露光装置及びその調整方法
【課題】 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の位置或いは傾きを調整するにあたり、液圧を利用することにより、DMDの微細な調整、調整位置の持続性、並びに調整機構の小型化を可能にすることを課題とする。
【解決手段】 露光すべき所定のパターンデータを電気信号としてDMDに入力し、その複数のマイクロミラーをパターンデータに応じて傾動させ、DMDに光を投影させて前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる露光装置において、液圧を用いて前記DMDの位置調整を行うようにしたことを特徴とする。
【解決手段】 露光すべき所定のパターンデータを電気信号としてDMDに入力し、その複数のマイクロミラーをパターンデータに応じて傾動させ、DMDに光を投影させて前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる露光装置において、液圧を用いて前記DMDの位置調整を行うようにしたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及びその調整方法に関し、特にパターンマスクを使用することなく、感光性レジスト等を露光する場合において、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を精度良く調整することのできる露光装置及びその調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レジストの露光は、半導体装置やプリント基板等、各種の電子装置の製作に利用されている。例えば、半導体装置を製作する場合、ウエハ上に感光性樹脂膜であるレジストを塗布し、このレジストを所望のパターンに露光・現像した後、エッチング等の処理を行い、所要のパターンにイオン打ち込みや不純物の拡散等の行うのが一般的である。
【0003】
また、従来の半導体装置を製作するためのレジスト露光装置は、XYステージの上方にレジストを塗布したウエハを載せる支持テーブルを設け、その上方に光源及び光学系を配置し、光源からの光を所望のパターンが描かれたパターンマスクに入射させ、パターンマスクに描かれたパターンどおりの形状をレジスト表面に縮小投影してレジストを感光させるように構成されている。
【0004】
このような従来のレジスト露光装置では、パターンマスクの精度が半導体装置の品質に密接に関係するので、厳しい管理下の工程においてレクチルの製作及びマスタマスクの製作を経てワークコピーマスク(パターンマスク)を製作しなければならず、パターンマスクの製作が非常に複雑であった。また、形成すべきパターンが異なる都度、マスクを製作しなければならず、多品種少量生産には対応が難しいという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1では、パターンマスクを使用することなく、半導体デバイス等に精度良くレジストを露光するために、露光すべきパターンに対応したパターンデータを作製し、これを電気信号としてデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)に入力し、その複数の各微小ミラーをパターンデータに応じて傾動させる。そして、DMDに光を投影してその各微小ミラーからの反射光をレジストに投影してパターンデータに対応した形状に露光させるようにしている。
【0006】
図1に、特許文献1と同様、パターンマスクを使用しないレジスト露光装置の一例を示す。パターンマスクを使用することなく、半導体デバイス等に精度良くレジストを露光するために、光源1からの光をミラー2でDMD3に反射する。DMD3は、図2及び図3に示すように、多数のマイクロミラー12が配列されたもので、DMD3は各マイクロミラー12の動作により露光する部分の光をミラー4へ反射し、露光しない部分の光を光吸収部材5へ反射する。ミラー4へ反射した光はレンズ6を介して露光する像を作り出す。この像を変化させながら、ステージ7を動作させることで、基板8上に塗布されている感光体樹脂層であるレジスト9の露光を行う。DMD3はDMD調整機構10上に固定されている。DMD3、DMD調整機構10、並びにミラー2、4、光吸収部材5、レンズ6等の光学部品で1つの光学エンジン11を構成する。
【0007】
図2はDMD3を露光方向(走査方向)に対して傾斜させて設置する場合、図3はDMD3を露光方向(走査方向)に対して傾斜させないで水平に設置する場合を示す。マイクロミラー(画素)12の数は、通常、1024×768ドットで格子状に配列されたものである。露光する像の分解能を向上させるためには、図2のように、DMD3を露光方向に対して傾斜させて設置する。このように、DMD3を傾斜させて設置することにより、走査軌跡13の間隔は、図2のw1の方が図3のw2より細くできる。また、DMD3の傾きθを0°<θ<90°の範囲で変化させることにより、走査軌跡の間隔を任意に設定することができる。ただし、走査軌跡13上のマイクロミラー12の数は一定でないため、実際の露光には、走査軌跡上のマイクロミラー12の数に応じた照度とステージの移動速度の調整を行う必要がある。
【0008】
このような仕組みで露光を行うため、基板上の感光体が感光するために必要な光量を照射するためには、以下の3つの要素を調整することになる。
(1)走査軌跡13上のマイクロミラー12の数(感光体のある一点に光が当たる回数)
(2)光源の照度
(3)ステージ(感光体)の移動速度
ただし、(1)は分解能に依存する。分解能は、露光装置の性能として露光装置の設計段階で決定されるため、基本的に後から調整するものではない。このことから、露光を行う上でDMDの傾きが設計上の角度からずれていると、各マイクロミラーが走査軌跡から外れるため、感光体のある同一な点に光が当たらない、即ち、DMDの傾きのずれ方向により左右どちらかに少しずつずれることとなるため露光精度に悪影響を及ぼす。
【0009】
露光精度の観点から、光学エンジン11の設置位置の正確さ、即ちX,Y方向、鉛直方向のずれや、ぶれを最小限にすることは、言うまでもなく重要である。さらに、光学エンジン11内に設置されているミラー2、4、レンズ6、光吸収部材5とDMD3との位置関係及びDMD3の傾きθは、非常に高い精度で露光装置の設計上の値に保つ必要があり、その場合のずれは、フォーカス、スポット形状、像の位置などへ悪影響を及ぼす。このことから、DMDの位置及び傾きを微細に調整する機構は必要不可欠である。
【0010】
露光装置の各光学エンジン11は、露光すべき基板に対してそれぞれ一定の幅しか露光を行うことができない。例えば、図4に示すように、1つの光学エンジン11の露光する幅aを基板8の幅wの1/11とし、且つ、光学エンジン11を3台搭載した場合、各光学エンジン11(E1〜E3)がそれぞれ4回の露光を行うことで基板8の幅全体の露光を行うことができる。ここで、A1,B1,C1は各光学エンジン(E1〜E3)の1回目の露光領域、A2,B2,C2は2回目の露光領域、A3,B3,C3は3回目の露光領域、A4,B4,C4は4回目の露光領域を示し、10はDMDの調整機構、15は光源から各光学エンジンへ光を導びく光ファイバーである。
【0011】
図4の露光装置では、光学エンジン11を3台しか搭載していないため、光学エンジンの配置間隔を広く取ることができる。そのため、DMDの調整機構10の大きさが光学エンジン11の幅以上であっても問題ない。
【0012】
しかし、一方で、生産効率を向上させるために露光時間を短縮する必要がある。その方策の1つとして、図5に示すように、光学エンジン11を露光すべき基板8の幅に対して隙間なく設置する。例えば、1つの光学エンジン11の露光する幅aは図4の場合と同様に基板8の幅wの1/11であるが、図5では、光学エンジンを11台搭載したとすると、各光学エンジン(E1〜E11)がそれぞれ1回の露光を行うだけで基板8の幅全体の露光を行うことができる。この場合において、各光学エンジン11の周りには、光学エンジンを上下する機構、冷却機構、DMD3を駆動するための電子機器など(図示せず)が設置されるため、DMD調整機構10の設置スペースは圧迫される。そのため、DMD調整機構10は小型化する必要がある。
【0013】
図6は従来のDMD調整機構10の一例を示す。図示のように、従来のDMD調整機構10は、DMD3を矩形の板17に固定し、固定枠19に取り付けられた調整ねじ21により板17を移動させることにより、DMD3の位置及び傾きを調整していた。調整ねじ21はその先端部が矩形板17の各側辺の両端部にそれぞれ当接するように、合計8本の設けられる。
【0014】
しかしながら、このような調整ねじ21による従来の調整機構は、例えば1μm単位とするような微細な調整が困難であり、X方向、Y方向或いは回転方向の各調整機構が独立していないため、DMD3のX方向又はY方向の位置のみ、又は傾きのみ、を単独で調整することはできず、更にまた、ねじ式の調整機構であるため、調整した位置に調節ねじを固定しておくことできない、等の問題がある。
【0015】
【特許文献1】特開平10−112579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、図6に示すような調整ねじを用いた従来のDMD調整機構10においては、DMDの微細な調整が困難であり、調整位置の持続性の点或いは調整機構の小型化の点でも問題があった。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するために案出したもので、DMDの位置或いは傾きを調整するにあたり、液圧を利用することにより、DMDの微細な調整、調整位置の持続性、並びに調整機構の小型化を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の課題を達成するために、本発明によれば、傾動可能な複数のマイクロミラーを具備するデジタル・マイクロミラー・デバイスと、露光すべき所定のパターンデータを電気信号として前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、パターンデータに応じて前記マイクロミラーを傾動させる制御部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影し、前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる光学部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置を調整する機構と、を具備する露光装置において、前記位置調整機構は液圧を用いた調整機構であることを特徴とする露光装置が提供される。
【0019】
また、本発明によると、露光すべき所定のパターンデータを電気信号としてデジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、その複数のマイクロミラーをパターンデータに応じて傾動させ、デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影させて前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる露光装置において、液圧を用いて前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置調整を行うことを特徴とする露光装置の調整方法が提供される。
【0020】
前記デジタル・マイクロミラー・デバイスのX方向、Y方向及び回転方向の調整を、それぞれ独立した液圧機構にて行うことを特徴とする。また、液を送り出す側のピストン・シリンダ機構と、液が流入する側のピストン・シリンダ機構との面積比を調整することにより微細な調整を可能としたことを特徴とする。
【0021】
この場合において、液を送り出す側には、複数組の、面積の異なるピストン・シリンダ機構を設けることもできる。更にまた、液圧機構の配管に逆止弁を設け、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの設定した位置を固定できるようにしたことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面(図7〜図12)を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図7は液圧機構におけるピストンの面積の変更による移動量の違いを説明するための概略図である。図示のように、2つのシリンダーC1,C2が配管Hを通して連結されている場合は、液を送り出す側のシリンダーC1及びピストンP1と、液が流入する側のシリンダーC2及びピストンP2との面積比を調整することにより微細な調整を可能にすることができる。例えば、液を送り出す側のピストンP1の移動量Aを、液が流入する側のピストンP2の移動量Bより大きく(A>B)して微細な調整を可能にしようとする場合は、液を送り出す側のシリンダーC1及びピストンP1と、液が流入する側のシリンダーC2及びピストンP2との面積比をB:Aにする。ここで、ピストンP2がデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)のX方向、Y方向又は回転方向の調整部に連結されていることはいうまでもない。
【0024】
図8はDMD調整機構におけるDMDを固定する板及び取付部を示すものである。DMD3は長方形の板17の上面に固定されている。板17の裏面中心部に板17に対して直角に延びた回転軸23があり、板17はこの回転軸23を中心に回転してDMD3の傾き位置を調整できるようになっている。板17の裏面には回転軸23から両側へ長辺の方向に延びた横板25が固定されている。
【0025】
図9は、DMD3のX方向、Y方向及び回転方向の調整をそれぞれ独立した液圧機構で実現する本発明の1実施形態に係る装置を示す。31、41、51はシリンダー、32、42、52はピストン、33、43、53は各シリンダーへの配管、34、44、54は各配管に設けた逆止弁である。矩形の外枠30は固定枠で、その内側の矩形枠36は外枠30の内側をY方向にスライド可能に配置されている。また、矩形枠36の内側には、矩形枠46が配置されており、この矩形枠46は矩形枠36の内側をX方向にスライド可能に配置されている。そして、この矩形枠46には、前述のように、DMD3を固定している板17が回転軸23を中心として回転可能に取付けられている。
【0026】
したがって、DMD3のY方向の移動は、配管33、弁34を介してシリンダー31に流入する液圧によりピストン32が矩形枠36をばね35に抗してY方向に移動させることにより行われる。同様に、DMD3のX方向の移動は、配管43、弁44を介してシリンダー41に流入する液圧によりピストン42が矩形枠46をばね45に抗してX方向に移動させることにより行われる。また、DMD3の回転方向の調整は、配管53、弁54を介してシリンダー51に流入する液圧によりピストン52が横板25をばね55に抗して押圧しDMD3を固定している板17を回転軸23を中心に回転させることにより行われる。
【0027】
図10は各配管33、43、53に設けた逆止弁34、44、54の構造を示す。これらの逆止弁は弁体Vが、DMD3の調整動作をするシリンター側への液の流れに対して開き、駆動側への逆方向の流れに対して閉じるので、ピストン32、42、52は調整動作の後所定の位置に固定され、これによりDMD3も所定の調整位置に保持される。これらのピストンを初期位置に戻す際には、弁体Vが強制的に開かれることはいうまでもない。
【0028】
図11は圧電素子を用いた調整機構の一例、図12は本発明のように液圧シリンダーを用いた調整機構の一例であって、両者を比較して説明する。これらの例では、DMDのX方向、Y方向、回転方向のいずれの調整動作においても、調整範囲(例えば、1μm単位)の狭い微細な調整を行う微細調整用と、調整範囲(例えば数mm)の広い粗調整用と、の2段階に分けて調整する場合を示す。特に、露光装置においては、前述のように複数の光学エンジンを併設するため、光学エンジンの一部を構成する調整機構全体を小型化することが要求される。
【0029】
圧電素子を用いた調整機構では、圧電素子60は電圧を加えた時の変位量が、通常数μm、増幅機構を設けても数百μm程度と、微小であるため、通常は、図11に示すように、全く異なった粗調整機構を併設する必要がある。即ち、圧電素子60は微細調整用としてDMD3の側に配置され、一方、粗調整機構は、圧電素子60を押圧する板61、この板を移動させる調整ねじ62、この調整ねじを動作させるリンク機構63、このリンク機構を操作する粗調整用つまみ64等からなる。この場合において、粗調整機構を圧電素子60に近い部分に設置する必要があり、光学エンジンの内部に設置された調整機構からリンク機構63を用いて調整用つまみ64を延長することが必要となるため、調整機構全体を小型化することが難しい。また、圧電素子60は長時間安定して変位を保つことが難しいことや、外来ノイズの影響を受け易いことが懸念される。また、この調整機構では、リンク機構63等の部分にあそびがあるため、板61を完全に固定することは困難であり、DMD3の位置や傾きを調整する上で精度上の問題がある。
【0030】
これに対し、図12は液圧シリンダーを用いた調整機構では、液が流入する被駆動側のシリンダーC3及びピストンP3から成る機構に、逆止弁Vを介して、配管Hを2つに分岐し、液を送り出す駆動側の機構として、面積の大きなシリンダーC1及びピストンP1からなる粗調整用と、面積の小さなシリンダーC2及びピストンP2からなる微細調整用の2組のピストン・シリンダー機構を設けている。このように駆動側に複数のピストン・シリンダー機構を設けることにより、微細な調整を効率良く行うことができ、配管の延長等が容易であるため小型化を達成でき、且つ被駆動側のピストンの位置を固定して、DMD3の調整位置を保持することができる。
【0031】
以上添付図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、DMDの位置或いは傾きを調整するにあたり、液圧を利用することにより、DMDの微細な調整、調整位置の持続性、並びに調整機構の小型化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】パターンマスクを使用しない露光装置の概略図である。
【図2】DMDを傾斜させた設置した場合の図である。
【図3】DMDを水平に設置した場合の図である。
【図4】光学エンジン3台をもった露光装置の概略図である。
【図5】光学エンジン11台をもった露光装置の概略図である。
【図6】従来のDMDの調整機構の概略図である。
【図7】ピストンの面積の変更による移動量の違いを示す図である。
【図8】DMDを固定する部分の構造を示す図である。
【図9】本発明による液圧を使用したDMDの調整機構の図である。
【図10】逆止弁と液体の流入方向を示す図である。
【図11】圧電素子を用いたDMDの調整機構の例(a)及びそのリンク機構(b)を示す。
【図12】本発明により液圧シリンダを用いたDMDの調整機構を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
3 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
17 DMD取付板
23 回転軸
25 横板
30 固定枠
36、46 スライド枠
31、41、51 シリンダー
32、42、52 ピストン
33、43、53 配管
34、44、54 逆止弁
35、45、55 ばね
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及びその調整方法に関し、特にパターンマスクを使用することなく、感光性レジスト等を露光する場合において、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を精度良く調整することのできる露光装置及びその調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レジストの露光は、半導体装置やプリント基板等、各種の電子装置の製作に利用されている。例えば、半導体装置を製作する場合、ウエハ上に感光性樹脂膜であるレジストを塗布し、このレジストを所望のパターンに露光・現像した後、エッチング等の処理を行い、所要のパターンにイオン打ち込みや不純物の拡散等の行うのが一般的である。
【0003】
また、従来の半導体装置を製作するためのレジスト露光装置は、XYステージの上方にレジストを塗布したウエハを載せる支持テーブルを設け、その上方に光源及び光学系を配置し、光源からの光を所望のパターンが描かれたパターンマスクに入射させ、パターンマスクに描かれたパターンどおりの形状をレジスト表面に縮小投影してレジストを感光させるように構成されている。
【0004】
このような従来のレジスト露光装置では、パターンマスクの精度が半導体装置の品質に密接に関係するので、厳しい管理下の工程においてレクチルの製作及びマスタマスクの製作を経てワークコピーマスク(パターンマスク)を製作しなければならず、パターンマスクの製作が非常に複雑であった。また、形成すべきパターンが異なる都度、マスクを製作しなければならず、多品種少量生産には対応が難しいという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1では、パターンマスクを使用することなく、半導体デバイス等に精度良くレジストを露光するために、露光すべきパターンに対応したパターンデータを作製し、これを電気信号としてデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)に入力し、その複数の各微小ミラーをパターンデータに応じて傾動させる。そして、DMDに光を投影してその各微小ミラーからの反射光をレジストに投影してパターンデータに対応した形状に露光させるようにしている。
【0006】
図1に、特許文献1と同様、パターンマスクを使用しないレジスト露光装置の一例を示す。パターンマスクを使用することなく、半導体デバイス等に精度良くレジストを露光するために、光源1からの光をミラー2でDMD3に反射する。DMD3は、図2及び図3に示すように、多数のマイクロミラー12が配列されたもので、DMD3は各マイクロミラー12の動作により露光する部分の光をミラー4へ反射し、露光しない部分の光を光吸収部材5へ反射する。ミラー4へ反射した光はレンズ6を介して露光する像を作り出す。この像を変化させながら、ステージ7を動作させることで、基板8上に塗布されている感光体樹脂層であるレジスト9の露光を行う。DMD3はDMD調整機構10上に固定されている。DMD3、DMD調整機構10、並びにミラー2、4、光吸収部材5、レンズ6等の光学部品で1つの光学エンジン11を構成する。
【0007】
図2はDMD3を露光方向(走査方向)に対して傾斜させて設置する場合、図3はDMD3を露光方向(走査方向)に対して傾斜させないで水平に設置する場合を示す。マイクロミラー(画素)12の数は、通常、1024×768ドットで格子状に配列されたものである。露光する像の分解能を向上させるためには、図2のように、DMD3を露光方向に対して傾斜させて設置する。このように、DMD3を傾斜させて設置することにより、走査軌跡13の間隔は、図2のw1の方が図3のw2より細くできる。また、DMD3の傾きθを0°<θ<90°の範囲で変化させることにより、走査軌跡の間隔を任意に設定することができる。ただし、走査軌跡13上のマイクロミラー12の数は一定でないため、実際の露光には、走査軌跡上のマイクロミラー12の数に応じた照度とステージの移動速度の調整を行う必要がある。
【0008】
このような仕組みで露光を行うため、基板上の感光体が感光するために必要な光量を照射するためには、以下の3つの要素を調整することになる。
(1)走査軌跡13上のマイクロミラー12の数(感光体のある一点に光が当たる回数)
(2)光源の照度
(3)ステージ(感光体)の移動速度
ただし、(1)は分解能に依存する。分解能は、露光装置の性能として露光装置の設計段階で決定されるため、基本的に後から調整するものではない。このことから、露光を行う上でDMDの傾きが設計上の角度からずれていると、各マイクロミラーが走査軌跡から外れるため、感光体のある同一な点に光が当たらない、即ち、DMDの傾きのずれ方向により左右どちらかに少しずつずれることとなるため露光精度に悪影響を及ぼす。
【0009】
露光精度の観点から、光学エンジン11の設置位置の正確さ、即ちX,Y方向、鉛直方向のずれや、ぶれを最小限にすることは、言うまでもなく重要である。さらに、光学エンジン11内に設置されているミラー2、4、レンズ6、光吸収部材5とDMD3との位置関係及びDMD3の傾きθは、非常に高い精度で露光装置の設計上の値に保つ必要があり、その場合のずれは、フォーカス、スポット形状、像の位置などへ悪影響を及ぼす。このことから、DMDの位置及び傾きを微細に調整する機構は必要不可欠である。
【0010】
露光装置の各光学エンジン11は、露光すべき基板に対してそれぞれ一定の幅しか露光を行うことができない。例えば、図4に示すように、1つの光学エンジン11の露光する幅aを基板8の幅wの1/11とし、且つ、光学エンジン11を3台搭載した場合、各光学エンジン11(E1〜E3)がそれぞれ4回の露光を行うことで基板8の幅全体の露光を行うことができる。ここで、A1,B1,C1は各光学エンジン(E1〜E3)の1回目の露光領域、A2,B2,C2は2回目の露光領域、A3,B3,C3は3回目の露光領域、A4,B4,C4は4回目の露光領域を示し、10はDMDの調整機構、15は光源から各光学エンジンへ光を導びく光ファイバーである。
【0011】
図4の露光装置では、光学エンジン11を3台しか搭載していないため、光学エンジンの配置間隔を広く取ることができる。そのため、DMDの調整機構10の大きさが光学エンジン11の幅以上であっても問題ない。
【0012】
しかし、一方で、生産効率を向上させるために露光時間を短縮する必要がある。その方策の1つとして、図5に示すように、光学エンジン11を露光すべき基板8の幅に対して隙間なく設置する。例えば、1つの光学エンジン11の露光する幅aは図4の場合と同様に基板8の幅wの1/11であるが、図5では、光学エンジンを11台搭載したとすると、各光学エンジン(E1〜E11)がそれぞれ1回の露光を行うだけで基板8の幅全体の露光を行うことができる。この場合において、各光学エンジン11の周りには、光学エンジンを上下する機構、冷却機構、DMD3を駆動するための電子機器など(図示せず)が設置されるため、DMD調整機構10の設置スペースは圧迫される。そのため、DMD調整機構10は小型化する必要がある。
【0013】
図6は従来のDMD調整機構10の一例を示す。図示のように、従来のDMD調整機構10は、DMD3を矩形の板17に固定し、固定枠19に取り付けられた調整ねじ21により板17を移動させることにより、DMD3の位置及び傾きを調整していた。調整ねじ21はその先端部が矩形板17の各側辺の両端部にそれぞれ当接するように、合計8本の設けられる。
【0014】
しかしながら、このような調整ねじ21による従来の調整機構は、例えば1μm単位とするような微細な調整が困難であり、X方向、Y方向或いは回転方向の各調整機構が独立していないため、DMD3のX方向又はY方向の位置のみ、又は傾きのみ、を単独で調整することはできず、更にまた、ねじ式の調整機構であるため、調整した位置に調節ねじを固定しておくことできない、等の問題がある。
【0015】
【特許文献1】特開平10−112579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、図6に示すような調整ねじを用いた従来のDMD調整機構10においては、DMDの微細な調整が困難であり、調整位置の持続性の点或いは調整機構の小型化の点でも問題があった。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するために案出したもので、DMDの位置或いは傾きを調整するにあたり、液圧を利用することにより、DMDの微細な調整、調整位置の持続性、並びに調整機構の小型化を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の課題を達成するために、本発明によれば、傾動可能な複数のマイクロミラーを具備するデジタル・マイクロミラー・デバイスと、露光すべき所定のパターンデータを電気信号として前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、パターンデータに応じて前記マイクロミラーを傾動させる制御部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影し、前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる光学部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置を調整する機構と、を具備する露光装置において、前記位置調整機構は液圧を用いた調整機構であることを特徴とする露光装置が提供される。
【0019】
また、本発明によると、露光すべき所定のパターンデータを電気信号としてデジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、その複数のマイクロミラーをパターンデータに応じて傾動させ、デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影させて前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる露光装置において、液圧を用いて前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置調整を行うことを特徴とする露光装置の調整方法が提供される。
【0020】
前記デジタル・マイクロミラー・デバイスのX方向、Y方向及び回転方向の調整を、それぞれ独立した液圧機構にて行うことを特徴とする。また、液を送り出す側のピストン・シリンダ機構と、液が流入する側のピストン・シリンダ機構との面積比を調整することにより微細な調整を可能としたことを特徴とする。
【0021】
この場合において、液を送り出す側には、複数組の、面積の異なるピストン・シリンダ機構を設けることもできる。更にまた、液圧機構の配管に逆止弁を設け、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの設定した位置を固定できるようにしたことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面(図7〜図12)を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図7は液圧機構におけるピストンの面積の変更による移動量の違いを説明するための概略図である。図示のように、2つのシリンダーC1,C2が配管Hを通して連結されている場合は、液を送り出す側のシリンダーC1及びピストンP1と、液が流入する側のシリンダーC2及びピストンP2との面積比を調整することにより微細な調整を可能にすることができる。例えば、液を送り出す側のピストンP1の移動量Aを、液が流入する側のピストンP2の移動量Bより大きく(A>B)して微細な調整を可能にしようとする場合は、液を送り出す側のシリンダーC1及びピストンP1と、液が流入する側のシリンダーC2及びピストンP2との面積比をB:Aにする。ここで、ピストンP2がデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)のX方向、Y方向又は回転方向の調整部に連結されていることはいうまでもない。
【0024】
図8はDMD調整機構におけるDMDを固定する板及び取付部を示すものである。DMD3は長方形の板17の上面に固定されている。板17の裏面中心部に板17に対して直角に延びた回転軸23があり、板17はこの回転軸23を中心に回転してDMD3の傾き位置を調整できるようになっている。板17の裏面には回転軸23から両側へ長辺の方向に延びた横板25が固定されている。
【0025】
図9は、DMD3のX方向、Y方向及び回転方向の調整をそれぞれ独立した液圧機構で実現する本発明の1実施形態に係る装置を示す。31、41、51はシリンダー、32、42、52はピストン、33、43、53は各シリンダーへの配管、34、44、54は各配管に設けた逆止弁である。矩形の外枠30は固定枠で、その内側の矩形枠36は外枠30の内側をY方向にスライド可能に配置されている。また、矩形枠36の内側には、矩形枠46が配置されており、この矩形枠46は矩形枠36の内側をX方向にスライド可能に配置されている。そして、この矩形枠46には、前述のように、DMD3を固定している板17が回転軸23を中心として回転可能に取付けられている。
【0026】
したがって、DMD3のY方向の移動は、配管33、弁34を介してシリンダー31に流入する液圧によりピストン32が矩形枠36をばね35に抗してY方向に移動させることにより行われる。同様に、DMD3のX方向の移動は、配管43、弁44を介してシリンダー41に流入する液圧によりピストン42が矩形枠46をばね45に抗してX方向に移動させることにより行われる。また、DMD3の回転方向の調整は、配管53、弁54を介してシリンダー51に流入する液圧によりピストン52が横板25をばね55に抗して押圧しDMD3を固定している板17を回転軸23を中心に回転させることにより行われる。
【0027】
図10は各配管33、43、53に設けた逆止弁34、44、54の構造を示す。これらの逆止弁は弁体Vが、DMD3の調整動作をするシリンター側への液の流れに対して開き、駆動側への逆方向の流れに対して閉じるので、ピストン32、42、52は調整動作の後所定の位置に固定され、これによりDMD3も所定の調整位置に保持される。これらのピストンを初期位置に戻す際には、弁体Vが強制的に開かれることはいうまでもない。
【0028】
図11は圧電素子を用いた調整機構の一例、図12は本発明のように液圧シリンダーを用いた調整機構の一例であって、両者を比較して説明する。これらの例では、DMDのX方向、Y方向、回転方向のいずれの調整動作においても、調整範囲(例えば、1μm単位)の狭い微細な調整を行う微細調整用と、調整範囲(例えば数mm)の広い粗調整用と、の2段階に分けて調整する場合を示す。特に、露光装置においては、前述のように複数の光学エンジンを併設するため、光学エンジンの一部を構成する調整機構全体を小型化することが要求される。
【0029】
圧電素子を用いた調整機構では、圧電素子60は電圧を加えた時の変位量が、通常数μm、増幅機構を設けても数百μm程度と、微小であるため、通常は、図11に示すように、全く異なった粗調整機構を併設する必要がある。即ち、圧電素子60は微細調整用としてDMD3の側に配置され、一方、粗調整機構は、圧電素子60を押圧する板61、この板を移動させる調整ねじ62、この調整ねじを動作させるリンク機構63、このリンク機構を操作する粗調整用つまみ64等からなる。この場合において、粗調整機構を圧電素子60に近い部分に設置する必要があり、光学エンジンの内部に設置された調整機構からリンク機構63を用いて調整用つまみ64を延長することが必要となるため、調整機構全体を小型化することが難しい。また、圧電素子60は長時間安定して変位を保つことが難しいことや、外来ノイズの影響を受け易いことが懸念される。また、この調整機構では、リンク機構63等の部分にあそびがあるため、板61を完全に固定することは困難であり、DMD3の位置や傾きを調整する上で精度上の問題がある。
【0030】
これに対し、図12は液圧シリンダーを用いた調整機構では、液が流入する被駆動側のシリンダーC3及びピストンP3から成る機構に、逆止弁Vを介して、配管Hを2つに分岐し、液を送り出す駆動側の機構として、面積の大きなシリンダーC1及びピストンP1からなる粗調整用と、面積の小さなシリンダーC2及びピストンP2からなる微細調整用の2組のピストン・シリンダー機構を設けている。このように駆動側に複数のピストン・シリンダー機構を設けることにより、微細な調整を効率良く行うことができ、配管の延長等が容易であるため小型化を達成でき、且つ被駆動側のピストンの位置を固定して、DMD3の調整位置を保持することができる。
【0031】
以上添付図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、DMDの位置或いは傾きを調整するにあたり、液圧を利用することにより、DMDの微細な調整、調整位置の持続性、並びに調整機構の小型化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】パターンマスクを使用しない露光装置の概略図である。
【図2】DMDを傾斜させた設置した場合の図である。
【図3】DMDを水平に設置した場合の図である。
【図4】光学エンジン3台をもった露光装置の概略図である。
【図5】光学エンジン11台をもった露光装置の概略図である。
【図6】従来のDMDの調整機構の概略図である。
【図7】ピストンの面積の変更による移動量の違いを示す図である。
【図8】DMDを固定する部分の構造を示す図である。
【図9】本発明による液圧を使用したDMDの調整機構の図である。
【図10】逆止弁と液体の流入方向を示す図である。
【図11】圧電素子を用いたDMDの調整機構の例(a)及びそのリンク機構(b)を示す。
【図12】本発明により液圧シリンダを用いたDMDの調整機構を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
3 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
17 DMD取付板
23 回転軸
25 横板
30 固定枠
36、46 スライド枠
31、41、51 シリンダー
32、42、52 ピストン
33、43、53 配管
34、44、54 逆止弁
35、45、55 ばね
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾動可能な複数のマイクロミラーを具備するデジタル・マイクロミラー・デバイスと、露光すべき所定のパターンデータを電気信号として前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、パターンデータに応じて前記マイクロミラーを傾動させる制御部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影し、前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる光学部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置を調整する機構と、を具備する露光装置において、前記位置調整機構は液圧を用いた調整機構であることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
露光すべき所定のパターンデータを電気信号としてデジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、その複数のマイクロミラーをパターンデータに応じて傾動させ、デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影させて前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる露光装置において、液圧を用いて前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置調整を行うことを特徴とする露光装置の調整方法。
【請求項3】
前記デジタル・マイクロミラー・デバイスのX方向、Y方向及び回転方向の調整を、それぞれ独立した液圧機構にて行うことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。
【請求項4】
液を送り出す側のピストン・シリンダ機構と、液が流入する側のピストン・シリンダ機構との面積比を調整することにより微細な調整を可能としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の調整方法。
【請求項5】
液が流入する側のピストン・シリンダ機構の配管を分岐して、複数の、面積の異なる液を送り出す側のピストン・シリンダ機構に連結したことを特徴とする請求項4に記載の調整方法。
【請求項6】
液圧機構の配管に逆止弁を設け、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスを設定した位置に固定できるようにしたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の調整方法。
【請求項1】
傾動可能な複数のマイクロミラーを具備するデジタル・マイクロミラー・デバイスと、露光すべき所定のパターンデータを電気信号として前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、パターンデータに応じて前記マイクロミラーを傾動させる制御部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影し、前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる光学部と、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置を調整する機構と、を具備する露光装置において、前記位置調整機構は液圧を用いた調整機構であることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
露光すべき所定のパターンデータを電気信号としてデジタル・マイクロミラー・デバイスに入力し、その複数のマイクロミラーをパターンデータに応じて傾動させ、デジタル・マイクロミラー・デバイスに光を投影させて前記マイクロミラーによる反射光を露光対象に投影して、前記パターンデータに対応した形状に露光させる露光装置において、液圧を用いて前記デジタル・マイクロミラー・デバイスの位置調整を行うことを特徴とする露光装置の調整方法。
【請求項3】
前記デジタル・マイクロミラー・デバイスのX方向、Y方向及び回転方向の調整を、それぞれ独立した液圧機構にて行うことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。
【請求項4】
液を送り出す側のピストン・シリンダ機構と、液が流入する側のピストン・シリンダ機構との面積比を調整することにより微細な調整を可能としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の調整方法。
【請求項5】
液が流入する側のピストン・シリンダ機構の配管を分岐して、複数の、面積の異なる液を送り出す側のピストン・シリンダ機構に連結したことを特徴とする請求項4に記載の調整方法。
【請求項6】
液圧機構の配管に逆止弁を設け、前記デジタル・マイクロミラー・デバイスを設定した位置に固定できるようにしたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の調整方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−5459(P2007−5459A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182017(P2005−182017)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
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