説明

靴底シート

【課題】 床面上に潤滑剤や液体などが零れている環境での重量物移動作業に適用される靴底シートを提供すること。
【解決手段】 引っ越し対象となる現場の床面に養生用の樹脂製ボードを敷設する一方、移動対象となる重量物と養生用の樹脂製ボードとの間には、その底面より潤滑剤が滲み出るように仕組まれた滑走体を介在させ、それにより、滑走体と樹脂製ボードとの摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、樹脂製ボード上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業に適用される靴底シートであって、塩ビ製発泡ゴムよりなるシート状基体と、粘着材層と、剥離紙とからなる積層体を、標準的な靴底形状に打ち抜き形成してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底に貼り付けることで靴底の滑り止め効果をなす靴底シートに係り、特に、引っ越し時の重量物移動作業等に適用される靴底シートに関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者等は先に、滑走体を用いた重量物移動用具を提案している。この重量物移動用具は、引っ越し対象となる重量物の底面と床面との間に滑走体を介在させ、それにより、滑走体と床面との摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、床面上に重量物をスライド移動させるようにし、それにより引っ越し時の重量物移動を容易に行えるようにしたものである。この重量物移動用具を使えば軽い力で重量物を移動可能であるが、その一方で、潤滑剤が床面に付着することにより作業者が滑りやすくなる虞がある。
【0003】
このような液体などで滑る環境における作業に関する提案として、特許文献1,2がなされている。特許文献1には、靴底に滑り止め板嵌め込み用の凹所を設けた作業靴が示されている。また特許文献2には、海綿状のゴムの片面に両面接着テープを設けた作業靴の滑り止めが示されている。
【特許文献1】実公昭61−032493号公報
【特許文献2】実開平02−009109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、嵌め込み用の靴底を有する専用の作業靴を用いる必要があり、コストや汎用性の点で問題がある。また特許文献2に記載された発明では、吸収力や安定性が十分ではないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、引っ越し対象となる重量物の底面と床面との間に滑走体を介在させ、それにより、滑走体と床面との摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、床面上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業に適用される靴底シートを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的とするところは、床面上に潤滑剤や液体などが零れている環境での重量物移動作業に適用される靴底シートを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の靴底シートは、引っ越し対象となる現場の床面に養生用の樹脂製ボードを敷設する一方、移動対象となる重量物と養生用の樹脂製ボードとの間には、その底面より潤滑剤が滲み出るように仕組まれた滑走体を介在させ、それにより、滑走体と樹脂製ボードとの摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、樹脂製ボード上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業に適用される靴底シートである。具体的な構造としては、塩ビ(塩化ビニル)製発泡ゴムよりなるシート状基体と、粘着材層と、剥離紙とからなる積層体を、標準的な靴底形状に打ち抜き形成してなるものである。
【0009】
以上のような構成を採用したことにより、本願の靴底シートによれば、剥離紙を剥がして粘着剤により靴底に貼り付けるという簡単な動作(作業)で、作業者の靴に滑り止め効果を付与することができる。この靴底シートは構造が簡素であるため製造コストが安価であり、しかも着脱が容易に行えるため、仮に作業中に靴底シートを破損もしくは過度に汚した場合であっても、簡単に付け替え可能である。
【0010】
また、シート状基体として発泡ゴムを採用したため、潤滑剤や液体が零れているような場合でもある程度の量までは発泡ゴムの空隙部に吸収されてしまうため、潤滑剤や液体などが零れているような環境でも滑らず作業可能である。また、発泡塩ビ製であるため、柔らかい素材だから、養生材ではなく普通の床面上で作業する場合でも傷つけることがない。
【0011】
そして、本願の靴底シートを作業者の靴底に貼り付けることにより、引っ越し対象となる重量物の底面と床面との間に滑走体を介在させ、それにより、滑走体と床面との摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、床面上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業を行う際にも、床面に付着した潤滑剤で作業者が滑ることなく、安全に作業を行うことが可能となる。
【0012】
本願の靴底シートにおいては、塩ビ製発泡ゴムよりなるシート状基体の表面は、縦横方向に不連続でかつ肉盛り高さの不規則な格子模様が存在するものであってもよい。ここで、「縦横方向に不連続でかつ肉盛り高さの不規則な格子模様」とは、同図に示されるように全体としては縦横の格子模様からなるが、空隙部と充填部とが不規則に繰り返されており、且つ肉盛り高さも一様ではないもののことである。
【0013】
シート状基体の表面をこのような構成にすると、靴底シートを作業者の靴底に貼り付けてシート状基体と床面とが接した際に、不規則な格子状の凸部が床と密着し、滑り止め効果が得られる。しかも、床面に潤滑剤や液体が零れているような場合でも、床と接していない凹部との間に潤滑剤や液体が流れるため凸部と床との密着自体は損なわれず、また、凹部に入り込んだ液体等は発泡塩ビの空隙部に吸収されるため、より滑りにくくなる。
【0014】
また、本願の靴底シートにおいては、塩ビ製発泡ゴムよりなるシート状基体の肉厚は0.5mm〜2.0mmであってもよい。この程度の厚みにすることにより、靴底に貼り付けた際に違和感が少なく、その一方で十分な吸収力と滑り止め効果を有する。また、重量物を移動させる際に靴底シートのシート状基体と床面との間には、靴底シートのシート状基体には作業者が進もうとする方向に力がかかり、接する床面にはそれと逆方向の力がかかるため両者の間には大きな力がかかるが、シート状基体の肉厚を上記の範囲に収めることにより、接地箇所にかかった力が他の方向に逃げたりせず作業がスムーズになる。
【発明の効果】
【0015】
本願の靴底シートによれば、シート状基体として発泡ゴムを採用したため、潤滑剤や液体が零れているような場合でもある程度の量までは発泡ゴムの空隙部に吸収されてしまうため、潤滑剤や液体などが零れているような環境でも滑らず作業可能である。また、発泡塩ビ製であるため、柔らかい素材だから、養生材ではなく普通の床面上で作業する場合でも傷つけることがない。
【0016】
そして、本願の靴底シートを作業者の靴底に貼り付けることにより、引っ越し対象となる重量物の底面と床面との間に滑走体を介在させ、それにより、滑走体と床面との摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、床面上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業を行う際にも、床面に付着した潤滑剤で作業者が滑ることなく、安全に作業を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下において、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明は以下の記述で限定されるものではない。
【0018】
本発明に係る靴底シートの上面図が図1に示されている。靴底シート1は平面視靴底型のシート状のものであり、一般的な靴の大きさよりもやや大きめに作られている。具体的なサイズとしては、一例としてL1:300mm、L2:110mm、L3:70mm、L4:80mm程度である。また、ここで靴底型としては、やや内側に湾曲した一般的な靴底の形状(図1参照)、スリッパのように前方が後方よりもやや径の大きい略楕円形状、一般的な楕円形状、などが考えられる。また、左右の足の湾曲に合わせて右足用と左足用とを別々に作っても良いし、両足兼用(左右対称に近い形状)のものを作り両足用として兼用するようにしてもよい。
【0019】
図1のA−A線断面図が図2に示されている。先にも述べたように、本発明に係る靴底シート1は、発泡塩ビ製ゴム基体(滑り止め層)11と、粘着剤層12と、剥離紙13とを重ねてなるものである。発泡塩ビ製ゴム基体11は、薄いシート状に形成された発泡塩ビからなるものであり、柔軟性乃至弾性を有するものである。発泡塩ビ製ゴム基体11の厚み(図中L5)は靴底シート1の使用条件などにより適宜設定可能であるが、0.5〜2.0mm程度の厚みが好ましい。発泡塩ビ製ゴム基体11の厚みがこの範囲であれば、潤滑液等が零れている環境でも問題なく使える程度の滑り止め効果を発揮すると共に、靴底に貼り付けた際に作業者が違和感なく使える。また、重量物を移動させるために足裏に力を込めた場合でも、力が逃げずきちんと床に伝わるためスムーズに作業を行うことができる。
【0020】
ここで発泡塩ビ製ゴム基体11は、零れた液体等の吸収と滑り止めとを目的として用いられるものであり、滑り止め効果を有するような模様が付されていることが好ましい。滑り止め効果を有する模様としては、例えば、図3に示されるような縦横方向に不連続かつ肉盛り高さの不規則な格子模様や、ヘリンボーン柄、平行な直線状、平行な波線状などが考えられる。
【0021】
本発明の靴底シート1においては、滑り止め用の模様として縦横方向に不連続かつ肉盛り高さの不規則な格子模様を採用することにより、床面に接する発泡塩ビ製ゴム基体11の不規則な格子状の肉盛り部(凸部)111が床としっかり密着するため、より確実な滑り止め効果が期待できる。その一方で、作業を行う際に床に液体や潤滑剤などが零れている場合でも、潤滑剤等は肉盛り部111によりへらで掻き寄せるように集められて発泡塩ビ製ゴム基体11の凹部112に溜まることとなり、作業の妨げとならない。仮に、ごく少量の液体乃至潤滑剤が肉盛り部と床面との間に残留したとしても、発泡塩ビ製ゴム基体11の空隙部に取り込まれるため、作業者は液体や潤滑剤により滑ることなく円滑に作業を進めることが出来る。即ち、靴底シート1の床と接する面に発泡塩ビ製ゴムを採用し、滑り止め用の模様として縦横方向に不連続かつ肉盛り高さの不規則な格子模様を採用することにより、滑り止め効果が相乗的に高まるものである。
【0022】
粘着剤層12は使用前の状態では剥離紙13で保護されているが、靴底シート1を使用する際には、剥離紙13を剥がして粘着材層12を露出させ、この粘着材層12により作業者の靴底に貼り付けられる。ここで、粘着剤層12に用いる粘着材の種類としては特に限定しないが、作業中に靴から剥がれ落ちたりせず、且つ、作業終了後に容易に剥がせる程度の粘着力を有するものが好ましい。また剥離紙13は粘着剤層12を保護するために設けられたものであるから、剥離紙13としての目的を果たすものであれば、厚み、材質等は特に限定しない。
【0023】
本発明の靴底シート1によれば、作業を行う際に床に液体や潤滑剤などが零れている場合でも、床面に接する発泡塩ビ製ゴム基体11の不規則な格子状の肉盛り部が床としっかり密着するため確実な滑り止め効果が期待でき、また、発泡塩ビ製ゴムの空隙部に液体や潤滑剤などが吸収されるため、作業者は液体や潤滑剤により滑ることなく円滑に作業を進めることが出来る。
【0024】
ここで、本発明の靴底シートが用いられる引っ越し現場において使用される重量物移動用滑走体について説明する。引っ越し現場にて重量物を移動させる際に用いる重量物移動用滑走体の一例が図5に示されている。図5(a)には重量物移動用滑走体4の斜視図が示されている、同図に示されるように、重量物移動用滑走体4は、比較的扁平な剛性基体41の上面にパッド材42を取着してなるものであり、剛性基体41は平面視円形、側面から見ると凸レンズ状(椀状の一種)の形状をしている。また、パッド材42は、剛性基体41と同程度の直径を持った平面視円形のものであり、厚みは一例として数mm程度である。パッド材42の目的としては段差などにおける衝撃吸収や移動具1の上面に載置した荷物のずれ防止などがあり、パッド材の上面421に載置した荷物がずれたりしないように滑り止めの効果を有するものが望ましい。
【0025】
図5(b)には重量物移動用滑走体4の側面図が示されている。重量物移動用滑走体4を用いる際には、剛性基体41の椀状底面412が床面に接し、パッド材42が上面となるようにした状態でパッド材42の上面421に荷物を載置して使用する。ここで、荷物搬送時に床面と接する椀状底面412の中央領域413には、軽い力で荷物を搬送可能とするために摩擦係数の低減化処理がなされており、搬送時の負荷低減により効力を有する。また、中央領域413の近傍には、潤滑剤を供給するための微細径の滲出孔414が設けられており、剛性基体41内部の空所に収められた潤滑剤が滲出孔414より滲み出し椀状底面412に沿って床面と剛性基体41との接点へと流れる。
【0026】
ここで重量物移動用滑走体4の大きさとしては、それぞれの使用目的に応じて適切なサイズで製造すればよいが、一例として剛性基体41の直径が110mm程度、剛性基体41の厚みが12mm程度の大きさが考えられる。
【0027】
次に、このような重量物移動用滑走体4の使用状態について図6を参照しつつ説明する。同図において、4は重量物移動用滑走体、30は樹脂製ボードによる仮設床面、50は重量物である。重量物移動用滑走体4を用いて重量物50を移動させる際には、先ず始めに重量物50の底面と仮設床面30との間に重量物移動用滑走体4を入れる。重量物移動用滑走体4を配置する箇所としては、脚部やキャスターを有するものの場合にはそれぞれの脚部やキャスターの下、平らな底面を有するものの場合は底面の四隅などが考えられる。重量物50の下に重量物移動用滑走体4を入れた状態で重量物50を押すと、重量物移動用滑走体4ごと重量物50が移動する。そして、重量物移動用滑走体4の椀状底面412の中央領域413に施された摩擦係数低減化処理と、滲出孔414より滲み出す潤滑剤とにより、作業者は軽い力で重量物50を移動させることが可能となる。
【0028】
このように重量物移動用滑走体4を用いて重量物50を移動させる際に作業者の靴底に靴底シート1を貼り付けて作業を行えば、靴底シート1の滑り止め効果により潤滑剤で滑らないため足下の踏ん張りがよく利き、安全且つ効率的に作業を進めることが出来る。また、発泡塩ビ製ゴム基体11は可撓性を有する素材であるため、作業中に床や壁などと接してもこれにより床等を傷つけることがない。
【0029】
次に、本発明に係る靴底シート1の製造方法について説明する。靴底シート1の発泡塩ビ製ゴム基体11を形成する発泡塩ビシートは、ペースト状の原料樹脂に発泡剤などを添加して加熱、紫外線照射などを行うことにより形成する方法、押出成形などの既知の手法で作られる。このようにして得られた発泡塩ビシートの一方の面に、粘着材を塗布し、次いで剥離紙を設けることにより積層体が得られる。得られた積層体を所定の靴底型で型抜きすることにより、本願の靴底シート1が得られる。なお、この例では発泡塩ビシートは原料樹脂から既知の手法にて形成するとしたが、市販の発泡塩ビシートの中から選択しても良いことは言うまでもない。
【0030】
本発明の靴底シートは、構成が簡素であるため製造コストも安価で済み、原材料により多少の違いはあるものの、おおよそ1組100円程度で製造可能である。このため、汚れたり破損したりした際にも、気軽に交換することが出来る。
【0031】
次に、本発明に係る靴底シートの使用状態について説明する。本発明に係る靴底シートの使用状態が図4に示されている。靴底シート1を使用する際には、剥離紙13を剥がして粘着材層12を露出させ、作業者の靴20の靴底21に貼り付ける。靴20に靴底シート1を貼り付けることにより、靴底21の代わりに発泡塩ビ製ゴム基体11が樹脂製ボードにて形成された仮設床面30に接することとなり、発泡塩ビ製ゴム基体11による滑り止め効果が得られる。このため、液体や潤滑剤などが床面に零れた環境で重量物の移動作業を行う際でも、靴20は発泡塩ビ製ゴム基体11の滑り止め効果により滑らず安全且つ効率的に作業を行うことができる。なお、この例では、仮設床面30上で重量物の移動作業が行われる場合について説明したが、仮設床面を設けずに通常の床面にて作業を行う際に本発明の靴底シートを用いても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本願の靴底シートによれば、シート状基体として発泡ゴムを採用したため、潤滑剤や液体が零れているような場合でもある程度の量までは発泡ゴムの空隙部に吸収されてしまうため、潤滑剤や液体などが零れているような環境でも滑らず作業可能である。また、発泡塩ビ製であるため、柔らかい素材だから、養生材ではなく普通の床面上で作業する場合でも傷つけることがない。
【0033】
そして、本願の靴底シートを作業者の靴底に貼り付けることにより、引っ越し対象となる重量物の底面と床面との間に滑走体を介在させ、それにより、滑走体と床面との摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、床面上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業を行う際にも、床面に付着した潤滑剤で作業者が滑ることなく、安全に作業を行うことが可能となる。
【0034】
また本発明の靴底シートによれば、裏面に粘着材で貼り付けるだけなので、どのような履き物(靴)にも使うことが出来、専用の靴や器具を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る靴底シートの上面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB部拡大図である。
【図4】本発明に係る靴底シートの使用状態を示す図である。
【図5】重量物移動用滑走体の一例を示す図である。
【図6】重量物移動用滑走体の使用状態を表す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 靴底シート
4 重量物移動用滑走体
11 発泡塩ビ製ゴム基体
111 肉盛り部(凸部)
112 凹部
12 粘着剤層
13 剥離紙
20 靴
21 靴底
30 仮設床面
41 剛性基体
411 剛性基体上面
412 椀状底面
413 底面中央領域
414 滲出孔
42 パッド材
421 パッド材上面
50 重量物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引っ越し対象となる現場の床面に養生用の樹脂製ボードを敷設する一方、移動対象となる重量物と養生用の樹脂製ボードとの間には、その底面より潤滑剤が滲み出るように仕組まれた滑走体を介在させ、それにより、滑走体と樹脂製ボードとの摩擦抵抗を潤滑剤にて低減させつつ、樹脂製ボード上に重量物をスライド移動させるようにした引っ越し時の重量物移動作業に適用される靴底シートであって、
塩ビ製発泡ゴムよりなるシート状基体と、粘着材層と、剥離紙とからなる積層体を、標準的な靴底形状に打ち抜き形成してなり、
引っ越し対象となる現場にて、剥離紙を剥がして粘着材層を露出させ、引っ越し作業者の靴底に貼り付けることにより、靴底と粘着材層との粘着効果と、塩ビ製発泡ゴムと樹脂製ボードとの間の粘着効果とにより、樹脂製ボード上における作業者の靴底の滑り止めをなす、ことを特徴とする引っ越し作業用の靴底シート。
【請求項2】
塩ビ製発泡ゴムよりなるシート状基体の表面には、縦横方向に不連続でかつ肉盛り高さの不規則な格子模様が存在する、ことを特徴とする請求項1に記載の引っ越し作業用の靴底シート。
【請求項3】
塩ビ製発泡ゴムよりなるシート状基体の肉厚は0.5mm〜2.0mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の引っ越し作業用の靴底シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−95460(P2009−95460A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269389(P2007−269389)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(592075079)株式会社アサヒ (6)
【Fターム(参考)】