電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置
【課題】限られたスペース内にガスダクトを効率よく配置可能とする。
【解決手段】安全弁を備える角形の電池セルを複数積層した、複数の電池ブロック10と、電池セルの安全弁と連通されたガスダクト30と、を備える電源装置であって、エンドプレート7は、その内部に、安全弁を介して排出される排出ガスを案内するためのエンドプレート配管8を設けており、エンドプレート配管8は、その一端側を電池セルの安全弁と連通し、その他端側を、ガスダクト30と連通させることができる。上記構成により、安全弁から排出された排出ガスをガスダクトに案内するための配管としてエンドプレートを利用できる。このため、配管を配置するスペースを電池ブロックの周囲に用意することなく、既存の空間内で配管を行えるという利点が得られる。
【解決手段】安全弁を備える角形の電池セルを複数積層した、複数の電池ブロック10と、電池セルの安全弁と連通されたガスダクト30と、を備える電源装置であって、エンドプレート7は、その内部に、安全弁を介して排出される排出ガスを案内するためのエンドプレート配管8を設けており、エンドプレート配管8は、その一端側を電池セルの安全弁と連通し、その他端側を、ガスダクト30と連通させることができる。上記構成により、安全弁から排出された排出ガスをガスダクトに案内するための配管としてエンドプレートを利用できる。このため、配管を配置するスペースを電池ブロックの周囲に用意することなく、既存の空間内で配管を行えるという利点が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全弁を設けた電池セルを有する電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを備える電源装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車など車両用の電源装置などに利用されている。このような電池セルは、高温時などに内圧が上昇した際、内部のガス(以下、排出ガスと称す)を外部に排出できるよう安全弁を設けている。このような排出ガスを安全に誘導して排出するため、安全弁はガスダクトに連通されており、さらにガスダクトと安全弁との連結部分でガス漏れを防止すべく、シール部材により気密にシールされている。例えば特許文献1に示す電源装置では、図17に示すように、電池ブロック10Xを4個並べた状態で、上面にこれらを跨ぐようにガスダクト30Xを配置している。
【0003】
しかしながら、例えば車載用の電源装置の場合、限られたスペースに電池ブロックを収納することは容易でなく、またガスダクトの配管スペースの確保も至難の業となる。特に、安全弁は電池セルの天面を閉塞する封口板に設けられるため、ガスダクトは電池セルの上面に配置する必要があり、電池セルを積層した電池ブロックにおいては、その上面にガスダクトを設ける必要が生じ、電池ブロックの高さ方向に突出する形となって、高さ方向に嵩高となってしまう。このような空間の確保は、限られた車内において極めて困難となる。特に、車載用途では、可能な限り室内空間を広く確保し、また高出力化のため電池セル数を増やすことが望まれているため、一層、ガスダクトの配置のためのスペース確保が困難となる。また側面に引き出そうとすると、高電圧ハーネスに干渉するため、干渉を避けるためのスペースが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−14321号公報
【特許文献2】特開2007−157633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、限られたスペース内にガスダクトを効率よく配置可能な電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、ガスダクトを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の第1の側面に係る電源装置は、安全弁3を備える角形の複数の電池セル1を有する電池ブロック10と、前記電池ブロック10の両端に備えられるエンドプレート7と、前記電池セル1の安全弁3と連通されたガスダクト30、31と、を備える電源装置であって、前記エンドプレート7は、その内部に、前記安全弁3を介して排出される排出ガスを案内するためのエンドプレート配管8を設けており、前記エンドプレート配管8は、その一端側を電池セル1の安全弁3と連通し、その他端側を、ガスダクト30、31と連通させることができる。上記構成により、安全弁から排出された排出ガスをガスダクトに案内するための配管としてエンドプレートを利用できる。このため、配管を配置するスペースを電池ブロックの周囲に用意することなく、既存の空間内で配管を行えるという利点が得られる。
【0007】
また、第2の側面に係る電源装置は、前記安全弁3を、前記電池ブロック10の上面に位置させており、前記ガスダクト30、31を前記電池ブロック10の下面側に配置し、前記エンドプレート配管8は、該エンドプレート7の下面側に、該エンドプレート配管8の他端側の端縁である連結口8bを設けることができる。上記構成により、従来スペース確保が問題となっていたガス排出用のガスダクトを、電池ブロックの下面側に配置して、電池ブロック間を這わせることが可能となり、従来のような電池ブロックの上面での配管と比べて、より柔軟な配置設計が可能となる。
【0008】
さらに、第3の側面に係る電源装置は、前記ガスダクト30は、前記エンドプレート配管8と連通するための配管部32を設けており、前記エンドプレート7は、その下面に前記配管部32を装着するための切り欠き部9を形成すると共に、該切り欠き部9に前記連結口8bを開口しており、前記配管部32は、上面に開口された連結穴33を設けており、前記配管部32の上面から、前記エンドプレート7の切り欠き部9が位置するように挿入することで、前記連結穴33と連結口8bとを連通させることができる。上記構成により、配管部の上からエンドプレートの切り欠きを被せるように装着して、容易にガスダクトの配管を行うことが可能となる。
【0009】
さらにまた、第4の側面に係る電源装置は、さらに前記ガスダクト31と前記エンドプレート配管8とを連通する配管ベース35を設けており、前記ガスダクト31が、可撓性のあるホースで構成されており、前記配管ベース35が、複数設けられており、これら配管ベース35同士を、可撓性のあるホースでもって配管することができる。上記構成により、配管作業を一層柔軟に行うことが可能となる。
【0010】
さらにまた、第5の側面に係る電源装置は、前記電池ブロック10を複数備え、さらに、前記安全弁(3)を覆うと共に、前記エンドプレート配管8と接続される安全弁ダクト24を備え、前記エンドプレート7が、前記エンドプレート配管8と連通された連結口を主面側に開口すると共に、別の電池ブロック10の前記連結口と連結可能な連結構造を備え、少なくとも一つの前記電池ブロック10は、両端の前記エンドプレート7に前記エンドプレート配管8及び前記連結口を備えると共に、一方のエンドプレート配管8の連結口と前記ガスダクトとを接続し、他方のエンドプレート配管8の連結口と接続される別の前記電池ブロック10の安全弁3が、この電池ブロック10の安全弁ダクト24を介して、前記ガスダクトと連通されることができる。
【0011】
さらにまた、第6の側面に係る車両は、上記の電源装置を備えることができる。
【0012】
さらにまた、第7の側面に係る蓄電装置は、上記の電源装置を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態に係る電源装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の電源装置からガスダクト、押圧部、シール部材を分解した分解斜視図である。
【図3】図1の電源装置から電池セル、セパレータ、エンドプレートを分解した分解斜視図である。
【図4】複数の電池ブロックにガスダクトを接続した状態を示す斜視図である。
【図5】複数の電池ブロックを接続した電源システムにおいてガスダクトを配管した状態を示す平面図である。
【図6】図1の電池ブロックにガスダクトを接続する状態を示す分解斜視図である。
【図7】電池ブロックを側面から見た断面図である。
【図8】図6の電池ブロックをVIII−VIIIから見た断面図である。
【図9】図8の電池ブロックをガスダクトに接続した状態を示す正面図である。
【図10】配管ベースの斜視図である。
【図11】配管ベース同士をホースで接続する状態を示す分解斜視図である。
【図12】エンドプレート同士を直接連結可能とした実施形態3を示す断面図である。
【図13】エンドプレート同士を継ぎ手を介して連結可能とした変形例を示す断面図である。
【図14】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図15】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図16】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【図17】従来のガスダクトを固定した電源装置を示す斜視図である。
【図18】配管ベースの変形例を示す平面図である。
【図19】配管ベースの他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを例示するものであって、本発明は電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを以下のものに特定しない。さらに、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0015】
以下、電源装置の一実施の形態として車両用電源装置に適用した例を、図1〜図3に基づいて説明する。これらの図において、図1は電源装置を構成する電池ブロック10の外観斜視図、図2は図1から安全弁ダクト24、押圧部22、シール部材20を分解した分解斜視図、図3は図1から電池セル1とセパレータ6、エンドプレート7を分解した分解斜視図を、それぞれ示している。電池ブロック10は、図1に示すように箱形としている。この電池ブロック10を複数、直列又は並列に接続して、電源装置を構成する。各電池ブロック10は、図2の分解斜視図に示すように、複数の電池セル1を積層した電池ブロック10と、シール部材20と、押圧部22と、安全弁ダクト24とを備えている。安全弁ダクト24は、電池セル1の安全弁3と連通されている。
(電池ブロック10)
【0016】
電池ブロック10は、図3の分解斜視図に示すように、複数枚の電池セル1を、絶縁性のセパレータ6を介して積層し、両側の端面にエンドプレート7を配置して締結したブロック体である。両端面のエンドプレート7同士は、バインドバー(図示せず)で締結される。バインドバーは、電池ブロック10の側面や上面に配置される。このバインドバーは、金属製の板材を折曲して構成される。このようにしてバインドバーで締結されたエンドプレート7同士の間に電池セル1の積層体を挟持することによって、電池ブロック10を強固に保持できる。
(電池セル1)
【0017】
電池セル1は、図3に示すように、その厚さを上辺の横幅よりも薄くした薄型の外装缶2を利用している。この外装缶2は、外装缶2の四隅のコーナ部を面取りした略箱形形状としている。また外装缶2の上面で外装缶2を封止する封口板4には、一対の電極端子5を突出させると共に、電極端子5の間に安全弁3を設けている。安全弁3は、外装缶2の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。安全弁3の開弁により、外装缶2の内圧上昇を停止することができる。ここでは、安全弁3から排出される排出ガスを効率よく誘導するために、安全弁3が電池ブロックの一面(本実施形態では上面)に並ぶように、電池セル1は積層される。
【0018】
電池セル1を構成する素電池は、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電可能な二次電池である。特に薄型電池にリチウムイオン電池を使用すると、パック電池全体の容量に対する充電容量を大きくできる特長がある。
(安全弁ダクト24)
【0019】
このような電池セルは、大電流での充放電によって内部のガス圧が上昇することがある。このため電池セルを内蔵する電源装置には、安全弁3を開弁してガスを放出した際に、このガスが意図しない部位から漏れ出さないよう、所定の経路に案内するためのガス排出路が設けられる。本実施形態では、電池ブロック10の上面に、安全弁ダクト24を配置することで、ガス排出路が形成されるようになっている。安全弁ダクト24は、高圧、高温のガスが排出された際に破壊されない十分な強度に設計され、好ましくは耐熱性、剛性に優れたステンレスなどの金属製とする。図2等に示す例では、安全弁ダクト24は中空の箱形に形成され、図示しないガス排出経路と気密に連通されており、このガス排出経路に案内されて安全に外部に排出される。また安全弁ダクト24を電池ブロック10の安全弁3に気密に連通するために、シール部材20が設けられている。
【0020】
シール部材20は、弾性を有するシート状の部材であり、シリコーン系樹脂等が利用できる。シール部材20は図2に示すように電池ブロック10の上面に載置した際に、各安全弁3の位置と対応する位置にシール開口部21が各々開口されている。シール開口部21は、安全弁3の外周とほぼ等しい大きさ或いはこれよりも若干大きく形成される。
【0021】
またシール部材20と封口板4との間に隙間が生じないよう、シール部材20を封口板4上面に押圧する押圧部22を、シール部材20の上面に設け、押圧部22と封口板4とでシール部材20を狭持してシール部材20を弾性変形させることで、気密性を維持している。押圧部22にも、シール部材20と同様に安全弁3の位置に押圧開口部23が開口されており、さらに押圧部22の上には安全弁ダクト24が固定されている。これにより、安全弁3と安全弁ダクト24とがシール開口部21及び押圧開口部23を介して連通される。また押圧部22とシール部材20との界面に、接着材を塗布するなどしてこれらを固定することが好ましい。なお上記実施形態では、シール部材20をシート状の部材で構成しているが、安全弁ダクト24と安全弁3を気密に連通することができれば良く、例えば、シール部材として、積層されている電池セルの各々に、安全弁を囲繞するOリングを設ける構成としてもよい。このような構成とする場合、安全弁3の周縁にリブを設け、Oリングを固定しやすく構成することが好ましい。
(ガスダクト30)
【0022】
また電池ブロック10には、ガスダクト30が接続される。図4の斜視図に示す例では、長手方向に平行に3つの電池ブロック10を並べた状態で、各電池ブロック10の安全弁3及び安全弁ダクト24と連なるガス排出路が、ガスダクト30と連通されている。各電池セル1の安全弁3から排出された排出ガスは、安全弁ダクト24に集められた後、ガスダクト30に案内されて外部に安全に排出される。
【0023】
このガスダクト30は、電池ブロック10の上面側でなく、下面側に設けられている。これにより、電池ブロック10の外形の肥大化を抑制できる。すなわち、従来のガスダクトは、ガスを集めやすい上側に配置されていたところ、このような配置では、電池ブロックの高さが大きくなって電源装置の肥大化に繋がる。特に、本実施形態のように、電極端子5と安全弁3とが電池ブロックの同じ面に配置される電源装置では、高電圧配専用のハーネス類と干渉してしまうので、ハーネス類との干渉を避けるようにガスダクトの配管をする必要がある。そのため、従来の構成のガスダクトを備える構成では、限られたスペース内に電源装置を配置することの障害となる。そこで本実施の形態においては、ガスダクト30を電池ブロック10の下面側に配置することで、このような大型化の問題を回避し、電源装置の小型化を図っている。また電池ブロック10の側面に沿わせたり、あるいは隣接する電池ブロック10同士の隙間を利用してガスダクト30を配置したりすることで、効率よく排出ガスを排出することが可能となる。図5に示す平面図の例では、様々なパターンに配置された複数の電池ブロック10に対して、ガスダクト30を電池ブロック10同士の隙間部分に配置して、排出ガスの排出経路を構成できる。
【0024】
また、本実施の形態では、安全弁3から電池セル1の上面側に排出された排出ガスを、下面側に配置したガスダクト30まで案内するための配管を、エンドプレート7に内蔵させている。これによって、安全弁3から排出された排出ガスを、電池セル1の上面から下面側に案内するために必要な配管のためのスペースを別途設ける必要をなくすことができ、この点においても電源装置の小型化に有利となる。また、ガスダクト30を電池ブロックの下面側に配置することで、電池ブロック10が載置される面(例えば、電源装置を収納する収納ボックスのフレーム)にガスダクト30を固定することもできる。以下、この様子を図6〜図10に基づいて説明する。
(エンドプレート配管8)
【0025】
エンドプレート7は、十分な強度を維持するため、好ましくは金属製とする。ただ、絶縁性を高めるため、樹脂製のエンドプレートとすることもできる。またエンドプレート7の内部には、ガス排出用のエンドプレート配管8を設けている。エンドプレート配管8は、図6の斜視図及び図7の断面図に示すように、上面側の開口端である取入口8aを安全弁ダクト24と接続している。また、エンドプレート配管8の下面側の開口端である連結口8bは、ガスダクト30と接続している。これにより、図7の断面図に示すように、安全弁ダクト24と連通された各電池セル1の安全弁3と、エンドプレート配管8とが連通される。この結果、各電池セル1から排出される排出ガスを一旦安全弁ダクト24に集め、エンドプレート配管8を介して、各電池セル1から排出された排出ガスを下面側のガスダクト30まで案内することが容易となる。
【0026】
エンドプレート7は、図8及び図9の正面図に示すように、下面においてガスダクト30の配管部32を配置するための切り欠き部9を形成している。この切り欠き部9の深さは、ガスダクト30の厚さとほぼ等しくしている。また、ガスダクト30と接続するための連結口8bは、切り欠き部9に面して開口させている。これにより、エンドプレート7の切り欠き部9にガスダクト30を配置した状態で、ガスダクト30の厚さ分、エンドプレート7の下面から突出する事態を回避できる。
【0027】
なお、上記の例では、エンドプレート配管8を、エンドプレート7の中央に一本のみ設けた例を説明したが、この構成に限られるものでなく、例えばエンドプレート配管をエンドプレート内部で複数本に分岐させてもよい。
【0028】
さらに図7の断面図に示す例では、電池ブロック10の左右に配置されたエンドプレート7の内、右側のエンドプレート7にエンドプレート配管32を内部に設ける一方、左側のエンドプレート7’には、エンドプレート配管を設けていない。これにより、配管作業を、スペースに余裕のあるいずれか一方のエンドプレートのみで行うことができる。ただ、スペースに余裕がある場合は、両側のエンドプレートにエンドプレート配管を設ける構成としてもよいことは、いうまでもない。
【0029】
このガスダクト30は、上述の通り、電池ブロック10の上面側でなく、下面側に設けている。この配置によって、ガス排出用のガスダクト30の配置スペースを電池ブロック10間の隙間などに這わせることが可能となり、従来のような電池ブロック10の上面での配管と比べて、より柔軟な配置設計が可能となる。ガスダクト30の斜視図を、図10に示す。この図に示すガスダクト30は、内部を中空として、外観を角材状に延長させており、部分的に側面に突出させた配管部32を備えている。配管部32は、その上面に、エンドプレート7の連結口8bと接続するための連結穴33を開口している。さらに配管部32は、エンドプレート7の切り欠き部9に配置できる大きさとする。図10の例では、配管部32は角柱状のガスダクト30と厚さを等しくしたブロック状に形成されており、平面視T字状にガスダクト30の側面から突出させて、ガスダクト30と一体的に設けられている。また連結穴33は、配管部32の上面のほぼ中央で、円筒状に突出させて、ガスダクト30内部の空間と連通されている。
【0030】
このような構成により、エンドプレート7の切り欠き部9の部分を配管部32に被せる姿勢で上面側から装着して、容易にガスダクト30の配管を行うことが可能となる。また連結穴33を上面に向けて開口させたことで、エンドプレート7を上方向から挿抜可能とし、電源装置のメンテナンス時等におけるエンドプレート7とガスダクト30との分解作業を容易に行える。すなわち、従来のように電池ブロックの上面側にガスダクトを配置した構成では、図17に示すように、メンテナンス時に一部の電池ブロック10Xのみを取り外そうとしても、ガスダクト30Xがすべての電池ブロック10Xを跨ぐように配置されているため、一旦すべてのガスダクト30Xを取り外す必要があり、非常に手間がかかる作業を要していた。これに対して、本実施の形態によれば、ガスダクト30が電池ブロック10の下面側に配置されているため、電池ブロック10の分解に際してガスダクト30が邪魔になることがなく、任意の電池ブロック10の分解作業を容易に行える利点が得られる。また、電池ブロック10の装着に際しても、ガスダクト30の上面側からエンドプレート7の連結口8bを挿入するようにして、ガスダクト30と電池ブロック10とを連通することができる。このように、ガスダクト30を分解することなく、電池ブロック10の挿抜作業が行えるため、劣化した任意の電池ブロックのみを交換するような、部分的な作業性に優れるという利点が得られる。
【0031】
なお、以上の例では配管部32側の連結穴33を、配管部32から上方に突出させた筒状の雄型に形成し、一方エンドプレート7側の連結口8bを、開口部分に雄型の連結穴33を挿入する雌型に形成している。ただ本発明は、この例に限られるものでなく、例えば連結口を突出させた雄型に、連結穴を雄型を受ける雌型に、それぞれ形成して、雄型の連結口を雌型の連結穴に挿入する構成としてもよい。
(配管ベース35)
【0032】
以上の例では、ガスダクト30自体に、エンドプレート7と連結する連結構造を設けた例を説明した。ただ、本発明はこの構成に限定されるものでなく、エンドプレートとガスダクトとの間に、別部材の連結構造を介在させる構成を採用することもできる。このような例を図11の斜視図に示す。この図においては、エンドプレート7と連結する連結構造として、配管ベース35を設けている。この配管ベース35は、上述した配管部32とほぼ同様の構成を備えており、側面から突出させた配管部32’の上面に連結穴33’を開口している。連結穴33’は、配管ベース35の上面から筒状に突出させている。
【0033】
またガスダクト31を可撓性のホースで構成しており、配管ベース35同士をホースで連結している。図11の例では、配管ベース35の両側側面に、ホースと接続するためのホース接続口36を設けている。この構成では、エンドプレート7と連結するための配管ベース35を、ホース状のガスダクト31同士を連結する管継ぎ手と兼用することができる。さらにガスダクト31が可撓性を有することで、より柔軟な配置や取り回しが可能となり、配置空間に応じて設置された電池ブロック10同士で、ガスダクト31の配管をより柔軟に行える。また配管ベース35は、電源装置の土台を構成するハウジング等に、ねじなどにより固定される。
【0034】
さらに、筒状に突出された連結穴33’と、ホース接続口36の口径とを、一致させておくことで、電池ブロック10の接続形態に応じて、配管ベース35の姿勢を変化させ、連結穴33’とホース接続口36とを兼用することができる。特に配管ベースの形状を、図18の平面図に示す配管ベース35”のように、正方形(立方体)を4つ組み合わせたような形状とし、配管部32”を構成する一辺を、角材状の配管ベース35”の横幅や厚さと一致させ、さらに配管ベース35”の端面から配管部32”を設けた位置までの距離とも一致させ、加えて筒状に突出させた連結穴33”を配管部32”の中央に、またホース接続口36”も配管ベース35”の端面の中央に、それぞれ設けることで、これら連結穴33”やホース接続口36”を入れ替えて使用可能とできる。さらにまたエンドプレートの切り欠き部の形状を、このような配管部32”の直方体状と一致させることで、ホース接続口36”を設けた配管ベース35”の端面側を、切り欠き部側に挿入することも可能となる。また、図19に示すような、平面視L字状の配管ベース37のように、異なる形状の配管ベースを組み合わせることで、様々な姿勢で電池ブロック同士の配管接続が可能となり、モジュラーコンセプト式の接続形態として、接続の自由度を高めることができる。
(連結構造)
【0035】
さらに、上記実施形態では、ガスダクト30自体に、エンドプレート7のエンドプレート配管8と連結する連結構造を設ける構成や、配管ベース35を介して、エンドプレート配管8とガスダクト31とを連通させる構成を示したが、エンドプレート同士を直接配管する構成とすることもできる。このような例を図12の断面図に示す。この図に示す電池ブロック10は、エンドプレート7Bに設けたエンドプレート配管8の連結口8b’を、下面側でなく、エンドプレート7Bの主面側、すなわち側面に開口している。さらに連結口8b’は、他のエンドプレート7Bの連結口8b’と連結可能な連結構造を設けている。ここでは、図において左側に位置する電池ブロック10B1の、右側のエンドプレート7B1では連結口8b’を突出させて凸状連結部8b1とし、図において右側に位置する電池ブロック10B2の、左側のエンドプレート7B2では連結口8b’を窪ませて凹状連結部8b2としている。凹状連結部8b2の窪みは、凸状連結部8b1の突出部分を挿入できる大きさ及び形状とする。さらにこれら凸状連結部8b1と凹状連結部8b2との界面には、パッキンなどの弾性部材を配置して、これらの連結を気密に行い、連結の界面から排出ガスが漏れる事態を回避する。この構造のエンドプレート7Bは、凸状連結部8b1を凹状連結部8b2に挿入することで、対向するエンドプレート7B1、B2のエンドプレート配管同士を、エンドプレートの連結構造(凸状連結部8b1及び凹状連結部8b2)でもって直接連通できる。
【0036】
このような構成とすると、片方の電池ブロック10のみガスダクト(図示せず)と接続させ、もう一方の電池ブロック10の安全弁3は、ガスダクトと接続される電池ブロック10のエンドプレート配管8と安全弁ダクト24とを介して、ガスダクトと連通させることができる。この構成によると、電池ブロック10同士を接続するための配管が不要となり、一層の小型化を図ることができる。
【0037】
また、このような電池ブロック10のエンドプレート配管8と安全弁ダクト24とを介して、別の電池ブロック10の安全弁3とガスダクトとを連通する構成は、上述したガスダクト30自体に、エンドプレート7のエンドプレート配管8と連結する連結構造を設ける構成や、配管ベース35を介して、エンドプレート配管8とガスダクト31とを連通させる構成においても、採用することができる。このような構成では、特に、車両の構成の都合等により、ガスダクトの排気口(図示せず)を一箇所にまとめる必要があるような場合において、ガスダクトの配置スペースを少なくすることができ、一層の小型化や作業性の向上を図ることができる。
【0038】
尚、例えば、端部に位置する電池ブロックは、安全ダクト24を片側のエンドプレート7のエンドプレート配管8を介して、排気ガスを誘導する構成でよいが、部品の共通化のために、二つのエンドプレートにエンドプレート配管8を設ける構成としても良い。この場合、片側のエンドプレート配管8のみを使用するため、使用しないエンドプレート配管8を、封止キャップ(図示せず)で閉塞するように構成することが好ましい。また、言うまでもないが、このような電池ブロックにおいて、ガスダクトと接続されないエンドプレートは、エンドプレート配管8を有さない別のエンドプレートを採用することもできる。
【0039】
図12の例では、凸状連結部8b1や凹状連結部8b2を、エンドプレート7Bの主面側のほぼ中央に設けているが、この例に限らず、例えば主面の下端近傍や上端近傍に設けることも可能である。また主面側に限らず、例えばエンドプレートの側面側に設けてもよい。側面側に設けることで、電池ブロックを長手方向に平行に並べた状態で、隣接する電池ブロック同士を直接配管することが可能となる。
【0040】
また凸状連結部や凹状連結部は、エンドプレートと一体的に設ける構成の他、これらを別部材で構成することもできる。例えば図13に示す変形例では、連結構造を、両側から凸状連結部8b3を突出させた継ぎ手38とし、この継ぎ手38を、エンドプレート7B2に形成された凹状連結部8b2に挿入して配管することが可能となる。この構成であれば、エンドプレート7B2を、凹状連結部8b2を設けた一種類に統一できるので、凸状連結部を設けた別種類のエンドプレートを用意せずに済み、異なる種類のエンドプレート7Bを混在させる必要がなくなることから、製造上、管理上、組立上の利点が得られる。
【0041】
以上の電源装置は、車載用の電源として利用できる。電源装置を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
(ハイブリッド車用電源装置)
【0042】
図14に、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(電気自動車用電源装置)
【0043】
また図15に、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(蓄電用電源装置)
【0044】
さらに、この電源装置は、移動体用の動力源としてのみならず、載置型の蓄電用設備としても利用できる。例えば家庭用、工場用の電源として、太陽光や深夜電力等で充電し、必要時に放電する電源システム、あるいは日中の太陽光を充電して夜間に放電する街路灯用の電源や、停電時に駆動する信号機用のバックアップ電源等にも利用できる。このような例を図16に示す。この図に示す電源装置100は、複数の電池パック81をユニット状に接続して電池ユニット82を構成している。各電池パック81は、複数の角型電池セル1が直列及び/又は並列に接続されている。各電池パック81は、電源コントローラ84により制御される。この電源装置100は、電池ユニット82を充電用電源CPで充電した後、負荷LDを駆動する。このため電源装置100は、充電モードと放電モードを備える。負荷LDと充電用電源CPはそれぞれ、放電スイッチDS及び充電スイッチCSを介して電源装置100と接続されている。放電スイッチDS及び充電スイッチCSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ84は充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをOFFに切り替えて、充電用電源CPから電源装置100への充電を許可する。また充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で負荷LDからの要求に応じて、電源コントローラ84は充電スイッチCSをOFFに、放電スイッチDSをONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷LDへの放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをONにして、負荷LDの電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0045】
電源装置100で駆動される負荷LDは、放電スイッチDSを介して電源装置100と接続されている。電源装置100の放電モードにおいては、電源コントローラ84が放電スイッチDSをONに切り替えて、負荷LDに接続し、電源装置100からの電力で負荷LDを駆動する。放電スイッチDSはFET等のスイッチング素子が利用できる。放電スイッチDSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって制御される。また電源コントローラ84は、外部機器と通信するための通信インターフェースを備えている。図16の例では、UARTやRS−232C等の既存の通信プロトコルに従い、ホスト機器HTと接続されている。また必要に応じて、電源システムに対してユーザが操作を行うためのユーザインターフェースを設けることもできる。
【0046】
各電池パック81は、信号端子と電源端子を備える。信号端子は、パック入出力端子DIと、パック異常出力端子DAと、パック接続端子DOとを含む。パック入出力端子DIは、他のパック電池や電源コントローラ84からの信号を入出力するための端子であり、パック接続端子DOは子パックである他のパック電池に対して信号を入出力するための端子である。またパック異常出力端子DAは、パック電池の異常を外部に出力するための端子である。さらに電源端子は、電池パック81同士を直列、並列に接続するための端子である。また電池ユニット82は並列接続スイッチ85を介して出力ラインOLに接続されて互いに並列に接続されている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置は、EV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置として好適に利用できる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0048】
100…電源装置
1…電池セル
2…外装缶
3…安全弁
4…封口板
5…電極端子
6…セパレータ
7、7’、7B、7B1、7B2…エンドプレート
8…エンドプレート配管;8a…取入口;8b、8b’…連結口
8b1、8b3…凸状連結部;8b2…凹状連結部
9…切り欠き部
10、10B1、10B2、10X…電池ブロック
20…シール部材
21…シール開口部
22…押圧部
23…押圧開口部
24…安全弁ダクト
30、31、30X…ガスダクト
32、32’、32”…配管部
33、33’、33”…連結穴
35、35”、37…配管ベース
36、36”…ホース接続口
38…継ぎ手
81…電池積層体
82…電池ユニット
84…電源コントローラ
85…並列接続スイッチ
93…モータ
94…発電機
95…インバータ
96…エンジン
HV、EV…車両
LD…負荷;CP…充電用電源;DS…放電スイッチ;CS…充電スイッチ
OL…出力ライン;HT…ホスト機器
DI…パック入出力端子;DA…パック異常出力端子;DO…パック接続端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全弁を設けた電池セルを有する電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを備える電源装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車など車両用の電源装置などに利用されている。このような電池セルは、高温時などに内圧が上昇した際、内部のガス(以下、排出ガスと称す)を外部に排出できるよう安全弁を設けている。このような排出ガスを安全に誘導して排出するため、安全弁はガスダクトに連通されており、さらにガスダクトと安全弁との連結部分でガス漏れを防止すべく、シール部材により気密にシールされている。例えば特許文献1に示す電源装置では、図17に示すように、電池ブロック10Xを4個並べた状態で、上面にこれらを跨ぐようにガスダクト30Xを配置している。
【0003】
しかしながら、例えば車載用の電源装置の場合、限られたスペースに電池ブロックを収納することは容易でなく、またガスダクトの配管スペースの確保も至難の業となる。特に、安全弁は電池セルの天面を閉塞する封口板に設けられるため、ガスダクトは電池セルの上面に配置する必要があり、電池セルを積層した電池ブロックにおいては、その上面にガスダクトを設ける必要が生じ、電池ブロックの高さ方向に突出する形となって、高さ方向に嵩高となってしまう。このような空間の確保は、限られた車内において極めて困難となる。特に、車載用途では、可能な限り室内空間を広く確保し、また高出力化のため電池セル数を増やすことが望まれているため、一層、ガスダクトの配置のためのスペース確保が困難となる。また側面に引き出そうとすると、高電圧ハーネスに干渉するため、干渉を避けるためのスペースが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−14321号公報
【特許文献2】特開2007−157633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、限られたスペース内にガスダクトを効率よく配置可能な電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、ガスダクトを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の第1の側面に係る電源装置は、安全弁3を備える角形の複数の電池セル1を有する電池ブロック10と、前記電池ブロック10の両端に備えられるエンドプレート7と、前記電池セル1の安全弁3と連通されたガスダクト30、31と、を備える電源装置であって、前記エンドプレート7は、その内部に、前記安全弁3を介して排出される排出ガスを案内するためのエンドプレート配管8を設けており、前記エンドプレート配管8は、その一端側を電池セル1の安全弁3と連通し、その他端側を、ガスダクト30、31と連通させることができる。上記構成により、安全弁から排出された排出ガスをガスダクトに案内するための配管としてエンドプレートを利用できる。このため、配管を配置するスペースを電池ブロックの周囲に用意することなく、既存の空間内で配管を行えるという利点が得られる。
【0007】
また、第2の側面に係る電源装置は、前記安全弁3を、前記電池ブロック10の上面に位置させており、前記ガスダクト30、31を前記電池ブロック10の下面側に配置し、前記エンドプレート配管8は、該エンドプレート7の下面側に、該エンドプレート配管8の他端側の端縁である連結口8bを設けることができる。上記構成により、従来スペース確保が問題となっていたガス排出用のガスダクトを、電池ブロックの下面側に配置して、電池ブロック間を這わせることが可能となり、従来のような電池ブロックの上面での配管と比べて、より柔軟な配置設計が可能となる。
【0008】
さらに、第3の側面に係る電源装置は、前記ガスダクト30は、前記エンドプレート配管8と連通するための配管部32を設けており、前記エンドプレート7は、その下面に前記配管部32を装着するための切り欠き部9を形成すると共に、該切り欠き部9に前記連結口8bを開口しており、前記配管部32は、上面に開口された連結穴33を設けており、前記配管部32の上面から、前記エンドプレート7の切り欠き部9が位置するように挿入することで、前記連結穴33と連結口8bとを連通させることができる。上記構成により、配管部の上からエンドプレートの切り欠きを被せるように装着して、容易にガスダクトの配管を行うことが可能となる。
【0009】
さらにまた、第4の側面に係る電源装置は、さらに前記ガスダクト31と前記エンドプレート配管8とを連通する配管ベース35を設けており、前記ガスダクト31が、可撓性のあるホースで構成されており、前記配管ベース35が、複数設けられており、これら配管ベース35同士を、可撓性のあるホースでもって配管することができる。上記構成により、配管作業を一層柔軟に行うことが可能となる。
【0010】
さらにまた、第5の側面に係る電源装置は、前記電池ブロック10を複数備え、さらに、前記安全弁(3)を覆うと共に、前記エンドプレート配管8と接続される安全弁ダクト24を備え、前記エンドプレート7が、前記エンドプレート配管8と連通された連結口を主面側に開口すると共に、別の電池ブロック10の前記連結口と連結可能な連結構造を備え、少なくとも一つの前記電池ブロック10は、両端の前記エンドプレート7に前記エンドプレート配管8及び前記連結口を備えると共に、一方のエンドプレート配管8の連結口と前記ガスダクトとを接続し、他方のエンドプレート配管8の連結口と接続される別の前記電池ブロック10の安全弁3が、この電池ブロック10の安全弁ダクト24を介して、前記ガスダクトと連通されることができる。
【0011】
さらにまた、第6の側面に係る車両は、上記の電源装置を備えることができる。
【0012】
さらにまた、第7の側面に係る蓄電装置は、上記の電源装置を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態に係る電源装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の電源装置からガスダクト、押圧部、シール部材を分解した分解斜視図である。
【図3】図1の電源装置から電池セル、セパレータ、エンドプレートを分解した分解斜視図である。
【図4】複数の電池ブロックにガスダクトを接続した状態を示す斜視図である。
【図5】複数の電池ブロックを接続した電源システムにおいてガスダクトを配管した状態を示す平面図である。
【図6】図1の電池ブロックにガスダクトを接続する状態を示す分解斜視図である。
【図7】電池ブロックを側面から見た断面図である。
【図8】図6の電池ブロックをVIII−VIIIから見た断面図である。
【図9】図8の電池ブロックをガスダクトに接続した状態を示す正面図である。
【図10】配管ベースの斜視図である。
【図11】配管ベース同士をホースで接続する状態を示す分解斜視図である。
【図12】エンドプレート同士を直接連結可能とした実施形態3を示す断面図である。
【図13】エンドプレート同士を継ぎ手を介して連結可能とした変形例を示す断面図である。
【図14】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図15】モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示すブロック図である。
【図16】蓄電用の電源装置に適用する例を示すブロック図である。
【図17】従来のガスダクトを固定した電源装置を示す斜視図である。
【図18】配管ベースの変形例を示す平面図である。
【図19】配管ベースの他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを例示するものであって、本発明は電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置、連結ユニットを以下のものに特定しない。さらに、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0015】
以下、電源装置の一実施の形態として車両用電源装置に適用した例を、図1〜図3に基づいて説明する。これらの図において、図1は電源装置を構成する電池ブロック10の外観斜視図、図2は図1から安全弁ダクト24、押圧部22、シール部材20を分解した分解斜視図、図3は図1から電池セル1とセパレータ6、エンドプレート7を分解した分解斜視図を、それぞれ示している。電池ブロック10は、図1に示すように箱形としている。この電池ブロック10を複数、直列又は並列に接続して、電源装置を構成する。各電池ブロック10は、図2の分解斜視図に示すように、複数の電池セル1を積層した電池ブロック10と、シール部材20と、押圧部22と、安全弁ダクト24とを備えている。安全弁ダクト24は、電池セル1の安全弁3と連通されている。
(電池ブロック10)
【0016】
電池ブロック10は、図3の分解斜視図に示すように、複数枚の電池セル1を、絶縁性のセパレータ6を介して積層し、両側の端面にエンドプレート7を配置して締結したブロック体である。両端面のエンドプレート7同士は、バインドバー(図示せず)で締結される。バインドバーは、電池ブロック10の側面や上面に配置される。このバインドバーは、金属製の板材を折曲して構成される。このようにしてバインドバーで締結されたエンドプレート7同士の間に電池セル1の積層体を挟持することによって、電池ブロック10を強固に保持できる。
(電池セル1)
【0017】
電池セル1は、図3に示すように、その厚さを上辺の横幅よりも薄くした薄型の外装缶2を利用している。この外装缶2は、外装缶2の四隅のコーナ部を面取りした略箱形形状としている。また外装缶2の上面で外装缶2を封止する封口板4には、一対の電極端子5を突出させると共に、電極端子5の間に安全弁3を設けている。安全弁3は、外装缶2の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。安全弁3の開弁により、外装缶2の内圧上昇を停止することができる。ここでは、安全弁3から排出される排出ガスを効率よく誘導するために、安全弁3が電池ブロックの一面(本実施形態では上面)に並ぶように、電池セル1は積層される。
【0018】
電池セル1を構成する素電池は、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電可能な二次電池である。特に薄型電池にリチウムイオン電池を使用すると、パック電池全体の容量に対する充電容量を大きくできる特長がある。
(安全弁ダクト24)
【0019】
このような電池セルは、大電流での充放電によって内部のガス圧が上昇することがある。このため電池セルを内蔵する電源装置には、安全弁3を開弁してガスを放出した際に、このガスが意図しない部位から漏れ出さないよう、所定の経路に案内するためのガス排出路が設けられる。本実施形態では、電池ブロック10の上面に、安全弁ダクト24を配置することで、ガス排出路が形成されるようになっている。安全弁ダクト24は、高圧、高温のガスが排出された際に破壊されない十分な強度に設計され、好ましくは耐熱性、剛性に優れたステンレスなどの金属製とする。図2等に示す例では、安全弁ダクト24は中空の箱形に形成され、図示しないガス排出経路と気密に連通されており、このガス排出経路に案内されて安全に外部に排出される。また安全弁ダクト24を電池ブロック10の安全弁3に気密に連通するために、シール部材20が設けられている。
【0020】
シール部材20は、弾性を有するシート状の部材であり、シリコーン系樹脂等が利用できる。シール部材20は図2に示すように電池ブロック10の上面に載置した際に、各安全弁3の位置と対応する位置にシール開口部21が各々開口されている。シール開口部21は、安全弁3の外周とほぼ等しい大きさ或いはこれよりも若干大きく形成される。
【0021】
またシール部材20と封口板4との間に隙間が生じないよう、シール部材20を封口板4上面に押圧する押圧部22を、シール部材20の上面に設け、押圧部22と封口板4とでシール部材20を狭持してシール部材20を弾性変形させることで、気密性を維持している。押圧部22にも、シール部材20と同様に安全弁3の位置に押圧開口部23が開口されており、さらに押圧部22の上には安全弁ダクト24が固定されている。これにより、安全弁3と安全弁ダクト24とがシール開口部21及び押圧開口部23を介して連通される。また押圧部22とシール部材20との界面に、接着材を塗布するなどしてこれらを固定することが好ましい。なお上記実施形態では、シール部材20をシート状の部材で構成しているが、安全弁ダクト24と安全弁3を気密に連通することができれば良く、例えば、シール部材として、積層されている電池セルの各々に、安全弁を囲繞するOリングを設ける構成としてもよい。このような構成とする場合、安全弁3の周縁にリブを設け、Oリングを固定しやすく構成することが好ましい。
(ガスダクト30)
【0022】
また電池ブロック10には、ガスダクト30が接続される。図4の斜視図に示す例では、長手方向に平行に3つの電池ブロック10を並べた状態で、各電池ブロック10の安全弁3及び安全弁ダクト24と連なるガス排出路が、ガスダクト30と連通されている。各電池セル1の安全弁3から排出された排出ガスは、安全弁ダクト24に集められた後、ガスダクト30に案内されて外部に安全に排出される。
【0023】
このガスダクト30は、電池ブロック10の上面側でなく、下面側に設けられている。これにより、電池ブロック10の外形の肥大化を抑制できる。すなわち、従来のガスダクトは、ガスを集めやすい上側に配置されていたところ、このような配置では、電池ブロックの高さが大きくなって電源装置の肥大化に繋がる。特に、本実施形態のように、電極端子5と安全弁3とが電池ブロックの同じ面に配置される電源装置では、高電圧配専用のハーネス類と干渉してしまうので、ハーネス類との干渉を避けるようにガスダクトの配管をする必要がある。そのため、従来の構成のガスダクトを備える構成では、限られたスペース内に電源装置を配置することの障害となる。そこで本実施の形態においては、ガスダクト30を電池ブロック10の下面側に配置することで、このような大型化の問題を回避し、電源装置の小型化を図っている。また電池ブロック10の側面に沿わせたり、あるいは隣接する電池ブロック10同士の隙間を利用してガスダクト30を配置したりすることで、効率よく排出ガスを排出することが可能となる。図5に示す平面図の例では、様々なパターンに配置された複数の電池ブロック10に対して、ガスダクト30を電池ブロック10同士の隙間部分に配置して、排出ガスの排出経路を構成できる。
【0024】
また、本実施の形態では、安全弁3から電池セル1の上面側に排出された排出ガスを、下面側に配置したガスダクト30まで案内するための配管を、エンドプレート7に内蔵させている。これによって、安全弁3から排出された排出ガスを、電池セル1の上面から下面側に案内するために必要な配管のためのスペースを別途設ける必要をなくすことができ、この点においても電源装置の小型化に有利となる。また、ガスダクト30を電池ブロックの下面側に配置することで、電池ブロック10が載置される面(例えば、電源装置を収納する収納ボックスのフレーム)にガスダクト30を固定することもできる。以下、この様子を図6〜図10に基づいて説明する。
(エンドプレート配管8)
【0025】
エンドプレート7は、十分な強度を維持するため、好ましくは金属製とする。ただ、絶縁性を高めるため、樹脂製のエンドプレートとすることもできる。またエンドプレート7の内部には、ガス排出用のエンドプレート配管8を設けている。エンドプレート配管8は、図6の斜視図及び図7の断面図に示すように、上面側の開口端である取入口8aを安全弁ダクト24と接続している。また、エンドプレート配管8の下面側の開口端である連結口8bは、ガスダクト30と接続している。これにより、図7の断面図に示すように、安全弁ダクト24と連通された各電池セル1の安全弁3と、エンドプレート配管8とが連通される。この結果、各電池セル1から排出される排出ガスを一旦安全弁ダクト24に集め、エンドプレート配管8を介して、各電池セル1から排出された排出ガスを下面側のガスダクト30まで案内することが容易となる。
【0026】
エンドプレート7は、図8及び図9の正面図に示すように、下面においてガスダクト30の配管部32を配置するための切り欠き部9を形成している。この切り欠き部9の深さは、ガスダクト30の厚さとほぼ等しくしている。また、ガスダクト30と接続するための連結口8bは、切り欠き部9に面して開口させている。これにより、エンドプレート7の切り欠き部9にガスダクト30を配置した状態で、ガスダクト30の厚さ分、エンドプレート7の下面から突出する事態を回避できる。
【0027】
なお、上記の例では、エンドプレート配管8を、エンドプレート7の中央に一本のみ設けた例を説明したが、この構成に限られるものでなく、例えばエンドプレート配管をエンドプレート内部で複数本に分岐させてもよい。
【0028】
さらに図7の断面図に示す例では、電池ブロック10の左右に配置されたエンドプレート7の内、右側のエンドプレート7にエンドプレート配管32を内部に設ける一方、左側のエンドプレート7’には、エンドプレート配管を設けていない。これにより、配管作業を、スペースに余裕のあるいずれか一方のエンドプレートのみで行うことができる。ただ、スペースに余裕がある場合は、両側のエンドプレートにエンドプレート配管を設ける構成としてもよいことは、いうまでもない。
【0029】
このガスダクト30は、上述の通り、電池ブロック10の上面側でなく、下面側に設けている。この配置によって、ガス排出用のガスダクト30の配置スペースを電池ブロック10間の隙間などに這わせることが可能となり、従来のような電池ブロック10の上面での配管と比べて、より柔軟な配置設計が可能となる。ガスダクト30の斜視図を、図10に示す。この図に示すガスダクト30は、内部を中空として、外観を角材状に延長させており、部分的に側面に突出させた配管部32を備えている。配管部32は、その上面に、エンドプレート7の連結口8bと接続するための連結穴33を開口している。さらに配管部32は、エンドプレート7の切り欠き部9に配置できる大きさとする。図10の例では、配管部32は角柱状のガスダクト30と厚さを等しくしたブロック状に形成されており、平面視T字状にガスダクト30の側面から突出させて、ガスダクト30と一体的に設けられている。また連結穴33は、配管部32の上面のほぼ中央で、円筒状に突出させて、ガスダクト30内部の空間と連通されている。
【0030】
このような構成により、エンドプレート7の切り欠き部9の部分を配管部32に被せる姿勢で上面側から装着して、容易にガスダクト30の配管を行うことが可能となる。また連結穴33を上面に向けて開口させたことで、エンドプレート7を上方向から挿抜可能とし、電源装置のメンテナンス時等におけるエンドプレート7とガスダクト30との分解作業を容易に行える。すなわち、従来のように電池ブロックの上面側にガスダクトを配置した構成では、図17に示すように、メンテナンス時に一部の電池ブロック10Xのみを取り外そうとしても、ガスダクト30Xがすべての電池ブロック10Xを跨ぐように配置されているため、一旦すべてのガスダクト30Xを取り外す必要があり、非常に手間がかかる作業を要していた。これに対して、本実施の形態によれば、ガスダクト30が電池ブロック10の下面側に配置されているため、電池ブロック10の分解に際してガスダクト30が邪魔になることがなく、任意の電池ブロック10の分解作業を容易に行える利点が得られる。また、電池ブロック10の装着に際しても、ガスダクト30の上面側からエンドプレート7の連結口8bを挿入するようにして、ガスダクト30と電池ブロック10とを連通することができる。このように、ガスダクト30を分解することなく、電池ブロック10の挿抜作業が行えるため、劣化した任意の電池ブロックのみを交換するような、部分的な作業性に優れるという利点が得られる。
【0031】
なお、以上の例では配管部32側の連結穴33を、配管部32から上方に突出させた筒状の雄型に形成し、一方エンドプレート7側の連結口8bを、開口部分に雄型の連結穴33を挿入する雌型に形成している。ただ本発明は、この例に限られるものでなく、例えば連結口を突出させた雄型に、連結穴を雄型を受ける雌型に、それぞれ形成して、雄型の連結口を雌型の連結穴に挿入する構成としてもよい。
(配管ベース35)
【0032】
以上の例では、ガスダクト30自体に、エンドプレート7と連結する連結構造を設けた例を説明した。ただ、本発明はこの構成に限定されるものでなく、エンドプレートとガスダクトとの間に、別部材の連結構造を介在させる構成を採用することもできる。このような例を図11の斜視図に示す。この図においては、エンドプレート7と連結する連結構造として、配管ベース35を設けている。この配管ベース35は、上述した配管部32とほぼ同様の構成を備えており、側面から突出させた配管部32’の上面に連結穴33’を開口している。連結穴33’は、配管ベース35の上面から筒状に突出させている。
【0033】
またガスダクト31を可撓性のホースで構成しており、配管ベース35同士をホースで連結している。図11の例では、配管ベース35の両側側面に、ホースと接続するためのホース接続口36を設けている。この構成では、エンドプレート7と連結するための配管ベース35を、ホース状のガスダクト31同士を連結する管継ぎ手と兼用することができる。さらにガスダクト31が可撓性を有することで、より柔軟な配置や取り回しが可能となり、配置空間に応じて設置された電池ブロック10同士で、ガスダクト31の配管をより柔軟に行える。また配管ベース35は、電源装置の土台を構成するハウジング等に、ねじなどにより固定される。
【0034】
さらに、筒状に突出された連結穴33’と、ホース接続口36の口径とを、一致させておくことで、電池ブロック10の接続形態に応じて、配管ベース35の姿勢を変化させ、連結穴33’とホース接続口36とを兼用することができる。特に配管ベースの形状を、図18の平面図に示す配管ベース35”のように、正方形(立方体)を4つ組み合わせたような形状とし、配管部32”を構成する一辺を、角材状の配管ベース35”の横幅や厚さと一致させ、さらに配管ベース35”の端面から配管部32”を設けた位置までの距離とも一致させ、加えて筒状に突出させた連結穴33”を配管部32”の中央に、またホース接続口36”も配管ベース35”の端面の中央に、それぞれ設けることで、これら連結穴33”やホース接続口36”を入れ替えて使用可能とできる。さらにまたエンドプレートの切り欠き部の形状を、このような配管部32”の直方体状と一致させることで、ホース接続口36”を設けた配管ベース35”の端面側を、切り欠き部側に挿入することも可能となる。また、図19に示すような、平面視L字状の配管ベース37のように、異なる形状の配管ベースを組み合わせることで、様々な姿勢で電池ブロック同士の配管接続が可能となり、モジュラーコンセプト式の接続形態として、接続の自由度を高めることができる。
(連結構造)
【0035】
さらに、上記実施形態では、ガスダクト30自体に、エンドプレート7のエンドプレート配管8と連結する連結構造を設ける構成や、配管ベース35を介して、エンドプレート配管8とガスダクト31とを連通させる構成を示したが、エンドプレート同士を直接配管する構成とすることもできる。このような例を図12の断面図に示す。この図に示す電池ブロック10は、エンドプレート7Bに設けたエンドプレート配管8の連結口8b’を、下面側でなく、エンドプレート7Bの主面側、すなわち側面に開口している。さらに連結口8b’は、他のエンドプレート7Bの連結口8b’と連結可能な連結構造を設けている。ここでは、図において左側に位置する電池ブロック10B1の、右側のエンドプレート7B1では連結口8b’を突出させて凸状連結部8b1とし、図において右側に位置する電池ブロック10B2の、左側のエンドプレート7B2では連結口8b’を窪ませて凹状連結部8b2としている。凹状連結部8b2の窪みは、凸状連結部8b1の突出部分を挿入できる大きさ及び形状とする。さらにこれら凸状連結部8b1と凹状連結部8b2との界面には、パッキンなどの弾性部材を配置して、これらの連結を気密に行い、連結の界面から排出ガスが漏れる事態を回避する。この構造のエンドプレート7Bは、凸状連結部8b1を凹状連結部8b2に挿入することで、対向するエンドプレート7B1、B2のエンドプレート配管同士を、エンドプレートの連結構造(凸状連結部8b1及び凹状連結部8b2)でもって直接連通できる。
【0036】
このような構成とすると、片方の電池ブロック10のみガスダクト(図示せず)と接続させ、もう一方の電池ブロック10の安全弁3は、ガスダクトと接続される電池ブロック10のエンドプレート配管8と安全弁ダクト24とを介して、ガスダクトと連通させることができる。この構成によると、電池ブロック10同士を接続するための配管が不要となり、一層の小型化を図ることができる。
【0037】
また、このような電池ブロック10のエンドプレート配管8と安全弁ダクト24とを介して、別の電池ブロック10の安全弁3とガスダクトとを連通する構成は、上述したガスダクト30自体に、エンドプレート7のエンドプレート配管8と連結する連結構造を設ける構成や、配管ベース35を介して、エンドプレート配管8とガスダクト31とを連通させる構成においても、採用することができる。このような構成では、特に、車両の構成の都合等により、ガスダクトの排気口(図示せず)を一箇所にまとめる必要があるような場合において、ガスダクトの配置スペースを少なくすることができ、一層の小型化や作業性の向上を図ることができる。
【0038】
尚、例えば、端部に位置する電池ブロックは、安全ダクト24を片側のエンドプレート7のエンドプレート配管8を介して、排気ガスを誘導する構成でよいが、部品の共通化のために、二つのエンドプレートにエンドプレート配管8を設ける構成としても良い。この場合、片側のエンドプレート配管8のみを使用するため、使用しないエンドプレート配管8を、封止キャップ(図示せず)で閉塞するように構成することが好ましい。また、言うまでもないが、このような電池ブロックにおいて、ガスダクトと接続されないエンドプレートは、エンドプレート配管8を有さない別のエンドプレートを採用することもできる。
【0039】
図12の例では、凸状連結部8b1や凹状連結部8b2を、エンドプレート7Bの主面側のほぼ中央に設けているが、この例に限らず、例えば主面の下端近傍や上端近傍に設けることも可能である。また主面側に限らず、例えばエンドプレートの側面側に設けてもよい。側面側に設けることで、電池ブロックを長手方向に平行に並べた状態で、隣接する電池ブロック同士を直接配管することが可能となる。
【0040】
また凸状連結部や凹状連結部は、エンドプレートと一体的に設ける構成の他、これらを別部材で構成することもできる。例えば図13に示す変形例では、連結構造を、両側から凸状連結部8b3を突出させた継ぎ手38とし、この継ぎ手38を、エンドプレート7B2に形成された凹状連結部8b2に挿入して配管することが可能となる。この構成であれば、エンドプレート7B2を、凹状連結部8b2を設けた一種類に統一できるので、凸状連結部を設けた別種類のエンドプレートを用意せずに済み、異なる種類のエンドプレート7Bを混在させる必要がなくなることから、製造上、管理上、組立上の利点が得られる。
【0041】
以上の電源装置は、車載用の電源として利用できる。電源装置を搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。
(ハイブリッド車用電源装置)
【0042】
図14に、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両HVは、車両HVを走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(電気自動車用電源装置)
【0043】
また図15に、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置を搭載した車両EVは、車両EVを走行させる走行用のモータ93と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。
(蓄電用電源装置)
【0044】
さらに、この電源装置は、移動体用の動力源としてのみならず、載置型の蓄電用設備としても利用できる。例えば家庭用、工場用の電源として、太陽光や深夜電力等で充電し、必要時に放電する電源システム、あるいは日中の太陽光を充電して夜間に放電する街路灯用の電源や、停電時に駆動する信号機用のバックアップ電源等にも利用できる。このような例を図16に示す。この図に示す電源装置100は、複数の電池パック81をユニット状に接続して電池ユニット82を構成している。各電池パック81は、複数の角型電池セル1が直列及び/又は並列に接続されている。各電池パック81は、電源コントローラ84により制御される。この電源装置100は、電池ユニット82を充電用電源CPで充電した後、負荷LDを駆動する。このため電源装置100は、充電モードと放電モードを備える。負荷LDと充電用電源CPはそれぞれ、放電スイッチDS及び充電スイッチCSを介して電源装置100と接続されている。放電スイッチDS及び充電スイッチCSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ84は充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをOFFに切り替えて、充電用電源CPから電源装置100への充電を許可する。また充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で負荷LDからの要求に応じて、電源コントローラ84は充電スイッチCSをOFFに、放電スイッチDSをONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷LDへの放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチCSをONに、放電スイッチDSをONにして、負荷LDの電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0045】
電源装置100で駆動される負荷LDは、放電スイッチDSを介して電源装置100と接続されている。電源装置100の放電モードにおいては、電源コントローラ84が放電スイッチDSをONに切り替えて、負荷LDに接続し、電源装置100からの電力で負荷LDを駆動する。放電スイッチDSはFET等のスイッチング素子が利用できる。放電スイッチDSのON/OFFは、電源装置100の電源コントローラ84によって制御される。また電源コントローラ84は、外部機器と通信するための通信インターフェースを備えている。図16の例では、UARTやRS−232C等の既存の通信プロトコルに従い、ホスト機器HTと接続されている。また必要に応じて、電源システムに対してユーザが操作を行うためのユーザインターフェースを設けることもできる。
【0046】
各電池パック81は、信号端子と電源端子を備える。信号端子は、パック入出力端子DIと、パック異常出力端子DAと、パック接続端子DOとを含む。パック入出力端子DIは、他のパック電池や電源コントローラ84からの信号を入出力するための端子であり、パック接続端子DOは子パックである他のパック電池に対して信号を入出力するための端子である。またパック異常出力端子DAは、パック電池の異常を外部に出力するための端子である。さらに電源端子は、電池パック81同士を直列、並列に接続するための端子である。また電池ユニット82は並列接続スイッチ85を介して出力ラインOLに接続されて互いに並列に接続されている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る電源装置及びこれを備える車両並びに蓄電装置は、EV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源装置として好適に利用できる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0048】
100…電源装置
1…電池セル
2…外装缶
3…安全弁
4…封口板
5…電極端子
6…セパレータ
7、7’、7B、7B1、7B2…エンドプレート
8…エンドプレート配管;8a…取入口;8b、8b’…連結口
8b1、8b3…凸状連結部;8b2…凹状連結部
9…切り欠き部
10、10B1、10B2、10X…電池ブロック
20…シール部材
21…シール開口部
22…押圧部
23…押圧開口部
24…安全弁ダクト
30、31、30X…ガスダクト
32、32’、32”…配管部
33、33’、33”…連結穴
35、35”、37…配管ベース
36、36”…ホース接続口
38…継ぎ手
81…電池積層体
82…電池ユニット
84…電源コントローラ
85…並列接続スイッチ
93…モータ
94…発電機
95…インバータ
96…エンジン
HV、EV…車両
LD…負荷;CP…充電用電源;DS…放電スイッチ;CS…充電スイッチ
OL…出力ライン;HT…ホスト機器
DI…パック入出力端子;DA…パック異常出力端子;DO…パック接続端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全弁(3)を備える複数の角形の電池セル(1)を有する電池ブロック(10)と、
前記電池ブロック(10)の両端に備えられるエンドプレート(7)と、
前記電池セルの安全弁(3)と連通されたガスダクト(30;31)と、
を備える電源装置であって、
前記エンドプレート(7)は、その内部に、前記安全弁(3)を介して排出される排出ガスを案内するためのエンドプレート配管(8)を設けており、
前記エンドプレート配管(8)は、その一端側を電池セルの安全弁(3)と連通し、その他端側を、ガスダクト(30;31)と連通されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置であって、
前記安全弁(3)は、前記電池ブロック(10)の上面に位置しており、
前記ガスダクト(30;31)を前記電池ブロック(10)の下面側に配置し、
前記エンドプレート配管(8)は、該エンドプレート(7)の下面側に、該エンドプレート配管(8)の他端側の端縁である連結口(8b)を設けてなることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電源装置であって、
前記ガスダクト(30)は、前記エンドプレート配管(8)と連通するための配管部(32)を設けており、
前記エンドプレート(7)は、その下面に前記配管部(32)を装着するための切り欠き部(9)を形成すると共に、該切り欠き部(9)に前記連結口(8b)を開口しており、
しており、
前記配管部(32)は、上面に開口された連結穴(33)を設けており、
前記配管部(32)の上面から、前記エンドプレート(7)の切り欠き部(9)が位置するように挿入することで、前記連結穴(33)と連結口(8b)とを連通させてなることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電源装置であって、さらに、
前記ガスダクト(31)と前記エンドプレート配管(8)とを連通する配管ベース(35)を設けており、
前記ガスダクト(31)が、可撓性のあるホースで構成されており、
前記配管ベース(35)が、複数設けられており、これら配管ベース(35)同士が、可撓性のあるホースでもって配管されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の電源装置であって、
前記電池ブロック(10)を複数備え、
さらに、前記安全弁(3)を覆うと共に、前記エンドプレート配管(8)と接続される安全弁ダクト(24)を備え、
前記エンドプレート(7)が、前記エンドプレート配管(8)と連通された連結口を主面側に開口すると共に、別の前記電池ブロック(10)の前記連結口と連結可能な連結構造を備え、
少なくとも一つの前記電池ブロック(10)は、両端の前記エンドプレート(7)に前記エンドプレート配管(8)及び前記連結口を備えると共に、
一方のエンドプレート配管(8)の連結口と前記ガスダクトとを接続し、他方のエンドプレート配管(8)の連結口と接続される別の前記電池ブロック(10)の安全弁(3)が、この電池ブロック(10)の安全弁ダクト(24)を介して、前記ガスダクトと連通されることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の電源装置を備える車両。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一に記載の電源装置を備える蓄電装置。
【請求項1】
安全弁(3)を備える複数の角形の電池セル(1)を有する電池ブロック(10)と、
前記電池ブロック(10)の両端に備えられるエンドプレート(7)と、
前記電池セルの安全弁(3)と連通されたガスダクト(30;31)と、
を備える電源装置であって、
前記エンドプレート(7)は、その内部に、前記安全弁(3)を介して排出される排出ガスを案内するためのエンドプレート配管(8)を設けており、
前記エンドプレート配管(8)は、その一端側を電池セルの安全弁(3)と連通し、その他端側を、ガスダクト(30;31)と連通されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置であって、
前記安全弁(3)は、前記電池ブロック(10)の上面に位置しており、
前記ガスダクト(30;31)を前記電池ブロック(10)の下面側に配置し、
前記エンドプレート配管(8)は、該エンドプレート(7)の下面側に、該エンドプレート配管(8)の他端側の端縁である連結口(8b)を設けてなることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電源装置であって、
前記ガスダクト(30)は、前記エンドプレート配管(8)と連通するための配管部(32)を設けており、
前記エンドプレート(7)は、その下面に前記配管部(32)を装着するための切り欠き部(9)を形成すると共に、該切り欠き部(9)に前記連結口(8b)を開口しており、
しており、
前記配管部(32)は、上面に開口された連結穴(33)を設けており、
前記配管部(32)の上面から、前記エンドプレート(7)の切り欠き部(9)が位置するように挿入することで、前記連結穴(33)と連結口(8b)とを連通させてなることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電源装置であって、さらに、
前記ガスダクト(31)と前記エンドプレート配管(8)とを連通する配管ベース(35)を設けており、
前記ガスダクト(31)が、可撓性のあるホースで構成されており、
前記配管ベース(35)が、複数設けられており、これら配管ベース(35)同士が、可撓性のあるホースでもって配管されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の電源装置であって、
前記電池ブロック(10)を複数備え、
さらに、前記安全弁(3)を覆うと共に、前記エンドプレート配管(8)と接続される安全弁ダクト(24)を備え、
前記エンドプレート(7)が、前記エンドプレート配管(8)と連通された連結口を主面側に開口すると共に、別の前記電池ブロック(10)の前記連結口と連結可能な連結構造を備え、
少なくとも一つの前記電池ブロック(10)は、両端の前記エンドプレート(7)に前記エンドプレート配管(8)及び前記連結口を備えると共に、
一方のエンドプレート配管(8)の連結口と前記ガスダクトとを接続し、他方のエンドプレート配管(8)の連結口と接続される別の前記電池ブロック(10)の安全弁(3)が、この電池ブロック(10)の安全弁ダクト(24)を介して、前記ガスダクトと連通されることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の電源装置を備える車両。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一に記載の電源装置を備える蓄電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−114952(P2013−114952A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261335(P2011−261335)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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