、制御部301から、残りターゲット時間を制御部301に出力させる命令を入力される。残りターゲット時間算出部303は、残りターゲット時間を制御部301に出力する。
【0018】
スプリットカウント部304は、制御部301から、計時開始の命令を入力され、計時を開始する。スプリットカウント部304は、制御部301から、計時した時間(スプリット時間)を制御部301に出力させる命令を入力され、スプリット時間を制御部301に出力する。
【0019】
表示変更タイマ部305は、ラップカウント部302が計時したラップ経過時間が、ターゲット時間を超過した場合に、制御部301によって起動され、表示変更時間の計時を開始する。表示変更タイマ部305は、制御部301から、表示変更時間を制御部301に出力させる命令を入力され、表示変更時間を制御部301に出力する。
【0020】
図4は、本実施形態におけるストップウォッチ1の動作と利用者の操作の関係の一例を示す図である。Tは時間軸を表し、右方向に時間が進んでいくことを示している。利用者は時刻t0にボタン11(スタート)を押下し、計時を開始する。このとき、制御部301は、スプリットカウント部304を用いてスプリット時間の計時を開始すると共に、ラップカウント部302を用いてラップ経過時間の計時を開始する。つまり、スプリット時間の計時とラップ経過時間の計時を同時に開始する。表示部206は、現在のスプリット時間、ラップ経過時間、残りラップ時間等を表示する。
【0021】
図4では、利用者がターゲット時間内に1km地点であるLAP−1に到達できなかった場合を示している。そのため、利用者がLAP−1に到達する前に報音B1がなされる。それと同時に制御部301は、ラップカウント部302を初期化する。ラップカウント部302の時間データは再び0からカウントアップされる。利用者は、LAP−1に到達したときに、ボタン12(ラップ地点通過)を押下(L1)する。これにより、制御部301は報音(B1)時に開始したラップ経過時間の計時を終了する。次に、制御部301は、ラップカウント部302を初期化し、時間データは再び0からカウントアップされる。なお、スプリットカウント部304はスタートで開始した計時を続行する。
【0022】
本例では、利用者は、LAP−2に到達したときに、ボタン12を押下しなかった場合を示している。この場合、制御部301は、L1で開始した新たなラップ経過時間がターゲット時間に等しくなったとき、つまり残りターゲット時間が0となったときに報音(B2)する。それと同時に、制御部301は、ラップカウント部302を初期化し、ラップカウント部302の時間データは再び0からカウントアップされる。
【0023】
利用者がLAP−3付近に到達したときに、再びラップ経過時間がターゲット時間に等しくなる。つまり残りターゲット時間が0となる。制御部301は、報知部207に報音を行う旨の命令を出力し、報音部207は報音する(B3)。利用者は、LAP−3に到達したときに、ボタン12(ラップ地点通過)を押下(L3)する。これにより、制御部301は報音B3時に開始したラップ経過時間の計時を終了する。次に、制御部301は、ラップカウント部302を初期化し、時間データは再び0からカウントアップされる。
【0024】
以上のように、本実施形態では、ストップウォッチ1はLAP−2に到達したときに、ボタン12(ラップ地点通過)が押下されなくても、ターゲット時間が経過すると同時に、報音し(B2)、新たなラップ経過時間の計測を開始し、ストップウォッチ1は、ボタン12が押されるまで、ターゲット時間経過毎に報音する。
【0025】
次に、本実施形態におけるストップウォッチ1(時計装置)の動作の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係るストップウォッチ1における動作の一例を示したフローチャートである。
【0026】
(ステップS501)入力部202は、利用者から、ボタン11〜14を用いて、ターゲット時間を入力される。入力部202は、制御部301に、入力されたターゲット時間を出力する。制御部301は、入力部202から入力されたターゲット時間をRAM205に書き込む。なお、ターゲット時間は、各ラップに共通であってもよいし、各ラップに異なる値を設定されてもよい。その後、ステップS502に進む。
(ステップS502)入力部202は、利用者からボタン11(スタート)を押下されると、制御部301に、計時をスタートする旨の信号を出力する。制御部301は、入力部202から、計時をスタートする旨の信号を入力され、スプリットカウント部304、及びラップカウント部302の時間を0に初期化する。
制御部301は、スプリットカウント部304、及びラップカウント部302に、計時を開始させる命令を出力する。スプリットカウント部304、及びラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。
制御部301は、RAM205に、表示部206において表示される時間の情報の表示パターン毎に付された番号である、表示モード番号に1を書き込む。表示モード番号については、ステップS504で後述する。その後ステップS503に進む。
【0027】
(ステップS503)制御部301は、RAM205から、ターゲット時間を読み込む。制御部301は、RAM205から読み込んだターゲット時間を、残りターゲット時間算出部303に出力する。
制御部301は、ラップカウント部302にラップ経過時間を出力する命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301からラップ経過時間を出力させる命令を入力され、ラップ経過時間を残りターゲット時間算出部303に出力する。
残りターゲット時間算出部303は、ターゲット時間とラップ経過時間とに基づいて残りターゲット時間を算出し、制御部301に、残りターゲット時間を出力する。その後、ステップS504に進む。
【0028】
(ステップS504)制御部301は、残りターゲット時間算出部303から入力された残りターゲット時間を表示部206に出力する。
制御部301は、スプリットカウント部304にスプリット時間を出力させる命令を出力する。スプリットカウント部304は、制御部301からスプリット時間を出力させる命令を入力され、制御部301にスプリット時間を出力する。制御部301は、RAM205から、表示モード番号を読み込む。制御部301は、スプリットカウント部304から入力されたスプリット時間を表示部206に出力する。
【0029】
制御部301は、RAM205から読み込まれた表示モード番号を表示部206に出力する。表示部206は、制御部301から入力された表示モード番号(1、又は2)から、表示モードを選択する。表示モードについては、図6を用いて後述するが、表示モード番号1に対応する表示モードでは、スプリット時間と残りターゲット時間を、表示モード番号2に対応する表示モードでは、スプリット時間と、ラップ超過時間とを同時に表示する。ここで、ラップ超過時間とは、ラップ経過時間がターゲット時間を超過した時間である。これは、ラップ経過時間がターゲット時間を経過し、ラップカウント部302の時間が0に初期化された場合に、その後新たに計時されるラップ経過時間に等しい。表示モードに応じて、スプリット時間、残りターゲット時間、ラップ超過時間等を表示する。その後、ステップS505に進む。
【0030】
(ステップS505)制御部301は、ボタン11(ストップ)の押下があったか否かの情報を要求する旨の信号を入力部202に出力する。入力部202は、ボタン11の押下があったか否かの情報を制御部301に出力する。制御部301は、入力部202からの入力に基づき、計時を終了するか否かの判定をする。計時を終了すると判定した場合(Yes)は、ステップS517に進み、計時を終了しないと判断した場合(No)はステップS506に進む。
(ステップS506)制御部301は、RAM205から、表示モード番号を読み込む。制御部301は、表示モード番号が2であるか否かを判定する。表示モード番号が2であると判定した場合(Yes)は、ステップS507に進み、表示モード番号が2でないと判定した場合は、ステップS509に進む。
【0031】
(ステップS507)制御部301は、表示変更時間を制御部301に出力させる命令を表示変更タイマ部305に出力する。表示変更タイマ部305は、制御部301から表示変更時間を制御部301に出力させる命令を入力され、制御部301に表示変更時間を出力する。
制御部301は、表示変更タイマ部305からの表示変更時間の入力に基づき、例えば、表示判定時間がターゲット時間の10%を超過したか否かに基づいて、表示を変更するか否かの判定を行う。表示を変更すると判定した場合(Yes)は、ステップS508に進み、表示をしないと判定した場合(No)はステップS509に進む。なお、この判定の基準は、表示変更時間が、ターゲット時間の30%を超過した場合などに変更してもよい。
(ステップS508)制御部301は、RAM205に記憶されている表示モード番号の値を1に書き換える。その後、ステップS509に進む。
【0032】
(ステップS509)制御部301は、ボタン12(ラップ地点通過)の押下があったか否かの情報を要求する旨の信号を入力部202に出力する。入力部202は、制御部301からボタン12の押下があったか否かの情報を要求する旨の信号の入力をされ、制御部301にボタン12の押下があったか否かの情報を出力する。
制御部301は、入力部202からの入力に基づき、ラップ地点を通過したか否かを判定する。ラップ地点を通過したと判定した場合は、ステップS510に進む。ラップ地点を通過したと判定しなかったときは、ステップS512に進む。
(ステップS510)制御部301は、ラップカウント部302に計時を停止させる命令を出力する。ラップカウント部302は制御部301からの計時を停止させる命令を入力され、計時を停止する。制御部301は、ラップカウント部302の時間を0に初期化する。制御部301は、ラップカウント部302に、計時を開始させる命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。その後、ステップS511に進む。
【0033】
(ステップS511)制御部301は、RAM205から、ターゲット時間を読み込む。制御部301は、RAM205から読み込んだターゲット時間を残りターゲット時間算出部に出力する。制御部301は、ラップカウント部302が出力したラップ経過時間を残りターゲット時間算出部303に出力する。残りターゲット時間算出部303は、ターゲット時間とラップ経過時間とから残りターゲット時間を算出し、制御部301に、残りターゲット時間を出力する。その後ステップS512に進む
(ステップS512)制御部301は、残りターゲット時間算出部303が算出した残りターゲット時間が0未満であるか否かを判定する。残りターゲット時間が0未満であると判定した場合(YES)は、ステップS513に進む。残りターゲット時間が0以上であると判定した場合(No)は、ステップS503に進む。
【0034】
(ステップS513)制御部301は、ターゲット時間が経過した旨の報知を行う命令を報知部207に出力する。報知部207は、残りターゲット時間算出部303からターゲット時間が経過した旨の報知を行う命令を入力され、報音によって利用者にターゲット時間が経過した旨の報知を行う。なお、報知は、報音によって行うが、振動などの方法を用いることもできる。その後、ステップS514に進む。
(ステップS514)制御部301は、ラップカウント部302に計時を停止させる命令を出力する。ラップカウント部302は制御部301から計時を停止させる命令を入力され、計時を停止する。制御部301は、ラップカウント部302の時間を0に初期化する。
制御部301は、ラップカウント部302に、計時を開始させる命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301から計時を開始させる命令を入力され、計時を開始する。その後、ステップS515に進む。
【0035】
(ステップS515)制御部301は、表示変更タイマ部305の時間を0に初期化する。制御部301は、表示変更タイマ部305に、表示変更時間の計時を開始させる命令を出力する。表示変更タイマ部305は、制御部301から表示変更時間の計時を開始させる命令を入力され、表示変更時間の計時を開始する。その後、ステップS516に進む。
(ステップS516)制御部301は、RAM205に保存された、表示モード番号に2を書き込む。その後、ステップS503に進む。
(ステップS517)制御部301は、スプリットカウント部304に、計時を停止する命令を出力する。スプリットカウント部304は、制御部301から計時を停止する命令を入力されて、計時を停止する。制御部301は、ラップカウント部302に、計時を停止する命令を出力する。ラップカウント部302は、制御部301から計時を停止する命令を入力されて、計時を停止する。
【0036】
図6は、表示部206における表示の例を示した図である。表示(ア)は、上段にスプリット時間、下段に残りターゲット時間を表示(表示モード番号1)した例である。表示(イ)は、上段にスプリット時間、下段にラップ超過時間の前に‘−’(マイナス)表示を付して表示したものである。通常は表示(ア)が選択され、次のラップ地点までの目標到達時間を知ることができる。ラップボタン押下がされずにターゲット時間を経過した場合は、一定の時間、表示(イ)が選択され、ターゲット時間からの遅れ時間を知ることができる。一定の時間終了後には、再び表示(ア)が選択され、次のラップ地点までの目標到達時間を知ることができる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、ストップウォッチ1は、ラップカウント部302が計測したラップ経過時間が、予め定められたターゲット時間を経過した場合、及び、利用者がラップボタンの押下を行った場合に、ラップカウント部302は時間を0にしてラップ経過時間の計測を再度開始する。これにより、利用者は、ラップボタンの押下を怠った場合でも新たなラップの計測を開始することができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、ラップ経過時間がターゲット時間を経過したときにその旨を報知する。これにより、利用者は、ラップ経過時間がターゲット時間を経過した場合に報知される。
【0039】
また、本実施形態によれば、ラップ経過時間とターゲット時間とに基づいて、ラップ経過時間がターゲット時間を経過した場合に、前のターゲット時間の終了から経過した時間を表示し、利用者からのラップボタンの押下があった場合には、残りターゲット時間を表示する。これにより、利用者は、ターゲット時間を経過した場合に、予定した時間からどれだけ遅れているかを知ることができると共に、ラップボタンの押下があった場合には、残りターゲット時間を知ることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、ラップ経過時間がターゲット時間を経過した場合に、ターゲット時間から経過した時間を表示し、表示変更時間の経過後に、残りターゲット時間を表示する。これにより、利用者は、ターゲット時間経過後の一定の時間は、予定した時間からどれだけ遅れているかを知ることができると共に、その後は、自動的に残りターゲット時間表示に変更され、残りターゲット時間を知ることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態のストップウォッチ(ストップウォッチ2という)の外観は、第1の実施形態のストップウォッチ1と同様であるため、説明を省略する。
図7は本実施形態のストップウォッチ2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態のストップウォッチ2の構成を示す概略ブロック図は、歩数計測部708が新たに加わったことを除いて、図2と同様である。したがって、歩数計測部708以外の説明は省略する。
歩数計測部708は、加速度センサが出力する信号に基づいて、歩行動作を検知し歩数を計測する。歩数計測部708は、CPU703から歩数の計測を開始する命令を入力され、歩数の計測を開始する。歩数計測部708は、CPU703から計測した歩数をCPU703に出力させる命令を入力され、計測した歩数を出力する。
【0042】
図8は、CPU703の内部で処理を行う各部の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態のCPU703の内部で処理を行う各部の構成を示す概略ブロック図は、距離算出部805が新たに加わったことを除いて、図3と同様である。したがって、距離算出部805以外の説明は省略する。
距離算出部805は、制御部801から、歩数計測部708が計測し出力した、歩数を入力される。距離算出部805は、計測した歩数に、予め定めた一歩あたりの歩幅(例えば0.7m)を乗じた値(走行距離)を算出する。距離算出部805は、制御部801に、走行距離を出力する。なお、予め定めた一歩あたりの歩幅は、利用者毎に変更してもよい。
【0043】
次に、本実施形態におけるストップウォッチ2(時計装置)の動作の一例について説明する。
図9は、本実施形態に係るストップウォッチ2における動作の一例を示したフローチャートである。なお、ステップS901〜ステップS906、ステップS908〜ステップS914、及びステップS916〜ステップS917の各処理は、それぞれ、第1の実施形態(図5)のステップS501〜ステップS506、ステップS508〜ステップS514、及びステップS516〜ステップS517の各処理と基本的に同じであるので、説明は省略する。ただし、第1の実施形態(図5)とは、ステップS906における判定の結果が(Yes)である場合に、ステップS907に進む点、及び、ステップS914の次にステップS915に進む点が異なる。
【0044】
(ステップS907)制御部801は、走行距離を制御部801に出力させる命令を距離算出部805に出力する。距離算出部805は、走行距離を出力させる命令を制御部801から入力され、走行距離を算出して制御部801に出力する。
制御部801は、距離算出部805からの歩行距離が所定の値以上であるか否かの情報の入力に基づき、表示を変更するか否かの判定をする。この判定は、例えば、走行距離が100mを超過した場合は表示を変更する、走行距離が100mを超過していない場合は表示を変更しない、というように行う。表示を変更すると判定した場合(Yes)は、ステップS908に進み、表示をしないと判定した場合(No)はステップS909に進む。
(ステップS915)制御部801は、距離算出部805の走行距離を0に初期化する。制御部801は、距離算出部805に、走行距離の計測を開始させる命令を出力する。距離算出部805は、制御部801から走行距離の計測を開始させる命令を入力され、走行距離の計測を開始する。その後、ステップS916に進む。
【0045】
このように、本実施形態によれば、ストップウォッチ2は、ターゲット時間経過後に一定の走行距離に到達するまで、ターゲット時間からの遅れを表示する。一定の走行距離に到達した後に、残りターゲット時間の表示に戻る。これにより、利用者は、ターゲット時間経過後の一定の距離を進むまでは、予定した時間からどれだけ遅れているかを知ることができると共に、その後は、自動的に残りターゲット時間表示に変更され、残りターゲット時間を知ることができる。
【0046】
なお、本実施形態での、ストップウォッチは、歩数計の機能を兼ね備えていてもよい。
【0047】
なお、上述した実施形態におけるストップウォッチが備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0048】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0049】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1、2・・・ストップウォッチ(時計装置)、11〜14・・・ボタン、201、701・・・発振部、202、702・・・入力部、203、703・・・CPU、204、704・・・ROM、205、705・・・RAM、206、706・・・表示部、207、707・・・報知部、708・・・歩数計測部、301、801・・・制御部、302、802・・・ラップカウント部(時間計測部)、303、803・・・残りターゲット時間算出部、304、804・・・スプリットカウント部、305・・・表示変更タイマ部、805・・・距離算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間を計測する時間計測部を備え、
前記時間計測部は、計測した時間が予め定められた目標時間を経過した場合、及び利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、時間を零にして時間の計測を再度開始することを特徴とする時計装置。
【請求項2】
前記時間計測部は、計測した時間が前記目標時間を経過したときに、その旨を利用者に報知する制御を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の時計装置。
【請求項3】
前記制御部は、計測した時間が前記目標時間を経過した場合に、当該経過した時刻から計測した時間を示す経過時間情報を報知し、利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、当該情報が入力された時刻から計測した時間が、前記目標時間を経過するまでの残り時間を示す残り時間情報を利用者に報知する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の時計装置。
【請求項4】
前記制御部は、計測した時間が前記目標時間を経過し、かつ、予め定めた時間の経過した場合には、前記残り時間情報を表示することを特徴とする請求項3に記載の時計装置。
【請求項5】
前記制御部は、計測した時間が前記目標時間を経過し、かつ、歩数計測部が計測した走行距離が、予め定めた距離に達した場合には、前記残り時間情報を表示することを特徴とする請求項3に記載の時計装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の時計装置を備える電子機器。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の時計装置を備える歩数計。
【請求項8】
時計装置のコンピュータに、計測した時間が、予め定められた目標時間を経過した場合、及び利用者からの入力があったことを示す情報が入力された場合に、時間を零にして、時間の計測を開始する手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−150056(P2012−150056A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10071(P2011−10071)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】