説明

カメラ本体、撮像装置、カメラ本体の制御方法、プログラムおよびプログラムを記録した記録媒体

【課題】より3次元撮影に適したカメラ本体を提供する。
【解決手段】カメラ本体100は、ボディマウント150と、識別情報取得部142と、カメラ側判定部144と、機能制限部127と、を備えている。カメラ側判定部144は、レンズ識別情報F1に基づいて、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定する。機能制限部127は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示されている技術は、交換レンズユニットを装着可能なカメラ本体および撮像装置に関する。また、ここに開示されている技術は、カメラ本体の制御方法、プログラムおよびプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置として、例えばレンズ交換式のデジタルカメラが知られている。レンズ交換式のデジタルカメラは、交換レンズユニットと、カメラ本体と、を備えている。このカメラ本体は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーなどの撮像素子を有している。撮像素子は交換レンズユニットで形成された光学像を画像信号に変換する。こうして、被写体の画像データを取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−274214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、いわゆる3次元表示用のディスプレイの開発が進められている。それに伴い、いわゆるステレオ画像データ(左眼用画像および右眼用画像を含む3次元表示用の画像データ)を生成するデジタルカメラの開発も進められている。
【0005】
しかし、視差を有するステレオ画像を生成するためには、3次元撮影用の光学系(以下、3次元光学系とも言う)を用いる必要がある。
【0006】
そこで、3次元光学系が搭載された交換レンズユニットの開発が進められている。3次元光学系は、例えば左眼用光学系および右眼用光学系を有している。撮像素子上には、左眼用光学系により左眼用光学像が形成され、右眼用光学系により右眼用光学像が形成される。左眼用および右眼用光学像は撮像素子上に左右に並んで配置されており、これら2つの光学像に基づいてステレオ画像の生成が行われる。
【0007】
しかし、ステレオ画像に含まれる左眼用画像および右眼用画像の間には、視差が存在するので、2次元撮影で行っている画像処理および表示処理を3次元撮影でも行うと、適正なステレオ画像の生成あるいは適正な立体視が妨げられる可能性がある。
【0008】
ここに開示される技術は、より3次元撮影に適したカメラ本体および撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここに開示されるカメラ本体は、交換レンズユニットを装着可能なカメラ本体であって、ボディマウントと、識別情報取得部と、カメラ側判定部と、機能制限部と、を備えている。ボディマウントは交換レンズユニットを装着可能に設けられている。識別情報取得部は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、ボディマウントに装着されている交換レンズユニットから取得可能である。カメラ側判定部は、レンズ識別情報に基づいて、ボディマウントに装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定する。機能制限部は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する。
【0010】
ここで、「撮影機能」には、撮影前、撮影時および撮影後のうち少なくとも1つの状況で使用できる機能が含まれ得る。したがって、「2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能」とは、2次元撮影前、2次元撮影時および2次元撮影後に使用できる機能を意味している。
【0011】
このカメラ本体では、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部により判定された場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用が3次元撮影において機能制限部により制限されるので、適正なステレオ画像の生成や適正な立体視に影響を及ぼしそうな機能の使用を制限することで、ステレオ画像の生成や立体視がそれらの機能の影響を受けにくくなる。
【0012】
また、このカメラ本体を有する撮像装置でも、ステレオ画像の生成や立体視がそれらの機能の影響を受けにくくなる。
【0013】
ここに開示される制御方法は、交換レンズユニットを装着可能なカメラ本体の制御方法であって、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、カメラ本体のボディマウントに装着されている交換レンズユニットから取得するステップと、レンズ識別情報に基づいて、ボディマウントに装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するステップと、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限するステップと、を備えている。
【0014】
ここに開示されるプログラムは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、カメラ本体のボディマウントに装着されている交換レンズユニットから取得する識別情報取得機能と、レンズ識別情報に基づいて、ボディマウントに装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するカメラ側判定機能と、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限機能と、をコンピュータに実現させる。
【0015】
ここに開示される記録媒体は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体であって、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、カメラ本体のボディマウントに装着されている交換レンズユニットから取得する識別情報取得機能と、レンズ識別情報に基づいて、ボディマウントに装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するカメラ側判定機能と、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限機能と、をコンピュータに実現させるプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0016】
したがって、上記の技術であれば、より3次元撮影に適したカメラ本体および撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】デジタルカメラ1の斜視図(第1実施形態)
【図2】カメラ本体100の斜視図(第1実施形態)
【図3】カメラ本体100の背面図(第1実施形態)
【図4】デジタルカメラ1の概略ブロック図(第1実施形態)
【図5】交換レンズユニット200の概略ブロック図(第1実施形態)
【図6】カメラ本体100の概略ブロック図(第1実施形態)
【図7】(A)レンズ識別情報F1の構成例、(B)レンズ特性情報F2の構成例、(C)レンズ状態情報F3の構成例
【図8】(A)カメラ本体および交換レンズユニットの間のタイムチャート(カメラ本体が3次元撮影に対応していない場合)、(B)カメラ本体および交換レンズユニットの間のタイムチャート(カメラ本体および交換レンズユニットが3次元撮影に対応している場合)
【図9】各パラメータの説明図(第1実施形態)
【図10】各パラメータの説明図(第1実施形態)
【図11】(A)第1メニュー情報の構成図、(B)第2メニュー情報の構成図
【図12】(A)2次元撮影のメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のメニュー画面の一例
【図13】(A)2次元撮影のメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のメニュー画面の一例
【図14】(A)通常撮影の説明図、(B)デジタルズーム機能の説明図
【図15】(A)テレコンバージョン機能の説明図、(B)テレコンバージョン機能の説明図
【図16】電源ON時のフローチャート(第1実施形態)
【図17】電源ON時のフローチャート(第1実施形態)
【図18】メニュー画面切替処理のフローチャート(第1実施形態)
【図19】2次元撮影時のフローチャート(第1実施形態)
【図20】3次元撮影時のフローチャート(第1実施形態)
【図21】(A)2次元撮影のメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のメニュー画面の一例
【図22】(A)2次元撮影のメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のメニュー画面の一例
【図23】カメラ本体400の背面図(第2実施形態)
【図24】デジタルカメラ1の概略ブロック図(第2実施形態)
【図25】カメラ本体400の概略ブロック図(第2実施形態)
【図26】(A)第1連写メニュー情報の構成図、(B)第2連写メニュー情報の構成図
【図27】(A)第1ブラケットメニュー情報の構成図、(B)第2ブラケットメニュー情報の構成図
【図28】(A)2次元撮影の連写モードのメニュー画面の一例、(B)3次元撮影の連写モードのメニュー画面の一例
【図29】(A)2次元撮影のブラケット撮影モードのメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のブラケット撮影モードのメニュー画面の一例
【図30】アスペクトブラケット撮影機能の説明図
【図31】(A)アスペクト比4:3の場合の抽出領域、(B)アスペクト比3:2の場合の抽出領域、(C)アスペクト比16:9の場合の抽出領域、(D)アスペクト比1:1の場合の抽出領域
【図32】電源ON時のフローチャート(第2実施形態)
【図33】電源ON時のフローチャート(第2実施形態)
【図34】メニュー画面切替処理のフローチャート(超高速連写モード)
【図35】メニュー画面切替処理のフローチャート(アスペクトブラケット撮影モード)
【図36】2次元撮影時のフローチャート(第2実施形態)
【図37】3次元撮影時のフローチャート(第2実施形態)
【図38】(A)2次元撮影のメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のメニュー画面の一例
【図39】(A)2次元撮影のメニュー画面の一例、(B)3次元撮影のメニュー画面の一例
【図40】(A)警告の表示例、(B)警告の表示例
【図41】メニュー画面切替処理のフローチャート(超高速連写モード)
【発明を実施するための形態】
【0018】
《第1実施形態》
〔デジタルカメラの構成〕
デジタルカメラ1は、3次元撮影が可能な撮像装置であり、レンズ交換式のデジタルカメラである。図1〜図3に示すように、デジタルカメラ1は、交換レンズユニット200と、交換レンズユニット200を装着可能なカメラ本体100と、を備えている。交換レンズユニット200は、3次元撮影に対応しているレンズユニットであり、被写体の光学像(左眼用光学像および右眼用光学像)を形成する。カメラ本体100は、2次元撮影および3次元撮影に対応可能であり、交換レンズユニット200により形成される光学像に基づいて画像データを生成する。カメラ本体100には、3次元撮影に対応している交換レンズユニット200の他に、3次元撮影に対応していない交換レンズユニットも取り付けることができる。つまり、カメラ本体100は2次元撮影にも3次元撮影にも対応している。
【0019】
なお、説明の便宜のため、デジタルカメラ1の被写体側を前、被写体と反対側を後ろまたは背、デジタルカメラ1の通常姿勢(以下、横撮り姿勢ともいう)における鉛直上側を上、鉛直下側を下ともいう。
【0020】
<1:交換レンズユニットの構成>
交換レンズユニット200は3次元撮影に対応しているレンズユニットである。本実施形態の交換レンズユニット200には、2つの光学像が左右1対の光学系により1つの撮像素子上に形成される並置撮影方式が採用されている。
【0021】
図1〜図4に示すように、交換レンズユニット200は、3次元光学系Gと、第1駆動ユニット271、第2駆動ユニット272、振れ量検出センサー275およびレンズコントローラー240を有している。さらに、交換レンズユニット200は、レンズマウント250、レンズ筒290、ズームリング213およびフォーカスリング234を有している。交換レンズユニット200をカメラ本体100に装着する際、レンズマウント250がカメラ本体100のボディマウント150(後述)に取り付けられる。図1に示すように、レンズ筒290の外部にはズームリング213とフォーカスリング234とが回転可能に設けられている。
【0022】
(1)3次元光学系G
図4および図5に示すように、3次元光学系Gは、並置撮影方式に対応した光学系であり、左眼用光学系OLと右眼用光学系ORとを有している。左眼用光学系OLと右眼用光学系ORとは左右に並んで配置されている。ここで、左眼用光学系とは、左側の視点に対応した光学系であり、具体的には、最も被写体側(前側)に配置されている光学素子が被写体に向かって左側に配置されている光学系をいう。同様に、右眼用光学系とは、右側の視点に対応した光学系であり、具体的には、最も被写体側(前側)に配置されている光学素子が被写体に向かって右側に配置されている光学系をいう。
【0023】
左眼用光学系OLは、被写体に向かって左側の視点から被写体を撮影するための光学系であり、ズームレンズ210L、OISレンズ220L、絞りユニット260Lおよびフォーカスレンズ230Lを含んでいる。左眼用光学系OLは、第1光軸AX1を有しており、右眼用光学系ORと左右に並んだ状態でレンズ筒290の内部に収容されている。
【0024】
ズームレンズ210Lは、左眼用光学系OLの焦点距離を変化させるためのレンズであり、第1光軸AX1と平行な方向に移動可能に配置されている。ズームレンズ210Lは1枚または複数枚のレンズで構成されている。ズームレンズ210Lは第1駆動ユニット271のズームモータ214L(後述)により駆動される。ズームレンズ210Lを第1光軸AX1と平行な方向に駆動することにより、左眼用光学系OLの焦点距離を調整することができる。
【0025】
OISレンズ220Lは、左眼用光学系OLで形成される光学像のCMOSイメージセンサー110(後述)に対する変位を抑制するためのレンズである。OISレンズ220Lは1枚または複数枚のレンズで構成される。OISモータ221Lは、OIS用IC223Lから送信される制御信号に基づいて、第1光軸AX1に垂直な面内で移動するようにOISレンズ220Lを駆動する。OISモータ221Lは、例えば、マグネット(図示せず)および平板コイル(図示せず)で実現可能である。OISレンズ220Lの位置は第1駆動ユニット271の位置検出センサー222L(後述)により検出される。
【0026】
なお、本実施形態では、振れ補正の方式として光学式が採用されているが、例えばCMOSイメージセンサー110で生成される画像データに補正処理を施す電子式、あるいは、CMOSイメージセンサー110などの撮像素子を第1光軸AX1と垂直な面内で駆動するセンサーシフト式が振れ補正の方式として採用されてもよい。
【0027】
絞りユニット260Lは左眼用光学系OLを透過する光の量を調整する。絞りユニット260Lは複数の絞り羽根(図示せず)を有している。絞り羽根は第1駆動ユニット271の絞りモータ235L(後述)により駆動される。カメラコントローラー140(後述)は絞りモータ235Lを制御する。
【0028】
フォーカスレンズ230Lは、左眼用光学系OLの被写体距離(物点距離ともいう)を調整するためのレンズであり、第1光軸AX1に平行な方向に移動可能に配置されている。フォーカスレンズ230Lは第1駆動ユニット271のフォーカスモータ233L(後述)により駆動される。フォーカスレンズ230Lは1枚または複数枚のレンズで構成されている。
【0029】
右眼用光学系ORは、被写体に向かって右側の視点から被写体を撮影するための光学系であり、ズームレンズ210R、OISレンズ220R、絞りユニット260Rおよびフォーカスレンズ230Rを含んでいる。右眼用光学系ORは、第2光軸AX2を有しており、左眼用光学系OLと左右に並んだ状態でレンズ筒290の内部に収容されている。右眼用光学系ORの仕様は左眼用光学系OLの仕様と同じである。なお、第1光軸AX1と第2光軸AX2とのなす角度(輻輳角)とは、図10に示す角度θ1をいう。
【0030】
ズームレンズ210Rは、右眼用光学系ORの焦点距離を変化させるためのレンズであり、第2光軸AX2と平行な方向に移動可能に配置されている。ズームレンズ210Rは1枚または複数枚のレンズで構成されている。ズームレンズ210Rは第2駆動ユニット272のズームモータ214R(後述)により駆動される。ズームレンズ210Rを第2光軸AX2と平行な方向に駆動することにより、右眼用光学系ORの焦点距離を調整することができる。ズームレンズ210Rの駆動はズームレンズ210Lの駆動と同期がとられている。したがって、右眼用光学系ORの焦点距離は左眼用光学系OLの焦点距離と同じである。
【0031】
OISレンズ220Rは、右眼用光学系ORで形成される光学像のCMOSイメージセンサー110に対する変位を抑制するためのレンズである。OISレンズ220Rは1枚または複数枚のレンズで構成される。OISモータ221Rは、OIS用IC223Rから送信される制御信号に基づいて、第2光軸AX2に垂直な面内で移動するようにOISレンズ220Rを駆動する。OISモータ221Rは、例えば、マグネット(図示せず)および平板コイル(図示せず)で実現可能である。OISレンズ220Rの位置は第2駆動ユニット272の位置検出センサー222R(後述)により検出される。
【0032】
なお、本実施形態では、振れ補正の方式として光学式が採用されているが、例えばCMOSイメージセンサー110(後述)で生成される画像データに補正処理を施す電子式、あるいは、CMOSイメージセンサー110などの撮像素子を第2光軸AX2と垂直な面内で駆動するセンサーシフト式が振れ補正の方式として採用されてもよい。
【0033】
絞りユニット260Rは右眼用光学系ORを透過する光の量を調整する。絞りユニット260Rは複数の絞り羽根(図示せず)を有している。絞り羽根は第2駆動ユニット272の絞りモータ235R(後述)により駆動される。カメラコントローラー140は絞りモータ235Rを制御する。絞りユニット260Rの駆動は絞りユニット260Lの駆動と同期がとられる。したがって、右眼用光学系ORの絞り値は左眼用光学系OLの絞り値と同じである。
【0034】
フォーカスレンズ230Rは、右眼用光学系ORの被写体距離(物点距離ともいう)を調整するためのレンズであり、第2光軸AX2に平行な方向に移動可能に配置されている。フォーカスレンズ230Rは第2駆動ユニット272のフォーカスモータ233R(後述)により駆動される。フォーカスレンズ230Rは1枚または複数枚のレンズで構成されている。
【0035】
(2)第1駆動ユニット271
第1駆動ユニット271は、左眼用光学系OLの状態を調整するために設けられており、図5に示すように、ズームモータ214L、OISモータ221L、位置検出センサー222L、OIS用IC223L、絞りモータ235Lおよびフォーカスモータ233Lを有している。
【0036】
ズームモータ214Lはズームレンズ210Lを駆動する。ズームモータ214Lはレンズコントローラー240により制御される。
【0037】
OISモータ221LはOISレンズ220Lを駆動する。位置検出センサー222LはOISレンズ220Lの位置を検出するセンサーである。位置検出センサー222Lは、例えばホール素子であり、OISモータ221Lのマグネットに近接して配置されている。OIS用IC223Lは、位置検出センサー222Lの検出結果および振れ量検出センサー275の検出結果に基づいて、OISモータ221Lを制御する。OIS用IC223Lはレンズコントローラー240から振れ量検出センサー275の検出結果を取得する。また、OIS用IC223Lはレンズコントローラー240へOISレンズ220Lの位置を示す信号を所定の周期で送信する。
【0038】
絞りモータ235Lは絞りユニット260Lを駆動する。絞りモータ235Lはレンズコントローラー240により制御される。
【0039】
フォーカスモータ233Lはフォーカスレンズ230Lを駆動する。フォーカスモータ233Lはレンズコントローラー240により制御される。レンズコントローラー240は、フォーカスモータ233Rも制御しており、フォーカスモータ233Lおよびフォーカスモータ233Rを同期させる。これにより、左眼用光学系OLの被写体距離が右眼用光学系ORの被写体距離と同じになる。フォーカスモータ233Lとしては、例えばDCモータやステッピングモータ、サーボモータ、超音波モータが考えられる。
【0040】
(3)第2駆動ユニット272
第2駆動ユニット272は、右眼用光学系ORの状態を調整するために設けられており、図5に示すように、ズームモータ214R、OISモータ221R、位置検出センサー222R、OIS用IC223R、絞りモータ235Rおよびフォーカスモータ233Rを有している。
【0041】
ズームモータ214Rはズームレンズ210Rを駆動する。ズームモータ214Rはレンズコントローラー240により制御される。
【0042】
OISモータ221RはOISレンズ220Rを駆動する。位置検出センサー222RはOISレンズ220Rの位置を検出するセンサーである。位置検出センサー222Rは、例えばホール素子であり、OISモータ221Rのマグネットに近接して配置されている。OIS用IC223Rは、位置検出センサー222Rの検出結果および振れ量検出センサー275の検出結果に基づいて、OISモータ221Rを制御する。OIS用IC223Rはレンズコントローラー240から振れ量検出センサー275の検出結果を取得する。また、OIS用IC223Rはレンズコントローラー240へOISレンズ220Rの位置を示す信号を所定の周期で送信する。
【0043】
絞りモータ235Rは絞りユニット260Rを駆動する。絞りモータ235Rはレンズコントローラー240により制御される。
【0044】
フォーカスモータ233Rはフォーカスレンズ230Rを駆動する。フォーカスモータ233Rはレンズコントローラー240により制御される。レンズコントローラー240はフォーカスモータ233Lおよびフォーカスモータ233Rを同期させる。これにより、右眼用光学系ORの被写体距離が左眼用光学系OLの被写体距離と同じになる。フォーカスモータ233Rとしては、例えばDCモータやステッピングモータ、サーボモータ、超音波モータが考えられる。
【0045】
(4)レンズコントローラー240
レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140から送信される制御信号に基づいて交換レンズユニット200の各部(例えば、第1駆動ユニット271および第2駆動ユニット272)を制御する。レンズコントローラー240はカメラコントローラー140との送受信をレンズマウント250およびボディマウント150を介して行う。レンズコントローラー240は、制御の際、DRAM241をワークメモリとして使用する。
【0046】
レンズコントローラー240は、CPU(Central Processing Unit)240a、ROM(Read Only Memory)240bおよびRAM(Random Access Memory)240cを有しており、ROM240bに格納されたプログラムがCPU240aに読み込まれることで様々な機能を実現し得る。
【0047】
また、フラッシュメモリ242(補正情報記憶部の一例、識別情報記憶部の一例)は、レンズコントローラー240の制御の際に使用するプログラムやパラメータを保存する。例えば、交換レンズユニット200が3次元撮影に対応していることを示すレンズ識別情報F1(図7(A)参照)、3次元光学系Gの特性を示すパラメータおよびフラグを含むレンズ特性情報F2(図7(B)参照)をフラッシュメモリ242は予め記憶している。交換レンズユニット200が撮影可能な状態か否かを示すレンズ状態情報F3(図7(C)参照)は、例えばRAM240cに格納されている。
【0048】
ここで、レンズ識別情報F1、レンズ特性情報F2およびレンズ状態情報F3について説明する。
【0049】
(レンズ識別情報F1)
レンズ識別情報F1は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示す情報であり、例えばフラッシュメモリ242に予め格納されている。図7(A)に示すように、レンズ識別情報F1は、フラッシュメモリ242内の所定のアドレスに格納された3次元撮影判定フラグである。図8(A)および図8(B)に示すように、カメラ本体および交換レンズユニットの間で、電源ON時または交換レンズユニットがカメラ本体に装着された時に行われる初期通信において、3次元撮影判定フラグは交換レンズユニットからカメラ本体へ送信される。
【0050】
3次元撮影判定フラグが立っている場合は、その交換レンズユニットが3次元撮影に対応しており、3次元撮影判定フラグが立っていない場合は、その交換レンズユニットは3次元撮影に対応していない。3次元撮影判定フラグのアドレスは、3次元撮影に対応していない通常の交換レンズユニットで使用されていない領域が用いられる。これにより、3次元撮影に対応していない交換レンズユニットでは、3次元撮影判定フラグの設定を行わなくても、3次元撮影判定フラグが立っていない状態となり得る。
【0051】
(レンズ特性情報F2)
レンズ特性情報F2は、交換レンズユニットの光学系の特性を示すデータであり、図7(B)に示すように、以下のパラメータおよびフラグを含んでいる。
【0052】
(A)基線長
立体光学系(G)の基線長L1
(B)光軸位置
撮像素子(CMOSイメージセンサー110)の中心C0(図9参照)から光軸中心(図9に示すイメージサークルILの中心ICLまたはイメージサークルIRの中心ICR)までの距離L2(設計値)
(C)輻輳角
第1光軸(AX1)および第2光軸(AX2)のなす角度θ1(図10参照)
(D)左眼ズレ量
左眼用光学系(OL)の撮像素子(CMOSイメージセンサー110)上での光軸位置(設計値)に対する左眼用光学像(QL1)のズレ量DL(水平方向:DLx、鉛直方向:DLy)
(E)右眼ズレ量
右眼用光学系(右眼用光学系OR)の撮像素子(CMOSイメージセンサー110)上での光軸位置(設計値)に対する右眼用光学像(右眼用光学像QR1)のズレ量DR(水平方向:DRx、鉛直方向:DRy)
(F)撮像有効エリア
左眼用光学系(OL)および右眼用光学系(OR)のイメージサークル(AL1、AR1)の半径r(図8参照)
(G)推奨輻輳点距離
交換レンズユニット200を用いて3次元撮影を行う際に推奨される、被写体(輻輳点P0)からCMOSイメージセンサー110の受光面110aまでの距離L10(図10参照)
(H)抽出位置補正量
輻輳角θ1がゼロの場合に第1光軸AX1および第2光軸AX2が受光面110aに到達する点(P11およびP12)から、輻輳角θ1が推奨輻輳点距離L10に対応する大きさの場合における第1光軸AX1および第2光軸AX2が受光面110a上に到達する点(P21およびP22)までの距離L11(図10参照)(「輻輳点距離が無限遠の場合に対応する基準画像抽出位置から交換レンズユニットの推奨輻輳点距離に対応する推奨画像抽出位置までの撮像素子上の距離」ともいう)
(I)限界輻輳点距離
交換レンズユニット200を用いて3次元撮影を行う際に、左眼用光学像QL1および右眼用光学像QR1の抽出領域がともに撮像有効エリア内に収まる場合の、被写体から受光面110aまでの限界距離L12(図10参照)
(J)抽出位置限界補正量
輻輳角θ1がゼロの場合に第1光軸AX1および第2光軸AX2が受光面110aに到達する点(P11およびP12)から、輻輳角θ1が限界輻輳点距離L12に対応する大きさの場合における第1光軸AX1および第2光軸AX2が受光面110a上に到達する点(P31およびP32)までの距離L13(図10参照)
上記のパラメータのうち、光軸位置、左眼ズレ量および右眼ズレ量は、並置撮影方式の3次元光学系特有のパラメータである。
【0053】
ここで、図9〜図10を用いて、上記のパラメータについて説明をする。図9はCMOSイメージセンサー110を被写体側から見た図である。CMOSイメージセンサー110は、交換レンズユニット200を透過した光を受ける受光面110a(図9および図10参照)を有している。受光面110a上には被写体の光学像が形成される。図9に示すように、受光面110aは、第1領域110Lと、第1領域110Lに隣接して配置された第2領域110Rと、を有している。第1領域110Lの面積は第2領域110Rの面積と同じである。図9に示すように、カメラ本体100の背面側から見た場合(透視した場合)、第1領域110Lは受光面110aの左半分、第2領域110Rは受光面110aの右半分を占めている。図9に示すように、交換レンズユニット200を用いて撮影を行う場合は、第1領域110Lには左眼用光学像QL1が形成され、第2領域110Rには右眼用光学像QR1が形成される。
【0054】
図9に示すように、設計上の左眼用光学系OLのイメージサークルILおよび右眼用光学系ORのイメージサークルIRをCMOSイメージセンサー110上に定義する。イメージサークルILの中心ICL(基準画像抽出位置の一例)は左眼用光学系OLの第1光軸AX10の設計上の位置と一致しており、イメージサークルIRの中心ICR(基準画像抽出位置の一例)は右眼用光学系ORの第2光軸AX20の設計上の位置と一致している。ここで、設計上の位置とは、第1光軸AX10および第2光軸AX20は、輻輳点が無限遠にある場合に対応している。したがって、設計上の基線長はCMOSイメージセンサー110上での第1光軸AX10および第2光軸AX20の間の設計上の距離L1となる。また、光軸位置は受光面110aの中心C0および第1光軸AX10の間の設計上の距離L2(あるいは中心C0および第2光軸AX20の間の設計上の距離L2)となる。
【0055】
また図9に示すように、中心ICLに基づいて抽出可能範囲AL1および横長撮影用抽出可能範囲AL11が設定され、中心ICRに基づいて抽出可能範囲AR1および横長撮影用抽出可能範囲AR11が設定されている。中心ICLが受光面110aの第1領域110Lのほぼ中央位置に設定されているので、イメージサークルIL内の抽出可能範囲AL1およびAL11を広く確保できる。また、中心ICRが第2領域110Rのほぼ中央位置に設定されているので、イメージサークルIR内の抽出可能範囲AR1およびAR11を広く確保できる。
【0056】
図9に示す抽出領域AL0およびAR0は、左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出する際の基準となる領域である。左眼用画像データの設計上の抽出領域AL0は、イメージサークルILの中心ICL(あるいは第1光軸AX10)を基準に設定されており、抽出可能範囲AL1の中央に位置している。また、右眼用画像データの設計上の抽出領域AR0は、イメージサークルIRの中心ICR(あるいは第2光軸AX20)を基準に設定されており、抽出可能範囲AR1の中央に位置している。
【0057】
ところが、光軸中心ICLおよびICRは輻輳点が無限遠に存在する場合に対応しているので、抽出領域AL0およびAR0を基準に左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出すると、立体視の際に被写体が再現される位置は無限位置となる。したがって、このような設定で近接撮影(例えば、撮影位置から主被写体までの距離が1m程度の場合)用の交換レンズユニット200を用いると、立体視の際に3次元画像内で被写体がスクリーンから飛び出し過ぎるという問題が発生する。
【0058】
そこで、立体視の際のユーザーからスクリーンまでの距離を交換レンズユニット200の推奨輻輳点距離L10とするために、このカメラ本体100では、抽出領域AR0を推奨抽出領域AR3へ、抽出領域AL0を推奨抽出領域AR3へ、それぞれ距離L11だけずらしている。抽出位置補正量L11を用いた抽出領域の補正処理については後述する。
【0059】
<2:カメラ本体の構成>
図4および図6に示すように、カメラ本体100は、CMOSイメージセンサー110、カメラモニタ120、電子ビューファインダー180、表示制御部125、操作部130、カードスロット170、シャッターユニット190、ボディマウント150、DRAM141、画像処理部10、カメラコントローラー140(制御部の一例)を備えている。これら各部は、バス20に接続されており、バス20を介して互いにデータの送受信が可能となっている。
【0060】
(1)CMOSイメージセンサー110
CMOSイメージセンサー110は、交換レンズユニット200により形成される被写体の光学像(以下、被写体像ともいう)を画像信号に変換する。図6に示すように、CMOSイメージセンサー110はタイミングジェネレータ112で生成されるタイミング信号に基づいて画像信号を出力する。CMOSイメージセンサー110で生成された画像信号は、信号処理部15(後述)でデジタル化され画像データに変換される。CMOSイメージセンサー110により静止画データおよび動画データを取得できる。取得された動画データはスルー画像の表示にも用いられる。
【0061】
ここで、スルー画像とは、動画データのうちメモリーカード171に記録されない画像である。スルー画像は、主に動画であり、動画または静止画の構図を決めるためにカメラモニタ120または電子ビューファインダー(以下、EVFとも言う)180に表示される。
【0062】
前述のように、CMOSイメージセンサー110は、交換レンズユニット200を透過した光を受ける受光面110a(図6および図9参照)を有している。受光面110a上には被写体の光学像が形成される。図9に示すように、カメラ本体100の背面側から見た場合、第1領域110Lは受光面110aの左半分、第2領域110Rは受光面110aの右半分を占めている。交換レンズユニット200を用いて撮影を行う場合は、第1領域110Lには左眼用光学像が形成され、第2領域110Rには右眼用光学像が形成される。
【0063】
なお、CMOSイメージセンサー110は被写体の光学像を電気的な画像信号に変換する撮像素子の一例である。撮像素子は、CMOSイメージセンサー110やCCDイメージセンサー等の光電変換素子を含む概念である。
【0064】
(2)カメラモニタ120
カメラモニタ120は、例えば液晶ディスプレイであり、表示用画像データを画像として表示する。表示用画像データは、画像処理された画像データや、デジタルカメラ1の撮影条件、操作メニュー等を画像として表示するためのデータ等であり、カメラコントローラー140で生成される。カメラモニタ120は、動画も静止画も選択的に表示可能である。図5に示すように、本実施形態では、カメラモニタ120はカメラ本体100の背面に配置されているが、カメラモニタ120はカメラ本体100のどこに配置されていてもよい。
【0065】
なお、カメラモニタ120はカメラ本体100に設けられた表示部の一例である。表示部としては、他にも、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル等、画像を表示できる装置を用いることができる。
【0066】
(3)電子ビューファインダー180
電子ビューファインダー180は、カメラコントローラー140で生成された表示用画像データを画像として表示する。EVF180は、動画も静止画も選択的に表示可能である。また、EVF180とカメラモニタ120とは、同じ内容を表示する場合と、異なる内容を表示する場合とがあり、ともに表示制御部125によって制御される。
【0067】
(4)表示制御部125
表示制御部125はカメラモニタ120および電子ビューファインダー180を制御する。具体的には、表示制御部125は、カメラモニタ120および電子ビューファインダー180に表示される画像のもとになる表示用画像データを生成し、表示用画像データに基づいてカメラモニタ120および電子ビューファインダー180に画像を表示させる。表示制御部125は、補正処理後の画像データにサイズ調整処理を施し、表示用画像データを生成する。また、表示制御部125は、メニュー設定部126(後述)により形成されるメニュー画面をカメラモニタ120および電子ビューファインダー180に表示させることができる。
【0068】
(5)操作部130
図1および図2に示すように、操作部130は、レリーズ釦131と、電源スイッチ132と、十字操作キー135と、決定ボタン136と、ディスプレイボタン137と、タッチパネル138と、を有している。レリーズ釦131はユーザーによるシャッター操作を受け付ける。電源スイッチ132は、カメラ本体100の電源のON・OFFを行うために設けられており、カメラ本体100の上面に設けられた回転式のレバースイッチである。交換レンズユニット200がカメラ本体100に装着されている状態で電源スイッチ132がONに切り替えられると、カメラ本体100および交換レンズユニット200に電源が供給される。
【0069】
十字操作キー135は、上下左右の4つのボタンから構成されており、メニュー画面で機能を選択する際などに用いられる。決定ボタン136は、十字操作キー135を用いて機能の選択をする際に最終決定を行うために用いられる。また、決定ボタン136はカメラモニタ120または電子ビューファインダー180の表示状態をメニュー画面へ切り替える機能も有している。例えば、ライブビュー表示の状態で決定ボタン136を押すと、カメラモニタ120にはメニュー画面が表示される。メニュー画面では様々な機能の選択や切替などを行うことができる。
【0070】
ディスプレイボタン137はカメラモニタ120および電子ビューファインダー180の表示状態を切り替えるために用いられる。具体的には、例えば、ディスプレイボタン137を押すと、再生表示されている画像にハイライト表示や撮影条件などが重畳して表示される。ハイライト表示とは、例えば、画像データで白飛びしている領域を白黒で点滅表示することをいう。撮影条件としては、例えば、撮影日時、絞り値、シャッタースピードが挙げられる。
【0071】
タッチパネル138は、カメラモニタ120の表示面上に配置されている。十字操作キー135だけでなく、タッチパネル138でもメニュー画面で機能を選択することができる。また、決定ボタン136だけでなく、タッチパネル138でも機能の選択をする際に最終決定を行うことができる。
【0072】
なお、操作部130の各構成は、ユーザーによる操作を受け付けることができればよく、ボタン、レバー、ダイアル等であればよい。
【0073】
(6)カードスロット170
カードスロット170は、メモリーカード171を装着可能である。カードスロット170は、カメラコントローラー140からの制御に基づいて、メモリーカード171を制御する。具体的には、カードスロット170は、メモリーカード171に画像データを格納し、メモリーカード171から画像データを出力する。例えば、カードスロット170は、メモリーカード171に動画データを格納し、メモリーカード171から動画データを出力する。
【0074】
メモリーカード171は、カメラコントローラー140が画像処理により生成した画像データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、非圧縮のRAW画像ファイルや圧縮されたJPEG画像ファイル等を格納できる。さらに、メモリーカード171はマルチピクチャーフォーマット(MPF)形式のステレオ画像ファイルを格納することもできる。
【0075】
また、カードスロット170を介して、予め内部に格納された画像データをメモリーカード171から出力できる。メモリーカード171から出力された画像データまたは画像ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した画像データまたは画像ファイルを伸張などして表示用画像データを生成する。
【0076】
メモリーカード171は、さらに、カメラコントローラー140が画像処理により生成した動画データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、動画圧縮規格であるH.264/AVCに従って圧縮された動画ファイルを格納できる。また、ステレオ動画ファイルを格納することもできる。また、カードスロット170を介して、予め内部に格納された動画データまたは動画ファイルをメモリーカード171から出力できる。メモリーカード171から出力された動画データまたは動画ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した動画データまたは動画ファイルに伸張処理を施し、表示用動画データを生成する。
【0077】
(7)シャッターユニット190
シャッターユニット190は、いわゆるフォーカルプレーンシャッターであり、図3に示すように、ボディマウント150とCMOSイメージセンサー110との間に配置される。シャッターユニット190のチャージはシャッターモーター199により行われる。シャッターモーター199は、例えばステッピングモータであり、カメラコントローラー140により制御される。
【0078】
(8)ボディマウント150
ボディマウント150は、交換レンズユニット200を装着可能であり、交換レンズユニット200が装着された状態で交換レンズユニット200を保持する。ボディマウント150は、交換レンズユニット200のレンズマウント250と機械的および電気的に接続可能である。ボディマウント150とレンズマウント250とを介して、カメラ本体100と交換レンズユニット200との間で、データおよび/または制御信号を送受信可能である。具体的には、ボディマウント150とレンズマウント250とは、カメラコントローラー140とレンズコントローラー240との間で、データおよび/または制御信号を送受信する。
【0079】
(9)カメラコントローラー140
カメラコントローラー140はカメラ本体100全体を制御する。カメラコントローラー140は操作部130と電気的に接続されている。カメラコントローラー140には操作部130から操作信号が入力される。カメラコントローラー140は、制御動作や後述の画像処理動作の際に、DRAM141をワークメモリとして使用する。
【0080】
また、カメラコントローラー140は、交換レンズユニット200を制御するための信号を、ボディマウント150およびレンズマウント250を介してレンズコントローラー240に送信し、交換レンズユニット200の各部を間接的に制御する。また、カメラコントローラー140は、ボディマウント150およびレンズマウント250を介して、レンズコントローラー240から各種信号を受信する。
【0081】
カメラコントローラー140は、CPU(Central Processing Unit)140a、ROM(Read Only Memory)140bおよびRAM(Random Access Memory)140cを有しており、ROM140b(コンピュータにより読み取り可能な記録媒体の一例)に格納されたプログラムがCPU140aに読み込まれることで様々な機能を実現し得る。
【0082】
(カメラコントローラー140の詳細)
ここで、カメラコントローラー140の機能の詳細について説明する。
【0083】
まず、カメラコントローラー140は、交換レンズユニット200がカメラ本体100(より詳細には、ボディマウント150)に装着されているか否かを検知する。具体的には図6に示すように、カメラコントローラー140はレンズ検知部146を有している。交換レンズユニット200がカメラ本体100に装着されると、カメラコントローラー140とレンズコントローラー240との間で信号の送受信が行われる。レンズ検知部146は、信号の送受信に基づいて交換レンズユニット200が装着されているか否かを判定する。
【0084】
また、カメラコントローラー140は、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定する機能、および交換レンズユニットから3次元撮影に関係する情報を取得する機能など、様々な機能を有している。カメラコントローラー140は、識別情報取得部142、特性情報取得部143、カメラ側判定部144、メニュー設定部126、状態情報取得部145、抽出位置補正部139、第1領域決定部129、第2領域決定部149、メタデータ生成部147および画像ファイル生成部148を有している。本実施形態では、メニュー設定部126および第2領域決定部149により、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用が制限される機能制限部127(機能制限部の一例)が実現されている。
【0085】
ここで、第1実施形態における「撮影機能」には、撮影前、撮影時および撮影後のうち少なくとも1つの状況で使用できる機能が含まれ得る。したがって、「2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能」とは、2次元撮影前、2次元撮影時および2次元撮影後に使用できる機能を意味している。
【0086】
識別情報取得部142(識別情報取得部の一例)は、交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報F1を、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニット200から取得する。図7(A)に示すように、レンズ識別情報F1は、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示す情報であり、例えばレンズコントローラー240のフラッシュメモリ242に格納されている。レンズ識別情報F1はフラッシュメモリ242の所定のアドレスに格納された3次元撮影判定フラグである。識別情報取得部142は取得したレンズ識別情報F1を例えばDRAM141に一時的に格納する。
【0087】
カメラ側判定部144(カメラ側判定部の一例)は、識別情報取得部142により取得されたレンズ識別情報F1に基づいて、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かを判定する。さらに、カメラ側判定部144の判定結果は、RAM240cの所定のアドレスに一時的に格納される。RAM240cに格納された判定結果は、交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かを示す情報であってもよく、また、2次元撮影モードおよび3次元撮影モードのうち一方を示す情報であってもよい。カメラ側判定部144の判定結果に基づいて、撮影モードが2次元撮影モードおよび3次元撮影モードのうちどちらなのかを判断することができる。具体的には、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合、カメラコントローラー140の撮影モードは自動的に3次元撮影モードに設定される。一方、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応していないとカメラ側判定部144により判定された場合、カメラコントローラー140の撮影モードは自動的に2次元撮影モードに設定される。
【0088】
メニュー設定部126(メニュー設定部の一例)はカメラモニタ120および電子ビューファインダー180に表示されるメニュー画面を設定する。具体的には図11(A)および(B)に示すように、メニュー設定部126は、2次元撮影時に使用できる機能の一覧を示す第1メニュー情報126Aと、3次元撮影時に使用できる機能の一覧を示す第2メニュー情報126Bと、を有している。第1メニュー情報126Aおよび第2メニュー情報126Bは、例えばカメラコントローラー140のROM140bに予め格納されている。第1メニュー情報126Aおよび第2メニュー情報126Bは、例えば、機能、設定、表示および選択の4つの情報を一覧にしたリストである。「設定」はその機能の設定状態を示している。本実施形態では、基本的に、第1メニュー情報126Aおよび第2メニュー情報126Bの設定は互いに共通となっている。したがって、例えば2次元撮影時に設定を変更すれば、その変更された設定が3次元撮影の設定内容に反映される。「表示」はメニュー画面で表示される際の状態を示している。「表示」が「通常」の場合、例えば白などの通常の色でその機能がメニュー画面に表示される。「表示」が「グレー」の場合、その機能がメニュー画面でグレー表示される。「選択」はその機能が選択できるか否か(使用できるか否か)を示している。「選択」が「可」であれば、その機能を選択することができる。「選択」が「不可」であれば、その機能を選択することができない(使用することができない)ことを意味している。なお、表示の項目が存在せず、選択可能な機能と異なる色で選択不可の機能を表示するようにしてもよい。
【0089】
図11(A)に示すように、第1メニュー情報126Aでは、全ての機能が通常表示および選択可能となっている。
【0090】
一方、図11(B)に示すように、第2メニュー情報126Bでは、例えば、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能が、グレー表示および選択不可となっている。ここで、選択不可となっている機能は、第1メニュー情報126Aで「ON」になっていても、第2メニュー情報126Bではメニュー設定部126により強制的に「OFF」に切り替えられている。例えば、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能は、第1メニュー情報126Aでは「ON」に設定されているが、第2メニュー情報126Bでは「OFF」に設定されている。このように、予め定められた撮影機能の使用を3次元撮影において制限するために、2次元撮影の設定に関係なく、メニュー設定部126は予め定められた撮影機能を強制的にOFFに設定する。
【0091】
RAM240cに格納されているカメラ側判定部144の判定結果に基づいて、メニュー設定部126は第1メニュー情報126Aおよび第2メニュー情報126Bのうちどちらのメニュー情報を表示するかを決定する。具体的には、カメラ側判定部144の判定結果が、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示している場合、メニュー設定部126は、第2メニュー情報126Bをカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示する。一方、カメラ側判定部144の判定結果が、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示している場合、メニュー設定部126は、第1メニュー情報126Aをカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示する。
【0092】
第1メニュー情報126Aおよび第2メニュー情報126Bに基づいて表示される画面の一例を図12(A)および(B)に示す。図12(A)に示すように、2次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第1メニュー情報126Aに含まれる測光モード、デジタルズーム、テレコンバージョン、連写速度、ハイライト表示およびセルフタイマーが、選択できる機能として表示される。
【0093】
一方、図12(B)に示すように、3次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第2メニュー情報126Bに含まれる測光モード、デジタルズーム、テレコンバージョン、連写速度、ハイライト表示およびセルフタイマーが表示されるが、このうち、デジタルズーム、テレコンバージョンおよびハイライト表示の項目がグレー表示される。前述のように、グレー表示されている機能はユーザーが選択することができなくなっている。
【0094】
また、図13(A)に示すように、2次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第1メニュー情報126Aに含まれるアスペクト比、フラッシュ、暗部補正、超解像、赤目補正およびISO感度が表示される。
【0095】
一方、図13(B)に示すように、3次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第2メニュー情報126Bに含まれるアスペクト比、フラッシュ、暗部補正、超解像、赤目補正およびISO感度が表示されるが、このうち、暗部補正および赤目補正の項目がグレー表示されている。グレー表示されている機能はユーザーが選択することができなくなっている。
【0096】
以上のように、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144が判定した場合、メニュー設定部126は、2次元撮影で使用できる5つの機能(撮影機能の一例)の3次元撮影での使用を制限している。
【0097】
特性情報取得部143(補正情報取得部の一例)は、交換レンズユニット200に搭載されている光学系の特性を示すレンズ特性情報F2を交換レンズユニット200から取得する。具体的には、特性情報取得部143は、交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、前述のレンズ特性情報F2を交換レンズユニット200から取得する。特性情報取得部143は、取得したレンズ特性情報F2を例えばDRAM141に一時的に格納する。
【0098】
状態情報取得部145は状態情報生成部243により生成されたレンズ状態情報F3(撮影可否フラグ)を取得する。このレンズ状態情報F3は交換レンズユニット200が撮影可能な状態か否かを判定するのに用いられる。状態情報取得部145は取得したレンズ状態情報F3を例えばDRAM141に一時的に格納する。
【0099】
抽出位置補正部139は、抽出位置補正量L11に基づいて抽出領域AL0およびAR0の中心位置を補正する。初期状態では、抽出領域AL0の中心はイメージサークルILの中心ICLに設定されており、抽出領域AR0の中心はイメージサークルIRの中心ICRに設定されている。抽出位置補正部139は、中心ICLおよびICRから抽出位置補正量L11だけ抽出中心を水平方向に移動させて、左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出する基準として新たに抽出中心ACL2およびACR2(推奨画像抽出位置の一例)を設定する。抽出中心ACL2およびACR2を基準とした抽出領域は、図9に示す抽出領域AL2およびAR2となる。このように、抽出位置補正量L11を用いて抽出中心の位置を補正することで、交換レンズユニットの特性に応じて抽出領域を設定することができ、より適正なステレオ画像を得ることができる。
【0100】
ここで、本実施形態では、交換レンズユニット200がズーム機能を有しているので、ズーム操作により焦点距離が変わると、推奨輻輳点距離L10が変化し、それに伴い抽出位置補正量L11も変化する。したがって、ズームポジションに応じて抽出位置補正量L11を演算により再計算してもよい。
【0101】
具体的には、レンズコントローラー240はズーム位置センサ(図示せず)の検出結果に基づいてズームポジションを把握できる。レンズコントローラー240はズームポジション情報をカメラコントローラー140に所定の周期で送信する。ズームポジション情報はDRAM141に一時的に格納される。
【0102】
一方、抽出位置補正部139は、例えば、ズームポジション情報、推奨輻輳点距離L10および抽出位置補正量L11に基づいて焦点距離に適した抽出位置補正量を算出する。このとき、例えば、ズームポジション情報、推奨輻輳点距離L10および抽出位置補正量L11の関係を示す情報(例えば、演算式やデータテーブルなど)がカメラ本体100に格納されていてもよいし、交換レンズユニット200のフラッシュメモリ242に格納されていてもよい。抽出位置補正量の更新は所定の周期で行われる。更新された抽出位置補正量はDRAM141の所定のアドレスに格納される。この場合、抽出位置補正部139は、抽出位置補正量L11の場合と同様に、新たに算出された抽出位置補正量に基づいて抽出領域AL0およびAR0の中心位置を補正する。
【0103】
第1領域決定部129は、2次元撮影時に画像データの抽出領域を決定する。具体的には、第1領域決定部129は、画像抽出部16で画像データを抽出する際に用いられる抽出領域のサイズおよび位置を決定する。例えば、通常撮影の場合、第1領域決定部129は、前述の基本画像領域T1(図14(A))を抽出領域として設定する。一方、デジタルズーム機能を用いる場合は、第1領域決定部129は、抽出画像領域T11(図14(B))を抽出領域として設定する。さらに、テレコンバージョン機能を用いる場合は、第1領域決定部129は、抽出画像領域T21またはT31(図15(A)および図15(B))を抽出領域として設定する。抽出画像領域T11、T21およびT31の中心は、基本画像領域T1の中心と同じ位置に設定される。
【0104】
第2領域決定部149は、3次元撮影時に画像データの抽出領域を決定する。具体的には、第2領域決定部149は、画像抽出部16で左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出する際に用いられる抽出領域AL3およびAR3のサイズおよび位置を決定する。具体的には、第2領域決定部149は、抽出位置補正部139により算出された抽出中心ACL2およびACR2、イメージサークルILおよびIRの半径r、レンズ特性情報F2に含まれる左眼ズレ量DLおよび右眼ズレ量DRに基づいて、左眼用画像データおよび右眼用画像データの抽出領域AL3およびAR3のサイズおよび位置を決定する。
【0105】
第2領域決定部149は、第1領域決定部129とは異なり、デジタルズーム機能およびテレコンバージョン機能には対応していない。したがって、第2領域決定部149は、抽出画像領域T11、T21およびT31のように通常の画像サイズよりも小さい範囲に、抽出領域AL3およびAR3のサイズを設定しない。つまり、2次元撮影で使用できるデジタルズーム機能およびテレコンバージョン機能の使用を第2領域決定部149が制限している、とも言える。第2領域決定部149が機能制限部127の一部を構成していると言うこともできる。
【0106】
なお、第2領域決定部149が、左眼用光学像および右眼用光学像が回転しているか否かを示す180度回転フラグ、左眼用光学像および右眼用光学像の左右の配置を示す配置変更フラグおよび左眼用光学像および右眼用光学像がそれぞれミラー反転しているか否かを示すミラー反転フラグに基づいて、左眼用画像データおよび右眼用画像データを正しく抽出できるように、画像データ上における抽出処理の始点を決定してもよい。
【0107】
メタデータ生成部147は基線長および輻輳角を設定したメタデータを生成する。基線長および輻輳角はステレオ画像を表示する際に用いられる。
【0108】
画像ファイル生成部148は、画像圧縮部17(後述)により圧縮された左眼用および右眼用画像データとメタデータとを組み合わせて、MPF形式のステレオ画像ファイルを生成する。生成された画像ファイルは、例えばカードスロット170に送信されメモリーカード171に保存される。
【0109】
(10)画像処理部10
画像処理部10は、信号処理部15、画像抽出部16、補正処理部18および画像圧縮部17を有している。
【0110】
信号処理部15は、CMOSイメージセンサー110で生成される画像信号をデジタル化してCMOSイメージセンサー110上に結像する光学像の基本画像データを生成する。具体的には、信号処理部15は、CMOSイメージセンサー110から出力される画像信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号に対してノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。信号処理部15により生成された画像データはRAWデータとしてDRAM141に一時的に記憶される。ここでは、信号処理部15により生成された画像データを基本画像データと呼ぶ。
【0111】
画像抽出部16は信号処理部15で生成された基本画像データから左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出する。左眼用画像データは左眼用光学系OLにより形成される左眼用光学像QL1の一部に対応している。右眼用画像データは右眼用光学系ORにより形成される右眼用光学像QR1の一部に対応している。第2領域決定部149により決定された抽出領域AL3およびAR3に基づいて、DRAM141に格納された基本画像データから画像抽出部16は左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出する。画像抽出部16により抽出された左眼用画像データおよび右眼用画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0112】
補正処理部18は、2次元撮影時には画像データに対して歪曲収差補正およびシェーディング補正などの補正処理を行う。また、暗部補正機能および赤目補正機能がONになっていれば、補正処理部18は2次元撮影画像に対して暗部補正および赤目補正を行うこともできる。一方、3次元撮影時には抽出した左眼用画像データおよび右眼用画像データのそれぞれに対してシェーディング補正などの補正処理を行う。補正処理後、補正された2次元画像データ、左眼用画像データおよび右眼用画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0113】
画像圧縮部17はカメラコントローラー140の命令に基づいてDRAM141に記憶された補正後の左眼用および右眼用画像データに圧縮処理を施す。この圧縮処理により、画像データのデータサイズは元のデータサイズよりも小さくなる。画像データの圧縮方法として、例えば1フレームの画像データ毎に圧縮するJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が考えられる。圧縮された左眼用画像データおよび右眼用画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0114】
〔撮影機能の説明〕
デジタルカメラ1は、図12(A)、図12(B)、図13(A)および図13(B)に示す機能を有している。メニュー画面上で十字操作キー135およびタッチパネル138を用いて項目を選択し、決定ボタン136にて決定することができる。3次元撮影モードでは、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の使用が制限されている。
【0115】
ここで、3次元撮影モードで使用が制限されている各機能について簡単に説明しておく。
【0116】
(1)デジタルズーム機能
デジタルズーム機能とは、画像データ上で一部の領域の抽出および拡大を行うことで被写体のズームアップを行う機能である。言い換えると、デジタルズーム機能では画像の一部を切り出すことで画角を小さくしている。具体的には、図14(A)に示すように、例えば通常の2次元撮影モードでは、基本画像領域T1から撮影画像データT2を得ている。基本画像領域T1の画素数は撮影画像データT2の画素数と同等である。
【0117】
しかし、デジタルズーム機能を使用した場合、図14(B)に示すように、撮影画像データT2よりも小さいサイズの抽出画像領域T11を基本画像領域T1の基本画像データから切り出して、抽出画像領域T11を撮影画像データT2と同じサイズまで拡大して撮影画像データT12を得ている。抽出画像領域T11のサイズは、デジタルズームの倍率および撮影画像データT12のサイズによって決定される。
【0118】
このように、デジタルズーム機能では、光学ズームでズームアップしきれない被写体を画像データ上でズームアップすることができ、遠くの被写体を拡大した画像を得ることができる。ただし、デジタルズーム機能を用いる場合は、小さい抽出画像領域T11を拡大しているので、撮影画像データT12の解像度は撮影画像データT2の解像度に比べて低くなっている。
【0119】
(2)テレコンバージョン機能
テレコンバージョン機能とは、画像データ上で一部の領域の抽出を行うことで被写体のズームアップを行う機能である。言い換えると、テレコンバージョン機能では画像データの一部を切り出すことで画角を小さくしている。
【0120】
具体的には、図15(A)に示すように、例えば、交換レンズユニット200の画角が比較的大きい場合は、基本画像領域T1よりも小さく、かつ、撮影画像データT2よりも大きい抽出画像領域T21を基本画像領域T1から切り出して、抽出画像領域T21を縮小して撮影画像データT22を得ている。撮影画像データT22は撮影画像データT2よりもサイズが小さくなっている。
【0121】
また、図15(B)に示すように、交換レンズユニット200の画角が比較的小さい場合は、撮影画像データT22と同じ大きさの抽出画像データT31を基本画像領域T1から切り出し、抽出画像データT31を拡大および縮小することなく撮影画像データT32を得ている。
【0122】
このように、テレコンバージョン機能では、画像の解像度を確保しつつ、被写体のズームアップが可能となる。
【0123】
なお、テレコンバージョン機能とデジタルズーム機能との違いは、抽出画像データを拡大しているか否かにある。デジタルズーム機能では抽出画像領域T11を拡大しているのに対して、テレコンバージョン機能では抽出画像領域T21およびT31を拡大していない。この点で、デジタルズーム機能とテレコンバージョン機能との違いを明確に把握することができる。
【0124】
(3)ハイライト表示機能
ハイライト表示機能とは、所定値以上の輝度を持つ領域が強調されるように画像を表示する機能である。具体的には、ハイライト表示機能では、撮影画像のうち白飛びしている領域を分かりやすくするために、例えば撮影画像の確認表示の際に白飛びしている領域を白黒で点滅表示する。白飛びしている領域は、例えば、輝度が最大値まで達している領域、あるいは輝度が最大値に近い閾値以上になっている領域である。ハイライト表示機能は、撮影画像の確認表示だけではなく、記録後に撮影画像を再生する際にも利用できる。
【0125】
(4)暗部補正機能
暗部補正機能とは、輝度が低い領域を輝度が高くなるように補正する機能である。より詳細には、暗部補正機能では、輝度が低く階調性が失われている領域が、階調性がある程度確保されるように補正される。例えば、画像データを複数の単位領域に分割し、各単位領域で輝度が低いか否かが判定される。輝度が低い単位領域において輝度が高くなるように各画素の輝度データが補正される。これにより、輝度が低い領域の階調性を改善することができる。
【0126】
この暗部補正処理は、基本画像データ全体に対して行うこともでき、さらには、基本画像データから抽出された一部の領域に対しても行うことができる。例えば図14(B)、図15(A)および図15(B)に示す抽出画像領域T11、T21およびT31、撮影画像データT22およびT32に対しても、暗部補正処理を行うことができる。
【0127】
(5)赤目補正機能
赤目補正機能とは、赤く光った目を適正な色に補正する機能である。具体的には、赤目補正機能では、顔認識技術により人間の顔に相当する領域(顔領域)が検出される。検出された顔領域から赤い点を赤目として検出する。さらに、検出された赤目を適正な色に補正する。これにより、フラッシュにより目が赤く光っても、適正な色に赤目を補正することができる。
【0128】
〔デジタルカメラの動作〕
(1)電源ON時
交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かの判定は、カメラ本体100の電源がONの状態で交換レンズユニット200がカメラ本体100に装着されたとき、あるいは、交換レンズユニット200がカメラ本体100に装着された状態でカメラ本体100の電源がONになったとき、が考えられる。ここでは、後者の場合を例にデジタルカメラ1の動作を図8(A)、図8(B)、図16および図17のフローを用いて説明する。もちろん、前者の場合にも、同様の動作を行ってもよい。
【0129】
電源がONになると、表示制御部125の制御によりカメラモニタ120に黒画面が表示され、カメラモニタ120のブラックアウトの状態が保持される(ステップS1)。次に、カメラコントローラー140の識別情報取得部142により交換レンズユニット200からレンズ識別情報F1が取得される(ステップS2)。具体的には図8(A)および図8(B)に示すように、カメラコントローラー140のレンズ検知部146により交換レンズユニット200の装着が検知されると、カメラコントローラー140はレンズコントローラー240に種別確認コマンドを送信する。この種別確認コマンドは、レンズ識別情報F1の3次元撮影判定フラグのステータスを送信するようレンズコントローラー240に要求するコマンドである。図8(B)に示すように、交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているので、種別確認コマンドを受信するとレンズコントローラー240がレンズ識別情報F1(3次元撮影判定フラグ)をカメラ本体100に送信する。識別情報取得部142はこの3次元撮影判定フラグのステータスをDRAM141に一時的に格納する。
【0130】
次に、通常初期通信がカメラ本体100および交換レンズユニット200の間で実行される(ステップS3)。通常初期通信とは、3次元撮影に対応していない交換レンズユニットおよびカメラ本体の間でも行われる通信であり、例えば交換レンズユニット200の仕様に関する情報(焦点距離、F値等)が交換レンズユニット200からカメラ本体100に送信される。
【0131】
通常初期通信の後、カメラ側判定部144により、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かが判定される(ステップS4)。具体的には、識別情報取得部142により取得されたレンズ識別情報F1(3次元撮影判定フラグ)に基づいて、装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かがカメラ側判定部144により判定される。
【0132】
装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応していない場合、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示す情報がカメラ側判定部144によりRAM240cの所定のアドレスに格納され、撮影モードが2次元撮影モードに設定される(ステップS9A)。このとき、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の5つの機能が、メニュー設定部126により強制的にOFFに設定されていれば(後述)、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の5つの機能が、メニュー設定部126により前回の2次元撮影時と同じ状態に復元される(ステップS9B)。前回の2次元撮影時の設定内容は、例えばDRAM141に一時的に格納されている。続いて、2次元撮影に対応している通常のシーケンスが実行され、ステップS14に処理が移行する(ステップS9C)。
【0133】
なお、交換レンズユニット200がカメラ本体100から取り外された場合、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の5つの機能については、メニュー設定部126により自動的に前回の2次元撮影時と同じ状態に復元されてもよい。つまり、3次元撮影に対応する交換レンズユニット200がカメラ本体100に装着された場合にだけ、上記の5つの機能が強制的にOFFに設定されてもよい。
【0134】
一方、装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応している場合は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示す情報がカメラ側判定部144によりRAM240cの所定のアドレスに格納され、撮影モードが3次元撮影モードに設定される(ステップS5A)。このとき、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の5つの機能が、メニュー設定部126により強制的に「OFF」に設定される(ステップS5B)。OFFに設定されている機能については、OFFの状態が保たれる。
【0135】
カメラ側判定部144の判定結果がRAM240cに格納された後、特性情報取得部143によりレンズ特性情報F2が交換レンズユニット200から取得される(ステップS6)。具体的には図8(B)に示すように、特性情報取得部143からレンズコントローラー240に特性情報送信コマンドが送信される。この特性情報送信コマンドはレンズ特性情報F2の送信を要求するコマンドである。カメラコントローラー140はこのコマンドを受信すると、レンズ特性情報F2をカメラコントローラー140に送信する。特性情報取得部143はレンズ特性情報F2を例えばDRAM141に格納する。
【0136】
レンズ特性情報F2の取得後、レンズ特性情報F2に基づいて、抽出位置補正部139により抽出領域AL0およびAR0の抽出中心の位置が補正される(ステップS7)。具体的には、抽出位置補正部139により、抽出位置補正量L11(あるいは抽出位置補正量L11から新たに算出された抽出位置補正量)に基づいて、抽出領域AL0およびAR0の中心位置を補正する。中心ICLおよびICRから抽出位置補正量L11(あるいは抽出位置補正量L11から新たに算出された抽出位置補正量)だけ抽出中心を水平方向に移動させることで、抽出位置補正部139により、左眼用画像データおよび右眼用画像データを抽出する基準として新たに抽出中心ACL2およびACR2が設定される。
【0137】
さらに、レンズ特性情報F2に基づいて第2領域決定部149により抽出領域AL3およびAR3のサイズおよび抽出方法が決定される(ステップS8)。例えば、前述のように、光軸位置、撮像有効エリア(半径r)、抽出中心ACL2およびACR2、左眼ズレ量DL、右眼ズレ量DRおよびCMOSイメージセンサー110のサイズに基づいて、抽出領域AL3およびAR3のサイズが第2領域決定部149により決定される。例えば、抽出領域AL3およびAR3が横長撮影用抽出可能範囲AL11およびAR11内に収まるように、上記の情報に基づいて、抽出領域AL3およびAR3のサイズが第2領域決定部149により決定される。
【0138】
なお、第2領域決定部149が抽出領域AL3およびAR3のサイズを決定する際に、限界輻輳点距離L12および抽出位置限界補正量L13が用いられてもよい。
【0139】
また、抽出領域AL3およびAR3のいずれの画像を右眼用画像として抽出するか、画像を回転するか、画像をミラー反転するかといった抽出方法が第2領域決定部149により決定されてもよい。
【0140】
さらに、ライブビュー表示用の画像が左眼用および右眼用画像データから選択される(ステップS10)。例えば、左眼用および右眼用画像データからユーザーに選択させるようにしてもよいし、また、カメラコントローラー140において予め決定されている方を表示用として設定してもよい。選択された方の画像データが表示用画像として設定され、画像抽出部16により抽出される(ステップS11Aまたは11B)。
【0141】
続いて、抽出された画像データに対して、シェーディング補正などの補正処理が補正処理部18により施される(ステップS12)。さらに、表示制御部125により補正後の画像データにサイズ調整処理が施され、表示用の画像データが生成される(ステップS13)。この補正用画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0142】
その後、交換レンズユニットが撮影可能状態にあるか否かが状態情報取得部145により確認される(ステップS14)。具体的には、交換レンズユニット200では、前述の特性情報送信コマンドをレンズ側判定部244が受信すると、レンズ側判定部244はカメラ本体100が3次元撮影に対応していると判定する(図8(B)参照)。一方、レンズ側判定部244は、特性情報送信コマンドが所定期間の間にカメラ本体から送られてこない場合に、カメラ本体が3次元撮影に対応していないと判定する(図8(A)参照)。
【0143】
さらに、状態情報生成部243は、レンズ側判定部244の判定結果に基づいて、3次元光学系Gの撮影状態が整っているか否かを示す撮影可否フラグ(待機情報の一例)のステータスを設定する。状態情報生成部243は、レンズ側判定部244によりカメラ本体が3次元撮影に対応していると判定された場合には(図8(B))、各部の初期化完了後、撮影可否フラグのステータスを「可」に設定する。一方、レンズ側判定部244によりカメラ本体が3次元撮影に対応していないと判定された場合には(図8(A)参照)、状態情報生成部243は、各部の初期化が完了しているか否かに関わらず、撮影可否フラグのステータスを「不可」に設定する。ステップS14において、状態情報取得部145からレンズコントローラー240へ撮影可否フラグのステータス情報の送信を要求するコマンドが送信されると、状態情報生成部243は撮影可否フラグのステータス情報をカメラコントローラー140に送信する。撮影可否フラグのステータス情報をカメラコントローラー140に送信する。カメラ本体100では、レンズコントローラー240から送信された撮影可否フラグのステータス情報を状態情報取得部145がDRAM141の所定のアドレスに一時的に格納する。
【0144】
さらに、格納された撮影可否フラグに基づいて状態情報取得部145により交換レンズユニット200が撮影可能状態か否かが判定される(ステップS15)。交換レンズユニット200が撮影可能状態になっていない場合は、ステップS14およびステップS15の処理が所定の周期で繰り返される。一方、交換レンズユニット200が撮影可能状態になっている場合は、初期設定が確認された後に、ステップS9Cで生成された表示用画像データまたはステップS13で生成された表示用画像データをカメラモニタ120に可視画像として表示させる(ステップS16およびS17)。ステップS17以降は、例えば交換レンズユニットが3次元撮影に対応していない場合は、カメラモニタ120に2次元画像がライブビュー表示される。一方、交換レンズユニットが3次元撮影に対応している場合は、カメラモニタ120に左眼用画像、右眼用画像、左眼用画像と右眼用画像を組み合わせた画像、または、左眼用画像と右眼用画像とを用いた3次元画像がライブビュー表示される。
【0145】
(2)メニュー画面設定
ここで、図18を用いて2次元撮影および3次元撮影時のメニュー画面設定について説明する。
【0146】
図18に示すように、メニューボタン(決定ボタン136)が押されると、メニュー設定部126により撮影モードの確認が行われる(ステップS61、S62)。具体的には、メニュー設定部126により、RAM240cの所定のアドレスに格納されているカメラ側判定部144の判定結果が確認される。判定結果が3次元撮影モードを示していれば(あるいは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示していれば)、メニュー設定部126により第2メニュー情報が選択され、選択された第2メニュー情報がカメラモニタ120に表示される(ステップS63)。このとき、図12(B)および図13(B)に示すように、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能はグレーに表示されており、十字操作キー135あるいはタッチパネル138を用いて選択しようとしても、これら5つの機能は選択できないようになっている。
【0147】
一方、判定結果が2次元撮影モードを示していれば(あるいは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示していれば)、メニュー設定部126により第1メニュー情報が選択され、選択された第1メニュー情報がカメラモニタ120に表示される(ステップS64)。この場合、図12(A)および図13(A)に示すように、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能はユーザーが選択できるようになっている。
【0148】
(3)2次元静止画撮影
次に、図19を用いて2次元静止画撮影時の動作について説明する。
【0149】
ユーザーがレリーズ釦131を押すと、オートフォーカス(AF)および自動露出(AE)が実行され、続いて露光が開始される(ステップS21およびS22)。CMOSイメージセンサー110から画像信号(全画素のデータ)が信号処理部15に取り込まれ、信号処理部15においてAD変換などの信号処理が画像信号に施される(ステップS23およびS24)。信号処理部15により生成された基本画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0150】
次に、画像抽出部16により、撮影画像データが基本画像データから抽出される(ステップS25)。例えば、デジタルズーム機能がONになっている場合は、図14(B)に示すように、抽出画像領域T11の画像データが基本画像領域T1から抽出され、抽出画像領域T11の画像データが撮影画像データT12に拡大される。
【0151】
また、テレコンバージョン機能がONになっている場合は、図15(A)に示すように、抽出画像領域T21の画像データが基本画像領域T1から抽出され、抽出画像領域T21の画像データが撮影画像データT22に縮小される。また、交換レンズユニットの焦点距離によっては、図15(B)に示すように、抽出画像データT31の画像データが基本画像領域T1から抽出され、抽出画像データT31の画像データがそのまま撮影画像データT32として出力される。
【0152】
さらに、補正処理部18により、撮影画像データT2、T12、T22またはT32に補正処理が施される。具体的には、撮影画像に対して補正処理部18により歪曲収差補正およびシェーディング補正が施され、図13(A)に示すメニュー画面での設定内容に応じて、さらに赤目補正および暗部補正などのオプションとしての補正処理が施される(ステップS26)。補正後の画像データに対して、画像圧縮部17によりJPEG圧縮などの圧縮処理が行われる(ステップS27)。圧縮処理により生成された画像ファイルは、例えばカードスロット170に送信されメモリーカード171に保存される(ステップS28)。
【0153】
画像ファイルがメモリーカード171に保存された後、撮影画像を確認するために、カメラモニタ120に撮影画像がある定められた時間だけ表示される(ステップS29)。このとき、例えば、図12(B)に示すメニュー画面でハイライト表示がONに設定されていれば、撮影画像がカメラモニタ120に表示される際に、白飛びしている領域が白黒に点滅表示される。これにより、白飛びしている領域が存在することをユーザーが容易に認識することができる。
【0154】
(4)3次元静止画撮影
次に、図20を用いて3次元静止画撮影時の動作について説明する。
【0155】
ユーザーがレリーズ釦131を押すと、オートフォーカス(AF)および自動露出(AE)が実行され、続いて露光が開始される(ステップS41およびS42)。CMOSイメージセンサー110から画像信号(全画素のデータ)が信号処理部15に取り込まれ、信号処理部15においてAD変換などの信号処理が画像信号に施される(ステップS43およびS44)。信号処理部15により生成された基本画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0156】
次に、画像抽出部16により、左眼用画像データおよび右眼用画像データが基本画像データから抽出される(ステップS45)。このときの抽出領域AL3およびAR3のサイズ、位置および抽出方法は、ステップS6およびS7で決定された値が用いられる。
【0157】
さらに、補正処理部18により、抽出された左眼用画像データおよび右眼用画像データに補正処理が施され、画像圧縮部17によりJPEG圧縮などの圧縮処理が左眼用画像データおよび右眼用画像データに対して行われる(ステップS46およびS47)。
【0158】
圧縮処理後、カメラコントローラー140のメタデータ生成部147により、基線長および輻輳角を設定したメタデータが生成される(ステップS48)。
【0159】
メタデータ生成後、圧縮された左眼用および右眼用画像データとメタデータとを組み合わせて、MPF形式の画像ファイルが画像ファイル生成部148により生成される(ステップS49)。生成された画像ファイルは、例えばカードスロット170に送信されメモリーカード171に保存される(ステップS50)。この画像ファイルを基線長および輻輳角を用いて3次元表示すると、専用メガネなどを用いれば表示された画像を立体視することができる。
【0160】
画像ファイルがメモリーカード171に保存された後、撮影画像を確認するために、ある定められた時間だけカメラモニタ120に撮影画像が表示される(ステップS51)。このとき、例えば、左眼用画像、右眼用画像、あるいは、左眼用画像と右眼用画像とを用いた3次元画像がカメラモニタ120に表示される。
【0161】
〔カメラ本体の特徴〕
以上に説明したカメラ本体100の特徴を以下にまとめる。
【0162】
(1)カメラ本体100では、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、2次元撮影で使用できる機能の使用が3次元撮影において機能制限部127により制限されるので、適正なステレオ画像の生成や適正な立体視に影響を及ぼしそうな機能の使用を制限することで、ステレオ画像の生成や立体視がそれらの機能の影響を受けにくくなる。したがって、このような構成により、より3次元撮影に適したカメラ本体100を提供することができる。
【0163】
ここで、「適正な立体視に影響を及ぼす」とは、例えば、立体視の際に視聴者が極度の不快感を覚えることを意味している。
【0164】
(2)交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、メニュー設定部126は、カメラ側判定部144の判定結果に基づいて、カメラモニタ120あるいは電子ビューファインダー180に表示するメニュー画面として第2メニュー情報を選択する。
【0165】
一方、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないとカメラ側判定部144により判定された場合に、メニュー設定部126は、カメラ側判定部の判定結果に基づいて、カメラモニタ120あるいは電子ビューファインダー180に表示するメニュー画面として第1メニュー情報を選択する。
【0166】
このように、2次元撮影および3次元撮影で異なるメニュー情報を用いることで、2次元撮影で使用できる撮影機能を3次元撮影で使用するのを容易に制限することができる。
【0167】
(3)第2メニュー情報がカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示される際、撮影機能は、カメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示されるが、ユーザーが選択できないようになっている。具体的には、メニュー設定部126は、撮影機能の表示を許容しているが、表示しているのみで撮影機能を選択可能な機能に含めていない。したがって、ユーザーが誤って撮影機能を3次元撮影時に選択するのを防止できる。
【0168】
また、図12(B)および図13(B)に示すように、第2メニュー情報がカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示される際、撮影機能は、第2メニュー情報に含まれる他の機能とは異なる色で表示されるので、選択できない機能をユーザーが認識しやすくなる。
【0169】
(4)デジタルズーム機能を3次元撮影時に用いると、左眼用画像および右眼用画像のズレ量が拡大処理時に増幅される可能性がある。さらに、デジタルズーム機能を用いて撮影されたステレオ画像をディスプレイに3次元表示すると、デジタルズーム機能を用いない場合に比べて、ディスプレイ上で左眼用画像および右眼用画像のズレ量がさらに増幅される。左眼用画像および右眼用画像のズレ量が増幅されると、適正なステレオ画像を生成することができず、立体視にも影響を及ぼすため好ましくない。
【0170】
しかし、このカメラ本体100では、3次元撮影においてデジタルズーム機能の使用が制限されているので、左眼用画像および右眼用画像のズレ量が増幅されることなく、適正なステレオ画像の生成を行うことができる。
【0171】
(5)テレコンバージョン機能を3次元撮影時に用いると、抽出画像領域T21およびT31が画像領域T1に比べて小さいので、ステレオ画像をディスプレイに3次元表示する際に、テレコンバージョン機能を用いない場合に比べて、ディスプレイ上で左眼用画像および右眼用画像のズレ量が増幅される。左眼用画像および右眼用画像のズレ量がディスプレイ上で増幅されると、適正な立体視が妨げられ好ましくない。
【0172】
しかし、このカメラ本体100では、3次元撮影においてテレコンバージョン機能の使用が制限されているので、左眼用画像および右眼用画像のズレ量が増幅されることなく、適正な立体視を行うことができる。
【0173】
(6)左眼用画像および右眼用画像の間には視差が存在するので、ハイライト表示機能を3次元撮影時に用いると、左眼用画像および右眼用画像で白飛びしている領域の位置が異なる可能性がある。白飛びしている領域の位置が左右で異なると、適正なハイライト表示を行えない場合もあり得る。特に、3次元表示をカメラモニタ120で行う場合に、ハイライト表示される領域が正しく立体視できない場合も想定される。
【0174】
しかし、このカメラ本体100では、3次元撮影においてハイライト表示機能の使用が制限されているので、上記のような問題点は解消される。
【0175】
(7)左眼用画像および右眼用画像の間には視差が存在するので、暗部補正機能を3次元撮影時に用いると、暗部補正を行う領域の位置が左眼用画像および右眼用画像で異なる可能性がある。暗部補正を行う領域の位置が左右で異なると、3次元表示をカメラモニタ120で行う際に、適正な立体視が妨げられる可能性がある。
【0176】
しかし、このカメラ本体100では、3次元撮影において暗部補正機能の使用が制限されているので、上記のような問題点は解消される。
【0177】
(8)左眼用画像および右眼用画像の間には視差が存在するので、赤目補正機能を3次元撮影時に用いると、赤目補正を行う領域の位置(より詳細には、赤目の位置)が左眼用画像および右眼用画像で異なる可能性がある。赤目補正を行う領域の位置が左右で異なると、3次元表示をカメラモニタ120で行う際に、適正な立体視が妨げられる可能性がある。
【0178】
しかし、このカメラ本体100では、3次元撮影において赤目補正機能の使用が制限されているので、上記のような問題点は解消される。
【0179】
〔変形例〕
本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形および修正が可能である。
【0180】
(A)ミラーボックスを有していないデジタルカメラ1を例に、撮像装置およびカメラ本体について説明しているが、ミラーボックスを有するデジタル一眼レフカメラであっても、3次元撮影に対応させることは可能である。なお、撮像装置およびカメラ本体は静止画だけでなく動画撮影が可能な装置であってもよい。
【0181】
(B)交換レンズユニット200を例に、交換レンズユニットについて説明しているが、3次元光学系の構成は前述の実施形態に限定されない。1つの撮像素子で対応できるのであれば、3次元光学系が他の構成を有していてもよい。
【0182】
(C)3次元光学系Gは並置撮影方式に限定されず、例えば交換レンズユニットの光学系として時分割撮影方式が採用されていてもよい。また、前述の実施形態では、通常の並置撮影方式を例に記載しているが、水平方向に左眼用および右眼用画像が圧縮される水平圧縮並置撮影方式、あるいは、左眼用および右眼用画像を90度回転させた回転並置撮影方式が採用されていてもよい。
【0183】
(D)前述の第1実施形態では、レンズ識別情報F1の3次元撮影判定フラグに基づいて、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かがカメラ側判定部144により判定される。つまり、カメラ側判定部144は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応している、という情報に基づいて判定を行っている。
【0184】
しかしながら、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かの判定を、他の情報を用いて行ってもよい。例えば、交換レンズユニットが2次元撮影に対応していることを示す情報がレンズ識別情報F1に含まれている場合に、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していない、と判断してもよい。
【0185】
また、交換レンズユニットのレンズコントローラー240に予め格納されているレンズIDに基づいて交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定してもよい。レンズIDは交換レンズユニットを識別できる情報であればよい。レンズIDとしては、例えば、交換レンズユニットの製品の型番などが考えられる。レンズIDを用いて交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定する場合、例えば、カメラコントローラー140には予めレンズIDのリストが格納されている。このリストは、どの交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているかを示しており、このリストと、交換レンズユニットから取得したレンズIDと、を比較して、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かをカメラ側判定部144が判定する。このように、レンズIDを用いて、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定することもできる。なお、例えばカメラコントローラー140のソフトウェアのアップデートにより、このリストが最新のリストに更新できるようにしてもよい。
【0186】
(E)前述の交換レンズユニット200は、単焦点レンズであってもよい。この場合、前述の抽出位置補正量L11を用いることで、抽出中心ACL2およびACR2を求めることができる。なお、交換レンズユニット200が単焦点レンズの場合は、例えば、ズームレンズ210Lおよび210Rが固定されており、それに伴い、ズームリング213、ズームモータ214Lおよび214Rが搭載されていなくてもよい。
【0187】
(F)前述の実施形態では、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の5つの機能の使用が制限されているが、3次元撮影において、これらの機能のうち少なくとも1つの機能の使用が制限されていればよい。また、これら5つの機能以外の機能の使用が制限されていてもよい。
【0188】
(G)前述の実施形態では、図12(B)および図13(B)に示すように、3次元撮影モードで使用が制限される機能はグレー表示されているが、図21(B)および図22(B)に示すように、使用が制限される機能を表示部に表示しない構成も考えられる。この場合、使用が制限される機能は、第1メニュー情報126Aには含まれているが、第2メニュー情報126Bからは除外されている。なお、図21(B)および図22(B)に示すメニュー画面では、使用が制限される機能をメニュー画面に表示していないだけであるが、機能の表示をしないことに伴って、1画面に表示する機能の配置を変更してもよい。
【0189】
さらに、2次元撮影および3次元撮影でメニュー画面を変えない場合も考えられる。この場合、メニュー画面は2次元撮影と3次元撮影とで同じであるが、特定の機能を3次元撮影時にはユーザーが選択できないようにすればよい。具体的には、前述のデジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能は図21(A)および図22(A)に示すようにメニュー画面に表示されていても、3次元撮影モードでこれらの機能をユーザーが選択できないようにすればよい。
【0190】
なお、図21(A)および図22(A)は、図12(A)および図13(A)に対応している。
【0191】
《第2実施形態》
前述の第1実施形態では、デジタルズーム機能、テレコンバージョン機能、ハイライト表示機能、暗部補正機能および赤目補正機能の5つの機能の使用が制限されているが、3次元撮影において、これら5つの機能以外の機能の使用が制限される場合も考えられる。以下、第2実施形態に係るカメラ本体400について説明する。
【0192】
なお、前述の第1実施形態の構成と実質的に同じ機能を有する構成については、同じ符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0193】
〔カメラ本体の構成〕
図23〜図25に示すように、カメラ本体400は基本的に前述のカメラ本体100と同じ構成を有しているが、いくつかの構成が異なっている。具体的には、操作部430(操作部の一例)は、レリーズ釦131と、電源スイッチ132と、十字操作キー135と、決定ボタン136と、撮影選択レバー437と、タッチパネル138と、を有している。
【0194】
撮影選択レバー437(図23および図24参照)は、単写モード、連写モードおよびブラケット撮影モードを切り替えるために用いられる。撮影選択レバー437はカメラコントローラー440に電気的に接続されている。単写モードでは、レリーズ釦131を1回押すと、1枚の画像(3次元撮影の場合は1枚のステレオ画像)を取得できる。連写モードでは、レリーズ釦131を1回押すと、複数枚の画像(3次元撮影の場合は複数枚のステレオ画像)を一度に取得できる。ブラケット撮影モードでは、例えば、レリーズ釦131を1回押すと、撮影条件を段階的に変えながら複数枚の画像(3次元撮影の場合は複数枚のステレオ画像)を取得できる(例えば、露出ブラケット撮影、ISO感度ブラケット撮影)。また、ブラケット撮影モードでは、レリーズ釦131を1回押すと、異なる画像処理条件(ホワイトバランス、アスペクト比)で処理された複数枚の画像を一度に取得できる(例えば、ホワイトバランスブラケット撮影、アスペクトブラケット撮影)。これらの連写機能およびブラケット撮影機能は、複数枚の画像を一度に取得できる撮影機能と定義することができる。これらの撮影機能の詳細については後述する。
【0195】
ここで、「複数枚の画像を一度に取得する機能」とは、比較的短時間で複数枚の画像を取得する機能を意味しており、例えば、レリーズ釦131が一度押された際に複数枚の画像が取得される場合がこれらの撮影機能に含まれる。したがって、動画撮影機能は「複数枚の画像を一度に取得する機能」には含まれない。
【0196】
なお、操作部430の各構成は、ユーザーによる操作を受け付けることができればよく、ボタン、レバー、ダイアル等であればよい。
【0197】
カメラコントローラー440はカメラ本体100全体を制御する。カメラコントローラー440は操作部130と電気的に接続されている。カメラコントローラー440には操作部130から操作信号が入力される。カメラコントローラー440は、制御動作や後述の画像処理動作の際に、DRAM141をワークメモリとして使用する。
【0198】
また、カメラコントローラー440は、交換レンズユニット200を制御するための信号を、ボディマウント150およびレンズマウント250を介してレンズコントローラー240に送信し、交換レンズユニット200の各部を間接的に制御する。また、カメラコントローラー440は、ボディマウント150およびレンズマウント250を介して、レンズコントローラー240から各種信号を受信する。
【0199】
カメラコントローラー440は、前述のカメラコントローラー140と同様に、CPU140a、ROM140bおよびRAM140cを有しており、ROM140bに格納されたプログラムがCPU140aに読み込まれることで様々な機能を実現し得る。
【0200】
〔カメラコントローラー440の詳細〕
ここで、カメラコントローラー440の機能の詳細について説明する。
【0201】
まず、カメラコントローラー440は、第1実施形態のカメラコントローラー140と同様に、交換レンズユニット200がカメラ本体100(より詳細には、ボディマウント150)に装着されているか否かを検知する。具体的には図25に示すように、カメラコントローラー440はレンズ検知部146を有している。交換レンズユニット200がカメラ本体100に装着されると、カメラコントローラー440とレンズコントローラー240との間で信号の送受信が行われる。レンズ検知部146は、信号の送受信に基づいて交換レンズユニット200が装着されているか否かを判定する。
【0202】
カメラコントローラー440は、第1実施形態のカメラコントローラー140と同様に、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定する機能、および交換レンズユニットから3次元撮影に関係する情報を取得する機能など、様々な機能を有している。カメラコントローラー440は、識別情報取得部142、特性情報取得部143、カメラ側判定部144、メニュー設定部426、状態情報取得部145、抽出位置補正部139、第1領域決定部129、第2領域決定部149、メタデータ生成部147および画像ファイル生成部148を有している。本実施形態では、メニュー設定部426および第2領域決定部149により、複数枚の画像を一度に取得できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限部427(機能制限部の一例)が実現されている。
【0203】
ここで、第2実施形態における「撮影機能」には、例えば連写機能およびブラケット撮影機能が含まれる。
【0204】
メニュー設定部426(連写メニュー設定部の一例、ブラケットメニュー設定部の一例)はカメラモニタ120および電子ビューファインダー180に表示されるメニュー画面を設定する。具体的には図26(A)および(B)に示すように、メニュー設定部426は、2次元撮影時に使用できる連写機能の一覧を示す第1連写メニュー情報426A(第1連写メニュー情報の一例)と、3次元撮影時に使用できる連写機能の一覧を示す第2連写メニュー情報426B(第2連写メニュー情報の一例)と、を有している。
【0205】
第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bは、例えばカメラコントローラー440のROM140bに予め格納されている。第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bは、例えば、各連写モード、設定、表示および選択の4つの項目を一覧にしたリストである。本実施形態では、連写モードとして、低速、中速、高速および超高速の4種類の連写モードが採用されている。各連写モードについては後述する。
【0206】
「設定」はその機能の設定状態を示している。本実施形態では、基本的に、第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bの「設定」の内容については互いに共通となっている。具体的には、第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bの「設定」の内容は、ROM140bの一部であるフラッシュメモリ(図示せず)に記憶されている。記憶されている「設定」の内容は、機能制限部427(より詳細には、メニュー設定部426)により管理されており、ユーザーの操作に応じて、記憶されている情報(より詳細には、「設定」)がメニュー設定部426により更新される。したがって、基本的には、例えば2次元撮影時に設定を変更すれば、その変更された設定が3次元撮影の設定内容に反映される。なお、メニュー設定部426が第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bの「設定」の内容を別々に管理していてもよい。
【0207】
「表示」はメニュー画面で表示される際の状態を示している。「表示」が「通常」の場合、例えば白などの通常の色でその機能がメニュー画面に表示される。「表示」が「グレー」の場合、その機能がメニュー画面でグレー表示される。「選択」はその機能が選択できるか否か(使用できるか否か)を示している。「選択」が「可」であれば、その機能を選択することができる。「選択」が「不可」であれば、その機能を選択することができない(使用することができない)ことを意味している。なお、第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bに「表示」という項目が存在せず、「選択」の内容で表示色を決定してもよい。例えば、選択可能な機能と異なる色で選択不可の機能を表示するようにしてもよい。
【0208】
メニュー設定部426は、3次元撮影時に、「選択」が「不可」となっている超高速連写モードの「設定」を強制的に「OFF」に設定する。このため、ユーザーの操作に関わらず、3次元撮影において超高速連写モードの使用がメニュー設定部426により制限される。このとき、例えば、メニュー設定部426は、設定変更する前の設定(2次元撮影での設定)を所定のアドレスに一時的に格納しておき、記憶している変更前の設定内容に基づいて、記憶している設定内容を2次元撮影時の設定内容に戻す。
【0209】
具体的には図26(A)に示すように、第1連写メニュー情報426Aでは、全ての連写モードが通常表示および選択可能となっている。例えばタッチパネル138で中速連写モードを選択すると、中速連写モードがONに切り替わり、他の連写モードがOFFに切り替わる。このとき、所定のアドレスに記憶されている中速連写モードの設定内容がメニュー設定部426によりOFFからONに切り替えられ、他の連写モードの設定内容がOFFに切り替えられる。
【0210】
一方、図26(B)に示すように、第2連写メニュー情報426Bでは、超高速連写モードが、グレー表示および選択不可となっている。したがって、選択不可となっている機能は、第1連写メニュー情報426Aで「ON」になっていても、第2連写メニュー情報426Bではメニュー設定部426により強制的に「OFF」に切り替えられる。例えば、2次元撮影時に超高速連写モードがONになっていても、3次元撮影時には超高速連写モードはOFFに自動的に切り替えられる。具体的には、所定のアドレスに記憶されている超高速連写モードの設定内容がメニュー設定部426によりONからOFFに切り替えられる。
【0211】
逆に、カメラ側判定部144の判定結果に基づいて3次元撮影モードから2次元撮影モードに撮影モードが切り替えられると、メニュー設定部426により超高速連写モードの設定内容が2次元撮影時の設定内容に戻される。図26(A)および(B)に示すように、例えば、メニュー設定部426により超高速連写モードの設定内容がOFFからONに切り替えられる。
【0212】
また、図27(A)および(B)に示すように、メニュー設定部426は、2次元撮影時に使用できるブラケット撮影機能の一覧を示す第1ブラケットメニュー情報426C(第1ブラケットメニュー情報の一例)と、3次元撮影時に使用できるブラケット撮影機能の一覧を示す第2ブラケットメニュー情報426D(第2ブラケットメニュー情報の一例)と、を有している。
【0213】
第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dは、例えばカメラコントローラー440のROM140bに予め格納されている。第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dは、例えば、各ブラケット撮影機能、設定、表示および選択の4つの項目を一覧にしたリストである。ブラケット撮影機能としては、露出を段階的に変えながら複数枚の画像を撮影する露出ブラケット撮影機能、ホワイトバランスの設定が異なる複数枚の画像を一度に取得できるホワイトバランスブラケット撮影機能、ISO感度を段階的に変えながら複数枚の画像を撮影するISO感度ブラケット撮影機能、そして異なるアスペクト比を有する複数枚の画像を一度に取得できるアスペクトブラケット撮影機能、の4種類の機能が考えられる。本実施形態では、アスペクトブラケット撮影の対象として、4:3、3:2、16:9および1:1の4種類のアスペクト比が採用されている。アスペクトブラケット撮影については後述する。
【0214】
「設定」はその機能の設定状態を示している。本実施形態では、基本的に、第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dの「設定」の内容については互いに共通となっている。具体的には、第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dの「設定」の内容は、ROM140bの一部であるフラッシュメモリ(図示せず)に記憶されている。記憶されている「設定」の内容は、機能制限部427(より詳細には、メニュー設定部426)により管理されており、ユーザーの操作に応じて、記憶されている情報(より詳細には、「設定」)がメニュー設定部426により更新される。したがって、基本的には、例えば2次元撮影時に設定を変更すれば、その変更された設定が3次元撮影の設定内容に反映される。なお、メニュー設定部426が第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dの「設定」の内容を別々に管理していてもよい。
【0215】
「表示」はメニュー画面で表示される際の状態を示している。「表示」が「通常」の場合、例えば白などの通常の色でその機能がメニュー画面に表示される。「表示」が「グレー」の場合、その機能がメニュー画面でグレー表示される。「選択」はその機能が選択できるか否か(使用できるか否か)を示している。「選択」が「可」であれば、その機能を選択することができる。「選択」が「不可」であれば、その機能を選択することができない(使用することができない)ことを意味している。なお、第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dに「表示」という項目が存在せず、「選択」の内容で表示色を決定してもよい。例えば、選択可能な機能と異なる色で選択不可の機能を表示するようにしてもよい。
【0216】
メニュー設定部426は、3次元撮影時に、「選択」が「不可」となっているアスペクトブラケット撮影モードの「設定」を強制的に「OFF」に設定する。このため、ユーザーの操作に関わらず、3次元撮影においてアスペクトブラケット撮影モードの使用がメニュー設定部426により制限される。このとき、例えば、メニュー設定部426は、設定変更する前の設定(2次元撮影での設定)を所定のアドレスに一時的に格納しておき、記憶している変更前の設定内容に基づいて、2次元撮影時に自動的に設定をもとに戻す。
【0217】
具体的には図27(A)に示すように、第1ブラケットメニュー情報426Cでは、全てのブラケット撮影機能が通常表示および選択可能となっている。したがって、ユーザーは全てのブラケット撮影機能から所望の機能を選択することができる。
【0218】
一方、図27(B)に示すように、第2ブラケットメニュー情報426Dでは、アスペクトブラケット撮影(「アスペクト比」)がグレー表示および選択不可となっている。ここで、選択不可となっている機能は、第1ブラケットメニュー情報426Cで「ON」になっていても、第2ブラケットメニュー情報426Dではメニュー設定部426により強制的に「OFF」に切り替えられている。
【0219】
このように、予め定められた撮影機能の使用を3次元撮影において制限するために、2次元撮影の設定に関係なく、メニュー設定部426は予め定められた撮影機能を強制的にOFFに設定する。
【0220】
RAM240cに格納されているカメラ側判定部144の判定結果に基づいて、メニュー設定部426は、連写モードにおいては、第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bのうちどちらのメニュー情報を表示するかを決定する。具体的には、カメラ側判定部144の判定結果が、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示している場合、メニュー設定部426は、第2連写メニュー情報426Bをカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示する。一方、カメラ側判定部144の判定結果が、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示している場合、メニュー設定部426は、第1連写メニュー情報426Aをカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示する。
【0221】
第1連写メニュー情報426Aおよび第2連写メニュー情報426Bに基づいて表示される画面の一例を図28(A)および(B)に示す。図28(A)に示すように、2次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第1連写メニュー情報426Aに含まれる低速、中速、高速および超高速連写モードが、選択できる機能として表示される。
【0222】
一方、図28(B)に示すように、3次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第2連写メニュー情報426Bに含まれる低速、中速、高速および超高速連写モードが表示されるが、このうち、超高速連写モードの項目がグレー表示される。前述のように、グレー表示されている機能はユーザーが選択することができなくなっている。
【0223】
また、RAM240cに格納されているカメラ側判定部144の判定結果に基づいて、メニュー設定部426は、ブラケット撮影モードにおいては、第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dのうちどちらのメニュー情報を表示するかを決定する。具体的には、カメラ側判定部144の判定結果が、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示している場合、メニュー設定部426は、第2ブラケットメニュー情報426Dをカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示する。一方、カメラ側判定部144の判定結果が、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示している場合、メニュー設定部426は、第1ブラケットメニュー情報426Cをカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示する。
【0224】
第1ブラケットメニュー情報426Cおよび第2ブラケットメニュー情報426Dに基づいて表示される画面の一例を図29(A)および(B)に示す。図29(A)に示すように、2次元撮影モードのメニュー画面には、例えば、第1ブラケットメニュー情報426Cに含まれる4つの機能が、選択できる撮影機能として表示される。
【0225】
以上のように、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144が判定した場合、メニュー設定部426は、2次元撮影で使用できる機能(撮影機能の一例)の3次元撮影での使用を制限している。
【0226】
〔撮影機能の説明〕
デジタルカメラ1は、連写機能およびブラケット撮影機能を有しており、3次元撮影モードでは、連写機能およびブラケット撮影機能の使用が制限されている。
【0227】
ここで、3次元撮影モードで使用が制限されている各機能について簡単に説明しておく。
【0228】
(1)連写機能
連写機能は、レリーズ釦131を押している間に所定のフレームレートで複数枚の画像を取得する機能である。連写機能を使用するための連写モードでは、低速、中速、高速および超高速の4種類の連写速度での撮影が可能である。低速、中速、高速および超高速連写機能の連写速度は、それぞれ異なっており、低速、中速、高速および超高速の順で連写速度が速くなる。低速連写モードでは、例えば1秒間に2枚の画像を取得できる。中速連写モードでは、例えば1秒間に4枚の画像を取得できる。高速連写モードでは、例えば1秒間に6枚の画像を取得できる。低速、中速および高速連写モードでは、メカニカルシャッターであるシャッターユニット190を用いて連写が行われる。低速、中速および高速連写モードでは、レリーズ釦131を一度押せば、それぞれ所定のフレームレートで複数の画像を自動的に取得できる。
【0229】
一方、超高速連写モードでは、電子シャッター機能を用いて連写が行われるので、低速、中速および高速連写モードよりも単位時間あたりに取得できる画像の枚数が多くなる。つまり、超高速連写機能(第2連写機能の一例)の連写速度は、低速、中速および高速連写機能(第1連写機能の一例)の連写速度よりも速い。例えば、超高速連写モードでは、1秒間に40枚の画像を取得できる。超高速連写モードでは、レリーズ釦131を押している時間に取得画像の枚数が比例する。例えば、レリーズ釦131を1秒押し続ければ40枚の画像を取得でき、0.5秒だけレリーズ釦131を押し続ければ20枚の画像を取得できる。なお、レリーズ釦131を1秒以上押し続けても、DRAM141の容量に応じて所定枚数(例えば40枚)の画像を取得した時点で超高速連写が終了するようにしてもよい。
【0230】
(2)アスペクトブラケット撮影機能
アスペクトブラケット撮影機能は、異なるアスペクト比を有する複数枚の画像を一度に取得する機能である。アスペクトブラケット撮影機能を使用するためのアスペクトブラケット撮影モードでは、異なるアスペクト比を有する複数枚の画像を一度に取得できる。前述のように、本実施形態では、アスペクトブラケット撮影の対象として、4:3、3:2、16:9および1:1の4種類のアスペクト比が採用されている。なお、本実施形態では、アスペクトブラケット撮影モードのアスペクト比は予め定められているが、アスペクトブラケット撮影の対象となるアスペクト比をユーザーが選択できる構成もあり得る。
【0231】
ここで、アスペクトブラケット撮影モードについて、より詳細に説明する。アスペクトブラケット撮影モードでは、CMOSイメージセンサー110から取り込まれる画像データは1フレームだけであるが、この画像データから4種類のアスペクト比で画像が抽出される。具体的には、図30および図31(A)〜(D)に示すように、1枚の画像に対して、アスペクト比4:3の第1アスペクト領域T11、アスペクト比3:2の第2アスペクト領域T12、アスペクト比16:9の第3アスペクト領域T13およびアスペクト比1:1の第4アスペクト領域T14のそれぞれで画像データの抽出が行われる。これにより、アスペクトブラケット撮影モードでは、4種類のアスペクト比を有する4枚の画像を一度に取得することができる。
【0232】
〔デジタルカメラの動作〕
(1)電源ON時
交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かの判定は、カメラ本体400の電源がONの状態で交換レンズユニット200がカメラ本体400に装着されたとき、あるいは、交換レンズユニット200がカメラ本体400に装着された状態でカメラ本体400の電源がONになったとき、が考えられる。ここでは、後者の場合を例にデジタルカメラ1の動作を図8(A)、図8(B)、図32および図33のフローを用いて説明する。もちろん、前者の場合にも、同様の動作を行ってもよい。
【0233】
第1実施形態の場合と同様に、電源がONになると、表示制御部125の制御によりカメラモニタ120に黒画面が表示され、カメラモニタ120のブラックアウトの状態が保持される(ステップS1)。次に、カメラコントローラー440の識別情報取得部142により交換レンズユニット200からレンズ識別情報F1が取得される(ステップS2)。具体的には図8(A)および図8(B)に示すように、カメラコントローラー440のレンズ検知部146により交換レンズユニット200の装着が検知されると、カメラコントローラー440はレンズコントローラー240に種別確認コマンドを送信する。この種別確認コマンドは、レンズ識別情報F1の3次元撮影判定フラグのステータスを送信するようレンズコントローラー240に要求するコマンドである。図8(B)に示すように、交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているので、種別確認コマンドを受信するとレンズコントローラー240がレンズ識別情報F1(3次元撮影判定フラグ)をカメラ本体400に送信する。識別情報取得部142はこの3次元撮影判定フラグのステータスをDRAM141に一時的に格納する。
【0234】
次に、通常初期通信がカメラ本体400および交換レンズユニット200の間で実行される(ステップS3)。通常初期通信とは、3次元撮影に対応していない交換レンズユニットおよびカメラ本体の間でも行われる通信であり、例えば交換レンズユニット200の仕様に関する情報(焦点距離、F値等)が交換レンズユニット200からカメラ本体400に送信される。
【0235】
通常初期通信の後、カメラ側判定部144により、ボディマウント150に装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かが判定される(ステップS4)。具体的には、識別情報取得部142により取得されたレンズ識別情報F1(3次元撮影判定フラグ)に基づいて、装着されている交換レンズユニット200が3次元撮影に対応しているか否かがカメラ側判定部144により判定される。
【0236】
装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応していない場合、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示す情報がカメラ側判定部144によりRAM240cの所定のアドレスに格納され、撮影モードが2次元撮影モードに設定される(ステップS109A)。このとき、超高速連写機能およびアスペクトブラケット撮影機能が、メニュー設定部426により強制的にOFFに設定されていれば(後述)、超高速連写機能およびアスペクトブラケット撮影機能が、メニュー設定部426により前回の2次元撮影時と同じ状態に復元される(ステップ109B)。前回の2次元撮影時の設定内容は、例えばDRAM141やROM140bの一部であるフラッシュメモリに一時的に格納されている。続いて、2次元撮影に対応している通常のシーケンスが実行され、ステップS14に処理が移行する(ステップS109C)。
【0237】
なお、交換レンズユニット200がカメラ本体400から取り外された場合、超高速連写機能およびアスペクトブラケット撮影機能については、メニュー設定部426により自動的に前回の2次元撮影時と同じ状態に復元されてもよい。つまり、3次元撮影に対応する交換レンズユニット200がカメラ本体400に装着された場合にだけ、上記の2つの機能が強制的にOFFに設定されてもよい。
【0238】
一方、装着されている交換レンズユニットが3次元撮影に対応している場合は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示す情報がカメラ側判定部144によりRAM240cの所定のアドレスに格納され、撮影モードが3次元撮影モードに設定される(ステップS105A)。このとき、超高速連写機能およびアスペクトブラケット撮影機能が、メニュー設定部426により強制的に「OFF」に設定される。より詳細には、第2連写メニュー情報426Bの高速連写モードの「設定」がメニュー設定部426により強制的に「OFF」に切り替えられる(ステップS105B)。また、第2ブラケットメニュー情報426Dのアスペクトブラケット撮影モードの「設定」がメニュー設定部426により強制的に「OFF」に切り替えられる。すでにOFFに設定されている機能については、OFFの状態が保たれる。
【0239】
カメラ側判定部144の判定結果がRAM240cに格納された後、特性情報取得部143によりレンズ特性情報F2が交換レンズユニット200から取得される(ステップS6)。なお、ステップS6〜S17の処理は第1実施形態と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0240】
(2)連写モード選択動作
ここで、図34を用いて2次元撮影および3次元撮影時の連写モード選択動作について説明する。
【0241】
図34に示すように、撮影選択レバー437を用いて連写モードが選択されると、メニュー設定部426により撮影モードの確認が行われる(ステップS161、S162)。具体的には、メニュー設定部426により、RAM240cの所定のアドレスに格納されているカメラ側判定部144の判定結果が確認される。判定結果が3次元撮影モードを示していれば(あるいは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示していれば)、メニュー設定部426により第2連写メニュー情報426Bが選択され、選択された第2連写メニュー情報426Bがカメラモニタ120に表示される(ステップS163)。このとき、図28(B)に示すように、低速、中速および高速速連写モードはユーザーが選択できるようになっているが、超高速連写モードはグレーに表示されており、十字操作キー135あるいはタッチパネル138を用いて選択しようとしても、この撮影機能は選択できないようになっている。
【0242】
一方、判定結果が2次元撮影モードを示していれば(あるいは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示していれば)、メニュー設定部426により第1連写メニュー情報426Aが選択され、選択された第1連写メニュー情報426Aがカメラモニタ120に表示される(ステップS164)。この場合、図28(A)に示すように、低速、中速、高速および超高速連写モードはユーザーが選択できるようになっている。
【0243】
(3)ブラケット撮影モード選択動作
ここで、図35を用いて2次元撮影および3次元撮影時のブラケット撮影モード選択動作について説明する。
【0244】
図35に示すように、撮影選択レバー437を用いてブラケット撮影モードが選択されると、メニュー設定部426により撮影モードの確認が行われる(ステップS171、S172)。具体的には、メニュー設定部426により、RAM240cの所定のアドレスに格納されているカメラ側判定部144の判定結果が確認される。判定結果が3次元撮影モードを示していれば(あるいは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していることを示していれば)、メニュー設定部426により第2ブラケットメニュー情報426Dが選択され、選択された第2ブラケットメニュー情報426Dがカメラモニタ120に表示される(ステップS173)。このとき、図29(B)に示すように、露出、ホワイトバランスおよびISO感度ブラケット撮影モードはユーザーが選択できるようになっているが、アスペクトブラケット撮影モードはグレーに表示されており、十字操作キー135あるいはタッチパネル138を用いて選択しようとしても、この撮影機能は選択できないようになっている。
【0245】
また、メニュー設定部426により第2ブラケットメニュー情報426Dが選択される際、「選択不可」となっているアスペクトブラケット撮影モードの設定だけ強制的にOFFにメニュー設定部426により切り替えられる。より詳細には、RAM240cに格納されているアスペクトブラケット撮影モードの設定内容がメニュー設定部426により強制的にOFFに切り替えられる。
【0246】
一方、判定結果が2次元撮影モードを示していれば(あるいは、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないことを示していれば)、メニュー設定部426により第1ブラケットメニュー情報426Cが選択され、選択された第1ブラケットメニュー情報426Cがカメラモニタ120に表示される(ステップS174)。この場合、図29(A)に示すように、第1ブラケットメニュー情報426Cの「選択」が選択可になっている露出、ホワイトバランス、ISO感度およびアスペクトブラケット撮影モードはユーザーが選択できるようになっている。
【0247】
(4)2次元静止画撮影
次に、図36を用いて2次元静止画撮影時の動作について説明する。ここでは、単写モードでの2次元撮影を基本として、連写モードおよびアスペクトブラケット撮影モードでの2次元撮影についても説明する。
【0248】
ユーザーがレリーズ釦131を押すと、オートフォーカス(AF)および自動露出(AE)が実行され、続いて露光が開始される(ステップS21およびS22)。CMOSイメージセンサー110から画像信号(全画素のデータ)が信号処理部15に取り込まれ、信号処理部15においてAD変換などの信号処理が画像信号に施される(ステップS23およびS24)。信号処理部15により生成された基本画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0249】
次に、画像抽出部16により、撮影画像データが基本画像データから抽出される(ステップS125)。単写モードあるいは連写モードでは、選択されているアスペクト比に応じて、基本画像データから撮影画像データが1つの領域で抽出されるが、例えば、アスペクトブラケット撮影モードでは、図31(A)〜(B)に示すように、第1アスペクト領域T11、第2アスペクト領域T12、第3アスペクト領域T13および第4アスペクト領域T14の画像データが基本画像領域T1から順次抽出される。
【0250】
さらに、補正処理部18により、撮影画像データに補正処理が施される。具体的には、撮影画像データに対して補正処理部18により歪曲収差補正およびシェーディング補正が施される(ステップS26)。なお、アスペクトブラケット撮影モードでは、例えばステップS125で抽出された4つの画像データに対して、それぞれ補正処理部18により補正処理が施される。
【0251】
補正処理の後、補正後の画像データに対して、画像圧縮部17によりJPEG圧縮などの圧縮処理が行われる(ステップS27)。圧縮処理により生成された画像ファイルは、例えばカードスロット170に送信されメモリーカード171に保存される(ステップS28)。アスペクトブラケット撮影モードでは、例えば4つの画像ファイルがメモリーカード171に保存される。
【0252】
画像ファイルがメモリーカード171に保存された後、撮影画像を確認するために、カメラモニタ120に撮影画像がある定められた時間だけ表示される(ステップS29)。
【0253】
なお、連写モードで2次元撮影を行う場合、例えば、ステップS22〜S28が並行して所定の回数だけ順次実行される。具体的には、低速、中速および高速連写モードでは、シャッターユニット190により露光が所定の条件で繰り返され、シャッターユニット190に連動して、CMOSイメージセンサー110から画像信号(全画素のデータ)が信号処理部15に順次取り込まれる(ステップS22、S23)。信号処理部15においてAD変換などの信号処理が画像信号に施され、信号処理部15により生成された基本画像データはDRAM141に一時的に格納される(ステップS24)。DRAM141では、ステップS125〜S28の処理状況に応じて、基本画像データの排出が行われる。このため、ステップS125以降の処理に時間がかかると、DRAM141から基本画像データが排出される周期が長くなり、それに伴い、信号処理部15で生成される基本画像データを新たにDRAM141に格納できなくなるおそれがある。したがって、ステップS125以降の処理時間は連写速度に影響を及ぼし得る。
【0254】
(5)3次元静止画撮影
次に、図37を用いて3次元静止画撮影時の動作について説明する。ここでは、単写モードでの3次元撮影を基本として、連写モードの3次元撮影についても説明する。なお、前述のように、3次元撮影時においては、アスペクトブラケット撮影機能の使用は制限されている。
【0255】
ユーザーがレリーズ釦131を押すと、オートフォーカス(AF)および自動露出(AE)が実行され、続いて露光が開始される(ステップS41およびS42)。CMOSイメージセンサー110から画像信号(全画素のデータ)が信号処理部15に取り込まれ、信号処理部15においてAD変換などの信号処理が画像信号に施される(ステップS43およびS44)。信号処理部15により生成された基本画像データはDRAM141に一時的に格納される。
【0256】
次に、画像抽出部16により、左眼用画像データおよび右眼用画像データが基本画像データから抽出される(ステップS45)。このときの抽出領域AL3およびAR3のサイズ、位置および抽出方法は、ステップS6およびS7で決定された値が用いられる。
【0257】
さらに、補正処理部18により、抽出された左眼用画像データおよび右眼用画像データに補正処理が施され、画像圧縮部17によりJPEG圧縮などの圧縮処理が左眼用画像データおよび右眼用画像データに対して行われる(ステップS46およびS47)。
【0258】
圧縮処理後、カメラコントローラー440のメタデータ生成部147により、基線長および輻輳角を設定したメタデータが生成される(ステップS48)。
【0259】
メタデータ生成後、圧縮された左眼用および右眼用画像データとメタデータとを組み合わせて、MPF形式の画像ファイルが画像ファイル生成部148により生成される(ステップS49)。生成された画像ファイルは、例えばカードスロット170に送信されメモリーカード171に保存される(ステップS50)。この画像ファイルを基線長および輻輳角を用いて3次元表示すると、専用メガネなどを用いれば表示された画像を立体視することができる。
【0260】
画像ファイルがメモリーカード171に保存された後、撮影画像を確認するために、ある定められた時間だけカメラモニタ120に撮影画像が表示される(ステップS51)。このとき、例えば、左眼用画像、右眼用画像、あるいは、左眼用画像と右眼用画像とを用いた3次元画像がカメラモニタ120に表示される。
【0261】
なお、連写モード(低速、中速および高速連写モード)で3次元撮影を行う場合、例えば、ステップS42〜S50が並行して所定の回数だけ順次実行される。具体的には、低速、中速および高速連写モードでは、シャッターユニット190により露光が所定の条件で繰り返され、CMOSイメージセンサー110から画像信号(全画素のデータ)が信号処理部15に順次取り込まれる(ステップS42、S43)。信号処理部15においてAD変換などの信号処理が画像信号に施され、信号処理部15により生成された基本画像データはDRAM141に一時的に格納される(ステップS44)。ステップS45〜S50の処理状況に応じて、DRAM141から基本画像データが排出される。このため、ステップS45以降の処理に時間がかかると、DRAM141から基本画像データが排出される周期が長くなり、それに伴い、信号処理部15で生成される基本画像データを新たにDRAM141に格納できなくなるおそれがある。したがって、ステップS45以降の処理時間は連写速度に影響を及ぼし得る。
【0262】
〔カメラ本体の特徴〕
以上に説明したカメラ本体400の特徴を以下にまとめる。
【0263】
(1)前述のように、撮像装置には複数枚の画像を一度に取得できる機能(例えば、連写機能やブラケット撮影機能)が搭載されている。
【0264】
しかし、3次元撮影の場合、3次元撮影特有の画像処理が必要となるので、このような機能がステレオ画像を生成する際の妨げとなる可能性もある。
【0265】
そこで、カメラ本体400では、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、複数枚の画像を一度に取得できる撮影機能の使用が3次元撮影において機能制限部427により制限される。したがって、3次元撮影時にこの種の撮影機能が3次元撮影に悪影響を及ぼさない。つまり、このような構成を採用することで、より3次元撮影に適したカメラ本体400を提供することができる。
【0266】
ここで、「適正な立体視に影響を及ぼす」とは、例えば、立体視の際に視聴者が極度の不快感を覚えることを意味している。
【0267】
(2)例えば、3次元撮影時には、3次元撮影特有の画像処理が必要となるので、2次元撮影に比べて画像処理に時間がかかる。具体的には、3次元撮影時の画像処理では、少なくとも図37に示すステップS47〜S49の分だけ2次元撮影時に比べて処理時間が長くなる。したがって、3次元撮影時に連写速度が比較的速い連写モードの使用を許容すると、連写速度によっては画像処理が追いつかず、例えば、連写枚数が制限されるか、あるいは、所望の連写速度を実現するのが困難となってしまう。
【0268】
しかし、カメラ本体400では、3次元撮影時において超高速連写モード(第2連写機能の一例)の使用が機能制限部427により制限されるので、上記のような問題は生じにくくなり、快適な3次元撮影が可能となる。
【0269】
(3)また、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、機能制限部427は、複数枚の画像を一度に取得できる撮影機能の使用を3次元撮影において制限する。具体的には、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、メニュー設定部426は、カメラ側判定部144の判定結果に基づいて、連写モードにおいてカメラモニタ120あるいは電子ビューファインダー180に表示するメニュー画面として第2連写メニュー情報426Bを選択する。
【0270】
一方、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないとカメラ側判定部144により判定された場合に、メニュー設定部426は、カメラ側判定部の判定結果に基づいて、連写モードにおいてカメラモニタ120あるいは電子ビューファインダー180に表示するメニュー画面として第1連写メニュー情報426Aを選択する。
【0271】
このように、2次元撮影および3次元撮影で異なるメニュー情報を用いることで、超高速連写機能を3次元撮影で使用するのを容易に制限することができる。
【0272】
(4)第2連写メニュー情報426Bがカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示される際、超高速連写モードは、カメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示されるが、ユーザーが選択できないようになっている。具体的には、メニュー設定部426は、超高速連写モードの表示を許容しているが、表示しているのみで超高速連写モードを選択可能な機能に含めていない。したがって、ユーザーが誤って超高速連写モードを3次元撮影時に選択するのを防止できる。また、超高速連写モードが3次元撮影で使用できないことをユーザーが容易に認識できる。
【0273】
また、図28(B)に示すように、第2連写メニュー情報426Bがカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示される際、超高速連写モードは、第2連写メニュー情報426Bに含まれる他の連写モード(低速、中速および高速連写モード)とは異なる色で表示されるので、選択できない連写モードをユーザーが認識しやすくなる。
【0274】
(5)さらに、例えば、3次元撮影の場合、図9に示すように、左眼用および右眼用光学像QL1およびQR1がCMOSイメージセンサー110上に並ぶので、左眼用および右眼用画像を切り出すための抽出領域AL2およびAR2が2次元撮影時の抽出領域に比べて小さくなる。したがって、アスペクト比によっては、所望の大きさの抽出領域を確保するのが困難となる場合もあり得る。抽出領域が小さくなると、ステレオ画像の画質が粗くなり、3次元画像の画質が低下するおそれがある。
【0275】
しかし、カメラ本体400では、3次元撮影時においてアスペクトブラケット撮影モード(アスペクトブラケット撮影機能の一例)の使用が機能制限部427により制限されるので、3次元画像として必要な画質を確保しやすくなる。
【0276】
(6)交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているとカメラ側判定部144により判定された場合に、メニュー設定部426は、カメラ側判定部144の判定結果に基づいて、ブラケット撮影モードにおいてカメラモニタ120あるいは電子ビューファインダー180に表示するメニュー画面として第2ブラケットメニュー情報426Dを選択する。
【0277】
一方、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないとカメラ側判定部144により判定された場合に、メニュー設定部426は、カメラ側判定部の判定結果に基づいて、ブラケット撮影モードにおいてカメラモニタ120あるいは電子ビューファインダー180に表示するメニュー画面として第1ブラケットメニュー情報426Cを選択する。
【0278】
このように、2次元撮影および3次元撮影で異なるメニュー情報を用いることで、アスペクトブラケット撮影機能を3次元撮影で使用するのを容易に制限することができる。
【0279】
(7)第2ブラケットメニュー情報426Dがカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示される際、アスペクトブラケット撮影モードの項目名(「アスペクト比」)は、カメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示されるが、ユーザーはアスペクトブラケット撮影モードを選択できないようになっている。具体的には、メニュー設定部426は、アスペクトブラケット撮影モードの表示を許容しているが、表示しているのみでアスペクトブラケット撮影モードを選択可能な機能に含めていない。したがって、ユーザーが誤ってアスペクトブラケット撮影モードを3次元撮影時に選択するのを防止できる。また、アスペクトブラケット撮影モードが3次元撮影で使用できないことをユーザーが容易に認識できる。
【0280】
また、図29(B)に示すように、第2ブラケットメニュー情報426Dがカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示される際、アスペクトブラケット撮影モードは、第2ブラケットメニュー情報426Dに含まれる他のブラケット撮影モード(露出、ホワイトバランスおよびISO感度ブラケット撮影モード)とは異なる色で表示されるので、選択できないブラケット撮影モードをユーザーが認識しやすくなる。
【0281】
〔変形例〕
第2実施形態の構成は以下のように種々の変形および修正が可能である。
【0282】
(A)ミラーボックスを有していないデジタルカメラ1を例に、撮像装置およびカメラ本体について説明しているが、ミラーボックスを有するデジタル一眼レフカメラであっても、3次元撮影に対応させることは可能である。なお、撮像装置およびカメラ本体は静止画だけでなく動画撮影が可能な装置であってもよい。
【0283】
(B)交換レンズユニット200を例に、交換レンズユニットについて説明しているが、3次元光学系の構成は前述の実施形態に限定されない。1つの撮像素子で対応できるのであれば、3次元光学系が他の構成を有していてもよい。
【0284】
(C)3次元光学系Gは並置撮影方式に限定されず、例えば交換レンズユニットの光学系として時分割撮影方式が採用されていてもよい。また、前述の実施形態では、通常の並置撮影方式を例に記載しているが、水平方向に左眼用および右眼用画像が圧縮される水平圧縮並置撮影方式、あるいは、左眼用および右眼用画像を90度回転させた回転並置撮影方式が採用されていてもよい。
【0285】
(D)前述の第2実施形態では、レンズ識別情報F1の3次元撮影判定フラグに基づいて、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かがカメラ側判定部144により判定される。つまり、カメラ側判定部144は、交換レンズユニットが3次元撮影に対応している、という情報に基づいて判定を行っている。
【0286】
しかしながら、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かの判定を、他の情報を用いて行ってもよい。例えば、交換レンズユニットが2次元撮影に対応していることを示す情報がレンズ識別情報F1に含まれている場合に、交換レンズユニットが3次元撮影に対応していない、と判断してもよい。
【0287】
また、交換レンズユニットのレンズコントローラー240に予め格納されているレンズIDに基づいて交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定してもよい。レンズIDは交換レンズユニットを識別できる情報であればよい。レンズIDとしては、例えば、交換レンズユニットの製品の型番などが考えられる。レンズIDを用いて交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定する場合、例えば、カメラコントローラー440には予めレンズIDのリストが格納されている。このリストは、どの交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているかを示しており、このリストと、交換レンズユニットから取得したレンズIDと、を比較して、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かをカメラ側判定部144が判定する。このように、レンズIDを用いて、交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定することもできる。なお、例えばカメラコントローラー440のソフトウェアのアップデートにより、このリストが最新のリストに更新できるようにしてもよい。
【0288】
(E)前述の交換レンズユニット200は、単焦点レンズであってもよい。この場合、前述の抽出位置補正量L11を用いることで、抽出中心ACL2およびACR2を求めることができる。なお、交換レンズユニット200が単焦点レンズの場合は、例えば、ズームレンズ210Lおよび210Rが固定されており、それに伴い、ズームリング213、ズームモータ214Lおよび214Rが搭載されていなくてもよい。
【0289】
(F)前述の実施形態では、3次元撮影において、超高速連写機能およびアスペクトブラケット撮影機能の使用が制限されているが、複数の画像を一度に取得できる撮影機能であれば、他の撮影機能が制限されていてもよい。また、3次元撮影において、アスペクトブラケット撮影機能のみの使用が制限されていてもよいし、超高速連写機能の使用のみが制限されていてもよい。また、3次元撮影において、全ての連写機能(低速、中速、高速および超高速連写機能)の使用が制限されていてもよいし、全てのブラケット撮影機能(露出、ホワイトバランス、ISO感度およびアスペクト比)の使用が制限されていてもよい。
【0290】
(G)前述の実施形態では、図28(B)および図29(B)に示すように、3次元撮影モードで使用が制限される機能はグレー表示されているが、図38(B)および図39(B)に示すように、使用が制限される機能を表示部に表示しない構成も考えられる。この場合、使用が制限される機能は、第1連写メニュー情報426Aには含まれているが、第2連写メニュー情報426Bからは除外されている。なお、図38(B)および図39(B)に示すメニュー画面では、使用が制限される機能をメニュー画面に表示していないだけであるが、機能の表示をしないことに伴って、1画面に表示する機能の配置を変更してもよい。
【0291】
さらに、2次元撮影および3次元撮影でメニュー画面を変えない場合も考えられる。この場合、メニュー画面は2次元撮影と3次元撮影とで同じであるが、特定の機能を3次元撮影時にはユーザーが選択できないようにすればよい。具体的には、前述の超高速連写機能およびアスペクトブラケット撮影機能が図38(A)および図39(A)に示すようにメニュー画面に表示されていても、3次元撮影モードでこれらの機能をユーザーが選択できないようにすればよい。例えば、ユーザーがこれらの機能を選択しても、その操作を受けつけないようにすればよい。
【0292】
なお、図38(A)および図39(A)は、図28(A)および図29(A)に対応している。
【0293】
(H)使用を制限する機能をユーザーが選択しようとした場合に、カメラモニタ120および電子ビューファインダー180に警告を表示してもよい。例えば、3次元撮影時に全ての連写機能(低速、中速、高速および超高速)の使用が制限されている場合、3次元撮影時に撮影選択レバー437によりユーザーが連写モードを選択した際に、図40(A)に示すような警告をカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示させてもよい(例えば、図41のステップS263)。これにより、ユーザーが連写機能の使用が制限されていることを容易に認識することができる。
【0294】
また、3次元撮影時に全てのブラケット撮影機能(露出、ホワイトバランス、ISO感度およびアスペクト比)の使用が制限されている場合、3次元撮影時に撮影選択レバー437によりユーザーがブラケット撮影モードを選択した際に、図40(B)に示すような警告をカメラモニタ120または電子ビューファインダー180に表示させてもよい。これにより、ユーザーがブラケット撮影機能の使用が制限されていることを容易に認識することができる。
【0295】
〔付記〕
前述の第2実施形態に係るカメラ本体400は、以下のように表現することもできる。
【0296】
(1)第1の特徴に係るカメラ本体は、交換レンズユニットを装着可能なカメラ本体であって、
前記交換レンズユニットを装着可能に設けられたボディマウントと、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットから取得可能な識別情報取得部と、
前記レンズ識別情報に基づいて、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するカメラ側判定部と、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定される場合に、複数枚の画像を一度に取得できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限部と、
を備えている。
【0297】
(2)第2の特徴に係るカメラ本体は、第1の特徴に係るカメラ本体であって、操作情報の入力を受け付ける操作部をさらに備え、
前記機能制限部は、前記操作部に入力される前記操作情報に関わらず、前記撮影機能の使用を3次元撮影において制限する。
【0298】
(3)第3の特徴に係るカメラ本体は、第1または第2の特徴に係るカメラ本体であって、
前記少なくとも1つの撮影機能は、所定のフレームレートで複数枚の画像を一度に取得できる少なくとも1つの連写機能を含んでいる。
【0299】
(4)第4の特徴に係るカメラ本体は、第3の特徴に係るカメラ本体であって、
前記少なくとも1つの連写機能は、第1連写機能と、前記第1連写機能とは異なる連写速度を有する第2連写機能と、を有しており、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定される場合に、前記機能制限部は、少なくとも前記第2連写機能の使用を制限する。
【0300】
(5)第5の特徴に係るカメラ本体は、第4の特徴に係るカメラ本体であって、
前記第1連写機能は、メカニカルシャッターを用いた連写機能であり、
前記第2連写機能は、電子シャッターを用いた連写機能である。
【0301】
(6)第6の特徴に係るカメラ本体は、第4または第5の特徴に係るカメラ本体であって、
前記第2連写機能の連写速度は、前記第1連写機能の連写速度よりも速い。
【0302】
(7)第7の特徴に係るカメラ本体は、第1から第6のいずれかの特徴に係るカメラ本体であって、
前記交換レンズユニットにより形成される光学像に基づいて画像データを生成する画像生成部と、
前記画像データを表示する表示部と、をさらに備え、
前記機能制限部は、前記表示部に表示されるメニュー画面を設定する連写メニュー設定部を有しており、
前記連写メニュー設定部は、2次元撮影での連写機能の一覧を示す第1連写メニュー情報と、3次元撮影での連写機能の一覧を示す第2連写メニュー情報と、を有している。
【0303】
(8)第8の特徴に係るカメラ本体は、第7の特徴に係るカメラ本体であって、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定された場合に、前記連写メニュー設定部は、前記カメラ側判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示するメニュー画面として前記第2連写メニュー情報を選択し、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないと前記カメラ側判定部により判定された場合に、前記連写メニュー設定部は、前記カメラ側判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示するメニュー画面として前記第1連写メニュー情報を選択する。
【0304】
(9)第9の特徴に係るカメラ本体は、第7または第8の特徴に係るカメラ本体であって、
前記撮影機能は、前記第1および第2連写メニュー情報に含まれており、
前記第2連写メニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記表示部に表示されるがユーザーが選択できないようになっている。
【0305】
(10)第10の特徴に係るカメラ本体は、第8の特徴に係るカメラ本体であって、
前記第2連写メニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記第2連写メニュー情報に含まれる他の連写機能とは異なる色で表示される。
【0306】
(11)第11の特徴に係るカメラ本体は、第7の特徴に係るカメラ本体であって、
前記撮影機能は、前記第1連写メニュー情報に含まれており、前記第2連写メニュー情報からは除外されている。
【0307】
(12)第12の特徴に係るカメラ本体は、第11の特徴に係るカメラ本体であって、
前記第2連写メニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記表示部に表示されない。
【0308】
(13)第13の特徴に係るカメラ本体は、第1から第12のいずれかの特徴に係るカメラ本体であって、
前記少なくとも1つの撮影機能は、異なるアスペクト比を有する複数枚の画像を一度に取得できるアスペクトブラケット撮影機能を含んでいる。
【0309】
(14)第14の特徴に係るカメラ本体は、第1から第13のいずれかの特徴に係るカメラ本体であって、
前記機能制限部は、前記表示部に表示されるメニュー画面を設定するブラケットメニュー設定部を有しており、
前記ブラケットメニュー設定部は、2次元撮影でのブラケット撮影機能の一覧を示す第1ブラケットメニュー情報と、3次元撮影時でのブラケット撮影機能の一覧を示す第2ブラケットメニュー情報と、を有している。
【0310】
(15)第15の特徴に係るカメラ本体は、第14の特徴に係るカメラ本体であって、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定された場合に、前記ブラケットメニュー設定部は、前記カメラ側判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示するメニュー画面として前記第2ブラケットメニュー情報を選択し、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないと前記カメラ側判定部により判定された場合に、前記ブラケットメニュー設定部は、前記カメラ側判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示するメニュー画面として前記第1ブラケットメニュー情報を選択する。
【0311】
(16)第16の特徴に係るカメラ本体は、第14または第15の特徴に係るカメラ本体であって、
前記撮影機能は、前記第1および第2ブラケットメニュー情報に含まれており、
前記第2ブラケットメニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記表示部に表示されるがユーザーが選択できないようになっている。
【0312】
(17)第17の特徴に係るカメラ本体は、第16の特徴に係るカメラ本体であって、
前記第2ブラケットメニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記第2ブラケットメニュー情報に含まれる他の機能とは異なる色で表示される。
【0313】
(18)第18の特徴に係るカメラ本体は、第14の特徴に係るカメラ本体であって、
前記撮影機能は、前記第1ブラケットメニュー情報に含まれており、前記第2ブラケットメニュー情報からは除外されている。
【0314】
(19)第19の特徴に係るカメラ本体は、第18の特徴に係るカメラ本体であって、
前記第2ブラケットメニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記表示部に表示されない。
【0315】
(20)第20の特徴に係る撮像装置は、
交換レンズユニットと、
第1から第19のいずれかの特徴に係るカメラ本体と、
を備えている。
【産業上の利用可能性】
【0316】
上記の技術は、カメラ本体および撮像装置に適用できる。
【符号の説明】
【0317】
1 デジタルカメラ(撮像装置の一例)
15 信号処理部
16 画像抽出部
17 画像圧縮部
18 補正処理部
100カメラ本体(カメラ本体の一例)
110 CMOSイメージセンサー(画像生成部の一例)
120 カメラモニタ(表示部の一例)
126、426 メニュー設定部(メニュー設定部の一例)
127、427 機能制限部(機能制限部の一例)
129 第1領域決定部
139 抽出位置補正部
140、440 カメラコントローラー
140a CPU
140b ROM)
140c RAM
141 DRAM
142 識別情報取得部
143 特性情報取得部
144 カメラ側判定部(カメラ側判定部の一例)
145 状態情報取得部
146 レンズ検知部
147 メタデータ生成部
148 画像ファイル生成部
149 第2領域決定部
150 ボディマウント
180 電子ビューファインダー(表示部の一例)
200 交換レンズユニット(交換レンズユニットの一例)
240 レンズコントローラー
240a CPU
240b ROM
240c RAM
241 DRAM
242 フラッシュメモリ
243 状態情報生成部
244 レンズ側判定部
OL 左眼用光学系
OR 右眼用光学系
QL1 左眼用光学像
QR1 右眼用光学像
F1 レンズ識別情報
F2 レンズ特性情報
F3 レンズ状態情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換レンズユニットを装着可能なカメラ本体であって、
前記交換レンズユニットを装着可能に設けられたボディマウントと、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットから取得可能な識別情報取得部と、
前記レンズ識別情報に基づいて、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するカメラ側判定部と、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限部と、
を備えたカメラ本体。
【請求項2】
前記交換レンズユニットにより形成される光学像に基づいて画像データを生成する画像生成部と、
前記画像データを表示する表示部と、をさらに備え、
前記機能制限部は、前記表示部に表示されるメニュー画面を設定するメニュー設定部を有しており、
前記メニュー設定部は、2次元撮影時に使用できる機能の一覧を示す第1メニュー情報と、3次元撮影時に使用できる機能の一覧を示す第2メニュー情報と、を有している、
請求項1に記載のカメラ本体。
【請求項3】
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定された場合に、前記メニュー設定部は、前記カメラ側判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示するメニュー画面として前記第2メニュー情報を選択し、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していないと前記カメラ側判定部により判定された場合に、前記メニュー設定部は、前記カメラ側判定部の判定結果に基づいて、前記表示部に表示するメニュー画面として前記第1メニュー情報を選択する、
請求項2に記載のカメラ本体。
【請求項4】
前記撮影機能は、前記第1および第2メニュー情報に含まれており、
前記第2メニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記表示部に表示されるがユーザーが選択できないようになっている、
請求項2または3に記載のカメラ本体。
【請求項5】
前記第2メニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記第2メニュー情報に含まれる他の機能とは異なる色で表示される、
請求項4に記載のカメラ本体。
【請求項6】
前記撮影機能は、前記第1メニュー情報に含まれており、前記第2メニュー情報からは除外されている、
請求項2に記載のカメラ本体。
【請求項7】
前記第2メニュー情報が前記表示部に表示される際、前記撮影機能は、前記表示部に表示されない、
請求項6に記載のカメラ本体。
【請求項8】
前記撮影機能は、画像データ上で一部の領域の抽出および拡大を行うデジタルズーム機能および画像データ上で一部の領域の抽出を行うテレコンバージョン機能のうち少なくとも1つの機能を含んでいる、
請求項1から7のいずれかに記載のカメラ本体。
【請求項9】
交換レンズユニットと、
請求項1から8のいずれかに記載のカメラ本体と、
を備えた撮像装置。
【請求項10】
交換レンズユニットを装着可能なカメラ本体の制御方法であって、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、前記カメラ本体のボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットから取得するステップと、
前記レンズ識別情報に基づいて、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するステップと、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限するステップと、
を備えたカメラ本体の制御方法。
【請求項11】
交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、カメラ本体のボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットから取得する識別情報取得機能と、
前記レンズ識別情報に基づいて、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するカメラ側判定機能と、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限機能と、
をコンピュータに実現させるプログラム。
【請求項12】
交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを示すレンズ識別情報を、カメラ本体のボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットから取得する識別情報取得機能と、
前記レンズ識別情報に基づいて、前記ボディマウントに装着されている前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応しているか否かを判定するカメラ側判定機能と、
前記交換レンズユニットが3次元撮影に対応していると前記カメラ側判定部により判定される場合に、2次元撮影で使用できる少なくとも1つの撮影機能の使用を3次元撮影において制限する機能制限機能と、
をコンピュータに実現させるプログラムを記録した、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図30】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図28】
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【図29】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−85258(P2012−85258A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82185(P2011−82185)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】