説明

電気機器

【課題】簡単でかつ安価な構成で、カバー部材が開いた状態から閉じた状態となる場合にコンデンサに流れる突入電流を抑制することができる電気機器の提供。
【解決手段】電気機器である画像形成装置1は、本体部4、カバー部材3及び複数のインターロックスイッチ45a〜45cを含む。本体部4は、各ユニット41a〜41cに電源部42からの電圧を与える電源配線43a〜43cと、各電源配線43a〜43cに並列に接続されたコンデンサ44a〜44cとを備える。カバー部材3は、開姿勢と閉姿勢とを採り得る。複数のインターロックスイッチ45a〜45cは、電源部42とコンデンサ44a〜44cとの間にそれぞれ設けられ、カバー部材3が開姿勢から閉姿勢に至るまでのカバー部材3の動作に応じて電源部42とユニット41a〜41cとを順次に接続するように、互いに所定距離離れて本体部4に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機等の画像形成装置は、その本体内部に画像を形成するための様々なユニットを備えており、本体内部はカバー部材で覆われている。また、ユニットとしては、画像形成を行う画像形成部や用紙を画像形成部に搬送する用紙搬送路、これらの各ユニットに電力を供給する中高電圧の電源が挙げられる。
【0003】
このような画像形成装置には、画像を形成している動作中にカバー部材が開けられた場合でもユーザの安全性を確保するために、カバー部材が開けられる動作に連動して各ユニットに電源からの電力を供給するための電源配線を切断し、各ユニットの動作を停止させるインターロックスイッチが設けられたものがある。
【0004】
ところで、このような電源配線には、安定した電圧をユニットに供給するためのコンデンサが並列に接続されている。このコンデンサは、各ユニット毎に設けられている。そのため、カバー部材が開いた状態から閉じた状態となり、インターロックスイッチが各ユニットに電力が供給されるように電源と各ユニットとの間を接続すると、各コンデンサには一斉に例えば数十アンペアもの突入電流が流れてしまう。すると、各ユニットに供給される電源の電圧が急峻に降下する電圧変動や、一斉に流れた突入電流によりGNDが揺らされユニットが誤動作する現象等が生じてしまう。
【0005】
このような突入電流を抑制するための方法及び装置としては、電源配線上にインダクタを直列に挿入する方法や、インターロックスイッチとは別のスイッチを各ユニットに分岐された電源配線毎に挿入し、インターロックスイッチ後段の電圧に基づいてこの別のスイッチをオン及びオフさせる装置(特許文献1)、この別のスイッチを順次にオンさせる装置が知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−163546号公報
【特許文献2】特開2004−176732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電源配線上にインダクタを直列に挿入する方法では、直流抵抗成分の高いインダクタを用いる必要がある。しかし、インダクタは、一般的に直流抵抗成分が高くなる程インダクタ自体の形状が大きくなる。従って、直流抵抗成分の高いインダクタを用いようとすると、インダクタが回路基板を占有する面積が大きくなるため、回路基板の小型化は困難になってしまう。更に、回路基板をなるべく小型にするために、電源配線が各ユニットへの分岐配線となる前にインダクタを1つ挿入すると、このインダクタには各ユニットに流れる突入電流全てが流れる。そのため、このインダクタには大電流にも耐えられるような定格電流の大きい素子を用いらなければならない。しかし、このようなインダクタは、一般的にコストが高い。
【0007】
また、特許文献1及び2では、インターロックスイッチとは別のスイッチを設けるため、これらのスイッチを制御するための機構が複雑になってしまう。更に、別のスイッチや別のスイッチを制御する制御系が回路基板を占有する面積も大きくなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、簡単でかつ安価な構成で、カバー部材が開いた状態から閉じた状態となる場合にコンデンサに流れる突入電流を抑制することができる電気機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、発明1は、電気機器本体と、カバー部材と、インターロックスイッチとを含む電気機器を提供する。電気機器本体は、電気機器内部の複数のユニットそれぞれに電源からの所定の電圧を与える複数本の電源配線と、前記電源に対し並列に前記複数本の電源配線それぞれに接続された複数のコンデンサとを備える。カバー部材は、前記電気機器本体の内部を露出させる開姿勢と、前記電気機器本体の内部を外部から隔てる閉姿勢とを採り得る。複数のインターロックスイッチは、前記電源と前記各コンデンサとの間に設けられており、前記カバー部材が前記開姿勢から前記閉姿勢に至るまでの動作に応じて前記電源と前記各ユニットとを順次に接続するように、互いに所定距離離れて前記電気機器本体に配置されている。
【0010】
この電気機器によると、開いた状態にあるカバー部材が閉じられる場合、カバー部材が除々に閉まる動作に伴って複数のインターロックスイッチは次々にオンする。即ち、複数のインターロックスイッチはそれぞれ異なるタイミングでオンするため、複数のインターロックスイッチ全てが同じタイミングで一斉にオンする場合に比して、インターロックスイッチがオンした瞬間に電源から各コンデンサに流れ込む突入電流の総量は小さい。そのため、インダクタ等のインピーダンス成分の高い素子を突入電流対策用として用いずに済むと共に、全てのコンデンサへの突入電流が一斉に流れることで各ユニットに与えられる電源からの電圧が急峻に下がってしまういわゆる電圧変動や、一斉に流れた突入電流がGNDに流れ込みGNDを揺らすことで生じる各ユニットの誤動作等の現象を防止することができる。また、インターロックスイッチ1つあたりに流れる突入電流が小さくなることから、インターロックスイッチには定格電流の低い小型のスイッチを用いることができる。従って、電気機器のコストを削減することができる。
【0011】
発明2は、前記発明1において、前記カバー部材は、前記電気機器本体に対し前記カバー部材の端部を回動軸として回動可能に装着されており、前記複数のインターロックスイッチは、前記回動軸である前記カバー部材の端部から離れる方向にそれぞれ配置されている電気機器を提供する。そして、この電気機器は、前記カバー部材に対し前記電気機器本体の内部の方向に突出しており、前記カバー部材が前記閉姿勢を採る場合に前記複数のインターロックスイッチそれぞれの位置に対応するように前記カバー部材に設けられた複数の突出部材を更に含む。
【0012】
この電気機器によると、カバー部材が除々に閉まる各動作に伴い、各インターロックスイッチは突出部材により順次に押され、電源と各ユニットとが次々に接続される。
【0013】
発明3は、前記発明1または2において、前記複数のインターロックスイッチそれぞれが前記電源と前記各ユニットとを接続した回数をカウントする回数カウント手段と、前記回数カウント手段がカウントした前記回数を記憶する記憶手段と、を更に含む電気機器を提供する。
【0014】
これにより、ユーザは、電気機器をリサイクルする際、電気機器が記憶している回数から各インターロックスイッチの残寿命を推測し、各インターロックスイッチが再利用できるか否かを判断することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電気機器によると、簡単でかつ安価な構成で、カバー部材が開いた状態から閉じた状態となる場合にコンデンサに流れる突入電流を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<実施形態>
(1)構成
図1は、本実施形態に係る電気機器が採用された画像形成装置1の外観図である。この画像形成装置1は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置及びスキャナ装置としての機能を併せ持つ複合機の機種である。図1の画像形成装置1は、原稿カバー2、カバー部材3、本体部4及び給紙カセット5を含む。
【0017】
原稿カバー2は、原稿カバー2と対向する本体部4の部分に設けられた原稿載置台(図示せず)に載置された原稿を押さえるためのものであって、原稿載置台に対し開閉自在に本体部4に装着されている。
【0018】
カバー部材3は、本体部4の前部に、本体部4に対しカバー部材3の端部31を回動軸として回動可能に装着されており、本体部4の内部を露出させる開姿勢と、本体部4の内部を外部から隔てる閉姿勢とを採り得る。
【0019】
また、カバー部材3には、複数の突出部材3a,3b,3cが設けられている。より具体的には、複数の突出部材3a〜3cは、図2に示すように、カバー部材3に対し本体部4の内部の方向に突出しており、カバー部材3が閉姿勢を採る場合に複数のインターロックスイッチ45a〜45c(後述)それぞれの位置に対応するように、カバー部材3に設けられている。従って、突出部材3a〜3cは、インターロックスイッチ45a〜45cの数だけ設けられるとよい。本実施形態では、インターロックスイッチ45a〜45cは3つ設けられているため、突出部材3a〜3cも3つ設けられている。
【0020】
本体部4は、図3に示すように、複数のユニット41a,41b,41c、電源部42、電源配線43a,43b,43c、コンデンサ44a,44b,44c、インターロックスイッチ45a,45b,45c、検知部46a,46b,46c、制御部47及び記憶部49を含む。
【0021】
複数のユニット41a〜41cとしては、他の端末と通信を行う通信部や画像を用紙に印刷する画像形成部等が挙げられる。
【0022】
電源部42は、各ユニット41a〜41cに供給される所定の電圧を生成する。
【0023】
電源配線43a〜43cは、電源部42からの所定の電圧を各ユニット41a〜41cに供給するためのものであって、電源部42と各ユニット41a〜41cとの間を接続している。
【0024】
コンデンサ44a〜44cは、電源部42から各ユニット41a〜41cに供給される所定の電圧を安定させるためのものであって、電源部42に対し並列に電源配線43a〜43cそれぞれに接続されている。コンデンサ44a〜44cの種類としては、図3に示すように、例えば電解コンデンサが挙げられる。
【0025】
インターロックスイッチ45a〜45cは、各電源配線43a〜43cの途中であって、電源部42と各コンデンサ44a〜44cとの間にそれぞれ直列に接続されており、カバー部材3の取り得る姿勢の変化に連動して電源部42と各ユニット41a〜41bとを接続及び切断する。より具体的には、インターロックスイッチ45a〜45cは、カバー部材3が開姿勢から閉姿勢に至るまでのカバー部材3の動作に応じて電源部42と各ユニット41a〜41cとを順次に接続するように、互いに所定距離離れて本体部4に配置されている。尚、本実施形態のインターロックスイッチ45a〜45cは、図1及び2に示すように、回動軸であるカバー部材3の端部31から離れる方向、即ち図1の本体部4においてカバー部材3の端部31の右方向に互いに所定距離離れて配置されている。また、インターロックスイッチ45a〜45cの種類としては、例えばアクチュエータ及びソレノイドで構成される電磁ロック式やセンサでマグネットの磁場を検知するとオンするマグネット式、直接押下されることでオンする押下式等が挙げられるが、本実施形態では、押下式のインターロックスイッチを用いた場合を例に取る。即ち、本実施形態では、カバー部材3が開いた状態から閉じる状態となると、カバー部材3の突出部材3a〜3cはそれぞれに対応するインターロックスイッチ45a〜45cを順々に押下する。これにより、押下されたインターロックスイッチ45a〜45cは次々にオンし、各ユニット41a〜41cには電源部42からの所定の電圧が順次に供給される。
【0026】
検知部46a〜46cは、インターロックスイッチ45a〜45cの数だけ設けられており、その入力端子は電源配線43a〜43cのうちインターロックスイッチ45a〜45cの後段側に接続され、出力端子は制御部47の回数カウント部48a〜48c(後述)に接続されている。検知部46a〜46cは、各インターロックスイッチ45a〜45cがオンし電源部42と各ユニット41a〜41cとが接続されると、これを検知する。
【0027】
ここで、各検知部46a〜46cの構成を、図4を用いて簡単に説明する。尚、検知部46a〜46cはそれぞれ同一の構成を有しているため、ここでは検知部46aの構成を例に取り説明する。検知部46aは、第1抵抗素子461a、第2抵抗素子462a及びコンデンサ463aを含む。第1抵抗素子461aは、電源配線43aに並列に接続されており、第2抵抗素子462aは一端が第1抵抗素子461aに接続され、他端がGNDに接続されている。コンデンサ463aは、検知部46aが出力する電圧のノイズを除去するためのものであって、第2抵抗素子462aに並列に接続されている。このような構成を有する検知部46aによると、電源配線43aからの所定の電圧は、第1及び第2抵抗素子461a、462aにより分圧される。分圧された電圧は、コンデンサ463aによりノイズを除去され、検知部46aが接続されている制御部47の回数カウント部48aに出力される。
【0028】
制御部47は、CPUを含むマイクロコンピュータであって、図3に示すように、各検知部46a〜46cの他に各ユニット41a〜41c及び記憶部49と接続されている。制御部47は、各ユニット41a〜41cの制御を行うと共に、各検知部46a〜46cが電源部42と各ユニット41a〜41cとの接続を検知した回数をカウントする回数カウント部48a〜48cとして機能する。回数カウント部48a〜48cは、言い換えると、各インターロックスイッチ45a〜45cがオンした回数をカウントする。そして回数カウント部48a〜48cは、カウントした回数を記憶部49に記憶させる。
【0029】
記憶部49は、画像形成装置1の電源がオフしても記憶しているデータを消去されない、いわゆる不揮発性のメモリであって、回数カウント部48a〜48cによりカウントされた各インターロックスイッチ45a〜45cのオンの回数を、各インターロックスイッチ45a〜45c毎に記憶する。
【0030】
給紙カセット5は、用紙を収納可能であって、本体部4の下部に2段設けられている。
【0031】
(2)動作
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作を、図5〜図8を用いて説明する。
【0032】
先ず、図5に示すように、カバー部材3が開いた状態、即ち開姿勢であるとする。この時、突出部材3a〜3cはインターロックスイッチ45a〜45cと離れているため、インターロックスイッチ45a〜45cはオフしており、各ユニット41a〜41cは電源部42からの所定の電圧が供給されていない状態にある。ユーザは、この状態のカバー部材3を、カバー部材3の端部31を回動軸として矢印Aの方向に回動させるとする。
【0033】
すると、図6に示すように、先ずはインターロックスイッチ45aのみがカバー部材3の突出部材3aにより押下された状態となる。これにより、インターロックスイッチ45aはオンし電源部42とユニット41aとが接続された状態となる。この瞬間、コンデンサ44aには電源配線43aを通じて電源部42からの突入電流が流れ、ユニット41aには電源部42からの所定の電圧の供給が開始される。尚、この図6の状態では、インターロックスイッチ45b,45cはカバー部材3の突出部材3b,3cと離れているため、オフしている。即ち、電源部42とユニット41b,41cとの間は切断された状態であるため、電源部42からコンデンサ44b,44cには、突入電流は流れない。
【0034】
そして、検知部46aは、インターロックスイッチ45aのオンを検知し、この旨を制御部47の回数カウント部48aに出力する。回数カウント部48aは、カウントしているインターロックスイッチ45aのオン回数をインクリメントし、それまでのインターロックスイッチ45aのオン回数を記憶している記憶部49に上書きする。
【0035】
次いで、図7に示すように、ユーザがカバー部材3を図6に比して更に矢印Aの方向に回動させたとする。すると、インターロックスイッチ45bがカバー部材3の突出部材3bにより押下される。これにより、インターロックスイッチ45bはオンし電源部42とユニット41bとが接続された状態となる。この瞬間、コンデンサ44bには電源配線43bを通じて電源部42からの突入電流が流れ、ユニット41bには電源部42からの所定の電圧の供給が開始される。尚、この図7の状態では、インターロックスイッチ45aは既にオンした状態であり、コンデンサ44aには所定の電荷が蓄積されている。また、インターロックスイッチ45cはカバー部材3の突出部材3cと離れているため、オフしている。従って、電源部42からコンデンサ44a,44cには、突入電流は流れない。
【0036】
そして、検知部46bは、インターロックスイッチ45bのオンを検知し、この旨を制御部47の回数カウント部48bに出力する。回数カウント部48bは、カウントしているインターロックスイッチ45bのオン回数をインクリメントし、それまでのインターロックスイッチ45bのオン回数を記憶している記憶部49に上書きする。
【0037】
次いで、図8に示すように、ユーザがカバー部材3を図7に比して更に矢印Aの方向に回動させたとする。すると、インターロックスイッチ45cはカバー部材3の突出部材3cにより押下されてオンする。これにより、電源部42とユニット41cとが接続された状態となる。この瞬間、コンデンサ44cには電源配線43cを通じて電源部42からの突入電流が流れ、ユニット41cには電源部42からの所定の電圧の供給が開始される。尚、この図8の状態では、インターロックスイッチ45a,45bは既にオンした状態であり、コンデンサ44a,44bには所定の電荷が蓄積されている。従って、電源部42からコンデンサ44a,44bには、突入電流は流れない。
【0038】
そして、検知部46cは、インターロックスイッチ45cのオンを検知し、この旨を制御部47の回数カウント部48cに出力する。回数カウント部48cは、カウントしているインターロックスイッチ45cのオン回数をインクリメントし、それまでのインターロックスイッチ45cのオン回数を記憶している記憶部49に記憶させる。
【0039】
(3)効果
この画像形成装置1によると、開いているカバー部材3が閉じられる動作に伴い、インターロックスイッチ45a〜45cは突出部材3a〜3cにより順次に押下されてオンする。これにより、電源部42と各ユニット41a〜41cとが次々に接続される。このように、各インターロックスイッチ45a〜45cがオンするタイミングは異なるため、インターロックスイッチ45a〜45c全てが一斉にオンする場合に比して、インターロックスイッチ45a〜45cがオンした瞬間に電源部42から各コンデンサ44a〜44cに流れ込む突入電流の総量は小さい。従って、インダクタ等のインピーダンス成分の高い素子を突入電流対策用として用いずに済むと共に、全コンデンサへの突入電流が一斉に流れることで生じる電圧変動や各ユニット41a〜41cの誤動作等を防止できる。また、インターロックスイッチ1つあたりに流れる突入電流が小さくなることから、インターロックスイッチ45a〜45cには定格電流の低い小型のスイッチを用いることができる。従って、電気機器のコストを削減することができる。
【0040】
また、画像形成装置1は、各インターロックスイッチ45a〜45cのオン回数を記憶している。そのため、画像形成装置1が廃棄された後にリサイクルされる際、ユーザは、このオン回数から各インターロックスイッチ45a〜45cの残寿命を推測し、各インターロックスイッチ45a〜45cが再利用できるか否かを判断することができる。
【0041】
<その他の実施形態>
(a)複数の突出部材の長さは、全て同じではなく異なっていても良い。例えば、突出部材はカバー部材の回動軸側のインターロックスイッチから順に押下するように、その長さが調節されていてもよい。
【0042】
(b)上記実施形態では、押下式のインターロックスイッチを用いた場合について記載したが、電磁ロック式やマグネット式等の他の方式のインターロックスイッチを用いてもよい。
【0043】
(c)上記実施形態では、画像形成装置の本体部の前部におけるカバー部材を例に取り説明したが、これに限定されない。例えば本体部の側部におけるカバー部材においても、本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の電気機器は、複写機、プリンタ及びファクシミリ装置の各機種や、これらの機能に更にスキャナ機能を併せ持つ複合機の画像形成装置の他、フィニッシャー等に適用できる。即ち、本発明の電気機器は、本体内部を覆うカバー部材を備えていると共に、ユーザの安全性を確保するためにインターロックスイッチが設けられた電気機器であればどのような装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態に係る電気機器が採用された画像形成装置の外観図。
【図2】カバー部材が開姿勢を採る場合の画像形成装置を上から見た図。
【図3】本体部内部の構成を模式的に示すブロック図。
【図4】検知部の構成を簡単に示す回路図。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するための図。
【図6】本実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するための図。
【図7】本実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するための図。
【図8】本実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置
3 カバー部材
3a〜3c 突出部材
4 本体部
42 電源部
43a〜43c 電源配線
44a〜44c コンデンサ
45a〜45c インターロックスイッチ
46a〜46c 検知部
47 制御部
48a〜48c 回数カウント部
49 記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器内部の複数のユニットそれぞれに電源からの所定の電圧を与える複数本の電源配線と、前記電源に対し並列に前記複数本の電源配線それぞれに接続された複数のコンデンサと、を備えた電気機器本体と、
前記電気機器本体の内部を露出させる開姿勢と、前記電気機器本体の内部を外部から隔てる閉姿勢とを採り得るカバー部材と、
前記電源と前記各コンデンサとの間に設けられており、前記カバー部材が前記開姿勢から前記閉姿勢に至るまでの動作に応じて前記電源と前記各ユニットとを順次に接続するように、互いに所定距離離れて前記電気機器本体に配置されている複数のインターロックスイッチと、
を含む、電気機器。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記電気機器本体に対し前記カバー部材の端部を回動軸として回動可能に装着されており、
前記複数のインターロックスイッチは、前記回動軸である前記カバー部材の端部から離れる方向にそれぞれ配置されており、
前記カバー部材に対し前記電気機器本体の内部の方向に突出しており、前記カバー部材が前記閉姿勢を採る場合に前記複数のインターロックスイッチそれぞれの位置に対応するように前記カバー部材に設けられた複数の突出部材を更に含む、請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記複数のインターロックスイッチそれぞれが前記電源と前記各ユニットとを接続した回数をカウントする回数カウント手段と、
前記回数カウント手段がカウントした前記回数を記憶する記憶手段と、
を更に含む、請求項1または2に記載の電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−51132(P2008−51132A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225130(P2006−225130)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】