説明

LED点灯装置

【課題】小型化を実現でき、複数直列に接続してなる発光ダイオードの点灯ちらつきと回路損出を抑え、直列接続された発光ダイオードの直列個数の制約を緩和できるLED点灯装置を提供する。
【解決手段】全波整流回路2の電源電圧Vddが、発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4の正極端子P7と負極端子P8との間に入力電圧Vinとして印加される。LEDモジュール4の負極端子P8には第1逆止用ダイオードD1を介して充放電コンデンサCxが接続されている。第1逆止用ダイオードD1と充放電コンデンサCxの直列回路には充放電用スイッチング素子Qxが並列接続されている。第1の制御回路6は、電源電圧Vddが発光ダイオードLED1〜LED4の順方向電圧の合計電圧以上になったとき、充放電用スイッチング素子Qxをオフさせ、負極端子P8からのLED電流I1を充放電コンデンサCxに充電させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商用電源を電源とし複数直列に接続した発光ダイオード(LEDモジュール)を点灯させるLED点灯装置は、商用電源から安定した所望の直流電圧を得るために、2コンバータ方式の点灯装置が種々提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、交流を整流するためのダイオードブリッジ回路と、整流電圧を平滑するためのコンデンサと、バックコンバータ、それを制御するための電圧フィードバック回路、さらに、出力を定電流化するためのフィードバック回路で構成される。
【0003】
しかし、LEDモジュールが小型で薄型という特徴があるのに反して、上記平滑コンデンサやバックコンバータで必要なインダクタなどにより、点灯装置のサイズが大型化するという課題がある。
【0004】
そこで、直列に複数接続された発光ダイオードを複数の組に分割し、分割された発光ダイオードに対して並列にMOSトランジスタなどのスイッチング素子を接続する。そして、入力電圧に応じて所望のスイッチング素子をオン・オフして、通電経路を制御し発光ダイオードの点灯数を変更させる回路方式が提案されている(例えば、特許文献2,3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−238435号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0308738号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0109244号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2のLED点灯装置は、発光ダイオードに若干の抵抗成分があるものの減流要素がほとんどない。その結果、発光ダイオードのダイオード特性により、印加電圧に応じて通電電流が決まることから、所望の電流値にするためには、発光ダイオードの直列数、即ち、印加電圧に制約ができてしまう。また、特許文献3のように、発光ダイオードの直列個数の制約なしで所望の通電電流にするためには、発光ダイオードに通電経路に抵抗する方法が考えられるが、抵抗損失により回路効率が低下する。
【0007】
さらに、特許文献1〜3の共通の問題として、整流電圧の谷部(0V近傍)では、ダイオード特性によりLED電流が流れないため、発光ダイオードが発光せずちらつきの原因となる。
【0008】
そこで、特許文献1にあっては、整流電圧の谷部においても、LED電流を流すためには、整流回路の後段であって平滑コンデンサと同じ位置にコンデンサを付加する必要があり回路がさらに大型化する問題があった。
【0009】
本発明の目的は、小型化を実現でき、複数直列に接続してなる発光ダイオードの点灯ちらつきと回路損出を抑え、直列接続された発光ダイオードの直列個数の制約を緩和できるLED点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のLED点灯装置は、整流回路が整流した電源電圧を、複数個の発光ダイオードを直列に接続したLEDモジュールの正極端子と負極端子との間に入力電圧として印加することによって、前記正極端子から前記負極端子に流れるLED電流にて、前記各発光ダイオードを発光させるLED点灯装置であって、前記LEDモジュールの前記負極端子と前記整流回路の負極端子との間に接続される充放電コンデンサと、前記充放電コンデンサと並列に接続した充放電用スイッチング素子と、前記電源電圧を検出し、前記電源電圧が前記複数個の発光ダイオードの順方向電圧の合計電圧以上になったとき、前記充放電用スイッチング素子をオンからオフさせて、前記負極端子からのLED電流を前記充放電コンデンサに充電させる第1の制御回路を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、上記構成において、前記充放電コンデンサは、第1逆止用ダイオードを介して前記LEDモジュールの負極端子に接続され、前記第1逆止用ダイオードを介して前記LED電流が充電されるものであり、前記充放電用スイッチング素子は、前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードの直列回路に対して並列に接続したものであり、前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードの接続点と、前記LEDモジュールの正極端子との間に、第2逆止用ダイオードを接続し、前記第2逆止用ダイオードを介して前記コンデンサの充電電荷が前記LEDモジュールの正極端子に入力されることが好ましい。
【0012】
また、上記構成において、前記第2逆止用ダイオードは、そのアノード端子が放電用スイッチング素子を介して前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードとの接続点に接続され、前記放電用スイッチング素子は、第3の制御回路によりオン・オフ制御されて、前記充放電コンデンサの放電期間が制御されることが好ましい。
【0013】
また、上記構成において、前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードの接続点と、前記LEDモジュールの正極端子との間に、第3逆止用ダイオードと充電用スイッチング素子からなる直列回路を接続し、前記充電用スイッチング素子は、第4の制御回路によりオン・オフ制御されて、前記電源電圧による前記充放電コンデンサの充電期間が制御されることが好ましい。
【0014】
また、上記構成において、前記複数個の発光ダイオードの少なくとも1つに、または、複数個の発光ダイオードを複数組に分割しその分割した組の少なくとも1つの組に、対して並列に接続したLED電流制御用スイッチング素子と、前記入力電圧を検出し、前記入力電圧が前記複数個の発光ダイオードの順方向電圧の合計電圧未満になったとき、直列に接続された発光ダイオードの個数を変更してその変更した個数の発光ダイオードの順方向電圧の合計電圧を、前記入力電圧に合わせるようにLED電流制御用スイッチング素子を制御した第2の制御回路を設けたことが好ましい。
【0015】
また、上記構成において、前記第2の制御回路は、直列に接続された発光ダイオードの個数を変更する際、その個数を変更する前記LED電流用スイッチング素子を、その変更前後の前記LED電流に基づいて、その変更前後にスイッチン制御させて、その直列に接続された発光ダイオードの個数に流れるLED電流をスイッチング制御することが好ましい。
【0016】
また、上記構成において、前記LEDモジュールの正極端子には、インダクタが接続され、LEDモジュールに入力される前記LED電流は、前記インダクタを介して入力されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、小型化を実現でき、点灯ちらつきと回路損出を抑え、発光ダイオードの直列個数の制約を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態のLED点灯装置の電気回路図。
【図2】同じくLED点灯装置の作用を説明するための波形図であって、(a)は電源電圧の電圧波形、(b)は入力電圧の電圧波形、(c)は駆動信号のパルス波形、(d)は充放電コンデンサの充電電圧、(e)はLED電流に電流波形を示す。
【図3】第2実施形態のLED点灯装置の電気回路図。
【図4】同じくLED点灯装置の作用を説明するための波形図であって、(a)は電源電圧の電圧波形、(b)は入力電圧の電圧波形、(c)は駆動信号のパルス波形、(d)は充放電コンデンサの充電電圧、(e)はLED電流に電流波形を示す。
【図5】第3実施形態のLED点灯装置の電気回路図。
【図6】同じくLED点灯装置の作用を説明するための波形図。
【図7】第4実施形態のLED点灯装置の電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したLED点灯装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、LED点灯装置1は、ダイオードブリッジ回路よりなる全波整流回路部2を有するとともに充放電回路部3を有している。全波整流回路部2は、整流側正極端子P1及び整流側負極端子P2を有し、その整流側正極端子P1及び整流側負極端子P2が充放電回路部3の正極側入力端子P3及び負極側入力端子P4とそれぞれ接続されている。そして、全波整流回路部2は、商用電源Gを全波整流し、その整流した図2(a)に示す電源電圧Vddを充放電回路部3に出力する。
【0020】
充放電回路部3は、正極側入力端子P3に対して正極側出力端子P5を有するとともに負極側入力端子P4に対して負極側出力端子P6を有している。この正極側出力端子P5と負極側出力端子P6との間には、複数(本実施形態では4個)の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4が直列に接続された直列回路で構成されているLEDモジュール4の正極端子P7と負極端子P8が接続されている。
【0021】
LEDモジュール4は、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を発光させるためのLED電流I1が正極端子P7から負極端子P8に向かって流れる。
ちなみに、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は、正極端子P7側から第4発光ダイオードLED4→第3発光ダイオードLED3→第2発光ダイオードLED2→第1発光ダイオードLED1の順で負極端子P8に接続されている。また、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4のアノード端子が正極端子P7側を向き、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4のカソード端子が負極端子P8側を向くように直列に接続されている。
【0022】
第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は、最大定格電流通電時における順方向電圧Vf1、Vf2、Vf3、Vf4をそれぞれ有している。なお、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は、その個体差によって順方向電圧Vf1、Vf2、Vf3、Vf4が異なる。しかし、以後の発明の理解を容易にするために、便宜上、第1〜第4発光ダイオードの順方向電圧Vf1、Vf2、Vf3、Vf4を同じ値のVfとする。
【0023】
また、同様に、発光ダイオード1個分の順方向電圧Vfを第1レベル電圧Vk1(=Vf)とする。また、発光ダイオード2個分の順方向電圧Vfの合計電圧を第2レベル電圧Vk2(=2Vf)とする。
【0024】
さらに、発光ダイオード3個分の順方向電圧Vfの合計電圧を第3レベル電圧Vk3(=3Vf)とする。さらにまた、発光ダイオード4個分の順方向電圧Vfの合計電圧を第4レベル電圧Vk4(=4Vf)とする。
【0025】
そして、充放電回路部3は、第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3に対して、それぞれ第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3が設けられている。第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3は、LED電流制御用スイッチング素子であって、NチャネルのMOSトランジスタよりなり、対応する第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3に対してそれぞれ並列接続されている。
【0026】
第1スイッチング素子Q1は、第1端子が第1発光ダイオードLED1のアノード端子に接続され、第2端子が第1発光ダイオードLED1のカソード端子に接続されている。第1スイッチング素子Q1の制御端子には、第1駆動信号CT1が入力される。第1スイッチング素子Q1は、ハイ・レベルの第1駆動信号CT1でオンし、第1発光ダイオードLED1を流れるLED電流I1を、同第1スイッチング素子Q1を経由して流すようになっている。反対に、第1スイッチング素子Q1は、ロウ・レベルの第1駆動信号CT1でオフし、第1発光ダイオードLED1にLED電流I1を流すようになっている。
【0027】
第2スイッチング素子Q2は、第1端子が第2発光ダイオードLED2のアノード端子に接続され、第2端子が第2発光ダイオードLED2のカソード端子に接続されている。第2スイッチング素子Q2の制御端子には、第2駆動信号CT2が入力される。そして、第2スイッチング素子Q2は、ハイ・レベルの第2駆動信号CT2でオンし、第2発光ダイオードLED2を流れるLED電流I1を、同第2スイッチング素子Q2を経由して流すようになっている。反対に、第2スイッチング素子Q2は、ロウ・レベルの第2駆動信号CT2でオフし、第2発光ダイオードLED2にLED電流I1を流すようになっている。
【0028】
第3スイッチング素子Q3は、第1端子が第3発光ダイオードLED3のアノード端子に接続され、第2端子が第3発光ダイオードLED3のカソード端子に接続されている。第3スイッチング素子Q3の制御端子には、第3駆動信号CT3が入力される。そして、第3スイッチング素子Q3は、ハイ・レベルの第3駆動信号CT3でオンし、第3発光ダイオードLED3を流れるLED電流I1を、同第3スイッチング素子Q3を経由して流すようになっている。反対に、第3スイッチング素子Q3は、ロウ・レベルの第3駆動信号CT3でオフし、第3発光ダイオードLED3にLED電流I1を流すようになっている。
【0029】
充放電回路部3は、正極側入力端子P3と正極側出力端子P5との間を電源線Lで接続されている。また、充放電回路部3は、負極側入力端子P4と負極側出力端子P6の間に、第1逆止用ダイオードD1と充放電コンデンサCxからなる直列回路が接続されている。第1逆止用ダイオードD1は、そのアノード端子が負極側出力端子P6と接続され、カソード端子が充放電コンデンサCxを介して負極側入力端子P4と接続されている。
【0030】
従って、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4を介して流れるLED電流I1は、第1逆止用ダイオードD1を介して充放電コンデンサCxに充電されるようになっている。
【0031】
また、第1逆止用ダイオードD1と充放電コンデンサCxからなる直列回路に対して、充放電用スイッチング素子Qxが並列に接続されている。充放電用スイッチング素子Qxは、NチャネルのMOSトランジスタよりなり、第1端子が負極側出力端子P6に接続され、第2端子が負極側入力端子P4に接続されている。充放電用スイッチング素子Qxの制御端子には、制御駆動信号CTxが入力される。そして、充放電用スイッチング素子Qxは、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxでオンし、ロウ・レベルの制御駆動信号CTxでオフするようになっている。
【0032】
また、第1逆止用ダイオードD1と充放電コンデンサCxとの接続点であるノードN1と電源線Lの間には、第2逆止用ダイオードD2が接続されている。第2逆止用ダイオードD2は、のアノード端子がノードN1に接続され、カソード端子が電源線Lに接続されている。
【0033】
従って、充放電コンデンサCxは、充電した電荷を第2逆止用ダイオードD2及び正極側出力端子P5を介して、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4に放電することができるようになっている。
【0034】
充放電回路部3は、第1分圧回路5を有している。第1分圧回路5は、全波整流回路部2からの出力される電源電圧Vddを検出するための抵抗R1,R2が直列接続された回路であって、その直列回路が正極側入力端子P3と負極側入力端子P4との間に接続されている。
【0035】
充放電回路部3は、第1の制御回路6を有している。第1の制御回路6は、第1分圧回路5の抵抗R1と抵抗R2の接続点であるノードN2に接続され、抵抗R1と抵抗R2の抵抗比(分圧比)から生成される電源電圧Vddの分圧電圧を入力する。そして、第1の制御回路6は、この分圧電圧に基づいてその時々の電源電圧Vddを検出するようになっている。
【0036】
第1の制御回路6は、電源電圧Vddが予め設定した第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になった時、充放電用スイッチング素子Qxをオンさせるためのハイ・レベルの制御駆動信号CTxを充放電用スイッチング素子Qxの制御端子に出力する。反対に、第1の制御回路6は、電源電圧Vddが予め設定した第4レベル電圧Vk4以上になった時、充放電用スイッチング素子Qxをオフさせるためのロウ・レベルの制御駆動信号CTxを充放電用スイッチング素子Qxの制御端子に出力する。
【0037】
従って、Vdd<Vk1(=4Vf)となった時、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力し充放電用スイッチング素子Qxをオンさせる。充放電用スイッチング素子Qxがオンして、負極側出力端子P6(負極端子P8)は、同充放電用スイッチング素子Qxを介して負極側入力端子P4に接続される。
【0038】
つまり、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=V4Vf)未満にある間は、充放電用スイッチング素子Qxがオンする。その結果、LEDモジュール4は、全波整流回路部2に対して、充放電コンデンサCxと第1逆止用ダイオードD1からなる直列回路を経由しない電流ループを形成する。
【0039】
反対に、Vdd≧Vk1(=4Vf)となった時、第1の制御回路6は、ロウ・レベルの制御駆動信号CTxを出力し充放電用スイッチング素子Qxをオフさせる。充放電用スイッチング素子Qxがオフすることにより、負極側出力端子P6(負極端子P8)は、第1逆止用ダイオードD1を介して充放電コンデンサCxに接続される。
【0040】
これは、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4に加わる入力電圧Vinを、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の各最大定格電流通電時における順方向電圧Vfの合計電圧(=4Vf)より小さくするためである。即ち、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1が最大定格電流値以下にするためである。
【0041】
詳述すると、LEDモジュール4にかかる入力電圧Vinは、正極端子P7(正極側出力端子P5)と負極端子P8(負極側出力端子P6)に印加される電圧となる。そして、電源電圧Vddが第1レベル電圧Vk1以上になるときには、LEDモジュール4にかかる入力電圧Vinが、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の各最大定格電流通電時における順方向電圧Vfの合計電圧(=4Vf)より大きくなる。そこで、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1が最大定格電流値を超えないように、充放電用スイッチング素子Qxをオフさせる。そして、電源電圧Vddの一部を充放電コンデンサCxにエネルギー充電して、入力電圧Vinを第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になるようにしている。
【0042】
充放電回路部3は、第2分圧回路7を有している。第2分圧回路7は、抵抗R3と抵抗R4の直列回路で構成され、その直列回路が正極側出力端子P5と負極側出力端子P6の間に接続されている。第2分圧回路7は、抵抗R3と抵抗R4の接続点であるノードN3から、抵抗R3,R4の抵抗比に基づく正極側出力端子P5と負極側出力端子P6の端子間電圧(LEDモジュール4に印加される入力電圧Vin)に相対する相対分圧電圧を出力する。
【0043】
充放電回路部3は、3個の第1〜第3比較回路8a〜8cを有している。第1〜第3比較回路8a〜8cは、本実施形態ではオペアンプで構成され、その非反転入力端子(+入力端子)にはノードN3からの相対分圧電圧が入力される。
【0044】
第1比較回路8aは、その反転入力端子(−入力端子)には第1基準電圧V1が入力される。第1基準電圧V1は、本実施形態では、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4の最大定格電流通電時における順方向電圧Vfの合計電圧(=3Vf)に、第2分圧回路7の抵抗R3,R4の抵抗比を乗算した電圧としている。なお、この3個の順方向電圧Vfの合計電圧(=3V)は、第3レベル電圧Vk3である。
【0045】
そして、第1比較回路8aは、相対分圧電圧と第1基準電圧V1を比較し、相対分圧電圧が第1基準電圧V1未満になった時、ハイ・レベルの第1検出信号SG1を出力端子から出力する。つまり、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になった時、第1比較回路8aはハイ・レベルの第1検出信号SG1を出力端子から出力する。
【0046】
第2比較回路8bは、その反転入力端子(−入力端子)には第2基準電圧V2が入力される。第2基準電圧V2は、本実施形態では、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4の最大定格電流通電時における順方向電圧Vfの合計電圧(=2Vf)に、第2分圧回路7の抵抗R3,R4の抵抗比を乗算した電圧としている。なお、この2個の順方向電圧Vfの合計電圧(=2Vf)は、第2レベル電圧Vk2である。
【0047】
そして、第2比較回路8bは、相対分圧電圧と第2基準電圧V2を比較し、相対分圧電圧が第2基準電圧V2未満になった時、ハイ・レベルの第2検出信号SG2を出力端子から出力する。つまり、入力電圧Vinが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満になった時、第2比較回路8bはハイ・レベルの第2検出信号SG2を出力端子から出力する。
【0048】
第3比較回路8cは、その反転入力端子(−入力端子)には第3基準電圧V3が入力される。第3基準電圧V3は、本実施形態では、第4発光ダイオードLED4の最大定格電流通電時における順方向電圧Vfに、第2分圧回路7の抵抗R3,R4の抵抗比を乗算した電圧としている。なお、この順方向電圧Vfは、第1レベル電圧Vk1(=Vf)である。
【0049】
そして、第3比較回路8cは、相対分圧電圧と第3基準電圧V3とが比較され、相対分圧電圧が第3基準電圧V3未満になった時、ハイ・レベルの第3検出信号SG3を出力端子から出力する。つまり、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満になった時、第3比較回路8cはハイ・レベルの第3検出信号SG3を出力端子から出力する。
【0050】
充放電回路部3は、第2の制御回路9を有している。第2の制御回路9は、第1〜第3比較回路8a〜8cの出力端子と接続され、第1〜第3比較回路8a〜8cからの第1〜第3検出信号SG1〜SG3を入力する。
【0051】
そして、第2の制御回路9は、第1比較回路8aからハイ・レベルの第1検出信号SG1を入力すると、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満であって第2レベル電圧Vk2(=2Vf)以上あることを判断する。第2の制御回路9は、入力電圧VinがVk3>Vin≧Vk2と判断して、第3駆動信号CT3をハイ・レベルにして、第3スイッチング素子Q3をオフからオンさせる。
【0052】
また、第2の制御回路9は、第1及び第2比較回路8a,8bからハイ・レベルの第1及び第2検出信号SG1,SG2を入力すると、入力電圧Vinが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満であって第1レベル電圧Vk1(=Vf)以上あることを判断する。第2の制御回路9は、入力電圧VinがVk2>Vin≧Vk1と判断して、第2及び第3駆動信号CT2,CT3をハイ・レベルにして、第2及び第3スイッチング素子Q2,Q3をオンさせる。
【0053】
さらに、第2の制御回路9は、第1〜第3比較回路8a〜8cからハイ・レベルの第1〜第3検出信号SG1〜SG3を入力すると、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満になったことを判断する。第2の制御回路9は、入力電圧VinがVk1>Vinと判断して、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3の制御端子にハイ・レベルの第1〜第3駆動信号CT1〜CT3をハイ・レベルにして、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3をオンさせる。
【0054】
次に、上記のように構成したLED点灯装置1の作用について説明する。
今、全波整流回路部2にて、全波整流された電源電圧Vddが、充放電回路部3に供給され、この電源電圧Vddが、充放電回路部3を介して、入力電圧Vinとして第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4に印加されている。
【0055】
この電源電圧Vddは、図2(a)に示すように、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上になる期間が1サイクル毎に発生する。
まず、電源電圧Vddが0ボルトから最大値Vmaxまで上昇する過程における、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3及び充放電用スイッチング素子Qxの動作について説明する。
【0056】
(電源電圧Vddが0ボルト)(0≦Vdd<Vk1)
電源電圧Vddが0ボルトの時には、電源電圧Vddが第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、図2(c)に示すように、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、図2(b)に示すように、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0057】
そして、入力電圧Vinも第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満であることから、第2の制御回路9も、図2(c)に示すように、ハイ・レベルの第1〜第3駆動信号CT1〜CT3を出力して、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3をオン状態にする。
【0058】
従って、この時点では、第4発光ダイオードLED4を除いて、第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3にはLED電流I1が流れないようにし、第4発光ダイオードLED4のみが発光状態にする。
【0059】
なお、電源電圧Vddが0ボルトのとき、充放電コンデンサCxが先のサイクルで、充電していた充電電圧Vchを放電していて、その放電電流をLED電流I1としてLEDモジュール4(第4発光ダイオードLED4)に流している。その結果、第4発光ダイオードLED4は、電源電圧Vddが0ボルトのとき、充放電コンデンサCxの放電電流がLED電流I1として流れ発光する。
【0060】
この状態は、電源電圧Vddが、上昇し第1レベル電圧Vk1(=Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第1レベル電圧Vk1(=Vf)に向かって上昇するにつれて、第4発光ダイオードLED4に流れるLED電流I1が、図2(e)に示すように、相対的に増大し、第4発光ダイオードLED4は発光する輝度を上げる。
【0061】
(Vk1≦Vdd<Vk2)
電源電圧VddがVk1≦Vdd<Vk2になると、電源電圧Vddが未だ第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態に維持にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、図2(b)に示すように、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0062】
一方、電源電圧Vdd、即ち、入力電圧VinがVk1≦Vdd<Vk2になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk4(=Vf)以上になったとして、図2(c)に示すように、ロウ・レベルの第1駆動信号CT1を出力する。そして、第1スイッチング素子Q1をオフ状態させる。
【0063】
従って、LED電流I1は、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流れ、第2及び第3発光ダイオードLED2,LED3には流れない。その結果、2個の第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4が発光状態になる。
【0064】
この状態は、電源電圧Vddがさらに上昇しそれに伴って入力電圧Vin(電源電圧Vdd)が、第2レベル電圧Vk2(=2Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第2レベル電圧Vk2に向かって上昇するにつれて、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流れるLED電流I1が相対的に増大し、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4は発光する輝度を上げる。
【0065】
(Vk2≦Vdd<Vk3)
電源電圧VddがVk2≦Vdd<Vk3になると、電源電圧Vddが未だ第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態に維持にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、図2(b)に示すように、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0066】
一方、入力電圧VinがVk2≦Vdd<Vk3になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)以上になったとして、図2(c)に示すように、ロウ・レベルの第1及び第2駆動信号CT1,CT2を出力する。そして、第1及び第2スイッチング素子Q1,Q2をオフ状態にさせる。
【0067】
従って、LED電流I1は、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流れ、第3発光ダイオードLED3には流れない。その結果、3個の第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4が発状態になる。
【0068】
この状態は、電源電圧Vddがさらに上昇しそれに伴って入力電圧Vinが、第3レベル電圧Vk3(=3Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第3レベル電圧Vk3に向かって上昇するにつれて、第1、第3及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流れるLED電流I1が相対的に増大する。そして、LDED電流I1の増大にともなって、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4は発光する輝度を上げる。
【0069】
(Vk3≦Vdd<Vk4)
電源電圧VddがVk3≦Vdd<Vk4になると、電源電圧Vddが未だ第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態に維持にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0070】
一方、電源電圧Vdd、即ち、入力電圧VinがVk3≦Vdd<Vk4になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)以上になったとして、ロウ・レベルの第1〜第3駆動信号CT1〜CT3を出力する。そして、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3をオフ状態にさせる。
【0071】
従って、LED電流I1は第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れる。その結果、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は発光状態になる。
この状態は、電源電圧Vddがさらに上昇し、第4レベル電圧Vk4に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4に向かって上昇するにつれて、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1が相対的に増大する。そして、LED電流I1の増大に伴って、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は発光する輝度を上げる。
【0072】
(Vk4≦Vdd<Vmax)
電源電圧VddがVk4≦Vdd<Vmaxなると、第1の制御回路6は、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上になったとして、図2(c)に示すように、ロウ・レベルの制御駆動信号CTxを出力する。そして、充放電用スイッチング素子Qxをオフさせる。
【0073】
充放電用スイッチング素子Qxをオフによって、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4のLEDモジュール4が第1逆止用ダイオードD1を介して充放電コンデンサCxに接続される。これによって、充放電コンデンサCxがLEDモジュール4からのLED電流I1の充電を開始することになり、入力電圧Vinは電源電圧Vddと一致しなくなる。つまり、入力電圧Vinは、電源電圧Vddに対して、図2(b)に示すように、一瞬、第2レベル電圧Vk2以下にならない高い電圧値まで下降する。そして、入力電圧Vinは、その下降した電圧値から最大値に向かって上昇する電源電圧Vddの電圧波形と相対するように上昇していく。
【0074】
これによって、図2(e)に示すように、LED電流I1も、一瞬、入力電圧Vinと相対するように上昇する。また、充放電コンデンサCxはLED電流I1の充電が開始され、図2(d)に示すように、その充電電圧Vchが上昇する。
【0075】
次に、電源電圧Vddが最大値から0ボルトまで下降する過程における、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3及び充放電用スイッチング素子Qxの動作について説明する。
(Vmax>Vdd≧Vk4)
電源電圧VddがVmax>Vdd≧Vk4にある時、入力電圧Vinが、電源電圧Vddの下降に相対して、図2(b)に示すように、第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になる。
【0076】
このとき、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になったとして、ロウ・レベルの第3駆動信号CT3をハイ・レベルにして第3スイッチング素子Q3をオン状態にする。
【0077】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流がし、第3発光ダイオードLED3には流さないよう制御にする。そして、第2の制御回路9は、3個の第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4を発光させる。
【0078】
(Vk4>Vdd≧Vk3)
電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になると、第1の制御回路6は、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4未満になったとして、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態にする。従って、充放電コンデンサCxはLED電流I1の充電が遮断され、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4は、全波整流回路部2に対して、充放電コンデンサCxを経由しない電流ループを形成する。これによって、入力電圧Vinは、電源電圧Vddと同じ値となり、図2(b)に示すように、その時の電源電圧Vddの電圧値まで押し上げられる。
【0079】
そして、このとき、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)以上になったとして、ハイ・レベルの第3駆動信号CT3を再びロウ・レベルにして第3スイッチング素子Q3をオフ状態にする。
【0080】
従って、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流すように制御し、4個の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を発光させる。
【0081】
(Vk3>Vdd≧Vk2)
電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になると、第2の制御回路9は、ロウ・レベルの第3駆動信号CT3を再びハイ・レベルにして第3スイッチング素子Q3をオン状態にする。
【0082】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流し、第3発光ダイオードLED3には流さないように制御する。そして、第2の制御回路9は、3個の第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4を発光させる。
【0083】
(Vk2>Vdd≧Vk1)
電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満になると、第2の制御回路9は、ロウ・レベルの第2駆動信号CT2をハイ・レベルにして第2スイッチング素子Q2をオン状態にする。
【0084】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流し、第2及び第3発光ダイオードLED2、LED3には流さないように制御する。そして、第2の制御回路9は、2個の第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4を発光させる。
【0085】
また、電源電圧Vdd(入力電圧Vin)は、第1レベル電圧Vk1(=Vf)に近づくと、充放電コンデンサCxの充電電圧Vchより低くなる。そして、電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が充放電コンデンサCxの充電電圧Vchより低くなると、充放電コンデンサCxの電荷は、第2逆止用ダイオードD2を介して、LED電流I1としてLEDモジュール4に供給される。
【0086】
(Vk1>Vdd≧0)
電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満になると、第2の制御回路9は、ロウ・レベルの第1駆動信号CT1をハイ・レベルにして第1スイッチング素子Q1をオン状態にする。
【0087】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第4発光ダイオードLED4のみに流し、第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3には流さないように制御する。そして、第2の制御回路9は、第4発光ダイオードLED4の1個を発光させるように制御する。
【0088】
このように、電源電圧Vddの1サイクル毎に、充放電コンデンサCxを繰り返すようにした。これによって、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4に加わる入力電圧Vinを、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の各最大定格電流通電時における順方向電圧Vf1〜Vf4の合計電圧より小さくできるようにした。従って、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1が最大定格電流値を超えることはない。
【0089】
次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記第1実施形態によれば、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満の期間、充放電用スイッチング素子Qxをオンし、LED電流I1を充放電コンデンサCxに充電させないようにした。反対に、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上の期間、充放電用スイッチング素子Qxをオフし、LED電流I1を充放電コンデンサCxに充電させるようにした。
【0090】
従って、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の入力電圧Vinを、常に、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満、即ち、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の最大定格電流通電時の順方向電圧Vfの合計電圧(=4Vf)未満に制御できる。その結果、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を損傷させることなく、発光させることができる。
(2)上記第1実施形態によれば、充放電用スイッチング素子Qxをオン時において、入力電圧Vinが充放電コンデンサCxの充電電圧Vch以下になると、充放電コンデンサCxより電荷が第2逆止用ダイオードD2を介してLEDモジュール4に放電される。従って、電源電圧Vddは0ボルト近傍の谷部になっても、LEDモジュール4にLED電流I1を流すことができ発光ダイオード(第1発光ダイオードLED1)を発光させることができ、LED点灯装置1の点灯ちらつきを抑制することができる。
【0091】
しかも、LED点灯装置1は、充放電回路部3において、電源電圧Vddの変化に応じて充放電コンデンサCxがLED電流I1を充電するとともにその電荷を再びLED電流I1として放電するようにした。その結果、LED点灯装置1は、回路損失が抑えられ装置サイズの抑制することができる。
(3)上記第1実施形態によれば、LEDモジュール4に印加される入力電圧Vinが、第2レベル電圧Vk2〜第4レベル電圧Vk4の間で変化しても、その変化に応じて第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の直列接続する個数を変えるようにした。従って、各発光ダイオードLED1〜LED4の通電電流が最大定格電流以下になるとともに、直列に接続する発光ダイオードの個数の制約が緩和されるとともに、LED点灯装置1のちらつきを抑制することができる。
(第2施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0092】
本実施形態は、第1実施形態の回路を基本に新たに回路を追加した構成であって、その追加に基づいて動作が第1実施形態と相違する点に特徴を有する。従って、説明の便宜上、第1実施形態と相違する点を詳細に説明し、第1実施形態と共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0093】
図3に示すように、LEDモジュール4は、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を備えている。そして、第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3には、第1実施形態の示した充放電回路部3の第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3がそれぞれ並列に接続されている。また、第4発光ダイオードLED4も、充放電回路部3に設けた第4スイッチング素子Q4が並列に接続されている。
【0094】
第4スイッチング素子Q4は、LED電流制御用スイッチング素子であって、第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3と同じNチャネルMOSトランジスタにて形成されている。第4スイッチング素子Q4は、第1端子が第4発光ダイオードLED4のアノード端子に接続され、第2端子が第4発光ダイオードLED4のカソード端子に接続されている。第4スイッチング素子Q4の制御端子には、第4駆動信号CT4が入力される。第4スイッチング素子Q4は、ハイ・レベルの第4駆動信号CT4でオンし、第4発光ダイオードLED4を流れるLED電流I1を、同第4スイッチング素子Q4を経由して流すようになっている。反対に、第4スイッチング素子Q4は、ロウ・レベルの第4駆動信号CT4でオフし、第4発光ダイオードLED4にLED電流I1を流すようになっている。
【0095】
充放電回路部3は、電源線Lと第2逆止用ダイオードD2のカソード端子とを接続する接続点(ノードN4)と、正極側出力端子P5との間に、磁性体に巻回されたインダクタLxを接続させている。また、充放電回路部3は、負極側出力端子P6と第1逆止用ダイオードD1のアノード端子との間に、電流検出用抵抗Rsを接続させている。
【0096】
充放電回路部3は、第4及び第5比較回路8d,8eを有している。第4及び第5比較回路8d,8eは、オペアンプにて形成されている。第4及び第5比較回路8d,8eは、その反転入力端子(−入力端子)にLED電流I1に相対する電流検出用抵抗Rsの端子間電圧を入力する。
【0097】
一方、第4比較回路8dの非反転入力端子(+入力端子)には、第4基準電圧V4が入力される。第4基準電圧V4は、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk1(=Vf)より低く、0ボルトより大きい予め設定した電圧値(第12レベル電圧Vk12)が印加された時にLED電流I1で生じる電流検出用抵抗Rsの端子間電圧に相当する電圧値に設定している。
【0098】
また、第5比較回路8eの非反転入力端子(+入力端子)には、第5基準電圧V5が入力される。第5基準電圧V5は、第12レベル電圧Vk12より低く、0ボルトより大きい予め設定した電圧値(第11レベル電圧Vk11)が印加された時にLED電流I1で生じる電流検出用抵抗Rsの端子間電圧に相当する電圧値に設定されている。
【0099】
つまり、第12レベル電圧Vk12は、Vk1>Vk12>Vk11の関係となる。また、第11レベル電圧Vk11は、Vk12>Vk11>0の関係となる。
そして、第4比較回路8dは、電流検出用抵抗Rsの端子間電圧と第4基準電圧V4を比較し、電流検出用抵抗Rsの端子間電圧が第4基準電圧V4以上になった時、ハイ・レベルの第4検出信号SG4を出力端子から出力する。
【0100】
第5比較回路8eは、電流検出用抵抗Rsの端子間電圧と第5基準電圧V5を比較し、電流検出用抵抗Rsの端子間電圧が第5基準電圧V5以上になった時、ハイ・レベルの第5検出信号SG5を出力端子から出力する。
【0101】
従って、電源電圧Vddが0ボルトから最大値Vmaxに上昇し、LED電流I1が上昇する過程では、第5比較回路8eがハイ・レベルの第5検出信号SG5を出力した後、第4比較回路8dがハイ・レベルの第4検出信号SG4を出力する。
【0102】
反対に、電源電圧Vddが最大値Vmaxから0ボルトに下降し、LED電流I1が下降する過程では、第4比較回路8dがロウ・レベルの第4検出信号SG4を出力した後、第5比較回路8eがロウ・レベルの第5検出信号SG5を出力する。
【0103】
つまり、第4及び第5比較回路8d,8eの第4及び第5検出信号SG4,SG5の両状態変化を知ることによって、LED電流I1がどのように変化していることがわかる。
第2の制御回路9は、第4及び第5比較回路8d,8eの第4及び第5検出信号SG4,SG5を入力する。そして、第4及び第5検出信号SG4,SG5が共にロウ・レベルの状態から、第5検出信号SG5がハイ・レベルになった時、第2の制御回路9は、第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御(例えば、PWM制御)するための第4駆動信号CT4を出力する。そして、第2の制御回路9は、第4検出信号SG4がハイ・レベルになるまで、又は、第5検出信号SG5が再びロウ・レベルになるまで、第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御によってオン・オフさせる。
【0104】
また、第2の制御回路9は、第4及び第5検出信号SG4,SG5が共にハイ・レベルの状態から、第4検出信号SG4がロウ・レベルになった時、第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御(例えば、PWM制御)するための第4駆動信号CT4を出力する。そして、第2の制御回路9は、第5検出信号SG5がロウ・レベルになるまで、または、第4検出信号SG4が再びハイ・レベルになるまで、第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御によってオン・オフさせる。
【0105】
つまり、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk1未満において、LED電流I1が、第12レベル電圧Vk12と第11レベル電圧Vk11間の時に流れる電流値にある時、第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御する。そして、LED電流I1を制御する。
【0106】
また、第2の制御回路9は、第1比較回路8aからハイ・レベルの第1検出信号SG1を入力すると、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満であって第2レベル電圧Vk2(=2Vf)以上あることを判断する。第2の制御回路9は、入力電圧VinがVk3>Vin≧Vk2と判断して、図4(c)に示すように、第3駆動信号CT3をハイ・レベルにして、第3スイッチング素子Q3をオフからオンさせる。
【0107】
また、第2の制御回路9は、第1及び第2比較回路8a,8bからハイ・レベルの第1及び第2検出信号SG1,SG2を入力すると、入力電圧Vinが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満であって第1レベル電圧Vk1(=Vf)以上あることを判断する。第2の制御回路9は、入力電圧VinがVk2>Vin≧Vk1と判断して、図4(c)に示すように、第2及び第3駆動信号CT2,CT3をハイ・レベルにする。そして第2及び第3スイッチング素子Q2,Q3をオンさせる。
【0108】
さらに、第2の制御回路9は、第1〜第3比較回路8a〜8cからの第1〜第3検出信号SG1〜SG3を入力すると、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満になったことを判断する。第2の制御回路9は、入力電圧VinがVk1>Vinと判断して、図4(c)に示すように、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4の制御端子にハイ・レベルの第1〜第4駆動信号CT1〜CT4をハイ・レベルにする。そして、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4をオンさせる。
【0109】
次に、上記のように構成したLED点灯装置1の作用について説明する。
今、全波整流回路部2にて、全波整流された電源電圧Vddが、充放電回路部3に供給され、この電源電圧Vddが、充放電回路部3を介して、入力電圧Vinとして第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4に印加されている。
【0110】
この電源電圧Vddは、図4(a)に示すように、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上になる期間が1サイクル毎に発生する。
まず、電源電圧Vddが0ボルトから最大値Vmaxまで上昇する過程における、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4及び充放電用スイッチング素子Qxの動作について説明する。
【0111】
(0≦Vdd<Vk4)
電源電圧Vddが0ボルトの時には、電源電圧Vddが第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、図4(c)に示すように、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、図4(b)に示すように、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0112】
従って、入力電圧Vinも第1レベル電圧Vk1未満であることから、第2の制御回路9もハイ・レベルの第1〜第4駆動信号CT1〜CT4を出力して、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4をオン状態にする状態にある。
【0113】
この電源電圧Vddが0ボルトのとき、充放電コンデンサCxが先のサイクルで、充電していた充電電圧Vchを放電していて、その放電電流に基づいてLEDモジュール4からLED電流I1が流れている。そして、第4及び第5比較回路8d,8eからのそのLED電流I1に基づく第4及び第5検出信号SG4,SG5が出力される。すると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第12レベル電圧Vk12と第11レベル電圧Vk11の間にあると判断して第4スイッチング素子Q4をPWM制御している。
【0114】
従って、第1発光ダイオードLED1は、第4スイッチング素子Q4のPWM制御に基づくLED電流I1が間欠的に流れ発光する。この状態は、電源電圧Vddが上昇して第4レベル電圧Vk4に到達するまで継続される。
【0115】
(Vk1≦Vdd<Vk2)
電源電圧VddがVk1≦Vdd<Vk2になると、電源電圧Vddが未だ第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態に維持にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0116】
一方、入力電圧VinがVk1≦Vdd<Vk2になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第1ベル電圧Vk1(=Vf)以上になったとして、ロウ・レベルの第1及び第4駆動信号CT1,CT4を出力する。そして。第1及び第4スイッチング素子Q1,Q4をオフ状態にする。そして、第4スイッチング素子Q4にオフよって、第4スイッチング素子Q4のPWM制御は停止される。
【0117】
従って、LED電流I1は、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流れ、第2及び第3発光ダイオードLED2,LED3には流れない。その結果、2個の第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4が発光する。
【0118】
この状態は、電源電圧Vddがさらに上昇しそれに伴って入力電圧Vinが、第2レベル電圧Vk2(=2Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第2レベル電圧Vk2に向かって上昇するにつれて、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流れるLED電流I1が相対的に増大する。そして、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4は発光する輝度を上げる。
【0119】
このとき、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、LED電流I1は、図4(e)に示すように、緩やかに増大するため、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4は緩やかに発光輝度を上げていく。
【0120】
(Vk2≦Vdd<Vk3)
電源電圧VddがVk2≦Vdd<Vk3になると、電源電圧Vddが未だ第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態に維持にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0121】
一方、入力電圧VinがVk2≦Vdd<Vk3になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)以上になったとして、ロウ・レベルの第1、第2及び第4駆動信号CT1,CT2,CT4を出力する。そして、第1、第2及び第4スイッチング素子Q1,Q2,Q4をオフ状態にさせる。
【0122】
従って、LED電流I1は、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流れ、第3発光ダイオードLED3には流れない。その結果、3個の第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4が発光する。
【0123】
この状態は、電源電圧Vddがさらに上昇しそれに伴って入力電圧Vinが、第3レベル電圧Vk3(=3Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)に向かって上昇するにつれて、第1,第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流れるLED電流I1が相対的に増大する。LED電流I1の増大に伴って、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4は発光する輝度を上げる。このとき、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、図4(e)に示すように、LED電流I1は緩やかに増大するため、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4は緩やかに発光輝度を上げていく。
【0124】
(Vk3≦Vdd<Vk4)
電源電圧VddがVk3≦Vdd<Vk4になると、電源電圧Vddが未だ第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満であることから、第1の制御回路6は、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して充放電用スイッチング素子Qxをオン状態に維持にする。そして、充放電用スイッチング素子Qxがオン状態なので、LEDモジュール4からのLED電流I1は充放電コンデンサCxには充電されない。その結果、入力電圧Vinは、電源電圧Vddと同じ値をとる。
【0125】
一方、入力電圧VinがVk3≦Vdd<Vk4になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)以上になったとして、図4(c)に示すように、ロウ・レベルの第1〜第4駆動信号CT1〜CT4を出力する。そして、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4をオフ状態させる。
【0126】
従って、LED電流I1は第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れる。その結果、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は発光する。
この状態は、電源電圧Vddがさらに上昇し、第4レベル電圧Vk4に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4に向かって上昇するにつれて、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1が相対的に増大する。そして、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は発光する輝度を上げる。このとき、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、LED電流I1は緩やかに増大するため、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は緩やかに発光輝度を上げていく。
【0127】
(Vk4≦Vdd<Vmax)
電源電圧VddがVk4≦Vdd<Vmaxなると、第1の制御回路6は、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上になったとして、図4(c)に示すように、ロウ・レベルの制御駆動信号CTxを出力する。そして、充放電用スイッチング素子Qxをオフ状態にする。
【0128】
充放電用スイッチング素子Qxをオフによって、LEDモジュール4が第1逆止用ダイオードD1を介して充放電コンデンサCxに接続される。これによって、充放電コンデンサCxがLEDモジュール4を流れるLED電流I1の充電を開始することになり、入力電圧Vinは電源電圧Vddと一致しなくなる。
【0129】
つまり、入力電圧Vinは、電源電圧Vddに対して、図4(b)に示すように、一瞬、第2レベル電圧Vk2以下にはならない高い電圧値まで下降する。そして、入力電圧Vinは、その下降した電圧値から最大値Vmaxに向かって上昇する電源電圧Vddの電圧波形と相対するように上昇していく。
【0130】
これによって、図4(e)に示すように、LED電流I1も、相対して変動するが、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、緩やかに変動し発光輝度を急激に変動させることはない。また、充放電コンデンサCxはLED電流I1の充電開始により、図4(d)に示すように、その充電電圧Vchが上昇する。
【0131】
次に、電源電圧Vddが最大値から0ボルトまで下降する過程における、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4及び充放電用スイッチング素子Qxの動作について説明する。
(Vmax>Vdd≧Vk4)
電源電圧VddがVmax>Vdd≧Vk4にある時、入力電圧Vinは、電源電圧Vddの下降に相対して、図4(b)に示すように、第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になる。
【0132】
このとき、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になったとして、第3駆動信号CT3をロウ・レベルからハイ・レベルにして第3スイッチング素子Q3をオン状態にする。
【0133】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流し、第3発光ダイオードLED3には流さないよう制御にする。そして、第2の制御回路9は、3個の第1,第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4を発光させる。
【0134】
(Vk4>Vdd≧Vk3)
電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になると、第1の制御回路6は、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になったとして、図4(c)に示すように、ハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力する。そして、充放電用スイッチング素子Qxをオン状態にする。従って、充放電コンデンサCxはLED電流I1の充電が遮断され、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4からなるLEDモジュール4は、全波整流回路部2に対して、充放電コンデンサCxを経由しない電流ループを形成する。これによって、入力電圧Vinは、図4(b)に示すように、電源電圧Vddと同じ値となり、その時の電源電圧Vddに押し上げられる。
【0135】
このとき、入力電圧Vinが電源電圧Vddに押し上げられることによって、LED電流I1も押し上げられるが、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、LED電流I1は緩やかに増大する。
【0136】
そして、このとき、第2の制御回路9は、入力電圧Vinが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)以上になったとして、ハイ・レベルの第3駆動信号CT3を再びロウ・レベルにして第3スイッチング素子Q3をオフ状態にする。
【0137】
従って、第2の制御回路9は、LED電流I1が第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるように制御し、4個の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を発光させる。
【0138】
この状態は、電源電圧Vddがさらに下降しそれに伴って入力電圧Vinが、第3レベル電圧Vk3(=3Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第3レベル電圧Vk3(=3Vf)に向かって下降するにつれて、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1が相対的に減少する。そして、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は発光する輝度を下げる。このとき、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、LED電流I1は緩やかに減少するため、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は緩やかに発光輝度を下げていく。
【0139】
(Vk3>Vdd≧Vk2)
電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第3レベル電圧Vk3(=3Vf)未満になると、第2の制御回路9は、ロウ・レベルの第3駆動信号CT3を再びハイ・レベルにして第3スイッチング素子Q3をオン状態にする。
【0140】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流し、第3発光ダイオードLED3には流さないように制御する。そして、第2の制御回路9は、3個の第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4を発光させる。
【0141】
この状態は、電源電圧Vddがさらに下降しそれに伴って入力電圧Vinが、第2レベル電圧Vk2(=2Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)に向かって下降するにつれて、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4に流れるLED電流I1が相対的に減少する。LED電流I1の減少に伴って、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4は発光する輝度を下げる。このとき、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、LED電流I1は緩やかに減少するため、第1、第2及び第4発光ダイオードLED1,LED2,LED4は緩やかに発光輝度を下げていく。
【0142】
(Vk2>Vdd≧Vk1)
電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満になると、第2の制御回路9は、ロウ・レベルの第2駆動信号CT2をハイ・レベルにして第2スイッチング素子Q2をオン状態にする。
【0143】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流し、第2及び第3発光ダイオードLED2,LED3には流さないように制御する。そして、第2の制御回路9は、2個の第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4を発光させる。
【0144】
また、電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が下降して、第1レベル電圧Vk1(=Vf)に近づくと、充放電コンデンサCxの充電電圧Vchより低くなる。そして、電源電圧Vddが充放電コンデンサCxの充電電圧Vchより低くなると、入力電圧Vinは充電電圧Vchとなり、充放電コンデンサCxの電荷は、第2逆止用ダイオードD2を介して、LED電流I1としてLEDモジュール4に供給される。そして、入力電圧Vinは、図4(d)(d)に示すように、充放電コンデンサCxの放電による充電電圧Vchの下降とともに下降していく。
【0145】
この状態は、電源電圧Vddがさらに下降しそれに伴って入力電圧Vinが、第1レベル電圧Vk1(=Vf)に到達するまで継続される。そして、電源電圧Vddが第1レベル電圧Vk1(=Vf)に向かって下降するにつれて、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4に流れるLED電流I1が相対的に減少し、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4は発光する輝度を下げる。このとき、正極側出力端子P5に接続したインダクタLxによって、LED電流I1は緩やかに減少するため、第1及び第4発光ダイオードLED1,LED4は緩やかに発光輝度を下げていく。
【0146】
(Vk1>Vdd≧0)
電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第1レベル電圧Vk1(=Vf)未満になると、第2の制御回路9は、ロウ・レベルの第1駆動信号CT1をハイ・レベルにして第1スイッチング素子Q1をオン状態にする。
【0147】
つまり、第2の制御回路9は、LED電流I1を第4発光ダイオードLED4のみに流し、第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3には流さないように制御する。そして、第2の制御回路9は、第4発光ダイオードLED4の1個を発光させるように制御する。
【0148】
この電源電圧Vddが0ボルトに近づくとき、充放電コンデンサCxからの放電電流に基づいてLED電流I1が流れている。そして、電源電圧Vddが第12レベル電圧Vk12と第11レベル電圧Vk11の間にくる時、第4及び第5比較回路8d,8eからのそのLED電流I1に基づく第4及び第5検出信号SG4,SG5が出力される。これに基づいて、第2の制御回路9は第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御する。
【0149】
従って、第4発光ダイオードLED4は、PWM制御に基づくLED電流I1が間欠的に流れ発光する。この状態は、電源電圧Vddが、第12レベル電圧Vk12と第11レベル電圧Vk11の間にある間継続される。
【0150】
このように、電源電圧Vddの1サイクル毎に、充放電コンデンサCxを繰り返すようにした。これによって、LEDモジュール4に加わる入力電圧Vinを、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の各最大定格電流通電時における順方向電圧Vf1〜Vf4の合計電圧より小さくできるようにした。従って、LEDモジュール4の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1は最大定格電流値を超えることはない。
【0151】
さらに、正極側出力端子P5とノードN4との間に、インダクタLxを接続したことから、LEDモジュール4に流れるLED電流I1は、入力電圧Vinが急激に変化しても、図4(d)に示すように、緩やかに変化する。そのため、LEDモジュール4の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は、急激に変化するLED電流I1に基づく発光輝度の急激な変化が抑制される。
【0152】
次に、上記のように構成した第2実施形態の効果は、第1実施形態の効果に加えてを以下の効果を有する。
(1)上記第2実施形態によれば、第4、第5比較回路8d,8e及び電流検出用抵抗Rsに基づいて、電源電圧Vdd(入力電圧Vin)が第11レベル電圧Vk11以上、第12レベル電圧Vk12未満でのLED電流I1の検出を行った。そして、その第11レベル電圧Vk11以上、第12レベル電圧Vk12未満でのLED電流I1を、第4発光ダイオードLED4をスイッチング制御して、第4発光ダイオードLED4に間欠的に流し発光させるようにした。従って、LEDモジュール4のLED電流I1の制御より細かく制御され電流制御特性を向上させることができる。
(2)上記第2実施形態によれば、正極側出力端子P5とノードN4との間にインダクタLxを接続したので、LEDモジュール4に入力されるLED電流I1を緩やかに変化さることができた。従って、LEDモジュール4の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は、急激に変化するLED電流I1に基づく発光輝度の急激な変化が抑制される。
【0153】
しかも、インダクタLxは、第4発光ダイオードLED4をスイッチング制御する際にかかる電圧は、LEDモジュール4の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の分割分の変動電圧になる。そのため、2コンバータ方式でのバックコンバータに使用されるインダクタに比べて容量を小さくでき、装置の小型化を図ることができる。
(第3施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0154】
本実施形態は、第1実施形態の回路を基本に一部変更した構成である。従って、説明の便宜上、第1実施形態と相違する点を詳細に説明し、第1実施形態と共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0155】
図5に示すように、LEDモジュール4は、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を備えている。そして、第1発光ダイオードLED1と第2発光ダイオードLED2からなる直列回路に、充放電回路部3の第2スイッチング素子Q2aが並列に接続されている。
【0156】
第2スイッチング素子Q2aは、第1実施形態の第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3と同じNチャネルMOSトランジスタにて形成されている。第2スイッチング素子Q2aは、第1端子が第2発光ダイオードLED2のアノード端子に接続され、第2端子が第1発光ダイオードLED1のカソード端子に接続されている。第2スイッチング素子Q2aの制御端子には、第2駆動信号CT2が入力される。第2スイッチング素子Q2aは、ハイ・レベルの第2駆動信号CT2でオンし、第1及び第2発光ダイオードLED1,LED2を流れるLED電流I1を、同第2スイッチング素子Q2aを経由して流すようになっている。反対に、第2スイッチング素子Q2aは、ロウ・レベルの第2駆動信号CT2でオフし、第1及び第2発光ダイオードLED1,LED2にLED電流I1を流すようになっている。
【0157】
第2逆止用ダイオードD2のアノード端子とノードN1との間に、第5スイッチング素子Q5が接続されている。第5スイッチング素子Q5は、放電用スイッチング素子であって、NチャネルMOSトランジスタよりなり、第1端子がノードN1に接続され、第2端子が第2逆止用ダイオードD2のアノード端子に接続されている。第5スイッチング素子Q5の制御端子には、第5駆動信号CT5が入力される。第5スイッチング素子Q5は、ハイ・レベルの第5駆動信号CT5でオンし、充放電コンデンサCxの電荷を、第2逆止用ダイオードD2を介してLEDモジュール4に流すようになっている。反対に、第5スイッチング素子Q5は、ロウ・レベルの第5駆動信号CT5でオフし、充放電コンデンサCxの電荷を、第2逆止用ダイオードD2を介してLEDモジュール4に流さないようになっている。
【0158】
第1の制御回路6は、充放電用スイッチング素子Qxに第1実施形態で示した充放電コンデンサCxの充電開始タイミングを制御する制御駆動信号CTxを出力する。また、第1の制御回路6は、電源電圧Vddを検出して第5スイッチング素子Q5に対して、充放電コンデンサCxの放電開始タイミングを制御するハイ・レベルの第5駆動信号CT5を出力する。
【0159】
第1の制御回路6がハイ・レベルの第5駆動信号CT5を出力するタイミングは、充放電コンデンサCxが充放電用スイッチング素子Qxのオフ期間に充電した充電量を、次の充電開始までに放電を終了できるタイミングに設定されている。つまり、第5駆動信号CT5は、充放電コンデンサCxの放電開始及び放電停止のタイミングを決定する信号である。
【0160】
そして、本実施形態では、図6に示すように、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)より高い値の第5レベル電圧Vk5に設定している。
正極側出力端子P5と負極側出力端子P6との間には、抵抗R3,R4よりなる第2分圧回路7が接続されている。第2分圧回路7は、抵抗R3と抵抗R4の接続点であるノードN3から抵抗R3と抵抗R4の抵抗比(分圧比)から生成される入力電圧Vinの分圧電圧を第2の制御回路9に出力する。そして、第2の制御回路9は、この分圧電圧に基づいてその時々の入力電圧Vinを検出するようになっている。
【0161】
第2の制御回路9は、入力電圧Vinが発光ダイオード2個分の順方向電圧の合計電圧(=2Vf)、即ち、第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満になったとき、第2スイッチング素子Q2aに対して、ハイ・レベルの第2駆動信号CT2を出力する。そして、第2スイッチング素子Q2aをオンさせる。そして、第2の制御回路9は、LED電流I1を第3及び第4発光ダイオードLED3,LED4に流し、第1及び第2発光ダイオードLED1,LED2には流さない制御する。従って、入力電圧Vinが、第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満になると、第3及び第4発光ダイオードLED3,LED4が発光状態になる。
【0162】
次に、上記のように構成したLED点灯装置1の作用について説明する。
まず、電源電圧Vddが0ボルトから最大値Vmaxまで上昇する過程において、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上になるまで、第1の制御回路6は、充放電用スイッチング素子Qxにハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力する。
【0163】
今、電源電圧Vddが0ボルトから第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満のとき、第2の制御回路9は、入力電圧Vinを検出して第2スイッチング素子Q2aに対して、ハイ・レベルの第2駆動信号CT2を出力し、同第2スイッチング素子Q2aをオンさせる。
【0164】
従って、この期間は、第3及び第4発光ダイオードLED3,LED4にはLED電流I1が流れ、第1及び第2発光ダイオードLED1,LED2にはLED電流I1が流れない。また、この期間は、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満なので、充放電コンデンサCxにLED電流I1は充電されない。
【0165】
やがて、電源電圧Vddが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)以上、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になると、第2の制御回路9は、入力電圧Vinを検出して第2スイッチング素子Q2aに対して、ロウ・レベルの第2駆動信号CT2を出力する。そして、第2スイッチング素子Q2をオフさせる。従って、この期間は、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4にはLED電流I1が流れ、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4は発光する。また、この期間には、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満なので、充放電コンデンサCxにLED電流I1は充電されない。
【0166】
そして、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上、第5レベル電圧Vk5未満になると、第1の制御回路6は、充放電用スイッチング素子Qxにロウ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して、充放電用スイッチング素子Qxをオフさせる。充放電用スイッチング素子Qxがオフされることにより、充放電コンデンサCxは、LEDモジュール4からのLED電流I1の充電を開始する。
【0167】
この充放電コンデンサCxの充電開始に基づいて、LEDモジュール4に印加される入力電圧Vinは、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満に制御される。
従って、この期間は、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満に制御された入力電圧Vinに基づいて第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4にLED電流I1が流れ、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4が発光する。
【0168】
そして、電源電圧Vddが第5レベル電圧Vk5以上になると、第1の制御回路6は、第5スイッチング素子Q5にハイ・レベルの第5駆動信号CT5を出力し、第5スイッチング素子Q5をオンさせる。第5スイッチング素子Q5がオンされることにより、充放電コンデンサCxの電荷は、第2逆止用ダイオードD2を介してLEDモジュール4に放電され、LEDモジュール4のLED電流I1の一部として入力される。
【0169】
そして、充放電コンデンサCxは、この放電によりリセットされ次のサイクルにおける充電に備えることができる。
次に、電源電圧Vddが最大値Vmaxから0ボルトまで下降する過程において、電源電圧Vddが最大値Vmaxから第5レベル電圧Vk5になるまで、第1の制御回路6は、第5スイッチング素子Q5にハイ・レベルの第5駆動信号CT5を出力し続ける。そして、電源電圧Vddが第5レベル電圧Vk5未満になると、第5スイッチング素子Q5にロウ・レベルの第5駆動信号CT5を出力して第5スイッチング素子Q5をオフさせる。第5スイッチング素子Q5のオフにより、充放電コンデンサCxのLEDモジュール4への電荷の放電は停止する。
【0170】
また、電源電圧Vddが最大値Vmaxから第4レベル電圧Vk4(=4Vf)になるまで、第1の制御回路6は、充放電用スイッチング素子Qxにロウ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して、充放電用スイッチング素子Qxをオフ状態に保持する。従って、この期間、充放電コンデンサCxは、LEDモジュール4からのLED電流I1の充電を続ける。
【0171】
やがて、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満になると、第1の制御回路6は、充放電用スイッチング素子Qxにハイ・レベルの制御駆動信号CTxを出力して、充放電用スイッチング素子Qxをオンさせる。充放電用スイッチング素子Qxのオンにより、充放電コンデンサCxの充電は停止され、電源電圧Vddと入力電圧Vinが同じ値となる。
【0172】
従って、LEDモジュール4には、その時の電源電圧Vddが入力電圧Vinとして印加される。
やがて、電源電圧Vddが第2レベル電圧Vk2(=2Vf)未満になると、第2の制御回路9は、第2スイッチング素子Q2aにハイ・レベルの第2駆動信号CT2を出力して、第2スイッチング素子Q2aをオンさせる。第2スイッチング素子Q2aのオンにより、第1及び第2発光ダイオードLED1,LED2にLED電流I1が流れないようになる。
【0173】
すなわち、第2の制御回路9は、第3及び第4発光ダイオードLED3,LED4にLED電流I1を流すように制御して、第3及び第4発光ダイオードLED3,LED4を発光させる。
【0174】
このように、電源電圧Vddの1サイクル毎に、充放電コンデンサCxの充放電を繰り返すようにした。これによって、LEDモジュール4に加わる入力電圧Vinを、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の各最大定格電流通電時における順方向電圧Vf1〜Vf4の合計電圧より小さくできるようにした。従って、LEDモジュール4の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4に流れるLED電流I1は最大定格電流値を超えることはない。
【0175】
さらに、ノードN1と第2逆止用ダイオードD2のカソード端子の間に第5スイッチング素子Q5を設け、充放電コンデンサCxの放電期間を制御し、充放電コンデンサCxの充電を1サイクル毎にリセットするようにした。そのため、充放電コンデンサCxは、その充電量が累積して増大することを未然に防止できる。
【0176】
次に、上記のように構成した第3実施形態の効果は、第1実施形態の効果に加えてを以下の効果を有する。
(1)上記第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満の期間、充放電用スイッチング素子Qxをオンし、LED電流I1を充放電コンデンサCxに充電させないようにした。反対に、電源電圧Vddが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上の期間、充放電用スイッチング素子Qxをオフし、LED電流I1を充放電コンデンサCxに充電させるようにした。
【0177】
従って、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の入力電圧Vinを、常に、第4レベル電圧Vk4(=4Vf)未満、即ち、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4の最大定格電流通電時の順方向電圧Vfの合計電圧(=4Vf)未満に制御できる。その結果、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4を損傷させることなく、発光させることができる。
(2)上記第3実施形態によれば、ノードN1と第2逆止用ダイオードD2のカソード端子の間に第5スイッチング素子Q5を設けた。そして、充放電コンデンサCxの放電期間を制御し、充放電コンデンサCxの充電を1サイクル毎にリセットするようにした。
【0178】
従って、充放電コンデンサCxは、その充電量が累積して増大することを未然に防止でき、入力電圧Vinが第4レベル電圧Vk4(=4Vf)以上になることはない。
(第4施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0179】
本実施形態は、第3実施形態の回路を基本に一部変更した構成である。従って、説明の便宜上、第3実施形態と相違する点を詳細に説明し、第3実施形態と共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0180】
図7に示すように、ノードN1とノードN4との間には、第3逆止用ダイオードD3と第6スイッチング素子Q6の直列回路を接続する。第3逆止用ダイオードD3は、そのアノード端子がノードN4に接続され、カソード端子が第6スイッチング素子Q6に接続されている。
【0181】
第6スイッチング素子Q6は充電用スイッチング素子であって、NチャネルMOSトランジスタよりなり、その第1端子が第3逆止用ダイオードD3のカソード端子と接続され、第2端子がノードN1に接続されている。
【0182】
第6スイッチング素子Q6の制御端子は、第6駆動信号CT6が入力される。第6スイッチング素子Q6は、ハイ・レベルの第6駆動信号CT6でオンし、第3逆止用ダイオードD3を介して、充放電コンデンサCxに全波整流回路部2からの全波整流電流を充電するようになっている。反対に、第6スイッチング素子Q6は、ロウ・レベルの第6駆動信号CT6でオフし、全波整流回路部2からの全波整流電流を充放電コンデンサCxに充電させないようになっている。
【0183】
第1の制御回路6は、充放電用スイッチング素子Qxに第3実施形態で示した充放電コンデンサCxの充電開始タイミングを制御する制御駆動信号CTxを出力する。また、第1の制御回路6は、充放電コンデンサCxの放電開始タイミングを制御するハイ・レベルの第5駆動信号CT5を出力する。
【0184】
さらに、第1の制御回路6は、該LED点灯装置1の起動時から予め定めた時間、第6スイッチング素子Q6をオンさせ、予め定めた時間経過後、第6スイッチング素子Q6をオフさせる第6駆動信号CT56出力する。つまり、第1の制御回路6は、該LED点灯装置1の起動時において予め定めた時間経過するまでは、LEDモジュール4にLED電流I1を入力させないで、充放電コンデンサCxを充電する。
【0185】
そして、LED点灯装置1の起動時において、充放電コンデンサCxに充電された充電電圧Vchは、第1及び第2の制御回路6,9の駆動用の電源として確保される。駆動用の電源として確保された後は、第6スイッチング素子Q6がオフされ、第1及び第2の制御回路6,9はLEDモジュール4の各発光ダイオードLED1〜LED4の発光制御のため動作を実行する。
【0186】
本実施形態によれば、第3実施形態の効果に加えて、起動時に第1及び第2の制御回路6,9の電源が確保され、第1及び第2の制御回路6,9を駆動させるための別電源を設ける必要がなくなり、より装置を小型化できる。
【0187】
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態では、LEDモジュール4は、4個の第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4で構成したが、その個数は限定されるものではない。適宜変更して実施してもよい。
【0188】
○上記第1実施形態では、第1〜第4発光ダイオードLED1〜LED4、の個々に対して、第1〜第4スイッチング素子Q1〜Q4を並列に接続して、LED電流I1を制御した。これを2個ずつの発光ダイオードを2組または1個と3個からなる2組をつくり、その組毎に対して、スイッチング素子を並列接続しれ実施してもよい。各組での発光ダイオードの数が異なっていても勿論可能である。
【0189】
○上記第2実施形態では、インダクタLxを設けLED電流I1が緩やかにLEDモジュール4に入力されるようにした、このインダクタLxを、第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態のLED点灯装置1に設けて実施してもよい。この場合、第2実施形態と同様にLED電流I1が緩やかに変化するため、点灯ちらつき抑制できる。
【0190】
また、反対に、第2実施形態について、インダクタLxを省略して実施してもよい。
○上記第2実施形態では、入力電圧Vinが第1レベル電圧Vk1未満であって、第11レベル電圧Vk11と第12レベル電圧Vk12の間にある時、第4スイッチング素子Q4をスイッチング制御する。そして、第4発光ダイオードLED4に流れるLED電流I1を制御した。
【0191】
これを、第4発光ダイオードLED4だけに限定しないで、他の第1〜第3発光ダイオードLED1〜LED3についても、同様に、対応する第1〜第3スイッチング素子Q1〜Q3をスイッチング制御する。そして、発光ダイオードLED1〜LED3に流れるLED電流I1を制御してもよい。
【0192】
○上記第4実施形態は、第3実施形態に第3逆止用ダイオードD3と第6スイッチング素子Q6の直列回路を、第3実施形態のノードN1とノードN4との間に接続して具体化したが、これを第1実施形態及び第2実施形態にも応用して実施してもよい。
【符号の説明】
【0193】
1…LED点灯装置、2…全波整流回路部(整流回路)、3…充放電回路部、4…LEDモジュール、5…第1分圧回路、6…第1の制御回路(第3の制御回路、第4の制御回路)、7…第2分圧回路、8a〜8e…第1〜第5比較回路、9…第2の制御回路、G…商用電源、L…電源線、D1〜D3…第1〜第3逆止用ダイオード、I1…LED電流、Lx…インダクタ、N1〜N5…ノード、P1…整流側正極端子、P2…整流側負極端子、P3…正極側入力端子、P4…負極側入力端子、P5…正極側出力端子、P6…負極側出力端子、P7…正極端子、P8…負極端子、Q1〜Q6…第1〜第6スイッチング素子、Qx…充放電用スイッチング素子、R1〜R6…抵抗、Rs…電流検出用抵抗、V1〜V5…第1〜第5基準電圧、Vf,Vf1〜Vf4…順方向電圧、CT1〜CT6…第1〜第6駆動信号、CTx…制御駆動信号、LED1〜LED4…第1〜第4発光ダイオード、SG1〜SG5…第1〜第5検出信号、Vdd…電源電圧、Vin…入力電圧、Vch…充電電圧、Vk1〜VK5…第1〜第5レベル電圧、Vk11…第11レベル電圧、Vk12…第12レベル電圧、Vax…最大値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整流回路が整流した電源電圧を、複数個の発光ダイオードを直列に接続したLEDモジュールの正極端子と負極端子との間に入力電圧として印加することによって、前記正極端子から前記負極端子に流れるLED電流にて、前記各発光ダイオードを発光させるLED点灯装置であって、
前記LEDモジュールの前記負極端子と前記整流回路の負極端子との間に接続される充放電コンデンサと、
前記充放電コンデンサと並列に接続した充放電用スイッチング素子と、
前記電源電圧を検出し、前記電源電圧が前記複数個の発光ダイオードの順方向電圧の合計電圧以上になったとき、前記充放電用スイッチング素子をオンからオフさせて、前記負極端子からのLED電流を前記充放電コンデンサに充電させる第1の制御回路と
を備えたことを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED点灯装置において、
前記充放電コンデンサは、第1逆止用ダイオードを介して前記LEDモジュールの負極端子に接続され、前記第1逆止用ダイオードを介して前記LED電流が充電されるものであり、
前記充放電用スイッチング素子は、前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードの直列回路に対して並列に接続したものであり、
前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードの接続点と、前記LEDモジュールの正極端子との間に、第2逆止用ダイオードを接続し、前記第2逆止用ダイオードを介して前記コンデンサの充電電荷が前記LEDモジュールの正極端子に入力されることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項3】
請求項2に記載のLED点灯装置において、
前記第2逆止用ダイオードは、そのアノード端子が放電用スイッチング素子を介して前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードとの接続点に接続され、
前記放電用スイッチング素子は、第3の制御回路によりオン・オフ制御されて、前記充放電コンデンサの放電期間が制御されることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のLED点灯装置において、
前記充放電コンデンサと前記第1逆止用ダイオードの接続点と、前記LEDモジュールの正極端子との間に、第3逆止用ダイオードと充電用スイッチング素子からなる直列回路を接続し、
前記充電用スイッチング素子は、第4の制御回路によりオン・オフ制御されて、前記電源電圧による前記充放電コンデンサの充電期間が制御されることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のLED点灯装置において、
前記複数個の発光ダイオードの少なくとも1つに、または、複数個の発光ダイオードを複数組に分割しその分割した組の少なくとも1つの組に、対して並列に接続したLED電流制御用スイッチング素子と、
前記入力電圧を検出し、前記入力電圧が前記複数個の発光ダイオードの順方向電圧の合計電圧未満になったとき、直列に接続された発光ダイオードの個数を変更してその変更した個数の発光ダイオードの順方向電圧の合計電圧を、前記入力電圧に合わせるようにLED電流制御用スイッチング素子を制御した第2の制御回路と
を設けたことを特徴とするLED点灯装置。
【請求項6】
請求項5に記載のLED点灯装置において、
前記第2の制御回路は、直列に接続された発光ダイオードの個数を変更する際、その個数を変更する前記LED電流制御用スイッチング素子を、その変更前後の前記LED電流に基づいて、その変更前後にスイッチン制御させて、その直列に接続された発光ダイオードの個数に流れるLED電流をスイッチング制御することを特徴とすることをLED点灯装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のLED点灯装置において、
前記LEDモジュールの正極端子には、インダクタが接続され、LEDモジュールに入力される前記LED電流は、前記インダクタを介して入力されることを特徴とするLED点灯装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−105790(P2013−105790A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246797(P2011−246797)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】