説明

面状採暖具

【課題】使用者が誤って水やジュース等の液体をこぼしても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取れる面状採暖具を提供することを目的とする。
【解決手段】不織布202の上側表面に遮水樹脂201をラミネートした遮水表布200と、金属シート411の上下両面に接着剤412をコーティングした均熱シート410と、その下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400と、その下面側に設けられた断熱シート500と、その下面側に設けられた裏面材700を備え、均熱シート410は遮水表布200の側から断熱シート500の方向に開けられた複数の空気抜き孔430が設けられたものである。
これにより、使用者が誤って水やジュース等をこぼしても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取ることができ、かつ、採暖効率の優れた面状採暖具を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気ヒータを発熱源とした面状採暖具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の面状採暖具は、短繊維のくもの巣状繊維層で形成されるウェブからなる不織布9をニードルパンチ加工してフェルトにしたものを表面材4とし、また短繊維のくもの巣状繊維層で形成されるウェブからなり、表面材4の不織布9よりも厚みの厚い不織布10をニードルパンチ加工してフェルトにしたものを裏面材5としてある。そして熱融着フィルム11、アルミニウム箔等の金属箔12、熱融着フィルム11をこの順に積層すると共にさらにその下面にコード状の発熱線6をパターン配線して接着して作成したヒータユニット13を表面材4と裏面材5の間にサンドイッチして積層接着することによって、面状採暖具である電気カーペットを作成するようにしてある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、上記とは別に、面状に配設されたヒータ線1と、前記ヒータ線1の下面に設けられた断熱材2と、上面に設けられた表布材3により構成された電気カーペットで、前記表布材3は、繊維材3−aと均熱板3−bをニードルパンチにて一体化したニードルパンチフェルトとした電気カーペットもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
図9は、特許文献1に記載された従来の面状採暖具の概略分解断面図を示すものである。図9に示すように、短繊維のくもの巣状繊維層で形成されるウェブからなる不織布9をニードルパンチ加工してフェルトにしたものを表面材4とし、また短繊維のくもの巣状繊維層で形成されるウェブからなり、表面材4の不織布9よりも厚みの厚い不織布10をニードルパンチ加工してフェルトにしたものを裏面材5としてある。そして熱融着フィルム11、アルミニウム箔等の金属箔12、熱融着フィルム11をこの順に積層すると共にさらにその下面にコード状の発熱線6をパターン配線して接着して作成したヒータユニット13を遮水表布4と裏面材5の間にサンドイッチして積層接着することによって、電気カーペットを作成するようにしてある。
【0005】
図10は、特許文献2に記載された従来の面状採暖具の概略斜視図を示すものである。図10に示すように、ヒータ線1は、断熱材2の上面に面状に配設されている。更にその上面には、表布材3が設けられ電気カーペットを構成している。表布材3は、繊維材3−aと均熱板3−bが層状に重ね合わさった多層構造となっている。図11は、その繊維材3−aと均熱板3−bの断面図を示すものである。図10に示すように、表布材3は、複数の繊維材3−aとアルミシート材の均熱板3−bを重ね合わせた後、ニードルパンチ加工により一体化したニードルパンチフェルトである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−216711号公報
【特許文献2】特開平6−124769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の面状採暖具では、使用者が誤って水やジュース等の液体をこぼしたりすると、表面材4(表布材3)の不織布9(繊維材3−a)には遮水機能がないため、水やジュース等が表面材4(表布材3)の不織布9(繊維材3−a)の中に浸透し
て、表面を布巾等で拭き取っても水やジュース等が中に残留するという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者が誤って水やジュース等の液体をこぼしても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取ることができる面状採暖具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の面状採暖具は、不織布の上側表面に遮水樹脂をラミネートした遮水表布と、
金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、
前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
前記ヒータユニットの下面側に設けられた断熱シートと、
前記断熱シートの下面側に設けられた裏面材と、
を備え、
前記均熱シートは前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔が設けられたことを特徴とするものである。
【0010】
これにより、使用者が使用する際に誤って面状採暖具に水やジュース等の液体をこぼしても、表面の遮水表布が水やジュース等の液体を遮断し、中の不織布等に浸透することが阻止され、表面の液体汚れを簡単に拭き取ることができる。
【0011】
この面状採暖具において特に、前記均熱シートは前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔が設けられていることにより、前記遮水表布、前記ヒータユニット、前記断熱シート、前記裏面材を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスして積層接着する場合、前記遮水表布と前記ヒータユニットとの間の空気が、複数の前記空気抜き孔を通過し、前記ヒータユニットの下側の断熱シートへ移動する。これにより、ヒータユニットの均熱シートと遮水表布との間に熱伝導を阻害するような空気溜りを生じることを防止でき、良好な熱伝導性能が得られる。しかも、空気抜き孔を通過し、前記ヒータユニットの下側の断熱シートへ移動した空気によって、断熱シート中に空気層が形成され、その空気によって断熱シートの断熱性を高められ、ヒータユニットから裏面材に無駄に熱伝導放熱することを抑制でき、採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0012】
このように、液体汚れ等が中に浸透せず、表面汚れを拭き取れる遮水表布の面状採暖具で、ダニや蚤の温床にもなりにくく、かつ、遮水表布の側から断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔によって、面状採暖具の製造時にヒータユニットの上側の空気がヒータユニットの下側へ移動され、採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の面状採暖具は、使用者が誤って水やジュース等の液体をこぼしても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取ることができ、かつ、採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における面状採暖具の外形を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における本体の組み立て前の状態を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における本体の完成状態を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態1における本体の構成部材の詳細を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態1におけるヒータ線の詳細を示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態1における空気抜き孔の開孔工程を示す模式図
【図7】本発明の実施の形態1における本体の超音波溶着工程を示す模式図
【図8】本発明の実施の形態1における本体のトリミング工程を示す模式図
【図9】従来の面状採暖具の概略分解断面図
【図10】従来の別の面状採暖具の概略分解断面図
【図11】従来の別の面状採暖具の繊維材と均熱板の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、不織布の上側表面に遮水樹脂をラミネートした遮水表布と、
金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、
前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
前記ヒータユニットの下面側に設けられた断熱シートと、
前記断熱シートの下面側に設けられた裏面材と、
を備え、
前記均熱シートは前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔が設けられたことを特徴とする面状採暖具である。
【0016】
これにより、使用者が使用する際に誤って面状採暖具に水やジュース等の液体をこぼしても、表面の遮水表布が水やジュース等の液体を遮断し、中の不織布等に浸透することが阻止され、表面の液体汚れを簡単に拭き取ることができる。
【0017】
この面状採暖具において特に、前記均熱シートは前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔が設けられていることにより、前記遮水表布、前記ヒータユニット、前記断熱シート、前記裏面材を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスして積層接着する場合、前記遮水表布と前記ヒータユニットとの間の空気が、複数の前記空気抜き孔を通過し、前記ヒータユニットの下側の断熱シートへ移動する。これにより、ヒータユニットの均熱シートと遮水表布との間に熱伝導を阻害するような空気溜りを生じることを防止でき、良好な熱伝導性能が得られる。しかも、空気抜き孔を通過し、前記ヒータユニットの下側の断熱シートへ移動した空気によって、断熱シート中に空気層が形成され、その空気によって断熱シートの断熱性を高められ、ヒータユニットから裏面材に無駄に熱伝導放熱することを抑制でき、採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0018】
このように、液体汚れ等が中に浸透せず、表面汚れを拭き取れる遮水表布の面状採暖具で、ダニや蚤の温床にもなりにくく、かつ、遮水表布の側から断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔によって、面状採暖具の製造時にヒータユニットの上側の空気がヒータユニットの下側へ移動され、採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0019】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記空気抜き孔は、前記均熱シートの前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に変形し、前記遮水表布側に凹部、前記断熱シート側に凸部が形成されたものである。
【0020】
これにより、遮水表布とヒータユニットとの間の空気が、断熱シート側へ移動することを阻害されずスムースに可能となる。よって、遮水表布とヒータユニットとの間の不要な空気溜りをより少なくでき、より採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0021】
第3の発明は、特に、第2の発明において、前記空気抜き孔は、表面に複数の錐状ピンを有する円柱状のローラと円柱状のゴムローラとの間に前記均熱シートを通過させて開孔してもよい。
【0022】
これにより、均熱シートを円柱状のローラと円柱状のゴムローラとの間に挟んで、前記二つのローラを回転するだけで、均熱シートの一方の面側に凸状の空気抜き孔を、任意な長さに亘り形成することができ、異なる形状およびサイズの面状採暖具の均熱シートの製造を同一の設備で実施することが可能となる。しかも、空気抜き孔をプレス打ち抜きする場合のような、抜きカスが発生しないため、抜きカス処理の手間や材料ロスを低減できる。
【0023】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記断熱シートは、上下2層の不織布で形成され、少なくとも前記ヒータユニット側の不織布に中空綿を含む構成としてもよい。
【0024】
これにより、前記ヒータユニットの下側に位置する不織布の断熱性能を中空綿によりさらに高められるため、前記空気抜き孔によって移動した空気と相まって、ヒータユニットから裏面材に無駄に熱伝導して放熱することがより抑制でき、一段と採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0025】
第5の発明は、特に、第4の発明において、前記断熱シートは、前記ヒータユニット側の不織布はポリエステル樹脂の中空綿で目付量270g/m厚さ3mm、前記裏面材側の不織布はポリエステル樹脂+ポリプロピレン樹脂で目付量450〜630g/m厚さ5〜7mmとすることにより、費用対効果の面で最も良好な採暖性能が得られる。
【0026】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明において、前記遮水表布、前記ヒータユニット、前記断熱シート、前記裏面材を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスすることにより、前記接着剤および接着樹脂を溶融するとともに前記積層体が押圧されることにより、前記遮水表布と前記ヒータユニットと前記断熱シートと前記裏面材が接着されてなるものである。
【0027】
これにより、積層して1回の熱プレスだけで、遮水表布とヒータユニット、ヒータユニットと断熱シート、断熱シートと裏面材が同時に接着できるとともに、遮水表布とヒータユニットとの間の空気が空気抜き孔を通過し、ヒータユニットの下側の断熱シートへ移動し、採暖効率の優れ、かつ、使用者が使用する際に誤って水やジュース等の液体をこぼししても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取ることができ面状採暖具を得ることができる。
【0028】
第7の発明は、第1〜6のいずれか1つの発明において、前記遮水表布は、上層に目付量150〜200g/mの遮水樹脂であるオレフィン系エラストマーのラミネート層、下層に目付量50〜90g/mポリエステル樹脂の不織布の2層構造で、厚さは約0.3〜0.7mmとしてもよい。
【0029】
これにより、遮水表布の所定剥離強度を確保することができ、長期間快適に使用することができる。これは、下層の不織布が薄すぎる場合や、上層の遮水樹脂が適量でない場合は、遮水表布のヒータユニットとの接着面側まで遮水樹脂が浸透しすぎることにより、不織布のいわゆる毛羽立ち部分が減少したりなくなったりするため、ヒータユニットとの接着強度および剥離強度が弱くなる。したがって、上層の遮水樹脂の目付量150〜200g/mとし、下層の不織布の目付量を50〜90g/mとすることによって、目標の剥離強度を達成できる。
【0030】
第8の発明は、第7の発明において、前記遮水表布の下層であるポリエステル樹脂の不織布は、繊維の長さ40〜80mm、繊維の太さ3デニール80〜90%、6デニール10〜20%としてもよい。
【0031】
これにより、遮水表布の下層である不織布は、まず太い6デニールの繊維と細い3デニールの繊維を組み合わせた構成により、不織布自身の適度な強度が得られるというだけにとどまらず、細い繊維の組合せ比率を多くした3デニール80〜90%、6デニール10〜20%にすることによって、遮水表布のヒータユニットとの接着面側まで遮水樹脂が浸透しすぎて毛羽立ち部分が減少したりなくなったりすることを防止でき、目標の剥離強度をより安定して確保することができる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における面状採暖具の完成状態を示す斜視図であり、図2は面状採暖具の本体の組み立て前の状態を示す斜視図であり、図3は面状採暖具の本体の完成状態を示す断面図であり、図4は本体を構成する部材の詳細な構成を示す断面図である。
【0034】
<面状採暖具の構成>
図1に示すように、面状採暖具は複数のシート状の部材で構成した本体100の一端に制御部101を配設し、制御部に接続した電源コード102で電力を供給することにより本体100を加熱し、住宅の床面に設置して使用する採暖具である。
【0035】
図2に示すように、面状採暖具の本体100は、遮水表布200と上側接着シート300とヒータユニット400と断熱シート500と下側接着シート600と裏面材700を主な構成部材とし、図2に示すようにそれらを順次積層し、それらの積層体を上下の熱板で熱プレスすることにより接着加工し、周辺部を超音波溶着して密閉することにより図3に示すような断面形状に形成されている。なお、上側接着シート300は後述する理由により必ずしも必要ではない。
【0036】
図4に示すように、遮水表布200は、面状採暖具の本体100における最表面の部材であり、ポリエステル樹脂の不織布202の上層に、機械的強度はもちろん遮水性、撥水性、弾性や滑りにくさ等の性能を備えた遮水樹脂201であるオレフィン系エラストマー(以下TPOと表記)をラミネートした樹脂ラミネート層を形成した構成である。要するに、遮水表布200は、上層に目付量150〜200g/mの遮水樹脂201であるTPOのラミネート層、下層に目付量50〜90g/mポリエステル樹脂の不織布202の2層構造で、厚さは約0.3〜0.7mmである。
【0037】
上側接着シート300は、ポリエチレン樹脂をシート状に成形した接着樹脂であり、常温においては柔軟なシート状をなしており、約97℃以上で溶融して接着剤としての機能を発揮する。
【0038】
ヒータユニット400は、面状採暖具の発熱源であり、アルミニウムを主成分とする均熱シート410の片面にヒータ線420を蛇行形状に配設したものである。
【0039】
均熱シート410は、ヒータ線420で発熱した熱を本体100全面に均一に拡散する目的の部材であり、熱伝導率が高い金属シートであるアルミニウムを主成分とする厚さ約0.01mmのアルミシート411を基材とし、その両面にポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412をコーティングして形成したものであり、ポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412を約97℃以上に加熱することにより溶融して接着剤としての機能を発揮する。このように金属シートであるアルミシート411の上下両面にポリエチレン樹脂からなる
接着樹脂412をコーティングしてあることにより、前記の上側接着シート300は必ずしも必要とはせず、上側接着シート300を省いても遮水表布200とヒータユニット400との接着に特に支障はない。
【0040】
さらに、均熱シート410には、遮水表布200の側から断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔430が設けられている。図2において複数の空気抜き孔430は、ミシン目のような破線で示してある。この空気抜き孔430は、図4に断面で示したように、均熱シート410の遮水表布200の側から断熱シート500の方向に変形し、遮水表布側に凹部431、断熱シート側に凸部432が形成されている。
【0041】
なお、この空気抜き孔430は、アルミシート411の上下両面にポリエチレン樹脂がコーティングされ、長尺巻きにされた均熱シート410の材料を、図6に模式図で示したように、表面に複数の錐状ピン440を有する円柱状のローラ450と円柱状のゴムローラ460との間に均熱シート410を通過させて開孔することで、空気抜き孔430は、図4に断面で示したような均熱シート410の上側面に凹部431、下側面に凸部432が形成され、幅および長さなどサイズの異なる面状採暖具100の均熱シート410の製造を同一の設備で対応できる。
【0042】
しかも、空気抜き孔430をプレス打ち抜きする場合のような、抜きカスが発生なしいため、抜きカス処理の手間や材料ロスを低減できる。この場合、円柱状のローラ450の表面に形成された複数の錐状ピン440は、押しピンの先端のような円錐、あるいは正方四角錐、長方四角錐、三角錐など、いずれの形状でも空気抜き孔430の機能を満たすことができる。
【0043】
ヒータ線420は図5に示すように、中心のガラス繊維421の周囲に温度を検知する検知線422を螺旋状に巻回し、その外周にナイロン樹脂で絶縁層423を形成し、絶縁層423の外周に発熱線424を螺旋状に巻回し、その外周にPVCの絶縁層425を形成し、絶縁層425の外周にポリエチレン樹脂による接着層426を形成したものである。
【0044】
図2に示すように、ヒータユニット400は、ヒータ線420の始端を均熱シート410の1つの角部に配置し、均熱シート410の全域をカバーするように蛇行形状に配設し、終端を始端の近傍に配置している。図2のようにヒータ線420配置した状態で熱を加えることにより、ヒータ線420の接着層426が溶融し、均熱シート410に接着固定されたものである。
【0045】
断熱シート500は、ヒータユニット400で発熱した熱が床面に無駄に伝達され放熱されることを抑制する目的で設けたものであり、上下2層の不織布502,503で形成され、少なくともヒータユニット400側の不織布502に中空綿を含む構成としてある。なお、中空綿は不織布を形成する樹脂繊維が中空のものであって、繊維中に空気を含んでいることから、中空綿入りの不織布は断熱性に優れるわけである。
【0046】
この場合、断熱シート500は、ヒータユニット400側の不織布502はポリエステル樹脂の中空綿で目付量270g/m厚さ3mmとし、そして裏面材700側の不織布503はポリエステル樹脂+ポリプロピレン樹脂で目付量450〜630g/m厚さ5〜7mmとしてある。
【0047】
裏面材700は、面状採暖具の本体100のうち直接床面に接触する部材であり、機械的強度はもちろんクッション性や滑りにくさ等の性能を備えており、弾性を備えたTPO(オレフィン系エラストマー)の裏面シート701(図示せず)の上面にポリエチレン樹
脂の接着層702(図示せず)をコーティングしたものである。なお、このポリエチレン樹脂の接着層702のコーティングの代わりに下側接着シート600を用いてもよい。また、裏面材700は強度、耐熱性、接着性等で適するものであれば、TPOに限定されるものではない。たとえば、耐熱ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ホリエステル樹脂、ナイロン樹脂等もよい。
【0048】
本実施の形態における面状採暖具は、上記各構成部材を組み立て形成した本体100の角部に制御部101を設置し、ヒータユニット400の発熱線424の始端と終端を制御部101に接続することにより、面状採暖具の発熱機能を発揮させることができるものである。
【0049】
<本体の熱接着および周辺部の超音波溶着>
図4に示したように、下から裏面材700,下側接着シート600,断熱シート500,ヒータユニット400,上側接着シート300,遮水表布200を順に積層した積層体を上下の熱板(図示せず)で熱プレスすることで、上側接着シート300およびアルミシート411の両面にコーティングしたポリエチレン樹脂からなる接着樹脂および412下側接着シート600が、前記上下の熱板からの熱で溶融するとともに接着剤として作用し、上下方向のプレス押圧により、遮水表布200とヒータユニット400と断熱シート500と裏面材700が一体的に積層接着される。ここでは下からの積層順で説明したが、上からの積層順に云い換えると、遮水表布200,上側接着シート300,ヒータユニット400,断熱シート500,下側接着シート600,裏面材700となる。
【0050】
上記のように、遮水表布200,上側接着シート300,ヒータユニット400,断熱シート500,下側接着シート600,裏面材700を順に積層した積層体を上下の熱板(図示せず)で熱プレスして積層接着したとき、積層間の空気の存在位置が、面状採暖具の性能にとって、きわめて重要となる。特に、遮水表布200とヒータユニット400との間に空気溜りが存在すると、その空気溜りがヒータユニット400の熱を遮水表布200へ熱伝導する際の阻害要因となり、採暖効率を損なうことになる。つまり、空気は熱伝導率が非常に低いため、空気溜りが断熱材として作用し、使用者が採暖したい遮水表布200へ熱伝導の妨げとなるわけである。
【0051】
本実施の形態において、均熱シート410は、遮水表布200の側から断熱シート500の方向に開けられた複数の空気抜き孔430が設けられていることにより、遮水表布200、ヒータユニット400、断熱シート500、裏面材700を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスして積層接着するときに、遮水表布200とヒータユニット400との間の空気が、複数の空気抜き孔430を通過し、ヒータユニット400の下側の断熱シート500へ移動する。これにより、ヒータユニット400の均熱シート410と遮水表布200との間に熱伝導を阻害するような空気溜りを生じることなく、ヒータユニット400から遮水表布200への良好な熱伝導性能が得られる。
【0052】
しかも、空気抜き孔430を通過し、ヒータユニット400の下側の断熱シート500の不織布502の中へ移動した空気によって、断熱シート500中に空気層が形成され、その空気によって断熱シート500の断熱性がさらに高められ、ヒータユニット400から裏面材700に無駄に熱伝導して放熱することが抑制され、より採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0053】
ちなみに、図10,図11に示した従来の電気カーペットのように、表面材3が遮水性のないフェルトの場合、表面材3は通気性があり、そもそも空気溜りなどの課題は関係しない。本実施の形態のように、ジュース等の液体をこぼしても中に浸透しない遮水表布200の構成がゆえに、均熱シート410は、遮水表布200の側から断熱シート500の
方向に開けられた複数の空気抜き孔430が、重要な意味のある構成となるわけである。なお、従来の電気カーペットは、ニードルパンチ加工で一体化されていることにより、図11のように層状の均熱板3−bにはニードルパンチ加工によってできたニードル孔が多数あるが、これはニードルパンチ加工で一体化する目的で生じたニードル孔であって、本実施の形態の遮水表布200の側から断熱シート500の方向に開けられた複数の空気抜き孔430とは、目的も構成も異なるものである。
【0054】
また、本実施の形態において、空気抜き孔430は、均熱シート410の遮水表布200の側から断熱シート500の方向に変形し、遮水表布200側に凹部431、断熱シート500側に凸部432が形成されており、これにより、遮水表布200とヒータユニット400との間の空気が、断熱シート500側へ移動することを阻害されず、よりスムースに凹部431を経て500側へ移動しやすくなる。したがって、遮水表布200とヒータユニット400との間の不要な空気溜りをさらに少なくでき、より採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0055】
なお、前述したように上側接着シート300を使用しない場合は、金属シートであるアルミシート411にコーティングされている接着樹脂412が上側接着シート300に代わって同様の接着作用をするので、上側接着シート300を省いても支障はない。この上側接着シート300を使用することで、いわゆる接着剤(接着樹脂)の量をコーティングの場合よりも多くできるため、遮水表布200の不織布202の種類によって、より接着剤を多くしないと必要な接着強度が得られない場合等に効果的である。
【0056】
同様に、下側接着シート600を使用しない場合は、裏面材700の裏面シート701(図示せず)の上面にコーティングされているポリエチレン樹脂の接着層702(図示せず)が下側接着シート600に代わって同様の接着作用をするので、下側接着シート600を省いても支障はない。この下側接着シート600を使用することで、いわゆる接着剤(接着樹脂)の量をコーティングの場合よりも多くできるため、断熱シート500の不織布503の種類によって、より接着剤を多くしないと必要な接着強度が得られない場合等に効果的である。
【0057】
ちなみに、上側接着シート300やコーティングしてある接着樹脂412の溶融温度は約100℃で遮水表布200の溶融温度は約160℃である。したがって、前述した熱プレスによって上側接着シート300やコーティングしてある接着樹脂412が溶融するとき、遮水表布200が熱で損傷や変質するような心配がないように、材料の耐熱温度や溶融温度に配慮した構成にしてある。もちろん、裏面材700と下側接着シート600との関係も同様で、上下の熱プレスの熱板(図示せず)に接する遮水表布200および裏面材700は、溶融する接着樹脂の溶融温度より、高い耐熱温度の材料である。
【0058】
なお、本実施の形態において遮水表布200は、ポリエステル樹脂の不織布202の上層に、TPO(オレフィン系エラストマー)をラミネートした構成としたが、ラミネート樹脂は遮水性や耐熱性、強度等で適するものであれば、TPOに限らず、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂など他の樹脂でもよい。また、不織布202も強度、接着性等で適するものであれば、ポリエステル樹脂の繊維に限定されるものではない。たとえば、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等もよい。
【0059】
周辺部の超音波溶着は、図7に示すように、この工程で使用する設備は本体100の周辺部に沿って移動するホーン751を備えた超音波溶着機750で行う。
【0060】
ヒータユニット400は他の部材より外形寸法を小さく形成されているため、本体100の周辺部は全て熱可塑性の樹脂材料で形成された遮水表布200と上側接着シート30
0と断熱シート500と下側接着シート600と裏面材700とで構成されている。それら周辺部に超音波を加えることにより各部材の接合部が発熱溶融して確実に溶着することができる。超音波を加えるホーン751が周辺部を移動しながら順次溶着を行うことによって、周辺部が密閉される。
【0061】
なお、前述したように上側接着シート300や下側接着シート600を使用しない場合は、遮水表布200と断熱シート500と裏面材700の周辺部に超音波を加え、各部材の接合部を発熱溶融して周辺部を密閉する。
【0062】
最後のトリミング工程は、本体100の周辺部の不要な部分を切り落として整形する仕上げ工程であり、図8に示すように、この工程で使用する設備は本体100の両側の幅方向を同時に切断する2個の円盤状のカッター760と長さ方向を移動させながら切断する1個のカッター760で行われる。
【0063】
超音波溶着を行った周辺部の不要部分を幅方向と長さ方向に円盤状のカッター760を移動させながら切り落とし、本体100を所定の寸法に仕上げる。
【0064】
以上のように、本実施の形態のおける面状採暖具は、ポリエステル樹脂の不織布202の上側表面に遮水樹脂201であるTPOをラミネートした遮水表布200と、金属シートであるアルミシート411の上下両面にポリエチレン樹脂である接着剤412をコーティングした均熱シート410と、その均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400と、そのヒータユニット400の下面側に設けられた断熱シート500と、その断熱シート500の下面側に設けられた裏面材700と、を備え、均熱シート410は遮水表布200の側から断熱シート500の方向に開けられた複数の空気抜き孔430が設けられた構成であるので、使用者が使用する際に誤って面状採暖具に水やジュース等の液体をこぼしても、表面の遮水表布200が水やジュース等の液体を遮断し、中の不織布202等に浸透することが阻止され、表面の液体汚れを簡単に拭き取ることができる。
【0065】
この場合、特に均熱シート410は、遮水表布200の側から断熱シート500の方向に開けられた複数の空気抜き孔430が設けられていることにより、遮水表布200、ヒータユニット400、断熱シート500、裏面材700を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスして積層接着するときに、遮水表布200とヒータユニット400との間の空気が、複数の空気抜き孔430を通過し、ヒータユニット400の下側の断熱シート500へ移動する。これにより、ヒータユニット400の均熱シート410と遮水表布200との間に熱伝導を阻害するような空気溜りを生じることを防止でき、良好な熱伝導性能が得られる。
【0066】
しかも、空気抜き孔430を通過し、ヒータユニット400の下側の断熱シート500へ移動した空気によって、断熱シート500中に空気層が形成され、その空気によって断熱シート500の断熱性がさらに高められ、ヒータユニット400から裏面材700に無駄に熱伝導および放熱することが抑制され、採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0067】
このように、本実施の形態のおける面状採暖具は、液体汚れ等が中に浸透せず、表面汚れを拭き取れる遮水表布200の面状採暖具で、ダニや蚤の温床にもなりにくく、かつ、遮水表布200の側から断熱シート500の方向に開けられた複数の空気抜き孔430によって、面状採暖具の製造時にヒータユニット400の上側の空気がヒータユニット400の下側へ移動され、採暖効率の優れた面状採暖具を実現できる。
【0068】
また、本実施の形態において、空気抜き孔430は、均熱シート410の遮水表布200の側から断熱シート500の方向に変形し、遮水表布200側に凹部431、断熱シート500側に凸部432が形成されており、これにより、遮水表布200とヒータユニット400との間の空気が、断熱シート500側へ移動することを阻害されず、よりスムースに凹部431を経て500側へ移動しやすくなる。したがって、遮水表布200とヒータユニット400との間の不要な空気溜りをより少なくでき、より採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0069】
また、空気抜き孔430は、表面に複数の錐状ピン440を有する円柱状のローラ450と円柱状のゴムローラ460との間に均熱シート410を通過させて開孔することにより、均熱シート410の上側面に凹部431、下側面に凸部432を有する空気抜き孔430が簡単かつ高速に形成でき、熱プレスによる積層接着時に遮水表布200とヒータユニット400との間の空気溜りをより少なくできるというだけでなく、幅および長さなどサイズの異なる面状採暖具100の均熱シート410の製造を同一の設備で対応することができる。しかも、錐状ピン440で開孔した構成なので、空気抜き孔430をプレス打ち抜きする構成と異なり、抜きカスが発生なしいため、抜きカス処理の手間や材料ロスを低減できる。
【0070】
また、本実施の形態において、断熱シート500は、上下2層の不織布502,503で形成され、ヒータユニット400側の不織布502に中空綿を含む構成なので、ヒータユニット400の下側に位置する不織布502の断熱性能を中空綿によりさらに高められる。このため、前述の空気抜き孔430によって不織布502へ移動した空気による空気層と、中空綿の空気とが相まって、不織布502の断熱性がさらに高まり、ヒータユニット400から裏面材700に無駄に熱伝導放熱することをさらに抑制でき、一段と採暖効率の優れた面状採暖具を得ることができる。
【0071】
この場合、断熱シート500は、ヒータユニット400側の不織布502はポリエステル樹脂の中空綿で目付量270g/m厚さ3mmとし、そして裏面材700側の不織布503はポリエステル樹脂+ポリプロピレン樹脂で目付量450〜630g/m厚さ5〜7mmとすることによって、費用対効果の面で最も良好な採暖性能が得られる。
【0072】
なお、断熱シート500の不織布502,503は、断熱性、耐熱性、クッション性、強度、接着性等で適するものであれば、ポリエステル樹脂の繊維に限定されるものではない。たとえば、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等もよい。
【0073】
また、本実施の形態においては、遮水表布200、ヒータユニット400、断熱シート500、裏面材700を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスして、接着剤(接着樹脂)を溶融するとともに積層体が押圧され、遮水表布200とヒータユニット400と断熱シート500と裏面材700が積層接着される構成なので、積層して1回の熱プレスだけで、遮水表布200とヒータユニット400、ヒータユニット400と断熱シート500、断熱シート500と裏面材700が同時に接着できるとともに、遮水表布200とヒータユニット400との間の空気が空気抜き孔430を通過し、ヒータユニット400の下側の断熱シート500へ移動し、採暖効率の優れ、かつ、使用者が使用する際に誤って水やジュース等の液体をこぼししても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取ることができ面状採暖具を得ることができる。
【0074】
また、本実施の形態においては、遮水表布200は、上層に目付量150〜200g/mの遮水樹脂201であるオレフィン系エラストマーのラミネート層、下層に目付量50〜90g/mポリエステル樹脂の不織布202の2層構造で、厚さは約0.3〜0.7mmとした構成なので、遮水表布200の所定剥離強度を確保することができ、長期間
快適に使用することができる。これは、下層の不織布202が薄すぎる場合や、上層の遮水樹脂201が適量でない場合は、遮水表布200のヒータユニット400との接着面側まで遮水樹脂201が浸透しすぎることにより、不織布202のいわゆる毛羽立ち部分が減少したりなくなったりするため、ヒータユニット400との接着強度および剥離強度が弱くなる。したがって、上層の遮水樹脂201の目付量150〜200g/mとし、下層の不織布202の目付量を50〜90g/mとすることによって、ハンド試験機による剥離強度の目標値である1.5kgを達成することができる。
【0075】
また、本実施の形態においては、遮水表布200の下層であるポリエステル樹脂の不織布202は、繊維の長さ40〜80mm、繊維の太さ3デニール80〜90%、6デニール10〜20%とした構成なので、遮水表布200の下層である不織布202は、まず太い6デニールの繊維と細い3デニールの繊維を組み合わせた構成により、不織布202自身の適度な強度が得られるというだけにとどまらず、細い繊維の組合せ比率を多くした3デニール80〜90%、6デニール10〜20%にすることによって、遮水表布200のヒータユニット400との接着面側まで遮水樹脂201が浸透しすぎて毛羽立ち部分が減少したりなくなったりすることを防止でき、目標の剥離強度をより安定して確保することができる。
【0076】
なお、本実施の形態においては、均熱シート410の基材としてアルミシートを使用したが、これに限るものではなく、銅やステンレス等の他の金属であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明にかかる面状採暖具は、使用者が誤って水やジュース等をこぼしても、中に液体が浸透せず、表面の液体汚れを拭き取ることができ、かつ、採暖効率の優れたものが得られるので、台所や居間などの床上に置いて使う床暖房装置や、いわゆる電気カーペットなどに適用できる。
【符号の説明】
【0078】
200 遮水表布
201 遮水樹脂
202 不織布
300 上側接着シート
400 ヒータユニット
410 均熱シート
411 金属シート(アルミシート)
412 接着樹脂(接着剤)
420 ヒータ線
430 空気抜き孔
431 凹部
432 凸部
440 錐状ピン
450 ローラ
460 ゴムローラ
500 断熱シート
502 不織布
503 不織布
600 下側接着シート
700 裏面材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布の上側表面に遮水樹脂をラミネートした遮水表布と、
金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、
前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
前記ヒータユニットの下面側に設けられた断熱シートと、
前記断熱シートの下面側に設けられた裏面材と、
を備え、
前記均熱シートは前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に開けられた複数の空気抜き孔が設けられたことを特徴とする面状採暖具。
【請求項2】
前記空気抜き孔は、前記均熱シートの前記遮水表布の側から前記断熱シートの方向に変形し、前記遮水表布側に凹部、前記断熱シート側に凸部が形成された、
請求項1に記載の面状採暖具。
【請求項3】
前記空気抜き孔は、表面に複数の錐状ピンを有する円柱状のローラと円柱状のゴムローラとの間に前記均熱シートを通過させて開孔した、
請求項2に記載の面状採暖具。
【請求項4】
前記断熱シートは、上下2層の不織布で形成され、少なくとも前記ヒータユニット側の不織布に中空綿を含む構成とした、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の面状採暖具。
【請求項5】
前記断熱シートは、前記ヒータユニット側の不織布はポリエステル樹脂の中空綿で目付量270g/m厚さ3mm、前記裏面材側の不織布はポリエステル樹脂+ポリプロピレン樹脂で目付量450〜630g/m厚さ5〜7mmとした、
請求項4に記載の面状採暖具。
【請求項6】
前記遮水表布、前記ヒータユニット、前記断熱シート、前記裏面材を順に積層した積層体を上下の熱板で熱プレスすることにより、前記接着剤および接着樹脂を溶融するとともに前記積層体が押圧されることにより、前記遮水表布と前記ヒータユニットと前記断熱シートと前記裏面材が接着されてなる、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の面状採暖具。
【請求項7】
前記遮水表布は、上層に目付量150〜200g/mの遮水樹脂であるオレフィン系エラストマーのラミネート層、下層に目付量50〜90g/mポリエステル樹脂の不織布の2層構造で、厚さは約0.3〜0.7mmとした、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の面状採暖具。
【請求項8】
前記遮水表布の下層であるポリエステル樹脂の不織布は、繊維の長さ40〜80mm、繊維の太さ3デニール80〜90%、6デニール10〜20%とした、
請求項7に記載の面状採暖具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−117800(P2012−117800A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49811(P2011−49811)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】