説明

食品用パン粉コーティング

パン粉コーティングされた食品の製造方法であって、1つ又は複数の小麦粉を含む小麦粉混合物と、炭酸水素ナトリウムと、加工助剤、塩、着色料、及び水から選択される任意選択的な添加物とを含む水性混合物を形成する工程、混合物を押出機に添加する工程、押出機に水性ゲル化剤を添加する工程、得られた混合物を100℃を超える温度で押し出して押し出し物を形成する、押し出す工程、押し出し物を膨張させて多孔質製品を形成する工程、製品を乾燥させる工程、及び乾燥製品を製粉してパン粉を形成する工程を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品(限定するものではないが、特に使用前の保存のために冷凍された食品のための)のコーティング用のパン粉又はパンくず(簡潔にするために以下両者ともにパン粉と称する)に関する。本発明はまた、パン粉を作製する方法に関する。特に好ましいパン粉コーティングは、電子レンジを使用した冷凍状態からの調理又は再加熱に適切である。特に好ましいパン粉コーティングは、従来式のオーブン、グリルを使用した、又はフライによる調理又は再加熱にも適切である。
【0002】
本発明はまた、電子レンジ、従来式のオーブン、グリルのいずれかを使用して、又はフライにより、好ましくはこれらの方法のいずれかにより調理又は再加熱することができるパン粉コーティングされた食品に関する。
【背景技術】
【0003】
商用に生産されたパン粉は、2つのプロセスによって作製することができる。
【0004】
本物のパンくずは、伝統的な様式で焼き、その後に乾燥させたパンから得られる。次いで、パンを粉砕して種々の篩サイズのパン粉粒子を形成し、種々のコーティング用途について必要に応じて乾燥させる。
【0005】
電解プロセスでは、種なしパンと類似の方法で酵母を使用せずにパンを焼き、次いで、乾燥させる。パンをブロック又はペレットとして形成し、次いで、粉砕して種々のサイズのパン粉を形成し、次いで乾燥させることができる。この種のパンはフレークを形成することができる。かかるフレークを、一般に日本式パン粉という。
【0006】
商用に生産されたパン粉は、水分、微生物による損害、及びパン粉の分子構造の崩壊の影響によって3ヶ月〜6ヶ月後に変質し、硬化し得る。この硬化がパン粉の硬さ及びかみ応えとして現れ、異臭を伴い得る。水の存在がこの変質プロセスにおける主要な要因である。
【0007】
市販のパン粉を食品基材(魚肉、肉、乳製品、野菜、又は果物等)に適用した後フラッシュフライを行う場合、フライ前のパン粉の質と無関係にパリパリにコーティングされた製品を生産することができる。しかし、フライ中に導入された油が防湿層として作用するという事実にもかかわらず、フライしたパン粉は冷蔵又は冷凍保存の間に経時的に変質する。変質速度は、使用したパン粉の質に依存し得る。冷蔵又は冷凍フライしたパン粉製品を、電子レンジを使用して冷凍スラブ(Slab)から加熱する場合、これによって湿っていてねっとりしており、したがって味が悪い、パン粉が得られる。かかる製品は一般にオーブン中で冷凍又は冷蔵状態から回復させ、200℃で20分間以上調理する。これらの製品は、電子レンジ調理可能と見なすことができない。
【0008】
パン粉の変質に起因する問題によって不均一な最終製品が得られ、これは十分な所定の貯蔵期間を持たない。パン粉の品質のばらつきによってパン粉粒子が崩壊し、それにより、微粒子が過剰に形成され得る。これにより、コーティングの質が不良になる。
【0009】
特許文献1は、パン粉をゲル化剤水溶液に接触後に乾燥させ、食品のコーティングとして適用する、パン粉食品の製造方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第99/44439号
【発明の概要】
【0011】
本発明の第一の態様によれば、パン粉コーティングされた食品の製造方法は、
1つ又は複数の小麦粉を含む小麦粉混合物と、
炭酸水素ナトリウムと、
加工助剤、塩、着色料、及び水から選択される任意選択的な添加物と、
を含む水性混合物を形成する工程、
混合物を押出機に添加する工程、
押出機に水性ゲル化剤を添加する工程、
得られた混合物を100℃を超える温度で押し出して押し出し物を形成する、押し出す工程、
押し出し物を膨張させて多孔質製品を形成する工程、
製品を乾燥させる工程、及び
乾燥製品を製粉してパン粉を形成する工程、
を含む。
【0012】
パン粉は、好ましくは電子レンジを使用して再加熱又は調理可能なコーティングを形成する。代替的に又は好ましくは、パン粉は、これらの方法の1つを超えるか、好ましくはこれらの方法の全てによって再加熱又は調理することができるコーティングをさらに形成する。これにより、種々の製品のために異なるパン粉を調合するいかなる必要性も回避される。
【0013】
ゲル化剤を、好ましくは、小麦粉混合物の押し出しの開始地点の下流で押出機に添加する。これは、押出機スクリューのブロッキングを軽減するために重要である。したがって、本方法は、好ましくは、小麦粉混合物を押し出す工程、ゲル化剤を押出機に添加する工程、及び得られた小麦粉混合物とゲル化剤との混合物を押し出す工程を含む。
【0014】
本発明の方法は、乾燥及び製粉前にゲル化剤を小麦粉と十分に混合するという利点を有する。このようにして、パン粉は、調理済み製品を保存のために冷凍し、例えば、電子レンジで冷凍状態から再加熱することが可能な至適耐湿性を有する。
【0015】
小麦粉混合物は2つ以上の小麦粉を含むことができる。2つの小麦粉の混合物は、製造の簡潔さを保持しながら混合物の性質の制御を可能にし、特に有利である。
【0016】
好ましくは、小麦粉混合物は低いハグベルグフォーリングナンバー(Hagberg Falling Number、以下、HFN)を有する。350未満のHFNが好ましくし、250未満がより好ましく、170未満がさらにより好ましい。50〜350、好ましくは50〜250、より好ましくは50〜170の範囲を使用することができる。各小麦粉成分のHFN及びその相対的比率から平均HFNを決定することができる。
【0017】
ハグベルグフォーリングナンバー(HFN)は、小麦粉におけるα−アミラーゼ活性の指標である。高HFNは低α−アミラーゼ活性を示す。これは、小麦粉の酵素による分解性が低いことを意味する。
【0018】
ハグベルグ試験は、S.HagbergによってCereal Chemistry 3_7,218.222(1690)及び3.202−203(1961)に記載されている。ハグベルグ試験では、小麦粉サンプルについてフォーリングナンバーを測定する。このプロセスでは、分析すべき小麦を従来通りに高速ハンマーミルで製粉し、標準量の小麦粉を標準的な試験管中の標準量の水と合わせる。混合物を標準的な時間加熱し、その間に穏やかに撹拌し、次いで、形成されたペーストから標準的プランジャが標準的距離を落下する時間を測定する。プランジャの落下時間(秒)を、その間に小麦粉−水混合物が加熱される時間(60秒)に足して小麦サンプルについてのフォーリングナンバー、すなわちハグベルグナンバーを得る。
【0019】
種々のグルテン含有量を有する小麦粉を使用することができるが、低グルテン含有量が好ましい。
【0020】
本明細書中の百分率又は他の量は、他で示さない限り重量に基づくものであり、全部で100%に対して引用された範囲から選択する。
【0021】
混合物が強力粉の特徴を有するように、ビスケット用小麦粉と全変性又は部分変性小麦粉との混合物を本発明の小麦粉混合物中で使用することができる。これにより、平均HFNが低くなる。熱処理によって部分的又は全てが変性された小麦粉の比率は約30%〜70%が特に好ましい。
【0022】
好ましい小麦粉混合物は、以下を含む。
量/% HFN
第1の小麦粉 70〜30 350
第2の小麦粉 30〜70 220
【0023】
さらに好ましい小麦粉混合物は以下を含む。
量/% HFN
第1の小麦粉 60〜40 350
第2の小麦粉 40〜60 220
【0024】
さらに好ましい小麦粉混合物は以下を含む。
量/% HFN
第1の小麦粉 50 350
第2の小麦粉 50 220
【0025】
第1の小麦粉を、以下から選択することができる。
Heygates C.Heat.A小麦粉(完全熱変性);
Hutchisons Golden Queenケーキ用小麦粉(部分熱変性)(HFN350);
Condor 3030
【0026】
第2の小麦粉を、以下から選択することができる。
Heygates DM7ビスケット用小麦粉(HFN50〜220、季節変動に依存、平均120;
Hutchisons Scotchビスケット用小麦粉(HFN 220);
Oorevaar/Bindbloem IAF 2633。
【0027】
小麦粉混合物を、好ましくは、第1の小麦粉及び第2の小麦粉の相対的比率を調整することによって選択して、各成分の季節変動を相殺する。
【0028】
ステアリン酸グリセリルを加工助剤として小麦粉組成物中で使用して、押出機からの通過中の小麦粉混合物をなめらかにすることができる。約0.3%〜約1%、好ましくは約0.6%の量を使用することができる。
【0029】
炭酸水素ナトリウムを従来のベーキングパウダー(例えば、二リン酸二ナトリウムを含む)として添加することができ、Thermophos International BV製のBEXベーキングパウダーを使用することができる。
【0030】
ゲル化剤は親水コロイドであり得る。種々のガム(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、及びガッチガム)を使用することができる。グアーガム又はローカストビーンガムの使用が特に好ましい。複数の親水コロイドの混合物を使用することができる。
【0031】
改変ガム及びセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース)も使用することができる。
【0032】
ガム、特に、グアーガム又はローカストビーンガムは、微量から約3重量%、好ましくは約0.25重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.7重量%〜約1.3重量%、最も好ましくは約1重量%の濃度で存在することができる。
【0033】
2つ以上の任意の上記ガムの混合物を使用することができる。グアーガムとキサンタンガムとの混合物が好ましい。少量のキサンタンガムを、例えば、グアーガムに約0.1%〜0.75%加えて使用することもできる。
【0034】
水性ゲル化剤を、好ましくは、ゲル化剤の添加前に小麦粉混合物が部分的に押し出されるように押出機に(例えば、加圧タンク又は他の容器から押出機内の低圧ゾーンに)注入する。容器中のゲル化剤を加圧し、静置して使用前に任意の気泡を逃がすことができる。
【0035】
加工助剤をゲル化剤に添加することができる。メタ重亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムを添加して、押し出し中に小麦粉を漂白することができる。ゲル中約1%の量のメタ重亜硫酸ナトリウムが特に好ましい。
【0036】
押し出し物を、100℃を超える温度、好ましくは約110℃で押出機の出口から押し出すことができる。水蒸気の膨張によって押し出し物内に気泡が形成され、その結果、冷却乾燥後にパン粉への製粉に適切な多孔質塊体が得られる。押出機内の剪断力又は外部加熱によって加熱することができる。
【0037】
好ましくは、押出機から離れるにつれて押し出し物が粉砕され、その結果、膨張中に各「フォーム」片が形成される。動翼を押出機のダイに隣接して配置し、出現する押し出し物の流れを膨張後に都合の良いサイズ(例えば、直径1.0mm)に粉砕することができる。フォーム片は、球状、又は好ましくは外部領域を過乾燥することなく内部の乾燥を容易にするために、扁平な円形であり得る。
【0038】
(初期粒子サイズ範囲にわたって)混合が改善され、より穏やかに処理され、こね上げ能力が改善されるので、好ましい実施形態は二軸押出機(TSE)を使用する。単軸押出機を使用することもできる。TSEはまた、単軸押出機と比較して、プロセスがより制御され、スクリュー上のフライトとエレメントとの間に材料を積極的に運搬するという事実から恩恵を受ける。さらに、2つのスクリューの補完的性質が自己洗浄を行うので、押出機は処理された製品がスクリュー/バレル/ダイ上に焼き付いたり、そうでなければ押出機の特定のゾーンに不適切な期間保持される可能性が低い。
【0039】
TSEでは、本質的に3つの領域、すなわち、i)小麦粉混合物の供給ゾーン、ii)ゲル化剤の供給ゾーン、及びiii)混合ゾーンが存在し得る。したがって、TSEは、成分が1つの連続するプロセスにおいて連続的に押出機に供給され、混合され、形成され、押し出され、剪断される完全な処理装置としての役割を果たす。TSE内で可能な高温により、重亜硫酸漂白剤を活性化し、生産される食品中の栄養素又は香味物質の喪失を最小にしながら有害微生物を破壊する有効な漂白及び滅菌プロセスが得られる。
【0040】
TSEのバレル内に、かみ合った同時回転スクリュー(又は逆回転スクリュー、選択性)が協働して均質化された混合物が生成され、最終的に、ダイから連続的に押し出されて膨張性の、形成可能な(formable)、又はペレット化された製品が生成される。一般に、剪断(機械的)加熱は押出機内での主なプロセスであるが、押出機ゾーンに沿って戦略的に配置されたバレル加熱器の使用によって温度制御(温度の維持が含まれる)を行うことができる。
【0041】
供給ゾーンでは、原材料が保存タンクから押出機のヘッド(ダイから離れている)に供給される。混合ゾーンでは、混合物が均質化される。最後に、形成ゾーンで製品の形状が形成される。好ましい実施形態では、このプロセスは、混合物中の含水量を正確に制御しながら温度及び圧力を段階的に増加させるので、TSEによって膨張した製品が形成される。混合物をダイを通して押し進める場合、混合物の大気圧が変化し、それにより、内部水分が蒸気に変化し、調理混合物が膨張するか又は膨らんで「フォーム」を形成する。環状ダイ又は環状ダイのアレイを使用することができる。好ましいダイの直径は1mm〜5mmである。星形のダイも使用することができる。押出機中の膨潤時間は約3秒間〜6秒間であり得る。
【0042】
本発明の第2の態様によれば、本発明に従って製造されたパン粉を提供する。
【0043】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様に従って製造したパン粉でコーティングした基材を含むパン粉コーティングされた食品を提供する。
【0044】
本発明によるパン粉を、種々の食品基材(赤身肉、鶏肉、魚肉、チーズ、及び野菜が含まれる)に適用することができる。基材を、国際公開第97/03572号(当該明細書の開示が全ての目的のために参照により本明細書中に援用される)に開示されているような安定化剤組成物で事前に処理することができる。
【0045】
本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明のいかなる限定も意味しない。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0046】
実施例1
小麦粉組成物を以下のように調製した。
小麦粉混合物 96.4%
炭酸水素ナトリウム(Bexベーキングパウダー) 2.0%
モノステアリン酸グリセリル(Abimono SS40P) 0.6%
塩 1.0%
計 100.0%
【0047】
Clextral二軸機械押出機を使用したが、Buhler二軸押出機を使用することができる。
【0048】
ゲル化剤Novatex SC2は以下の通りであった。
グアーガム 67.00%
メタ重亜硫酸ナトリウム 33.00%
計 100.00%
【0049】
次いで、Novatex SC2を97%水中に3%で水和させる。パドルミキサーを使用してこれを行うことができるが、高剪断ミキサーが好ましい。水和した混合物を、混合後に少なくとも12時間静置すべきである。
【0050】
成分を、押出機の後部に配置した保持タンク中で混合した。4つの小麦粉混合物を使用した。
【0051】
作業1
Hutchinsons Goldenケーキ用小麦粉(150kg/時間)を水(35kg/時間)と混合して、スラリーを形成した。スラリーを押出機に供給した。水和したゲル化剤を押出機の平坦なゾーンに7.5%の量(13.88kg/時間)で注入した。押し出した混合物を切り刻み、膨張させてフォームを形成させた。水含量2%(w/w)まで乾燥させた場合、容積密度は150g・l−1であった。フォームを乾燥させ、製粉し、得られたパン粉は細かくパリパリしていた。食品基材への塗布により、硬いパン粉コーティングが得られた。乾燥バッグ製品の貯蔵期間は12ヶ月超であった。
【0052】
作業2 小麦粉混合物は以下であった。
Hutchisons Golden Queenケーキ用小麦粉(HFN 350 50%)
Hutchison Scotchビスケット用小麦粉16(HFN 220 50%)乾燥混合物(150kg/時間)を水(35kg/時間)とブレンドしてスラリー(185kg/時間)を形成し、押出機に注入した。ゲル組成物を7.5重量%(13.88kg/時間)で注入した。得られたフォームはわずかに軽く小さく、より緻密であった。2%まで乾燥させた場合、容積密度は182g・l−1であった。乾燥及び製粉後、パン粉は、パリパリしていて細かかったが、作業1より硬いかみ応えを有することが見出された。パン粉は弾力性があり、製品を十分にコーティングし、12ヶ月を超える貯蔵期間で安定であり、製品は水分移動に耐性を示した。
【0053】
作業3
小麦粉混合物は以下であった。
Hutchisonsビスケット用小麦粉
小麦粉混合物(1.50kg/時間)を粒子サイズにブレンドした。
【0054】
作業2についてのパン粉粒子分析
MIN MAX
4.00mm篩上での保持 3% 5%
3.50mm篩上での保持 10% 20%
2.00mm篩上での保持 25% 40%
1.00mm篩上での保持 20% 25%
1.00mm篩の通過 20% 25%
【0055】
実施例2 以下の小麦粉混合物を使用したことを除いて、実施例12に従って小麦粉組成物を調製した。
Condor 3030 50%
Ooievaar/Bindbloem IAF 2633 50%
【0056】
Clextral二軸押出機を使用した。5×30kgバッチ中で小パドル混合物を使用して、50リットル容器中で混合を行った。次いで、150kgの混合物を、生産ライン用のステンレススチールタンクに注いだ。7.5%のゲルを注入し、2%(w/w)以下の水分含量に乾燥させた場合、容積密度182g・l−1の膨張したフォームが生成された。
【0057】
乾燥成分(249kg/時間)を水(68.1kg/時間)とブレンドしてスラリー(317.1kg/時間)を得た。7.5%のゲル(23.78キロ/時間)を注入した。
【0058】
フォームを湿式で製粉し、100℃で水分含量6.44%に乾燥させた。乾燥した製粉パン粉の容積密度は235gl−1であったが、水分含量は2%であった。5mmダイで最良の結果が得られることが見出された。
【0059】
実施例3
以下の小麦粉混合物を使用したことを除いて、実施例1に従って小麦粉組成物を調製した。
Heygates B C.Heat.A小麦粉 50%
HeygatesDM7ビスケット用小麦粉 50%
【0060】
混合物をClextral押出機で押し出した。フォームを水分含量2%未満まで乾燥させ、次いで、製粉した。流動層乾燥機にて約90℃で15分間乾燥させた。
【0061】
乾燥製品を特定の製粉用サイズに製粉し、特定の製品について必要に応じてブレンドした。
【0062】
例えば、4つの鶏肉片をプレダスト(CFS Opti Flour)でコーティングし、天ぷら衣用生地アプリケータを使用して衣用生地を塗布した。実施例3で調製したパン粉のコーティングを、CFS Crumb Masterを使用して1回の通過で塗布した。コーティングした製品を菜種油を使用して184℃で3.5分間までフライした。フライした製品を低温冷凍して包装し、スチール容器中にて−18℃で保存した。30日間の保存後、製品を850Wのオーブンで2.5分間加熱した。粒子のコアが最低で70℃に到達し、試験前に3分間静置した。過渡期の製品を分析し、良好であることが見出された。
【0063】
実施例4
プレダスト(CFS Opti flour)を濃度1%に水和し、天ぷら衣用生地アプリケータを使用して鶏肉片にゲルを塗布した。微粉パン粉のコーティングを、Crumb Masterパン粉アプリケータを使用してゲルに塗布した。微粉の寸法は1mm未満であった。天ぷら衣用生地アプリケータを使用して衣用生地を塗布し、CFS Crumb Masterアプリケータを使用して実施例3のパン粉を塗布した。製品を184℃で3.5分間フライするか、コーティングした製品を1.5分間までフラッシュフライし、熱気トンネル中にて2.20℃以上で4分間までさらに調理して、所望の結果を得た。フライヤ又は熱気トンネルから出す際に、調理済み製品をエアナイフで冷却した。製品を低温冷凍し、不透過性包装中に包装し、好ましくは窒素ガス充填し、−25℃以下のコア温度で保存した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン粉コーティングされた食品の製造方法であって、
1つ又は複数の小麦粉を含む小麦粉混合物と、
炭酸水素ナトリウムと、
加工助剤、塩、着色料、及び水から選択される任意選択的な添加物と、
を含む水性混合物を形成する工程、
前記混合物を押出機に添加する工程、
前記押出機に水性ゲル化剤を添加する工程、
得られた混合物を100℃を超える温度で押し出して押し出し物を形成する、押し出す工程、
前記押し出し物を膨張させて多孔質製品を形成する工程、
前記製品を乾燥させる工程、及び
前記乾燥製品を製粉してパン粉を形成する、製粉する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
前記小麦粉混合物を押し出す工程の後に前記ゲル化剤を前記押出機に添加する工程を実施し、その後に得られた小麦粉混合物とゲル化剤との混合物を押し出す工程を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記小麦粉混合物が2つ以上の小麦粉を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記小麦粉混合物のハグベルグフォーリングナンバー(HFN)が350未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記HFNが250未満である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記HFNが170未満である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記小麦粉混合物がビスケット用小麦粉及び全変性又は部分変性小麦粉を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記小麦粉混合物が、
量/% HFN
第1の小麦粉 70〜30 350
第2の小麦粉 30〜70 220
を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記小麦粉混合物が、
量/% HFN
第1の小麦粉 60〜40 350
第2の小麦粉 40〜60 220
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記小麦粉混合物が、以下:
量/% HFN
第1の小麦粉 50 350
第2の小麦粉 50 220
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の小麦粉が、Heygate C.Heat.A小麦粉;Hutchisons Golden Queenケーキ用小麦粉、及びCondor 3030から選択される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の小麦粉が、Heygates DMMビスケット用小麦粉、Hutchisons Scotchビスケット用小麦粉、及びOorevaar/Bindbloem IAF 2633から選択される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記小麦粉混合物がステアリン酸グリセリルを0.3%〜1%の量で含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ステアリン酸グリセリルが0.6%の量で存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲル化剤が親水コロイドである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲル化剤が、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、及びガッチガムから選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ゲル化剤がグアーガム又はローカストビーンガムである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ゲル化剤がグアーガムである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
グアーガムの量が0.1%〜3%である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
0.25%〜2.5%のグアーガムを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
0.7%〜1.3%のグアーガムを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
1%のグアーガムを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ゲル化剤がグアーガムとキサンタンガムとの混合物を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ゲル化剤がメタ重亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムを含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法によって製造されたパン粉。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法によって製造されたパン粉でコーティングされた基材を含むパン粉コーティングされた食品。

【公表番号】特表2011−526490(P2011−526490A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515597(P2011−515597)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001617
【国際公開番号】WO2010/001101
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(511000256)クリスプ センセーション ホールディング エスエー (4)
【氏名又は名称原語表記】Crisp Sensation Holding SA
【住所又は居所原語表記】1 rue Pedro−Meylan,1208 Geneva, Switzerland
【Fターム(参考)】