高量子効率シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物を用いた光導波路および光増幅方法
【課題】シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた導波路およびシリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた光増幅方法を提供する。
【解決手段】本発明は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法を提供する。本発明の光増幅方法は、10%を越える量子効率を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する。シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路には、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号が供給される。シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源によって励起される。その結果。第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有する光出力信号が生成する。例えば、第3パワーは、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路ストライプの長さに応じて増加する。
【解決手段】本発明は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法を提供する。本発明の光増幅方法は、10%を越える量子効率を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する。シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路には、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号が供給される。シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源によって励起される。その結果。第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有する光出力信号が生成する。例えば、第3パワーは、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路ストライプの長さに応じて増加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として光学装置(optical device)に関し、より詳細には、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた高量子効率光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ結晶シリコンのユニークな構造特性、電気特性、および光学特性は、光電子デバイスおよび集積記憶装置で用いると利益をもたらす。シリコンは、加工技術が発達しているため、光学装置の製造に選択される材料である。しかし、間接的なバンドギャップは、発光装置にとって、非効率な物質である。何年にもわたる様々な研究開発活動は、シリコンベース発光光電子を実現するために、シリコンの光機能を調整することに照準を合わせられてきた。室温での効率的な発光の実現は、全てのシリコンベースオプトエレクトロニクスの実現に向かう重要なステップである。
【0003】
安定で信頼性のある光電子デバイスには、高いフォトルミネッセンス(PL)およびエレクトロルミネッセンス(EL)量子効率を有するシリコンナノ結晶が要求される。集積化光電子デバイスを積極的に進めるための1つのアプローチは、シリコンナノ結晶が埋め込まれたシリコン酸化薄膜(SiOx薄膜:x≦2)を製造することである。正孔対の再結合による発光は、ナノ結晶サイズによって大きく異なるシリコンナノ結晶に制限される。ナノ結晶シリコンを含有するSiOx薄膜の電気特性および光学特性は、シリコンナノ結晶のサイズ、濃度、および濃度分布によって異なる。容量結合プラズマ源を用いるプラズマ化学気相堆積法(PECVD)などの種々の薄膜堆積技術が、安定で信頼性のあるナノ結晶シリコン薄膜の製造のために、研究されている。
【0004】
しかし、従来のPECVDおよびスパッタリング技術は、低プラズマ密度、プラズマに結合する非効率な電力、低いイオン/中和比(low ion/neutral ratio)、および制御されないバルク、並びに高イオン衝撃エネルギーによる界面損傷などの制約を受ける。従って、プラズマを発生させる従来の容量結合プラズマ(CCP)によって形成された酸化膜は、衝突イオン種の高イオン衝撃エネルギーによる信頼性の問題を引き起こす可能性がある。任意のプラズマから生じるバルクまたは界面損傷を制御することまたは最低限に抑えることが重要である。しかし、プラズマを発生させるCCPの高周波を利用して、イオンエネルギーを制御することはできない。適用される電力を増加させることによって反応速度を増加させる試みは、堆積フィルムの衝撃を増加させ、高い欠陥濃度を有する低品質なフィルムを生じさせる結果となる。
【0005】
堆積処理は、スパッタリング,PECVD等の従来のプラズマに基づく方法よりも広範囲の処理および増強されたプラズマ特性を与える。堆積処理には、PL/ELベースの装置開発のために、粒子の生成および粒子サイズの制御が求められる。プラズマ密度を高め、プラズマ衝撃を最小化し得るプロセスは、プラズマにより生じる微細構造の損傷なしに、高品質フィルムを確実に成長させることができる。また、界面の制御と膜のバルク品質とを独立して与え得る処理は、高性能および高信頼性の電子機器を確実に製造することができる。活性プラズマ種、ラジカル、およびイオンを効率的に発生させることのできるプラズマ処理は、プロセス制御および特性制御によって、高品質薄膜開発を可能とする。
【0006】
高品質のSiOx薄膜を製造するためには、シリコンナノ結晶粒子上に高品質の絶縁層を確保するために、成長中の膜の酸化も極めて重要である。高濃度で活性酸化ラジカルを生成し得る処理は、酸化物マトリクス内のシリコンナノ粒子の効率的な不動態化を確実にすることができる。プラズマによって誘発される損傷を最小限とするプラズマ処理は、高品質な装置の製造に重要な高品質の界面を形成することが可能となる。低熱量での効率的な酸化処理および水素化処理は、高品質な光電子デバイスの処理に非常に重要であり、大きな意義があるものとなる。高温での熱処理は、他の素子層を干渉し得る。また、熱活性種は反応性が低いため、効率および熱量の観点から適切ではない。
【0007】
さらに、高品質なフィルムの形成/堆積、構造、酸化、水素化、粒子の生成、粒子サイズの制御、プラズマ密度およびイオンエネルギーの独立制御、および、広面積処理の点において、より全面的な解決策および可能性を提供できるプラズマ処理が、高性能な光電子デバイスの開発に求められる。
【0008】
また、種々のプラズマ条件が、薄膜の特性および目的の用途に応じて要求される薄膜の品質に影響を及ぼすように、プラズマ処理を薄膜フィルムの特性に関連付けることも重要である。目的の用途に応じた重要なプラズマ特性および薄膜特性のいくつかは、堆積比率、基板温度、熱量、密度、微細構造、界面の品質、不純物、プラズマにより生じる損傷、活性種(ラジカル/イオン)を発生させるプラズマ状態、プラズマ電位、処理、システム(系)の規模、電気特性および電気的信頼性である。
【0009】
また、薄膜の品質を評価するために非常に重要なこれらの特性同士の相関関係は、プロセスマップが目的の用途に応じたフィルムの品質に影響を及ぼす。プロセスマップに応じて別々に関連付けられる、プラズマエネルギー、組成(イオンに対するラジカルの割合)、システム(系)の圧力、プラズマ電位、電子温度、および、温度状態などの低密度プラズマシステム(系)または他の高密度プラズマシステム(系)において、単に処理を拡張発展させるだけでは、薄膜を研究し、または、発展させることはできない。
【0010】
透明ガラス、石英、プラスチック基板上に形成される大規模デバイスである、液晶ディスプレイ(LCD)の製造は、一般的に低温処理されることが望ましい。これらの透明基板は、650℃を超える温度に晒されると損傷を受ける。このような温度の問題を解決するために、低温でのSiの酸化処理が開発されている。低温でのSiの酸化処理では、誘導結合プラズマ(ICP)源などの高密度プラズマ源が用いられ、1200℃の化学酸化法に匹敵する品質のSi酸化物を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許公報US2006/0211267号公報(2006年9月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、フォトルミネッセンス(PL)量子効率(QE)は、低波長での吸収光子量に対する長波長での放出光子量の割合として定義される。フォトルミネッセンス(PL)量子効率(QE)は、膜または装置の光変換効率の単位である。物質による吸収エネルギーは、励起波長の一部であるので、光子エネルギーは、波長に反比例する。QEは、装置効率を特徴付けるために、一連の波長以上になることもある。
【0013】
従って、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜を用いて高量子効率導波路デバイスを製造することは有用である。
【0014】
本発明は、その目的は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた導波路および光増幅方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の光増幅方法は、上記の課題を解決するために、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法であって、
シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する工程、
上記シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する工程、
250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源により、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程、および、
第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を生成する工程とを含むことを特徴としている。
【0016】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、厚さ400μm〜1000nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成してもよい。
【0017】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成し、
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を光源にさらし、
光出力信号を生成する工程では、上記SiOxストライプ長の増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成してもよい。
【0018】
本発明の光増幅方法では、光出力信号を生成する工程では、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成してもよい。
【0019】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に光入力信号を供給する工程では、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、第1半値全幅未満の第2半値全幅(第2FWHM)を有する光出力信号を生成してもよい。
【0020】
本発明の光増幅方法では、光入力信号を供給する工程では、100nmの第1FWHMを有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、25nmの第2FWHMを有する光出力信号を生成してもよい。
【0021】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅のある導波路を形成し、
第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成してもよい。
【0022】
本発明の光増幅方法では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得を有する光出力信号を生成してもよい。
【0023】
本発明の光増幅方法では、線形利得を有する光出力信号を生成する工程では、下記(a)および(b)からなる群より選択される線形利得を有する光出力信号を生成してもよい。
(a)50μmのストライプ幅、および、1μm〜400μmのストライプ長に対し、137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
(b)500μmのストライプ幅、および、0〜3000μmのストライプ長に対し、13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【0024】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成してもよい。
【0025】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積させてもよい。
【0026】
本発明の光増幅方法では、HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、HDPECVD処理後、SiOx堆積,アニール処理,SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶の組込みを含んでもよい。
【0027】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程は、以下の工程を含んでもよい。
・20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入する工程
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入する工程
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極に供給する工程
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極に供給する工程。
【0028】
本発明の光増幅方法では、SiOxストライプのアニール処理は、500〜1100℃で、10分〜120分間のアニール処理を行ってもよい。
【0029】
本発明の光増幅方法では、HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程では、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用してもよい。
【0030】
本発明の光増幅方法では、アニール処理に応じた、SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶を組み込む工程では、直径2nm〜10nmのシリコンナノ結晶を形成してもよい。
【0031】
本発明の導波路は、上記の課題を解決するために、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路であって、光学指数を有する底部基板と、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプとを備え、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、底部基板を覆っており、上部基板および底部基板よりも大きい光学指数を有すると共に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる第2界面、および第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する第3界面を有する導波路。
【0032】
本発明の導波路は、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの厚さは、400μm〜1000nmであってもよい。
【0033】
本発明の導波路は、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路が、1.58〜1.75の光学指数を有してもよい。
【0034】
本発明の導波路は、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、50μm〜500μmのストライプ幅を有してもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた高量子効率の導波路、および、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた光増幅方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)導波路の部分断面図である。
【図2】誘導結合プラズマ源を用いた高密度プラズマ(HDP)システム概略図である。
【図3】シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜(SiOx)導波路および波長(λ)が720nmで動作のサポートモードを示す図である。
【図4】VSL法(Variable Stripe Length Method)による測定のための実験装置を示す図である。
【図5】図5は、固定のストライプ長(ストライプ長:2000μm)に対し、種々の電力で光励起された導波路の狭発光スペクトルを示すグラフである。
【図6A】固定励起パワーでのストライプ長に対する発光スペクトル強度を示すグラフである。
【図6B】固定励起パワーでのストライプ長に対する発光スペクトル強度を示すグラフである。
【図6C】固定励起パワーでのストライプ長に対する発光スペクトル強度を示すグラフである。
【図7】光回路用途に集積された光励起されたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路増幅器を示す図である。
【図8】高SNR(シグナルノイズ比)用途のために、光検出器の前に光学的前置増幅器として用いたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を設置して構成した検出モジュールを示す図である。
【図9】シリコンナノ結晶を含むSiOx膜マイクロディスク導波路を示す概略図である。
【図10】高反射隆起エッジミラーを備えたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を示す図である。
【図11】シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を用いた光増幅方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では、750nm付近の波長に対する利得材料として、新開発の高量子効率シリコンナノ結晶を含むSiOx膜を用いた光導波路増幅器について説明する。吸収および散乱による光信号の強度減少は、システム性能の悪化につながる。本発明の導波路は、長距離光信号伝搬を実現できると共に、光学系設計内の電力量を増加させることができる。本発明の導波路では、導波モードの膜厚が約600nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx膜が、基板と空気との間に挟持されていてもよい。光導波路理論に基づく計算では、この膜厚では、1つのTEモードと1つのTMモードとをサポートする。
【0038】
シリコンナノ結晶を含むSiOx膜は、光励起されると、超高量子効率を示す。新型増幅器の利得は、一般的に容認されたVSL(variable stripe length)法により測定することができる。この測定時には、導波路の発光スペクトルが明らかに狭くなること観測される。例えば、390nmで光励起した場合、バンド幅が30nm,750nmに中心がある130程度の利得が見られる。
【0039】
このような光励起型導波路増幅器は、集積光回路間の通信に利用することができる。また、この導波路は、検出限界を超えた信号レベルを高めるための増幅器として、光検出器(特に、アモルファスシリコン(α−Si)ベース光検出器)の前方に使用し、750nmを超える遮断波長以上の検出を高めることもできる。
【0040】
このように、本発明によれば、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を用いた光導波路を提供することができる。すなわち、本発明の光導波路の製造方法は、10%以上の量子効率のシリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)を製造する。ここで、光入力信号は、700nm〜950nmの第1波長で第1パワーを有し、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に供給される。シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、250nm〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源によって励起される。その結果、第1パワーよりも大きい第3パワーを有する光出力信号が生成する。第3パワーは、上記導波路のストライプ長さに応じて、増加してもよい。
【0041】
一方、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって形成してもよい。具体的には、HDPECVDプロセスによりSiOxストライプを堆積した後、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプをアニール処理し、SiOxストライプにシリコンナノ結晶を組み込む。これにより、直径約2nm〜10nmのシリコンナノ結晶が形成される。HDPECVDプロセスは、例えば、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3のより高いプラズマ密度を使用する。
【0042】
以下、上記の方法およびシリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物導波路について詳細に説明する。
【0043】
図1は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)導波路の部分断面図である。導波路100は、光学指数を有する底部基板102を備えている。例えば、底部基板102は、二酸化シリコンであってもよい。底部基板102上には、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプ104が形成されている。シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、その下にある底部基板102の光学指数よりも、大きな光学指数を有している。さらに、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面106を有している。典型的には、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104(導波路100)は、約1.58〜1.75の光学指数を有している。
【0044】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、第2界面108および第3界面を有する。第2界面108は、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる。第3界面110は、第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する。シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104の厚さ112は、約400μm〜1000nmである。シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、約50μm〜500μmのストライプ幅(図示せず)およびストライプ長116を有する。
【0045】
〔機能の説明〕
上述した高利得導波路増幅器は、750nm近辺の波長で約50nmの動作幅を有する高量子効率シリコン過剰のシリコン酸化物材料を用いて製造される。SiOx薄膜導波路は、48%程度の量子効率を有する高品質の薄膜を製造するHDPCVD(高密度プラズマ化学気相堆積法)プロセスを用いて堆積される。
【0046】
図2は、誘導結合プラズマ源を用いた高密度プラズマ(HDP)システム概略図である。図2のシステムは、シリコンナノ結晶を含むSiOxを堆積するためのHDPECVDプロセスを実現するために利用できるシステムの一例である。上部電極1は、高周波(RF)電源2によって駆動され、下部電極3は、低周波電源4によって駆動される。高周波電力は、高密度誘導結合型プラズマ(ICP)源(高周波電源2)から、マッチング回路5および高域フィルタ7を介して、上部電極1に連結されている。低域フィルタ9および整合変成器11を介する下部電極3に対する電力は、上部電極1とは独立して変えることができる。上部電極1に供給される電力周波数は、ICP設計に基づき、約13.56MHz〜約300MHzとすることができる。下部電極3に供給される電力周波数は、イオンエネルギーを制御するために、約50KHz〜約13.56MHzとすることができる。圧力は、500mTorr以下とすることができる。上部電極1に供給される電力は、約10W/cm2とし、下部電極3に電力は、約3W/cm2とすることができる。
【0047】
HDPシステムの興味深い特徴の1つは、プラズマにさらされた誘導コイルがなく、供給源に生じる不純物を取り除く。また、HDPシステムでは、上部電極1および下部電極3に対する電力制御を、独立して行うことができる。上部電極1および下部電極3はプラズマにさらされていないので、可変コンデンサを用いてHDPシステム本体の電位を調節する必要はない。つまり、上部電極1および下部電極3間のクロストークは無く、プラズマ電位は低く、通常20V未満である。HDPシステムの電位は、フロートタイプの電位であり、システム設計および電力結合の作用に基づいている。
【0048】
HDPシステムにおけるHDP手段は、1×1011cm−3よりも大きい電子濃度を有し、10eV未満の電子温度を有する、真の高密度プラズマプロセスである。しかも、HDPシステムは、多くの高密度プラズマシステム、および、容量結合形プラズマ手段のような従来の設計のように、上部電極1に接続されたコンデンサとシステム本体と間に、異なるバイアスを維持する必要はない。また、上述のように、上部電極1に高周波(RF)電力が供給され、下部電極3には低周波(LF)電力が供給される。
【0049】
図3は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜(SiOx)導波路および波長(λ)が720nmで動作のサポートモードを示す図である。このモードは、対応するTE軌跡およびTM軌跡に、軌跡1が交差している。シリコンナノ結晶を含むSiOx膜(n1=1.64の光学指数を有する)は、上部媒体として、大気(n=1)と共に石英(n2=1.46)上に堆積されている。光導波路理論に基づく計算では、800nm付近の波長でサポートされないモード以下に、厚さの限界が存在する。図3のように、厚さ600nmの導波路には、ある横電波(TE)モードまたは垂直偏波(TM)モードが、指数が対照的な導波を得るために支援する。厚さ600nmの導波路は、高量子効率のために最適化されたプロセスウインドウを用いた上述したHDPCVDプロセスによって製造される。実質的には、厚さのばらつきによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、800nm付近の波長で動作する少数のモードをサポートする。
【0050】
図4は、VSL法(Variable Stripe Length Method)の実験装置を示す図である。ストライプは、ビーム拡大平行レンズを経た、円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)によって形成される。VSL法の測定は、ポンプ光を取り除くために、長波長帯で行った。図4のように、レーザビーム(390nmでチタン:サファイアフェムト秒レーザにおける第2高長波から生成)は、β−ホウ酸バリウム(β−BaB2O4)結晶を経た後、通常の円形レンズによって拡大され平行になる。その後、拡大されたビームは、シリンドリカルレンズと一直線となり、測定波長において必要なストライプ長(l)が形成される。理論的には、純利得(gmod)がある場合、増幅した自然発光の測定強度IASEは、下記の(1)式で示される。
式(1) IASE=Jsp/gmod(exp(gmod×l)−1)。
【0051】
導波路では、利得(gmod)は、利得ストライプ長(l)の関数として、測定強度データを当てはめることによって推定できる。
【0052】
図5は、固定のストライプ長(ストライプ長:2000μm)に対し、種々の電力で光励起された導波路の狭発光スペクトルを示すグラフである。図5には、発光スペクトルが、励起強度の増加につれて狭くなることが明確に示されている。発光スペクトルが狭くなる現象は、試料が自然発光の閾値以上に励起された場合に増幅した自然発光(ASE)がもたらした直接の結果である。図5のように、ストライプ長が2000μmに固定されたストライプでは、励起強度の増加につれて、より強い発光を示す。同様に、発光スペクトルは、>100nm〜25nmを変動する半値全幅(FWHM)と共に狭くなる。全集光を用いて利得を測定するよりも、ストライプ長の関数としてスペクトル強度ピークを用いて利得を測定することが重要である。全集光を用いて利得を測定した場合、多くの散光が含まれる。
【0053】
図6A〜図6Cは、固定の励起パワーにおけるストライプに対する、発光スペクトル強度を示すグラフである。図6Aでは、励起パワーは300μWである。図6Aには、発光スペクトルピークは、ストライプ長に応じて増加することが明確に示されている。発光スペクトルは、増幅した自然発光により、半値全幅(FWHM)が100nmから27nmまで狭くなる。
【0054】
図6Bでは、発光ピーク強度が、ストライプ長の関数として示される。明りょうな閾値の挙動が、励起されたストライプに従って、増幅した自然発光の直接の結果として観察される。破線は、光利得のない場合の閾値の挙動を示している。光利得のない場合の閾値は、ストライプ長と共に直線的に増加すると見込まれる。
【0055】
図6Cは、500μmおよび50μmの幅で励起したストライプを比較したグラフである。この場合の利得は、IASEとして対応するスペクトルピークを上記(1)式に当てはめることによって推定される。ストライプ幅が50μmである場合の利得は、135/cmにまで増加し、約350μm以上のストライプ長で飽和状態となる。この利得は、これまで知られた光利得の中で最も高い。
【0056】
図7は、光回路用途に集積された光励起されたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路増幅器を示す図である。信号は、検出器に入る前に利得を得るため、信号伝搬が高められる。
【0057】
図8は、高SNR(シグナルノイズ比)用途のために、光検出器(PIN光検出器)101の前に光学的前置増幅器として用いたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路100を設置して構成した検出モジュールを示す図である。
【0058】
図9は、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜マイクロディスク導波路を示す概略図である。活性媒体としてシリコンナノ結晶を含むSiOx膜を用いたレーザ作用に加えて、例えば、高線質係数のマイクロディスクおよび光子キャビティなどの適当な光キャビティデザインを付加してもよい。図9のように、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜は、マイクロディスク内部に形成される。導波路は、臨界結合付近に達するために、マイクロディスクに非常に近接して配置することができる。結合励起光は、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜によって徐々に吸収されるので、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜は、上述したように光利得と共に徐々に増幅される。マイクロディスクの線質係数は、利得が損失を十分に越える程度に十分高い場合、レーザ作用を生じる。
【0059】
図10は、高反射隆起エッジミラーを備えたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を示す図である。図10には、起こり得る2つの励起の仕組みが示されている。一方は、頂部(上面)での励起であり、他方は縁部(端面)での励起である。上記ミラーは、金コーティングまたは他の多層膜からなる誘電体コーティングによって形成することができる。
【0060】
図11は、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を用いた光増幅方法を示すフローチャートである。図11に示す方法は、明確にするため、各工程に通し番号を付しているが、付された番号は工程の順番を示すものではない。つまり、当然のことながら、図中の工程のうち、一部の工程を省略してもよいし、同時に行ってもよいし、正確な順序を維持せずに行ってもよい。図11の方法は、ステップ1100(S1100)から開始する。
【0061】
まず、S1102では、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2未満)導波路を形成(準備)する。S1104では、シリコンナノ結晶を含むSiOxに、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する。S1106では、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxを励起する。S1108では、第1波長で第1パワーより大きい第3パワーを有する光出力信号を生成する。この光出力信号は、10%を越える量子効率を有する。
【0062】
実施の一形態では、S1102において、厚さ約400nm〜1000nm,約1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成してもよい。また、別の形態では、S1102のシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路の形成には、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路の形成が含まれるので、S1106では、光源(励起源)に、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路のストライプ長がさらされる。その結果、S1108の光出力信号の生成には、SiOxストライプ長の増加に応じて増加した第3パワーを有する光出力信号の生成が含まれる。同様に、第3パワーは、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて、増加する。
【0063】
別の形態では、S1104のシリコンナノ結晶を含むSiOxへの光入力信号の供給には、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号の供給が含まれる。その結果、S1108の光出力信号の生成には、第1FWHM未満の第2FWMHを有する光出力信号の生成が含まれる。例えば、S1104において約100nmの第1FWHMの光入力信号を供給する場合、S1108では約25nmの第2FWHMの光出力信号を生成する。
【0064】
同様に、S1102において幅のあるシリコンナノ結晶を含むSiOxの形成すれば、S1108ではストライプ長およびストライプ幅に応じた光出力信号を生成する。S1108では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得(lenear power)を有する光出力信号を生成する。例えば、S1108では、約50μmのストライプ幅、および、約1μm〜400μmのストライプ長に対し、約137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。別の例では、S1108では、約500μmのストライプ幅、および、約0〜3000μmのストライプ長に対し、約13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【0065】
別の形態では、S1102のシリコンナノ結晶を含むSiOxの形成には、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ堆積させることが含まれる。HDPECVDプロセスは、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用する。HDPECVDプロセスは、SiOxストライプを堆積する。その後、アニール処理することにより、シリコンナノ結晶が、SiOxストライプに組み込まれる。つまり、アニールの結果、シリコンナノ結晶サイズが、増加する。
【0066】
より具体的には、HDPECVDプロセスによるシリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの堆積は、以下のステップを含んでいてもよい。
・約20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入するステップ
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入するステップ
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、約1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極(図2参照)に供給するステップ
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、約1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極(図2参照)に供給するステップ。
【0067】
実施の一形態では、SiOxストライプのアニール処理は、約500〜1100℃で、約10分〜120分間のアニール処理を含んでいてもよい。これにより、例えば、アニール処理によって、直径約2nm〜10nmのシリコンナノ結晶が形成される。
【0068】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路の製造方法および実施方法は、上述の通りである。上記導波管の構造の細部、および、製造工程の詳細は、本発明を説明するための例示である。しかし、本発明は、上述の例に何ら限定されるものではない。また、当業者であれば、別の変形例および形態を想起するであろう。
【0069】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
本発明は、以下のように表現することもできる。
〔1〕シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法であって、
シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する工程、
上記シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する工程、
250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源により、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程、および、
第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を生成する工程とを含む光増幅方法。
【0071】
〔2〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、厚さ約400μm〜1000nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0072】
〔3〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成し、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を光源にさらし、光出力信号を生成する工程では、上記SiOxストライプ長の増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0073】
〔4〕光出力信号を生成する工程では、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0074】
〔5〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に光入力信号を供給する工程では、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号を供給し、光出力信号を生成する工程では、第1半値全幅未満の第2半値全幅(第2FWHM)を有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0075】
〔6〕光入力信号を供給する工程では、約100nmの第1FWHMを有する光入力信号を供給し、光出力信号を生成する工程では、約25nmの第2FWHMを有する光出力信号を生成する上記〔5〕に記載の光増幅方法。すなわち、上記〔5〕の光増幅方法において、第1FWHMが約100nmであり、第2FWHMが約25nmである。
【0076】
〔7〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅のある導波路を形成し、第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0077】
〔8〕ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得(lenear power)を有する光出力信号を生成する上記〔7〕に記載の光増幅方法。
【0078】
〔9〕線形利得(lenear power)を有する光出力信号を生成する工程では、下記(a)および(b)からなる群より選択される線形利得を有する光出力信号を生成する上記〔8〕に記載の光増幅方法。
(a)約50μmのストライプ幅、および、約1μm〜400μmのストライプ長に対し、約137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
(b)約500μmのストライプ幅、および、約0〜3000μmのストライプ長に対し、約13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【0079】
〔10〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、約1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0080】
〔11〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積させる上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0081】
〔12〕HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、HDPECVD処理後、SiOx堆積,アニール処理,SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶の組込みを含む上記〔11〕に記載の光増幅方法。
【0082】
〔13〕シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程は、以下の工程を含む上記〔12〕に記載の光増幅方法。
・約20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入する工程
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入する工程
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、約1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極(図2参照)に供給する工程
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、約1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極(図2参照)に供給する工程。
【0083】
〔14〕SiOxストライプのアニール処理は、約500〜1100℃で、約10分〜120分間のアニール処理を行う上記〔13〕に記載の光増幅方法。
【0084】
〔15〕HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程では、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用する上記〔11〕に記載の光増幅方法。
【0085】
〔16〕アニール処理に応じた、SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶を組み込む工程では、直径約2nm〜10nmのシリコンナノ結晶を形成する上記〔12〕に記載の光増幅方法。
【0086】
〔17〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路であって、光学指数を有する底部基板と、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプとを備え、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、底部基板を覆っており、上部基板および底部基板よりも大きい光学指数を有すると共に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる第2界面、および第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する第3界面を有する導波路。
【0087】
〔18〕シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの厚さは、約400μm〜1000nmである上記〔17〕に記載の導波路。
【0088】
〔19〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、約1.58〜1.75の光学指数を有する上記〔17〕に記載の導波路。
【0089】
〔20〕シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、約50μm〜500μmのストライプ幅を有する上記〔17〕に記載の導波路。
【0090】
〔関連出願〕
本願は、Huang等により発明された米国特許出願第12/197,045(2008年8月22日出願)の一部継続出願(CIP出願)である。米国特許出願第12/197,045は、Huang等により発明された米国特許出願第12/126,430(2008年5月23日出願)の一部継続出願である。米国特許出願第12/126,430は、以下の出願の一部継続出願である。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/418,273(2006年5月4日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/327,612(2006年1月6日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/013,605(2004年12月15日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第10/801,377(2004年3月15日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/139,726(2005年5月26日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第10/871,939(2004年6月17日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第10/801,374(2004年3月15日出願)。
上述の全ての出願が、本願の参考文献として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る導波路は、特に高い光ルミネセンス量子効率を有するため、安定性および信頼性に優れている。したがって、発光素子を用いる分野にて利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
100 導波路(シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路)
104 SiOxストライプ
106 第1界面
108 第2界面
110 第3界面
116 ストライプ長
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として光学装置(optical device)に関し、より詳細には、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた高量子効率光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ結晶シリコンのユニークな構造特性、電気特性、および光学特性は、光電子デバイスおよび集積記憶装置で用いると利益をもたらす。シリコンは、加工技術が発達しているため、光学装置の製造に選択される材料である。しかし、間接的なバンドギャップは、発光装置にとって、非効率な物質である。何年にもわたる様々な研究開発活動は、シリコンベース発光光電子を実現するために、シリコンの光機能を調整することに照準を合わせられてきた。室温での効率的な発光の実現は、全てのシリコンベースオプトエレクトロニクスの実現に向かう重要なステップである。
【0003】
安定で信頼性のある光電子デバイスには、高いフォトルミネッセンス(PL)およびエレクトロルミネッセンス(EL)量子効率を有するシリコンナノ結晶が要求される。集積化光電子デバイスを積極的に進めるための1つのアプローチは、シリコンナノ結晶が埋め込まれたシリコン酸化薄膜(SiOx薄膜:x≦2)を製造することである。正孔対の再結合による発光は、ナノ結晶サイズによって大きく異なるシリコンナノ結晶に制限される。ナノ結晶シリコンを含有するSiOx薄膜の電気特性および光学特性は、シリコンナノ結晶のサイズ、濃度、および濃度分布によって異なる。容量結合プラズマ源を用いるプラズマ化学気相堆積法(PECVD)などの種々の薄膜堆積技術が、安定で信頼性のあるナノ結晶シリコン薄膜の製造のために、研究されている。
【0004】
しかし、従来のPECVDおよびスパッタリング技術は、低プラズマ密度、プラズマに結合する非効率な電力、低いイオン/中和比(low ion/neutral ratio)、および制御されないバルク、並びに高イオン衝撃エネルギーによる界面損傷などの制約を受ける。従って、プラズマを発生させる従来の容量結合プラズマ(CCP)によって形成された酸化膜は、衝突イオン種の高イオン衝撃エネルギーによる信頼性の問題を引き起こす可能性がある。任意のプラズマから生じるバルクまたは界面損傷を制御することまたは最低限に抑えることが重要である。しかし、プラズマを発生させるCCPの高周波を利用して、イオンエネルギーを制御することはできない。適用される電力を増加させることによって反応速度を増加させる試みは、堆積フィルムの衝撃を増加させ、高い欠陥濃度を有する低品質なフィルムを生じさせる結果となる。
【0005】
堆積処理は、スパッタリング,PECVD等の従来のプラズマに基づく方法よりも広範囲の処理および増強されたプラズマ特性を与える。堆積処理には、PL/ELベースの装置開発のために、粒子の生成および粒子サイズの制御が求められる。プラズマ密度を高め、プラズマ衝撃を最小化し得るプロセスは、プラズマにより生じる微細構造の損傷なしに、高品質フィルムを確実に成長させることができる。また、界面の制御と膜のバルク品質とを独立して与え得る処理は、高性能および高信頼性の電子機器を確実に製造することができる。活性プラズマ種、ラジカル、およびイオンを効率的に発生させることのできるプラズマ処理は、プロセス制御および特性制御によって、高品質薄膜開発を可能とする。
【0006】
高品質のSiOx薄膜を製造するためには、シリコンナノ結晶粒子上に高品質の絶縁層を確保するために、成長中の膜の酸化も極めて重要である。高濃度で活性酸化ラジカルを生成し得る処理は、酸化物マトリクス内のシリコンナノ粒子の効率的な不動態化を確実にすることができる。プラズマによって誘発される損傷を最小限とするプラズマ処理は、高品質な装置の製造に重要な高品質の界面を形成することが可能となる。低熱量での効率的な酸化処理および水素化処理は、高品質な光電子デバイスの処理に非常に重要であり、大きな意義があるものとなる。高温での熱処理は、他の素子層を干渉し得る。また、熱活性種は反応性が低いため、効率および熱量の観点から適切ではない。
【0007】
さらに、高品質なフィルムの形成/堆積、構造、酸化、水素化、粒子の生成、粒子サイズの制御、プラズマ密度およびイオンエネルギーの独立制御、および、広面積処理の点において、より全面的な解決策および可能性を提供できるプラズマ処理が、高性能な光電子デバイスの開発に求められる。
【0008】
また、種々のプラズマ条件が、薄膜の特性および目的の用途に応じて要求される薄膜の品質に影響を及ぼすように、プラズマ処理を薄膜フィルムの特性に関連付けることも重要である。目的の用途に応じた重要なプラズマ特性および薄膜特性のいくつかは、堆積比率、基板温度、熱量、密度、微細構造、界面の品質、不純物、プラズマにより生じる損傷、活性種(ラジカル/イオン)を発生させるプラズマ状態、プラズマ電位、処理、システム(系)の規模、電気特性および電気的信頼性である。
【0009】
また、薄膜の品質を評価するために非常に重要なこれらの特性同士の相関関係は、プロセスマップが目的の用途に応じたフィルムの品質に影響を及ぼす。プロセスマップに応じて別々に関連付けられる、プラズマエネルギー、組成(イオンに対するラジカルの割合)、システム(系)の圧力、プラズマ電位、電子温度、および、温度状態などの低密度プラズマシステム(系)または他の高密度プラズマシステム(系)において、単に処理を拡張発展させるだけでは、薄膜を研究し、または、発展させることはできない。
【0010】
透明ガラス、石英、プラスチック基板上に形成される大規模デバイスである、液晶ディスプレイ(LCD)の製造は、一般的に低温処理されることが望ましい。これらの透明基板は、650℃を超える温度に晒されると損傷を受ける。このような温度の問題を解決するために、低温でのSiの酸化処理が開発されている。低温でのSiの酸化処理では、誘導結合プラズマ(ICP)源などの高密度プラズマ源が用いられ、1200℃の化学酸化法に匹敵する品質のSi酸化物を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許公報US2006/0211267号公報(2006年9月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、フォトルミネッセンス(PL)量子効率(QE)は、低波長での吸収光子量に対する長波長での放出光子量の割合として定義される。フォトルミネッセンス(PL)量子効率(QE)は、膜または装置の光変換効率の単位である。物質による吸収エネルギーは、励起波長の一部であるので、光子エネルギーは、波長に反比例する。QEは、装置効率を特徴付けるために、一連の波長以上になることもある。
【0013】
従って、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜を用いて高量子効率導波路デバイスを製造することは有用である。
【0014】
本発明は、その目的は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた導波路および光増幅方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の光増幅方法は、上記の課題を解決するために、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法であって、
シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する工程、
上記シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する工程、
250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源により、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程、および、
第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を生成する工程とを含むことを特徴としている。
【0016】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、厚さ400μm〜1000nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成してもよい。
【0017】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成し、
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を光源にさらし、
光出力信号を生成する工程では、上記SiOxストライプ長の増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成してもよい。
【0018】
本発明の光増幅方法では、光出力信号を生成する工程では、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成してもよい。
【0019】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に光入力信号を供給する工程では、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、第1半値全幅未満の第2半値全幅(第2FWHM)を有する光出力信号を生成してもよい。
【0020】
本発明の光増幅方法では、光入力信号を供給する工程では、100nmの第1FWHMを有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、25nmの第2FWHMを有する光出力信号を生成してもよい。
【0021】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅のある導波路を形成し、
第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成してもよい。
【0022】
本発明の光増幅方法では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得を有する光出力信号を生成してもよい。
【0023】
本発明の光増幅方法では、線形利得を有する光出力信号を生成する工程では、下記(a)および(b)からなる群より選択される線形利得を有する光出力信号を生成してもよい。
(a)50μmのストライプ幅、および、1μm〜400μmのストライプ長に対し、137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
(b)500μmのストライプ幅、および、0〜3000μmのストライプ長に対し、13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【0024】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成してもよい。
【0025】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積させてもよい。
【0026】
本発明の光増幅方法では、HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、HDPECVD処理後、SiOx堆積,アニール処理,SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶の組込みを含んでもよい。
【0027】
本発明の光増幅方法では、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程は、以下の工程を含んでもよい。
・20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入する工程
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入する工程
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極に供給する工程
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極に供給する工程。
【0028】
本発明の光増幅方法では、SiOxストライプのアニール処理は、500〜1100℃で、10分〜120分間のアニール処理を行ってもよい。
【0029】
本発明の光増幅方法では、HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程では、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用してもよい。
【0030】
本発明の光増幅方法では、アニール処理に応じた、SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶を組み込む工程では、直径2nm〜10nmのシリコンナノ結晶を形成してもよい。
【0031】
本発明の導波路は、上記の課題を解決するために、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路であって、光学指数を有する底部基板と、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプとを備え、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、底部基板を覆っており、上部基板および底部基板よりも大きい光学指数を有すると共に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる第2界面、および第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する第3界面を有する導波路。
【0032】
本発明の導波路は、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの厚さは、400μm〜1000nmであってもよい。
【0033】
本発明の導波路は、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路が、1.58〜1.75の光学指数を有してもよい。
【0034】
本発明の導波路は、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、50μm〜500μmのストライプ幅を有してもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた高量子効率の導波路、および、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜を用いた光増幅方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)導波路の部分断面図である。
【図2】誘導結合プラズマ源を用いた高密度プラズマ(HDP)システム概略図である。
【図3】シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜(SiOx)導波路および波長(λ)が720nmで動作のサポートモードを示す図である。
【図4】VSL法(Variable Stripe Length Method)による測定のための実験装置を示す図である。
【図5】図5は、固定のストライプ長(ストライプ長:2000μm)に対し、種々の電力で光励起された導波路の狭発光スペクトルを示すグラフである。
【図6A】固定励起パワーでのストライプ長に対する発光スペクトル強度を示すグラフである。
【図6B】固定励起パワーでのストライプ長に対する発光スペクトル強度を示すグラフである。
【図6C】固定励起パワーでのストライプ長に対する発光スペクトル強度を示すグラフである。
【図7】光回路用途に集積された光励起されたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路増幅器を示す図である。
【図8】高SNR(シグナルノイズ比)用途のために、光検出器の前に光学的前置増幅器として用いたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を設置して構成した検出モジュールを示す図である。
【図9】シリコンナノ結晶を含むSiOx膜マイクロディスク導波路を示す概略図である。
【図10】高反射隆起エッジミラーを備えたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を示す図である。
【図11】シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を用いた光増幅方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では、750nm付近の波長に対する利得材料として、新開発の高量子効率シリコンナノ結晶を含むSiOx膜を用いた光導波路増幅器について説明する。吸収および散乱による光信号の強度減少は、システム性能の悪化につながる。本発明の導波路は、長距離光信号伝搬を実現できると共に、光学系設計内の電力量を増加させることができる。本発明の導波路では、導波モードの膜厚が約600nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx膜が、基板と空気との間に挟持されていてもよい。光導波路理論に基づく計算では、この膜厚では、1つのTEモードと1つのTMモードとをサポートする。
【0038】
シリコンナノ結晶を含むSiOx膜は、光励起されると、超高量子効率を示す。新型増幅器の利得は、一般的に容認されたVSL(variable stripe length)法により測定することができる。この測定時には、導波路の発光スペクトルが明らかに狭くなること観測される。例えば、390nmで光励起した場合、バンド幅が30nm,750nmに中心がある130程度の利得が見られる。
【0039】
このような光励起型導波路増幅器は、集積光回路間の通信に利用することができる。また、この導波路は、検出限界を超えた信号レベルを高めるための増幅器として、光検出器(特に、アモルファスシリコン(α−Si)ベース光検出器)の前方に使用し、750nmを超える遮断波長以上の検出を高めることもできる。
【0040】
このように、本発明によれば、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を用いた光導波路を提供することができる。すなわち、本発明の光導波路の製造方法は、10%以上の量子効率のシリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)を製造する。ここで、光入力信号は、700nm〜950nmの第1波長で第1パワーを有し、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に供給される。シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、250nm〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源によって励起される。その結果、第1パワーよりも大きい第3パワーを有する光出力信号が生成する。第3パワーは、上記導波路のストライプ長さに応じて、増加してもよい。
【0041】
一方、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって形成してもよい。具体的には、HDPECVDプロセスによりSiOxストライプを堆積した後、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプをアニール処理し、SiOxストライプにシリコンナノ結晶を組み込む。これにより、直径約2nm〜10nmのシリコンナノ結晶が形成される。HDPECVDプロセスは、例えば、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3のより高いプラズマ密度を使用する。
【0042】
以下、上記の方法およびシリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物導波路について詳細に説明する。
【0043】
図1は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)導波路の部分断面図である。導波路100は、光学指数を有する底部基板102を備えている。例えば、底部基板102は、二酸化シリコンであってもよい。底部基板102上には、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプ104が形成されている。シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、その下にある底部基板102の光学指数よりも、大きな光学指数を有している。さらに、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面106を有している。典型的には、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104(導波路100)は、約1.58〜1.75の光学指数を有している。
【0044】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、第2界面108および第3界面を有する。第2界面108は、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる。第3界面110は、第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する。シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104の厚さ112は、約400μm〜1000nmである。シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ104は、約50μm〜500μmのストライプ幅(図示せず)およびストライプ長116を有する。
【0045】
〔機能の説明〕
上述した高利得導波路増幅器は、750nm近辺の波長で約50nmの動作幅を有する高量子効率シリコン過剰のシリコン酸化物材料を用いて製造される。SiOx薄膜導波路は、48%程度の量子効率を有する高品質の薄膜を製造するHDPCVD(高密度プラズマ化学気相堆積法)プロセスを用いて堆積される。
【0046】
図2は、誘導結合プラズマ源を用いた高密度プラズマ(HDP)システム概略図である。図2のシステムは、シリコンナノ結晶を含むSiOxを堆積するためのHDPECVDプロセスを実現するために利用できるシステムの一例である。上部電極1は、高周波(RF)電源2によって駆動され、下部電極3は、低周波電源4によって駆動される。高周波電力は、高密度誘導結合型プラズマ(ICP)源(高周波電源2)から、マッチング回路5および高域フィルタ7を介して、上部電極1に連結されている。低域フィルタ9および整合変成器11を介する下部電極3に対する電力は、上部電極1とは独立して変えることができる。上部電極1に供給される電力周波数は、ICP設計に基づき、約13.56MHz〜約300MHzとすることができる。下部電極3に供給される電力周波数は、イオンエネルギーを制御するために、約50KHz〜約13.56MHzとすることができる。圧力は、500mTorr以下とすることができる。上部電極1に供給される電力は、約10W/cm2とし、下部電極3に電力は、約3W/cm2とすることができる。
【0047】
HDPシステムの興味深い特徴の1つは、プラズマにさらされた誘導コイルがなく、供給源に生じる不純物を取り除く。また、HDPシステムでは、上部電極1および下部電極3に対する電力制御を、独立して行うことができる。上部電極1および下部電極3はプラズマにさらされていないので、可変コンデンサを用いてHDPシステム本体の電位を調節する必要はない。つまり、上部電極1および下部電極3間のクロストークは無く、プラズマ電位は低く、通常20V未満である。HDPシステムの電位は、フロートタイプの電位であり、システム設計および電力結合の作用に基づいている。
【0048】
HDPシステムにおけるHDP手段は、1×1011cm−3よりも大きい電子濃度を有し、10eV未満の電子温度を有する、真の高密度プラズマプロセスである。しかも、HDPシステムは、多くの高密度プラズマシステム、および、容量結合形プラズマ手段のような従来の設計のように、上部電極1に接続されたコンデンサとシステム本体と間に、異なるバイアスを維持する必要はない。また、上述のように、上部電極1に高周波(RF)電力が供給され、下部電極3には低周波(LF)電力が供給される。
【0049】
図3は、シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化膜(SiOx)導波路および波長(λ)が720nmで動作のサポートモードを示す図である。このモードは、対応するTE軌跡およびTM軌跡に、軌跡1が交差している。シリコンナノ結晶を含むSiOx膜(n1=1.64の光学指数を有する)は、上部媒体として、大気(n=1)と共に石英(n2=1.46)上に堆積されている。光導波路理論に基づく計算では、800nm付近の波長でサポートされないモード以下に、厚さの限界が存在する。図3のように、厚さ600nmの導波路には、ある横電波(TE)モードまたは垂直偏波(TM)モードが、指数が対照的な導波を得るために支援する。厚さ600nmの導波路は、高量子効率のために最適化されたプロセスウインドウを用いた上述したHDPCVDプロセスによって製造される。実質的には、厚さのばらつきによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、800nm付近の波長で動作する少数のモードをサポートする。
【0050】
図4は、VSL法(Variable Stripe Length Method)の実験装置を示す図である。ストライプは、ビーム拡大平行レンズを経た、円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)によって形成される。VSL法の測定は、ポンプ光を取り除くために、長波長帯で行った。図4のように、レーザビーム(390nmでチタン:サファイアフェムト秒レーザにおける第2高長波から生成)は、β−ホウ酸バリウム(β−BaB2O4)結晶を経た後、通常の円形レンズによって拡大され平行になる。その後、拡大されたビームは、シリンドリカルレンズと一直線となり、測定波長において必要なストライプ長(l)が形成される。理論的には、純利得(gmod)がある場合、増幅した自然発光の測定強度IASEは、下記の(1)式で示される。
式(1) IASE=Jsp/gmod(exp(gmod×l)−1)。
【0051】
導波路では、利得(gmod)は、利得ストライプ長(l)の関数として、測定強度データを当てはめることによって推定できる。
【0052】
図5は、固定のストライプ長(ストライプ長:2000μm)に対し、種々の電力で光励起された導波路の狭発光スペクトルを示すグラフである。図5には、発光スペクトルが、励起強度の増加につれて狭くなることが明確に示されている。発光スペクトルが狭くなる現象は、試料が自然発光の閾値以上に励起された場合に増幅した自然発光(ASE)がもたらした直接の結果である。図5のように、ストライプ長が2000μmに固定されたストライプでは、励起強度の増加につれて、より強い発光を示す。同様に、発光スペクトルは、>100nm〜25nmを変動する半値全幅(FWHM)と共に狭くなる。全集光を用いて利得を測定するよりも、ストライプ長の関数としてスペクトル強度ピークを用いて利得を測定することが重要である。全集光を用いて利得を測定した場合、多くの散光が含まれる。
【0053】
図6A〜図6Cは、固定の励起パワーにおけるストライプに対する、発光スペクトル強度を示すグラフである。図6Aでは、励起パワーは300μWである。図6Aには、発光スペクトルピークは、ストライプ長に応じて増加することが明確に示されている。発光スペクトルは、増幅した自然発光により、半値全幅(FWHM)が100nmから27nmまで狭くなる。
【0054】
図6Bでは、発光ピーク強度が、ストライプ長の関数として示される。明りょうな閾値の挙動が、励起されたストライプに従って、増幅した自然発光の直接の結果として観察される。破線は、光利得のない場合の閾値の挙動を示している。光利得のない場合の閾値は、ストライプ長と共に直線的に増加すると見込まれる。
【0055】
図6Cは、500μmおよび50μmの幅で励起したストライプを比較したグラフである。この場合の利得は、IASEとして対応するスペクトルピークを上記(1)式に当てはめることによって推定される。ストライプ幅が50μmである場合の利得は、135/cmにまで増加し、約350μm以上のストライプ長で飽和状態となる。この利得は、これまで知られた光利得の中で最も高い。
【0056】
図7は、光回路用途に集積された光励起されたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路増幅器を示す図である。信号は、検出器に入る前に利得を得るため、信号伝搬が高められる。
【0057】
図8は、高SNR(シグナルノイズ比)用途のために、光検出器(PIN光検出器)101の前に光学的前置増幅器として用いたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路100を設置して構成した検出モジュールを示す図である。
【0058】
図9は、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜マイクロディスク導波路を示す概略図である。活性媒体としてシリコンナノ結晶を含むSiOx膜を用いたレーザ作用に加えて、例えば、高線質係数のマイクロディスクおよび光子キャビティなどの適当な光キャビティデザインを付加してもよい。図9のように、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜は、マイクロディスク内部に形成される。導波路は、臨界結合付近に達するために、マイクロディスクに非常に近接して配置することができる。結合励起光は、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜によって徐々に吸収されるので、シリコンナノ結晶を含むSiOx膜は、上述したように光利得と共に徐々に増幅される。マイクロディスクの線質係数は、利得が損失を十分に越える程度に十分高い場合、レーザ作用を生じる。
【0059】
図10は、高反射隆起エッジミラーを備えたシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を示す図である。図10には、起こり得る2つの励起の仕組みが示されている。一方は、頂部(上面)での励起であり、他方は縁部(端面)での励起である。上記ミラーは、金コーティングまたは他の多層膜からなる誘電体コーティングによって形成することができる。
【0060】
図11は、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を用いた光増幅方法を示すフローチャートである。図11に示す方法は、明確にするため、各工程に通し番号を付しているが、付された番号は工程の順番を示すものではない。つまり、当然のことながら、図中の工程のうち、一部の工程を省略してもよいし、同時に行ってもよいし、正確な順序を維持せずに行ってもよい。図11の方法は、ステップ1100(S1100)から開始する。
【0061】
まず、S1102では、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2未満)導波路を形成(準備)する。S1104では、シリコンナノ結晶を含むSiOxに、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する。S1106では、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxを励起する。S1108では、第1波長で第1パワーより大きい第3パワーを有する光出力信号を生成する。この光出力信号は、10%を越える量子効率を有する。
【0062】
実施の一形態では、S1102において、厚さ約400nm〜1000nm,約1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成してもよい。また、別の形態では、S1102のシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路の形成には、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路の形成が含まれるので、S1106では、光源(励起源)に、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路のストライプ長がさらされる。その結果、S1108の光出力信号の生成には、SiOxストライプ長の増加に応じて増加した第3パワーを有する光出力信号の生成が含まれる。同様に、第3パワーは、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて、増加する。
【0063】
別の形態では、S1104のシリコンナノ結晶を含むSiOxへの光入力信号の供給には、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号の供給が含まれる。その結果、S1108の光出力信号の生成には、第1FWHM未満の第2FWMHを有する光出力信号の生成が含まれる。例えば、S1104において約100nmの第1FWHMの光入力信号を供給する場合、S1108では約25nmの第2FWHMの光出力信号を生成する。
【0064】
同様に、S1102において幅のあるシリコンナノ結晶を含むSiOxの形成すれば、S1108ではストライプ長およびストライプ幅に応じた光出力信号を生成する。S1108では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得(lenear power)を有する光出力信号を生成する。例えば、S1108では、約50μmのストライプ幅、および、約1μm〜400μmのストライプ長に対し、約137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。別の例では、S1108では、約500μmのストライプ幅、および、約0〜3000μmのストライプ長に対し、約13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【0065】
別の形態では、S1102のシリコンナノ結晶を含むSiOxの形成には、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプ堆積させることが含まれる。HDPECVDプロセスは、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用する。HDPECVDプロセスは、SiOxストライプを堆積する。その後、アニール処理することにより、シリコンナノ結晶が、SiOxストライプに組み込まれる。つまり、アニールの結果、シリコンナノ結晶サイズが、増加する。
【0066】
より具体的には、HDPECVDプロセスによるシリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの堆積は、以下のステップを含んでいてもよい。
・約20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入するステップ
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入するステップ
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、約1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極(図2参照)に供給するステップ
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、約1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極(図2参照)に供給するステップ。
【0067】
実施の一形態では、SiOxストライプのアニール処理は、約500〜1100℃で、約10分〜120分間のアニール処理を含んでいてもよい。これにより、例えば、アニール処理によって、直径約2nm〜10nmのシリコンナノ結晶が形成される。
【0068】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路の製造方法および実施方法は、上述の通りである。上記導波管の構造の細部、および、製造工程の詳細は、本発明を説明するための例示である。しかし、本発明は、上述の例に何ら限定されるものではない。また、当業者であれば、別の変形例および形態を想起するであろう。
【0069】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0070】
本発明は、以下のように表現することもできる。
〔1〕シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法であって、
シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する工程、
上記シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する工程、
250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源により、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程、および、
第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を生成する工程とを含む光増幅方法。
【0071】
〔2〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、厚さ約400μm〜1000nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0072】
〔3〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成し、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を光源にさらし、光出力信号を生成する工程では、上記SiOxストライプ長の増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0073】
〔4〕光出力信号を生成する工程では、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0074】
〔5〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に光入力信号を供給する工程では、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号を供給し、光出力信号を生成する工程では、第1半値全幅未満の第2半値全幅(第2FWHM)を有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0075】
〔6〕光入力信号を供給する工程では、約100nmの第1FWHMを有する光入力信号を供給し、光出力信号を生成する工程では、約25nmの第2FWHMを有する光出力信号を生成する上記〔5〕に記載の光増幅方法。すなわち、上記〔5〕の光増幅方法において、第1FWHMが約100nmであり、第2FWHMが約25nmである。
【0076】
〔7〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅のある導波路を形成し、第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0077】
〔8〕ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得(lenear power)を有する光出力信号を生成する上記〔7〕に記載の光増幅方法。
【0078】
〔9〕線形利得(lenear power)を有する光出力信号を生成する工程では、下記(a)および(b)からなる群より選択される線形利得を有する光出力信号を生成する上記〔8〕に記載の光増幅方法。
(a)約50μmのストライプ幅、および、約1μm〜400μmのストライプ長に対し、約137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
(b)約500μmのストライプ幅、および、約0〜3000μmのストライプ長に対し、約13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【0079】
〔10〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、約1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0080】
〔11〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積させる上記〔1〕に記載の光増幅方法。
【0081】
〔12〕HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、HDPECVD処理後、SiOx堆積,アニール処理,SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶の組込みを含む上記〔11〕に記載の光増幅方法。
【0082】
〔13〕シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程は、以下の工程を含む上記〔12〕に記載の光増幅方法。
・約20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入する工程
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入する工程
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、約1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極(図2参照)に供給する工程
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、約1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極(図2参照)に供給する工程。
【0083】
〔14〕SiOxストライプのアニール処理は、約500〜1100℃で、約10分〜120分間のアニール処理を行う上記〔13〕に記載の光増幅方法。
【0084】
〔15〕HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程では、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用する上記〔11〕に記載の光増幅方法。
【0085】
〔16〕アニール処理に応じた、SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶を組み込む工程では、直径約2nm〜10nmのシリコンナノ結晶を形成する上記〔12〕に記載の光増幅方法。
【0086】
〔17〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路であって、光学指数を有する底部基板と、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプとを備え、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、底部基板を覆っており、上部基板および底部基板よりも大きい光学指数を有すると共に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる第2界面、および第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する第3界面を有する導波路。
【0087】
〔18〕シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの厚さは、約400μm〜1000nmである上記〔17〕に記載の導波路。
【0088】
〔19〕シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、約1.58〜1.75の光学指数を有する上記〔17〕に記載の導波路。
【0089】
〔20〕シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、約50μm〜500μmのストライプ幅を有する上記〔17〕に記載の導波路。
【0090】
〔関連出願〕
本願は、Huang等により発明された米国特許出願第12/197,045(2008年8月22日出願)の一部継続出願(CIP出願)である。米国特許出願第12/197,045は、Huang等により発明された米国特許出願第12/126,430(2008年5月23日出願)の一部継続出願である。米国特許出願第12/126,430は、以下の出願の一部継続出願である。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/418,273(2006年5月4日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/327,612(2006年1月6日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/013,605(2004年12月15日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第10/801,377(2004年3月15日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第11/139,726(2005年5月26日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第10/871,939(2004年6月17日出願)。
・Pooran Joshi等により発明された米国特許出願第10/801,374(2004年3月15日出願)。
上述の全ての出願が、本願の参考文献として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る導波路は、特に高い光ルミネセンス量子効率を有するため、安定性および信頼性に優れている。したがって、発光素子を用いる分野にて利用可能である。
【符号の説明】
【0092】
100 導波路(シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路)
104 SiOxストライプ
106 第1界面
108 第2界面
110 第3界面
116 ストライプ長
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法であって、
シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する工程、
上記シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する工程、
250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源により、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程、および、
第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を生成する工程とを含むことを特徴とする光増幅方法。
【請求項2】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、厚さ400μm〜1000nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項3】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成し、
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を光源にさらし、
光出力信号を生成する工程では、上記SiOxストライプ長の増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項4】
光出力信号を生成する工程では、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項5】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に光入力信号を供給する工程では、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、第1半値全幅未満の第2半値全幅(第2FWHM)を有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項6】
光入力信号を供給する工程では、100nmの第1FWHMを有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、25nmの第2FWHMを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項5に記載の光増幅方法。
【請求項7】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅のある導波路を形成し、
第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項8】
ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得を有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の光増幅方法。
【請求項9】
線形利得を有する光出力信号を生成する工程では、下記(a)および(b)からなる群より選択される線形利得を有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項8に記載の光増幅方法。
(a)50μmのストライプ幅、および、1μm〜400μmのストライプ長に対し、137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
(b)500μmのストライプ幅、および、0〜3000μmのストライプ長に対し、13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【請求項10】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項11】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積させることを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項12】
HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、HDPECVD処理後、SiOx堆積,アニール処理,SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶の組込みを含むことを特徴とする請求項11に記載の光増幅方法。
【請求項13】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程は、以下の工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の光増幅方法。
・20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入する工程
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入する工程
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極に供給する工程
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極に供給する工程。
【請求項14】
SiOxストライプのアニール処理は、500〜1100℃で、10分〜120分間のアニール処理を行うことを特徴とする請求項13に記載の光増幅方法。
【請求項15】
HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程では、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用することを特徴とする請求項11に記載の光増幅方法。
【請求項16】
アニール処理に応じた、SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶を組み込む工程では、直径2nm〜10nmのシリコンナノ結晶を形成することを特徴とする請求項12に記載の光増幅方法。
【請求項17】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路であって、光学指数を有する底部基板と、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプとを備え、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、底部基板を覆っており、上部基板および底部基板よりも大きい光学指数を有すると共に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる第2界面、および第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する第3界面を有することを特徴とする導波路。
【請求項18】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの厚さは、400μm〜1000nmであることを特徴とする請求項17に記載の導波路。
【請求項19】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、1.58〜1.75の光学指数を有することを特徴とする請求項17に記載の導波路。
【請求項20】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、50μm〜500μmのストライプ幅を有することを特徴とする請求項17に記載の導波路。
【請求項1】
シリコンナノ結晶を含むシリコン酸化物(SiOx)を用いた光増幅方法であって、
シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)導波路を形成する工程、
上記シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を供給する工程、
250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源により、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程、および、
第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を生成する工程とを含むことを特徴とする光増幅方法。
【請求項2】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、厚さ400μm〜1000nmのシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項3】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成し、
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を励起する工程では、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を光源にさらし、
光出力信号を生成する工程では、上記SiOxストライプ長の増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項4】
光出力信号を生成する工程では、第2波長での光源の第2パワーの増加に応じて増加する第3パワーを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項5】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路に光入力信号を供給する工程では、第1半値全幅(第1FWHM)を有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、第1半値全幅未満の第2半値全幅(第2FWHM)を有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項6】
光入力信号を供給する工程では、100nmの第1FWHMを有する光入力信号を供給し、
光出力信号を生成する工程では、25nmの第2FWHMを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項5に記載の光増幅方法。
【請求項7】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅のある導波路を形成し、
第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項8】
ストライプ長およびストライプ幅に応じた第3パワーを有する光出力信号を生成する工程では、一定のストライプ幅でのストライプ長の変化に応じて、線形利得を有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の光増幅方法。
【請求項9】
線形利得を有する光出力信号を生成する工程では、下記(a)および(b)からなる群より選択される線形利得を有する光出力信号を生成することを特徴とする請求項8に記載の光増幅方法。
(a)50μmのストライプ幅、および、1μm〜400μmのストライプ長に対し、137/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
(b)500μmのストライプ幅、および、0〜3000μmのストライプ長に対し、13.5/cmの線形利得を有する光出力信号を生成する。
【請求項10】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、1.58〜1.75の光学指数を有するシリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成することを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項11】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、高密度プラズマ強化化学気相成長プロセス(HDPECVDプロセス)によって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積させることを特徴とする請求項1に記載の光増幅方法。
【請求項12】
HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路を形成する工程では、HDPECVD処理後、SiOx堆積,アニール処理,SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶の組込みを含むことを特徴とする請求項11に記載の光増幅方法。
【請求項13】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程は、以下の工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の光増幅方法。
・20〜40cm3(SCCM)のシラン(SiH4)を導入する工程
・15〜35cm3(SCCM)の亜酸化窒素(N2O)を導入する工程
・13.56MHz〜300MHzの周波数、および、1〜20W/cm2の電力密度の電力を、上部電極に供給する工程
・50kHz〜13.56MHzの周波数、および、1〜5W/cm2以下の電力密度の電力を、下部電極に供給する工程。
【請求項14】
SiOxストライプのアニール処理は、500〜1100℃で、10分〜120分間のアニール処理を行うことを特徴とする請求項13に記載の光増幅方法。
【請求項15】
HDPECVDプロセスによって、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプを堆積する工程では、10eV未満の電子温度で、1×1011cm−3より高いプラズマ密度を使用することを特徴とする請求項11に記載の光増幅方法。
【請求項16】
アニール処理に応じた、SiOxストライプ内へのシリコンナノ結晶を組み込む工程では、直径2nm〜10nmのシリコンナノ結晶を形成することを特徴とする請求項12に記載の光増幅方法。
【請求項17】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路であって、光学指数を有する底部基板と、シリコンナノ結晶を含むSiOx(xは2以下)ストライプとを備え、シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、底部基板を覆っており、上部基板および底部基板よりも大きい光学指数を有すると共に、700〜950nmの第1波長で第1パワーを有する光入力信号を受入れる第1界面、250〜550nmの第2波長で第2パワーを有する光源励起信号を受入れる第2界面、および第1波長で、第1パワーよりも大きい第3パワーを有し、10%を越える量子効率を有する光出力信号を供給する第3界面を有することを特徴とする導波路。
【請求項18】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプの厚さは、400μm〜1000nmであることを特徴とする請求項17に記載の導波路。
【請求項19】
シリコンナノ結晶を含むSiOx導波路は、1.58〜1.75の光学指数を有することを特徴とする請求項17に記載の導波路。
【請求項20】
シリコンナノ結晶を含むSiOxストライプは、50μm〜500μmのストライプ幅を有することを特徴とする請求項17に記載の導波路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−109366(P2010−109366A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−242471(P2009−242471)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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