説明

鮮魚用タンク

【課題】 蓋体が段階的に開放でき、収容物が一気に放出されず、底面や隅部に収容物が残ることなく放出される鮮魚用タンクの提供。
【解決手段】 タンク本体1の一側壁の下部に開口部2が設けられ、該側壁の左右端部に位置する隅部は、前記開口部に向かうテーパ形状17になされ、タンク本体内の底面は、前記開口部2側に向かって傾斜し、前記開口部2には密閉可能な蓋体3が設けられ、この蓋体3は上端をヒンジ結合した下方開閉構造であって、この蓋体3の下方にはロックハンドル7を備えるロッキングバー5が回動自在に設けられ、このロッキングバー5の両端にラッチカムが設けられ、このラッチカムに対応するタンク本体側壁には該ラッチカムが係合するラッチ部材が設けられ、このラッチカムとラッチ部材はラッチ機構として、ロッキングバー5をロックハンドル7で開又は閉方向に回動させると、蓋体の開口部への締め付け力を段階的に増加あるいは緩める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鮮魚(活魚も含む)などの水産物を収容および搬送する鮮魚用タンクに関し、特に、鮮魚などの収容物の取り出しが容易な鮮魚用タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鮮魚用タンクは、水産物などの投入を容易とするために上部が開口された箱型の構造とされている。これでは収容物を取り出すのに上部の開口から行うので非常に不便であるし、タンク内の水(海水も含む、以下同じ)を棄てるのも困難である。また、タンク内の洗浄も上部からしかできないので非常に不便である。
そこで、従来、このような課題を解決するものとして、容器本体の側壁に開口部を設け、この開口部に開閉蓋を設けた鮮魚用容器が提案された(例えば、特許文献1参照)。この容器によれば、収容物は開口部から取出せるし、洗浄も開口部より行うことができるので好ましいものである。
【0003】
ところが、この鮮魚用容器は、収容物および水の圧力のため、開閉蓋の開放時に開閉蓋が一気に開放され、収容物が水と一緒に一気に勢いよく放出されるため収容物を傷めるおそれがあるし、危険でもあり、また、水も放出されて広い範囲に放散され広い範囲を汚す課題がある。また、この鮮魚用容器の開閉蓋は、容器本体の開口部の左右両側に、縦方向の開閉蓋支持台を設け、この開閉蓋支持台に横丸棒を挿通し、この横丸棒に取付ける構成となっているために、開閉蓋支持台が外側に突出し、運搬時等に邪魔になるし、製造にも手数がかかる課題もある。
そこで、本出願人は、このような課題を解決するものとして、タンク本体の側壁面に開口部を設け、この開口部を蓋体で閉塞するタンクにおいて、蓋体が一気に開放されることなく段階的に開放できる鮮魚用タンクを提供した(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3240410号公報
【特許文献2】特願2003−348519号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この鮮魚用タンクは、蓋体の開放で収容物が一気に勢いよく放出されないので好ましいものであるが、蓋体を開放しても収容物の全部が必ず放出されるわけではなく、タンク底面に少し残ってしまうことが生ずる課題もある。また、タンク内の隅部により開口部に放出しようとする収容物が邪魔され、収容物がこの隅部に残ってしまう課題もある。
この発明は、このような課題を解決せんと提案されたものであり、その目的は、蓋体が一気に開放されることなく段階的に開放できて収容物が一気に勢いよく放出されることがなく、しかもタンク内の底面や隅部に収容物が残ることなく全部が放出されるようにした鮮魚用タンクの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の鮮魚用タンクは、タンク本体が、底板の周囲に立設する前後側壁及び左右側壁により上部が開口する箱体に形成され、該タンク本体の一側壁の下部に開口部が設けられ、該開口部が設けられた側壁の左右端部に位置する隅部は、タンク本体内が前記開口部に向かうテーパ形状になされ、タンク本体内の底面は、前記開口部側に向かって傾斜して形成され、
前記開口部には密閉可能な蓋体が開閉可能に設けられ、この蓋体は上端をヒンジ結合した下方開閉構造であって、この蓋体の下方にはロックハンドルを備えるロッキングバーが回動自在に横方向に設けられ、このロッキングバーの両端にラッチカムが設けられ、このラッチカムに対応する位置のタンク本体側壁には該ラッチカムが係合するラッチ部材が設けられ、このラッチカムとラッチ部材は、ロッキングバーをロックハンドルで閉じ方向に回動させると、ラッチカムがラッチ部材に係合し蓋体を開口部に締め付け力を段階的に増加させて密閉し、ロッキングバーをロックハンドルで開方向に回動させると、蓋体の締め付け力が段階的に緩められ蓋体が段階的に開放するラッチ機構となっていることを特徴とする。
これによりタンク内には、鮮魚などの水産物を収容できるし、収容して搬送ができる。この鮮魚などの収容物は、蓋体を開放することによって開口部より取り出しすることができる。また、開口部よりタンク内を洗浄することができる。蓋体の開放は、段階的に行えるので、最初少し開放して水を排出し、次に全開して収容物を取り出す等の操作が可能となり、収容物が一気に放出されることなく品質を傷めることもないし、水が広い範囲に放散することもない。しかも、タンクの底面は、開口部側に向かって傾斜しているし、隅部も開口部に向かってテーパ状に形成されているので、収容物が底面に残ったり、隅部に残ったりすることなく全てが放出される。さらに、隅部が開口部に向かってテーパ形状となっているので、収容物を放出する時、開口部にぶつかることもなく、品質を損傷させることもない。
【0006】
また、この発明の鮮魚用タンクは、前記タンク本体内の四隅に隅部をテーパ形状とするための三角柱体を固設し、この三角柱体の上端をタンク本体の周縁上端より少し下方の位置とし、この三角柱体の上面で積み重ねたタンクの底面を受けてタンクを積み重ね可能としたことを特徴とする。
これによりタンクは積み重ねておくことができるので、積み重ねて運搬したり、保管することができ有効である。
また、この発明の鮮魚用タンクは、前記開口部の周縁に沿って、または蓋体内側面の開口部周縁に対応する位置に沿って、ガスケットが設けられていることを特徴とする。
これにより開口部における蓋体の密閉性(シール性)が向上し、タンク内の水等も漏れることがない。
【0007】
さらに、この発明の鮮魚用タンクは、蓋体の開放状態を保持する係止手段が設けられている。
これにより、蓋体は開放状態に保持することができるので、タンク内の収容物の取り出しに蓋体から手を離して取り出し作業ができるので取り出し作業が容易となるし、タンク内の洗浄も容易となる。
【発明の効果】
【0008】
この発明の鮮魚用タンクによれば、次のような効果を奏する。
(1)タンク内には、上部の開口より投入して鮮魚などの収容物を容易に収容することができ、また、収容物はタンクごとに搬送することができる。
(2)タンク内に収容した鮮魚などの収容物は、蓋体を開放することによって開口部より取り出すことができるので、取り出しが容易である。
(3)この時、蓋体は、開口部を段階的に開放できるので、最初少し開放して水を排水し、次に全開して収容物を取り出す等の操作が可能となり、収容物が一気に勢いよく放出されることが防止され品質を傷めることがない。さらに、隅部が開口部に向かってテーパ形状となっているので、収容物を放出する時、開口部にぶつかることもなく、品質を損傷させることもない。
(4)蓋体は最初少し開放して水を適量ずつ排水することができるので、広い範囲に放散して汚すこともなく、安全である。
(5)タンクの底面は、開口部側に向かって傾斜しているので、収容物は底面に残ることなくすべてが放出され、また、開口部が設けられている側壁の左右端部の隅部は、開口部に向かってテーパ状に形成されているので、収容物は残ることなく全てが放出される。
(6)蓋体は、ガスケットで密閉されるのでシール性がよく、水等が漏れることもない。
(7)タンク内は開口部より容易に洗浄できるので、常に清潔にしておくことができ、衛生的である。この時、タンクの底面は開口部側に向かって傾斜しており、開口部が設けられている側壁の左右端部の隅部(角部)は、開口部に向かってテーパ形状になっているので、洗浄液や洗浄水は、開口部よりすべてが完全に排出されるので一層清潔で衛生的となる。
(8)蓋体は係止手段で開放状態に保持しておくことができるので、収容物の取り出し及びタンク内の洗浄が容易となる。
(9)鮮魚用タンクは、積み重ね可能であるので、運搬時及び保管時に収納率が向上するので有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の鮮魚用タンクは、タンク本体が底板の周囲に立設する前後側壁及び左右側壁により上部が開口する箱体に形成されている。該タンク本体の一側壁(例えば、前側壁)の下部に開口部が開口され、該開口部が設けられた側壁の左右端部に位置する隅部(角部)は、タンク本体内が前記開口部に向ってテーパ状に形成され、タンク本体内の底面は、前記開口部側に向かって傾斜している。前記開口部には密閉可能な蓋体が開閉自在に設けられる。この蓋体は上端をヒンジ結合した下方開閉構造である。
この蓋体の下方にはロックハンドルを備えるロッキングバーが回動自在に横方向に設けられ、このロッキングバーの両端にラッチカムが設けられ、このラッチカムに対応する位置のタンク本体側壁には、該ラッチカムが係合するラッチ部材が設けられ、このラッチカムとラッチ部材は、ロッキングバーをロックハンドルで閉じ方向に回動させると、ラッチカムがラッチ部材に係合し蓋体を開口部に締め付け力を段階的に増加させて密閉し、ロッキングバーをロックハンドルで開方向に回動させると、蓋体の締め付け力が段階的に緩められ蓋体が段階的に開放するラッチ機構となっている。
ここで、隅部をテーパ状に形成したり、底面を傾斜して形成するのに、タンク本体内としたのは、タンク本体の内面だけがこのように形成されていればよく、外面は任意であるからである。例えば、タンク本体の隅部の外面は角状になっていても、底面の外面は水平状であってもよい意味である。
さらに、前記開口部の周縁に沿って、または蓋体内側面の開口部周縁に対応する位置に沿って、ガスケットが設けられる。また、前記蓋体には、蓋体の開放状態を保持する係止手段が設けられる。
以下、この発明を図面に示す実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1はこの発明の実施例を示す斜視図、図2は蓋体が設けられている側から見た斜視図、図3はこの発明の実施例を示す断面図、図4はこの発明のラッチ機構部分の拡大斜視図、図5はこの発明の蓋体部分の断面図、図6は係止手段を示す斜視図である。
【0011】
この発明の鮮魚用タンクは、タンク本体1の前側壁1aの下部に開口部2が設けられ(図1および図3参照)、この開口部2に密閉可能な蓋体3が開閉自在に設けられる。タンク本体1は、本例では合成樹脂にて底板1eの周囲に立設する前及び後側壁1a、1b、左および右側壁1c、1dにより上部が開口された箱体(図1参照)に一体成形され、開口部2は前側壁1aに形成されている。この開口部2に開閉可能に設けられた蓋体3は、図5に示すように上端が前側壁1aにヒンジ4により取付けられた下方開閉構造となっている。
【0012】
タンク本体1の底板1eは、図3に示すように開口部2側に向かって傾斜して設けられている。これにより蓋体を開放するとタンク本体1内の鮮魚などの収容物は、傾斜面により滑り開口部2より必ず放出され、タンク本体1内の底面に残ることが防止できる。本例では底板1eは、内面側にステンレス板1e’が貼着されて構成されている。このステンレス板1e’は必ずしも必要ではないが、底板1eの内面がステンレス板1e’になっていると、前記傾斜面と相俟って鮮魚などの収容物が滑りやすく底部に残ることなく必ず開口部2より放出できるし、しかも汚れの付着も少なく、洗浄も容易となるので好ましい。当然ながらタンク本体1をステンレス板で形成した場合には、底板1e自体がステンレス板となるので、このような構成は不要である。
【0013】
また、タンク本体1の開口部2が設けられた一側壁、本例では前側壁1aの左右端部の隅部(コーナー部)1A、1Aは、タンク本体1が左右側壁1c、1dから開口部2に向かってテーパ形状17となっている。このテーパ形状17は、本例では隅部(コーナー部)1Aに三角柱体17aを設置することによって形成している。この三角柱体17aの材質に特に制限はないが、滑り易く収容物が開口部2より残りなく放出できること、汚れの付着が少なく洗浄が容易である等の点で優れるステンレス板を好ましい材質として例示できる。
これにより、蓋体3を開放するとタンク本体1内の鮮魚などの収容物は、隅部1Aのテーパ形状17により開口部2にガイドされ開口部2より必ず放出され、タンク本体1内に残ることがなく、従来のように隅部に残ることが解消される。
なお、三角柱体17aは、タンク本体1の四隅に設けてもよい。この時、三角柱体17aの上端をタンク本体1の周縁上端より少し下方の位置として、ここでタンクの底部を受けて積み重ねできるようにすると、タンクを重ねることができるので望ましい。タンクは収容物が収容されていても、空でも重ねることが可能となる。この三角柱体17aは、タンク本体1と別体でも、タンク本体1と一体化してもよい。
【0014】
また、前記蓋体3の下方には、ロッキングバー5が、蓋体3に設けられた軸受部材6に回転自在に支持されて横方向に設けられている。このロッキングバー5にはロックハンドル7が設けられ、このロックハンドル7によりロッキングバー5を回動することができるし、このロックハンドル7をロックすることによってロッキングバー5の回動をロックすることができる。ロックハンドル7は、図4に示すようにロッキングバー5に枢軸8にて回動自在に設けられ、蓋体3に設けた係合部材9(図4参照)に係脱することによってロックしたり、ロック解除したりするようになっている。図4において実線がロック状態を示し、鎖線がロック解除した状態を示している。
【0015】
前記ロッキングバー5には、ラッチカム11とラッチ部材12とで構成するラッチ機構10が設けられている。即ち、ラッチ機構10は、図4に示すようにロッキングバー5の両端にラッチカム11が設けられ、このラッチカム11に対応する位置のタンク本体1の前側壁1aには該ラッチカム11が係合するラッチ部材12が設けられ、ロッキングバー5をロックハンドル7で閉じ方向に回動させると、ラッチカム11がラッチ部材12に係合し蓋体3を開口部2に締め付け力を段階的に増加させて密閉し、反対にロッキングバー5をロックハンドル7で開方向に回動させると、蓋体3の締め付け力が段階的に締められ蓋体3が段階的に開放するようになっている。図4に示すロックハンドル7がロックできる状態は、ロックハンドル7でロッキングバー5を閉じ方向に回動し、蓋体3が全閉状態の時に位置する。前記ラッチ機構10における段階的な締め付け及び緩め(開放)は、各段階ごとにロッキングバー5の回動にクリック感を発生させるようにすると、各段階になったことを知ることができて好ましい。
【0016】
蓋体3には、蓋体3を開放したとき開放状態を保持する係止手段13を設けると、蓋体3を開放状態に保持しておくことができるので、手で蓋体3を開放状態に支持しなくて済み、収容物の取り出し作業が容易となるし、タンク内の洗浄もし易くなる。係止手段としては、特に制限はなく従来公知の手段を採用し得る。一例として図3に示すように鎖の先端にフックを設け、蓋体3の開放状態の時、これをタンク本体1の側壁の外側に設けた係止部に引っかけ開放状態を維持する構成を例示できる。
なお、タンク本体1の開口部2の周縁には、図4および図5に示すようにガスケット16を設けると、蓋体3とのシール性が向上し、水漏れ等が防止されるので好ましい、このガスケットは、蓋体3の内側面の開口部2周縁に対応する位置に沿って設ける構成としてもよい。
また、この実施例では、図6に示すように後側壁1bの外面に、回動して収納可能な吊り環14が係止手段として設けられている。
【0017】
以上のような鮮魚用タンクによれば、タンク本体1には、上部の開口より投入して鮮魚などの収容物を収容することができるし、また、収容して運搬すること、保管することもできる。この時、蓋体3は密閉されて、ロックハンドル7が係合部材9に係合してロックされている。この収容物は蓋体3を開放することによって開口部2より取り出すことができる。蓋体3の開放は、ロックハンドル7を回動し係合部材9からの係合を外し、ロッキングバー5を回動することによって行うことができる、即ち、ロックハンドル7を回動し係合部材9からの係合を外すと、ロックハンドル7によりロッキングバー5の回動が可能となる。そこで、ロックハンドル7でロッキングバー5を図4で矢印に示す方向に回動させると、ラッチカム11とラッチ部材12で構成するラッチ機構10により蓋体3の締め付け力が段階的に緩められる。この第1段階の緩めにより蓋体3は少し開くことが可能となり、蓋体3の下部は、開口部2との間に少し開くので、この隙間よりタンク内の水分がまず排出する。次にさらにロックハンドル7でロッキングバー5を回動させると、ラッチカム11はラッチ部材12から完全に外れ蓋体3の開きが自由状態となるので、蓋体3を全開し鮮魚などの収容物を取り出す。
【0018】
この時、タンク本体1内の底面は、開口部2側に向かって傾斜しているので、鮮魚などの収容物は底面に残ることなく滑り出てすべてが放出され、また、開口部2が設けられている側壁1aの左右端部の隅部1A、1Aは、開口部2に向かってテーパ形状17となっているので、収容物は開口部2に向かってガイドされて滑り出て隅部に残ることなくすべてが放出される。さらに底板1eの内面がステンレス板1e’となっている場合には、更に滑り易くなるので、一層効果は向上する。
さらに、タンク本体1の底面が開口部2に向かって傾斜しており、また、開口部2が設けられている側壁1aの左右端部の隅部1A、1Aが開口部2に向かってテーパ形状17となっているので、タンク本体1内を洗浄しても、洗浄液や洗浄水は、開口部2よりすべてが速やかに完全に排出される。これにより清潔で衛生的となる。また、底板1eの内面がステンレス板1e’となっている場合には、汚れの付着も少なく、洗浄も容易となるので、一層有効である。
【0019】
また、蓋体3を全開して収容物を放出したり、蓋体3を全開してタンク本体1内を洗浄したりする時は、蓋体3は図3に鎖線で示すように係止手段13で全開状態に保持しておくと、作業が容易となる。このようにこの発明では、タンク内の水分だけを排出することが可能となる。従って、最初にまずタンク内の水分だけを排出し、次に鮮魚などの収容物を取り出すことができ、これによりタンク内の収容物が水と一緒に勢いよく放出されることがなく、収容物の品質を傷めることもないし、広範囲への水の飛散も防止できる。しかもタンク内の収容物はすべて残ることなく放出できる。
なお、前記実施例はこの発明を制限するものではなく、この発明は要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が許容される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施例を示す斜視図である。
【図2】蓋体が設けられている側から見た斜視図である。
【図3】この発明の実施例を示す断面図である。
【図4】この発明のラッチ機構部分の拡大斜視図である。
【図5】この発明の蓋体部分の断面図である。
【図6】係止手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 タンク本体
1a 前側壁
1e 底板
1A 隅部
2 開口部
3 蓋体
5 ロッキングバー
7 ロックハンドル
9 係合部材
10 ラッチ機構
11 ラッチカム
12 ラッチ部材
16 ガスケット
17 テーパ形状
17a 三角柱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体は、底板の周囲に立設する前後側壁及び左右側壁により上部が開口する箱体に形成され、該タンク本体の一側壁の下部に開口部が設けられ、該開口部が設けられた側壁の左右端部に位置する隅部は、タンク本体内が前記開口部に向かうテーパ形状になされ、タンク本体内の底面は、前記開口部側に向かって傾斜して形成され、
前記開口部には密閉可能な蓋体が開閉可能に設けられ、この蓋体は上端をヒンジ結合した下方開閉構造であって、この蓋体の下方にはロックハンドルを備えるロッキングバーが回動自在に横方向に設けられ、このロッキングバーの両端にラッチカムが設けられ、このラッチカムに対応する位置のタンク本体側壁には該ラッチカムが係合するラッチ部材が設けられ、このラッチカムとラッチ部材は、ロッキングバーをロックハンドルで閉じ方向に回動させると、ラッチカムがラッチ部材に係合し蓋体を開口部に締め付け力を段階的に増加させて密閉し、ロッキングバーをロックハンドルで開方向に回動させると、蓋体の締め付け力が段階的に緩められ蓋体が段階的に開放するラッチ機構となっていることを特徴とする鮮魚用タンク。
【請求項2】
前記タンク本体内の四隅に隅部をテーパ形状とするための三角柱体を固設し、この三角柱体の上端をタンク本体の周縁上端より少し下方の位置とし、この三角柱体の上面で積み重ねたタンクの底面を受けてタンクを積み重ね可能としたことを特徴とする請求項1記載の鮮魚用タンク。
【請求項3】
前記開口部の周縁に沿って、または蓋体内側面の開口部周縁に対応する位置に沿って、ガスケットが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の鮮魚用タンク。
【請求項4】
前記蓋体には蓋体の開放状態を保持する係止手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鮮魚用タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−123932(P2006−123932A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311656(P2004−311656)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(503361558)株式会社北海道ニーズ (3)
【Fターム(参考)】