説明

電子機器

【課題】パッキンレスタイプの電子機器において、従来よりもさらに優れた防水性を確保すること。
【解決手段】第一の筐体構成部材20Aと、第二の筐体構成部材30Aと、第一の筐体構成部材20Aと第二の筐体構成部材30Aとを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体40Aの内部に形成される収納部50Aと、収納部50A内に配置される内部部材60と、第一の筐体構成部材20Aと第二の筐体構成部材30Aとの接触界面Fを、収納部50Aが設けられた側の第一の接触界面F1、および、筐体40Aの外縁側の第二の接触界面F2に分断すると共に、収納部50Aを実質的に囲うように延びる中空部70Aと、を備え、中空部70Aの内壁面が撥水性処理されている電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の電子機器において、電子機器の内部に設けられた収納室に配置される電池などの内部部材を防水するために、通常、電子機器本体に対してパッキンを介して蓋が取り付けられる。また、電子機器を構成する2つの筐体構成部材の接合面のうち、いずれか一方の面に収納室を包囲して延びる溝を凹設する技術も提案されている(特許文献1)。
この技術では、簡易な構成により収納室への水の侵入を防止できる。
【0003】
なお、特許文献1に記載の電子機器において収納室への水の侵入が防止できる理由は、以下のように説明されている。まず、2つの筐体構成部材の接合界面の隙間から侵入した水は、毛細管現象によって、収納室側に向けて吸い込まれ、溝の外縁に達する。しかし、溝の外側に到達した水は、表面張力の作用によって溝には殆ど流れ込むことができない。従って、その水は、溝の縁を、溝に沿って移動することになる。そして、収納室が溝によって包囲されているので、水は、その溝を越えて、溝の内側に入り込むことができない。また、水溜りが、溝の両端に形成されている場合には、溝に沿って移動した水は、水溜り部に溜まることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−226531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電子機器では、気密性を容易に確保できるパッキンを用いないパッキンレスタイプであるため、電子機器の構成をより簡易にできる。しかし、特許文献1に記載の電子機器において、防水性は、表面張力の作用のみを利用して確保している。このため、電子機器がより高湿環境に長時間放置されるなどにより、外部から溝内へと水が侵入する際の水圧が、溝の縁に到達した水の表面(液面)が表面張力によって縮もうとする力よりも大きくなった場合、防水性が低下することは避け難い。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、パッキンレスタイプの電子機器において、従来よりもさらに優れた防水性が確保できる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
第一の本発明の電子機器は、第一の筐体構成部材と、第二の筐体構成部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、収納部内に配置される内部部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材との接触界面を、収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、中空部の内壁面が撥水性処理されていることを特徴とする。
【0008】
第二の本発明の電子機器は、第一の筐体構成部材と、第二の筐体構成部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、収納部内に配置される内部部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材との接触界面を、収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、第二の接触界面を構成する第一の筐体構成部材の接触面、および、第二の接触界面を構成する第二の筐体構成部材の接触面から選択される少なくとも一方の接触面が、親水性処理されていることを特徴とする。
【0009】
第三の本発明の電子機器は、第一の筐体構成部材と、第二の筐体構成部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、収納部内に配置される発熱可能な内部部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材との接触界面を、収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、さらに、第一の接触界面を構成する第一の筐体構成部材の接触面と、第一の接触界面を構成する第二の筐体構成部材の接触面との間に封止材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
第三の本発明の電子機器の一実施形態は、発熱可能な内部部材が、充電式の電池であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パッキンレスタイプの電子機器において、従来よりもさらに優れた防水性が確保できる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の一例を示す模式断面図である。
【図2】図1に示す電子機器の平面構造の一例を示す模式端面図である。
【図3】図1に示す電子機器の平面構造の他の例を示す模式端面図である。
【図4】図1に示す電子機器の中空部近傍の断面構造を拡大した模式断面図である。
【図5】図4に示す例において、第一〜第三の本実施形態の電子機器の構成をいずれも採用していない場合における防水メカニズムについて説明する図である。
【図6】図4に示す例において、第一の本実施形態の電子機器の構成を採用している場合における防水メカニズムについて説明する図である。
【図7】図4に示す例において、第二の本実施形態の電子機器の構成を採用している場合における防水メカニズムについて説明する図である。
【図8】図4に示す例において、第三の本実施形態の電子機器の構成を採用している場合における防水メカニズムについて説明する図である。ここで、図8(A)は、発熱可能な内部部材が発熱していない状態を示す図であり、図8(B)は、発熱可能な内部部材が発熱している状態を示す図である。
【図9】第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の他の例を示す模式断面図である。
【図10】第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の他の例を示す模式断面図である。
【図11】第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の他の例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第一の本実施形態の電子機器は、第一の筐体構成部材と、第二の筐体構成部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、収納部内に配置される内部部材と、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材との接触界面を、収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、中空部の内壁面が撥水性処理されていることを特徴とする。
【0014】
よって、第一の本実施形態の電子機器では、電子機器の外部から、第二の接触界面の隙間に水が侵入した場合、水は、毛細管現象によって、収納室側へと移動し、第二の接触界面の中空部側の縁へと到達する。しかし、第二の接触界面の中空部側の縁に到達した水は、特許文献1の電子機器と同様に、表面張力によって中空部に流れ込むことは困難である。
【0015】
しかしながら、外部から第二の接触界面へと侵入する水の水圧がより大きくなった場合には、表面張力の作用のみによっては、水が、中空部に流れ込むのを阻止することが困難となる場合がある。しかし、第一の本実施形態の電子機器では、このような場合においても、中空部の内壁面が撥水性を有するため、第一の本実施形態の電子機器では、特許文献1に示されるパッキンレスタイプの電子機器と比べて、より優れた防水性が確保できる。なお、第一の本実施形態の電子機器においてより優れた防水性が確保できる作用効果については後述する。
【0016】
ここで、中空部の内壁面の撥水性処理は、公知の撥水性処理方法を利用でき、具体的には、内壁面に撥水性材料をコーティングすることで撥水性膜を形成する方法や、内壁面をフッ素プラズマ処理する方法などが利用できる。なお、フッ素プラズマ処理は、内壁面に対して直接行う以外に、内壁面上に、フッ素プラズマ処理によりフッ素化され易い材料をコーティングした後に実施してもよい。ここで、撥水性材料としては、公知の撥水性材料が利用でき、たとえば、フッ素系樹脂、シランカップリング剤等を例示することができる。但し、シランカップリング剤は、−Si(−OR)n(nは1〜3の整数、Rはメチル基、エチル基など)などで例示される固体表面と反応して結合する反応性の官能基以外の官能基が、フルオロアルキル基などの疎水性基から構成されるものが用いられる。撥水性処理された内壁面の水に対する接触角は、90度以上であることが好ましく、100度以上であることがより好ましく、110度以上であることがさらに好ましく、180度に近ければ近いほどよい。なお、中空部の形状・サイズは、通常、接触角を測定するには適していないが、内壁面に対して施された撥水性処理と同様の条件で、表面が平坦な基板上に撥水性処理を行い確認することができる。
【0017】
第二の本実施形態の電子機器は、第一の本実施形態の電子機器と基本的にほぼ同様の構造を有する。但し、第二の本実施形態の電子機器は、第一の本実施形態の電子機器と異なり、中空部の内壁面が撥水性処理される代わりに、第二の接触界面を構成する第一の筐体構成部材の接触面、および、第二の接触界面を構成する第二の筐体構成部材の接触面から選択される少なくとも一方の接触面が親水性処理されている点に特徴がある。
【0018】
よって、第二の本実施形態の電子機器でも、電子機器の外部から、第二の接触界面の隙間に水が侵入した場合、水は、毛細管現象によって、収納室側へと移動し、第二の接触界面の中空部側の縁へと到達する。しかし、第二の接触界面の中空部側の縁に到達した水は、特許文献1の電子機器と同様に、表面張力によって中空部に流れ込むことは困難である。
【0019】
しかしながら、外部から第二の接触界面へと侵入する水の水圧がより大きくなった場合には、表面張力の作用のみによっては、水が、中空部に流れ込むのを阻止することが困難となる場合がある。しかし、第二の本実施形態の電子機器では、このような場合においても、第二の接触界面を構成する一対の接触面のうち、少なくとも一方の接触面が親水性処理されている。このため、第二の本実施形態の電子機器では、特許文献1に示されるパッキンレスタイプの電子機器と比べて、より優れた防水性が確保できる。また、防水性をより向上させる観点からは、第二の接触界面を構成する一対の接触面のうち、双方の接触面が親水性処理されていることが特に好ましい。なお、第二の本実施形態の電子機器においてより優れた防水性が確保できる作用効果については後述する。
【0020】
ここで、第二の接触界面を構成する接触面に対する親水性処理は、公知の親水性処理方法を利用でき、具体的には、接触面に親水性材料をコーティングすることで親水性膜を形成する方法や、内壁面を紫外線およびオゾンで処理(UVオゾン処理)する方法、内壁面を酸素プラズマ処理する方法などが利用できる。なお、UVオゾン処理や酸素プラズマ処理などのドライプロセス処理は、内壁面に対して直接行う以外に、内壁面上に、これらのドライプロセス処理により酸化され易い材料をコーティングした後に実施してもよい。ここで、親水性材料としては、公知の親水性材料が利用でき、たとえば、シランカップリング剤等を例示することができる。但し、シランカップリング剤は、−Si(−OR)n(nは1〜3の整数、Rはメチル基、エチル基など)などで例示される固体表面と反応して結合する反応性の官能基以外の官能基が、−OH基などを含み、膜を形成した際に親水性を示す親水性基から構成されるものが用いられる。親水性処理された接触面の水に対する接触角は、40度以下であることが好ましく、30度以下であることがより好ましく、20度以下であることがさらに好ましく、0度に近ければ近いほどよい。なお、接触面の形状・サイズは、通常、接触角を測定するには適していないが、接触面に対して施された親水性処理と同様の条件で、表面が平坦な基板上に親水性処理を行い確認することができる。
【0021】
第三の本実施形態の電子機器は、第一の本実施形態の電子機器と基本的にほぼ同様の構造を有する。但し、第三の本実施形態の電子機器は、第一の本実施形態の電子機器と異なり、中空部の内壁面が撥水性処理される代わりに、(1)内部部材として発熱可能な内部部材を用い、(2)さらに、第一の接触界面を構成する第一の筐体構成部材の接触面と、第一の接触界面を構成する第二の筐体構成部材の接触面との間に封止材が設けられている点に特徴がある。
【0022】
よって、第三の本実施形態の電子機器でも、電子機器の外部から、第二の接触界面の隙間に水が侵入した場合、水は、毛細管現象によって、収納室側へと移動し、第二の接触界面の中空部側の縁へと到達する。しかし、第二の接触界面の中空部側の縁に到達した水は、特許文献1の電子機器と同様に、表面張力によって中空部に流れ込むことは困難である。
【0023】
しかしながら、外部から第二の接触界面へと侵入する水の水圧がより大きくなった場合には、表面張力の作用のみによっては、水が、中空部に流れ込むのを阻止することが困難となる場合がある。この場合、最終的に、水が中空部内へ侵入するのを許してしまうことになる。しかしながら、第一の接触界面を構成する一方の接触面と、他方の接触面との間には封止材が配置されている。このため、第三の本実施形態の電子機器では、特許文献1に示されるパッキンレスタイプの電子機器と比べて、より優れた防水性が確保できる。このため、第三の本実施形態の電子機器においてより優れた防水性が確保できる作用効果については後述する。
【0024】
なお、発熱可能な内部部材としては、作動時(通電時)に発熱する電子回路や、充電時に発熱する充電式の電池等が挙げられるが、常温環境下(20度)における発熱時の内部部材表面の最高温度が30度以上である部材が好ましく、35度以上である部材がより好ましく、40度以上である部材が特に好ましい。なお、発熱時の内部部材表面の温度の高さや、発熱量の大きさという観点からは、発熱可能な内部部材は、充電式の電池であることが好ましく、特にリチウムイオン電池であることが好ましい。なお、発熱時の内部部材表面の最高温度の上限値は特に限定されないが、実用上の観点からは、60度以下であることが好ましい。
【0025】
また、第三の本実施形態の電子機器が、携帯電話、PDA(パーソナルデジタルアシスタンス)、あるいは、スマートフォンなどのように、ユーザが日常的に使用し、数日毎に充電を行う形態で利用されることが非常に多い携帯型電子機器である場合には、数日毎に、充電に際して電池が発熱することになる。それゆえ、これらの携帯型電子機器において、発熱可能な内部部材として充電式の電池を用いれば、ユーザが日常的にこれらの携帯型電子機器を使用している限り、仮に中空部に水が侵入しても、数日以内に電子機器外へと中空部に溜まった水を排出することができる。すなわち、携帯電話、PDA、あるいは、スマートフォンでは、ユーザが日常的に使用している限り、中空部内に侵入した水が、中空部内に長期間滞留し続けることにより、電子機器を構成する各部材に悪影響を与えることは極めて困難になる。
【0026】
なお、一対の接触面の間に配置される封止材としては、一対の接触面を接着する接着剤、あるいは、シリコーングリース、フルオロエーテルグリースなどの油性のペースト状物質を利用できる。
【0027】
なお、第一〜第三の本実施形態の電子機器において、第一の筐体構成部材と第二の筐体構成部材との接触界面では、常温環境下において電子機器が作動していない状態において、接触界面を構成する一対の接触面が、接触する。ここで、一対の接触面が接触するとは、接触面同士が物理的に直接接触する場合のみならず、封止材を介して間接的に接触する場合も意味する。また、電子機器が作動するとは、電子機器が、電子機器本来の機能を発揮するために能動的に作動している場合のみならず、充電などのように受動的あるいは自動的に作動している場合も含む。
【0028】
図1は、第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の一例を示す模式断面図である。図1に示す本実施形態の電子機器10A(10)は、第一の筐体構成部材20A(20)と、第二の筐体構成部材30A(30)と、内部部材60とを有している。ここで、第一の筐体構成部材20Aは、平板状の部材(蓋)からなる。また、第二の筐体構成部材30Aは、一方の面(裏面32)側の中央部に凹部34が設けられ、さらに、この凹部34を囲うように、裏面32側の外縁部に凹部36が設けられている。すなわち、凹部34、36を形成するように、裏面32には、凹部34の側壁面および凹部36の凹部34側(内側)の側壁面を構成する凸部35と、凹部36の外縁側の側壁面を構成する凸部37とが設けられる。
【0029】
そして、第一の筐体構成部材20Aの一方の面(裏面22)側と、第二の筐体構成部材30Aの裏面32側とを互いに接触させて、組み合わせることで、筐体40A(40)が形成されている。ここで、凹部34の開口部分は、第一の筐体構成部材20Aにより覆われることで、筐体40Aの内部には、凹部34に相当する密閉された空間(収納部50A(50))が形成される。そして、この収納部50A内には、内部部材60が配置される。また、凹部36の開口部分は、第一の筐体構成部材20Aにより覆われることで、筐体40Aの内部には、凹部36に相当する密閉された空間(中空部70A(70))が形成される。
【0030】
この中空部70Aは、第一の筐体構成部材20Aの裏面22側の部分と、第二の筐体構成部材30Aの裏面32側の部分との接触界面Fを、収納部50Aが設けられた側の第一の接触界面F1、および、筐体40Aの外縁側の第二の接触界面F2に分断すると共に、収納部50Aを囲うように延びる。すなわち、第一の接触界面F1では、裏面22と凸部35の頂面35Tとが接触し、第二の接触界面F2では、裏面22と凸部37の頂面37Tとが接触する。
【0031】
図2は、図1に示す電子機器10Aの平面構造の一例を示す模式端面図であり、具体的には、図1中に示す符号A1−A2間における電子機器10Aの平面構造の一例について示す端面図について示したものである。図2に示す電子機器10A1(10A、10)では、方形状の収納部50Aの外周に沿って、収納部50Aを完全に囲うように、中空部70Aが連続的に設けられている。なお、中空部70Aは、図2に示すように収納部50Aを完全に囲うように設けられていなくても、最低限、実質的に囲うように設けられていればよい。この場合、中空部70Aは、部分的に不連続に設けられることになる。ここで、収納部50Aを実質的に囲うとは、収納部50Aの外周の少なくとも80%以上が、中空部70Aにより囲われている状態を意味する。
【0032】
図3は、図1に示す電子機器10Aの平面構造の他の例を示す模式端面図であり、具体的には、図1中に示す符号A1−A2間における電子機器10Aの平面構造の他の例について示す端面図について示したものである。図3に示す電子機器10A2(10A、10)は、基本的に図2に示す電子機器10A1と同様の平面構造を有するが、中空部70Aが水溜り部80に接続されている点で異なる。この水溜り部80は、図2に示す中空部70Aの一部分について、その幅を数倍太くして形成された空間である。水溜り部80には、中空部70A内に侵入した水が集められ、水溜り部80にて水を捕縛し続けたり、あるいは、集められた水を徐々に蒸発させる機能を有する。水溜り部80には、例えば、吸水剤および/または吸湿剤を配置してもよく、あるいは、水溜り部80の内壁面を親水性膜でコーティングして、水を捕縛し続ける機能を強化してもよい。
【0033】
図4は、図1に示す電子機器10Aの中空部70A近傍の断面構造を拡大した模式断面図である。ここで、電子機器10が、第一の本実施形態の電子機器である場合には、中空部70Aの内壁面70Wに疎水性処理が施される。なお、図4に示す例では、内壁面70Wは、凹部36の内壁面36Wと、裏面22のうち中空部70Aの内壁面70Wを構成する領域22W(22)とから構成される。
【0034】
また、電子機器10Aが、第二の本実施形態の電子機器である場合には、第一の筐体構成部材20Aの裏面22のうち、第二の接触界面F2を構成する領域22F2(22)(接触面)、および、第二の筐体構成部材30Aの裏面32側部分のうち、第二の接触界面F2を構成する領域(頂面37T(接触面))から選択される少なくとも一方の接触面に親水性処理が施される。
【0035】
また、電子機器10Aが、第三の本実施形態の電子機器である場合には、内部部材60(図4中、不図示)として発熱可能な内部部材が用いられる。さらに、第一の筐体構成部材20Aの裏面22のうち、第一の接触界面F1を構成する領域22F1(22)(接触面)と、第二の筐体構成部材30Aの裏面32のうち、第一の接触界面F1を構成する領域(頂面35T(接触面))との間に、封止材(図4中、不図示)が設けられる。
【0036】
なお、本実施形態の電子機器10は、第一〜第三の本実施形態の電子機器の構成のいずれかを採用していればよいが、2つ以上の本実施形態の電子機器の構成を組み合わせて採用することもできる。この場合、防水性をより一層向上させることが容易になる。
【0037】
図5〜図8は、本実施形態の電子機器における防水効果を説明する説明図である。ここで、図5は、図4に示す例において、第一〜第三の本実施形態の電子機器の構成をいずれも採用していない場合における防水メカニズムについて説明する図であり、図6は、図4に示す例において、第一の本実施形態の電子機器の構成を採用している場合における防水メカニズムについて説明する図であり、図7は、第二の本実施形態の電子機器の構成を採用している場合における防水メカニズムについて説明する図である。また、図8は、第三の本実施形態の電子機器の構成を採用している場合における防水メカニズムについて説明する図である。ここで、図8(A)は、発熱可能な内部部材が発熱していない状態を示す図であり、図8(B)は、発熱可能な内部部材が発熱している状態を示す図である。なお、図5〜図8では、説明を容易とする都合上、第一の筐体構成部材20Aと第二の筐体構成部材30Aとを離間させた状態で示している。
【0038】
まず、図5に示す電子機器200は、第一〜第三の本実施形態の電子機器の構成のいずれも採用していない。ここで、電子機器200の外部から第二の接触界面F2内へと侵入し、第二の接触界面F2内に侵入した水WTは、中空部70A側の一端において、表面張力の作用によって水WTの液面が縮まろうとするため、中空部70Aには侵入できない。しかし、第二の接触界面F2内に侵入した水WTの水圧がより大きくなると、水WTは中空部70Aに流れ込む。この際、水WTは中空部70Aの内壁面70Wを濡らすように、内壁面70W上に広がり密着する。このため、水WTは、矢印Xで示すように内壁面70Wを伝って移動した後、第一の接触界面F1内へと侵入し、さらに、収納部50A内へと侵入し易くなる。
【0039】
しかし、第一の本実施形態の電子機器の構成を採用した図6に示す電子機器11(10A、10)では、第二の接触界面F2内に存在する水WTが、中空部70Aへと侵入しようとしても、撥水性処理された内壁面70Wに水WTが接触した際に、矢印Gとして示されるようにはじき返されるように第二の接触界面F2内に押し戻される易くなる(図6)。また、水WTが中空部70A内に侵入しても、水WTは、撥水性処理された内壁面70Wに対して十分に濡れることができず、図6に示すように内壁面70Wと広く接触して広がりにくい。このため内壁面70Wを伝って、第二の接触界面F2内へと移動することも困難になる。
【0040】
また、第二の本実施形態の電子機器の構成を採用した図7に示す電子機器12(10A、10)では、第二の接触界面F2内に存在する水WTが、中空部70Aへと侵入しようとしても、親水性処理された接触面22F2および接触面37Tによって、矢印Tで示されるように強く捕縛される(図7)。このため、第二の接触界面F2内に存在する水WTの流動抵抗は増大する。したがって、図5に示す例と比べて、より水圧が高くならない限り、第二の接触界面F2内に存在する水WTは、中空部70A内へは侵入できない。なお、図7に示す電子機器12では、第二の接触界面F2を構成する一対の接触面22F2、37Tの双方が、親水性処理されている。
【0041】
また、第三の本実施形態の電子機器の構成を採用した図8に示す電子機器13(10A、10)では、接触面22F1と、接触面35Tとの間に、封止材90が配置されている。このため、図8(A)に示すように、第二の接触界面F2内に存在する水WTが、中空部70Aへ侵入しても、第二の接触界面F1を通過して、収納部50A内へと侵入することはできない。
【0042】
これに加えて、図8に示す電子機器では、内部部材60として発熱可能な内部部材62(60)を用いている。このため、発熱可能な内部部材62が発熱して熱HTを発した場合、熱HTは発熱可能な内部部材62の周囲へと伝達され、発熱可能な内部部材62から離れるに従い、伝達される熱HTは減衰することになる。このため、中空部70Aの内壁面70Wを構成する部分のうち、発熱可能な内部部材62に最も近い部分、すなわち、凸部35が最も加熱されることになる。しかしながら、中空部70Aを挟んで、この凸部35と反対側に位置する部分、すなわち、凸部37は、部分35と比べて、発熱可能な内部部材62からはより離れた位置にある。したがって、この凸部37は余り加熱されない。
【0043】
それゆえ、熱膨張の度合は、相対的に、凸部35が大きく、凸部37が小さくなる。したがって、この熱膨張度合の差に起因して、第二の接触界面F2を構成する一対の接触面22F2と、接触面37Tとは大きく離間して、隙間Sを形成してしまう。それゆえ、液体や気体が、第二の接触界面F2の間を移動することが極めて容易になる。これに加えて、発熱可能な内部部材62から発せられた熱HTは、凸部35を経由して、中空部70A内に残留する水HTにも伝達される。したがって、中空部70A内に残留する水HTは、揮発するなどにより、矢印Vで示すように中空部70A内から電子機器13の外部へと容易に排出される。なお、第三の本実施形態の電子機器13では、通常、内壁面70Wの周囲を構成する部材は、熱膨張係数が同一または実質同程度の材料から構成される。この場合、相対的な熱膨張の度合は、必ず、凸部35を大きく、凸部37を小さくすることができるため、図8(B)に例示した効果を必ず得ることができる。
【0044】
次に、第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造について、図1に例示したもの以外の他の例について説明する。図9は、第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の他の例を示す模式断面図である。図9に示す本実施形態の電子機器10B(10)は、第一の筐体構成部材20B(20)と、第二の筐体構成部材30B(30)と、内部部材60とを有している。ここで、第一の筐体構成部材20Bは、裏面22の中央部に凹部24が設けられ、さらに、この凹部24を囲うように裏面22の外縁側に凹部26が設けられている。また、第二の筐体構成部材30Bは、実質的に第一の筐体構成部材20Bと同様の構造を有し、裏面32の中央部に凹部34が設けられ、さらに、この凹部34を囲うように、裏面32の外縁側に凹部36が設けられている。
【0045】
そして、第一の筐体構成部材20Bの裏面22と、第二の筐体構成部材30Bの裏面32とを互いに接触させて、組み合わせることで、筐体40B(40)が形成されている。ここで、凹部24の開口部分と凹部34の開口部分とが一致するように、凹部24と凹部34とが組み合わされることで収納部50B(50)が形成される。そして、この収納部50B内には、内部部材60が配置される。また、凹部26の開口部分と凹部36の開口部分とが一致するように、凹部26と凹部36とが組み合わされることで中空部70B(70)が形成される。また、この中空部70Bは、第一の筐体構成部材20Bの裏面22側部分と第二の筐体構成部材30Bの裏面32側部分との接触界面Fを、収納部50Bが設けられた側の第一の接触界面F1、および、筐体40Bの外縁側の第二の接触界面F2に分断すると共に、収納部50Bを囲うように延びる。
【0046】
図10は、第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の他の例を示す模式断面図である。図10に示す本実施形態の電子機器10C(10)は、第一の筐体構成部材20C(20)と、第二の筐体構成部材30C(30)と、内部部材60とを有している。ここで、第一の筐体構成部材20Cは、裏面22側の外縁部に凸部120が設けられている。また、第二の筐体構成部材30Cは、裏面32側の外縁部からやや内側に凸部130が設けられ、この凸部130に囲まれるようにして裏面32側の中央部に凹部34が形成されている。なお、この凸部130は、外縁部からやや内側に配置されている以外は、実質的に図1に示す凸部35と同様の機能を有するものである。
【0047】
そして、第一の筐体構成部材20Cの裏面22側と、第二の筐体構成部材30Cの裏面32側と向かい合うようにして、第一の筐体構成部材20Cと第二の筐体構成部材30Cとを組み合わせることで、筐体40C(40)が形成されている。ここで、凹部34の開口部分は、第一の筐体構成部材20Cにより覆われることで、筐体40Cの内部には、凹部34に相当する密閉された空間(収納部50A)が形成される。そして、収納部50A内には内部部材60が配置される。また、凸部120よりも内側に位置する裏面22と、凸部130の頂面132Tとが接触し、かつ、凸部130よりも外縁側に位置する裏面32と、凸部120の頂面122Tとが接触する。このため、裏面22、裏面32、凸部120の内側の側壁面122W、および、凸部130の外縁側の側壁面132Wにより囲まれた中空部70C(70)が形成される。また、この中空部70Cは、第一の筐体構成部材20Cと第二の筐体構成部材30Cとにより形成される接触界面Fを、収納部50Aが設けられた側の第一の接触界面F1(裏面22と頂面132Tとの接触界面)、および、筐体40Cの外縁側の第二の接触界面F2(裏面32と頂面122Tとの接触界面)に分断すると共に、収納部50Aを囲うように延びる。
【0048】
図11は、第一〜第三の本実施形態の電子機器に共通する基本的構造の他の例を示す模式断面図である。図11に示す本実施形態の電子機器10D(10)は、第一の筐体構成部材20D(20)と、第二の筐体構成部材30D(30)と、内部部材60とを有しており、主要部は、図1に示す電子機器10Aと同様の構成を有する。ここで、第一の筐体構成部材20Dは、図1に示す第一の筐体構成部材20Aと同様に板状の本体部分を有するが、これに加えてさらに、本体部分の外縁部分に、裏面22から離れる側に突出する凸部140が設けられている。この凸部140の内側側面のうち、凸部140の頂面140T側の部分には、突起140Pがさらに設けられている。また、第二の筐体構成部材30Dは、その主要部は図1に示す第二の筐体構成部材30Aと同様の構成を有する。但し、第二の筐体構成部材30Dは、図1に示す第二の筐体構成部材30Aに対して、凸部37が、外縁部よりもやや内側に設けられると共に、凸部37の外縁側の側面であって、頂面37T側の部分に突起37Pが設けられている点で異なる。
【0049】
そして、第一の筐体構成部材20Dの裏面22側と、第二の筐体構成部材30Aの裏面32側とを互いに接触させて、組み合わせることで、筐体40D(40)が形成されている。この際、図1に示す電子機器10Aと同様に、内部部材60が配置される収納部50Aおよび中空部70Aが形成される。これに加えて、突起37Pに対して突起140Pが係合する。このため、図12に示す電子機器10Dでは、突起37Pに対して突起140Pが係合するため、筐体40Dに対して外力や衝撃が加わった際に、第一の筐体構成部材20Dと第二の筐体構成部材30Dとが、離間したり位置ずれを起こしたりすることを防止できると共に、接触界面Fにおける大きな隙間の形成を確実に防ぐこともできる。
【0050】
筐体40を構成する第一の筐体構成部材20および第二の筐体構成部材30は、公知の方法により適宜作製することができるが、一般的には、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を用いて射出成型により一体成形された部材であることが好ましい。この場合、第一の筐体構成部材20および第二の筐体構成部材30を構成する樹脂材料は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、電子機器10の強度・剛性をより向上させるために、第一の筐体構成部材20および第二の筐体構成部材30から選択される少なくとも一方の部材として、金属板をプレス成型して形成された部材を用いてもよく、電子機器10の質感・高級感をより向上させるために、マグネシウム合金やアルミニウム合金などの板状の金属インゴットを切削加工して形成された部材を用いてもよい。
【0051】
また、筐体40を開閉する開閉方式としては場合、筐体40を閉めた状態と同様に裏面22と裏面32との距離を保ちつつ、第一の筐体構成部材20と、第二の筐体構成部材30とを裏面22または裏面33と平行な方向に相対的にスライドさせるスライド方式や、第一の筐体構成部材20の裏面22と、第二の筐体構成部材30の裏面32とを互いに接近又は離間させる方式のいずれであってもよい。なお、図11に示す電子機器10Dでは、スライド方式が採用される。
【0052】
本実施形態の電子機器10は、公知の電子機器であれば特に限定されないが、携帯型電子機器であることが好ましい。ここで、携帯型電子機器としては、たとえば、携帯電話、PDA、スマートフォン、MP3プレーヤ等の音楽再生機能を持つ携帯型プレーヤ、電子ブックリーダー、電子辞書、ノートタイプのパーソナルコンピューターなどを挙げることができる。また、内部部材60としては、電子機器の筐体内に収容される主要部材の全てであってもよく、一部であってもよい。内部部材60としては、たとえば、電池、電子回路、半導体メモリーなどが挙られる。
【符号の説明】
【0053】
10、10A,10A1、10A2、10B、10C、10D 電子機器(第一〜第三の実施形態の電子機器に共通する構造)
11 第一の実施形態の電子機器
12 第二の実施形態の電子機器
13 第三の実施形態の電子機器
20、20A、20B、20C、20D 第一の筐体構成部材
22 裏面
22W 裏面(裏面22のうち内壁面70Wを構成する領域)
22F1 裏面(裏面22のうち第一の接触界面F1を構成する領域、接触面)
22F2 裏面(裏面22のうち第二の接触界面F2を構成する領域、接触面)
24 凹部
26 凹部
30、30A、30B、30C、30D 第二の筐体構成部材
32 裏面
34 凹部
35 凸部
35T 頂面(接触面)
36 凹部
36W 内壁面
37 凸部
37T 頂面(接触面)
37P 突起
40、40A,40B、40C、40D 筐体
50、50A、50B 収納部
60 内部部材
62 発熱可能な内部部材
70、70A、70B、70C 中空部
70W 内壁面
80 水溜り部
90 封止材
120 凸部
122T 頂面
122W 凸部120の内側の側壁面
130 凸部
132T 頂面
132W 凸部130の外縁側の側壁面
140 凸部
140P 突起
140T 頂面
200 電子機器
F 接触界面
F1 第一の接触界面
F2 第二の接触界面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の筐体構成部材と、
第二の筐体構成部材と、
前記第一の筐体構成部材と前記第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、
前記収納部内に配置される内部部材と、
前記第一の筐体構成部材と前記第二の筐体構成部材との接触界面を、前記収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、前記筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、前記収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、
前記中空部の内壁面が撥水性処理されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
第一の筐体構成部材と、
第二の筐体構成部材と、
前記第一の筐体構成部材と前記第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、
前記収納部内に配置される内部部材と、
前記第一の筐体構成部材と前記第二の筐体構成部材との接触界面を、前記収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、前記筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、前記収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、
前記第二の接触界面を構成する前記第一の筐体構成部材の接触面、および、前記第二の接触界面を構成する前記第二の筐体構成部材の接触面から選択される少なくとも一方の接触面が、親水性処理されていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
第一の筐体構成部材と、
第二の筐体構成部材と、
前記第一の筐体構成部材と前記第二の筐体構成部材とを互いに接触させ、組み合わせてなる筐体の内部に形成される収納部と、
前記収納部内に配置される発熱可能な内部部材と、
前記第一の筐体構成部材と前記第二の筐体構成部材との接触界面を、前記収納部が設けられた側の第一の接触界面、および、前記筐体の外縁側の第二の接触界面に分断すると共に、前記収納部を実質的に囲うように延びる中空部と、を少なくとも備え、
さらに、第一の接触界面を構成する第一の筐体構成部材の接触面と、第一の接触界面を構成する第二の筐体構成部材の接触面との間に封止材が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器において、
前記発熱可能な内部部材が、充電式の電池であることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−93408(P2013−93408A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233792(P2011−233792)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】