養液栽培装置及びそれに使用される養液栽培ポート
【課題】
養液栽培装置及びこれに使用される積層式養液栽培ポートを提供する。
【解決手段】
養液栽培装置は作物を支える培養土を備えた養液栽培ポートを所定の閉ループ型移動経路に沿って周期的に移動させる移動手段と、前記養液栽培ポートの移動経路上の一地点に設けられ前記地点を通過する養液栽培ポートに養液を供給する噴射ノズルと、前記養液栽培ポートから排出される養液を回収するための養液回収チャンネルを備える。前述したように構成された養液栽培装置は一つの噴射ノズルにより複数個の養液栽培ポートに養液を供給できるので装置の構成が著しく簡便になる。また、養液栽培ポートが周期的に移動され施設ハウス内で隋時に位置を変えるので、作物に入射される日照量が均一に維持され作物の均一な成長を可能にする。
養液栽培装置及びこれに使用される積層式養液栽培ポートを提供する。
【解決手段】
養液栽培装置は作物を支える培養土を備えた養液栽培ポートを所定の閉ループ型移動経路に沿って周期的に移動させる移動手段と、前記養液栽培ポートの移動経路上の一地点に設けられ前記地点を通過する養液栽培ポートに養液を供給する噴射ノズルと、前記養液栽培ポートから排出される養液を回収するための養液回収チャンネルを備える。前述したように構成された養液栽培装置は一つの噴射ノズルにより複数個の養液栽培ポートに養液を供給できるので装置の構成が著しく簡便になる。また、養液栽培ポートが周期的に移動され施設ハウス内で隋時に位置を変えるので、作物に入射される日照量が均一に維持され作物の均一な成長を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は養液栽培装置及び該養液栽培装置に使われる積層式養液栽培ポートに関する。
【背景技術】
【0002】
養液栽培方法とは、作物の生育に求められる必須元素をその吸収率により適当な濃度に溶解させた水溶液(以下、"養液")を用いて作物を栽培する方法を指す。養液栽培は養液と根部分の培地条件を人為的に精度よく調節できるため、生育環境を均一に維持することにより作物の生育条件を最適化できる科学的な栄農技術である。
【0003】
養液栽培は培地の種類に応じて気耕栽培、水耕栽培及び固形培地耕栽培とに分かれる。この中から現在最も広範に使用される固形培地耕栽培は自然土壌の代りに砂、パールライト、岩綿(ロックウール)、砂利、粗糠、薫炭などで作られる固形培地(以下、"培養土")で作物を支えて養液を供給する栽培方法である。
【0004】
従来の固形培地耕栽培設備の一例である韓国特許出願第1992-13535号では、温室内の畦に設けた養液栽培ベッド上に養液ポートを形成し、前記養液ポート毎に養液潅水設備をそれぞれ設けるべきなので設備予算が過多に要求される短所がある。一方、従来の技術の他の例として、韓国特許出願第2000-20483号では格子型水切り口が形成された発泡スチロール製の外容器に内容器を内蔵し、培養土の代りに土を盛って作物を育てる家庭用養液栽培装置が開示されており、韓国実用新案登録出願2001-22173号には養液栽培ベッド上に設けたポートの上部に設けたノズルで養液を散水する技術が開示されている。しかし、前記従来の技術の養液栽培装置では各養液ポート毎に適切な位置に養液散水配管を設置すべき問題点がある。
また、前記従来の技術の養液栽培装置は場所や空間の余裕が足りない施設ハウス内で作物の特性により養液栽培ポートの高さを任意に調節できず、施設ハウス内の天井などによる日照量も均一に調節し難い短所がある。さらに、養液栽培ポートに養液の供給がポート毎になされるので給水と回水が煩わしい問題点がある。
【特許文献1】韓国特許出願第1992-13535号
【特許文献2】韓国特許出願第2000-20483号
【特許文献3】韓国実用新案登録出願2001-22173号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した問題点を解決するための案出されたもので、その目的は構成が簡単であり設置費用が相対的に安価な養液栽培装置及び養液栽培ポートを提供するところにある。
【0006】
本発明の他の目的は、狭い空間でも高集積度で作物を栽培することができ、作物の均一な成長に寄与できる養液栽培装置及び養液栽培ポートを提供するところにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、養液の給水と回収が効率的になされうる養液栽培装置及び養液栽培ポートを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための本発明の積層式養液栽培ポートは、作物を支える培養土を備えた複数個の養液栽培ポートを積層してなる。前記複数個の養液栽培ポートはそれぞれ上部及び下部が開放されたシリンダー状をしており、前記養液栽培ポートの下部には培養土を支える底部網が形成されることにより前記積層式養液栽培ポートの上部から供給された養液が最上部の養液栽培ポートから最下部の養液栽培ポートまで通過されるようにする。前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成される。
前述したように構成された積層式養液栽培ポートは施設ハウスの高さに応じて養液栽培ポートの積層段数を任意に調節することができるため、施設ハウス内の空間の効率的な利用を可能にして作物栽培の高集積化が可能である。
【0009】
本発明の他の側面によれば、積層式養液栽培ポートを構成する複数個の養液栽培ポートは、それぞれ上部が開放され下部が密閉されたシリンダー状をしており、少なくとも一つ以上の養液供給管が前記養液栽培ポートの下部面を貫通して実質的に垂直方向に設けられることにより、複数個の養液栽培ポートの積層時に上下隣接した二つの養液栽培ポートの養液供給管が相互連結されるようにする。前記相互隣接した養液供給管の連結部には養液が養液供給管の外部に流出されうる流出口が設けられる。前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成される。
【0010】
本発明の目的を達成するための養液栽培装置は作物を支える培養土を備えた養液栽培ポートを所定の閉ループ型移動経路に沿って周期的に移動させる移動手段と、前記養液栽培ポートの移動経路上の一地点に設けられ、前記地点を通過する養液栽培ポートに養液を供給する噴射ノズルと、前記養液栽培ポートから排出される養液を回収するための養液回収チャンネルを備える。
【発明の効果】
【0011】
前述したように構成された養液栽培装置は一つの噴射ノズルにより複数個の養液栽培ポートに養液を供給することができないため装置の構成が著しく簡単になる。また、養液栽培ポートが周期的に移動され施設ハウス内で随時に位置を変えるので、作物に入射される日照量が均一に維持され作物の均一な成長を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面に基づき本発明の実施形態をさらに詳述する。しかし、下記の実施形態は例示的なものに過ぎず、決して本発明を制限しようとすることではない。
【0013】
図1の構成図に示したように、本発明の養液栽培装置では複数個の養液栽培ポート1がロープ6によりコンベヤー7上に所定間隔でぶら下げられ所定の閉ループ型移動経路に沿って移動される。施設ハウス内に設けられたコンベヤー7の経路の下方には養液回収チャンネル12が配置される。養液回収チャンネル12は濾過装置9、養液貯蔵タンク8及びポンプ10を経由して養液噴射ノズル11に連結される。養液栽培ポート1から排出された養液は養液回収チャネル12で回収され、ろ過装置9でろ過され養液貯蔵タンク8に貯留される。養液噴射時には、養液貯蔵タンク8に貯留された養液はポンプ10によりポンピングされ、噴射ノズル11を介してその下部を通る養液栽培ポート1に供給される。
図2ないし図6に示した本発明の第1実施形態による養液栽培装置100は複数個の養液栽培ポート1を一定経路上で周期的に移動させるための移動手段と、養液栽培ポート1に養液を供給するための噴射ノズル11及び養液栽培ポート1から排出される養液を回収するための養液回収チャンネル12を備える。
前記養液栽培ポート移動手段は閉ループ型チェーンコンベヤーシステムで構成される。前記チェーンコンベヤーシステムは両端に設けられた二つのチェーンホイール31、31'(駆動側チェーンホイール及び被動側チェーンホイール)と、チェーンホイール31、31'の周辺の歯31aに噛み合うように巻きかけたチェーン33、及び駆動側チェーンホイール31に動力を供給するためのモータ32で構成された動力伝達手段を備える。
【0014】
前記二つのチェーンホイール31、31'はモータ32を装着した横支持台37により相互連結され、前記横支持台37と実質的に並んで延びた二つのC型管34が設置されチェーン33の移動を案内する。また、前記二つのC型管34は所定間隔で配置された複数個の縦支持台35により相互連結される。前記チェーンホイール31、31'と縦支持台35は所定間隔に配された複数個の垂直支持台36によりチェーンコンベヤーシステムの下部に設けられた下部支持台38に固定される。前記下部支持台38にはコンベヤー間隔調節手段が設けられる。
【0015】
前記閉ループ型チェーンコンベヤー100は、図2に示したように、施設ハウス内の空間が許す限り複数個のセットが設けられる。前記複数個のチェーンコンベヤー100の配置方向は養液栽培ポート1の移動方向("Y" 方向)と実質的に垂直な方向("X" 方向)である。このように施設ハウス内に多数個のチェーンコンベヤー100が隣接配置された場合は、相互隣接するチェーンコンベヤー間の間隔(D)を調節する間隔調節手段が設けられる。 前記間隔調節手段はチェーンコンベヤー100を全体として"X"方向に移動させるように構成されている。さらに詳しく説明すれば、施設ハウス内の地盤に"X"方向に複数本のレール41が配置され、チェーンコンベヤー100の下部支持台38の下面には複数個のローラ部材42が設けられる。ローラ部材42はレール41に沿って転がれるように構成される。チェーンコンベヤー100に"X"方向の駆動力を提供するため、ローラ部材42の上部にそれぞれ支持具43を設け、コンベヤーの長さに相応する長さのシャフト44を支持具43に挿入して下部支持台38と並んで配置する。シャフト44の所定位置にシャフトと一体に回転するピニオンギア45が固設され、ピニオンギア45はその下部に配置されたラックギア46と噛み合う。チェーンコンベヤー100の最外側垂直支持台36に固定された支持具49によりハンドル48が支持される。ハンドル48とシャフト38との間にはハンドルの回転力を伝達するギア連結手段47が設けられる。
【0016】
以下、チェーンコンベヤー100上に養液栽培ポート1を装着するための技術手段について説明する。図3及び図4に示したように、本実施形態のチェーンコンベヤーはホイストチェーン33を使用する。すなわち、養液栽培ポート1をチェーンコンベヤー100のホイストチェーン33にかけて装着する。養液栽培ポート1を固定したワイヤロープ4の上端部掛け金6をホイストチェーン100のリングに係着させる。この際、ホイストチェーン33がチェーンホイール31上で巻回する時ワイヤロープ4の掛け金6がチェーンホイール31の外周に形成された歯31aと干渉しないように、チェーンホイール31の歯31aの下方に干渉防止溝31bを形成する。チェーン33の移動を案内するC型管34は下部が開放され、養液栽培ポート1のワイヤロープ4が移動する経路を提供する。
以下、本実施形態による養液栽培装置の作用を説明する。
【0017】
チェーンコンベヤー100のホイストチェーン33上に複数個の養液栽培ポート1を所定間隔で係着する。チェーンコンベヤー100のモータ32を駆動させると、チェーン33が養液栽培ポート1をぶら下げて所定の閉ループ型経路に沿って循環移動する。同時に、養液栽培ポート1の移動経路上の所定位置に設けられた噴射ノズル11を作動させると、その位置に移動された養液栽培ポート1に周期的に養液を供給する。一方、養液栽培ポート1から流出された養液は下部の養液回収チャンネル12により回収される。
【0018】
施設ハウス内の空間の効率的な利用を図るため、多数個のチェーンコンベヤー100を集積配置した場合は相隣接するコンベヤー間の間隔(D)が縮まって作業者の作業空間が足りない。この場合、作業者は間隔調節手段のハンドル48を回転させシャフト44上に固定されたピニオンギア45とラックギア46との相互作用により"X"方向の駆動力を発生させる。これにより、チェーンコンベヤー100の下段に設けられた複数個のローラ部材42がレール41に沿って移動され、チェーンコンベヤー100は全体として"X"方向に移動される。このように作業者はコンベヤー間の間隔(D)を自由に調節することができる。
【0019】
前記実施形態では養液栽培ポートの移動手段としてチェーンコンベヤーが適用されるが、
チェーン電動手段以外にロープ電動手段やベルト電動手段なども使用可能である。また、モータ32が駆動軸チェーンホイール31にだけ動力を伝達するように構成されているが、チェーンコンベヤーの長さが相当に長い場合はさらに円滑な駆動のためにモータ32駆動側チェーンホイール31と被動側チェーンホイール31'に同時に動力を伝達することもできる。本実施形態では作業者が手動でハンドル48を回してコンベヤーを"X"方向に移動させる間隔調節手段が開示されているが、モータなどの動力発生手段を用いて自動にコンベヤーを移動させる養液栽培装置を構成することもできる。また、本発明は動力電圧手段として、前述したラックピニオン結合の他、別の結合構造を使用することができる。
【0020】
図7及び図8に基づき本発明に係る養液栽培装置の第2及び第3実施形態を説明する。
【0021】
図7に示された第2実施形態の養液栽培装置はリンク板をピンで連続結合したチェーン33'を採択したチェーンコンベヤーを使う。特に、本実施形態では多列チェーンを使うことによって、上側に位置した第1列33'aはチェーンの両端に配されたチェーンホイールのスプラケット(図示せず)に噛み合い、下側に位置した第2列33'bは養液栽培ポート1を固定したワイヤロープ4'の上端に固定される。また、本実施形態ではチェーン33'の移動を案内するC型管34'の側面が開放されており、よってワイヤロープ4'もこれに対応するようにU字形に折り曲げられる。
【0022】
図8に示された第3実施例の養液栽培装置はチェーン33"の移動を案内する部材としてI字形ビーム34"を採択する。I字形ビーム34"の両側にはローラ部材51が設けられI字形ビーム34"の長手方向に沿って移動自在に配置される。養液栽培ポート1を固定したロープ4"はローラ部材51に結合される。チェーン33"はローラ部材51と通常の結合手段(図示せず)により結合されることにより、チェーン33"の移動によりローラ部材51が所定の経路に沿って循環移動される。
【0023】
図9ないし図11を参照しながら本発明に係る養液栽培装置の第4実施形態を説明する。
【0024】
本実施形態の養液栽培装置は図2ないし図6に示された実施形態とは違って、循環ループ型チェーンコンベヤー200が地面上に設けられ、チェーンコンベヤーの上部に置かれたパレット201に養液栽培ポート1が安着されパレット201と共に移動する。すなわち、チェーンコンベヤー200は養液栽培ポート1の移動経路に沿って延びたフレーム207と、フレーム207に設けられた2本の案内レール208、案内レール208に沿ってそれぞれ移動し、その上部にパレット201が固定されたローラ202、フレーム207に設けられチェーン203の移動を案内するC型管204、チェーン203とパレット201を相互結合する固定部材209、及び駆動手段(図示せず)により駆動されチェーン203が巻きつけられるチェーンホイール205を備える。
養液栽培ポート1が安着されるパレット201が移動経路の曲線部[図11においてチェーンホイール205が位置した部分]を通る時隣接したパレットに干渉される場合がある。これを防止するためにパレット201は前記曲線部の曲率半径の中心側に向かった部位に円形のチャンファ(chamfer)が形成される。また、パレットの移動時の流動を防止するために相互隣接するパレットを互いに結合するためのリング201bと掛け金201cがパレットの両側に設けられる。
また、フレーム207の一側には溝210が形成され養液栽培ポート1から排出された養液を集水する機能を行なう。 これに関連して、パレット201の外周に沿って溝201aが形成されていて、養液栽培ポート1から流出された養液をパレットの下部のフレームの溝210に流入されるようにする。
【0025】
以下、図12及び図13に基づき本発明に係る養液栽培装置の第5実施形態を説明する。
【0026】
本実施形態の養液栽培装置300は閉ループ形経路に沿って延びたC形フレーム301を備え、フレーム301の内側にはフレーム301と並んで延びた排水管302が設けられる。フレーム301の内部にはそれぞれローラ304を備えた複数個の可動部材303が一定間隔に設けられフレーム301上で移動される。可動部材303は通常の結合方式によりチェーン305と結合されチェーン305の移動により動く。稼働部材303にはほぼ垂直に延びた支持棒306が固定され、後述するパレット307及び養液栽培ポート1を支持する。可動部材303の上部にはパレット307が固設され、パレット307上に養液栽培ポート1が安着される。パレット307と養液栽培ポート1との間にはスラストベアリング308が介在されることにより養液栽培ポートがその位置で自由に回動自在に構成される。従って、養液栽培ポート1の移動中に障害物に出会っても、養液栽培ポート1はスラストベアリング308により自然にピボット回転することにより障害物の妨害を最小化することができる。
【0027】
以下、図14ないし図20を参照しつつ本発明に係る積層式養液栽培ポートの実施形態を詳述する。
【0028】
図14ないし図17に示された第1実施形態の積層式養液栽培ポートは複数個の養液栽培ポート1を積層してなる。それぞれの養液栽培ポート1は上部及び下部が開放された四角断面のシリンダ状をしている。養液栽培ポート1の下部開放部には培養土3を盛るための底部網1dが設置され、養液栽培ポート1の側面には作物生育口1aが形成される。作物生育口1aは作物の種子を培養土3に容易に投入できるようにする機能及び培養土3で育った作物の種子が成長する時その葉っぱ部分が養液栽培ポートの外部に突き出る空間を提供する機能を有する。
養液栽培ポート1の底部網1dの中央にはロープ貫通孔1eが形成される。ロープ貫通孔1eには積層式養液栽培ポートを垂れて固定するワイヤロープ4が通過される。
【0029】
養液栽培ポート1の上部には上端爪1bが形成され、養液栽培ポート1の下部には下端爪1cが形成される。複数個の養液栽培ポートを積層する際上部に位置した養液栽培ポートの下端爪1cが下部に位置した養液栽培ポートの上端爪1bと噛合うようにそのサイズが設定されている。養液栽培ポート1の下端爪1cの外側底部にはポート水切り口1fが設けられる。
【0030】
図15に示したように、積層式養液栽培ポートの最上段に置かれた養液栽培ポートの上部には上部カバー2が装着される。最下段に位置した養液栽培ポートの下部にも前記上部カバー2と同一な形状よりなる下部カバーが装着される。上部カバー及び下部カバー2は養液栽培ポート1に対応する四角形をしており、上部から下部までその断面積が次第に狭くなる漏斗状(ホッパ型)よりなる。上部カバー及び下部カバー2の下部にはカバー網2bが設けられ、カバー網2bの中央にはロープ締結孔2cが形成される。下部カバー2の上部にはその上部に積層される養液栽培ポート1の下端爪1cと結合されるカバー上端縁2aが形成され、上部カバー2の下端にはその下部に積層される養液栽培ポート1の上端爪1bと結合されるカバー下端縁2dが設けられる。カバー上端縁2aにはカバー水切り口2fが形成される。
【0031】
前記上部カバー及び下部カバー2のカバー水切り口2fと養液栽培ポート1のポート水切り口1fは互いに連通されることにより積層された養液栽培ポートの上部から下部に至る経路を提供する。前記経路は養液噴射ノズル11から噴射された養液の中から上部カバー2の漏斗2eの外周面に留まった養液を下方に誘導する機能を果たす。
前述したような構成を有する第1実施形態の積層式養液栽培ポートの作用効果は次の通りである。
【0032】
それぞれ培養土3を入れた複数個(本実施例では四つ)の養液栽培ポート1を順に積層させ、これに上部カバー2と下部カバー2を積層された養液栽培ポート1の上部及び下部にそれぞれ装着する。そして、ワイヤロープ4を養液栽培ポート1のロープ貫通孔1eと上部カバー及び下部カバー2のロープ締結孔2cを通じて貫通させた後、ワイヤロープストッパ5を用いてワイヤロープ4の最下端を下部カバー2に固定する。そして、ワイヤロープ4の上部に設けられた掛け金6を用いて積層式養液栽培ポート1を搬送手段、例えばコンべヤーのチェーン7などに係着させる。
【0033】
このように積層式養液栽培ポートの上部カバー2に噴射ノズルにより噴射された養液は上部カバー網2bを通じて最上段の養液栽培ポート1に流入されることにより、その内部の培養土に植えられた作物に養液を供給し底部網1dを通じて流出される。流出された養液は次の段の養液栽培ポート1に流入される。このような方式を繰り返すことにより多段に積層された養液栽培ポートに全て養液が供給されうる。
【0034】
図18に示された第2実施形態の積層式養液栽培ポートを構成するそれぞれの養液栽培ポート8は作物生育口8aが長方形断面の四つの外側面にそれぞれ形成されている。図19に示された第3実施形態の積層式養液栽培ポートを構成するそれぞれの養液栽培ポート9は四つの作物生育口9aが形成された円形の断面をしている。
本発明の積層式養液栽培ポートは本明細書及び図面に開示された特定形状の養液栽培ポートに限られず、使用条件に応じて多様な形状(例えば、三角形、六角形)の養液栽培ポートを採択できる。養液栽培ポートの側面に形成される作物生育口の個数も作物栽培現場の実情に応じて多様に変更できることは勿論である。
【0035】
以下、図20ないし図22を参照しつつ、本発明に係る積層式養液栽培ポートの第4実施形態を説明する。
第4実施形態の積層式養液栽培ポートは作物を支える培養土30を備えた複数個の養液栽培ポート10を積層してなる。複数個の養液栽培ポート10はそれぞれ上部が開放され、下部が密閉されたシリンダ状を有する。
【0036】
養液栽培ポート10には少なくとも一つの養液供給管13が設けられる。養液供給管13はその下端部が養液栽培ポート10の下部面10aを貫通して実質的に垂直方向に配される。複数個の養液栽培ポートを積層すれば、上下に隣接した二つの養液栽培ポート10の養液供給管13が相互連結される。養液供給管13の下端部にはその断面積が拡大された拡大部13aが形成される。従って、前記拡大部13aと隣接した養液供給管の上端部間の連結部には流出口(図21の矢印部分)が提供され養液供給管に充填された養液が外部に流出されうる。
図22に示したように、二つの相隣接する養液供給管13の上端部と下端部が互いに接触して養液流出口が詰ることを未然に防止するため、養液供給管13の上端部にはその長手方向に複数個の溝13bが形成され、上端部の円周方向に沿って複数個の凹凸部13cが形成される。従って、製作誤差や組立誤差などにより二つの養液供給管が接触しても、養液供給管に充填された養液は凹凸部13c及び溝13bにより形成された間隙に沿って外に流出されうる。
【0037】
最上段の養液栽培ポートの上部には上部カバー11が結合される。上部カバー11は漏斗状よりなり養液栽培ポート10の養液供給管13に対応する部分に養液供給孔11aが形成される。また、上部カバー11の底面に複数個の水切り口11bが形成される。
【0038】
各養液栽培ポート10の下部面10aには少なくとも一つ以上の水切り口10cが形成される。図面符号10bは養液栽培ポート10を相互積層する時その結合位置を設定する係合爪である。
養液栽培ポート10の少なくとも一つ以上の側面には作物生育口10dが形成される。作物生育口10dのサイズは培養土3で成長した作物の葉っぱ部分が養液栽培ポート10の外部に突き出るほどのサイズに設定される。作物生育口10dを限定する外周面10eは上方に緩く傾斜していて作物が上方に自然に生育できるようにする。
【0039】
本実施形態の積層式養液栽培ポートの上方から噴射ノズルなどにより養液が供給されれば、その養液は上部カバー11の養液供給孔11aを介して養液栽培ポート10の養液供給管13に充填される。養液供給管13に充填された養液は流出口を通じて外部に流通されることにより各段の養液栽培ポート10に養液を供給する。供給された養液は養液栽培ポート10の下部面10aに形成された水切り口10cを通じて下部に排出される。
【0040】
本発明に係る積層式養液栽培ポートでは施設ハウスの高さにより養液栽培ポートの段数を任意に調節することができ、養液栽培中には各段を持ち上げて作物の成長過程を観察することができる。従って、施設ハウス内の空間を効率よく利用できるので、作物栽培の高集積化が可能である。
【0041】
本発明に係る養液栽培装置では作物を植えた養液栽培ポートが施設ハウス内で隋時に位置を変えるために、天井などの日を遮る施設を変えなくても作物に入射される日照量が均一に維持され、よって作物の均一な成長に寄与する。
【0042】
また、本発明では養液栽培ポート毎に養液潅水設備を別に設置する必要がないため、設置費が節約される利点がある。養液栽培ポートから流出された養液は養液回数チャンネルによりリサイクルされるため、養液の浪費を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は構成が簡単であり設置費用が相対的に安価な、それから狭い空間でも高集積度で作物を栽培することができ、作物の均一な成長に寄与できる養液栽培装置及び養液栽培ポートに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明に係る養液栽培装置の概略構成図を示す。
【図2】図2は、本発明に係る養液栽培装置の第1実施形態の凹部斜視図を示す。
【図3】図3は、図2の養液栽培装置の平面図を示す。
【図4】図4は、図2の養液栽培装置のチェーンコンベヤーの一部切除斜視図を示す。
【図5】図5は、 図2の養液栽培装置のチェーンコンベヤーの一部切除斜視図を示す。
【図6】図6は、 図2の養液栽培装置の間隔調節手段に対する斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明に係る養液栽培装置の養液栽培ポートの装着構造に対する一実施形態を示した斜視図を示す。
【図8】図8は、本発明に係る養液栽培装置の養液栽培ポートの装着構造に対する他の実施形態を示した斜視図を示す。
【図9】図9は、本発明に係る養液栽培装置のさらに他の実施形態を示した平面図を示す。
【図10】図10は、図9の"A-A"線による断面図を示す。
【図11】図11は、図8の養液栽培装置の一部切除斜視図を示す。
【図12】図12は、本発明に係る養液栽培装置の他の実施形態を示した一部切除斜視図を示す。
【図13】図13は、図12の養液栽培装置の養液栽培ポートの安着構造を示した分解斜視図を示す。
【図14】図14は、本発明に係る積層式養液栽培ポートの一実施形態の斜視図を示す。
【図15】図15は、図14の積層式養液栽培ポートの横断面図を示す。
【図16】図16は、図14の積層式養液栽培ポートを構成するそれぞれの養液栽培ポートを示した斜視図を示す。
【図17】図17は、図14の積層式養液栽培ポートの上部カバーまたは下部カバーに対する斜視図を示す。
【図18】図18は、本発明に係る積層式養液栽培ポートの他の実施例を示した斜視図を示す。
【図19】図19は、本発明に係る積層式養液栽培ポートの他の実施例を示した斜視図を示す。
【図20】図20は、本発明に係る積層式養液栽培ポートのさらに他の実施形態を示した斜視図を示す。
【図21】図21は、図20の養液栽培ポートの横断面図を示す。
【図22】図22は、図20の養液栽培ポートの養液供給管の結合状態を示した分離斜視図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は養液栽培装置及び該養液栽培装置に使われる積層式養液栽培ポートに関する。
【背景技術】
【0002】
養液栽培方法とは、作物の生育に求められる必須元素をその吸収率により適当な濃度に溶解させた水溶液(以下、"養液")を用いて作物を栽培する方法を指す。養液栽培は養液と根部分の培地条件を人為的に精度よく調節できるため、生育環境を均一に維持することにより作物の生育条件を最適化できる科学的な栄農技術である。
【0003】
養液栽培は培地の種類に応じて気耕栽培、水耕栽培及び固形培地耕栽培とに分かれる。この中から現在最も広範に使用される固形培地耕栽培は自然土壌の代りに砂、パールライト、岩綿(ロックウール)、砂利、粗糠、薫炭などで作られる固形培地(以下、"培養土")で作物を支えて養液を供給する栽培方法である。
【0004】
従来の固形培地耕栽培設備の一例である韓国特許出願第1992-13535号では、温室内の畦に設けた養液栽培ベッド上に養液ポートを形成し、前記養液ポート毎に養液潅水設備をそれぞれ設けるべきなので設備予算が過多に要求される短所がある。一方、従来の技術の他の例として、韓国特許出願第2000-20483号では格子型水切り口が形成された発泡スチロール製の外容器に内容器を内蔵し、培養土の代りに土を盛って作物を育てる家庭用養液栽培装置が開示されており、韓国実用新案登録出願2001-22173号には養液栽培ベッド上に設けたポートの上部に設けたノズルで養液を散水する技術が開示されている。しかし、前記従来の技術の養液栽培装置では各養液ポート毎に適切な位置に養液散水配管を設置すべき問題点がある。
また、前記従来の技術の養液栽培装置は場所や空間の余裕が足りない施設ハウス内で作物の特性により養液栽培ポートの高さを任意に調節できず、施設ハウス内の天井などによる日照量も均一に調節し難い短所がある。さらに、養液栽培ポートに養液の供給がポート毎になされるので給水と回水が煩わしい問題点がある。
【特許文献1】韓国特許出願第1992-13535号
【特許文献2】韓国特許出願第2000-20483号
【特許文献3】韓国実用新案登録出願2001-22173号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した問題点を解決するための案出されたもので、その目的は構成が簡単であり設置費用が相対的に安価な養液栽培装置及び養液栽培ポートを提供するところにある。
【0006】
本発明の他の目的は、狭い空間でも高集積度で作物を栽培することができ、作物の均一な成長に寄与できる養液栽培装置及び養液栽培ポートを提供するところにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、養液の給水と回収が効率的になされうる養液栽培装置及び養液栽培ポートを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための本発明の積層式養液栽培ポートは、作物を支える培養土を備えた複数個の養液栽培ポートを積層してなる。前記複数個の養液栽培ポートはそれぞれ上部及び下部が開放されたシリンダー状をしており、前記養液栽培ポートの下部には培養土を支える底部網が形成されることにより前記積層式養液栽培ポートの上部から供給された養液が最上部の養液栽培ポートから最下部の養液栽培ポートまで通過されるようにする。前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成される。
前述したように構成された積層式養液栽培ポートは施設ハウスの高さに応じて養液栽培ポートの積層段数を任意に調節することができるため、施設ハウス内の空間の効率的な利用を可能にして作物栽培の高集積化が可能である。
【0009】
本発明の他の側面によれば、積層式養液栽培ポートを構成する複数個の養液栽培ポートは、それぞれ上部が開放され下部が密閉されたシリンダー状をしており、少なくとも一つ以上の養液供給管が前記養液栽培ポートの下部面を貫通して実質的に垂直方向に設けられることにより、複数個の養液栽培ポートの積層時に上下隣接した二つの養液栽培ポートの養液供給管が相互連結されるようにする。前記相互隣接した養液供給管の連結部には養液が養液供給管の外部に流出されうる流出口が設けられる。前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成される。
【0010】
本発明の目的を達成するための養液栽培装置は作物を支える培養土を備えた養液栽培ポートを所定の閉ループ型移動経路に沿って周期的に移動させる移動手段と、前記養液栽培ポートの移動経路上の一地点に設けられ、前記地点を通過する養液栽培ポートに養液を供給する噴射ノズルと、前記養液栽培ポートから排出される養液を回収するための養液回収チャンネルを備える。
【発明の効果】
【0011】
前述したように構成された養液栽培装置は一つの噴射ノズルにより複数個の養液栽培ポートに養液を供給することができないため装置の構成が著しく簡単になる。また、養液栽培ポートが周期的に移動され施設ハウス内で随時に位置を変えるので、作物に入射される日照量が均一に維持され作物の均一な成長を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面に基づき本発明の実施形態をさらに詳述する。しかし、下記の実施形態は例示的なものに過ぎず、決して本発明を制限しようとすることではない。
【0013】
図1の構成図に示したように、本発明の養液栽培装置では複数個の養液栽培ポート1がロープ6によりコンベヤー7上に所定間隔でぶら下げられ所定の閉ループ型移動経路に沿って移動される。施設ハウス内に設けられたコンベヤー7の経路の下方には養液回収チャンネル12が配置される。養液回収チャンネル12は濾過装置9、養液貯蔵タンク8及びポンプ10を経由して養液噴射ノズル11に連結される。養液栽培ポート1から排出された養液は養液回収チャネル12で回収され、ろ過装置9でろ過され養液貯蔵タンク8に貯留される。養液噴射時には、養液貯蔵タンク8に貯留された養液はポンプ10によりポンピングされ、噴射ノズル11を介してその下部を通る養液栽培ポート1に供給される。
図2ないし図6に示した本発明の第1実施形態による養液栽培装置100は複数個の養液栽培ポート1を一定経路上で周期的に移動させるための移動手段と、養液栽培ポート1に養液を供給するための噴射ノズル11及び養液栽培ポート1から排出される養液を回収するための養液回収チャンネル12を備える。
前記養液栽培ポート移動手段は閉ループ型チェーンコンベヤーシステムで構成される。前記チェーンコンベヤーシステムは両端に設けられた二つのチェーンホイール31、31'(駆動側チェーンホイール及び被動側チェーンホイール)と、チェーンホイール31、31'の周辺の歯31aに噛み合うように巻きかけたチェーン33、及び駆動側チェーンホイール31に動力を供給するためのモータ32で構成された動力伝達手段を備える。
【0014】
前記二つのチェーンホイール31、31'はモータ32を装着した横支持台37により相互連結され、前記横支持台37と実質的に並んで延びた二つのC型管34が設置されチェーン33の移動を案内する。また、前記二つのC型管34は所定間隔で配置された複数個の縦支持台35により相互連結される。前記チェーンホイール31、31'と縦支持台35は所定間隔に配された複数個の垂直支持台36によりチェーンコンベヤーシステムの下部に設けられた下部支持台38に固定される。前記下部支持台38にはコンベヤー間隔調節手段が設けられる。
【0015】
前記閉ループ型チェーンコンベヤー100は、図2に示したように、施設ハウス内の空間が許す限り複数個のセットが設けられる。前記複数個のチェーンコンベヤー100の配置方向は養液栽培ポート1の移動方向("Y" 方向)と実質的に垂直な方向("X" 方向)である。このように施設ハウス内に多数個のチェーンコンベヤー100が隣接配置された場合は、相互隣接するチェーンコンベヤー間の間隔(D)を調節する間隔調節手段が設けられる。 前記間隔調節手段はチェーンコンベヤー100を全体として"X"方向に移動させるように構成されている。さらに詳しく説明すれば、施設ハウス内の地盤に"X"方向に複数本のレール41が配置され、チェーンコンベヤー100の下部支持台38の下面には複数個のローラ部材42が設けられる。ローラ部材42はレール41に沿って転がれるように構成される。チェーンコンベヤー100に"X"方向の駆動力を提供するため、ローラ部材42の上部にそれぞれ支持具43を設け、コンベヤーの長さに相応する長さのシャフト44を支持具43に挿入して下部支持台38と並んで配置する。シャフト44の所定位置にシャフトと一体に回転するピニオンギア45が固設され、ピニオンギア45はその下部に配置されたラックギア46と噛み合う。チェーンコンベヤー100の最外側垂直支持台36に固定された支持具49によりハンドル48が支持される。ハンドル48とシャフト38との間にはハンドルの回転力を伝達するギア連結手段47が設けられる。
【0016】
以下、チェーンコンベヤー100上に養液栽培ポート1を装着するための技術手段について説明する。図3及び図4に示したように、本実施形態のチェーンコンベヤーはホイストチェーン33を使用する。すなわち、養液栽培ポート1をチェーンコンベヤー100のホイストチェーン33にかけて装着する。養液栽培ポート1を固定したワイヤロープ4の上端部掛け金6をホイストチェーン100のリングに係着させる。この際、ホイストチェーン33がチェーンホイール31上で巻回する時ワイヤロープ4の掛け金6がチェーンホイール31の外周に形成された歯31aと干渉しないように、チェーンホイール31の歯31aの下方に干渉防止溝31bを形成する。チェーン33の移動を案内するC型管34は下部が開放され、養液栽培ポート1のワイヤロープ4が移動する経路を提供する。
以下、本実施形態による養液栽培装置の作用を説明する。
【0017】
チェーンコンベヤー100のホイストチェーン33上に複数個の養液栽培ポート1を所定間隔で係着する。チェーンコンベヤー100のモータ32を駆動させると、チェーン33が養液栽培ポート1をぶら下げて所定の閉ループ型経路に沿って循環移動する。同時に、養液栽培ポート1の移動経路上の所定位置に設けられた噴射ノズル11を作動させると、その位置に移動された養液栽培ポート1に周期的に養液を供給する。一方、養液栽培ポート1から流出された養液は下部の養液回収チャンネル12により回収される。
【0018】
施設ハウス内の空間の効率的な利用を図るため、多数個のチェーンコンベヤー100を集積配置した場合は相隣接するコンベヤー間の間隔(D)が縮まって作業者の作業空間が足りない。この場合、作業者は間隔調節手段のハンドル48を回転させシャフト44上に固定されたピニオンギア45とラックギア46との相互作用により"X"方向の駆動力を発生させる。これにより、チェーンコンベヤー100の下段に設けられた複数個のローラ部材42がレール41に沿って移動され、チェーンコンベヤー100は全体として"X"方向に移動される。このように作業者はコンベヤー間の間隔(D)を自由に調節することができる。
【0019】
前記実施形態では養液栽培ポートの移動手段としてチェーンコンベヤーが適用されるが、
チェーン電動手段以外にロープ電動手段やベルト電動手段なども使用可能である。また、モータ32が駆動軸チェーンホイール31にだけ動力を伝達するように構成されているが、チェーンコンベヤーの長さが相当に長い場合はさらに円滑な駆動のためにモータ32駆動側チェーンホイール31と被動側チェーンホイール31'に同時に動力を伝達することもできる。本実施形態では作業者が手動でハンドル48を回してコンベヤーを"X"方向に移動させる間隔調節手段が開示されているが、モータなどの動力発生手段を用いて自動にコンベヤーを移動させる養液栽培装置を構成することもできる。また、本発明は動力電圧手段として、前述したラックピニオン結合の他、別の結合構造を使用することができる。
【0020】
図7及び図8に基づき本発明に係る養液栽培装置の第2及び第3実施形態を説明する。
【0021】
図7に示された第2実施形態の養液栽培装置はリンク板をピンで連続結合したチェーン33'を採択したチェーンコンベヤーを使う。特に、本実施形態では多列チェーンを使うことによって、上側に位置した第1列33'aはチェーンの両端に配されたチェーンホイールのスプラケット(図示せず)に噛み合い、下側に位置した第2列33'bは養液栽培ポート1を固定したワイヤロープ4'の上端に固定される。また、本実施形態ではチェーン33'の移動を案内するC型管34'の側面が開放されており、よってワイヤロープ4'もこれに対応するようにU字形に折り曲げられる。
【0022】
図8に示された第3実施例の養液栽培装置はチェーン33"の移動を案内する部材としてI字形ビーム34"を採択する。I字形ビーム34"の両側にはローラ部材51が設けられI字形ビーム34"の長手方向に沿って移動自在に配置される。養液栽培ポート1を固定したロープ4"はローラ部材51に結合される。チェーン33"はローラ部材51と通常の結合手段(図示せず)により結合されることにより、チェーン33"の移動によりローラ部材51が所定の経路に沿って循環移動される。
【0023】
図9ないし図11を参照しながら本発明に係る養液栽培装置の第4実施形態を説明する。
【0024】
本実施形態の養液栽培装置は図2ないし図6に示された実施形態とは違って、循環ループ型チェーンコンベヤー200が地面上に設けられ、チェーンコンベヤーの上部に置かれたパレット201に養液栽培ポート1が安着されパレット201と共に移動する。すなわち、チェーンコンベヤー200は養液栽培ポート1の移動経路に沿って延びたフレーム207と、フレーム207に設けられた2本の案内レール208、案内レール208に沿ってそれぞれ移動し、その上部にパレット201が固定されたローラ202、フレーム207に設けられチェーン203の移動を案内するC型管204、チェーン203とパレット201を相互結合する固定部材209、及び駆動手段(図示せず)により駆動されチェーン203が巻きつけられるチェーンホイール205を備える。
養液栽培ポート1が安着されるパレット201が移動経路の曲線部[図11においてチェーンホイール205が位置した部分]を通る時隣接したパレットに干渉される場合がある。これを防止するためにパレット201は前記曲線部の曲率半径の中心側に向かった部位に円形のチャンファ(chamfer)が形成される。また、パレットの移動時の流動を防止するために相互隣接するパレットを互いに結合するためのリング201bと掛け金201cがパレットの両側に設けられる。
また、フレーム207の一側には溝210が形成され養液栽培ポート1から排出された養液を集水する機能を行なう。 これに関連して、パレット201の外周に沿って溝201aが形成されていて、養液栽培ポート1から流出された養液をパレットの下部のフレームの溝210に流入されるようにする。
【0025】
以下、図12及び図13に基づき本発明に係る養液栽培装置の第5実施形態を説明する。
【0026】
本実施形態の養液栽培装置300は閉ループ形経路に沿って延びたC形フレーム301を備え、フレーム301の内側にはフレーム301と並んで延びた排水管302が設けられる。フレーム301の内部にはそれぞれローラ304を備えた複数個の可動部材303が一定間隔に設けられフレーム301上で移動される。可動部材303は通常の結合方式によりチェーン305と結合されチェーン305の移動により動く。稼働部材303にはほぼ垂直に延びた支持棒306が固定され、後述するパレット307及び養液栽培ポート1を支持する。可動部材303の上部にはパレット307が固設され、パレット307上に養液栽培ポート1が安着される。パレット307と養液栽培ポート1との間にはスラストベアリング308が介在されることにより養液栽培ポートがその位置で自由に回動自在に構成される。従って、養液栽培ポート1の移動中に障害物に出会っても、養液栽培ポート1はスラストベアリング308により自然にピボット回転することにより障害物の妨害を最小化することができる。
【0027】
以下、図14ないし図20を参照しつつ本発明に係る積層式養液栽培ポートの実施形態を詳述する。
【0028】
図14ないし図17に示された第1実施形態の積層式養液栽培ポートは複数個の養液栽培ポート1を積層してなる。それぞれの養液栽培ポート1は上部及び下部が開放された四角断面のシリンダ状をしている。養液栽培ポート1の下部開放部には培養土3を盛るための底部網1dが設置され、養液栽培ポート1の側面には作物生育口1aが形成される。作物生育口1aは作物の種子を培養土3に容易に投入できるようにする機能及び培養土3で育った作物の種子が成長する時その葉っぱ部分が養液栽培ポートの外部に突き出る空間を提供する機能を有する。
養液栽培ポート1の底部網1dの中央にはロープ貫通孔1eが形成される。ロープ貫通孔1eには積層式養液栽培ポートを垂れて固定するワイヤロープ4が通過される。
【0029】
養液栽培ポート1の上部には上端爪1bが形成され、養液栽培ポート1の下部には下端爪1cが形成される。複数個の養液栽培ポートを積層する際上部に位置した養液栽培ポートの下端爪1cが下部に位置した養液栽培ポートの上端爪1bと噛合うようにそのサイズが設定されている。養液栽培ポート1の下端爪1cの外側底部にはポート水切り口1fが設けられる。
【0030】
図15に示したように、積層式養液栽培ポートの最上段に置かれた養液栽培ポートの上部には上部カバー2が装着される。最下段に位置した養液栽培ポートの下部にも前記上部カバー2と同一な形状よりなる下部カバーが装着される。上部カバー及び下部カバー2は養液栽培ポート1に対応する四角形をしており、上部から下部までその断面積が次第に狭くなる漏斗状(ホッパ型)よりなる。上部カバー及び下部カバー2の下部にはカバー網2bが設けられ、カバー網2bの中央にはロープ締結孔2cが形成される。下部カバー2の上部にはその上部に積層される養液栽培ポート1の下端爪1cと結合されるカバー上端縁2aが形成され、上部カバー2の下端にはその下部に積層される養液栽培ポート1の上端爪1bと結合されるカバー下端縁2dが設けられる。カバー上端縁2aにはカバー水切り口2fが形成される。
【0031】
前記上部カバー及び下部カバー2のカバー水切り口2fと養液栽培ポート1のポート水切り口1fは互いに連通されることにより積層された養液栽培ポートの上部から下部に至る経路を提供する。前記経路は養液噴射ノズル11から噴射された養液の中から上部カバー2の漏斗2eの外周面に留まった養液を下方に誘導する機能を果たす。
前述したような構成を有する第1実施形態の積層式養液栽培ポートの作用効果は次の通りである。
【0032】
それぞれ培養土3を入れた複数個(本実施例では四つ)の養液栽培ポート1を順に積層させ、これに上部カバー2と下部カバー2を積層された養液栽培ポート1の上部及び下部にそれぞれ装着する。そして、ワイヤロープ4を養液栽培ポート1のロープ貫通孔1eと上部カバー及び下部カバー2のロープ締結孔2cを通じて貫通させた後、ワイヤロープストッパ5を用いてワイヤロープ4の最下端を下部カバー2に固定する。そして、ワイヤロープ4の上部に設けられた掛け金6を用いて積層式養液栽培ポート1を搬送手段、例えばコンべヤーのチェーン7などに係着させる。
【0033】
このように積層式養液栽培ポートの上部カバー2に噴射ノズルにより噴射された養液は上部カバー網2bを通じて最上段の養液栽培ポート1に流入されることにより、その内部の培養土に植えられた作物に養液を供給し底部網1dを通じて流出される。流出された養液は次の段の養液栽培ポート1に流入される。このような方式を繰り返すことにより多段に積層された養液栽培ポートに全て養液が供給されうる。
【0034】
図18に示された第2実施形態の積層式養液栽培ポートを構成するそれぞれの養液栽培ポート8は作物生育口8aが長方形断面の四つの外側面にそれぞれ形成されている。図19に示された第3実施形態の積層式養液栽培ポートを構成するそれぞれの養液栽培ポート9は四つの作物生育口9aが形成された円形の断面をしている。
本発明の積層式養液栽培ポートは本明細書及び図面に開示された特定形状の養液栽培ポートに限られず、使用条件に応じて多様な形状(例えば、三角形、六角形)の養液栽培ポートを採択できる。養液栽培ポートの側面に形成される作物生育口の個数も作物栽培現場の実情に応じて多様に変更できることは勿論である。
【0035】
以下、図20ないし図22を参照しつつ、本発明に係る積層式養液栽培ポートの第4実施形態を説明する。
第4実施形態の積層式養液栽培ポートは作物を支える培養土30を備えた複数個の養液栽培ポート10を積層してなる。複数個の養液栽培ポート10はそれぞれ上部が開放され、下部が密閉されたシリンダ状を有する。
【0036】
養液栽培ポート10には少なくとも一つの養液供給管13が設けられる。養液供給管13はその下端部が養液栽培ポート10の下部面10aを貫通して実質的に垂直方向に配される。複数個の養液栽培ポートを積層すれば、上下に隣接した二つの養液栽培ポート10の養液供給管13が相互連結される。養液供給管13の下端部にはその断面積が拡大された拡大部13aが形成される。従って、前記拡大部13aと隣接した養液供給管の上端部間の連結部には流出口(図21の矢印部分)が提供され養液供給管に充填された養液が外部に流出されうる。
図22に示したように、二つの相隣接する養液供給管13の上端部と下端部が互いに接触して養液流出口が詰ることを未然に防止するため、養液供給管13の上端部にはその長手方向に複数個の溝13bが形成され、上端部の円周方向に沿って複数個の凹凸部13cが形成される。従って、製作誤差や組立誤差などにより二つの養液供給管が接触しても、養液供給管に充填された養液は凹凸部13c及び溝13bにより形成された間隙に沿って外に流出されうる。
【0037】
最上段の養液栽培ポートの上部には上部カバー11が結合される。上部カバー11は漏斗状よりなり養液栽培ポート10の養液供給管13に対応する部分に養液供給孔11aが形成される。また、上部カバー11の底面に複数個の水切り口11bが形成される。
【0038】
各養液栽培ポート10の下部面10aには少なくとも一つ以上の水切り口10cが形成される。図面符号10bは養液栽培ポート10を相互積層する時その結合位置を設定する係合爪である。
養液栽培ポート10の少なくとも一つ以上の側面には作物生育口10dが形成される。作物生育口10dのサイズは培養土3で成長した作物の葉っぱ部分が養液栽培ポート10の外部に突き出るほどのサイズに設定される。作物生育口10dを限定する外周面10eは上方に緩く傾斜していて作物が上方に自然に生育できるようにする。
【0039】
本実施形態の積層式養液栽培ポートの上方から噴射ノズルなどにより養液が供給されれば、その養液は上部カバー11の養液供給孔11aを介して養液栽培ポート10の養液供給管13に充填される。養液供給管13に充填された養液は流出口を通じて外部に流通されることにより各段の養液栽培ポート10に養液を供給する。供給された養液は養液栽培ポート10の下部面10aに形成された水切り口10cを通じて下部に排出される。
【0040】
本発明に係る積層式養液栽培ポートでは施設ハウスの高さにより養液栽培ポートの段数を任意に調節することができ、養液栽培中には各段を持ち上げて作物の成長過程を観察することができる。従って、施設ハウス内の空間を効率よく利用できるので、作物栽培の高集積化が可能である。
【0041】
本発明に係る養液栽培装置では作物を植えた養液栽培ポートが施設ハウス内で隋時に位置を変えるために、天井などの日を遮る施設を変えなくても作物に入射される日照量が均一に維持され、よって作物の均一な成長に寄与する。
【0042】
また、本発明では養液栽培ポート毎に養液潅水設備を別に設置する必要がないため、設置費が節約される利点がある。養液栽培ポートから流出された養液は養液回数チャンネルによりリサイクルされるため、養液の浪費を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は構成が簡単であり設置費用が相対的に安価な、それから狭い空間でも高集積度で作物を栽培することができ、作物の均一な成長に寄与できる養液栽培装置及び養液栽培ポートに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明に係る養液栽培装置の概略構成図を示す。
【図2】図2は、本発明に係る養液栽培装置の第1実施形態の凹部斜視図を示す。
【図3】図3は、図2の養液栽培装置の平面図を示す。
【図4】図4は、図2の養液栽培装置のチェーンコンベヤーの一部切除斜視図を示す。
【図5】図5は、 図2の養液栽培装置のチェーンコンベヤーの一部切除斜視図を示す。
【図6】図6は、 図2の養液栽培装置の間隔調節手段に対する斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明に係る養液栽培装置の養液栽培ポートの装着構造に対する一実施形態を示した斜視図を示す。
【図8】図8は、本発明に係る養液栽培装置の養液栽培ポートの装着構造に対する他の実施形態を示した斜視図を示す。
【図9】図9は、本発明に係る養液栽培装置のさらに他の実施形態を示した平面図を示す。
【図10】図10は、図9の"A-A"線による断面図を示す。
【図11】図11は、図8の養液栽培装置の一部切除斜視図を示す。
【図12】図12は、本発明に係る養液栽培装置の他の実施形態を示した一部切除斜視図を示す。
【図13】図13は、図12の養液栽培装置の養液栽培ポートの安着構造を示した分解斜視図を示す。
【図14】図14は、本発明に係る積層式養液栽培ポートの一実施形態の斜視図を示す。
【図15】図15は、図14の積層式養液栽培ポートの横断面図を示す。
【図16】図16は、図14の積層式養液栽培ポートを構成するそれぞれの養液栽培ポートを示した斜視図を示す。
【図17】図17は、図14の積層式養液栽培ポートの上部カバーまたは下部カバーに対する斜視図を示す。
【図18】図18は、本発明に係る積層式養液栽培ポートの他の実施例を示した斜視図を示す。
【図19】図19は、本発明に係る積層式養液栽培ポートの他の実施例を示した斜視図を示す。
【図20】図20は、本発明に係る積層式養液栽培ポートのさらに他の実施形態を示した斜視図を示す。
【図21】図21は、図20の養液栽培ポートの横断面図を示す。
【図22】図22は、図20の養液栽培ポートの養液供給管の結合状態を示した分離斜視図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を支える培養土を備えた複数個の養液栽培ポートを積層してなる積層式養液栽培ポートであって、
前記複数個の養液栽培ポートはそれぞれ上部及び下部が開放されたシリンダ状をしており、前記養液栽培ポートの下部には培養土を支える底部網が形成されることにより前記積層式養液栽培ポートの上部から供給された養液が最上部の養液栽培ポートから最下部の養液栽培ポートまで通過されるようにし、
前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成されることを特徴とする積層式養液栽培ポート。
【請求項2】
作物を支える培養土を備えた複数個の養液栽培ポートを積層してなる積層式養液栽培ポートであって、
前記複数個の養液栽培ポートはそれぞれ上部が開放され下部が密閉されたシリンダー状をしており、少なくとも一つ以上の養液供給管が前記養液栽培ポートの下部面を貫通して実質的に垂直方向に設けられることにより、複数個の養液栽培ポートの積層時に上下隣接した二つの養液栽培ポートの養液供給管が相互連結されるようにし、前記相隣接した養液供給管の連結部には養液が養液供給管の外部に流出されうる流出口が設けられ、
前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成されることを特徴とする積層式養液栽培ポート。
【請求項3】
前記作物生育口は培養土で成長した作物の葉っぱ部分が外部に突き出るほどのサイズに設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の積層式養液栽培ポート。
【請求項4】
前記積層式養液栽培ポートの最上段に位置した養液栽培ポートの上部には上部カバーがさらに備えられ、
前記上部カバーは上部から下部まで断面積が次第に縮まる漏斗状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層式養液栽培ポート。
【請求項5】
前記複数個の養液栽培ポート及び前記上部カバーの実質的に中央部にはロープ貫通孔がそれぞれ形成され、
前記ロープ貫通孔を通過して複数個の養液栽培ポートを一体に締結するロープがさらに備えられることを特徴とする請求項1または2に記載の積層式養液栽培ポート。
【請求項6】
作物を支える培養土を備えた養液栽培ポートを所定の閉ループ型移動経路に沿って周期的に移動させる移動手段と、
前記養液栽培ポートの移動経路上の一地点に設けられ前記地点を通過する養液栽培ポートに養液を供給する噴射ノズルと、
前記養液栽培ポートから排出される養液を回収するための養液回収チャンネルを備えることを特徴とする養液栽培装置。
【請求項7】
前記移動手段は養液栽培ポートの移動経路上で地面から所定高さに配列されたチェーンコンベヤーを備え、
前記チェーンコンベヤーに複数個の養液栽培ポートが一定間隔にぶら下げられて搬送されることを特徴とする請求項6に記載の養液栽培装置。
【請求項8】
前記移動手段は養液栽培ポートの移動経路上の地面上に配列されるチェーンコンベヤーを備え、
前記チェーンコンベヤーに一定間隔に配置された複数個のパレット上に養液栽培ポートが安着され搬送されることを特徴とする請求項6に記載の養液栽培装置。
【請求項9】
前記パレットと養液栽培ポートとの間にスラストベアリングが介在され、前記養液栽培ポートがその位置で自由にピボット回動自在になるようになることを特徴とする請求項8に記載の養液栽培装置。
【請求項10】
前記養液栽培装置は前記養液栽培ポートの移動方向と実質的に垂直な方向に配列された少なくとも二つ以上の閉ループ型チェーンコンベヤーを備え、
該相互隣接した閉ループ型チェーンコンベヤー間の間隔を調節する間隔調節手段がさらに設けられることを特徴とする請求項7に記載の養液栽培装置。
【請求項11】
前記間隔調節手段は、
前記養液栽培ポートの移動方向と実質的に垂直な方向に配列された少なくとも一本以上のレールと、前記チェーンコンベヤーを支持し前記レール上で移動可能な少なくとも一つ以上のローラ部材と、
前記チェーンコンベヤーに前記レール方向の駆動力を与える駆動機構を備えることを特徴とする請求項10に記載の養液栽培装置。
【請求項1】
作物を支える培養土を備えた複数個の養液栽培ポートを積層してなる積層式養液栽培ポートであって、
前記複数個の養液栽培ポートはそれぞれ上部及び下部が開放されたシリンダ状をしており、前記養液栽培ポートの下部には培養土を支える底部網が形成されることにより前記積層式養液栽培ポートの上部から供給された養液が最上部の養液栽培ポートから最下部の養液栽培ポートまで通過されるようにし、
前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成されることを特徴とする積層式養液栽培ポート。
【請求項2】
作物を支える培養土を備えた複数個の養液栽培ポートを積層してなる積層式養液栽培ポートであって、
前記複数個の養液栽培ポートはそれぞれ上部が開放され下部が密閉されたシリンダー状をしており、少なくとも一つ以上の養液供給管が前記養液栽培ポートの下部面を貫通して実質的に垂直方向に設けられることにより、複数個の養液栽培ポートの積層時に上下隣接した二つの養液栽培ポートの養液供給管が相互連結されるようにし、前記相隣接した養液供給管の連結部には養液が養液供給管の外部に流出されうる流出口が設けられ、
前記各養液栽培ポートの少なくとも一つ以上の側面には作物生育口が形成されることを特徴とする積層式養液栽培ポート。
【請求項3】
前記作物生育口は培養土で成長した作物の葉っぱ部分が外部に突き出るほどのサイズに設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の積層式養液栽培ポート。
【請求項4】
前記積層式養液栽培ポートの最上段に位置した養液栽培ポートの上部には上部カバーがさらに備えられ、
前記上部カバーは上部から下部まで断面積が次第に縮まる漏斗状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層式養液栽培ポート。
【請求項5】
前記複数個の養液栽培ポート及び前記上部カバーの実質的に中央部にはロープ貫通孔がそれぞれ形成され、
前記ロープ貫通孔を通過して複数個の養液栽培ポートを一体に締結するロープがさらに備えられることを特徴とする請求項1または2に記載の積層式養液栽培ポート。
【請求項6】
作物を支える培養土を備えた養液栽培ポートを所定の閉ループ型移動経路に沿って周期的に移動させる移動手段と、
前記養液栽培ポートの移動経路上の一地点に設けられ前記地点を通過する養液栽培ポートに養液を供給する噴射ノズルと、
前記養液栽培ポートから排出される養液を回収するための養液回収チャンネルを備えることを特徴とする養液栽培装置。
【請求項7】
前記移動手段は養液栽培ポートの移動経路上で地面から所定高さに配列されたチェーンコンベヤーを備え、
前記チェーンコンベヤーに複数個の養液栽培ポートが一定間隔にぶら下げられて搬送されることを特徴とする請求項6に記載の養液栽培装置。
【請求項8】
前記移動手段は養液栽培ポートの移動経路上の地面上に配列されるチェーンコンベヤーを備え、
前記チェーンコンベヤーに一定間隔に配置された複数個のパレット上に養液栽培ポートが安着され搬送されることを特徴とする請求項6に記載の養液栽培装置。
【請求項9】
前記パレットと養液栽培ポートとの間にスラストベアリングが介在され、前記養液栽培ポートがその位置で自由にピボット回動自在になるようになることを特徴とする請求項8に記載の養液栽培装置。
【請求項10】
前記養液栽培装置は前記養液栽培ポートの移動方向と実質的に垂直な方向に配列された少なくとも二つ以上の閉ループ型チェーンコンベヤーを備え、
該相互隣接した閉ループ型チェーンコンベヤー間の間隔を調節する間隔調節手段がさらに設けられることを特徴とする請求項7に記載の養液栽培装置。
【請求項11】
前記間隔調節手段は、
前記養液栽培ポートの移動方向と実質的に垂直な方向に配列された少なくとも一本以上のレールと、前記チェーンコンベヤーを支持し前記レール上で移動可能な少なくとも一つ以上のローラ部材と、
前記チェーンコンベヤーに前記レール方向の駆動力を与える駆動機構を備えることを特徴とする請求項10に記載の養液栽培装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2006−507848(P2006−507848A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510299(P2005−510299)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002567
【国際公開番号】WO2004/047521
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505194930)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002567
【国際公開番号】WO2004/047521
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505194930)
【Fターム(参考)】
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