説明

5−HT2A拮抗薬としてのアリールスルホニルベンジルエーテル

式Iの化合物は、5−HT2A受容体の、強力な、選択的な拮抗薬であり、したがって、様々なCNS障害の治療において有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(5−ヒドロキシトリプタミンまたは5−HT受容体としても知られる)セロトニン受容体に作用するスルホニル誘導体のクラスに関する。より詳細には、本発明は、アリールスルホニルベンジルエーテルのクラスに関する。
【背景技術】
【0002】
これらの化合物は、ヒト5−HT2A受容体の強力な選択的な拮抗薬であり、したがって、特に、不眠症などの睡眠障害、統合失調症などの精神異常および不安神経症などの精神障害を含めた中枢神経系の悪い状態の治療および/または予防において、医薬品として有用である。
【0003】
本発明の化合物は、D、5HT2CおよびIKr受容体などの他のヒト受容体に比べて、ヒト5−HT2A受容体へのより有効な結合を一般的に示す。これらは、したがって、このような受容体との結合親和力において選別しない化合物に比べて、より少しの副作用しか示さないことが期待できる。とりわけ、これらの化合物は、IKr受容体により低い影響しか有さず、心臓への影響などの副作用からの、所望の効果の分離がある。
【0004】
この強力なヒト5−HT2A受容体拮抗薬活性のため、本発明の化合物は、不眠症などの睡眠障害、統合失調症およびうつ病などの精神異常、不安神経症、パニック障害、強迫性障害、疼痛、拒食症などの摂食障害、LSDまたはMDMAなどの麻薬性鎮痛薬に関係した依存症または急性毒性を含めた神経学的状態の治療において有効であり、さらに、神経弛緩薬の投与に関係した錐体外路系症状の制御において有益である。これらは、眼圧の低下に、したがって緑内障の治療にも有効であり、更年期の症状、とりわけ体のほてりの治療にも有効でありうる(Waldinger et al,Maturitas,2000,36,165−8を参照されたい。)。
【0005】
とりわけスルホニル部分を含む化合物の様々なクラスは、WO2005/047246、WO2005/047247、WO03/099786、WO2004/101518、WO01/74797、WO00/43362、WO96/35666、EP−A−0261688、EP−0304888、および米国特許4,218,455および4,128,552、DE−A−3901735およびFletcher et al,J.Med.Chem.,2002,45,492−503に開示されている。これらの刊行物のいずれもが、しかしながら、本明細書で提供している化合物の特定のクラスを開示または提案していない。
【発明の開示】
【0006】
本発明による化合物は、強力な、選択的な5−HT2A受容体拮抗薬であり、100nM以下の、一般的には50nM以下および好ましくは10nM以下の、ヒト5−HT2A受容体結合親和力(Ki)を適切に有する。本発明の化合物は、ヒトドーパミンD受容体および/またはヒトIKrおよび/または5−HT2c受容体に比べて、ヒト5−HT2A受容体に、少なくとも10倍の選択的親和性、適切には少なくとも20倍の選択的親和性および好ましくは少なくとも50倍の選択的親和性を所持することができる。好ましい化合物は、ヒト5−HT2c受容体に比べて、少なくとも100倍の選択性を示す。
【0007】
本発明によれば、薬学的に許容される担体中に、式I
【0008】
【化4】

{式中、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1または2であり、
tは、1または2であり、
Aは、CHまたはNを表し、
およびAは、それぞれCHまたはNを表すが、両方がNであることはなく、
Eは、化学結合、または1から4個の炭素原子を含む、酸素原子を場合によって組み込んでエーテル結合を形成した、直鎖もしくは分枝のアルキレン鎖を表し、
Zは、ハロゲン、CN、ニトロ、CF、OCF、−R、−OR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRSONR、−COR、−CO、−CONR、−CR=NORまたは5もしくは6員芳香族複素環[ここで、芳香族複素環は、ハロゲン、CN、CF、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ(C1〜6)アルキルアミノから選択される2つまでの置換基を場合によって有する。]から選択され、または、
−E−Z部分は、下記に定義される隣接のR基と結合することができ、
およびRは、Hまたは7個までの炭素原子の炭化水素基[ここで、炭化水素基は、3個までのフッ素原子で、また場合によってCl、Br、CN、OH、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、アミノ、C1〜4アルキルアミノまたはジ(C1〜4)アルキルアミノで場合によって置換されている。]を独立に表し、または、RおよびRは、RおよびRが窒素原子を通して結合している場合に、4、5もしくは6員の複素環の残基(ここで、複素環の残基は、ハロゲン、CN、CF、オキソ、OH、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルコキシから選択された3つまでの置換基を場合によって有する。)を共に表し、
それぞれのRは、ハロゲン、CN、OH、C1〜4アルコキシまたはヒドロキシメチルを独立に表し、
それぞれのRは、ハロゲン、CN、CONH、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシを独立に表し、またはR基および−E−Z部分は、隣接の環位置に結合している場合に、縮合イミダゾール環を完成することができ、
は、H、ハロゲン、CN、CF、OR、CO、CONR、NRまたはC1〜4アルキル(ここで、C1〜4アルキルは、ハロゲン、CN、CF、OR、CO、CONR、NRで場合によって置換されている。)を表す。}の化合物または薬学的に許容されるこの塩を含む医薬組成物が提供される。
【0009】
本発明の特定の実施形態においては、−E−Zは、隣接のR基と結合していない。
【0010】
−E−ZがH以外である式Iの化合物は、新規であると考えられ、本発明のさらなる一態様を構成する。
【0011】
mが1または2であり、Rがフッ素を表す、式Iの化合物は、新規であると考えられ、本発明のさらなる一態様を構成する。
【0012】
変項が、式Iにおいてまたはこの置換基において1回以上出現する場合、この変項の個々の出現は、特別の定めのない限り、互いに独立している。
【0013】
本明細書で使用される「炭化水素基」という表現は、もっぱら炭素および水素原子からなる基を意味する。このような基は、個々にまたは炭素原子の指示された最大数と一致するいずれかの組合せで、直鎖、分枝または環状構造を含むことができ、飽和または不飽和であってよく、他に指示がない限り、炭素原子の指示された最大数がこれを許す場合に、芳香族を含む。
【0014】
本明細書で使用される「C1〜xアルキル」という表現(ここで、xは、1より大きい整数である。)は、直鎖および分枝のアルキル基を意味し、ここで、構成要素である炭素原子の数は、1からx個までの範囲である。特定のアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルである。「C2〜6アルケニル」、「ヒドロキシC1〜6アルキル」、「ヘテロアリールC1〜6アルキル」、「C2〜6アルキニル」および「C1〜6アルコキシ」などの派生表現は、同様に解釈されるべきである。最も適切には、このような基における炭素原子の数は、6より大きくない。
【0015】
本明細書で使用される「ハロゲン」という用語には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が含まれ、これらのうちフッ素および塩素が、好ましく、フッ素が、とりわけ好ましい。
【0016】
本明細書で使用される「C3〜6シクロアルキル」という表現は、3から6個の環原子を含む非芳香族単環式炭化水素環系を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルが含まれる。
【0017】
薬剤における使用については、式Iの化合物は、薬学的に許容される塩の形態であってよい。他の塩が、しかしながら、式Iの化合物またはこの薬学的に許容される塩の調製において有用でありうる。本発明の化合物の、適切な薬学的に許容される塩には、酸付加塩が含まれ、この酸付加塩は、例えば、本発明による化合物の溶液を、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成することができる。別法として、本発明の化合物が、酸性部分を有している場合に、薬学的に許容される塩を、前記酸性部分の、適切な塩基による中和によって形成することができる。このように形成された薬学的に許容される塩の例には、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、カルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、およびアミン塩(ピリジニウム塩を含めた)および四級アンモニウム塩などの適切な有機塩基と形成された塩が含まれる。
【0018】
本発明による化合物が、1つまたはそれ以上の不斉中心を有する場合、これらは、したがって、光学異性体として存在することができる。本発明による化合物が、2つ以上の不斉中心を有する場合、これらは、さらに、ジアステレオ異性体として存在することができる。全てのこのような異性体および任意の割合におけるこれらの混合物は、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。
【0019】
式Iの化合物においては、tは、1または2である。好ましい実施形態においては、tは、2である。
【0020】
式Iにおいては、Aは、CHまたはNを表す。特定の実施形態においては、Aは、CHを表す。AがNを表す場合、S(O)t部分は式Iにおける得られたピリジン環のいずれかの位置に結合することができるが、環上のNに対して2または3位置での結合が好ましく、2位置での結合がとりわけ好ましい。
【0021】
およびAは、それぞれCHまたはNを表すが、両方がNであることはない。好ましい実施形態においては、AおよびAは、両方ともCHを表す。
【0022】
Eが、直鎖または分枝のアルキレン鎖を表す場合、これは、例えば、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレンまたはブチレンであってよい。アルキレン鎖Eは、酸素原子を場合によって組み込んで、これによって、−CHO−または−CHCHCHO−などのエーテル結合を形成することができる。さらに、Eは、Zの部分が、上記の式Iに表された関連するフェニルまたはピリジル環に直接結合するように化学結合を表すことができる。
【0023】
好ましくは、Eは、化学結合またはメチレン結合を表す。
【0024】
特定の実施形態においては、Eは、化学結合を表す。
【0025】
別の特定の実施形態においては、Eは、メチレン結合を表す。
【0026】
Zは、好ましくは、ハロゲン、CN、CF、R、OR、SR、SO、SONR、NR、NRCOR、NRCONR、NRSOR、NRSO、COR、CO、CONR、CR=NOR、または上記で定義された2つまでの置換基を場合によって有する、5もしくは6員複素芳香族環を表す。
【0027】
Z基が、場合によって置換された5員複素芳香族環を表す場合、これは、適切には、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾールまたはテトラゾール環であり、これらのいずれも、一般的にメチルで場合によって置換されている。このような環は、炭素原子または窒素原子で結合していてよい。特定の例には、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イルおよびチアゾール−2−イルが含まれる。
【0028】
Z基が、場合によって置換された6員複素芳香族環を表す場合、これは、適切には、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンまたはトリアジン環であり、これらのいずれかが、一般的にメチルまたはハロゲンで場合によって置換されている。特定の例は、2−ピリジルである。
【0029】
およびRは、独立に、Hまたは上記で定義された場合によって置換された炭化水素基を表し、または、窒素原子を通して結合している場合、これらは上記で定義された場合によって置換された複素芳香族環を完成することができる。RおよびRで表される炭化水素基は、好ましくは非芳香族である。前記炭化水素基は、3個までのフッ素置換基を場合によって有し、さらにまたは代わりとして、Cl、Br、CN、OH、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、アミノ、C1〜4アルキルアミノおよびジ(C1〜4アルキル)アミノから選択された置換基を場合によって有する。好ましい置換基には、F、OHおよびCNが含まれる。一般的に、RおよびRは、独立に、H、場合によって置換されたC1〜6アルキル(メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−シアノエチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチルおよび1−ヒドロキシ−2,2,2−トリフルオロエチルなどの)、場合によって置換されたC3〜6シクロアルキル(シクロプロピル、シクロブチルおよび1−ヒドロキシシクロブテルなどの)、C3〜6シクロアルキルC1〜4アルキル(シクロプロピルメチルなどの)を表し、または、窒素原子を通して結合している場合、上記で定義された3個までの置換基を場合によって有する、4、5または6員の複素環の残基を共に表す。このような環は、一般的に、RおよびRを連結している窒素原子を含めて、N、OおよびSから選択された、多くて2個のヘテロ原子を含み、例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリンおよびチオモルホリンである。NRで表される環式基の典型例には、アゼチジン−1−イル、3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル、3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、3−フルオロピロリジン−1−イル、2−トリフルオロメチルピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル、3−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル、3−フルオロピペリジン−1−イル、3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、4−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、3−オキソ−ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、2,6−ジメチルモルホリン−4−イルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルが含まれる。
【0030】
Zが、Rを表す場合、Rは、非常に適切には、Hまたは場合によって置換されたC1〜6アルキルまたは場合によって置換されたC3〜6シクロアルキルを表し、Eは、適切には化学結合を表す。
【0031】
−E−Z部分のための好ましい具体例(identities)には、H、ハロゲン、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシシクロブチル、COMe、COEt、CONH、CONHMe、COCH、NH、NHMe、NMe、NHSOMe、SOMe、CN、SONH、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−2−イルおよびチアゾール−3−イルが含まれる。
【0032】
−E−Z部分が結合しているフェニルまたはピリジル環は、2個までの追加の、上記で定義された置換基Rを場合によって有する。一般に、nは、0または1であり、したがって1つまでのR基が存在する。最も好ましくは、nは、0である。存在する場合、Rのための好ましい具体例には、ハロゲン(特にF)、C1〜4アルキル(特にメチル)、CNおよびCONHが含まれる。
【0033】
代わりの実施形態において、−E−Z部分およびR置換基が、隣接の環位置に結合しており、結合して縮合イミダゾール基を完成している。本実施形態内で、Aは、非常に適切には、CHを表す。
【0034】
−E−Z部分およびR(存在する場合)は、Aで表された炭素原子を含めた、いずれかの可能な環位置で結合することができる。
【0035】
式Iにおいては、mは、0、1、2または3を表すが、好ましくは1または2を表す。それぞれのRは、好ましくは、ハロゲン(好ましくはFもしくはCl、最も好ましくはF)、CN、ヒドロキシメチル、OHおよびC1〜4アルコキシ(例えば、メトキシ)から選択される。(Rの特定の実施形態には、H、2−フルオロ、3−フルオロ、4−フルオロ、2,4−ジフルオロ、3−シアノ、4−シアノ、2−クロロ−4−フルオロ、4−フルオロ−2−ヒドロキシ、4−クロロ、2−ヒドロキシ、2−シアノ−4−フルオロ、4−フルオロ−2−メトキシおよび4−フルオロ−2−ヒドロキシメチルが含まれる。特定の実施形態において、(Rは、フェニル環の2−フルオロ、4−フルオロまたは2,4−ジフルオロ置換を表す。
【0036】
は、好ましくは、H、ハロゲン(BrまたはClなどの)、CNまたはCONHを表す。最も好ましくは、Rは、Hを表す。
【0037】
特定の実施形態において、本発明は、式II
【0038】
【化5】

の化合物または薬学的に許容されるこの塩を提供し、ここで、全ての変項は、前述と同一の意味および好ましい具体例を有する。
【0039】
この実施形態内において、Z−E−部分は、好ましくは、環位置で結合しており、この環位置は、−S(O)−部分の結合の位置に隣接しているか、または環上の窒素に隣接しており、最も好ましくは、−S(O)−部分の結合の位置に隣接している。
【0040】
別の特定の実施形態においては、本発明は、式III
【0041】
【化6】

の化合物または薬学的に許容されるこの塩を提供し、ここで、全ての変項は、前述と同一の意味および好ましい具体例を有する。
【0042】
この実施形態内において、Z−E−部分は、好ましくは、環位置に結合しており、この環位置は、−S(O)−部分の結合の位置に隣接、および/または環上の窒素に隣接している。
【0043】
特定の実施形態においては、本発明は、式IV
【0044】
【化7】

の化合物または薬学的に許容されるこの塩を提供し、ここで、全ての変項は、前述と同一の意味および好ましい具体例を有する。
【0045】
本発明において有用な特定の化合物には、以下に例示される化合物およびこの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0046】
式Iの化合物は、ヒト5−HT2A受容体の拮抗薬としての活性を有し、したがって、5−HT2A受容体活性によって媒介される障害の治療または予防に用途を見出す。
【0047】
本発明は、1種またはそれ以上の式Iの化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。好ましくは、これらの組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、顆粒、滅菌点滴製剤または懸濁液、定量エアゾールまたは液体スプレー、ドロップ、アンプル、経皮貼布、自己注射器または坐薬;経口、非経口、経鼻、舌下または直腸投与、または吸入もしくは吹送による投与などの単位剤形である。主要な活性成分は、一般的に、製薬用担体、例えば、コーンスターチ、乳糖、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよび第二リン酸カルシウム、またはガム、分散剤、ソルビタンモノオレエートおよびポリエチレングリコールなどの懸濁化剤または界面活性剤などの、通常の錠剤化用材料、および他の製薬用希釈剤、例えば、水と混合されて、均質な、本発明の化合物、または薬学的に許容されるこの塩を含む予備製剤用組成物(preformulation composition)を形成する。これらの予備製剤用組成物が均質であると言及する場合には、活性成分が、(組成物が、錠剤、丸剤およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に再分割できるように)組成物中に一様に分散されていることを意味する。この予備製剤用組成物は、次いで、本発明の活性成分の0.1から約500mgを含む、上記に記載されたタイプの単位剤形に再分割される。一般的な単位剤形は、活性成分の1から100mg、例えば、1、2、5、10、25、50または100mgを含む。新規の組成物の錠剤または丸剤は、コーティングまたは別に混ぜ合わせて持続性作用の利益を提供する剤形を提供することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内側投薬成分および外側投薬成分を含むことができ、後者が前者の外皮の形態である。2つの成分は、胃での崩壊に抵抗し内部成分が損なわれずに十二指腸に通ることに、または放出において遅れることに役立つ腸溶層によって分離することができる。様々な材料が、このような腸溶層またはコーティング用に使用することができ、このような材料には、多くのポリマー酸およびポリマー酸の、シェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような材料との混合物が含まれる。
【0048】
本発明の新規組成物を、経口または注射による投与のために組み込むことができる液体形態には、水溶液、液体もしくはゲルが充てんされたカプセル、適切に香り付けされたシロップ、水性もしくは油性懸濁液、綿実油、ゴマ油もしくはココナッツ油などの食用油で香り付けされた乳液、ならびにエリキシル剤および同様の賦形剤が含まれる。水性懸濁液用に適切な分散または懸濁化剤には、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)またはゼラチンなどの合成および天然ガムが含まれる。
【0049】
本発明は、ヒトの身体の治療方法における使用のための、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩も提供する。好ましくは、該治療は、5−HT2A受容体活性によって媒介される状態のためである。
【0050】
本発明は、5−HT2A受容体活性によって媒介される状態の治療または予防用の薬剤の製造における、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩の使用をさらに提供する。
【0051】
同様に、開示されているのは、5−HT2A受容体活性によって媒介される状態を患っているか、または患いがちである対象の治療方法であり、この治療方法は、式Iによる化合物または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を、この対象に投与することを含む。
【0052】
本発明の一態様において、5−HT2A受容体活性によって媒介される状態は、睡眠障害、とりわけ不眠症である。本発明のさらなる一態様においては、5−HT2A受容体活性によって媒介される状態は、精神異常(統合失調症などの)、うつ病、不安神経症、パニック障害、強迫性障害、疼痛、緑内障、摂食障害(拒食症などの)、LSDまたはMDMAなどの麻薬性鎮痛薬に関係した依存症または急性毒性、および更年期に伴う体のほてりから選択される。
【0053】
例えば、不眠症または統合失調症の、本明細書で想定される治療において、適切な用量レベルは、1日あたり約0.01から250mg/kg、好ましくは1日あたり約0.05から100mg/kg、特に1日あたり約0.05から5mg/kgである。化合物は、1日あたり1から4回のレジメンで投与することができるが、好ましくは例えば就寝前に1日あたり1回である。
【0054】
必要に応じて、本発明による化合物は、別の睡眠薬または抗統合失調症薬または抗不安薬と一緒に同時投与することができる。このような同時投与は、患者に、他の通常の薬剤を関与させる、入眠または抗統合失調症または抗不安治療レジメンが既に実施されている場合に、望ましいことがある。とりわけ、睡眠障害の治療用には、本発明の化合物は、ガボキサドールなどのGABA受容体作用薬と一緒に、またはゾルピデムなどの短時間および/または速効性睡眠薬、またはベンゾジアゼピン、バルビツール酸系催眠薬、プロキネチシン調節薬(prokineticin modulator)、抗ヒスタミン剤、トラゾドン、またはWO03/068148に開示されたトラゾドンの誘導体と一緒に同時投与することができる。
【0055】
本発明のさらなる一態様によれば、睡眠障害、統合失調症またはうつ病の治療または予防における使用のための、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩または水和物およびガボキサドールの組合せが、提供される。
【0056】
同様に、本発明によれば、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩または水和物を、ガボキサドールと一緒に、これを必要とする対象に投与することを含む、睡眠障害、統合失調症またはうつ病の治療または予防方法が提供される。
【0057】
本明細書で使用される「と一緒に」という表現は、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩または水和物、およびガボキサドールの両方の治療有効量が、対象に投与されることを必要とするが、これが達成される方法を制限しない。したがって、この2種は、対象への同時投与用に、単一剤形に組み合わすことができ、または、対象への同時または順次投与用に、別々の剤形で提供することができる。順次投与は、時間が近くてよく、または時間が離れて、例えば、1種類を朝に投与し、もう一方を夕方に投与してよい。別々の種類は、同じ頻度で、または異なる頻度で、例えば、1種類を1日あたり1回、もう一方を1日あたり2回以上投与することができる。別々の種類は、同じ経路で、または異なる経路で、例えば、1種類を経口で、もう一方を非経口で投与することができるが、可能であれば、両方の種類とも経口投与が好ましい。
【0058】
本発明のさらなる一態様によれば、薬学的に許容される担体中に、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩または水和物およびガボキサドールを含む、医薬組成物が提供される。
【0059】
本発明は、睡眠障害、統合失調症またはうつ病の治療または予防用の薬剤の製造のための、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩または水和物、およびガボキサドールの使用をさらに提供する。
【0060】
本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩または水和物を含む第1の薬剤、およびガルボキサドールを含む第2の薬剤を、睡眠障害、統合失調症またはうつ病を患っている患者に、前記薬剤を、順次に、または同時に投与するための指示書と一緒に含むキットをさらに提供する。
【0061】
本明細書で使用される「ガルボキサドール」という用語は、遊離塩基または双性イオン形態の4,5,6,7−テトラヒドロイソオキサゾロ[5,4−c]ピリジン−3−オールを含み、また、塩酸塩などの薬学的に許容されるこの酸付加塩を含む。最も適切には、ガルボキサドールは、双性イオン形態の結晶性一水和物の形態である。
【0062】
式Iの化合物は、式(1a)の臭化ベンジルと、式(2)のフェノール
【0063】
【化8】

との反応によって調製することができ、ここで、m、n、t、A、A、A、Z、E、R、RおよびRは、前述と同じ意味を有する。この反応は、高温(例えば、約100℃)DMF中で、塩基(例えば、炭酸カリウムなどの無機塩基)の存在下で実施することができる。
【0064】
臭化物(1a)は、アルコール(1b)の三臭化リンまたは四臭化炭素およびトリフェニルホスフィンの組合せなどの臭素化剤での処理によって得られる。アルコール(1b)は、アルデヒド(3)
【0065】
【化9】

の還元(ここで、n、A、A、A、Z、E、R、およびRは、前述と同じ意味を有する。)、次いでチオエーテル基の酸化によって得られる。この還元は、適切には、水素化ホウ素ナトリウムを使用して、例えば、メタノール−THF混合物中、周囲温度で実施される。酸化剤の1モル当量を使用した酸化は、スルホキシド[式(1b)においてt=1]をもたらすが、過剰な酸化剤の使用は、スルホン[式(1b)においてt=2]をもたらす。適切な酸化剤には、Oxone(登録商標)およびm−クロロペルオキシ安息香酸などのペルオキシ酸が含まれる。スルホンの調製における使用に好ましい酸化剤は、タングステン酸ナトリウムの存在下の酢酸中の過酸化水素である。
【0066】
化合物(3)は、チオール(4a)とハロベンズアルデヒド(5)と
【0067】
【化10】

の反応によって得られ、ここで、Halは、ハロゲン化合物(例えば、Cl、F)を表し、n、A、A、A、Z、E、R、およびRは、前述と同じ意味を有する。この反応は、高温(例えば、120℃)、塩基(好ましくは、炭酸カリウムなどの無機塩基)の存在下で、DMSO中でおこなわれる。
【0068】
tが2である、アルコール(1b)への代替の経路は、フルオロベンズアルデヒド(5)のスルフィナート塩(4b)の反応、次いでの、前述同様のアルデヒド基の還元を含む。この反応は、DMSO溶液中、高温(例えば、約100−130℃)でおこなわれる[Ulman et al,J.Org.Chem.(1989),54(19),4691−2]。
【0069】
tが2であり、A1およびA2が両方ともCHである、式Iの化合物への代替の経路は、式(6a)のスルフィナート塩と、式(7)の臭化アリールまたはヨウ化アリール
【0070】
【化11】

との反応を含み、ここで、Halは、BrまたはIを表し、m、n、A、Z、E、R、RおよびRは、前述と同じ意味を有する。この反応は、DMSO中、高温(例えば、約130℃)で、CuIの存在下でおこなわれる。
【0071】
スルフィナート塩(6a)は、対応するチオアニソール(6b)を、酸化剤(例えば、m−クロロペルオキシ安息香酸)、無水酢酸中の酢酸ナトリウム、ペルオキシフタル酸マグネシウム、および水酸化ナトリウムで順次的に処理することによって得られる。
【0072】
チオアニソール(6b)は、標準の光延条件(Mitsonobu conditions)(例えば、0℃、THF中のジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびPhPを使用して)下での、フェノール(2)と適切な4−(ヒドロキシメチル)チオアニソールとのカップリングによって得られる。
【0073】
スルフィナート塩(6a)への代替の経路は、臭素誘導体(6c)のメチル3−メルカプトプロピオネートとのカップリング、得られたチオエーテルの対応するスルホンへの酸化、および得られたアリールスルホニルプロピオネートメチルエステルのナトリウムメトキシドによる処理によりスルフィナート塩を生成することを含む。このプロセスの適切な条件は、本明細書の実施例の節に記載されている。
【0074】
これらが、これら自体市販されていない場合、上記に記載された出発原料および試薬は、周知の合成手法および/または本明細書の実施例の節に開示された方法を用いて、市販の前駆物質から得ることができる。
【0075】
上記の方法のいずれかから初めに得られる、式Iのいずれの化合物も、必要に応じて、次いで、当技術分野から知られる技術を用いて、さらなる所望の式Iの化合物に合成することができることを理解されたい。例えば、Z−E−、R、RまたはRで表された臭素置換基は、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)の存在下のシアン化銅(I)での処理、またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下のシアン化亜鉛での処理によって、シアノで置換することができる。これにより得られたシアノ基は、鉱酸、例えば、85%硫酸中、100℃で加熱することによって、または、一般に、テトラヒドロフラン還流下のカリウムトリメチルシラノレートでの処理によって、または、アルカリ性過酸化水素での処理によってカルボキシアミドに転換することができる。同様に、Z−E−またはRで表されるフッ素置換基は、一般にDMSO中での加熱を用いる、HNR、または適切な、場合によって置換されたN含有ヘテロアリール化合物での処理によって、NR、または場合によって置換されたN結合のヘテロアリール部分(例えば、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イルまたは1,2,4−トリアゾール−1−イル)によって置換することができる。同様に、Z−E−によって表される臭素置換基は、適切な複素芳香族化合物のトリブチルスタンニル誘導体(例えば、2−メチル−5−トリブチルスタンニルテトラゾールまたは1−メチル−5−トリブチルスタンニル−1,2,4−トリアゾール)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの遷移金属触媒の存在下で、一般的にN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で加熱しながら反応させることによって、場合によって置換されたC結合の5員複素芳香族環(例えば、2−メチルテトラゾール−5−イルまたは1−メチル−1,2,4−トリアゾール−5−イル)によって置換することができる。Z−E−によって表されるシアノ置換基は、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)還元および加水分解によってCHOに転換することができる。Z−E−によって表されるCHO置換基は、HNRおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムでの処理によってCHNRに転換することができる。Z−E−によって表される置換されたCORは、還元(例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いる)によってCH(OH)Rに、またはRMgHal(ここで、Halは、Cl、BrまたはIである。)での処理によってCR(OH)Rに転換することができる。Z−E−が、Z−(CH−O−の形態(ここで、yは、1、2、3、または4である。)を取る化合物は、Z−E−がFである、対応する化合物を、強塩基の存在下で、Z−(CHOHで処理することによって形成することができる。
【0076】
このようなプロセスは、式Iの化合物の適切に置換された前駆物質を調製すること、および/またはRの同一性を操作することにも使用することができる。化合物(7)(ここで、AはNであり、Halは2位にあり、Z−E−は1−ヒドロキシアルキルまたは3位に結合した1−ヒドロキシシクロアルキルである。)への好ましい一経路は、2−ブロモピリジンのリチウムジイソプロピルアミドで、次いで適切なケトンで処理することを含む。
【0077】
本発明の使用の化合物の調製のための、上記に記載されたプロセスが、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの通常の技術で分離することができる。これら化合物は、ラセミ体で調製することができ、または個別の光学異性体は、エナンチオ特異的合成によって、または分割によってのいずれかで、調製することができる。これら化合物は、例えば、分取HPLC、または光学活性酸(ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/またはジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの)を用いた塩形成によるジアステレオマー対の形成、次いでの分別晶出および遊離塩基の再生などの、標準的な技術によって、これらの成分の光学異性体に分割することができる。これら化合物は、ジアステレオマーエステルまたはアミドの形成、次いでのクロマトグラフ分離およびキラル補助基の除去によっても分離することができる。
【0078】
上記の合成順序のいずれかの間、関係した分子のいずれかにおける感受性または反応性の基を保護することが必要であり、および/または望ましくありうる。これは、通常の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載されたものなどの)を用いて達成することができる。この保護基は、当技術から周知の方法を用いて、好都合なその後の段階において除去することができる。
【0079】
化合物を、Fletcher et al,J.Med.Chem.,2002,45,492−503に記載された方法を用いて、5−HT2A受容体、および5−HT2CおよびIKrなどの他の受容体へのこれらの結合に関して試験した。
【0080】
実施例
中間体1
ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート
方法1
ステップ1:2,4−ジフルオロ−1−{[4−(メチルチオ)ベンジル]オキシ}ベンゼン
0℃における、THF(300mL)中の2,4−ジフルオロフェノール(13g、100mmol)、4−ヒドロキシメチルチオアニソール(15.4g、100mmol)およびトリフェニルホスフィン(28.93g、110mmol)の溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(22.22g、110mmol)を添加した。反応物を、放置して室温に戻し、16時間撹拌した。溶媒を、真空で除去した。残渣を、12%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィー、次いでのイソヘキサンからの結晶化で精製して、表題化合物を固体(13.5g、51%)として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.33(2H,d,J 8.2Hz)、7.26(2H,d,J 8.3Hz)、6.94〜6.84(2H,m)、6.76〜6.72(1H,m)、5.05(2H,s)、2.49(3H,s)。
【0081】
ステップ2:2,4−ジフルオロ−1−{[4−(メチルスルフィニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
2,4−ジフルオロ−1−{[4−(メチルチオ)ベンジル]オキシ}ベンゼン(ステップ1、13.5g、50.8mmol)を、DCM(500mL)中に溶解し、0℃に冷却した。3−クロロペルオキシ安息香酸(77%、72.5ml、55.8mmol)を、慎重に添加し、この反応物を、30分間撹拌した。水酸化カルシウム(5.6g、76.13mmol)を、この反応物に添加し、15分間撹拌した。この混合物を、Hyflo(登録商標)を通してろ過し、ろ液を、真空で蒸発させて、表題化合物を固体(14.3g、100%)として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.64(2H,d,J 8.2Hz)、7.57(2H,d,J 8.2Hz)、6.95〜6.89(1H,m)、6.87〜6.83(1H,m)、6.76〜6.72(1H,m)、5.11(2H,s)、2.70(3H,s)。
【0082】
ステップ3:({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)メチルアセテート
2.4−ジフルオロ−1−{[4−(メチルスルフィニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン(ステップ2、14.3g、50.7mmol)を、無水酢酸(160mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(15.59g、190.16mmol)を添加した。この反応物を、2時間加熱還流した。この溶媒を、真空で除去し、この残渣を、トルエンで共沸した。この残渣を、DCM(160mL)およびMeOH(80mL)中に懸濁し、0℃に冷却した後、モノペルオキシフタル酸マグネシウム(90%、32g、58.32mmol)を添加した。この反応物を、放置して室温に戻し、16時間撹拌した。この反応物を、飽和NaHCO(300mL)および水(300mL)を添加することによってクエンチし、次いでEtOAcで希釈した。この有機抽出物を、NaHCOおよび水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この残渣を、20−35%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を固体(7.65g、42%)として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.94(2H,d,J 8.3Hz)、7.65(2H,d,J 8.4Hz)、6.95〜6.87(2H,m)、6.79〜6.75(1H,m)、5.18(2H,s)、5.14(2H,s)、2.07(3H,s)。
【0083】
ステップ4:ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート
({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)メチルアセテート(ステップ3、7.65g、23.6mmol)を、THF(80mL)およびMeOH(40mL)の混合物中に溶解した。水酸化ナトリウム(4M、5.9ml、23.6mmol)を、添加した。この反応物を、1時間撹拌した。この溶媒を、真空で除去した。この残渣を、EtOHで共沸し、熱EtOHを用いて粉砕して、表題化合物を固体(7.1g、98%)として得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ7.46(2H,d,J 7.5Hz)、7.36(2H,d,J 7.8Hz)、7.28〜7.20(2H,m)、6.99〜6.95(1H,m)、5.12(2H,s);m/z(ES)307[MH]。
【0084】
方法2
ステップ1:1−[(4−ブロモベンジル)オキシ]−2,4−ジフルオロベンゼン
無水DMF(114mL)中の4−ブロモベンジルブロミド(9.5g、38mmol)および2,4−ジフルオロフェノール(4.0ml、42mmol)の溶液に、炭酸カリウム(7.8g、57mmol)を添加した。この混合物を、80℃で12時間加熱した。この反応物を、EtOAcおよび水性飽和NaHCOで分配し、この有機部分(organics)を1M NaOH、水およびブラインで順に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空で濃縮した。この残渣を、5%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体(9.8g、78%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ7.60(2H,d,J 8.3)、7.41(2H,d,J 8.3)、7.31〜7.23(2H,m)、7.01(1H,t,J 8.7)、5.14(2H,s)。
【0085】
ステップ2:メチル3−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}チオ)プロパノエート
無水ジオキサン(165mL)中の1−[(4−ブロモベンジル)オキシ]−2,4−ジフルオロベンゼン(9.8g、32.6mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(11.4mL、65.3mmol)およびメチル3−メルカプトプロピオネート(3.9mL、35.9mmol)の脱気溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(745mg、0.82mmol)および9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(945mg、1.63mmol)を添加した。この反応物を、110℃で18時間加熱した。冷却後、この反応物を、EtOAcおよび水で分配し、有機部分を、水およびブラインで順に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空で濃縮した。この残渣を、25%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色固体(11.1g、98%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ7.38(4H,q,J 9.1)、7.30〜7.23(2H,m)、7.03〜6.99(1H,m)、5.12(2H,s)、3.59(3H,s)、3.18(2H,t,J 7.0)、2.63(2H,t,J 7.0)。
【0086】
ステップ3:メチル3−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)プロパノエート
DCM(162mL)中のメチル3−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}チオ)プロパノエート(11.1g、32mmol)の溶液を、0℃に冷却し、3−クロロペルオキシ安息香酸(21.5g、96mmol)を添加した。この反応物を、周囲温度に温め、12時間撹拌した。白色懸濁液を、DCM(50mL)で希釈し、水酸化カルシウム(8.9g、120mmol)を添加した。この白色懸濁液を、1時間撹拌し、次いでHyflo(登録商標)のパッドを通してろ過した。得られた液体を、真空で還元し、55%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体(9.8g、82%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ7.93(2H,d,J 8.3)、7.72(2H,d,J 8.2)、7.39〜7.25(2H,m)、7.05〜7.01(1H,m)、5.31(2H,s)、3.58(2H,t,J 7.2)、3.51(3H,s)、2.64(2H,t,J 7.2)。
【0087】
ステップ4:ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート
THF/MeOHの4:1混合物(260mL)中のメチル3−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)プロピオネート(9.8g、26mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド粉末(2.1g、39mmol)を添加した。撹拌すると沈殿が形成され、反応は、30分で完了した。揮発分を、蒸発させ、得られた残渣を、水(90mL)で希釈し、ろ過した。ろ過ケーキを、冷水(3×200mL)およびエーテル(100mL)で洗浄し、2時間ポンプ乾燥し、次いで12時間真空オーブン乾燥して、表題化合物を白色固体(6.7g、84%)として得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ7.48(2H,d,J 7.6)、7.38(2H,d,J 7.7)、7.29〜7.22(2H,m)、7.00〜6.98(1H,m)、5.14(2H,s);m/z(ES)307[MH]。
【実施例】
【0088】
実施例1
1−フルオロ−2−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
ステップ1:1−(ブロモメチル)−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン
4−(フェニルスルホニル)ベンズアルデヒド[Ulman et al.,J.Org.Chem.(1989),54(19),4691−2の方法に従って調製された;12.3g、50mmol]を、THF中に溶解し、MeOHを添加し、次いで、水素化ホウ素ナトリウム(2.0g、52.9mmol)を慎重に添加した。この反応物を、1時間撹拌の後、水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。この有機層を、MgSOで乾燥し、真空で蒸発させ、[4−(フェニルスルホニル)フェニル]メタノールを得た。これを、三臭化リンで処理し、16時間加熱還流した。この冷却した反応混合物を、氷上に注ぎ、EtOAcで抽出した。この有機層を、MgSOで乾燥し、真空で蒸発させた。この残渣を、ジクロロメタンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を固体(10.1g、65%)として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.96〜7.90(4H,m)、7.59〜7.56(1H,m)、7.52〜7.49(4H,m)。
【0089】
ステップ2:1−フルオロ−2−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
1−(ブロモメチル)−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン(ステップ1、78mg、0.25mmol)、2−フルオロフェノール(0.05mL、0.6mmol)、炭酸カリウム(69mg、0.50mmol)およびDMF(1mL)を、混合し、この混合物を、100℃で18時間撹拌した。冷却後、水(4mL)および水酸化ナトリウム水溶液(4N、1mL)を、激しく撹拌している混合物中に、順に添加して、沈殿を生じさせた。この固体を、ろ過によって単離し、水(50mL)で洗浄し、次いで、空気の速い流れによって10時間乾燥して、表題化合物を、オフオワイトの非晶質の固体として得た。H NMR(360MHz,DMSO):δ8.01〜7.95(4H,m)、7.71〜7.61(5H,m)、7.25〜7.09(3H,m)、6.98〜6.92(1H,m)、5.28(2H,s);m/z(ES)384[(M+MeCN)]。
【0090】
実施例2〜7を、ステップ2において適切なフェノールを用いて、実施例1に関してと同様に調製した。
【0091】
実施例2
1−フルオロ−3−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
H NMR(360MHz,DMSO):δ8.01〜7.95(4H,m)、7.72〜7.60(5H,m)、7.36〜7.28(1H,m)、6.92〜6.76(3H,m)、5.22(2H,s);m/z(ES)384[(M+MeCN)]。
【0092】
実施例3
1−フルオロ−4−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
H NMR(360MHz,DMSO):δ8.00〜7.94(4H,m)、7.72〜7.60(5H,m)、7.15〜7.09(2H,m)、7.04〜6.98(2H,m)、5.18(2H,s);m/z(ES)384[(M+MeCN)]。
【0093】
実施例4
1−クロロ−2−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
H NMR(360MHz,DMSO):δ7.99〜7.93(4H,m)、7.69〜7.57(5H,m)、7.42(1H,dd,J 1.6,7.9Hz)、7.25(1H,dd,J 1.4,7.3Hz)、7.16(1H,dd,J 1.4,8.3Hz)、6.97〜6.91(1H,m)、5.28(2H,s);m/z(ES)359[MH]。
【0094】
実施例5
1−クロロ−3−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
H NMR(400MHz,DMSO):δ7.98〜7.94(4H,m)、7.69〜7.59(5H,m)、7.30(1H,t,J 8.1Hz)、7.09(1H,t,J 2.2Hz)、7.01〜6.95(2H,m)、5.22(2H,s);m/z(ES)359[MH]。
【0095】
実施例6
1−クロロ−4−{[4−(フェニルスルホニル)ベンジル]オキシ}ベンゼン
H NMR(400MHz,DMSO):δ7.97〜7.91(4H,m)、7.67〜7.57(5H,m)、7.32〜7.28(2H,m)、7.01〜6.97(2H,m)、5.17(2H,s);m/z(ES)359[MH]。
【0096】
実施例7
1−(フェノキシメチル)−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン
H NMR(400MHz,DMSO):δ7.97〜7.91(4H,m)、7.67〜7.57(5H,m)、7.28〜7.22(2H,m)、6.97〜6.89(3H,m)、5.17(2H,s);m/z(ES)325[MH]。
【0097】
実施例8
2−({4−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル
ステップ1:4−[(2−ブロモフェニル)チオ]ベンズアルデヒド
4−フルオロベンズアルデヒド(10mL、93mmol)、2−ブロモベンゼンチオール(12mL、102mmol)および炭酸カリウム(15.4g、111mmol)を、窒素下でDMSO(50mL)中で混合し、210℃で2時間加熱した。冷却したこの反応物を、水および酢酸エチルで分配した。この有機層を、NaSOで乾燥し、この溶媒を、真空で除去した。この残渣を、10%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を、固体(23.83g、87%)として得た。H NMR(360MHz,DMSO):δ9.97(1H,s)、7.89〜7.82(3H,m)、7.55〜7.33(5H,m)。
【0098】
ステップ2:{4−[(2−ブロモフェニル)スルホニル]フェニル}メタノール
窒素下のEtOH(290mL)中の4−[(2−ブロモフェニル)チオ]ベンズアルデヒド(ステップ1、17g、58mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(21g、580mmol)を添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌した。この溶媒を、真空で除去し、この残渣を、EtOAcおよび水で分配した。この有機層を、NaSOで乾燥し、この溶媒を、真空で除去して、{4−[(2−ブロモフェニル)チオ]フェニル}メタノールを得た。これを、酢酸(120mL)中に溶解し、過酸化水素(24mL、290mmol)および触媒性タングステン酸ナトリウム(50mg)を添加し、この反応物を、室温で終夜撹拌した。水およびEtOAcを、添加し、水性層を、EtOAc(×2)で抽出した。併せた有機層を、NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、真空で濃縮した。この残渣を、キシレンと共沸し、次いで、2gを、取り出して、60%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体を得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.31(1H,dd,J 1.6,7.9Hz)、7.86(2H,d,J 8.4Hz)、7.80(1H,dd,J 1.2,7.9Hz)、7.72〜7.68(1H,m)、7.62〜7.58(1H,m)、7.54(2H,d,J 8.4Hz)、5.43(1H,t,J 5.7Hz)、4.58(2H,d,J 5.5Hz)。
【0099】
ステップ3:2−{[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]スルホニル}ベンゾニトリル
DMF(13.5mL)中の{4−[(2−ブロモフェニル)スルホニル]フェニル}メタノール(ステップ2、202g、6.72mmol)およびシアン化亜鉛(0.79g、6.72mmol)の溶液を、脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.77g、6.72mmol)を添加した。この反応物を、85℃で、窒素下で終夜加熱した。さらなるシアン化亜鉛(0.79g、6.72mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.77g、6.72mmol)を、添加し、4時間加熱を続けた。この冷却した反応混合物を、EtOAcおよび水で分配し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、80%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を、固体(560mg、31%)として得た。H NMR(360MHz,DMSO):δ8.30(1H,t,J 4.4Hz)、8.08(1H,dd,J 0.9,7.4Hz)、8.00〜7.92(3H,m)、7.90〜7.84(1H,m)、7.58(2H,d,J 8.2Hz)、5.42(1H,t,J 5.7Hz)、4.56(2H,d,J 5.7Hz)。
【0100】
ステップ4:2−{[4−(ブロモメチル)フェニル]スルホニル}ベンゾニトリル
0℃におけるDCM(10mL)中の2−{[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]スルホニル}ベンゾニトリル(ステップ3、560mg、2.05mmol)およびトリフェニルホスフィン(591mg、2.26mmol)の溶液に、四臭化炭素(815mg、2.46mmol)を添加した。この反応物を、0℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物を、DCMで希釈し、水で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、40%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を、固体(330mg、47%)として得た。H NMR(360MHz,DMSO):δ8.32(1H,dd,J 0.9,8.0Hz)、8.10(1H,d,J 7.5Hz)、8.01〜7.95(3H,m)、7.92〜7.86(1H,m)、7.71(2H,d,J 8.4Hz)、4.73(2H,s)。
【0101】
ステップ5:2−({4−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル
炭酸カリウム(69mg、0.5mmol)および4−フルオロフェノール(56mg、0.5mmol)を、DMF(1mL)中の2−{[4−(ブロモメチル)フェニル]スルホニル}ベンゾニトリル(ステップ4、85mg、0.25mmol)の溶液に添加し、この反応物を、100℃で5時間加熱した。この反応混合物を、水酸化ナトリウム溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。この有機層を、NaSOで乾燥し、真空で蒸発させた。この残渣を、40%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を、白色固体(24mg、26%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.33(1H,dd,J 1.1,7.9Hz)、8.11(1H,dd,J 1.2,7.6Hz)、8.03〜7.99(3H,m)、7.92〜7.88(1H,m)、7.72(2H,d,J 8.5Hz)、7.14〜7.08(2H,m)、7.04〜6.98(2H,m)、5.19(2H,s)。
【0102】
実施例9
2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル
ステップ5における2,4−ジフルオロフェニルを使用して、実施例8の方法に従って調製した。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.33(1H,d,J 7.9Hz)、8.10(1H,d,J 7.6Hz)、8.04〜7.98(3H,m)、7.89(1H,t,J 7.6Hz)、7.72(2H,d,J 8.4Hz)、7.31〜7.21(2H,m)、6.99(1H,t,J 8.6Hz)、5.26(2H,s);m/z(ES)386[MH]。
【0103】
実施例10
2−({4−[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]フェニル}スルホニル)ベンズアミド
DMSO(10mL)中の2−({4−[(2,4−ジフロオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル(実施例9、150mg、0.39mmol)の溶液を、水(0.5mL)中の炭酸カリウム(107mg、0.77mmol)の溶液に添加した。過酸化水素(水中27%、0.2mL、1.56mmol)を一滴ずつ添加し、この反応物を、室温で2時間撹拌した。この反応混合物を、EtOAcおよび亜硫酸ナトリウム溶液で分配した。この有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で蒸発させて、表題化合物(109mg、70%)を得た。H NMR(500MHz,DMF):δ8.32(1H,dd,J 1.3,7.9Hz)、8.27(2H,d,J 8.4Hz)、8.21(1H,s)、7.97〜7.93(1H,m)、7.90〜7.86(3H,m)、7.82(1H,s)、7.70(1H,dd,J 1.4,7.5Hz)、7.56〜7.44(2H,m)、7.26〜7.20(1H,m)、5.48(2H,s);m/z(ES)404[MH]。
【0104】
実施例11
2−({4−[(2−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンズアミド
実施例10の方法に従って、2−({4−[(2−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル(ステップ5における2−フルオロフェノールを使用して、実施例8の方法に従って調製した)から調製した。H NMR(360MHz,DMSO):δ8.04(1H,dd,J 1.0,7.8Hz)、8.00(2H,d,J 8.4Hz)、7.93(1H,s)、7.70〜7.64(1H,m)、7.63〜7.57(3H,m)、7.54(1H,s)、7.42(1H,dd,J 1.3,7.4Hz)、7.20〜7.14(2H,m)、7.08〜7.04(1H,m)、6.93〜6.87(1H,m)、5.22(2H,s);m/z(ES)386[MH]。
【0105】
実施例12
2−({4−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンズアミド
実施例10の方法に従って2−({4−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル(実施例8、ステップ5)から調製した。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.08(1H,dd,J 1.1,7.9Hz)、8.02(2H,d,J 8.4Hz)、7.96(1H,s)、7.72〜7.68(1H,m)、7.65〜7.61(3H,m)、7.57(1H,s)、7.45(1H,dd,J 1.3,7.4Hz)、7.13〜7.07(2H,m)、7.02〜6.98(2H,m)、5.16(2H,s);m/z(ES)386[MH]。
【0106】
実施例13
[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]メタノール
ステップ1:2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンズアルデヒド
ジイソブチルアルミニウム水素化物(トルエン中1.5M、0.13mL、0.195mmol)を、−78℃における、ジクロロメタン(1mL)およびトルエン(0.6mL)中の2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンゾニトリル(実施例9、72mg、0.187mmol)の溶液に一滴ずつ添加した。この反応物を、放置して0℃に戻し、30分間撹拌し、次いで、MeOH(1滴)、2M HCl(2mL)およびDCM(2mL)でクエンチし、勢いよく撹拌した。この混合物を、DCMおよび水で分配した。この有機層を、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。この残渣を、50%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ10.67(1H,s)、8.18(1H,d,J 7.6Hz)、8.04(2H,d,J 8.4Hz)、7.95〜7.89(3H,m)、7.70(2H,d,J 8.4Hz)、7.32〜7.20(2H,m)、7.01〜6.97(1H,m)、5.26(2H,s)。
【0107】
ステップ2:[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(10mg、0.26mmol)を、MeOH(2mL)およびジクロロメタン(0.5mL)中の2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ベンズアルデヒド(ステップ1、17mg、0.04mmol)の溶液に添加した。この反応物を、1時間撹拌した。この溶媒を、真空中で除去し、この残渣を、DCMおよび水で分配した。この有機層を、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。この残渣を、EtOから結晶化して、表題化合物(19mg、26%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.07(1H,d,J 8.0Hz)、7.88(2H,d,J 8.3Hz)、7.77〜7.70(2H,m)、7.66(2H,d,J 8.2Hz)、7.55(1H,t,J 7.7Hz)、7.31〜7.27(1H,m)、7.26〜7.20(1H,m)、6.99(1H,t,J 8.6Hz)、5.38(1H,t,J 5.7Hz)、5.24(2H,s)、4.68(2H,d,J 5.8Hz);m/z(ES)391[MH]。
【0108】
実施例14
メチル2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチネート
ナトリウム4−[(2,4−ジフロロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1、0.32g、1.05mmol)、2−ブロモニコチン酸(0.21g、1.05mmol)およびヨウ化銅(0.62g、3.14mmol)を、DMSO(2mL)中に懸濁し、室温で撹拌し、次いで、130℃で1時間加熱した。この冷却した反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ入れ、Hyflo(登録商標)を通してろ過した。この有機層を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、DCM(25mL)中に懸濁し、塩化オキサリル(0.66g、5.23mmol)を、DMFの1滴と共に添加した。ガス発生が、止まったときに、この反応混合物を、蒸発させ、この残渣を、トルエンと共沸して2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチニルクロリド(0.15g、34%)を得た。これの210mgを、乾燥MeOH中で1時間還流した。この溶媒を、除去し、この残渣を、EtOAc中に溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄した。この有機抽出物を、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、35%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(0.135g、65%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.76(1H,dd,J 1.4,4.7Hz)、8.22(1H,dd,J 1.3,7.8Hz)、7.97(2H,d,J 8.3Hz)、7.77(1H,dd,J 4.6,7.7Hz)、7.71(2H,d,J 8.3Hz)、7.32〜7.22(2H,m)、7.00(1H,t,J 8.6Hz)、5.27(2H,s)、3.92(3H,s);m/z(ES)420[MH]。
【0109】
実施例15
2−({4−[(2,4−ジフロオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチンアミド
ステップ1:2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチンアルデヒド
2−ブロモニコチンアルデヒド(1g、5.41mmol)、ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1、1.65g、5.41mmol)およびヨウ化銅(3.23g、16.22mmol)を、DMSO(10mL)中に懸濁し、130℃で1時間加熱した。この冷却した反応混合物を、EtOAcで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ入れ、Hyflo(登録商標)を通してろ過した。この有機抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、35%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(0.85g、40%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ10.88(1H,s)、8.81(1H,dd,J 1.5,4.6Hz)、8.31(1H,dd,J 1.5,7.9Hz)、8.08(2H,d,J 8.2Hz)、7.83(1H,dd,J 4.6,7.8Hz)、7.73(2H,d,J 8.2Hz)、7.33〜7.23(2H,m)、7.01(1H,t,J 8.7Hz)、5.30(2H,s)。
【0110】
ステップ2:2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチンアミド
2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチンアルデヒド(ステップ1、200mg、0.51mmol)を、水酸化アンモニウム(3mL)中に溶解し、THF(5mL)およびヨウ素(0.14g、0.57mmol)を、添加した。この反応物を、室温で16時間撹拌した。過酸化水素(35%、2mL)を、添加し、この反応物を、1時間撹拌した後、水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。この有機層を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、酢酸エチルで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(35mg、17%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.65(1H,d,J 4.1Hz)、8.10(1H,s)、8.01(2H,t,J 4.0Hz)、7.96(1H,d,J 7.7Hz)、7.78(1H,s)、7.69〜7.66(3H,m)、7.32〜7.28(1H,m)、7.26〜7.20(1H,m)、6.99(1H,t,J 9.0Hz)、5.25(2H,s);m/z(ES)405[MH]。
【0111】
実施例16
1−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ピリジン−3−イル]エタノール
2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ニコチンアルデヒド(実施例15、ステップ1、0.2g、0.51mmol)を、THF(5mL)中に溶解し、臭化メチルマグネシウム(THF中3M、0.51ml、1.54mmol)を、添加した。この反応物を、1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。この混合物を、10%クエン酸で酸性にし、EtOAcで抽出した。この有機層を、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、35%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトフラフィーで精製し、次いで、酢酸エチル/ヘプタンから再結晶化して、表題化合物(35mg、17%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.39(1H,d,J 3.5Hz)、8.17(1H,d,J 8.0Hz)、8.03(2H,d,J 8.2Hz)、7.64(2H,d,J 8.1Hz)、7.46(1H,dd,J 4.6,7.9Hz)、6.95〜6.87(2H,m)、6.78(1H,t,J 8.0Hz)、5.98(1H,q,J 6.4Hz)、5.19(2H,s)、2.85(1H,s)、1.63(3H,d,J 6.4Hz);m/z(ES)392[MH]。
【0112】
実施例17
2−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]−1,3−チアゾール
ステップ1:2−ブロモベンゼンカルボチオアミド
テトラヒドロフラン(10mL)中の2−ブロモベンズアミド(2g、10mmol)および2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ホスフェタン−2,4−ジスルフィド(4.5g、11mmol)の混合物を、80℃で3時間加熱した。この冷却した反応混合物を、EtOAcおよび水で分配した。この有機層を、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、シリカ上に吸着した。20%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のドライフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製によって、2−ブロモベンゼンカルボチオアミド(400mg、19%)が得られた。H NMR(400MHz,DMSO):δ10.10(1H,s)、9.63(1H,s)、7.58(1H,dd,J 1.0,8.0Hz)、7.39〜7.23(3H,m)。
【0113】
ステップ2:2−(2−ブロモフェニル)−1,3−チアゾール
2−ブロモベンゼンカルボチオアミド(ステップ1、500mg、2.3mmol)およびブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(0.34mL、2.3mmol)を、エタノール(1.2mL)中で混合し、窒素下で、78℃で2時間加熱した。この冷却した反応混合物を、EtOAcおよび水で分配した。この有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で蒸発させた。この残渣を、15%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(365mg、66%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.02〜7.98(2H,m)、7.94(1H,d,J 3.2Hz)、7.80(1H,dd,J 1.2,8.0Hz)、7.54〜7.50(1H,m)、7.42〜7.38(1H,m)。
【0114】
ステップ3:2−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]−1,3−チアゾール
表題化合物を、実施例15、ステップ1の方法に従って、2−(2−ブロモフェニル)−1,3−チアゾール(ステップ2)およびナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1)から調製した。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.34〜8.30(1H,m)、7.88〜7.80(4H,m)、7.73(2H,d,J 8.4)、7.60〜7.58(3H,m)、7.33〜7.21(2H,m)、7.05〜6.99(1H,m)、5.26(2H,s);m/z(ES)444[MH]。
【0115】
実施例18
2−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ピリジン−3−イル]プロパン−2−オール
ステップ1:2−(2−ブロモピリジン−3−イル)プロパン−2−オール
リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン中2M、12.5mL、25mmol)を、THF(40mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。2−ブロモピリジン(3.9g、25mmol)を、一滴ずつ添加し、この反応物を、3時間撹拌した後、アセトン(1mL、新しく活性化されたモレキュラーシーブで乾燥された)を添加し、放置して室温に戻した。この反応物を、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、EtOAcで抽出した。この有機層を、MgSOで乾燥し、蒸発させた。この残渣を、20%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物を、固体(1.4g、26%)として得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.22(1H,dd,J 1.9,4.5Hz)、8.18(1H,dd,J 1.9,7.8Hz)、7.43(1H,dd,J 4.5,7.7Hz)、5.42(1H,s)、1.62(6H,s)。
【0116】
ステップ2:2−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ピリジン−3−イル]プロパン−2−オール
表題化合物を、実施例15、ステップ1の方法に従って、2−(2−プロモピリジン−3−イル)プロパン−2−オール(ステップ1)およびナトリウム4−[(2,4−ジフロオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1)から調製した。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.34(1H,d,J 7.5Hz)、8.29(1H,d,J 3.4Hz)、7.88(2H,d,J 8.1Hz)、7.66(2H,d,J 8.1Hz)、7.56(1H,dd,J 4.4,8.0Hz)、7.32〜7.24(2H,m)、7.01(1H,t,J 8.5Hz)、5.51(1H,s)、5.28(2H,s)、1.76(6H,s);m/z(ES)420[MH]。
【0117】
実施例19
3−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール
ステップ1:2−ヨード−N’−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イルベンゼンカルボキシミドアミド
4H−1,2,4−トリアゾール−4−アミン(5.0g、0.06mol)および2−ヨードベンゾニトリル(13.6g、0.06mol)を、ナトリウムエトキシド(エタノール中21%、0.06mol)に添加し、78℃で5時間加熱した。この冷却した反応混合物を、水中に注ぎ入れ、得られた沈殿を、ろ別し、トルエンと共沸して、表題化合物を、固体(15.6g、81%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.40(2H,s)、7.92(1H,d,J 7.6Hz)、7.51〜7.43(3H,m)、7.37(1H,d,J 4.3Hz)、7.25〜7.19(1H,m)。
【0118】
ステップ2:3−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール
エチルクロロホルメート(3.9mL、0.05mol)および2−ヨード−N’−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イルベンゼンカルボキシミドアミド(ステップ1、15.6g、0.05mol)を、窒素下でアセトニトリル(75mL)中で混合し、終夜加熱還流した。この冷却した反応混合物を、ろ過して沈殿を回収し、この沈殿を、トルエンと共沸して、3−(2−ヨードフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾールを得た。この固体(6.5g)を、THF(57mL)およびDMF(57mL)中に溶解し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散液、2.1g、50.1mmol)を、添加し、この反応物を、20分間撹拌した。2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(4.6mL、26.3mmol)を、添加し、この反応物を、室温で終夜撹拌した。この反応物を、MeOHでクエンチし、次いで、水およびEtOAcで分配した。この有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。この残渣を、50%酢酸エチル/イソヘキサンで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで、実施例15ステップ1の方法に従って使用し、次いで、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を用いたSEM脱保護で、表題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ14.13(1H,s)、8.56(1H,s)、8.26(1H,t,J 4.5Hz)、7.90〜7.75(4H,m)、7.60〜7.55(3H,m)、7.32〜7.20(2H,m)、7.02〜6.98(1H,m)、5.24(2H,s);m/z(ES)428[MH]。
【0119】
実施例20
2−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)フェニル]−1H−イミダゾール
2−(2−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール(WO9407486、1.0g、4.48mmol)を、THF(11mL)およびDMF(11mL)中に溶解し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散液、197mg、4.93mmol)を、添加し、この反応物を、20分間撹拌した。2−(トリメチルシイル)エトキシメチルクロリド(0.79mL、4.93mmol)を、添加し、この反応物を、室温で終夜撹拌した。この反応物を、MeOHでクエンチし、次いで、水およびEtOで分配した。この有機層を、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。この残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、次いで、実施例15ステップ1の方法に従って使用し、次いで、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を用いるSEM脱保護で、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ12.10(1H,s)、8.24(1H,d,J 6.9Hz)、7.77〜7.71(2H,m)、7.65(2H,d,J 8.0Hz)、7.53〜7.50(3H,m)、7.29(1H,t,J 8.6Hz)、7.23〜7.18(2H,m)、6.99(1H,t,J 7.6Hz)、6.90(1H,s)、5.20(2H,s);m/z(ES)427[MH]。
【0120】
実施例21
2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン
ステップ1:2−ブロモ−3−(1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン
アンモニウム溶液(4.28ml、67.3mmol)およびMeOH(75mL)中の2−ブロモニコチンアルデヒド(5.0g、26.9mmol)およびグリオキサル(3.85mL、33.6mmol)の混合物を、周囲温度で12時間撹拌した。この反応物を、真空中で濃縮し、この得られた残渣を、EtOAcおよび水で希釈した。これらの相を、分離し、この有機部分を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。この残渣を、酢酸エチルで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。この得られた固体を、EtOで洗浄して、表題生成物を、白色固体(850mg、14%)として得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ12.42(1H,s)、8.42(1H,dd,J 1.9,4.7)、8.05(1H,dd,J 1.9,7.6)、7.55(1H,dd,J 4.6,7.6)、7.21(2H,s);m/z(ES)225/226[MH]。
【0121】
ステップ2:2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)−3−(1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン
ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1、164mg、0.53mmol)、2−ブロモ−3−(1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン(100mg、0.45mmol)およびヨウ化銅(424mg、2.23mmol)を、DMSO(2.2mL)中で混合し、窒素雰囲気下、110℃で2.5時間加熱した。この反応物を、EtOAc(10mL)および水酸化アンモニウム水溶液で希釈した。これらの相を、分離し、この有機部分を、順に1N HCl、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。この残渣を、酢酸エチルで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体(125mg、64%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ12.29(1H,s)、8.64(1H,dd,J 1.5,4.6)、8.14(1H,dd,J 1.3,7.8)、7.93(2H,d,J 8.2)、7.73(1H,dd,J 4.6,7.8)、7.67(2H,d,J 8.2)、7.34〜7.24(3H,m)、7.10(1H,s)、7.05〜6.99(1H,m)、5.29(2H,s);m/z(ES)428[MH]。
【0122】
実施例22
1−[2−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ピリジン−3−イル]シクロブタノール
表題化合物を、ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1)および1−(2−ブロモピリジン−3−イル)シクロブタノール(アセトンの代わりにシクロブタノンを用いて、実施例18、ステップ1に記載された通りに調製した)から、白色固体として調製した。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.41(1H,dd,J 1.3,4.5)、8.07(1H,dd,J 1.3,7.9)、7.94(2H,d,J 8.3)、7.67(2H,d,J 8.2)、7.60(1H,dd,J 4.5,7.9)、7.34〜7.26(2H,m)、7.05〜7.01(1H,m)、5.51(1H,s)、5.29(2H,s)、2.72〜2.66(2H,m)、2.50〜2.45(2H,m)、2.04〜1.96(1H,m)、1.65〜1.57(1H,m)。m/z(ES)414[(M−OH)]。
【0123】
実施例23
1−[2−({4−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)ピリジン−3−イル]シクロブタノール
表題化合物を、ナトリウム4−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(ステップ1の4−フルオロフェノールを用いて、方法2、中間体1に記載された通りに調製した)および1−(2−ブロモピリジン−3−イル)シクロブタノール(実施例22に記載された通りに調製した)から、白色固体として調製した。H NMR(500MHz,DMSO):δ8.41(1H,dd,J 1.3,4.5)、8.07(1H,dd,J 1.3,8.0)、7.92(2H,d,J 7.6)、7.67(2H,d,J 8.2)、7.60(1H,dd,J 4.5,7.9)、7.16〜7.12(2H,m)、7.07〜7.03(2H,m)、5.50(1H,s)、5.22(2H,s)、2.72〜2.66(2H,m)、2.48(2H,m)、2.01(1H,m)、1.65〜1.57(1H,m);m/z(ES)396[(M−OH)]。
【0124】
実施例24
4−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)−1H−ベンズイミダゾール
ステップ1:1,2−ジアミノ−3−ブロモベンゼン
濃塩酸(55mL)中の塩化スズ(II)二水和物(11.8g、52.3mmol)の、撹拌しているスラリーに、2−ブロモ−6−ニトロアニリン(2.84g、13.1mmol)を添加し、この得られた混合物を、室温で5分間撹拌し、発熱が、観測された。この混合物を、次いで、30分間還流撹拌した。室温に冷却後、このスラリーを、クラッシュアイス(200mL)上に注ぎ、pHを、水酸化ナトリウムのペレットの添加によって、14に調節した。この得られた混合物を、ジエチルエーテル(5×100mL)で洗浄し、次いで、これらの併せた有機相を、乾燥(MgSO)し、真空中で濃縮した。この粗生成物を、ジクロロメタン中の5%から50%の酢酸エチルで溶出する、40Sシリカゲルカラム上の、Biotage SP1装置上のクロマトグラフィーによって精製して、当該生成物を黄褐色の油として得、この生成物は静置すると固化した(2.02g、87%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ6.97(1H,dd,J 1.4,8.0Hz)、6.64(1H,dd,J 1.4,7.8Hz)、6.56(1H,t,J 7.9Hz)、3.61(3H,s);m/z(ES)187/189[MH]。
【0125】
ステップ2:4−ブロモ−1H−ベンズイミダゾール
ギ酸(10mL)中の1,2−ジアミノ−3−ブロモベンゼン(2.00g、10.7mmol)の溶液を、100℃で1時間撹拌した。この混合物のpHを、4M水酸化ナトリウム溶液の添加によって14に調節し、この生成物を、固体として沈殿させた。これを、ろ過によって分離し、水で洗浄し、空気乾燥して、この生成物を、オフホワイトの固体として得た。等しく純粋な材料のさらなる収穫物が、室温で数日静置することで、ろ液から沈殿した。全収率=1.98g、94%H NMR(500MHz,DMSO):δ12.83(1H,s)、8.30(1H,s)、7.58(1H,d,J 7.9Hz)、7.41(1H,d,J 7.1Hz)、7.14(1H,t,J 7.8Hz);m/z(ES)197、199[MH]。
【0126】
ステップ3:4−ヨード−1H−ベンズイミダゾール
2つの反応を、次のようにおこなった。ジオキサン(8mL)中の4−ブロモ−1H−ベンズイミダゾール(725mg、3.68mmol)、ヨウ化ナトリウム二水和物(1.37g、7.36mmol)、ヨウ化銅(I)(70mg、0.37mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(78μL、65mg、0.74mmol)を、マイクロ波反応器(microwave reactor)中で、150℃で、2.5時間、照射した。2つの反応混合物を、混合し、水(90mL)および濃アンモニア(20mL)で希釈し、次いで、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。これらの併せた有機層を、水(20mL)で、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、真空中で濃縮した。この粗生成物を、酢酸エチルで溶出する、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、この生成物を、黄白色固体(1.40g、78%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ12.72(1H,s)、8.28(1H,s)、7.61〜7.53(2H,m)、7.01(1H,t,J 7.8Hz);m/z(ES)245[MH]。
【0127】
ステップ4:4−({4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]フェニル}スルホニル)−1H−ベンズイミダゾール
表題化合物を、ナトリウム4−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]ベンゼンスルフィナート(中間体1、方法2、ステップ4)および4−ヨード−1H−ベンズイミダゾールから調製して、白色固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO):δ12.95(1H,s)、8.38(1H,s)、8.17(2H,d,J 8.2)、7.94(1H,d,J 7.9)、7.86(1H,d,J 7.6)、7.63(2H,d,J 8.2)、7.42(1H,t,J 7.9)、7.31〜7.19(2H,m)、6.98(1H,t,J 8.8)、5.22(2H,s);m/z(ES)401[MH]。
【0128】
実施例25−31
類似の手順を使用して、次のものも、実施例21(ステップ2)に記載の通りに調製した。
【0129】
【化12】

【0130】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容される担体中に、式I
【化1】

[式中、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1または2であり、
tは、1または2であり、
Aは、CHまたはNを表し、
およびAは、それぞれ、CHまたはNを表すが、両方がNであることはなく、
Eは、化学結合または1から4個の炭素原子を含む、酸素原子を場合によって組み込んでエーテル結合を形成した、直鎖もしくは分枝のアルキレン鎖を表し、
Zは、ハロゲン、CN、ニトロ、CF、OCF、−R、−OR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRSONR、−COR、−CO、−CONR、−CR=NORまたは5もしくは6員芳香族複素環[ここで、芳香族複素環は、ハロゲン、CN、CF、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ(C1〜6)アルキルアミノから選択される2つまでの置換基を場合によって有する。]から選択され、または
−E−Z部分は、下記に定義される隣接のR基と結合することができ、
およびRは、Hまたは7個までの炭素原子の炭化水素基[ここで、炭化水素基は、3個までのフッ素原子で、また場合によってCl、Br、CN、OH、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、アミノ、C1〜4アルキルアミノまたはジ(C1〜4)アルキルアミノで場合によって置換されている。]を独立に表し、または、RおよびRは、RおよびRが窒素原子を通して結合している場合に、4、5もしくは6員の複素環の残基(ここで、複素環の残基は、ハロゲン、CN、CF、オキソ、OH、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルコキシから選択された3つまでの置換基を場合によって有する。)を共に表し、
それぞれのRは、ハロゲン、CN、OH、C1〜4アルコキシまたはヒドロキシメチルを独立に表し、
それぞれのRは、ハロゲン、CN、CONH、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシを独立に表し、またはR基および−E−Z部分は、隣接の環位置に結合している場合に、縮合イミダゾール環を完成することができ、
は、H、ハロゲン、CN、CF、OR、CO、CONR、NRまたはC1〜4アルキル(ここで、C1〜4アルキルは、ハロゲン、CN、CF、OR、CO、CONR、NRで場合によって置換されている。)を表す。]の化合物または薬学的に許容されるこの塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
−E−ZがH以外である、請求項1に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項3】
mが1または2であり、Rがフッ素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式IIまたは式III
【化2】

の化合物または薬学的に許容されるこの塩である、請求項2または請求項に記載の化合物。
【請求項5】
−E−Z部分が、−S(O)t−部分の結合の位置に隣接した環位置に結合している、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式IV
【化3】

の化合物または薬学的に許容されるこの塩である、請求項2または請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
−E−Z部分が、ハロゲン、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシシクロブチル、COMe、COEt、CONH、CONHMe、COCH、NH、NHMe、NMe、NHSOMe、SOMe、CN、SONH、ピラゾール−3−イル、イミダゾール−2−イルおよびチアゾール−3−イルから選択される、請求項2から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
薬剤における使用のための、請求項2から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
5−HT2A受容体活性によって媒介される状態の治療または予防用の薬剤の製造のための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2008−533119(P2008−533119A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501425(P2008−501425)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050048
【国際公開番号】WO2006/097766
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】