説明

RFIDタグ読取報知装置

【課題】 所持しているRFIDタグが読み取られたこと、または読み取られようとしていることを検知してその場に応じた対応が取れるようにする。
【解決手段】 報知装置10がリーダ・ライタ30の読取範囲に入ると、RFIDタグ3a〜6aに一斉に給電が行われ、各々が記憶している情報が出力される。これらの情報は受信部18が受信し、CPU15に供給され、CPU15はこの情報を元にテーブルTBLを参照して報知すべきか決定する。この場合、テーブルTBLに財布4のRFIDタグ4aについて報知すべきという情報が設定されていれば、CPU15は発音部20に発音を行わせる。これにより、その場の状況に応じた対応をとることができる。例えば、シールドされた収納部から別のRFIDタグを取り出して読取を行わせることなどができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグの情報が不本意に読み取られることに対して警戒を促すことができるRFIDタグ読取報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDタグ(Radio Frequency IDタグ)は無線ICタグとも呼ばれ、販売管理、在庫管理あるいは物流管理などに広く利用されている。一般に、RFIDタグは、情報を記録する小型のICチップと、金属製のアンテナで構成され、ICチップの大きさは0.1ミリ〜数ミリ角のことが多い。一つひとつのものに固有のIDを割り当てることができ、ある程度離れた場所から複数のRFIDタグに対し、一括してデータの読み書きを行うこともできる。
【0003】
また、RFIDタグは、メモリ、ロジック回路、コイルを備え、無線通信によってデータの読み取りや書き込みができるものが多く、ロジック回路によって、演算、認証、暗号化などの処理もできる。データの読み書きを行う装置は、リーダ・ライタと呼ばれ、通信距離は数cmから数mぐらいが可能である。
【0004】
また、RFIDタグは、電池を内蔵するものとしないものがあり、電池を内蔵しないものはリーダからの電波を受信することで給電される。一方、電池を内蔵するものは、RFIDタグから能動的に情報を発信することもできる。
【0005】
上述のように、RFIDタグは種々の用途に用いられ、今後もその利用の拡大が見込まれているが、所持している物品に付けられたRFIDタグの情報が、悪意の第三者に読みとられたとすると、その情報について不本意な取り扱いがなされるおそれが生じる。そこで、RFIDタグから不本意にデータが読み出されないようにする装置の開発が臨まれている。
【0006】
特許文献1に記載の装置では、情報の読み取りを許可するか否かの承認手段が設けられており、この承認手段によって承認がなされた情報だけを読み取り可能にしている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−123040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示される従来装置は、RFIDタグそのものに承認手段を設けるため、RFIDタグの形状が大きく、価格も高価になってしまうという欠点を有するとともに、承認手段が設けられていない汎用のRFIDタグについてはデータ漏洩についての警戒を行うことができないという欠点を有している。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、RFIDタグ自体にはなんら手を加えることなく、その情報の漏洩を警戒することができるRFIDタグ読取報知装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、RFIDリーダが発生する電波またはRFIDリーダからの電波を受信したRFIDタグが発信する信号の少なくともいずれか一方を受信する受信手段と、前記受信手段が前記電波または前記信号を受信すると、報知のための報知信号を出力する報知信号出力手段とを具備することを特徴とするRFIDタグ読取報知装置を提供する。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、前記報知信号出力手段が出力した報知信号に基づいて発音、発光、振動の少なくともいずれか1つを行う報知手段を具備する。
また、本発明の別の好ましい態様においては、物品に貼り付けることが可能な面を持つ柔軟なシートを有し、前記シートに前記受信手段および前記報知信号出力手段が取り付けられている。
また、本発明の別の好ましい態様においては、RFIDタグを覆う本体部を有し、前記本体部に前記受信手段および前記報知信号出力手段が取り付けられている。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記受信手段、前記報知信号出力手段および前記報知手段を収納する可搬性のあるケースと、物品または身体に前記ケースを着脱自在に取り付ける取り付け手段とを具備する。
【0012】
さらに、本発明は、RFIDリーダからの電波を受信したRFIDタグが発信する信号を受信する受信手段と、所定のRFIDタグが記憶している情報を記憶する記憶部と、前記受信手段が受信した前記信号に含まれる情報と、前記記憶部が記憶している情報とが一致することを条件として、報知のための報知信号を出力する報知信号出力手段とを具備することを特徴とするRFIDタグ読取報知装置を提供する。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、前記記憶部は、前記所定のRFIDタグが記憶している情報とともに、報知を行うか否かを指示する報知指示情報を記憶し、前記報知信号出力手段は、前記受信手段が受信した前記情報と前記記憶部が記憶している情報とが一致し、かつ、前記報知指示情報が報知を行うことを指示している場合に報知のための報知信号を出力する。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記報知信号出力手段から出力された報知信号に基づいて、発音、発光、振動の少なくともいずれか1つを行う報知手段を具備する。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記受信手段、前記記憶部、前記報知信号出力手段および前記報知手段を収納する可搬性のあるケースと、物品または身体に前記ケースを着脱自在に取り付ける取り付け手段とを具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所持しているRFIDタグが読み取られたこと、あるいは読み取られようとしていることを検知することができ、悪意の第三者による読取に対して警戒を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の外観を示す概略図である。図において、スーツケース1は、開閉自在になっており、ユーザによって持ち運べるようになっている。スーツケース1の内部には、種々の物品が収容できる収容部2が設けられている。この収容部2には、例えば、靴3,財布4,パスポート5,野菜6など、任意のものが収容される。また、靴3,財布4,パスポート5,野菜6など物品には、RFIDタグ3a〜RFIDタグ6aが付けられている。
【0016】
スーツケース1には、キーホルダ型のRFIDタグ読取報知装置10が取り付けられている。この報知装置10は、一般的なキーホルダと同様に、スーツケース1に着脱可能となっており、スーツケース1から取り外して他の用具(鞄等)に取り付けることも可能である。
【0017】
また、11は報知装置10の内部に設けられている制御部であり、図2は制御部11の構成を示すブロック図である。図2において、15は各部を制御するCPUであり、ROM16内のプログラムに基づいて動作する。17はCPU15のワークエリアとして使用されるRAMであり、その不揮発性エリアにはテーブルTBL(図3参照)が設けられている。18は、RFIDタグから発信された情報を読み取る受信部であり、読み取った情報はCPU15に供給される。
【0018】
また、受信部18は、RFIDタグに読取信号を出力して、RFIDタグに給電を行う機能を有している。また、受信部18は、RFIDタグ用の読取信号の出力をオン、オフにできるようになっている。読取信号の出力がオフの場合は、受信部18はRFIDタグに給電することはできないが、他のリーダ・ライタからの読取信号によってRFIDタグが情報を出力した場合は、これを読み取ることができる。
【0019】
19はテンキー等を有している操作部であり、ユーザの操作に応じた信号をCPU15に出力する。20は発音部であり、CPU15の制御に基づいて発音する。また、図示の30は、リーダ・ライタであり、所定の施設などに設置されている。
【0020】
次に、上記構成による第1実施形態の動作を説明する。まず、ユーザは、受信部18の読取信号出力機能をオンにし、靴3,財布4,パスポート5,野菜6に取り付けられているRFIDタグ3a,4a,5a,6aを順次、受信部18に読み取らせる。なお、RFIDタグ3a,4a,5a,6aに記憶されている情報が、目視できるように印刷等されている場合には、これを見ながら操作部19のテンキー等を操作して入力してもよい。また、ユーザは、受信部18を用いてRFIDの読み取りを行った後は、受信部18の読取信号出力機能をオフにする。
【0021】
上記のようにして、RFIDタグ3a,4a,5a,6aに記憶されている情報は、受信部18あるいは操作部19から入力される。そして、入力された情報はテーブルTBLに書き込まれる。図3はその状態を示している。また、ユーザはRFIDタグの情報が読み込まれるたびに、操作部19を操作して、そのRFIDタグの情報がリーダ・ライタによって読み取られた際に、報知をするか否かを書き込む。図3の例では、RFID4aとRFID5aの情報が読み取られた場合に報知を行うように設定されている。
【0022】
さて、図2に示すリーダ・ライタ30が悪意の第三者に所有され、スーツケース1を持って歩いているユーザが、リーダ・ライタ30に近づいたとする。そして、報知装置10がリーダ・ライタ30の読取範囲に入ると、RFIDタグ3a,4a,5a,6aに一斉に給電が行われ、各々が記憶している情報が出力される。これらの情報は、リーダ・ライタ30に受信されるとともに、受信部18にも受信される。
【0023】
受信部18が読み取った情報は、CPU15に供給され、CPU15はこの情報を元にテーブルTBLを参照して、報知すべきか否かを判定する。この場合は、財布4のRFIDタグ4aと、パスポート5のRFIDタグ5aとが報知すべき設定になっているから、CPU15は発音部20に対して発音をするように指示する。これにより、ユーザはスーツケース1に入っている物品のRFIDの情報が読み取られたことを知り、警戒をすることができる。この場合、ユーザがリーダ・ライタ30を発見することができれば、その持ち主に対して交渉をすることもできる。
【0024】
一方、ユーザは、空港のゲートなどを通過する際に、ゲートに設置されているリーダ・ライタの読取範囲に入れば、上述の場合と同様にして発音部20から発音がなされる。しかしながら、ユーザは、空港のゲートを通過するという状況から、空港当局のリーダ・ライタによってRFID情報が正規に読み込まれていると判断し、特に警戒は行わなくてよいことを知る。
【0025】
このように、ユーザは自分が居る状況が、RFIDタグに正規に読み取られている状況か、そうでない状況かを判断することができるから、発音部20の報音に際して、警戒が必要か不要かを判断することができる。
【0026】
また、第1実施形態においては、テーブルTBLにおいて、報知が必要か否かを設定することができるから、例えば、収容部2内に野菜6だけが多数収容されている場合は、どのリーダ・ライタに読み込まれても報知は一切されない。すなわち、ユーザが監視する必要のないセキュリティの低い情報と認識したものについては、テーブルTBLの設定によって報知を行わないようにすることができる。したがって、セキュリティの低いものが、リーダ・ライタに読み取られるごとに報知が行われるというわずらわしさを回避することができる。また、テーブルTBLを設けると、収容部2内のRFIDタグについて報知するか否かを選択できるとともに、仮に、ユーザの近傍に居る人が所持するRFIDタグが読み取られたとしても、これについては報知されないから、ユーザは自分が所持するRFIDタグについてだけ監視を行うことができる。
【0027】
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態の外観を示す概要図である。図4において、スーツケース41は、開閉自在になっており、ユーザによって持ち運べるようになっている。スーツケース41の内部には、種々の物品が収容できる収容部42が設けられている。収容部42の内部には、磁気的なシールド処理がなされているシールドケース43が収容されている。このシールドケース43は、スーツケース1から出し入れ可能であり、他の収容用具(鞄等)に収容することも可能である。また、このシールドケース43は、磁気的なシールド処理がなされているため、この内部に収容されたRFIDタグに対しては、外部から電波によるアクセスはできない。
【0028】
スーツケース41には、キーホルダ型の報知装置40が取り付けられている。この報知装置40は、一般的なキーホルダと同様に、スーツケース1に着脱可能となっており、スーツケース41から取り外して他の用具に取り付けることも可能である。
【0029】
図5は、本実施形態の報知装置40の構成を示す図である。45は報知装置40に取り付けられているアンテナ部であり、RFIDのリーダ・ライタから出力される読取信号を受信する。また、アンテナ部45の近傍にはマイクロスピーカSPが取り付けられている。これらのアンテナ部45およびマイクロスピーカSPは、接続線により報知回路46に接続されている。
【0030】
報知回路46の回路構成は、図6に示すようになっている。図6において46aはアンテナ部45が読取信号を受信して励起される起電力を受けると、発電検知信号を生成して出力する発電部である。報知信号生成部46bは、発電部46aから発電検知信号を受信すると、マイクロスピーカSPを鳴動させるための報知信号を生成する。以上の構成により、報知装置40が、リーダ・ライタの読取範囲に入り、その読取信号を受信すると、マイクロスピーカSPから報知音が発生される。
【0031】
次に、第2実施形態における動作を説明する。まず、ユーザは、RFIDタグ自体、あるいはRFIDタグが付けられた物品をシールドケース43に収容する。そして、ユーザが種々の場所に赴くと、その場所にRFID用のリーダ・ライタが設置されていれば、その読取範囲に入った時点で、アンテナ部45が読取信号を受信し、これにより、発電部46aが発電検知信号を発生し、放置信号生成部46bが報知信号を生成するから、マイクロスピーカSPが報知音を出力する。
【0032】
これにより、ユーザは、近くにリーダ・ライタがあることを知る。その場所の状況が、例えば、スーパーマーケットのレジ付近、駅の改札付近、あるいは空港のゲート付近などであったときは、RFIDタグの読取が正規に行われると判断することができる。このような場合には、ユーザはシールドケース43内のRFIDタグやRFIDタグが付けられた物品を取り出して、リーダ・ライタに読取を行わせる。RFIDタグやRFIDタグが付けられた物品は、シールドケース43から取り出せばよく、シールドケース43の外部であれば、スーツケース1に収容させたままの状態でもリーダ・ライタに読取を行わせることができる。
【0033】
一方、マイクロスピーカSPから報知音が出力された場合でも、その場の状況がRFIDタグから情報を読み取るのが不適切な場所であるとユーザが判断した場合は、ユーザはシールドケース43から物品を取り出すことなく、報知音を無視する。以上のように、本実施形態においては、報知音が出力された時点では、シールドケース43内のRFIDタグは読み取られていないから、大切な個人情報等が読み取られるのを未然に防ぐことができ、しかも、読取が必要な状況においては、シールドケース43から物品を取り出せばよい。
【0034】
なお、報知信号生成部46bに報知音を停止させるためのスイッチ48を設け、報知音を認識した後は、このスイッチ48を押して早期に報知音を止めるようにしてもよい。
【0035】
なお、上述した実施形態におけるシールドケース43は、スーツケース1の内部に収容できる程度の大きさであったが、シールドケース43の大きさはこれに限らず、より大きなものが収容できるようにしてもよい。また、RFIDタグのみを収容するような大きさでも、RFIDタグが薄い板状の樹脂などにモールドされたカード状のものを収容する大きさでもよい。また、スーツケース1とシールドケース43とが一体となっているような収容用具を使用することも可能である。
また、シールドケース43を使用しなくてもよい。この場合、アンテナ部45を、他のRFIDタグより高感度に設定しておけば、RFIDタグが読み取られる前に、RFIDのリーダ・ライタを察知することができる。
【0036】
また、上記の実施形態では、RFIDのリーダ・ライタから出力される読取信号を受信するアンテナ部45を設けたが、RFIDのリーダ・ライタの察知方法はこれに限らず、例えば、ダミーのRFIDタグを内部に有し、このダミーのRFIDタグがリーダ・ライタからの読取信号を受信するようにしてもよい。
【0037】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。
(変形例1)
第1実施形態において、収容部2に収容された全てのRFIDタグについて読み取られたことを報知したい場合は、テーブルTBLを無くしてもよい。この場合は、CPU15は受信部18から読取情報が供給されたことを契機にして、発音部20に報知を行わせればよい。
また、第1実施形態におけるテーブルTBLは、RFIDタグの情報と報知の有無を指示する情報とを対にして記憶しているが、報知の有無を示す情報を省略し、テーブルTBLに登録されたRFIDタグの情報と受信部18が読み取った読取情報とが一致した場合に報知を行うようにしてもよい。この場合においては、RFIDリーダに読み取られたRFIDタグがあっても、予めテーブルTBLに登録されたものでなければ報知は行われない。
一方、テーブルTBLに報知の有無を指示する情報を設ける場合は、テーブルTBLに登録されたRFIDタグの情報と受信部18が読み取った読取情報とが一致し、かつ、報知の有無を指示する情報によって報知することが指示されているときだけに、報知が行われる。
【0038】
また、発音の態様は単純な波形による発音でもよく、メロディ音などのように複雑にしてもよい。さらに、RFIDタグごとに発音の態様を異ならせてもよい。このようにすると、ユーザは、音を聞くだけで、警戒しなくてもよいRFIDタグと警戒が必要なRFIDタグとを識別することができる。発音態様をRFIDごとに変えるのは、例えば、テーブルTBLにどのような発音態様にするかを示す情報をRFIDタグごとに書き込んでおき、CPU15がテーブルTBLを参照して、該当する発音態様を発音部20に指示すればよい。
【0039】
(変形例2)
上述した各実施形態においては、音による報知を行ったが、報知はこれに限らず、LED等を点灯させる光による報知でも、バイブレータを駆動する振動による報知でもよい。要するに、報知手段としては、ユーザに対してRFIDタグが読み取られた(あるいは読み取られようとしている)ことを認識させることができればよい。
【0040】
また、報知装置10本体に報知手段を設けず、例えば、携帯電話の着信音やバイブレータを報知手段として用いてもよい。この場合には、電波(ブルートゥース等)を用いて報知信号を出力するようにすればよい。携帯電話については、報知信号を受信すると、着信音が鳴動したり、あるいはバイブレータが駆動されたりするように構成する。
【0041】
(変形例3)
上述した第2の実施形態においては、リーダ・ライタの読取信号を検出して報知音を鳴らすようにしたが、これに代えて、読取自由のダミーのRFIDタグを非シールド状態で露出させておき、このダミーのRFIDがリーダ・ライタによって読み取られる際に発信される情報を検知して報知音を出力するように構成してもよい。
【0042】
(変形例4)
上述した各実施形態において、報知装置10および報知装置40の形状はキーホルダ型であったが、報知装置の形状はこれに限定するものではなく、他の形状であってもよい。例えば、図7の(a)や(b)に示すような、鞄や携帯電話等に取り付け可能であるストラップ型装置50やキーホルダ型装置51であってもよい。また、図7の(c)や(d)に示すような、指輪52や腕時計53などの普段見につける物品に報知手段または検知手段を設けることも可能である。図7の(e)や(f)に示すような、鞄や財布、ポケットなどの任意の場所に入れることが可能であるお守り54やマスコット55などの形状であってもよい。
【0043】
(変形例5)
報知装置の形状は、例えば、物品に貼り付けることができるテープ状の形態であってもよい。図8の(a)と(b)は、粘着シートを有するテープ状の報知装置56の構成を示す正面図と縦断面図である。図において、56aは、粘着材が添付され、物品に対して本装置56を接着させるための粘着シートである。粘着シート56aの上部には薄い板状の樹脂等でできた軟質基材56bが設けられている。基材56bの内部には、アンテナ部45と、マイクロスピーカSPと、報知回路46とが設けられており、基材56bによってそれらの表面が保護されている。なお、アンテナ部45、マイクロスピーカSP、および報知回路46の構成とその動作については、図5に示す報知装置40のそれと同様であるため説明を省略する。
報知装置56は、図9の(a)に示すように、粘着シート56aによってマスコット等の物品60に付けられているRFIDタグ60aを覆って貼り付けられるようになっている。
なお、粘着シート56aと基材56bとの間に、磁気的なシールド処理がなされているシールドシートを設けてもよい。この場合、図9の(a)に示すように、物品60に設けられているRFIDタグ60aを覆って報知装置56を貼り付けることによって、RFIDタグ60aに対しては外部から電波によるアクセスはできず、これにより、RFIDタグ60aが不正に読み取られることを防ぐことができる。
【0044】
なお、粘着シートではなく、面ファスナー(鉤状の突起が一面についた布と、パイル状の面で一組みとなった留め具)を備え、この面ファスナーによって物品に取り付けることができるようになっていてもよい。要するに物品に貼り付けられるようになっていればよい。
【0045】
また、シート状ではなく、図9の(b)や(c)に示す報知装置57や報知装置58のように、物品60の一部を覆うキャップの形状であってもよい。また、図9の(d)に示すような、布等で構成され、物品60を包む風呂敷型の報知装置59であってもよい。
また、上記の報知装置57乃至59において、内部に電気的なシールド処理がなされているシールドシートを設け、物品60に設けられたRFIDタグ60aに対して外部から電波によるアクセスができないようにしてもよい。これにより、RFIDタグ60aが不正に読み取られることを防ぐことができる。
【0046】
なお、上記の報知装置56乃至59において、報知手段(マイクロスピーカSP)が別体となっていてもよい。例えば、携帯電話の着信音やバイブレータを報知手段として用いてもよい。
また、上記の報知装置56乃至59において、RFIDタグの情報または報知の有無を指示する情報を記憶したテーブルと、操作部とを設け、そのテーブルに記憶された情報に基づいて報知を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態の外観を示す概略図である。
【図2】同実施形態の回路構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態におけるテーブルTBLの記憶内容を示す概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態の外観を示す概略図である。
【図5】同実施形態の外観を示す概略図である。
【図6】同実施形態の報知回路46の回路構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の外観を示す概略図である。
【図8】本発明の実施形態の構成を示す図である。
【図9】同実施形態の外観を示す概略図である。
【符号の説明】
【0048】
10,40…報知装置、1,41…スーツケース、2,42…収容部、15…CPU(報知信号出力手段)、18…受信部(受信手段)、19…操作部(状態切換手段)、20…発音部(報知手段)、45…アンテナ部(受信手段)、46…報知回路(受信手段、報知信号出力手段)、TBL…テーブル、SP…マイクロスピーカ(報知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDリーダが発生する電波またはRFIDリーダからの電波を受信したRFIDタグが発信する信号の少なくともいずれか一方を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記電波または前記信号を受信すると、報知のための報知信号を出力する報知信号出力手段と
を具備することを特徴とするRFIDタグ読取報知装置。
【請求項2】
前記報知信号出力手段が出力した報知信号に基づいて発音、発光、振動の少なくともいずれか1つを行う報知手段を具備したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ読取報知装置。
【請求項3】
物品に貼り付けることが可能な面を持つ柔軟なシートを有し、前記シートに前記受信手段および前記報知信号出力手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のRFIDタグ読取報知装置。
【請求項4】
RFIDタグを覆う本体部を有し、前記本体部に前記受信手段および前記報知信号出力手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のRFIDタグ読取報知装置。
【請求項5】
前記受信手段、前記報知信号出力手段および前記報知手段を収納する可搬性のあるケースと、
物品または身体に前記ケースを着脱自在に取り付ける取り付け手段と
を具備することを特徴とする請求項2記載のRFIDタグ読取報知装置。
【請求項6】
RFIDリーダからの電波を受信したRFIDタグが発信する信号を受信する受信手段と、
所定のRFIDタグが記憶している情報を記憶する記憶部と、
前記受信手段が受信した前記信号に含まれる情報と、前記記憶部が記憶している情報とが一致することを条件として、報知のための報知信号を出力する報知信号出力手段と
を具備することを特徴とするRFIDタグ読取報知装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記所定のRFIDタグが記憶している情報とともに、報知を行うか否かを指示する報知指示情報を記憶し、
前記報知信号出力手段は、前記受信手段が受信した前記情報と前記記憶部が記憶している情報とが一致し、かつ、前記報知指示情報が報知を行うことを指示している場合に報知のための報知信号を出力することを特徴とする請求項6記載のRFIDタグ読取報知装置。
【請求項8】
前記報知信号出力手段から出力された報知信号に基づいて、発音、発光、振動の少なくともいずれか1つを行う報知手段を具備することを特徴とする請求項7に記載のRFIDタグ読取報知装置。
【請求項9】
前記受信手段、前記記憶部、前記報知信号出力手段および前記報知手段を収納する可搬性のあるケースと、
物品または身体に前記ケースを着脱自在に取り付ける取り付け手段と
を具備することを特徴とする請求項8記載のRFIDタグ読取報知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−127034(P2006−127034A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312419(P2004−312419)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】