LED照明装置の照明制御システム
【課題】本発明は、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置による簡単な操作で行うことができ、また、点灯制御態様の種類や数を従来よりも大幅に増加することができ、更に、有資格者以外の者であっても軽微な電気工事によってLED照明装置を屋内外の照明空間に簡易に設置したり設置変更したりすることができるLED照明装置の照明制御システムの提供を課題とする。
【解決手段】本発明に係るLED照明装置の照明制御システムは、直流電力を供給する給電装置と、コンピュータ装置からなる端末制御装置と、前記給電装置に第1の給電線を介して接続されると共に、前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される信号・電力送受装置と、前記信号・電力送受装置に第2のLANケーブルを介して接続される受電側装置と、前記受電側装置に第2の給電線を介して接続されるLED照明装置とを備える。
【解決手段】本発明に係るLED照明装置の照明制御システムは、直流電力を供給する給電装置と、コンピュータ装置からなる端末制御装置と、前記給電装置に第1の給電線を介して接続されると共に、前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される信号・電力送受装置と、前記信号・電力送受装置に第2のLANケーブルを介して接続される受電側装置と、前記受電側装置に第2の給電線を介して接続されるLED照明装置とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内等に配置したLED照明装置を所定の制御態様で照明動作制御する(例えば、複数のLED照明装置を配設した照明ゾーンごとに照明動作制御したり、LED照明装置を個別に照明動作制御したりする)ためのLED照明装置の照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境負荷低減等の要請に応えるべく、照明器具として、従来の白熱電球や蛍光灯に代えて、発光ダイオードを光源として利用したLED照明装置が提案されている。このLED照明装置は、長寿命、高信頼性、低消費電力、低発熱性、拘束応答性、直流低電圧駆動等、従来の照明装置にない特徴を備えており、今後、ますます照明装置として普及することが予想される。ここで、照明器具は、屋内の壁面等に配設した操作スイッチによりオン/オフの動作制御が行われる。また、照明器具の動作制御としては、特に省エネルギーの要請に応えるべく、使用者の入室時に照明器具をオンする(退室時にオフする)カード制御やセンサー制御、照明空間の明るさを検知して自動点灯・消灯する明るさ検知、照明空間を適度な明るさに調節する適正照度制御、照明空間の使用スケジュールに応じて照明器具をオン・オフするタイムスケジュール制御、照明空間に入射する自然光の照度に応じて照明器具の照度を調節する昼光利用制御、照明空間の全照明器具の一部のグループのみを点灯・消灯するグループ制御、或いは、特定のパターンで点灯・消灯するパターン制御(合せて「ゾーニング制御」と呼ばれる)が提案されている。例えば、オフィスビル等の大面積の照明空間については、多数の照明器具が天井面に配設されるため、ゾーニング制御により、当該多数の照明器具を照明空間の区画ごとに分割して動作制御することがある。なお、LED照明装置に適用されるものではないが、蛍光灯等の一般的な照明装置に適用される発明であって、上記のようなゾーニング制御に関する発明として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1には、主にオフィスビルの執務室(居室)において、オフィスレイアウト(間仕切り、デスクレイアウト等)に応じて最も適した天井照明を構成できるようにした天井照明装置が開示されている。この天井照明装置は、居室の天井に設置され、居室内を照らす複数個の照明器具と、居室の天井に連続して設置され、天井パネルや天井内にある空調吹出口ユニットを支持し、かつ、照明器具を保持する複数本のライテングダクトと、照明器具のそれぞれに内蔵され、照明器具の点燈及び消燈を予め設定する点滅リレーユニットと、ライテングダクトにその長手方向に連続して設けられ、照明器具に電力を供給する電力用電極及び点滅リレーユニットに点滅信号を送信する信号用電極とを備えて構成されている(同文献の請求項1)。点滅リレーユニットは、照明器具の電源スイッチに連動して作動し、蛍光灯等の照明器具への電力の供給及び停止をコントロールして照明器具毎に点燈及び消燈を予め設定できるものである。そして、この天井照明装置では、点滅リレーユニットにおいて個々の照明器具の点燈及び消燈を予め設定することにより、ある電源スイッチによって点燈する照明器具の位置、種類等(スイッチゾーニング)を自由に設定することができ、また、一度設定されたスイッチゾーニングを自由に変更できる、とされている。即ち、この天井照明装置では、上記構成により、各照明器具に内蔵された点滅リレーユニットにおいて、各照明器具の点燈を及び消燈を予め設定しておくことで、特定の電源スイッチを入れると、予め設定された位置の照明器具だけが点燈するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−292837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の天井照明装置は、上記のようなスイッチゾーニングの設定及び変更によって、所望の位置や種類の照明器具を任意に点灯・消灯制御することを可能にするものの、その点灯制御のために点滅リレースイッチといったアナログ電気機器を使用するため、点灯制御の種類や自由度には当該アナログ電気機器特有の制限があり、複雑な照明制御は困難であると考えられる。また、特許文献1の発明では、スイッチゾーニングの設定をある特定の位置及び種類の照明器具を点灯・消灯する設定としたり、当該設定から別の設定に変更したりする場合、そのたびに、必要な組み合わせの点滅リレースイッチを選択してアナログ的に切り替えることになり、所望の点灯制御を得るため設定作業や設定変更作業が煩雑となることも考えられる。ここで、特許文献1の発明の適用対象でもある従来の照明器具は、100V(又は200V)の交流電源で動作するため、配線工事を伴う設置や変更等の施工については、主に保安上の要請から、法令に基づく所定の資格(典型的には、電気工事士法により規定された電気工事士)を有する専門技術者のみに許されており、例えば、建築工事において大工等の無資格者が施工することはできない。なお、特許文献1の発明も各種の配線工事を伴う電気工事により設置されるため、当然、有資格者のみが施工することができ、それ以外の者が施工することは許されていない。しかし、照明器具等の電気器具を設置する工事のうち、法令による制限を受けずに有資格者でない者が施工できるもの(いわゆる「軽微な工事」とよばれるもの)も認められており、このような軽微な工事或いは当該軽微な工事と同等の(無資格者でも工事が認められる)工事(本願書類中において、これらを総称して、単に、「軽微な工事」という。)によって照明器具を従来の照明器具の代わりに設置できるようにすると共に、当該照明器具を簡単な操作で、かつ、多種多様な態様で点灯制御することができるようにすれば、市場に新たなコンセプトの照明システムを提供できることになり、消費者の便宜や使い勝手等を大幅に向上できるものと考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置による簡単な操作で行うことができ、また、点灯制御態様の種類や数を従来よりも大幅に増加することができ、更に、有資格者以外の者であっても軽微な電気工事によってLED照明装置を屋内外の照明空間に簡易に設置したり設置変更したりすることができるLED照明装置の照明制御システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るLED照明装置の照明制御システムは、直流電力を供給する給電装置と、コンピュータ装置からなる端末制御装置と、前記給電装置に第1の給電線を介して接続されると共に、前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される直流電力給電装置と、前記直流電力給電装置に第2のLANケーブルを介して接続される受電側装置と、前記受電側装置に給電線を介して接続されるLED照明装置とを備える。前記端末制御装置は、前記LED照明装置に所定の照明動作を実行させるための所定の制御信号を出力する機能を実現する制御信号出力手段を含む。前記直流電力給電装置は、前記第1の給電線を介して前記給電装置からの直流電力を受電すると共に、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の出力手段からの制御信号を受信し、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に直流電力を給電すると共に、当該第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記端末制御装置の制御信号出力手段からの前記制御信号を中継して送信する信号・電力送受装置からなる。前記受電側装置は、前記第2のLANケーブルを介して前記信号・電力送受装置から受信した前記制御信号に基づき、前記給電線を介して、前記LED照明装置に前記制御信号に応じた所定の照明態様の動作を実行させるための制御状態の直流電力を給電する機能を実現する受電制御手段を含む。ここで、本発明では、前記信号・電力送受装置は、スイッチングハブ又はリピーターハブからなるLAN用ハブに対応する信号送受手段又は信号送受装置と、ミッドスパン型のPSEに対応する電力送受手段又は電力送受装置としての給電側装置とを別個に設けてLANケーブルで接続した別体構成タイプとしたり、スイッチングハブ又はリピーターハブからなるLAN用ハブに対応する信号送受手段又は信号送受装置を、前記(電力送受手段又は電力送受装置としての)給電側装置と共に内蔵して一体化した(エンドポイント型のPSEに対応する)一体構成タイプとしたりすることができる。
【0008】
請求項2に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の構成において、前記受電側装置が、当該受電側装置に接続する前記LED照明装置に固有の一意のアドレス情報を格納する受電制御装置を含み、複数の前記受電側装置が、1台の前記信号・電力送受装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介してそれぞれ接続している。前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々の受電制御装置に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力する。前記信号・電力送受装置は、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置の受電制御装置にのみ対応する個別の制御信号を送信する。
【0009】
請求項3に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の構成において、前記信号・電力送受装置がLANスイッチと給電側装置とを含む。LANスイッチは、前記端末制御装置に前記第1のLANケーブルを介して接続され、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置からの制御信号を受信して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記制御信号を送信する。給電側装置は、前記給電装置に前記第1の給電線を介して接続され、前記第1の給電線を介して前記給電装置からの直流電力を受電して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記直流電力を給電すると共に、第3のLANケーブルを介して前記LANスイッチに接続され、前記LANスイッチを介した前記端末制御装置からの制御信号を、前記第3のLANケーブルを介して受信すると共に、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に送信する。前記受電側装置は、当該受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納すると共に、複数の当該受電側装置が、1台の前記給電側装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介して接続している。前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力する。前記LANスイッチ又は前記給電側装置のいずれかが、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置にのみ対応する個別の制御信号を送信すると共に、当該検出した受電側装置にのみ給電を行う。
【0010】
請求項4に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の構成において、前記給電側装置が、前記受電側装置への前記直流電力の給電を制御する給電制御装置を含む。前記給電制御装置は、前記個別の制御信号の宛先となる受電側装置の前記検出動作、検出した受電側装置への給電動作、及び、当該受電側装置への給電遮断動作を制御する。
【0011】
請求項5に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の構成において、前記複数の受電側装置が、各々、前記信号・電力送受装置を介して、前記給電装置からの前記直流電力の給電を受け、当該直流電力を前記第2の給電線を介して前記LED照明装置に供給すると共に、前記端末制御装置との間で前記制御信号の送受信を行い、前記制御信号に基づき、前記端末制御装置からの指令にしたがって前記LED照明装置の照明制御を実行する受電制御装置を含む。前記受電制御装置は、主制御部、アドレス部、ON/OFF部、照明態様制御部、DC/DC昇圧部、及び、定電流制御部を含む。前記主制御部は、前記端末制御装置からの制御信号に基づいて、前記ON/OFF部に対するオン/オフ指令、前記照明態様制御部に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力する。前記アドレス部は、前記受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納する。前記ON/OFF部は、前記主制御部の指令を受けて、前記信号・電力送受装置からの前記LED照明装置用の給電を、選択的にオン又はオフする。前記照明態様制御部は、前記主制御部の指令を受けて、前記LED照明装置を所定の照明態様で発光するよう制御する。前記DC/DC昇圧部は、前記信号・電力送受装置から伝送された前記直流電力の所定の直流電圧を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電圧値の直流電圧へと昇圧する。前記定電流制御部は、前記DC/DC昇圧部により昇圧した直流電流を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電流値の定電流となるよう制御する。前記DC/DC昇圧部による昇圧動作、及び、前記定電流制御部による定電流制御動作は、前記ON/OFF部によるオン動作があって、初めて開始及び実行される。
【0012】
請求項6に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の構成において、前記給電装置が、前記信号・電力送受装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの大容量直流電力を給電する。また、前記信号・電力送受装置は、前記受電側装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの当該大容量直流電力を給電する。前記第2のLANケーブルは、前記信号・電力送受装置から前記受電側装置への前記大容量の直流電力の給電を可能とするカテゴリー6のLANケーブル又はカテゴリー6相当のLANケーブルからなる。
【0013】
請求項7に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置は、各種の機能実現手段を備え、各機能実現手段は、CPU等の中央処理装置、ROM及びRAM等の記憶装置(メモリー)等からなるハードウエア資源と、記憶装置に記憶したプログラムからなるソフトウエ資源との協働により機能を実現する機能実現手段として構成することができる。詳細には、端末制御装置は、ローカルエリアネットワーク用の所定の通信プロトコル(典型的にはhttp)を使用して、前記第1のLANケーブルを介して前記(設定済み)直流電力給電装置に対して信号を出力する機能を実現する通信手段を備える。この通信手段は、例えば、通信用インタフェース装置等のハードウエア資源や通信用プログラム等のソフトウエア資源からなる通信手段又は信号伝送手段とすることができる。また、端末制御装置は、LED照明装置が所定の照明動作を実行するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順を指令する照明動作指令を作成する機能を実現する照明動作指令作成手段を備える。この照明動作指令作成手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した所定の指令作成手順を記述したプログラムからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0014】
また、請求項7に係るLED照明装置の照明制御システムは、端末制御手段は、前記照明動作指令作成手段により前記照明動作指令を作成するために必要な情報を表示する照明動作指令作成用の操作画面を所定のディスプレイ装置にユーザーインタフェースとして画面表示する機能を実現する照明動作作成用ユーザーインタフェース手段を備える。前記操作画面に表示する情報としては、コマンドメニューや、(ハードウエアとしての)壁面スイッチや壁面スイッチのボタンや給電側装置の給電ポートに対応する(クリック等の選択動作自在なソフトウエアとしての)ボタン類、それらのタイトル、それらの選択状況等を表示する表示部等がある。また、ユーザーインタフェース(UI)は、特に、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)とすることが好ましい。前記照明動作作成用ユーザーインタフェース手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した予め作成した(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令作成用ユーザーインタフェースや指令作成用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラム等からなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0015】
請求項8に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の構成において、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に伝送する機能を実現する指令伝送手段を備える。指令伝送手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。また、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した複数の照明動作指令(のうちのいずれか一つ以上)を選択自在とし、選択した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該照明動作指令に応じた動作(動作開始)を直流電力給電装置に指令する機能を実現する動作指令手段を備える。動作指令手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、前記照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源と、前記通信手段等とから構成することができる。なお、前記操作画面は上記実施の形態で述べたWEB画面520に相当するWEB画面からなる。
【0016】
直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の前記指令伝送手段から伝送された前記照明動作指令(制御信号としての指令乃至コマンド信号)を受信し、照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順からなる照明動作情報を設定して所定の記憶領域に記憶する機能を実現する照明動作情報設定手段を備える。照明動作情報設定手段は、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。また、直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の動作指令手段から送信された照明動作指令を受信し、照明動作情報設定手段により設定記憶した照明動作情報のうち、当該受信した照明動作指令に対応する照明動作情報を選択して呼び出し、当該呼び出した照明動作情報に基づいて、受信した照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な所定の電力パラメータ値を有する直流電力を、設定済み直流電力として前記第2のLANケーブルを介して前記受信側装置に供給する機能を実現する設定済み電力供給制御手段を備える。設定済み電力供給制御手段は、例えば、LED電源装置からの直流電力を当該設定済み直流電力に変換して受信側装置に供給するものであり、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232と、電圧制御部233、電圧検出部234、電流検出部235、ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238、定電流制御部239からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。
【0017】
受信側装置は、それぞれ、前記直流電力給電装置から前記第2のLANケーブルを介して供給された前記設定済み直流電力を、前記所定の電力パラメータ値を変更することなく(即ち、内部抵抗や寄生抵抗等による内部損失等を除いて、電圧値や電流値等の変更を実質的に行うことなく、即ち、そのような目的の電気・電子素子やその他の制御素子を設けることなく)前記給電線を介して前記LED照明装置に供給し、前記LED照明装置を前記設定済み直流電力による前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で照明動作させる。
【0018】
請求項9に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の構成において、端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続可能な第2のLANケーブルの最大数(LANケーブルの最大本数、即ち、最大ポート数)の範囲内で、異なる種類の所定数の(LANケーブルの最大本数までの範囲内の所定数(単数又は複数)の)照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、一つの直流電力給電装置に接続した第2のLANケーブルの1本以上に割り当て自在である。また、前記端末制御手段の前記動作指令手段は、異なる種類の所定数の照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を直流電力給電装置に指令自在である。また、直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、(前記端末制御装置の照明動作指令作成手段が作成した)異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在である。また、直流電力給電装置の設定済み電力供給制御手段は、端末制御装置の前記動作指令手段の動作指令に応答して、設定済み直流電力として、照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する照明動作指令が割り当てられた第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、複数の受電側装置に接続する複数のLED照明装置を、照明動作指令の所定数と同数の所定数の異なる照明態様で照明動作自在である。この構成により、LED照明装置を、ユニット単位、グループ単に、個別単位等の任意の単位で、多様な照明動作を行わせることができ、照明態様のバリエーションを大幅に増加することができる。
【0019】
請求項10に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の構成において、更に、建築物の壁面に設置した壁面スイッチを備る。前記壁面スイッチは、制御基板と、前記制御基板に実装したLANポートと、前記制御基板に実装した動作ボタンとを備え、前記動作ボタンの各々を所定の動作態様で動作させることにより生成される動作信号を、前記LANポートに接続した第3のLANケーブルを介して、前記直流電力給電装置に入力自在である。前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記照明動作指令として、前記壁面スイッチの動作ボタンごとに異なる種類の所定数の照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記壁面スイッチの動作ボタンの所定の動作態様に割り当て自在である。前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在である。前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記壁面スイッチの動作ボタン毎に割り当てられた前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて、前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在である。前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記壁面スイッチの動作ボタンを選択的に所定の動作態様で動作させることにより、当該壁面スイッチの動作ボタンの動作態様に応じて、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力のうち、当該動作ボタンの動作態様に対応する設定済み直流電力を生成自在であり、当該設定済み直流電力を、前記第2のLANケーブルのうち、前記動作ボタンの動作態様に対応する所定の第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在である。
【0020】
請求項11に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項9の構成において、前記壁面スイッチのLANポートは複数設けられ、当該LANポートの数に対応する複数の壁面スイッチを並列的に壁面に接続すると共に、当該複数の壁面スイッチを各々の前記複数のLANポートのうちの一つのLANポートを介して第4のLANケーブルによりカスケード接続し、かつ、前記複数の壁面スイッチを、それぞれ、一つの前記直流電力給電装置に前記第3のLANケーブルを介して接続している。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係るLED照明装置の照明制御システムは、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置による簡単な操作で行うことができる。
【0022】
請求項2に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の効果に加え、1台の端末制御装置によって、多数の受電制御装置のアドレス情報を個別に識別し、受電制御装置に接続したLED照明装置の照明空間での配設位置に応じて、個別の配設位置のLED照明装置を個別の照明態様で照明制御することができる。
【0023】
請求項3に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の効果に加え、1台の端末制御装置によって、多数のLED照明装置を所望のタイミングで点灯・消灯することができる。
【0024】
請求項4に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の効果に加え、1台の端末制御装置によって、多数のLED照明装置を所望の照明態様で発光したりすることができる。
【0025】
請求項5に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の効果に加え、主制御部が、アドレス部から読み出したアドレス情報を取得して、当該アドレス情報に個別に割り当てた所定の動作態様で、対応するLED照明装置を照明制御することができる。(段落0029)
【0026】
請求項6に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の効果に加え、その設置や設置変更が、いわゆる「軽微な電気工事」に該当するため、有資格者以外のものであっても軽微な電気工事によってLED照明装置を屋内外の照明空間に簡易に設置したり設置変更したりすることができる。
【0027】
請求項7に係るLED照明装置の照明制御システムは、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置としての端末制御装置による簡単な操作で行うことができる。また、端末制御装置の指令に基づく証明動作用の設定を直流電力給電装置を使用して簡単に行うことができ、端末制御装置による多種多様な照明動作指令を事前に設定記憶して、実際のLED照明装置の発光駆動時に、端末制御装置からの指令に応答して迅速かつ確実に安定して、所望の照明動作を実現することができる。更に、受電側装置では制御等の動作を実行しないため、受電側装置の構成を非常に簡単かつ基本的なもの(LANポートと給電ポートとを電気的に接続するだけの簡単な構成)とすることができ、LED照明装置の数だけ必要となりそのコストが全体のコストに大きな影響を及ぼす受電側装置を非常に安価に製造することができ、システム全体のコストを大幅に低減することができ、特に、多数のLED照明装置を設置する場合のシステム全体のコストを大幅に低減することができる。
【0028】
請求項8に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の効果に加え、端末制御装置により、最大で、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルの各々に対応する数の異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルを通じて、LED照明装置を一つずつ個別に異なる照明態様で照明動作させることができ、また、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルを2本以上の所定本数からなるLANケーブルのグループにグループ分けして当該各グループのLANケーブルにそれぞれ異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルの各グループを通じて、LED照明装置を当該各グループの毎に個別に異なる照明態様で照明動作させることもでき、照明動作の態様(バリエーション)を大幅に増加することができる。
【0029】
請求項9に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の効果に加え、LED照明装置を、ユニット単位、グループ単位に、個別単位等の任意の単位で、多様な照明動作を行わせることができ、照明態様のバリエーションを大幅に増加することができる。即ち、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルを1ユニットとして単一の照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続した全てのLANケーブルを通じて、全てのLED照明装置を一括して同一の照明態様で照明動作させたり、2本以上の所定本数からなるLANケーブルのグループにグループ分けして当該各グループのLANケーブルにそれぞれ異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルの各グループを通じて、LED照明装置を当該各グループの毎に個別に異なる照明態様で照明動作させたり、一つの直流電力給電装置に接続した複数本のLANケーブルの各々に対応する数の異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続した各LANケーブルを通じて、LED照明装置を一つずつ個別に異なる照明態様で照明動作させることもでき、照明動作の態様(バリエーション)を大幅に増加することができる。
【0030】
請求項10に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の効果に加え、壁面スイッチによっても、直流電力給電装置に所定の指令を出力して、当該指令に応じた照明制御動作を直流電力給電装置に行わせることができ、端末制御装置と壁面スイッチとを選択的に使用して、シチュエーションに応じて最も簡便な方法でLED照明装置を所望の照明態様で照明動作させることができる。
【0031】
請求項11に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項9の効果に加え、複数の壁面スイッチをカスケード接続、例えば、2つの壁面スイッチを壁面に併設してカスケード接続し、2つの壁面スイッチの2つのLANケーブルを、1個の直流電力給電装置の2つの壁面スイッチ用のLANポートにそれぞれ接続することにより、1つの壁面スイッチに例えば12対のLED照明装置(例えば、直管型LEDランプ)を割りあて、1部屋に2つの壁面スイッチに割り当てたLED照明装置(2×12対=24対)を配置し、2つの壁面スイッチの(4×2=8個の)動作ボタンのそれぞれに、異なる照明動作を割り当てることで、1部屋におけるLED照明層ランプの照明動作のバリエーションを(1個の壁面スイッチの場合の2倍に)増やすことができる。(即ち、そのように、直流電力給電装置の制御部(LED照明装置制御用のCPUからなる主制御部)による制御が可能となる。)
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をミッドスパン型(ハブやスイッチに接続するタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図3】図3は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第1の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図4】図4は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置を、第2の変更例に係る信号・電力送受装置として、エンドポイント型(ハブやスイッチと一体化したタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)に変更した場合を示す。
【図5】図5は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第3の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図7】図7は本発明の実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢Bとした場合の例を示す。
【図9】図9は本発明の実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢A(信号対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図11】図11は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をミッドスパン型(ハブやスイッチに接続するタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図13】図13は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第1の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図15】図15は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置を、第2の変更例に係る信号・電力送受装置として、エンドポイント型(ハブやスイッチと一体化したタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)に変更した場合を示す。
【図16】図16は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第3の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図17】図17は本発明の実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢Bとした場合の例を示す。
【図19】図19は本発明の実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢A(信号対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図21】図21は本発明の実施の形態7に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図22】図22は本発明の実施の形態8に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図23】図23は本発明の実施の形態9に係る設定済み直流電力給電装置を示す斜視図である。
【図24】図24は本発明の実施の形態9に係る受電側装置を示す斜視図である。
【図25】図25は本発明の実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムを示すブロック図である。
【図26】図26は本発明の実施の形態11に係るLED照明装置の照明制御システムを示すブロック図である。
【図27】図27は本発明の実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムを示すブロック図である。
【図28】図28は本発明の実施の形態13に係る壁面スイッチの設置態様を説明するための説明図である。
【図29】図29は本発明の実施の形態13に係る壁面スイッチの全体構成を示す斜視図である。
【図30】図30は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)M4を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【図31】図31は本発明の実施の形態14に係るWEB画面の第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)で特定の給電ポートを選択した場合を示す画面構成図である。
【図32】図32は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第3のコマンドメニュー(Mapping by Light)を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【図33】図33は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第3のコマンドメニュー(Mapping by Switch)で特定の壁面スイッチのボタンを選択した場合を示す画面構成図である。
【図34】図34は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第1のコマンドメニュー(Overview)を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【図35】図35は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第2のコマンドメニュー(Switches)を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素又は部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0034】
実施の形態1
[全体構成]
実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムは、IEEE802.3af(受電側の適正電力12.95W)及びIEEE802.3at(受電側の適正電力25.5W)で規定されるパワー・オーバー・イーサネット技術を利用している。なお、「ETHERNET/イーサネット」は、富士ゼロックス株式会社の登録商標である(以下、「イーサネット」と称する際の「登録商標」の表示は省略)。ここで、パワー・オーバー・イーサネット(「Power over Ethernet」の日本語名称、以下、「PoE」という。)とは、パワー・ソーシング・エクィップメント(「Power Sourcing Equipment」、以下、「PSE」という。)と呼ばれる給電装置と、パワード・デバイス(「Powered Device」、以下「PD」という。)と呼ばれる受電装置とを備え、イーサネット規格によるLANケーブル(カテゴリー3(CAT3)やカテゴリー5(CAT5))を利用して、データの送受信と共に電力供給を行うものである。そして、図1に示すように、本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムは、給電装置10としてのAC/DC電力供給装置10A、イーサネットスイッチ20、給電側装置30、受電側装置40、LED照明装置60、及び、端末制御装置70を備え、このうち、主に、給電側装置30にPSE技術を利用している。
【0035】
<給電側装置>
AC/DC電力供給装置10Aは、AC電源(典型的には、100V又は200Vの商用交流電源)を直流電源(DC電源)に変換して電力供給するものであり、内蔵した変圧器(降圧回路)、整流器(整流回路)、平滑化回路、安定化回路等によって、所定の電圧値及び所定の電流値の直流電力を供給するものである。このAC/DC電力供給装置10Aは、給電線15を介して、直流電力を前記給電側装置30に供給する。なお、AC/DC電力供給装置10Aは、典型的な日本の商用電源(100V又は200V)以外にも、海外の商用電源にも対応可能であり、100V〜240Vの電圧に対応可能である。一方、給電装置10としては、AC/DC電極供給装置10A以外にも、太陽光パネル充電・給電装置10Bを使用することもできる。この太陽光パネル充電・給電装置10Bは、太陽光パネル12による光電変換で発電した電力を充電(蓄電)し、所定の電圧値及び所定の電流値の直流電力を供給するものである。この太陽光パネル充電・給電装置10Bは、給電線11を介して、直流電力を前記給電側装置30に供給する。
【0036】
<端末制御装置及びイーサネットスイッチ>
端末制御装置70は、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末等の任意のコンピュータ装置からなる。端末制御装置70はLANケーブル75を介してイーサネットスイッチ20に接続されており、端末制御装置70からのデータや制御信号が、LANケーブル75を介してイーサネットスイッチ20に送信されるようになっている。イーサネットスイッチ20は、イーサネット規格(IEEE802.3)のスイッチングハブからなる。なお、スイッチングハブは、レイヤー2スイッチ(L2スイッチ)、レイヤー2スイッチングハブ、LANスイッチとも呼ばれ、SNMP(シンプルネットワークマネージメントプロトコル)に対応していないノン・インテリジェントL2スイッチのほか、SNMPに対応するインテリジェントL2スイッチも含む。イーサネットスイッチ20を構成するスイッチングハブは、LAN(ローカルエリアネットワーク)における中継機器としてのハブの一種であるが、リピーターハブとは異なり、ブリッジとしての機能も具備し、前記端末制御装置70から送信されたデータや制御信号を解析して、当該データや制御信号の宛先を検出し、検出した宛先の端末機器(本実施の形態の場合は、LED照明装置60を制御する受電側装置40内の受電制御装置50)にのみ当該データや制御信号を送信する。本実施の形態のスイッチングハブからなるイーサネットスイッチ20は、本発明のイーサネット用ハブ又はLAN用ハブを構成する。なお、本発明のLAN用ハブとしては、スイッチングハブ以外に、リピーターハブを使用することも可能であるが、後述する受電制御装置50におけるアドレス識別機能を利用する観点からは、(後述するように、給電側装置30内の給電制御装置31によりかかるアドレス識別機能を実現しない場合は)スイッチングハブを使用することが好ましい。
【0037】
<給電側装置及びイーサネットスイッチ>
給電側装置30は、上記のように、給電線15を介して給電装置10に接続される一方で、LANケーブル25を介してイーサネットスイッチ20に接続され、かつ、LANケーブル35を介して受電側装置40に接続されており、給電装置10からの直流電力を受電側装置40に供給する一方で、イーサネットスイッチ20からの(端末制御装置70が送信した)データや制御信号を受電側装置40に中継するようになっている。図1に示すように、一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30には、それぞれ、複数のLANポートが設けられており、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30に、複数又は多数のLANケーブル(最大限、LANポートの数に相当するLANケーブル)を介して、対応する複数又は多数の受電側装置40が接続されて、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30により、当該複数又は多数の受電側装置40への制御信号の送受信及び給電が行われる。
【0038】
詳細には、図2に示すように、LANケーブル25は、ストレートケーブルであり、合計4対(8芯)の撚対線を備え、そのうちの、1番及び2番の撚対線C1,C2(データ送信用)と、3番及び6番の撚対線C3,C6(データ受信用)により、データや制御信号の送受信を行う。なお、LANケーブル25は、イーサネットスイッチ20と給電側装置30との間でのデータ送受信を担うだけであるため、LANケーブル25としては、イーサネット規格のカテゴリー3(CAT3)、カテゴリー5(CAT5)等を使用することができる。一方、LANケーブル35は、ストレートケーブルであり、合計4対(8線)の撚対線を備え、そのうちの、1番及び2番の撚対線C1,C2(データ送信用)と、3番及び6番の撚対線C3,C6(データ受信用)により、データや制御信号の送受信を行うが、LANケーブル35は、給電側装置30から受電側装置40へのデータ送受信と共に給電を担うものであるため、特に給電時の電気的容量を確保して安全性や保安性を維持するため、LANケーブル35として、イーサネット規格のカテゴリー6(CAT6)を使用している。なお、LANケーブル35としては、特に給電時の電気的容量を確保して安全性や保安性を維持できる限りにおいて、CAT6相当のLANケーブル、例えば、エンハンスドカテゴリー6(CAT6e)やカテゴリー6A(CAT6A)等のLANケーブルを使用することができる。
【0039】
ここで、図2に示す給電側装置30の内部構成は、単一のLANケーブル25及び単一のLANケーブル35に対応するものであり、それぞれの合計4対の撚対線C1,C2、撚対線C3,C6、撚対線C4,C5、撚対線C7,C8に対応する構成を示している。即ち、給電側装置30は、LANケーブル25,35の最大接続数(LANポートの最大数)だけ、上記図2の内部構成(パルストランス21等)を備えている。なお、給電制御装置31は、1台のみ給電側装置30に内蔵され、LANケーブル25,35の最大接続数(LANポートの最大数)のそれぞれに、上記のようにして給電(及び給電制御)を行う構成となっている。
【0040】
本実施の形態のイーサネットスイッチ20は、10メガビット・イーサネット(10BASE−T)又は100メガビット・イーサネット(100BASE−T2)の通信を行うものであり、ギガビットイーサネット(1000BASE−T等)の通信は行わない。イーサネットスイッチ20は、各LANポートに接続されるLANケーブル25の撚対線のうちデータ送受信用の撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6に対応して、それぞれ、データ送受信用のLAN用のパルストランス(「絶縁トランス」とも呼ばれる)21を備えている。なお、イーサネットスイッチ20は、その他、PHY(物理層)やMAC(メディアアクセスコントロール)の機能を実現するためのチップ等を備えている。パルストランス21は、イーサネットスイッチ20のLANポートに挿着されたLANケーブル25の基端側のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6にそれぞれ対応して設けられている。そして、端末制御装置70からのデータや制御信号は、イーサネットスイッチ20のパルストランス21、並びに、LANケーブル25の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して、送受信される。なお、LANケーブル25の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8は、データ送受信には関与せず非使用状態である。
【0041】
一方、給電側装置30は、イーサネットスイッチ20のLANポートに対応して、LANポートからなる入口ポート及び出口ポートを備え、入口ポートには前記LANケーブル25の先端側のRJ−45コネクタを挿着し、出口ポートには前記LANケーブル35の基端側のRJ−45コネクタを挿着している。そして、給電側装置30は、入口ポートに挿着したLANケーブル25のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、(イーサネットスイッチ20からの)前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介したデータや制御信号を、出口ポートに挿着したLANケーブル35のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、信号対としての前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6に(内部の中継路を介して)中継するようになっている。なお、LANケーブル25の撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8は予備対であるため、給電側装置30の入力ポートに(RJ−45コネクタの対応するピンを介して)接続されるものの、LANケーブル25の撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8と給電側装置30との間で入出力が行われることはない。
【0042】
<給電制御装置>
給電側装置30は、給電制御装置31を内蔵している。給電制御装置31は、給電側装置30の出口ポートに装着したLANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、受電側装置40に所定電圧値で所定電流値の直流電力を供給するよう制御を行う。即ち、この場合、LANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8は、それぞれ、電力を供給する給電対として機能する。給電制御装置31は、IEEE802.3af又はIEEE802.3at規格のPSEの制御部分と同様の構成を備えることもでき、給電制御装置31により、受電側装置40の検出、(任意の構成であるが)検出した受電側装置40の種類の識別、検出した受電側装置40への給電、受電側装置40への給電遮断等を制御する構成を採用することもできる。なお、上記のように、端末制御装置70からの制御信号の宛先である受電側装置40の識別(アドレス情報に基づく識別動作)は、スイッチングハブからなるイーサネットスイッチ20により行うこともできるが、この識別動作を給電制御装置31により行う場合は、イーサネットスイッチ20による受電側装置40の識別動作は不要である。この場合、スイッチングハブからなるイーサネットスイッチ20の代わりにリピーターハブを使用することもできる。一方、イーサネットスイッチ20により受電側装置40の識別動作を行う場合は、給電制御装置31による受電側装置40の識別動作(及び対応する構成)は省略することができる。詳細には、給電制御装置31は、中央処理装置(CPU)等からなる主制御部、電圧制御部(MOSFET等)、電圧検出部(電圧検出用抵抗等)、電流検出部(電流検出用抵抗等)等を備え、当該主制御部の制御によって、電圧制御部の電圧値を、受電側装置40の検出、識別、給電、給電遮断のそれぞれの動作を実行するために必要な電圧値に変更し、当該検出、(任意構成としての)識別、給電、給電遮断のそれぞれの動作を実行するものである。また、給電制御装置31は、電源を投入した状態でのLANケーブル25,35の脱着を可能にするホットスワップ(活線挿抜)部を備えてもよい。そして、給電制御装置31は、端末制御装置70からの指令により、受電側装置40を検出した後、給電装置10からの所定電圧値で所定電流値の直流電力を撚対線C4,C5(電流往路)及び撚対線C7,C8(電流復路)を介して受電側装置40へと供給する。なお、給電制御装置31は、マイコン制御装置と同様のハードウエア構成(CPU、メモリ、I/O等)を利用して(必要な場合は、所定の組込制御プログラムを利用して)、上記の所定の各機能を実現するようになっている。
【0043】
上記給電側装置30の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるミッドスパン型(リピーターハブやスイッチングハブに接続するタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)のPSEの構成に相当し、当該PSEと同様の機能を発揮する。また、上記イーサネットスイッチ20及び給電側装置30の組合せは、実施の形態1の信号・電力送受装置を構成する。ここで、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるPoEでは、PSEの動作電圧は、44〜57V(直流)の範囲内であって、通常は48V(直流)に設定され、また、PSEが発生する最大電流は、350〜400mAである。これは、このレベルの電流でないと、LANケーブルが自らの寄生抵抗(各撚対線について約20Ω)による発熱によって損傷する恐れがあるからである。したがって、従来のPSEによる電力は、最小で、44V×0.35A=15.4Wとなり、最大でも、57V×0.4A=22.8Wとなる。一方、実施の形態1では、給電装置10から給電側装置30に供給される直流電力は、電圧値が24V、電流値が1.6Aに設定されている(電力値は38W)。そして、給電側装置30の給電制御装置31から受電側装置40に供給される直流電力も、電圧値が24V、電流値が1.6Aの直流電力(電力値38W)となる。したがって、実施の形態1では、大容量の電流伝送に耐えうるよう、給電側装置30から受電側装置40への給電を(データ送受信に加えて)行うLANケーブル35として、CAT6のLANケーブル35を使用している。
【0044】
<受電側装置>
受電側装置40は、LANケーブル35を介してイーサネットスイッチ20及び給電側装置30にそれぞれ接続される。詳細には、受電側装置40は、給電側装置30の出口ポートに挿着したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6と、給電側装置30の内部の中継路と、給電側装置30の入口ポートに装着したLANケーブル25の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6とを介して、イーサネットスイッチ20のパルストランス21に電気的に接続され、端末制御装置70との間でイーサネットスイッチ20(上記のように、給電制御装置31による制御信号の送受信を行う場合は、当該給電性緒装置31)を介したデータの送受信を行う。具体的には、受電側装置40は、給電側装置30の出口ポートに対応して、LANポートを備え、当該LANポートにLANケーブル35の先端側のRJ−45コネクタを挿着している。また、受電側装置40は、データ送受信用のLAN用のパルストランス41と、受電制御装置50とを内蔵している。パルストランス41は、LANポートに挿着したLANケーブル35のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、信号対としての前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6にそれぞれ対応して設けられている。そして、給電側装置30を介したイーサネットスイッチ20からのデータや制御信号が、LANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6から、受電側装置40のパルストランス41を介して受電制御装置50に入出力される。
【0045】
また、受電側装置40は、給電側装置30の出口ポートに挿着したLANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、給電制御装置31によって制御された給電装置10からの直流電力の供給を受ける。具体的には、LANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8が、当該LANケーブル35のRJ−45コネクタの対応するピンを介して、受電側装置40のLANポートに接続され、(前記給電制御装置31からの)当該撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介した直流電力が、前記受電制御装置50に入出力されて給電が行われる。受電制御装置50は、給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8からの直流電力を、給電線65を介してLED照明装置60に供給すると共に、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの制御信号に基づき、前記端末制御装置70からの指令にしたがって、LED照明装置60の照明制御を実行する。なお、受電制御装置50の詳細については、図5を参照して後述する。
【0046】
図1に示すように、一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30には、それぞれ、複数のLANポートが設けられており、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30に、複数又は多数のLANケーブル(最大限、LANポートの数に相当するLANケーブル)を介して、対応する複数又は多数の受電側装置40が接続されて、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30により、当該複数又は多数の受電側装置40への制御信号の送受信及び給電が行われると共に、当該複数又は多数の受電側装置40にそれぞれ接続した(対応する複数又は多数の)LED照明装置60が、それぞれ、前記一つのイーサネットスイッチ20からの信号及び一つの給電側装置30からの給電を受けることで、単一の前記端末制御装置70によって所定の態様で一括して照明制御されるようになっている。図1の例では、それぞれ8本となるLANケーブル25及びLANケーブル35により、一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30に対して合計で8個の受電側装置40を接続し、1台の端末制御装置70により、当該8個の受電側装置40を介して(合計8個の)LED照明装置60を一括して照明制御するようになっている。なお、複数のイーサネットスイッチ20及び対応する複数の給電側装置30をカスケード接続することにより、図1に示す例と比較して、より多数の受電側装置40を接続し、より多数の受電側装置40によって、より多数のLED照明装置60を単一の端末制御装置70によって一括して照明制御することができる。
【0047】
ここで、実施の形態1(図1,2,4,5)では、1個の受電側装置40に1本のLED照明装置60を接続する例を示しているが、後述する実施の形態2(図7,8,9)に示すように、1個の受電側装置140に2本(或いは3本以上)のLED照明装置60を接続することもできる。(説明は後述する。)
【0048】
<第1の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図1に示すように、前記イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを別個に配設する構成を採用しているが、信号・電力送受装置としては、これに代えて、図3に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを(図3中に二点鎖線で示す)筺体80内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第1の変更例に係る信号・電力送受装置は、筺体80の上部に配設したソケット81の外部側のソケット孔に、前記給電装置10からの給電線15の先端側のプラグを挿着して接続すると共に、当該ソケット81の内部側から延びる(前記給電装置10からの給電線15と同様の)内部側の給電線15の先端側を、前記給電側装置30の内部の給電制御装置31に電気的に接続する。また、筺体80の下部に配設したコネクタ82の外部側のコネクタ孔に、前記端末制御装置70からのLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを挿着して接続すると共に、当該コネクタ82の内部側から延びる(前記端末制御装置70からのLANケーブル75と同様の)内部側のLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを、前記イーサネットスイッチ20のLANポートに接続する。筺体80の内部のイーサネットスイッチ20と給電側装置30とは、図2を参照して説明したように、LANケーブル25により接続される。また、給電側装置30の出口ポート32には、それぞれ、前記LANケーブル35を介して受電側装置40が接続される。
【0049】
<第2の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、前記信号・電力送受装置に代えて、図4に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを筺体内部に一体的に配設した一体構成の信号・電力送受装置90を採用してもよい。この場合、第2の変更例に係る信号・電力送受装置90は、前記イーサネットスイッチ20の内部構成(前記パルススイッチ21と同様のパルススイッチ91等)と、前記給電側装置30の内部構成(給電制御装置31等)とを一体的に内蔵する構成となる。そして、この信号・電力送受装置90は、各LANポートに接続したLANケーブル35を介して、各受電側装置40に接続され、上記と同様にして、給電及び照明制御を実行する。なお、この場合の信号・電力送受装置90の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるエンドポイント型(リピーターハブやスイッチングハブと一体化したタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)のPSEの構成に相当し、当該PSEと同様の機能を発揮する。
【0050】
<受電制御装置>
ここで、実施の形態1の受電側装置40の説明に戻り、前記受電制御装置50について、前記イーサネットスイッチ20及び給電側装置30との関係を中心に詳細に説明する。なお、イーサネットスイッチ20及び給電側装置30としては、図3に示す第1の変更例の信号・電力送受装置を例にとって説明するが、無論、図1及び図2の例の場合、並びに、図4に示す第2の変更例の場合も、受電制御装置は同様の構成となる。図5に示すように、受電制御装置50は、主制御部51、アドレス部52、ON/OFF部53、調光部54、照明態様制御部55、DC/DC昇圧部56、定電流制御部57を備えている。また、受電制御装置50は、給電側装置30からLED照明装置60への給電を遮断しているときでも、前記給電側装置30によるLANケーブル35の給電線である撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの給電(制御動作に必要な電圧値・電流値での給電)を利用して、主制御部51等による所定の電気的な制御動作を行う。
【0051】
具体的には、主制御部51は、イーサネットスイッチ20の制御部(図4の第2の変更例の場合は、信号・電力送受装置90のイーサネットスイッチ相当部分の制御部)であるイーサネットコントローラ21に対して、前記LANケーブル35の信号対である撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して接続されている。アドレス部52は、個別の受電側装置40を一意に識別するアドレス情報を格納するものであり、所定のメモリーの所定の記憶領域により構成されている。一意のアドレス情報としては、IPアドレス(特に、プライベートIPアドレス)を好適に使用することができる。また、IPアドレスに加えて、デフォルトゲートウェイやサブネットマスク等の情報を利用したり、或いは、MACアドレスをアドレス情報として使用したりすることもできる。ON/OFF部53は、主制御部51の指令を受けて、給電制御装置31からのLED照明装置60用の給電を、選択的にオン(接続)又はオフ(遮断)するものであり、例えば、(トランジスタ等を利用した)スイッチング回路から構成される。調光部54は、主制御部51の指令を受けて、LED照明装置60の調光制御を行うものであり、例えば、振幅制御回路又はパルス幅制御回路等により構成される。
【0052】
照明態様制御部55は、主制御部51の指令を受けて、LED照明装置60を各種の照明態様で発光するよう制御するものである。照明態様制御部55による照明態様としては、例えば、以下のものがある。
(1) LED照明装置60を所定の時間間隔で点滅制御(或いは、点灯及び消灯を連続的に繰り返すよう制御)する。
(2) LED照明装置60を複数色(例えば、R,G,Bの各色)のカラーLEDチップで構成した場合に、各色のカラーLEDチップを選択的に組み合わせて発光させることで、例えば、LED照明装置60としてネオンライト状の発光態様を得る。
(3) 各種センサーを受電制御装置50の主制御部51に接続することで、各種センサーからの検出信号に応じた所定の発光態様でLED照明装置60を発光させる。例えば、(赤外線センサー等からなる)人体センサーにより、所定の照明空間(部屋等)への人体の進入及び退出を検出して、LED照明装置を自動的に点灯又は消灯する。或いは、自体センサーを所定の照明空間内に複数配設し、人体の移動位置に応じてLED照明装置の発光態様を変更する(例えば、人体の存在する位置のLED照明装置のみを点灯したり、当該位置のLED照明装置の照度を他のLED照明装置と比較して増大したり、人体の移動に合わせて対応するLED照明装置60を順番に点灯したりする)。或いは、音センサーにより所定の照明空間(部屋等)における特定の音(人の音声、入室・退室時のドアの開閉音)を検出して、LED照明装置を自動的に点灯又は消灯する。或いは、地震波のP波(初期微動)を検出する(加速度センサー等を利用した)感震センサーやP波センサーにより、地震時の初期微動を検出し、地震発生直後に(主要動の到達前に)、照明空間のLED照明装置を(就寝時等に消灯している場合は)即座に点灯したり、(既に点灯している場合は)照明態様を大きく変更したり(例えば、点滅したり)して、照明空間内の人の避難・退避動作を促進する。
【0053】
DC/DC昇圧部56は、給電制御装置31から伝送された直流電力の所定の直流電圧(24V)を、LED照明装置60の最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値の直流電圧へと昇圧するものであり、昇圧用のDC/DCコンバータ等により構成される。例えば、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値は、典型的には、43V〜48Vの範囲内であるため、この場合、DC/DC昇圧部56は、給電制御装置31からの電源電圧(24V)を、当該範囲内の所定の電圧値(例えば、43V)に昇圧する。また、定電流制御部57は、DC/DC昇圧部56により昇圧した直流電流を、LED照明装置60の最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作、或いは、前記調光部54や照明態様制御部55による所定の照明態様での点灯動作)に要求される所定電流値の定電流となるよう制御するものであり、定電流制御用のレギュレーターや定電流制御用のDC/DCコンバータ等により構成される。なお、例えば、調光動作の場合は、定電流制御部57による電流値は、調光部54による調光操作の途中過程では当然に増減変化するが、一定の調光状態を得た後は、その調光状態に応じた定電流となる。例えば、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電流値は、典型的には、420mA〜840mAの範囲内であるため、この場合、定電流制御部57は、DC/DC昇圧部56からの昇圧後の直流電流を、当該範囲内の所定の電流値(例えば、420mA)の定電流となるよう制御する。したがって、受電制御装置50から出力される直流電力の電力値は、例えば、43V×0.42A=約18Wとなる。
【0054】
ここで、主制御部51は、(イーサネットコントローラ21を介して入力される)前記端末制御装置70からの制御信号に基づいて、ON/OFF部53に対するオン/オフ指令、調光部54に対する所定の調光制御指令、照明態様制御部55に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力する。また、DC/DC昇圧部56による昇圧動作、及び、定電流制御部57による定電流制御動作は、ON/OFF部53によるスイッチオン動作があって、初めて開始及び実行される。したがって、ON/OFF部53によるスイッチオン動作があって、初めて、定電流制御部57から、給電線65を介して、LED照明装置60への所定電圧値及び所定電流値の(LED点灯用の)直流電流の給電が行われる。一方、ON/OFF部53によるスイッチオフ動作があると、定電流制御部57から、給電線65を介したLED照明装置60への所定電圧値及び所定電流値の(LED点灯用の)直流電流の給電は停止(遮断)される。なお、受電制御装置50は、マイコン制御装置と同様のハードウエア構成(CPU、メモリ、I/O等)を利用して、及び、所定の組込制御プログラム又はファームウエアを利用して、上記の所定の各機能を実現するようになっている。更に、主制御部51は、アドレス部52から読み出した(当該主制御部51を内蔵する受電制御装置50の)アドレス情報を取得して、当該アドレス情報に個別に割り当てた所定の動作態様で、対応するLED照明装置60を照明制御することもできる。この場合、端末制御装置70に、個別の受電側装置40,140,170の受電制御装置50に応じた制御手順を実行するための照明制御プログラムを実装し、当該照明制御プログラムにより、所望のLED照明装置60を接続する受電側装置40,140,170毎に個別の照明制御を実行することもできる。
【0055】
上記受電側装置40の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるPDの構成に相当するが、PDは上記受電制御装置50のような構成(制御構造)は備えておらず、本実施の形態の受電側装置40(特に、受電制御装置50)は、従来にない全く新規で、かつ、(従来技術から予期できない特有の作用効果を発揮する)有用性の高いものである。
【0056】
<第3の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図1に示す(又は図3に示す)信号・電力送受装置に代えて、図6に示すように、給電装置10Aとイーサネットスイッチ20と給電側装置30とを(図3中に二点鎖線で示す)筺体100内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第3の変更例に係る信号・電力送受装置は、筺体100の上部に配設したソケット101の外部側のソケット孔に、商用交流電源の給電線の先端側のプラグを挿着して接続すると共に、当該ソケット101の内部側から延びる交流伝送用の給電線105の先端側を、給電装置10Aに電気的に接続する。また、給電装置10Aに基端を電気的に接続した(前記給電装置10からの給電線15と同様の)内部側の給電線15の先端側を、前記給電側装置30の内部の給電制御装置31に電気的に接続する。更に、筺100の下部に配設したコネクタ102の外部側のコネクタ孔に、前記端末制御装置70からのLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを挿着して接続すると共に、当該コネクタ102の内部側から延びる(前記端末制御装置70からのLNAケーブル75と同様の)内部側のLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを、前記イーサネットスイッチ20のLANポートに接続する。筺体100の内部のイーサネットスイッチ20と給電側装置30とは、図2を参照して説明したように、LANケーブル25により接続される。また、給電側装置30の出口ポート32には、それぞれ、前記LANケーブル35を介して受電側装置40が接続される。
【0057】
実施の形態2
図7に示すように、実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、受電側装置140が2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続した点において、実施の形態1と異なる。なお、図7の例では、信号・電力送受装置は、図1の例の信号・電力送受装置と同様、イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを別個に配設する構成であるが、これを、図4に示す第2の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたり、図3に示す第1の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたりすることもできる。即ち、実施の形態2の信号・電力送受装置は、実施の形態1の信号・電力送受装置(第1〜第3の変更例も含む)と同様の構成である。
【0058】
受電側装置140について、(信号・電力送受装置として上記第2の変更例を使用した)図8、及び、(信号・電力送受装置として上記第2の変更例を使用した)図9を参照して説明すると、まず、図8に示すように、受電側装置140は、実施の形態1の受電側装置40と同様、各LANポートに対応してパルストランス41を配設し、LANポートに接続したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの制御信号を入出力するようになっている。また、受電側装置140は、実施の形態1の受電制御装置50と同様の構成の受電制御装置150を内蔵し、パルストランス41からの制御信号を入力すると共に、LANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8からの直流電力を入力するようになっている。一方、受電制御装置150は、2対の給電線65を介して、2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続し、2本のLED照明装置60を照明制御する。詳細には、図9に示すように、受電制御装置150は、2つの(実施の形態1の)前記受電制御装置50を備え、それぞれの受電制御装置50に1つのLED照明装置60を電気的に接続し、それぞれの受電制御装置50によって1つのLED照明装置60を照明制御する。照明制御の構成及び方法は、実施の形態1の場合と同様である。
【0059】
実施の形態3
図10に示すように、実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、給電側装置160及び受電側装置170の構成において、実施の形態1と異なる。詳細には、実施の形態3の給電側装置160は、端末制御装置70からの制御信号を伝送する(実施の形態1の第2の変更例の給電側装置90のパルストランス91と同様の)パルストランス91を備える一方で、(実施の形態1の給電制御装置31と同様の)給電制御装置31からの直流電力を、予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8ではなく、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して伝送すべく、いわゆるファントム給電技術を利用している。即ち、給電制御装置31からの直流電力の出力は、パルストランス91のセンタータップ161に電気的に接続され、パルストランス161から、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して、受電側装置170に伝送される。なお、ファントム給電技術では、制御信号に直流電流を重畳して伝送するが、この場合でも、制御信号は差動信号として(いわゆる、「ディファレンシャル・シグナリング」技術で)伝送されるため、直流電流が制御信号に干渉することはなく、直流電流の電装と制御信号の伝送とを円滑に行うことができる。なお、この場合の給電側装置160の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるエンドポイント型(リピーターハブやスイッチングハブと一体化したタイプ)の選択肢A(信号対に給電するタイプ)のPSEの構成に相当し、当該PSEと同様の機能を発揮する。なお、給電側装置(エンドポイント型)として、給電装置10AのAC/DCコンバータを一体化した給電側装置とすることもできる。
【0060】
また、実施の形態2の受電側装置170は、実施の形態1の受電側装置40と同様のパルストランス41及び受電制御装置50を内蔵する一方、給電側装置160のパルストランス41の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6から伝送される直流電流を受電すべく、パルストランス41のセンタータップ171を受電制御装置50に電気的に接続し、撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からパルストランス41に入力されて直流電流を、センタータップ171を介して受電制御装置50に入力するようになっている。なお、受電制御装置50によるLED照明装置60の照明制御の構成及び方法は、実施の形態1の場合と同様である。
【0061】
ここで、実施の形態2の受電側装置170は、2本のLED照明装置60を並列に接続して2本のLED照明装置に同時に給電する構成であるため、受電側装置170から2本のLED照明装置60に供給される直流電力は、実施の形態の1の場合(受電側装置40が1本のLED照明装置60の給電する場合)と比較して、2倍の電流量となる。即ち、各LED照明装置60に、実施の形態1で述べたように、例えば、電圧値43Vで電流値420mAの直流電力を供給する場合、全体としては(2本のLED照明装置60に供給されるのは)、合計840mAの直流電力となる。なお、図9に示す例は、1台の受電側装置140に2台の受電制御装置50が内蔵され、2台の受電制御装置50により2本のLED照明装置60を制御する構成として図示されているが、1台の受電側装置140に1台の受電制御装置50を内蔵し、当該1台の受電制御装置50により2本のLED照明装置60を制御する構成としてもよい。この場合、1台の受電制御装置50が、2本のLED照明装置60に対して、それぞれ、駆動に必要な直流電力(例えば、電流値420mA)を供給すると共に、実施の形態1で述べた照明制御動作を実施する。
【0062】
[作用及び効果]
本発明のLED照明装置の照明制御システムについて、上記実施の形態1〜3を参照して代表的な例を説明したが、本発明のLED照明装置の照明制御システムによれば、以下のような特有の作用及び効果を発揮する。即ち、1台の端末制御装置70(通常のPCや携帯情報端末等)に、(イーサネットスイッチ及び給電側装置からなる)1台の信号・電力送受装置を介して、多数の受電側装置40,140,170を接続し、それぞれの受電側装置40,140,170に1本以上のLED照明装置60を接続することで、1台の端末制御装置70によって、多数のLED照明装置60を所望のタイミングで点灯・消灯したり、所望の照明態様で発光したりすることができる。特に、1本(又は2本以上の1グループの)LED照明装置60を制御する1台の受電制御装置50には、それぞれ、一意のアドレス情報(プライベートIPアドレス等)が付与されているため、1台の端末制御装置70によって、多数の受電制御装置50のアドレス情報を個別に識別し、例えば、当該受電制御装置50に接続したLED照明装置60の照明空間での配設位置に応じて、個別の配設位置のLED照明装置60を個別の照明態様で照明制御することもできる。このような照明制御としては、例えば、実施の形態1の照明態様制御部55について説明した照明制御がある。即ち、本発明では、受電制御装置50に実装したファームウエアによって照明態様制御部55に所定の制御手順を実行させることで、照明態様制御部55による独自の制御を実行することもできるが、この場合、あくまで、当該受電制御装置50に接続したLED照明装置についての制御となる。一方、端末制御装置70に実装した照明制御プログラムを利用して、個別の受電制御装置50を識別した照明制御を実行する場合は、当該1台の端末制御装置70に接続した全てのLED照明装置を、個別に、グループごとに、或いは、全体的に照明制御することで、様々な照明態様での照明を行うことができ、所望の照明態様に応じた照明制御プログラムを作成することで、その照明態様はほぼ無限となる。
【0063】
また、上記したように、従来の照明器具の施工は有資格者に限定されているが、本発明のLED照明装置の照明制御システムは、商用交流電源からの交流電力をAC/DC変換した直流電力を利用するため、商用交流電源にAC/DC給電装置10Aを接続するだけでよく、商用交流電源の配線工事を行う必要はない。即ち、本発明のLED照明装置の照明制御システムの設置や設置変更は、いわゆる上記の「軽微な電気工事」に該当するため、有資格者以外のものでも、設置や設置変更を行うことができる。なお、軽微な電気工事としては、電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が36V以下のものに限る。)の工事がある。また、二次側の配線工事については、(電気工事士法施行令第一条により)無資格者でも工事が可能とされている。そして、本発明のLED照明装置の照明制御システムは、これらの条件を満たしているため、その設置工事は、軽微な電気工事として、大工等の電気工事士資格を有していない者でも可能である。
【0064】
実施の形態4
[全体構成]
図11に示すように、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムと同様の全体構成を備えている。一方、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムは、給電側装置220の構成、及び、受電側装置250の構成が、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの給電側装置30及び受電側装置40の構成と異なる。詳細には、上記のとおり、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムは、上記のとおり、給電装置10から給電側装置30に給電する一方で、一つのイーサネットスイッチ20を前記受電側装置40の数と同一数のLANケーブル25を介して一つの給電側装置30の入力側ポートに接続すると共に、当該一つの給電側装置30を前記受電側装置40の数と同一数のLANケーブル35を介して前記所定数の受電側装置40に接続している。そして、実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、前記所定数の受電側装置40に対し、当該所定数の受電側装置40に接続したLED照明装置60の照明制御用の制御信号(ON/OFF信号、調光信号等の照明制御用の信号)をPC等からなる端末制御装置70から出力し、前記所定数の受電側装置40に接続した所定数のLED照明装置60を、前記制御信号に応じて、各々の受電側装置40により照明駆動すると共に所定の態様で照明制御するようになっている。したがって、実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置70からの制御信号を、各受電側装置40(即ち、各LED照明装置60)用に作成及び用意し、対応する個別のLANケーブル25及びLANケーブル35を介して、イーサネットスイッチ20及び給電側装置30から対応する個別の受電側装置40に(個々の受電側装置40用のLANケーブル25を介したいわゆる並列的な伝送態様で)出力することができ、この場合、当該個々の受電側装置40の制御により、対応する個々のLED照明装置60を当該個々のLED照明装置60に応じた個別の照明態様で制御することができる。即ち、この場合、給電側装置30の給電制御装置31の主制御部は、イーサネットスイッチ20の個々のLANケーブル25から入力された(個々の受電側装置40用の)制御信号を、そのまま、LANケーブル35を介して対応する個々の受電側装置40に出力する構成とすることができる。換言すれば、端末制御装置70からの前記所定数の受電側装置40に対する制御信号は、受電側装置40と同一数のLANケーブル25を介してイーサネットスイッチ20から給電側装置30を経て、並列的な伝送態様で前記所定数の受電側装置40の各々に個別に出力される。
【0065】
[特有の構成]
<特有の構成の概要>
これに対し、図11に示すように、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1と同様、給電装置10からの直流電力又は交流電力を給電側装置220に供給し、給電側装置220から、所定数(所定の複数又は多数)の受電側装置250を介して所定数(所定の複数又は多数)のLED照明装置60に対して給電するが、実施の形態1とは異なり、給電側装置220は、内部の給電制御装置230により、受電側装置250へ照明制御用の制御信号を出力したり、給電制御装置230と受電側装置250との間で(一般的なPoE技術で規定されているような)給電動作に伴う各種処理のための信号(受信側装置の検出信号や受信側装置の定格判別信号等)の授受を行ったりすることはない。即ち、実施の形態4の給電側装置220は、端末制御装置70からの指令に基づき、給電制御装置230により、LED照明装置を予め設定した所定の照明態様で発光駆動するために供給する直流電力の各種パラメータの値(電圧値、電流値、PWM制御におけるデューティー比等であって、以下、便宜上、「給電用パラメータ」と称する。)を設定して、給電用パラメータとして所定の記憶領域に保存しておき、保存した給電用パラメータに基づき、当該給電用パラメータを有する所定の直流電力(以下、便宜上、「設定済み直流電力」と称する。)を生成して、その設定済み直流電力を受電側装置250を介してLED照明装置60に供給し、LED照明装置60を所定の照明態様で発光駆動するようになっている。また、給電制御装置230は、LED照明装置60の所定の照明態様として、任意の複数の照明態様を実現すべく、当該複数の照明態様の各々に対応する設定済み直流電力を得るための給電用パラメータを個別に設定し保存する。例えば、給電制御装置60は、LED照明装置60のON/OFFの切替動作及び調光(ディミング)動作のほか、一つの給電側装置220に接続する所定数のLED照明装置60を複数のグループに分割(グループ分け)して各グループのLED照明装置60を所定の照明態様で発光駆動するグルーピング照明動作等の任意の照明態様を実現すべく、これらの照明態様の各々に対応する設定済み直流電力を得るための給電用パラメータを個別に設定し保存する。以下、特有の構成の詳細について説明する。
【0066】
<給電側装置>
給電側装置220は、図12に示すように、実施の形態の給電側装置30と同様の構成を有し、給電制御装置230を内蔵している。また、給電側装置220は、実施の形態1の給電装置30と同様、給電線15を介して給電装置10に接続されている。一方、実施の形態4では、図11に示すように、一つのイーサネットスイッチ20の出口ポートの一つを、1本のLANケーブル25を介して、一つの給電側装置220のイーサネットスイッチ用のLANポート(以下、「ESポート」と称する。)に接続している。また、実施の形態4では、当該一つの給電側装置220を受電側装置250の数と同一数のLANケーブル35を介して所定数の受電側装置250に接続している。更に、一つの給電側装置30には、複数のLANポートが設けられている。例えば、図11等に図示の例では、給電側装置220には、合計12個のLED照明装置へのLANケーブル接続用のLANポート(以下、便宜上、「LEDポート」と称する。)と、1個のイーサネットスイッチ20のLANケーブル接続用のLANポート(以下、便宜上、「ESポート」と称する。)と、2個の(詳細は後述する)壁面スイッチSW(図示の例ではSW1,SW2)のLANケーブル接続用のLANポート(以下、便宜上、「SWポート」と称する。)からなる合計15個のLANポートが設けられている。各受電側装置250には、(正極及び負極用の)2本の給電線65を介して各1本のLED照明装置60が接続される。このようにして、一つのイーサネットスイッチ20を1本のLANケーブル25により接続した一つの給電側装置230に、所定数のLANケーブル35(通常は、LED照明出力用LANポートと同一数で、最大限、LANポートの数と同一数のLANケーブル)が接続され、当該LANケーブル35を介して、対応する所定数の受電側装置250が給電側装置220に接続されて、一つの給電側装置230により、当該所定数の受電側装置250を介して各LED照明装置60への給電が行われる。
【0067】
ここで、給電側装置220のLEDポートは、給電制御装置220の直流電力をLED照明装置60に出力するものであり、通常のLANポートの一つであるが、本発明の説明では、前記給電制御装置230の所定の制御回路の制御を受けて(当該制御回路に接続した)LED照明用電源からの設定済みの直流電力をLED照明装置60に出力するという意味で、「LEDポート」と称している。また、給電側装置220のESポートは、イーサネット20の出力信号を入力するものであり、通常のLANポートの一つであるが、本発明の説明では、給電側装置220に端末制御装置70の制御信号を中継するイーサネットスイッチ20を接続し、その制御信号を給電制御装置230の(後に詳述する)所定の制御基板の対応する(端末制御装置70からの制御信号処理用の)制御回路に供給するという意味で、「ESポート」と称している。同様に、給電側装置220のSWポートは、壁面スイッチSW1の制御信号を入力するものであり、通常のLANポートの一つであるが、本発明の説明では、壁面スイッチSWの制御信号を前記給電制御装置230の所定の制御基板の対応する(壁面スイッチSWからの制御信号処理用の)制御回路に供給するという意味で、「SWポート」と称している。なお、給電側装置220の複数個のSWポートには、通常は、1個の壁面スイッチSWを一つ給電側装置220に接続するが、図11に示すように、当該複数個までの(SWポートが2個の場合は2個の)壁面スイッチSW1,SW2を同数の(SWポートが2個の場合は2本の)LANケーブルを介して接続する(即ち、増設する)こともできる。この場合、壁面スイッチSWが有するボタンの数が、壁面スイッチの接続数の増加分だけ増加することになり、1台の給電側装置220により制御できるLED照明装置の本数又はつい数をその分だけ増加して、照明スペースの増大や(特にグループ分けを多様化する等による)照明態様の多様化に対応することができる。
【0068】
図12に示すように、イーサネットスイッチ20のLANケーブル25と給電側装置220との接続形態、及び、給電側装置220の各LANケーブル35と各受電側装置250との接続形態は、実施の形態1と同様である。また、実施の形態1と同様、LED照明装置60は、所定数を一単位としてユニット化され、一つの給電側装置220に当該所定数と同一数のLANケーブル35と、当該所定数と同一数の受電側240を介して接続されている。例えば、図示の例では、12本のLED照明装置60を一単位としてユニット化し、12個の受電側装置250及び12本のLANケーブル35を介して、1つの給電側装置220に接続している。
【0069】
<給電制御装置>
給電制御装置230は、給電側装置220の出口ポートに装着したLANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、受電側装置250に対して、前記所定の設定済み直流電力を供給するための制御動作を実行する。詳細には、実施の形態4では、給電制御装置230は、LANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を、それぞれ、電力を供給する給電対として使用するが、実施の形態1の給電制御装置31について述べたような変形構成(IEEE802.3af又はIEEE802.3at規格のPSEの制御部分と同様の構成)を備えるものではなく、給電制御装置230により、受電側装置250の検出のための制御、(任意の構成であるが)検出した受電側装置250の種類の識別(定格判別)のための制御、検出後にのみ受電側装置250への正式な給電を開始するための制御、受電側装置250への給電遮断の制御等、各種の制御のための構成を採用していない。
【0070】
詳細には、給電制御装置230は、まず、図13に示すように、実施の形態1の給電制御装置231と同様に、中央処理装置(CPU)等からなる主制御部231、ROMやRAM等のメモリーからなる設定記憶部232、MOSFET等からなる電圧制御部233、電圧検出用抵抗等からなる電圧検出部234、電流検出用抵抗等からなる電流検出部235を備えている。これに加え、給電制御装置230は、実施の形態1の受電制御装置50側で実行していた制御のための電気・電子素子を含む制御回路の構成と同様の構成を備えている。具体的には、給電制御装置230は、ON/OFF部236、調光部237、及び照明態様制御部238、定電流制御部239を備えている。また、給電制御装置230には、LED照明装置60への直流電力を供給するためのLED電源装置241が接続されている。LED電源装置241は、給電制御装置230を介して、使用するLED照明装置60の定格に応じた所定電圧値及び所定電流値の直流電力を給電するものであり、典型的には、給電制御装置230の制御により、48Vの定電圧値の直流電力を(LED照明装置の照明態様に応じた定電流値で、受電側装置250を経てLED照明装置60に供給するものである。そして、実施の形態4では、給電制御装置230とLED電源装置241との間でのクローズドループ制御(閉ループ制御)により、給電制御装置230を介して、LED電源装置241が、前記設定済みの直流電力を、受電側装置250を経てLED照明装置60に供給するようになっている。なお、給電制御装置230には、給電制御装置230自体(即ち、給電制御装置230の制御基板や電気・電子素子を含む制御回路等)への作動電力供給用の基板電源装置242も接続されている。なお、基板電源装置242は、典型的には、12Vの定電圧値の直流電力を給電制御装置230に供給するものである。
【0071】
<主制御部>
より詳細には、主制御部231は、イーサネットスイッチ20の制御部であるイーサネットコントローラ21に対して、前記LANケーブル35の信号対である撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して接続されている。本実施の形態のLED照明装置の照明制御システムを使用したLED照明装置の照明制御動作時において、主制御部231は、端末制御装置70からイーサネットコントローラ21を介して給電側装置220のESポートに入力される制御信号、又は、壁面スイッチSWから給電側装置220のSWポートに入力される制御信号に基づいて、1ユニットのLED照明装置60の全体又は特定のグループのLED照明装置の全体をオン・オフするためのON/OFF部237に対するオン/オフ指令、1ユニットのLED照明装置60の全体又は特定のグループのLED照明装置の全体を調光するための調光部238に対する所定の調光制御指令、1ユニットのLED照明装置60の全体又は特定のグループのLED照明装置の全体を所定の照明態様で発光駆動するための照明態様制御部238に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力する。また、電圧制御部233による電圧制御動作、及び、定電流制御部239による定電流制御動作は、ON/OFF部236によるスイッチオン動作があって、初めて開始及び実行される。したがって、主制御部231の制御に従って、ON/OFF部236によるスイッチオン動作があって、初めて、LED電源装置241からの直流電力が、前記電圧制御部233により所定の定電圧値に維持されると共に、定電流制御部239により(LED照明装置60の所定の照明態様を得るための)所定の定電流値を維持し、或いは、所定の電流変化状態を継続するように制御された状態で、LANケーブル35を介してLED照明装置60に供給される。一方、ON/OFF部236によるスイッチオフ動作があると、定電流制御部239から、LANケーブル35を介した受電側装置250への給電動作(そして、給電線65を介したLED照明装置60への給電動作)は停止(遮断)される。
【0072】
<設定記憶部>
給電制御装置230は、LED照明装置60を一つの給電装置230に接続する全数からなる1ユニット単位で所定の照明態様となるよう発光駆動するよう(又は、後述するように、1ユニットを複数グループにグループ分けしてグループごとに異なる所定の照明態様で発光駆動するよう)、LED電源装置241の直流電力を所定電圧値及び所定電流値の設定済み直流電力へと変換し、その変換後の設定済み直流電力を受電側装置250を介してLED照明装置60に供給するが、その前処理として、給電制御装置230は、各種の照明態様を得るために必要な設定済み直流電力を生成するためのパラメータ値やプログラム(ファームウエア)を、それぞれ、各照明態様に関連付けて設定記憶部230の所定の記憶領域(所定アドレス)に記憶して保存しておく。この設定記憶処理は、例えば、LED照明装置60の通常動作時の給電モード(基本動作モード)用の基本動作用パラメータ値を設定する基本動作用設定記憶処理と、LED照明装置60の調光動作時や点滅動作時やグルーピング照明動作時等、特定の照明態様を得るための給電モード(照明制御モード)用の照明制御用パラメータ値を設定する照明制御用設定記憶処理とから構成することができる。この場合、例えば、基本動作モードは、給電制御装置220からLED照明装置60に対して、LED照明装置60の通常動作時の直流電力を供給するモードとし、基本動作用設定記憶処理は、LED照明装置60(直管型LEDランプ等)の定格(定格電圧、定格電流等)に応じて設定された直流電力のパラメータ値(電圧値及び電流値等)を、当該基本動作用パラメータ値として設定して記憶する処理とすることができる。また、照明制御用モードは、給電制御装置220からLED照明装置60に対して、LED照明装置60の特定の照明態様を得るための照明制御時の直流電力を供給するモードとし、照明動作用設定記憶処理は、所望の照明態様ごとに(即ち、長孔用、点滅用、グルーピング照明用等の各々の照明態様について)、前記基本動作用パラメータ値に基づく直流電力(基本動作電力)を使用して、各照明態様を得るためのプログラムを設定し、ファームウエアとして記憶する処理とすることができる。なお、この照明動作用設定記憶処理については、後に詳述する。
【0073】
<電圧制御部>
また、主制御部231による受電側装置250への設定済みの直流電力は、その定電圧値として、LED照明装置60の種類や定格に応じた最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値となるよう、主制御部231に指令に従って電圧制御部233により制御される。例えば、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値は、典型的には、43V〜48Vの範囲内であるため、この場合、主制御部231は、電圧制御部233を使用して、LED電源装置241の電源電圧(48V)を、そのままLED照明装置60への給電用の設定電圧値として維持する制御を行うと共に、受電側装置250への実際の供給電圧値を検出する電圧検出部234の検出値(出力値)を使用した帰還制御(フィードバック制御)により、受電側装置250に供給する直流電力の電圧値が前記設定電圧値を維持するように制御を行う。
【0074】
<照明制御部>
前記ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238は、本実施の形態の照明制御部を構成し、このうち、ON/OFF部236は、主制御部231の指令を受けて、給電制御装置230からのLED照明装置60への給電を、選択的にオン(接続)又はオフ(遮断)するものであり、例えば、(トランジスタ等を利用した)スイッチング回路から構成される。また、調光部236は、主制御部231の指令を受けて、LED照明装置60の調光制御を行うものであり、例えば、振幅制御回路又はパルス幅制御回路等により構成される。また、照明態様制御部237は、主制御部231の指令を受けて、LED照明装置60を各種の照明態様で発光するよう制御するものである。照明態様制御部237による照明態様としては、実施の形態1で述べたものと同様のものを採用することができる。
【0075】
<定電流制御部>
定電流制御部239は、電圧制御部233により一定の設定電圧値に維持した直流電流を、LED照明装置60の最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作、或いは、前記調光部54や照明態様制御部55による所定の照明態様での点灯動作)に要求される所定電流値の定電流となるよう制御するものであり、定電流制御用のレギュレーターや定電流制御用のDC/DCコンバータ等により構成される。この場合、主制御部231は、定電流制御部239を使用して、LED電源装置241の電源電流を、LED照明装置60への給電用の設定電流値に変換して維持する制御を行うと共に、受電側装置250への実際の供給電流値を検出する電流検出部235の検出値(出力値)を使用した帰還制御(フィードバック制御)により、受電側装置250に供給する直流電力の電流値が前記設定電流値を維持するように制御を行う。なお、例えば、調光動作の場合は、定電流制御部239による電流値は、調光部237による調光操作の途中過程では当然に増減変化するが、一定の調光状態を得た後は、その調光状態に応じた定電流となる。
【0076】
ここで、給電制御装置230による設定済みの直流電力は、例えば、LED照明装置60として定格消費電力が20WのLED照明装置60を1本だけ給電側装置240に接続する構成を採用する場合、電圧値を48V、電流値を約420mAに設定することができる(この場合、電力値は約20Wとなる)。いずれの場合も、給電側装置220の給電制御装置230から受電側装置250に供給する直流電力は、電圧値を48Vの定電圧値とし、電流値をLED照明装置60の照明態様に応じた定電流値(最大で定格電流値)とする。よって、LED照明装置60として定格消費電力が20WのLED照明装置60を2本を一対として給電側装置240に接続する構成を採用する場合、電圧値を48V、電流値を約840mAに設定することができる(この場合、電力値は約20W×2=約40Wとなる)。したがって、実施の形態4でも、実施の形態1と同様、大容量の電流伝送に耐えうるよう、給電側装置220から受電側装置250への給電を行うLANケーブル35として、CAT6のLANケーブル35を使用している。
【0077】
なお、実施の形態1でも述べたように、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電流値は、典型的には、420mA〜840mAの範囲内であるため、この場合、定電流制御部239は、電圧制御部233により一定の設定電圧値に維持した直流電流を、当該範囲内の所定の電流値(例えば、420mA)の定電流となるよう制御する。したがって、この場合、給電側装置220からLED照明装置60に出力される直流電力の電力値は、例えば、43V×0.42A=約18Wとなる。
【0078】
<設定済み直流電力給電装置>
給電制御装置230は、マイコン制御装置等と同様のコンピュータ装置のハードウエア資源(CPU、メモリ、I/O等)を利用すると共に、所定の組込制御プログラム(ファームウエア)からなるソフトウエア資源を利用して、上記の所定の各機能を実現するようになっている。なお、給電制御装置230は、電源を投入した状態でのLANケーブル25,35の脱着を可能にするホットスワップ(活線挿抜)部を備えてもよい。また、上記イーサネットスイッチ20及び給電側装置220の組合せは、実施の形態4の設定済み直流電力給電装置を構成する。ここで、実施の形態1では、給電装置10から給電側装置30に供給される直流電力は、電圧値が24V、電流値が1.6Aに設定されている(電力値は38W)が、実施の形態4では、給電装置10から給電側装置220に供給される直流電力は、24Vの電圧値とする以外に48Vの電圧値とすることもできる。また、給電側装置220は、給電装置10からの直流給電以外に、商用交流電力を入力し、その交流電力を前記所定の設定済みの直流電力に変換して受電側装置250に供給する構成とすることもでき、この場合、通常の家屋等、電源として商用交流電力の使用が容易である設置対象の建造物乃至構築物において、給電側装置220への電源の供給を容易にすることができる。
【0079】
<受電側装置250>
実施の形態1の受電側装置40は、内部に受電制御装置50を備え、給電制御装置31からの制御信号を受けて所定の制御動作を実行するものであるが、実施の形態4の受電側装置250は、図12に示すように、単に、LANケーブル35を接続するLANポート251と、給電線65を接続する給電ポート252と、LANポート251及び給電ポート252間を電気的に接続する導線CLとを備える単純な構成である。即ち、実施の形態4では、給電側装置220から受電側装置250へは、単に、所定の制御済みの直流電力が供給されるだけであり(その構成は後に詳述する)、実施の形態1のように制御信号の授受が行われることはないため、電側装置240は、内部に受電制御装置と同様の構成を備える必要がなく、その分、構成をコンパクトかつ安価なものとすることができる。したがって、給電側装置220からの給電をLANケーブル35の予備対C4,C5及び予備対C7,C8を利用して行う場合、図12に示す受電側装置250内部の信号対C1,C2及び信号対C3,C6のための構成(特に、パルストランス等の制御信号授受のための構成)を省略することもできる。なお、給電側装置220からの給電をLANケーブル35の信号対C1,C2及び信号対C3,C6を利用して行う(即ち、ファントム給電することも)当然可能であり、この場合は、受電側装置250内部の信号対C1,C2及び信号対C3,C6をLANケーブル35の信号対C1,C2及び信号対C3,C6と電気的に接続するための構成は必要となる。
【0080】
また、受電側装置250は、給電側装置220の出口ポートに挿着したLANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、給電制御装置230によって制御された設定済みの直流電力の供給を受ける。具体的には、実施の形態1と同様、LANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8が、当該LANケーブル35のRJ−45コネクタの対応するピンを介して、受電側装置250のLANポート251に接続され、(前記給電制御装置230からの)当該撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介した設定済みの直流電力が、受電側装置250に入力されて給電が行われる。受電側装置250は、給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8からの直流電力を、給電線65を介してLED照明装置60に供給し、これにより、設定済みの直流電力に応じた制御態様で、LED照明装置60の照明制御が実行される。
【0081】
<第1の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態4のLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図11に示すように、前記イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを別個に配設する構成を採用しているが、実施の形態1の第1の変更例と同様、信号・電力送受装置としては、これに代えて、図14に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを(図14中に二点鎖線で示す)筺体80内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第1の変更例に係る信号・電力送受装置は、給電側装置220の構成が給電側装置30と異なる点と、上記のとおりイーサネットスイッチ20が1本のLANケーブル25で給電側装置220に接続される点を除き、実施の形態1の第1の変更例の構成(図3の構成)と同様である。
【0082】
<第2の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態4のLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1の第2の変更例と同様、前記信号・電力送受装置に代えて、図15に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを筺体内部に一体的に配設した一体構成の信号・電力送受装置290を採用してもよい。この場合、第2の変更例に係る信号・電力送受装置290は、給電側装置220の構成が給電側装置30と異なる点を除き、実施の形態1の第2の変更例の構成(図4の構成)と同様である。
【0083】
<第3の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1の第3の変更例と同様、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図11に示す(又は図12に示す)信号・電力送受装置に代えて、図16に示すように、給電装置10Aとイーサネットスイッチ20と給電側装置220とを(図16中に二点鎖線で示す)筺体100内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第3の変更例に係る信号・電力送受装置300は、給電側装置220の構成が給電側装置30と異なる点と、上記のとおりイーサネットスイッチ20が1本のLANケーブル25で給電側装置220に接続される点を除き、実施の形態1の第3の変更例の構成(図6の構成)と同様である。
【0084】
実施の形態5
図17に示すように、実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、受電側装置350が2本のLED照明装置60(2本で一対のLED照明装置対60P)を電気的に並列に接続した点において、実施の形態4と異なる。なお、この図17の例は、図7に示す実施の形態2に対応するものであり、信号・電力送受装置は、図11の例の信号・電力送受装置と同様、イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを別個に配設する構成であるが、これを、図14に示す第1の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたり、図15に示す第2の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたりすることもできる。即ち、実施の形態5の信号・電力送受装置は、実施の形態4の信号・電力送受装置(第1〜第3の変更例も含む)と同様の構成である。
【0085】
実施の形態5の受電側装置350について、(信号・電力送受装置として図15に示す第2の変更例を使用した)図18、及び、(信号・電力送受装置として図13の実施の形態4の構成を使用した)図19を参照して説明すると、まず、図18に示すように、受電側装置350は、実施の形態4の受電側装置250と同様、単に、LANケーブル35を接続するLANポート251と、給電線65を接続する給電ポート352と、LANポート251及び給電ポート352間を電気的に接続する導線CLとを備える単純な構成であり、LANポート251に接続したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの直流電力を、給電ポート352から2本を一対としたLED照明装置60の対(LED照明装置対60P)に中継して供給するようになっている。即ち、受電側装置350は、給電ポート352に2対(4個の)接続口を設けて2対(4本)の給電線65を接続するようになっており、かかる2対の給電線65介して、2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続し、2本のLED照明装置60に直流電力を供給する。なお、図19に示すように、受電側装置350は、1本のLANケーブル35を介して給電側装置220に接続されており、照明制御の構成及び方法は、実施の形態4の場合と同様である。
【0086】
実施の形態6
図20に示すように、実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、給電側装置360及び受電側装置370の構成において、実施の形態4と異なる。詳細には、実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムに対応するものであり、給電側装置360は、内部の給電制御装置230が実施の形態3の給電制御装置31と異なる点を除いて、実施の形態3の給電側装置160と同様の構成である。また、受電側装置370は、実施の形態4の受電側装置250と同様の構成である。そして、実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムと同様、給電制御装置230からの直流電力を、予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8ではなく、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して伝送すべく、いわゆるファントム給電技術を利用している。
【0087】
実施の形態7
図21に示すように、実施の形態7に係るLED照明装置の照明制御システムは、直流電力供給装置410からの直流電力を、給電側装置430に供給する構成である。図21中、直流電力供給装置410は実施の形態4のLED電源装置241と同様の構成であり、壁面スイッチ420は前記壁面スイッチSWと同様の構成であり、給電側装置430は、実施の形態4(又はその変更例)の給電制御装置220と同様の構成であり、イーサネットスイッチ440は前記イーサネットスイッチ20と同様の構成である。そして、実施の形態7では、端末制御装置70からイーサネットスイッチ440を介した指令に応じて、又は、壁面スイッチ420からの指令に応じて、給電側装置430が、所定の直流電力を受電側装置350を介して、所定数のLED照明装置対60PからなるLED照明ユニットLUに供給するようになっている。なお、実施の形態7では、端末制御装置70(通常はPC)の代わりに、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末装置70Sからの指令に基づいても、給電側装置430が、所定の直流電力を受電側装置350を介して、所定数のLED照明装置対60PからなるLED照明ユニットLUに供給するようになっている。
【0088】
実施の形態8
図22に示すように、実施の形態8に係るLED照明装置の照明制御システムは、太陽光パネル12からの直流電力を、パワーコンディショナー510を介して給電側装置430に供給する構成とした点、及び、給電側装置430をカスケード接続した点を除き、実施の形態7に係るLED照明装置の照明制御システムと同様の構成である。
【0089】
実施の形態9
次に、上記実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムで使用可能な設定済み直流電力給電装置430及び受電側装置350の具体的構成について、実施の形態9として、図23及び図24を参照して説明する。まず、図23に示すように、設定済み直流電力給電装置430は、実施の形態7及び実施の形態8の給電側装置430に対応するものであるが、実施の形態7及び実施の形態8の給電側装置430が、外部の直流電源(直流電力供給装置410からなる直流電源又は太陽光パネル12及びパワーコンディショナー510からなる直流電源)を使用するのに対し、実施の形態9の設定済み直流電力給電装置430は、外部直流電源に対応する直流電源を内蔵する構成である。詳細には、設定済み直流電力給電装置430は、筺体431の内部に、実施の形態4で述べたLED電源装置241に対応する(2個の)LED電源装置433A,433Bを内蔵すると共に、実施の形態4で述べた基板電源装置242に対応する(2個の)基板電源装置434A,434Bを内蔵するものである。また、設定済み直流電力給電装置430は、筺体431の一側面に、(商用交流電源等の)AC電源を接続するAC接続端子432を備え、AC電源の交流電力を、ケーブル配線CWを介してLED電源装置433A,433B及び基板電源装置434A,434Bに供給し、LED電源装置433A,433Bで所定電圧(典型的には48V)の直流電力に変換すると共に、基板電源装置434A,434Bで所定電圧(典型的には12V)の直流電力に変換するようになっている。
【0090】
[給電制御ユニット]
更に、設定済み直流電力給電装置430は、前記給電制御装置230に対応する給電制御ユニット440を筺体441の内部に実装している。給電制御ユニット440は、基板441の上に、電源接続ポート442、合計4個の中央処理装置(CPU)443A,443B,443C,443D、ROMやRAM等のメモリーやコンデンサー等からなる所定の電気・電子部品444(図23では1個のみ図示しているが、実際は制御回路の設計に応じた必要種類及び必要数が設けられる)、合計6枚(3枚を組みとする一対で6枚)の電力制御基板(ドライバー基板)445A,445B、LED照明装置60への給電用のLANケーブル35接続用の2個(一対)のLAN接続部446A,446B、壁面スイッチSWからのLANケーブル接続用の1個のLAN接続部447、及び、端末制御装置70からの制御信号を中継するイーサネットスイッチ20からのLANケーブル25接続用の1個のLAN接続部448を前記基板441に実装している。
【0091】
<電源接続ポート>
詳細には、電源接続ポート442は、基板電源装置434A,434Bからの所定電圧値の直流電力を、基板41上の電力消費部品としての各種電子部品(中央処理装置443A〜443D、電力制御基板445A,445B等)に対して、動作用の電力として供給するものである。また、電源接続ポート442は、LED電源装置433A,433Bからの所定電圧の直流電力を、前記給電制御部230に相当する給電制御部を構成する基板441上の各種電子部品(中央処理装置443A〜443D、電力制御基板445A,445B等)に供給するものでもある。
【0092】
<中央処理装置(主制御部)>
合計4個の中央処理装置(CPU)443A,443B,443C,443Dは、それぞれ、前記給電制御装置230の主制御部231に相当する主制御部を構成するものであるが、実施の形態9では、使用目的に応じて、4個の(4種類の)中央処理装置を設け、4個の主制御部により、使用目的に応じた最適な制御動作を確保するようになっている。具体的には、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、第1の中央処理装置443Aは、端末制御装置70,70Sからの指令に応じた制御処理を実行するためのものである。即ち、上記実施の形態1〜8のLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置70,70Sに実装したウエブブラウザ機能等を利用して、所定の通信プロトコル(典型的には、http)による所定コマンド(getコマンド等)を、給電側装置30,220の給電制御装置31,230に出力し、そのコマンドに応じた制御処理を給電制御装置31,230が(主制御部231等を使用して)実行するようになっている。したがって、第1の中央処理装置443Aは、かかる端末制御装置70,70Sからの指令に応じた制御動作を実行する専用の中央処理装置(以下、便宜上、「WEB処理用中央処理装置」と称する。)として実装されている。
【0093】
また、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、第2の中央処理装置443Bは、複数台(多数台)の給電側装置430はカスケード接続する場合の制御処理を実行するためのものである。即ち、実施の形態8で述べたように、給電側装置430はカスケード接続により複数台(多数台)を接続することもできる。したがって、第2の中央処理装置443Bは、カスケード接続する給電側装置430(実施の形態9の場合は設定済み直流電力給電装置430)の台数等の条件に応じて、カスケード接続した給電側装置430又は設定済み直流電力給電装置430が、所定の動作を最適な動作態様で実行できるような制御を実行する。また、第2の中央処理装置443Bは、カスケード接続した給電側装置430又は設定済み直流電力給電装置430が接続順序の何番目に位置するか等も判断し、接続順序に応じた給電制御動作を実行することができる。例えば、第2の中央処理装置443Bは、ある接続順番に位置する給電側装置230に接続されたLED照明装置60を、そのLED照明装置60に特有の照明態様(他の給電側装置230に接続されたLED照明装置60の照明態様とは異なる照明態様)で発光駆動するよう給電制御することもできる。即ち、中央処理装置443Bは、カスケード接続の場合の制御処理に特化したものであり、かかるカスケード接続制御動作を実行する専用の中央処理装置(以下、便宜上、「カスケード接続処理用中央処理装置」と称する。)として実装されている。
【0094】
また、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、第3の中央処理装置443C及び第4の中央処理装置443Dは、これら2個を一対として、LED照明装置60への給電制御用の制御処理を実行するためのものである。即ち、これら2個の中央処理装置は、特に、上記した給電制御装置230の主制御部231等による、LED照明装置60への設定済み直流電力を得るための制御処理に特化したものであり、かかる給電制御動作を実行する専用の中央処理装置(以下、便宜上、「LED給電処理用中央処理装置」と称する。)として実装されている。具体的には、一方のLED給電処理用中央処理装置443Cは、12個のLED照明装置のうちの半分の6個のLED照明装置60への給電制御を担当するものとし、他方のLED給電処理用中央処理装置443Cは、12個のLED照明装置のうちの残りの半分の6個のLED照明装置60への給電制御を担当するものとして使用する。このように、1ユニットのLED照明装置60への給電のための制御処理を2個の専用の中央処理装置443C,443Dによって分担して実行することにより、特に、給電制御対象及び照明動作制御対象となるLED照明装置60の数が多くなった場合でも、その制御処理の負荷を分散することができ、安定した給電制御動作及び照明制御動作を確保することができると共に、制御動作におけるレスポンスを向上することもできる。
【0095】
なお、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、3個の中央処理装置は基板441の表側に実装され、残りの1個の中央処理装置は基板441の裏側に実装されているが、これは、実装スペースの関係を考慮したものであり、表裏いずれに任意の数の中央処理装置を実装することができる(例えば、図示の例では、基板441の表側に第1〜第3の中央処理装置443A,443B,443Cを実装し、基板441の裏側に第4の中央処理装置443Dを実装しているが、本発明はこれに限定されるものではない)。
【0096】
<メモリー>
コンデンサー等の所定の電気・電子素子444のうち、特に、メモリーは、実施の形態4の給電制御装置230の設定記憶部232に相当する電子部品であり、前記WEB処理用中央処理装置443Aからなる主制御部の制御により、上記のような設定済み直流電力の各種パラメータ値やファームウエアとしての組み込みプログラムを格納するものである。
【0097】
<給電制御基板(ドライバー基板)>
合計6枚(3枚を組みとする一対で6枚)の給電制御基板(ドライバー基板)445A,445Bは、WEB処理用中央処理装置443Aからなる主制御部の制御により、メモリーからなる設定記憶部に格納した給電制御情報を利用して、LED電源装置433A,433Bからの直流電力を所定の照明態様を得るための所定の設定済み直流電力へと変換し、当該設定済み直流電力をLAN接続部446A,446Bから安定してLED照明装置60に供給するものである。ここで、前記2個のLAN接続部446A及びLAN接続部446Bは、それぞれ、合計6個のLANポートLPを有しており、LAN接続部446Aに3枚の給電制御基板445Aの組が割り当てられると共に、LAN接続部446Bに3枚の給電制御基板445Bの組が割り当てられている。そして、3枚の給電制御基板445Aの各1枚の出力端子(2個)が、LAN接続部446Aの6個のLANポートのうちの2個のLANポートに接続されて、各1枚の給電制御基板445Aが、前記設定済みの直流電力を対応するLAN接続部446Aの2個のLANポートLPに出力するようになっている。同様に、3枚の給電制御基板445Bの各1枚の出力端子(2個)が、LAN接続部446Bの6個のLANポートのうちの2個のLANポートに接続されて、各1枚の給電制御基板445Bが、前記設定済みの直流電力を対応するLAN接続部446Bの2個のLANポートLPに出力するようになっている。更に、各給電制御基板445A,445Bは、LAN接続部446A,446Bの各LANポートLPに異なる電圧値及び/又は電流値の直流電力を供給することができるよう設計されている。こうすると、例えば、上記のように、端末制御装置70の指令によって、1ユニットの(図示の例では12本の)LED照明装置60を複数グループにグルーピングして給電制御装置230の設定記憶部232に設定記憶しておくことで、端末制御部70又は壁面スイッチSWからの特定グループのLED照明装置(例えば、6本1組のグループ)を点灯する指令を受けて、主制御部231の制御によって、当該特定グループのLED照明装置60を特定の照明態様で発光駆動することができる。極端な場合、給電制御基板445A,445Bにより、LAN接続部446A,446Bの12個のLANポートLPにそれぞれ異なる電圧値及び/又は電流値の直流電力を供給することで、12個のLED照明装置60をそれぞれ異なる特定の照明態様で発光駆動することができる。
【0098】
なお、給電制御基板445A,445Bは、前記給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232以外の構成、即ち、主制御部231の制御により給電制御としての電圧制御や電流制御や照明態様制御を行うための要素である電圧制御部233、電圧検出部234、電流検出部235、ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238、定電流制御部239に相当する構成部材とみなすこともできる。また、給電制御基板445A,445Bは、図示の例では合計6枚が基板441に実装されて、合計12個LANポートLPに給電出力するようになっているが、その枚数を(3枚、4枚等、6枚より少ない数としたり、8枚、10枚、12枚等、6枚より多い数としたり)適宜増減変更することもできる。なお、給電制御基板445A,445Bの枚数は、筺体431へのLED電源装置433A,433Bの格納スペースの関係で、6枚〜8枚以下(多くても10枚以下)とすることが好ましく、給電制御基板445A,445Bの枚数を例えば12枚以上の多数とする場合は、LED電源装置433A,433Bを筺体431の外部に実装し、外部から給電する構成とすることが好ましい。
【0099】
<LANポート>
LED照明装置60への給電用のLANケーブル35接続用の2個(一対)のLAN接続部446A,446Bは、上記のとおり、給電制御基板445A,445Bからの設定済み直流電力をLANケーブル35を介して受電側装置350に供給するためのものである。また、壁面スイッチSWからのLANケーブル接続用の1個のLAN接続部447は、2本のLANケーブルを接続できるよう2個のLANポートLPを備え、最大で2個の壁面スイッチSWからの制御信号を入力して、その制御信号を基板441上の中央処理装置443A〜443D等に伝送するようになっている。また、端末制御装置70からの制御信号を中継するイーサネットスイッチ20からのLANケーブル25接続用の1個のLAN接続部448は、1本のLANケーブルを接続できるよう1個のLANポートLPを備え、端末制御装置70,70Sからの制御信号を入力して、その制御信号を基板441上の中央処理装置443A〜443D等に伝送するようになっている。
【0100】
[受電側装置]
実施の形態9の受電側装置350は、図24に示すように、実施の形態5の受電側装置350と同様の構成であり、基板351の一端(図示の例では長さ方向一端)に、LANケーブル35を接続するLANポート部353を固定すると共に、基板352の他端に給電線65を接続する給電ポート部354,355を固定している。なお、図24に仮想線で示すように、基板351にカバー352を取り付けてLANポート部353や給電ポート部354を保護してもよい。LANポート部353は、1口のLANポート353aを有し、1本のLANケーブルを接続自在である。また、給電ポート部354,355は、2枚の矩形板状又は矩形ブロック状の基部354を重ねて接合すると共に、上側の基部354の上面の外端部に、小片矩形平板状の4個の支持部355を固定している。また、上側の基部354には、一定間隔をおいて、合計で4個の給電ポート354aが形成されている。なお、4個の支持部355は、それぞれ厚み方向の中央に、支持部355の一側面に開口するスリットを形成したものであり、それぞれのスリットを、基部354の4個の給電ポート354aの位置と整合させて配置している。そして、給電ポート部354,355は、4本の給電線65の接続端子を、それぞれ、基部354の4個の給電ポート354aに挿着して電気的に接続すると共に、4本の給電線65の接続端子部分をそれぞれ4個の支持部355のスリットにより係止して抜け止め等するようになっている。なお、LANポート部353のLANポート353aと給電ポート部354,355の給電ポート354aとは、それぞれ、基板351に設けたプリント配線又は導線CLにより電気的に接続されている。これにより、受電側装置350は、上記のとおりの簡単な構成として、LANポート353aに接続したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの直流電力を、給電ポート354aから2本を一対としたLED照明装置60の対(LED照明装置対60P)に中継して供給するようになっている。即ち、受電側装置350は、給電ポート部354に2対(4個の)接続口としての給電ポート354aを設けて2対(4本)の給電線65を接続するようになっており、かかる2対の給電線65を介して、2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続し、2本のLED照明装置60に直流電力を供給するようになっている。なお、受電側装置350は、基板351に逆流防止用のダイオードを実装することもできる。このように、受電側装置350は、上記のとおりの簡単な構成なので、安価に製造することができる。特に、LED照明装置60の数(本数又はつい数)と同数の多数を必要とする受電側装置350を安価な構成とすることにより、本発明のLED照明装置の照明制御システム全体のコストを大幅に低減することができる。
【0101】
実施の形態10
次に、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムについて図25を参照して説明する。実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムに適用可能な具体的な給電制御機能の一例を実現するものである。
【0102】
<WEB画面>
詳細には、図25に示すように、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70,70Sの所定の指令を給電制御装置230に設定するためのユーザーインタフェースとしてのWEB画面520を、当該端末制御装置70,70Sのディスプレイに、ウエブブラウザ機能を利用して表示するものである。このWEB画面520は、給電制御装置230への指令出力のためのコマンドとして、全体ON/OFFコマンドC1、全体調光コマンドC2、点灯状況確認コマンドC3、グルーピングコマンドC4、グループ毎ON/OFFコマンドC5、及び、グループ毎調光コマンドC6の各コマンド処理機能を実現する機能実現手段を備えている。全体ON/OFFコマンドC1は、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンドであり、全体調光コマンドC2は、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60を調光するためのコマンドであり、点灯状況確認コマンドC3は、給電制御装置230に接続したLED照明装置60の個別の点灯状況を確認するためのコマンドであり、グルーピングコマンドC4は、給電制御装置230に接続した1ユニットのLED照明装置60を所定数のグループにグループ分けするためのコマンドであり、グループ毎ON/OFFコマンドC5は、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンドであり、グループ毎調光コマンドC6は、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60を調光するためのコマンドである。
【0103】
<壁面スイッチ>
また、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムでは、壁面スイッチSWが、端末制御装置70,70Sから給電制御装置230に設定した所定の照明態様乃至照明モードでLED照明装置60を発光駆動するための制御信号を、LANケーブルを介して給電制御装置230に出力する機能を実現する機能実現手段を備えている。詳細には、壁面スイッチSWは、WEB画面520の全体ON/OFFコマンドC1、全体調光コマンドC2、グループ毎ON/OFFコマンドC5及びグループ毎調光コマンドC6と同様のコマンドを給電側装置230に出力するためのコマンド出力機能を実現する機能実現手段を備えている。具体的には、壁面スイッチSWは、所定の制御基板に所定の複数(例えば、4個)のボタンを実装すると共に、各ボタンをオンすることにより、制御基板の制御により、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンド、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60を調光するためのコマンド、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンド、及び、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60を調光するためのコマンドの各機能を実現するようになっている。また、壁面スイッチSWは、前記WEB画面の点灯状況確認コマンドC3を受けて、壁面スイッチに割り当てたLED照明装置60の点灯状況を、確認表示用LEDランプや確認表示用ディスプレイ等の表示手段に表示するよう構成することもできる。
【0104】
<給電制御装置>
また、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムでは、給電制御装置230は、WEB画面520の全体ON/OFFコマンドC1、全体調光コマンドC2、点灯状況確認コマンドC3、グルーピングコマンドC4、グループ毎ON/OFFコマンドC5、グループ毎調光コマンドC6の各コマンドに対応する制御処理機能を実現する機能実現手段を備えている。詳細には、給電制御装置230は、全体ON/OFFコマンドC1に応答して、当該給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60をオン又はオフするための全体ON/OFF機能F1、全体調光コマンドC2に応答して、当該給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60を調光するための全体調光機能F2、当該給電制御装置230に接続したLED照明装置60の個別の点灯状況をモニターし、点灯状況確認コマンドC3に応答して、現在の点灯状況を確認して所定の表示手段に表示するための点灯状況モニター機能F3、グルーピングコマンドC4に応答して、当該給電制御装置230に接続した1ユニットのLED照明装置60を所定数のグループにグループ分けするためのグループ設定機能F4、グループ毎ON/OFFコマンドC5に応答して、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのグループ毎ON/OFF機能F5、及び、グループ毎調光コマンドC6に応答して、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60を調光するためのグループ毎調光機能F6の各機能を実現する機能実現手段を備えている。
【0105】
<グルーピング>
前記グルーピングコマンドC4による制御について更に説明すると、給電制御装置230は、所定数(所定本数又は所定対数)を一つの管理単位(1ユニット)としたLED照明装置60を、当該所定数のLED照明装置60の全数を一括して所定の照明態様で発光駆動するための制御を実行する以外に、グルーピングコマンドC4を受けて、当該所定数のLED照明装置60を複数のグループに分割し、各グループのLED照明装置60を別個の所定の照明態様で発光駆動する制御を実行することができる。例えば、このグルーピングでは、所定数のLED照明装置60を、半数ずつの第1グループ及び第2グループの2グループ、1/3の数ずつの第1グループ〜第3グループの3グループ、1/4の数ずつの第1グループ〜第4グループの4グループ等に分割し、あるグループのLED照明装置は第1の照明態様で発光駆動し、別のグループのLED照明装置は(第1の照明態様とは異なる)第2の照明態様で発光駆動する制御とすることもできる。この場合、給電制御装置230の制御は、LED照明装置60のグループ数と同一数の(異なる照明態様を得るための)別個の設定済み直流電力を、それぞれ、対応するグループのLED照明装置に供給する制御となる。或いは、給電制御装置230の制御は、所定数のLED照明装置60の各々を個別の照明態様で発光駆動する制御とすることもできる。この場合、給電制御装置230の制御は、LED照明装置60の数と同一数の(異なる照明態様を得るための)別個の設定済み直流電力を、それぞれ、対応する個々のLED照明装置に供給する制御となる。
【0106】
実施の形態11
次に、実施の形態11に係るLED照明装置の照明制御システムについて図26を参照して説明する。実施の形態11に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムにおいて、給電側装置を所定台数(n台)カスケード接続して、給電制御装置を所定台数(n台)カスケード接続し、当該所定台数の給電制御装置の各々により、対応する受電側装置を介して、接続対象のLED照明装置に対する給電制御を行う場合の一例を示すものである。なお、実施の形態11では、給電制御装置1〜nには、受電側装置1〜n(各受電側装置1〜nは、制御対象の所定数LED照明装置の数と同一数の受電側装置250,350からなる)を介して、所定数のLED照明装置60又はLED照明装置対60PからなるLED照明グループ1〜nが接続される例を示しているが、給電制御装置1には、受電側装置1を介して、所定数のLED照明装置60又はLED照明装置対60Pを2つのグループ(LED照明グループ1−1及びLED照明グループ1−2)にグループ分けした場合を示している。
【0107】
実施の形態12
次に、実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムについて図27を参照して説明する。実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムに適用可能な具体的な給電制御機能の一例を実現するものである。
【0108】
<WEB画面>
詳細には、図27に示すように、実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムでは、前記WEB画面520は、給電制御装置230への指令出力のためのコマンド及び当該WEB画面520への表示機能として、電力使用量確認コマンドC11、電力使用量表示機能C12、及び、タイマー設定機能C13の各コマンド処理機能又は表示処理機能を実現する機能実現手段を備えている。電力使用量確認コマンドC11は、給電制御装置230に接続したLED照明装置60の電力使用量を確認するためのコマンドであり、電力使用量表示機能C12は、電力使用量確認コマンドC11に応答して給電制御装置230が確認したLED照明装置60の電力使用量を、所定の表示画面に表示させるための機能であり、タイマー設定機能C13は、設定した時間(時刻)に上記のような調光機能及び/又はオン・オフ機能を実現するためのコマンドである。
【0109】
<給電制御装置>
また、実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムでは、給電制御装置230は、WEB画面520の電力使用量確認コマンドC11(及び電力使用量表示機能C12)、並びに、タイマー設定機能C13の各コマンドに対応する制御処理機能を実現する機能実現手段を備えている。詳細には、給電制御装置230は、外部計測機器620としての電力計621及び照度計622を接続し、電力計621が計測したLED照明装置60による消費電力量と、照度計622が計測した照度値とをリアルタイムで入力している。また、給電制御装置230は、電力使用量確認コマンドC11に応答して、当該給電制御装置230に接続したLED照明装置60の電力使用量を確認し、電力使用量表示機能C12に対応して、前記電力使用量確認機能F11を使用して確認したLED照明装置の電力使用量を、WEB画面520の所定の表示領域に表示する機能を実現する機能実現手段を備えている。この場合、給電制御装置230は、電力使用量確認コマンドC11に応答して、当該給電制御装置230に接続したLED照明装置60の電力使用量を前記電力計621から取得する。また、給電制御装置230は、これらの機能実現手段を使用して、電力使用量に応じて(典型的には、電力使用量が予定の使用量を超えた場合に)、一部のLED照明装置60を一定時間オフするオン・オフ制御処理機能(第1の節電処理機能)や、一部又は全部のLED照明装置の光量を低下させる調光制御処理機能(第2の節電処理機能)を実現することもできる。或いは、給電制御装置230は、電力計621からの情報を取得することなく、自らの制御によるLED照明装置60の点灯状況(点灯時間)又はオン・オフ状況(オン時間又はオフ時間の長さ)を取得する点灯状況取得機能F12と、自らの制御によるLED照明装置60の調光値を取得する調光値取得機能F13とを利用して、それらの取得情報に基づき、所定の計算アルゴリズムを使用して、LED照明装置60の電力使用量を計算して出力することもできる。
【0110】
また、給電制御装置230は、WEB画面520のタイマー設定コマンドC13に応答して、タイマーを設定するタイマー機能F14を実現する機能実現手段を備えている。この場合、給電制御装置230は、WEB画面520のタイマー設定コマンドC13への応答時に、内蔵するクロック(CL)から現在時刻を取得する時刻取得機能F15を利用して、タイマー機能F14により設定時刻にLED照明装置60のオン・オフ機能F16や調光機能F17を実現するための制御機能を実現することができる。
【0111】
実施の形態13
次に、上記実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムで使用可能な壁面スイッチの具体的構成について、実施の形13として、図28及び図29を参照して説明する。まず、図28に示すように、壁面スイッチSW1は、例えば、建築物の一つの部屋のドアDRの側方の壁面Wに設けた開口に装着して固定される。図28中の円形内の拡大図に示すように、壁面スイッチSW1は、所定個数(図示の例では4個)のボタンBTを備えている。また、壁面スイッチSW1は、LANケーブルLCを介して給電側装置430のSWポートに接続される。なお、給電側装置430は、例えば、壁面スイッチSW1を配設する部屋の天井裏等に配設することができる。また、給電側装置430は、LANケーブルLNを介して、当該部屋の天井の下面等に配設したLED照明装置60に接続される。
【0112】
図29に示すように、壁面スイッチSWは、4つのボタンBT1,BT2,BT3,BT4を備え、その裏面に配設した制御基板SBの制御により、各ボタンBT1,BT2,BT3,BT4に(端末制御装置70,70Sからの指令に基づき給電制御装置230を使用して)割り当てられた所定の指令内容を表現する制御信号を出力するようになっている。また、壁面スイッチSWの制御基板SBの裏面には、壁面スイッチSWからの出力用のLANポート部SPが配設され、当該LANポート部SPのLANポートに接続したLANケーブルを介して、前記ボタンBT1,BT2,BT3,BT4による制御信号を給電制御装置230のSWポートに入力するようになっている。なお、壁面スイッチSWの制御基板SBは、端末制御装置70からのON/OFFコマンドや調光コマンドと同様のコマンドを給電制御装置230に出力するための電子回路を実装したものである。
【0113】
ここで、図28中に破線で示すように、壁面スイッチSW1のLANポート部SPには、2個のLANポートが設けられ、壁面スイッチSW1の側方に、もう1個の壁面スイッチSW2を配設してカスケード接続できるようになっている。詳細には、当該カスケード接続を実現するために、各壁面スイッチSW(SW1,SW2)のLANポート部SPには、2個のLANポートが設けられ、一方の壁面スイッチSW1のLANポート部SPの一方のLANポートを1本のLANケーブルLCを介して給電制御装置230の(2個ある)SWポートの一方に接続すると共に、一方の壁面スイッチSW1のLANポート部SPの他方のLANポートと他方の壁面スイッチSW2のLANポート部SPの一方のLANポートとの間を1本のLANケーブルLCで接続し、更に、他方の壁面スイッチSW2のLANポート部SPの他方のLANポートを1本のLANケーブルLCを介して給電制御装置230の(2個ある)SWポートの他方に接続する。これにより、上記したように、給電制御装置230により、カスケード接続した2つの壁面スイッチSW1,SW2を利用して、壁面スイッチが1個の場合の2倍の個数のLED照明装置60の照明制御をおこなうことができる。
【0114】
実施の形態14
次に、上記実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムに適用可能な、給電制御装置230への各種の設定処理機能の実現手段としての(前記WEB画面520に相当する)WEB画面600の一例について、実施の形14として、図30〜図35を参照して説明する。図30〜図35に示すように、WEB画面600は、6個のコマンドメニューM1,M2,M3,M4,M5,M6を備え、コマンドメニューMS〜M6に応じた操作画面領域を表示するようになっている。
【0115】
<Mapping by Switch>
例えば、図30は、壁面スイッチの各ボタンに関連してコマンドを割り当てる第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)M4を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P1には、WEB画面520の指令対象となる給電制御装置230に接続した壁面スイッチ(図示の例の場合は2個の壁面スイッチSW1,SW2)の各ボタン(各4個のボタン)BT1,BT2,BT3,BT4が表示されている。そして、ユーザーは、壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4のうち、どのボタンBT1〜BT4について設定を変更するかを選択することができ、例えば、図30に示すように、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3(上側の列の左から3番目のボタン)をクリック等して選択することで、当該第3のボタンBT3の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更されると共に、当該第3のボタンBT3について設定を変更することができる。この場合、図31に示すように、WEB画面520の操作画面領域P2には、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3について、当該壁面スイッチSW1に割り当てた12個のLED照明装置60への給電ポート(給電側装置220の12個の給電用LANポート)L1〜L12が表示され、このうち、第3のボタンBT3に割り当てたい給電ポートL1〜L12をクリック等して選択することで、選択した給電ポートL1〜L12を壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3に割り当て、当該第3のボタンBT3を押圧することにより、割り当てた給電ポートに接続するLED照明装置60を所定の照明態様で照明動作させることができる。例えば、図31のように、第3のボタンBT3に給電ポートL1、L3、L4、L9、L10及びL12を割り当てたい場合、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3をクリック等して選択することで、割り当てた給電ポートL1、L3、L4、L9、L10及びL12の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更される。その後、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3を押圧等してオンすることで、割り当てた給電ポートL1、L3、L4、L9、L10及びL12に接続する合計6個のLED照明装置60又はLED照明装置対60Pを所定の照明態様で照明動作させることができる。
【0116】
<Mapping by Switch>
図32は、LED照明装置用の給電ポートに関連してコマンドを割り当てる第3のコマンドメニュー(Mapping by Light)M3を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P3には、WEB画面520の指令対象となる給電制御装置230に接続したLED照明装置用の給電ポート(図示の例の場合は12個のLED照明装置用の給電ポートL1〜L12)が表示されている。そして、ユーザーは、給電ポートL1〜L12のうち、どの給電ポートL1〜L12を壁面スイッチSW1,SW2の各ボタンBT1〜BT4に割り当てるかを選択することができ、例えば、図32に示すように、給電ポートL3をクリック等して選択することで、当該給電ポートL3の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更されると共に、当該給電ポートL3を割り当てる壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4について設定を変更することができる。この場合、図33に示すように、WEB画面520の操作画面領域P4には、給電ポートL3について、当該給電ポートL3を割り当てる2個のスイッチSW1及びSW2の各4個のボタンBT1〜BT4が表示され、このうち、給電ポートL3を割り当てたいスイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4をクリック等して選択することで、給電ポートL3を選択したスイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4に割り当て、当該ボタンBT3を押圧することにより、給電ポートL3に接続するLED照明装置60を所定の照明態様で照明動作させることができる。例えば、図33のように、給電ポートL3を、スイッチSW1のボタンBT1及びボタンBT2及びボタンBT3と、壁面スイッチSW2のボタンBT1とに割り当てたい場合、壁面スイッチSW1のボタンBT1及びボタンBT2及びボタンBT3、並びに、壁面スイッチSW2のボタンBT2をクリック等して選択することで、スイッチSW1のボタンBT1及びボタンBT2及びボタンBT3と壁面スイッチSW2のボタンBT1の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更される。その後、壁面スイッチSW1のボタンBT1若しくはボタンBT2若しくはボタンBT3のいずれか、又は、壁面スイッチSW2のボタンBT2を押圧等してオンすると、割り当てた給電ポートL3に接続するLED照明装置60又はLED照明装置対60Pを所定の照明態様で照明動作させることができる。即ち、第3のコマンドメニュー(Mapping by Light)M3は、どの給電ポートがどの壁面スイッチSWのどのボタンBTに所属するか(接続するか)を変更するものであり、どの壁面スイッチSWのどのボタンBTがどの給電ポートに接続するかを変更する第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)M4とは逆のアプローチによるコマンドとなる。
【0117】
<Overview>
図34は、現在の給電ポートのステータスを確認するための第1のコマンドメニュー(Overview)M1を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P5には、給電制御装置230に接続する全てのLED照明装置60の給電ポートL1〜L12の点灯状況がステータス情報(オン・オフ情報)として表示される。即ち、この場合、現在点灯中のLED照明装置60が接続する給電ポート(図34の例の場合、給電ポートL1,L3.L8)の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更して表示される。なお、第1のコマンドメニュー(Overview)M1では、所望の給電ポートL1〜L12を選択することにより、当該選択した給電ポートL1〜L12に接続するLED照明装置60をオン・オフ動作することができる。
【0118】
<Switches>
図35は、現在の壁面スイッチSWのボタンBT1〜BT4のオン・オフ状況を確認するための第2のコマンドメニュー(Switches)M2を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P6には、給電制御装置230に接続する全ての壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4のオン・オフ状況がステータス情報(オン・オフ情報)として表示される。即ち、この場合、現在オン状態となっている壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更して表示される(図35の例の場合、全てのボタンBT1〜BT4がオフ状態にある)。
【0119】
[発明の作用効果]
本発明に係るLED照明装置の照明制御システムは、上記のとおり、給電側装置230又は設定済み電力給電装置430に中央処理装置からなる主制御部等の制御のための構成を実装しているため、イーサネット毎にLED照明装置60を所望の照明態様とするために必要なパラメータ値を容易に変更して設定したり、必要なプログラムをファームウエアとして実装したりすることができ、また、この設定パラメータ値やプログラムを使用して、LED照明装置60の光量等を含む照明態様を簡単に変更することができる。また、本発明のLED照明装置の照明制御システムによれば、LANケーブルによる接続長として、最大で300mの接続長を実現することもでき、実用的な接続長としても、最大100mの接続長を実現することができる。
【0120】
[制御対象(制御機器)・接続対象(接続機器)]
本発明のシステムの給電側装置30,220による制御対象(制御機器)又は接続対象(接続機器)は、LED照明装置60であるが、特に、実施の形態4以降のLED照明装置の照明制御システムの給電側装置220は、通常のPoE給電のようにPDとしての受電側装置250やLED照明装置60の接続検出動作やクラス判別動作を行わない一方で、給電側装置230の仕様や設計を、接続するLED照明装置60の仕様や定格等に合わせた仕様や設計とすることで、当該LED照明装置60の給電動作に支障をきたすことはない(即ち、事前に、接続対象のLED照明装置の定格電圧や定格電流等が把握できているため、安全性の点でも不具合を生じることはない)。また、特に、実施の形態4以降の給電側装置220又は設定済見電力給電装置430は、制御対象(制御機器)・接続対象(接続機器)として、LED照明装置60以外のLANケーブルによるイーサネット接続が可能な任意の電子機器に適用することも可能である(即ち、本発明は、LANケーブルによる接続可能な電子機器の給電制御システムとして具体化することも可能である)。
【0121】
[用語の定義等]
実施の形態4の設定済み直流電力給電装置は、実施の形態1〜3の信号・電力送受装置に相当するものであり、本発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、便宜上、設定済み直流電力給電装置及び信号・電力送受装置を総称して、「直流電力給電装置」と称する。
【0122】
[実施の形態1〜3の発明]
また、実施の形態1〜3の発明に係るLED照明装置の照明制御システムは、上記のとおり、直流電力を供給する給電装置を給電側装置の外部に備える場合のほか、同様の直流電源装置を給電側装置と一体に所定の筺体内に配設する態様で、或いは、給電側装置自体の筺体に内蔵する態様で設けることもできる。また、コンピュータ装置からなる端末制御装置は、通常のPC等のほか、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末型のコンピュータ装置(携帯端末装置)から構成することもできる。更に、直流電力給電装置としての信号・電力送受装置は、給電装置を外部に設けた場合或いは給電装置と一体で筺体内に設けた場合は、給電装置に給電線を介して接続されると共に、端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される。また、受電側装置は、直流電力給電装置としての信号・電力送受装置に第2のLANケーブルを介して接続される。更に、端末制御装置は、前記LED照明装置に所定の照明動作を実行させるための所定の制御信号を出力する機能を実現する制御信号出力手段を含む。また、直流電力給電装置としての信号・電力送受装置は、給電線を介して給電装置からの直流電力を受電すると共に、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の制御信号出力手段からの制御信号を受信し、第2のLANケーブルを介して受電側装置に直流電力を給電すると共に、当該第2のLANケーブルを介して受電側装置に端末制御装置の出力手段からの前記制御信号を中継して送信する。更に、受電側装置は、前記第2のLANケーブルを介して信号・電力送受装置から受信した制御信号に基づき、給電線を介して、LED照明装置に当該制御信号に応じた所定の照明態様の動作を実行させるための制御状態の直流電力を給電する機能を実現する受電制御手段(受電制御装置)を含む。
【0123】
[実施の形態4〜14の発明]
一方、実施の形態4〜14の発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置は、各種の機能実現手段を備え、各機能実現手段は、CPU等の中央処理装置、ROM及びRAM等の記憶装置(メモリー)等からなるハードウエア資源と、記憶装置に記憶したプログラムからなるソフトウエ資源との協働により機能を実現する機能実現手段として構成することができる。詳細には、端末制御装置は、ローカルエリアネットワーク用の所定の通信プロトコル(典型的にはhttp)を使用して、前記第1のLANケーブルを介して前記(設定済み)直流電力給電装置に対して信号を出力する機能を実現する通信手段を備える。この通信手段は、例えば、通信用インタフェース装置等のハードウエア資源や通信用プログラム等のソフトウエア資源からなる通信手段又は信号伝送手段とすることができる。また、端末制御装置は、LED照明装置が所定の照明動作を実行するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順を指令する照明動作指令を作成する機能を実現する照明動作指令作成手段を備える。この照明動作指令作成手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した所定の指令作成手順を記述したプログラムからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0124】
また、実施の形態4〜14の発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御手段は、前記照明動作指令作成手段により前記照明動作指令を作成するために必要な情報を表示する照明動作指令作成用の操作画面を所定のディスプレイ装置にユーザーインタフェースとして画面表示する機能を実現する照明動作作成用ユーザーインタフェース手段を備える。前記操作画面に表示する情報としては、コマンドメニューや、(ハードウエアとしての)壁面スイッチや壁面スイッチのボタンや給電側装置の給電ポートに対応する(クリック等の選択動作自在なソフトウエアとしての)ボタン類、それらのタイトル、それらの選択状況等を表示する表示部等がある。また、ユーザーインタフェース(UI)は、特に、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)とすることが好ましい。前記照明動作作成用ユーザーインタフェース手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した予め作成した(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令作成用ユーザーインタフェースや指令作成用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラム等御からなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0125】
また、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に伝送する機能を実現する指令伝送手段を備える。指令伝送手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。また、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した複数の照明動作指令(のうちのいずれか一つ以上)を選択自在とし、選択した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該照明動作指令に応じた動作(動作開始)を直流電力給電装置に指令する機能を実現する動作指令手段を備える。動作指令手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、前記照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源と、前記通信手段等とから構成することができる。なお、前記操作画面は上記実施の形態で述べたWEB画面520に相当するWEB画面からなる。
【0126】
直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の前記指令伝送手段から伝送された前記照明動作指令(制御信号としての指令乃至コマンド信号)を受信し、照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順からなる照明動作情報を設定して所定の記憶領域に記憶する機能を実現する照明動作情報設定手段を備える。照明動作情報設定手段は、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。また、直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の動作指令手段から送信された照明動作指令を受信し、照明動作情報設定手段により設定記憶した照明動作情報のうち、当該受信した照明動作指令に対応する照明動作情報を選択して呼び出し、当該呼び出した照明動作情報に基づいて、受信した照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な所定の電力パラメータ値を有する直流電力を、設定済み直流電力として前記第2のLANケーブルを介して前記受信側装置に供給する機能を実現する設定済み電力供給制御手段を備える。設定済み電力供給制御手段は、例えば、LED電源装置からの直流電力を当該設定済み直流電力に変換して受信側装置に供給するものであり、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232と、電圧制御部233、電圧検出部234、電流検出部235、ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238、定電流制御部239からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。
【0127】
受信側装置は、それぞれ、前記直流電力給電装置から前記第2のLANケーブルを介して供給された前記設定済み直流電力を、前記所定の電力パラメータ値を変更することなく(即ち、内部抵抗や寄生抵抗等による内部損失等を除いて、電圧値や電流値等の変更を実質的に行うことなく、即ち、そのような目的の電気・電子素子やその他の制御素子を設けることなく)前記給電線を介して前記LED照明装置に供給し、前記LED照明装置を前記設定済み直流電力による前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で照明動作させる。
【0128】
<別例>
上記実施の形態4〜14の発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続可能な第2のLANケーブルの最大数(LANケーブルの最大本数、即ち、最大ポート数)の範囲内で、異なる種類の所定数の(LANケーブルの最大本数までの範囲内の所定数(単数又は複数)の)照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、一つの直流電力給電装置に接続した第2のLANケーブルの1本以上に割り当て自在である。また、前記端末制御手段の前記動作指令手段は、異なる種類の所定数の照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を直流電力給電装置に指令自在である。また、直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、(前記端末制御装置の照明動作指令作成手段が作成した)異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在である。また、直流電力給電装置の設定済み電力供給制御手段は、端末制御装置の前記動作指令手段の動作指令に応答して、設定済み直流電力として、照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する照明動作指令が割り当てられた第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、複数の受電側装置に接続する複数のLED照明装置を、照明動作指令の所定数と同数の所定数の異なる照明態様で照明動作自在である。この構成により、LED照明装置を、ユニット単位、グループ単位に、個別単位等の任意の単位で、多様な照明動作を行わせることができ、照明態様のバリエーションを大幅に増加することができる。
【符号の説明】
【0129】
10,10A,10B:給電装置、15,11,65,105:給電線
25,35,75:LANケーブル
30,90,160:給電側装置、31:給電制御装置
40,140,170:受電側装置、50,150:受電制御装置
51:主制御部、52:アドレス部、53:ON/OFF部、55:照明態様制御部、56:DC/DC昇圧部、57:定電流制御部
60:LED照明装置、70:端末制御装置、90:信号・電力送受装置
220:給電側装置、230:給電制御装置、231:主制御部、232:設定記憶部
250:受電側装置、251:LANポート、252:給電ポート、CL:導線
350:受電側装置、351:基板、353:LANポート部
353a:LANポート、354:給電ポート部、354a:給電ポート
430:給電話装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内等に配置したLED照明装置を所定の制御態様で照明動作制御する(例えば、複数のLED照明装置を配設した照明ゾーンごとに照明動作制御したり、LED照明装置を個別に照明動作制御したりする)ためのLED照明装置の照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境負荷低減等の要請に応えるべく、照明器具として、従来の白熱電球や蛍光灯に代えて、発光ダイオードを光源として利用したLED照明装置が提案されている。このLED照明装置は、長寿命、高信頼性、低消費電力、低発熱性、拘束応答性、直流低電圧駆動等、従来の照明装置にない特徴を備えており、今後、ますます照明装置として普及することが予想される。ここで、照明器具は、屋内の壁面等に配設した操作スイッチによりオン/オフの動作制御が行われる。また、照明器具の動作制御としては、特に省エネルギーの要請に応えるべく、使用者の入室時に照明器具をオンする(退室時にオフする)カード制御やセンサー制御、照明空間の明るさを検知して自動点灯・消灯する明るさ検知、照明空間を適度な明るさに調節する適正照度制御、照明空間の使用スケジュールに応じて照明器具をオン・オフするタイムスケジュール制御、照明空間に入射する自然光の照度に応じて照明器具の照度を調節する昼光利用制御、照明空間の全照明器具の一部のグループのみを点灯・消灯するグループ制御、或いは、特定のパターンで点灯・消灯するパターン制御(合せて「ゾーニング制御」と呼ばれる)が提案されている。例えば、オフィスビル等の大面積の照明空間については、多数の照明器具が天井面に配設されるため、ゾーニング制御により、当該多数の照明器具を照明空間の区画ごとに分割して動作制御することがある。なお、LED照明装置に適用されるものではないが、蛍光灯等の一般的な照明装置に適用される発明であって、上記のようなゾーニング制御に関する発明として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1には、主にオフィスビルの執務室(居室)において、オフィスレイアウト(間仕切り、デスクレイアウト等)に応じて最も適した天井照明を構成できるようにした天井照明装置が開示されている。この天井照明装置は、居室の天井に設置され、居室内を照らす複数個の照明器具と、居室の天井に連続して設置され、天井パネルや天井内にある空調吹出口ユニットを支持し、かつ、照明器具を保持する複数本のライテングダクトと、照明器具のそれぞれに内蔵され、照明器具の点燈及び消燈を予め設定する点滅リレーユニットと、ライテングダクトにその長手方向に連続して設けられ、照明器具に電力を供給する電力用電極及び点滅リレーユニットに点滅信号を送信する信号用電極とを備えて構成されている(同文献の請求項1)。点滅リレーユニットは、照明器具の電源スイッチに連動して作動し、蛍光灯等の照明器具への電力の供給及び停止をコントロールして照明器具毎に点燈及び消燈を予め設定できるものである。そして、この天井照明装置では、点滅リレーユニットにおいて個々の照明器具の点燈及び消燈を予め設定することにより、ある電源スイッチによって点燈する照明器具の位置、種類等(スイッチゾーニング)を自由に設定することができ、また、一度設定されたスイッチゾーニングを自由に変更できる、とされている。即ち、この天井照明装置では、上記構成により、各照明器具に内蔵された点滅リレーユニットにおいて、各照明器具の点燈を及び消燈を予め設定しておくことで、特定の電源スイッチを入れると、予め設定された位置の照明器具だけが点燈するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−292837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の天井照明装置は、上記のようなスイッチゾーニングの設定及び変更によって、所望の位置や種類の照明器具を任意に点灯・消灯制御することを可能にするものの、その点灯制御のために点滅リレースイッチといったアナログ電気機器を使用するため、点灯制御の種類や自由度には当該アナログ電気機器特有の制限があり、複雑な照明制御は困難であると考えられる。また、特許文献1の発明では、スイッチゾーニングの設定をある特定の位置及び種類の照明器具を点灯・消灯する設定としたり、当該設定から別の設定に変更したりする場合、そのたびに、必要な組み合わせの点滅リレースイッチを選択してアナログ的に切り替えることになり、所望の点灯制御を得るため設定作業や設定変更作業が煩雑となることも考えられる。ここで、特許文献1の発明の適用対象でもある従来の照明器具は、100V(又は200V)の交流電源で動作するため、配線工事を伴う設置や変更等の施工については、主に保安上の要請から、法令に基づく所定の資格(典型的には、電気工事士法により規定された電気工事士)を有する専門技術者のみに許されており、例えば、建築工事において大工等の無資格者が施工することはできない。なお、特許文献1の発明も各種の配線工事を伴う電気工事により設置されるため、当然、有資格者のみが施工することができ、それ以外の者が施工することは許されていない。しかし、照明器具等の電気器具を設置する工事のうち、法令による制限を受けずに有資格者でない者が施工できるもの(いわゆる「軽微な工事」とよばれるもの)も認められており、このような軽微な工事或いは当該軽微な工事と同等の(無資格者でも工事が認められる)工事(本願書類中において、これらを総称して、単に、「軽微な工事」という。)によって照明器具を従来の照明器具の代わりに設置できるようにすると共に、当該照明器具を簡単な操作で、かつ、多種多様な態様で点灯制御することができるようにすれば、市場に新たなコンセプトの照明システムを提供できることになり、消費者の便宜や使い勝手等を大幅に向上できるものと考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置による簡単な操作で行うことができ、また、点灯制御態様の種類や数を従来よりも大幅に増加することができ、更に、有資格者以外の者であっても軽微な電気工事によってLED照明装置を屋内外の照明空間に簡易に設置したり設置変更したりすることができるLED照明装置の照明制御システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るLED照明装置の照明制御システムは、直流電力を供給する給電装置と、コンピュータ装置からなる端末制御装置と、前記給電装置に第1の給電線を介して接続されると共に、前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される直流電力給電装置と、前記直流電力給電装置に第2のLANケーブルを介して接続される受電側装置と、前記受電側装置に給電線を介して接続されるLED照明装置とを備える。前記端末制御装置は、前記LED照明装置に所定の照明動作を実行させるための所定の制御信号を出力する機能を実現する制御信号出力手段を含む。前記直流電力給電装置は、前記第1の給電線を介して前記給電装置からの直流電力を受電すると共に、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の出力手段からの制御信号を受信し、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に直流電力を給電すると共に、当該第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記端末制御装置の制御信号出力手段からの前記制御信号を中継して送信する信号・電力送受装置からなる。前記受電側装置は、前記第2のLANケーブルを介して前記信号・電力送受装置から受信した前記制御信号に基づき、前記給電線を介して、前記LED照明装置に前記制御信号に応じた所定の照明態様の動作を実行させるための制御状態の直流電力を給電する機能を実現する受電制御手段を含む。ここで、本発明では、前記信号・電力送受装置は、スイッチングハブ又はリピーターハブからなるLAN用ハブに対応する信号送受手段又は信号送受装置と、ミッドスパン型のPSEに対応する電力送受手段又は電力送受装置としての給電側装置とを別個に設けてLANケーブルで接続した別体構成タイプとしたり、スイッチングハブ又はリピーターハブからなるLAN用ハブに対応する信号送受手段又は信号送受装置を、前記(電力送受手段又は電力送受装置としての)給電側装置と共に内蔵して一体化した(エンドポイント型のPSEに対応する)一体構成タイプとしたりすることができる。
【0008】
請求項2に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の構成において、前記受電側装置が、当該受電側装置に接続する前記LED照明装置に固有の一意のアドレス情報を格納する受電制御装置を含み、複数の前記受電側装置が、1台の前記信号・電力送受装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介してそれぞれ接続している。前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々の受電制御装置に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力する。前記信号・電力送受装置は、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置の受電制御装置にのみ対応する個別の制御信号を送信する。
【0009】
請求項3に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の構成において、前記信号・電力送受装置がLANスイッチと給電側装置とを含む。LANスイッチは、前記端末制御装置に前記第1のLANケーブルを介して接続され、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置からの制御信号を受信して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記制御信号を送信する。給電側装置は、前記給電装置に前記第1の給電線を介して接続され、前記第1の給電線を介して前記給電装置からの直流電力を受電して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記直流電力を給電すると共に、第3のLANケーブルを介して前記LANスイッチに接続され、前記LANスイッチを介した前記端末制御装置からの制御信号を、前記第3のLANケーブルを介して受信すると共に、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に送信する。前記受電側装置は、当該受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納すると共に、複数の当該受電側装置が、1台の前記給電側装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介して接続している。前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力する。前記LANスイッチ又は前記給電側装置のいずれかが、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置にのみ対応する個別の制御信号を送信すると共に、当該検出した受電側装置にのみ給電を行う。
【0010】
請求項4に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の構成において、前記給電側装置が、前記受電側装置への前記直流電力の給電を制御する給電制御装置を含む。前記給電制御装置は、前記個別の制御信号の宛先となる受電側装置の前記検出動作、検出した受電側装置への給電動作、及び、当該受電側装置への給電遮断動作を制御する。
【0011】
請求項5に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の構成において、前記複数の受電側装置が、各々、前記信号・電力送受装置を介して、前記給電装置からの前記直流電力の給電を受け、当該直流電力を前記第2の給電線を介して前記LED照明装置に供給すると共に、前記端末制御装置との間で前記制御信号の送受信を行い、前記制御信号に基づき、前記端末制御装置からの指令にしたがって前記LED照明装置の照明制御を実行する受電制御装置を含む。前記受電制御装置は、主制御部、アドレス部、ON/OFF部、照明態様制御部、DC/DC昇圧部、及び、定電流制御部を含む。前記主制御部は、前記端末制御装置からの制御信号に基づいて、前記ON/OFF部に対するオン/オフ指令、前記照明態様制御部に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力する。前記アドレス部は、前記受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納する。前記ON/OFF部は、前記主制御部の指令を受けて、前記信号・電力送受装置からの前記LED照明装置用の給電を、選択的にオン又はオフする。前記照明態様制御部は、前記主制御部の指令を受けて、前記LED照明装置を所定の照明態様で発光するよう制御する。前記DC/DC昇圧部は、前記信号・電力送受装置から伝送された前記直流電力の所定の直流電圧を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電圧値の直流電圧へと昇圧する。前記定電流制御部は、前記DC/DC昇圧部により昇圧した直流電流を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電流値の定電流となるよう制御する。前記DC/DC昇圧部による昇圧動作、及び、前記定電流制御部による定電流制御動作は、前記ON/OFF部によるオン動作があって、初めて開始及び実行される。
【0012】
請求項6に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の構成において、前記給電装置が、前記信号・電力送受装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの大容量直流電力を給電する。また、前記信号・電力送受装置は、前記受電側装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの当該大容量直流電力を給電する。前記第2のLANケーブルは、前記信号・電力送受装置から前記受電側装置への前記大容量の直流電力の給電を可能とするカテゴリー6のLANケーブル又はカテゴリー6相当のLANケーブルからなる。
【0013】
請求項7に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置は、各種の機能実現手段を備え、各機能実現手段は、CPU等の中央処理装置、ROM及びRAM等の記憶装置(メモリー)等からなるハードウエア資源と、記憶装置に記憶したプログラムからなるソフトウエ資源との協働により機能を実現する機能実現手段として構成することができる。詳細には、端末制御装置は、ローカルエリアネットワーク用の所定の通信プロトコル(典型的にはhttp)を使用して、前記第1のLANケーブルを介して前記(設定済み)直流電力給電装置に対して信号を出力する機能を実現する通信手段を備える。この通信手段は、例えば、通信用インタフェース装置等のハードウエア資源や通信用プログラム等のソフトウエア資源からなる通信手段又は信号伝送手段とすることができる。また、端末制御装置は、LED照明装置が所定の照明動作を実行するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順を指令する照明動作指令を作成する機能を実現する照明動作指令作成手段を備える。この照明動作指令作成手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した所定の指令作成手順を記述したプログラムからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0014】
また、請求項7に係るLED照明装置の照明制御システムは、端末制御手段は、前記照明動作指令作成手段により前記照明動作指令を作成するために必要な情報を表示する照明動作指令作成用の操作画面を所定のディスプレイ装置にユーザーインタフェースとして画面表示する機能を実現する照明動作作成用ユーザーインタフェース手段を備える。前記操作画面に表示する情報としては、コマンドメニューや、(ハードウエアとしての)壁面スイッチや壁面スイッチのボタンや給電側装置の給電ポートに対応する(クリック等の選択動作自在なソフトウエアとしての)ボタン類、それらのタイトル、それらの選択状況等を表示する表示部等がある。また、ユーザーインタフェース(UI)は、特に、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)とすることが好ましい。前記照明動作作成用ユーザーインタフェース手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した予め作成した(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令作成用ユーザーインタフェースや指令作成用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラム等からなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0015】
請求項8に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の構成において、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に伝送する機能を実現する指令伝送手段を備える。指令伝送手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。また、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した複数の照明動作指令(のうちのいずれか一つ以上)を選択自在とし、選択した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該照明動作指令に応じた動作(動作開始)を直流電力給電装置に指令する機能を実現する動作指令手段を備える。動作指令手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、前記照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源と、前記通信手段等とから構成することができる。なお、前記操作画面は上記実施の形態で述べたWEB画面520に相当するWEB画面からなる。
【0016】
直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の前記指令伝送手段から伝送された前記照明動作指令(制御信号としての指令乃至コマンド信号)を受信し、照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順からなる照明動作情報を設定して所定の記憶領域に記憶する機能を実現する照明動作情報設定手段を備える。照明動作情報設定手段は、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。また、直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の動作指令手段から送信された照明動作指令を受信し、照明動作情報設定手段により設定記憶した照明動作情報のうち、当該受信した照明動作指令に対応する照明動作情報を選択して呼び出し、当該呼び出した照明動作情報に基づいて、受信した照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な所定の電力パラメータ値を有する直流電力を、設定済み直流電力として前記第2のLANケーブルを介して前記受信側装置に供給する機能を実現する設定済み電力供給制御手段を備える。設定済み電力供給制御手段は、例えば、LED電源装置からの直流電力を当該設定済み直流電力に変換して受信側装置に供給するものであり、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232と、電圧制御部233、電圧検出部234、電流検出部235、ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238、定電流制御部239からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。
【0017】
受信側装置は、それぞれ、前記直流電力給電装置から前記第2のLANケーブルを介して供給された前記設定済み直流電力を、前記所定の電力パラメータ値を変更することなく(即ち、内部抵抗や寄生抵抗等による内部損失等を除いて、電圧値や電流値等の変更を実質的に行うことなく、即ち、そのような目的の電気・電子素子やその他の制御素子を設けることなく)前記給電線を介して前記LED照明装置に供給し、前記LED照明装置を前記設定済み直流電力による前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で照明動作させる。
【0018】
請求項9に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の構成において、端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続可能な第2のLANケーブルの最大数(LANケーブルの最大本数、即ち、最大ポート数)の範囲内で、異なる種類の所定数の(LANケーブルの最大本数までの範囲内の所定数(単数又は複数)の)照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、一つの直流電力給電装置に接続した第2のLANケーブルの1本以上に割り当て自在である。また、前記端末制御手段の前記動作指令手段は、異なる種類の所定数の照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を直流電力給電装置に指令自在である。また、直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、(前記端末制御装置の照明動作指令作成手段が作成した)異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在である。また、直流電力給電装置の設定済み電力供給制御手段は、端末制御装置の前記動作指令手段の動作指令に応答して、設定済み直流電力として、照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する照明動作指令が割り当てられた第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、複数の受電側装置に接続する複数のLED照明装置を、照明動作指令の所定数と同数の所定数の異なる照明態様で照明動作自在である。この構成により、LED照明装置を、ユニット単位、グループ単に、個別単位等の任意の単位で、多様な照明動作を行わせることができ、照明態様のバリエーションを大幅に増加することができる。
【0019】
請求項10に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の構成において、更に、建築物の壁面に設置した壁面スイッチを備る。前記壁面スイッチは、制御基板と、前記制御基板に実装したLANポートと、前記制御基板に実装した動作ボタンとを備え、前記動作ボタンの各々を所定の動作態様で動作させることにより生成される動作信号を、前記LANポートに接続した第3のLANケーブルを介して、前記直流電力給電装置に入力自在である。前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記照明動作指令として、前記壁面スイッチの動作ボタンごとに異なる種類の所定数の照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記壁面スイッチの動作ボタンの所定の動作態様に割り当て自在である。前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在である。前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記壁面スイッチの動作ボタン毎に割り当てられた前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて、前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在である。前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記壁面スイッチの動作ボタンを選択的に所定の動作態様で動作させることにより、当該壁面スイッチの動作ボタンの動作態様に応じて、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力のうち、当該動作ボタンの動作態様に対応する設定済み直流電力を生成自在であり、当該設定済み直流電力を、前記第2のLANケーブルのうち、前記動作ボタンの動作態様に対応する所定の第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在である。
【0020】
請求項11に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項9の構成において、前記壁面スイッチのLANポートは複数設けられ、当該LANポートの数に対応する複数の壁面スイッチを並列的に壁面に接続すると共に、当該複数の壁面スイッチを各々の前記複数のLANポートのうちの一つのLANポートを介して第4のLANケーブルによりカスケード接続し、かつ、前記複数の壁面スイッチを、それぞれ、一つの前記直流電力給電装置に前記第3のLANケーブルを介して接続している。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係るLED照明装置の照明制御システムは、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置による簡単な操作で行うことができる。
【0022】
請求項2に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の効果に加え、1台の端末制御装置によって、多数の受電制御装置のアドレス情報を個別に識別し、受電制御装置に接続したLED照明装置の照明空間での配設位置に応じて、個別の配設位置のLED照明装置を個別の照明態様で照明制御することができる。
【0023】
請求項3に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の効果に加え、1台の端末制御装置によって、多数のLED照明装置を所望のタイミングで点灯・消灯することができる。
【0024】
請求項4に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の効果に加え、1台の端末制御装置によって、多数のLED照明装置を所望の照明態様で発光したりすることができる。
【0025】
請求項5に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項3の効果に加え、主制御部が、アドレス部から読み出したアドレス情報を取得して、当該アドレス情報に個別に割り当てた所定の動作態様で、対応するLED照明装置を照明制御することができる。(段落0029)
【0026】
請求項6に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項1の効果に加え、その設置や設置変更が、いわゆる「軽微な電気工事」に該当するため、有資格者以外のものであっても軽微な電気工事によってLED照明装置を屋内外の照明空間に簡易に設置したり設置変更したりすることができる。
【0027】
請求項7に係るLED照明装置の照明制御システムは、所望の照明制御のための設定作業や当該設定の変更作業をコンピュータ装置としての端末制御装置による簡単な操作で行うことができる。また、端末制御装置の指令に基づく証明動作用の設定を直流電力給電装置を使用して簡単に行うことができ、端末制御装置による多種多様な照明動作指令を事前に設定記憶して、実際のLED照明装置の発光駆動時に、端末制御装置からの指令に応答して迅速かつ確実に安定して、所望の照明動作を実現することができる。更に、受電側装置では制御等の動作を実行しないため、受電側装置の構成を非常に簡単かつ基本的なもの(LANポートと給電ポートとを電気的に接続するだけの簡単な構成)とすることができ、LED照明装置の数だけ必要となりそのコストが全体のコストに大きな影響を及ぼす受電側装置を非常に安価に製造することができ、システム全体のコストを大幅に低減することができ、特に、多数のLED照明装置を設置する場合のシステム全体のコストを大幅に低減することができる。
【0028】
請求項8に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の効果に加え、端末制御装置により、最大で、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルの各々に対応する数の異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルを通じて、LED照明装置を一つずつ個別に異なる照明態様で照明動作させることができ、また、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルを2本以上の所定本数からなるLANケーブルのグループにグループ分けして当該各グループのLANケーブルにそれぞれ異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルの各グループを通じて、LED照明装置を当該各グループの毎に個別に異なる照明態様で照明動作させることもでき、照明動作の態様(バリエーション)を大幅に増加することができる。
【0029】
請求項9に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の効果に加え、LED照明装置を、ユニット単位、グループ単位に、個別単位等の任意の単位で、多様な照明動作を行わせることができ、照明態様のバリエーションを大幅に増加することができる。即ち、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルを1ユニットとして単一の照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続した全てのLANケーブルを通じて、全てのLED照明装置を一括して同一の照明態様で照明動作させたり、2本以上の所定本数からなるLANケーブルのグループにグループ分けして当該各グループのLANケーブルにそれぞれ異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続したLANケーブルの各グループを通じて、LED照明装置を当該各グループの毎に個別に異なる照明態様で照明動作させたり、一つの直流電力給電装置に接続した複数本のLANケーブルの各々に対応する数の異なる照明動作指令を生成し、一つの直流電力給電装置に接続した各LANケーブルを通じて、LED照明装置を一つずつ個別に異なる照明態様で照明動作させることもでき、照明動作の態様(バリエーション)を大幅に増加することができる。
【0030】
請求項10に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項7の効果に加え、壁面スイッチによっても、直流電力給電装置に所定の指令を出力して、当該指令に応じた照明制御動作を直流電力給電装置に行わせることができ、端末制御装置と壁面スイッチとを選択的に使用して、シチュエーションに応じて最も簡便な方法でLED照明装置を所望の照明態様で照明動作させることができる。
【0031】
請求項11に係るLED照明装置の照明制御システムは、請求項9の効果に加え、複数の壁面スイッチをカスケード接続、例えば、2つの壁面スイッチを壁面に併設してカスケード接続し、2つの壁面スイッチの2つのLANケーブルを、1個の直流電力給電装置の2つの壁面スイッチ用のLANポートにそれぞれ接続することにより、1つの壁面スイッチに例えば12対のLED照明装置(例えば、直管型LEDランプ)を割りあて、1部屋に2つの壁面スイッチに割り当てたLED照明装置(2×12対=24対)を配置し、2つの壁面スイッチの(4×2=8個の)動作ボタンのそれぞれに、異なる照明動作を割り当てることで、1部屋におけるLED照明層ランプの照明動作のバリエーションを(1個の壁面スイッチの場合の2倍に)増やすことができる。(即ち、そのように、直流電力給電装置の制御部(LED照明装置制御用のCPUからなる主制御部)による制御が可能となる。)
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をミッドスパン型(ハブやスイッチに接続するタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図3】図3は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第1の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図4】図4は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置を、第2の変更例に係る信号・電力送受装置として、エンドポイント型(ハブやスイッチと一体化したタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)に変更した場合を示す。
【図5】図5は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第3の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図7】図7は本発明の実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢Bとした場合の例を示す。
【図9】図9は本発明の実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢A(信号対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図11】図11は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をミッドスパン型(ハブやスイッチに接続するタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図13】図13は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第1の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図15】図15は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置を、第2の変更例に係る信号・電力送受装置として、エンドポイント型(ハブやスイッチと一体化したタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)に変更した場合を示す。
【図16】図16は本発明の実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムにおいて、信号・電力送受装置を第3の変更例に係る信号・電力送受装置に変更した場合を示す斜視図であり、信号・電力送受装置の筺体を二点鎖線で示す。
【図17】図17は本発明の実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図18】図18は本発明の実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢Bとした場合の例を示す。
【図19】図19は本発明の実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムの一部を構成する受電側装置に内蔵した受電制御装置の内部構成を示すと共に、当該受電制御装置と信号・電力送受装置との関係を示すブロック図である。
【図20】図20は本発明の実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を機能ブロックとして概略的に示すブロック図であり、信号・電力送受装置をエンドポイント型の選択肢A(信号対に給電するタイプ)とした場合の例を示す。
【図21】図21は本発明の実施の形態7に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図22】図22は本発明の実施の形態8に係るLED照明装置の照明制御システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図23】図23は本発明の実施の形態9に係る設定済み直流電力給電装置を示す斜視図である。
【図24】図24は本発明の実施の形態9に係る受電側装置を示す斜視図である。
【図25】図25は本発明の実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムを示すブロック図である。
【図26】図26は本発明の実施の形態11に係るLED照明装置の照明制御システムを示すブロック図である。
【図27】図27は本発明の実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムを示すブロック図である。
【図28】図28は本発明の実施の形態13に係る壁面スイッチの設置態様を説明するための説明図である。
【図29】図29は本発明の実施の形態13に係る壁面スイッチの全体構成を示す斜視図である。
【図30】図30は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)M4を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【図31】図31は本発明の実施の形態14に係るWEB画面の第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)で特定の給電ポートを選択した場合を示す画面構成図である。
【図32】図32は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第3のコマンドメニュー(Mapping by Light)を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【図33】図33は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第3のコマンドメニュー(Mapping by Switch)で特定の壁面スイッチのボタンを選択した場合を示す画面構成図である。
【図34】図34は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第1のコマンドメニュー(Overview)を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【図35】図35は本発明の実施の形態14に係るWEB画面で第2のコマンドメニュー(Switches)を選択実行した場合を示す画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素又は部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0034】
実施の形態1
[全体構成]
実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムは、IEEE802.3af(受電側の適正電力12.95W)及びIEEE802.3at(受電側の適正電力25.5W)で規定されるパワー・オーバー・イーサネット技術を利用している。なお、「ETHERNET/イーサネット」は、富士ゼロックス株式会社の登録商標である(以下、「イーサネット」と称する際の「登録商標」の表示は省略)。ここで、パワー・オーバー・イーサネット(「Power over Ethernet」の日本語名称、以下、「PoE」という。)とは、パワー・ソーシング・エクィップメント(「Power Sourcing Equipment」、以下、「PSE」という。)と呼ばれる給電装置と、パワード・デバイス(「Powered Device」、以下「PD」という。)と呼ばれる受電装置とを備え、イーサネット規格によるLANケーブル(カテゴリー3(CAT3)やカテゴリー5(CAT5))を利用して、データの送受信と共に電力供給を行うものである。そして、図1に示すように、本発明の実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムは、給電装置10としてのAC/DC電力供給装置10A、イーサネットスイッチ20、給電側装置30、受電側装置40、LED照明装置60、及び、端末制御装置70を備え、このうち、主に、給電側装置30にPSE技術を利用している。
【0035】
<給電側装置>
AC/DC電力供給装置10Aは、AC電源(典型的には、100V又は200Vの商用交流電源)を直流電源(DC電源)に変換して電力供給するものであり、内蔵した変圧器(降圧回路)、整流器(整流回路)、平滑化回路、安定化回路等によって、所定の電圧値及び所定の電流値の直流電力を供給するものである。このAC/DC電力供給装置10Aは、給電線15を介して、直流電力を前記給電側装置30に供給する。なお、AC/DC電力供給装置10Aは、典型的な日本の商用電源(100V又は200V)以外にも、海外の商用電源にも対応可能であり、100V〜240Vの電圧に対応可能である。一方、給電装置10としては、AC/DC電極供給装置10A以外にも、太陽光パネル充電・給電装置10Bを使用することもできる。この太陽光パネル充電・給電装置10Bは、太陽光パネル12による光電変換で発電した電力を充電(蓄電)し、所定の電圧値及び所定の電流値の直流電力を供給するものである。この太陽光パネル充電・給電装置10Bは、給電線11を介して、直流電力を前記給電側装置30に供給する。
【0036】
<端末制御装置及びイーサネットスイッチ>
端末制御装置70は、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末等の任意のコンピュータ装置からなる。端末制御装置70はLANケーブル75を介してイーサネットスイッチ20に接続されており、端末制御装置70からのデータや制御信号が、LANケーブル75を介してイーサネットスイッチ20に送信されるようになっている。イーサネットスイッチ20は、イーサネット規格(IEEE802.3)のスイッチングハブからなる。なお、スイッチングハブは、レイヤー2スイッチ(L2スイッチ)、レイヤー2スイッチングハブ、LANスイッチとも呼ばれ、SNMP(シンプルネットワークマネージメントプロトコル)に対応していないノン・インテリジェントL2スイッチのほか、SNMPに対応するインテリジェントL2スイッチも含む。イーサネットスイッチ20を構成するスイッチングハブは、LAN(ローカルエリアネットワーク)における中継機器としてのハブの一種であるが、リピーターハブとは異なり、ブリッジとしての機能も具備し、前記端末制御装置70から送信されたデータや制御信号を解析して、当該データや制御信号の宛先を検出し、検出した宛先の端末機器(本実施の形態の場合は、LED照明装置60を制御する受電側装置40内の受電制御装置50)にのみ当該データや制御信号を送信する。本実施の形態のスイッチングハブからなるイーサネットスイッチ20は、本発明のイーサネット用ハブ又はLAN用ハブを構成する。なお、本発明のLAN用ハブとしては、スイッチングハブ以外に、リピーターハブを使用することも可能であるが、後述する受電制御装置50におけるアドレス識別機能を利用する観点からは、(後述するように、給電側装置30内の給電制御装置31によりかかるアドレス識別機能を実現しない場合は)スイッチングハブを使用することが好ましい。
【0037】
<給電側装置及びイーサネットスイッチ>
給電側装置30は、上記のように、給電線15を介して給電装置10に接続される一方で、LANケーブル25を介してイーサネットスイッチ20に接続され、かつ、LANケーブル35を介して受電側装置40に接続されており、給電装置10からの直流電力を受電側装置40に供給する一方で、イーサネットスイッチ20からの(端末制御装置70が送信した)データや制御信号を受電側装置40に中継するようになっている。図1に示すように、一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30には、それぞれ、複数のLANポートが設けられており、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30に、複数又は多数のLANケーブル(最大限、LANポートの数に相当するLANケーブル)を介して、対応する複数又は多数の受電側装置40が接続されて、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30により、当該複数又は多数の受電側装置40への制御信号の送受信及び給電が行われる。
【0038】
詳細には、図2に示すように、LANケーブル25は、ストレートケーブルであり、合計4対(8芯)の撚対線を備え、そのうちの、1番及び2番の撚対線C1,C2(データ送信用)と、3番及び6番の撚対線C3,C6(データ受信用)により、データや制御信号の送受信を行う。なお、LANケーブル25は、イーサネットスイッチ20と給電側装置30との間でのデータ送受信を担うだけであるため、LANケーブル25としては、イーサネット規格のカテゴリー3(CAT3)、カテゴリー5(CAT5)等を使用することができる。一方、LANケーブル35は、ストレートケーブルであり、合計4対(8線)の撚対線を備え、そのうちの、1番及び2番の撚対線C1,C2(データ送信用)と、3番及び6番の撚対線C3,C6(データ受信用)により、データや制御信号の送受信を行うが、LANケーブル35は、給電側装置30から受電側装置40へのデータ送受信と共に給電を担うものであるため、特に給電時の電気的容量を確保して安全性や保安性を維持するため、LANケーブル35として、イーサネット規格のカテゴリー6(CAT6)を使用している。なお、LANケーブル35としては、特に給電時の電気的容量を確保して安全性や保安性を維持できる限りにおいて、CAT6相当のLANケーブル、例えば、エンハンスドカテゴリー6(CAT6e)やカテゴリー6A(CAT6A)等のLANケーブルを使用することができる。
【0039】
ここで、図2に示す給電側装置30の内部構成は、単一のLANケーブル25及び単一のLANケーブル35に対応するものであり、それぞれの合計4対の撚対線C1,C2、撚対線C3,C6、撚対線C4,C5、撚対線C7,C8に対応する構成を示している。即ち、給電側装置30は、LANケーブル25,35の最大接続数(LANポートの最大数)だけ、上記図2の内部構成(パルストランス21等)を備えている。なお、給電制御装置31は、1台のみ給電側装置30に内蔵され、LANケーブル25,35の最大接続数(LANポートの最大数)のそれぞれに、上記のようにして給電(及び給電制御)を行う構成となっている。
【0040】
本実施の形態のイーサネットスイッチ20は、10メガビット・イーサネット(10BASE−T)又は100メガビット・イーサネット(100BASE−T2)の通信を行うものであり、ギガビットイーサネット(1000BASE−T等)の通信は行わない。イーサネットスイッチ20は、各LANポートに接続されるLANケーブル25の撚対線のうちデータ送受信用の撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6に対応して、それぞれ、データ送受信用のLAN用のパルストランス(「絶縁トランス」とも呼ばれる)21を備えている。なお、イーサネットスイッチ20は、その他、PHY(物理層)やMAC(メディアアクセスコントロール)の機能を実現するためのチップ等を備えている。パルストランス21は、イーサネットスイッチ20のLANポートに挿着されたLANケーブル25の基端側のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6にそれぞれ対応して設けられている。そして、端末制御装置70からのデータや制御信号は、イーサネットスイッチ20のパルストランス21、並びに、LANケーブル25の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して、送受信される。なお、LANケーブル25の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8は、データ送受信には関与せず非使用状態である。
【0041】
一方、給電側装置30は、イーサネットスイッチ20のLANポートに対応して、LANポートからなる入口ポート及び出口ポートを備え、入口ポートには前記LANケーブル25の先端側のRJ−45コネクタを挿着し、出口ポートには前記LANケーブル35の基端側のRJ−45コネクタを挿着している。そして、給電側装置30は、入口ポートに挿着したLANケーブル25のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、(イーサネットスイッチ20からの)前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介したデータや制御信号を、出口ポートに挿着したLANケーブル35のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、信号対としての前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6に(内部の中継路を介して)中継するようになっている。なお、LANケーブル25の撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8は予備対であるため、給電側装置30の入力ポートに(RJ−45コネクタの対応するピンを介して)接続されるものの、LANケーブル25の撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8と給電側装置30との間で入出力が行われることはない。
【0042】
<給電制御装置>
給電側装置30は、給電制御装置31を内蔵している。給電制御装置31は、給電側装置30の出口ポートに装着したLANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、受電側装置40に所定電圧値で所定電流値の直流電力を供給するよう制御を行う。即ち、この場合、LANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8は、それぞれ、電力を供給する給電対として機能する。給電制御装置31は、IEEE802.3af又はIEEE802.3at規格のPSEの制御部分と同様の構成を備えることもでき、給電制御装置31により、受電側装置40の検出、(任意の構成であるが)検出した受電側装置40の種類の識別、検出した受電側装置40への給電、受電側装置40への給電遮断等を制御する構成を採用することもできる。なお、上記のように、端末制御装置70からの制御信号の宛先である受電側装置40の識別(アドレス情報に基づく識別動作)は、スイッチングハブからなるイーサネットスイッチ20により行うこともできるが、この識別動作を給電制御装置31により行う場合は、イーサネットスイッチ20による受電側装置40の識別動作は不要である。この場合、スイッチングハブからなるイーサネットスイッチ20の代わりにリピーターハブを使用することもできる。一方、イーサネットスイッチ20により受電側装置40の識別動作を行う場合は、給電制御装置31による受電側装置40の識別動作(及び対応する構成)は省略することができる。詳細には、給電制御装置31は、中央処理装置(CPU)等からなる主制御部、電圧制御部(MOSFET等)、電圧検出部(電圧検出用抵抗等)、電流検出部(電流検出用抵抗等)等を備え、当該主制御部の制御によって、電圧制御部の電圧値を、受電側装置40の検出、識別、給電、給電遮断のそれぞれの動作を実行するために必要な電圧値に変更し、当該検出、(任意構成としての)識別、給電、給電遮断のそれぞれの動作を実行するものである。また、給電制御装置31は、電源を投入した状態でのLANケーブル25,35の脱着を可能にするホットスワップ(活線挿抜)部を備えてもよい。そして、給電制御装置31は、端末制御装置70からの指令により、受電側装置40を検出した後、給電装置10からの所定電圧値で所定電流値の直流電力を撚対線C4,C5(電流往路)及び撚対線C7,C8(電流復路)を介して受電側装置40へと供給する。なお、給電制御装置31は、マイコン制御装置と同様のハードウエア構成(CPU、メモリ、I/O等)を利用して(必要な場合は、所定の組込制御プログラムを利用して)、上記の所定の各機能を実現するようになっている。
【0043】
上記給電側装置30の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるミッドスパン型(リピーターハブやスイッチングハブに接続するタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)のPSEの構成に相当し、当該PSEと同様の機能を発揮する。また、上記イーサネットスイッチ20及び給電側装置30の組合せは、実施の形態1の信号・電力送受装置を構成する。ここで、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるPoEでは、PSEの動作電圧は、44〜57V(直流)の範囲内であって、通常は48V(直流)に設定され、また、PSEが発生する最大電流は、350〜400mAである。これは、このレベルの電流でないと、LANケーブルが自らの寄生抵抗(各撚対線について約20Ω)による発熱によって損傷する恐れがあるからである。したがって、従来のPSEによる電力は、最小で、44V×0.35A=15.4Wとなり、最大でも、57V×0.4A=22.8Wとなる。一方、実施の形態1では、給電装置10から給電側装置30に供給される直流電力は、電圧値が24V、電流値が1.6Aに設定されている(電力値は38W)。そして、給電側装置30の給電制御装置31から受電側装置40に供給される直流電力も、電圧値が24V、電流値が1.6Aの直流電力(電力値38W)となる。したがって、実施の形態1では、大容量の電流伝送に耐えうるよう、給電側装置30から受電側装置40への給電を(データ送受信に加えて)行うLANケーブル35として、CAT6のLANケーブル35を使用している。
【0044】
<受電側装置>
受電側装置40は、LANケーブル35を介してイーサネットスイッチ20及び給電側装置30にそれぞれ接続される。詳細には、受電側装置40は、給電側装置30の出口ポートに挿着したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6と、給電側装置30の内部の中継路と、給電側装置30の入口ポートに装着したLANケーブル25の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6とを介して、イーサネットスイッチ20のパルストランス21に電気的に接続され、端末制御装置70との間でイーサネットスイッチ20(上記のように、給電制御装置31による制御信号の送受信を行う場合は、当該給電性緒装置31)を介したデータの送受信を行う。具体的には、受電側装置40は、給電側装置30の出口ポートに対応して、LANポートを備え、当該LANポートにLANケーブル35の先端側のRJ−45コネクタを挿着している。また、受電側装置40は、データ送受信用のLAN用のパルストランス41と、受電制御装置50とを内蔵している。パルストランス41は、LANポートに挿着したLANケーブル35のRJ−45コネクタの8つのピンのうち、信号対としての前記撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6にそれぞれ対応して設けられている。そして、給電側装置30を介したイーサネットスイッチ20からのデータや制御信号が、LANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6から、受電側装置40のパルストランス41を介して受電制御装置50に入出力される。
【0045】
また、受電側装置40は、給電側装置30の出口ポートに挿着したLANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、給電制御装置31によって制御された給電装置10からの直流電力の供給を受ける。具体的には、LANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8が、当該LANケーブル35のRJ−45コネクタの対応するピンを介して、受電側装置40のLANポートに接続され、(前記給電制御装置31からの)当該撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介した直流電力が、前記受電制御装置50に入出力されて給電が行われる。受電制御装置50は、給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8からの直流電力を、給電線65を介してLED照明装置60に供給すると共に、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの制御信号に基づき、前記端末制御装置70からの指令にしたがって、LED照明装置60の照明制御を実行する。なお、受電制御装置50の詳細については、図5を参照して後述する。
【0046】
図1に示すように、一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30には、それぞれ、複数のLANポートが設けられており、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30に、複数又は多数のLANケーブル(最大限、LANポートの数に相当するLANケーブル)を介して、対応する複数又は多数の受電側装置40が接続されて、当該一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30により、当該複数又は多数の受電側装置40への制御信号の送受信及び給電が行われると共に、当該複数又は多数の受電側装置40にそれぞれ接続した(対応する複数又は多数の)LED照明装置60が、それぞれ、前記一つのイーサネットスイッチ20からの信号及び一つの給電側装置30からの給電を受けることで、単一の前記端末制御装置70によって所定の態様で一括して照明制御されるようになっている。図1の例では、それぞれ8本となるLANケーブル25及びLANケーブル35により、一つのイーサネットスイッチ20及び一つの給電側装置30に対して合計で8個の受電側装置40を接続し、1台の端末制御装置70により、当該8個の受電側装置40を介して(合計8個の)LED照明装置60を一括して照明制御するようになっている。なお、複数のイーサネットスイッチ20及び対応する複数の給電側装置30をカスケード接続することにより、図1に示す例と比較して、より多数の受電側装置40を接続し、より多数の受電側装置40によって、より多数のLED照明装置60を単一の端末制御装置70によって一括して照明制御することができる。
【0047】
ここで、実施の形態1(図1,2,4,5)では、1個の受電側装置40に1本のLED照明装置60を接続する例を示しているが、後述する実施の形態2(図7,8,9)に示すように、1個の受電側装置140に2本(或いは3本以上)のLED照明装置60を接続することもできる。(説明は後述する。)
【0048】
<第1の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図1に示すように、前記イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを別個に配設する構成を採用しているが、信号・電力送受装置としては、これに代えて、図3に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを(図3中に二点鎖線で示す)筺体80内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第1の変更例に係る信号・電力送受装置は、筺体80の上部に配設したソケット81の外部側のソケット孔に、前記給電装置10からの給電線15の先端側のプラグを挿着して接続すると共に、当該ソケット81の内部側から延びる(前記給電装置10からの給電線15と同様の)内部側の給電線15の先端側を、前記給電側装置30の内部の給電制御装置31に電気的に接続する。また、筺体80の下部に配設したコネクタ82の外部側のコネクタ孔に、前記端末制御装置70からのLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを挿着して接続すると共に、当該コネクタ82の内部側から延びる(前記端末制御装置70からのLANケーブル75と同様の)内部側のLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを、前記イーサネットスイッチ20のLANポートに接続する。筺体80の内部のイーサネットスイッチ20と給電側装置30とは、図2を参照して説明したように、LANケーブル25により接続される。また、給電側装置30の出口ポート32には、それぞれ、前記LANケーブル35を介して受電側装置40が接続される。
【0049】
<第2の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、前記信号・電力送受装置に代えて、図4に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを筺体内部に一体的に配設した一体構成の信号・電力送受装置90を採用してもよい。この場合、第2の変更例に係る信号・電力送受装置90は、前記イーサネットスイッチ20の内部構成(前記パルススイッチ21と同様のパルススイッチ91等)と、前記給電側装置30の内部構成(給電制御装置31等)とを一体的に内蔵する構成となる。そして、この信号・電力送受装置90は、各LANポートに接続したLANケーブル35を介して、各受電側装置40に接続され、上記と同様にして、給電及び照明制御を実行する。なお、この場合の信号・電力送受装置90の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるエンドポイント型(リピーターハブやスイッチングハブと一体化したタイプ)の選択肢B(予備対に給電するタイプ)のPSEの構成に相当し、当該PSEと同様の機能を発揮する。
【0050】
<受電制御装置>
ここで、実施の形態1の受電側装置40の説明に戻り、前記受電制御装置50について、前記イーサネットスイッチ20及び給電側装置30との関係を中心に詳細に説明する。なお、イーサネットスイッチ20及び給電側装置30としては、図3に示す第1の変更例の信号・電力送受装置を例にとって説明するが、無論、図1及び図2の例の場合、並びに、図4に示す第2の変更例の場合も、受電制御装置は同様の構成となる。図5に示すように、受電制御装置50は、主制御部51、アドレス部52、ON/OFF部53、調光部54、照明態様制御部55、DC/DC昇圧部56、定電流制御部57を備えている。また、受電制御装置50は、給電側装置30からLED照明装置60への給電を遮断しているときでも、前記給電側装置30によるLANケーブル35の給電線である撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの給電(制御動作に必要な電圧値・電流値での給電)を利用して、主制御部51等による所定の電気的な制御動作を行う。
【0051】
具体的には、主制御部51は、イーサネットスイッチ20の制御部(図4の第2の変更例の場合は、信号・電力送受装置90のイーサネットスイッチ相当部分の制御部)であるイーサネットコントローラ21に対して、前記LANケーブル35の信号対である撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して接続されている。アドレス部52は、個別の受電側装置40を一意に識別するアドレス情報を格納するものであり、所定のメモリーの所定の記憶領域により構成されている。一意のアドレス情報としては、IPアドレス(特に、プライベートIPアドレス)を好適に使用することができる。また、IPアドレスに加えて、デフォルトゲートウェイやサブネットマスク等の情報を利用したり、或いは、MACアドレスをアドレス情報として使用したりすることもできる。ON/OFF部53は、主制御部51の指令を受けて、給電制御装置31からのLED照明装置60用の給電を、選択的にオン(接続)又はオフ(遮断)するものであり、例えば、(トランジスタ等を利用した)スイッチング回路から構成される。調光部54は、主制御部51の指令を受けて、LED照明装置60の調光制御を行うものであり、例えば、振幅制御回路又はパルス幅制御回路等により構成される。
【0052】
照明態様制御部55は、主制御部51の指令を受けて、LED照明装置60を各種の照明態様で発光するよう制御するものである。照明態様制御部55による照明態様としては、例えば、以下のものがある。
(1) LED照明装置60を所定の時間間隔で点滅制御(或いは、点灯及び消灯を連続的に繰り返すよう制御)する。
(2) LED照明装置60を複数色(例えば、R,G,Bの各色)のカラーLEDチップで構成した場合に、各色のカラーLEDチップを選択的に組み合わせて発光させることで、例えば、LED照明装置60としてネオンライト状の発光態様を得る。
(3) 各種センサーを受電制御装置50の主制御部51に接続することで、各種センサーからの検出信号に応じた所定の発光態様でLED照明装置60を発光させる。例えば、(赤外線センサー等からなる)人体センサーにより、所定の照明空間(部屋等)への人体の進入及び退出を検出して、LED照明装置を自動的に点灯又は消灯する。或いは、自体センサーを所定の照明空間内に複数配設し、人体の移動位置に応じてLED照明装置の発光態様を変更する(例えば、人体の存在する位置のLED照明装置のみを点灯したり、当該位置のLED照明装置の照度を他のLED照明装置と比較して増大したり、人体の移動に合わせて対応するLED照明装置60を順番に点灯したりする)。或いは、音センサーにより所定の照明空間(部屋等)における特定の音(人の音声、入室・退室時のドアの開閉音)を検出して、LED照明装置を自動的に点灯又は消灯する。或いは、地震波のP波(初期微動)を検出する(加速度センサー等を利用した)感震センサーやP波センサーにより、地震時の初期微動を検出し、地震発生直後に(主要動の到達前に)、照明空間のLED照明装置を(就寝時等に消灯している場合は)即座に点灯したり、(既に点灯している場合は)照明態様を大きく変更したり(例えば、点滅したり)して、照明空間内の人の避難・退避動作を促進する。
【0053】
DC/DC昇圧部56は、給電制御装置31から伝送された直流電力の所定の直流電圧(24V)を、LED照明装置60の最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値の直流電圧へと昇圧するものであり、昇圧用のDC/DCコンバータ等により構成される。例えば、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値は、典型的には、43V〜48Vの範囲内であるため、この場合、DC/DC昇圧部56は、給電制御装置31からの電源電圧(24V)を、当該範囲内の所定の電圧値(例えば、43V)に昇圧する。また、定電流制御部57は、DC/DC昇圧部56により昇圧した直流電流を、LED照明装置60の最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作、或いは、前記調光部54や照明態様制御部55による所定の照明態様での点灯動作)に要求される所定電流値の定電流となるよう制御するものであり、定電流制御用のレギュレーターや定電流制御用のDC/DCコンバータ等により構成される。なお、例えば、調光動作の場合は、定電流制御部57による電流値は、調光部54による調光操作の途中過程では当然に増減変化するが、一定の調光状態を得た後は、その調光状態に応じた定電流となる。例えば、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電流値は、典型的には、420mA〜840mAの範囲内であるため、この場合、定電流制御部57は、DC/DC昇圧部56からの昇圧後の直流電流を、当該範囲内の所定の電流値(例えば、420mA)の定電流となるよう制御する。したがって、受電制御装置50から出力される直流電力の電力値は、例えば、43V×0.42A=約18Wとなる。
【0054】
ここで、主制御部51は、(イーサネットコントローラ21を介して入力される)前記端末制御装置70からの制御信号に基づいて、ON/OFF部53に対するオン/オフ指令、調光部54に対する所定の調光制御指令、照明態様制御部55に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力する。また、DC/DC昇圧部56による昇圧動作、及び、定電流制御部57による定電流制御動作は、ON/OFF部53によるスイッチオン動作があって、初めて開始及び実行される。したがって、ON/OFF部53によるスイッチオン動作があって、初めて、定電流制御部57から、給電線65を介して、LED照明装置60への所定電圧値及び所定電流値の(LED点灯用の)直流電流の給電が行われる。一方、ON/OFF部53によるスイッチオフ動作があると、定電流制御部57から、給電線65を介したLED照明装置60への所定電圧値及び所定電流値の(LED点灯用の)直流電流の給電は停止(遮断)される。なお、受電制御装置50は、マイコン制御装置と同様のハードウエア構成(CPU、メモリ、I/O等)を利用して、及び、所定の組込制御プログラム又はファームウエアを利用して、上記の所定の各機能を実現するようになっている。更に、主制御部51は、アドレス部52から読み出した(当該主制御部51を内蔵する受電制御装置50の)アドレス情報を取得して、当該アドレス情報に個別に割り当てた所定の動作態様で、対応するLED照明装置60を照明制御することもできる。この場合、端末制御装置70に、個別の受電側装置40,140,170の受電制御装置50に応じた制御手順を実行するための照明制御プログラムを実装し、当該照明制御プログラムにより、所望のLED照明装置60を接続する受電側装置40,140,170毎に個別の照明制御を実行することもできる。
【0055】
上記受電側装置40の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるPDの構成に相当するが、PDは上記受電制御装置50のような構成(制御構造)は備えておらず、本実施の形態の受電側装置40(特に、受電制御装置50)は、従来にない全く新規で、かつ、(従来技術から予期できない特有の作用効果を発揮する)有用性の高いものである。
【0056】
<第3の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図1に示す(又は図3に示す)信号・電力送受装置に代えて、図6に示すように、給電装置10Aとイーサネットスイッチ20と給電側装置30とを(図3中に二点鎖線で示す)筺体100内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第3の変更例に係る信号・電力送受装置は、筺体100の上部に配設したソケット101の外部側のソケット孔に、商用交流電源の給電線の先端側のプラグを挿着して接続すると共に、当該ソケット101の内部側から延びる交流伝送用の給電線105の先端側を、給電装置10Aに電気的に接続する。また、給電装置10Aに基端を電気的に接続した(前記給電装置10からの給電線15と同様の)内部側の給電線15の先端側を、前記給電側装置30の内部の給電制御装置31に電気的に接続する。更に、筺100の下部に配設したコネクタ102の外部側のコネクタ孔に、前記端末制御装置70からのLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを挿着して接続すると共に、当該コネクタ102の内部側から延びる(前記端末制御装置70からのLNAケーブル75と同様の)内部側のLANケーブル75の先端側のRJ−45コネクタを、前記イーサネットスイッチ20のLANポートに接続する。筺体100の内部のイーサネットスイッチ20と給電側装置30とは、図2を参照して説明したように、LANケーブル25により接続される。また、給電側装置30の出口ポート32には、それぞれ、前記LANケーブル35を介して受電側装置40が接続される。
【0057】
実施の形態2
図7に示すように、実施の形態2に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、受電側装置140が2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続した点において、実施の形態1と異なる。なお、図7の例では、信号・電力送受装置は、図1の例の信号・電力送受装置と同様、イーサネットスイッチ20と給電側装置30とを別個に配設する構成であるが、これを、図4に示す第2の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたり、図3に示す第1の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたりすることもできる。即ち、実施の形態2の信号・電力送受装置は、実施の形態1の信号・電力送受装置(第1〜第3の変更例も含む)と同様の構成である。
【0058】
受電側装置140について、(信号・電力送受装置として上記第2の変更例を使用した)図8、及び、(信号・電力送受装置として上記第2の変更例を使用した)図9を参照して説明すると、まず、図8に示すように、受電側装置140は、実施の形態1の受電側装置40と同様、各LANポートに対応してパルストランス41を配設し、LANポートに接続したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの制御信号を入出力するようになっている。また、受電側装置140は、実施の形態1の受電制御装置50と同様の構成の受電制御装置150を内蔵し、パルストランス41からの制御信号を入力すると共に、LANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8からの直流電力を入力するようになっている。一方、受電制御装置150は、2対の給電線65を介して、2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続し、2本のLED照明装置60を照明制御する。詳細には、図9に示すように、受電制御装置150は、2つの(実施の形態1の)前記受電制御装置50を備え、それぞれの受電制御装置50に1つのLED照明装置60を電気的に接続し、それぞれの受電制御装置50によって1つのLED照明装置60を照明制御する。照明制御の構成及び方法は、実施の形態1の場合と同様である。
【0059】
実施の形態3
図10に示すように、実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、給電側装置160及び受電側装置170の構成において、実施の形態1と異なる。詳細には、実施の形態3の給電側装置160は、端末制御装置70からの制御信号を伝送する(実施の形態1の第2の変更例の給電側装置90のパルストランス91と同様の)パルストランス91を備える一方で、(実施の形態1の給電制御装置31と同様の)給電制御装置31からの直流電力を、予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8ではなく、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して伝送すべく、いわゆるファントム給電技術を利用している。即ち、給電制御装置31からの直流電力の出力は、パルストランス91のセンタータップ161に電気的に接続され、パルストランス161から、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して、受電側装置170に伝送される。なお、ファントム給電技術では、制御信号に直流電流を重畳して伝送するが、この場合でも、制御信号は差動信号として(いわゆる、「ディファレンシャル・シグナリング」技術で)伝送されるため、直流電流が制御信号に干渉することはなく、直流電流の電装と制御信号の伝送とを円滑に行うことができる。なお、この場合の給電側装置160の構成は、IEEE802.3af又はIEEE802.3atで規定されるエンドポイント型(リピーターハブやスイッチングハブと一体化したタイプ)の選択肢A(信号対に給電するタイプ)のPSEの構成に相当し、当該PSEと同様の機能を発揮する。なお、給電側装置(エンドポイント型)として、給電装置10AのAC/DCコンバータを一体化した給電側装置とすることもできる。
【0060】
また、実施の形態2の受電側装置170は、実施の形態1の受電側装置40と同様のパルストランス41及び受電制御装置50を内蔵する一方、給電側装置160のパルストランス41の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6から伝送される直流電流を受電すべく、パルストランス41のセンタータップ171を受電制御装置50に電気的に接続し、撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からパルストランス41に入力されて直流電流を、センタータップ171を介して受電制御装置50に入力するようになっている。なお、受電制御装置50によるLED照明装置60の照明制御の構成及び方法は、実施の形態1の場合と同様である。
【0061】
ここで、実施の形態2の受電側装置170は、2本のLED照明装置60を並列に接続して2本のLED照明装置に同時に給電する構成であるため、受電側装置170から2本のLED照明装置60に供給される直流電力は、実施の形態の1の場合(受電側装置40が1本のLED照明装置60の給電する場合)と比較して、2倍の電流量となる。即ち、各LED照明装置60に、実施の形態1で述べたように、例えば、電圧値43Vで電流値420mAの直流電力を供給する場合、全体としては(2本のLED照明装置60に供給されるのは)、合計840mAの直流電力となる。なお、図9に示す例は、1台の受電側装置140に2台の受電制御装置50が内蔵され、2台の受電制御装置50により2本のLED照明装置60を制御する構成として図示されているが、1台の受電側装置140に1台の受電制御装置50を内蔵し、当該1台の受電制御装置50により2本のLED照明装置60を制御する構成としてもよい。この場合、1台の受電制御装置50が、2本のLED照明装置60に対して、それぞれ、駆動に必要な直流電力(例えば、電流値420mA)を供給すると共に、実施の形態1で述べた照明制御動作を実施する。
【0062】
[作用及び効果]
本発明のLED照明装置の照明制御システムについて、上記実施の形態1〜3を参照して代表的な例を説明したが、本発明のLED照明装置の照明制御システムによれば、以下のような特有の作用及び効果を発揮する。即ち、1台の端末制御装置70(通常のPCや携帯情報端末等)に、(イーサネットスイッチ及び給電側装置からなる)1台の信号・電力送受装置を介して、多数の受電側装置40,140,170を接続し、それぞれの受電側装置40,140,170に1本以上のLED照明装置60を接続することで、1台の端末制御装置70によって、多数のLED照明装置60を所望のタイミングで点灯・消灯したり、所望の照明態様で発光したりすることができる。特に、1本(又は2本以上の1グループの)LED照明装置60を制御する1台の受電制御装置50には、それぞれ、一意のアドレス情報(プライベートIPアドレス等)が付与されているため、1台の端末制御装置70によって、多数の受電制御装置50のアドレス情報を個別に識別し、例えば、当該受電制御装置50に接続したLED照明装置60の照明空間での配設位置に応じて、個別の配設位置のLED照明装置60を個別の照明態様で照明制御することもできる。このような照明制御としては、例えば、実施の形態1の照明態様制御部55について説明した照明制御がある。即ち、本発明では、受電制御装置50に実装したファームウエアによって照明態様制御部55に所定の制御手順を実行させることで、照明態様制御部55による独自の制御を実行することもできるが、この場合、あくまで、当該受電制御装置50に接続したLED照明装置についての制御となる。一方、端末制御装置70に実装した照明制御プログラムを利用して、個別の受電制御装置50を識別した照明制御を実行する場合は、当該1台の端末制御装置70に接続した全てのLED照明装置を、個別に、グループごとに、或いは、全体的に照明制御することで、様々な照明態様での照明を行うことができ、所望の照明態様に応じた照明制御プログラムを作成することで、その照明態様はほぼ無限となる。
【0063】
また、上記したように、従来の照明器具の施工は有資格者に限定されているが、本発明のLED照明装置の照明制御システムは、商用交流電源からの交流電力をAC/DC変換した直流電力を利用するため、商用交流電源にAC/DC給電装置10Aを接続するだけでよく、商用交流電源の配線工事を行う必要はない。即ち、本発明のLED照明装置の照明制御システムの設置や設置変更は、いわゆる上記の「軽微な電気工事」に該当するため、有資格者以外のものでも、設置や設置変更を行うことができる。なお、軽微な電気工事としては、電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が36V以下のものに限る。)の工事がある。また、二次側の配線工事については、(電気工事士法施行令第一条により)無資格者でも工事が可能とされている。そして、本発明のLED照明装置の照明制御システムは、これらの条件を満たしているため、その設置工事は、軽微な電気工事として、大工等の電気工事士資格を有していない者でも可能である。
【0064】
実施の形態4
[全体構成]
図11に示すように、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムと同様の全体構成を備えている。一方、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムは、給電側装置220の構成、及び、受電側装置250の構成が、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムの給電側装置30及び受電側装置40の構成と異なる。詳細には、上記のとおり、実施の形態1に係るLED照明装置の照明制御システムは、上記のとおり、給電装置10から給電側装置30に給電する一方で、一つのイーサネットスイッチ20を前記受電側装置40の数と同一数のLANケーブル25を介して一つの給電側装置30の入力側ポートに接続すると共に、当該一つの給電側装置30を前記受電側装置40の数と同一数のLANケーブル35を介して前記所定数の受電側装置40に接続している。そして、実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、前記所定数の受電側装置40に対し、当該所定数の受電側装置40に接続したLED照明装置60の照明制御用の制御信号(ON/OFF信号、調光信号等の照明制御用の信号)をPC等からなる端末制御装置70から出力し、前記所定数の受電側装置40に接続した所定数のLED照明装置60を、前記制御信号に応じて、各々の受電側装置40により照明駆動すると共に所定の態様で照明制御するようになっている。したがって、実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置70からの制御信号を、各受電側装置40(即ち、各LED照明装置60)用に作成及び用意し、対応する個別のLANケーブル25及びLANケーブル35を介して、イーサネットスイッチ20及び給電側装置30から対応する個別の受電側装置40に(個々の受電側装置40用のLANケーブル25を介したいわゆる並列的な伝送態様で)出力することができ、この場合、当該個々の受電側装置40の制御により、対応する個々のLED照明装置60を当該個々のLED照明装置60に応じた個別の照明態様で制御することができる。即ち、この場合、給電側装置30の給電制御装置31の主制御部は、イーサネットスイッチ20の個々のLANケーブル25から入力された(個々の受電側装置40用の)制御信号を、そのまま、LANケーブル35を介して対応する個々の受電側装置40に出力する構成とすることができる。換言すれば、端末制御装置70からの前記所定数の受電側装置40に対する制御信号は、受電側装置40と同一数のLANケーブル25を介してイーサネットスイッチ20から給電側装置30を経て、並列的な伝送態様で前記所定数の受電側装置40の各々に個別に出力される。
【0065】
[特有の構成]
<特有の構成の概要>
これに対し、図11に示すように、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1と同様、給電装置10からの直流電力又は交流電力を給電側装置220に供給し、給電側装置220から、所定数(所定の複数又は多数)の受電側装置250を介して所定数(所定の複数又は多数)のLED照明装置60に対して給電するが、実施の形態1とは異なり、給電側装置220は、内部の給電制御装置230により、受電側装置250へ照明制御用の制御信号を出力したり、給電制御装置230と受電側装置250との間で(一般的なPoE技術で規定されているような)給電動作に伴う各種処理のための信号(受信側装置の検出信号や受信側装置の定格判別信号等)の授受を行ったりすることはない。即ち、実施の形態4の給電側装置220は、端末制御装置70からの指令に基づき、給電制御装置230により、LED照明装置を予め設定した所定の照明態様で発光駆動するために供給する直流電力の各種パラメータの値(電圧値、電流値、PWM制御におけるデューティー比等であって、以下、便宜上、「給電用パラメータ」と称する。)を設定して、給電用パラメータとして所定の記憶領域に保存しておき、保存した給電用パラメータに基づき、当該給電用パラメータを有する所定の直流電力(以下、便宜上、「設定済み直流電力」と称する。)を生成して、その設定済み直流電力を受電側装置250を介してLED照明装置60に供給し、LED照明装置60を所定の照明態様で発光駆動するようになっている。また、給電制御装置230は、LED照明装置60の所定の照明態様として、任意の複数の照明態様を実現すべく、当該複数の照明態様の各々に対応する設定済み直流電力を得るための給電用パラメータを個別に設定し保存する。例えば、給電制御装置60は、LED照明装置60のON/OFFの切替動作及び調光(ディミング)動作のほか、一つの給電側装置220に接続する所定数のLED照明装置60を複数のグループに分割(グループ分け)して各グループのLED照明装置60を所定の照明態様で発光駆動するグルーピング照明動作等の任意の照明態様を実現すべく、これらの照明態様の各々に対応する設定済み直流電力を得るための給電用パラメータを個別に設定し保存する。以下、特有の構成の詳細について説明する。
【0066】
<給電側装置>
給電側装置220は、図12に示すように、実施の形態の給電側装置30と同様の構成を有し、給電制御装置230を内蔵している。また、給電側装置220は、実施の形態1の給電装置30と同様、給電線15を介して給電装置10に接続されている。一方、実施の形態4では、図11に示すように、一つのイーサネットスイッチ20の出口ポートの一つを、1本のLANケーブル25を介して、一つの給電側装置220のイーサネットスイッチ用のLANポート(以下、「ESポート」と称する。)に接続している。また、実施の形態4では、当該一つの給電側装置220を受電側装置250の数と同一数のLANケーブル35を介して所定数の受電側装置250に接続している。更に、一つの給電側装置30には、複数のLANポートが設けられている。例えば、図11等に図示の例では、給電側装置220には、合計12個のLED照明装置へのLANケーブル接続用のLANポート(以下、便宜上、「LEDポート」と称する。)と、1個のイーサネットスイッチ20のLANケーブル接続用のLANポート(以下、便宜上、「ESポート」と称する。)と、2個の(詳細は後述する)壁面スイッチSW(図示の例ではSW1,SW2)のLANケーブル接続用のLANポート(以下、便宜上、「SWポート」と称する。)からなる合計15個のLANポートが設けられている。各受電側装置250には、(正極及び負極用の)2本の給電線65を介して各1本のLED照明装置60が接続される。このようにして、一つのイーサネットスイッチ20を1本のLANケーブル25により接続した一つの給電側装置230に、所定数のLANケーブル35(通常は、LED照明出力用LANポートと同一数で、最大限、LANポートの数と同一数のLANケーブル)が接続され、当該LANケーブル35を介して、対応する所定数の受電側装置250が給電側装置220に接続されて、一つの給電側装置230により、当該所定数の受電側装置250を介して各LED照明装置60への給電が行われる。
【0067】
ここで、給電側装置220のLEDポートは、給電制御装置220の直流電力をLED照明装置60に出力するものであり、通常のLANポートの一つであるが、本発明の説明では、前記給電制御装置230の所定の制御回路の制御を受けて(当該制御回路に接続した)LED照明用電源からの設定済みの直流電力をLED照明装置60に出力するという意味で、「LEDポート」と称している。また、給電側装置220のESポートは、イーサネット20の出力信号を入力するものであり、通常のLANポートの一つであるが、本発明の説明では、給電側装置220に端末制御装置70の制御信号を中継するイーサネットスイッチ20を接続し、その制御信号を給電制御装置230の(後に詳述する)所定の制御基板の対応する(端末制御装置70からの制御信号処理用の)制御回路に供給するという意味で、「ESポート」と称している。同様に、給電側装置220のSWポートは、壁面スイッチSW1の制御信号を入力するものであり、通常のLANポートの一つであるが、本発明の説明では、壁面スイッチSWの制御信号を前記給電制御装置230の所定の制御基板の対応する(壁面スイッチSWからの制御信号処理用の)制御回路に供給するという意味で、「SWポート」と称している。なお、給電側装置220の複数個のSWポートには、通常は、1個の壁面スイッチSWを一つ給電側装置220に接続するが、図11に示すように、当該複数個までの(SWポートが2個の場合は2個の)壁面スイッチSW1,SW2を同数の(SWポートが2個の場合は2本の)LANケーブルを介して接続する(即ち、増設する)こともできる。この場合、壁面スイッチSWが有するボタンの数が、壁面スイッチの接続数の増加分だけ増加することになり、1台の給電側装置220により制御できるLED照明装置の本数又はつい数をその分だけ増加して、照明スペースの増大や(特にグループ分けを多様化する等による)照明態様の多様化に対応することができる。
【0068】
図12に示すように、イーサネットスイッチ20のLANケーブル25と給電側装置220との接続形態、及び、給電側装置220の各LANケーブル35と各受電側装置250との接続形態は、実施の形態1と同様である。また、実施の形態1と同様、LED照明装置60は、所定数を一単位としてユニット化され、一つの給電側装置220に当該所定数と同一数のLANケーブル35と、当該所定数と同一数の受電側240を介して接続されている。例えば、図示の例では、12本のLED照明装置60を一単位としてユニット化し、12個の受電側装置250及び12本のLANケーブル35を介して、1つの給電側装置220に接続している。
【0069】
<給電制御装置>
給電制御装置230は、給電側装置220の出口ポートに装着したLANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、受電側装置250に対して、前記所定の設定済み直流電力を供給するための制御動作を実行する。詳細には、実施の形態4では、給電制御装置230は、LANケーブル35の予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を、それぞれ、電力を供給する給電対として使用するが、実施の形態1の給電制御装置31について述べたような変形構成(IEEE802.3af又はIEEE802.3at規格のPSEの制御部分と同様の構成)を備えるものではなく、給電制御装置230により、受電側装置250の検出のための制御、(任意の構成であるが)検出した受電側装置250の種類の識別(定格判別)のための制御、検出後にのみ受電側装置250への正式な給電を開始するための制御、受電側装置250への給電遮断の制御等、各種の制御のための構成を採用していない。
【0070】
詳細には、給電制御装置230は、まず、図13に示すように、実施の形態1の給電制御装置231と同様に、中央処理装置(CPU)等からなる主制御部231、ROMやRAM等のメモリーからなる設定記憶部232、MOSFET等からなる電圧制御部233、電圧検出用抵抗等からなる電圧検出部234、電流検出用抵抗等からなる電流検出部235を備えている。これに加え、給電制御装置230は、実施の形態1の受電制御装置50側で実行していた制御のための電気・電子素子を含む制御回路の構成と同様の構成を備えている。具体的には、給電制御装置230は、ON/OFF部236、調光部237、及び照明態様制御部238、定電流制御部239を備えている。また、給電制御装置230には、LED照明装置60への直流電力を供給するためのLED電源装置241が接続されている。LED電源装置241は、給電制御装置230を介して、使用するLED照明装置60の定格に応じた所定電圧値及び所定電流値の直流電力を給電するものであり、典型的には、給電制御装置230の制御により、48Vの定電圧値の直流電力を(LED照明装置の照明態様に応じた定電流値で、受電側装置250を経てLED照明装置60に供給するものである。そして、実施の形態4では、給電制御装置230とLED電源装置241との間でのクローズドループ制御(閉ループ制御)により、給電制御装置230を介して、LED電源装置241が、前記設定済みの直流電力を、受電側装置250を経てLED照明装置60に供給するようになっている。なお、給電制御装置230には、給電制御装置230自体(即ち、給電制御装置230の制御基板や電気・電子素子を含む制御回路等)への作動電力供給用の基板電源装置242も接続されている。なお、基板電源装置242は、典型的には、12Vの定電圧値の直流電力を給電制御装置230に供給するものである。
【0071】
<主制御部>
より詳細には、主制御部231は、イーサネットスイッチ20の制御部であるイーサネットコントローラ21に対して、前記LANケーブル35の信号対である撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して接続されている。本実施の形態のLED照明装置の照明制御システムを使用したLED照明装置の照明制御動作時において、主制御部231は、端末制御装置70からイーサネットコントローラ21を介して給電側装置220のESポートに入力される制御信号、又は、壁面スイッチSWから給電側装置220のSWポートに入力される制御信号に基づいて、1ユニットのLED照明装置60の全体又は特定のグループのLED照明装置の全体をオン・オフするためのON/OFF部237に対するオン/オフ指令、1ユニットのLED照明装置60の全体又は特定のグループのLED照明装置の全体を調光するための調光部238に対する所定の調光制御指令、1ユニットのLED照明装置60の全体又は特定のグループのLED照明装置の全体を所定の照明態様で発光駆動するための照明態様制御部238に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力する。また、電圧制御部233による電圧制御動作、及び、定電流制御部239による定電流制御動作は、ON/OFF部236によるスイッチオン動作があって、初めて開始及び実行される。したがって、主制御部231の制御に従って、ON/OFF部236によるスイッチオン動作があって、初めて、LED電源装置241からの直流電力が、前記電圧制御部233により所定の定電圧値に維持されると共に、定電流制御部239により(LED照明装置60の所定の照明態様を得るための)所定の定電流値を維持し、或いは、所定の電流変化状態を継続するように制御された状態で、LANケーブル35を介してLED照明装置60に供給される。一方、ON/OFF部236によるスイッチオフ動作があると、定電流制御部239から、LANケーブル35を介した受電側装置250への給電動作(そして、給電線65を介したLED照明装置60への給電動作)は停止(遮断)される。
【0072】
<設定記憶部>
給電制御装置230は、LED照明装置60を一つの給電装置230に接続する全数からなる1ユニット単位で所定の照明態様となるよう発光駆動するよう(又は、後述するように、1ユニットを複数グループにグループ分けしてグループごとに異なる所定の照明態様で発光駆動するよう)、LED電源装置241の直流電力を所定電圧値及び所定電流値の設定済み直流電力へと変換し、その変換後の設定済み直流電力を受電側装置250を介してLED照明装置60に供給するが、その前処理として、給電制御装置230は、各種の照明態様を得るために必要な設定済み直流電力を生成するためのパラメータ値やプログラム(ファームウエア)を、それぞれ、各照明態様に関連付けて設定記憶部230の所定の記憶領域(所定アドレス)に記憶して保存しておく。この設定記憶処理は、例えば、LED照明装置60の通常動作時の給電モード(基本動作モード)用の基本動作用パラメータ値を設定する基本動作用設定記憶処理と、LED照明装置60の調光動作時や点滅動作時やグルーピング照明動作時等、特定の照明態様を得るための給電モード(照明制御モード)用の照明制御用パラメータ値を設定する照明制御用設定記憶処理とから構成することができる。この場合、例えば、基本動作モードは、給電制御装置220からLED照明装置60に対して、LED照明装置60の通常動作時の直流電力を供給するモードとし、基本動作用設定記憶処理は、LED照明装置60(直管型LEDランプ等)の定格(定格電圧、定格電流等)に応じて設定された直流電力のパラメータ値(電圧値及び電流値等)を、当該基本動作用パラメータ値として設定して記憶する処理とすることができる。また、照明制御用モードは、給電制御装置220からLED照明装置60に対して、LED照明装置60の特定の照明態様を得るための照明制御時の直流電力を供給するモードとし、照明動作用設定記憶処理は、所望の照明態様ごとに(即ち、長孔用、点滅用、グルーピング照明用等の各々の照明態様について)、前記基本動作用パラメータ値に基づく直流電力(基本動作電力)を使用して、各照明態様を得るためのプログラムを設定し、ファームウエアとして記憶する処理とすることができる。なお、この照明動作用設定記憶処理については、後に詳述する。
【0073】
<電圧制御部>
また、主制御部231による受電側装置250への設定済みの直流電力は、その定電圧値として、LED照明装置60の種類や定格に応じた最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値となるよう、主制御部231に指令に従って電圧制御部233により制御される。例えば、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電圧値は、典型的には、43V〜48Vの範囲内であるため、この場合、主制御部231は、電圧制御部233を使用して、LED電源装置241の電源電圧(48V)を、そのままLED照明装置60への給電用の設定電圧値として維持する制御を行うと共に、受電側装置250への実際の供給電圧値を検出する電圧検出部234の検出値(出力値)を使用した帰還制御(フィードバック制御)により、受電側装置250に供給する直流電力の電圧値が前記設定電圧値を維持するように制御を行う。
【0074】
<照明制御部>
前記ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238は、本実施の形態の照明制御部を構成し、このうち、ON/OFF部236は、主制御部231の指令を受けて、給電制御装置230からのLED照明装置60への給電を、選択的にオン(接続)又はオフ(遮断)するものであり、例えば、(トランジスタ等を利用した)スイッチング回路から構成される。また、調光部236は、主制御部231の指令を受けて、LED照明装置60の調光制御を行うものであり、例えば、振幅制御回路又はパルス幅制御回路等により構成される。また、照明態様制御部237は、主制御部231の指令を受けて、LED照明装置60を各種の照明態様で発光するよう制御するものである。照明態様制御部237による照明態様としては、実施の形態1で述べたものと同様のものを採用することができる。
【0075】
<定電流制御部>
定電流制御部239は、電圧制御部233により一定の設定電圧値に維持した直流電流を、LED照明装置60の最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作、或いは、前記調光部54や照明態様制御部55による所定の照明態様での点灯動作)に要求される所定電流値の定電流となるよう制御するものであり、定電流制御用のレギュレーターや定電流制御用のDC/DCコンバータ等により構成される。この場合、主制御部231は、定電流制御部239を使用して、LED電源装置241の電源電流を、LED照明装置60への給電用の設定電流値に変換して維持する制御を行うと共に、受電側装置250への実際の供給電流値を検出する電流検出部235の検出値(出力値)を使用した帰還制御(フィードバック制御)により、受電側装置250に供給する直流電力の電流値が前記設定電流値を維持するように制御を行う。なお、例えば、調光動作の場合は、定電流制御部239による電流値は、調光部237による調光操作の途中過程では当然に増減変化するが、一定の調光状態を得た後は、その調光状態に応じた定電流となる。
【0076】
ここで、給電制御装置230による設定済みの直流電力は、例えば、LED照明装置60として定格消費電力が20WのLED照明装置60を1本だけ給電側装置240に接続する構成を採用する場合、電圧値を48V、電流値を約420mAに設定することができる(この場合、電力値は約20Wとなる)。いずれの場合も、給電側装置220の給電制御装置230から受電側装置250に供給する直流電力は、電圧値を48Vの定電圧値とし、電流値をLED照明装置60の照明態様に応じた定電流値(最大で定格電流値)とする。よって、LED照明装置60として定格消費電力が20WのLED照明装置60を2本を一対として給電側装置240に接続する構成を採用する場合、電圧値を48V、電流値を約840mAに設定することができる(この場合、電力値は約20W×2=約40Wとなる)。したがって、実施の形態4でも、実施の形態1と同様、大容量の電流伝送に耐えうるよう、給電側装置220から受電側装置250への給電を行うLANケーブル35として、CAT6のLANケーブル35を使用している。
【0077】
なお、実施の形態1でも述べたように、本願の出願人が独自に開発した新規なLED照明装置60の場合、最適な点灯動作(最大発光効率での点灯動作)に要求される所定電流値は、典型的には、420mA〜840mAの範囲内であるため、この場合、定電流制御部239は、電圧制御部233により一定の設定電圧値に維持した直流電流を、当該範囲内の所定の電流値(例えば、420mA)の定電流となるよう制御する。したがって、この場合、給電側装置220からLED照明装置60に出力される直流電力の電力値は、例えば、43V×0.42A=約18Wとなる。
【0078】
<設定済み直流電力給電装置>
給電制御装置230は、マイコン制御装置等と同様のコンピュータ装置のハードウエア資源(CPU、メモリ、I/O等)を利用すると共に、所定の組込制御プログラム(ファームウエア)からなるソフトウエア資源を利用して、上記の所定の各機能を実現するようになっている。なお、給電制御装置230は、電源を投入した状態でのLANケーブル25,35の脱着を可能にするホットスワップ(活線挿抜)部を備えてもよい。また、上記イーサネットスイッチ20及び給電側装置220の組合せは、実施の形態4の設定済み直流電力給電装置を構成する。ここで、実施の形態1では、給電装置10から給電側装置30に供給される直流電力は、電圧値が24V、電流値が1.6Aに設定されている(電力値は38W)が、実施の形態4では、給電装置10から給電側装置220に供給される直流電力は、24Vの電圧値とする以外に48Vの電圧値とすることもできる。また、給電側装置220は、給電装置10からの直流給電以外に、商用交流電力を入力し、その交流電力を前記所定の設定済みの直流電力に変換して受電側装置250に供給する構成とすることもでき、この場合、通常の家屋等、電源として商用交流電力の使用が容易である設置対象の建造物乃至構築物において、給電側装置220への電源の供給を容易にすることができる。
【0079】
<受電側装置250>
実施の形態1の受電側装置40は、内部に受電制御装置50を備え、給電制御装置31からの制御信号を受けて所定の制御動作を実行するものであるが、実施の形態4の受電側装置250は、図12に示すように、単に、LANケーブル35を接続するLANポート251と、給電線65を接続する給電ポート252と、LANポート251及び給電ポート252間を電気的に接続する導線CLとを備える単純な構成である。即ち、実施の形態4では、給電側装置220から受電側装置250へは、単に、所定の制御済みの直流電力が供給されるだけであり(その構成は後に詳述する)、実施の形態1のように制御信号の授受が行われることはないため、電側装置240は、内部に受電制御装置と同様の構成を備える必要がなく、その分、構成をコンパクトかつ安価なものとすることができる。したがって、給電側装置220からの給電をLANケーブル35の予備対C4,C5及び予備対C7,C8を利用して行う場合、図12に示す受電側装置250内部の信号対C1,C2及び信号対C3,C6のための構成(特に、パルストランス等の制御信号授受のための構成)を省略することもできる。なお、給電側装置220からの給電をLANケーブル35の信号対C1,C2及び信号対C3,C6を利用して行う(即ち、ファントム給電することも)当然可能であり、この場合は、受電側装置250内部の信号対C1,C2及び信号対C3,C6をLANケーブル35の信号対C1,C2及び信号対C3,C6と電気的に接続するための構成は必要となる。
【0080】
また、受電側装置250は、給電側装置220の出口ポートに挿着したLANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介して、給電制御装置230によって制御された設定済みの直流電力の供給を受ける。具体的には、実施の形態1と同様、LANケーブル35の給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8が、当該LANケーブル35のRJ−45コネクタの対応するピンを介して、受電側装置250のLANポート251に接続され、(前記給電制御装置230からの)当該撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8を介した設定済みの直流電力が、受電側装置250に入力されて給電が行われる。受電側装置250は、給電対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8からの直流電力を、給電線65を介してLED照明装置60に供給し、これにより、設定済みの直流電力に応じた制御態様で、LED照明装置60の照明制御が実行される。
【0081】
<第1の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態4のLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図11に示すように、前記イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを別個に配設する構成を採用しているが、実施の形態1の第1の変更例と同様、信号・電力送受装置としては、これに代えて、図14に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを(図14中に二点鎖線で示す)筺体80内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第1の変更例に係る信号・電力送受装置は、給電側装置220の構成が給電側装置30と異なる点と、上記のとおりイーサネットスイッチ20が1本のLANケーブル25で給電側装置220に接続される点を除き、実施の形態1の第1の変更例の構成(図3の構成)と同様である。
【0082】
<第2の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態4のLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1の第2の変更例と同様、前記信号・電力送受装置に代えて、図15に示すように、イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを筺体内部に一体的に配設した一体構成の信号・電力送受装置290を採用してもよい。この場合、第2の変更例に係る信号・電力送受装置290は、給電側装置220の構成が給電側装置30と異なる点を除き、実施の形態1の第2の変更例の構成(図4の構成)と同様である。
【0083】
<第3の変更例の信号・電力送受装置>
実施の形態1のLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態1の第3の変更例と同様、端末制御装置70の制御信号の送受信及び給電装置10の直流電力の供給を行う信号・電力送受装置として、図11に示す(又は図12に示す)信号・電力送受装置に代えて、図16に示すように、給電装置10Aとイーサネットスイッチ20と給電側装置220とを(図16中に二点鎖線で示す)筺体100内部に一体的に配設する構成を採用してもよい。この場合、第3の変更例に係る信号・電力送受装置300は、給電側装置220の構成が給電側装置30と異なる点と、上記のとおりイーサネットスイッチ20が1本のLANケーブル25で給電側装置220に接続される点を除き、実施の形態1の第3の変更例の構成(図6の構成)と同様である。
【0084】
実施の形態5
図17に示すように、実施の形態5に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、受電側装置350が2本のLED照明装置60(2本で一対のLED照明装置対60P)を電気的に並列に接続した点において、実施の形態4と異なる。なお、この図17の例は、図7に示す実施の形態2に対応するものであり、信号・電力送受装置は、図11の例の信号・電力送受装置と同様、イーサネットスイッチ20と給電側装置220とを別個に配設する構成であるが、これを、図14に示す第1の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたり、図15に示す第2の変更例に係る構成の信号・電力送受装置としたりすることもできる。即ち、実施の形態5の信号・電力送受装置は、実施の形態4の信号・電力送受装置(第1〜第3の変更例も含む)と同様の構成である。
【0085】
実施の形態5の受電側装置350について、(信号・電力送受装置として図15に示す第2の変更例を使用した)図18、及び、(信号・電力送受装置として図13の実施の形態4の構成を使用した)図19を参照して説明すると、まず、図18に示すように、受電側装置350は、実施の形態4の受電側装置250と同様、単に、LANケーブル35を接続するLANポート251と、給電線65を接続する給電ポート352と、LANポート251及び給電ポート352間を電気的に接続する導線CLとを備える単純な構成であり、LANポート251に接続したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの直流電力を、給電ポート352から2本を一対としたLED照明装置60の対(LED照明装置対60P)に中継して供給するようになっている。即ち、受電側装置350は、給電ポート352に2対(4個の)接続口を設けて2対(4本)の給電線65を接続するようになっており、かかる2対の給電線65介して、2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続し、2本のLED照明装置60に直流電力を供給する。なお、図19に示すように、受電側装置350は、1本のLANケーブル35を介して給電側装置220に接続されており、照明制御の構成及び方法は、実施の形態4の場合と同様である。
【0086】
実施の形態6
図20に示すように、実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4に係るLED照明装置の照明制御システムとほぼ同様の構成であるが、給電側装置360及び受電側装置370の構成において、実施の形態4と異なる。詳細には、実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムに対応するものであり、給電側装置360は、内部の給電制御装置230が実施の形態3の給電制御装置31と異なる点を除いて、実施の形態3の給電側装置160と同様の構成である。また、受電側装置370は、実施の形態4の受電側装置250と同様の構成である。そして、実施の形態6に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態3に係るLED照明装置の照明制御システムと同様、給電制御装置230からの直流電力を、予備対としての撚対線C4,C5及び撚対線C7,C8ではなく、信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6を介して伝送すべく、いわゆるファントム給電技術を利用している。
【0087】
実施の形態7
図21に示すように、実施の形態7に係るLED照明装置の照明制御システムは、直流電力供給装置410からの直流電力を、給電側装置430に供給する構成である。図21中、直流電力供給装置410は実施の形態4のLED電源装置241と同様の構成であり、壁面スイッチ420は前記壁面スイッチSWと同様の構成であり、給電側装置430は、実施の形態4(又はその変更例)の給電制御装置220と同様の構成であり、イーサネットスイッチ440は前記イーサネットスイッチ20と同様の構成である。そして、実施の形態7では、端末制御装置70からイーサネットスイッチ440を介した指令に応じて、又は、壁面スイッチ420からの指令に応じて、給電側装置430が、所定の直流電力を受電側装置350を介して、所定数のLED照明装置対60PからなるLED照明ユニットLUに供給するようになっている。なお、実施の形態7では、端末制御装置70(通常はPC)の代わりに、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末装置70Sからの指令に基づいても、給電側装置430が、所定の直流電力を受電側装置350を介して、所定数のLED照明装置対60PからなるLED照明ユニットLUに供給するようになっている。
【0088】
実施の形態8
図22に示すように、実施の形態8に係るLED照明装置の照明制御システムは、太陽光パネル12からの直流電力を、パワーコンディショナー510を介して給電側装置430に供給する構成とした点、及び、給電側装置430をカスケード接続した点を除き、実施の形態7に係るLED照明装置の照明制御システムと同様の構成である。
【0089】
実施の形態9
次に、上記実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムで使用可能な設定済み直流電力給電装置430及び受電側装置350の具体的構成について、実施の形態9として、図23及び図24を参照して説明する。まず、図23に示すように、設定済み直流電力給電装置430は、実施の形態7及び実施の形態8の給電側装置430に対応するものであるが、実施の形態7及び実施の形態8の給電側装置430が、外部の直流電源(直流電力供給装置410からなる直流電源又は太陽光パネル12及びパワーコンディショナー510からなる直流電源)を使用するのに対し、実施の形態9の設定済み直流電力給電装置430は、外部直流電源に対応する直流電源を内蔵する構成である。詳細には、設定済み直流電力給電装置430は、筺体431の内部に、実施の形態4で述べたLED電源装置241に対応する(2個の)LED電源装置433A,433Bを内蔵すると共に、実施の形態4で述べた基板電源装置242に対応する(2個の)基板電源装置434A,434Bを内蔵するものである。また、設定済み直流電力給電装置430は、筺体431の一側面に、(商用交流電源等の)AC電源を接続するAC接続端子432を備え、AC電源の交流電力を、ケーブル配線CWを介してLED電源装置433A,433B及び基板電源装置434A,434Bに供給し、LED電源装置433A,433Bで所定電圧(典型的には48V)の直流電力に変換すると共に、基板電源装置434A,434Bで所定電圧(典型的には12V)の直流電力に変換するようになっている。
【0090】
[給電制御ユニット]
更に、設定済み直流電力給電装置430は、前記給電制御装置230に対応する給電制御ユニット440を筺体441の内部に実装している。給電制御ユニット440は、基板441の上に、電源接続ポート442、合計4個の中央処理装置(CPU)443A,443B,443C,443D、ROMやRAM等のメモリーやコンデンサー等からなる所定の電気・電子部品444(図23では1個のみ図示しているが、実際は制御回路の設計に応じた必要種類及び必要数が設けられる)、合計6枚(3枚を組みとする一対で6枚)の電力制御基板(ドライバー基板)445A,445B、LED照明装置60への給電用のLANケーブル35接続用の2個(一対)のLAN接続部446A,446B、壁面スイッチSWからのLANケーブル接続用の1個のLAN接続部447、及び、端末制御装置70からの制御信号を中継するイーサネットスイッチ20からのLANケーブル25接続用の1個のLAN接続部448を前記基板441に実装している。
【0091】
<電源接続ポート>
詳細には、電源接続ポート442は、基板電源装置434A,434Bからの所定電圧値の直流電力を、基板41上の電力消費部品としての各種電子部品(中央処理装置443A〜443D、電力制御基板445A,445B等)に対して、動作用の電力として供給するものである。また、電源接続ポート442は、LED電源装置433A,433Bからの所定電圧の直流電力を、前記給電制御部230に相当する給電制御部を構成する基板441上の各種電子部品(中央処理装置443A〜443D、電力制御基板445A,445B等)に供給するものでもある。
【0092】
<中央処理装置(主制御部)>
合計4個の中央処理装置(CPU)443A,443B,443C,443Dは、それぞれ、前記給電制御装置230の主制御部231に相当する主制御部を構成するものであるが、実施の形態9では、使用目的に応じて、4個の(4種類の)中央処理装置を設け、4個の主制御部により、使用目的に応じた最適な制御動作を確保するようになっている。具体的には、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、第1の中央処理装置443Aは、端末制御装置70,70Sからの指令に応じた制御処理を実行するためのものである。即ち、上記実施の形態1〜8のLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置70,70Sに実装したウエブブラウザ機能等を利用して、所定の通信プロトコル(典型的には、http)による所定コマンド(getコマンド等)を、給電側装置30,220の給電制御装置31,230に出力し、そのコマンドに応じた制御処理を給電制御装置31,230が(主制御部231等を使用して)実行するようになっている。したがって、第1の中央処理装置443Aは、かかる端末制御装置70,70Sからの指令に応じた制御動作を実行する専用の中央処理装置(以下、便宜上、「WEB処理用中央処理装置」と称する。)として実装されている。
【0093】
また、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、第2の中央処理装置443Bは、複数台(多数台)の給電側装置430はカスケード接続する場合の制御処理を実行するためのものである。即ち、実施の形態8で述べたように、給電側装置430はカスケード接続により複数台(多数台)を接続することもできる。したがって、第2の中央処理装置443Bは、カスケード接続する給電側装置430(実施の形態9の場合は設定済み直流電力給電装置430)の台数等の条件に応じて、カスケード接続した給電側装置430又は設定済み直流電力給電装置430が、所定の動作を最適な動作態様で実行できるような制御を実行する。また、第2の中央処理装置443Bは、カスケード接続した給電側装置430又は設定済み直流電力給電装置430が接続順序の何番目に位置するか等も判断し、接続順序に応じた給電制御動作を実行することができる。例えば、第2の中央処理装置443Bは、ある接続順番に位置する給電側装置230に接続されたLED照明装置60を、そのLED照明装置60に特有の照明態様(他の給電側装置230に接続されたLED照明装置60の照明態様とは異なる照明態様)で発光駆動するよう給電制御することもできる。即ち、中央処理装置443Bは、カスケード接続の場合の制御処理に特化したものであり、かかるカスケード接続制御動作を実行する専用の中央処理装置(以下、便宜上、「カスケード接続処理用中央処理装置」と称する。)として実装されている。
【0094】
また、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、第3の中央処理装置443C及び第4の中央処理装置443Dは、これら2個を一対として、LED照明装置60への給電制御用の制御処理を実行するためのものである。即ち、これら2個の中央処理装置は、特に、上記した給電制御装置230の主制御部231等による、LED照明装置60への設定済み直流電力を得るための制御処理に特化したものであり、かかる給電制御動作を実行する専用の中央処理装置(以下、便宜上、「LED給電処理用中央処理装置」と称する。)として実装されている。具体的には、一方のLED給電処理用中央処理装置443Cは、12個のLED照明装置のうちの半分の6個のLED照明装置60への給電制御を担当するものとし、他方のLED給電処理用中央処理装置443Cは、12個のLED照明装置のうちの残りの半分の6個のLED照明装置60への給電制御を担当するものとして使用する。このように、1ユニットのLED照明装置60への給電のための制御処理を2個の専用の中央処理装置443C,443Dによって分担して実行することにより、特に、給電制御対象及び照明動作制御対象となるLED照明装置60の数が多くなった場合でも、その制御処理の負荷を分散することができ、安定した給電制御動作及び照明制御動作を確保することができると共に、制御動作におけるレスポンスを向上することもできる。
【0095】
なお、4個の中央処理装置443A,443B,443C,443Dのうち、3個の中央処理装置は基板441の表側に実装され、残りの1個の中央処理装置は基板441の裏側に実装されているが、これは、実装スペースの関係を考慮したものであり、表裏いずれに任意の数の中央処理装置を実装することができる(例えば、図示の例では、基板441の表側に第1〜第3の中央処理装置443A,443B,443Cを実装し、基板441の裏側に第4の中央処理装置443Dを実装しているが、本発明はこれに限定されるものではない)。
【0096】
<メモリー>
コンデンサー等の所定の電気・電子素子444のうち、特に、メモリーは、実施の形態4の給電制御装置230の設定記憶部232に相当する電子部品であり、前記WEB処理用中央処理装置443Aからなる主制御部の制御により、上記のような設定済み直流電力の各種パラメータ値やファームウエアとしての組み込みプログラムを格納するものである。
【0097】
<給電制御基板(ドライバー基板)>
合計6枚(3枚を組みとする一対で6枚)の給電制御基板(ドライバー基板)445A,445Bは、WEB処理用中央処理装置443Aからなる主制御部の制御により、メモリーからなる設定記憶部に格納した給電制御情報を利用して、LED電源装置433A,433Bからの直流電力を所定の照明態様を得るための所定の設定済み直流電力へと変換し、当該設定済み直流電力をLAN接続部446A,446Bから安定してLED照明装置60に供給するものである。ここで、前記2個のLAN接続部446A及びLAN接続部446Bは、それぞれ、合計6個のLANポートLPを有しており、LAN接続部446Aに3枚の給電制御基板445Aの組が割り当てられると共に、LAN接続部446Bに3枚の給電制御基板445Bの組が割り当てられている。そして、3枚の給電制御基板445Aの各1枚の出力端子(2個)が、LAN接続部446Aの6個のLANポートのうちの2個のLANポートに接続されて、各1枚の給電制御基板445Aが、前記設定済みの直流電力を対応するLAN接続部446Aの2個のLANポートLPに出力するようになっている。同様に、3枚の給電制御基板445Bの各1枚の出力端子(2個)が、LAN接続部446Bの6個のLANポートのうちの2個のLANポートに接続されて、各1枚の給電制御基板445Bが、前記設定済みの直流電力を対応するLAN接続部446Bの2個のLANポートLPに出力するようになっている。更に、各給電制御基板445A,445Bは、LAN接続部446A,446Bの各LANポートLPに異なる電圧値及び/又は電流値の直流電力を供給することができるよう設計されている。こうすると、例えば、上記のように、端末制御装置70の指令によって、1ユニットの(図示の例では12本の)LED照明装置60を複数グループにグルーピングして給電制御装置230の設定記憶部232に設定記憶しておくことで、端末制御部70又は壁面スイッチSWからの特定グループのLED照明装置(例えば、6本1組のグループ)を点灯する指令を受けて、主制御部231の制御によって、当該特定グループのLED照明装置60を特定の照明態様で発光駆動することができる。極端な場合、給電制御基板445A,445Bにより、LAN接続部446A,446Bの12個のLANポートLPにそれぞれ異なる電圧値及び/又は電流値の直流電力を供給することで、12個のLED照明装置60をそれぞれ異なる特定の照明態様で発光駆動することができる。
【0098】
なお、給電制御基板445A,445Bは、前記給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232以外の構成、即ち、主制御部231の制御により給電制御としての電圧制御や電流制御や照明態様制御を行うための要素である電圧制御部233、電圧検出部234、電流検出部235、ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238、定電流制御部239に相当する構成部材とみなすこともできる。また、給電制御基板445A,445Bは、図示の例では合計6枚が基板441に実装されて、合計12個LANポートLPに給電出力するようになっているが、その枚数を(3枚、4枚等、6枚より少ない数としたり、8枚、10枚、12枚等、6枚より多い数としたり)適宜増減変更することもできる。なお、給電制御基板445A,445Bの枚数は、筺体431へのLED電源装置433A,433Bの格納スペースの関係で、6枚〜8枚以下(多くても10枚以下)とすることが好ましく、給電制御基板445A,445Bの枚数を例えば12枚以上の多数とする場合は、LED電源装置433A,433Bを筺体431の外部に実装し、外部から給電する構成とすることが好ましい。
【0099】
<LANポート>
LED照明装置60への給電用のLANケーブル35接続用の2個(一対)のLAN接続部446A,446Bは、上記のとおり、給電制御基板445A,445Bからの設定済み直流電力をLANケーブル35を介して受電側装置350に供給するためのものである。また、壁面スイッチSWからのLANケーブル接続用の1個のLAN接続部447は、2本のLANケーブルを接続できるよう2個のLANポートLPを備え、最大で2個の壁面スイッチSWからの制御信号を入力して、その制御信号を基板441上の中央処理装置443A〜443D等に伝送するようになっている。また、端末制御装置70からの制御信号を中継するイーサネットスイッチ20からのLANケーブル25接続用の1個のLAN接続部448は、1本のLANケーブルを接続できるよう1個のLANポートLPを備え、端末制御装置70,70Sからの制御信号を入力して、その制御信号を基板441上の中央処理装置443A〜443D等に伝送するようになっている。
【0100】
[受電側装置]
実施の形態9の受電側装置350は、図24に示すように、実施の形態5の受電側装置350と同様の構成であり、基板351の一端(図示の例では長さ方向一端)に、LANケーブル35を接続するLANポート部353を固定すると共に、基板352の他端に給電線65を接続する給電ポート部354,355を固定している。なお、図24に仮想線で示すように、基板351にカバー352を取り付けてLANポート部353や給電ポート部354を保護してもよい。LANポート部353は、1口のLANポート353aを有し、1本のLANケーブルを接続自在である。また、給電ポート部354,355は、2枚の矩形板状又は矩形ブロック状の基部354を重ねて接合すると共に、上側の基部354の上面の外端部に、小片矩形平板状の4個の支持部355を固定している。また、上側の基部354には、一定間隔をおいて、合計で4個の給電ポート354aが形成されている。なお、4個の支持部355は、それぞれ厚み方向の中央に、支持部355の一側面に開口するスリットを形成したものであり、それぞれのスリットを、基部354の4個の給電ポート354aの位置と整合させて配置している。そして、給電ポート部354,355は、4本の給電線65の接続端子を、それぞれ、基部354の4個の給電ポート354aに挿着して電気的に接続すると共に、4本の給電線65の接続端子部分をそれぞれ4個の支持部355のスリットにより係止して抜け止め等するようになっている。なお、LANポート部353のLANポート353aと給電ポート部354,355の給電ポート354aとは、それぞれ、基板351に設けたプリント配線又は導線CLにより電気的に接続されている。これにより、受電側装置350は、上記のとおりの簡単な構成として、LANポート353aに接続したLANケーブル35の信号対としての撚対線C1,C2及び撚対線C3,C6からの直流電力を、給電ポート354aから2本を一対としたLED照明装置60の対(LED照明装置対60P)に中継して供給するようになっている。即ち、受電側装置350は、給電ポート部354に2対(4個の)接続口としての給電ポート354aを設けて2対(4本)の給電線65を接続するようになっており、かかる2対の給電線65を介して、2本のLED照明装置60を電気的に並列に接続し、2本のLED照明装置60に直流電力を供給するようになっている。なお、受電側装置350は、基板351に逆流防止用のダイオードを実装することもできる。このように、受電側装置350は、上記のとおりの簡単な構成なので、安価に製造することができる。特に、LED照明装置60の数(本数又はつい数)と同数の多数を必要とする受電側装置350を安価な構成とすることにより、本発明のLED照明装置の照明制御システム全体のコストを大幅に低減することができる。
【0101】
実施の形態10
次に、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムについて図25を参照して説明する。実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムに適用可能な具体的な給電制御機能の一例を実現するものである。
【0102】
<WEB画面>
詳細には、図25に示すように、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムは、端末制御装置70,70Sの所定の指令を給電制御装置230に設定するためのユーザーインタフェースとしてのWEB画面520を、当該端末制御装置70,70Sのディスプレイに、ウエブブラウザ機能を利用して表示するものである。このWEB画面520は、給電制御装置230への指令出力のためのコマンドとして、全体ON/OFFコマンドC1、全体調光コマンドC2、点灯状況確認コマンドC3、グルーピングコマンドC4、グループ毎ON/OFFコマンドC5、及び、グループ毎調光コマンドC6の各コマンド処理機能を実現する機能実現手段を備えている。全体ON/OFFコマンドC1は、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンドであり、全体調光コマンドC2は、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60を調光するためのコマンドであり、点灯状況確認コマンドC3は、給電制御装置230に接続したLED照明装置60の個別の点灯状況を確認するためのコマンドであり、グルーピングコマンドC4は、給電制御装置230に接続した1ユニットのLED照明装置60を所定数のグループにグループ分けするためのコマンドであり、グループ毎ON/OFFコマンドC5は、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンドであり、グループ毎調光コマンドC6は、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60を調光するためのコマンドである。
【0103】
<壁面スイッチ>
また、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムでは、壁面スイッチSWが、端末制御装置70,70Sから給電制御装置230に設定した所定の照明態様乃至照明モードでLED照明装置60を発光駆動するための制御信号を、LANケーブルを介して給電制御装置230に出力する機能を実現する機能実現手段を備えている。詳細には、壁面スイッチSWは、WEB画面520の全体ON/OFFコマンドC1、全体調光コマンドC2、グループ毎ON/OFFコマンドC5及びグループ毎調光コマンドC6と同様のコマンドを給電側装置230に出力するためのコマンド出力機能を実現する機能実現手段を備えている。具体的には、壁面スイッチSWは、所定の制御基板に所定の複数(例えば、4個)のボタンを実装すると共に、各ボタンをオンすることにより、制御基板の制御により、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンド、給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60を調光するためのコマンド、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのコマンド、及び、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60を調光するためのコマンドの各機能を実現するようになっている。また、壁面スイッチSWは、前記WEB画面の点灯状況確認コマンドC3を受けて、壁面スイッチに割り当てたLED照明装置60の点灯状況を、確認表示用LEDランプや確認表示用ディスプレイ等の表示手段に表示するよう構成することもできる。
【0104】
<給電制御装置>
また、実施の形態10に係るLED照明装置の照明制御システムでは、給電制御装置230は、WEB画面520の全体ON/OFFコマンドC1、全体調光コマンドC2、点灯状況確認コマンドC3、グルーピングコマンドC4、グループ毎ON/OFFコマンドC5、グループ毎調光コマンドC6の各コマンドに対応する制御処理機能を実現する機能実現手段を備えている。詳細には、給電制御装置230は、全体ON/OFFコマンドC1に応答して、当該給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60をオン又はオフするための全体ON/OFF機能F1、全体調光コマンドC2に応答して、当該給電制御装置230に接続した全数のLED照明装置60を調光するための全体調光機能F2、当該給電制御装置230に接続したLED照明装置60の個別の点灯状況をモニターし、点灯状況確認コマンドC3に応答して、現在の点灯状況を確認して所定の表示手段に表示するための点灯状況モニター機能F3、グルーピングコマンドC4に応答して、当該給電制御装置230に接続した1ユニットのLED照明装置60を所定数のグループにグループ分けするためのグループ設定機能F4、グループ毎ON/OFFコマンドC5に応答して、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60をオン又はオフするためのグループ毎ON/OFF機能F5、及び、グループ毎調光コマンドC6に応答して、グループ分けした各グループ毎に、その全数のLED照明装置60を調光するためのグループ毎調光機能F6の各機能を実現する機能実現手段を備えている。
【0105】
<グルーピング>
前記グルーピングコマンドC4による制御について更に説明すると、給電制御装置230は、所定数(所定本数又は所定対数)を一つの管理単位(1ユニット)としたLED照明装置60を、当該所定数のLED照明装置60の全数を一括して所定の照明態様で発光駆動するための制御を実行する以外に、グルーピングコマンドC4を受けて、当該所定数のLED照明装置60を複数のグループに分割し、各グループのLED照明装置60を別個の所定の照明態様で発光駆動する制御を実行することができる。例えば、このグルーピングでは、所定数のLED照明装置60を、半数ずつの第1グループ及び第2グループの2グループ、1/3の数ずつの第1グループ〜第3グループの3グループ、1/4の数ずつの第1グループ〜第4グループの4グループ等に分割し、あるグループのLED照明装置は第1の照明態様で発光駆動し、別のグループのLED照明装置は(第1の照明態様とは異なる)第2の照明態様で発光駆動する制御とすることもできる。この場合、給電制御装置230の制御は、LED照明装置60のグループ数と同一数の(異なる照明態様を得るための)別個の設定済み直流電力を、それぞれ、対応するグループのLED照明装置に供給する制御となる。或いは、給電制御装置230の制御は、所定数のLED照明装置60の各々を個別の照明態様で発光駆動する制御とすることもできる。この場合、給電制御装置230の制御は、LED照明装置60の数と同一数の(異なる照明態様を得るための)別個の設定済み直流電力を、それぞれ、対応する個々のLED照明装置に供給する制御となる。
【0106】
実施の形態11
次に、実施の形態11に係るLED照明装置の照明制御システムについて図26を参照して説明する。実施の形態11に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムにおいて、給電側装置を所定台数(n台)カスケード接続して、給電制御装置を所定台数(n台)カスケード接続し、当該所定台数の給電制御装置の各々により、対応する受電側装置を介して、接続対象のLED照明装置に対する給電制御を行う場合の一例を示すものである。なお、実施の形態11では、給電制御装置1〜nには、受電側装置1〜n(各受電側装置1〜nは、制御対象の所定数LED照明装置の数と同一数の受電側装置250,350からなる)を介して、所定数のLED照明装置60又はLED照明装置対60PからなるLED照明グループ1〜nが接続される例を示しているが、給電制御装置1には、受電側装置1を介して、所定数のLED照明装置60又はLED照明装置対60Pを2つのグループ(LED照明グループ1−1及びLED照明グループ1−2)にグループ分けした場合を示している。
【0107】
実施の形態12
次に、実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムについて図27を参照して説明する。実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムは、実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムに適用可能な具体的な給電制御機能の一例を実現するものである。
【0108】
<WEB画面>
詳細には、図27に示すように、実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムでは、前記WEB画面520は、給電制御装置230への指令出力のためのコマンド及び当該WEB画面520への表示機能として、電力使用量確認コマンドC11、電力使用量表示機能C12、及び、タイマー設定機能C13の各コマンド処理機能又は表示処理機能を実現する機能実現手段を備えている。電力使用量確認コマンドC11は、給電制御装置230に接続したLED照明装置60の電力使用量を確認するためのコマンドであり、電力使用量表示機能C12は、電力使用量確認コマンドC11に応答して給電制御装置230が確認したLED照明装置60の電力使用量を、所定の表示画面に表示させるための機能であり、タイマー設定機能C13は、設定した時間(時刻)に上記のような調光機能及び/又はオン・オフ機能を実現するためのコマンドである。
【0109】
<給電制御装置>
また、実施の形態12に係るLED照明装置の照明制御システムでは、給電制御装置230は、WEB画面520の電力使用量確認コマンドC11(及び電力使用量表示機能C12)、並びに、タイマー設定機能C13の各コマンドに対応する制御処理機能を実現する機能実現手段を備えている。詳細には、給電制御装置230は、外部計測機器620としての電力計621及び照度計622を接続し、電力計621が計測したLED照明装置60による消費電力量と、照度計622が計測した照度値とをリアルタイムで入力している。また、給電制御装置230は、電力使用量確認コマンドC11に応答して、当該給電制御装置230に接続したLED照明装置60の電力使用量を確認し、電力使用量表示機能C12に対応して、前記電力使用量確認機能F11を使用して確認したLED照明装置の電力使用量を、WEB画面520の所定の表示領域に表示する機能を実現する機能実現手段を備えている。この場合、給電制御装置230は、電力使用量確認コマンドC11に応答して、当該給電制御装置230に接続したLED照明装置60の電力使用量を前記電力計621から取得する。また、給電制御装置230は、これらの機能実現手段を使用して、電力使用量に応じて(典型的には、電力使用量が予定の使用量を超えた場合に)、一部のLED照明装置60を一定時間オフするオン・オフ制御処理機能(第1の節電処理機能)や、一部又は全部のLED照明装置の光量を低下させる調光制御処理機能(第2の節電処理機能)を実現することもできる。或いは、給電制御装置230は、電力計621からの情報を取得することなく、自らの制御によるLED照明装置60の点灯状況(点灯時間)又はオン・オフ状況(オン時間又はオフ時間の長さ)を取得する点灯状況取得機能F12と、自らの制御によるLED照明装置60の調光値を取得する調光値取得機能F13とを利用して、それらの取得情報に基づき、所定の計算アルゴリズムを使用して、LED照明装置60の電力使用量を計算して出力することもできる。
【0110】
また、給電制御装置230は、WEB画面520のタイマー設定コマンドC13に応答して、タイマーを設定するタイマー機能F14を実現する機能実現手段を備えている。この場合、給電制御装置230は、WEB画面520のタイマー設定コマンドC13への応答時に、内蔵するクロック(CL)から現在時刻を取得する時刻取得機能F15を利用して、タイマー機能F14により設定時刻にLED照明装置60のオン・オフ機能F16や調光機能F17を実現するための制御機能を実現することができる。
【0111】
実施の形態13
次に、上記実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムで使用可能な壁面スイッチの具体的構成について、実施の形13として、図28及び図29を参照して説明する。まず、図28に示すように、壁面スイッチSW1は、例えば、建築物の一つの部屋のドアDRの側方の壁面Wに設けた開口に装着して固定される。図28中の円形内の拡大図に示すように、壁面スイッチSW1は、所定個数(図示の例では4個)のボタンBTを備えている。また、壁面スイッチSW1は、LANケーブルLCを介して給電側装置430のSWポートに接続される。なお、給電側装置430は、例えば、壁面スイッチSW1を配設する部屋の天井裏等に配設することができる。また、給電側装置430は、LANケーブルLNを介して、当該部屋の天井の下面等に配設したLED照明装置60に接続される。
【0112】
図29に示すように、壁面スイッチSWは、4つのボタンBT1,BT2,BT3,BT4を備え、その裏面に配設した制御基板SBの制御により、各ボタンBT1,BT2,BT3,BT4に(端末制御装置70,70Sからの指令に基づき給電制御装置230を使用して)割り当てられた所定の指令内容を表現する制御信号を出力するようになっている。また、壁面スイッチSWの制御基板SBの裏面には、壁面スイッチSWからの出力用のLANポート部SPが配設され、当該LANポート部SPのLANポートに接続したLANケーブルを介して、前記ボタンBT1,BT2,BT3,BT4による制御信号を給電制御装置230のSWポートに入力するようになっている。なお、壁面スイッチSWの制御基板SBは、端末制御装置70からのON/OFFコマンドや調光コマンドと同様のコマンドを給電制御装置230に出力するための電子回路を実装したものである。
【0113】
ここで、図28中に破線で示すように、壁面スイッチSW1のLANポート部SPには、2個のLANポートが設けられ、壁面スイッチSW1の側方に、もう1個の壁面スイッチSW2を配設してカスケード接続できるようになっている。詳細には、当該カスケード接続を実現するために、各壁面スイッチSW(SW1,SW2)のLANポート部SPには、2個のLANポートが設けられ、一方の壁面スイッチSW1のLANポート部SPの一方のLANポートを1本のLANケーブルLCを介して給電制御装置230の(2個ある)SWポートの一方に接続すると共に、一方の壁面スイッチSW1のLANポート部SPの他方のLANポートと他方の壁面スイッチSW2のLANポート部SPの一方のLANポートとの間を1本のLANケーブルLCで接続し、更に、他方の壁面スイッチSW2のLANポート部SPの他方のLANポートを1本のLANケーブルLCを介して給電制御装置230の(2個ある)SWポートの他方に接続する。これにより、上記したように、給電制御装置230により、カスケード接続した2つの壁面スイッチSW1,SW2を利用して、壁面スイッチが1個の場合の2倍の個数のLED照明装置60の照明制御をおこなうことができる。
【0114】
実施の形態14
次に、上記実施の形態4〜実施の形態8のLED照明装置の照明制御システムに適用可能な、給電制御装置230への各種の設定処理機能の実現手段としての(前記WEB画面520に相当する)WEB画面600の一例について、実施の形14として、図30〜図35を参照して説明する。図30〜図35に示すように、WEB画面600は、6個のコマンドメニューM1,M2,M3,M4,M5,M6を備え、コマンドメニューMS〜M6に応じた操作画面領域を表示するようになっている。
【0115】
<Mapping by Switch>
例えば、図30は、壁面スイッチの各ボタンに関連してコマンドを割り当てる第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)M4を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P1には、WEB画面520の指令対象となる給電制御装置230に接続した壁面スイッチ(図示の例の場合は2個の壁面スイッチSW1,SW2)の各ボタン(各4個のボタン)BT1,BT2,BT3,BT4が表示されている。そして、ユーザーは、壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4のうち、どのボタンBT1〜BT4について設定を変更するかを選択することができ、例えば、図30に示すように、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3(上側の列の左から3番目のボタン)をクリック等して選択することで、当該第3のボタンBT3の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更されると共に、当該第3のボタンBT3について設定を変更することができる。この場合、図31に示すように、WEB画面520の操作画面領域P2には、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3について、当該壁面スイッチSW1に割り当てた12個のLED照明装置60への給電ポート(給電側装置220の12個の給電用LANポート)L1〜L12が表示され、このうち、第3のボタンBT3に割り当てたい給電ポートL1〜L12をクリック等して選択することで、選択した給電ポートL1〜L12を壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3に割り当て、当該第3のボタンBT3を押圧することにより、割り当てた給電ポートに接続するLED照明装置60を所定の照明態様で照明動作させることができる。例えば、図31のように、第3のボタンBT3に給電ポートL1、L3、L4、L9、L10及びL12を割り当てたい場合、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3をクリック等して選択することで、割り当てた給電ポートL1、L3、L4、L9、L10及びL12の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更される。その後、壁面スイッチSW1の第3のボタンBT3を押圧等してオンすることで、割り当てた給電ポートL1、L3、L4、L9、L10及びL12に接続する合計6個のLED照明装置60又はLED照明装置対60Pを所定の照明態様で照明動作させることができる。
【0116】
<Mapping by Switch>
図32は、LED照明装置用の給電ポートに関連してコマンドを割り当てる第3のコマンドメニュー(Mapping by Light)M3を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P3には、WEB画面520の指令対象となる給電制御装置230に接続したLED照明装置用の給電ポート(図示の例の場合は12個のLED照明装置用の給電ポートL1〜L12)が表示されている。そして、ユーザーは、給電ポートL1〜L12のうち、どの給電ポートL1〜L12を壁面スイッチSW1,SW2の各ボタンBT1〜BT4に割り当てるかを選択することができ、例えば、図32に示すように、給電ポートL3をクリック等して選択することで、当該給電ポートL3の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更されると共に、当該給電ポートL3を割り当てる壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4について設定を変更することができる。この場合、図33に示すように、WEB画面520の操作画面領域P4には、給電ポートL3について、当該給電ポートL3を割り当てる2個のスイッチSW1及びSW2の各4個のボタンBT1〜BT4が表示され、このうち、給電ポートL3を割り当てたいスイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4をクリック等して選択することで、給電ポートL3を選択したスイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4に割り当て、当該ボタンBT3を押圧することにより、給電ポートL3に接続するLED照明装置60を所定の照明態様で照明動作させることができる。例えば、図33のように、給電ポートL3を、スイッチSW1のボタンBT1及びボタンBT2及びボタンBT3と、壁面スイッチSW2のボタンBT1とに割り当てたい場合、壁面スイッチSW1のボタンBT1及びボタンBT2及びボタンBT3、並びに、壁面スイッチSW2のボタンBT2をクリック等して選択することで、スイッチSW1のボタンBT1及びボタンBT2及びボタンBT3と壁面スイッチSW2のボタンBT1の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更される。その後、壁面スイッチSW1のボタンBT1若しくはボタンBT2若しくはボタンBT3のいずれか、又は、壁面スイッチSW2のボタンBT2を押圧等してオンすると、割り当てた給電ポートL3に接続するLED照明装置60又はLED照明装置対60Pを所定の照明態様で照明動作させることができる。即ち、第3のコマンドメニュー(Mapping by Light)M3は、どの給電ポートがどの壁面スイッチSWのどのボタンBTに所属するか(接続するか)を変更するものであり、どの壁面スイッチSWのどのボタンBTがどの給電ポートに接続するかを変更する第4のコマンドメニュー(Mapping by Switch)M4とは逆のアプローチによるコマンドとなる。
【0117】
<Overview>
図34は、現在の給電ポートのステータスを確認するための第1のコマンドメニュー(Overview)M1を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P5には、給電制御装置230に接続する全てのLED照明装置60の給電ポートL1〜L12の点灯状況がステータス情報(オン・オフ情報)として表示される。即ち、この場合、現在点灯中のLED照明装置60が接続する給電ポート(図34の例の場合、給電ポートL1,L3.L8)の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更して表示される。なお、第1のコマンドメニュー(Overview)M1では、所望の給電ポートL1〜L12を選択することにより、当該選択した給電ポートL1〜L12に接続するLED照明装置60をオン・オフ動作することができる。
【0118】
<Switches>
図35は、現在の壁面スイッチSWのボタンBT1〜BT4のオン・オフ状況を確認するための第2のコマンドメニュー(Switches)M2を選択実行した場合を示し、この場合、操作画面領域P6には、給電制御装置230に接続する全ての壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4のオン・オフ状況がステータス情報(オン・オフ情報)として表示される。即ち、この場合、現在オン状態となっている壁面スイッチSW1,SW2のボタンBT1〜BT4の表示色が(灰色等から緑色等の別色に)変更して表示される(図35の例の場合、全てのボタンBT1〜BT4がオフ状態にある)。
【0119】
[発明の作用効果]
本発明に係るLED照明装置の照明制御システムは、上記のとおり、給電側装置230又は設定済み電力給電装置430に中央処理装置からなる主制御部等の制御のための構成を実装しているため、イーサネット毎にLED照明装置60を所望の照明態様とするために必要なパラメータ値を容易に変更して設定したり、必要なプログラムをファームウエアとして実装したりすることができ、また、この設定パラメータ値やプログラムを使用して、LED照明装置60の光量等を含む照明態様を簡単に変更することができる。また、本発明のLED照明装置の照明制御システムによれば、LANケーブルによる接続長として、最大で300mの接続長を実現することもでき、実用的な接続長としても、最大100mの接続長を実現することができる。
【0120】
[制御対象(制御機器)・接続対象(接続機器)]
本発明のシステムの給電側装置30,220による制御対象(制御機器)又は接続対象(接続機器)は、LED照明装置60であるが、特に、実施の形態4以降のLED照明装置の照明制御システムの給電側装置220は、通常のPoE給電のようにPDとしての受電側装置250やLED照明装置60の接続検出動作やクラス判別動作を行わない一方で、給電側装置230の仕様や設計を、接続するLED照明装置60の仕様や定格等に合わせた仕様や設計とすることで、当該LED照明装置60の給電動作に支障をきたすことはない(即ち、事前に、接続対象のLED照明装置の定格電圧や定格電流等が把握できているため、安全性の点でも不具合を生じることはない)。また、特に、実施の形態4以降の給電側装置220又は設定済見電力給電装置430は、制御対象(制御機器)・接続対象(接続機器)として、LED照明装置60以外のLANケーブルによるイーサネット接続が可能な任意の電子機器に適用することも可能である(即ち、本発明は、LANケーブルによる接続可能な電子機器の給電制御システムとして具体化することも可能である)。
【0121】
[用語の定義等]
実施の形態4の設定済み直流電力給電装置は、実施の形態1〜3の信号・電力送受装置に相当するものであり、本発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、便宜上、設定済み直流電力給電装置及び信号・電力送受装置を総称して、「直流電力給電装置」と称する。
【0122】
[実施の形態1〜3の発明]
また、実施の形態1〜3の発明に係るLED照明装置の照明制御システムは、上記のとおり、直流電力を供給する給電装置を給電側装置の外部に備える場合のほか、同様の直流電源装置を給電側装置と一体に所定の筺体内に配設する態様で、或いは、給電側装置自体の筺体に内蔵する態様で設けることもできる。また、コンピュータ装置からなる端末制御装置は、通常のPC等のほか、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末型のコンピュータ装置(携帯端末装置)から構成することもできる。更に、直流電力給電装置としての信号・電力送受装置は、給電装置を外部に設けた場合或いは給電装置と一体で筺体内に設けた場合は、給電装置に給電線を介して接続されると共に、端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される。また、受電側装置は、直流電力給電装置としての信号・電力送受装置に第2のLANケーブルを介して接続される。更に、端末制御装置は、前記LED照明装置に所定の照明動作を実行させるための所定の制御信号を出力する機能を実現する制御信号出力手段を含む。また、直流電力給電装置としての信号・電力送受装置は、給電線を介して給電装置からの直流電力を受電すると共に、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の制御信号出力手段からの制御信号を受信し、第2のLANケーブルを介して受電側装置に直流電力を給電すると共に、当該第2のLANケーブルを介して受電側装置に端末制御装置の出力手段からの前記制御信号を中継して送信する。更に、受電側装置は、前記第2のLANケーブルを介して信号・電力送受装置から受信した制御信号に基づき、給電線を介して、LED照明装置に当該制御信号に応じた所定の照明態様の動作を実行させるための制御状態の直流電力を給電する機能を実現する受電制御手段(受電制御装置)を含む。
【0123】
[実施の形態4〜14の発明]
一方、実施の形態4〜14の発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置は、各種の機能実現手段を備え、各機能実現手段は、CPU等の中央処理装置、ROM及びRAM等の記憶装置(メモリー)等からなるハードウエア資源と、記憶装置に記憶したプログラムからなるソフトウエ資源との協働により機能を実現する機能実現手段として構成することができる。詳細には、端末制御装置は、ローカルエリアネットワーク用の所定の通信プロトコル(典型的にはhttp)を使用して、前記第1のLANケーブルを介して前記(設定済み)直流電力給電装置に対して信号を出力する機能を実現する通信手段を備える。この通信手段は、例えば、通信用インタフェース装置等のハードウエア資源や通信用プログラム等のソフトウエア資源からなる通信手段又は信号伝送手段とすることができる。また、端末制御装置は、LED照明装置が所定の照明動作を実行するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順を指令する照明動作指令を作成する機能を実現する照明動作指令作成手段を備える。この照明動作指令作成手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した所定の指令作成手順を記述したプログラムからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0124】
また、実施の形態4〜14の発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御手段は、前記照明動作指令作成手段により前記照明動作指令を作成するために必要な情報を表示する照明動作指令作成用の操作画面を所定のディスプレイ装置にユーザーインタフェースとして画面表示する機能を実現する照明動作作成用ユーザーインタフェース手段を備える。前記操作画面に表示する情報としては、コマンドメニューや、(ハードウエアとしての)壁面スイッチや壁面スイッチのボタンや給電側装置の給電ポートに対応する(クリック等の選択動作自在なソフトウエアとしての)ボタン類、それらのタイトル、それらの選択状況等を表示する表示部等がある。また、ユーザーインタフェース(UI)は、特に、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)とすることが好ましい。前記照明動作作成用ユーザーインタフェース手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した予め作成した(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令作成用ユーザーインタフェースや指令作成用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラム等御からなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。
【0125】
また、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に伝送する機能を実現する指令伝送手段を備える。指令伝送手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源とから構成することができる。また、端末制御装置は、照明動作指令作成手段により作成した複数の照明動作指令(のうちのいずれか一つ以上)を選択自在とし、選択した照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該照明動作指令に応じた動作(動作開始)を直流電力給電装置に指令する機能を実現する動作指令手段を備える。動作指令手段は、例えば、端末制御装置の記憶装置の所定の記憶領域に格納した、前記照明動作指令に対応する選択項目を表示してユーザーによる選択操作を自在とする(動的ウエブページを含むウエブページ等のウエブコンテンツからなる)指令送信用ユーザーインタフェースと、指令送信用ユーザーインタフェースの表示手順を記述したプログラムとからなるソフトウエア資源と、端末制御装置の中央処理装置や記憶装置等のハードウエア資源と、前記通信手段等とから構成することができる。なお、前記操作画面は上記実施の形態で述べたWEB画面520に相当するWEB画面からなる。
【0126】
直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の前記指令伝送手段から伝送された前記照明動作指令(制御信号としての指令乃至コマンド信号)を受信し、照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順からなる照明動作情報を設定して所定の記憶領域に記憶する機能を実現する照明動作情報設定手段を備える。照明動作情報設定手段は、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。また、直流電力給電装置は、第1のLANケーブルを介して端末制御装置の動作指令手段から送信された照明動作指令を受信し、照明動作情報設定手段により設定記憶した照明動作情報のうち、当該受信した照明動作指令に対応する照明動作情報を選択して呼び出し、当該呼び出した照明動作情報に基づいて、受信した照明動作指令に応じた所定の照明態様でLED照明装置を照明動作するために必要な所定の電力パラメータ値を有する直流電力を、設定済み直流電力として前記第2のLANケーブルを介して前記受信側装置に供給する機能を実現する設定済み電力供給制御手段を備える。設定済み電力供給制御手段は、例えば、LED電源装置からの直流電力を当該設定済み直流電力に変換して受信側装置に供給するものであり、典型的には、給電制御装置230の主制御部231及び設定記憶部232と、電圧制御部233、電圧検出部234、電流検出部235、ON/OFF部236、調光部237、照明態様制御部238、定電流制御部239からなるハードウエア資源及びソフトウエア資源から構成することができる。
【0127】
受信側装置は、それぞれ、前記直流電力給電装置から前記第2のLANケーブルを介して供給された前記設定済み直流電力を、前記所定の電力パラメータ値を変更することなく(即ち、内部抵抗や寄生抵抗等による内部損失等を除いて、電圧値や電流値等の変更を実質的に行うことなく、即ち、そのような目的の電気・電子素子やその他の制御素子を設けることなく)前記給電線を介して前記LED照明装置に供給し、前記LED照明装置を前記設定済み直流電力による前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で照明動作させる。
【0128】
<別例>
上記実施の形態4〜14の発明に係るLED照明装置の照明制御システムでは、端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続可能な第2のLANケーブルの最大数(LANケーブルの最大本数、即ち、最大ポート数)の範囲内で、異なる種類の所定数の(LANケーブルの最大本数までの範囲内の所定数(単数又は複数)の)照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、一つの直流電力給電装置に接続した第2のLANケーブルの1本以上に割り当て自在である。また、前記端末制御手段の前記動作指令手段は、異なる種類の所定数の照明動作指令を通信手段により第1のLANケーブルを介して直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を直流電力給電装置に指令自在である。また、直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、(前記端末制御装置の照明動作指令作成手段が作成した)異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在である。また、直流電力給電装置の設定済み電力供給制御手段は、端末制御装置の前記動作指令手段の動作指令に応答して、設定済み直流電力として、照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する照明動作指令が割り当てられた第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、複数の受電側装置に接続する複数のLED照明装置を、照明動作指令の所定数と同数の所定数の異なる照明態様で照明動作自在である。この構成により、LED照明装置を、ユニット単位、グループ単位に、個別単位等の任意の単位で、多様な照明動作を行わせることができ、照明態様のバリエーションを大幅に増加することができる。
【符号の説明】
【0129】
10,10A,10B:給電装置、15,11,65,105:給電線
25,35,75:LANケーブル
30,90,160:給電側装置、31:給電制御装置
40,140,170:受電側装置、50,150:受電制御装置
51:主制御部、52:アドレス部、53:ON/OFF部、55:照明態様制御部、56:DC/DC昇圧部、57:定電流制御部
60:LED照明装置、70:端末制御装置、90:信号・電力送受装置
220:給電側装置、230:給電制御装置、231:主制御部、232:設定記憶部
250:受電側装置、251:LANポート、252:給電ポート、CL:導線
350:受電側装置、351:基板、353:LANポート部
353a:LANポート、354:給電ポート部、354a:給電ポート
430:給電話装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置からなる端末制御装置と、
前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される直流電力給電装置と、
前記直流電力給電装置に第2のLANケーブルを介して接続される受電側装置と、
前記受電側装置に給電線を介して接続されるLED照明装置とを備え、
前記端末制御装置は、前記LED照明装置に所定の照明動作を実行させるための所定の制御信号を出力する機能を実現する制御信号出力手段を含み、
前記直流電力給電装置は、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の出力手段からの制御信号を受信し、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に直流電力を給電すると共に、当該第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記端末制御装置の制御信号出力手段からの前記制御信号を中継して送信する信号・電力送受装置からなり、
前記受電側装置は、前記第2のLANケーブルを介して前記信号・電力送受装置から受信した前記制御信号に基づき、前記給電線を介して、前記LED照明装置に前記制御信号に応じた所定の照明態様の動作を実行させるための制御状態の直流電力を給電する機能を実現する受電制御手段を含むことを特徴とするLED照明装置の照明制御システム。
【請求項2】
前記受電側装置は、当該受電側装置に接続する前記LED照明装置に固有の一意のアドレス情報を格納する受電制御装置を含み、複数の前記受電側装置が、1台の前記信号・電力送受装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介してそれぞれ接続し、
前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々の受電制御装置に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力し、
前記信号・電力送受装置は、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置の受電制御装置にのみ対応する個別の制御信号を送信することを特徴とする請求項1記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項3】
前記信号・電力送受装置は、
前記端末制御装置に前記第1のLANケーブルを介して接続され、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置からの制御信号を受信して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記制御信号を送信するLANスイッチと、
前記給電装置に前記第1の給電線を介して接続され、前記第1の給電線を介して前記給電装置からの直流電力を受電して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記直流電力を給電すると共に、第3のLANケーブルを介して前記LANスイッチに接続され、前記LANスイッチを介した前記端末制御装置からの制御信号を、前記第3のLANケーブルを介して受信すると共に、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に送信する給電側装置とを含み、
前記受電側装置は、当該受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納すると共に、複数の当該受電側装置が、1台の前記給電側装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介して接続し、
前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力し、 前記LANスイッチ又は前記給電側装置のいずれかが、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置にのみ対応する個別の制御信号を送信すると共に、当該検出した受電側装置にのみ給電を行うことを特徴とする請求項1記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項4】
前記給電側装置は、前記受電側装置への前記直流電力の給電を制御する給電制御装置を含み、
前記給電制御装置は、前記個別の制御信号の宛先となる受電側装置の前記検出動作、検出した受電側装置への給電動作、及び、当該受電側装置への給電遮断動作を制御することを特徴とする請求項3記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項5】
前記複数の受電側装置は、各々、前記信号・電力送受装置を介して、前記給電装置からの前記直流電力の給電を受け、当該直流電力を前記第2の給電線を介して前記LED照明装置に供給すると共に、前記端末制御装置との間で前記制御信号の送受信を行い、前記制御信号に基づき、前記端末制御装置からの指令にしたがって前記LED照明装置の照明制御を実行する受電制御装置を含み、
前記受電制御装置は、主制御部、アドレス部、ON/OFF部、照明態様制御部、DC/DC昇圧部、及び、定電流制御部を含み、
前記主制御部は、前記端末制御装置からの制御信号に基づいて、前記ON/OFF部に対するオン/オフ指令、前記照明態様制御部に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力し、
前記アドレス部は、前記受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納し、
前記ON/OFF部は、前記主制御部の指令を受けて、前記信号・電力送受装置からの前記LED照明装置用の給電を、選択的にオン又はオフし、
前記照明態様制御部は、前記主制御部の指令を受けて、前記LED照明装置を所定の照明態様で発光するよう制御し、
前記DC/DC昇圧部は、前記信号・電力送受装置から伝送された前記直流電力の所定の直流電圧を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電圧値の直流電圧へと昇圧し、
前記定電流制御部は、前記DC/DC昇圧部により昇圧した直流電流を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電流値の定電流となるよう制御し、
前記DC/DC昇圧部による昇圧動作、及び、前記定電流制御部による定電流制御動作は、前記ON/OFF部によるオン動作があって、初めて開始及び実行されることを特徴とすることを特徴とする請求項3記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項6】
前記給電装置は、前記信号・電力送受装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの大容量直流電力を給電し、
前記信号・電力送受装置は、前記受電側装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの当該大容量直流電力を給電し、
前記第2のLANケーブルは、前記信号・電力送受装置から前記受電側装置への前記大容量の直流電力の給電を可能とするカテゴリー6のLANケーブル又はカテゴリー6相当のLANケーブルからなることを特徴とする請求項1記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項7】
コンピュータ装置からなる端末制御装置と、
前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される直流電力給電装置と、
前記直流電力給電装置に複数の第2のLANケーブルを介して接続される複数の受電側装置と、
前記複数の受電側装置の各々に給電線を介して接続されるLED照明装置とを備え、
前記端末制御装置は、
ローカルエリアネットワーク用の所定の通信プロトコルを使用して、前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に対して信号を出力する機能を実現する通信手段と、
前記LED照明装置が所定の照明動作を実行するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順を指令する照明動作指令を作成する機能を実現する照明動作指令作成手段と、
前記照明動作指令作成手段により前記照明動作指令を作成するために必要な情報を表示する照明動作指令作成用の操作画面を所定のディスプレイ装置にユーザーインタフェースとして画面表示する機能を実現する照明動作作成用ユーザーインタフェース手段と、
前記照明動作指令作成手段により作成した照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に伝送する機能を実現する指令伝送手段と、
前記照明動作指令作成手段により作成した複数の照明動作指令を選択自在とし、選択した照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令する機能を実現する動作指令手段とを含み、
前記直流電力給電装置は、
前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の前記指令伝送手段から伝送された前記照明動作指令を受信し、前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で前記LED照明装置を照明動作するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順からなる照明動作情報を設定して所定の記憶領域に記憶する機能を実現する照明動作情報設定手段と、
前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の前記動作指令手段から送信された前記照明動作指令を受信し、前記照明動作情報設定手段により設定記憶した前記照明動作情報のうち、当該受信した照明動作指令に対応する照明動作情報を選択して呼び出し、当該呼び出した照明動作情報に基づいて、前記受信した照明動作指令に応じた所定の照明態様で前記LED照明装置を照明動作するために必要な所定の電力パラメータ値を有する直流電力を、設定済み直流電力として前記第2のLANケーブルを介して前記受信側装置に供給する機能を実現する設定済み電力供給制御手段とを含み、
前記受信側装置は、それぞれ、前記直流電力給電装置から前記第2のLANケーブルを介して供給された前記設定済み直流電力を、前記所定の電力パラメータ値を変更することなく前記給電線を介して前記LED照明装置に供給し、前記LED照明装置を前記設定済み直流電力による前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で照明動作させることを特徴とするLED照明装置の照明制御システム。
【請求項8】
前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続可能な前記第2のLANケーブルの最大数の範囲内で、異なる種類の所定数の前記照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記一つの直流電力給電装置に接続した前記第2のLANケーブルの1本以上に割り当て自在であり、
前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在であり、
前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在であり、
前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記端末制御装置の前記動作指令手段の動作指令に応答して、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、前記第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する前記照明動作指令が割り当てられた第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、前記複数の受電側装置に接続する複数の前記LED照明装置を、前記照明動作指令の所定数と同数の所定数の異なる照明態様で照明動作自在であることを特徴とする請求項7記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項9】
前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続した所定本数の前記第2のLANケーブルを所定数の複数のグループにグループ分けし、当該グループの数と同数の異なる種類の所定数の前記照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記所定数のグループの第2のLANケーブルに割り当て自在であり、
前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在であり、
前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在であり、
前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同一の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、前記第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する前記照明動作指令が割り当てられた前記グループの第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した前記グループの第2のLANケーブルを介して当該グループの第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、前記複数の受電側装置に接続する複数の前記LED照明装置を、前記第2のLANケーブルのグループ毎に分割して、前記照明動作指令の所定数と同一の所定数の異なる照明態様で照明動作自在であることを特徴とする請求項7記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項10】
更に、建築物の壁面に設置した壁面スイッチを備え、
前記壁面スイッチは、制御基板と、前記制御基板に実装したLANポートと、前記制御基板に実装した動作ボタンとを備え、前記動作ボタンの各々を所定の動作態様で動作させることにより生成される動作信号を、前記LANポートに接続した第3のLANケーブルを介して、前記直流電力給電装置に入力自在であり、
前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記照明動作指令として、前記壁面スイッチの動作ボタンごとに異なる種類の所定数の照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記壁面スイッチの動作ボタンの所定の動作態様に割り当て自在であり、
前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在であり、
前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記壁面スイッチの動作ボタン毎に割り当てられた前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて、前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在であり、
前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記壁面スイッチの動作ボタンを選択的に所定の動作態様で動作させることにより、当該壁面スイッチの動作ボタンの動作態様に応じて、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力のうち、当該動作ボタンの動作態様に対応する設定済み直流電力を生成自在であり、当該設定済み直流電力を、前記第2のLANケーブルのうち、前記動作ボタンの動作態様に対応する所定の第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在であることを特徴とする請求項7記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項11】
前記壁面スイッチのLANポートは複数設けられ、当該LANポートの数に対応する複数の壁面スイッチを並列的に壁面に接続すると共に、当該複数の壁面スイッチを各々の前記複数のLANポートのうちの一つのLANポートを介して第4のLANケーブルによりカスケード接続し、かつ、前記複数の壁面スイッチを、それぞれ、一つの前記直流電力給電装置に前記第3のLANケーブルを介して接続したことを特徴とする請求項9記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項1】
コンピュータ装置からなる端末制御装置と、
前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される直流電力給電装置と、
前記直流電力給電装置に第2のLANケーブルを介して接続される受電側装置と、
前記受電側装置に給電線を介して接続されるLED照明装置とを備え、
前記端末制御装置は、前記LED照明装置に所定の照明動作を実行させるための所定の制御信号を出力する機能を実現する制御信号出力手段を含み、
前記直流電力給電装置は、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の出力手段からの制御信号を受信し、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に直流電力を給電すると共に、当該第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記端末制御装置の制御信号出力手段からの前記制御信号を中継して送信する信号・電力送受装置からなり、
前記受電側装置は、前記第2のLANケーブルを介して前記信号・電力送受装置から受信した前記制御信号に基づき、前記給電線を介して、前記LED照明装置に前記制御信号に応じた所定の照明態様の動作を実行させるための制御状態の直流電力を給電する機能を実現する受電制御手段を含むことを特徴とするLED照明装置の照明制御システム。
【請求項2】
前記受電側装置は、当該受電側装置に接続する前記LED照明装置に固有の一意のアドレス情報を格納する受電制御装置を含み、複数の前記受電側装置が、1台の前記信号・電力送受装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介してそれぞれ接続し、
前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々の受電制御装置に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力し、
前記信号・電力送受装置は、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置の受電制御装置にのみ対応する個別の制御信号を送信することを特徴とする請求項1記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項3】
前記信号・電力送受装置は、
前記端末制御装置に前記第1のLANケーブルを介して接続され、前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置からの制御信号を受信して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記制御信号を送信するLANスイッチと、
前記給電装置に前記第1の給電線を介して接続され、前記第1の給電線を介して前記給電装置からの直流電力を受電して、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に前記直流電力を給電すると共に、第3のLANケーブルを介して前記LANスイッチに接続され、前記LANスイッチを介した前記端末制御装置からの制御信号を、前記第3のLANケーブルを介して受信すると共に、前記第2のLANケーブルを介して前記受電側装置に送信する給電側装置とを含み、
前記受電側装置は、当該受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納すると共に、複数の当該受電側装置が、1台の前記給電側装置に、対応する複数の前記第2のLANケーブルを介して接続し、
前記端末制御装置は、前記制御信号として、前記複数の受電側装置の各々に格納したアドレス情報に基づき、前記複数の受電側装置の各々に対応して個別の制御信号を出力し、 前記LANスイッチ又は前記給電側装置のいずれかが、前記端末制御装置から送信された前記個別の制御信号を解析して、当該個別の信号の宛先となる受電側装置をそれぞれ検出し、検出した宛先となる受電側装置にのみ対応する個別の制御信号を送信すると共に、当該検出した受電側装置にのみ給電を行うことを特徴とする請求項1記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項4】
前記給電側装置は、前記受電側装置への前記直流電力の給電を制御する給電制御装置を含み、
前記給電制御装置は、前記個別の制御信号の宛先となる受電側装置の前記検出動作、検出した受電側装置への給電動作、及び、当該受電側装置への給電遮断動作を制御することを特徴とする請求項3記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項5】
前記複数の受電側装置は、各々、前記信号・電力送受装置を介して、前記給電装置からの前記直流電力の給電を受け、当該直流電力を前記第2の給電線を介して前記LED照明装置に供給すると共に、前記端末制御装置との間で前記制御信号の送受信を行い、前記制御信号に基づき、前記端末制御装置からの指令にしたがって前記LED照明装置の照明制御を実行する受電制御装置を含み、
前記受電制御装置は、主制御部、アドレス部、ON/OFF部、照明態様制御部、DC/DC昇圧部、及び、定電流制御部を含み、
前記主制御部は、前記端末制御装置からの制御信号に基づいて、前記ON/OFF部に対するオン/オフ指令、前記照明態様制御部に対する所定の照明制御指令をそれぞれ出力し、
前記アドレス部は、前記受電側装置を一意に識別するアドレス情報を格納し、
前記ON/OFF部は、前記主制御部の指令を受けて、前記信号・電力送受装置からの前記LED照明装置用の給電を、選択的にオン又はオフし、
前記照明態様制御部は、前記主制御部の指令を受けて、前記LED照明装置を所定の照明態様で発光するよう制御し、
前記DC/DC昇圧部は、前記信号・電力送受装置から伝送された前記直流電力の所定の直流電圧を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電圧値の直流電圧へと昇圧し、
前記定電流制御部は、前記DC/DC昇圧部により昇圧した直流電流を、前記LED照明装置の前記所定の照明態様での点灯動作に要求される所定電流値の定電流となるよう制御し、
前記DC/DC昇圧部による昇圧動作、及び、前記定電流制御部による定電流制御動作は、前記ON/OFF部によるオン動作があって、初めて開始及び実行されることを特徴とすることを特徴とする請求項3記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項6】
前記給電装置は、前記信号・電力送受装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの大容量直流電力を給電し、
前記信号・電力送受装置は、前記受電側装置に対して、電圧値が24V、電流値が1.6Aの当該大容量直流電力を給電し、
前記第2のLANケーブルは、前記信号・電力送受装置から前記受電側装置への前記大容量の直流電力の給電を可能とするカテゴリー6のLANケーブル又はカテゴリー6相当のLANケーブルからなることを特徴とする請求項1記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項7】
コンピュータ装置からなる端末制御装置と、
前記端末制御装置に第1のLANケーブルを介して接続される直流電力給電装置と、
前記直流電力給電装置に複数の第2のLANケーブルを介して接続される複数の受電側装置と、
前記複数の受電側装置の各々に給電線を介して接続されるLED照明装置とを備え、
前記端末制御装置は、
ローカルエリアネットワーク用の所定の通信プロトコルを使用して、前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に対して信号を出力する機能を実現する通信手段と、
前記LED照明装置が所定の照明動作を実行するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順を指令する照明動作指令を作成する機能を実現する照明動作指令作成手段と、
前記照明動作指令作成手段により前記照明動作指令を作成するために必要な情報を表示する照明動作指令作成用の操作画面を所定のディスプレイ装置にユーザーインタフェースとして画面表示する機能を実現する照明動作作成用ユーザーインタフェース手段と、
前記照明動作指令作成手段により作成した照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に伝送する機能を実現する指令伝送手段と、
前記照明動作指令作成手段により作成した複数の照明動作指令を選択自在とし、選択した照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令する機能を実現する動作指令手段とを含み、
前記直流電力給電装置は、
前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の前記指令伝送手段から伝送された前記照明動作指令を受信し、前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で前記LED照明装置を照明動作するために必要な直流電力のパラメータ値及び/又は必要な処理手順からなる照明動作情報を設定して所定の記憶領域に記憶する機能を実現する照明動作情報設定手段と、
前記第1のLANケーブルを介して前記端末制御装置の前記動作指令手段から送信された前記照明動作指令を受信し、前記照明動作情報設定手段により設定記憶した前記照明動作情報のうち、当該受信した照明動作指令に対応する照明動作情報を選択して呼び出し、当該呼び出した照明動作情報に基づいて、前記受信した照明動作指令に応じた所定の照明態様で前記LED照明装置を照明動作するために必要な所定の電力パラメータ値を有する直流電力を、設定済み直流電力として前記第2のLANケーブルを介して前記受信側装置に供給する機能を実現する設定済み電力供給制御手段とを含み、
前記受信側装置は、それぞれ、前記直流電力給電装置から前記第2のLANケーブルを介して供給された前記設定済み直流電力を、前記所定の電力パラメータ値を変更することなく前記給電線を介して前記LED照明装置に供給し、前記LED照明装置を前記設定済み直流電力による前記照明動作指令に応じた所定の照明態様で照明動作させることを特徴とするLED照明装置の照明制御システム。
【請求項8】
前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続可能な前記第2のLANケーブルの最大数の範囲内で、異なる種類の所定数の前記照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記一つの直流電力給電装置に接続した前記第2のLANケーブルの1本以上に割り当て自在であり、
前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在であり、
前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在であり、
前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記端末制御装置の前記動作指令手段の動作指令に応答して、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、前記第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する前記照明動作指令が割り当てられた第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、前記複数の受電側装置に接続する複数の前記LED照明装置を、前記照明動作指令の所定数と同数の所定数の異なる照明態様で照明動作自在であることを特徴とする請求項7記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項9】
前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記第1のLANケーブルを介して接続する一つの前記直流電力給電装置について、当該一つの直流電力給電装置に接続した所定本数の前記第2のLANケーブルを所定数の複数のグループにグループ分けし、当該グループの数と同数の異なる種類の所定数の前記照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記所定数のグループの第2のLANケーブルに割り当て自在であり、
前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在であり、
前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在であり、
前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同一の所定数の異なる設定済み直流電力を生成自在であり、当該所定数の設定済み直流電力の各々を、前記第2のLANケーブルのうち、各設定済み直流電力に対応する前記照明動作指令が割り当てられた前記グループの第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した前記グループの第2のLANケーブルを介して当該グループの第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在であり、これにより、前記複数の受電側装置に接続する複数の前記LED照明装置を、前記第2のLANケーブルのグループ毎に分割して、前記照明動作指令の所定数と同一の所定数の異なる照明態様で照明動作自在であることを特徴とする請求項7記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項10】
更に、建築物の壁面に設置した壁面スイッチを備え、
前記壁面スイッチは、制御基板と、前記制御基板に実装したLANポートと、前記制御基板に実装した動作ボタンとを備え、前記動作ボタンの各々を所定の動作態様で動作させることにより生成される動作信号を、前記LANポートに接続した第3のLANケーブルを介して、前記直流電力給電装置に入力自在であり、
前記端末制御装置の前記照明動作指令作成手段は、前記照明動作指令として、前記壁面スイッチの動作ボタンごとに異なる種類の所定数の照明動作指令を作成自在であると共に、作成した当該異なる種類の所定数の照明動作指令を、それぞれ、前記壁面スイッチの動作ボタンの所定の動作態様に割り当て自在であり、
前記端末制御手段の前記動作指令手段は、前記異なる種類の所定数の照明動作指令を前記通信手段により前記第1のLANケーブルを介して前記直流電力給電装置に送信して、当該異なる種類の所定数の照明動作指令に応じた動作を前記直流電力給電装置に指令自在であり、
前記直流電力給電装置の前記照明動作設定手段は、前記壁面スイッチの動作ボタン毎に割り当てられた前記異なる種類の所定数の照明動作指令の各々に応じて、前記照明動作情報を設定して前記記憶領域に記憶自在であり、
前記直流電力給電装置の前記設定済み電力供給制御手段は、前記壁面スイッチの動作ボタンを選択的に所定の動作態様で動作させることにより、当該壁面スイッチの動作ボタンの動作態様に応じて、前記設定済み直流電力として、前記照明操作指令の所定数と同数の所定数の異なる設定済み直流電力のうち、当該動作ボタンの動作態様に対応する設定済み直流電力を生成自在であり、当該設定済み直流電力を、前記第2のLANケーブルのうち、前記動作ボタンの動作態様に対応する所定の第2のLANケーブルに選択的に供給し、各設定済み直流電力を当該選択した第2のLANケーブルを介して当該第2のLANケーブルに接続する前記受電側装置に個別に供給自在であることを特徴とする請求項7記載のLED照明装置の照明制御システム。
【請求項11】
前記壁面スイッチのLANポートは複数設けられ、当該LANポートの数に対応する複数の壁面スイッチを並列的に壁面に接続すると共に、当該複数の壁面スイッチを各々の前記複数のLANポートのうちの一つのLANポートを介して第4のLANケーブルによりカスケード接続し、かつ、前記複数の壁面スイッチを、それぞれ、一つの前記直流電力給電装置に前記第3のLANケーブルを介して接続したことを特徴とする請求項9記載のLED照明装置の照明制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2013−93323(P2013−93323A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222564(P2012−222564)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名:株式会社日本経済新聞社 刊行物名:日本経済新聞 発行年月日:平成23年9月14日
【出願人】(510181161)株式会社ユースフルパースン (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名:株式会社日本経済新聞社 刊行物名:日本経済新聞 発行年月日:平成23年9月14日
【出願人】(510181161)株式会社ユースフルパースン (2)
【Fターム(参考)】
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