説明

音声出力装置、音声出力装置の振動板及び音声出力装置の振動板の連結方法

【課題】最長波長の長さが振動板の振動面の大きさで決定されるため、1枚の振動板では低域の音声の出力に限界があった。
【解決手段】支持部材3に回動軸9を介して回転可能に支持される共に振動素子7が取付可能とされた略平板状をなす複数の透明パネル板6,6,6を備えている。そして、この複数の透明パネル板6,6,6に、複数の透明パネル板6,6,6を回転して押し付けることにより隣り合う透明パネル板6間を振動伝達可能に連結する連結部8a,8b,8c,8dをそれぞれ設けた。これにより、複数の透明パネル板を振動伝達可能に連結させて、音声出力装置1の振動面を大きくすることができるため、音声出力装置の最長波長の長さを長くすることができ、低域の音声の出力を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略平板状の振動板とこの振動板を振動させる振動素子を備えた平面パネル型の音声出力装置等に関し、特に、振動板を複数枚連結することにより最長波長の長さを長くし、低周波域の音声を出力できるようにした音声出力装置、この音声出力装置に用いられる振動板及びこの音声出力装置の振動板の連結方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の音声出力装置の例としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、入力された音声をより正確に再現することができるようにした音声出力装置に関するものが記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載された音声出力装置は、振動することで音声を出力する第1の振動材及び第2の振動材を備えている。更に、第1の振動材に装着され、音声信号に基づいて第1の振動材を振動させる第1の振動子と、音声信号に基づいて第2の振動材を振動させる第2の振動子を有している。そして、第2の振動子は、第2の振動材上の、第1の振動材における第1の振動子の位置に対応する位置とは異なる位置に配置されている。
【特許文献1】特開2007−116422号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の音声出力装置では、出力可能な最低周波数は、振動板である振動材の面の大きさによって決定されていた。そのため、一枚の振動板では、低域の音声を出力するのに限界があった。
【0005】
そこで、この最長波長の長さを長くして低域の音声の出力を向上させるために、振動板の振動面を大きくする、ということが考えられる。しかしながら、振動板の振動面を大きくすると、振動板の重量も増加するため、可搬性が悪くなり、一枚の振動板に対して大きさの限界が存在する、という問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、最長波長の長さが振動板の振動面の大きさで決定されるため、1枚の振動板では低域の音声の出力に限界がある、という点である。この問題の解決手段として、振動板の振動面を大きくすることが考えられるが、振動板の振動面を大きくすると振動板自体の重量が増加する。そのため、振動板或いは、その振動板を有する音声出力装置の可搬性が悪くなり、1枚の振動板に対して大きさの限界が存在する、という点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の音声出力装置は、略同一平面に配置された略平板状をなす複数の振動板と、この複数の振動板を、回動軸を介して回転可能に支持する支持部材と、複数の振動板を振動させる少なくとも1の振動素子と、を備えている。そして、この複数の振動板に、複数の振動板が回転して押し付けることにより隣り合う振動板間を振動伝達可能に連結する連結部をそれぞれ設けた。
【0008】
更に、本発明の音声出力装置は、略平板状をなす振動板と、回動軸を介して振動板を回転可能に支持する支持部材と、振動板を振動させる振動素子と、を備えている。そして、この振動板に、振動板が回転することにより隣接して設置される振動板に押し付けられて振動を伝達可能な連結部を設けた。
【0009】
本発明の音声出力装置の振動板は、支持部材に回動軸を介して回転可能に支持される共に振動素子が取付可能とされた略平板状をなす振動板に、振動板を回転させて押し付けられることにより他の同種の振動板と振動伝達可能に連結される連結部を設けた。
【0010】
本発明の音声出力装置の振動板の連結方法は、支持部材に回動軸を介して回転可能に支持される略平板状をなす複数の振動板を振動させる少なくとも1の振動素子を取り付けて、複数の振動板を回転させることにより隣り合う振動板間を前記複数の振動板に設けた連結部を介して振動伝達できるように連結した。
【発明の効果】
【0011】
本発明の音声出力装置、音声出力装置の振動板及び音声出力装置の振動板の連結方法によれば、複数の振動板を振動伝達可能に連結することにより、1枚の振動板の大きさを大きくすることなく全体として大きな振動板を構成することができ、最長波長の長さを長くして低域の音声の出力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
複数の振動板を回転させて連結部によって連結することにより、最長波長の長さを長くすることができ、低周波域の音声を出力できる音声出力装置、音声出力装置の振動板及び音声出力装置の振動板の連結方法を簡単な構成によって実現した。
【0013】
図1〜図15は、本発明の実施形態の例を説明するものである。以下に、添付した図面を参照して、本発明の実施形態の例を説明する。
【0014】
まず、図1〜図11を参照して本発明の音声出力装置の第1の実施形態例を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態例(以下、「本例」という)に係る音声出力装置を示す斜視図、図2は、連結した状態を示す斜視図である。図1及び図2に示す音声出力装置1は、入力された音声を略平板状の振動板を振動させて音声を出力する平面パネル型の音声出力装置である。音声出力装置1は、3つのシートスピーカ2A,2B,2Cと、この3枚のシートスピーカを回転可能に支持する支持部材3等を備えて構成されている。
【0015】
支持部材3は、3つのシートスピーカ2A,2B,2Cの上方に設けられた第1の支持部4と、3つのシートスピーカ2A,2B,2Cの下方に設けられた第2の支持部5から構成されている。
【0016】
第1の支持部4は、角柱状をなしており、長手方向に所定の間隔を開けて後述する3つのシートスピーカ2A,2B,2Cの回動軸が回転可能に挿入される図に表れない3つの軸受穴4a,4b,4cが設けられている。同様に、第2の支持部5は、角柱状をなしており、長手方向に所定の間隔を開けて後述する3つのシートスピーカ2A,2B,2Cの回動軸が回転可能に挿入される3つの軸受穴5a,5b,5cが設けられている。
【0017】
3つのシートスピーカ2A,2B,2Cは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、第1のシートスピーカ2Aについて説明する。そして、他のシートスピーカ2B,2Cについては、第1のシートスピーカ2Aと同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0018】
第1のシートスピーカ2Aは、振動板の一具体例を示す透明パネル板6と、この透明パネル板6を振動させる3つの振動素子7,7,7と、連結部の一具体例を示す4つのアーム部材8a,8b,8c,8dと、回動軸9,9等を有している。
【0019】
透明パネル板6は、略平板状をなす短冊状に形成されている。そして、透明パネル板6は、略長方形をなす主面部6aと、4つの側面部6b〜6eと、主面部6aと対向する略長方形をなす背面部6fを有している。第1の側面部6bは、主面部6aの短手方向の一端から略垂直をなして連続して形成されている。第2の側面部6cは、主面部6aの短手方向の他端から略垂直をなして連続して形成されている。第3の側面部6dは、主面部6aの長手方向の一端から略垂直をなして連続して形成されている。更に、第4の側面部6fは、主面部6aの長手方向の他端から略垂直をなして連続して形成されている。
【0020】
この透明パネル板6の材質としては、例えば、アクリル樹脂が好適であるが、その他のエンジニアリングプラスチックを適用することもできる。
【0021】
3つの振動素子7,7,7は、透明パネル板6の背面部6fの短手方向の略中心に長手方向に沿って所定の間隔を開けて配置されている。
【0022】
振動素子7は、素子自体が伸縮して振動を起こす、いわゆる自変形素子と言うことができるもので、例えば、磁歪素子(超磁歪素子)やピエゾ素子等を挙げることができる。この振動素子7は、超磁歪素子とバイアス用磁石とコイルによって構成されている。振動素子7は、始めは縮んだ状態にある超磁歪素子が、バイアス磁界を与えることで磁歪がある長さ伸び、その長さを中心として伸縮動作が可能となる。この超磁歪素子の伸縮量(長さ)は、超磁歪素子の長さ、太さを始めとする変数によって異なる。
【0023】
ここで、磁歪素子について簡単に説明する。強磁性体に外部からコイルや磁石によって磁界を印加すると、その磁界に応じて強磁性体の寸法が変化する。この強磁性体が伸び縮みする現象を磁歪と呼び、その寸法変化量が大きくて発生応力の大きな変位素子を超磁歪素子という。超磁歪素子の基本物性を示すと、例えば、次のようなものである。超磁歪素子に1000Oe(Oe:エルステッド)の入力磁界を与えると、素子の変位量は1100ppmに達し、このときの発生応力は22×10N/m程度である。
【0024】
この超磁歪素子を用いた振動素子7は、例えば、次のような構成を有している。超磁歪素子は、中実で丸棒状をなす円柱体からなり、その軸方向の両側に2個のバイアス用磁石が配置されている。2個のバイアス用磁石は、超磁歪素子と同様の直径を有する円柱体として形成されているが、それぞれの軸方向の長さは超磁歪素子よりも短く設定されている。しかしながら、これらの長さの関係は、この実施例のものに限定されるものでないことは勿論である。
【0025】
また、2個のバイアス用磁石は、接着剤や粘着テープ等の固着手段によって超磁歪素子の両端面にそれぞれ固定されている。これにより、超磁歪素子と2個のバイアス用磁石とを軸方向に直列接続させた素子磁石結合体が構成されている。素子磁石結合体の超磁歪素子の部分に、螺旋状に巻回されたコイルが配置されている。コイルの直径は、超磁歪素子の外径よりも少し大きく形成されている。そして、コイルの巻線方向の長さは、超磁歪素子の軸方向の長さ内に納まるように構成されている。
【0026】
なお、この実施の例では、振動素子7として自変形素子(磁歪素子)を用いた振動素子を適用したが、これに限定されるものではない。例えば、コイルと磁石からなるコイル−磁石型振動子等その他の各種の振動素子を用いることができる。コイル−磁石型振動子では、コイルに流れる電流が変化することにより磁界が変化し、コイルと磁石との相対位置の変化が振動となる。
【0027】
次に、図3を参照して振動素子7の透明パネル板6への取付方法について説明する。図3は振動素子を透明パネル板に取り付けた状態を断面して示す説明図である。
この図3に示すように、振動素子7は、押え板11によって透明パネル板6の背面部6fに押さえつけるようにして取り付けられている。押え板11は、透明パネル板6の背面部6fとの間に振動素子7を介在させた状態で、固定ねじ12によって透明パネル板6に固定されている。
【0028】
なお、振動素子7の透明パネル板6への取付方法は、例えば、図4に示すように、振動素子を透明パネル板に内蔵するように取り付けてもよい。図4は、振動素子の透明パネル板への取付方法の変形例を断面して示す説明図である。
【0029】
図4に示すように、透明パネル板6の背面部6fには、振動素子7が収納される振動素子収納部13が設けられている。この振動素子収納部13に振動素子7が収納された状態で、平板状の押え板11Aが振動素子収納部13の開口を閉じるように固定ねじ12によって透明パネル板6に固定されている。更に、振動素子収納部13の周囲には、押え板11Aの厚さと略等しい深さで凹んだ座グリ穴14が形成されている。これにより、振動素子7が透明パネル板6の背面部6fから突出することがなく、透明パネル板6の背面部6fを略平面にすることができる。その結果、この変形例に係る取付方法によれば、見た目も綺麗に振動素子7を透明パネル板6に取り付けることができる。
【0030】
なお、本例では、振動素子7の数を3つとしたが、振動素子7の数は、2つ以下でもよく、また4つ以上設けてもよい。更に、振動素子7を透明パネル板6の短手方向の略中心に配置した例を説明したが、振動素子7は、透明パネル板6の角部に配置してもよく、目的に応じて適宜設定されるものである。
【0031】
次に、連結部である4つのアーム部材8a〜8dについて説明する。図1及び図2に示すように、第1のアーム部材8a及び第2のアーム部材8bは、透明パネル板6の主面部6aにおける第2の側面部6c側に、長手方向に所定の間隔を開けて配置されている。第3のアーム部材8c及び第4のアーム部材8dは、透明パネル板6の背面部6fにおける第1の側面部6a側に、長手方向に所定の間隔を開けて配置されている。
【0032】
なお、4つのアーム部材8a〜8dは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、第1のアーム部材8aについて説明する。そして、他のアーム部材8b〜8dについては、第1のアーム部材8aと同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
第1のアーム部材8aは、断面形状が略への字状に形成されている。第1のアーム部材8aは、一端が透明パネル板6に接着剤や固定ねじ等の固定方法によって固定されている。この第1のアーム部材8aの他端部は、透明パネル板6が回転した際に同種の他の透明パネル板6に押し付けられる。
【0034】
そして、この第1のアーム部材8aの他端部には、同種の隣り合うシートスピーカ2A,2B,2Cの透明パネル板6に押し付けた際に、透明パネル板同士6,6の振動伝達効率を上げるために硬質ゴムからなる接触片16が設けられている。接触片16には、図示しない圧力センサが設けられている。この圧力センサにより、隣り合う透明パネル板6との連結状態を検出することができるだけでなく、第1のアーム部材8aによる透明パネル板6への押付力を測定することができる。なお、本例では、第1のアーム部材8aの他端部に硬質ゴムからなる接触片16を設けた例を説明したが、この接触片16は設けなくても、その目的を達成できるものである。
【0035】
そして、この第1のアーム部材8aの材質としては、透明パネル板6と同様のアクリル樹脂やエンジニアプラスチックを挙げることができるが、透明パネル板6と異なる材質である金属等を適用してもよい。
【0036】
なお、本例では、連結部であるアーム部材8の数を、透明パネル板6に4つ設けた例を説明したが、例えば、アーム部材の数は、これに限定されるものではない。例えば、アーム部材を3つ以下或いは5つ以上設けてもよい。なお、アーム部材の数と配置は、振動の伝達力や発生する音のバランスを考慮すると、左右対称に設けることが好ましい。
【0037】
また、透明パネル板6の上面部である第3の側面部6d及び下面部である第4の側面部6eには、回動軸9,9が配置されている。第3の側面部6d側に配置された回動軸9は、軸受部材20,20を介して取り付けられている(図5A参照)。回動軸9は、支持部材3における第1の支持部4及び第2の支持部5の第1の軸受穴4a,5aに回転可能に挿入されている。なお、第2のシートスピーカ2Bの回動軸9,9は、第1の支持部4及び第2の支持部5の第2の軸受穴4b,5bに挿入される。そして、第3のシートスピーカ2Cの回動軸9,9は、第1の支持部4及び第2の支持部5の第3の軸受穴4c,5cに挿入される。更に、透明パネル板6には、この回動軸9を回転させる回転機構17が設けられている。
【0038】
次に、図5A及び図5Bを参照して、本例の音声出力装置に係る回転機構について説明する。図5Aは、透明パネル板を断面して回転機構を説明する説明図、図5Bは回転機構を上側から見た説明図である。
【0039】
この図5A及び図5Bに示すように、回転機構17は、駆動力発生部の一具体例を示すステッピングモータ18と、回動軸9に設けられた回転ギア19と、ステッピングモータ18からの駆動力を回転ギア19に伝達する伝達ギア21等から構成されている。ステッピングモータ18の回転軸18aには、駆動ギア18bが設けられており、この駆動ギア18bに伝達ギア21が連結している。伝達ギア21は、回動軸9に設けられた回転ギア19に連結されている。そして、駆動ギア18a、回転ギア19及び伝達ギア21で本発明の駆動力伝達部の一具体例を構成している。更に、ステッピングモータ18と伝達ギア21は、保持部材22に保持されて、透明パネル板6の内部に固定ねじ27によって固定されている。
【0040】
かくして、ステッピングモータ18を駆動して駆動ギア18bを回転駆動することにより、その駆動ギア18bの駆動力が伝達ギア21を介して回動軸9の回転ギア19に伝達される。その結果、駆動ギア18bの回転方向に応じて、透明パネル板6が回動軸9を介して支持部材3に対して回転する。なお、駆動力発生部は、ステッピングモータ18に代えて、DCモータ、その他のモータを用いることができることは勿論である。
【0041】
図6は、回転機構の他の具体例を示す図である。この図6に示す回転機構23は、ステッピングモータ24と、回動軸9に設けられた、かさ歯車をなす回転ギア26とから構成されている。ステッピングモータ24の回転軸24aには、かさ歯車をなす駆動ギア24bが設けられている。この駆動ギア24bは、回動軸9に設けた回転ギア26に連結されている。そして、かさ歯車をなす駆動ギア24bと回転ギア26で本発明の駆動力伝達部の他の具体例を構成している。このステッピングモータ24は、固定板26に取り付けられている。固定板26は、ステッピングモータ24を取り付けた状態で透明パネル板6の第3の側面部6dに固定ねじ27等の固定方法によって固定されている。
【0042】
このような構成を有する回転機構によっても、前述した回転機構と同様の効果を得ることができる。なお、他の具体例に係る回転機構によれば、前述した回転機構よりも、伝達ギアの部品点数を削減することができる。
【0043】
更に、本実施例では、シートスピーカの透明パネル板を回転させるための回転機構を設けた例を説明したが、ユーザの手によって透明パネル板を回転させるようにしても、その目的は達成できるものである。
【0044】
次に、図1、図2、図7、図8を参照して、このような構成を有する音声出力装置1の3つのシートスピーカ2A〜2Bの透明パネル板6の連結方法について説明する。図7は、複数の透明パネル板を連結する前の状態を上面側から見た説明図、図8は、複数の透明パネル板を連結した状態を上面側から見た説明図である。
【0045】
まず、図1及び図7に示すように、音声出力装置1の支持部材3には、3つのシートスピーカ2A,2B,2Cの透明パネル板6が略45度の角度で回転した状態で配置されている。この3つの透明パネル板6,6,6を、回転機構17を駆動させて、それぞれ図1及び図7に示す矢印Rの方向に回転させる。
【0046】
すると、図2及び図8に示すように、透明パネル板6に設けた4つのアーム部材8a〜8dの他端部が、隣り合う透明パネル板6の振動面である主面部6a又は背面部6eに押し付けられる。即ち、第1のアーム部材8a及び第2のアーム部材8bの他端部に設けた接触片16が、隣り合う透明パネル板6の主面部6aに押し付けられる。同様に、第3のアーム部材8c及び第4のアーム部材8dの他端部に設けた接触片16が、隣り合う透明パネル板6の背面部6eに押し付けられる。
【0047】
ここで、回転機構17の駆動力にステッピングモータを用いているため、隣り合う透明パネル板6,6同士にある程度力(押付力)が加わると、ステッピングモータは空回りをする。そのため、3つのシートスピーカ2A〜2Cは、それぞれ回転機構17から一定方向に回転する力を加えられる。従って、それぞれの透明パネル板6,6,6は、アーム部材8a〜8dによって互いに挟み込むことができる。これにより、3つのシートスピーカ2A,2B,2Cのそれぞれの透明パネル板6,6,6を連結部であるアーム部材8a〜8dによって、振動伝達可能に連結することができる。その結果、音声出力装置1の振動面を大きくすることができるため、音声出力装置の最長波長の長さを長くすることができ、低域の音声の出力を向上させることができる。
【0048】
このような構成を有する音声出力装置は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、透明パネル板6における背面部6fの短手方向の略中央に3つの振動素子7,7,7を長手方向に沿って略等間隔に配置する。そして、図3に示すように、押え板11を用いて、3つの振動素子7,7,7を透明パネル板6に固定する。即ち、押え板11と透明パネル板6の背面部6fの間に振動素子7を介在させて、押え板11を固定ねじ12によって透明パネル板6に固定する。
【0049】
次に、図1に示すように、透明パネル板6の主面部6aにおける第2の側面部6c側に、長手方向に所定の間隔を開けて第1のアーム部材8a及び第2のアーム部材8bを接着剤や固定ねじ等の固定方法によって固定する。同様に、透明パネル板6の背面部6fにおける第1の側面部6b側に、長手方向に所定の間隔を開けて第3のアーム部材8c及び第4のアーム部材8dを接着剤や固定ねじ等の固定方法によって固定する。なお、予め透明パネル板6には、第3の側面部6d及び第4の側面部6eに回動軸9,9が取り付けられている。これにより、透明パネル板6と、3つの振動素子7,7,7と、4つのアーム部材8a〜8dからなる第1のシートスピーカ2Aが完成する。
【0050】
第2及び第3のシートスピーカ2B,2Cの組み立ては、第1のシートスピーカ2Aと同一であるため、その説明を省略する。
【0051】
次に、上記した方法で組み立てられた3つのシートスピーカ2A〜2Cを、支持部材3に回転可能に取り付ける。即ち、第1の支持部4及び第2の支持部5の長手方向の一側に設けた第1の軸受穴4a,5aに、第1のシートスピーカ2Aの回動軸9,9を挿入する。そして、第1の支持部4及び第2の支持部の長手方向の略中央に設けた第2の軸受穴4b,5bに、第2のシートスピーカ2Bの回動軸9,9を挿入する。更に、第1の支持部4及び第2の支持部の長手方向の他側に設けた第3の軸受穴4c,5cに、第3のシートスピーカ2Cの回動軸9,9を挿入する。これにより、音声出力装置1の組み立てが完了する。なお、音声出力装置1の組立方法は、上記した方法に限定されるものではなく、その他の手順で組み立ててもよいことは、勿論である。
【0052】
次に、前述した音声出力装置の電気的構成について説明する。図9は、本実施の例に係る音声出力装置の制御概念を説明するブロック図である。
【0053】
図9に示すように、音声出力装置1は、入力部101と、シートスピーカ2A〜2Cである複数のモジュールと、各モジュールを制御するモジュール制御部102を有している。入力部は、リモートコントローラ装置等のユーザ入力部103と、音声信号及び透明パネル板の連結データ等が蓄積されたデータ蓄積部104を有している。データ蓄積部104には、例えば、コンテンツ再生部105とHDD蓄積部106等が設けられている。各モジュール制御部102は、モジュール毎に振動素子を制御する音声信号制御部107及びアンプ108と、回転機構17及び各アーム部材18a〜18dに設けた位置検出部109である圧力センサを制御する回転・連結制御部110を有している。
【0054】
各モジュール制御部102の音声信号制御部107は、音声信号を含む入力信号から、ユーザコマンドに基づいて出力用の音声信号を生成している。そして、音声信号制御部107は、この音声信号を各モジュールの振動素子7に出力し、該振動素子7を駆動させている。例えば、ユーザがリモートコントローラ装置であるユーザ入力部103を操作して、データ蓄積部103のコンテンツ再生部105及びHDD蓄積部106から各モジュールであるシートスピーカ2A〜2Cに出力させる音声信号を選択する。そして、各モジュール制御部102の音声信号制御部107及びアンプ108は、選択された音声信号に基づいて振動素子7を駆動し、透明パネル板6を振動させて音声を出力する。
【0055】
また、モジュール制御部102の回転・連結制御部110は、入力部101からの回転コマンドを取得すると共に、各モジュールの位置検出部109から、透明パネル板6の位置情報を取得する。そして、回転・連結制御部110は、回転コマンドと位置情報に基づいて、駆動信号を生成し、回転機構17に出力する。回転機構17は、入力された駆動信号に基づいて、ステッピングモータ18を駆動させて透明パネル板6を回転させる。その結果、各シートスピーカ2A〜2Cの隣り合うパネル板6を連結し、又は連結の解除を行うことができる。
【0056】
次に、このような構成を有する音声出力装置における、振動板の自動連結処理について図10に示す連結フローチャート参照して説明する。
まず、ユーザが音声出力装置1から出力される音声に迫力がなく、低音が出ていないと感じると、透明パネル板6を回転させて3つのシートスピーカ2A〜2Bの透明パネル板6を連結するように回転コマンドを装置に送信する。回転コマンドの送信方法としては、例えば、入力装置の一具体例であるリモートコントローラ装置により行われる。そして、装置がこの回転コマンドを受信すると(ステップS1)、各シートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6,6,6の現在位置を取得する(ステップ2)。
【0057】
なお、透明パネル板6の現在位置の検出方法としては、例えば、回転機構17の回転ギア19から現在位置を検出することができる。また、他の透明パネル板6の現在位置の検出方法の例としては、回転機構17のステッピングモータ18自体の回転から透明パネル板6の現在位置を検出する方法もある。
【0058】
次に、透明パネル板6の各アーム部材8a〜8dに設けられている圧力センサから、透明パネル板6が連結されているかどうかを検出する。この検出結果により、透明パネル板6を回転させる必要があるがどうか判別する(ステップ3)。そして、透明パネル板6が連結されていなければ、回転機構17のステッピングモータ18を駆動させて、各シートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6を回転させる(ステップ4)。
【0059】
なお、透明パネル板6が連結されていれば、処理は終了する。そして、透明パネル板6が所定位置(隣り合う透明パネル板6と連結状態となる位置)まで回転したかどうか判別する(ステップ5)。まだ透明パネル板6が所定位置まで回転してなければ、ステップ4に戻り、透明パネル板6を回転させる。透明パネル板6が所定位置まで回転して、3つのシートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6が互いに連結されると回転機構17を停止させて処理を終了させる。
【0060】
図11は、回転機構17のステッピングモータ18の駆動力によって音声出力装置1から出力する音声を制御するための回転制御フローチャートである。まず、ユーザからリモートコントローラ等で所望する音域(高域、低域)の情報を装置に送信する。この情報に応じて、透明パネル板6における押付力の制御を命令する(ステップ11)。即ち、回転機構17のステッピングモータ18の駆動力の制御を命令する。そして、各シートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6の4つのアーム部材8a〜8dに設けた圧力センサから透明パネル板6の振動状態を取得する(ステップ12)。
【0061】
透明パネル板の振動状態の取得方法は、例えば、次のようにして行われる。圧力センサが検出した圧力の値が大きい場合は、シートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6同士の連結部における押付力が大きくなっている。そのため、連結部における振動伝達効果が大きく、音声出力装置1は、より低域の音声が出力していることがわかる。また、反対に、圧力センサが検出した圧力の値が小さい場合は、シートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6同士の連結部における押付力が小さくなっている。そのため、連結部における振動の伝達が減衰され、音声出力装置1は、より高音の音声が出力していることがわかる。
【0062】
次に、圧力センサからの透明パネル板6の振動状態に応じて回転機構17の制御が必要かどうか判別する(ステップ13)。制御が必要な場合は、回転機構17のステッピングモータ18を制御して、駆動力を強め、或いは弱める(ステップ14)。
【0063】
例えば、音声出力装置1から出力される音声が、制御命令よりも高音である場合には、ステッピングモータ18の駆動力を強めて隣り合うシートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6を強固に連結させる。反対に、音声出力装置1から出力される音声が、制御命令よりも低音である場合には、ステッピングモータ18の駆動力を弱めて隣り合うシートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6の押付力を弱める。そして、ステップ12に戻り、再び透明パネル板の振動状態を取得する。また、透明パネル板6の振動状態が所望の状態になると処理を終了する。
【0064】
このように、本発明の音声出力装置1によれば、回転機構17におけるステッピングモータ18の駆動力を調整する。これにより、隣り合うシートスピーカ2A〜2Cにおける透明パネル板6同士の押付力を調整することができる。その結果、複数のシートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6,6,6を連結して低域の音声の出力を向上させることができるだけでなく、細かな音域の調整を行うことができる。
【0065】
次に、図12を参照して第1の実施形態の例に係る音声出力装置の変形例について説明する。図12は、音声出力装置の変形例を上面側から示す説明図である。
【0066】
この図12に示すように、この変形例に係る音声出力装置30は、振動素子7を連結部であるアーム部材8の他端部に取り付けたものである。即ち、この変形例にかかる音声出力装置30は、振動素子7がアーム部材8の他端部における隣り合う透明パネル板6と接触する側の面に取り付けられている。そのため、透明パネル板6が回転すると、アーム部材8に取り付けられた振動素子7は、隣り合うシートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6の振動面である主面部6a及び背面部6fに接触する。そして、この変形例に係る音声出力装置30は、隣り合うシートスピーカ2A〜2Cの透明パネル板6のアーム部材8に取り付けられた振動素子7によって振動する。
【0067】
その他の構成は、前記第1の実施形態の例に係る音声出力装置と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する音声出力装置によっても、前述した第1の実施形態の例に係る音声出力装置と同様の効果を得ることができる。
【0068】
次に、図13〜図16を参照して、本発明の音声出力装置の第2の実施形態の例について説明する。図13及び図14は、複数の透明パネル板を連結する前の状態を示す図、図15及び図16は、複数の透明パネル板を連結した状態を示す図である。
【0069】
この第2の実施形態の例に係る音声出力装置40は、連結部を透明パネル板と一体に形成したものである。即ち、図13及び図14に示すように、第2の実施形態の例に係る音声出力装置40は、3つのシートスピーカ42A,42B,42Cと、この3つのシートスピーカ42A,42B,42Cを回転可能に支持する支持部材3等を備えて構成されている。なお、3つのシートスピーカ42A,42B,42Cは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは、第1のシートスピーカ42Aについて説明する。そして、他のシートスピーカ42B,42Cについては、第1のシートスピーカ42Aと同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
第1のシートスピーカ42Aは、振動板の他の具体例を示す透明パネル板46と、この透明パネル板6を振動させる3つの振動素子7,7,7と、回動軸9,9等を有している。透明パネル板46の第1の側面部46bは、略等間隔に四角形状に3箇所切り欠かれている。これにより、透明パネル板46の第1の側面部46bには、連結部である3つの第1の凸部48a,48b,48cと、3つの第1の凹部49a,49b,49cが形成されている。同様に、透明パネル板44の第2の側面部46cは、略等間隔に四角形状に3箇所切り欠かれている。これにより、透明パネル板44の第2の側面部46cには、連結部である3つの第2の凸部48d,48e,48fと、3つの第2の凹部49d,49e,49fが形成されている。
【0071】
透明パネル板46の左右の凸部と凹部が互い違いに形成されている。即ち、3つの第1の凸部48a〜48c及び3つの第1の凹部49a〜49cと3つの第2の凸部48d〜48f及び3つの第2の凹部49d〜49fは、主面部46aの中央を基準点として点対称をなす位置関係になっている。
【0072】
図13及び図14に示すように、連結前の状態では、第1のシートスピーカ42Aの3つの第1の凸部48a〜48cは、第2のシートスピーカ42Bの3つの第2の凹部49d〜49fと略平面をなして噛み合っている。同様に、第2のシートスピーカ42Bの3つの第1の凸部48a〜48cは、第3のシートスピーカ42Cの3つの第2の凹部49d〜49fと略平面をなして噛み合っている。更に、第2のシートスピーカ42Bの3つの第2の凸部48d〜48fは、第1のシートスピーカ42Aの3つの第1の凹部49a〜49cと略平面をなして噛み合っている。
【0073】
そして、図15及び図16に示すように、中央に配置された第2のシートスピーカ42Bの透明パネル板46を回転させる。すると、第2のシートスピーカ42Bの3つの第1の凸部48a〜48cが、第1のシートスピーカ42Aの3つの第1の凸部48a〜48cに押し付けられる。同様に、第2のシートスピーカ42Bの第2の凸部48d〜48fが、第3のシートスピーカ42Cの3つの第2の凸部48d〜48fに押し付けられる。
【0074】
これにより、3つのシートスピーカ42A〜42Cの透明パネル板46,46,46を、連結部である3つの第1の凸部48a〜48c及び3つの第2の凸部48d〜48fを介して振動伝達可能に連結することができる。その結果、前述した第1の実施形態の例に係る音声出力装置1と同様に振動面を大きくすることができるため、音声出力装置の最長波長の長さを長くすることができ、低域の音声の出力を向上させることができる。
【0075】
なお、この第2の実施形態の例に係る音声出力装置40も、連結部である3つの第1の凸部48a〜48c及び3つの第2の凸部48d〜48fに、振動伝達効率を上げるために硬質ゴムからなる接触片を設けてもよい。また、この第2の実施形態の例に係る音声出力装置40では、連結部である凸部と凹部を透明パネル板の左右に3つずつ設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、凸部と凹部の数は、透明パネル板の左右に2つずつでもよく、或いは4つ以上設けてもよい。
【0076】
その他の構成は、前記第1の実施形態の例に係る音声出力装置と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する音声出力装置によっても、前述した第1の実施形態の例に係る音声出力装置と同様の効果を得ることができる。なお、この第2の実施形態の例に係る音声出力装置によれば、第1の実施形態に係る音声出力装置よりもアーム部材の部品点数を削減することができる。
【0077】
図17は、第2の実施形態の例に係る音声出力装置の変形例を示す説明図である。この図17に示すように、この変形例に係る音声出力装置50は、振動素子7を連結部である3つの第1の凸部48a〜48c及び3つの第2の凸部48d〜48fに設けたものである。そのため、透明パネル板46が回転すると、振動素子7は、隣り合うシートスピーカ42A〜42Cの透明パネル板46の3つの第1の凸部48a〜48c及び3つの第2の凸部48d〜48fに接触する。そして、この変形例に係る音声出力装置50は、隣り合うシートスピーカ24A〜42Cの透明パネル板46の3つの第1の凸部48a〜48c及び3つの第2の凸部48d〜48fに取り付けられた振動素子7によって振動する。
【0078】
その他の構成は、前記第1の実施形態の例に係る音声出力装置と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する音声出力装置によっても、前述した第1の実施形態の例に係る音声出力装置と同様の効果を得ることができる。
【0079】
以上説明したように、本発明の音声出力装置によれば、複数の振動板に、複数の振動板を回転して押し付けることにより隣り合う振動板間を振動伝達可能に連結する連結部をそれぞれ設けた。そのため、振動板を振動伝達可能に連結することにより、1つの振動板の大きさを大きくすることなく、最長波長の長さを長くすることができ、低域の音声の再生能力を向上させることができる。
【0080】
また、振動板をその場で回転させて複数の振動板を連結し、又は連結解除ができるため、装置全体として小型化を図ることができる。更に、振動板を回転させる回転機構の駆動力発生部であるステッピングモータの駆動力を調節することにより、隣り合う振動板間の押付力を調整することができる。その結果、隣り合う振動板間における振動伝達の強弱を変化させて、細かな音域の調整をすることができる。
【0081】
本発明は、前述しかつ図面に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施の例では、振動板の数を3つ設けた例について説明したが、振動板の数は、2つ或いは4つ以上設けてもよい。更に、振動板の数を1つとして、この振動板を回転することにより隣接して設置される同種の他の音声出力装置の振動板に連結部を押し付けて振動を伝達可能にするように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の音声出力装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の音声出力装置の第1の実施形態における複数の振動板を連結した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る振動素子の透明パネル板への取付構造を断面して示す説明図である。
【図4】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る振動素子の透明パネル板への取付構造の他の例を断面して示す説明図である。
【図5】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る回転機構の一具体例を示すもので、図5Aは断面して示す説明図、図5Bは上側から見た説明図である。
【図6】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る回転機構の他の具体例を示す説明図である。
【図7】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る複数の振動板を連結する前の状態を上側から見た説明図である。
【図8】本発明の本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る複数の振動板を連結した状態を上側から見た説明図である。
【図9】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る制御概念を示すブロック図である。
【図10】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る複数の振動板の連結処理について示すフローチャートである。
【図11】本発明の音声出力装置の第1の実施形態に係る回転機構による回転制御を示すフローチャートである。
【図12】本発明の音声出力装置の第1の実施形態の変形例を上面側から示す説明図である。
【図13】本発明の音声出力装置の第2の実施形態を示すもので、図13Aは正面図、図13Bは上面側から見た説明図である。
【図14】本発明の音声出力装置の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図15】本発明の音声出力装置の第2の実施形態に係る複数の振動板を連結した状態を示すもので、図15Aは正面図、図15Bは上面側から見た説明図である。
【図16】本発明の音声出力装置の第2の実施形態に係る複数の振動板を連結した状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の音声出力装置の第2の実施形態の変形例を正面側から見た説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1,30,40,50…音声出力装置、 2A,2B,2C,42A,42B,42C…シートスピーカ、3…支持部材、 6,46…透明パネル板(振動板)、 7…振動素子、 8a,8b,8c,8d…アーム部材(連結部)、 9…回動軸、 17,23…回転機構、 18,24…ステッピングモータ(駆動力発生部)、 18b,24b…駆動ギア(駆動力伝達部)、 19,26…回転ギア(駆動力伝達部) 、21…伝達ギア(駆動力伝達部)、 48a,48b,48c…第1の凸部(連結部)、 48d,48e,48f…第2の凸部(連結部)、 49a,49b,49c…第1の凹部、 49d,49e,49f…第2の凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略同一平面に配置された略平板状をなす複数の振動板と、
前記複数の振動板を、回動軸を介して回転可能に支持する支持部材と、
前記複数の振動板を振動させる少なくとも1の振動素子と、
前記複数の振動板にそれぞれ設けられ、且つ前記複数の振動板を回転して押し付けることにより隣り合う振動板間を振動伝達可能に連結する連結部と
を備える音声出力装置。
【請求項2】
前記連結部は、一端が前記複数の振動板に固定され、他端が隣り合う振動板に押し付けられるアーム部材からなる
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項3】
前記連結部は、回転方向の一側の隣り合う振動板と略平面をなして噛み合い、回転すると他側の隣り合う振動板と重なり合うようにした凸部と凹部からなる
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項4】
前記支持部材又は前記複数の振動板に、前記回動軸を回転させて前記複数の振動板を回転させる回転機構を設けた
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項5】
前記回転機構は、駆動力を発生させる駆動力発生部と、前記駆動力発生部により発生した駆動力を前記回動軸に伝達させる駆動力伝達部とからなり、
前記駆動力発生部の駆動力を調節することで、前記連結部による隣り合う振動板間の押し付け力を調整する
請求項4に記載の音声出力装置。
【請求項6】
前記振動素子を、前記連結部に取り付け、前記複数の振動板を連結した際に前記振動素子で隣り合う振動板を振動させる
請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項7】
略平板状をなす振動板と、
回動軸を介して前記振動板を回転可能に支持する支持部材と、
前記振動板を振動させる振動素子と、
前記振動板に設けられ、且つ前記振動板を回転することにより隣接して設置される振動板に押し付けられて振動を伝達可能な連結部と
を備える音声出力装置。
【請求項8】
支持部材に回動軸を介して回転可能に支持される共に振動素子が取付可能とされた略平板状をなす振動板に設けられ、且つ前記振動板を回転させて押し付けられることにより他の同種の振動板と振動伝達可能に連結される連結部と
を備える音声出力装置の振動板。
【請求項9】
支持部材に回動軸を介して回転可能に支持される略平板状をなす複数の振動板を振動させる少なくとも1の振動素子を取り付けて、前記複数の振動板を回転させることにより隣り合う振動板間を前記複数の振動板に設けた連結部を介して振動伝達できるように連結した
音声出力装置の振動板の連結方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−219067(P2009−219067A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63311(P2008−63311)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】