靴の組み立て部材およびこれを用いた靴並びにその製造方法
【課題】様々な高さのヒールに適用可能とするために、靴の組み立て部材における踵方向の部分を、つま先端部に対して曲げることができるようにする。
【解決手段】伸縮性材料から一体に形成された内層を備え、前記内層が、可撓性を有するトップラインと、前記材料を支えるための踵補強材115およびつま先補強材120を備え、踵補強材115およびつま先補強材120が、組み立て部材の踵部とつま先部との間の相対角変動を可能とするために前記材料のヒンジ部により離間され、前記材料が前記相対角変動に適合するよう伸縮する。
【解決手段】伸縮性材料から一体に形成された内層を備え、前記内層が、可撓性を有するトップラインと、前記材料を支えるための踵補強材115およびつま先補強材120を備え、踵補強材115およびつま先補強材120が、組み立て部材の踵部とつま先部との間の相対角変動を可能とするために前記材料のヒンジ部により離間され、前記材料が前記相対角変動に適合するよう伸縮する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴および靴の組み立て部材(sub-assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、「靴」という用語は、ブーツ(これに限定されない)を含む履物に関するあらゆる形状を表すために用いられる。
【0003】
従来、靴は、特に婦人用靴は、所望の靴形状に形づくられた靴型上に形成され、一般に、甲(upper)、基部(base)、および踵(heel)を含む。本明細書において、「基部」とは、靴において着用者の足の下に位置する、踵以外の部分を表すために用いられる。従って、基部は、複数の部材から構成され得る。通常、基部は、インソール(中底)と、このインソールの下に位置して歩行時に地面に接するソール(底)とを含む。基部がインソールとソールとを含む場合、靴の甲の一部を、インソールとソールとの間に挟めば、甲と基部を接続できる。一般に、甲と基部は一緒に形成され、それから踵が加えられる。踵と基部とは、釘を用いて(多くの場合、接着剤も共に用いて)接続される。踵の高さを変更する場合は、新しい踵に適応した基部と甲を作るために、新しい靴型が必要となる。
【0004】
これとは異なる靴の構造として、様々な提案がなされている。例えば、GB−A−877076には、甲と、基部の一部とを一つの部材に型取り成形し、踵と土踏まずを第2の部材として型取り成形したものが開示されている。甲/基部の部材には孔が設けられ、この孔に踵をはめ込み、土踏まずを基部に載せて糊付けする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、靴を形成する組み立て部材であって、靴の基部に組み込まれ複数の構造をとり得る可撓性部材と、足を支える構造に前記可撓性部材を形づくると共に踵を可撓性部材に接続するために前記可撓性部材に構造的に組み込まれる支持部材を有する踵とを備えた組み立て部材が提供される。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による組み立て部材と、前記組み立て部材により支えられる甲とを有する靴が提供される。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、比較的可撓性のある部分とこの可撓性のある部分により足を支える構造を形づくる支持部材とを有する基部と、踵とを備えた靴が提供される。前記支持部材は、踵を基部に接続するために踵に接続され、踵と支持部材とは前記の可撓性のある部分から取り外しが可能である。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、可撓性のある基部を作成し、支持部材に接続された踵を作成し、支持部材を可撓性のある基部に組み込むことにより、支持部材が可撓性のある基部により足を支える構造を形づくる工程を含む靴の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明のいくつかの実施形態について、詳細に説明する。例として、添付した図面が参照される。
【0010】
まず、図1に示すように、靴に組み込まれる組み込み部材は、可撓性部材(一般に10として示す)と踵11から構成される。可撓性部材10は、概ね平坦な下部壁12を備えている。下部壁12は、上方および外側へ向かって延在するよう形づくられた側壁13に囲まれている。図1から分かるように、下部壁12は、つま先端部14と踵端部15とを有し、靴底の外形を形づくる。下部壁12の踵端部15方向の端部には、引き延ばされたD字型の開口16が、その直線端17をつま先端部14方向へ向けて、設けられている。細長い長方形の溝18が、直先端17から始まり、つま先端部14へ向けて、下部壁12に延設されている。
【0011】
可撓性部材10は、適宜の材料で形成できるが、例えばポリウレタン材料等の可撓性のあるプラスチック材料で形成されることが好ましい。踵11とは離して示したように、可撓性部材10は、複数の異なる構成をとり得るものである。可撓性部材自体は、足を支えるものではない。
【0012】
踵11は、木やプラスチック等の適宜の材料で一体に形成され、ぶら下がった楔形の接地部19を有する。接地部19の上には、細長い支持部20が載置されている。概ね平らな細長いフランジ21と、支持部20の上面との間は、ウェブ(web)22によって間隔が設けられている。
【0013】
踵11は、ウェブ22がスロット18に挿入可能なように、かつ、ウェブ22の端部がスロット18の閉じた端部に到達したときにフランジ21が開口16に位置してその開口を埋めるように、形づくられている。下部壁12における開口16を囲む部分は、支持部20の上側表面に載る。
【0014】
このように、これらの部材を構造的に組み合わせることにより、足を支えるための十分な固さを可撓性部材10に持たせることができる。可撓性部材10の材料が可撓性を持つので、下部壁12における踵端部15方向の部分に、下部壁12の踵側方向の部分に対して、踵11に適応するように角度(曲げ)を持たせることができる。このようにして、可撓性部材10は、足を支える構造に形づくられる。
【0015】
図1に示したように、可撓性部材10に、踵11を可撓性部材10に対して取り外し可能に係止するための留め具23を設けても良い。この留め具を外せば、踵11を可撓性部材10から取り外すことができる。これにより、後により詳しく説明するが、靴を異なったスタイルにするために、踵を、異なる高さの他の踵(図示せず)に交換することができる。
【0016】
可撓性部材10を、図2(a)、図2(b)、図2(c)により詳細に示す。これらに示すように、側壁13において、上方へ延びる突起部24を踵側端部に設け、2つの側面突起部25を甲に設け、つま先突起部26をつま先端部14に設けた構成としても良い。これらは、可撓性部材10を甲に接続するために用いられ得る。甲の構成の一例を、図6(a)および図6(b)を参照しながら後に説明する。
【0017】
図3(a)は、概略的に示された甲27を備えた、図1の可撓性部材10を示す。図3(b)は、図1の踵11を示す。図3(c)は、可撓性部材10と甲27に接続された踵11を示す。
【0018】
図4(a)も、図1および図2(a)の可撓性部材10を示す。しかし、この例では、図4(b)に示す踵11の接地部28は、図3(b)の踵11において対応する部分(接地部19)よりも高い。従って、図4(c)に示すように、この踵11を可撓性部材10および甲27に接続すると、製造される靴のスタイルは異なるものとなる。
【0019】
次に、図5(a)、図5(b)、図5(c)においても、可撓性部材10および甲27は、図3(a)および図4(a)に示すとおりである。しかし、図5(b)に示す踵11の接地部29は、図3(b)および図4(b)に示す接地部19,28よりも高い。従って、図5(c)に示すように、図5(b)の踵11を可撓性部材10に組み合わせた場合、さらに異なるスタイルの靴が製造される。
【0020】
従って、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図5(a)、図5(b)、図5(c)を参照して説明した上述の全ての実施形態において、履き心地が良い可撓性部材10は、踵11と組み合わされた際に、足を支えるために十分な固さになるだけである。踵11は、長さ方向および横方向の両方にサポートを与えることにより、靴を着用可能とし、かつ足を支えるようにする。
【0021】
可撓性部材10の下部壁12は、完成された靴において、地面に接するソールとなり得る。あるいは、下部壁12の下面に別のソールを追加しても良い。どちらの場合においても、下部壁12の上にインソールを設けることができる。
【0022】
ここで、図6(a)に、つま先部31と2つの側面部32とを有する甲30を示す。甲30は、適宜の材料で作成できるが、例えばプラスチック材料、皮革材料、織地材料、編地材料、あるいは、これらの材料の組み合わせ材料で作成することもできる。甲30は、つま先の周りに、ポリウレタンコーティングによって補強され硬化された領域33を有する。同様の領域34が、側面部32における接続されていない両端部に設けられる。
【0023】
次に、図6(b)に示すように、この甲30は、図1〜図5を参照して先に説明したような可撓性部材10に、突起部24,25,26を用いて接続される。このとき、側面部32の端部の補強された2つの領域34を、靴の踵端部を形成するように包み込む。
【0024】
図7に示すように、この実施形態の可撓性部材40は、靴基部のソールに組み込まれるものであり、プラスチック材料により一体に成形されている。可撓性部材40は、平坦な踵部41を有する。踵部41は、ヘッド43まで至る周辺垂下壁42に囲まれている。踵部41の前方エッジ44からは、細長い脊柱状部材45が延設されている。脊柱状部材45には、その長さ方向に間隔をあけて、4つのほぼ下向きの三角形状の支持部材46が取り付けられている。4つの支持部材46は、同様の形状であるが、踵部41から遠くになるほど小さくなるように形成されている。支持部材46の数は、4つに限られない。図7に示すように、支持部材の各々は、中央部に設けられた孔47と、側方延長部48とを有する。側方延長部48は、脊柱状部材45の長さ方向の両側に突き出している。中央の孔47は、互いに位置合わせされている。これにより、脊柱状部材45における支持部材46の間にある部分が可撓性のあるヒンジとなり、脊柱状部材45を曲げることが可能となる。
【0025】
踵49は、所望の形状に形づくられた中空のシェル50により形成される。シェル50の中には、概ねL字型の支持材51が入っている。支持材51は、垂直リム52と、概ね水平な水平リム53とを有する。垂直リム52は、シェルの内側の裏面に取り付けられている。水平リム53は、シェル50の上端において、シェル50の長さに沿って突き出している。図7から分かるように、シェル50の外側に、くぼんだ弓形部54がある。
【0026】
靴は、さらに、クリップ55とW字型のばね止め部材56とを有する。このクリップは、弓状体57と、この弓状体57の凹面の内側表面から突き出した一対の直線状のガイド部材58とを有する。一対のガイド部材58は、互いに平行に、間隔をあけて設けられている。前記弓状体の両端は、内側に向けられている。前記W字型のばね止め部材56の両端には、ラグ59がそれぞれ設けられている。
【0027】
図7を参照して上述のように説明した靴は、以下のように組み立てられる。
【0028】
可撓性部材40は、踵部41および支持部材46の上部表面を介して、靴の可撓性ソール60に取り付けられる。それから、L字型支持材51の水平部53の端部が、踵に最も近い支持部材46の孔47に差し込まれ、さらにその後、踵49の裏面の弓型部54が可撓性部材40における踵部41の壁42に結合するまで、次の孔へ順次押し込まれていく。
【0029】
W字型のばね止め部材56は、壁42に形成された孔61のそれぞれからラグ59を突出させることによって、踵部41および壁42の下の空洞部に保持される。
【0030】
踵49の弓形部54が壁42に結合するとき、ラグ59は、踵の孔のそれぞれにはめ込まれる。これにより、踵49は、可撓性部材40にしっかりと固定される。すなわち、踵49は靴にしっかりと固定される。最後に、クリップ55のガイド部材58が、踵49の弓形部54のスロット63のそれぞれに挿入され、支持材51をはさみ込む。このとき、弓状体57が踵49の弓形部54にはまり込み、弓状体57の端部がラグ59を覆う状態となる。
【0031】
このように、L字型支持材51の水平部53の形状が、可撓性部材40の曲率を決定することにより、靴のソール60の後部形状が決定される。踵が、L字型部材51の垂直リム52で負荷を地面に伝えることによって足を支えるのと同じように、支持部材46が、足に対して横方向のサポートを提供する。可撓性部材40は製造が容易で安価であり、踵49はすばやくかつ容易に可撓性部材40にはめ込むことができる。
【0032】
クリップ55を取り外し、ラグ59を内側へ押し下げ、水平リム53を支持部材46の孔47から引き出すことによって、可撓性部材40から踵49を容易に取り外せるようにすることも好ましい。その後、踵49を、図7に示す踵49と同じ新しい踵や、高さまたは形が異なる他の新しい踵に交換することができる。
【0033】
図8に、他の実施形態にかかる可撓性部材65を示す。この可撓性部材65は、図7の可撓性部材40と同じ原理で構成される。図7と図8で共通する部品については、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0034】
この実施形態では、可撓性部材65は、インソール66と一体化して形成される。可撓性部材65およびインソール66は、適当なプラスチック材料によって型取り成形されることが好ましい。図8(c)および図8(d)に特に示すように、可撓性部材65には、脊柱状部材67と7つの支持部材68が設けられる。支持部材68のそれぞれは、断面が概ね三角形状の中央部材69を有する。中央部材69には、孔47と、負荷を支えるために支持部材68の長さ方向両側に突き出した2つの側方延長部48とが設けられている。踵部41と、壁42と、ヘッド43とは、図7を参照して説明したものとほぼ同様である。
【0035】
この実施形態は、図7を参照して上記で説明したような種類の踵49に適用される。踵49のL型支持材51の水平リム53を、支持部材68の孔47に押し込むことにより、可撓性部材65とインソール66は、靴に組み込まれた状態で足の負荷を支えられるように形づくられる。
【0036】
完成した靴において、ソールはインソール66および可撓性部材65の下に設けられる。この構成は、可撓性部材65が靴の甲で隠され、甲側から見えるのが下部ソール(図示せず)のみであるので、特に好ましい。下部ソールは、可撓性部材を収容する必要はないので、比較的薄くて良く、いくつかのタイプの靴では、外見的な美しさの点から望ましい。
【0037】
従って、図面を参照した上述の全ての実施形態において、可撓性のある甲と、取り付け機構を備えた可撓性のある基部部材と、一体化された土踏まずと取り付け機構とを有する堅い踵とが設けられていることが分かる。土踏まず/踵は、可撓性部材の中に位置し、構造的に固定される。しかし、この土踏まず/踵は、スタイルや高さが異なる土踏まず/踵ユニットを、使用者の要望に応じて相互に交換できるように、使用者によって取り外すことができる。
【0038】
図面を参照した上述の実施形態において、重要な特徴は、靴の上部(甲および基部)の可撓性と、土踏まず/踵部ユニットの堅さである。後者の構成部品は、前者に挿入されて固定され、この構造の土踏まずの構成部品が土踏まず下の空洞部に差し込まれることにより、サポートを与え、可撓性部材を位置に固定することができる。可撓性部材と靴の甲の両方が可撓性を有するので、土踏まず/踵ユニットによって与えられる外形に適合するように変形する。
【0039】
この構造は、一旦固定すれば安定しており、通常の使用中に外れる可能性はない。使用者は、この構造中のボタンを押して土踏まず/踵ユニットをソール外へスライドさせることにより、土踏まず/踵ユニットを外すことができる。基部および甲が可撓性を有するので、甲にしわが寄ったり使用者に不快感を与えたりすることなく、異なる高さのヒールに適合でき、これにより、高さが異なる複数の踵を相互に交換することが可能となる。
【0040】
図9に示すように、この図に示す甲の組み立て部材は、概ねU字型の伸縮性材料の一片により形成された内層110を有する。例えば、伸縮性材料としては、加熱モールドが可能なナイロン織物やライクラ(Lycra:登録商標)材料を用いることができる。しかし、これに限らず、適宜の材料を用いることができる。
【0041】
内層110は、つま革覆い(vamp overlay)112により覆われたつま先端部111を有する。つま先端部は、例えば皮革で形成しても良く、長い所望の縫い目で内層110に縫いつけても良い。
【0042】
図では、つま革覆い112に、装飾用ストラップ113および帯114を設けたが、これらは必要に応じて、別の態様に変更されても良いし、省略されても良い。概ね三日月状のトゥ−パフ(toe-puff)115が、つま革覆い112と内層110との間に挿入される。トゥ−パフ115の外側端部は、つま先端部111およびつま革覆い112の印象的な弓状の端部に位置合わせして、弓状に形成される。トゥ−パフは、この領域に剛性を与えるものであり、熱活性可能なものでも良い。例えば、トゥ−パフは、熱可塑性の不織注入樹脂材料であっても良い。
【0043】
次に、図10に示すように、接続されていない端部116を縫製線117に沿って縫い合わせることにより、内層110を形成し、外側へ向かう縫い目118を形成する。
【0044】
次に、図11に示すように、カウンタ覆い124(counter overlay)が、後部補強材120の上に重ねて、好ましくは縫製によって、内層110に取り付けられる。カウンタ覆い124は、つま革覆い112と同じ材料を用いても良い。次に、一片の後部補強材120が、踵の周辺部のカウンタ覆い124と内層110との間に加えられる。図から分かるように、後部補強材120は、概ねU字型でバックストラップの位置に突出片121を有する。突出片121は、U字状のくぼみ122により、側面補強材(それらの1つを参照符号123で示した)に接続されている。後部補強材120は、トゥ−パフと同じ材料で形成しても良い。同時に、内層110の外縁の、靴型に合わせるための余裕部分を内側に折り返すことにより、ソール(図示せず)を取り付けるための周辺フランジを形成する。靴のくびれ部分に、つま革覆い112およびトウ−パフ115と、後部補強材120およびカウンタ覆い124との間に、領域125があることが分かる。図12および図13から分かるように、領域125がヒンジとなって、組み立て部材における踵方向の部分を、つま先端部111に対して曲げることができる。
【0045】
図11,12,13から分かるように、後部補強材の突出片121は、トップ126までの途中にしか及んでいない。しかし、後部補強材を覆うカウンタ覆い124も、突出片127を有しており、この突出片127は、後部補強材の突出片121を覆い、トップライン126まで及んでいる。これらの間に、これらのパーツによってバックストラップが形成され、このバックストラップのトップライン126方向の上端は、このバックストラップの下端に対して、甲の長さ方向に平行に曲げることができる。これにより、図12および図13から分かるように、つま先に対する踵の角度が小さくなるに従って、バックストラップは、足に適合するために、この方向において外側へ曲がることができる。
【0046】
ヒンジと動くバックストラップを備えたことにより、図面を用いて上記に説明した甲は、様々な高さのヒールに対して用いることができる。特に、この甲は、図面を参照して前述したような相互交換可能なヒールに用いることができる。ただし、これは必須ではない。
【0047】
さらに、内層110は、甲の組み立て部材に対して、バックストラップにおいて外側へ向かう縫い目118を除いては縫い目のない内側表面を形成する。これにより、全ての着用者に対して履き心地の良い甲を提供できる。それでもやはり、トゥ−パフ115としての補強材および後部補強材120の存在、および、つま革覆い112およびカウンタ覆い124の存在は、全体が可撓性のある材料から形成された履物と比較して、よりスタイリッシュな甲を有する靴に仕立てる効果を奏する。
【0048】
図9〜図13を参照して上記に説明した構成に対して、多数の変更を加えることが可能である。つま先や踵の補強は、必ずしも、1つのトゥ−パフ115または後部補強材120によってなされなくても良く、複数の別個のパーツによって構成することができる。つま革覆い112やカウンタ覆い124は、任意要素である。図6を参照して前述したように、トウ−パフ115や後部補強材120だけでも視覚的に問題がない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、靴に組み込まれる組み立て部材であって、可撓性のある部材と支持部材を有する踵とによって形成されたの概略斜視図である。
【図2】図2(a)、図2(b)、図2(c)のそれぞれは、図1の可撓性部材の斜視図、平面図、側面図である。
【図3】図3(a)は、図1の可撓性部材を示し、図3(b)は、図1に示したような第1の踵を示し、図3(c)は、図8(b)の第1の踵に接続された図3(a)の可撓性部材を示す。
【図4】図4(a)、図4(b)、図4(c)のそれぞれは、図1の可撓性部材、図1に示したような第2の踵、図4(b)の第2の踵に接続された図4(a)の可撓性部材を示す。
【図5】図5(a)、図5(b)、図5(c)のそれぞれは、図1の可撓性部材、図1に示したような第3の踵、図5(b)の第3の踵に接続された図5(a)の可撓性部材を示す。
【図6】図6(a)は、図1の組み立て部材と共に用いられる、補強された領域を有する甲を平面図に示したものである。図6(b)は、図1に示したような組み立て部材に適用された図6(a)の甲を示したものである。
【図7】図7は、ソールと甲に、別個の踵と固定タブとクリップと共に組み込まれた可撓性部材を組み込んだ靴の分解組み立て図である。
【図8】図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)は、靴の組み立て部材に組み込まれる可撓性部材の平面図、斜視図、側面図、端部側面図である。
【図9】図9は、伸縮性材料により一体に形成された内層を備え、つま革覆いとトゥ−パフを備えた組み立て部材を平面図に示したものである。
【図10】図10は、踵端部がバックシームと一緒に縫われた内層の側面図である。
【図11】図11は、図10と同様の図であるが、後部補強材が追加され、ソールを取り付けるために内層の余分な部分を内側に折り返したものである。
【図12】図12は、図11と同様の図であるが、ヒンジにおいて第1の角度程度に曲げられた組み立て部材を示す。
【図13】図13は、図12と同様の図であるが、ヒンジにおいて第2の、より大きい角度程度に曲げられた組み立て部材を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴および靴の組み立て部材(sub-assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、「靴」という用語は、ブーツ(これに限定されない)を含む履物に関するあらゆる形状を表すために用いられる。
【0003】
従来、靴は、特に婦人用靴は、所望の靴形状に形づくられた靴型上に形成され、一般に、甲(upper)、基部(base)、および踵(heel)を含む。本明細書において、「基部」とは、靴において着用者の足の下に位置する、踵以外の部分を表すために用いられる。従って、基部は、複数の部材から構成され得る。通常、基部は、インソール(中底)と、このインソールの下に位置して歩行時に地面に接するソール(底)とを含む。基部がインソールとソールとを含む場合、靴の甲の一部を、インソールとソールとの間に挟めば、甲と基部を接続できる。一般に、甲と基部は一緒に形成され、それから踵が加えられる。踵と基部とは、釘を用いて(多くの場合、接着剤も共に用いて)接続される。踵の高さを変更する場合は、新しい踵に適応した基部と甲を作るために、新しい靴型が必要となる。
【0004】
これとは異なる靴の構造として、様々な提案がなされている。例えば、GB−A−877076には、甲と、基部の一部とを一つの部材に型取り成形し、踵と土踏まずを第2の部材として型取り成形したものが開示されている。甲/基部の部材には孔が設けられ、この孔に踵をはめ込み、土踏まずを基部に載せて糊付けする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、靴を形成する組み立て部材であって、靴の基部に組み込まれ複数の構造をとり得る可撓性部材と、足を支える構造に前記可撓性部材を形づくると共に踵を可撓性部材に接続するために前記可撓性部材に構造的に組み込まれる支持部材を有する踵とを備えた組み立て部材が提供される。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による組み立て部材と、前記組み立て部材により支えられる甲とを有する靴が提供される。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、比較的可撓性のある部分とこの可撓性のある部分により足を支える構造を形づくる支持部材とを有する基部と、踵とを備えた靴が提供される。前記支持部材は、踵を基部に接続するために踵に接続され、踵と支持部材とは前記の可撓性のある部分から取り外しが可能である。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、可撓性のある基部を作成し、支持部材に接続された踵を作成し、支持部材を可撓性のある基部に組み込むことにより、支持部材が可撓性のある基部により足を支える構造を形づくる工程を含む靴の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明のいくつかの実施形態について、詳細に説明する。例として、添付した図面が参照される。
【0010】
まず、図1に示すように、靴に組み込まれる組み込み部材は、可撓性部材(一般に10として示す)と踵11から構成される。可撓性部材10は、概ね平坦な下部壁12を備えている。下部壁12は、上方および外側へ向かって延在するよう形づくられた側壁13に囲まれている。図1から分かるように、下部壁12は、つま先端部14と踵端部15とを有し、靴底の外形を形づくる。下部壁12の踵端部15方向の端部には、引き延ばされたD字型の開口16が、その直線端17をつま先端部14方向へ向けて、設けられている。細長い長方形の溝18が、直先端17から始まり、つま先端部14へ向けて、下部壁12に延設されている。
【0011】
可撓性部材10は、適宜の材料で形成できるが、例えばポリウレタン材料等の可撓性のあるプラスチック材料で形成されることが好ましい。踵11とは離して示したように、可撓性部材10は、複数の異なる構成をとり得るものである。可撓性部材自体は、足を支えるものではない。
【0012】
踵11は、木やプラスチック等の適宜の材料で一体に形成され、ぶら下がった楔形の接地部19を有する。接地部19の上には、細長い支持部20が載置されている。概ね平らな細長いフランジ21と、支持部20の上面との間は、ウェブ(web)22によって間隔が設けられている。
【0013】
踵11は、ウェブ22がスロット18に挿入可能なように、かつ、ウェブ22の端部がスロット18の閉じた端部に到達したときにフランジ21が開口16に位置してその開口を埋めるように、形づくられている。下部壁12における開口16を囲む部分は、支持部20の上側表面に載る。
【0014】
このように、これらの部材を構造的に組み合わせることにより、足を支えるための十分な固さを可撓性部材10に持たせることができる。可撓性部材10の材料が可撓性を持つので、下部壁12における踵端部15方向の部分に、下部壁12の踵側方向の部分に対して、踵11に適応するように角度(曲げ)を持たせることができる。このようにして、可撓性部材10は、足を支える構造に形づくられる。
【0015】
図1に示したように、可撓性部材10に、踵11を可撓性部材10に対して取り外し可能に係止するための留め具23を設けても良い。この留め具を外せば、踵11を可撓性部材10から取り外すことができる。これにより、後により詳しく説明するが、靴を異なったスタイルにするために、踵を、異なる高さの他の踵(図示せず)に交換することができる。
【0016】
可撓性部材10を、図2(a)、図2(b)、図2(c)により詳細に示す。これらに示すように、側壁13において、上方へ延びる突起部24を踵側端部に設け、2つの側面突起部25を甲に設け、つま先突起部26をつま先端部14に設けた構成としても良い。これらは、可撓性部材10を甲に接続するために用いられ得る。甲の構成の一例を、図6(a)および図6(b)を参照しながら後に説明する。
【0017】
図3(a)は、概略的に示された甲27を備えた、図1の可撓性部材10を示す。図3(b)は、図1の踵11を示す。図3(c)は、可撓性部材10と甲27に接続された踵11を示す。
【0018】
図4(a)も、図1および図2(a)の可撓性部材10を示す。しかし、この例では、図4(b)に示す踵11の接地部28は、図3(b)の踵11において対応する部分(接地部19)よりも高い。従って、図4(c)に示すように、この踵11を可撓性部材10および甲27に接続すると、製造される靴のスタイルは異なるものとなる。
【0019】
次に、図5(a)、図5(b)、図5(c)においても、可撓性部材10および甲27は、図3(a)および図4(a)に示すとおりである。しかし、図5(b)に示す踵11の接地部29は、図3(b)および図4(b)に示す接地部19,28よりも高い。従って、図5(c)に示すように、図5(b)の踵11を可撓性部材10に組み合わせた場合、さらに異なるスタイルの靴が製造される。
【0020】
従って、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図5(a)、図5(b)、図5(c)を参照して説明した上述の全ての実施形態において、履き心地が良い可撓性部材10は、踵11と組み合わされた際に、足を支えるために十分な固さになるだけである。踵11は、長さ方向および横方向の両方にサポートを与えることにより、靴を着用可能とし、かつ足を支えるようにする。
【0021】
可撓性部材10の下部壁12は、完成された靴において、地面に接するソールとなり得る。あるいは、下部壁12の下面に別のソールを追加しても良い。どちらの場合においても、下部壁12の上にインソールを設けることができる。
【0022】
ここで、図6(a)に、つま先部31と2つの側面部32とを有する甲30を示す。甲30は、適宜の材料で作成できるが、例えばプラスチック材料、皮革材料、織地材料、編地材料、あるいは、これらの材料の組み合わせ材料で作成することもできる。甲30は、つま先の周りに、ポリウレタンコーティングによって補強され硬化された領域33を有する。同様の領域34が、側面部32における接続されていない両端部に設けられる。
【0023】
次に、図6(b)に示すように、この甲30は、図1〜図5を参照して先に説明したような可撓性部材10に、突起部24,25,26を用いて接続される。このとき、側面部32の端部の補強された2つの領域34を、靴の踵端部を形成するように包み込む。
【0024】
図7に示すように、この実施形態の可撓性部材40は、靴基部のソールに組み込まれるものであり、プラスチック材料により一体に成形されている。可撓性部材40は、平坦な踵部41を有する。踵部41は、ヘッド43まで至る周辺垂下壁42に囲まれている。踵部41の前方エッジ44からは、細長い脊柱状部材45が延設されている。脊柱状部材45には、その長さ方向に間隔をあけて、4つのほぼ下向きの三角形状の支持部材46が取り付けられている。4つの支持部材46は、同様の形状であるが、踵部41から遠くになるほど小さくなるように形成されている。支持部材46の数は、4つに限られない。図7に示すように、支持部材の各々は、中央部に設けられた孔47と、側方延長部48とを有する。側方延長部48は、脊柱状部材45の長さ方向の両側に突き出している。中央の孔47は、互いに位置合わせされている。これにより、脊柱状部材45における支持部材46の間にある部分が可撓性のあるヒンジとなり、脊柱状部材45を曲げることが可能となる。
【0025】
踵49は、所望の形状に形づくられた中空のシェル50により形成される。シェル50の中には、概ねL字型の支持材51が入っている。支持材51は、垂直リム52と、概ね水平な水平リム53とを有する。垂直リム52は、シェルの内側の裏面に取り付けられている。水平リム53は、シェル50の上端において、シェル50の長さに沿って突き出している。図7から分かるように、シェル50の外側に、くぼんだ弓形部54がある。
【0026】
靴は、さらに、クリップ55とW字型のばね止め部材56とを有する。このクリップは、弓状体57と、この弓状体57の凹面の内側表面から突き出した一対の直線状のガイド部材58とを有する。一対のガイド部材58は、互いに平行に、間隔をあけて設けられている。前記弓状体の両端は、内側に向けられている。前記W字型のばね止め部材56の両端には、ラグ59がそれぞれ設けられている。
【0027】
図7を参照して上述のように説明した靴は、以下のように組み立てられる。
【0028】
可撓性部材40は、踵部41および支持部材46の上部表面を介して、靴の可撓性ソール60に取り付けられる。それから、L字型支持材51の水平部53の端部が、踵に最も近い支持部材46の孔47に差し込まれ、さらにその後、踵49の裏面の弓型部54が可撓性部材40における踵部41の壁42に結合するまで、次の孔へ順次押し込まれていく。
【0029】
W字型のばね止め部材56は、壁42に形成された孔61のそれぞれからラグ59を突出させることによって、踵部41および壁42の下の空洞部に保持される。
【0030】
踵49の弓形部54が壁42に結合するとき、ラグ59は、踵の孔のそれぞれにはめ込まれる。これにより、踵49は、可撓性部材40にしっかりと固定される。すなわち、踵49は靴にしっかりと固定される。最後に、クリップ55のガイド部材58が、踵49の弓形部54のスロット63のそれぞれに挿入され、支持材51をはさみ込む。このとき、弓状体57が踵49の弓形部54にはまり込み、弓状体57の端部がラグ59を覆う状態となる。
【0031】
このように、L字型支持材51の水平部53の形状が、可撓性部材40の曲率を決定することにより、靴のソール60の後部形状が決定される。踵が、L字型部材51の垂直リム52で負荷を地面に伝えることによって足を支えるのと同じように、支持部材46が、足に対して横方向のサポートを提供する。可撓性部材40は製造が容易で安価であり、踵49はすばやくかつ容易に可撓性部材40にはめ込むことができる。
【0032】
クリップ55を取り外し、ラグ59を内側へ押し下げ、水平リム53を支持部材46の孔47から引き出すことによって、可撓性部材40から踵49を容易に取り外せるようにすることも好ましい。その後、踵49を、図7に示す踵49と同じ新しい踵や、高さまたは形が異なる他の新しい踵に交換することができる。
【0033】
図8に、他の実施形態にかかる可撓性部材65を示す。この可撓性部材65は、図7の可撓性部材40と同じ原理で構成される。図7と図8で共通する部品については、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0034】
この実施形態では、可撓性部材65は、インソール66と一体化して形成される。可撓性部材65およびインソール66は、適当なプラスチック材料によって型取り成形されることが好ましい。図8(c)および図8(d)に特に示すように、可撓性部材65には、脊柱状部材67と7つの支持部材68が設けられる。支持部材68のそれぞれは、断面が概ね三角形状の中央部材69を有する。中央部材69には、孔47と、負荷を支えるために支持部材68の長さ方向両側に突き出した2つの側方延長部48とが設けられている。踵部41と、壁42と、ヘッド43とは、図7を参照して説明したものとほぼ同様である。
【0035】
この実施形態は、図7を参照して上記で説明したような種類の踵49に適用される。踵49のL型支持材51の水平リム53を、支持部材68の孔47に押し込むことにより、可撓性部材65とインソール66は、靴に組み込まれた状態で足の負荷を支えられるように形づくられる。
【0036】
完成した靴において、ソールはインソール66および可撓性部材65の下に設けられる。この構成は、可撓性部材65が靴の甲で隠され、甲側から見えるのが下部ソール(図示せず)のみであるので、特に好ましい。下部ソールは、可撓性部材を収容する必要はないので、比較的薄くて良く、いくつかのタイプの靴では、外見的な美しさの点から望ましい。
【0037】
従って、図面を参照した上述の全ての実施形態において、可撓性のある甲と、取り付け機構を備えた可撓性のある基部部材と、一体化された土踏まずと取り付け機構とを有する堅い踵とが設けられていることが分かる。土踏まず/踵は、可撓性部材の中に位置し、構造的に固定される。しかし、この土踏まず/踵は、スタイルや高さが異なる土踏まず/踵ユニットを、使用者の要望に応じて相互に交換できるように、使用者によって取り外すことができる。
【0038】
図面を参照した上述の実施形態において、重要な特徴は、靴の上部(甲および基部)の可撓性と、土踏まず/踵部ユニットの堅さである。後者の構成部品は、前者に挿入されて固定され、この構造の土踏まずの構成部品が土踏まず下の空洞部に差し込まれることにより、サポートを与え、可撓性部材を位置に固定することができる。可撓性部材と靴の甲の両方が可撓性を有するので、土踏まず/踵ユニットによって与えられる外形に適合するように変形する。
【0039】
この構造は、一旦固定すれば安定しており、通常の使用中に外れる可能性はない。使用者は、この構造中のボタンを押して土踏まず/踵ユニットをソール外へスライドさせることにより、土踏まず/踵ユニットを外すことができる。基部および甲が可撓性を有するので、甲にしわが寄ったり使用者に不快感を与えたりすることなく、異なる高さのヒールに適合でき、これにより、高さが異なる複数の踵を相互に交換することが可能となる。
【0040】
図9に示すように、この図に示す甲の組み立て部材は、概ねU字型の伸縮性材料の一片により形成された内層110を有する。例えば、伸縮性材料としては、加熱モールドが可能なナイロン織物やライクラ(Lycra:登録商標)材料を用いることができる。しかし、これに限らず、適宜の材料を用いることができる。
【0041】
内層110は、つま革覆い(vamp overlay)112により覆われたつま先端部111を有する。つま先端部は、例えば皮革で形成しても良く、長い所望の縫い目で内層110に縫いつけても良い。
【0042】
図では、つま革覆い112に、装飾用ストラップ113および帯114を設けたが、これらは必要に応じて、別の態様に変更されても良いし、省略されても良い。概ね三日月状のトゥ−パフ(toe-puff)115が、つま革覆い112と内層110との間に挿入される。トゥ−パフ115の外側端部は、つま先端部111およびつま革覆い112の印象的な弓状の端部に位置合わせして、弓状に形成される。トゥ−パフは、この領域に剛性を与えるものであり、熱活性可能なものでも良い。例えば、トゥ−パフは、熱可塑性の不織注入樹脂材料であっても良い。
【0043】
次に、図10に示すように、接続されていない端部116を縫製線117に沿って縫い合わせることにより、内層110を形成し、外側へ向かう縫い目118を形成する。
【0044】
次に、図11に示すように、カウンタ覆い124(counter overlay)が、後部補強材120の上に重ねて、好ましくは縫製によって、内層110に取り付けられる。カウンタ覆い124は、つま革覆い112と同じ材料を用いても良い。次に、一片の後部補強材120が、踵の周辺部のカウンタ覆い124と内層110との間に加えられる。図から分かるように、後部補強材120は、概ねU字型でバックストラップの位置に突出片121を有する。突出片121は、U字状のくぼみ122により、側面補強材(それらの1つを参照符号123で示した)に接続されている。後部補強材120は、トゥ−パフと同じ材料で形成しても良い。同時に、内層110の外縁の、靴型に合わせるための余裕部分を内側に折り返すことにより、ソール(図示せず)を取り付けるための周辺フランジを形成する。靴のくびれ部分に、つま革覆い112およびトウ−パフ115と、後部補強材120およびカウンタ覆い124との間に、領域125があることが分かる。図12および図13から分かるように、領域125がヒンジとなって、組み立て部材における踵方向の部分を、つま先端部111に対して曲げることができる。
【0045】
図11,12,13から分かるように、後部補強材の突出片121は、トップ126までの途中にしか及んでいない。しかし、後部補強材を覆うカウンタ覆い124も、突出片127を有しており、この突出片127は、後部補強材の突出片121を覆い、トップライン126まで及んでいる。これらの間に、これらのパーツによってバックストラップが形成され、このバックストラップのトップライン126方向の上端は、このバックストラップの下端に対して、甲の長さ方向に平行に曲げることができる。これにより、図12および図13から分かるように、つま先に対する踵の角度が小さくなるに従って、バックストラップは、足に適合するために、この方向において外側へ曲がることができる。
【0046】
ヒンジと動くバックストラップを備えたことにより、図面を用いて上記に説明した甲は、様々な高さのヒールに対して用いることができる。特に、この甲は、図面を参照して前述したような相互交換可能なヒールに用いることができる。ただし、これは必須ではない。
【0047】
さらに、内層110は、甲の組み立て部材に対して、バックストラップにおいて外側へ向かう縫い目118を除いては縫い目のない内側表面を形成する。これにより、全ての着用者に対して履き心地の良い甲を提供できる。それでもやはり、トゥ−パフ115としての補強材および後部補強材120の存在、および、つま革覆い112およびカウンタ覆い124の存在は、全体が可撓性のある材料から形成された履物と比較して、よりスタイリッシュな甲を有する靴に仕立てる効果を奏する。
【0048】
図9〜図13を参照して上記に説明した構成に対して、多数の変更を加えることが可能である。つま先や踵の補強は、必ずしも、1つのトゥ−パフ115または後部補強材120によってなされなくても良く、複数の別個のパーツによって構成することができる。つま革覆い112やカウンタ覆い124は、任意要素である。図6を参照して前述したように、トウ−パフ115や後部補強材120だけでも視覚的に問題がない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、靴に組み込まれる組み立て部材であって、可撓性のある部材と支持部材を有する踵とによって形成されたの概略斜視図である。
【図2】図2(a)、図2(b)、図2(c)のそれぞれは、図1の可撓性部材の斜視図、平面図、側面図である。
【図3】図3(a)は、図1の可撓性部材を示し、図3(b)は、図1に示したような第1の踵を示し、図3(c)は、図8(b)の第1の踵に接続された図3(a)の可撓性部材を示す。
【図4】図4(a)、図4(b)、図4(c)のそれぞれは、図1の可撓性部材、図1に示したような第2の踵、図4(b)の第2の踵に接続された図4(a)の可撓性部材を示す。
【図5】図5(a)、図5(b)、図5(c)のそれぞれは、図1の可撓性部材、図1に示したような第3の踵、図5(b)の第3の踵に接続された図5(a)の可撓性部材を示す。
【図6】図6(a)は、図1の組み立て部材と共に用いられる、補強された領域を有する甲を平面図に示したものである。図6(b)は、図1に示したような組み立て部材に適用された図6(a)の甲を示したものである。
【図7】図7は、ソールと甲に、別個の踵と固定タブとクリップと共に組み込まれた可撓性部材を組み込んだ靴の分解組み立て図である。
【図8】図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)は、靴の組み立て部材に組み込まれる可撓性部材の平面図、斜視図、側面図、端部側面図である。
【図9】図9は、伸縮性材料により一体に形成された内層を備え、つま革覆いとトゥ−パフを備えた組み立て部材を平面図に示したものである。
【図10】図10は、踵端部がバックシームと一緒に縫われた内層の側面図である。
【図11】図11は、図10と同様の図であるが、後部補強材が追加され、ソールを取り付けるために内層の余分な部分を内側に折り返したものである。
【図12】図12は、図11と同様の図であるが、ヒンジにおいて第1の角度程度に曲げられた組み立て部材を示す。
【図13】図13は、図12と同様の図であるが、ヒンジにおいて第2の、より大きい角度程度に曲げられた組み立て部材を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性材料から一体に形成された内層を備え、
前記内層が、可撓性を有するトップラインと、前記材料を支えるための踵補強材およびつま先補強材を備え、
前記踵補強材およびつま先補強材が、組み立て部材の踵部とつま先部との間の相対角変動を可能とするために前記材料のヒンジ部により離間され、
前記材料が前記相対角変動に適合するよう伸縮することを特徴とする、靴用の組み立て部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性材料から一体に形成された内層を備え、
前記内層が、可撓性を有するトップラインと、前記材料を支えるための踵補強材およびつま先補強材を備え、
前記踵補強材およびつま先補強材が、組み立て部材の踵部とつま先部との間の相対角変動を可能とするために前記材料のヒンジ部により離間され、
前記材料が前記相対角変動に適合するよう伸縮することを特徴とする、靴用の組み立て部材。
【請求項2】
靴の基部に組み込まれ、踵に応じて複数の構造を取り得る可撓性部材と、
踵と、
前記可撓性部材に構造的に組み込まれ、前記可撓性部材により足を支える構造を形づくると共に、踵を可撓性部材に接続するための支持部材とを備え、
前記支持部材が長く、前記可撓性部材に組み込まれたときに前記可撓性部材の長さ方向に沿って延在する、請求項1に記載の組み立て部材。
【請求項3】
前記可撓性部材が、前記の支持部材を構造的に組み込むために前記支持部材を受け入れる細長い通路を含む、請求項2に記載の組み立て部材。
【請求項4】
前記細長い通路が、前記支持部材の長さ方向と平行な方向に延在する、請求項3に記載の組み立て部材。
【請求項5】
支持部材が細長い剛体部材を有する、請求項3または4に記載の組み立て部材。
【請求項6】
靴の基部に組み込まれ、互いに高さが異なる複数種類の踵に応じて複数の構造を取り得る可撓性部材と、
踵と、
前記可撓性部材に構造的に組み込まれ、前記可撓性部材により足を支える構造を形づくると共に、踵を可撓性部材に接続するための支持部材とを備え、
前記支持部材が長く、前記可撓性部材に組み込まれたときに前記可撓性部材の長さ方向に沿って延在し、
前記可撓性部材が、前記支持部材を受け入れる細長い通路を備え、
前記細長い通路が、可撓性ヒンジにより連結され、間隔をあけて配置された複数の孔から構成されたことを特徴とする、靴の組み立て部材。
【請求項7】
各孔が各支持片に形成され、
前記支持片は、前記可撓性部材に加わる負荷を支えるために、前記可撓性部材の長さ方向の両側にそれぞれ突き出した2つの側方延長部を有する、請求項6に記載の組み立て部材。
【請求項8】
可撓性部材が、プラスチック材料から形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項9】
可撓性部材が、踵を可撓性部材に接続するためのとめ具を備えた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項10】
前記とめ具が、踵を異なる形の踵に交換できるよう取り外し可能である、請求項9に記載の組み立て部材。
【請求項11】
前記可撓性部材が位置決め部を備えると共に、踵が位置決め部を備え、
踵の位置決め部を、踵を可撓性部材に対して位置合わせするために、可撓性部材の位置決め部に組み込むことにより、踵が可撓性部材に構造的に組み込まれ、
踵を可撓性部材に接続するために、踵の位置決め部と可撓性部材の位置決め部とがクリップにより結合された、請求項9または10に記載の組み立て部材。
【請求項12】
前記位置決め部の各々が弓状表面を有し、
前記弓状表面同士が、踵を可撓性部材に対して位置合わせするために結合された、請求項11に記載の組み立て部材。
【請求項13】
踵が、前記支持部材を内部に有する中空シェルを備えた、請求項2〜12のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項14】
前記支持部材が、前記可撓性部材と結合する1つのリムと、前記踵の高さ方向にほぼ平行に延設された他のリムとにより概ねL字型に形成された、請求項13に記載の組み立て部材。
【請求項15】
前記支持部材が金属からなる、請求項13または14に記載の組み立て部材。
【請求項16】
前記可撓性部材と結合するリムの断面形状がV字型である、請求項14に記載の組み立て部材。
【請求項17】
前記可撓性部材が、前記の支持部材を構造的に組み込むために前記支持部材を受け入れる細長い通路を有し、
前記通路は、可撓性ヒンジにより連結され、間隔をあけて配置された複数の孔から構成され、
前記可撓性部材と結合するリムの断面形状がV字型である、請求項16に記載の組み立て部材。
【請求項18】
前記可撓性部材が、踵が可撓性部材に接続された後に足の周りの輪郭に沿うことが可能な材料を含む、請求項2〜17のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項19】
前記材料が編地材料である、請求項18に記載の組み立て部材。
【請求項20】
前記材料が熱可塑性材料である、請求項18または19に記載の組み立て部材。
【請求項21】
前記材料が着用者の足の周りの輪郭に沿うことが可能な、請求項19または20に記載の組み立て部材。
【請求項22】
前記可撓性部材が、前記可撓性部材の長さ方向に沿って延在する細長いスロットを有し、
前記支持部材が、足を支持するために前記スロットに沿って延在し、前記可撓性部材により足を支持する構造を形づくるために前記可撓性部材における前記スロットの周辺部を支持する、請求項2に記載の組み立て部材。
【請求項23】
前記可撓性部材が、前記スロットよりも踵に近くかつ前記スロットに隣接する開口を有し、
前記支持部材の一部が、足を支持するために前記開口をうめる、請求項22に記載の組み立て部材。
【請求項24】
前記支持部材が、周辺溝を有する細長い舌状部を備え、
前記舌状部が、前記スロットに沿って延在し、
前記可撓性部材における前記スロット周辺の部分が前記溝内に位置する、請求項22または23に記載の組み立て部材。
【請求項25】
前記伸縮性材料が編地材料である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項26】
前記編地材料が熱によりモールド可能である、請求項25に記載の組み立て部材。
【請求項27】
バックストラップを備え、
前記バックストラップの上端部が、前記バックストラップの下端部に対して当該組み立て部材の長さ方向に平行な方向に曲げ可能である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項28】
前記バックストラップが、当該バックストラップの上端部から延在する側方エッジを有し、
前記材料が、前記バックストラップの上端部が当該組み立て部材の外側方向へ曲がったときに当該組み立て部材の後部曲線外形を変化させるべく前記材料が伸縮するように、前記側方エッジに沿って前記バックストラップに接続された、請求項27に記載の組み立て部材。
【請求項29】
当該組み立て部材の踵端部にカウンタ覆いを備えた、請求項1〜28のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項30】
踵補強材が、前記下端部から延在し前記上端部まで達するバックストラップの一部を形成し、
前記カウンタ覆いが、前記踵補強材を覆って前記上端部まで延在し、
前記踵補強材およびカウンタ覆いが前記バックストラップを形成する、請求項29に記載の組み立て部材。
【請求項31】
前記カウンタ覆いが皮革からなる、請求項29または30に記載の組み立て部材。
【請求項32】
概ねU字型の後部補強材として一つの踵補強材が設けられ、
前記後部補強材が、前記バックストラップの一部と二つの側方支持部を形成する、請求項31に記載の組み立て部材。
【請求項33】
前記つま先補強材を覆うつま革覆いを備えた、請求項1〜32のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項34】
単一のつま先補強材がトゥ−パフにより設けられた、請求項1〜33のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備えた靴。
【請求項36】
請求項2〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備え、
前記可撓性部材がソールに接続されたことを特徴とする靴。
【請求項37】
請求項2〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備え、
前記可撓性部材がインソールに接続されたことを特徴とする靴。
【請求項38】
請求項2〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備え、
前記可撓性部材の下面を覆うソールを備えたことを特徴とする靴。
【請求項39】
基部と踵とを有する靴であって、
前記基部が、相対的に可撓性のある部分と、前記可撓性のある部分を、足を支える構造に形づくる支持部材とを備え、
前記支持部材は、踵を前記基部に接続するように踵に接続され、
前記踵および前記支持部材が、前記の可撓性のある部分から取り外し可能である靴。
【請求項40】
可撓性のある基部を作成し、
支持部材に接続された踵を作成し、
前記支持部材を前記可撓性のある基部に結合することにより、前記支持部材が、前記可撓性のある基部を、足を支える構造に形づくる、靴の製造方法。
【請求項1】
伸縮性材料から一体に形成された内層を備え、
前記内層が、可撓性を有するトップラインと、前記材料を支えるための踵補強材およびつま先補強材を備え、
前記踵補強材およびつま先補強材が、組み立て部材の踵部とつま先部との間の相対角変動を可能とするために前記材料のヒンジ部により離間され、
前記材料が前記相対角変動に適合するよう伸縮することを特徴とする、靴用の組み立て部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性材料から一体に形成された内層を備え、
前記内層が、可撓性を有するトップラインと、前記材料を支えるための踵補強材およびつま先補強材を備え、
前記踵補強材およびつま先補強材が、組み立て部材の踵部とつま先部との間の相対角変動を可能とするために前記材料のヒンジ部により離間され、
前記材料が前記相対角変動に適合するよう伸縮することを特徴とする、靴用の組み立て部材。
【請求項2】
靴の基部に組み込まれ、踵に応じて複数の構造を取り得る可撓性部材と、
踵と、
前記可撓性部材に構造的に組み込まれ、前記可撓性部材により足を支える構造を形づくると共に、踵を可撓性部材に接続するための支持部材とを備え、
前記支持部材が長く、前記可撓性部材に組み込まれたときに前記可撓性部材の長さ方向に沿って延在する、請求項1に記載の組み立て部材。
【請求項3】
前記可撓性部材が、前記の支持部材を構造的に組み込むために前記支持部材を受け入れる細長い通路を含む、請求項2に記載の組み立て部材。
【請求項4】
前記細長い通路が、前記支持部材の長さ方向と平行な方向に延在する、請求項3に記載の組み立て部材。
【請求項5】
支持部材が細長い剛体部材を有する、請求項3または4に記載の組み立て部材。
【請求項6】
靴の基部に組み込まれ、互いに高さが異なる複数種類の踵に応じて複数の構造を取り得る可撓性部材と、
踵と、
前記可撓性部材に構造的に組み込まれ、前記可撓性部材により足を支える構造を形づくると共に、踵を可撓性部材に接続するための支持部材とを備え、
前記支持部材が長く、前記可撓性部材に組み込まれたときに前記可撓性部材の長さ方向に沿って延在し、
前記可撓性部材が、前記支持部材を受け入れる細長い通路を備え、
前記細長い通路が、可撓性ヒンジにより連結され、間隔をあけて配置された複数の孔から構成されたことを特徴とする、靴の組み立て部材。
【請求項7】
各孔が各支持片に形成され、
前記支持片は、前記可撓性部材に加わる負荷を支えるために、前記可撓性部材の長さ方向の両側にそれぞれ突き出した2つの側方延長部を有する、請求項6に記載の組み立て部材。
【請求項8】
可撓性部材が、プラスチック材料から形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項9】
可撓性部材が、踵を可撓性部材に接続するためのとめ具を備えた、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項10】
前記とめ具が、踵を異なる形の踵に交換できるよう取り外し可能である、請求項9に記載の組み立て部材。
【請求項11】
前記可撓性部材が位置決め部を備えると共に、踵が位置決め部を備え、
踵の位置決め部を、踵を可撓性部材に対して位置合わせするために、可撓性部材の位置決め部に組み込むことにより、踵が可撓性部材に構造的に組み込まれ、
踵を可撓性部材に接続するために、踵の位置決め部と可撓性部材の位置決め部とがクリップにより結合された、請求項9または10に記載の組み立て部材。
【請求項12】
前記位置決め部の各々が弓状表面を有し、
前記弓状表面同士が、踵を可撓性部材に対して位置合わせするために結合された、請求項11に記載の組み立て部材。
【請求項13】
踵が、前記支持部材を内部に有する中空シェルを備えた、請求項2〜12のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項14】
前記支持部材が、前記可撓性部材と結合する1つのリムと、前記踵の高さ方向にほぼ平行に延設された他のリムとにより概ねL字型に形成された、請求項13に記載の組み立て部材。
【請求項15】
前記支持部材が金属からなる、請求項13または14に記載の組み立て部材。
【請求項16】
前記可撓性部材と結合するリムの断面形状がV字型である、請求項14に記載の組み立て部材。
【請求項17】
前記可撓性部材が、前記の支持部材を構造的に組み込むために前記支持部材を受け入れる細長い通路を有し、
前記通路は、可撓性ヒンジにより連結され、間隔をあけて配置された複数の孔から構成され、
前記可撓性部材と結合するリムの断面形状がV字型である、請求項16に記載の組み立て部材。
【請求項18】
前記可撓性部材が、踵が可撓性部材に接続された後に足の周りの輪郭に沿うことが可能な材料を含む、請求項2〜17のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項19】
前記材料が編地材料である、請求項18に記載の組み立て部材。
【請求項20】
前記材料が熱可塑性材料である、請求項18または19に記載の組み立て部材。
【請求項21】
前記材料が着用者の足の周りの輪郭に沿うことが可能な、請求項19または20に記載の組み立て部材。
【請求項22】
前記可撓性部材が、前記可撓性部材の長さ方向に沿って延在する細長いスロットを有し、
前記支持部材が、足を支持するために前記スロットに沿って延在し、前記可撓性部材により足を支持する構造を形づくるために前記可撓性部材における前記スロットの周辺部を支持する、請求項2に記載の組み立て部材。
【請求項23】
前記可撓性部材が、前記スロットよりも踵に近くかつ前記スロットに隣接する開口を有し、
前記支持部材の一部が、足を支持するために前記開口をうめる、請求項22に記載の組み立て部材。
【請求項24】
前記支持部材が、周辺溝を有する細長い舌状部を備え、
前記舌状部が、前記スロットに沿って延在し、
前記可撓性部材における前記スロット周辺の部分が前記溝内に位置する、請求項22または23に記載の組み立て部材。
【請求項25】
前記伸縮性材料が編地材料である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項26】
前記編地材料が熱によりモールド可能である、請求項25に記載の組み立て部材。
【請求項27】
バックストラップを備え、
前記バックストラップの上端部が、前記バックストラップの下端部に対して当該組み立て部材の長さ方向に平行な方向に曲げ可能である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項28】
前記バックストラップが、当該バックストラップの上端部から延在する側方エッジを有し、
前記材料が、前記バックストラップの上端部が当該組み立て部材の外側方向へ曲がったときに当該組み立て部材の後部曲線外形を変化させるべく前記材料が伸縮するように、前記側方エッジに沿って前記バックストラップに接続された、請求項27に記載の組み立て部材。
【請求項29】
当該組み立て部材の踵端部にカウンタ覆いを備えた、請求項1〜28のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項30】
踵補強材が、前記下端部から延在し前記上端部まで達するバックストラップの一部を形成し、
前記カウンタ覆いが、前記踵補強材を覆って前記上端部まで延在し、
前記踵補強材およびカウンタ覆いが前記バックストラップを形成する、請求項29に記載の組み立て部材。
【請求項31】
前記カウンタ覆いが皮革からなる、請求項29または30に記載の組み立て部材。
【請求項32】
概ねU字型の後部補強材として一つの踵補強材が設けられ、
前記後部補強材が、前記バックストラップの一部と二つの側方支持部を形成する、請求項31に記載の組み立て部材。
【請求項33】
前記つま先補強材を覆うつま革覆いを備えた、請求項1〜32のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項34】
単一のつま先補強材がトゥ−パフにより設けられた、請求項1〜33のいずれか一項に記載の組み立て部材。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備えた靴。
【請求項36】
請求項2〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備え、
前記可撓性部材がソールに接続されたことを特徴とする靴。
【請求項37】
請求項2〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備え、
前記可撓性部材がインソールに接続されたことを特徴とする靴。
【請求項38】
請求項2〜34のいずれか一項に記載の組み立て部材を備え、
前記可撓性部材の下面を覆うソールを備えたことを特徴とする靴。
【請求項39】
基部と踵とを有する靴であって、
前記基部が、相対的に可撓性のある部分と、前記可撓性のある部分を、足を支える構造に形づくる支持部材とを備え、
前記支持部材は、踵を前記基部に接続するように踵に接続され、
前記踵および前記支持部材が、前記の可撓性のある部分から取り外し可能である靴。
【請求項40】
可撓性のある基部を作成し、
支持部材に接続された踵を作成し、
前記支持部材を前記可撓性のある基部に結合することにより、前記支持部材が、前記可撓性のある基部を、足を支える構造に形づくる、靴の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−122718(P2006−122718A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31515(P2006−31515)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【分割の表示】特願2001−575852(P2001−575852)の分割
【原出願日】平成13年4月12日(2001.4.12)
【出願人】(502372078)キット シュー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【分割の表示】特願2001−575852(P2001−575852)の分割
【原出願日】平成13年4月12日(2001.4.12)
【出願人】(502372078)キット シュー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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