説明

エビおよびその生産

本発明は、改善された食用エビおよび他の甲殻類を含む組成物に関する。このエビおよび他の甲殻類は、味および/もしくは外観が改良されるか、またはそれを摂取した人の健康効果が改善されるなどの利点が得られる1種またはそれ以上の成分が強化されている。さらに本発明は、このようなエビおよび他の甲殻類を生産する方法ならびにエビおよび他の甲殻類に給餌するための餌料を作製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2002年10月24日に米国特許商標局に出願された仮出願第60/420,789号に基づく優先権を主張するものであり、その開示内容を本明細書に参照として援用する。
【0002】
技術分野
本発明は、水産養殖されたエビ、およびそのエビの養殖に用いられる方法に関する。本発明のエビは、味および外観が改良されており、かつそれを食した人への健康効果が改善されている。
【背景技術】
【0003】
背景技術
市販のエビの栄養性は人間にとって最適なものとは言えない。現在市場に出回っているエビはコレステロールが多く、しかも多価不飽和脂肪酸(例えばドコサヘキサエン酸、すなわちDHA)の量は人間の栄養素としての最適値を下回っている(Middleditchら、1980)。コレステロールの非常に多い食品がそれを食べた人のコレステロールレベルを上昇させることが一般に懸念されている。高コレステロールの魚介類を食べている健常な人が「軽度の高脂血症」であることは、多くの研究から示唆されている(Connorand Lin 1982; Childs et al. 1990; De Oliveira e Silva et al. 1996)。一方、甲殻類を食べることで人間の脂質プロフィールが改善される場合があることを示す研究結果がある(Tanakaet al. 1998)が、これは、余分なコレステロールと一緒に甲殻類に少量存在するオメガ−3−脂肪酸が摂取されたことによるものであろう。しかしながら一般には、コレステロールの少ないエビの方が、コレステロール摂取量を抑えるためには好ましい食物であろう。
【0004】
水産養殖システムで成育した甲殻類、特にエビの持つ問題点の一つは、海産動物に比べて味が微妙に変化することである。淡水で育ったエビは海で獲れる動物に比べて味にさらなる問題があり、消費者を惹き付けて天然物と効果的に競争できるだけの十分な魅力に欠ける。したがって、養殖種が受け容れられにくく消費が伸び悩んでいる原因は、競争相手である従来の天然産のものに比べて養殖種の持つ微かな風味を好まない人が多いためであろう。野生種の持つ豊かな海の香りがエビ等の水産養殖種に認められないことは消費者と専門家の両方が認識するところである(Silvia and Graham 1991; Kummer 1992)。揮発性ブロモフェノール類は多くの海産魚、甲殻類、および軟体動物に分布しているが、淡水種には実質的に存在しない(Boyleet al. 1992a; Boyle et al. 1992b)。低濃度の揮発性ブロモフェノール類が望ましい海の香りとヨード臭を魚介類に付与する鍵を握る要素であることが最近になってわかってきた(Boyleet al. 1992b)。我々の知る限りでは、規定の甲殻動物(特にエビ)用餌料にこれらの化合物を風味増強剤として利用することは未だ試みられていない。
【0005】
環境破壊および天然資源の乱獲を背景に、消費者らは、人間が天然の魚介類を消費することの適正性に関心を寄せており、さらには、汚染物質(例えば、水銀、農薬、病原菌、抗生物質の残留物、および工業汚染物質)に汚染されている可能性があったり、枯渇しつつある野生資源から得られた成分(例えば魚粉および魚油)を含んだ餌料で飼育された動物が良いものでないという認識を持っていることから、素性のわからない物質を含んでいないことを認証された「オーガニック」食品を選択する傾向が高まってきている。オーガニック認証を受けるには、水産養殖された生物に給与された餌料が有機食品生産法(Organic Foods Protection Act(米国農務省2002b))の要件を満たすことが必要であり、これは、給与された餌料がすべてオーガニック生産およびオーガニック処理(該当する場合)された生産物から構成されなければならないことを定めたものである。我々の知る限りでは、オーガニック認証要件を満たすことのできるエビ用餌料は未だ上市されていない。実際、現在上市されているエビのほとんどは天然物であるか、またはオーガニック認証資格がないと思われる準集約式生産システムで生産されたもののいずれかである。ここで特に問題となるのは、動物(特にエビおよび肉食性魚類)を最適条件で成育させるためには餌料中に魚粉および/または魚油を使用することが欠かせないということである。
【0006】
エビの好ましい体色にはカロチノイド(例えばアスタキサンチン)が関与している。海鮮製品の外観(調理前も調理後も)は消費者の購買意欲を左右する重要な要素である。このようなカロチノイドは、食餌から直接得たものである場合と、食餌に含まれる他のカロチノイドが代謝により変換されたものである場合がある(Meyers and Latscha 1997)。エビに含まれる主なカロチノイドはアスタキサンチンであり、通常はこの化合物がエビ用餌料に添加されている。通常、野生動物は、食餌から微細藻類を直接または間接的に摂取することでアスタキサンチンを得ている。これ以外のキサントフィル(ルテイン、ゼアキサンチン等)やこれ以外のカロテン(リコペン、γ−カロテン等)は、通常、大部分のエビには認められない。人間においては、最近になって目の健康の向上にルテインおよびゼアキサンチンが取り入れられるようになっており、また、食餌由来のルテインおよび/またはゼアキサンチンと加齢性黄斑変性症(AMD)の発症との間に逆の相関が認められている。したがって、エビのアスタキサンチンをルテインおよびゼアキサンチンに置き替えるかまたはこれらを強化すれば、消費者の目の健康に有益な付加価値を持つ食品が得られるであろう。
【0007】
エビは他の海生動物と同様、オメガ−3−長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)を含んでいる。DHA等のLC−PUFAが成長期の幼児、授乳中の母親、子供、および大人全般の健康に非常に有益であることが最近になってわかってきた(Horrocks and Yeo 1999)。そのため、現代食におけるω−3−油不足を補うべくDHAの摂取量を増やすことが推奨されている(Uauy-Dagachand Valenzuela 1992)。地球上の植物および動物由来の食品は比較的ω−3 LC−PUFAが不足し、ω−6 LC−PUFAは豊富に含まれている。サケやマグロといった脂の多い特定の魚は現代人の食事の主要な供給源であり、これらが人間にとって豊富なDHA供給源となっている。ところが米国においては、最も好まれる海鮮製品としてエビが2002年にマグロを上回った。しかしエビはDHAの豊富な供給源ではない。したがって、他の脂の多い魚と同等またはそれ以上の量のDHAを供するであろうエビの供給源が得られるとすれば健康にとって非常に有益なことであろう。本発明以前は、このような高DHAエビまたはエビ製品は得られていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
他の水産養殖エビよりも味がよく、消費者の健康を増進する改善されたLC−PUFAプロフィール(例えば、DHAが増加し、かつ/またはコレステロールが低減されている)を有し、かつ他とは異なる好ましい外観特性(visual profile)が得られるエビおよび他の甲殻類(ロブスター、ザリガニ、カニ等)を生産することができる甲殻動物用の特製餌料およびその製造方法は新規なものであり、それによって従来の市販のものに比べて大幅に改善されたエビが得られる。天然産のものが減少するにつれ、このような特殊組成エビ(Designer Shrimp)が拡大しつつある市場の要求を満たすこととなり、それと同時に、従来の海産エビの栄養価が改善される。
【0009】
野生で捕獲される種類の魚介類が汚染に曝される度合いが全体的に高くなってきており、これらを食材として消費することが人々の健康問題に関わってくるようになった。しかし政府は、汚染物質による健康被害のために特定の種類の魚を食べないことを推奨していたものの、人間の健康上重要な多価不飽和脂肪酸の摂取増加を推奨することによってこれを取り消してしまった。DHA含有量と健康との関係が確実に立証されたことによって、このことは特に妊婦や幼児にとって重要になった。これは人々の健康に関わる難問を提示するものであるが、この難問は、本発明によって、体に良い成分(例えば、カロチノイド、DHA、ARA)が増加しており、かつ汚染物質の量が低減されているかまたはごく微量である改良された魚介類を提供することによって解決することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
本発明は、そのエビまたは他の甲殻類を食べた人の健康に有益であると考えられる1種またはそれ以上の化合物を非常に多く含む食用のエビまたは他の養殖された甲殻類(限定しない例としてカニやロブスター等)の生産および使用を対象とする。より詳細には、エビ製品にドコサヘキサエン酸(DHA)、特定のカロチノイド(ルテイン等)、特定の風味増強化合物(2,6−ジブロモフェノールまたは2,4,6−トリブロモフェノール)を強化し、かつ/またはコレステロールを大幅に減らすことができる。さらにこの方法は、規定外の成分を微細藻類バイオマス等の規定成分と置き替えることによってエビのオーガニック認証を可能にすることを意図している。
【0011】
定義
本発明の説明においては、以下に記載する定義に従って次の用語を使用する。
【0012】
「オーガニック・エビ」とは、生産に用いた餌料の成分の95%が認証済のオーガニック源由来のものとなるように養殖されたエビである。このオーガニック・エビの生産に用いられる方法においては、エビの生産が環境に与える影響を最小限にするべく、生産系への投入物(inputs)と産出物(outputs)とが管理されている。注記:本特許出願の目的のため、ここで定義された法的な意味でのオーガニック(Organic)を化学的な意味での有機(organic)と区別するよう、大文字を使用する。
【0013】
「100%オーガニック・エビ」とは、生産に用いた餌料の100%が認証済の100%オーガニック源由来のものとなるように養殖されたエビである。このようなオーガニック・エビの生産に用いられる方法においては、エビの生産が環境に与える影響を最小限にするべく、生産系への投入物と産出物とが管理されている。
【0014】
「仕上餌料」とは、生産期間全体を通じてではなく、収穫前の動物に付与する餌料である。これは、好ましくは1日という短さであってもよいが、甲殻類、特にエビの場合は最長で2ヶ月間までとしてもよい。
【0015】
「風味増強剤」は、最終製品の風味を高めることを目的として餌料に添加される任意の無機または有機化合物と定義される。本発明に関しては、風味強化化合物としてブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、およびヨウ素を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
「甲殻動物(crustacean)」およびその複数形である「甲殻類(crustaceans)」とは、甲殻網(Class Crustacea)に属する任意の生物と定義され、エビ、ロブスター、レッドクロウ、カニ等があるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
「エビ」およびその複数形である「エビ類」とは、限定しない例として以下に示す属、ウシエビ属(Penaeus)、リトペニウス属(Litopenaeus)、タラバエビ属(Pandalus)、テナガエビ属(Macrobrachium)、エビシャコ属(Crangon)、ミナミザリガニ属(Cherax)、ヨシエビ属(Metapenaeus)等に属する生物であり、一般に、エビ、プローン、またはランゴスティーナ(langostina)と呼ばれる甲殻動物または甲殻類と定義される。
【0018】
「微細藻類」は、様々な種に分類される原核および真核藻類と定義される。原核藻類は、通常、藍色細菌または藍藻と呼ばれる。真核藻類は多種多様な属に属しており、大型藻類と共通するものもあるが、その大きさと所定の器官を持たないことでこれらと区別される(しかしながら、これらは分化した種類の細胞をきちんと有している)。微細藻類が含まれる各種分類群の例としては、以下に示す、緑色植物門、紅色植物門、褐色植物門、過鞭毛植物門、ミドリムシ植物門、藍色植物門、原核緑色植物門、およびクリプト植物門があるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
「カロチノイド」は、カロテンやキサントフィル等の黄色〜赤色色素に分類される任意の分子を包含する。「カロテン」は、ある種の動物組織および植物に見られる橙黄色〜赤色の色素であり、肝臓でビタミンAに変換される場合もある。「キサントフィル」は黄色の色素であり、緑色植物中でクロロフィルと一緒に見られるものもある。
【0020】
「水産養殖された」エビとは、淡水または海水のいずれかで養殖された任意のエビであり、エビは人工的な条件が課される系内に収容されている。このような系は、この甲殻類群に適した態様の畜産を行うことができるものであり、使用、加工、および/または販売に供するためにエビの成育および収穫を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の実施態様
一実施態様においては、本発明は、健康に有益な特定の化合物(限定しない例として、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、またはアラキドン酸、EPA))、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロテン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、γ−カロテン)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム)、他の有益な化合物等)で選択的に強化されたエビまたは他の甲殻類を提供する。本明細書においては、これらを「特殊組成(designer)」エビまたは他の甲殻類と称する。
【0022】
別の実施態様においては、本発明は、健康に有益な特定の化合物(限定しない例として、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、EPA))、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロテン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム)、他の有益な化合物等)で選択的に強化されたエビまたは他の甲殻類を養殖する方法を提供する。
【0023】
本発明の上述した実施態様においては、栄養価が改善され、かつ自然界においてよく見られる汚染物質や望ましくない化合物の量が低減されているかまたはごく微量である動物が得られる。このようにすることで、最終消費者がこれらを摂取するリスクが大幅に低減される(すなわち非常に健康に良いエビとなる)。
【0024】
本発明は、DHA含有量が約12.5μg/g生体重(fresh weight)を超え、より好ましくは約25μg/g生体重を超え、最も好ましくは50μg/g生体重を超える水産養殖エビを提供する。さらに本発明は、カロチノイドを含み、アスタキサンチンがカロチノイド総含有量の約80%未満を構成する水産養殖エビを提供する。アスタキサンチン以外の残りのカロチノイドには、以下に示す、β−カロテン、γ−カロテン、ルテイン、リコペン、ゼアキサンチン、およびカンタキサンチンのうちの1種またはそれ以上が含まれてもよい。本発明は、ルテインの量が約5μg/g生体重を超える水産養殖エビを提供する。
【0025】
本発明は、1種またはそれ以上の風味増強剤(例えば、ブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、および/またはヨウ素)を含む水産養殖エビを提供する。本発明は、2,6−ジブロモフェノールの量が約0.06μg/kg生体重を超えてもよいことを定める。本発明は、2,4,6−トリブロモフェノールの量が約6μg/kg生体重を超えてもよいことを定める。さらに本発明は、2,6−ジブロモフェノールの含有量が約0.06g/kg生体重を超え、かつ2,4,6−トリブロモフェノールの含有量が約6μg/kg生体重を超える水産養殖エビを提供する。
【0026】
本発明は、コレステロール含有量が約8.0mg/g生体重未満、より好ましくは約6mg/g生体重未満、最も好ましくは約1mg/g生体重未満である水産養殖エビを提供する。さらに本発明は、含まれるDHA/EPAの比率が約2.0を超え、より好ましくは約2.5を超え、最も好ましくは約5.0を超える水産養殖エビを提供する。さらに本発明は、植物性タンパク質加水分解物および微細藻類を含む菜食のみを摂餌した水産養殖エビを提供する。
【0027】
本発明は、オーガニックエビを提供する。さらに本発明は、100%オーガニックエビを提供する。本発明は、米国農務省(USDA)によりオーガニックと認証された水産養殖エビを提供する。最も好ましくは、本発明は、米国農務省から100%オーガニックと認証された水産養殖エビを提供する。
【0028】
さらなる面において、本発明は、紅酵母(red rice yeast)を含むエビ用餌料を提供する。本発明は、全Monascus sp.(whole Monascus sp.)バイオマス、溶解Monascus sp.(lysed Monascus sp.)バイオマス、ならびに全Monascus sp.バイオマスおよび溶解Monascus sp.バイオマスの画分を提供する。このモナスカスとは、Monascus purpureus(Monascus purpureus)等の様々な種に由来するものであってもよい。
【0029】
一つの面において、本発明は、エビ用餌料を提供する。この餌料は、DHA、ルテイン、リコペン、ゼアキサンチン、および/またはブロモフェノールを多く含んでいてもよい。本発明は、DHAの量が12.5μg/g生体重を超えることを定める。さらに本発明は、ルテインの量が5μg/g生体重を超えることを規定する。さらに本発明は、リコペンの量が5μg/g生体重を超えることを定める。さらに本発明は、ゼアキサンチンの量が6μg/g生体重を超えることを定める。さらにこのエビ用餌料は、低量のクロロフィルを含んでいてもよい。
【0030】
さらに本発明は、2,6−ジブロモフェノールを約10〜約1000mg/kgの範囲で含むエビ用餌料を提供する。さらに本発明は、2,4,6−トリブロモフェノールを約10〜約1000mg/kgの範囲で含むエビ用餌料を提供する。さらに本発明は、2,4,6−トリブロモフェノールを約10〜約1000mg/kgの範囲で含み、かつ2,6−ジブロモフェノールを約10〜約1000mg/kgの範囲で含むエビ用餌料を提供する。
【0031】
別の面において、本発明は、エビの生産方法を提供する。本発明は、エビに微細藻類由来のDHAを給餌することによってオーガニックエビを生産する方法に関する。さらに本発明は、DHAを多く含む1種またはそれ以上の微細藻類および/または微細藻類抽出物をエビに給餌することによってDHAを多く含むエビを生産する方法に関する。微細藻類は、過鞭毛藻類(dinoflagelates)(限定しない例として、クリプテコディニウム・エスピー(Crypthecodinium sp.)、クリプテコディニウム・コーニー(Crypthecodinium cohnii)等)、キトリズ(chitrids)(限定しない例として、シゾキトリウム・エスピー(Schizochytrium sp.)、シゾキトリウム・アグレガタム(Schizochytrium aggregatum)、シゾキトリウム・アグレガタムATCC28209、スラウストキトリウム・ロゼウム(Thraustochytrium roseum)ATCC28210、スラウストキトリウム・エスピー(Thraustochytrium sp.)ATCC26185、スラウストキトリウム・エスピー、スラウストキトリウム・ビスルゲンス(Thraustochytrium visurgense)ATCC28208、ウルケニア・エスピー(Ulkenia sp.)等)、および微細藻類(限定しない例として、パブローバ・エスピー(Pavlova sp.)、テトラセルミス・エスピー(Tetraselmis sp.)、イソクリシス・エスピー(Isochrysis sp.)等)から選択することができる。
【0032】
本発明は、カロチノイドを多く含むエビの生産方法であって、1種またはそれ以上のカロチノイドを多く含むバイオマスを含有する餌料をエビに給餌することを含む方法を提供する。カロチノイドは、例えば、ルテイン、リコペン、およびゼアキサンチンから選択してもよい。カロチノイド源は、1種またはそれ以上の微細藻類、マリーゴールド抽出物、マリーゴールド花弁、トマト抽出物、および加工トマトバイオマスから選択してもよい。
【0033】
本発明は、1種またはそれ以上の風味増強剤をエビの餌料に添加することによってエビの風味特性(flavor profile)をより好ましいものにする方法を提供する。この風味増強剤は、ブロモフェノール(例えば、2,6−ジブロモフェノールおよび/または2,4,6−トリブロモフェノール)であってもよい。
【0034】
さらに本発明は、人間または人間以外の動物にエビを給与する方法であって、その動物に摂食させるために、高DHAエビ、高カロチノイドエビ、低コレステロールエビ、および/またはオーガニックエビを給与することを含む方法を提供する。
【0035】
さらなる別の実施態様において、本発明は、健康に有益な特定の化合物(限定しない例として、LC−PUFA(DHA、ARA、EPA)、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロテン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム)、他の有益な化合物等)で選択的に強化されたこの特殊組成を持つエビまたは他の甲殻類を、人間等の動物の食料または餌料として使用する方法を提供する。
【0036】
生産方法
完全独立型(completely contained)エビ養殖システムについては既に述べられている(レオン(Leung)とモス(Moss)、2000)。当該技術分野において知られているこのシステムを本発明の実施に使用することができる。別法として、当該技術分野においてよく知られている準集約式生産システムも使用することができる(ホーズ(Haws)とボイド(Boyd)、2001)。予期せぬことに、本発明によりエビに特定の種類の餌料を給餌することによって、その餌料の特定の成分が選択的に強化されたエビが生産される。
【0037】
風味増強剤
米国においては、淡水または低濃度塩水を用いてエビを養殖する陸上エビ養殖産業が出現している(ボイド、2001;ジョリー(Jory)、2002)。このような方式で生産されたエビは、天然の海産エビに特徴的な風味特性を持たない。これは主に、自然海での食糧に含まれるヨウ素やブロモフェノールなどの風味付与物質が存在しないためである。ブロモフェノール類に属する物質が以下の量、2−ブロモフェノール、20ppb;3−ブロモフェノール、40ppb;2,6−ジブロモフェノール、4ppb;2,4,6−トリブロモフェノール、20ppbでエビ中に存在すれば新鮮なエビの豊かな風味を付与することができる(ボイルら、1992b)。エビ肉中でこのような量を得るには、風味増強剤を餌料中にわずか10ppm補充すればよい。
【0038】
所望の風味特性は、1種またはそれ以上のこれらの化合物を様々な濃度で組み合わせて添加することによって得ることができる。これらのブロモフェノール類は、合成によって製造するか、または細菌もしくは微細藻類バイオマスの形態で供することができる。多くの藻株がこれらの化合物を多量に生産することが示されている。これらのブロモフェノールを生産するこの種の藻株は、以下に示す属および/または種に属する藻類:アオサ属(Ulva)、オオバアオサ(Ulva lactuca)、ノコギリヒバ属(Odonthalia)、ハケサキノコギリヒバ(Odonthalia corymbifera)、シンフォクラディア(Symphocladia)、シンフォクラディア・ラティクスクラ(Symphocladia laticscula)、ミル属(Codium)、ミル(Codium fragile)、オバクサ属(Pterocladiella)、カタオバクサ(Pterocladiella capillacea)、イトグサ属(Polysiphonia)、およびポリシフォニア・セファエロカルパ(Polysiphonia sphaerocarpa)から選択することができるが、これらに限定されるものではない。このような供給源を風味増強剤に用いると、生産されるエビがオーガニック認証を受けるのに役立つ可能性があり、これはまさに望ましいことである。
【0039】
本発明は、ブロモフェノールを10mg〜1000mg/kg餌料の濃度で含むエビ用餌料を給餌することを想定している。好ましくは、添加されたブロモフェノールの量が当該動物中において1〜1000ppbとなるであろう程度の強化を行う。驚くべきことに、この物質を食餌に添加することによってエビの風味が改善された。
【0040】
アジア産の天然エビおよび養殖エビは、無視できない量のポリ塩化ビフェノール(PCB)、多価芳香族炭化水素(PAH)、および重金属(例えばカドミウム、水銀、鉛)に加えて、米国、欧州、および日本では使用が禁止されている抗生物質(例えばクロラムフェニコール)の残留物を含んでいる場合がある(エヌアールシー(NRC)、1999;レポート(Report)、2001)。消費者の嗜好が高まっていることに加えてこのような理由があることから、エビの養殖は米国および世界の農業において急速に成長しつつある分野となっている。消費者が入手できる養殖エビの多くは、味、外観、および栄養的な特徴にばらつきがある。最終製品に見られるばらつきは、改良された規定のエビ用餌料を用いることによってかなり修正することができる。
【0041】
有機製法
水産養殖エビをもっと消費者に受け容れてもらうための解決策は、管理された環境下で養殖を行い、認証されたオーガニック成分(USDAの規定範囲内のもの)のみで構成される餌料を給餌して、オーガニックエビまたは100%オーガニックエビを生産することにある。これまでオーガニックエビ生産の妨げとなっていたのは、主に、汚染されている可能性があったり再生可能な海洋資源に由来するものでない魚粉および魚油の入手性であった。これまでは、エビの成育には魚粉および/または魚油の添加が必要であると考えられていた。
【0042】
本発明以前は、エビの完全菜食(すなわち、餌料中の魚粉および魚油の置き替え)に関する報告はなされていなかった。本発明は、エビの完全菜食について初めて述べるものであり、魚粉/魚油を、植物性タンパク質加水分解物とω−3LC−PUFAを含む微細藻類との組合せに置き替えている。驚くべきことに、本発明者らは、DHA源となる藻類等の特定の成分を餌料に添加することによって、魚粉および/または魚油が存在しなくても海洋動物の成育を助けることができる餌料が作製できることを見出した。国家有機プログラム(NOP)等の標準的なオーガニック認証団体によってそれ自体が「オーガニック」と定められる食餌成分を選択することによって、このような新規な餌料も初めて「オーガニック餌料」として格付けされるであろう。NOP等の標準的な有機認証団体によって同様に「オーガニック」とみなされるであろう、当該技術分野において知られている管理手法を用いてエビに給餌を行うことによって、独特の組成を持つエビが得られるであろう。そしてこれは、NOP等の標準化されたオーガニック認証団体の基準に基づいて初めて「オーガニックエビ」に格付けされるであろう。100%オーガニックエビを生産するためには、投入物がすべてNOPに認可された生産および処理方法を用いたオーガニック認証されたものであることが必要であろう。複数の実施態様においては、このような餌料は非遺伝子組み換え餌材料のみを含有し、抗生物質も魚粉も魚油も含まないであろう。オーガニック表示を所望しない他の実施態様においては、遺伝子組み換え物質、抗生物質、および/または魚粉もしくは魚油を含む場合もある。このような生産は過去に実施されたことがなかった。
【0043】
色素強化
さらに本発明は、ルテインおよび/またはゼアキサンチンを多く含むエビの生産を実施する。野生種または養殖エビの主要なカロチノイドはアスタキサンチンである。これは生理学的にも生化学的にもエビにとって重要な色素である。主要なカロチノイドがアスタキサンチンでなかったというエビは報告されていない。驚くべきことに、本発明者らは、餌料中のカロチノイドを調節することによって主要なカロチノイドがアスタキサンチンでないエビが得られる場合があったことを見出した。通常、アスタキサンチンはエビに含まれるカロチノイド全体の80%超を構成する。本発明者らは、カロチノイド組成(carotenoid profile)が大幅に調節されたエビを初めて生産した(実施例9参照)。この改良されたエビにおいては、本来はカロチノイド画分全体の5%未満しか認められないカロチノイドを、餌料で操作することによって30%超になるようにした。エビの餌料に特定の物質(限定しない例として、マリーゴールド花弁またはその抽出物、トマト製品またはその抽出物、トウモロコシグルテンまたはその抽出物、特定の微細藻類(限定しない例として、クロレラ属(Chlorella)、スピルリナ属(Spirulina)、デュナリエラ属(Dunaliella)、クリプテコディニウム属(Crypthecodinium)、シゾキトリウム属(Schizochytrium)、珪藻、その抽出物等)等)を補充することによって、エビの組織中に含まれるルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、および他のカロチノイドの量を高めることができる。驚くべきことに、このような供給源を用いると、添加したカロチノイドが完全にアスタキサンチンに変換されることがない。
【0044】
さらに本発明は、人工色素(限定しない例として、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、γ−カロテン、β−カロテン等)の使用も想定しているが、これらの物質を含めた場合は、餌料またはエビが100%オーガニックの認証を受けられないであろう。しかしいずれの場合においても、生産されるエビに含まれるアスタキサンチンはカロチノイド全体の80%未満となり、好ましくはカロチノイドの70%未満、最も好ましくは60%未満がアスタキサンチンとなるであろう。カロチノイドの最終含有量が1mg〜10g/kg餌料となるよう、ルテイン、ゼアキサンチンまたはリコペンを様々な形態で標準的な餌料に添加する。甲殻類に存在することが知られている別のカロチノイドを様々な藻株または合成方法を介して餌料に添加してもよく、これらは以下に示す群、ドラデキサンチン(doradexanthin)、ヨードキサンチン(idoxanthin)、テトロール、α−クリプトキサンチン、β−クリプトキサンチン、エキネオン(echineone)、4−ヒドロキシエキネノン、カンタキサンチン、β−アポ−8’−カロテナール、フェニコキサンチン、イソクリプトキサンチン(isocryptoxanthin)、アドニキサンチンから選択される(メイヤーズとラッチャ、1997)。これらは養殖された甲殻類の外観特性(visual profile)を向上させることができるものである。カロチノイドを生産するオーガニック認証された藻および酵母株(ヘマトコッカス(Haematococcus)、ファフィア(Phaffia)等)は、オーガニック的に育成されたエビの栄養価も高めることができる。
【0045】
脂肪酸プロフィール
エビは少量のDHAを含み、典型的にはDHA/EPA(エイコサペンタエン酸)の比率が1:1であることが知られている(USDA 2002a)。一方、エビの総DHA含有量は通常2.5μg/g生体重未満である(USDA 2002a)。DHAは数多くの特殊な健康効果を奏するため、エビのDHA濃度を高めることは消費者にとって有益であると考えられる。しかし、エビのDHA濃度を高めるのに魚粉や魚油を使用すると、多くのオーガニック認証団体はもはやこのようにして生産されたエビを100%オーガニックエビとは認定しないであろう。さらに、魚油を介してDHA濃度を高めようとすると、それに伴いEPA濃度も上昇するであろう。人間のEPA濃度が上昇すると、それに伴い成長率が低下し、また出血時間が長くなる。したがってこれはエビの有利な特性とはならないであろう。驚くべきことに、本発明者らは、DHA源(限定しない例として、特定の微細藻類(例えば、クリプテコディニウム属、シゾキトリウム属(Schitzochytrium)、ウルケニア属、パリエトクロリス属(Parietochloris)等)またはその抽出物、特に、米国特許第6,372,460号明細書に記載されているようなリン脂質抽出物)を給餌することによってエビのDHA濃度を12.5μgDHA/g生体重超にまで、また、DHA/EPA比を1.0超、より好ましくは2.0超、最も好ましくは5.0超にまで有効に高めることができたことを見出した。DHA源は、DHAの含有量が餌料中の脂質全体の5%〜餌料中の脂質全体の50%になる量で添加する必要がある。DHA油を含む微細藻類バイオマスは(ARA、EPA、および他のLC−PUFAを含む他の藻類由来のバイオマス同様)、規定の条件下で生育させることができ、有機体を非GMOとし、有機認証された物質を用いることができ、かつ有機認証された生産方法をとることができるため、魚油や魚粉を用いた場合と比較すると、この手法によって規定のシステムで生産されたエビをオーガニック認証申請することができる。
【0046】
コレステロール含有量の改善
エビその他の甲殻類はコレステロール含有量が非常に高い。典型的には、エビの生体重lg当たりのコレステロール総量は1.5〜2.0mgであると報告されている。エビはコレステロールを新たに合成できないことが報告されているため、コレステロールはエビの餌料の必須栄養素であるとも考えられている。そのため、これまではエビの餌料からコレステロールを抜くことができなかった。本発明者らは、DHAに富む特定のリン脂質を用いることによって、コレステロールを餌料成分とする必要性が低減され、かつ/またはその必要がなくなることを見出した。このようなリン脂質を単独で、または特定の食用繊維(限定しない例として、アルギン酸塩、ゴム、デンプン等)と一緒に使用することによって、エビに含まれるコレステロール濃度を低下させるという、今まで達成されることがなかったことが可能となる。本発明は、コレステロール濃度が0〜1.25mg/g生体重のエビを包含する。別法として、本発明は、特定の天然のコレステロール低下物質(限定しない例として紅酵母(Monascus sp.)等)を使用することも想定している。
【0047】
仕上餌料
上述した任意の強化成分を含む仕上餌料または添加物はエビの養殖期間全体を通じて給餌することができる。別法として、好ましくは、この仕上餌料または添加物を収穫の1〜60日前から給与することによって動物の組成を最後に強化するかまたは変化させる。100%オーガニックまたはオーガニックとみなされるエビには、魚粉または魚油の替わりに養殖期間全体を通じて藻の粗挽き粉又は抽出モノマーを給餌することが必要であろう。それ以外の強化は養殖サイクルの最後の3週間に限定してもよい。ここで以下の実施例によって本発明の特定の実施態様をより詳細に説明する。この実施例は、選択された本発明の実施態様をより詳細に説明しやすくすることのみを目的としたものであって、本発明の範囲に何らかの限定を加えるものとみなすべきではない。
【実施例】
【0048】
実施例1 DHAを高濃度で含むエビの生産
標準的な集約式独立型(intensive and self-contained)、準集約式(semi-intensive)、または粗放式(extensive)のエビ生産システムを用いることができる(Leungand Moss 2000; Haws and Boyd 2001)。オーガニックまたは100%オーガニックの高DHAエビの生産には集約式の無換水型システム(Leungand Moss 2000)が好ましい。収穫日の2週間前からエビの給餌計画を変更し、DHAが25g/kg餌料、または脂質全体の50%となるように、DHAをCrypthecodiniumsp.200g/kg餌料として標準的なエビ飼育用餌料中に補充したもの(例えば、メリーランド州コロンビアのアドバンスド・バイオニュートリション・コーポレーション社のA1uaGrowAdvantage)を仕上餌料として付与する。別法として、Schizochytrium sp.を300g/kg餌料(餌料の脂質全体の5%)使用してもよい(例えば、カリフォルニア州ホーソロンのAquafaunaBiomarine社製)。高DHAエビの収穫は、当技術分野において知られている方法および実務を用いて収穫される。
【0049】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ(cerveche)、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
【0050】
実施例2 高ルテインエビの生産
標準的な集約式独立型、準集約式、または粗放式のエビ生産システムを用いることができる(Leung and Moss 2000; Haws and Boyd 2001)。高ルテイン「オーガニック」エビの生産には集約式の無換水型システム(Leungand Moss 2000)が好ましいであろう。収穫日の2週間前からエビの給餌計画を変更して「仕上餌料」を給与する。これは、標準的なエビ飼育用餌料中にマリーゴールド抽出物規格品(ルテイン6mg/100mg油)としてマリーゴールド抽出物を1g/kg餌料で添加することによってルテインを60mg/kg餌料で補充したものである。高ルテインエビの収穫は、当技術分野において知られている方法および実務を用いて収穫される。
【0051】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
【0052】
実施例3 風味を高めた水産養殖エビの生産
標準的な集約式独立型、準集約式、または粗放式のエビ生産システムを用いることができる(Leung and Moss 2000; Haws and Boyd 2001)。高ルテインオーガニックエビの生産には集約式の無換水型システム(Leungand Moss 2000)が好ましい。収穫日の2週間前からエビの給餌計画を変更して「仕上餌料」を給与する。これは、標準的なエビ飼育用餌料中に2,6−ジブロモフェノール(2,6−ジロモフェノールを10mg/kg餌料)等の風味増強剤を加えたものであり、エクストルージョン前の餌料に直接風味増強剤を添加するか、または当該技術分野において標準的なスプレーコーティング技術を用いて餌料に風味増強剤をコーティングしたものである。従来技術により知られている方法および作業を用いてエビを収穫され、これは海産エビに似た味を呈するであろう。
【0053】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に使用することができる。
【0054】
実施例4 高ルテイン/高DHAエビの生産
標準的な集約式独立型、準集約式、または粗放式のエビ生産システムを用いることができる(Leung and Moss 2000; Haws and Boyd 2001)。高ルテイン/高DHA「オーガニック」エビの生産には米国特許第6,327,996号明細書に記載されている集約式の無換水型システムが好ましいであろう。収穫日の2週間前からエビの給餌計画を変更して仕上餌料を給与する。これは、標準的なエビ飼育用餌料中にマリーゴールド抽出物規格品(ルテイン6mg/100mg油)としてマリーゴールド抽出物を1g/kg餌料で添加することによってルテインを60mg/kg餌料で補充するとともに、藻細胞(DHA含有量20%)を含量50g/kg餌料で添加することによってCrypthecodinium由来のDHAを補充したものである。高ルテイン/高DHAエビの収穫には、従来技術により知られている方法および作業を用いる。
【0055】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
【0056】
実施例5 低コレステロールエビの生産
標準的な集約式自立型、準集約式、または粗放式のエビ生産システムを用いることができる(Leung and Moss 2000; Haws and Boyd 2001)。高ルテイン「オーガニック」エビの生産には、米国特許第6,327,996号明細書に記載されている集約式の無換水型システムが好ましい。収穫日の2週間前からエビの給餌計画を変更して「仕上餌料」を給与する。これは、標準的なエビ飼育用餌料中にコレステロールを加えず、DHA含有リン脂質源(例えば、米国メリーランド州コロンビアのアドバンスド・バイオニュートリション・コーポレーションの市販品でAquaGrowDHA)をアクアグローDHA含量が50g/kg餌料となるように添加したものである。低コレステロールエビの収穫には、従来技術により知られている方法および作業を用いる。
【0057】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
【0058】
実施例6 紅酵母(Monascus purpureus)を用いた低コレステロールエビの生産
標準的な集約式独立型、準集約式、または粗放式のエビ生産システムを用いることができる(Leung and Moss 2000; Haws and Boyd 2001)。高ルテイン「オーガニック」エビの生産には、集約式の無換水型システム(Leungand Moss 2000)が好ましいであろう。収穫日の2週間前からエビの給餌計画を変更して「仕上餌料」を給与する。これは、標準的なエビ飼育用餌料中にコレステロールを加えず、紅酵母を含量が酵母50g/kg餌料となるように添加したものである。低コレステロールエビの収穫には、従来技術により知られている方法および作業を用いる。
【0059】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
【0060】
実施例7 100%有機エビの生産
「オーガニック」エビの生産には、集約式の無換水型システムが好ましい(Leungand Moss 2000)。このようなシステムは、NOPのガイドラインの下で、完全オーガニック作業として管理されるであろう。このシステムに投入される餌料は完全な菜食である。タンパク質対タンパク質ベースで、魚粉を非GMO大豆粉加水分解物に置き替えるとともに、油対DHAベースで、魚油を微細藻類であるCrypthecodiniumに置き替える。魚油と藻油が1:1で置き替わるように、Crypthecodiniumバイオマスを餌料1kg当たり115g用いる。
【0061】
このオーガニック認証された餌料は、抗生物質も他の防腐剤用化学物質も含まない。エビに給餌されるこのオーガニック餌料は、当該産業において標準的な方法を用いて、小型エビ用には細かい粒子形態で、また、より大型のエビ用にはより大きな規格化されたペレットとして製造する。このオーガニック餌料は、オーガニック仕上餌料を使用しない場合(本発明の想定内)は収穫時まで使用する。次いでオーガニック・エビは、当該技術分野において知られている方法および作業を用いて収穫される。このようなエビはDHA量が上昇していることで生化学的に差別化される。
【0062】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
実施例8 有機エビの生産
「オーガニック」エビを生産するための完全オーガニック作業として、Leung とMoss(2000)によって記載されているような集約式の無換水型生産システムをNOPの指針の下に構築して管理する。このシステムに投入する餌料は完全な菜食とすることができる。タンパク質対タンパク質ベースで、魚粉を非GMO大豆粉加水分解物のみ、または他の野菜粉(限定しない例として、全粒小麦、コーングルテン粉、エンドウ豆粉等)との組合せに置き替えるとともに、魚油をCrypthecodiniumバイオマス(餌料1kg当たり115g)に置き替える。
【0063】
このオーガニック認証された餌料は、抗生物質も他の防腐剤用化学物質も含まない。この餌料の全成分の95%は、完全オーガニック認証された供給源から得られたものでなければならない。エビに給餌されるこのオーガニック餌料は、当該産業において標準的な方法を用いて、小型エビ用には細かい粒子形態で、また、より大型のエビ用にはより大きな規格化されたペレットとして製造する。このオーガニック餌料は、オーガニック仕上餌料を使用しない場合(本発明の想定内)は収穫時まで使用される。次いでオーガニック・エビは、当該技術分野において知られている方法および作業を用いて収穫される。DHA含有藻粉をうまく用いることにより、DHA量が多いことで生化学的に差別化できるであろう有機エビを生産することができるであろう。
【0064】
このようにして生産されたエビは、天然産または水産養殖によって生産されたエビに代わる健康に良い代替品として、エビの加工に通常用いられる任意の方法(限定しない例として、蒸し加熱、加熱調理、セビチェ、みじん切り、エクストルージョン、乾燥等)に用いることができる。
【0065】
実施例9 ルテインを多く含むエビ
標準的なエビ用餌料(例えばRangen 35/2.5エビ用餌料)を用いて、20Lの水槽(1槽当たりエビ5〜10尾)内において23℃で稚エビ(1〜5g)を養殖した。試験用餌料は、対照用餌料であるRangenとルテイン(TwinLabs)との2:1混合物が含まれるように調製し、餌料中の最終ルテイン濃度を8g/kg餌料とした。実験期間中はエビの体重の0.3%で1日2回給餌した。
【0066】
給餌開始から14日後、エビを回収して−20℃で冷凍し、化学分析を行う前に凍結乾燥した。契約研究機関にて従来のHPLCによるカロチノイド分析を実施し、表1および図1に示す結果を得た。図1は、調理前(A)および調理後(B)のエビにおけるルテイン強化の効果を示すものである。非強化エビを上段に示し、その比較相手である、大きくて発色のよい方を下段に示す。
【表1】


実施例10 DHA強化エビ
標準的なエビ餌料を用いて、20L水槽(1槽当たりエビ5〜10尾)内において23℃で稚エビ(1〜5g)を養殖した。実験期間中はエビの体重の0.3%を1日2回給餌した。対照用餌料は、DHA6.6g/kg餌料を含む、チーグラーSI-35(チーグラーSI-35)エビ用餌料(ペンシルバニア州ガードナーズのZiegler Bors.社製)とした(脂質8.4%、脂質中DHA7.7%、餌料中DHA0.66%)。試験用餌料は、市販の餌料であるチーグラーSI-35エビ用餌料の魚油成分をAquaGrow(登録商標)DHA(アドバンスド・バイオニュートリション)に置き替えたものから構成されるものとした。
【0067】
DHAを含む仕上餌料の給餌開始から14日後、エビを回収して−20℃で冷凍し、化学分析を行う前に凍結乾燥させた。脂肪酸メチルエステルを調製して、これをガスクロマトグラフィーによって分離および評価を行うことを含む所定の手順に従い脂肪酸分析を行った。エビの尾筋約150mgを10mlのスクリューキャップ付き試験管に正確に秤量し、内部標準としてC15:0(ペンシルバニア州ベルフォンテのSupelco Co.)を1mg加えた。メタノール性塩基試薬(Supelco Co.)2mlを加え、この試料に窒素を流してから封止して60℃で10分間加熱した。次いでこの試料を冷却し、水2.0mLおよびヘキサン2.0mLを加えた。試料をボルテックスで混合した後、遠心分離した。次いでRestekFAMEWAXキャピラリーカラム(30m、内径0.25mm、df0.25μm)を用いてヘキサン画分中の脂肪酸メチルエステルをGC分離した。DHA%の分析結果を表2に示す。
【表2】


実施例11 低コレステロールエビ
20Lの水槽(1槽当たりエビ5〜10尾)内において標準的なエビ餌料(例えばRangen35/2.5エビ用餌料)を用いて23℃で稚エビ(1〜5g)の養殖を行った。対照用餌料と紅酵母(RRY;Monascussp.)とから構成される(比率2:1)餌料を新たに調製した。試験期間中は、両方の餌料について、エビの体重の0.3%を1日2回給餌した。
【0068】
DHAを含む仕上餌料をこのエビに給餌してから14日後、エビを回収して−20℃で冷凍し、化学分析を行う前に凍結乾燥させた。凍結乾燥したエビの筋肉および少量の内部標準(コレスタン)をクロロホルム/メタノール(2:1)で抽出することを含む常法に従ってコレステロール分析を行った。試料を60℃で30分間加熱して抽出を確実に完了させた後、冷却して、同量の水で希釈した。次いでこの混合物を遠心分離して透明な相を分離させ、クロロホルム層を除去して窒素中で乾燥した。次いで乾燥した沈殿をエタノール性塩基(2NのNaOH/95%エタノール溶液)に溶解し、60℃で30分間加熱した。冷水を加えてエタノール濃度を66%に低下させ(エタノール抽出物で1:2に希釈)、同量のヘキサンを加えてコレステロールを抽出した。次いでヘキサン層を除去して窒素中で乾燥した。次いで乾燥したステロール試料にTri−Sil試薬(Supelco Corp社製)100μLを添加して誘導体化した。この物質を窒素中で蒸発させ、シアリル化されたステロールに少量(100μL)のヘキサンを加え、そのままガスクロマトグラフにかけた。ステロールの分離は、製造業者の指示に従い、通常、50mのスペルコ・ワックス(Supelco Wax)カラムを使用する。結果として得られたステロール分析の結果を表3に示す。
【表3】

【0069】
参考文献
本明細書は、以下に示す参考文献を参照することによって最もよく理解される。これら全体を本明細書に参照として援用する。上に引用した特許およびその他の参考文献の開示内容も本明細書に参照として援用する。
【0070】
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[020] USDA (2002b) USDA website. http://www. usda. gov/.
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、調理前(A)および調理後(B)のエビにおけるルテイン強化の効果を示すものである。非強化エビを上段に示し、その比較相手である、大きくて発色のよい方を下段に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
DHAを約12.5μg/g生体重を超える濃度で含む水産養殖エビ。
【請求項2】
前記DHA濃度が約25μg/g生体重を超える、請求項1に記載のエビ。
【請求項3】
前記DHA濃度が約50μg/g生体重を超える、請求項2に記載のエビ。
【請求項4】
カロチノイドを含む水産養殖エビであって、アスタキサンチンがカロチノイド総量の約80%未満を構成する、水産養殖エビ。
【請求項5】
アスタキサンチン以外のカロチノイドが、β−カロテン、γ−カロテン、ルテイン、リコペン、ゼアキサンチン、およびカンタキサンチンから選択される1種またはそれ以上のカロチノイドを含む、請求項4に記載のエビ。
【請求項6】
ルテインを約5μg/g生体重を超える濃度で含む水産養殖エビ。
【請求項7】
風味増強剤を含む水産養殖エビ。
【請求項8】
前記風味増強剤が、ブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、およびヨウ素から選択される、請求項7に記載のエビ。
【請求項9】
前記風味増強剤が、2,6−ジブロモフェノールを約0.06μg/kg生体重を超える濃度で含む、請求項8に記載のエビ。
【請求項10】
前記風味増強剤が、2,4,6−トリブロモフェノールを約6μg/kg生体重を超える濃度で含む、請求項8に記載のエビ。
【請求項11】
前記風味増強剤が、2,6−ジブロモフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノールを約0.06μg/kgおよび6μg/kg生体重を超える濃度で含む、請求項8に記載のエビ。
【請求項12】
コレステロールを約8.0mg/g生体重未満の濃度で含む水産養殖エビ。
【請求項13】
前記コレステロール濃度が約6mg/g生体重未満である、請求項12に記載のエビ。
【請求項14】
前記コレステロール濃度が約1.0mg/g生体重未満である、請求項13に記載のエビ。
【請求項15】
DHA/EPAの比率が約2.0を超える水産養殖エビ。
【請求項16】
含まれるDHA/EPAの比率が約2.5を超える、請求項15に記載のエビ。
【請求項17】
含まれるDHA/EPAの比率が約5.0を超える、請求項16に記載のエビ。
【請求項18】
植物性タンパク質の加水分解物および微細藻類を含む菜食のみを給餌された水産養殖エビ。
【請求項19】
オーガニック・エビ。
【請求項20】
100%オーガニック・エビ。
【請求項21】
米国農務省よりオーガニック認証された水産養殖エビ。
【請求項22】
米国農務省より100%オーガニック認証された水産養殖エビ。
【請求項23】
紅酵母(red rice yeast)を含むエビ用餌料。
【請求項24】
全バイオマス、溶解バイオマス、全バイオマスの一部、および溶解バイオマスの一部から選択されるMonascus sp.紅酵母バイオマスを含む、請求項23に記載のエビ用餌料。
【請求項25】
前記Monascus sp.がMonascus purpureusを含む、請求項24に記載の餌料。
【請求項26】
DHA、ルテイン、リコペン、ゼアキサンチン、ブロモフェノール、およびクロロフィルから選択される成分を含むエビ用餌料。
【請求項27】
2,6−ジブロモフェノールを約10mg/kg〜約1000mg/kg含む、請求項26に記載の餌料。
【請求項28】
2,4,6−トリブロモフェノールを約10mg/kg〜約1000mg/kg含む、請求項26に記載の餌料。
【請求項29】
2,6−ジブロモフェノールを約10mg/kg〜約1000mg/kg、および2,4,6−トリブロモフェノールを約10mg/kg〜約1000mg/kgを含む、請求項26に記載の餌料。
【請求項30】
DHAを含み、該DHAの濃度が約12.5μg/g生体重を超える、請求項26に記載の餌料。
【請求項31】
ルテインを含み、該ルテインの濃度が約5μg/g生体重を超える、請求項26に記載の餌料。
【請求項32】
リコペンを含み、該リコペンの濃度が約5μg/g生体重を超える、請求項26に記載の餌料。
【請求項33】
ゼアキサンチンを含み、該ゼアキサンチンの濃度が約6μg/g生体重を超える、請求項26に記載の餌料。
【請求項34】
微細藻類のDHAをエビに給餌することを含むオーガニック・エビの生産方法。
【請求項35】
エビの生産方法であって、DHAを多く含む微細藻類およびDHAを多く含む微細藻類抽出物から選択される1種またはそれ以上の成分を前記エビに給餌することを含む、方法。
【請求項36】
前記微細藻類が、過鞭毛藻類および壷状菌から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記微細藻類が、Crypthecodinium sp.、Crypthecodinium cohnii、Schizochytrium sp.、Schizochytrium aggregatum、Schizochytrium aggregatum ATCC28209、Thraustochytrium roseum ATCC28210、Thraustochytrium sp. ATCC26185、Thraustochytrium sp.、Thraustochytrium visurgense ATCC28208、Pavlova sp.、Tetraselmis sp.、およびIsochrysis sp.から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
1種またはそれ以上のカロチノイドが強化されたバイオマスを含む餌料をエビに給与することを含むエビの生産方法。
【請求項39】
前記バイオマスが、微細藻類、マリーゴールド抽出物、マリーゴールド花弁、トマト抽出物、および加工トマトバイオマスの1種またはそれ以上から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
エビ用餌料に1種またはそれ以上の風味増強剤を添加することによってエビの風味特性をより好ましいものにする方法。
【請求項41】
前記風味増強剤が1種またはそれ以上のブロモフェノールを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記風味増強剤が2,6−ジブロモフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノールから選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
人間または人間以外の動物にエビを摂食させる方法であって、高DHAエビ、高カロチノイド・エビ、低コレステロール・エビ、およびオーガニック・エビから選択されるエビを前記動物に摂食させるために付与することを含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−508651(P2006−508651A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546790(P2004−546790)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/031518
【国際公開番号】WO2004/036982
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(504102530)アドバンスド バイオニュートリション コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】