説明

3群構成の撮像レンズおよび撮像装置

【課題】コンパクト化およびローコスト化を図りつつ、従来に比べて明るく高い結像性能を実現できるようにすること。
【解決手段】最も物体側の面が凸面とされ、全体として正のパワーを有する第1レンズ群G1と、全体として光軸近傍の形状が物体側に凹面を向けたメニスカス形状とされている第2レンズ群G2と、最も物体側の面が光軸近傍において凸面とされ、最も物体側の面または最も像側の面が、周辺部と面頂点位置との間で像側に凸形状となる形状を有する第3レンズ群G3とを備え、かつ、以下の条件式を満足する。CAは入射瞳径、TLは全長、D12aは第1レンズ群の最も物体側の面から第2レンズ群の最も像側の面までの光軸上距離、fは全体の近軸焦点距離。BFはバックフォーカス。
0.19≦CA/TL≦0.6 ……(1)
0.5≦D12a/f≦1.2 ……(2)
1.2≦TL/f≦1.7 ……(3)
BF/TL≦0.35 ……(4)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば2メガピクセル以上、さらに好適には5メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
【0003】
このような要求に対しては、例えば、レンズの全体構成を、空気と接する面が6つとなる3群構成とすることでコンパクト化およびローコスト化を図り、また、高性能化を図るために、非球面を積極的に用いることが考えられる(特許文献1ないし4参照)。この場合、非球面はコンパクト化および高性能化に寄与するが、その効果を最大限生かす上でその使用は製造性を十分考慮したものとすることが望ましい。また、特許文献5には、第1群ないし第3群の各群に複合レンズを用いた撮像レンズが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−86485号公報
【特許文献2】特開2005−17440号公報
【特許文献3】特開2005−17439号公報
【特許文献4】特開2002−228922号公報
【特許文献5】特許第3976782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像装置において、レンズ系を明るくすることは、高ダイナミックレンジの獲得や、低輝度環境下での撮影が可能になること、画素ピッチの縮小による光入力変換効率の上昇に寄与する。そこで、明るくコンパクトなレンズ系の開発が望まれているが、上記各特許文献に記載の撮像レンズは、明るいものでもFナンバーが2.6〜2.8程度に留まっており、より明るいレンズ系(例えばFナンバーで2.5以下)に対応するには性能が不十分である。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コンパクト化およびローコスト化を図りつつ、従来に比べて明るく高い結像性能を実現することができる3群構成の撮像レンズ、およびその3群構成の撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による3群構成の撮像レンズは、物体側から順に、最も物体側の面が凸面とされ、全体として正のパワーを有する第1レンズ群と、全体として光軸近傍の形状が物体側に凹面を向けたメニスカス形状とされている第2レンズ群と、最も物体側の面が光軸近傍において凸面とされると共に、最も物体側の面または最も像側の面が、周辺部と面頂点位置との間で像側に凸形状となる形状部分を有する第3レンズ群とを備え、かつ、以下の条件式を満足するように構成されているものである。
0.19≦CA/TL≦0.6 ……(1)
0.5≦D12a/f≦1.2 ……(2)
1.2≦TL/f≦1.7 ……(3)
BF/TL≦0.35 ……(4)
ただし、
CA:入射瞳径(直径)
TL:全長(最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上距離。第3レンズ群よりも像面側は空気換算長)
BF:バックフォーカス(第3レンズ群の最も像側のレンズ面頂点から像面までの光軸上の距離(空気換算長))
D12a:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から第2レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上距離
f:全体の近軸焦点距離
とする。
【0008】
本発明による3群構成の撮像レンズでは、全体として3群構成という比較的少ないレンズ群で構成したことで、コンパクト化およびローコスト化が図られる。また、各レンズ群の構成の最適化を図ったことで、全長を抑えつつ、従来に比べて明るく高い結像性能が得られる。例えば、特に像面補正に有利な最も像側の第3レンズ群のレンズ形状を、非球面を効率的に用いて最適化したことで、広画角化および明るさの確保に有利となる。また、全長の短縮化と明るさの確保とに有利な所定の条件式を満足したことで、全長を抑えて高い結像性能を維持しつつ従来に比べて十分な明るさが確保される。
さらに、次の好ましい構成を適宜選択的に採用して満足することで、明るさや結像性能を始めとして光学性能全般に関して、より有利なものとすることができる。
【0009】
本発明の3群構成の撮像レンズにおいて、以下の条件を適宜選択的に満足することが好ましい。
D3g/f3≦0.65 ……(5)
0.7≦f/YIM≦4.0 ……(6)
0.65≦D12a/f≦1.0 ……(2’)
0.20≦D1g/f1≦0.75 ……(7)
0.45≦R1/f≦1.0 ……(8)
−0.5≦f2/f3(45−νd2g)≦3 ……(9)
0.03≦BF/DL≦0.5 ……(10)
1.6≦N1 ……(11)
0.5≦f/f1≦1.05 ……(12)
0.24≦D1g/f≦0.9 ……(13)
ただし、
YIM:最大像高
f1:第1レンズ群の近軸焦点距離
D1g:第1レンズ群内のレンズの中心厚の合計
D3g:第3レンズ群内のレンズの中心厚の合計
R1:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面の近軸曲率半径
f2:第2レンズ群の近軸焦点距離
f3:第3レンズ群の近軸焦点距離
νd2g:第2レンズ群内で最も中心厚の厚いレンズのアッベ数
DL:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面頂点から第3レンズ群の最も像側のレンズ面頂点までの光軸上の距離
N1:第1レンズ群内で最も中心厚の厚いレンズの屈折率
f1:第1レンズ群の近軸焦点距離
とする。
【0010】
また、本発明の3群構成の撮像レンズにおいて、第1レンズ群はガラスレンズで構成されていても良い。最も物体側の第1レンズ群をガラスレンズとすることで、例えば高温高湿環境下での使用等に有利となる。
【0011】
また、本発明の3群構成の撮像レンズにおいて、第1レンズ群、第2レンズ群、または第3レンズ群のうち、少なくとも1つの群が複合非球面レンズとされていても良い。そして、複合非球面レンズが、平板状のレンズ基板と、レンズ基板の物体側の面側に形成された物体側非球面レンズ部と、レンズ基板の像側の面側に形成された像側非球面レンズ部とからなり、レンズ基板と物体側非球面レンズ部とのアッベ数の差、およびレンズ基板と像側非球面レンズ部とのアッベ数の差がそれぞれ、以下の条件式(14)を満たすようなアッベ数差Δν(d線に対するアッベ数差)とされると共に、レンズ基板と物体側非球面レンズ部との屈折率の差、およびレンズ基板と像側非球面レンズ部との屈折率の差がそれぞれ、以下の条件式(15)を満たすような屈折率差ΔN(d線に対する屈折率差)とされていても良い。
|Δν|≦10 ……(14)
|ΔN|≦0.1 ……(15)
【0012】
また、本発明の3群構成の撮像レンズにおいて、さらに絞りを備えていても良い。この場合、絞りは、光軸上の位置が、第1レンズ群の重心位置よりも物体側となるように配設されていることが好ましい。より好ましくは、光軸上の位置が、第1レンズ群の重心位置よりも物体側で、かつ、第1レンズ群の最も物体側の面頂点位置よりも像側となるように配設されていると良い。
【0013】
本発明による撮像装置は、本発明による3群構成の撮像レンズと、この撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを備えたものである。
本発明による撮像装置では、本発明の撮像レンズによって得られた高解像の光学像に基づいて高解像の撮像信号が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の3群構成の撮像レンズによれば、全体として3群構成という比較的少ないレンズ群で、非球面を効率的に用いると共に、全長の短縮化と明るさの確保とに有利な所定の条件を満足してレンズ構成の全体的な最適化を行うようにしたので、コンパクト化およびローコスト化を図りつつ、従来に比べて明るく高い結像性能を実現することができる。
【0015】
また、本発明の撮像装置によれば、上記本発明の高性能の3群構成の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、その撮像信号に基づいて明るく高解像の撮影画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(図15,図29)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2ないし第14の数値実施例(図16〜図28および図30〜図42)のレンズ構成に対応する第2ないし第14の構成例の断面構成を、図2〜図14に示す。図1〜図14において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図14の構成例についても説明する。
【0017】
本実施の形態に係る撮像レンズは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とを備えている。
【0018】
本実施の形態に係る撮像装置は、本実施の形態に係る撮像レンズと、この撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズの結像面(撮像面)に配置される。第3レンズ群G3と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていても良い。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたものを使用しても良い。
【0019】
この撮像レンズはまた、光線制限手段として、絞りStを有している。絞りStは、光学的な開口絞り(明るさ絞り)であり、第1レンズ群G1の前後に配置されていることが好ましい。例えば絞りStが、いわゆる「前側絞り」とされ、光軸Z1上の位置が、第1レンズ群G1の重心位置よりも物体側となるように配設されていることが好ましい。より好ましくは、光軸Z1上の位置が、第1レンズ群G1の重心位置よりも物体側で、かつ、第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面頂点位置よりも像側となるように配設されていると良い。本実施の形態において、第1ないし第8の構成例のレンズ(図1〜図8)が、前側絞りに相当する構成例である。
【0020】
また、絞りStが第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置された、いわゆる「中絞り」の構成であっても良い。本実施の形態において、第9ないし第14の構成例のレンズ(図9〜図14)が、中絞りに相当する構成例である。
【0021】
また、光線制限手段として、絞りStと同様の位置に、不要な入射光線をカットする光線カットストッパを有していても良い。
【0022】
この撮像レンズは、高性能化のためには、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、および第3レンズ群G3のそれぞれにおいて、少なくとも1面に非球面を用いることが好ましい。
【0023】
この撮像レンズにおいて、第1レンズ群G1は全体として光軸近傍において正のパワーを有している。第1レンズ群G1の最も物体側の面は光軸近傍において凸面とされている。この第1レンズ群G1は例えば、光軸近傍の形状が物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の1枚の第1レンズL1で構成することができる。
この第1レンズ群G1はまた、図4に示した第4の構成例のように、物体側から順に、例えば両凸形状の正レンズL11と例えば両凹形状の負レンズL12とからなる接合レンズの構成にすることも可能である。
【0024】
また、第1レンズ群G1を、図6、図7に示した第6、第7の構成例のように複合非球面レンズの構成にしても良い。複合非球面レンズは、例えばWLC(ウエハーレベル・カメラ)技術を用いて形成されるものである。図6、図7の構成例では、第1レンズ群G1が、平行平面レンズ(レンズ基板)L1bと、そのレンズ基板L1bの一方の面側(物体側)に樹脂材料で形成された物体側非球面レンズ部L1aと、そのレンズ基板L1bの他方の面側(像側)に樹脂材料で形成された像側非球面レンズ部L1cとで構成されている。これら、レンズ基板L1bと、物体側非球面レンズ部L1aおよび像側非球面レンズ部L1cとで、全体として、1つの複合非球面レンズが構成されている。物体側非球面レンズ部L1aの物体側の面は光軸近傍において凸面とされている。像側非球面レンズ部L1cの像側の面は光軸近傍において例えば凹面とされている。
なお、レンズ基板L1bと物体側非球面レンズ部L1aとの接着、およびレンズ基板L1bと像側非球面レンズ部L1cとの接着は、接着材料を用いて(接着材料を介して)接着しても良いが、接着材料を用いることなく、単に隣接するレンズ面を直接的に密着させて接着することも可能である。また、隣接、対向するレンズ面に、反射防止膜等のコーティング処理を施した上で接着されていても良い。
【0025】
なお、複合非球面レンズ以外の構成にした場合、第1レンズ群G1がガラスレンズで構成されていても良い。最も物体側の第1レンズ群G1をガラスレンズとすることで、例えば高温高湿環境下での使用等に有利となる。
【0026】
第2レンズ群G2は全体として光軸近傍の形状が物体側に凹面を向けたメニスカス形状とされている。第2レンズ群G2の最も物体側の面は、周辺部が、第2レンズ群G2の最も物体側の面頂点位置よりも物体側に位置するような形状であることが好ましい。第2レンズ群G2の最も像側の面についても、周辺部が、第2レンズ群G2の最も像側の面頂点位置よりも物体側に位置するような形状であることが好ましい。第2レンズ群G2は例えば、光軸近傍の形状が物体側に凹面を向けたメニスカス形状の1枚の第2レンズL2で構成することができる。
【0027】
また、第2レンズ群G2を、上記した第1レンズ群G1の場合と同様にして、複合非球面レンズの構成にすることも可能である。本実施の形態において、図6〜図8に示した第6ないし第8の構成例では第2レンズ群G2が複合非球面レンズとなっている。図6〜図8の構成例では、第2レンズ群G2が、平行平面レンズ(レンズ基板)L2bと、そのレンズ基板L2bの一方の面側(物体側)に樹脂材料で形成された物体側非球面レンズ部L2aと、そのレンズ基板L2bの他方の面側(像側)に樹脂材料で形成された像側非球面レンズ部L2cとで構成されている。これら、レンズ基板L2bと、物体側非球面レンズ部L2aおよび像側非球面レンズ部L2cとで、全体として、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である1つの複合非球面レンズが構成されている。
【0028】
第3レンズ群G3は、特に像面湾曲補正に有効なレンズ群であり、最も物体側の面が光軸近傍において凸面とされている。第3レンズ群G3はまた、最も物体側の面または最も像側の面が、周辺部と面頂点位置との間(面の中間部)で像側に凸形状となる形状部分を有している。第3レンズ群G3は例えば、光軸近傍の形状が物体側に凸面を向けたメニスカス形状である1枚の第3レンズL3で構成することができる。
【0029】
また、第3レンズ群G3を、上記した第1レンズ群G1の場合と同様にして、複合非球面レンズの構成にすることも可能である。本実施の形態において、図6〜図8に示した第6ないし第8の構成例では第3レンズ群G3が複合非球面レンズとなっている。図6〜図8の構成例では、第3レンズ群G3が、平行平面レンズ(レンズ基板)L3bと、そのレンズ基板L3bの一方の面側(物体側)に樹脂材料で形成された物体側非球面レンズ部L3aと、そのレンズ基板L3bの他方の面側(像側)に樹脂材料で形成された像側非球面レンズ部L3cとで構成されている。これら、レンズ基板L3bと、物体側非球面レンズ部L3aおよび像側非球面レンズ部L3cとで、全体として、光軸近傍の形状が物体側に凸面を向けたメニスカス形状である1つの複合非球面レンズが構成されている。
【0030】
この撮像レンズは、少なくとも以下の条件式(1)〜(2)を満足することが好ましい。
0.19≦CA/TL≦0.6 ……(1)
0.5≦D12a/f≦1.2 ……(2)
1.2≦TL/f≦1.7 ……(3)
BF/TL≦0.35 ……(4)
ただし、
CA:入射瞳径(直径)
TL:全長(最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上距離。第3レンズ群G3よりも像面側は空気換算長)
BF:バックフォーカス(第3レンズ群G3の最も像側のレンズ面頂点から像面までの光軸上の距離(空気換算長))
D12a:第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面から第2レンズ群G2の最も像側のレンズ面までの光軸上距離
f:全体の近軸焦点距離
とする。
【0031】
この撮像レンズはさらに、以下の条件を適宜選択的に満足することが好ましい。
D3g/f3≦0.65 ……(5)
0.7≦f/YIM≦4.0 ……(6)
0.20≦D1g/f1≦0.75 ……(7)
0.45≦R1/f≦1.0 ……(8)
−0.5≦f2/f3(45−νd2g)≦3 ……(9)
0.03≦BF/DL≦0.5 ……(10)
1.6≦N1 ……(11)
0.5≦f/f1≦1.05 ……(12)
0.24≦D1g/f≦0.9 ……(13)
ただし、
YIM:最大像高
f1:第1レンズ群G1の近軸焦点距離
D1g:第1レンズ群G1内のレンズの中心厚の合計
D3g:第3レンズ群G3内のレンズの中心厚の合計
R1:第1レンズ群G1の最も物体側の面の近軸曲率半径
f2:第2レンズ群G2の近軸焦点距離
f3:第3レンズ群G3の近軸焦点距離
νd2g:第2レンズ群G2内で最も中心厚の厚いレンズのアッベ数
DL:第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面頂点から第3レンズ群G3の最も像側のレンズ面頂点までの光軸上の距離(図1参照)
N1:第1レンズ群G1内で最も中心厚の厚いレンズの屈折率
f1:第1レンズ群G1の近軸焦点距離
とする。
【0032】
また、図6〜図8の構成例のように、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、または第3レンズ群G3のうち、少なくとも1つの群が複合非球面レンズであった場合、各群の複合非球面レンズについて、複合非球面レンズ内で隣接するレンズ間のアッベ数差が、以下の条件式(14)を満たすようなアッベ数差Δν(d線に対するアッベ数差)とされると共に、複合非球面レンズ内で隣接するレンズ間の屈折率差が、以下の条件式(15)を満たすような屈折率差ΔN(d線に対する屈折率差)とされていることが好ましい。例えば、図6、図7に示した構成例のように第1レンズ群G1が複合非球面レンズであった場合、レンズ基板L1bと物体側非球面レンズ部L1aとのアッベ数の差、およびレンズ基板L1bと像側非球面レンズ部L1cとのアッベ数の差がそれぞれ、以下の条件式(14)を満たすようなアッベ数差Δνとされ、レンズ基板L1bと物体側非球面レンズ部L1aとの屈折率の差、およびレンズ基板L1bと像側非球面レンズ部L1cとの屈折率の差がそれぞれ、以下の条件式(15)を満たすような屈折率差ΔNとされていることが好ましい。
|Δν|≦10 ……(14)
|ΔN|≦0.1 ……(15)
【0033】
次に、以上のように構成された撮像レンズの作用および効果、特に条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。
【0034】
本実施の形態に係る撮像レンズでは、全体として3群構成という比較的少ないレンズ群で構成したことで、コンパクト化およびローコスト化が図られる。また、各レンズ群の構成の最適化を図ったことで、全長を抑えつつ、従来に比べて明るく高い結像性能が得られる。特に像面補正に有利な最も像側の第3レンズ群G3のレンズ形状を、非球面を効率的に用いて最適化したことで、広画角化および明るさの確保に有利となる。また、全長の短縮化と明るさの確保とに有利な条件式(1)〜(4)等の所定の条件式を満足したことで、全長を抑えて高い結像性能を維持しつつ従来に比べて十分な明るさが確保される。
【0035】
非球面形状に関しては、特に、第3レンズ群G3を、周辺部と面頂点位置との間(面の中間部)で像側に凸形状となる形状部分を有する構成にしたことで、像面の中心部から周辺部にわたって像面湾曲を良好に補正している。第3レンズ群G3では、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2に比べて、画角ごとに光束が分離される。このため、特に、撮像素子100に近いレンズ面である第3レンズ群G3の最も像側の面を、光軸近傍から周辺部にかけて異なる凹凸形状となるようにすることで、画角ごとの収差補正が適切になされ、光束の撮像素子100への入射角度が一定の角度以下に制御される(各画角での主光線のテレセントリック性が良好に保たれる)。従って、結像面全域における光量むらを軽減することができると共に、像面湾曲や歪曲収差等の補正に有利となる。また、この撮像レンズにおいて、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の双方を非球面レンズとすることで、球面レンズで構成した場合に比べて、同等の光学性能を維持した状態で全長を小さくすることが可能となる。より具体的には、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を球面レンズで構成して解像性能を良好にし、撮像面における各画角での主光線のテレセントリック性を良好に保ったとすると、非球面レンズを用いた場合、それと同等の性能を、30%以上全長を小さくした状態で実現することが可能となる。
【0036】
一般に、撮像レンズ系では、テレセントリック性、すなわち、撮像素子100への主光線の入射角度が光軸に対して平行に近く(撮像面における入射角度が撮像面の法線に対してゼロに近く)なることが好ましい。このテレセントリック性を確保するためには、絞りStはできるだけ物体側、第1レンズ群G1の前後に配置されることが好ましい。一方で、絞りStが最も物体側のレンズ面からさらに物体側方向に離れた位置に配置されると、その分(絞りStと最も物体側のレンズ面との距離)が光路長として加算されてしまうため、全体構成のコンパクト化の面で不利となる。従って例えば、絞りStを、光軸Z1上の位置が、第1レンズ群G1の重心位置よりも物体側で、かつ、第1レンズ群G1の最も物体側の面頂点位置よりも像側となるような位置に配置することにより、全長の短縮化を図りつつ、テレセントリック性を確保することができる。
【0037】
また、この撮像レンズにおいて、物体側から入射した光が第1レンズ群G1の像側の面で物体側方向に反射し、さらに第1レンズ群G1の物体側の面で反射して像面に到るようなゴースト光が発生するおそれがある。絞りStを、第1レンズ群G1の重心位置よりも物体側に配置することで、そのようなゴースト光の発生を抑制するのに有利となる。
【0038】
また、絞りStを第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配置した場合、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との有効域が小さくなることで、面のパワーが小さくなり、一般的に製造ばらつきによる性能変化が小さい。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とが絞りに近いため球面収差を良好に保つことができ、明るいレンズには有利である。また、高級なレンズには、第1レンズ群G1をあえて絞りStよりも物体側に配置して、ユーザが外側からレンズを意識できるようにする外観上のメリットもある。
【0039】
以下、上記した各条件式の具体的意義について説明する。
【0040】
条件式(1)は、入射瞳径CAの適切な値を規定している。絞りStが第1レンズ群G1の最も物体側の面位置の近傍にあるときは、入射瞳径CAは軸上光線の有効径を規定する。条件式(1)の下限を下回ると、入射瞳径CAが小さくなりすぎ、レンズ系が暗くなる。上限を上回ると、入射瞳径CAが大きくなりすぎ、解像性能等の諸性能が不十分となる。
より良好な性能を得るために、条件式(1)の数値範囲は、
0.22≦CA/TL≦0.5 ……(1’)
であることが好ましい。より好ましくは、
0.28≦CA/TL≦0.5 ……(1'')
であると良い。
【0041】
条件式(2)は、第1レンズ群の最も物体側の面から第2レンズ群の最も像側の面までの光軸上距離D12aに関する。この撮像レンズでは、球面収差が第1レンズ群G1から第2レンズ群G2にかけてアンダーになり、第3レンズ群G3でオーバとなるようにして全体として球面収差のバランスを取っているが、条件式(2)の下限を下回ると、球面収差を十分アンダーにすることができなくなる。また、この撮像レンズでは、入射する光線を第1レンズ群G1から第2レンズ群G2にかけて画角ごとに光束分離させ、その分離した光束を第3レンズ群G3で画角ごとに補正することで、各画角ごとに像面湾曲を良好に補正している。条件式(2)の下限を下回ると、第1レンズ群G1から第2レンズ群G2にかけて光束を分離することが不十分になり、第3レンズ群G3での像面湾曲補正も不十分になってしまう。第3レンズ群G3の下限を下回ると、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2における周辺部のレンズ厚や、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が小さくなり、加工上不利となる。一方、条件式(2)の上限を上回ると、球面収差が第1レンズ群G1から第2レンズ群G2にかけてアンダーになりすぎてしまう。また、像面湾曲を小さくしつつ全長を小さくすることが難しくなってくる。
より良好な性能を得るために、条件式(2)の数値範囲は、
0.65≦D12a/f≦1.0 ……(2’)
であることが好ましい。より好ましくは、
0.70≦D12a/f≦1.0 ……(2'')
であると良い。
【0042】
条件式(3)は、レンズ系の全長TLに関する。条件式(3)の上限を超えると、全長TLが大きくなりすぎてしまい、全長TLの短縮化に不利となる。下限を超えると、全長TLの短縮化には有利になるものの、結像性能の低下を招く。本実施の形態に係る撮像レンズのようにFナンバーの小さい、明るいレンズの場合、解像深度が狭くなってしまうことと、軸上光線の有効域の増大により、球面収差と周辺像高の像面湾曲をバランス良く揃える事が厳しくなってしまう。そのため、ペッツバール和のバランスを良くするために、全長を適切な値にする必要がある。全長が大きすぎると、画角と、像面への射出角度が現状の一般的なFナンバーのレンズに比べて鈍角になりすぎてしまう。
【0043】
条件式(4)は、バックフォーカスBFとレンズ系の全長TLに関する。本実施の形態に係る撮像レンズのようにFナンバーの小さい、明るいレンズにおいて、絞りStを比較的に前側とし、また全長の短縮化を図ろうとすると、球面収差は、主に第1レンズ群G1で小さくできる。一方、倍率の色収差、像面湾曲補正、および非点格差補正は、変曲点を有する非球面を最終レンズ(第3レンズ群G3)に配置することが、最も効果がある。また、その非球面の位置は、絞りStから離して配置すれば、離れるほどに、効果を発揮する。最終レンズの非球面を絞りStから離して配置する結果、バックフォーカスBFが小さくなる傾向がある。一方、明るいレンズは、各像高の光線の有効径が広くなるので外観品質、ゴミ異物キズの規格の観点からみても、バックフォーカスBFを大きく広げる必要がない。このため、性能を優先してバックフォーカスBFが比較的小さくなるような位置に、最終レンズを配置することが可能になる。条件式(4)の上限を外れると、バックフォーカスBFを長くすることができるが、上記した最終レンズによる補正効果の低下を招く。
より良好な性能を得るために、条件式(4)の数値範囲は、
BF/TL≦0.18 ……(4’)
であることが好ましい。より好ましくは、
BF/TL≦0.12 ……(4'')
であると良い。
【0044】
条件式(5)は、第3レンズ群G3の近軸焦点距離f3と第3レンズ群G3内のレンズの合計の中心厚D3gとの適切な関係を規定している。条件式(5)において、D3g/f3が負の値となる場合には、像面湾曲補正、ペッツバール和の補正に有利である。D3g/f3が正の値となる場合に、条件式(5)の上限を超えてD3g/f3の値が大きくなりすぎると、像面の補正が困難になる。
【0045】
条件式(6)は、最大像高YIMに関する。この撮像レンズでは、条件式(6)の条件下で、明るく高い結像性能を実現することができる。条件式(6)の下限を下回ると、画角が広くなりすぎる。条件式(6)の上限を上回ると、画角が狭くなりすぎる。
より良好な性能を得るために、条件式(6)の数値範囲は、
1.0≦f/YIM≦3.5 ……(6’)
であることが好ましい。より好ましくは、
1.4≦f/YIM≦3.0 ……(6'')
であると良い。
【0046】
条件式(7)は、第1レンズ群G1の近軸焦点距離f1と第1レンズ群G1内のレンズの合計の中心厚D1gとの適切な関係を規定している。条件式(7)の下限を下回ると、この撮像レンズでは第1レンズ群G1の有効径が大きいため、第1レンズ群G1内のレンズの縁の部分の厚さを十分確保できなくなる。条件式(7)の上限を上回ると、全長を小さくすることができなくなる。
より良好な性能を得るために、条件式(7)の数値範囲は、
0.25≦D1g/f1≦0.60 ……(7’)
であることが好ましい。より好ましくは、
0.28≦D1g/f1≦0.55 ……(7'')
であると良い。
【0047】
条件式(8)は、第1レンズ群G1の最も物体側の面の形状に関する。条件式(8)の下限を下回ると、球面収差および像面湾曲がアンダーになりすぎる傾向となる。また、歪曲収差がオーバになりすぎて、非球面などによる十分な補正ができなくなる。条件式(8)の上限を上回ると、球面収差および像面湾曲がオーバになりすぎ、また、歪曲収差がアンダーになりすぎる傾向となる。さらに、全長にも比較的不利になる。
より良好な性能を得るために、条件式(8)の数値範囲は、
0.5≦R1/f≦0.8 ……(8’)
であることが好ましい。
【0048】
条件式(9)は、第2レンズ群G2内の最も中心厚の厚いレンズのアッベ数νd2gに関する。条件式(9)の範囲を外れると、像面湾曲と倍率の色収差を同時に良好に保てなくなる。
より良好な性能を得るために、条件式(9)の数値範囲は、
−0.2≦f2/f3(45−νd2g)≦2 ……(9’)
であることが好ましい。より好ましくは、
−0.1≦f2/f3(45−νd2g)≦1 ……(9'')
であると良い。
【0049】
条件式(10)は、バックフォーカスBFとレンズ系の厚さDLとに関する。レンズ全長を短縮化することと、撮像素子100に最も近い最終レンズ面が撮像面に近づきすぎないようにすること、この2つの要求を満たすには、レンズ系の厚さDLとバックフォーカスBFとを適切な範囲にする必要がある。条件式(10)の下限を下回ると、バックフォーカスBFが小さくなりすぎてしまう。上限を上回ると、レンズ全体の厚さDLが小さくなりすぎ、収差性能の悪化および製造組立感度の急激な低下が起きてしまう。この撮像レンズにおいて非球面の面数を多くすると、製造時のばらつきに対する性能劣化の感度が大きくなる。厚さDLを小さくしすぎると、各レンズ要素の成型条件のばらつきや組み立て時の より良好な性能を得るために、条件式(10)の数値範囲は、
0.05≦BF/DL≦0.42 ……(10’)
であることが好ましい。より好ましくは、
0.10≦BF/DL≦0.35 ……(10'')
であると良い。
【0050】
条件式(11)は、第1レンズ群G1内で最も中心厚の厚いレンズの屈折率N1に関する。条件式(11)の下限を下回ると、第1レンズ群G1内のレンズにおける周辺部のレンズ厚が維持できなくなり、加工時に欠けなどを生じたり、研磨の場合には、研磨できなくなったりする。
より良好な性能を得るために、条件式(11)の数値範囲は、
1.75≦N1≦2.50 ……(11’)
であることが好ましい。この上限を上回ると、現状存在する光学材料では高価なものが多いため、コストの点で不利となる。より好ましくは、
1.79≦N1≦2.15 ……(11'')
であると良い。
【0051】
条件式(12)は、第1レンズ群G1の焦点距離f1に関する。条件式(12)の下限を超えると、第1レンズ群G1のパワーが小さくなりすぎ、広角化に不利となる。上限を超えると、第1レンズ群G1のパワーが大きくなりすぎ、周辺画角でのコマ収差、倍率の色収差および像面格差の補正に不利となる。
より良好な性能を得るために、条件式(12)の数値範囲は、
0.5≦f/f1≦1.0 ……(12’)
であることが好ましい。より好ましくは、
0.5≦f/f1≦0.95 ……(12'')
であると良い。
【0052】
条件式(13)は、全体の近軸焦点距離fと第1レンズ群G1内のレンズの合計の中心厚D1gとの適切な関係を規定している。条件式(13)の下限を下回ると、この撮像レンズでは第1レンズ群G1の有効径が大きいため、第1レンズ群G1内のレンズの縁の部分の厚さを十分確保できなくなる。上限を上回ると、バックフォーカスを適当に維持しつつ全長を小さくすることができなくなる。
より良好な性能を得るために、条件式(13)の数値範囲は、
0.35≦D1g/f≦0.7 ……(13’)
であることが好ましい。
【0053】
条件式(14),(15)は、図6〜図8の構成例のように複合非球面レンズを用いた場合における、その複合非球面レンズ内での隣接するレンズ間の適切なアッベ数差Δνと屈折率差ΔNとを規定している。複合非球面レンズ内でのレンズ構成を、条件式(14),(15)を満足するように、アッベ数差Δνと屈折率差ΔNとが小さい、できる限り均質な材料で構成することで、隣接するレンズ間の境界面での光線反射を減らすことが可能になる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態に係る撮像レンズによれば、全体として3群構成という比較的少ないレンズ群で、非球面を効率的に用いると共に、全長の短縮化と明るさの確保とに有利な所定の条件を満足してレンズ構成の全体的な最適化を行うようにしたので、コンパクト化およびローコスト化を図りつつ、従来に比べて明るく高い結像性能を実現することができる。また、適宜好ましい条件を満足することで、製造適性が良好で、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、明るく高解像の撮影画像を得ることができる。
【実施例】
【0055】
次に、本実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
【0056】
図15および図29は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に図15にはその基本的なレンズデータを示し、図29には非球面に関するデータを示す。図15に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(587.6nm)に対する屈折率、N(945)jの欄には近赤外域の波長(945nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。図15の欄外には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)の値を示す。
【0057】
この実施例1に係る撮像レンズは、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の両面がすべて非球面形状となっている。第1レンズ群G1は球面となっている。図15の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
【0058】
図29には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
【0059】
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
【0060】
Z=C・h2/{1+(1−K・C2・h21/2}+ΣAi・hi ……(A)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
K:離心率
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
【0061】
実施例1の撮像レンズでは、各非球面が、非球面係数Aiとして、第10次までの係数A3〜A10を必要に応じて有効に用いて表されている。
【0062】
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2として、図16および図30に示す。また同様にして、図3〜図14に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例3ないし実施例14として、図17〜図28および図31〜図42に示す。
【0063】
なお、実施例5〜6に係る撮像レンズは、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の両面がすべて非球面形状であると共に、第1レンズ群G1の最も物体側の面および最も物体側の面が非球面形状となっている。その他の実施例に係る撮像レンズは、実施例1に係る撮像レンズと同様、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の両面がすべて非球面形状で、第1レンズ群G1は球面となっている。
【0064】
また、図43、図44には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。図43、図44において、数値に「*」印を付した部分は条件式の数値範囲から外れていることを示している。
【0065】
図45(A)〜(C)はそれぞれ、実施例1の撮像レンズにおける球面収差、非点収差(像面湾曲)、およびディストーション(歪曲収差)を示している。各収差図には、e線(波長546.07nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図および非点収差図には、近赤外線(波長945nm),C線(波長656.27nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。FNo.はF値、Yは像高を示す。
【0066】
同様に、実施例2の撮像レンズについての諸収差を図46(A)〜(C)に示す。同様にして、実施例3ないし実施例6の撮像レンズについての諸収差を図47(A)〜(C)ないし図58(A)〜(C)に示す。
【0067】
なお、本実施例は、分光に関して比較的近赤外側での性能も考慮して設計し、比較的ワイドバンドでの使用にも耐えられるように設計したものである。このため、収差図には近赤外域の代表例として、945nmの収差も記載してある。近年、例えば移動体搭載カメラには、近赤外波長領域でのニーズがある。このようなニーズに対し、例えば、本実施例の撮像レンズの透過波長領域を可視から近赤外まで広げたり、または、近赤外の一部の領域のみの狭い範囲で使用する等の使用形態が可能である。なお、近赤外の一部の狭い領域のみや、可視の一部の狭い領域など、狭い波長領域で使用する場合には、ワイドバンドで使用する場合に比べて軸上色収差を重要視しないで良い。
【0068】
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、明るく、高い結像性能が実現されている。
【0069】
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
【0070】
また、上記各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第6の構成例を示すものであり、実施例6に対応するレンズ断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第7の構成例を示すものであり、実施例7に対応するレンズ断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第8の構成例を示すものであり、実施例8に対応するレンズ断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第9の構成例を示すものであり、実施例9に対応するレンズ断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第10の構成例を示すものであり、実施例10に対応するレンズ断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第11の構成例を示すものであり、実施例11に対応するレンズ断面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第12の構成例を示すものであり、実施例12に対応するレンズ断面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第13の構成例を示すものであり、実施例13に対応するレンズ断面図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第14の構成例を示すものであり、実施例14に対応するレンズ断面図である。
【図15】本発明の実施例1に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図16】本発明の実施例2に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図17】本発明の実施例3に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図18】本発明の実施例4に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図19】本発明の実施例5に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図20】本発明の実施例6に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図21】本発明の実施例7に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図22】本発明の実施例8に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図23】本発明の実施例9に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図24】本発明の実施例10に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図25】本発明の実施例11に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図26】本発明の実施例12に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図27】本発明の実施例13に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図28】本発明の実施例14に係る撮像レンズの基本的なレンズデータを示す図である。
【図29】本発明の実施例1に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図30】本発明の実施例2に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図31】本発明の実施例3に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図32】本発明の実施例4に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図33】本発明の実施例5に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図34】本発明の実施例6に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図35】本発明の実施例7に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図36】本発明の実施例8に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図37】本発明の実施例9に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図38】本発明の実施例10に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図39】本発明の実施例11に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図40】本発明の実施例12に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図41】本発明の実施例13に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図42】本発明の実施例14に係る撮像レンズの非球面に関するデータを示す図である。
【図43】条件式に関する値を実施例1〜7についてまとめて示した図である。
【図44】条件式に関する値を実施例8〜14についてまとめて示した図である。
【図45】本発明の実施例1に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図46】本発明の実施例2に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図47】本発明の実施例3に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図48】本発明の実施例4に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図49】本発明の実施例5に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図50】本発明の実施例6に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図51】本発明の実施例7に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図52】本発明の実施例8に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図53】本発明の実施例9に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図54】本発明の実施例10に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図55】本発明の実施例11に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図56】本発明の実施例12に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図57】本発明の実施例13に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【図58】本発明の実施例14に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差(像面湾曲)、(C)は歪曲収差を示す。
【符号の説明】
【0072】
G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、L1a,L2a,L3a…物体側非球面レンズ部、L1b,L2b,L3b…平行平面レンズ(レンズ基板)、L11,L12…接合レンズ、L1c,L2c,L3c…像側非球面レンズ部、St…開口絞り、Ri…物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔、Z1…光軸、100…撮像素子(像面)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、
最も物体側の面が凸面とされ、全体として正のパワーを有する第1レンズ群と、
全体として光軸近傍の形状が物体側に凹面を向けたメニスカス形状とされている第2レンズ群と、
最も物体側の面が光軸近傍において凸面とされると共に、最も物体側の面または最も像側の面が、周辺部と面頂点位置との間で像側に凸形状となる形状部分を有する第3レンズ群と
を備え、
かつ、以下の条件式を満足する
ことを特徴とする3群構成の撮像レンズ。
0.19≦CA/TL≦0.6 ……(1)
0.5≦D12a/f≦1.2 ……(2)
1.2≦TL/f≦1.7 ……(3)
BF/TL≦0.35 ……(4)
ただし、
CA:入射瞳径(直径)
TL:全長(最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上距離。第3レンズ群よりも像面側は空気換算長)
BF:バックフォーカス(第3レンズ群の最も像側のレンズ面頂点から像面までの光軸上の距離(空気換算長))
D12a:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から第2レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上距離
f:全体の近軸焦点距離
とする。
【請求項2】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1に記載の3群構成の撮像レンズ。
D3g/f3≦0.65 ……(5)
ただし、
f3:第3レンズ群の近軸焦点距離
D3g:第3レンズ群内のレンズの中心厚の合計
とする。
【請求項3】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.7≦f/YIM≦4.0 ……(6)
ただし、
YIM:最大像高
とする。
【請求項4】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.65≦D12a/f≦1.0 ……(2’)
【請求項5】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.20≦D1g/f1≦0.75 ……(7)
ただし、
f1:第1レンズ群の近軸焦点距離
D1g:第1レンズ群内のレンズの中心厚の合計
とする。
【請求項6】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.45≦R1/f≦1.0 ……(8)
ただし、
R1:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面の近軸曲率半径
とする。
【請求項7】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
−0.5≦f2/f3(45−νd2g)≦3 ……(9)
ただし、
f2:第2レンズ群の近軸焦点距離
f3:第3レンズ群の近軸焦点距離
νd2g:第2レンズ群内で最も中心厚の厚いレンズのアッベ数
とする。
【請求項8】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.03≦BF/DL≦0.5 ……(10)
ただし、
DL:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面頂点から第3レンズ群の最も像側のレンズ面頂点までの光軸上の距離
とする。
【請求項9】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
1.6≦N1 ……(11)
ただし、
N1:第1レンズ群内で最も中心厚の厚いレンズの屈折率
とする。
【請求項10】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.5≦f/f1≦1.05 ……(12)
ただし、
f1:第1レンズ群の近軸焦点距離
とする。
【請求項11】
さらに以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
0.24≦D1g/f≦0.9 ……(13)
【請求項12】
前記第1レンズ群はガラスレンズで構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
【請求項13】
前記第1レンズ群、前記第2レンズ群、または前記第3レンズ群のうち、少なくとも1つの群が複合非球面レンズとされ、
前記複合非球面レンズが、平板状のレンズ基板と、前記レンズ基板の物体側の面側に形成された物体側非球面レンズ部と、前記レンズ基板の像側の面側に形成された像側非球面レンズ部とからなり、
前記レンズ基板と前記物体側非球面レンズ部とのアッベ数の差、および前記レンズ基板と前記像側非球面レンズ部とのアッベ数の差がそれぞれ、以下の条件式(14)を満たすようなアッベ数差Δν(d線に対するアッベ数差)とされると共に、
前記レンズ基板と前記物体側非球面レンズ部との屈折率の差、および前記レンズ基板と前記像側非球面レンズ部との屈折率の差がそれぞれ、以下の条件式(15)を満たすような屈折率差ΔN(d線に対する屈折率差)とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の3群構成の撮像レンズ。
|Δν|≦10 ……(14)
|ΔN|≦0.1 ……(15)
【請求項14】
さらに絞りを備え、
前記絞りは、光軸上の位置が、前記第1レンズ群の重心位置よりも物体側となるように配設されている
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の3群構成の撮像レンズ。
【請求項15】
前記絞りは、光軸上の位置が、前記第1レンズ群の重心位置よりも物体側で、かつ、前記第1レンズ群の最も物体側の面頂点位置よりも像側となるように配設されている
ことを特徴とする請求項14に記載の3群構成の撮像レンズ。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の撮像レンズと、
前記撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子と
を備えたことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公開番号】特開2010−145648(P2010−145648A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321416(P2008−321416)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】