説明

ささり防止構造

【課題】本発明の目的は、脱穀物の持ち回りを防止し、該脱穀物を確実に選別部へと導き、穀粒の回収率の向上を図ることができる、コンバイン用のささり防止構造を提供する。
【解決手段】扱室210内において軸線回りに回転駆動される扱胴本体231及び扱胴本体231の外表面に設けられた扱歯232を有する扱胴230と、穀稈の穂先側が扱室210内に突入した状態で扱胴230の軸線方向に沿って穀稈を搬送するフィードチェーン装置260とを備えたコンバインに適用されるささり防止構造250であって、扱歯232によって穀稈から脱穀された穀粒を含む脱穀物が該扱胴230の回転に伴って持ち回されることを防止するささり防止体251を備え、該ささり防止体251は、扱胴230の軸線回り位置に関し扱歯232が下方から上方へ移動する領域に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱室内で脱穀物の持ち回りを防止し、穀粒の回収率を高めることができるコンバインのささり防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扱室内において軸線回りに回転駆動される扱胴本体及び扱胴本体の外表面に設けられた扱歯を有する扱胴と、穀稈の穂先側が扱室内に突入した状態で扱胴の軸線方向に沿って穀稈を搬送するフィードチェーン装置とを備えたコンバインが知られている。
かかるコンバインは、扱歯を有する扱胴の回転によって、穀稈の穂先を脱穀する。脱穀された脱穀物は、選別部に送られ、穀粒が選別される。
【0003】
ところで、上記扱室に於いて、穀稈を脱穀する扱歯が、扱胴の回転に伴って脱穀物を持ち回り、該持ち回った脱穀物が穀稈の株元に刺さるという、いわゆる「ささり粒」が発生する。このささり粒は、排藁と一緒に排出されるので、その改善が求められる。
このささり粒の発生を抑制するため、扱室内にささり防止体を配設したコンバインのささり防止構造が提案されている(特許文献1の[0030]及び図3等)。
該ささり防止構造は、扱歯が脱穀物を持ち回ることを防止して、ささり粒の発生を抑制できるので好ましいものである。
【0004】
しかしながら、上記公報記載のささり防止構造においては、ささり防止体が扱胴の軸線回り位置に関し、扱歯が上方から下方へ移動する領域に配置されている。従って、ささり防止体の上に、脱穀物が滞留し易いという問題があった。さらに、上記公報記載のささり防止構造に於いては、ささり防止体が穀稈の流路の上方位置に設けられているため、ささり防止体によって持ち回りを防止された脱穀物は、該流路に搬送されてくる穀稈の上に落ち得る。このため、該持ち回り防止された脱穀物が穀稈に刺さり、脱穀済みの穀稈と共に排出されるおそれがある。従って、上記ささり防止構造では、持ち回り防止された脱穀物を、確実に選別部へ送ることができない。
【特許文献1】特開2001−120044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、脱穀物の持ち回りを防止すると共に脱穀物を確実に選別部へと送り、穀粒の回収率の更なる向上を図ることができる、ささり防止構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、扱室内において軸線回りに回転駆動される扱胴本体及び扱胴本体の外表面に設けられた扱歯を有する扱胴と、穀稈の穂先側が扱室内に突入した状態で扱胴の軸線方向に沿って穀稈を搬送するフィードチェーン装置とを備えたコンバインに適用されるささり防止構造であって、扱歯によって穀稈から脱穀された穀粒を含む脱穀物が該扱胴の回転に伴って持ち回されることを防止するささり防止体を備え、ささり防止体が、扱胴の軸線回り位置に関し扱歯が下方から上方へ移動する領域に配置されるささり防止構造を提供する。
かかる構成においては、ささり防止体は、扱歯が下方から上方へ移動する領域に配置されているので、該ささり防止体によって受け止められた脱穀物が該ささり防止体の上に滞留することなく下方へ落下する。従って、脱穀物を扱胴の下方に配置される受網を介して選別部へ効果的に流下させ、これにより、穀粒の回収効率を向上させることができる。
【0007】
好ましくは、上記コンバインが、扱室の少なくとも一部を形成する脱穀機枠であって扱胴を挟んでフィードチェーン装置とは反対側に位置する側壁と、扱胴より穀稈搬送方向上流側に位置する上流側端壁と、扱胴より穀稈搬送方向下流側に位置する下流側端壁とを有し、少なくともフィードチェーン装置に近接する側の側方が開口とされた脱穀機枠を有し、上記ささり防止体が、扱胴の下方に位置するように前記側方開口から脱穀機枠に脱着可能に装着される受網に設けられる構成とすることができる。
この好ましい構成においては、ささり防止体は扱胴の下方に位置する受網に装着されており、ささり防止体の下方側にはフィードチェーン装置によって搬送される穀桿又は排藁が存しない。このため、ささり防止体によって受け止められた脱穀物が下方に落ちた際に、穀稈又は排藁に刺さることを防止できる。従って、脱穀物が排藁と共に排出されることを有効に防止して、穀粒の回収率の向上を図ることができる。
さらに、この好ましい構成においては、ささり防止体を受網と共に脱着することができる。従って、ささり防止体のメンテナンス又は交換を容易に行うことができる。
【0008】
より好ましくは、上記受網は、上記扱胴本体の外表面に沿った略円弧状とされており、上記ささり防止体は、受網を脱穀機枠に装着した際に、上記扱胴の軸線を通る仮想垂直面より上記フィードチェーン装置から離間する側で且つ扱胴の軸線を通る仮想水平面より上方に位置するように、受網に設けられる。
かかる構成においては、ささり防止体の扱室内への脱着容易性を維持しつつ、該ささり防止体をフィードチェーン装置に対してより離間配置させることができる。従って、ささり防止体によって受け止められた脱穀物がフィードチェーン装置によって搬送される穀稈又は排藁に刺さることをより確実に防止できる。
【0009】
より好ましくは、上記受網が、扱胴本体の外表面に沿った略円弧状とされており、更に、受網は、扱胴の軸線を通る仮想垂直面よりフィードチェーン装置に近接する側において扱胴の軸線方向に延びる基端側エッジと、該仮想垂直面よりフィードチェーン装置から離間する側で且つ扱胴の軸線を通る仮想水平面より上方位置において扱胴の軸線方向に延びる先端側エッジとを有し、上記ささり防止体が、受網の先端側エッジに設けられている構成とすることができる。
かかる構成においては、ささり防止体の扱室内への脱着容易性を維持しつつ、該ささり防止体をフィードチェーン装置に対してより離間配置させることができる。従って、ささり防止体によって受け止められた脱穀物がフィードチェーン装置によって搬送される穀稈又は排藁に刺さることをより確実に防止できる。
さらに、この構成によれば、ささり防止体は受網における扱胴回転方向最下流側に位置することになるので、該ささり防止体によって受け止められ、下方へ落下する脱穀物は、前記先端側エッジから基端側エッジへ向かう受網の広範囲に亘って該受網上に落下する。従って、ささり防止体によって受け止められた脱穀物を、受網から選別部へと速やかに流下させることができる。更に、受網の一部分に脱穀物が集中しないので、受網上に脱穀物が滞留することを防止でき、搬送される穀稈の挿入先端部に滞留した脱穀物が接触することを防止できると共に、受網が目詰まりする頻度を緩和できる。
【0010】
より好ましくは、上記脱穀機枠の上方が開口とされており、上記コンバインは、脱穀機枠の上方開口と側方開口のうち少なくともフィードチェーン装置より上方に位置する部分とを覆う扱室カバーであって、扱胴の軸線方向に平行な枢支軸回り回動可能に脱穀機枠に連結された扱室カバーを備え、上記ささり防止体が、扱室カバーを開放位置に位置させた際に、脱穀機枠の上方開口からアクセス可能な位置に設けられる構成とすることができる。
かかる構成においては、脱穀機枠に開閉可能に設けられた扱室カバーを開くことにより、脱穀機枠の上方開口からささり防止体にアクセスすることができる。従って、コンバインの一部を解体しなくても、扱室カバーを開くだけで、ささり防止体のメンテナンス(例えば、付着した脱穀物の除去、ささり防止体の交換など)を行うことができる。
【0011】
好ましくは、上記ささり防止体は、受網に脱着可能な構成とすることができる。
かかる構成においては、必要に応じて前記ささり防止体を取り外すことができるので、該ささり防止体のメンテナンス及び交換を容易に行うことができる。
【0012】
好ましくは、上記コンバインが、扱室の穀稈搬送方向下流側で且つフィードチェーン装置とは反対側の側方に設けられた送塵口を介して扱室に連通された処理室と、処理室内において扱胴と略平行な姿勢で軸線回りに回転駆動される送塵口処理胴とを備えており、上記ささり防止体が、扱胴における穀稈搬送方向上流側の端部近傍から送塵口へ至るように設けられている構成とすることができる。
かかる構成においては、扱室内において扱胴の回転に伴って持ち回される脱穀物を受網上に落下させると共に、前記脱穀物の一部を送塵口を介して処理室へ導くことができる。従って、扱室内において扱胴の回転に伴って持ち回される脱穀物の量を削減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るささり防止構造によれば、ささり防止体によって持ち回り防止された脱穀物を、確実に且つ迅速に選別部へと導くことができる。このため、本発明のささり防止構造は、穀粒の回収率を非常に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<一実施形態>
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1及び図2に、本実施形態に係るささり防止構造250が適用されたコンバインAの側面図及び平面図を示す。
(コンバインの全体構成について)
図1及び図2に於いて、コンバインAは、本機フレーム1と、本機フレーム1に支持された駆動源(図示せず)と、本機フレーム1の下方に配設され、且つ前記駆動源からトランスミッションを介して回転駆動される左右一対のクローラ式走行装置2と、本機フレーム1の前方において該本機フレーム1に昇降可能に支持された刈取装置10と、刈取装置10によって刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置100と、脱穀装置100によって脱穀及び選別された穀粒を収容するグレンタンク40と、脱穀装置100によって脱穀処理された後の排藁を後方へ搬送する排藁搬送装置50とを備え、脱穀装置100に、ささり防止構造250が具備されている。
なお、刈取装置10が設けられている側が、コンバインAの進行方向である。方向を示す用語として、コンバインAの進行方向側を「前」又は「穀桿搬送方向上流側」、コンバインAの進行方向と反対側を「後」又は「穀桿搬送方向下流側」という場合がある。
【0015】
刈取装置10は、穀稈を刈り取る刈取部20と、刈取部20によって刈り取られた穀稈を脱穀装置100へ向けて搬送する搬送部30とを備えている。
刈取部20は、引起ケース21a及び引起タイン21bを含む引起機構21と、引起ケース21aの下方部から前方へ突出された分草板22と、引起ケース21aの後方に配設された刈刃23と、を有している。
【0016】
刈取装置10は、分草板22によって穀稈を分草し、その後部に立設された引起しケース21aから突出された引起タイン21bによって穀稈を引き起こし、刈刃23にて株元を刈り取るようにしている。
搬送部30は、上部搬送機構及び縦搬送機構を含み、刈り取られた穀稈の株元を脱穀装置100におけるフィードチェーン装置260へ受け継ぐように構成されている。フィードチェーン装置260によって搬送された穀稈は、後記に詳述する脱穀装置100にて脱穀選別される。脱穀装置100にて脱穀選別された穀粒は、グレンタンク40に収容される。
このグレンタンク40には、排出オーガ41及び縦オーガ42が設けられている。また、グレンタンク40の底部には、排出コンベア(図示せず)が前後方向に設けられ、この排出コンベアの後部は、縦オーガ42の下部に連通されている。そして、グレンタンク40に収容された穀粒は、排出コンベアから縦オーガ42及び排出オーガ41を通じて、排出オーガ41の先端部から排出される。
【0017】
他方、上記フィードチェーン装置260の後端には、排藁搬送チェーンを備える排藁搬送装置50が設けられている。さらに、排藁搬送チェーンの後部下方には、排藁カッター装置及び拡散コンベアなどを含む排藁処理部60が設けられている。排藁処理部60は、フィードチェーン装置260から受け渡された排藁を切断して藁片にした後、この藁片を拡散しながら圃場に均一放出し、或いは排藁を切断せずに放出するように構成されている。
【0018】
(脱穀装置について)
図3に、図2の脱穀装置100を前後方向で切断した参考断面図を示す。図4に、同脱穀装置100を前方側から視た図であって、これを前後方向と直交する方向で切断した参考正面図を示す。図5に、同脱穀装置100を上方側から視た平面図を示す。
【0019】
脱穀装置100は、脱穀部200と、選別部400と、を有し、脱穀部200に、本発明のささり防止構造250が具備されている。
【0020】
図3に於いて、脱穀部200は、扱胴230を収容する扱室210と、扱室210内に設けられ且つ上記駆動源によって作動的に回転駆動される扱胴駆動軸220と、扱胴駆動軸220に相対回転不能に支持された扱胴230と、扱胴230の下方側に設けられた受網240と、扱室210内に設けられたささり防止構造250と、刈取装置10から受け継いだ刈取穀稈を穂先側が扱室210に突入した状態で扱胴230の軸線方向に沿って穀稈を搬送するフィードチェーン装置260と、を含んでいる。
なお、本実施の形態においては、フィードチェーン装置260は、前方側から後方側へ向かって刈取穀稈を搬送するように構成されている。
【0021】
具体的には、図3及び図4に示すように、扱室210は、主として、脱穀機枠211と、扱室カバー212とを有している。
脱穀機枠211は、扱胴230を挟んで上記フィードチェーン装置260に対して反対側に位置する側壁211aと、扱胴230より穀稈搬送方向上流側に位置する上流側端壁211bと、扱胴230より穀稈搬送方向下流側に位置する下流側端壁211cと、扱胴230の上方及びフィードチェーン装置260に近接する側に設けられた上方開口211d及び側方開口211eと、を有する。なお、この上流側端壁211bには、脱穀前の穀稈を扱室210内へ挿入するため、スリット状の穀稈挿入用開口211b’が形成されている。下流側端壁211cには、脱穀後の排藁を排出するため、スリット状の排出用開口211c’が形成されている。
扱室カバー212は、脱穀機枠211の上方開口211dを覆い且つ脱穀機枠211の側方開口211eのうちフィードチェーン装置260の上方位置に於ける開口部分を覆うように形成されている。この扱室カバー212は、脱穀機枠211に対して開閉可能に設けられている。例えば、扱室カバー212は、扱胴230の軸線方向に平行な枢支軸212a回りに回動可能に、脱穀機枠211に取り付けられている。なお、図4では、扱室カバー212を開けた状態で表している。
【0022】
扱胴駆動軸220は、その両端部が脱穀機枠211の上流側端壁211b及び下流側端壁211cに軸支されている。
扱胴駆動軸220に支持された扱胴230は、前方外表面が前方へ向かうに従い次第に小径となるテーパ面230aに形成された略円柱状の扱胴本体231と、この扱胴本体231の外表面に植設された複数の扱歯232と、を有する。複数の扱歯232は、扱胴本体231の周方向に所定間隔を開けて配置された扱歯列が、扱胴230の軸線方向に平行多段状に列設されている。もっとも、扱歯232の配置は、これに限られず、例えば、複数の扱歯232が、扱胴本体231の外表面に螺旋状に植設されていてもよい。
【0023】
受網240は、扱胴230の軸線を通る仮想垂直面VP(扱胴230の軸線及び上下方向の線を通る面)よりフィードチェーン装置260から離反する側で且つ扱胴230の軸線を通る仮想水平面VF(扱胴230の軸線を通り且つ仮想垂直面VPに直交する面)の上方位置に於いて、扱胴230の軸線方向に伸びる先端側エッジ241と、上記仮想垂直面VPよりフィードチェーン装置260に近接する側で且つ上記仮想水平面VFの下方位置に於いて、扱胴230の軸線方向に伸びる基端側エッジ242と、先端側エッジ241及び基端側エッジ242の間に形成された正面視半円形状の網本体243と、を有する。
網本体243の面内には、脱穀物が通過可能な複数の孔(網目)が形成されている。受網240は、その網本体243が扱胴230の下方及び下方両側方を覆うように、扱胴230の外表面に沿って設けられている。この受網240は、メンテナンスなどのため、脱穀機枠211に対して脱着可能に取り付けられている。この受網240の脱着は、例えば、脱穀機枠211の側方開口211eから行うことができるように構成されている。もっとも、受網240は、脱穀機枠211の側壁211a側における上方開口211dから脱着できるように構成されてもよい。
【0024】
フィードチェーン装置260は、穀稈を前方側から後方側へと搬送するフィードチェーンを有する。フィードチェーン装置260の上方には、藁押さえ装置(図示せず)がフィードチェーンに対向して設けられている。藁押さえ装置は、フィードチェーン装置260によって搬送される穀稈をフィードチェーンに向けて押圧する。なお、藁押さえ装置は、扱室カバー212の下端部212bに設けられている。
【0025】
(処理室について)
本実施形態のコンバインは、図3及び図5に示すように、脱穀部200の後方に、処理室300が併設されている。
該処理室300は、扱室210の後部の側方(例えば、グレンタンク側)に設けられている。
処理室300は、処理室ケース340と、処理室ケース340内に設けられた略円柱状の送塵口処理胴310と、送塵口処理胴310の下方及び下方両側方を覆うように設けられている半円形状の処理胴網320と、扱室210と処理室300との間の連通口である送塵口330と、を有する。
処理室ケース340は、送塵口処理胴310などを被覆する筺体で形成され、処理室ケース340の側壁前方かつ脱穀機枠211の側壁211aの後方に接するように配設されている。
送塵口処理胴310は、扱胴230の軸線方向と平行となるように、扱胴230の後部の側方で且つ前後方向に横架され、回転可能に軸支されている。送塵口330は、脱穀機枠211の側壁211aの後方部とこれに対面する処理室ケース340の側壁の前方部とを連通するために、両部の間に開口されている。
処理室300は、扱胴230で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物及び脱穀物を再処理するために設けられている。すなわち、未処理物等は、扱室210から送塵口330を通じて処理室300内に導かれる。そして、送塵口処理胴310の回転によって未処理物等が処理され、この処理物のみが、処理胴網320の孔(網目)を通過して流下する。
【0026】
なお、送塵口処理胴310の後端部の外表面には前後に長い板体よりなる羽体311が固設されている。該羽体311は、送塵口処理胴310と一体的に回転し、送塵口処理胴310により処理室300後方まで搬送されてきた藁屑は該羽体311の回転によって跳ね飛ばされ、排出される。
【0027】
また、上記処理胴網320の下方には、送塵搬送コンベア350が前後方向に軸架されている。送塵搬送コンベア350はスクリュー式のコンベアであり、該送塵搬送コンベア350によって、処理胴網320から落下してきた処理物は、前方(送塵口処理胴310の搬送方向とは反対の方向)に向かって搬送されて、送塵搬送コンベア350前端から選別部400の前方部(選別処理開始端部)に再投入される。
【0028】
(選別部について)
次に、選別部400は、揺動選別及び風選別の2種類の選別方式により、扱室210で脱穀された脱穀物及び処理室300での処理物が、一番物と二番物と藁屑等に分別される。
図3に示すように、揺動選別は、主として揺動選別装置410によって行われ、風選別は、主として送風機420によって行われる。
なお、選別部400には、揺動選別装置410の後方且つ上方において藁屑等を機体外部に排出する吸引ファン430が備えられている。
【0029】
揺動選別装置410及び送風機420は、選別部400の機枠440(固定側)内に収納されている。
揺動選別装置410は、揺動駆動機構450によって機枠440に対して揺動するように構成されている。該揺動選別装置410の前端部は、扱胴230の前端部の下方まで延出され、揺動選別装置410の後端部は送塵口処理胴310後端部の下方まで延出されている。
具体的には、揺動選別装置410は、前後のフィードパン411a、411bと、前方フィードパン411aの後下方に設けられた第一選別部であるチャフシーブ412と、後方フィードパン411bの後部に連設された第二選別部である網状のグレンシーブ413と、チャフシーブ412の後方に設けられたストローラック414と、を有する。
前後のフィードパン411a、411bは、例えば、板状の部材を波形に成形したものが用いられる。フィードパンに於いて、脱穀物は車輌幅方向に分散されつつ、後方側へ向けて搬送される。前方フィードパン411aは、扱室210の受網240の前下方から略中央下方にかけて配置されている。後方フィードパン411bは、前方フィードパン411aの後下方に配置されている。チャフシーブ412は、開度を調節可能な複数のチャフフィンから形成され、前方フィードパン411aと後方フィードパン411bの上下間に配置されている。グレンシーブ413は、網状体から形成され、後方フィードパン411bの後方に連続して設けられている。
【0030】
送風機420は、揺動選別装置410の前下方において、処理物に対して選別風を送風するように配設される唐箕421と、唐箕421の後方で選別風を送風する副圧送ファンであるセカンドファン422と、を有する。
唐箕421は、機枠440内で揺動選別装置410により選別される処理物に対して、前下方から後上方へ送風することで、細かい藁屑等を後方へ吹き飛ばす。
セカンドファン422は、唐箕421の選別風が弱まる機枠440内の後方においても風選別による選別性能が低下しないようにしており、細かい藁屑等を吸引ファンへ430送る。
【0031】
また、選別部400には、揺動選別装置410及び送風機420によって選別された処理物を集約させる樋構造と、前記樋構造に集約された処理物を所定箇所へ搬送するコンベア部が備えられている。
前記樋構造は、一番物を集約させる側面視略V字状の一番回収部(一番樋)454と、二番物を集約させるように一番回収部454より後方側に配置された側面視略V字状の二番回収部(二番樋)455と、を有している。
前記コンベア部は、前記一番回収部454内に配設された第一コンベア451aと、第一コンベアの搬送方向下流側において前記一番回収部454に連接された揚穀筒451と、揚穀筒451に内挿された揚穀コンベア(図示せず)と、前記二番回収部455内に配設された第二コンベア452aと、前記第二コンベア452aの搬送方向下流側において前記二番回収部に連接された還元筒452と、前記還元筒452に内挿された二番還元コンベアと、を含んでいる。
前記一番回収部454内に集約された一番物は、前記第一コンベア451a及び前記揚穀コンベアによって前記グレンタンク40内に搬送される。
前記二番回収部455内に集約された二番物は、前記第二コンベア452a及び前記二番還元コンベアによって前記前方フィードパン411a上に戻され、再度、揺動選別される。
【0032】
(ささり防止構造について)
次に、本発明の特徴部分である、ささり防止構造250について説明する。
図3〜図5に示すように、ささり防止構造250は、主として扱胴230の回転に伴って持ち回される脱穀物を選別部400へ導くため、扱室210内に設けられている。
該ささり防止構造250は、扱歯232によって穀桿から脱穀された脱穀物を扱胴230の回転に伴って持ち回されることを防止するささり防止体251を有する。
【0033】
ささり防止体251は、扱胴230が軸線回りに回転する際に、扱胴231の外表面に設けられた扱歯232が下方から上方へ移動する領域に配設されている。
本実施形態においては、扱胴230の前方側から軸線方向を視た際、扱胴230は、時計回りに回転する。
よって、上記ささり防止体251は、扱室210内において上記仮想垂直面VPよりフィードチェーン装置260から離間する側の領域に配置されており、該領域にささり防止体251が配置されることにより、ささり防止体251によって受け止められた脱穀物を速やかに下方に落下させることができる。
【0034】
具体的には、ささり防止体251は、図4に示すように、扱胴230の前方側から軸線方向を視た際、上記仮想垂直面VPよりフィードチェーン装置260から離間する側で且つ上記仮想水平面VFより上方に配置されている。
本実施形態のように上記処理室300を具備する場合には、ささり防止体251は、図3及び図5に示すように、扱胴230の穀稈搬送方向上流側から、穀桿搬送方向下流側に設けられた送塵口330へ至るような長さを有する長状部材で構成される。
【0035】
上記ささり防止体251は、細長い長状部材からなり且つ固定側に取り付けるための取付片251aと、該長状の取付片251aの先端部から突設されたささり防止片251bと、を有している。
【0036】
取付片251aは、ささり防止体251を所定位置に固定できるものであればその形状、材質は特に限定されず、例えば、金属、硬質プラスチックなどの剛性のある長状部材(例えば、所定厚の帯状板等)を用いることができる。
長状の取付片251aは、扱胴本体231の前方端から送塵口330の前方端の上方に至る長さを有し、該取付片251aは、受網240の先端側エッジ241に沿って、該先端側エッジ241に脱着可能に装着されている。
なお、上記取付片251aの取付方法は特に限定されず、例えば、ボルトナットなどの締付具を用いる取付方法等のような脱着可能な取付手段を用いることができる。
【0037】
このようにささり防止体251の取付片251aが、受網240に装着されていることにより、ささり防止体251を受網240と共に扱室210から脱着することができ、受網240とささり防止体251のメンテナンス等を同時に行うことができる。
【0038】
また、ささり防止体251の取付片251aが、受網240に脱着可能に取り付けられているので、ささり防止体251のみを取り外し、そのメンテナンス等を行うことも可能である。
特に、ささり防止体251が、受網240の先端側エッジ241に装着されているので、該ささり防止体251は、扱室カバー212の枢支軸212a近傍に位置する。このため、扱室カバー212を開けた際、脱穀機枠211の上方開口211dからささり防止体251にアクセス可能である。従って、扱室カバー212を開けるだけで、容易にささり防止体251のメンテナンスを行うことができ、更に脱着可能に装着されたささり防止体251の交換も容易に行える。
ここで、ささり防止体251が脱穀機枠211の上方開口211dからアクセス可能とは、扱室カバー212を開けて脱穀機枠211の上方開口211dを開放した状態で、標準的な成人男性が、手を伸ばしてささり防止体251に触れることができることを含む意味である。
【0039】
一方、ささり防止片251bは、扱胴230の回転に伴って持ち回される脱穀物を止めるための部材であって、取付片251aの先端部全体から扱胴230側に向かって突設されている。
ささり防止片251bは、扱胴230の回転によって持ち回される脱穀物を受け止めることができるものであれば特に限定されず、例えば、扱胴230の回転を許容しつつ空間(扱胴と受網の間の空間)を遮蔽できるもの(例えば、無数の起毛が植設された所謂ブラシや、ゴム製シートなどの軟質シートに先端側から複数の切り目が形成された易変形体など)、厚手のゴム製シートなどの軟質部材、硬質プラスチックシートなどの剛性シートなどの剛性部材などを用いることができる。中でも、ささり防止片251bは、扱胴230の回転に支障を来さず且つ脱穀物の持ち回りを防止できることから、扱胴230の回転を許容しつつ空間を遮蔽できるものが好ましい。この好ましいささり防止片251bを用いる場合、図6に示すように、ささり防止片251bの先端側が、扱胴230の前方側から軸線方向を視た際、扱歯232の回転軌跡内に突入するように設けられ、好ましくはささり防止片251bの先端部が扱胴本体231の外表面に接するように設けられる。特に、上記好ましいささり防止片251bは、複数の扱歯232が扱胴本体231に螺旋状に配置されている扱胴230に対して用いる場合に効果的である。
上記のようにささり防止片251bの先端側が、扱歯232の回転軌跡内に突入するように設けられていれば、前後隣合う扱歯間に存して持ち回される脱穀物をも、ささり防止片251bによって止めることができるので好ましい。
【0040】
さらに、ささり防止片251b(ささり防止体251)は、扱胴230の前方側から軸線方向を視た際、ささり防止体251の基部(扱胴230の径外方向端部)及び先端部(扱胴230の径内方向端部)を結ぶ直線Lが扱胴230の接線に対して直交するように設けられている。このようにささり防止片251bが、扱胴230の接線に直交するように設けられていることにより、持ち回される脱穀物がささり防止体251の先端部と扱胴本体231の外表面の間からすり抜けることを防止でき、脱穀物の持ち回りを確実に防止できる。もっとも、ささり防止体251は、該ささり防止体251の基部及び先端部を結ぶ直線Lが、扱胴230の接線に対して、鋭角になるように設けられてもよい。
なお、ささり防止片251bは、扱胴本体231のテーパ面230aに対向する部分に於いては、図5に示すように、テーパ面230aに接するように設けられている。
【0041】
(本発明のささり防止構造を有するコンバインの使用例)
上記コンバインAは、刈取装置10によって刈り取られた穀稈を、フィードチェーン装置260によって扱室210内に搬送し、扱歯232を有する扱胴230の回転によって脱穀する。
扱室210内で脱穀された脱穀物は、受網240の網目から流下し、選別部400によって選別される。選別部400において選別された穀粒は、グレンタンク40に収容される。
【0042】
一方、扱室210内で脱穀された脱穀物の一部は、扱胴230の回転に伴って持ち回されるが、上記コンバインAのささり防止体251は、扱歯が下方から上方へ移動する領域に配置されているので、該ささり防止体251によって受け止められた脱穀物は、ささり防止体251の上に滞留することなく下方へ落下する。従って、持ち回り防止された脱穀物は、速やかに受網240へと落ち、該受網240を介して選別部400に流下する。
【0043】
また、フィードチェーン装置260によって搬送される穀稈は、扱室210内に於いて、扱歯が上方から下方へ移動する領域に挿入され且つ扱胴230の軸線方向に搬送されることによって脱穀される。従って、上記のように配置されたささり防止体251の下方側には、フィードチェーン装置260によって搬送される穀稈が存しないので、ささり防止体251によって受け止められて落ちた脱穀物が、穀稈又は排藁に刺さることを防止できる。よって、本発明のコンバインAは、持ち回り防止された脱穀物が穀稈等と共に排出され難く、穀粒の回収率の向上を図ることができる。特に、ささり防止体251は、受網240の先端側エッジ241に設けられている。このため、持ち回り防止された脱穀物は、受網240の広い範囲(扱胴230の軸線を通る仮想垂直面VPよりフィードチェーン装置260と離反する側に於ける受網240のの範囲)に亘って分散しながら該受網240の網目から流下するので、受網240の一部分に脱穀物が滞留し難い。従って、受網240に堆積した脱穀物が、扱室210内に挿入された穀稈の先端部に接触して刺さり粒となり、これと共に排出されることも防止できる。
また、このように脱穀物が受網240の一部分に滞留し難いことから、脱穀物にて受網240が目詰まりする頻度を緩和できるという効果も有する。
【0044】
さらに、ささり防止体251は、扱室210に連通される処理室300の送塵口330に至るまで延設されているので、ささり防止体251の後方部に於いて受け止められた脱穀物は、送塵口330を通じて処理室300へも導かれる。このため、持ち回り防止された脱穀物の一部は、速やかに扱室210から取り除かれ、扱室210内の脱穀物の量を減らして受網240に脱穀物が滞留することを防止できる。
【0045】
<他の実施形態>
以下、本発明の他の実施形態(変形例)について説明する。ただし、下記様々な他の実施形態の説明において、上記一実施形態と異なる構成及び効果について主として説明し、一実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する場合がある。
【0046】
上記一実施形態においては、ささり防止体251は、扱胴230における穀桿搬送方向上流側の端部近傍から送塵口330へ至るように設けられているが、ささり防止体251は、扱胴230の軸線方向の領域に部分的に設けられていてもよい。
例えば、図7に示すように、長手方向の長さが比較的短く形成されたささり防止体251が、穀桿搬送方向上流側の始端部を含む扱胴230の前方部のみに設けられてもよい。また、特に図示しないが、比較的短く形成された2つのささり防止体251が、穀桿搬送方向上流側の始端部を含む扱胴230の前方部と送塵口330の前端上方を含む扱胴230の後方部とにそれぞれ設けられていてもよい。
【0047】
また、上記一実施形態においては、ささり防止体251は、受網240に脱着可能とされているが、ささり防止体251は、受網240から容易に分離できないように一体的に設けられていてもよい。
【0048】
さらに、上記一実施形態においては、ささり防止体251は、受網240の先端側エッジ241に装着されているが、ささり防止体251を装着する部材(固定側)は、受網240の先端側エッジ241に限られず、例えば、ささり防止体251が、受網240の先端側エッジ241の下方部に装着されていてもよい。或いは、ささり防止体251が、例えば、扱室カバー212や脱穀機枠211などに脱着可能に装着されていてもよい。
ささり防止体251を扱室カバー212に装着する場合には、ささり防止体251を仮想垂直面VPよりフィードチェーン装置260から離反する側に配置するため、該ささり防止体251は、例えば、扱室カバー212の内面であって、扱室カバー212の枢支軸212aの近傍に装着されることが好ましい。
【0049】
なお、上記のようにささり防止体251を受網240の先端側エッジ241以外の部材(固定側)に装着する場合、該ささり防止体251は、メンテナンス等のため、固定側に対して脱着可能に装着されていることが好ましい。もっとも、固定側に対して容易に分離できないように一体的に装着することもできる。
また、上記のようにささり防止体251を受網240の先端側エッジ241以外の部材に装着する場合、ささり防止体251の長手部が、扱胴230の軸線方向に対して平行となるように設けてもよいし、或いは該軸線方向に対して傾斜させて設けることもできる。
【0050】
また、上記一実施形態においては、ささり防止体251は、取付片251aとささり防止片251bとが別体であるが、取付片251aとささり防止片251bとが一体(一つの部材)で構成されていてもよい。
【0051】
さらに、上記一実施形態においては、処理室300が、扱室210の後部側方に設けられているが、本発明のささり防止構造250は、処理室300を具備しないコンバインに適用することもできる。この場合、ささり防止体251は、扱胴230の軸線方向長さと略同長さを有する長状部材で構成され、扱胴230の前方端から後方端にかけて設けられていることが好ましいが、上記変形例のように、比較的短く形成されたささり防止体251が扱胴230の軸線方向の領域に部分的に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンバインを示す側面図。
【図2】同平面図。
【図3】同コンバインの脱穀装置の扱室内の概略構造を示す図であって、前後方向で切断した側面断面図。
【図4】同脱穀装置の扱室内の概略構造を示す図であって、前後方向と直交する方向で切断した正面断面図。
【図5】同脱穀装置の扱室内の概略構造を示す平面図。
【図6】同脱穀装置のささり防止構造を示す一部省略斜視図。
【図7】他の実施形態に係る脱穀装置の扱室内の概略構造を示す平面図。
【0053】
1…本機フレーム 2…クローラー式走行装置
10…刈取装置 20…刈取部
30…搬送部 40…グレンタンク
100…脱穀装置 200…脱穀部
210…扱室 212…扱室カバー
220…扱胴駆動軸 230…扱胴
231…扱胴本体 232…扱歯
240…受網 241…受網の先端側エッジ
242…受網の基端側エッジ 250…ささり防止構造
251…ささり防止体 251a…取付片
251b…ささり防止片 260…フィードチェーン装置
300…処理室 310…送塵口処理胴
320…処理胴網 330…送塵口
400…選別部 410…揺動選別装置
420…送風機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室内において軸線回りに回転駆動される扱胴本体及び扱胴本体の外表面に設けられた扱歯を有する扱胴と、穀稈の穂先側が前記扱室内に突入した状態で前記扱胴の軸線方向に沿って穀稈を搬送するフィードチェーン装置とを備えたコンバインに適用されるささり防止構造であって、
前記扱歯によって穀稈から脱穀された穀粒を含む脱穀物が該扱胴の回転に伴って持ち回されることを防止するささり防止体を備え、
前記ささり防止体は、前記扱胴の軸線回り位置に関し前記扱歯が下方から上方へ移動する領域に配置されていることを特徴とするささり防止構造。
【請求項2】
前記コンバインは、前記扱室の少なくとも一部を形成する脱穀機枠であって、前記扱胴を挟んで前記フィードチェーンとは反対側に位置する側壁と、前記扱胴より穀稈搬送方向上流側に位置する上流側端壁と、前記扱胴より穀稈搬送方向下流側に位置する下流側端壁とを有し、少なくとも前記フィードチェーン装置に近接する側の側方が開口とされた脱穀機枠を有し、
前記ささり防止体は、前記扱胴の下方に位置するように前記側方開口から前記脱穀機枠に脱着可能に装着される受網に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のささり防止構造。
【請求項3】
前記受網は、前記扱胴本体の外表面に沿った略円弧状とされており、前記扱胴の軸線を通る仮想垂直面よりフィードチェーン装置に近接する側において前記扱胴の軸線方向に延びる基端側エッジと、前記仮想垂直面より前記フィードチェーン装置から離間する側で且つ前記扱胴の軸線を通る仮想水平面より上方位置において前記扱胴の軸線方向に延びる先端側エッジとを有し、
前記ささり防止体は、前記受網の先端側エッジに設けられていることを特徴とする請求項2に記載のささり防止構造。
【請求項4】
前記脱穀機枠は上方が開口とされており、前記コンバインは、前記脱穀機枠の上方開口と側方開口のうち少なくとも前記フィードチェーン装置より上方に位置する部分とを覆う扱室カバーであって、前記扱胴の軸線方向に平行な枢支軸回り回動可能に前記脱穀機枠に連結された扱室カバーを備え、
前記ささり防止体は、前記扱室カバーを開放位置に位置させた際に、前記脱穀機枠の上方開口からアクセス可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のささり防止構造。
【請求項5】
前記ささり防止体は、前記受網に脱着可能とされていることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のささり防止構造。
【請求項6】
前記コンバインは、前記扱室の穀稈搬送方向下流側で且つ前記フィードチェーン装置とは反対側の側方に設けられた送塵口を介して前記扱室に連通された処理室と、前記処理室内において前記扱胴と略平行な姿勢で軸線回りに回転駆動される送塵口処理胴とを備えており、
前記ささり防止体は、前記扱胴における穀稈搬送方向上流側の端部近傍から前記送塵口へ至るように設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のささり防止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−182976(P2008−182976A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20777(P2007−20777)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】