説明

ウエハ保持装置

【課題】ウエハ保持装置の交換作業を行うことなく、異なる直径を有する半導体ウエハを保持することが可能なウエハ保持装置を提供する。
【解決手段】このウエハ保持装置100は、異なる直径を有するウエハ120(130)を載置可能であるとともに、異なる直径を有するウエハ120(130)に共通に用いられる前方ウエハ把持部22を有する前方ウエハ載置部21と、前方ウエハ把持部22とともにウエハ120(130)を把持可能なローラ31a、31bおよび突起部31cを有し、ウエハ120(130)の直径の大きさに応じて前方ウエハ把持部22に近づく前方向および前方ウエハ把持部22から離間する後ろ方向にスライド可能なスライドアーム30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウエハ保持装置に関し、特に、半導体ウエハを把持するウエハ保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハを把持するウエハ保持装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、半導体ウエハを支持および把持するための一対の先端受け部と、半導体ウエハを支持するための一対の元受け部と、半導体ウエハを先端受け部側に押圧するためのプッシャとを備えたハンド(ウエハ保持装置)が開示されている。このハンドの一対の先端受け部と一対の元受け部とは、把持される半導体ウエハの直径に対応した所定の間隔を隔てて互いに対向するように、ハンドの先端側と根元側とにそれぞれ固定的に設けられている。これらの一対の先端受け部と一対の元受け部とによって、ハンドに載置される半導体ウエハの外周部が4点で支持されるように構成されている。また、プッシャは、元受け部よりも根元側の位置に固定的に配置されるエアシリンダによって、半導体ウエハの外周部を先端受け部側に押圧することが可能なように構成されている。これにより、上記特許文献1によるハンドでは、先端受け部および元受け部により半導体ウエハを支持した状態でプッシャによって半導体ウエハの外周部を先端受け部側に押圧することによって、このプッシャと一対の先端受け部とにより半導体ウエハをクランプ(把持)することが可能なように構成されている。このような構成により、上記特許文献1によるハンドは、ウエハ搬送用ロボットのアームに取り付けられて半導体製造工程における各種装置への半導体ウエハの搬送に用いられる。
【0004】
上記のようなハンドにより把持される半導体ウエハには、直径300mm(12インチ)、200mm(8インチ)、150mm(6インチ)および100mm(4インチ)などの直径の異なる複数の種類がある。先端受け部および元受け部やエアシリンダを固定的に配置する上記特許文献1によるハンドを用いて異なる直径を有する半導体ウエハを保持(把持)する場合には、たとえば、300mmウエハ用ハンド、200mmウエハ用ハンドなどの専用のハンドを複数種類用意するとともに、ウエハの種類(直径)に応じてハンドを交換する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−134586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、上記特許文献1によるハンド(ウエハ保持装置)では、異なる直径を有する半導体ウエハを保持する場合には、ウエハ搬送用ロボットの稼動を停止し、ハンド(ウエハ保持装置)の交換作業を行う必要があるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ウエハ保持装置の交換作業を行うことなく、異なる直径を有する半導体ウエハを保持することが可能なウエハ保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるウエハ保持装置は、異なる直径を有する半導体ウエハを載置可能であるとともに、異なる直径を有する半導体ウエハに共通に用いられる前方ウエハ把持部を有する前方ウエハ載置部と、前方ウエハ把持部とともに半導体ウエハを把持可能な後方ウエハ把持部を有し、半導体ウエハの直径の大きさに応じて前方ウエハ把持部に近づく前方向および前方ウエハ把持部から離間する後ろ方向にスライド可能なスライドアームとを備える。
【0009】
この発明の一の局面によるウエハ保持装置では、上記のように、異なる直径を有する半導体ウエハに共通に用いられる前方ウエハ把持部を有する前方ウエハ載置部と、前方ウエハ把持部とともに半導体ウエハを把持可能な後方ウエハ把持部を有し、半導体ウエハの直径の大きさに応じて前方ウエハ把持部に近づく前方向および前方ウエハ把持部から離間する後ろ方向にスライド可能なスライドアームとを設けることによって、スライドアームをスライドさせてスライドアームの後方ウエハ把持部と前方ウエハ載置部の前方ウエハ把持部との間隔を半導体ウエハの直径に合わせて変更することができる。これにより、ウエハ保持装置のスライドアームを半導体ウエハの直径に応じたスライド位置にスライドさせるだけで、共通に用いられる前方ウエハ把持部とスライドアームの後方ウエハ把持部とによって異なる直径を有する半導体ウエハを把持することができるので、ウエハ保持装置の交換作業を行うことなく、異なる直径を有する半導体ウエハを保持することができる。
【0010】
上記一の局面によるウエハ保持装置において、好ましくは、スライドアームの所定のスライド位置を検出可能なスライド位置検出部をさらに備え、スライド位置検出部の検出結果に基づいてスライドアームを所定のスライド位置にスライド可能なように構成されている。このように構成すれば、半導体ウエハの直径に対応した所定のスライド位置をスライド位置検出部によって検出することができるので、把持する半導体ウエハの直径に対応したスライド位置にスライドアームを確実に配置することができる。この結果、異なる直径を有する半導体ウエハを確実に把持することができる。
【0011】
上記一の局面によるウエハ保持装置において、好ましくは、スライドアームの前後方向のスライド位置の位置決めを行う位置決め部をさらに備える。このように構成すれば、位置決め部によって位置決めされるスライド位置までスライドアームを移動させるだけで、容易に、把持する半導体ウエハの直径に対応したスライド位置にスライドアームを配置することができる。
【0012】
上記一の局面によるウエハ保持装置において、好ましくは、スライドアームに固定的に設置され、後方ウエハ把持部をスライドアームに対して前後方向に移動可能なアクチュエータをさらに備え、半導体ウエハの直径の大きさに応じてスライドアームを前後方向に移動させた状態で、アクチュエータにより後方ウエハ把持部を前方向に移動させて前方ウエハ把持部と後方ウエハ把持部とにより半導体ウエハを把持するように構成されている。このように構成すれば、後方ウエハ把持部を前方向に移動させて半導体ウエハを把持させるアクチュエータを、スライドアームとともに移動させることができる。これにより、異なる直径を有する半導体ウエハを把持する場合にも、スライドアームとともにアクチュエータを移動させることによって、半導体ウエハに対するアクチュエータ(後方ウエハ把持部)の相対的な位置(半導体ウエハとアクチュエータ(後方ウエハ把持部)との間隔)を変えることなく把持することができる。この結果、異なる直径を有する半導体ウエハを把持する場合に、半導体ウエハの直径の差分(たとえば、300mmウエハと200mmウエハとの直径の差分=100mm)だけアクチュエータの移動距離(後方ウエハ把持部の移動距離)を確保する必要がないので、アクチュエータの小型化および軽量化を図ることができる。以上により、異なる直径を有する半導体ウエハを把持可能に構成する場合にウエハ保持装置が大型化して、重量が増大するのを抑制することができる。
【0013】
この場合において、好ましくは、アクチュエータにより後方ウエハ把持部を前方向に移動させて半導体ウエハを把持した状態を検出するためのウエハ把持検出部をさらに備える。このように構成すれば、ウエハ把持検出部によって半導体ウエハを把持した状態(クランプ状態)を検出することができるので、容易に、半導体ウエハのクランプ状態およびアンクランプ状態(把持を解除した状態)を確認することができる。
【0014】
上記アクチュエータを備える構成において、好ましくは、アクチュエータの前後方向の移動距離は、スライドアームの前後方向の移動距離よりも小さくなるように構成されている。このように構成すれば、アクチュエータの移動距離(後方ウエハ把持部の移動距離)をスライドアームの前後方向の移動距離よりも小さくすることができるので、さらにアクチュエータの小型化および軽量化を図ることができる。
【0015】
上記アクチュエータを備える構成において、好ましくは、アクチュエータには、アクチュエータを駆動するための駆動源を供給する駆動源供給ラインが接続されており、駆動源供給ラインは、スライドアームが後方端に位置する状態で、前方側に延びた後後方に折り返すことにより前後方向に重複するように配置されるとともに、駆動源供給ラインの前後方向の重複部分が、少なくともスライドアームの移動距離に対応する長さを有するように構成されている。このように構成すれば、スライドアームを前方端に最大限スライドさせた場合にも、スライドアーム(アクチュエータ)の移動に伴い駆動源供給ラインの折り返し部分が展開されるので、アクチュエータに対する駆動源供給ラインの接続を維持することができる。
【0016】
上記一の局面によるウエハ保持装置において、好ましくは、後方ウエハ把持部は、少なくとも3つ設けられており、少なくとも3つの後方ウエハ把持部は、半導体ウエハのオリエンテーションフラットの位置に関わらず半導体ウエハの外周部を少なくとも2つの後方ウエハ把持部により把持可能な位置に配置されている。このように構成すれば、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハを把持する場合にも、少なくとも2つの後方ウエハ把持部によって、オリエンテーションフラットの位置(半導体ウエハの回転角度位置)に関わらず半導体ウエハを把持することができる。これにより、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハを把持する場合にも、予め半導体ウエハの回転角度位置(オリエンテーションフラットの位置)を調節してから把持する必要がない。
【0017】
この場合において、好ましくは、前方ウエハ把持部は、半導体ウエハの外周部の2か所を把持可能なように間隔を隔てて一対設けられており、後方ウエハ把持部は、前方ウエハ把持部に対向するとともに、半導体ウエハの外周部の2か所を把持可能な一対の第1クランプ部と、一対の第1クランプ部の間に配置され、半導体ウエハの外周部の1か所を把持可能な第2クランプ部とを含む。このように構成すれば、一対の第1クランプ部の2か所と、一対の第1クランプ部の間の第2クランプ部の1か所との合計3か所で半導体ウエハの外周部を把持することができる。これにより、オリエンテーションフラットが上記3か所のうちのいずれかの位置に配置された場合にも、他の2か所で半導体ウエハの外周部を把持することができるので、容易に、オリエンテーションフラットの位置(半導体ウエハの回転角度位置)に関わらず半導体ウエハを把持することができる。
【0018】
上記一の局面によるウエハ保持装置において、好ましくは、スライドアームに固定的に設置され、スライドアームの前後方向へのスライド移動に伴って前後方向に移動する後方ウエハ載置部をさらに備え、半導体ウエハの直径の大きさに応じてスライドアームを前後方向に移動させた状態で、後方ウエハ載置部と、前方ウエハ把持部を含む前方ウエハ載置部とにより、載置された半導体ウエハを支持可能なように構成されている。このように構成すれば、スライドアームを半導体ウエハの直径に対応した所定のスライド位置に移動させるだけで、スライドアームのスライド移動に伴って移動する後方ウエハ載置部と、前方ウエハ載置部とによって半導体ウエハを支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態によるウエハ保持装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態によるウエハ保持装置のスライドアームが後方位置に配置された状態を説明するための図である。
【図3】図1に示した一実施形態によるウエハ保持装置のスライドアームが前方位置に配置された状態を説明するための図である。
【図4】図3に示した一実施形態によるウエハ保持装置の把持動作において突起部側にオリエンテーションフラットが位置した場合を説明するための図である。
【図5】図3に示した一実施形態によるウエハ保持装置の把持動作においてローラ側にオリエンテーションフラットが位置した場合を説明するための図である。
【図6】図3に示した一実施形態によるウエハ保持装置の把持動作においてローラ側にオリエンテーションフラットが位置した場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態によるウエハ保持装置100の構造について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態によるウエハ保持装置(ウエハ搬送ハンド)100は、クリーンルーム内に配置されたウエハ搬送ロボット(図示せず)のアーム110の先端に装着されるとともに、半導体ウエハ(ウエハ120および130(図3参照)、2点鎖線参照)の把持(保持)および把持の解除を行うことが可能なように構成されている。ウエハ保持装置100の後述する各部の動作制御は、図示しないウエハ搬送ロボットのロボットコントローラによって行われる。このような構成により、ウエハ搬送ロボットに装着されたウエハ保持装置100は、半導体製造工程における各種装置への半導体ウエハの搬送に用いられる。なお、図1では、アーム110に2つのウエハ保持装置100が上下方向(Z方向)に積層するように装着された例を示している。この2つのウエハ保持装置100は、同一の構成を有する。
【0023】
ここで、本実施形態によるウエハ保持装置100は、異なる直径を有する2種類のウエハ120および130(図3参照)を把持(保持)することが可能なように構成されている。図2に示すように、ウエハ120は、直径d1(たとえば、約300mm)の円板形状を有する。また、図3に示すように、ウエハ130は、直径d2(たとえば、約200mm)の円板形状を有する。これらのウエハ120および130の形状はSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格により定められている。たとえば約300mmの直径d1を有するウエハ120には、外周部の所定位置にノッチ(切り欠き、図示せず)が設けられるとともに、約200mmの直径d2を有するウエハ130には、外周部の所定位置にノッチ(図示せず)またはオリエンテーションフラット(平坦面部)131が設けられる。以下、ウエハ保持装置100の構造について詳細に説明する。
【0024】
図1に示すように、ウエハ保持装置100は、アーム110に装着される取付部11を有する基部10と、一対の前方ウエハ載置部21が設けられた支持部20と、把持アーム部31を有するスライドアーム30とを備えている。このスライドアーム30は、図2および図3に示すように、ウエハ120(130)の直径(d1またはd2)の大きさに応じて、前方ウエハ把持部22に近づく前方向(矢印Y1方向、図3参照)および前方ウエハ把持部22から離間する後ろ方向(矢印Y2方向、図2参照)にスライド可能に構成されている。
【0025】
図2に示すように、基部10は、取付部11を有するとともに、ケース12およびカバー13(図1参照)を含んでいる。このケース12およびカバー13により、内部にスライドアーム30が配置される収納部10aが形成されている。
【0026】
図1に示すように、取付部11は、アーム110の先端部に装着可能に構成されている。取付部11は、アーム110に装着された状態で、アーム110の図示しない駆動機構によって回動軸11a(図2参照)回りに回動可能に構成されている。したがって、ウエハ保持装置100がアーム110に装着された状態では、この取付部11がアーム110とウエハ保持装置(ウエハ搬送ハンド)100との関節部として機能する。
【0027】
図3に示すように、ケース12の内部には、Y方向に延びるガイド部12aおよび12bと、後方位置決め部12(後方ストッパ部)cおよび12dとがケース12と一体的に形成されている。また、図2に示すように、ケース12の前方(矢印Y1方向)には、スライドアーム30を進退可能にするための開口部12eが形成されている。また、ケース12には、スライドアーム30の前方(矢印Y1方向)のスライド位置を位置決めするための前方位置決め部(前方ストッパ部)12fがケース12と一体的に形成されている。ウエハ保持装置100は、図3に示すように、この前方位置決め部12fとスライドアーム30の後述するブロック34とが当接する前方位置Pにおいて、小型のウエハ130を把持可能となるように構成されている。なお、後方位置決め部12cおよび12dと、前方位置決め部12fとは、本発明の「位置決め部」の一例である。
【0028】
ガイド部12aおよび12bは、それぞれ、スライドアーム30の側面(X方向の側面)と当接してスライドアーム30の横方向(X方向)の位置を決めるとともに前後方向(Y方向)の移動をガイドする機能を有する。また、後方位置決め部12cおよび12dは、スライドアーム30の後部(矢印Y2方向側端部)30aおよび30bと当接することにより、スライドアーム30の後方(矢印Y2方向)のスライド位置を位置決めするように構成されている。ウエハ保持装置100は、図2に示すように、この後方位置決め部12cおよび12d(図3参照)とスライドアーム30とが当接する後方位置Qにおいて、大型のウエハ120を把持可能となるように構成されている。
【0029】
このような構成により、スライドアーム30は、後方位置Qと前方位置Pとの間の移動距離D1(図3参照)を前後方向(Y方向)にスライド移動可能に構成されている。
【0030】
また、図3に示すように、ケース12の内部には、スライドアーム30が後方位置Qに配置されたことを検出するためのスライド位置検出センサ14と、スライドアーム30の後述するエアシリンダ32に対して図示しない空圧回路から圧縮空気を供給するためのエア供給ケーブル15とが設けられている。なお、スライド位置検出センサ14およびエア供給ケーブル15は、それぞれ、本発明の「スライド位置検出部」および「駆動源供給ライン」の一例である。また、エアシリンダ32は、本発明の「アクチュエータ」の一例である。
【0031】
スライド位置検出センサ14は、発光部および受光部を有するフォトセンサである。スライド位置検出センサ14は、スライドアーム30の後述する検出片35を検出するように構成されている。
【0032】
図2に示すように、エア供給ケーブル15は、スライドアーム30が後方位置Qに位置する状態で、前方(矢印Y1方向)側に延びた後、後方(矢印Y2方向)に折り返すことにより、前後方向に重複するように略S字状に配置されている。本実施形態では、このエア供給ケーブル15の前後方向(Y方向)の重複部分が、スライドアーム30の移動距離D1(図3参照)に対応する長さを有するように構成されている。このため、図3に示すように、スライドアーム30が前方位置Pに配置された場合にも、折り返された重複部分が展開することによって、エア供給ケーブル15の接続が維持されるように構成されている。
【0033】
また、図2に示すように、支持部20は、Y方向に延びる板状形状を有するとともに、基部10の先端に固定的に取り付けられている。この支持部20の前方(矢印Y1方向)の先端に、一対の前方ウエハ載置部21が設けられている。一対の前方ウエハ載置部21は、それぞれ、前方ウエハ把持部22と、水平面に対して所定の角度で傾斜した前方ウエハ支持部23とを一体的に有する。
【0034】
前方ウエハ把持部22は、ウエハ120およびウエハ130に共通に用いられる把持部であるとともに、前方ウエハ把持部22には、ウエハ120(130)の外周部と当接することが可能なように鉛直方向に配置された把持面22a(図1参照)が設けられている。この把持面22aは、平面的に見て円弧状に形成されている。これにより、把持面22aは、線接触の状態でウエハ120(130)を把持するように構成されている。また、一対の前方ウエハ載置部21の前方ウエハ把持部22は、それぞれ、ウエハ保持装置100の把持中心線CLに対して等しい距離L1となるように所定の距離(2×L1)を隔てて配置されている。これにより、ウエハ120(130)の外周部と2つの前方ウエハ把持部22の把持面22aとが当接した状態で、ウエハ120(130)の中心が把持中心線CL上に配置される。
【0035】
また、図1に示すように、前方ウエハ支持部23は、ウエハ120(130)の外周部の下側角部と摺動可能に当接して、ウエハ120(130)を支持することが可能な傾斜した支持面を有するように構成されている。
【0036】
図2に示すように、スライドアーム30は、ウエハ120(130)を把持するための把持アーム部31と、把持アーム部31を前後方向(Y方向)に駆動するためのエアシリンダ32と、把持検出センサ33とを主として含んでいる。このエアシリンダ32と、把持検出センサ33とは、ベース部30cと、壁部30dと、カバー30e(図3参照)とからなる収容部に収容されている。スライドアーム30は、この収容部に収容されるエアシリンダ32および把持検出センサ33と、前方ウエハ把持部22に対向するように前方(矢印Y1方向)に突出する把持アーム部31とをユニット化して、このユニット全体を基部10に対して前後方向(Y方向)にスライド移動可能に構成したものである。なお、把持検出センサ33は、本発明の「ウエハ把持検出部」の一例である。
【0037】
また、ベース部30cには、図3に示すように、前方位置Pにおいて前方位置決め部12fと当接するブロック34と、スライド位置検出センサ14によって検出される検出片35と、4つのネジ部材36とが設けられている。この4つのネジ部材36は、基部10に設けられたネジ穴10b(後方位置Qに固定するための4つのネジ穴10bのみを図3において図示)に螺合することによって、スライドアーム30を前方位置Pと後方位置Qとにそれぞれネジ固定することが可能なように構成されている。
【0038】
図2に示すように、把持アーム部31は、平面的に見て、中央から横方向(X方向)に延びる接続部311と、接続部311の両端から斜め前方に広がる一対の腕部312とを含んでいる。一対の腕部312の先端には、それぞれ、一対のローラ31aおよび31bが回転可能に取り付けられている。また、一対のローラ31aおよび31b間の接続部311の中央部先端には、突起部31cが設けられている。また、接続部311は、壁部30dの内側から前方(矢印Y1方向)に突出するL字状の連結部材313を介して、エアシリンダ32のピストンロッド32aと接続されている。これにより、把持アーム部31は、エアシリンダ32のピストンロッド32aと一体的に、前後方向(Y方向)に直線移動可能に構成されている。なお、ローラ31aおよびローラ31bは、本発明の「後方ウエハ把持部」および「第1クランプ部」の一例である。また、突起部31cは、本発明の「後方ウエハ把持部」および「第2クランプ部」の一例である。
【0039】
把持アーム部31は、エアシリンダ32の駆動により前方(矢印Y1方向)に移動して、一対(2つ)のローラ31aおよび31bと、突起部31cとのうちの少なくとも2つをウエハ120(130)と当接させるように構成されている。そして、把持アーム部31(ローラ31a、ローラ31bおよび突起部31c)は、エアシリンダ32の駆動力(把持力)によりウエハ120(130)を前方(矢印Y1方向)に移動させるとともに一対の前方ウエハ把持部22に押圧することによって、ウエハ120(130)を把持するように構成されている。なお、これらのローラ31a、ローラ31bおよび突起部31cについては、図2〜図6において、エアシリンダ32の駆動により前方(矢印Y1方向)に移動した状態(クランプ状態)を破線により示すとともに、エアシリンダ32により後方(矢印Y2方向)に戻されて把持を解除した状態(アンクランプ状態)を実線により示している。
【0040】
一対のローラ31aおよび31bは、一対の前方ウエハ把持部22に対向するようにして配置されている。これらのローラ31aおよび31bは、ウエハ120(130)の外周部とそれぞれ線接触状態で当接することが可能なように設けられている。また、一対のローラ31aおよび31bは、それぞれ、ウエハ120(130)の外周部の2か所を把持可能なように、間隔を隔てて配置されている。
【0041】
一対のローラ31aおよび31bの間に設けられる突起部31cは、前方ウエハ把持部22に対向するように前方(矢印Y1方向)に突出する凸状形状を有する。突起部31cの先端は尖った形状ではなく、丸形形状に形成されている。この突起部31cも、エアシリンダ32の駆動により前方(矢印Y1方向)に移動して、ウエハ130の外周部と線接触状態で当接する(図5参照)ことが可能なように構成されている。なお、横方向(X方向)の位置に関して、突起部31cは、2つのローラ31aおよび31bの中間の位置で、かつ、一対の前方ウエハ把持部22の中間の位置に配置されている。すなわち、この突起部31cは、ウエハ保持装置100の把持中心線CL上に配置されている。
【0042】
2つのローラ31aおよび31bと突起部31cとは、オリエンテーションフラット131の位置に関わらず、少なくとも2点(2か所)でウエハ130を把持することが可能なように配置されている。つまり、図3に示すように、2つのローラ31aおよび31bと突起部31cとは、ウエハ130の外周部と同時に接触可能な(直径d2の円にそれぞれ接する)ように配置されている一方、ウエハ130のオリエンテーションフラット131の位置(回転角度位置)によっては、ローラ31aおよび31bと突起部31cとの3点でウエハ130と接触することができない場合がある。たとえば、図3では突起部31cがウエハ130と接触していない。このため、ローラ31a、ローラ31bおよび突起部31cの各接点間の距離(ローラ31a(ローラ31b)の接点と突起部31cの接点との距離D2、および、ローラ31aの接点とローラ31bの接点との距離D3)が、それぞれウエハ130のオリエンテーションフラット131の長さL2よりも大きくなるような位置に、ローラ31a、ローラ31bおよび突起部31cが配置されている。すなわち、ローラ31aとローラ31bとは、中心間距離D3aを隔てて配置されているとともに、ローラ31aおよびローラ31bと、突起部31cとは、距離D3a/2だけ隔てて配置されている。なお、中心間距離D3aは、一対の前方ウエハ把持部22の間の距離2×L1よりも大きく、距離D3a/2は、距離L1よりも大きい。これにより、オリエンテーションフラット131が突起部31c側(矢印Y2方向)を向いている場合(図4参照)には、ローラ31aおよび31bにより2か所でウエハ130を把持することが可能である。また、オリエンテーションフラット131がローラ31aまたは31bのいずれか一方側を向いている場合(図5および図6参照)には、他方のローラ31bまたは31aと、突起部31cとにより2か所でウエハ130を把持することが可能である。
【0043】
また、スライドアーム30の把持アーム部31には、一対の後方ウエハ載置部40が設けられている。一対の後方ウエハ載置部40は、スライドアーム30のスライド移動に伴って、前後方向(Y方向)に移動するように構成されている。一対の後方ウエハ載置部40は、それぞれ、支持部20の両側面(Y方向に延びる両側面)に沿うように配置されるとともに、前方ウエハ載置部21と対向するように水平面に対して所定の角度で傾斜した後方ウエハ支持部41を有している。図2に示すように、後方ウエハ載置部40は、スライドアーム30が後方位置Qに配置されている場合には、後方ウエハ支持部41がウエハ120の外周部の下側角部と摺動可能に当接して、ウエハ120を支持することが可能なように構成されている。また、図3に示すように、後方ウエハ載置部40は、スライドアーム30が前方位置Pに配置されている場合には、後方ウエハ支持部41がウエハ130の外周部の下側角部と摺動可能に当接して、ウエハ130を支持することが可能な傾斜した支持面を有するように構成されている。
【0044】
図2に示すように、エアシリンダ32は、壁部30dの内側でベース部30c上に固定的に設置されている。エアシリンダ32は、エア供給ケーブル15から供給される圧縮空気によって、ピストンロッド32aと、連結部材313および後述する検出片33aと、把持アーム部31とを前後方向(Y方向)に駆動するように構成されている。これにより、エアシリンダ32は、把持アーム部31を移動させて前方ウエハ把持部22と把持アーム部31のローラ31a、31bおよび突起部31cとにより、ウエハ120(130)を把持することが可能なように構成されている。本実施形態では、異なる直径d1(d2)を有するウエハ120(130)を把持する場合にも、スライドアーム30とともにエアシリンダ32を移動させるので、ウエハ120およびウエハ130に対するエアシリンダ32(把持アーム部31)の相対的な位置は変わらない。つまり、直径の異なるウエハ120(直径d1)およびウエハ130(直径d2)のいずれを把持する場合にも、同じ移動距離D4(約6.3mm)だけエアシリンダ32(ピストンロッド32a)が駆動される。この結果、直径d1とd2との差分(約300mm−約200mm=約100mm)だけエアシリンダ32のストローク量(移動距離)を確保する必要がないので、本実施形態では、エアシリンダ32はストローク量(最大ストローク量=約10mm)の小さい小型のエアシリンダにより構成されるとともに、ウエハ120(130)を把持する際のエアシリンダ32の移動距離D4は、スライドアーム30の移動距離D1よりも小さくなるように構成されている。
【0045】
把持検出センサ33は、発光部および受光部を有するフォトセンサであり、壁部30dの内側でベース部30c上に固定的に設置されている。把持検出センサ33は、図2に示すように、連結部材313に取り付けられた検出片33aを検出することにより、ウエハ120(130)のクランプ状態(把持状態)を検出するように構成されている。具体的には、エアシリンダ32によりピストンロッド32a、連結部材313および把持アーム部31が前方(矢印Y1方向)に移動されることにより、ウエハ120(130)が把持アーム部31によって把持されるクランプ状態(把持状態)となる。この際、連結部材313に取り付けられた検出片33aが前方(矢印Y1方向)に移動距離D4だけ移動して把持検出センサ33を遮光することにより、クランプ状態(把持状態)が検出されるように構成されている。一方、連結部材313および把持アーム部31が後方(矢印Y2方向)に移動されると、検出片33aも後方(矢印Y2方向)に移動して検出片33aによる遮光が解除されることに基づき、アンクランプ状態を検出することが可能である。なお、ウエハ保持装置100にウエハ120(130)が載置されていない状態でクランプ動作(エアシリンダ32の駆動)を行うと、連結部材313および検出片33aがエアシリンダ32の最大ストローク量(約10mm)だけ移動されることによって、クランプ状態における移動距離D4(約6.3mm)に対応する遮光位置を検出片33aが通り過ぎる。このため、クランプ動作を行っても把持検出センサ33が検出片33aによって遮光されないことに基づき、ウエハ保持装置100にウエハ120(130)が載置されていないことを検出することが可能である。なお、図2にはアンクランプ状態における検出片33aの位置のみを図示しており、クランプ状態(遮光状態)における検出片33aの図示を省略している。
【0046】
ブロック34は、ベース部30cの後方(矢印Y2方向)側に固定されている。ブロック34は、スライドアーム30(ベース部30c)から矢印X1方向に突出するL字状形状を有している。図3に示すように、このブロック34の突出部分がケース12の前方位置決め部12fと当接するように構成されている。
【0047】
また、検出片35は、後方(矢印Y2方向)に延びる板状部材である。図2に示すように、検出片35は、後方位置決め部12cおよび12dとスライドアーム30(ベース部30c)とが当接する後方位置Qにスライドアーム30が配置された状態において、スライド位置検出センサ14を遮光する位置に設けられている。これにより、ウエハ120を把持可能な状態(後方位置Qにスライドアーム30が配置された状態)であることが検出されるように構成されている。一方、図3に示すように、スライド位置検出センサ14が検出片35によって遮光されていない場合、スライドアーム30が前方位置Pに配置されていることから、ウエハ130を把持可能な状態であることを検出することが可能である。
【0048】
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態のウエハ保持装置100によるウエハ120および130の把持動作について説明する。
【0049】
最初に、大型のウエハ120を把持する場合について説明する。図2に示すように、まず、使用者は、スライドアーム30を後方(矢印Y2方向)にスライド移動させて後方位置Qに配置する。この際、スライドアーム30はケース12のガイド部12aおよび12bにガイドされて後方(矢印Y2方向)に直線移動するとともに、スライドアーム30(ベース部30c)の後部30aおよび30bがケース12の後方位置決め部12cおよび12d(図3参照)と当接する。これにより、スライドアーム30が後方位置Qに位置決めされる。このとき、検出片35によりスライド位置検出センサ14が遮光されることによって、スライドアーム30が後方位置Qに配置されたことが検出される。
【0050】
この状態で、使用者は、後方位置Q用の4つのネジ穴10b(図3参照)に4つのネジ部材36をそれぞれ螺合させることによって、スライドアーム30を後方位置Qにネジ固定する。これにより、ウエハ保持装置100は、ウエハ120を把持(保持)する準備が整う。このとき、エア供給ケーブル15は、前後方向(Y方向)に重複するように折り返された状態でエアシリンダ32に接続されている。
【0051】
次に、ウエハ保持装置100にウエハ120が載置される。この際、ウエハ120が前方ウエハ把持部22上に乗ることがないように、ウエハ120の前方(矢印Y1方向)側の外周部が前方ウエハ把持部22から僅かに後方(矢印Y2方向)に間隔を隔てて前方ウエハ支持部23の傾斜した支持面上に配置される。また、ウエハ120の後方(矢印Y2方向)側の外周部は、後方ウエハ支持部41の傾斜した支持面上に配置される。前方ウエハ支持部23および後方ウエハ支持部41の支持面は傾斜しているので、ウエハ120は、外周部の下側角部で前方ウエハ支持部23および後方ウエハ支持部41と当接し、移動(摺動)可能に支持される。なお、ウエハ120の中心の横方向(X方向)の位置は、把持中心線CLとは必ずしも一致せずに僅かにずれる場合がある。
【0052】
ウエハ120が載置されると、エアシリンダ32により把持アーム部31が前方(矢印Y1方向)に駆動され、ローラ31aおよび31bがウエハ120の外周部と当接してウエハ120を前方(矢印Y1方向)に移動させる。ウエハ120(ウエハ120の中心)の横方向(X方向)の位置が中心からずれている場合には、ローラ31aおよび31bのいずれかが先にウエハ120と当接し、前方(矢印Y1方向)にウエハ120を移動させる。この結果、ウエハ120の外周部が一対の前方ウエハ把持部22のそれぞれの把持面22aと当接することによって前方(矢印Y1方向)への移動を停止するとともに、ウエハ120の中心位置が把持中心線CL上に配置される。このとき、ウエハ120の外周部は、一対の前方ウエハ把持部22の把持面22aと、2つのローラ31aおよび31bとの4点で線接触状態で当接する。この状態でエアシリンダ32からの把持力(押圧力)が継続して加えられることにより、2つのローラ31aおよび31bがウエハ120を一対の前方ウエハ把持部22の把持面22aに押し付ける。このようにして、ウエハ120がウエハ保持装置100により把持される。この際、エアシリンダ32のピストンロッド32aが移動距離D4だけ前方(矢印Y1方向)に移動するのに伴い、検出片33aが前方に移動して把持検出センサ33を遮光することにより、クランプ状態(把持状態)が検出される。
【0053】
次に、図3に示すように、小型のウエハ130を把持する場合について説明する。まず、使用者は、スライドアーム30を前方(矢印Y1方向)にスライド移動させて前方位置Pに配置する。この際、スライドアーム30(ベース部30c)のブロック34がケース12の前方位置決め部12fと当接することにより、前方位置Pに位置決めされる。また、検出片35によるスライド位置検出センサ14の遮光が解除されることに基づいて、スライドアーム30が前方位置Pに配置されたことが検出される。この状態で、使用者は、図示しないネジ穴(前方位置P用のネジ穴)に4つのネジ部材36をそれぞれ螺合することによって、スライドアーム30を前方位置Pに固定する。
【0054】
これにより、ウエハ保持装置100は、ウエハ130を把持(保持)する準備が整う。このとき、前後方向(Y方向)に重複するように折り返されていたエア供給ケーブル15がスライドアーム30の移動に伴って展開されることにより、スライドアーム30の移動を阻害することなくエアシリンダ32との接続が維持される。
【0055】
次に、ウエハ保持装置100にウエハ130が載置される。この際にも、ウエハ130の前方(矢印Y1方向)側の外周部が、前方ウエハ把持部22から僅かに後方(矢印Y2方向)に間隔を隔てて前方ウエハ支持部23の傾斜した支持面上に配置される。また、ウエハ130の後方(矢印Y2方向)側の外周部は、後方ウエハ支持部41の傾斜した支持面上に配置される。ウエハ130は、外周部の下側角部で前方ウエハ支持部23および後方ウエハ支持部41によって移動(摺動)可能に支持される。なお、ウエハ130の中心の横方向(X方向)の位置は、把持中心線CLとは必ずしも一致せずに僅かにずれる場合がある。
【0056】
ウエハ130が載置されると、エアシリンダ32により把持アーム部31が前方(矢印Y1方向)に駆動され、ローラ31a、31bおよび突起部31cの少なくともいずれかがウエハ130の外周部と当接してウエハ130を前方(矢印Y1方向)に移動させる。ウエハ130(ウエハ130の中心)の横方向(X方向)の位置が把持中心線CLからずれている場合には、ローラ31aおよび31bのいずれかが先にウエハ130と当接し、前方(矢印Y1方向)にウエハ130を移動させる。この結果、ウエハ130の外周部が一対の前方ウエハ把持部22のそれぞれの把持面22aと当接することによって前方(矢印Y1方向)への移動を停止するとともに、ウエハ130の中心位置が把持中心線CL上に配置される。
【0057】
この後、エアシリンダ32からの把持力(押圧力)が継続して加えられることにより、ウエハ130が一対の前方ウエハ把持部22の各々の把持面22aに押し付けられ、クランプ状態(把持状態)となる。この際、エアシリンダ32のピストンロッド32aが移動距離D4だけ前方(矢印Y1方向)に移動するのに伴い、検出片33aが前方に移動して把持検出センサ33を遮光することにより、クランプ状態(把持状態)が検出される。ここで、本実施形態では、オリエンテーションフラット131を有するウエハ130の場合、オリエンテーションフラット131の位置(回転角度位置)に応じて、ローラ31a、31bおよび突起部31cの少なくとも2つによって後方側(把持アーム部31側)の把持が行われる。
【0058】
具体的には、図4に示すように、ウエハ130が一対の前方ウエハ把持部22の各々の把持面22aに当接した状態で、オリエンテーションフラット131が突起部31c側(矢印Y2方向側)に配置されている場合には、ローラ31aおよび31bの2点がウエハ130の外周部と当接するとともに、前方ウエハ把持部22に向けてウエハ130を押圧する。この際、ローラ31aの接点と、ローラ31bの接点との距離D3が、オリエンテーションフラット131の長さL2よりも大きいので、オリエンテーションフラット131がローラ31aまたは31bの位置(接点の位置)まで及ぶことなく、ウエハ130の外周部が確実に2か所で把持される。
【0059】
また、図5に示すように、ウエハ130が一対の前方ウエハ把持部22の各々の把持面22aに当接した状態で、オリエンテーションフラット131がローラ31a側に配置されている場合には、ローラ31bおよび突起部31cの2点がウエハ130の外周部と当接するとともに、前方ウエハ把持部22に向けてウエハ130を押圧する。この際、ローラ31aの接点と、突起部31cの接点との距離D2(図6参照)が、オリエンテーションフラット131の長さL2よりも大きいので、オリエンテーションフラット131が突起部31cの位置(接点の位置)まで及ぶことなく、ウエハ130の外周部が確実に2か所で把持される。
【0060】
図6に示すように、ウエハ130が一対の前方ウエハ把持部22の各々の把持面22aに当接した状態で、オリエンテーションフラット131がローラ31b側に配置されている場合には、ローラ31aおよび突起部31cの2点がウエハ130の外周部と当接するとともに、前方ウエハ把持部22に向けてウエハ130を押圧する。この際、ローラ31bの接点と、突起部31cの接点との距離D2(図5参照)が、オリエンテーションフラット131の長さL2よりも大きいので、オリエンテーションフラット131が突起部31cの位置(接点の位置)まで及ぶことなく、ウエハ130の外周部が確実に2か所で把持される。なお、上記以外の場合(図示せず)には、ローラ31aおよび31bと突起部31cとの3点がウエハ130の外周部と当接する。
【0061】
以上のようにして、ウエハ保持装置100によるウエハ120および130の把持動作が行われる。
【0062】
本実施形態では、上記のように、異なる直径d1およびd2を有するウエハ120および130に共通に用いられる前方ウエハ把持部22を有する前方ウエハ載置部21と、前方ウエハ把持部22とともにウエハ120(130)を把持可能なローラ31a、31bおよび突起部31c(把持アーム部31)を有し、ウエハ120(130)の直径d1(d2)の大きさに応じて前方ウエハ把持部22に近づく前方向(矢印Y1方向)および前方ウエハ把持部22から離間する後ろ方向(矢印Y2方向)にスライド可能なスライドアーム30とを設けることによって、スライドアーム30をスライドさせてスライドアーム30のローラ31a、31bおよび突起部31c(把持アーム部31)と前方ウエハ載置部21の前方ウエハ把持部22との間隔をウエハ120(130)の直径d1(d2)に合わせて変更することができる。これにより、ウエハ保持装置100のスライドアーム30をウエハ120(130)の直径d1(d2)に応じたスライド位置(前方位置Pまたは後方位置Q)にスライド移動させるだけで、共通に用いられる前方ウエハ把持部22とスライドアーム30のローラ31a、31bおよび突起部31c(把持アーム部31)とによって異なる直径d1(d2)を有するウエハ120(130)を把持することができる。この結果、ウエハ保持装置100の交換作業を行うことなく、異なる直径d1(d2)を有するウエハ120(130)を保持することができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、スライド位置検出センサ14の検出結果に基づいてスライドアーム30を後方位置Qにスライド可能なように構成することによって、ウエハ120の直径d1に対応した後方位置Q(検出片35)をスライド位置検出センサ14によって検出することができるので、ウエハ120の直径d1に対応したスライド位置(後方位置Q)にスライドアーム30を確実に配置することができる。一方、本実施形態では、スライド位置検出センサ14によって検出片35が検出されないことに基づき、ウエハ130の直径d2に対応したスライド位置(前方位置P)にスライドアーム30が配置されていることを検出することができる。この結果、異なる直径d1(d2)を有するウエハ120(130)を確実に把持することができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、スライドアーム30の前方(矢印Y1方向)のスライド位置(前方位置P)の位置決めを行う前方位置決め部12fを設けるとともに、スライドアーム30の後方(矢印Y2方向)のスライド位置(後方位置Q)の位置決めを行う後方位置決め部12cおよび12dを設ける。このように構成することによって、前方位置決め部12fと、後方位置決め部12cおよび12dとのそれぞれによって位置決めされるスライド位置までスライドアーム30をスライド移動させるだけで、容易に、把持するウエハ120および130の直径(d1およびd2)にそれぞれ対応した後方位置Q(ウエハ120)および前方位置P(ウエハ130)にスライドアーム30を配置することができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、スライドアーム30に固定的に設置され、ローラ31a、31bおよび突起部31c(把持アーム部31)をスライドアーム30に対して前後方向(Y方向)に移動可能なエアシリンダ32を設けるとともに、ウエハ120(130)の直径d1(d2)の大きさに応じてスライドアーム30を前後方向(Y方向)に移動させた状態で、エアシリンダ32により把持アーム部31を前方向(矢印Y1方向)に移動させて前方ウエハ把持部22とローラ31a、31bおよび突起部31c(把持アーム部31)とによりウエハ120(130)を把持するように構成する。このように構成することによって、把持アーム部31を前方向(矢印Y1方向)に移動させてウエハ120(130)を把持させるエアシリンダ32を、スライドアーム30とともに移動させることができる。これにより、異なる直径d1(d2)を有するウエハ120(130)を把持する場合にも、スライドアーム30とともにエアシリンダ32を移動させることによって、ウエハ120およびウエハ130に対するエアシリンダ32(把持アーム部31)の相対的な位置を変えることなく把持することができる。つまり、ウエハ120およびウエハ130のいずれを把持する場合にも、同じ移動距離D4だけエアシリンダ32(ピストンロッド32a)を駆動させるだけで把持することができる。この結果、ウエハ120と130とを把持するために、ウエハ120の直径d1とウエハ130の直径d2との差分だけエアシリンダ32の移動距離(把持アーム部31の移動距離)を確保する必要がないので、エアシリンダ32の小型化および軽量化を図ることができる。以上により、異なる直径d1(d2)を有するウエハ120(130)を把持可能に構成する場合にウエハ保持装置100が大型化して、重量が増大するのを抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、エアシリンダ32によりローラ31a、31bおよび突起部31c(把持アーム部31)を前方(矢印Y1方向)に移動させてウエハ120(130)を把持した状態(クランプ状態)を検出するための把持検出センサ33を設けることによって、把持検出センサ33によってウエハ120(130)を把持した状態(クランプ状態)を検出することができるので、容易に、ウエハ120(130)のクランプ状態およびアンクランプ状態(把持を解除した状態)を確認することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、エアシリンダ32の前後方向(Y方向)の移動距離D4を、スライドアーム30の前後方向の移動距離D1よりも小さくなるように構成することによって、エアシリンダ32の移動距離(把持アーム部31の移動距離)D4をスライドアーム30の前後方向(Y方向)の移動距離D1よりも小さくすることができるので、エアシリンダ32の小型化および軽量化を図ることができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、エア供給ケーブル15を、スライドアーム30が後方端(後方位置Q)に位置する状態で、前方(矢印Y1方向)側に延びた後後方(矢印Y2方向)に折り返すことにより前後方向(Y方向)に重複するように配置するとともに、エア供給ケーブル15の前後方向の重複部分を、少なくともスライドアーム30の移動距離D1に対応する長さを有するように構成する。このように構成することによって、スライドアーム30を前方端(前方位置P)に最大限スライドさせた場合にも、スライドアーム30(エアシリンダ32)の移動に伴いエア供給ケーブル15の折り返し部分が展開されるので、エアシリンダ32に対するエア供給ケーブル15の接続を維持することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、ローラ31a、31bおよび突起部31cを本発明の後方ウエハ把持部として合計3つ設けるとともに、3つのローラ31a、31bおよび突起部31c(後方ウエハ把持部)を、ウエハ130のオリエンテーションフラット131の位置に関わらずウエハ130の外周部をローラ31a、31bおよび突起部31cのうち少なくとも2つにより把持可能な位置に配置する。このように構成することによって、オリエンテーションフラット131が形成されたウエハ130を把持する場合にも、ローラ31a、31bおよび突起部31cのうち少なくとも2つによって、オリエンテーションフラット131の位置(ウエハ130の回転角度位置)に関わらずウエハ130を把持することができる。これにより、オリエンテーションフラット131が形成されたウエハ130を把持する場合にも、予めウエハ130の回転角度位置(オリエンテーションフラット131の位置)を調節してから把持する必要がない。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、一対の前方ウエハ把持部22に対向するとともに、ウエハ120(130)の外周部の2か所を把持可能な一対のローラ31aおよび31bと、一対のローラ31aおよび31bの間に配置され、ウエハ130の外周部の1か所を把持可能な突起部31cとを設けることによって、一対のローラ31aおよび31bの2か所と、一対のローラ31aおよび31bの間の突起部31cの1か所との合計3か所でウエハ130の外周部を把持することができる。これにより、オリエンテーションフラット131が上記3か所のうちのいずれかの位置に配置された場合(図4〜図6参照)にも、他の2か所でウエハ130の外周部を把持することができるので、容易に、オリエンテーションフラット131の位置(ウエハ130の回転角度位置)に関わらずウエハ130を把持することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、ウエハ120(130)の直径d1(d2)の大きさに応じてスライドアーム30を前後方向(Y方向)に移動させた状態で、後方ウエハ載置部40(後方ウエハ支持部41)と、前方ウエハ載置部21(前方ウエハ支持部23)とにより、載置されたウエハ120(130)を支持可能なように構成することによって、スライドアーム30をウエハ120(130)の直径d1(d2)に対応した後方位置Q(前方位置P)にスライド移動させるだけで、スライドアーム30のスライド移動に伴って移動する後方ウエハ載置部40(後方ウエハ支持部41)と、前方ウエハ載置部21(前方ウエハ支持部23)とによってウエハ120(130)を支持することができる。
【0072】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0073】
たとえば、上記一実施形態では、本発明をクリーンルーム内に配置されたウエハ搬送ロボットのアーム110に装着されたウエハ保持装置100に適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、クリーンルーム以外の環境下において使用されるウエハ搬送ロボットに装着するウエハ保持装置に適用可能である。また、アーム110以外のロボットアームに装着してもよい。
【0074】
また、上記一実施形態では、ウエハ保持装置100の基部10に、ウエハ搬送ロボットのアーム110に装着される取付部11を設けるとともに、ウエハ保持装置100を取付部11の回動軸11a回りに回動可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ウエハ保持装置を取付部の回動軸回りに回動可能に構成する必要はない。ウエハ保持装置をウエハ搬送ロボットのアームに固定的に取り付けてもよい。
【0075】
また、上記一実施形態では、ウエハ保持装置100を、約300mmの直径d1を有するウエハ120と、約200mmの直径d2を有するウエハ130との2種類の直径の異なる半導体ウエハを把持可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ウエハ保持装置を、上記以外の直径(たとえば、150mmおよび100mm)を有する半導体ウエハを把持可能なように構成してもよい。
【0076】
また、上記一実施形態では、ウエハ保持装置100を、異なる直径を有する2種類のウエハ120および130を把持可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ウエハ保持装置を、異なる直径を有する3種類以上の半導体ウエハを把持可能なように構成してもよい。
【0077】
また、上記一実施形態では、スライドアーム30を前後方向(Y方向)にスライド移動させる際に、使用者がスライドアーム30をスライド移動させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スライドアームを前後方向にスライド移動させるために、エアシリンダやリニアモータなどのアクチュエータを用いてもよい。
【0078】
また、上記一実施形態では、スライドアーム30を前方位置Pまたは後方位置Qに配置した場合に、ネジ部材36を用いてスライドアーム30を固定するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スライドアームを半導体ウエハの直径に対応した所定のスライド位置(前方位置および後方位置)に配置した際に、機械式、空圧式または電磁式のロック機構などによってスライドアームを固定するように構成してもよい。
【0079】
また、上記一実施形態では、本発明のスライド位置検出部の一例として、フォトセンサからなるスライド位置検出センサ14を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本発明のスライド位置検出部として、フォトセンサ以外のセンサなどの検出手段を用いてもよい。たとえば、スライドアームが所定のスライド位置に配置された際に導通状態となる電気的なスイッチなどを用いてもよい。
【0080】
また、上記一実施形態では、スライド位置検出センサ14を、スライドアーム30が後方位置Qに配置されたことを検出する(遮光される)ように構成し、スライド位置検出センサ14が遮光されないことに基づいて、スライドアーム30が前方位置Pに配置されていることを検出可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スライド位置検出センサを、後方位置のみならず、スライドアームが前方位置に配置されたことを検出するように2か所に設けてもよい。また、スライド位置検出センサを、スライドアームが前方位置に配置されたときだけ遮光される(スライド位置検出センサが遮光されないことに基づいて、スライドアームが後方位置に配置されていることを検出する)ように構成してもよい。
【0081】
また、上記一実施形態では、本発明のアクチュエータの一例として、エアシリンダ32を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エアシリンダ以外のソレノイドコイルやリニアモータなどを、本発明のアクチュエータとして用いてもよい。
【0082】
また、上記一実施形態では、エアシリンダ32の最大ストローク量を約10mmとし、ウエハ120(130)を把持(クランプ)する際の移動距離D4を約6.3mmとした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エアシリンダのストローク量およびクランプ時の移動距離を、上記以外の大きさのストローク量および移動距離となるように構成してもよい。
【0083】
また、上記一実施形態では、本発明のウエハ把持検出部の一例として、フォトセンサからなる把持検出センサ33を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本発明のスライド位置検出部として、フォトセンサ以外のセンサなどの検出手段を用いてもよい。たとえば、半導体ウエハを把持する際の把持力を検出する圧力センサなどを用いてもよい。
【0084】
また、上記一実施形態では、本発明の後方ウエハ把持部の一例として、ローラ31a、ローラ31bおよび突起部31cの3つを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、これらの後方ウエハ把持部は、全てローラでもよいし、全て突起部でもよい。また、後方ウエハ把持部を、ローラおよび突起部以外の把持部により構成してもよい。また、後方ウエハ把持部は、1つ、2つまたは4つ以上設けてもよい。本発明では、後方ウエハ把持部は、異なる直径を有する半導体ウエハをそれぞれ把持可能なように構成されていればよい。
【0085】
また、上記一実施形態では、ローラ31a、ローラ31bおよび突起部31cを、ローラ31a、ローラ31bおよび突起部31cの3つうち少なくとも少なくとも2点(2か所)でウエハ120(130)を把持することが可能なように配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、半導体ウエハを少なくとも1か所で把持するように構成してもよい。
【0086】
また、上記一実施形態では、スライドアーム30の把持アーム部31に一対の後方ウエハ載置部40を設けるとともに、スライドアーム30のスライド移動に伴って後方ウエハ載置部40が前後方向(Y方向)に移動するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、後方ウエハ載置部を、前後方向に移動することなく、異なる直径を有する半導体ウエハをそれぞれ支持可能なように構成してもよい。また、たとえばローラ31aおよび31bの下部(半導体ウエハとの当接面の下部)に、半径方向に傾斜しながら直径が大きくなるようにフランジ状の傾斜面を設けて、この傾斜面で半導体ウエハを支持するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
12c、12d 後方位置決め部(位置決め部)
12f 前方位置決め部(位置決め部)
14 スライド位置検出センサ(スライド位置検出部)
15 エア供給ケーブル(駆動源供給ライン)
21 前方ウエハ載置部
22 前方ウエハ把持部
30 スライドアーム
31a、31b ローラ(後方ウエハ把持部、第1クランプ部)
31c 突起部(後方ウエハ把持部、第2クランプ部)
32 エアシリンダ(アクチュエータ)
33 把持検出センサ(ウエハ把持検出部)
40 後方ウエハ載置部
100 ウエハ保持装置
120 ウエハ(半導体ウエハ)
130 ウエハ(半導体ウエハ)
131 オリエンテーションフラット
d1、d2 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる直径を有する半導体ウエハを載置可能であるとともに、前記異なる直径を有する半導体ウエハに共通に用いられる前方ウエハ把持部を有する前方ウエハ載置部と、
前記前方ウエハ把持部とともに前記半導体ウエハを把持可能な後方ウエハ把持部を有し、前記半導体ウエハの直径の大きさに応じて前記前方ウエハ把持部に近づく前方向および前記前方ウエハ把持部から離間する後ろ方向にスライド可能なスライドアームとを備えた、ウエハ保持装置。
【請求項2】
前記スライドアームの所定のスライド位置を検出可能なスライド位置検出部をさらに備え、
前記スライド位置検出部の検出結果に基づいて前記スライドアームを前記所定のスライド位置にスライド可能なように構成されている、請求項1に記載のウエハ保持装置。
【請求項3】
前記スライドアームの前後方向のスライド位置の位置決めを行う位置決め部をさらに備える、請求項1または2に記載のウエハ保持装置。
【請求項4】
前記スライドアームに固定的に設置され、前記後方ウエハ把持部を前記スライドアームに対して前後方向に移動可能なアクチュエータをさらに備え、
前記半導体ウエハの直径の大きさに応じて前記スライドアームを前後方向に移動させた状態で、前記アクチュエータにより前記後方ウエハ把持部を前方向に移動させて前記前方ウエハ把持部と前記後方ウエハ把持部とにより前記半導体ウエハを把持するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウエハ保持装置。
【請求項5】
前記アクチュエータにより前記後方ウエハ把持部を前方向に移動させて前記半導体ウエハを把持した状態を検出するためのウエハ把持検出部をさらに備える、請求項4に記載のウエハ保持装置。
【請求項6】
前記アクチュエータの前後方向の移動距離は、前記スライドアームの前後方向の移動距離よりも小さくなるように構成されている、請求項4または5に記載のウエハ保持装置。
【請求項7】
前記アクチュエータには、前記アクチュエータを駆動するための駆動源を供給する駆動源供給ラインが接続されており、
前記駆動源供給ラインは、前記スライドアームが後方端に位置する状態で、前方側に延びた後後方に折り返すことにより前後方向に重複するように配置されるとともに、前記駆動源供給ラインの前後方向の重複部分が、少なくとも前記スライドアームの移動距離に対応する長さを有するように構成されている、請求項4〜6のいずれか1項に記載のウエハ保持装置。
【請求項8】
前記後方ウエハ把持部は、少なくとも3つ設けられており、
少なくとも3つの前記後方ウエハ把持部は、前記半導体ウエハのオリエンテーションフラットの位置に関わらず前記半導体ウエハの外周部を少なくとも2つの前記後方ウエハ把持部により把持可能な位置に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のウエハ保持装置。
【請求項9】
前記前方ウエハ把持部は、前記半導体ウエハの外周部の2か所を把持可能なように間隔を隔てて一対設けられており、
前記後方ウエハ把持部は、
前記前方ウエハ把持部に対向するとともに、前記半導体ウエハの外周部の2か所を把持可能な一対の第1クランプ部と、
前記一対の第1クランプ部の間に配置され、前記半導体ウエハの外周部の1か所を把持可能な第2クランプ部とを含む、請求項8に記載のウエハ保持装置。
【請求項10】
前記スライドアームに固定的に設置され、前記スライドアームの前後方向へのスライド移動に伴って前後方向に移動する後方ウエハ載置部をさらに備え、
前記半導体ウエハの直径の大きさに応じて前記スライドアームを前後方向に移動させた状態で、前記後方ウエハ載置部と、前記前方ウエハ把持部を含む前記前方ウエハ載置部とにより、載置された前記半導体ウエハを支持可能なように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のウエハ保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−199229(P2011−199229A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67484(P2010−67484)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】