説明

2部材連結装置

【課題】 互いに回動する2部材間を連結する連結ピンを廻止めする。
【解決手段】 左連結ピン26の端部26Aにピン側係合部材43を設けると共に、左ブームブラケット22に凹溝部44Bを有するブラケット側係合部材44を設ける。一方、右連結ピン27の端部27Aにピン側係合部材46を設けると共に、右ブームブラケット23に凹溝部47Bを有するブラケット側係合部材47を設ける。そして、左ブームブラケット22と左ブームフート部24とを左連結ピン26によって連結した状態で、ピン側係合部材43を凹溝部44Bに挟込み、右ブームブラケット23と右ブームフート部25とを右連結ピン27によって連結した状態で、ピン側係合部材46を凹溝部47Bに挟込む。これにより、左,右の連結ピン26,27を、左,右のブームブラケット22,23に対して廻止めすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベルの旋回フレームとブーム、ブームとアーム等の互いに回動する2部材間を連結するのに好適に用いられる2部材連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高層建築物等の地上高さが大きな構造物を解体する場合には、解体作業用の作業装置を備えた油圧ショベルが好適に用いられる。この解体作業用の作業装置は、通常、マルチブームと呼ばれる複数のブームを有し、各ブームのうち最上段のブームの先端側にアームが取付けられ、アームの先端側には圧砕機、グラップル等の作業具が取付けられるものである。
【0003】
前記解体作業用のマルチブームは、複数個のブームを相互に連結することにより所望の長さに構成され、各ブーム間は2部材連結装置を用いて連結される構成となっている。また、マルチブームのうち最下段のブームと旋回フレームのブームブラケット、最上段のマルチブームとアーム、アームと作業具等の互いに回動する2部材間も2部材連結装置を用いて連結されている。
【0004】
ここで、マルチブームを構成する2個のブーム間を連結する2部材連結装置は、一方のブームに設けられた左,右のブラケットと、他方のブームに設けられた左,右のブラケットとの間を左,右の連結ピンによって連結するものである。
【0005】
この場合、左,右の連結ピンには左,右のリンクの一端側がそれぞれ回動可能にピン結合され、これら左,右のリンクの他端側は、それぞれブラケットに突設された支持部材に支点ピンを用いて回動可能にピン結合されている。そして、左,右のリンクの長手方向の中間部位には、油圧シリンダの両端部が連結され、この油圧シリンダを伸縮させたときに、リンクの一端側が支点ピンを中心として左,右方向に移動することにより、ブラケットに対して連結ピンを抜差しすることができる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−249185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来技術では、連結ピンが一方のブームのブラケットと他方のブームのブラケットとに対して抜差しされるだけで、各ブラケット間を連結した連結ピンを廻止めするための機構がない。
【0008】
このため、例えば旋回フレームのブームブラケットとブームのフート部との間のように、互いに回動する2部材間を、従来技術による2部材連結装置を用いて連結した場合には、ブームブラケットに対してブームが回動するときに、ブームブラケットとブームのフート部との間で連結ピンが回転してしまい、連結ピンが早期に摩耗してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、互いに回動する2部材間を連結する連結ピンを廻止めし、この連結ピンの寿命を延ばすことができるようにした2部材連結装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため本発明は、第1部材に左,右方向で対面して設けられた左,右の第1ブラケットと、前記左,右の第1ブラケットにそれぞれ設けられた左,右の第1ピン挿通孔と、前記第1部材に連結される第2部材に設けられ前記左,右の第1ブラケットと対面する左,右の第2ブラケットと、前記左,右の第2ブラケットにそれぞれ設けられ前記第1ピン挿通孔と同一の軸線として重ねることができる左,右の第2ピン挿通孔と、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに挿通される左連結ピンと、前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに挿通される右連結ピンと、前記左,右の第1ブラケット間に配置され、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに対して前記左連結ピンを抜差しすると共に前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに対して前記右連結ピンを抜差しするピン抜差し機構とを備えてなる2部材連結装置に適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記左,右の第1ブラケットと前記左,右の連結ピンとの間には、前記左連結ピンを前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに差込んだ状態で廻止めし、前記右連結ピンを前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに差込んだ状態で廻止めする左,右の連結ピン廻止め機構をそれぞれ設けたことにある。
【0012】
請求項2の発明は、前記左,右の連結ピン廻止め機構は、前記左,右の第1ブラケットのうち互いに対向する対向面側に位置して前記左,右の連結ピンにそれぞれ設けられ、前記各連結ピンの軸線から離間する方向に延びるピン側係合部材と、前記左,右の第1ブラケットの対向面のうち前記各連結ピンの軸線から離間した位置にそれぞれ設けられ、前記連結ピンを前記第1,第2のピン挿通孔に差込んだときに前記ピン側係合部材が係合するブラケット側係合部材とにより構成したことにある。
【0013】
請求項3の発明は、前記ピン側係合部材は、前記連結ピンの軸線から離間する方向に突出する突状部材であり、前記ブラケット側係合部材は、前記ピン側係合部材の先端部を挟込む凹溝部を有するブロック体として構成したことにある。
【0014】
請求項4の発明は、前記ピン側係合部材の先端部と前記凹溝部とのうち少なくとも一方側には、前記各連結ピンを前記各第1ピン挿通孔と前記各第2ピン挿通孔とに差込むときに、前記各ピン側係合部材の先端部を前記凹溝部へと案内するテーパ状の案内面を設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項5の発明は、前記ピン抜差し機構は、前記左,右の連結ピンの軸線の位置から離間した位置に伸縮可能に配置された油圧シリンダと、前記左,右の連結ピンの軸線の位置から前記油圧シリンダと同一方向に離間した位置に、少なくとも前記左,右の連結ピンの軸線と直交する方向に動くことができる浮動状態で配置された浮動リンクと、前記浮動リンクを介して前記左連結ピンと前記油圧シリンダとの間をそれぞれ回動可能に連結した左リンクと、前記浮動リンクを介して前記右連結ピンと前記油圧シリンダとの間をそれぞれ回動可能に連結した右リンクとを備え、前記油圧シリンダの伸長状態または縮小状態に応じて前記左,右のリンクを介して前記左,右の連結ピンによって前記左,右の第1ブラケットと第2ブラケットをそれぞれ連結し、または切り離す構成としたことにある。
【0016】
請求項6の発明は、前記左,右の第1ブラケット間には、前記左連結ピンが前記左第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接すると共に、前記右連結ピンが前記右第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接するストッパを設ける構成としたことにある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、左連結ピン廻止め機構によって、左第1ブラケットに対する左連結ピンの廻止めを行うことができ、右連結ピン廻止め機構によって、右第1ブラケットに対する右連結ピンの廻止めを行うことができる。これにより、左第1ブラケットと左第2ブラケットとの間を左連結ピンによって連結すると共に、右第1ブラケットと右第2ブラケットとの間を右連結ピンによって連結した状態で、例えば第1部材に対して第2部材を回動させたとしても、左,右の第1ブラケットと左,右の第2ブラケットとの間で左,右の連結ピンが回転するのを規制することができる。この結果、左,右の連結ピンが早期に摩耗するのを抑え、これら各連結ピンの寿命を延ばすことができるので2部材連結装置の信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、左連結ピンを左第1ピン挿通孔と左第2ピン挿通孔とに差込んだときに、左連結ピンに設けたピン側係合部材が、左第1ブラケットの対向面に設けたブラケット側係合部材に係合することにより、左連結ピンを左第1ブラケットに対して廻止めすることができる。一方、右連結ピンを右第1ピン挿通孔と右第2ピン挿通孔とに差込んだときに、右連結ピンに設けたピン側係合部材が、右第1ブラケットの対向面に設けたブラケット側係合部材に係合することにより、右連結ピンを右第1ブラケットに対して廻止めすることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、左連結ピンの軸線から離間する方向に突出するピン側係合部材の先端部が、左第1ブラケットの対向面に設けられたブラケット側係合部材の凹溝部に挟込まれることにより、左連結ピンがその軸線周りに回転するのを規制することができる。また、右連結ピンの軸線から離間する方向に突出するピン側係合部材の先端部が、右第1ブラケットの対向面に設けられたブラケット側係合部材の凹溝部に挟込まれることにより、右連結ピンがその軸線周りに回転するのを規制することができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、左連結ピンを左第1ピン挿通孔と左第2ピン挿通孔とに差込むときに、ピン側係合部材の先端部を、テーパ状の案内面によって凹溝部へと確実に導くことができる。また、右連結ピンを右第1ピン挿通孔と右第2ピン挿通孔とに差込むときに、ピン側係合部材の先端部を、テーパ状の案内面によって凹溝部へと確実に導くことができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、油圧シリンダを伸縮させると、左,右のリンクが浮動リンクを支点として左,右方向に回動し、これら左,右のリンクに連結された左,右の連結ピンが左,右方向に移動することにより、左,右の連結ピンを第1,第2ブラケットに対して抜差しすることができる。このように、第1,第2ブラケットに対する連結ピンの抜差し作業を、油圧シリンダを用いて容易に行うことができるので、第1ブラケットと第2ブラケットとを連結し、または切り離すときの作業性を高めることができる。また、第1,第2ブラケットに対する連結ピンの抜差し作業を手作業で行う必要がないので、この連結ピンの抜差し作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、左連結ピンは、左第2ピン挿通孔から抜け出した位置でストッパに当接し、左連結ピンが左第1ピン挿通孔から抜け出すのを抑えることができる。一方、右連結ピンも、右第2ピン挿通孔から抜け出した位置でストッパに当接し、右連結ピンが右第1ピン挿通孔から抜け出すのを抑えることができる。これにより、左連結ピンを左第1ピン挿通孔に挿通すると共に、右連結ピンを右第1ピン挿通孔に挿通した状態で、ピン抜差し機構を左,右の第1部材間に保持しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態による2部材連結装置が適用されるマルチブーム式の油圧ショベルをブームを起立させた状態で示す正面図である。
【図2】ブームシリンダを縮小させて旋回フレームに対し下ブームとブームシリンダとを前方に伸ばした状態を示す正面図である。
【図3】旋回フレーム、下ブーム、ブームシリンダ等を図2中の矢示III−III方向からみた平面図である。
【図4】旋回フレームと下ブームとを連結する第1の実施の形態による2部材連結装置と、旋回フレームとブームシリンダとを連結する第2の実施の形態による2部材連結装置とを、図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】図4中に示される第1の実施の形態による2部材連結装置を拡大して示す拡大断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る2部材連結装置を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る2部材連結装置を示す斜視図である。
【図8】左,右の連結ピンを左,右のブームフート部から抜取った状態を示す図6と同様な断面図である。
【図9】左,右のブームブラケットと左,右のブームフート部とに連結ピンを差込む途中の状態を示す図6と同様な断面図である。
【図10】ピン側係合部材とブラケット側係合部材の凹溝部とを両者が離脱した状態で示す斜視図である。
【図11】ピン側係合部材とブラケット側係合部材の凹溝部とを両者が係合した状態で示す斜視図である。
【図12】ピン側係合部材とブラケット側係合部材の凹溝部とを図10中の矢示XII−XII方向からみた断面図である。
【図13】図4中に示される第2の実施の形態による2部材連結装置を拡大して示す拡大断面図である。
【図14】第2の実施の形態に係る2部材連結装置を図13中の矢示XIV−XIV方向からみた断面図である。
【図15】左,右の連結ピンを左,右のシリンダ取付アイから抜取った状態を示す図14と同様な断面図である。
【図16】ブラケット側係合部材の凹溝部の変形例を示す図10と同様な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る2部材連結装置の実施の形態を、マルチブーム式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
まず、図1ないし図12は本発明に係る2部材連結装置の第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、油圧ショベルの旋回フレームとマルチブームの下ブームとの間を連結する2部材連結装置を例示している。
【0026】
図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた後述するマルチブーム式の作業装置8とにより大略構成され、例えば高層建築物等の地上高さが大きな構造物を解体するのに好適に用いられるものである。
【0027】
ここで、上部旋回体3は、ベースとなる旋回フレーム4と、該旋回フレーム4の前部左側に配設され運転室を画成するキャブ5と、旋回フレーム4の後端側に配設されたカウンタウエイト6と、該カウンタウエイト6の前側に配置されエンジン、油圧ポンプ等の搭載機器(図示せず)を収容する建屋カバー7とにより大略構成されている。そして、旋回フレーム4の前部側には、後述の左ブームブラケット22と右ブームブラケット23とが一体に設けられ、これら左,右のブームブラケット22,23に、後述する作業装置8の下ブーム9が回動可能に連結される構成となっている。
【0028】
8は旋回フレーム4の前端側に俯仰動可能に設けられたマルチブーム式の作業装置で、該作業装置8は、下ブーム9、継ぎブーム10、上ブーム11からなるマルチブームと、上ブーム11の先端側に回動可能に取付けられたミドルアーム12と、ミドルアーム12の先端側に回動可能に取付けられた下アーム13、上アーム14からなるアームと、上アーム14の先端側に回動可能に取付けられた作業具としての圧砕機15とにより大略構成されている。旋回フレーム4と下ブーム9との間には左,右のブームシリンダ16が設けられ、上ブーム11とミドルアーム12との間にはミドルアームシリンダ17が設けられている。さらに、ミドルアーム12と下アーム13との間にはアームシリンダ18が設けられ、上アーム14と圧砕機15との間には作業具シリンダ19が設けられている。
【0029】
ここで、下ブーム9は、全体として四角形の断面形状を有する角筒体によって形成され、図3に示すように、下ブーム9の基端側には、二又状に分岐した後述の左,右のブームフート部24,25が設けられている。そして、下ブーム9に設けられた左,右のブームフート部24,25は、後述する左,右の連結ピン26,27を用いて旋回フレーム4の左,右のブームブラケット22,23に回動可能に連結される構成となっている。
【0030】
ところで、油圧ショベル1を作業現場に輸送するときには、例えば上部旋回体3から作業装置8を取外すことにより、下部走行体2と上部旋回体3とからなる車体と、作業装置8とを輸送車両に積載して別々に作業現場に輸送する。作業現場において上部旋回体3に作業装置8を取付けるときには、まず、作業装置8の下ブーム9を油圧クレーン(図示せず)によって吊上げた状態で、下ブーム9の基端側を後述の2部材連結装置21を用いて旋回フレーム4に連結する構成となっている。即ち、本実施の形態では、上部旋回体3の旋回フレーム4を第1部材として適用し、作業装置8の下ブーム9を第2部材として適用した場合を例示している。
【0031】
次に、第1の実施の形態に係る2部材連結装置21について、図2ないし図12を用いて詳細に説明する。
【0032】
即ち、21は旋回フレーム4(第1部材)と下ブーム9(第2部材)との間を連結する2部材連結装置を示している。この2部材連結装置21は、図5ないし図7に示すように、後述する左,右のブームブラケット22,23、左,右の第1ピン挿通孔22D,23D、左,右のブームフート部24,25、左,右の第2ピン挿通孔24A,25A、左,右の連結ピン26,27、ピン抜差し機構28、左,右の連結ピン廻止め機構42,45等により構成されている。
【0033】
22は旋回フレーム4の前端側に設けられた左第1ブラケットとしての左ブームブラケットで、該左ブームブラケット22は、旋回フレーム4の底板(図示せず)上に立設された左縦板の前側部分によって構成されている。
【0034】
ここで、左ブームブラケット22は、一定の間隔をもって左,右方向で対面する左内側ブームブラケット22Aと、左外側ブームブラケット22Bとにより構成されている。左内側ブームブラケット22Aと左外側ブームブラケット22Bとは、それぞれ補強板22A1,22B1が固着された鋼板によって形成され、左内側ブームブラケット22Aのうち後述する右内側ブームブラケット23Aと対面する対向面22Cには、後述するブラケット側係合部材44が設けられている。
【0035】
前記左内側ブームブラケット22Aと左外側ブームブラケット22Bとの間には、後述の左ブームフート部24が配置される構成となっている。また、左内側ブームブラケット22Aと左外側ブームブラケット22Bには、左,右方向に貫通する左第1ピン挿通孔22Dがそれぞれ穿設され、これら左第1ピン挿通孔22Dには、後述の左連結ピン26が抜差し可能に挿通される構成となっている。
【0036】
23は左ブームブラケット22と共に旋回フレーム4の前端側に設けられた右第1ブラケットとしての右ブームブラケットで、該右ブームブラケット23は、旋回フレーム4の底板(図示せず)上に立設された右縦板の前側部分によって構成されている。
【0037】
ここで、右ブームブラケット23は、一定の間隔をもって左,右方向で対面する右内側ブームブラケット23Aと、右外側ブームブラケット23Bとにより構成されている。右内側ブームブラケット23Aと右外側ブームブラケット23Bとは、それぞれ補強板23A1,23B1が固着された鋼板によって形成され、右内側ブームブラケット23Aのうち左内側ブームブラケット22Aと対面する対向面23Cには、後述するブラケット側係合部材47が設けられている。
【0038】
前記右内側ブームブラケット23Aと右外側ブームブラケット23Bとの間には、後述の右ブームフート部25が配置される構成となっている。また、右内側ブームブラケット23Aと右外側ブームブラケット23Bには、左,右方向に貫通する右第1ピン挿通孔23Dがそれぞれ穿設され、これら右第1ピン挿通孔23Dには、後述の右連結ピン27が抜差し可能に挿通される構成となっている。
【0039】
この場合、左内側ブームブラケット22Aと左外側ブームブラケット22Bとに穿設された左第1ピン挿通孔22Dと、右内側ブームブラケット23Aと右外側ブームブラケット23Bとに穿設された右第1ピン挿通孔23Dとは、同一の軸線O−O上に配置されている(図6参照)。
【0040】
24は下ブーム9の基端側に設けられた左第2ブラケットとしての左ブームフート部を示している。左ブームフート部24は、厚肉な円筒状ボスとして形成され、左ブームブラケット22と左,右方向で対面し、左内側ブームブラケット22Aと左外側ブームブラケット22Bとの間に挟まれて配置されるものである。前記左ブームフート部24には、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと対応する位置に左第2ピン挿通孔24Aが穿設されている。また、左第2ピン挿通孔24A内には円筒状の左ブッシュ24Bが挿嵌されている。
【0041】
25は左ブームフート部24と共に下ブーム9の基端側に設けられた右第2ブラケットとしての右ブームフート部を示している。右ブームフート部25は、厚肉な円筒状ボスとして形成され、右ブームブラケット23と左,右方向で対面し、右内側ブームブラケット23Aと右外側ブームブラケット23Bとの間に挟まれて配置されるものである。前記右ブームフート部25には、右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと対応する位置に右第2ピン挿通孔25Aが穿設されている。また、右第2ピン挿通孔25A内には円筒状の右ブッシュ25Bが挿嵌されている。
【0042】
ここで、図6に示すように、左ブームフート部24に設けられた左第2ピン挿通孔24Aと、右ブームフート部25に設けられた右第2ピン挿通孔25Aとは、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22D、右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと同一の軸線O−Oとして重ねることができるようになっている。
【0043】
26は左ブームブラケット22と左ブームフート部24との間を連結する左連結ピンで、該左連結ピン26は、左,右の第1ピン挿通孔22D,23Dと左,右の第2ピン挿通孔24A,25Aの軸線O−Oと同一軸線上に配置されるものである。ここで、左連結ピン26は、左,右方向に延びる円柱状に形成され、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aに挿嵌された左ブッシュ24Bとに抜差し可能に挿通されるものである。前記左連結ピン26のうち左ブームブラケット22の対向面22C側に位置する端部26Aには、後述の左リンク31が取付けられるリンク取付部26Bが形成されると共に、後述のピン側係合部材43が固着されている。
【0044】
27は右ブームブラケット23と右ブームフート部25との間を連結する右連結ピンで、該右連結ピン27は、左,右の第1ピン挿通孔22D,23Dと左,右の第2ピン挿通孔24A,25Aの軸線O−Oと同一軸線上に配置されるものである。ここで、右連結ピン27は、左,右方向に延びる円柱状に形成され、右ブームブラケット23の左第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aに挿嵌された右ブッシュ25Bとに抜差し可能に挿通されるものである。前記右連結ピン27のうち右ブームブラケット23の対向面23C側に位置する端部27Aには、後述の右リンク35が取付けられるリンク取付部27Bが形成されると共に、後述のピン側係合部材46が固着されている。
【0045】
次に、左ブームブラケット22と左ブームフート部24とに左連結ピン26を抜差しすると共に、右ブームブラケット23と右ブームフート部25とに右連結ピン27を抜差しするピン抜差し機構28について説明する。
【0046】
即ち、28は左ブームブラケット22と右ブームブラケット23との間に設けられたピン抜差し機構を示している。このピン抜差し機構28は、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに対して左連結ピン26を抜差しすると共に、右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aとに対して右連結ピン27を抜差しするものである。そして、ピン抜差し機構28は、後述の油圧シリンダ29、浮動リンク30、左リンク31、右リンク35等により構成されている。
【0047】
29はピン抜差し機構28を構成する油圧シリンダで、この油圧シリンダ29は、チューブ29Aと、ピストン(図示せず)と、基端側がピストンに固定され先端側がチューブ29Aから突出したロッド29Bとにより構成されている。この油圧シリンダ29は、左,右の連結ピン26,27から上,下方向に離間した位置に左,右方向に延びて配置され、油圧源(図示せず)から圧油が給排されることにより、ロッド29Bを左,右方向に伸縮させるものである。
【0048】
30は油圧シリンダ29に隣接して配置された浮動リンクを示し、該浮動リンク30は、油圧シリンダ29と平行に左,右方向に延びている。この浮動リンク30は、左,右方向に延びる長方形の平板状に形成され、浮動リンク30の左,右方向の長さ寸法は、左内側ブームブラケット22Aの対向面22Cと右内側ブームブラケット23Aの対向面23Cとの間隔よりも僅かに小さく設定されている。
【0049】
ここで、浮動リンク30は、左,右のブームブラケット22,23のいずれにも取付けられておらず、これら左,右のブームブラケット22,23に対して浮動状態となっている。この浮動リンク30は、左,右の連結ピン26,27と油圧シリンダ29との間に配置され、後述する左,右のリンク31,35に連結された左,右の連結ピン26,27を、油圧シリンダ29の伸縮に応じて左,右方向に移動させるための支点を構成するものである。
【0050】
31は浮動リンク30を介して左連結ピン26と油圧シリンダ29との間を連結する左リンクで、該左リンク31は、左連結ピン26と油圧シリンダ29との間を上,下方向に延びる2枚の板体により形成されている(図7参照)。左リンク31の一端側31Aは、左連結ピン26のリンク取付部26Bにピン32を用いて回動可能に連結され、左リンク31の他端側31Bは、油圧シリンダ29のロッド29Bの先端側にピン33を用いて回動可能に連結されている。また、左リンク31の長さ方向の中間部位は、ピン34を用いて浮動リンク30の左,右方向の一側(左側)に回動可能に連結されている。
【0051】
35は浮動リンク30を介して右連結ピン27と油圧シリンダ29との間を連結する右リンクで、該右リンク35は、右連結ピン27と油圧シリンダ29との間を上,下方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、右リンク35の一端側35Aは、右連結ピン27のリンク取付部27Bにピン36を用いて回動可能に連結され、右リンク35の他端側35Bは、油圧シリンダ29のチューブ29Aのボトム側にピン37を用いて回動可能に連結されている。また、右リンク35の長さ方向の中間部位は、ピン38を用いて浮動リンク30の左,右方向の他側(右側)に回動可能に連結されている。
【0052】
この状態で、浮動リンク30の左端部と左内側ブームブラケット22Aの対向面22Cとの間、浮動リンク30の右端部と右内側ブームブラケット23Aの対向面23Cとの間には、それぞれ僅かな隙間が形成される。また、浮動リンク30は、油圧シリンダ29の伸縮に応じて、左内側ブームブラケット22Aと右内側ブームブラケット23Aとの間で移動することができる構成となっている。なお、浮動リンク30と左リンク31との間、浮動リンク30と右リンク35との間には、それぞれ浮動リンク30を挟んで2個のスペーサ39が配置されている。
【0053】
これにより、油圧シリンダ29を伸縮させると、左リンク31の一端側31Aが、浮動リンク30との連結部位(ピン34の位置)を支点として左,右方向に回動すると共に、右リンク35の一端側35Aが、浮動リンク30との連結部位(ピン38の位置)を支点として左,右方向に回動する。
【0054】
従って、油圧シリンダ29を縮小させたときには、図6に示すように、左連結ピン26が、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに挿通され、右連結ピン27が、右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aとに挿通される。これにより、左,右のブームブラケット22,23と、左,右のブームフート部24,25とを連結することができる構成となっている。
【0055】
一方、油圧シリンダ29を伸長させたときには、図8に示すように、左連結ピン26は、左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aから抜取られ、右連結ピン27は、右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aから抜取られる。これにより、左,右のブームブラケット22,23から、左,右のブームフート部24,25を切り離すことができる構成となっている。
【0056】
40は左ブームブラケット22と右ブームブラケット23との間に設けられたストッパである。このストッパ40は、図8に示すように、左連結ピン26が左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aから抜け出した位置で当接すると共に、右連結ピン27が右ブームフート部25の第2ピン挿通孔25Aから抜け出した位置で当接するものである。ここで、ストッパ40は、図6および図7に示すように、基端側が左内側ブームブラケット22Aの対向面22Cに固着され、左リンク31を挟んで対向しつつ右内側ブームブラケット23Aに向けて左,右方向に延びる一対の取付板40Aと、該各取付板40Aの先端部に固着された長方形状の当接板40Bとにより構成されている。
【0057】
そして、油圧シリンダ29が伸長することにより、左連結ピン26が左第2ピン挿通孔24Aから抜け出すと共に、右連結ピン27が右第2ピン挿通孔25Aから抜け出したときには、左連結ピン26の後述するピン側係合部材43と右連結ピン27の後述するピン側係合部材46とが、それぞれストッパ40の当接板40Bに当接する(図8参照)。
【0058】
これにより、左連結ピン26は、左内側ブームブラケット22Aの左第1ピン挿通孔22Dのみに挿通され、右連結ピン27は、右内側ブームブラケット23Aの右第1ピン挿通孔23Dのみに挿通された状態を保つ。従って、ピン抜差し機構28は、左,右の連結ピン26,27を介して、左内側ブームブラケット22Aと右内側ブームブラケット23Aとの間に保持される構成となっている。
【0059】
41は左,右のブームブラケット22,23にそれぞれ設けられた左,右のリンク廻止め部材で、このリンク廻止め部材41は、ピン抜差し機構28の浮動リンク30が、左,右の連結ピン26,27を中心として回動するのを規制するものである。
【0060】
ここで、リンク廻止め部材41は、コ字型の断面形状をもった凹溝部41Aを有し、左内側ブームブラケット22Aの対向面22Cと右内側ブームブラケット23Aの対向面23Cとに、それぞれ溶接等の手段を用いて固着されている。この浮動リンク30の左,右方向の両端部は、常にリンク廻止め部材41の凹溝部41Aに上,下方向に移動可能に係合している。これにより、浮動リンク30が、左,右の連結ピン26,27を中心として回動するのを、リンク廻止め部材41によって規制することができる構成となっている。
【0061】
次に、左ブームブラケット22に対して左連結ピン26が相対回転してしまうのを防止するための左連結ピン廻止め機構42について説明する。
【0062】
即ち、42は左ブームブラケット22と左連結ピン26との間に設けられた左連結ピン廻止め機構を示している。この左連結ピン廻止め機構42は、左連結ピン26を、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに差込んだ状態で廻止めするものである。ここで、左連結ピン廻止め機構42は、後述するピン側係合部材43と、ブラケット側係合部材44とにより大略構成されている。
【0063】
43は左連結ピン26に設けられたピン側係合部材を示し、該ピン側係合部材43は、左ブームブラケット22の対向面22C側に位置する左連結ピン26の端部26Aに設けられ、左連結ピン26の軸線O−Oから離間する方向に延びている。ここで、ピン側係合部材43は、例えば厚肉な板体を用いて形成された突状部材であり、左連結ピン26の端部26Aに溶接等の手段を用いて固着されている。前記ピン側係合部材43は、左連結ピン26を左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに差込んだときに、後述するブラケット側係合部材44の凹溝部44Bに挟込まれるものである。
【0064】
ピン側係合部材43の先端部43Aは、図10等に示す如く逆台形状に形成され、この先端部43Aのうちブラケット側係合部材44と対向する面には、テーパ状の案内面43Bが形成されている。即ち、図12に示すように、ピン側係合部材43の先端部43Aの幅寸法をAとすると、案内面43Bは、その幅寸法Bが前記幅寸法Aよりも小さな寸法となるテーパ面として形成されている。
【0065】
44は左ブームブラケット22に設けられたブラケット側係合部材で、該ブラケット側係合部材44は、左ブームブラケット22の対向面22Cのうち左連結ピン26の軸線O−Oから離間した位置に配置されている。このブラケット側係合部材44は、図10および図11に示すように、例えば直方体状のブロック体の上面側を逆台形状に切欠くことにより、全体として略U字状のブロック体として形成され、左連結ピン26の下側に配置されている。
【0066】
ここで、ブラケット側係合部材44は、U字状のブロック体44Aと、該ブロック体44Aのうち左連結ピン26と上,下方向で対向する面に設けられた逆台形状の凹溝部44Bとにより構成されている。そして、ブラケット側係合部材44のブロック体44Aは、その基端側が左内側ブームブラケット22Aの対向面22Cに溶接等の手段を用いて固着され、ブロック体44Aの先端部44A1は、左連結ピン26の軸線O−O方向に突出している。
【0067】
ここで、ブラケット側係合部材44の凹溝部44Bは、互いに対面する内側面がU字状ないしV字状に拡開して形成されている。また、凹溝部44Bのうちブロック体44Aの先端部44A1の位置には、テーパ状の案内面44Cが形成されている。この案内面44Cは、ピン側係合部材43をブラケット側係合部材44の凹溝部44B内へと案内するものである。
【0068】
即ち、図12に示すように、凹溝部44Bの内側面の間隔寸法をCとし、各案内面44Cの間隔寸法をDとすると、凹溝部44Bの内側面の間隔寸法Cは、ピン側係合部材43の先端部43Aの幅寸法Aよりも大きく設定されている(C>A)。一方、各案内面44Cは、その間隔寸法Dが前記間隔寸法Cよりも大きなテーパ面として形成されている。
【0069】
従って、左連結ピン26を左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに差込んだときに、左連結ピン26に設けたピン側係合部材43の案内面43Bが、ブラケット側係合部材44の凹溝部44Bに設けた案内面44Cに当接することにより、ピン側係合部材43を、ブラケット側係合部材44の凹溝部44B内へと円滑に導くことができる構成となっている。
【0070】
このように、左連結ピン26を、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに差込んだときに、左連結ピン26に固着したピン側係合部材43が、左内側ブームブラケット22Aに固着したブラケット側係合部材44の凹溝部44B内に挟込まれることにより、左ブームブラケット22に対して左連結ピン26を廻止めすることができる構成となっている。
【0071】
次に、右ブームブラケット23に対して右連結ピン27が相対回転してしまうのを防止するための右連結ピン廻止め機構45について説明する。
【0072】
即ち、45は右ブームブラケット23と右連結ピン27との間に設けられた右連結ピン廻止め機構を示している。この右連結ピン廻止め機構45も、左連結ピン廻止め機構42と同様に、ピン側係合部材46とブラケット側係合部材47とにより大略構成されている(図5参照)。
【0073】
ここで、ピン側係合部材46は、右連結ピン27のうち右ブームブラケット23の対向面23C側に位置する端部27Aに溶接等の手段を用いて固着され、右連結ピン27の軸線O−Oから離間する方向に突出している。また、ピン側係合部材46の先端部46Aは、逆台形状に形成され、この先端部46Aのうちブラケット側係合部材47と対向する面には、テーパ状の案内面46Bが形成されている。
【0074】
一方、ブラケット側係合部材47は、右ブームブラケット23の対向面23Cのうち右連結ピン27の軸線O−Oから離間した位置に、溶接等の手段を用いて固着されている。このブラケット側係合部材47は、U字状のブロック体47Aと、該ブロック体47Aのうち右連結ピン27と上,下方向で対向する面に設けられた逆台形状の凹溝部47Bとにより構成され、ブロック体47Aの先端部47A1は、右連結ピン27の軸線O−O方向に突出している。また、凹溝部47Bのうちブロック体47Aの先端部47A1の位置には、テーパ状の案内面47Cが形成されている。
【0075】
従って、右連結ピン27を右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の左第2ピン挿通孔25Aとに差込んだときに、右連結ピン27に設けたピン側係合部材46の案内面46Bが、ブラケット側係合部材47の凹溝部47Bに設けた案内面47Cに当接することにより、ピン側係合部材46を、ブラケット側係合部材47の凹溝部47B内へと円滑に導くことができる構成となっている。
【0076】
このように、右連結ピン27を、右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aとに差込んだときに、右連結ピン27に固着したピン側係合部材46が、右内側ブームブラケット23Aに固着したブラケット側係合部材47の凹溝部47B内に挟込まれることにより、右ブームブラケット23に対して右連結ピン27を廻止めすることができる構成となっている。
【0077】
なお、図6において、左,右の連結ピン26,27の先端部には抜止め板48が着脱可能に取付けられている。この抜止め板48は、左ブームブラケット22と左ブームフート部24とを左連結ピン26によって連結した状態で、左外側ブームブラケット22Bから突出した左連結ピン26の先端部にボルト締めされ、左ブームブラケット22と左ブームフート部24とに対し、左連結ピン26を抜止めするものである。また、抜止め板48は、右ブームブラケット23と右ブームフート部25とを右連結ピン27によって連結した状態で、右外側ブームブラケット23Bから突出した右連結ピン27の先端部にボルト締めされ、右ブームブラケット23と右ブームフート部25とに対し、右連結ピン27を抜止めするものである。
【0078】
第1の実施の形態による2部材連結装置21は上述の如き構成を有するもので、次に、この2部材連結装置21を用いて油圧ショベル1の旋回フレーム4に対し、作業装置8の下ブーム9を連結するブーム連結作業について説明する。
【0079】
まず、油圧クレーン等(図示せず)を用いて下ブーム9を吊上げ、この下ブーム9の左,右のブームフート部24,25を、旋回フレーム4に設けられた左,右のブームブラケット22,23の近傍に配置する。
【0080】
このとき、ピン抜差し機構28は、図8に示すように、油圧シリンダ29を伸長させた状態で、左連結ピン26を左内側ブームブラケット22Aの左第1ピン挿通孔22Dに挿通し、右連結ピン27を右内側ブームブラケット23Aの右第1ピン挿通孔23Dに挿通している。これにより、ピン抜差し機構28は、左,右の連結ピン26,27を介して左内側ブームブラケット22Aと右内側ブームブラケット23Aとの間に保持されている。
【0081】
また、左連結ピン26の端部26Aに固着されたピン側係合部材43は、左ブームブラケット22の対向面22Cに固着されたブラケット側係合部材44から離間した位置にあり、右連結ピン27の端部27Aに固着されたピン側係合部材46は、右ブームブラケット23の対向面23Cに固着されたブラケット側係合部材47から離間した位置にある。
【0082】
次に、左ブームブラケット22の左内側ブームブラケット22Aと左外側ブームブラケット22Bとの間に、下ブーム9の左ブームフート部24を挿入すると共に、右ブームブラケット23の右内側ブームブラケット23Aと右外側ブームブラケット23Bとの間に、下ブーム9の右ブームフート部25を挿入する。そして、左,右のブームフート部24,25の第2ピン挿通孔24A,25Aと、左,右のブームブラケット22,23の第1ピン挿通孔22D,23Dとを、同一の軸線O−O上に重ねる。
【0083】
この状態で、図9に示すように、ピン抜差し機構28の油圧シリンダ29を縮小させることにより、左リンク31が浮動リンク30との連結部位(ピン34の位置)を支点として回動すると共に、右リンク35が浮動リンク30との連結部位(ピン38の位置)を支点として回動する。これにより、左リンク31の一端側31Aに連結された左連結ピン26は、左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに挿通され、右リンク35の一端側35Aに連結された右連結ピン27は、右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aとに挿通される。
【0084】
このとき、左連結ピン26に固着されたピン側係合部材43の先端部43Aが、左ブームブラケット22の対向面22Cに固着されたブラケット側係合部材44の凹溝部44B内に挟込まれる。また、右連結ピン27に固着されたピン側係合部材46の先端部46Aが、右ブームブラケット23の対向面23Cに固着されたブラケット側係合部材47の凹溝部47B内に挟込まれる。
【0085】
なお、ピン抜き差し機構28の浮動リンク30は、左,右の内側ブームブラケット22A,23Aに固着されたリンク廻止め部材41に常時係合しているので、左,右の連結ピン26,27は、左,右のブームブラケット22,23に対する回転が規制されている。このため、左連結ピン26に固着したピン側係合部材43と左ブームブラケット22に固着したブラケット側係合部材44とは予め位置決めされ、右連結ピン27に固着したピン側係合部材46と右ブームブラケット23に固着したブラケット側係合部材47とは予め位置決めされている。
【0086】
従って、油圧シリンダ29を縮小させ、左連結ピン26を左ブームブラケット22の左第1ピン挿通孔22Dと左ブームフート部24の左第2ピン挿通孔24Aとに挿通したときには、ピン側係合部材43の先端部43Aは、ブラケット側係合部材44の凹溝部44Bに確実に係合される。同様に、右連結ピン27を右ブームブラケット23の右第1ピン挿通孔23Dと右ブームフート部25の右第2ピン挿通孔25Aとに挿通したときには、ピン側係合部材46の先端部46Aは、ブラケット側係合部材47の凹溝部47Bに確実に係合される。
【0087】
しかも、左連結ピン26に設けたピン側係合部材43の先端部43Aにはテーパ状の案内面43Bが形成され、ブラケット側係合部材44の凹溝部44Bにはテーパ状の案内面44Cが形成されている。このため、ピン側係合部材43の案内面43Bは、ブラケット側係合部材44の案内面44Cに当接し、ピン側係合部材43はブラケット側係合部材44の凹溝部44B内へと確実に案内される。
【0088】
同様に、右連結ピン27に設けたピン側係合部材46の先端部46Aにはテーパ状の案内面46Bが形成され、ブラケット側係合部材47の凹溝部47Bにはテーパ状の案内面47Cが形成されている。このため、ピン側係合部材46の案内面46Bは、ブラケット側係合部材47の案内面47Cに当接し、ピン側係合部材46はブラケット側係合部材47の凹溝部47B内へと確実に案内される。
【0089】
このようにして、図6に示すように、左ブームブラケット22と左ブームフート部24とを左連結ピン26によって連結した状態では、ピン側係合部材43はブラケット側係合部材44の凹溝部44Bに挟込まれる。このため、左連結ピン26は左ブームブラケット22に対して確実に廻止めすることができる。同様に、右ブームブラケット23と右ブームフート部25とを右連結ピン27によって連結した状態では、ピン側係合部材46はブラケット側係合部材47の凹溝部47Bに挟込まれ、右連結ピン27は右ブームブラケット23に対して確実に廻止めすることができる。
【0090】
かくして、旋回フレーム4の左,右のブームブラケット22,23と、下ブーム9の左,右のブームフート部24,25との間を、左,右の連結ピン26,27を用いて連結した状態で、旋回フレーム4に対して下ブーム9を回動させたとしても、この下ブーム9の回動に伴って左,右の連結ピン26,27が回転するのを規制することができる。この結果、左,右の連結ピン26,27が早期に摩耗するのを抑え、これら各連結ピン26,27の寿命を延ばすことができるので、2部材連結装置21の信頼性を高めることができる。
【0091】
次に、図13ないし図15は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、油圧ショベルの旋回フレームとブームシリンダとの間を連結する2部材連結装置を例示している。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0092】
図中、51は本実施の形態に用いる2部材連結装置を示し、この2部材連結装置51は、旋回フレーム4と左,右のブームシリンダ16との間を連結するものである。即ち、第2の実施の形態では、上部旋回体3の旋回フレーム4を第1部材として適用し、左,右のブームシリンダ16を第2部材として適用した場合を例示している。
【0093】
ここで、2部材連結装置51は、後述する左,右のシリンダブラケット52,53、左,右の第1ピン挿通孔52D,53D、左,右のシリンダ取付アイ54,55、左,右の第2ピン挿通孔54A,55A、左,右の連結ピン56,57、ピン抜差し機構28、左,右の連結ピン廻止め機構58,61等により構成されている。
【0094】
52は旋回フレーム4の前端部に設けられた左第1ブラケットとしての左シリンダブラケットを示している。この左シリンダブラケット52は、左内側シリンダブラケット52Aと左外側シリンダブラケット52Bとにより構成され、左内側シリンダブラケット52Aの対向面52Cには、後述するブラケット側係合部材60が設けられている。また、左内側シリンダブラケット52Aと左外側シリンダブラケット52Bには、左,右方向に貫通する左第1ピン挿通孔52Dがそれぞれ穿設されている。
【0095】
53は旋回フレーム4の前端部に設けられた右第1ブラケットとしての右シリンダブラケットを示している。この右シリンダブラケット53は、右内側シリンダブラケット53Aと右外側シリンダブラケット53Bとにより構成され、右内側シリンダブラケット53Aの対向面53Cには、後述するブラケット側係合部材63が設けられている。また、右内側シリンダブラケット53Aと右外側シリンダブラケット53Bには、左,右方向に貫通する右第1ピン挿通孔53Dがそれぞれ穿設されている。
【0096】
54は左側のブームシリンダ16に設けられた左第2ブラケットとしての左シリンダ取付アイを示している。この左シリンダ取付アイ54は、略円筒状のボスとして形成され、左内側シリンダブラケット52Aと左外側シリンダブラケット52Bとの間に配置されるものである。また、左シリンダ取付アイ54には、左シリンダブラケット52の左第1ピン挿通孔52Dに対応する左第2ピン挿通孔54Aが穿設され、左第2ピン挿通孔54A内には円筒状の左ブッシュ54Bが挿嵌されている。
【0097】
55は右側のブームシリンダ16に設けられた右第2ブラケットとしての右シリンダ取付アイを示している。この右シリンダ取付アイ55は、略円筒状のボスとして形成され、右内側シリンダブラケット53Aと右外側シリンダブラケット53Bとの間に配置されるものである。また、右シリンダ取付アイ55には、右シリンダブラケット53の右第1ピン挿通孔53Dに対応する右第2ピン挿通孔55Aが穿設され、右第2ピン挿通孔55A内には円筒状の右ブッシュ55Bが挿嵌されている。
【0098】
56は左シリンダブラケット52と左シリンダ取付アイ54との間を連結する左連結ピンを示している。この左連結ピン56は、左シリンダブラケット52の左第1ピン挿通孔52Dと左シリンダ取付アイ54の左第2ピン挿通孔54Aに挿嵌された左ブッシュ54Bとに抜差し可能に挿通されるものである。また、左連結ピン56のうち左シリンダブラケット52の対向面52C側の端部56Aには、ピン抜差し機構28の左リンク31が取付けられるリンク取付部56Bと、後述のピン側係合部材59とが設けられている。
【0099】
57は右シリンダブラケット53と右シリンダ取付アイ55との間を連結する右連結ピンを示している。この右連結ピン57は、右シリンダブラケット53の右第1ピン挿通孔53Dと右シリンダ取付アイ55の右第2ピン挿通孔55Aに挿嵌された右ブッシュ55Bとに抜差し可能に挿通されるものである。また、右連結ピン57のうち右シリンダブラケット53の対向面53C側の端部57Aには、ピン抜差し機構28の右リンク35が取付けられるリンク取付部57Bと、後述のピン側係合部材62とが設けられている。
【0100】
ここで、左,右のシリンダブラケット52,53に穿設された左,右の第1ピン挿通孔52D,53Dと、左,右のシリンダ取付アイ54,55に穿設された左,右の第2ピン挿通孔54A,55Aと、左,右の連結ピン56,57とは、同一の軸線O−O上に配置されている。
【0101】
次に、第2の実施の形態に係る左連結ピン廻止め機構58と右連結ピン廻止め機構61について説明する。
【0102】
58は左シリンダブラケット52に対する左連結ピン56の相対回転を防止する左連結ピン廻止め機構を示している。この左連結ピン廻止め機構58は、左連結ピン56を、左シリンダブラケット52の左第1ピン挿通孔52Dと左シリンダ取付アイ54の左第2ピン挿通孔54Aとに差込んだ状態で廻止めするものである。
【0103】
第2の実施の形態による左連結ピン廻止め機構58は、第1実施の形態で用いた左連結ピン廻止め機構42と同様に、左連結ピン56の端部56Aに固着されたピン側係合部材59と、左シリンダブラケット52の対向面52Cに固着されたブラケット側係合部材60とにより大略構成されている。
【0104】
ここで、ピン側係合部材59は、左連結ピン56の端部56Aに固着され、当該左連結ピン56の軸線O−Oから離間する方向に突出している。また、ピン側係合部材59の先端部59Aにはテーパ状の案内面59Bが形成されている。
【0105】
一方、ブラケット側係合部材60は、左シリンダブラケット52の対向面52Cのうち左連結ピン56の軸線O−Oから離間した位置に固着されている。このブラケット側係合部材60は、U字状のブロック体60Aと、該ブロック体60Aに設けられた凹溝部60Bとにより構成され、ブロック体60Aの先端部60A1は、左連結ピン56の軸線O−O方向に突出している。また、凹溝部60Bのうちブロック体60Aの先端部60A1の位置には、テーパ状の案内面60Cが形成されている。
【0106】
一方、61は右シリンダブラケット53に対する右連結ピン57の相対回転を防止する右連結ピン廻止め機構を示している。この右連結ピン廻止め機構61は、右連結ピン57を、右シリンダブラケット53の右第1ピン挿通孔53Dと右シリンダ取付アイ55の右第2ピン挿通孔55Aとに差込んだ状態で廻止めするものである。
【0107】
第2の実施の形態による右連結ピン廻止め機構61は、第1実施の形態で用いた右連結ピン廻止め機構45と同様に、右連結ピン57の端部57Aに固着されたピン側係合部材62と、右シリンダブラケット53の対向面53Cに固着されたブラケット側係合部材63とにより大略構成されている。
【0108】
ここで、ピン側係合部材62は、右連結ピン57の端部57Aに固着され、当該右連結ピン57の軸線O−Oから離間する方向に突出している。また、ピン側係合部材62の先端部62Aにはテーパ状の案内面62Bが形成されている。
【0109】
一方、ブラケット側係合部材63は、右シリンダブラケット53の対向面53Cのうち右連結ピン57の軸線O−Oから離間した位置に固着されている。このブラケット側係合部材63は、U字状のブロック体63Aと、該ブロック体63Aに設けられた凹溝部63Bとにより構成され、ブロック体63Aの先端部63A1は、右連結ピン57の軸線O−O方向に突出している。また、凹溝部63Bのうちブロック体63Aの先端部63A1の位置には、テーパ状の案内面63Cが形成されている。
【0110】
第2の実施の形態による2部材連結装置51は上述の如き構成を有するもので、この2部材連結装置51を用いて旋回フレーム4と左,右のブームシリンダ16とを連結する場合について説明する。
【0111】
まず、図15に示すように、ピン抜差し機構28の油圧シリンダ29を伸長させた状態で、左内側シリンダブラケット52Aと左外側シリンダブラケット52Bとの間に、左シリンダ取付アイ54を挿入すると共に、右内側シリンダブラケット53Aと右外側シリンダブラケット53Bとの間に、右シリンダ取付アイ55を挿入する。
【0112】
次に、ピン抜差し機構28の油圧シリンダ29を縮小させることにより、図14に示すように、左リンク31に連結された左連結ピン56を、左シリンダブラケット52の左第1ピン挿通孔52Dと左シリンダ取付アイ54の左第2ピン挿通孔54Aとに挿通し、右リンク35に連結された右連結ピン57を、右シリンダブラケット53の右第1ピン挿通孔53Dと右シリンダ取付アイ55の右第2ピン挿通孔55Aとに挿通する。
【0113】
このとき、左連結ピン56に固着されたピン側係合部材59の先端部59Aは、左シリンダブラケット52の対向面52Cに固着されたブラケット側係合部材60の凹溝部60B内に挟込まれる。同様に、右連結ピン57に固着されたピン側係合部材62の先端部62Aは、右シリンダブラケット53の対向面53Cに固着されたブラケット側係合部材63の凹溝部63B内に挟込まれる。
【0114】
このように、左シリンダブラケット52と左シリンダ取付アイ54とを左連結ピン56によって連結した状態で、ピン側係合部材59がブラケット側係合部材60の凹溝部60Bに挟込まれることにより、左連結ピン56は、左シリンダブラケット52に対して確実に廻止めされる。同様に、右シリンダブラケット53と右シリンダ取付アイ55とを右連結ピン57によって連結した状態で、ピン側係合部材62がブラケット側係合部材63の凹溝部63Bに挟込まれることにより、右連結ピン57も右シリンダブラケット53に対して確実に廻止めされる。
【0115】
従って、旋回フレーム4の左,右のシリンダブラケット52,53と、左,右のブームシリンダ16のシリンダ取付アイ54,55との間を、左,右の連結ピン56,57を用いて連結した状態で、左,右のブームシリンダ16を伸縮させたとしても、このブームシリンダ16の伸縮動作に伴って左,右の連結ピン56,57が回転するのを規制することができ、これら各連結ピン56,57の寿命を延ばすことができる。
【0116】
なお、上述した第1の実施の形態では、左ブームブラケット22に固着したブラケット側係合部材44のブロック体44Aを切欠くことにより、該ブロック体44Aと凹溝部44Bとを一体形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図16に示す変形例のように、ブラケット側係合部材44′を互いに別部材からなる2個のブロック体44A′によって構成してもよい。即ち、2個のブロック体44A′を間隔をもって左ブームブラケット22の対向面22Cに固着し、これら各ブロック体44A′間に凹溝部44B′を形成する構成としてもよい。この場合にも、ピン側係合部材43を凹溝部44B′内に挟込むことができる。
【0117】
このことは、右ブームブラケット23に固着されるブラケット側係合部材47の凹溝部47Bについても同様である。また、第2の実施の形態に用いるブラケット側係合部材60,63の凹溝部60B,63Bについても同様である。
【0118】
また、上述した第1の実施の形態では、左連結ピン廻止め機構42を構成するピン側係合部材43の先端部43Aにテーパ状の案内面43Bを設けると共に、ブラケット側係合部材44の凹溝部44Bにテーパ状の案内面44Cを設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばピン側係合部材43の先端部43Aとブラケット側係合部材44の凹溝部44Bのうちいずれか一方にテーパ状の案内面を設ける構成としてもよい。
【0119】
このことは、右連結ピン廻止め機構45を構成するピン側係合部材46とブラケット側係合部材47についても同様である。また、第2の実施の形態に用いた左連結ピン廻止め機構58を構成するピン側係合部材59とブラケット側係合部材60、右連結ピン廻止め機構61を構成するピン側係合部材62とブラケット側係合部材63についても同様である。
【0120】
さらに、上述した第1の実施の形態では、2部材連結装置21を用いて旋回フレーム4と下ブーム9との間を連結した場合を例示し、第2の実施の形態では、2部材連結装置51を用いて旋回フレーム4と左,右のブームシリンダ16との間を連結した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば上ブーム11とミドルアーム12との間、ミドルアーム12と下アーム13との間等の互いに回動可能に連結される2部材間に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0121】
4 旋回フレーム(第1部材)
9 下ブーム(第2部材)
16 ブームシリンダ(第2部材)
21,51 2部材連結装置
22 左ブームブラケット(左第1ブラケット)
22C,23C,52C,53C 対向面
22D,52D 左第1ピン挿通孔
23 右ブームブラケット(右第1ブラケット)
23D,53D 右第1ピン挿通孔
24 左ブームフート部(左第2ブラケット)
24A,54A 左第2ピン挿通孔
25 右ブームフート部(右第2ブラケット)
25A,55A 右第2ピン挿通孔
26,56 左連結ピン
26A,27A,56A,57A 端部
27,57 右連結ピン
28 ピン抜差し機構
29 油圧シリンダ
30 浮動リンク
31 左リンク
35 右リンク
42,58 左連結ピン廻止め機構
43,46,59,62 ピン側係合部材
43A,46A,59A,62A 先端部
43B,46B,59B,62B 案内面
44,47,60,63 ブラケット側係合部材
44A,47A,60A,63A,44A′ ブロック体
44B,47B,60B,63B,44B′ 凹溝部
44C,47C,60C,63C 案内面
45,61 右連結ピン廻止め機構
52 左シリンダブラケット(左第1ブラケット)
53 右シリンダブラケット(右第1ブラケット)
54 左シリンダ取付アイ(左第2ブラケット)
55 右シリンダ取付アイ(右第2ブラケット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材(4)に左,右方向で対面して設けられた左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)と、前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)にそれぞれ設けられた左,右の第1ピン挿通孔(22D,23D,52D,53D)と、前記第1部材(4)に連結される第2部材(9,16)に設けられ前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)と対面する左,右の第2ブラケット(24,25,54,55)と、前記左,右の第2ブラケット(24,25,54,55)にそれぞれ設けられ前記第1ピン挿通孔(22D,23D,52D,53D)と同一の軸線(O−O)として重ねることができる左,右の第2ピン挿通孔(24A,25A,54A,55A)と、前記左第1ピン挿通孔(22D,52D)と前記左第2ピン挿通孔(24A,54A)とに挿通される左連結ピン(26,56)と、前記右第1ピン挿通孔(23D,53D)と前記右第2ピン挿通孔(25A,55A)とに挿通される右連結ピン(27,57)と、前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)間に配置され、前記左第1ピン挿通孔(22D,52D)と前記左第2ピン挿通孔(24A,54A)とに対して前記左連結ピン(26,56)を抜差しすると共に前記右第1ピン挿通孔(23D,53D)と前記右第2ピン挿通孔(25A,55A)とに対して前記右連結ピン(27,57)を抜差しするピン抜差し機構(28)とを備えてなる2部材連結装置において、
前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)と前記左,右の連結ピン(26,27,56,57)との間には、前記左連結ピン(26,56)を前記左第1ピン挿通孔(22D,52D)と前記左第2ピン挿通孔(24A,54A)とに差込んだ状態で廻止めし、前記右連結ピン(27,57)を前記右第1ピン挿通孔(23D,53D)と前記右第2ピン挿通孔(25A,55A)とに差込んだ状態で廻止めする左,右の連結ピン廻止め機構(42,45,58,61)をそれぞれ設ける構成としたことを特徴とする2部材連結装置。
【請求項2】
前記左,右の連結ピン廻止め機構(42,45,58,61)は、前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)のうち互いに対向する対向面(22C,23C,52C,53C)側に位置して前記左,右の連結ピン(26,27,56,57)にそれぞれ設けられ、前記各連結ピン(26,27,56,57)の軸線(O−O)から離間する方向に延びるピン側係合部材(43,46,59,62)と、
前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)の対向面(22C,23C,52C,53C)のうち前記各連結ピン(26,27,56,57)の軸線(O−O)から離間した位置にそれぞれ設けられ、前記連結ピン(26,27,56,57)を前記第1,第2のピン挿通孔(22D,23D,52D,53D,24A,25A,54A,55A)に差込んだときに前記ピン側係合部材(43,46,59,62)が係合するブラケット側係合部材(44,47,60,63)とにより構成してなる請求項1に記載の2部材連結装置。
【請求項3】
前記ピン側係合部材(43,46,59,62)は、前記連結ピン(26,27,56,57)の軸線(O−O)から離間する方向に突出する突状部材であり、
前記ブラケット側係合部材(44,47,60,63)は、前記ピン側係合部材(43,46,59,62)の先端部(43A,46A,59A,62A)を挟込む凹溝部(44B,47B,60B,63B,44B′)を有するブロック体として構成してなる請求項2に記載の2部材連結装置。
【請求項4】
前記ピン側係合部材(43,46,59,62)の先端部(43A,46A,59A,62A)と前記凹溝部(44B,47B,60B,63B,44B′)とのうち少なくとも一方側には、前記各連結ピン(26,27,56,57)を前記各第1ピン挿通孔(22D,23D,52D,53D)と前記各第2ピン挿通孔(24A,25A,54A,55A)とに差込むときに、前記各ピン側係合部材(43,46,59,62)の先端部(43A,46A,59A,62A)を前記凹溝部(44B,47B,60B,63B,44B′)へと案内するテーパ状の案内面(43B,46B,59B,62B,44C,47C,60C,63C)を設ける構成としてなる請求項3に記載の2部材連結装置。
【請求項5】
前記ピン抜差し機構(28)は、前記左,右の連結ピン(26,27,56,57)の軸線の位置から離間した位置に伸縮可能に配置された油圧シリンダ(29)と、前記左,右の連結ピン(26,27,56,57)の軸線の位置から前記油圧シリンダ(29)と同一方向に離間した位置に、少なくとも前記左,右の連結ピン(26,27,56,57)の軸線と直交する方向に動くことができる浮動状態で配置された浮動リンク(30)と、前記浮動リンク(30)を介して前記左連結ピン(26,56)と前記油圧シリンダ(29)との間をそれぞれ回動可能に連結した左リンク(31)と、前記浮動リンク(30)を介して前記右連結ピン(27,57)と前記油圧シリンダ(29)との間をそれぞれ回動可能に連結した右リンク(35)とを備え、前記油圧シリンダ(29)の伸長状態または縮小状態に応じて前記左,右のリンク(31,35)を介して前記左,右の連結ピン(26,27,56,57)によって前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)と第2ブラケット(24,25,54,55)をそれぞれ連結し、または切り離す構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の2部材連結装置。
【請求項6】
前記左,右の第1ブラケット(22,23,52,53)間には、前記左連結ピン(26,56)が前記左第2ピン挿通孔(24A,54A)から抜け出した位置で当接すると共に、前記右連結ピン(27,57)が前記右第2ピン挿通孔(25A,55A)から抜け出した位置で当接するストッパ(40)を設ける構成としてなる請求項5に記載の2部材連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−256961(P2011−256961A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133111(P2010−133111)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】