説明

2部材連結装置

【課題】 第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を円滑に行う。
【解決手段】 左,右の第1ブラケット12,13間に設けられるピン抜差し機構18を、左,右の連結ピン16,17の軸線と同一方向に伸縮可能に配置された油圧シリンダ19と、左,右の第1ブラケット12,13間に浮動状態となって配置された浮動リンク20と、浮動リンク20を介して左連結ピン16と油圧シリンダ19との間を連結した左リンク21と、浮動リンク20を介して右連結ピン17と油圧シリンダ19との間を連結した右リンク24とにより構成する。これにより、油圧シリンダ19の伸縮に応じて、左,右のリンク21,24に連結された左,右の連結ピン16,17が左,右方向に移動し、左,右の連結ピン16,17を、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに対して円滑に抜差しすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベルに用いられる複数個のブーム等の2部材を相互に連結するのに好適に用いられる2部材連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高層建築物等の地上高さが大きな構造物を解体する場合には、解体作業用の作業装置を備えた油圧ショベルが好適に用いられる。この解体作業用の作業装置は、通常、マルチブームと呼ばれる複数のブームを有し、各ブームのうち最上段のブームの先端側にアームが取付けられ、アームの先端側には圧砕機、グラップル等の作業具が取付けられるものである。
【0003】
そして、解体作業用のマルチブームは、複数個のブームを相互に連結することにより所望の長さに構成され、各ブーム間は2部材連結装置を用いて連結される構成となっている。
【0004】
この従来技術による2部材連結装置は、互いに連結される2個のブームのうち一方のブームに設けられた左,右のブラケットと、他方のブームに設けられた左,右のブラケットとの間を左,右の連結ピンによって連結するものである。
【0005】
この場合、左,右の連結ピンには左,右のリンクの一端側がそれぞれ回動可能にピン結合され、これら左,右のリンクの他端側は、それぞれブラケットに突設された支持部材に支点ピンを用いて回動可能にピン結合されている。そして、左,右のリンクの長手方向の中間部位には、油圧シリンダの両端部が連結され、この油圧シリンダを伸縮させたときに、リンクの一端側が支点ピンを中心として左,右方向に移動することにより、ブラケットに対して連結ピンを抜差しすることができる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−249185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来技術では、左,右のブラケットに支持部材を固定して設け、この支持部材によって左,右のリンクの他端側を回動可能に支持する構成となっている。このため、溶接等の手段を用いてブラケットに支持部材を固定する作業が煩雑であるという問題がある。
【0008】
また、リンクの他端側を支持する支持部材を、溶接等の手段を用いてブラケットに固定する場合には、ブラケットに設けた連結ピン用のピン孔に対し、支持部材を正確に位置決めするのが難しい。これにより、リンクの一端側にピン結合された連結ピンを、油圧シリンダの伸縮に応じてブラケットのピン孔に円滑に抜差しするのが困難であるという問題がある。
【0009】
さらに、リンクの一端側には、当該リンクが支点ピンを中心として回動したときに、連結ピンを水平移動させるための長孔が形成され、この長孔に挿通したピンを介してリンクの一端側と連結ピンとを連結する構成となっている。従って、リンクの一端側に長孔を形成するためにエンドミル加工等の煩雑な加工が必要となり、リンクを含む2部材連結装置全体の製造コストが嵩んでしまうという問題がある。また、リンクの一端側に長孔を形成した場合には、長孔に挿通されたピンが、当該長孔の内周縁に常時摺接することにより、早期に摩耗してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を円滑に行うことができるようにした2部材連結装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は、左,右方向で対面する左,右の第1部材と、該各第1部材にそれぞれ設けられた左,右の第1ピン挿通孔と、前記左,右の第1部材と対面する左,右の第2部材と、該各第2部材にそれぞれ設けられ前記第1ピン挿通孔と同一の軸線として重ねることができる左,右の第2ピン挿通孔と、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに挿通される左連結ピンと、前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに挿通される右連結ピンと、前記左,右の第1部材間に配置され、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに対して前記左連結ピンを抜差しすると共に前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに対して前記右連結ピンを抜差しするピン抜差し機構とを備えてなる2部材連結装置に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明の特徴は、前記ピン抜差し機構は、前記左,右の連結ピンの軸線の位置から離間した位置に伸縮可能に配置された油圧シリンダと、前記左,右の連結ピンの軸線の位置から前記油圧シリンダと同一方向に離間した位置に、少なくとも前記左,右の連結ピンの軸線と直交する方向に動くことができる浮動状態で配置された浮動リンクと、前記浮動リンクを介して前記左連結ピンと前記油圧シリンダとの間をそれぞれ回動可能に連結した左リンクと、前記浮動リンクを介して前記右連結ピンと前記油圧シリンダとの間をそれぞれ回動可能に連結した右リンクとを備え、前記油圧シリンダの伸長状態または縮小状態に応じて前記左,右のリンクを介して前記左,右の連結ピンによって前記左,右の第1部材と第2部材をそれぞれ連結し、または切り離す構成としたことにある。
【0013】
請求項2の発明は、前記左リンクと前記右リンクを前記左,右の連結ピンに取付け、前記油圧シリンダと前記浮動リンクは、前記左側の第1,第2部材と前記右側の第1,第2部材との間に少なくとも前記左,右の連結ピンの軸線と直交する方向に動くことができる状態で配置し、前記ピン抜差し機構は、前記左,右の連結ピンによって片持ち支持する構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明は、前記左第1部材と前記右第1部材との間には、前記左連結ピンが前記左第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接すると共に、前記右連結ピンが前記右第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接するストッパを設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項4の発明は、前記左,右の第1部材には、前記浮動リンクが前記左,右の連結ピンを中心として回動するのを規制する廻止め部材を設ける構成としたことにある。
【0016】
請求項5の発明は、前記油圧シリンダは前記左,右の連結ピンの軸線と同一方向に伸縮可能に配置し、前記左,右のリンクは、前記左,右の連結ピンに対して前記油圧シリンダと浮動リンクとをそれぞれ連結する1本のリンクにより構成したことにある。
【0017】
請求項6の発明は、前記浮動リンクは、前記左,右の連結ピンと前記油圧シリンダとの間に位置して配置する構成としたことにある。
【0018】
請求項7の発明は、前記浮動リンクは、前記油圧シリンダを挟んで前記左,右の連結ピンとは反対側に位置して配置する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、油圧シリンダを伸縮させると、左,右のリンクが浮動リンクを支点として左,右方向に回動し、これら左,右のリンクに連結された左,右の連結ピンが左,右方向に移動することにより、左,右の連結ピンを第1,第2部材に対して抜差しすることができる。このように、第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を、油圧シリンダを用いて容易に行うことができるので、第1部材と第2部材とを連結し、または切り離すときの作業性を高めることができる。また、第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を手作業で行う必要がないので、この連結ピンの抜差し作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【0020】
この場合、左,右の連結ピンが回動するときの支点となる浮動リンクは、左,右の第1部材に対して浮動状態となっている。このため、油圧シリンダの伸長動作または縮小動作に応じてリンクが移動することにより、左リンクに連結された左連結ピンを、左第1ピン挿通孔と左第2ピン挿通孔の軸線に沿って水平移動させることができる。また、右リンクに連結された右連結ピンについても、右第1ピン挿通孔と右第2ピン挿通孔の軸線に沿って水平移動させることができる。この結果、左連結ピンを左第1ピン挿通孔と左第2ピン挿通孔とに対して円滑に抜差しすることができ、右連結ピンを右第1ピン挿通孔と右第2ピン挿通孔とに円滑に抜差しすることができる。
【0021】
また、左,右のリンクの支点となる浮動リンクを、左,右の第1部材に対して浮動状態とすることにより、左,右のリンクの支点を左,右の第1部材にそれぞれ固定的に設ける必要がない。この結果、各リンクの支点を第1部材に設ける作業を不要とすることができ、左,右の第1部材間にピン抜差し機構を取付けるときの作業性を高めることができる。
【0022】
さらに、左,右のリンク間を連結する浮動リンクを、左,右の第1部材に対して浮動状態とすることにより、左リンクと左連結ピンとの連結部分、および右リンクと右連結ピンとの連結部分に、左,右の連結ピンを水平移動させるための長孔を設ける必要がない。この結果、左,右のリンクの製造コストを抑えることができ、かつ、リンクと連結ピンとの間を回動可能に連結するピン等が摩耗するのを抑え、左,右のリンクの寿命を延ばすことができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、左,右の連結ピンを利用してピン抜差し機構を片持ち支持することができる。これにより、左側の第1,第2部材と右側の第1,第2部材との間にピン抜差し機構を取付けるための部材を不要とすることができ、ピン抜差し機構を取付けるときの作業性を高めることができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、左連結ピンは、左第2ピン挿通孔から抜け出した位置でストッパに当接し、左連結ピンが左第1ピン挿通孔から抜け出すのを抑えることができる。一方、右連結ピンも、右第2ピン挿通孔から抜け出した位置でストッパに当接し、右連結ピンが右第1ピン挿通孔から抜け出すのを抑えることができる。これにより、左連結ピンを左第1ピン挿通孔に挿通すると共に、右連結ピンを右第1ピン挿通孔に挿通した状態で、ピン抜差し機構を左,右の第1部材間に保持しておくことができる。
【0025】
請求項4の発明によれば、ピン抜差し機構が、左,右の第1部材の外側にはみ出して障害物等に干渉するのを防止し、ピン抜差し機構を保護することができる。
【0026】
請求項5の発明によれば、油圧シリンダを左,右の連結ピンの軸線と同一方向に伸縮させると、左,右のリンクが浮動リンクとの連結部を支点として左,右方向に回動することにより、左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔に対して抜差しすることができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、油圧シリンダを伸長させたときには、左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔から抜取ることができ、油圧シリンダを縮小させたときには、左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔に差込むことができる。
【0028】
請求項7の発明によれば、油圧シリンダを縮小させたときには、左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔から抜取ることができ、油圧シリンダを伸長させたときには、左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔に差込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施の形態による2部材連結装置が適用されるマルチブーム式の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】下ブームに継ぎブームを連結する状態を示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態による2部材連結装置を、図2中の矢示III−III方向からみた一部破断の断面図である。
【図4】2部材連結装置を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す図3と同様な断面図である。
【図6】左連結ピンがストッパに当接した状態を示す図3と同様な断面図である。
【図7】第1の実施の形態によるピン抜差し機構等を示す一部破断の斜視図である。
【図8】第2の実施の形態による2部材連結装置を示す図3と同様な断面図である。
【図9】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す図8と同様な断面図である。
【図10】浮動リンク、廻止め部材等を図8中の矢示X−X方向からみた断面図である。
【図11】第2の実施の形態によるピン抜差し機構等を示す一部破断の斜視図である。
【図12】第3の実施の形態による2部材連結装置を示す図3と同様な断面図である。
【図13】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す図12と同様な断面図である。
【図14】浮動リンク、廻止め部材等を図12中の矢示XIV−XIV方向からみた断面図である。
【図15】第4の実施の形態による2部材連結装置を示す断面図である。
【図16】2部材連結装置を図15中の矢示XVI−XVI方向からみた断面図である。
【図17】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す断面図である。
【図18】左連結ピンがストッパに当接した状態を示す断面図である。
【図19】第4の実施の形態によるピン抜差し機構等を示す一部破断の斜視図である。
【図20】第5の実施の形態による2部材連結装置を示す断面図である。
【図21】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す断面図である。
【図22】浮動リンク、第1リンク、第2リンク、油圧シリンダ、一のピン、他のピン等を図20中の矢示XXII−XXII方向からみた断面図である。
【図23】第6の実施の形態による2部材連結装置を示す断面図である。
【図24】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す断面図である。
【図25】左,右の第1ブラケットの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る2部材連結装置の実施の形態を、油圧ショベルのマルチブームを構成する2段のブーム間を連結する場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0031】
図1ないし図10は本発明に係る2部材連結装置の第1の実施の形態を示している。
【0032】
図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられたマルチブーム式の作業装置4とにより大略構成されている。そして、この油圧ショベル1は、例えば高層建築物等の地上高さが大きな構造物を解体するのに好適に用いられるものである。
【0033】
ここで、作業装置4は、上部旋回体3の前部側に回動可能に取付けられた下ブーム5A、継ぎブーム5B、上ブーム5Cからなるブーム5と、上ブーム5Cの先端側に回動可能に取付けられたミドルアーム6と、ミドルアーム6の先端側に回動可能に取付けられた下アーム7A、上アーム7Bからなるアーム7と、上アーム7Bの先端側に回動可能に取付けられた作業具としての圧砕機8とにより大略構成されている。
【0034】
ここで、ブーム5の下ブーム5Aに継ぎブーム5Bを取付ける場合には、例えば図2に示すように、油圧クレーン9等を用いて継ぎブーム5Bを吊上げ、継ぎブーム5Bを下ブーム5Aの先端側に配置した状態で、後述の2部材連結装置11を用いて下ブーム5Aと継ぎブーム5Bとを連結する構成となっている。
【0035】
次に、第1の実施の形態に係る2部材連結装置11について詳細に説明する。即ち、11は下ブーム5Aと継ぎブーム5Bとの間に配設された2部材連結装置を示し、この2部材連結装置11は、下ブーム5Aの先端側に継ぎブーム5Bの基端側を連結するものである。そして、2部材連結装置11は、図3ないし図7に示すように、後述する左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、ピン抜差し機構18等により構成されている。
【0036】
12は下ブーム5Aの先端部左側に設けられた左第1部材としての左第1ブラケットで、この左第1ブラケット12は、一定の間隔をもって左,右方向で対面する左内側第1ブラケット12Aと、左外側第1ブラケット12Bとにより構成されている。ここで、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとは、それぞれ厚肉な鋼板等を用いて形成され、下ブーム5Aの先端部に溶接等の手段を用いて固着されている。
【0037】
そして、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの間には、後述の左第2ブラケット14が配置される構成となっている。また、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bの長さ方向(図3、図4中の上,下方向)の両端側には、左第1ピン挿通孔12C,12Cがそれぞれ穿設され、これら左第1ピン挿通孔12Cには、後述の左連結ピン16が抜差し可能に挿通される構成となっている。
【0038】
13は下ブーム5Aの先端部右側に設けられた右第1部材としての右第1ブラケットで、この右第1ブラケット13は、一定の間隔をもって左,右方向で対面する右内側第1ブラケット13Aと、右外側第1ブラケット13Bとにより構成されている。ここで、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとは、それぞれ厚肉な鋼板等を用いて形成され、下ブーム5Aの先端部に溶接等の手段を用いて固着されている。
【0039】
そして、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの間には、後述の右第2ブラケット15が配置される構成となっている。また、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bの長さ方向(図3、図4中の上,下方向)の両端側には、右第1ピン挿通孔13C,13Cがそれぞれ穿設され、これら右第1ピン挿通孔13Cには、後述の右連結ピン17が抜差し可能に挿通される構成となっている。
【0040】
この場合、左第1ブラケット12の左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとに穿設された左第1ピン挿通孔12Cと、右第1ブラケット13の右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとに穿設された右第1ピン挿通孔13Cとは、同一の軸線O−O上に配置されている(図5参照)。
【0041】
14は継ぎブーム5Bの基端部左側に設けられた左第2部材としての左第2ブラケットで、この左第2ブラケット14は、厚肉な鋼板等を用いて形成され、継ぎブーム5Bの基端部に溶接等の手段を用いて固着されている。そして、左第2ブラケット14は、左第1ブラケット12の左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの間に挟まれて配置されている。これにより、左第2ブラケット14は、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとに対し、左,右方向で対面するものである。また、左第2ブラケット14には、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと対応する位置に左第2ピン挿通孔14Aが穿設されている。
【0042】
15は継ぎブーム5Bの基端部右側に設けられた右第2部材としての右第2ブラケットで、この右第2ブラケット15は、厚肉な鋼板等を用いて形成され、継ぎブーム5Bの基端部に溶接等の手段を用いて固着されている。そして、右第2ブラケット15は、右第1ブラケット13の右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの間に挟まれて配置されている。これにより、右第2ブラケット15は、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとに対し、左,右方向で対面するものである。また、右第2ブラケット15には、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cに対応する位置に右第2ピン挿通孔15Aが穿設されている。
【0043】
ここで、図5に示すように、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aと、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとは、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12C、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと同一の軸線O−Oとして重ねることができるようになっている。
【0044】
16は左第1ブラケット12と左第2ブラケット14との間を連結する左連結ピンで、該左連結ピン16は、左,右方向に延びる円柱状に形成され、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに抜差し可能に挿通されるものである。従って、左連結ピン16の軸線は、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと同一の軸線O−Oとして重ねることができるようになっている。ここで、左連結ピン16の基端側には、左第1ピン挿通孔12Cの孔径よりも大径なフランジ部16Aと、後述する左リンク21が回動可能に取付けられるリンク取付部16Bとが設けられている。
【0045】
17は右第1ブラケット13と右第2ブラケット15との間を連結する右連結ピンで、該右連結ピン17は、左,右方向に延びる円柱状に形成され、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに抜差し可能に挿通されるものである。従って、右連結ピン17の軸線は、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと同一の軸線O−Oとして重ねることができるようになっている。ここで、右連結ピン17の基端側には、右第1ピン挿通孔13Cの孔径よりも大径なフランジ部17Aと、後述する右リンク24が回動可能に取付けられるリンク取付部17Bとが設けられている。
【0046】
次に、上,下方向に配置された左,右2組の連結ピン16,17を抜差しするピン抜差し機構18について説明する。
【0047】
即ち、18は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に上,下方向に配置された2組のピン抜差し機構を示し、これらピン抜差し機構18は、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに対して左連結ピン16を抜差しすると共に、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに対して右連結ピン17を抜差しするものである。そして、ピン抜差し機構18は、後述の油圧シリンダ19、浮動リンク20、左リンク21、右リンク24等により構成されている。
【0048】
19はピン抜差し機構18を構成する油圧シリンダで、この油圧シリンダ19は、チューブ19Aと、ピストン(図示せず)と、基端側がピストンに固定され先端側がチューブ19Aから突出したロッド19Bとにより構成されている。そして、油圧シリンダ19は、左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oの位置から離間した位置、即ち、各連結ピン16,17の軸線O−Oから上,下方向に離間した位置に、左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oと同一方向に伸縮可能な状態で配置されている。
【0049】
そして、油圧シリンダ19は、油圧源(図示せず)から圧油が給排されることにより、ロッド19Bを伸縮させ、後述する左,右のリンク21,24等を介して左,右の連結ピン16,17を左,右方向に移動させるものである。
【0050】
20は左,右の連結ピン16,17の位置から各連結ピン16,17の軸線O−Oの位置から上,下方向に離間した位置に配置された浮動リンクを示している。即ち、浮動リンク20は、油圧シリンダ19に隣接して平行に配置されている。ここで、この浮動リンク20は、左,右の第1ブラケット12,13のいずれにも取付けられておらず、これら左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となって左,右方向に延びている。そして、浮動リンク20は、後述する左,右のリンク21,24に連結された左,右の連結ピン16,17を、油圧シリンダ19の伸縮に応じて左,右方向に移動させるための支点を構成するものである。
【0051】
ここで、浮動リンク20は、左,右方向に延びる角柱状に形成され、浮動リンク20の長さ寸法Lは、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間隔よりも僅かに小さく設定されている(図3参照)。そして、浮動リンク20は、左,右の連結ピン16,17と油圧シリンダ19との間に配置され、浮動リンク20の左,右方向の一側(左側)は後述の左リンク21の長さ方向の途中位置に回動可能に連結され、浮動リンク20の左,右方向の他側(右側)は後述の右リンク24の長さ方向の途中位置に回動可能に連結される構成となっている。
【0052】
21は浮動リンク20を介して左連結ピン16と油圧シリンダ19との間を連結する左リンクで、該左リンク21は、左,右の第1ブラケット12,13に沿って各連結ピン16,17の軸線O−Oと直交する方向(上,下方向)に延びる2枚の板体により形成されている(図7参照)。そして、左リンク21の一端側21Aにはピン孔21Bが穿設され、このピン孔21Bと左連結ピン16のリンク取付部16Bとにピン22を挿通することにより、左リンク21の一端側21Aが、左連結ピン16に回動可能に連結されている。また、左リンク21の他端側21Cは、油圧シリンダ19を構成するロッド19Bの先端側にピン23を用いて回動可能に連結されている。
【0053】
24は浮動リンク20を介して右連結ピン17と油圧シリンダ19との間を連結する右リンクで、該右リンク24も、左リンク21と同様に、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、右リンク24の一端側24Aにはピン孔24Bが穿設され、このピン孔24Bと右連結ピン17のリンク取付部17Bとにピン25を挿通することにより、右リンク24の一端側24Aが、右連結ピン17に回動可能に連結されている。また、右リンク24の他端側24Cは、油圧シリンダ19を構成するチューブ19Aのボトム側にピン26を用いて回動可能に連結されている。
【0054】
そして、浮動リンク20の左,右方向の一側(左側)は、ピン27を用いて左リンク21の長さ方向の中間部位に回動可能に連結され、浮動リンク20の左,右方向の他側(右側)は、ピン28を用いて右リンク24の長さ方向の中間部位に回動可能に連結されている。
【0055】
この状態で、浮動リンク20の左端部と左内側第1ブラケット12Aとの間、浮動リンク20の右端部と右内側第1ブラケット13Aとの間には、それぞれ僅かな隙間が形成され、浮動リンク20は、油圧シリンダ19の伸縮に応じて、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間で移動することができる構成となっている。なお、浮動リンク20と左リンク21との間、浮動リンク20と右リンク24との間には、それぞれ浮動リンク20を挟んで2個のスペーサ29が配置されている。
【0056】
従って、油圧シリンダ19を伸縮させると、左リンク21の一端側21Aが、浮動リンク20との連結部位(ピン27)を支点として左,右方向に回動すると共に、右リンク24の一端側24Aが、浮動リンク20との連結部位(ピン28)を支点として左,右方向に回動する。
【0057】
これにより、油圧シリンダ19を縮小させたときには、図3に示すように、左連結ピン16は、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通される。また、右連結ピン17は、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通される。この結果、左,右の第1ブラケット12,13と、左,右の第2ブラケット14,15とを連結することができる構成となっている。
【0058】
一方、油圧シリンダ19を伸長させたときには、図5に示すように、左連結ピン16は、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取られ、右連結ピン17は、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取られる。これにより、左,右の第1ブラケット12,13から、左,右の第2ブラケット14,15を切り離すことができる構成となっている。
【0059】
30は左,右の連結ピン16,17の近傍に位置して左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に設けられたストッパで、該ストッパ30は、図5に示すように、左連結ピン16が左第2ピン挿通孔14Aから抜け出した位置で当接すると共に、右連結ピン17が右第2ピン挿通孔15Aから抜け出した位置で当接するものである。ここで、ストッパ30は、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に架け渡された板状のベース板30Aと、該ベース板30Aの左,右方向の中央部に突設され、左連結ピン16のリンク取付部16Bおよび右連結ピン17のリンク取付部17Bが当接する当接板30Bとにより構成されている。
【0060】
そして、油圧シリンダ19が伸長して左連結ピン16が左第2ピン挿通孔14Aから抜け出したときには、左連結ピン16のリンク取付部16Bがストッパ30の当接板30Bに当接することにより、左連結ピン16が、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cから抜出すのを抑える構成となっている。また、油圧シリンダ19が伸長して右連結ピン17が右第2ピン挿通孔15Aから抜け出したときには、右連結ピン17のリンク取付部17Bがストッパ30の当接板30Bに当接することにより、右連結ピン17が、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cから抜出すのを抑える構成となっている。
【0061】
ここで、図5に示すように、左,右の連結ピン16,17のリンク取付部16B,17Bが、それぞれストッパ30の当接板30Bに当接したときには、左連結ピン16は、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cのみに挿通され、右連結ピン17は、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cのみに挿通された状態を保つ。従って、ピン抜差し機構18は、左,右の連結ピン16,17を介して、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に保持される構成となっている。
【0062】
第1の実施の形態による2部材連結装置11は上述の如き構成を有するもので、次に、この2部材連結装置11を用いて、油圧ショベル1のブーム5を構成する下ブーム5Aの先端側に継ぎブーム5Bを取付ける場合について説明する。
【0063】
まず、図2に示すように、油圧クレーン9を用いて継ぎブーム5Bを吊上げ、この継ぎブーム5Bの基端側を、油圧ショベル1の上部旋回体3側に取付けられた下ブーム5Aの先端側に配置する。
【0064】
このとき、ピン抜差し機構18は、図5に示すように、油圧シリンダ19を伸長させた状態で、左連結ピン16を左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cに挿通し、右連結ピン17を右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cに挿通している。これにより、ピン抜差し機構18は、左,右の連結ピン16,17を介して左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に保持されている。
【0065】
そして、図5に示すように、下ブーム5Aに設けられた左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの間に、継ぎブーム5Bに設けられた左第2ブラケット14を挿入すると共に、下ブーム5Aに設けられた右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの間に、継ぎブーム5Bに設けられた右第2ブラケット15を挿入する。さらに、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aおよび右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aを、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cおよび右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと同一の軸線O−O上に重ねる。
【0066】
この状態で、図3に示すように、ピン抜差し機構18の油圧シリンダ19に対し油圧源(図示せず)からの圧油を給排することにより、油圧シリンダ19を縮小させる。これにより、左リンク21が、浮動リンク20との連結部位(ピン27)を支点として反時計方向に回動するので、この左リンク21の一端側21Aに連結された左連結ピン16を、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通することができる。一方、右リンク24が、浮動リンク20との連結部位(ピン28)を支点として時計方向に回動するので、この右リンク24の一端側24Aに連結された右連結ピン17を、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通することができる。
【0067】
この場合、左リンク21の一端側21Aはピン27を中心として円弧状に移動する。しかし、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となった浮動リンク20は、油圧シリンダ19の縮小動作に応じて移動することができる。これにより、左リンク21の一端側21Aにピン22を用いて連結された左連結ピン16は、左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aの軸線O−Oに沿って水平移動することができる。これと同様に、右リンク24の一端側24Aはピン28を中心として円弧状に移動する。しかし、浮動状態となった浮動リンク20は、油圧シリンダ19の縮小動作に応じて移動することができる。これにより、右リンク24の一端側24Aにピン25を用いて連結された右連結ピン17は、右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aの軸線O−Oに沿って水平移動することができる。
【0068】
そして、左連結ピン16が左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aとに挿通されることにより、この左連結ピン16によって、左第1ブラケット12と左第2ブラケット14とを連結することができる。また、右連結ピン17が右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aとに挿通されることにより、この右連結ピン17によって、右第1ブラケット13と右第2ブラケット15とを連結することができる。
【0069】
この結果、下ブーム5Aの先端側に設けた左,右の第1ブラケット12,13と、継ぎブーム5Bの基端側に設けた左,右の第2ブラケット14,15とを、左,右の連結ピン16,17によって連結することができ、下ブーム5Aの先端側に継ぎブーム5Bを取付けることができる。
【0070】
次に、下ブーム5Aの先端側から継ぎブーム5Bを取外すために、下ブーム5Aの先端側に設けた左,右の第1ブラケット12,13と、継ぎブーム5Bの基端側に設けた左,右の第2ブラケット14,15から、左,右の連結ピン16,17を抜取る場合について説明する。
【0071】
この場合には、図2に示すように、下ブーム5Aの先端側に取付けられた継ぎブーム5Bを油圧クレーン9によって支持した状態で、ピン抜差し機構18の油圧シリンダ19を伸長させる。
【0072】
これにより、図5に示すように、左リンク21が、浮動リンク20との連結部位(ピン27)を支点として時計方向に回動するので、この左リンク21の一端側21Aに連結された左連結ピン16を、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取ることができる。一方、右リンク24が、浮動リンク20との連結部位(ピン28)を支点として反時計方向に回動するので、この右リンク24の一端側24Aに連結された右連結ピン17を、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取ることができる。
【0073】
この場合、例えば左連結ピン16と左第2ピン挿通孔14Aとの間に生じる摩擦力に比較して、右連結ピン17と右第2ピン挿通孔15Aとの間に生じる摩擦力が大きい場合には、図6に示すように、左連結ピン16が、右連結ピン17よりも先に左第2ピン挿通孔14Aから抜け出す。このとき、左連結ピン16のリンク取付部16Bが、ストッパ30の当接板30Bに当接することにより、左連結ピン16がそれ以上に抜取り方向に移動するのを規制し、左連結ピン16の先端側を、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cに挿通しておくことができる。
【0074】
このようにして、左連結ピン16のリンク取付部16Bがストッパ30の当接板30Bに当接すると、油圧シリンダ19が伸長するときの力は右リンク24に集中するので、右連結ピン17を確実に右第2ピン挿通孔15Aから抜き取ることができる。そして、右連結ピン17のリンク取付部17Bが、ストッパ30の当接板30Bに当接することにより、右連結ピン17の先端側を、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cに挿通しておくことができる。
【0075】
このようにして、図5に示すように、左連結ピン16を左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜き取ると共に、右連結ピン17を右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜き取ることができる。これにより、左,右の第1ブラケット12,13に対し、左,右の第2ブラケット14,15を切り離すことができ、下ブーム5Aから継ぎブーム5Bを取外すことができる。
【0076】
さらに、下ブーム5Aから継ぎブーム5Bを取外したら、油圧シリンダ19を伸長させたままの状態としておく。即ち、左連結ピン16を左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cに挿通し、右連結ピン17を右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cに挿通しておく。これにより、ピン抜差し機構18は、左,右の連結ピン16,17を介して左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に吊下した状態で保持される。
【0077】
かくして、第1の実施の形態によれば、左,右の第1ブラケット12,13間に設けられるピン抜差し機構18を、左,右の連結ピン16,17から離間して、これら左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oと同一方向に伸縮可能に配置された油圧シリンダ19と、左,右の第1ブラケット12,13間に浮動状態となって配置された浮動リンク20と、浮動リンク20を介して左連結ピン16と油圧シリンダ19との間を連結した左リンク21と、浮動リンク20を介して右連結ピン17と油圧シリンダ19との間を連結した右リンク24とにより構成している。
【0078】
これにより、油圧シリンダ19に圧油を給排して伸縮させると、左,右のリンク21,24の一端側21A,24Aが浮動リンク20を支点として回動し、これら左,右のリンク21,24の一端側21A,24Aに連結された左,右の連結ピン16,17が左,右方向に移動する。これにより、左,右の連結ピン16,17は、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに対して抜差しすることができる。
【0079】
この場合、左,右の連結ピン16,17の抜差し作業を、油圧シリンダ19を用いて容易に行うことができるので、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とを連結し、または切り離すときの作業性を高めることができる。また、左,右の連結ピン16,17の抜差し作業を手作業で行う必要がないので、この抜差し作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【0080】
しかも、左,右の連結ピン16,17が移動するときの支点となる浮動リンク20は、左,右の第1ブラケット12,13に対して動くことができる浮動状態となっているので、浮動リンク20は、油圧シリンダ19の伸長動作または縮小動作に応じて自由に動くことができる。これにより、左リンク21と左連結ピン16とがピン22を中心として相対回動するだけで、左連結ピン16を、左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aの軸線O−Oに沿って水平移動させることができる。また、右リンク24と右連結ピン17とがピン25を中心として相対回動するだけで、右連結ピン17を、右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aの軸線O−Oに沿って水平移動させることができる。この結果、左,右の連結ピン16,17を、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに対して円滑に抜差しすることができる。
【0081】
また、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動リンク20を浮動状態とすることにより、左,右の連結ピン16,17を利用してピン抜差し機構18全体を片持ち支持することができる。これにより、左,右のリンク21,24の支点を、左,右の第1ブラケット12,13に固定的に設ける必要がなくなる。この結果、大きな構造物である下ブーム5Aの左,右の第1ブラケット12,13に、左,右のリンク21,24の支点を設けるといった煩雑な作業を不要とすることができ、左,右の第1ブラケット12,13間にピン抜差し機構18を取付けるときの作業性を高めることができる。
【0082】
さらに、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動リンク20を浮動状態とすることにより、左リンク21と左連結ピン16とがピン22を中心として相対回動するだけで、左連結ピン16を左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aとに挿通することができるので、左リンク21の一端側21Aに設けたピン孔21Bを長孔とする必要がない。また、右リンク24と右連結ピン17とがピン25を中心として相対回動するだけで、右連結ピン17を右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aとに挿通することができるので、右リンク24の一端側24Aに設けたピン孔24Bを長孔とする必要がない。
【0083】
この結果、左リンク21に穿設したピン孔21B、該ピン孔21Bに挿通されたピン22等の摩耗を抑えて左リンク21の寿命を延ばすことができると共に、右リンク24に穿設したピン孔24B、該ピン孔24Bに挿通されたピン25等の摩耗を抑えて右リンク24の寿命を延ばすことができる。また、左,右のリンク21,24の一端側21A,24Aにエンドミル加工等によって長孔を形成する必要がない分、左,右のリンク21,24の製造コストを低減することができる。
【0084】
次に、図8ないし図11は本発明の第2の実施の形態を示している。この第2の実施の形態の特徴は、浮動リンクが左,右の連結ピンを中心として回動するのを規制する廻止め部材を設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0085】
図中、31は第2の実施の形態による2部材連結装置を示し、この2部材連結装置31は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構32等により構成されているものの、ピン抜差し機構32の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なっている。
【0086】
32は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に配置されたピン抜差し機構で、該ピン抜差し機構32は、第1の実施の形態によるピン抜差し機構18に代えて第2の実施の形態に用いたものである。そして、ピン抜差し機構32は、油圧シリンダ19、左リンク21、右リンク24、後述の浮動リンク33、廻止め部材34等により構成されている。
【0087】
33は左,右の連結ピン16,17から上,下方向に離間した位置に配置された浮動リンクを示し、該浮動リンク33は、左,右の第1ブラケット12,13の間に浮動状態となって左,右方向に延びている。そして、浮動リンク33は、左,右のリンク21,24の一端側21A,24Aに連結された左,右の連結ピン16,17を、油圧シリンダ19の伸縮に応じて左,右方向に移動させるための支点を構成するものである。
【0088】
ここで、浮動リンク33は、左,右方向に延びる角柱状に形成され、浮動リンク33の長さ寸法は、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間隔よりも僅かに小さく設定されている。そして、浮動リンク33の左,右方向の一側はピン27を用いて左リンク21の長さ方向の中間部位に連結され、左,右方向の他側はピン28を用いて右リンク24の長さ方向の中間部位に連結されている。また、図10等に示すように、浮動リンク33の左,右方向の両端部には、それぞれ二股状に切欠かれた凹溝部33A,33Aが形成され、これら各凹溝部33Aは、後述の廻止め部材34に係合する構成となっている。
【0089】
34は左,右の第1ブラケット12,13にそれぞれ設けられた左,右の廻止め部材で、これら各廻止め部材34は、左,右の第1ブラケット12,13間に設けられた浮動リンク33が、左,右の連結ピン16,17を中心として回動するのを規制するものである。
【0090】
ここで、廻止め部材34は、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びる角柱体により形成されている。この上で、廻止め部材34は、左内側第1ブラケット12Aの内側面のうち浮動リンク33の左端部に対面する部位と、右内側第2ブラケット13Aの内側面のうち浮動リンク33の右端部に対面する部位とに、それぞれ溶接等の手段を用いて固着されている。
【0091】
この結果、図10に示すように、浮動リンク33の両端部に設けられた左,右の凹溝部33Aは、左,右の廻止め部材34にそれぞれ係合し、浮動リンク33は、廻止め部材34に沿って上,下方向に対しては、自由に移動可能となっている。即ち、浮動リンク33は、左,右の第1ブラケット12,13間を各連結ピン16,17の軸線と直交する方向(図8、図9の上,下方向)に動くことができる浮動状態に配置されている。
【0092】
従って、ピン抜差し機構32の油圧シリンダ19が伸縮することにより、左,右のリンク21,24が浮動リンク33を支点として左,右方向に回動し、この左,右のリンク21,24に連結された左,右の連結ピン16,17が左,右方向に移動する。このとき、浮動リンク33は、その両端部に形成された凹溝部33Aが廻止め部材34に係合した状態で、左,右の第1ブラケット12,13間を上,下方向に移動する構成となっている。
【0093】
第2の実施の形態による2部材連結装置31は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0094】
然るに、第2の実施の形態による2部材連結装置31は、左,右の第1ブラケット12,13に廻止め部材34を設け、ピン抜差し機構32を構成する浮動リンク33の両端部に設けた凹溝部33Aを、廻止め部材34に係合させる構成となっている。これにより、浮動リンク33は、上,下方向には自由に移動することができるが、左,右の連結ピン16,17を中心として任意の方向に回動するのを規制することができる。
【0095】
次に、図12ないし図14は本発明の第3の実施の形態を示している。この第3の実施の形態の特徴は、油圧シリンダを挟んで左,右の連結ピンとは反対側に浮動リンクを配置したことにある。なお、第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0096】
図中、41は第3の実施の形態による2部材連結装置を示している。この2部材連結装置41は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構42等により構成されているものの、ピン抜差し機構42の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なっている。
【0097】
42は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に配置されたピン抜差し機構で、該ピン抜差し機構42は、第1の実施の形態によるピン抜差し機構18に代えて第3の実施の形態に用いたものである。そして、ピン抜差し機構42は、油圧シリンダ19、後述の浮動リンク43、左リンク44、右リンク45、廻止め部材47等により構成されている。
【0098】
43は左,右の連結ピン16,17から上,下方向に離間した位置に配置された浮動リンクを示し、該浮動リンク43は、左,右の第1ブラケット12,13の間に浮動状態となって左,右方向に延びている。そして、浮動リンク43は、後述する左,右のリンク44,45に連結された左,右の連結ピン16,17を、油圧シリンダ19の伸縮に応じて左,右方向に移動させるための支点を構成している。
【0099】
ここで、浮動リンク43は、左,右方向に延びる角柱状に形成され、浮動リンク43の長さ寸法は、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間隔よりも僅かに小さく設定されている。そして、浮動リンク43は、油圧シリンダ19を挟んで左,右の連結ピン16,17とは反対側に配置されている。
【0100】
44は浮動リンク43を介して左連結ピン16と油圧シリンダ19との間を連結する左リンクで、該左リンク44は、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、左リンク44の一端側44Aにはピン孔44Bが穿設され、このピン孔44Bと左連結ピン16のリンク取付部16Bとにピン22を挿通することにより、左リンク44の一端側44Aが、左連結ピン16に回動可能に連結されている。
【0101】
また、左リンク44の他端側44Cは、浮動リンク43の左,右方向の一側(左側)にピン27を用いて回動可能に連結されている。さらに、左リンク44の長さ方向の中間部位は、油圧シリンダ19を構成するロッド19Bの先端側に、ピン23を用いて回動可能に連結されている。
【0102】
45は浮動リンク43を介して右連結ピン17と油圧シリンダ19との間を連結する右リンクで、該右リンク45も、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、右リンク45の一端側45Aにはピン孔45Bが穿設され、このピン孔45Bと右連結ピン17のリンク取付部17Bとにピン25を挿通することにより、右リンク45の一端側45Aが、右連結ピン17に回動可能に連結されている。
【0103】
また、右リンク45の他端側45Cは、浮動リンク43の左,右方向の他側(右側)にピン28を用いて回動可能に連結されている。さらに、右リンク45の長さ方向の中間部位は、油圧シリンダ19を構成するチューブ19Aのボトム側に、ピン25を用いて回動可能に連結されている。なお、浮動リンク43と左リンク44との間、浮動リンク43と右リンク45との間には、それぞれ浮動リンク43を挟んで2個のスペーサ46が配置されている。
【0104】
従って、油圧シリンダ19を伸長させたときには、図12に示すように、左連結ピン16が、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通される。また、右連結ピン17が、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通される。これにより、左,右の第1ブラケット12,13と、左,右の第2ブラケット14,15とを連結することができる。
【0105】
一方、油圧シリンダ19を縮小させたときには、図13に示すように、左連結ピン16が、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取られ、右連結ピン17が、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取られる。これにより、左,右の第1ブラケット12,13から、左,右の第2ブラケット14,15を切り離すことができる構成となっている。
【0106】
47は左,右の第1ブラケット12,13にそれぞれ設けられた左,右の廻止め部材で、これら各廻止め部材47は、左,右の第1ブラケット12,13間に設けられたピン抜差し機構42の浮動リンク43が、左,右の連結ピン16,17を中心として回動するのを規制するものである。
【0107】
ここで、廻止め部材47は、図14に示すように、コ字型の断面形状をもった凹溝部47Aを有している。そして、この廻止め部材47は、左内側第1ブラケット12Aの内側面と右内側第1ブラケット13Aの内側面とに、それぞれ溶接等の手段を用いて固着され、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びている。そして、浮動リンク43の左,右方向の両端部は、左,右の廻止め部材47の凹溝部47Aにそれぞれ係合し、浮動リンク43は、廻止め部材47に沿って上,下方向に対して自由に移動可能となっている。
【0108】
第3の実施の形態による2部材連結装置41は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0109】
然るに、第3の実施の形態による2部材連結装置41は、浮動リンク43を、油圧シリンダ19を挟んで左,右の連結ピン16,17とは反対側に配置している。このため、油圧シリンダ19を伸長させることにより、図12に示すように、左,右の連結ピン16,17を左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに挿通することができる。一方、油圧シリンダ19を縮小させることにより、図13に示すように、左,右の連結ピン16,17を左,右の第2ブラケット14,15から抜取ることができる。
【0110】
このように、左,右の連結ピン16,17に対してより大きな力が作用する油圧シリンダ19の伸長時に、左,右の連結ピン16,17を左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに挿通することができるので、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とを、左,右の連結ピン16,17を用いて確実に連結することができる。
【0111】
また、第3の実施の形態による2部材連結装置41は、ピン抜差し機構42を構成する浮動リンク43の両端部を、左,右の第1ブラケット12,13に設けた廻止め部材47の凹溝部47Aに係合させることにより、ピン抜差し機構42が左,右の連結ピン16,17を中心として任意の方向に回動するのを確実に規制することができる。
【0112】
次に、図15ないし図19は本発明の第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、油圧シリンダを左,右の連結ピンの軸線と直交する方向に伸縮可能に配置したことにある。なお、第4の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0113】
図中、51は第4の実施の形態による2部材連結装置を示している。この2部材連結装置51は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構52等により構成されている。しかし、第4の実施の形態では、ピン抜差し機構52の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なっている。
【0114】
52は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に配置されたピン抜差し機構を示している。このピン抜差し機構52は、第1の実施の形態によるピン抜差し機構18に代えて第4の実施の形態に用いたものである。そして、ピン抜差し機構52は、後述の油圧シリンダ53、浮動リンク54、左,右の第1リンク56,62、左,右の第2リンク59,65等により構成されている。
【0115】
53は油圧シリンダで、この油圧シリンダ53は、左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oの位置から上,下方向に離間した位置に配置されている。そして、油圧シリンダ53は、チューブ53Aと、ピストン(図示せず)と、ロッド53Bとにより構成され、油圧源(図示せず)から圧油が給排されることにより、連結ピン16,17の軸線O−Oと直交する方向に伸縮するものである。
【0116】
54は左,右の連結ピン16,17の位置から上,下方向に離間した位置に配置された浮動リンクで、該浮動リンク54は、左,右の第1ブラケット12,13のいずれにも取付けられておらず、これら左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となっている。
【0117】
ここで、浮動リンク54は、油圧シリンダ53(チューブ53A)の外径よりも大きな幅を有するスペーサ(図示せず)を挟んで対面する2枚の三角形状の板体により形成されている。また、浮動リンク54の左,右方向の長さ寸法Lは、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間隔よりも僅かに小さく設定され、浮動リンク54の左端部と左内側第1ブラケット12Aとの間、浮動リンク54の右端部と右内側第1ブラケット13Aとの間には、それぞれ僅かな隙間が形成されている(図15参照)。従って、浮動リンク54は、油圧シリンダ53の伸縮に応じて、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間で移動することができる構成となっている。
【0118】
そして、浮動リンク54の左,右方向の中間部位には、油圧シリンダ53の一端となるチューブ53Aのボトム側が、ピン55を介して回動可能に連結されている。また、浮動リンク54の左,右方向の両端側には、後述する左,右の第1リンク56,62の他端側56B,62Bがそれぞれ回動可能に連結され、浮動リンク54は、これら左,右の第1リンク56,62の支点を構成している。
【0119】
56は左連結ピン16と浮動リンク54との間を連結する左第1リンクで、該左第1リンク56は、後述の左第2リンク59と共に本発明に係る左リンクを構成するものである。ここで、左第1リンク56は、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びる2枚の板体により形成されている(図19参照)。そして、左第1リンク56の長さ方向の一端側56Aは、ピン57を介して左連結ピン16のリンク取付部16Bに連結されている。また、左第1リンク56の長さ方向の他端側56Bは、ピン58を介して浮動リンク54に連結されている。
【0120】
59は左第1リンク56の長さ方向の途中部位56Cと油圧シリンダ53のロッド53B先端との間を連結する左第2リンクで、該左第2リンク59は、油圧シリンダ53の伸縮力を左第1リンク56に伝えるもので、一定の間隔をもって対面しつつ左,右方向に延びる2枚の板体により形成されている(図19参照)。
【0121】
ここで、左第2リンク59の長さ方向の一端側59Aは、左第1リンク56の途中部位56Cにピン60を介して連結され、左第2リンク59の長さ方向の他端側59Bは、油圧シリンダ53の他端であるロッド53B先端にピン61を介して連結されている。
【0122】
62は右連結ピン17と浮動リンク54との間を連結する右第1リンクで、該右第1リンク62は、後述の右第2リンク65と共に右リンクを構成するものである。ここで、右第1リンク62は、左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、右第1リンク62の長さ方向の一端側62Aは、ピン63を介して右連結ピン17のリンク取付部17Bに連結されている。また、右第1リンク62の長さ方向の他端側62Bは、ピン64を介して浮動リンク54に連結されている。
【0123】
65は右第1リンク62の長さ方向の途中部位62Cと油圧シリンダ53のロッド53B先端との間を連結する右第2リンクで、該右第2リンク65は、油圧シリンダ53の伸縮力を右第1リンク62に伝えるもので、左第2リンク59と同様に、一定の間隔をもって対面しつつ左,右方向に延びる2枚の板体により形成されている。
【0124】
ここで、右第2リンク65の長さ方向の一端側65Aは、右第1リンク62の途中部位62Cにピン66を介して連結され、右第2リンク65の長さ方向の他端側65Bは、油圧シリンダ53の他端であるロッド53B先端にピン61を介して連結されている。
【0125】
そして、第4の実施の形態では、左第2リンク59の他端側59Bと、右第2リンク65の他端側65Bと、油圧シリンダ53のロッド53B先端との3部材が、共通な1本のピン61を介して回動可能に連結される構成となっている。
【0126】
従って、油圧シリンダ53を伸縮させると、この油圧シリンダ53の伸縮力が、左第2リンク59を介して左第1リンク56に伝わると共に右第2リンク65を介して右第1リンク62に伝わる。このため、左第1リンク56が、浮動リンク54との連結部(ピン58)を支点として左,右方向に回動すると共に、右第1リンク62が、浮動リンク54との連結部(ピン64)を支点として左,右方向に回動する。
【0127】
これにより、油圧シリンダ53を縮小させたときには、図15に示すように、左第1リンク56の一端側56Aに連結された左連結ピン16は、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通される。また、右第1リンク62の一端側62Aに連結された右連結ピン17は、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通される。この結果、左,右の第1ブラケット12,13と、左,右の第2ブラケット14,15とを連結することができる構成となっている。
【0128】
一方、油圧シリンダ53を伸長させたときには、図17に示すように、左連結ピン16は、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取られ、右連結ピン17は、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取られる。これにより、左,右の第1ブラケット12,13から、左,右の第2ブラケット14,15を切り離すことができる構成となっている。
【0129】
そして、油圧シリンダ53が伸長して左連結ピン16が左第2ピン挿通孔14Aから抜け出したときには、左連結ピン16のリンク取付部16Bがストッパ30の当接板30Bに当接する。これにより、左連結ピン16は、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cのみに挿通された状態を保持する。また、油圧シリンダ53が伸長して右連結ピン17が右第2ピン挿通孔15Aから抜け出したときには、右連結ピン17のリンク取付部17Bがストッパ30の当接板30Bに当接する。これにより、右連結ピン17は、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cのみに挿通された状態を保持する。従って、ピン抜差し機構52は、左,右の連結ピン16,17によって片持ち支持された状態で、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に保持される構成となっている。
【0130】
67は左,右の第1ブラケット12,13にそれぞれ設けられた左,右の廻止め部材で、これら各廻止め部材67は、ピン抜差し機構52の浮動リンク54が、左,右の連結ピン16,17を中心として回動するのを規制するものである。
【0131】
ここで、廻止め部材67は、左,右の第1ブラケット12,13に沿って上,下方向に延びる角柱体からなり、左内側第1ブラケット12Aの内側面と右内側第2ブラケット13Aの内側面とに、それぞれ溶接等の手段を用いて固着されている。そして、浮動リンク54を構成する2枚の板体は、左,右の廻止め部材67をそれぞれ挟込み、浮動リンク54は、廻止め部材67に係合した状態で、当該廻止め部材67に沿って上,下方向に移動する構成となっている。
【0132】
第4の実施の形態による2部材連結装置51は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0133】
然るに、第4の実施の形態による2部材連結装置51は、ピン抜差し機構52の油圧シリンダ53を、左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oと直交する方向(図15、図16の上,下方向)に伸縮可能に配置する構成としている。これにより、左,右の第1ブラケット12,13の間隔が狭い場合でも、この左,右の第1ブラケット12,13間に、油圧シリンダ53を含むピン抜差し機構52を容易に配置することができる。
【0134】
また、左第2リンク59の他端側59Bと、右第2リンク65の他端側65Bと、油圧シリンダ53のロッド53B先端との3部材を、共通な1本のピン61を介して同軸に連結することにより、ピン抜差し機構52の部品点数を低減することができる。
【0135】
次に、図20ないし図22は本発明の第5の実施の形態を示している。この第5の実施の形態の特徴は、左,右の第2リンクのうちいずれか一方と油圧シリンダの他端とを一のピンを用いて連結し、左,右の第2リンク間は他のピンを用いて連結したことにある。なお、第5の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0136】
図中、71は第5の実施の形態による2部材連結装置を示し、この2部材連結装置71は、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構72等により構成されている。
【0137】
72は第5の実施の形態によるピン抜差し機構で、該ピン抜差し機構72は、後述の油圧シリンダ73、浮動リンク74、左,右の第1リンク76,81、左,右の第2リンク79,84等により構成されている。
【0138】
73は油圧シリンダで、この油圧シリンダ73は、チューブ73Aと、ピストン(図示せず)と、ロッド73Bとにより構成され、油圧源から圧油が給排されることにより左,右の連結ピン16,17の軸線と直交する方向に伸縮するものである。
【0139】
74は左,右の連結ピン16,17の位置から上,下方向に離間した位置に配置された浮動リンクで、該浮動リンク74は、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となっている。ここで、第4の実施の形態と同様に、浮動リンク74は、油圧シリンダ73を挟んで対面する2枚の三角形状の板体により形成され、浮動リンク74の左,右方向の中間部位には、油圧シリンダ73のチューブ73Aのボトム側がピン75を介して連結されている。
【0140】
76は左連結ピン16と浮動リンク74との間を連結する左第1リンクで、該左第1リンク76は、後述の左第2リンク79と共に左リンクを構成するものである。ここで、左第1リンク76の長さ方向の一端側76Aは、ピン77を介して左連結ピン16のリンク取付部16Bに連結されている。また、左第1リンク76の長さ方向の他端側76Bは、ピン78を介して浮動リンク74に連結されている。
【0141】
79は左第1リンク76と油圧シリンダ73のロッド73Bとの間を連結する左第2リンクで、左第2リンク79の長さ方向の一端側79Aは、左第1リンク76の途中部位76Cにピン80を介して連結されている。また、左第2リンク79の長さ方向の他端側79Bは、後述する右第2リンク84に他のピン87を介して連結されている。
【0142】
81は右連結ピン17と浮動リンク74との間を連結する右第1リンクで、該右第1リンク81は、後述の右第2リンク84と共に右リンクを構成するものである。ここで、右第1リンク81の長さ方向の一端側81Aは、ピン82を介して右連結ピン17のリンク取付部17Bに連結されている。また、右第1リンク81の長さ方向の他端側81Bは、ピン83を介して浮動リンク74に連結されている。
【0143】
84は右第1リンク81と油圧シリンダ73のロッド73Bとの間を連結する右第2リンクで、該右第2リンク84の長さ方向の一端側84Aは、右第1リンク81の途中部位81Cにピン85を介して連結されている。また、右第2リンク84の長さ方向の途中部位84Bは、油圧シリンダ73のロッド73B先端に一のピン86を介して連結され、右第2リンク84の長さ方向の他端側84Cは、左第2リンク79の他端側79Bに他のピン87を介して連結されている。
【0144】
即ち、第5の実施の形態では、油圧シリンダ73のロッド73Bと右第2リンク84との2部材を一のピン86を介して連結し、左第2リンク79と右第2リンク84との2部材を、一のピン86とは異なる位置で他のピン87を介して連結している。これにより、図22に示すように、各ピン86,87の長さ寸法Sを短くすることができる構成となっている。
【0145】
88は左,右の第1ブラケット12,13にそれぞれ設けられた左,右の廻止め部材で、これら各廻止め部材88は、左内側第1ブラケット12Aの内側面と右内側第2ブラケット13Aの内側面とに固着されている。そして、各廻止め部材88は、浮動リンク74を上,下方向に移動可能に案内する構成となっている。
【0146】
第5の実施の形態による2部材連結装置71は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0147】
然るに、第5の実施の形態による2部材連結装置71のピン抜差し機構72は、油圧シリンダ73のロッド73Bと右第2リンク84との2部材を一のピン86を介して連結し、左第2リンク79と右第2リンク84との2部材を他のピン87を介して連結している。このため、例えば油圧シリンダ73のロッド73B先端と、左第2リンク79と、右第2リンク84との3部材を重ね合わせて長尺な1本のピンで連結する場合に比較して、各ピン86,87の長さ寸法Sを短くすることができる。この結果、ピン86,87の強度を高めることができ、ピン抜差し機構72の寿命を延ばすことができる。
【0148】
次に、図23および図24は本発明の第6の実施の形態を示している。第6の実施の形態の特徴は、前述した第4,第5の実施の形態とは逆に油圧シリンダが伸長したときに左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔に挿通し、油圧シリンダが縮小したときに左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔から抜取る構成としたことにある。なお、第6の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0149】
図中、91は第6の実施の形態による2部材連結装置を示し、この2部材連結装置91は、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構92等により構成されている。
【0150】
92は第6の実施の形態によるピン抜差し機構で、該ピン抜差し機構92は、後述の油圧シリンダ93、浮動リンク94、左,右の第1リンク96,102、左,右の第2リンク99,105等により構成されている。
【0151】
93は油圧シリンダで、この油圧シリンダ93は、チューブ93Aと、ピストン(図示せず)と、ロッド93Bとにより構成され、油圧源から圧油が給排されることにより左,右の連結ピン16,17の軸線と直交する方向に伸縮するものである。
【0152】
94は左,右の連結ピン16,17の位置から上,下方向に離間した位置に配置された浮動リンクで、該浮動リンク94は、油圧シリンダ93を挟んで対面する2枚の三角形状の板体により形成され、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となっている。そして、浮動リンク94の左,右方向の中間部位には、油圧シリンダ93のチューブ93Aのボトム側がピン95を介して連結されている。
【0153】
96は左連結ピン16と浮動リンク94との間を連結する左第1リンクで、該左第1リンク96は、後述の左第2リンク99と共に左リンクを構成するものである。ここで、左第1リンク96の一端側96Aは、ピン97を介して左連結ピン16のリンク取付部16Bに連結されている。また、左第1リンク96の他端側96Bは、ピン98を介して浮動リンク94に連結されている。
【0154】
99は左第1リンク96と油圧シリンダ93のロッド93Bとの間を連結する左第2リンクで、該左第2リンク99の一端側99Aは、左第1リンク96の途中部位96Cにピン100を介して連結され、他端側99Bは、油圧シリンダ93のロッド93B先端にピン101を介して連結されている。
【0155】
102は右連結ピン17と浮動リンク94との間を連結する右第1リンクで、該右第1リンク102は、後述の右第2リンク105と共に右リンクを構成するものである。ここで、右第1リンク102の一端側102Aは、ピン103を介して右連結ピン17のリンク取付部17Bに連結されている。また、右第1リンク102の他端側102Bは、ピン104を介して浮動リンク94に連結されている。
【0156】
105は右第1リンク102と油圧シリンダ93のロッド93Bとの間を連結する右第2リンクで、該右第2リンク105の一端側105Aは、右第1リンク102の途中部位102Cにピン106を介して連結され、他端側105Bは、油圧シリンダ93のロッド93B先端にピン101を介して連結されている。
【0157】
従って、油圧シリンダ93を伸長させたときには、図23に示すように、左連結ピン16が、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通される。また、右連結ピン17が、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通される構成となっている。
【0158】
一方、油圧シリンダ93を縮小させたときには、図24に示すように、左連結ピン16が、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取られ、右連結ピン17が、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取られる構成となっている。
【0159】
なお、107は左,右の第1ブラケット12,13にそれぞれ設けられた左,右の廻止め部材で、これら各廻止め部材107は、浮動リンク94が左,右の連結ピン16,17を中心として回動するのを規制するものである。
【0160】
第6の実施の形態による2部材連結装置91は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0161】
然るに、第6の実施の形態による2部材連結装置91のピン抜差し機構92は、前述した第4,第5の実施の形態とは逆に、油圧シリンダ93の伸長時に、左,右の第1ブラケット12,13の第1ピン挿通孔12C,13Cと、左,右の第2ブラケット14,15の第2ピン挿通孔14A,15Aとに対し、左,右の連結ピン16,17を挿通することができる。
【0162】
なお、上述した第1の実施の形態では、左第1ブラケット12を左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの2枚の板体により構成し、右第1ブラケット13を右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの2枚の板体により構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図25に示す変形例のように、1枚の板体により構成した左第1ブラケット12′と右第1ブラケット13′とを用いてもよい。このことは、第2〜第6の実施の形態についても同様である。
【0163】
また、上述した第1の実施の形態に係る2部材連結装置11は、油圧ショベル1のブーム5を構成する下ブーム5A、継ぎブーム5B、上ブーム5Cのうち、下ブーム5Aと継ぎブーム5Bとの連結部分に用いた場合を例示している。しかし、本発明に係る2部材連結装置11は、これに限らず、例えば継ぎブーム5Bと上ブーム5Cとの連結部分、アーム7を構成する下アーム7Aと上アーム7Bとの連結部分等に用いてもよい。このことは、第2〜第6の実施の形態についても同様である。
【0164】
また、上述した各実施の形態では、油圧ショベル1のブーム5を構成する下ブーム5Aに左,右の第1ブラケット12,13を設け、継ぎブーム5Bに左,右の第2ブラケット14,15を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば継ぎブーム5Bに左,右の第1ブラケット12,13を設け、下ブーム5Aに左,右の第2ブラケット14,15を設ける構成としてもよい。
【0165】
さらに、上述した第1,第2,第3の実施の形態では、左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oと同一方向に伸縮する油圧シリンダ19を用いた場合を例示し、上述した第4,第5,第6の実施の形態では、左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oと直交する方向に伸縮する油圧シリンダ53,73,93を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば左,右の連結ピン16,17の軸線O−Oに対して斜め方向に伸縮する油圧シリンダを用いる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0166】
11,31,41,51,71,91 2部材連結装置
12,12′ 左第1ブラケット(左第1部材)
12C 左第1ピン挿通孔
13,13′ 右第1ブラケット(右第1部材)
13C 右第1ピン挿通孔
14 左第2ブラケット(左第2部材)
14A 左第2ピン挿通孔
15 右第2ブラケット(右第2部材)
15A 右第2ピン挿通孔
16 左連結ピン
17 右連結ピン
18,32,42,52,72,92 ピン抜差し機構
19,53,73,93 油圧シリンダ
20,33,43,54,74,94 浮動リンク
21,44 左リンク
24,45 右リンク
30 ストッパ
34,47,67,88,107 廻止め部材
56,76,96 左第1リンク(左リンク)
59,79,99 左第2リンク(左リンク)
62,81,102 右第1リンク(右リンク)
65,84,105 右第2リンク(右リンク)
86 一のピン
87 他のピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左,右方向で対面する左,右の第1部材と、該各第1部材にそれぞれ設けられた左,右の第1ピン挿通孔と、前記左,右の第1部材と対面する左,右の第2部材と、該各第2部材にそれぞれ設けられ前記第1ピン挿通孔と同一の軸線として重ねることができる左,右の第2ピン挿通孔と、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに挿通される左連結ピンと、前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに挿通される右連結ピンと、前記左,右の第1部材間に配置され、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに対して前記左連結ピンを抜差しすると共に前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに対して前記右連結ピンを抜差しするピン抜差し機構とを備えてなる2部材連結装置において、
前記ピン抜差し機構は、
前記左,右の連結ピンの軸線の位置から離間した位置に伸縮可能に配置された油圧シリンダと、
前記左,右の連結ピンの軸線の位置から前記油圧シリンダと同一方向に離間した位置に、少なくとも前記左,右の連結ピンの軸線と直交する方向に動くことができる浮動状態で配置された浮動リンクと、
前記浮動リンクを介して前記左連結ピンと前記油圧シリンダとの間をそれぞれ回動可能に連結した左リンクと、
前記浮動リンクを介して前記右連結ピンと前記油圧シリンダとの間をそれぞれ回動可能に連結した右リンクとを備え、
前記油圧シリンダの伸長状態または縮小状態に応じて前記左,右のリンクを介して前記左,右の連結ピンによって前記左,右の第1部材と第2部材をそれぞれ連結し、または切り離す構成としたことを特徴とする2部材連結装置。
【請求項2】
前記左リンクと前記右リンクを前記左,右の連結ピンに取付け、前記油圧シリンダと前記浮動リンクは、前記左側の第1,第2部材と前記右側の第1,第2部材との間に少なくとも前記左,右の連結ピンの軸線と直交する方向に動くことができる状態で配置し、前記ピン抜差し機構は、前記左,右の連結ピンによって片持ち支持する構成としてなる請求項1に記載の2部材連結装置。
【請求項3】
前記左第1部材と前記右第1部材との間には、前記左連結ピンが前記左第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接すると共に、前記右連結ピンが前記右第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接するストッパを設ける構成としてなる請求項1または2に記載の2部材連結装置。
【請求項4】
前記左,右の第1部材には、前記浮動リンクが前記左,右の連結ピンを中心として回動するのを規制する廻止め部材を設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の2部材連結装置。
【請求項5】
前記油圧シリンダは前記左,右の連結ピンの軸線と同一方向に伸縮可能に配置し、
前記左,右のリンクは、前記左,右の連結ピンに対して前記油圧シリンダと浮動リンクとをそれぞれ連結する1本のリンクにより構成してなる請求項1,2,3または4に記載の2部材連結装置。
【請求項6】
前記浮動リンクは、前記左,右の連結ピンと前記油圧シリンダとの間に位置して配置する構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の2部材連結装置。
【請求項7】
前記浮動リンクは、前記油圧シリンダを挟んで前記左,右の連結ピンとは反対側に位置して配置する構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の2部材連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−180692(P2010−180692A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198117(P2009−198117)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】