説明

カメラ支持装置

【課題】1つの操作部材で2つの回動部材の固定及び解除が可能であって、それら2つの回動部材の固定及び解除に時差を生じさせるようにすること。
【解決手段】カメラ支持装置1は、第1の回動部材2と、第2の回動部材3と、支持部材4と、操作部材53と、第1の噛合い部51と、第2の噛合い部52を備える。第2の回動部材3は、第1の回動部材2を挟む第1及び第2のアーム部21,22を有し、第1の回動部材2を回動可能に支持する。支持部材4は、第1及び第2のアーム部21,22に挟まれ、第2の回動部材3を回動可能に支持する。第1の噛合い部51は、第1及び第2のアーム部21,22と第1の回動部材との接触面に形成されたセレーションからなる。第2の噛合い部52は、第2のアーム部22と支持部材4との接触面に形成されたセレーションからなり、第1の噛合い部51とは異なる噛合いの深さに設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチルカメラやビデオカメラ等のカメラを支持し、支持したカメラの姿勢を調整可能なカメラ支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラを支持するカメラ支持装置には、支持したカメラの姿勢を変更するための回動部材が設けられている。このようなカメラ支持装置では、ハンドルを操作することにより回動部材の固定及び解除が行われるようになっている。
【0003】
カメラ支持装置に設けられた回転部材に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1には、カメラの姿勢を自在に調節できる自在固定装置が記載されている。この特許文献1に記載された自在固定装置では、筐体本体の側部に設けた締めねじ具を締め込むと、直交押し具を介して2つの軸押し具が相反する軸方向に押圧される。その結果、回動可能な2つの自在継手が2つの軸押し具にそれぞれ押圧されて同時に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−166279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された自在固定装置では、締めねじ具を緩めると、2つの自在継手の固定が同時に解除されてしまう。そのため、2つの自在継手の角度調整が煩雑になるという問題があった。また、締めねじ具を緩めると、支持しているカメラの重さによって自在継手が回動し、カメラが三脚や手に衝突する心配があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、1つの操作部材で2つの回動部材の固定及び解除が可能であって、それら2つの回動部材の固定及び解除に時差を生じさせるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のカメラ支持装置は、第1の回動部材と、第2の回動部材と、支持部材と、操作部材と、第1の噛合い部と、第2の噛合い部とを備える。第1の回動部材には、撮像装置が固定される。第2の回動部材は、第1の回動部材を挟む第1のアーム部及び第2のアーム部を有し、第1のアーム部と第2のアーム部によって第1の回動部材を回動可能に支持する。支持部材は、第1のアーム部及び第2のアーム部に挟まれ、第2の回動部材を回動可能に支持する。
【0008】
操作部材は、第1のアーム部と第2のアーム部との間の距離を変化させる。第1の噛合い部は、第1のアーム部及び第2のアーム部の少なくとも一方と第1の回動部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなる。第2の噛合い部は、第1のアーム部及び第2のアーム部の少なくとも一方と支持部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなり、第1の噛合い部とは異なる噛合いの深さに設定されている。
【0009】
本発明のカメラ支持装置では、操作部材によって第1のアーム部と第2のアーム部とを離反させていくと、まず、第1の噛合い部又は第2の噛合い部が外れる。これにより、第1の回動部材又は第2の回動部材の固定が解除される。その後、第1のアーム部と第2のアーム部とをさらに離反させると、残りの噛合い部が外れ、残りの回動部材の固定が解除される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1つの操作部材で2つの回動部の固定及び解除が可能であって、それら2つの回動部材の固定及び解除に時差を生じさせるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のカメラ支持装置の第1の実施の形態の斜視図である。
【図2】本発明のカメラ支持装置の第1の実施の形態の分解斜視図である。
【図3】本発明のカメラ支持装置の第1の実施の形態に係る噛合い部の説明図である。
【図4】図4(a)は、本発明のカメラ支持装置の第1の実施の形態によってビデオカメラを支持した状態の説明図、図4(b)は、図4(a)に示す状態から第2の回動部材を前方に回動させた状態の説明図である。
【図5】図5(a)は、図4(b)に示す状態から第1の回動部材と第2の回動部材を回動させた状態の説明図、図5(b)は、第1の回動部材と第2の回動部材を重ねて折り畳んだ状態の説明図である。
【図6】本発明のカメラ支持装置の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図7】本発明のカメラ支持装置の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図8】本発明のカメラ支持装置の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図9】本発明のカメラ支持装置の第5の実施の形態の分解斜視図である。
【図10】本発明のカメラ支持装置の第5の実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のコイル部品を実施するための実施の形態について、図1〜図10を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
また、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.第5の実施の形態
【0013】
〈1.第1の実施の形態〉
[カメラ支持装置]
まず、本発明のカメラ支持装置の第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明のカメラ支持装置の第1の実施の形態の斜視図である。
【0014】
カメラ支持装置1は、第1の回動部材2と、第2の回動部材3と、支持部材4と、第1の回動部材2及び第2の回動部材3の固定及び固定の解除を行うロック機構5を備えている。第1の回動部材2は、撮像装置が固定される固定台11と、固定台11に連続する軸受部12からなっている。
【0015】
固定台11は、適当な厚みを有する略長方形の板体からなっている。この固定台11の上面11aには、撮像装置(図4参照)の位置決めを行うための位置決め用突起13が設けられている。また、固定台11の下面11bには、段部15が設けられている。この段部15を設けることにより、固定台11には薄板部16が形成されている。
【0016】
固定台11の薄板部16には、撮像装置に設けられた三脚用ねじ孔(図示せず)に螺合される固定ねじ18が貫通している。この固定ねじ18の基端部には、固定操作用ノブ19が設けられている。固定操作用ノブ19は、固定台11の段部15に配置されている。第1の回動部材2の軸受部12は、固定台11の下面11bから突出している。この軸受部12については、後で図2を参照して詳しく説明する。
【0017】
第2の回動部材3は、第1のアーム部21と、第2のアーム部22からなっている。これら第1のアーム部21と第2のアーム部22が第1の回動部材2の軸受部12に回動可能に係合することにより、第1の回動部材2が第2の回動部材3に回動可能に支持されている。第2の回動部材3の第1のアーム部21及び第2のアーム部22については、後で図2を参照して詳しく説明する。
【0018】
支持部材4は、第1の支持脚31と、第2の支持脚32と、第3の支持脚33と、軸受部34を備えている。第1の支持脚31は、略コ字状に形成されており、カメラ支持装置1を把持するときのグリップとして役割を有している。この第1の支持脚31は、ベース部36と、このベース部36に連続する脚部37と、脚部37に連続する載置部38を有している。
【0019】
ベース部36は、略直方体に形成されており、平面36aを有している。このベース部36の平面36aには、軸受部34が設けられている。脚部37には、操作スイッチ39と、ケーブルを介して撮像措置とカメラ支持装置1を電気的に接続するための接続端子(不図示)が設けられている。操作スイッチとしては、例えば、ズームボタンや録画ボタンなどを挙げることができる。載置部38は、ベース部36に対向しており、地面や机などの載置面に当接する。
【0020】
第2の支持脚32は、略L字状に形成されており、脚部41と、この脚部41に連続する載置部42を有している。脚部41は、第1の支持脚31のベース部36に回動可能に連結されている。載置部42は、脚部41に対して傾斜しており、地面や机などの載置面に当接する。
【0021】
第3の支持脚33は、第2の支持脚32と同一の形状を有しており、第1の支持脚31のベース部36に回動可能に連結される脚部43と、この脚部41に連続して傾斜する載置部44を有している。
【0022】
軸受部34は、第2の回動部材3を回動可能に支持する。この軸受部34は、第2の回動部材3の第1のアーム部21と第2のアーム部22によって挟まれている。この軸受部34については、後で図2を参照して詳しく説明する。
【0023】
[ロック機構]
次に、ロック機構5について、図2を参照して説明する。
図2は、カメラ支持装置1の分解斜視図である。
【0024】
ロック機構5は、第1の噛合い部51と、第2の噛合い部52と、操作部材53から構成されている。第1の噛合い部51は、第1のアーム部21及び第2のアーム部22と、第1の回動部材2の軸受部12との接触面にセレーションを形成することによって設けられている。第2の噛合い部52は、第2のアーム部22と、支持部材4の軸受部34との接触面にセレーションを形成することによって設けられている。
【0025】
まず、第1の回動部材2の軸受部12について説明する。
軸受部12には、固定台11の短手方向に貫通する円形の軸受孔12aが設けられている。この軸受孔12aには、第1のアーム部21及び第2のアーム部22の後述する第1の突出軸25aが摺動可能に嵌合される。
【0026】
また、軸受部12には、第1の噛合い部51の一部を構成するセレーション12b,12cが設けられている。これらセレーション12b,12cは、軸受孔12aの両方の開口の周囲にそれぞれ形成されており、軸受孔12aの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。セレーション12b,12cは、同一の形状に形成されている。つまり、セレーション12bとセレーション12cは、凸部の幅と、凹部(溝)の深さが同一になっている。
【0027】
次に、支持部材4の軸受部34について説明する。
軸受部34には、ベース部36の短手方向に貫通する軸受孔34aが設けられている。この軸受孔34aには、第1のアーム部21及び第2のアーム部22の後述する第2の突出軸25bが摺動可能に嵌合される。軸受部34の軸方向(ベース部36の短手方向)の長さは、軸受部12の軸方向(固定台11の短手方向)の長さと略同一に設定されている。
【0028】
また、軸受部34には、第2の噛合い部52の一部を構成するセレーション34bが設けられている。このセレーション34bは、軸受孔34aの一方の開口の周囲に形成されており、軸受孔34aの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。セレーション34bは、軸受部12のセレーション12b,12cと同一の形状に形成されている。つまり、セレーション34b凸部の幅及び凹部(溝)の深さは、セレーション12b,12cの凸部の幅及び凹部(溝)の深さと同一になっている。
【0029】
次に、第2の回動部材3の第1のアーム部21について説明する。
第1のアーム部21は、細長の略長方形に形成されおり、第2のアーム部22に対向する内側面21aと、この内側面21aの反対側の外側面21bを有している。この第1のアーム部21の略中央部には、内側面21aと外側面21bを貫通する貫通孔24が設けられている。この貫通孔24には、操作部材53の締付け用ねじ55が挿通される。
【0030】
第1のアーム部21の内側面21aには、第1の突出軸25aと、第2の突出軸25bと、セレーション26が設けられている。第1の突出軸25aは、第1のアーム部21の長手方向の一端に設けられている。この第1の突出軸25aは、第1のアーム部21の内側面21aから略垂直に突出する円柱状に形成されている。第1の突出軸25aは、第1の回動部材2の軸受孔12aに摺動可能に嵌合される。
【0031】
第2の突出軸25bは、第1のアーム部21の長手方向の他端に設けられている。この第2の突出軸25bは、第1の突出軸25aと同様に、第1のアーム部21の内側面21aから略垂直に突出する円柱状に形成されている。第2の突出軸25bは、支持部材4の軸受孔34aに摺動可能に嵌合される。
【0032】
セレーション26は、第1の突出軸25aの周囲に形成されており、第1の突出軸25aの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。このセレーション26は、軸受部12のセレーション12bに噛合う。セレーション26は、軸受部12のセレーション12b,12cと同一の形状に形成されている。
【0033】
次に、第2の回動部材3の第2のアーム部22について説明する。
第2のアーム部22は、第1のアーム部21と同じ細長の略長方形に形成されている。この第2のアーム部22は、第1のアーム部21に対向する内側面22aと、この内側面22aの反対側の外側面22bを有している。
【0034】
第2のアーム部22の内側面22aには、ねじ螺合部28と、第1の突出軸29aと、第2の突出軸29bと、セレーション30aと、セレーション30bが設けられている。ねじ螺合部28は、内側面22aの中央部から略垂直に突出しており、内側面22aに直交するねじ孔(不図示)を有している。このねじ孔には、操作部材53の締付け用ねじ55が螺合される。ねじ螺合部28の内側面22aから突出する長さL(以下、「突出長L」という)は、軸受部12,34の軸方向の長さと略同一に設定されている。
【0035】
第1の突出軸29aは、第2のアーム部22の長手方向の一端に設けられている。この第1の突出軸29aは、第2のアーム部22の内側面22aから略垂直に突出する円柱状に形成されている。第1の突出軸29aは、第1の回動部材2の軸受孔12aに摺動可能に嵌合される。
【0036】
第2の突出軸29bは、第2のアーム部22の長手方向の他端に設けられている。この第2の突出軸29bは、第1の突出軸29aと同様に、第2のアーム部22の内側面22aから略垂直に突出する円柱状に形成されている。第2の突出軸29bは、支持部材4の軸受孔34aに摺動可能に嵌合される。
【0037】
セレーション30aは、第1の突出軸29aの周囲に形成されており、第1の突出軸29aの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。このセレーション30aは、軸受部12のセレーション12cに噛合う。セレーション30aは、軸受部12のセレーション12b,12cと同一の形状に形成されている。
【0038】
セレーション30bは、第2の突出軸29bの周囲に形成されており、第2の突出軸29bの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。このセレーション30bは、軸受部34のセレーション34bに噛合う。セレーション30bは、軸受部34のセレーション34bと同一の形状に形成されている。つまり、セレーション12b,12c,26,30a,30b,34bは、全て同一の形状になっている。
【0039】
第1の回動部材2の軸受孔12aと、支持部材4の軸受孔34aには、付勢部材の一具体例を示す圧縮コイルばね58A,58Bがそれぞれ配置されている。圧縮コイルばね58Aは、第1及び第2のアーム部21,22の第1の突出軸25a,29aに押圧されて圧縮される。圧縮コイルばね58Bは、第1及び第2のアーム部21,22の第2の突出軸25b,29bに押圧されて圧縮される。つまり、圧縮コイルばね58A,58Bは、第1のアーム部21と第2のアーム部22を、これらが互いに離反する方向に付勢する。
【0040】
操作部材53は、第1のアーム部21と第2のアーム部22との間の距離を変化させる。この操作部材53は、締付け用ねじ55と、締付け用ねじ55の基端部に設けられた回動操作用ノブ56からなっている。締付け用ねじ55は、第1のアーム部21の貫通孔24を貫通して第2のアーム部22のねじ螺合部28に螺合される。
【0041】
締付け用ねじ55をねじ螺合部28に螺合させると、第1のアーム部21と第2のアーム部22は、互いに接近する。そして、ねじ螺合部28が第1のアーム部21の内側面21aに当接すると、第1のアーム部21及び第2のアーム部22は、軸受部12と軸受部34を締付ける。一方、締付け用ねじ55をねじ螺合部28から外す方向に回転させると、第1のアーム部21と第2のアーム部22が互いに離反し、軸受部12と軸受部34への締め付けが緩められる。
【0042】
[噛合い部の噛合いの深さ]
次に、第1の噛合い部51及び第2の噛合い部52の噛合いの深さについて、図3を参照して説明する。
図3は、カメラ支持装置1の第1の噛合い部51及び第2の噛合い部52を示す説明図である。
【0043】
第1の噛合い部51は、セレーション12bとセレーション26によって構成される第1のアーム側噛合い部51Aと、セレーション12cとセレーション30aによって構成される第2のアーム側噛合い部51Bからなる。第1のアーム側噛合い部51Aと第2のアーム側噛合い部51Bのそれぞれの噛合いの深さは、h(以下、「噛合い深さh」という)になっている。したがって、第1の噛合い部51全体の噛合いの深さは、噛合い深さ2hになる。
【0044】
一方、第2の噛合い部52は、セレーション34bとセレーション30bから構成されている。これにより、第2の噛合い部52の噛合いの深さは、噛合い深さhになる。したがって、第2の噛合い部52は、第1の噛合い部51よりも噛合いの深さが浅くなっている(h<2h)。
【0045】
締付け用ねじ55をねじ螺合部28に螺合させ、ねじ螺合部28が第1のアーム部21の内側面21aに当接させると、第1の噛合い部51と第2の噛合い部52がそれぞれ噛合った状態になる。その結果、第1の回動部材2と第2の回動部材3の回動がそれぞれ固定される。
【0046】
第1及び第2の回動部材2,3の回動が固定された状態から、締付け用ねじ55が外れる方向に操作部材53を回転させると、第1のアーム部21と第2のアーム部22が互いに離反する。そして、第1のアーム部21と第2のアーム部22がねじ螺合部28の突出長Lよりも所定の距離L1(L1<h)だけ離れると、第2の噛合い部52におけるセレーション30bの凸部がセレーション34bの凸部を乗り越えられるようになる。
【0047】
その結果、第2の回動部材3の固定が解除され、第2の回動部材3の回動が可能になる。このとき、第1の噛合い部51におけるセレーション26,30aの凸部は、セレーション12b,12cの凸部を乗り越えられない。したがって、第1の回動部材2の固定は解除されず、第2の回動部材3の固定のみが解除される。
【0048】
その後、さらに締付け用ねじ55を外す方向に回転させると、第1のアーム部21と第2のアーム部22がさらに離反する。そして、第1及び第2のアーム部21,22が突出長Lよりも所定の距離L2(L1<L2<2h)だけ離れると、第1の噛合い部51におけるセレーション26,30aの凸部がセレーション12b,12cの凸部を乗り越えられるようになる。その結果、第1の回動部材2の固定が解除され、第1の回動部材2の回動が可能になる。つまり、第1の回動部材2と第2の回動部材3の両方の固定が解除される。
【0049】
[撮像装置の角度調整]
次に、カメラ支持装置1によって支持した撮像装置の角度調整について、図4を参照して説明する。
図4(a)は、カメラ支持装置1によってビデオカメラ301を支持した状態の説明図である。図4(b)は、図4(a)に示す状態から第2の回動部材3を前方に回動させた状態の説明図である。
【0050】
図4(a)に示す状態では、第1の回動部材2及び第2の回動部材3が固定されており、第1の回動部材2に固定されたビデオカメラ301の姿勢が安定している。この状態から、ビデオカメラ301の角度を調整するには、操作部材53の締付け用ねじ55(図2参照)を外す方向に回転させる。
【0051】
その結果、まず、第2の回動部材3の固定のみが解除される。したがって、使用者は、第2の回動部材3のみを回動させてビデオカメラ301の角度を調整することができる。このとき、第1の回動部材2の固定は解除されていないため、ビデオカメラ301を把持して角度を調整しても、第1の回動部材2が回動することはない。そのため、ビデオカメラ301の角度を容易に調整することができる。
【0052】
例えば、ビデオカメラ301を把持して前方に倒すと、第2の回動部材が前方に回動され、図4(b)に示す状態にすることができる。その後、操作部材53の締付け用ねじ55(図2参照)を螺合させ、ねじ螺合部28が第1のアーム部21の内側面21aに当接させると、再び第2の回動部材3が固定される。その結果、カメラ支持装置1は、図4(b)に示す角度でビデオカメラ301を安定して支持することができる。
【0053】
[カメラ支持装置の使用例]
次に、カメラ支持装置1の使用例について、図5を参照して説明する。
図5(a)は、図4(b)に示す状態から第1の回動部材と第2の回動部材を回動させた状態の説明図である。図5(b)は、第1の回動部材と第2の回動部材を折り畳んだ状態の説明図である。
【0054】
カメラ支持装置1では、第1の回動部材2と第2の回動部材3を同時に回動させることもできる。第1の回動部材2と第2の回動部材3を同時に回動させる場合は、撮像装置(ビデオカメラ301)を第1の回動部材2から取り外して行うことが好ましい。
【0055】
第1の回動部材2と第2の回動部材3を回動させることにより、撮像装置の姿勢と位置を使用状況に応じて変更することができる。例えば、図4(b)に示す状態から、第1の回動部材2を第2の回動部材3に重なるように回動させ、第2の回動部材3を前方に回動させると、撮像装置を支持部材4の略中心に配置させることができる(図5(a)参照)。
【0056】
また、図5(a)に示す状態から、さらに第1の回動部材2及び第2の回動部材3を回動させると、第1の回動部材と第2の回動部材を折り畳んだ状態にすることができる(図5(b)参照)。この状態では、第1の回動部材2及び第2の回動部材3が略直方体を形成し、カメラ支持装置の外形を小さくすることができる。その結果、カメラ支持装置1を携帯性の良い形状にすることができる。
【0057】
なお、所望の姿勢に回動させた第1の回動部材2及び第2の回動部材3を固定するには、操作部材53の締付け用ねじ55(図2参照)をねじ螺合部28に螺合させ、第1のアーム部21と第2のアーム部22を互いに接近させる。これにより、まず、第1の噛合い部51におけるセレーション26,30aの凸部がセレーション12b,12cの凸部を乗り越えられなくなる。その結果、第1の回動部材2が固定される。
【0058】
その後、さらに締付け用ねじ55をねじ螺合部28に螺合させると、第1のアーム部21と第2のアーム部22がさらに接近する。その結果、セレーション30bの凸部がセレーション34bの凸部を乗り越えられなくなり、第2の回動部材3が固定される。
【0059】
[第1の実施の形態の効果]
このように、カメラ支持装置1では、操作部材53によって第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除を行うことができ、且つ、第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除に時差を生じさせることができる。その結果、支持した撮像装置の角度の調整を容易に行うことができる。
【0060】
また、カメラ支持装置1では、圧縮コイルばね58A,58Bが、第1のアーム部21と第2のアーム部22を互いに離反させる方向に付勢する。そのため、操作部材53の締付け用ねじ55(図2参照)を外す方向に回転させると、第1のアーム部21と第2のアーム部22を確実に離反させることができる。その結果、第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除に確実に時差を生じさせることができる。
【0061】
〈2.第2の実施の形態〉
[カメラ支持装置]
次に、本発明のカメラ支持装置の第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明のカメラ支持装置の第2の実施の形態に係る噛合い部を示す説明図である。
【0062】
第2の実施の形態を示すカメラ支持装置60は、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様な構成を有しており、異なるところは、第1の噛合い部61及び第2の噛合い部62のみである。そのため、ここでは、第1の噛合い部61及び第2の噛合い部62について説明し、カメラ支持装置1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0063】
カメラ支持装置60の第1の噛合い部61は、第1の回動部材2の軸受部12に設けられた高セレーション63と、第1のアーム部21の内側面21aに設けられた高セレーション64から構成されている。この第1の噛合い部61の噛合いの深さは、h(以下、「噛合い深さh」という)になっている。
【0064】
一方、第2の噛合い部62は、支持部材4の軸受部34に設けられた低セレーション65と、第1のアーム部21の内側面21aに設けられた低セレーション66から構成されている。この第2の噛合い部62の噛合いの深さは、h(以下、「噛合い深さh」という)になっている。この噛合い深さhは、第1の噛合い部61における噛合い深さhよりも浅くなっている(h<h)。
【0065】
例えば、第1及び第2の回動部材2,3が固定された状態から、締付け用ねじ55(図2参照)が外れる方向に操作部材53を回転させる。このとき、まず、第2の噛合い部62における低セレーション66の凸部が、低セレーション65の凸部を乗り越えられるようになる。その結果、第2の回動部材3の固定のみが解除され、第2の回動部材3の回動が可能になる。
【0066】
その後、さらに締付け用ねじ55が外れる方向に操作部材53を回転させると、第1の噛合い部61における高セレーション64の凸部が高セレーション63の凸部を乗り越えられるようになる。その結果、第1の回動部材2の固定が解除され、第1及び第2の回動部材2,3の回動が可能になる。
【0067】
このようなカメラ支持装置60によれば、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様の効果を得ることができる。つまり、操作部材53によって第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除を行なうことができ、且つ、第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除に時差を生じさせることができる。
【0068】
〈3.第3の実施の形態〉
[カメラ支持装置]
次に、本発明のカメラ支持装置の第3の実施の形態について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明のカメラ支持装置の第3の実施の形態に係る噛合い部を示す説明図である。
【0069】
第3の実施の形態を示すカメラ支持装置70は、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様な構成を有しており、異なるところは、第1の噛合い部71及び第2の噛合い部72のみである。そのため、ここでは、第1の噛合い部71及び第2の噛合い部72について説明し、カメラ支持装置1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0070】
カメラ支持装置70の第1の噛合い部71は、第1のアーム側噛合い部71Aと、第2のアーム側噛合い部71Bからなる。第1のアーム側噛合い部71Aは、第1の回動部材2の軸受部12に設けられた高セレーション73aと、第1のアーム部21の内側面21aに設けられた高セレーション74aから構成されている。
【0071】
第2のアーム側噛合い部71Bは、第1の回動部材2の軸受部12に設けられた高セレーション73bと、第2のアーム部22の内側面22aに設けられた高セレーション75aから構成されている。第1のアーム側噛合い部71Aと第2のアーム側噛合い部71Bのそれぞれの噛合いの深さは、噛合い深さhになっている。したがって、第1の噛合い部71全体の噛合いの深さは、2hになる。
【0072】
第2の噛合い部72は、第1のアーム側噛合い部72Aと、第2のアーム側噛合い部72Bからなる。第1のアーム側噛合い部72Aは、支持部材4の軸受部34に設けられた低セレーション76aと、第1のアーム部21の内側面21aに設けられた低セレーション74bから構成されている。
【0073】
第2のアーム側噛合い部72Bは、支持部材4の軸受部34に設けられた低セレーション76bと、第2のアーム部22の内側面22aに設けられた低セレーション75bから構成されている。第1のアーム側噛合い部72Aと第2のアーム側噛合い部72Bのそれぞれの噛合いの深さは、噛合い深さhよりも浅い噛合い深さhなっている(h<h)。したがって、第2の噛合い部72全体の噛合いの深さは、2hになる。
【0074】
つまり、カメラ支持装置70の第1の噛合い部71と第2の噛合い部72の噛合いの深さの差は、第2の実施の形態のカメラ支持装置60に係る噛合いの深さの差の2倍になる。この噛合いの深さの差が大きくすれば、第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除における時差を長くすることができる。
【0075】
第1及び第2の回動部材2,3が固定された状態から、締付け用ねじ55(図2参照)が外れる方向に操作部材53を回転させると、まず、第2の回動部材3の固定のみが解除され、第2の回動部材3の回動が可能になる。つまり、第2の噛合い部72における低セレーション74b,75bの凸部が低セレーション76a,76bの凸部を乗り越えられるようになる。
【0076】
その後、さらに締付け用ねじ55が外れる方向に操作部材53を回転させると、第1の回動部材2の固定が解除され、第1及び第2の回動部材2,3の回動が可能になる。つまり、第1の噛合い部71における高セレーション74a,75aの凸部が高セレーション73a,73bの凸部を乗り越えられるようになる。
【0077】
このようなカメラ支持装置70によれば、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様の効果を得ることができる。つまり、操作部材53によって第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除を行なうことができ、且つ、第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除に時差を生じさせることができる。
【0078】
〈4.第4の実施の形態〉
[カメラ支持装置]
次に、本発明のカメラ支持装置の第4の実施の形態について、図8を参照して説明する。
図8は、本発明のカメラ支持装置の第4の実施の形態に係る噛合い部を示す説明図である。
【0079】
第4の実施の形態を示すカメラ支持装置80は、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様な構成を有しており、異なるところは、噛合い部81のみを設けたところである。そのため、ここでは、噛合い部81について説明し、カメラ支持装置1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0080】
カメラ支持装置80の噛合い部81は、第1の回動部材2の軸受部12に設けられたセレーション83と、第2のアーム部22の内側面22aに設けられたセレーション84から構成されている。この噛合い部81の噛合いの深さは、噛合い深さhになっている。
【0081】
一方、支持部材4の軸受部34と、第1及び第2のアーム部21,22との接触面には、噛合い部が形成されていない。したがって、第2の回動部材3は、第1及び第2のアーム部21,22と軸受部34との接触面に生じる摩擦抵抗によって固定されている。
【0082】
第1及び第2の回動部材2,3が固定された状態から、締付け用ねじ55(図2参照)が外れる方向に操作部材53を回転させると、まず、第1及び第2のアーム部21,22が軸受部34から離れる。その結果、第2の回動部材3の固定のみが解除され、第2の回動部材3の回動が可能になる。
【0083】
その後、さらに締付け用ねじ55が外れる方向に操作部材53を回転させると、噛合い部81におけるセレーション84の凸部がセレーション83の凸部を乗り越えられるようになる。その結果、第1の回動部材2の固定が解除され、第1及び第2の回動部材2,3の回動が可能になる。
【0084】
このようなカメラ支持装置80によれば、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様の効果を得ることができる。つまり、操作部材53によって第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除を行なうことができ、且つ、第1の回動部材2と第2の回動部材3の固定及び解除に時差を生じさせることができる。
【0085】
本実施の形態では、第1の回動部材2の軸受部12と第2のアーム部22の内側面22aに設けたセレーション83,84から噛合い部81を構成した。しかしながら、噛合い部81としては、第1のアーム部21及び第2のアーム部22の少なくとも一方と軸受部12との互いの接触面にセレーションを設けて構成すればよい。また、噛合い部は、
【0086】
また、噛合い部としては、第1のアーム部21及び第2のアーム部22の少なくとも一方と支持部材4の軸受部34との互いの接触面にセレーションを設けて構成することもできる。その場合は、第1の回動部材2の固定が先に解除され、その後、第2の回動部材3の固定が解除される。
【0087】
〈5.第5の実施の形態〉
[カメラ支持装置]
次に、本発明のカメラ支持装置の第4の実施の形態について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、本発明のカメラ支持装置の第4の実施の形態を示す断面図である。図10は、本発明のカメラ支持装置の第4の実施の形態の断面図である。
【0088】
第5の実施の形態を示すカメラ支持装置90は、第2の実施の形態のカメラ支持装置60と同様な構成を有しており、異なるところは、第2の回動部材93のみである。そのため、ここでは、第2の回動部材93について説明し、カメラ支持装置60と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0089】
第2の回動部材93は、第1のアーム部94と、第2のアーム部95からなっている。これら第1のアーム部94と第2のアーム部95が第1の回動部材2の軸受部12に回動可能に係合することにより、第1の回動部材2が第2の回動部材93に回動可能に支持されている。
【0090】
第1のアーム部94は、細長の略長方形に形成されおり、第2のアーム部95に対向する内側面94aと、この内側面95aの反対側となる外側面94bを有している。第1のアーム部94の外側面94bには、凹部96が設けられている。この凹部96は、内側面94aの中央に設けられており、円形に形成されている。また、凹部96には、操作部材53の締付け用ねじ55が貫通する貫通孔98が開口されている。
【0091】
第1のアーム部94の内側面94aには、嵌合突部101と、第1の突出軸102aと、第2の突出軸102bと、高セレーション64と、低セレーション66が設けられている。
【0092】
嵌合突部101は、内側面95aから略垂直に突出する円筒状に形成されている。嵌合突部101の筒孔101aは、貫通孔98に連通している(図10参照)。また、嵌合突部101の内面には、抜け止め片101bが設けられている。この抜け止め片101bは、第2のアーム部95の後述する筒状突起105に摺動可能に係合する。
【0093】
第1の突出軸102aは、第1のアーム部94の長手方向の一端に設けられている。この第1の突出軸102aは、第1のアーム部94の内側面94aから略垂直に突出する円柱状に形成されている。第1の突出軸102aは、第1の回動部材2の軸受孔12aに摺動可能に嵌合される(図10参照)。また、第1の突出軸102aには、圧縮コイルばね58Aが挿入される凹部103が設けられている。
【0094】
第2の突出軸102bは、第1のアーム部94の長手方向の他端に設けられている。この第2の突出軸102bは、第1の突出軸102aと同様に、第1のアーム部94の内側面94aから略垂直に突出する円柱状に形成されている。第2の突出軸102bは、支持部材4の軸受孔34aに摺動可能に嵌合される(図10参照)。また、第2の突出軸102bには、圧縮コイルばね58Bが挿入される凹部104が設けられている。
【0095】
高セレーション64は、第1の突出軸102aの周囲に形成されており、第1の突出軸102aの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。この高セレーション64は、軸受部12の高セレーション63に噛合う。つまり、第1の噛合い部61は、高セレーション64と、高セレーション63から構成されている。
【0096】
低セレーション66は、第2の突出軸102bの周囲に形成されており、第2の突出軸102bの半径方向に延びる凸部と凹部からなっている。この低セレーション66は、軸受部34の低セレーション65に噛合う。つまり、第2の噛合い部62は、低セレーション65と、低セレーション66から構成されている。
【0097】
第2のアーム部95は、第1のアーム部94と同じ細長の略長方形に形成されている。この第2のアーム部95は、第1のアーム部94に対向する内側面95aと、この内側面95aの反対側となる外側面95bを有している。第2のアーム部95の内側面95aには、筒状突起105と、第1の突出軸106aと、第2の突出軸106bが設けられている。
【0098】
筒状突起105は、内側面95aの中央部から略垂直に突出しており、略円筒状に形成されている。この筒状突起105の筒孔105aには、操作部材53の締付け用ねじ55が貫通される。筒状突起105は、内側面95aに連続する基端部105bと、この基端部105bに連続する係合周面部105cと、この係合周面部105cに連続する係止部105dを有している。
【0099】
係合周面部105cは、基端部105bよりも直径の小さい円筒状に形成されている、この係合周面部105cには、第1のアーム部94の抜け止め片101bが摺動可能に係合される。抜け止め片101bが係合周面部105cに摺動可能に係合されることにより、第1のアーム部94は、第2のアーム部95と連結した状態で内側面94aに直交する方向へ移動可能になっている。
【0100】
係止部105dは、基端部105bよりも直径が小さく、係合周面部105cよりも直径が大きい環状に形成されている。この係止部105dは、第1のアーム部94の抜け止め片101bに係合し、第1のアーム部94が第2のアーム部95から抜けることを防止している。つまり、第1のアーム部94の移動可能な範囲は、係合周面部105cの軸方向の長さになる。
【0101】
第1の突出軸106aは、第2のアーム部95の長手方向の一端に設けられており、第2のアーム部95の内側面95aから略垂直に突出する円筒状に形成されている。この第1の突出軸106aは、第1の回動部材2の軸受孔12aに摺動可能に嵌合される。第1の突出軸106aの筒孔107には、第2のアーム部95と第1の回動部材2を連結する連結用ねじ121Aが貫通される。
【0102】
第2の突出軸106bは、第2のアーム部22の長手方向の他端に設けられており、第2のアーム部95の内側面95aから略垂直に突出する円筒状に形成されている。この第2の突出軸106bは、支持部材4の軸受孔34aに摺動可能に嵌合される。第2の突出軸106bの筒孔108には、第2のアーム部95と支持部材4を連結する連結用ねじ121Bが貫通される。
【0103】
第2のアーム部95の外側面95bには、ナット用凹部111,112,113が設けられている(図10を参照)。ナット用凹部111は、筒状突起105に対向する位置に設けられており、筒状突起105の筒孔105aに連通している。このナット用凹部111には、ナット115が接着剤などの固定方法によって固定されている。このナット115には、操作部材53の締付け用ねじ55が螺合される。
【0104】
ナット用凹部112は、第1の突出軸106aに対向する位置に設けられており、第1の突出軸106aの筒孔107に連通している。このナット用凹部112には、ナット116Aが接着剤などの固定方法によって固定されている。ナット116Aには、連結用ねじ121Aが螺合される。
【0105】
ナット用凹部113は、第2の突出軸106bに対向する位置に設けられており、第2の突出軸106bの筒孔108に連通している。このナット用凹部113には、ナット116Bが接着剤などの固定方法によって固定されている。ナット116Bには、連結用ねじ121Bが螺合される。
【0106】
図10に示すように、第1の回動部材2の軸受部12には、ねじ固定部124が設けられている。このねじ固定部124は、軸受孔12aを形成する内面に連続して形成されている。このねじ固定部124には、連結用ねじ121Aを貫通させる貫通孔が設けられている。
【0107】
連結用ねじ121Aは、ねじ固定部124及び第1の突出軸106aを貫通してナット116Aに螺合される。この連結用ねじ121Aの頭部とねじ固定部124との間には、ウェーブワッシャ127Aと、平ワッシャ128Aが介在される。これにより、第1の回動部材2は、第2のアーム部95に回転可能に連結される、そして、第1の回動部材2の回転動作には、適当な抵抗力が生じるようになっている。
【0108】
支持部材4の軸受部34には、ねじ固定部125が設けられている。このねじ固定部125は、軸受孔12aを形成する内面に連続して形成されている。このねじ固定部125には、連結用ねじ121Bを貫通させる貫通孔が設けられている。
【0109】
連結用ねじ121Bは、ねじ固定部125及び第2のアーム部95の第2の突出軸106bを貫通してナット116Bに螺合される。この連結用ねじ121Bの頭部とねじ固定部125との間には、ウェーブワッシャ127Bと、平ワッシャ128Bが介在される。これにより、第2のアーム部95は、支持部材4に回転可能に連結される、そして、第2のアーム部95の回転動作には、適当な抵抗力が生じるようになっている。
【0110】
圧縮コイルばね58Aの一端は、第1のアーム部94に当接し、他端は連結用ねじ121Aの頭部に当接する。また、圧縮コイルばね58Bの一端は、第1のアーム部94に当接し、他端は連結用ねじ121Bの頭部に当接する。第1のアーム部94は、圧縮コイルばね58A,58Bによって第2のアーム部22から離れる方向へ付勢される。
【0111】
このようなカメラ支持装置90によれば、第1の実施の形態のカメラ支持装置1と同様の効果を得ることができる。つまり、操作部材53によって第1の回動部材2と第2の回動部材93の固定及び解除を行なうことができ、且つ、第1の回動部材2と第2の回動部材93の固定及び解除に時差を生じさせることができる。
【0112】
また、カメラ支持装置90の第2のアーム部95は、第1の回動部材2と支持部材4にそれぞれ適当な抵抗力を持たせて回動可能に連結されている。そのため、第1の回動部材2及び第2の回動部材93を回動させるときに、良好な操作感を得ることができる。さらに、第1の回動部材2及び第2の回動部材93の固定を解除したときに、第1の回動部材2及び第2の回動部材93が自然に回動してしまうことを防止することができる。
【0113】
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、噛合い部を構成するセレーションの溝の深さや、セレーションを形成する部位は、適宜設定することができる。
【0114】
また、上述した実施の形態では、第1の噛合い部の噛合いの深さを第2の噛合い部の噛合いの深さよりも深くしたが、第1の噛合い部の噛合いの深さを第2の噛合い部の噛合いの深さよりも浅くしてもよい。その場合は、第1の回動部材の固定が先に解除され、その後、第2の回動部材の固定が解除される。
【符号の説明】
【0115】
1…カメラ支持装置、 2…第1の回動部材、 3…第2の回動部材、 4…支持部材、 5…ロック機構、 11…固定台、 12…軸受部、 12a…軸受孔、 12b,12c,26,30a,30b,34b…セレーション、 21…第1のアーム部、 22…第2のアーム部、 34…軸受部、 51…第1の噛合い部、 51A…第1のアーム側噛合い部、 51B…第2のアーム側噛合い部、 52…第2の噛合い部、 53…操作部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置が固定される第1の回動部材と、
前記第1の回動部材を挟む第1のアーム部及び第2のアーム部を有し、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部によって前記第1の回動部材を回動可能に支持する第2の回動部材と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部に挟まれ、前記第2の回動部材を回動可能に支持する支持部材と、
前記第1のアーム部と前記第2のアーム部との間の距離を変化させる操作部材と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の少なくとも一方と前記第1の回動部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなる第1の噛合い部と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の少なくとも一方と前記支持部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなり、前記第1の噛合い部とは異なる噛合いの深さに設定された第2の噛合い部と、
を備えるカメラ支持装置。
【請求項2】
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の少なくも一方を付勢し、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部とを離反させる付勢部材を備える
請求項1記載のカメラ支持装置。
【請求項3】
前記第1の噛合い部は、前記第2の噛合い部よりも前記噛合いの深さが深い
請求項2記載のカメラ支持装置。
【請求項4】
前記第1の噛合い部は、前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の両方と前記第1の回動部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなり、
前記第2の噛合い部は、前記第1のアーム部又は前記第2のアーム部の一方と前記支持部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなり、
前記第1の噛合い部のセレーションは、前記第2の噛合い部のセレーションと同じ形状である
請求項3記載のカメラ支持装置。
【請求項5】
前記第1の噛合い部のセレーションは、前記第2の噛合い部のセレーションよりも溝が深い
請求項3記載のカメラ支持装置。
【請求項6】
前記第1の噛合い部は、前記第1のアーム部と前記第1の回動部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなり、
前記第2の噛合い部は、前記第1のアーム部と前記支持部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなり、
前記第2のアーム部は、前記第1の回動部材と前記支持部材にそれぞれ回動可能に連結される
請求項5記載のカメラ支持装置。
【請求項7】
撮像装置が固定される第1の回動部材と、
前記第1の回動部材を挟む第1のアーム部及び第2のアーム部を有し、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部によって前記第1の回動部材を回動可能に支持する第2の回動部材と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部に挟まれ、前記第2の回動部材を回動可能に支持する支持部材と、
前記第1のアーム部と前記第2のアーム部との間の距離を変化させる操作部材と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の少なくとも一方と前記第1の回動部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなる噛合い部と、
を備えるカメラ支持装置。
【請求項8】
撮像装置が固定される第1の回動部材と、
前記第1の回動部材を回動可能に挟持する第1のアーム部及び第2のアーム部を有する第2の回動部材と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部に挟まれることにより、前記第2の回動部材を回動可能に支持する支持部材と、
前記第1のアーム部と前記第2のアーム部との間の距離を変化させる操作部材と、
前記第1のアーム部及び前記第2のアーム部の少なくとも一方と前記支持部材との互いの接触面に形成されたセレーションからなる噛合い部と、
を備えるカメラ支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−204381(P2010−204381A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49686(P2009−49686)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】