カメラ
【課題】右手又は左手のいずれであっても容易に画像撮影可能なカメラを提供する。
【解決手段】第1側面10R及び第1側面10Rに対向する第2側面10Lを有する筐体、筐体の第2側面10Lより第1側面10Rに近い位置に設置され、押下により第1撮影信号S1を生成する第1シャッター11、第2撮影信号S2を入力する信号入力部16、第3撮影信号S3を受信する信号受信部13、第1撮影信号S1、第2撮影信号S2及び第3撮影信号S3に反応して、被写体の画像を取得する画像取得部17を有する本体部10aと、第2シャッター21、本体部10aに接続された状態で第2シャッター21が押下されると第2撮影信号S2を出力する信号出力部22、本体部10aから外された状態で第2シャッター21が押下されると第3撮影信号S3を無線信号として送信する信号送信部23を有し、第2側面10Lに着脱可能に接続されるリモコン部20aとを備える。
【解決手段】第1側面10R及び第1側面10Rに対向する第2側面10Lを有する筐体、筐体の第2側面10Lより第1側面10Rに近い位置に設置され、押下により第1撮影信号S1を生成する第1シャッター11、第2撮影信号S2を入力する信号入力部16、第3撮影信号S3を受信する信号受信部13、第1撮影信号S1、第2撮影信号S2及び第3撮影信号S3に反応して、被写体の画像を取得する画像取得部17を有する本体部10aと、第2シャッター21、本体部10aに接続された状態で第2シャッター21が押下されると第2撮影信号S2を出力する信号出力部22、本体部10aから外された状態で第2シャッター21が押下されると第3撮影信号S3を無線信号として送信する信号送信部23を有し、第2側面10Lに着脱可能に接続されるリモコン部20aとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関し、特に複数のシャッターを有するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのシャッターは一般的に、ユーザがファインダーをのぞくようにカメラを保持した際に、右手が添えられる側に位置するよう設けられている。ファインダーに替えて液晶パネルを有するディジタルカメラであっても、シャッターはユーザが液晶パネルを見るようにカメラを保持した際に、右手が添えられる側に位置するよう設けられている。各カメラでユーザ側からみて右手側にシャッターが設けられるのは、右利きのユーザが多いことによる。すなわち、右利きのユーザがカメラを用いて撮影する場合、利き手である右手でシャッターを押下することができるため、便利なことによる。
【0003】
しかしながら、このように右側にシャッターが設けられるカメラを使用して左利きのユーザが撮影する場合、ユーザは利き手でない右手でシャッターを押下するため、不便である。また、右側にシャッターが設けられるカメラを使用して右利きのユーザが、ユーザ自身が被写体となり、自らがカメラを保持してシャッターを押下する「自分撮り」をする場合にも、ユーザは利き手でない左手を使用するため、不便である。利き手でない手で撮影する場合には手ぶれが生じることもある。
【0004】
これに対し、常に利き手でシャッターを押下することができるように、シャッターレリーズ部分を取り付け可能にし、シャッターレリーズ部分を取り付ける位置を左右自在に変更することで、右利きのユーザであっても左利きのユーザであっても使用できるカメラがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるようにシャッターレリーズ部分の取り付ける位置を変更するカメラの場合、撮影の度にシャッターレリーズ部分の取り付け位置を変えるのが煩わしい。
【特許文献1】特開2001−75166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、右手又は左手のいずれであっても容易に画像撮影可能なカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の態様によれば、第1側面及び第1側面に対向する第2側面を有する筐体、筐体の第2側面より第1側面に近い位置に設置され、押下により第1撮影信号を生成する第1シャッター、第3撮影信号を受信する信号受信部、第1撮影信号、第2撮影信号及び第3撮影信号に反応して、被写体の画像を取得する画像取得部を有する本体部と、第2シャッター、第2シャッターが押下されると第3撮影信号を無線信号として送信する信号送信部を有し、第2側面に着脱可能に接続されるリモコン部とを備えるカメラが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、右手又は左手のいずれであっても容易に画像撮影可能なカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の第1〜第2の実施の形態の説明では、ユーザがカメラを挟んで被写体に対向するとき、ユーザの右手側にある筐体の側面を第1側面とし、ユーザの左手側にある筺体の側面を第2側面として便宜上説明するが、ユーザの左手側にある筐体の側面を第1側面とし、ユーザの右手側にある筐体の側面を第2側面としても同様である。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1及び図2の外観構成の第1の実施の形態に係るカメラ1aは、図3の論理構成図に示すように、第1側面10R及び第1側面10Rに対向する第2側面10Lを有する筐体10x、筐体10xの第2側面10Lより第1側面10Rに近い位置に設置され、押下により第1撮影信号S1を生成する第1シャッター11、第2撮影信号S2を入力する信号入力部16、第3撮影信号S3を受信する信号受信部13、第1撮影信号S1、第2撮影信号S2及び第3撮影信号S3に反応して、被写体の画像(被写体画像)を取得する画像取得部17を有する本体部10aを備えている。図3に示す信号入力部16、信号受信部13及び画像取得部17は、図1及び図2(a)で示すカメラ1aの筐体10x内部に配置されている。また、図3に示すように、カメラ1aは、第2シャッター21、図1に示したように本体部10aに接続された状態で第2シャッター21が押下されると第2撮影信号S2を出力する信号出力部22、図2(b)に示したように本体部10aから外された状態で第2シャッター21が押下されると第3撮影信号S3を無線信号として送信する信号送信部23を有し、第2側面10Lに着脱可能に接続されるリモコン部20aを備えている。
【0011】
第1シャッター11は、第2側面10Lと比較して第1側面10Rに近い位置に設置されており、図1(b)に示すように、液晶パネル14の設けられる面に対して右側の第1側面10Rに手を添えるようにユーザがカメラ1aを保持した際にユーザの指が届くように第1側面10Rと所定の距離を保って設置される。すなわち第1シャッター11は、一般的にユーザの右手によって押下されて被写体画像を取得する場合に用いられる「右手用シャッター」である。一方、第2シャッター21は、本体部10aの第1シャッター11が設置される側とは反対側(液晶パネル14のある面に対して左側)の第2側面10Lに接続されるリモコン部20aに設けられ、一般的にユーザの左手によって押下されて被写体画像を取得する場合に用いられる「左手用シャッター」である。
【0012】
リモコン部20aは、図1で示すように本体部10aに接続されている状態から、図2で示すように取り外すことができる。図2に示すように本体部10aから取り外された場合、リモコン部20aに設けられる第2シャッター21は、いわゆるリモートコントローラとして利用される。図2(a)に示す本体部10aと、図2(b)に示すリモコン部20aとの固定方法には、例えばフックや磁石を使用することができる。リモコン部20aの形状は、特に限定されず、第2シャッター21が備えられ、図1及び図2に示すように本体部10aから着脱可能であればよい。
【0013】
図3に示すように、本体部10aは、第1シャッター11、信号入力部16、信号受信部13及び画像取得部17に加え、本体部10aがリモコン部20aに接続されている状態において、第1シャッター11又は第2シャッター21の一方を有効シャッターとし、画像取得部17に対し、有効シャッターで生成された撮影信号が入力された場合にのみ被写体の画像を取得するように画像取得部17に設定する設定手段18と、第1シャッター又は第2シャッターのうちいずれを有効シャッターとするかを判定する判定手段19aとを有する。図3に示す設定手段18及び判定手段19aも信号入力部16、信号受信部13及び画像取得部17と同様に、図1及び図2(a)で示すカメラ1aの筐体10x内部に配置されている。以下の説明において、カメラ1aは、ディジタルカメラとして説明する。
【0014】
図1に示すようにリモコン部20aが本体部10aに接続された状態では、信号出力部22は、信号入力部16と接続されており、図3に示すように信号出力部22から出力した第2撮影信号S2が信号入力部16に入力する。また、図2(b)に示すようにリモコン部20aが本体部10aから外された状態では、リモコン部20aがリモートコントローラとして機能し、リモコン部20aの信号送信部23から送信された無線信号である第3撮影信号S3が図2(a)に示す本体部10aの信号受信部13で受信される。本体部10aの信号入力部16は、図3に示すように第2撮影信号を画像取得部17に出力する。また、本体部10aの信号受信部13は、図3に示すように第3撮影信号S3を画像取得部17に出力する。図2(b)に示すリモコン部20aの信号送信部23から送信される無線信号は、例えば赤外線や電波等の無線で送信可能な信号である。
【0015】
画像取得部17は、第1撮影信号S1、第2撮影信号S2又は第3撮影信号S3のいずれかを入力すると、被写体画像を取得する。画像取得部17は、図1に示すレンズ12で入力した光の明暗を電圧の大小に変換し、縦(x)方向及び横(y)方向にマトリックス状に配置された複数の画素から構成されるディジタル画像である二次元画像を生成する。画像取得部17で生成された二次元画像は、取得画像として図3に示す記憶装置171に記憶させる。記憶装置171は、半導体メモリ等の記憶装置である。
【0016】
カメラ1aは、図1に示すように本体部10aがリモコン部20aに接続されている状態において、第1シャッター(右手用シャッター)11が押下された際及び第2シャッター(左手用シャッター)21が押下された際のいずれであっても被写体画像を取得することができる。また、カメラ1aの設定手段18は、画像取得部17に対して、第1シャッター11が押下された際又は第2シャッター21が押下された際のいずれかのみに被写体画像を取得させるように設定することもできる。被写体画像の取得に使用することができる有効なシャッター(以下、「有効シャッター」という)が設定されたカメラ1aでは、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得する。
【0017】
例えば、第1シャッター11が有効シャッターとして設定されると、第2シャッター21が押下されても、被写体画像が取得されることはない。また、第2シャッター21が有効シャッターとして設定されると、第1シャッター11が押下されても、被写体画像が取得されることはない。有効シャッターの設定は、図1(b)に示す操作ボタン15を介したユーザの操作によって手動で設定することができる。あるいは、「自動モード」に設定して、有効シャッターを自動で設定してもよい。ここで、「自動モード」とは、有効シャッターを自動で設定するモードのことをいう。カメラ1aが「自動モード」に設定されている場合、図3に示すように判定手段19aは、ユーザが自分撮りをする際の有効シャッターを判定して設定手段18によって画像取得部17に対して設定する。
【0018】
自動モードで有効シャッターを設定するため、カメラ1aは、図3に示すように、判定用画像取得手段191、判定用画像メモリ192及び判定用データメモリ193を有する判定手段19aを有している。判定手段19aで有効シャッターが判定されると、設定手段18によって、画像取得部17に対して有効シャッターを設定する。
【0019】
カメラ1aが自動モードに設定され、図1に示すようにリモコン部20aが本体部10aに接続されている場合、判定手段19aの判定用画像取得手段191において、所定のタイミングで判定用画像を取得するように画像取得部17を制御する。所定のタイミングとは、例えば、カメラ1aの電源がオンにされて被写体画像が取得されるタイミングや、電源がオンにされた後の定期的なタイミングである。図3に示した判定手段19aは、画像取得部17によって取得された判定用画像を、判定用画像メモリ192に記憶する。
【0020】
その後、判定手段19aは、図3に示す判定用画像メモリ192に記憶される判定用画像を判定用データメモリ193に記憶される判定用データと比較し、第1シャッター11又は第2シャッター21のいずれを有効シャッターとするか判定する。第1の実施の形態の場合、判定用データメモリ193に記憶される判定用データは、図4(b)及び図5(b)を用いて後述するようなユーザの腕の写り方に基づいて、有効シャッターを判定するデータである。その他、判定用データは、パターン画像であって判定用画像の輪郭と所定の相関関係にある場合に有効シャッターを判定することが出来るようにしても良い。
【0021】
図1(b)に示す操作ボタン15は、ユーザが有効シャッターを自動で設定するモードに設定する操作や、その他、種々の操作を入力するボタンである。
【0022】
図4を参照して、ユーザ50が右手51でカメラ1aを保持し、自分撮りをする場合について説明する。右手51を使用して自分撮りをする際、ユーザ50は、図4(a)に示すようにカメラ1aを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって被写体画像を取得する。図4(b)は、図4(a)に示すようにユーザ50がカメラ1aを保持している際、被写体画像を取得する前に画像取得部17によって取得される判定用画像101の一例である。図4(b)に示す判定用画像101にあるように、右手51によって自分撮りをする際には、ユーザ50の右腕52の位置が左腕54の位置と比較して高くなる。また、自分撮りの際には、焦点距離が一定の範囲内になることが多い。これは、ユーザ50がユーザ自身の手51によってカメラ1aを保持して第2シャッター21を押下するためであり、焦点距離は、長くても人間の腕の長さになることによる。したがって、遠方の風景を撮影する場合等と比較すると、焦点距離は短い。
【0023】
図3に示す判定手段19aは、図4(b)に示す判定用画像101に含まれる被写体であるユーザ50の両腕52,54の位置の関係と、焦点距離によって、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。図4(b)に示す判定用画像101に対して第2シャッター21を有効と判定する判定用データは、ユーザ50の右腕52がユーザの左腕54と比較して高い位置になる関係にあるとともに、焦点距離が短い場合に第2シャッター21を有効シャッターと判定するデータを含んでいる。
【0024】
図5を参照して、ユーザ60が左手63でカメラ1aを保持し、自分撮りをする場合について説明する。左手63を使用して自分撮りをする際、ユーザ60は、図5(a)に示すようにカメラ1aを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。図5(b)は、図5(a)に示すようにユーザ60がカメラ1aを保持している際、被写体画像を取得する前に画像取得部17によって取得される判定用画像102の一例である。図5(b)に示す判定用画像102にあるように、左手63によって自分撮りをする際には、ユーザ60の左腕64の位置が右腕62の位置と比較して高くなる。また、自分撮りの際には、焦点距離が一定の範囲内になることが多い。これは、ユーザ60がユーザ自身の手63によってカメラ1aを保持して第1シャッター11を押下するためであり、焦点距離は、長くても人間の腕の長さになることによる。したがって、遠方の風景を撮影する場合等と比較すると、焦点距離は短い。
【0025】
図3に示す判定手段19aは、図5(b)に示す判定用画像102に含まれる被写体であるユーザ60の両腕62,64の位置の関係と、焦点距離によって、第1シャッター11を有効シャッターと判定する。図5(b)に示す判定用画像102に対して第1シャッター11を有効と判定する判定用データは、ユーザの左腕64がユーザの右腕62と比較して高い位置になる関係にあるとともに、焦点距離が短い場合に第1シャッター11を有効シャッターと判定するデータを含んでいる。
【0026】
図3に示す設定手段18は、判定手段19aにおける判定の結果に従って、画像取得部17に対して、有効なシャッターを設定する。設定手段18によって第1シャッター11が有効と設定されると、画像取得部17は、第1撮影信号S1を入力した場合に画像を取得し、第2撮影信号S2を入力した場合には画像を取得しない。一方、設定手段18によって第2シャッター21が有効と設定されると、画像取得部17は、第2撮影信号S2を入力した場合に画像を取得し、第1撮影信号S1を入力した場合には画像を取得しない。なお、設定手段18によって有効なシャッターが設定されていないとき、画像取得部17は、第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2のいずれを入力しても画像を取得する。
【0027】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態に係るカメラ1aにおいて、図1に示すように本体部10aとリモコン部20aが接続されている状態で、自動で有効シャッターを設定して被写体画像を取得する処理の一例について説明する。
【0028】
まず、ステップS11において、判定用画像取得手段191からの制御によって、画像取得部17が所定のタイミングで判定用画像を取得する。画像取得部17で取得された判定用画像は、判定用画像メモリ192に記憶される。
【0029】
判定用画像が取得されると、ステップS12において、判定手段19aが、判定用データメモリ193に記憶される判定用データを読み出し、ステップS11で画像取得部17によって取得され、判定用画像メモリ192に記憶されている判定用画像に対し、有効シャッターを判定する。
【0030】
ステップS12で有効シャッターが判定されると、ステップS13において、設定手段18が、ステップS12の判定に基づいて、画像取得部17に有効シャッターを設定する。その後、画像取得部17は撮影信号の入力を待機し、ステップS14において第1シャッター11又は第2シャッター21が押下され、信号入力部16を介して第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2が画像取得部17に入力すると、ステップS15において、画像取得部17が入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたか否かを判定する。
【0031】
ステップS15で、入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものであると判定された場合、ステップS16において画像取得部17が、被写体画像を取得して処理を終了する。一方、ステップS15で入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものでないと判定された場合、画像取得部17は、画像を取得せずにステップS14に戻り、新たな撮影信号の入力を待機する。
【0032】
また、ステップS12で判定手段19aが有効シャッターを判定できない場合は、ステップS17に進み、ステップS17において画像取得部17が第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2を入力したと判定した場合は、ステップS16において画像取得部17が画像を取得する。一方、ステップS12において判定手段19aが有効なシャッターを判定できず、かつステップS17において、撮影信号も入力されないと判定された場合、ステップS11に戻り、再度、判定用画像が取得される。
【0033】
上述した第1の実施の形態に係るカメラ1aによれば、リモコン部20aを本体部10aから着脱可能とし、本体部10aに接続されている状態ではリモコン部20aが備えるシャッター21を左側のシャッターとし、カメラ1aの右側と左側にシャッターを備えるようにする。したがって、カメラでよく用いられているリモコンを左側シャッターと共有することにより、ユーザは自分の使いやすいシャッターを任意に選択して利用することができる。
【0034】
また、ユーザは、利き手に応じて左右のシャッターから有効シャッターを設定することができるとともに、自分撮りの際には、自動的に有効シャッターが設定されることで、手ブレを防止した上、誤操作なく被写体画像を取得することができる。
【0035】
なお、上述した第1の実施の形態に係るカメラ1aにおいては、便宜上、被写体画像を取得するユーザからみて、第1シャッター11が右側にあり、リモコン部20aに設けられる第2シャッター21がユーザから見て左側にあるとして説明したが、第1側面10Rを右手側に選択するか左手側に選択するかは任意であるので、逆であっても同様である。
【0036】
[第1の実施の形態の変形例]
図7及び図8に示すように、第1の実施の形態の変形例に係るカメラ1bは、図2及び図3を用いて上述した第1の実施の形態に係るカメラ1aと比較して、本体部10bに信号入力部16を備えず、リモコン部20bに信号出力部22を備えていない点で異なる。図7及び図8に示すカメラ1bは、第2シャッター21の押下によって生成される第3撮影信号が近距離無線通信信号である。したがって、本体部10bにリモコン部20bが接続されている場合及び本体部10bからリモコン部20bが取り外された場合のいずれであっても、信号送信部23が送信する第3撮影信号を信号受信部13が受信して、画像を撮影することができる。
【0037】
図7及び図8を用いて上述したように、第1の実施の形態の変形例に係るカメラ1bは、近距離無線通信を使用するため、信号出力部及び信号入力部を不要とし簡単な構成とすることができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るカメラ1cによれば、自動モードに設定されている場合、タッチパネルセンサでの接触の有無に基づいて、有効シャッターを判定して設定することができる。上述した第1の実施の形態と同様に有効シャッターが設定されると、カメラ1cでは、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得する。
【0039】
図9(b)に示すように、第2の実施の形態に係るカメラ1cは、図1に示したカメラ1aと比較して、タッチパネルセンサ194を有している点で異なる。図9で示すカメラ1cの論理的構成を示すのが図10であるが、タッチパネルセンサ194は、判定手段19cに備えられる。図9及び図10で示すように、カメラ1cも第1の実施の形態に係るカメラ1aと同様に第1シャッター11、レンズ12、信号受信部13、液晶パネル14、操作ボタン15、信号入力部16、画像取得部17、設定手段18及び判定手段19cを有する本体部10cを備えている。また、図10に示すように、カメラ1cは、第2シャッター21、信号出力部22及び信号送信部23を有するリモコン部10cを備えている。図示を用いた説明を省略するが、図2を用いて第1の実施の形態のカメラ1aにおいて説明したように、カメラ1cのリモコン部10cも本体部10cから取り外し、リモートコントローラとして使用することができる。
【0040】
図9及び図10を用いて説明するカメラ1cでも、図1乃至図3を用いて説明したカメラ1aと同様に第1シャッター11が押下された際及び第2シャッター21が押下された際のいずれであっても被写体画像を取得することができる。また、カメラ1cでも、設定手段18によって、第1シャッター11又は第2シャッター21のいずれかを有効シャッターとして設定し、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得させるように設定してもよい。カメラ1cにおいて有効シャッターは、自動あるいは手動で設定することができる。
【0041】
図10に示すように、カメラ1cは、自動で有効シャッターを設定するためにタッチパネルセンサ194を有する判定手段19cを備えている。図9(b)に示すように、タッチパネルセンサ194は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1cを保持する場合にユーザ50の手51,63が触れる位置として、第1シャッター11よりも第2シャッター21に近い位置に、第2シャッター21に対応させて設置されている。図10に示す判定手段19cで有効シャッターが判定されると、設定手段18は画像取得部17に対して有効シャッターを設定する。図9に示すカメラ1cでは第2シャッター21とタッチパネルセンサ194とが対応しており、図10に示す判定手段19cは、タッチパネルセンサ194が接触を感知すると第2シャッター21を有効シャッターと判定する。なお、タッチパネルセンサを第2シャッター21よりも第1シャッター11に近い位置に設け、タッチパネルセンサに接触があった場合に第1シャッター11を有効シャッターと判定してもよいし、第1シャッターに近い位置及び第2シャッターに近い位置にそれぞれ対応するタッチパネルセンサを設けても同様である。
【0042】
図11を参照して、ユーザ50,60がカメラ1cを用いて、第2シャッター21を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ50が右手51を使用して自分撮りをする際、図11(a)に示すように右手51の一部がタッチパネルセンサ194に接触するようにカメラ1cを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。また例えば、ユーザ60が左手63により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図11(b)に示すように左手63の一部がタッチパネルセンサ194に接触されるようにカメラ1cを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。
【0043】
図9(b)を用いて上述したように、タッチパネルセンサ194は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1cを保持する場合にユーザ50の手51,63の一部が触れる位置に設けられている。そのため、判定手段19cは、ユーザ50,60が図11(a)及び図11(b)に示すようにカメラ1cを保持すると、タッチパネルセンサ194にユーザ50,60の手51,63の接触が感知されて、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。
【0044】
図12を参照して、ユーザ50,60がカメラ1cを用いて、第1シャッター11を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ60が左手63を使用して自分撮りをする際、図12(a)に示すように左手63がタッチパネルセンサ194に接触しないようにカメラ1cを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。また例えば、ユーザ50が右手51により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図12(b)に示すように右手51がタッチパネルセンサ194に接触しないようにカメラ1cを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。
【0045】
図9(b)を用いて上述したように、タッチパネルセンサ194は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1cを保持する場合にユーザ50の手51,63が触れる位置に設けられている。そのため、判定手段19cは、ユーザ50,60が図12(a)及び図12(b)に示すようにカメラ1cを保持すると、タッチパネルセンサ194にユーザの手がかからず、接触が感知されず、第1シャッター11を有効なシャッターと判定する。
【0046】
なお、判定手段19cにおける判定は、電源がオンにされてから定期的なタイミングで判定することが考えられる。電源がオンにされてから有効シャッターの判定を定期的に行うことで、ユーザが通常の被写体画像の取得や自分撮りを交互に行う場合であっても、ユーザの利用方法に合わせて有効シャッターの設定も切り替えられる。
【0047】
他の各機能構成については、図1乃至図3を用いて上述した第1の実施の形態のカメラ1aと同一であるため、説明を省略する。
【0048】
以下に、図13に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態に係るカメラ1cにおいて、図9に示すように本体部10cとリモコン部10cが接続されている状態で、自動で有効シャッターを設定して被写体画像を取得する処理の一例について説明する。
【0049】
まず、ステップS21において、カメラ1cでは、判定手段19cは、所定のタイミングでタッチパネルセンサ194において感知される接触状態を取得する。
【0050】
その後、ステップS22において、判定手段19cが、タッチパネルセンサ194における接触状態に基づいて、有効シャッターを判定する。具体的には、ユーザが図11(a)又は図11(b)に示すようにカメラ1cを保持し、タッチパネルセンサ194が接触を感知していると、判定手段19cは、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。一方、ユーザが図12(a)又は図12(b)に示すようにカメラ1cを保持し、タッチパネルセンサ194が接触を感知していないと、判定手段19cは、第1シャッター11を有効シャッターと判定する。
【0051】
判定手段19cが有効シャッターを判定すると、ステップS23において、設定手段18が、ステップS22の判定に基づいて、画像取得部17に有効シャッターを設定する。その後、画像取得部17は撮影信号の入力を待機し、ステップS24において第1シャッター11又は第2シャッター21が押下され、信号入力部16を介して第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2を入力すると、ステップS25において、画像取得部17が入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたか否かを判定する。
【0052】
ステップS25で、入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものであると判定された場合、ステップS26において画像取得部17が、被写体画像を取得して処理を終了する。一方、ステップS25で入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものでないと判定された場合、画像取得部17は、画像を取得せずにステップS24に戻り、新たな撮影信号の入力を待機する。
【0053】
上述した第2の実施の形態に係るカメラによれば、リモコン部10cを本体部10cから着脱可能とし、本体部10cに接続されている状態ではリモコン部10cが備えるシャッター21を左側のシャッターとし、カメラの右側と左側にシャッターを備えるようにする。カメラでよく用いられているリモコンを左側シャッターと共有することにより、ユーザは自分の使いやすいシャッターを任意に選択して利用することができる。
【0054】
また、ユーザは、利き手に応じて左右のシャッターから有効シャッターを設定することができるとともに、自動的に有効シャッターが設定されることで、手ブレを防止した上、誤操作なく被写体画像を取得することができる。
【0055】
なお、上述した第2の実施の形態に係るカメラ1cにおいては、便宜上、被写体画像を取得するユーザからみて、第1シャッター11が右側にあり、リモコン部10cに設けられる第2シャッター21がユーザから見て左側にあるとして説明したが、第1の実施の形態と同様、第1側面10Rを右手側に選択するか左手側に選択するかは任意であるので、逆であっても同様である。
【0056】
また、第2の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態の変形例にあるように、信号入力部16及び信号出力部22を有さない構成であっても適用することができる。
【0057】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係るカメラ1dによれば、自動モードに設定されている場合、圧力センサにより検出される圧力に基づいて、有効シャッターを判定して設定することができる。上述した第1の実施の形態と同様に有効シャッターが設定されると、カメラ1dでは、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得する。
【0058】
図14(b)に示すように、第3の実施の形態の係るカメラ1dは、図1に示したカメラ1aと比較して、圧力センサ195を有している点で異なる。図14で示すカメラ1dの論理的構成を示すのが図15であるが、圧力センサ195は、判定手段19dに備えられる。図14及び図15で示すように、カメラ1dも第1の実施の形態に係るカメラ1aと同様に第1シャッター11、レンズ12、信号受信部13、液晶パネル14、操作ボタン15、信号入力部16、画像取得部17、設定手段18及び判定手段19dを有する本体部10dを備えている。また、図15に示すように、カメラ1dは、第2シャッター21、信号出力部22及び信号送信部23を有するリモコン部10dを備えている。図示を用いた説明を省略するが、図2を用いて第1の実施の形態のカメラ1aにおいて説明したように、カメラ1dのリモコン部10dも本体部10dから取り外し、リモートコントローラとして使用することができる。
【0059】
カメラ1dでも、図1乃至図3を用いて説明したカメラ1aと同様に第1シャッター11が押下された際及び第2シャッター21が押下された際のいずれであっても被写体画像を取得することができる。また、カメラ1dでも、設定手段18によって、第1シャッター11又は第2シャッター21のいずれかを有効シャッターとして設定し、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得させるように設定してもよい。カメラ1cにおいて有効シャッターは、自動あるいは手動で設定することができる。
【0060】
図15に示すように、カメラ1dは、自動で有効シャッターを設定するために圧力センサ195を有する判定手段19dを備えている。図14(b)に示すように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1dを保持する場合にユーザ50の手51,63が触れる位置として第1シャッター11より第2シャッター21に近い位置に、第2シャッター21に対応させて設置されている。図15に示す判定手段19dで有効シャッターが判定されると、設定手段18は画像取得部17に対して有効シャッターを設定する。図14に示すカメラ1dでは第2シャッター21と圧力センサ195とが対応しており、図15に示す判定手段19dは、圧力センサ195が接触を感知すると第2シャッター21を有効シャッターと判定する。なお、圧力センサを第2シャッター21よりも第1シャッター11と近い位置に設け、圧力センサに接触があった場合に第1シャッター11を有効シャッターと判定してもよいし、第1シャッターに近い位置及び第2シャッターに近い位置にそれぞれ対応する圧力センサを設けても同様である。
【0061】
図16を参照して、ユーザ50,60がカメラ1dを用いて、第2シャッター21を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ50が右手51を使用して自分撮りをする際、図16(a)に示すように右手51の一部が圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1dを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。また例えば、ユーザ60が左手63により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図16(b)に示すように左手63の一部が圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1dを保持しながら、第2シャッターを押下することによって画像を取得する。
【0062】
図14(b)を用いて上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1dを保持する場合にユーザの手51,63が触れる位置に設けられている。そのため、ユーザ50,60が図16(a)及び図16(b)に示すようにカメラ1dを保持すると、判定手段19dは、圧力センサ195にユーザ50,60の手51,63がかかり圧力が検出されて、第2シャッター21を有効なシャッターと判定する。
【0063】
図17を参照して、ユーザ50,60がカメラ1dを用いて、第1シャッター11を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ60が左手63を使用して自分撮りをする際、図17(a)に示すように左手63が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1dを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。また例えば、ユーザ50が右手51で被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像)、図17(b)に示すように右手51が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1dを保持しながら、第1シャッターを押下することによって被写体画像を取得する。
【0064】
上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1dを保持する場合にユーザの手51,63の圧力がかかる位置に設けられている。そのため、判定手段19dは、図17(a)及び図17(b)に示すようにユーザ50,60がカメラ1dを保持すると、圧力センサ195にユーザの手がかからず、圧力が検出されないため、第1シャッター11を有効なシャッターと判定する。
【0065】
なお、判定手段19dにおける判定は、電源がオンにされてから定期的なタイミングで判定することが考えられる。電源がオンにされてから有効シャッターの判定を定期的に行う場合、ユーザが通常の被写体画像の取得や自分撮りを交互に行う場合であっても、ユーザの利用方法に合わせて有効シャッターの設定も切り替えられる。
【0066】
他の各機能構成については、図1乃至図3を用いて上述した第1の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。
【0067】
以下に、図18に示すフローチャートを用いて、第3の実施の形態に係るカメラ1dにおいて、図14に示すように本体部10dとリモコン部10dが接続されている状態で、自動で有効シャッターを設定して被写体画像を取得する処理の一例について説明する。
【0068】
まず、ステップS31において、カメラ1dでは、判定手段19dは、所定のタイミングで圧力センサ195において検出される圧力を取得する。
【0069】
その後、ステップS32において、判定手段19dが、圧力センサ195におけるの圧力の検出に基づいて、有効シャッターを判定する。具体的には、ユーザが図16(a)又は図16(b)に示すようにカメラ1dを保持し、圧力センサ195が圧力を検出していると、判定手段19dは、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。一方、ユーザが図17(a)又は図17(b)に示すようにカメラ1dを保持し、圧力センサ195が圧力を検出していないと、判定手段19dは、第1シャッター11を有効シャッターと判定する。
【0070】
判定手段19dが有効シャッターを判定すると、ステップS33において、設定手段18が、ステップS32の判定に基づいて、画像取得部17に有効シャッターを設定する。その後、画像取得部17は撮影信号の入力を待機し、ステップS34において第1シャッター11又は第2シャッター21が押下され、信号入力部16を介して第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2を入力すると、ステップS35において、画像取得部17が入力した撮影信号が有効シャッターとして設定されているシャッターから送信されたか否かを判定する。
【0071】
ステップS35で、入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものであると判定された場合、ステップS36において画像取得部17が、被写体画像を取得して処理を終了する。一方、ステップS35で入力した撮影信号が有効シャッターから送信されたものでないと判定された場合、画像取得部17は、画像を取得せずにステップS34に戻り、新たな撮影信号の入力を待機する。
【0072】
上述した第3の実施の形態に係るカメラ1dによれば、リモコン部10dを本体部10dに着脱可能とし、本体部10dに接続されている状態ではリモコン部10dが備えるシャッター21を左側のシャッターとし、カメラ1dの右側と左側にシャッターを備えるようにする。このようにカメラでよく用いられているリモコンを左側シャッターと共有することにより、ユーザは自分の使いやすいシャッターを任意に選択して利用することができる。
【0073】
また、ユーザは、利き手に応じて左右のシャッターから有効シャッターを設定することができるとともに、自動的に有効なシャッターとして設定でき、手ブレを防止した上、誤操作なく被写体画像を撮影できる。
【0074】
なお、上述した第3の実施の形態に係るカメラ1dにおいては、便宜上、被写体画像を取得するユーザからみて、第1シャッター11が右側にあり、リモコン部10dに設けられる第2シャッター21がユーザから見て左側にあるとして説明したが、第1の実施の形態と同様、第1側面10Rを右手側に選択するか左手側に選択するかは任意であるので、逆であっても同様である。
【0075】
また、第3の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態の変形例にあるように、信号入力部16及び信号出力部22を有さない構成であっても適用することができる。
【0076】
[第3の実施の形態の変形例]
図19に示すように、第3の実施の形態の変形例に係るカメラ1eは、図14を用いて上述した第3の実施の形態に係るカメラ1eと比較して、圧力センサ195が備えられる位置が異なる。図19に示すカメラ1eは、第2シャッター21に圧力センサ195を設置している。すなわち、図19に示すように圧力センサ195は、第2シャッター21を押下して被写体画像を取得するようにユーザにカメラ1eが保持される場合に圧力が検出される位置に設置されている。他の構成は図15で説明したカメラ1eと同様であるため、図示を用いた説明を省略する。カメラ1eに備えられる圧力センサ195は、第2シャッター21と対応しており、圧力センサ195の圧力の検出に基づいて判定手段19dでは第2シャッター21を有効シャッターと判定する。
【0077】
図20を参照して、ユーザ50,60がカメラ1eを用いて、第2シャッター21を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ50が右手51を使用して自分撮りをする際、図20(a)に示すように右手51の一部が第2シャッター21に備えられる圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1eを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。また例えば、ユーザ60が左手63により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図20(b)に示すように左手63の一部が圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1eを保持しながら、第2シャッターを押下することによって画像を取得する。
【0078】
図19を用いて上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1eを保持する場合にユーザの手51,63が触れる位置に設けられている。そのため、ユーザ50,60がカメラ1eを保持した際、判定手段19dは、図16(a)及び図16(b)に示すように圧力センサ195にユーザ50,60の手51,63がかかり圧力が検出されて、第2シャッター21を有効なシャッターと判定する。
【0079】
図21を参照して、ユーザ50,60がカメラ1eを用いて、第1シャッター11を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ60が左手63を使用して自分撮りをする際、図21(a)に示すように左手63が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1eを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。また例えば、ユーザ50が右手51で被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像)、図21(b)に示すように右手51が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1eを保持しながら、第1シャッターを押下することによって被写体画像を取得する。
【0080】
図19を用いて上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1eを保持する場合にユーザの手51,63の圧力がかかる位置に設けられている。そのため、判定手段19dは、ユーザ50,60がカメラ1eを保持した際、図21(a)及び図21(b)に示すように圧力センサ195にユーザの手がかからず、圧力が検出されないとき、第1シャッター11を有効なシャッターと判定する。
【0081】
上記のように、本発明を各実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0082】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明に記載した事項と自明な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図2】図1に示したカメラの本体部からリモコン部を取り外した場合を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るカメラでユーザが右手を用いて自分撮りする様子と判定用画像の一例である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るカメラでユーザが左手を用いて自分撮りする様子と判定用画像の一例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るカメラで被写体画像を取得する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るカメラでユーザが右手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るカメラでユーザが左手を用いて被写体画像を取得する場合の他の例について説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るカメラで被写体画像を取得する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係るカメラでユーザが右手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係るカメラでユーザが左手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係るカメラで被写体画像を取得する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施の形態の変形例に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態の変形例に係るカメラでユーザが右手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態の変形例に係るカメラでユーザが左手を用いて被写体画像を取得する場合の他の例について説明する図である。
【符号の説明】
【0084】
1a〜1e…カメラ
10a〜10e…本体部
10R…第1側面
10L…第2側面
11…第1シャッター
13…信号受信部
16…信号入力部
17…画像取得部
20a〜20e…リモコン部
21…第2シャッター
22…信号出力部
23…信号送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関し、特に複数のシャッターを有するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのシャッターは一般的に、ユーザがファインダーをのぞくようにカメラを保持した際に、右手が添えられる側に位置するよう設けられている。ファインダーに替えて液晶パネルを有するディジタルカメラであっても、シャッターはユーザが液晶パネルを見るようにカメラを保持した際に、右手が添えられる側に位置するよう設けられている。各カメラでユーザ側からみて右手側にシャッターが設けられるのは、右利きのユーザが多いことによる。すなわち、右利きのユーザがカメラを用いて撮影する場合、利き手である右手でシャッターを押下することができるため、便利なことによる。
【0003】
しかしながら、このように右側にシャッターが設けられるカメラを使用して左利きのユーザが撮影する場合、ユーザは利き手でない右手でシャッターを押下するため、不便である。また、右側にシャッターが設けられるカメラを使用して右利きのユーザが、ユーザ自身が被写体となり、自らがカメラを保持してシャッターを押下する「自分撮り」をする場合にも、ユーザは利き手でない左手を使用するため、不便である。利き手でない手で撮影する場合には手ぶれが生じることもある。
【0004】
これに対し、常に利き手でシャッターを押下することができるように、シャッターレリーズ部分を取り付け可能にし、シャッターレリーズ部分を取り付ける位置を左右自在に変更することで、右利きのユーザであっても左利きのユーザであっても使用できるカメラがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるようにシャッターレリーズ部分の取り付ける位置を変更するカメラの場合、撮影の度にシャッターレリーズ部分の取り付け位置を変えるのが煩わしい。
【特許文献1】特開2001−75166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、右手又は左手のいずれであっても容易に画像撮影可能なカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の態様によれば、第1側面及び第1側面に対向する第2側面を有する筐体、筐体の第2側面より第1側面に近い位置に設置され、押下により第1撮影信号を生成する第1シャッター、第3撮影信号を受信する信号受信部、第1撮影信号、第2撮影信号及び第3撮影信号に反応して、被写体の画像を取得する画像取得部を有する本体部と、第2シャッター、第2シャッターが押下されると第3撮影信号を無線信号として送信する信号送信部を有し、第2側面に着脱可能に接続されるリモコン部とを備えるカメラが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、右手又は左手のいずれであっても容易に画像撮影可能なカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の第1〜第2の実施の形態の説明では、ユーザがカメラを挟んで被写体に対向するとき、ユーザの右手側にある筐体の側面を第1側面とし、ユーザの左手側にある筺体の側面を第2側面として便宜上説明するが、ユーザの左手側にある筐体の側面を第1側面とし、ユーザの右手側にある筐体の側面を第2側面としても同様である。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1及び図2の外観構成の第1の実施の形態に係るカメラ1aは、図3の論理構成図に示すように、第1側面10R及び第1側面10Rに対向する第2側面10Lを有する筐体10x、筐体10xの第2側面10Lより第1側面10Rに近い位置に設置され、押下により第1撮影信号S1を生成する第1シャッター11、第2撮影信号S2を入力する信号入力部16、第3撮影信号S3を受信する信号受信部13、第1撮影信号S1、第2撮影信号S2及び第3撮影信号S3に反応して、被写体の画像(被写体画像)を取得する画像取得部17を有する本体部10aを備えている。図3に示す信号入力部16、信号受信部13及び画像取得部17は、図1及び図2(a)で示すカメラ1aの筐体10x内部に配置されている。また、図3に示すように、カメラ1aは、第2シャッター21、図1に示したように本体部10aに接続された状態で第2シャッター21が押下されると第2撮影信号S2を出力する信号出力部22、図2(b)に示したように本体部10aから外された状態で第2シャッター21が押下されると第3撮影信号S3を無線信号として送信する信号送信部23を有し、第2側面10Lに着脱可能に接続されるリモコン部20aを備えている。
【0011】
第1シャッター11は、第2側面10Lと比較して第1側面10Rに近い位置に設置されており、図1(b)に示すように、液晶パネル14の設けられる面に対して右側の第1側面10Rに手を添えるようにユーザがカメラ1aを保持した際にユーザの指が届くように第1側面10Rと所定の距離を保って設置される。すなわち第1シャッター11は、一般的にユーザの右手によって押下されて被写体画像を取得する場合に用いられる「右手用シャッター」である。一方、第2シャッター21は、本体部10aの第1シャッター11が設置される側とは反対側(液晶パネル14のある面に対して左側)の第2側面10Lに接続されるリモコン部20aに設けられ、一般的にユーザの左手によって押下されて被写体画像を取得する場合に用いられる「左手用シャッター」である。
【0012】
リモコン部20aは、図1で示すように本体部10aに接続されている状態から、図2で示すように取り外すことができる。図2に示すように本体部10aから取り外された場合、リモコン部20aに設けられる第2シャッター21は、いわゆるリモートコントローラとして利用される。図2(a)に示す本体部10aと、図2(b)に示すリモコン部20aとの固定方法には、例えばフックや磁石を使用することができる。リモコン部20aの形状は、特に限定されず、第2シャッター21が備えられ、図1及び図2に示すように本体部10aから着脱可能であればよい。
【0013】
図3に示すように、本体部10aは、第1シャッター11、信号入力部16、信号受信部13及び画像取得部17に加え、本体部10aがリモコン部20aに接続されている状態において、第1シャッター11又は第2シャッター21の一方を有効シャッターとし、画像取得部17に対し、有効シャッターで生成された撮影信号が入力された場合にのみ被写体の画像を取得するように画像取得部17に設定する設定手段18と、第1シャッター又は第2シャッターのうちいずれを有効シャッターとするかを判定する判定手段19aとを有する。図3に示す設定手段18及び判定手段19aも信号入力部16、信号受信部13及び画像取得部17と同様に、図1及び図2(a)で示すカメラ1aの筐体10x内部に配置されている。以下の説明において、カメラ1aは、ディジタルカメラとして説明する。
【0014】
図1に示すようにリモコン部20aが本体部10aに接続された状態では、信号出力部22は、信号入力部16と接続されており、図3に示すように信号出力部22から出力した第2撮影信号S2が信号入力部16に入力する。また、図2(b)に示すようにリモコン部20aが本体部10aから外された状態では、リモコン部20aがリモートコントローラとして機能し、リモコン部20aの信号送信部23から送信された無線信号である第3撮影信号S3が図2(a)に示す本体部10aの信号受信部13で受信される。本体部10aの信号入力部16は、図3に示すように第2撮影信号を画像取得部17に出力する。また、本体部10aの信号受信部13は、図3に示すように第3撮影信号S3を画像取得部17に出力する。図2(b)に示すリモコン部20aの信号送信部23から送信される無線信号は、例えば赤外線や電波等の無線で送信可能な信号である。
【0015】
画像取得部17は、第1撮影信号S1、第2撮影信号S2又は第3撮影信号S3のいずれかを入力すると、被写体画像を取得する。画像取得部17は、図1に示すレンズ12で入力した光の明暗を電圧の大小に変換し、縦(x)方向及び横(y)方向にマトリックス状に配置された複数の画素から構成されるディジタル画像である二次元画像を生成する。画像取得部17で生成された二次元画像は、取得画像として図3に示す記憶装置171に記憶させる。記憶装置171は、半導体メモリ等の記憶装置である。
【0016】
カメラ1aは、図1に示すように本体部10aがリモコン部20aに接続されている状態において、第1シャッター(右手用シャッター)11が押下された際及び第2シャッター(左手用シャッター)21が押下された際のいずれであっても被写体画像を取得することができる。また、カメラ1aの設定手段18は、画像取得部17に対して、第1シャッター11が押下された際又は第2シャッター21が押下された際のいずれかのみに被写体画像を取得させるように設定することもできる。被写体画像の取得に使用することができる有効なシャッター(以下、「有効シャッター」という)が設定されたカメラ1aでは、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得する。
【0017】
例えば、第1シャッター11が有効シャッターとして設定されると、第2シャッター21が押下されても、被写体画像が取得されることはない。また、第2シャッター21が有効シャッターとして設定されると、第1シャッター11が押下されても、被写体画像が取得されることはない。有効シャッターの設定は、図1(b)に示す操作ボタン15を介したユーザの操作によって手動で設定することができる。あるいは、「自動モード」に設定して、有効シャッターを自動で設定してもよい。ここで、「自動モード」とは、有効シャッターを自動で設定するモードのことをいう。カメラ1aが「自動モード」に設定されている場合、図3に示すように判定手段19aは、ユーザが自分撮りをする際の有効シャッターを判定して設定手段18によって画像取得部17に対して設定する。
【0018】
自動モードで有効シャッターを設定するため、カメラ1aは、図3に示すように、判定用画像取得手段191、判定用画像メモリ192及び判定用データメモリ193を有する判定手段19aを有している。判定手段19aで有効シャッターが判定されると、設定手段18によって、画像取得部17に対して有効シャッターを設定する。
【0019】
カメラ1aが自動モードに設定され、図1に示すようにリモコン部20aが本体部10aに接続されている場合、判定手段19aの判定用画像取得手段191において、所定のタイミングで判定用画像を取得するように画像取得部17を制御する。所定のタイミングとは、例えば、カメラ1aの電源がオンにされて被写体画像が取得されるタイミングや、電源がオンにされた後の定期的なタイミングである。図3に示した判定手段19aは、画像取得部17によって取得された判定用画像を、判定用画像メモリ192に記憶する。
【0020】
その後、判定手段19aは、図3に示す判定用画像メモリ192に記憶される判定用画像を判定用データメモリ193に記憶される判定用データと比較し、第1シャッター11又は第2シャッター21のいずれを有効シャッターとするか判定する。第1の実施の形態の場合、判定用データメモリ193に記憶される判定用データは、図4(b)及び図5(b)を用いて後述するようなユーザの腕の写り方に基づいて、有効シャッターを判定するデータである。その他、判定用データは、パターン画像であって判定用画像の輪郭と所定の相関関係にある場合に有効シャッターを判定することが出来るようにしても良い。
【0021】
図1(b)に示す操作ボタン15は、ユーザが有効シャッターを自動で設定するモードに設定する操作や、その他、種々の操作を入力するボタンである。
【0022】
図4を参照して、ユーザ50が右手51でカメラ1aを保持し、自分撮りをする場合について説明する。右手51を使用して自分撮りをする際、ユーザ50は、図4(a)に示すようにカメラ1aを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって被写体画像を取得する。図4(b)は、図4(a)に示すようにユーザ50がカメラ1aを保持している際、被写体画像を取得する前に画像取得部17によって取得される判定用画像101の一例である。図4(b)に示す判定用画像101にあるように、右手51によって自分撮りをする際には、ユーザ50の右腕52の位置が左腕54の位置と比較して高くなる。また、自分撮りの際には、焦点距離が一定の範囲内になることが多い。これは、ユーザ50がユーザ自身の手51によってカメラ1aを保持して第2シャッター21を押下するためであり、焦点距離は、長くても人間の腕の長さになることによる。したがって、遠方の風景を撮影する場合等と比較すると、焦点距離は短い。
【0023】
図3に示す判定手段19aは、図4(b)に示す判定用画像101に含まれる被写体であるユーザ50の両腕52,54の位置の関係と、焦点距離によって、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。図4(b)に示す判定用画像101に対して第2シャッター21を有効と判定する判定用データは、ユーザ50の右腕52がユーザの左腕54と比較して高い位置になる関係にあるとともに、焦点距離が短い場合に第2シャッター21を有効シャッターと判定するデータを含んでいる。
【0024】
図5を参照して、ユーザ60が左手63でカメラ1aを保持し、自分撮りをする場合について説明する。左手63を使用して自分撮りをする際、ユーザ60は、図5(a)に示すようにカメラ1aを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。図5(b)は、図5(a)に示すようにユーザ60がカメラ1aを保持している際、被写体画像を取得する前に画像取得部17によって取得される判定用画像102の一例である。図5(b)に示す判定用画像102にあるように、左手63によって自分撮りをする際には、ユーザ60の左腕64の位置が右腕62の位置と比較して高くなる。また、自分撮りの際には、焦点距離が一定の範囲内になることが多い。これは、ユーザ60がユーザ自身の手63によってカメラ1aを保持して第1シャッター11を押下するためであり、焦点距離は、長くても人間の腕の長さになることによる。したがって、遠方の風景を撮影する場合等と比較すると、焦点距離は短い。
【0025】
図3に示す判定手段19aは、図5(b)に示す判定用画像102に含まれる被写体であるユーザ60の両腕62,64の位置の関係と、焦点距離によって、第1シャッター11を有効シャッターと判定する。図5(b)に示す判定用画像102に対して第1シャッター11を有効と判定する判定用データは、ユーザの左腕64がユーザの右腕62と比較して高い位置になる関係にあるとともに、焦点距離が短い場合に第1シャッター11を有効シャッターと判定するデータを含んでいる。
【0026】
図3に示す設定手段18は、判定手段19aにおける判定の結果に従って、画像取得部17に対して、有効なシャッターを設定する。設定手段18によって第1シャッター11が有効と設定されると、画像取得部17は、第1撮影信号S1を入力した場合に画像を取得し、第2撮影信号S2を入力した場合には画像を取得しない。一方、設定手段18によって第2シャッター21が有効と設定されると、画像取得部17は、第2撮影信号S2を入力した場合に画像を取得し、第1撮影信号S1を入力した場合には画像を取得しない。なお、設定手段18によって有効なシャッターが設定されていないとき、画像取得部17は、第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2のいずれを入力しても画像を取得する。
【0027】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態に係るカメラ1aにおいて、図1に示すように本体部10aとリモコン部20aが接続されている状態で、自動で有効シャッターを設定して被写体画像を取得する処理の一例について説明する。
【0028】
まず、ステップS11において、判定用画像取得手段191からの制御によって、画像取得部17が所定のタイミングで判定用画像を取得する。画像取得部17で取得された判定用画像は、判定用画像メモリ192に記憶される。
【0029】
判定用画像が取得されると、ステップS12において、判定手段19aが、判定用データメモリ193に記憶される判定用データを読み出し、ステップS11で画像取得部17によって取得され、判定用画像メモリ192に記憶されている判定用画像に対し、有効シャッターを判定する。
【0030】
ステップS12で有効シャッターが判定されると、ステップS13において、設定手段18が、ステップS12の判定に基づいて、画像取得部17に有効シャッターを設定する。その後、画像取得部17は撮影信号の入力を待機し、ステップS14において第1シャッター11又は第2シャッター21が押下され、信号入力部16を介して第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2が画像取得部17に入力すると、ステップS15において、画像取得部17が入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたか否かを判定する。
【0031】
ステップS15で、入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものであると判定された場合、ステップS16において画像取得部17が、被写体画像を取得して処理を終了する。一方、ステップS15で入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものでないと判定された場合、画像取得部17は、画像を取得せずにステップS14に戻り、新たな撮影信号の入力を待機する。
【0032】
また、ステップS12で判定手段19aが有効シャッターを判定できない場合は、ステップS17に進み、ステップS17において画像取得部17が第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2を入力したと判定した場合は、ステップS16において画像取得部17が画像を取得する。一方、ステップS12において判定手段19aが有効なシャッターを判定できず、かつステップS17において、撮影信号も入力されないと判定された場合、ステップS11に戻り、再度、判定用画像が取得される。
【0033】
上述した第1の実施の形態に係るカメラ1aによれば、リモコン部20aを本体部10aから着脱可能とし、本体部10aに接続されている状態ではリモコン部20aが備えるシャッター21を左側のシャッターとし、カメラ1aの右側と左側にシャッターを備えるようにする。したがって、カメラでよく用いられているリモコンを左側シャッターと共有することにより、ユーザは自分の使いやすいシャッターを任意に選択して利用することができる。
【0034】
また、ユーザは、利き手に応じて左右のシャッターから有効シャッターを設定することができるとともに、自分撮りの際には、自動的に有効シャッターが設定されることで、手ブレを防止した上、誤操作なく被写体画像を取得することができる。
【0035】
なお、上述した第1の実施の形態に係るカメラ1aにおいては、便宜上、被写体画像を取得するユーザからみて、第1シャッター11が右側にあり、リモコン部20aに設けられる第2シャッター21がユーザから見て左側にあるとして説明したが、第1側面10Rを右手側に選択するか左手側に選択するかは任意であるので、逆であっても同様である。
【0036】
[第1の実施の形態の変形例]
図7及び図8に示すように、第1の実施の形態の変形例に係るカメラ1bは、図2及び図3を用いて上述した第1の実施の形態に係るカメラ1aと比較して、本体部10bに信号入力部16を備えず、リモコン部20bに信号出力部22を備えていない点で異なる。図7及び図8に示すカメラ1bは、第2シャッター21の押下によって生成される第3撮影信号が近距離無線通信信号である。したがって、本体部10bにリモコン部20bが接続されている場合及び本体部10bからリモコン部20bが取り外された場合のいずれであっても、信号送信部23が送信する第3撮影信号を信号受信部13が受信して、画像を撮影することができる。
【0037】
図7及び図8を用いて上述したように、第1の実施の形態の変形例に係るカメラ1bは、近距離無線通信を使用するため、信号出力部及び信号入力部を不要とし簡単な構成とすることができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るカメラ1cによれば、自動モードに設定されている場合、タッチパネルセンサでの接触の有無に基づいて、有効シャッターを判定して設定することができる。上述した第1の実施の形態と同様に有効シャッターが設定されると、カメラ1cでは、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得する。
【0039】
図9(b)に示すように、第2の実施の形態に係るカメラ1cは、図1に示したカメラ1aと比較して、タッチパネルセンサ194を有している点で異なる。図9で示すカメラ1cの論理的構成を示すのが図10であるが、タッチパネルセンサ194は、判定手段19cに備えられる。図9及び図10で示すように、カメラ1cも第1の実施の形態に係るカメラ1aと同様に第1シャッター11、レンズ12、信号受信部13、液晶パネル14、操作ボタン15、信号入力部16、画像取得部17、設定手段18及び判定手段19cを有する本体部10cを備えている。また、図10に示すように、カメラ1cは、第2シャッター21、信号出力部22及び信号送信部23を有するリモコン部10cを備えている。図示を用いた説明を省略するが、図2を用いて第1の実施の形態のカメラ1aにおいて説明したように、カメラ1cのリモコン部10cも本体部10cから取り外し、リモートコントローラとして使用することができる。
【0040】
図9及び図10を用いて説明するカメラ1cでも、図1乃至図3を用いて説明したカメラ1aと同様に第1シャッター11が押下された際及び第2シャッター21が押下された際のいずれであっても被写体画像を取得することができる。また、カメラ1cでも、設定手段18によって、第1シャッター11又は第2シャッター21のいずれかを有効シャッターとして設定し、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得させるように設定してもよい。カメラ1cにおいて有効シャッターは、自動あるいは手動で設定することができる。
【0041】
図10に示すように、カメラ1cは、自動で有効シャッターを設定するためにタッチパネルセンサ194を有する判定手段19cを備えている。図9(b)に示すように、タッチパネルセンサ194は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1cを保持する場合にユーザ50の手51,63が触れる位置として、第1シャッター11よりも第2シャッター21に近い位置に、第2シャッター21に対応させて設置されている。図10に示す判定手段19cで有効シャッターが判定されると、設定手段18は画像取得部17に対して有効シャッターを設定する。図9に示すカメラ1cでは第2シャッター21とタッチパネルセンサ194とが対応しており、図10に示す判定手段19cは、タッチパネルセンサ194が接触を感知すると第2シャッター21を有効シャッターと判定する。なお、タッチパネルセンサを第2シャッター21よりも第1シャッター11に近い位置に設け、タッチパネルセンサに接触があった場合に第1シャッター11を有効シャッターと判定してもよいし、第1シャッターに近い位置及び第2シャッターに近い位置にそれぞれ対応するタッチパネルセンサを設けても同様である。
【0042】
図11を参照して、ユーザ50,60がカメラ1cを用いて、第2シャッター21を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ50が右手51を使用して自分撮りをする際、図11(a)に示すように右手51の一部がタッチパネルセンサ194に接触するようにカメラ1cを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。また例えば、ユーザ60が左手63により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図11(b)に示すように左手63の一部がタッチパネルセンサ194に接触されるようにカメラ1cを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。
【0043】
図9(b)を用いて上述したように、タッチパネルセンサ194は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1cを保持する場合にユーザ50の手51,63の一部が触れる位置に設けられている。そのため、判定手段19cは、ユーザ50,60が図11(a)及び図11(b)に示すようにカメラ1cを保持すると、タッチパネルセンサ194にユーザ50,60の手51,63の接触が感知されて、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。
【0044】
図12を参照して、ユーザ50,60がカメラ1cを用いて、第1シャッター11を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ60が左手63を使用して自分撮りをする際、図12(a)に示すように左手63がタッチパネルセンサ194に接触しないようにカメラ1cを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。また例えば、ユーザ50が右手51により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図12(b)に示すように右手51がタッチパネルセンサ194に接触しないようにカメラ1cを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。
【0045】
図9(b)を用いて上述したように、タッチパネルセンサ194は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1cを保持する場合にユーザ50の手51,63が触れる位置に設けられている。そのため、判定手段19cは、ユーザ50,60が図12(a)及び図12(b)に示すようにカメラ1cを保持すると、タッチパネルセンサ194にユーザの手がかからず、接触が感知されず、第1シャッター11を有効なシャッターと判定する。
【0046】
なお、判定手段19cにおける判定は、電源がオンにされてから定期的なタイミングで判定することが考えられる。電源がオンにされてから有効シャッターの判定を定期的に行うことで、ユーザが通常の被写体画像の取得や自分撮りを交互に行う場合であっても、ユーザの利用方法に合わせて有効シャッターの設定も切り替えられる。
【0047】
他の各機能構成については、図1乃至図3を用いて上述した第1の実施の形態のカメラ1aと同一であるため、説明を省略する。
【0048】
以下に、図13に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態に係るカメラ1cにおいて、図9に示すように本体部10cとリモコン部10cが接続されている状態で、自動で有効シャッターを設定して被写体画像を取得する処理の一例について説明する。
【0049】
まず、ステップS21において、カメラ1cでは、判定手段19cは、所定のタイミングでタッチパネルセンサ194において感知される接触状態を取得する。
【0050】
その後、ステップS22において、判定手段19cが、タッチパネルセンサ194における接触状態に基づいて、有効シャッターを判定する。具体的には、ユーザが図11(a)又は図11(b)に示すようにカメラ1cを保持し、タッチパネルセンサ194が接触を感知していると、判定手段19cは、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。一方、ユーザが図12(a)又は図12(b)に示すようにカメラ1cを保持し、タッチパネルセンサ194が接触を感知していないと、判定手段19cは、第1シャッター11を有効シャッターと判定する。
【0051】
判定手段19cが有効シャッターを判定すると、ステップS23において、設定手段18が、ステップS22の判定に基づいて、画像取得部17に有効シャッターを設定する。その後、画像取得部17は撮影信号の入力を待機し、ステップS24において第1シャッター11又は第2シャッター21が押下され、信号入力部16を介して第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2を入力すると、ステップS25において、画像取得部17が入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたか否かを判定する。
【0052】
ステップS25で、入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものであると判定された場合、ステップS26において画像取得部17が、被写体画像を取得して処理を終了する。一方、ステップS25で入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものでないと判定された場合、画像取得部17は、画像を取得せずにステップS24に戻り、新たな撮影信号の入力を待機する。
【0053】
上述した第2の実施の形態に係るカメラによれば、リモコン部10cを本体部10cから着脱可能とし、本体部10cに接続されている状態ではリモコン部10cが備えるシャッター21を左側のシャッターとし、カメラの右側と左側にシャッターを備えるようにする。カメラでよく用いられているリモコンを左側シャッターと共有することにより、ユーザは自分の使いやすいシャッターを任意に選択して利用することができる。
【0054】
また、ユーザは、利き手に応じて左右のシャッターから有効シャッターを設定することができるとともに、自動的に有効シャッターが設定されることで、手ブレを防止した上、誤操作なく被写体画像を取得することができる。
【0055】
なお、上述した第2の実施の形態に係るカメラ1cにおいては、便宜上、被写体画像を取得するユーザからみて、第1シャッター11が右側にあり、リモコン部10cに設けられる第2シャッター21がユーザから見て左側にあるとして説明したが、第1の実施の形態と同様、第1側面10Rを右手側に選択するか左手側に選択するかは任意であるので、逆であっても同様である。
【0056】
また、第2の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態の変形例にあるように、信号入力部16及び信号出力部22を有さない構成であっても適用することができる。
【0057】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係るカメラ1dによれば、自動モードに設定されている場合、圧力センサにより検出される圧力に基づいて、有効シャッターを判定して設定することができる。上述した第1の実施の形態と同様に有効シャッターが設定されると、カメラ1dでは、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得する。
【0058】
図14(b)に示すように、第3の実施の形態の係るカメラ1dは、図1に示したカメラ1aと比較して、圧力センサ195を有している点で異なる。図14で示すカメラ1dの論理的構成を示すのが図15であるが、圧力センサ195は、判定手段19dに備えられる。図14及び図15で示すように、カメラ1dも第1の実施の形態に係るカメラ1aと同様に第1シャッター11、レンズ12、信号受信部13、液晶パネル14、操作ボタン15、信号入力部16、画像取得部17、設定手段18及び判定手段19dを有する本体部10dを備えている。また、図15に示すように、カメラ1dは、第2シャッター21、信号出力部22及び信号送信部23を有するリモコン部10dを備えている。図示を用いた説明を省略するが、図2を用いて第1の実施の形態のカメラ1aにおいて説明したように、カメラ1dのリモコン部10dも本体部10dから取り外し、リモートコントローラとして使用することができる。
【0059】
カメラ1dでも、図1乃至図3を用いて説明したカメラ1aと同様に第1シャッター11が押下された際及び第2シャッター21が押下された際のいずれであっても被写体画像を取得することができる。また、カメラ1dでも、設定手段18によって、第1シャッター11又は第2シャッター21のいずれかを有効シャッターとして設定し、有効シャッターが押下された場合にのみ被写体画像を取得させるように設定してもよい。カメラ1cにおいて有効シャッターは、自動あるいは手動で設定することができる。
【0060】
図15に示すように、カメラ1dは、自動で有効シャッターを設定するために圧力センサ195を有する判定手段19dを備えている。図14(b)に示すように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1dを保持する場合にユーザ50の手51,63が触れる位置として第1シャッター11より第2シャッター21に近い位置に、第2シャッター21に対応させて設置されている。図15に示す判定手段19dで有効シャッターが判定されると、設定手段18は画像取得部17に対して有効シャッターを設定する。図14に示すカメラ1dでは第2シャッター21と圧力センサ195とが対応しており、図15に示す判定手段19dは、圧力センサ195が接触を感知すると第2シャッター21を有効シャッターと判定する。なお、圧力センサを第2シャッター21よりも第1シャッター11と近い位置に設け、圧力センサに接触があった場合に第1シャッター11を有効シャッターと判定してもよいし、第1シャッターに近い位置及び第2シャッターに近い位置にそれぞれ対応する圧力センサを設けても同様である。
【0061】
図16を参照して、ユーザ50,60がカメラ1dを用いて、第2シャッター21を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ50が右手51を使用して自分撮りをする際、図16(a)に示すように右手51の一部が圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1dを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。また例えば、ユーザ60が左手63により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図16(b)に示すように左手63の一部が圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1dを保持しながら、第2シャッターを押下することによって画像を取得する。
【0062】
図14(b)を用いて上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1dを保持する場合にユーザの手51,63が触れる位置に設けられている。そのため、ユーザ50,60が図16(a)及び図16(b)に示すようにカメラ1dを保持すると、判定手段19dは、圧力センサ195にユーザ50,60の手51,63がかかり圧力が検出されて、第2シャッター21を有効なシャッターと判定する。
【0063】
図17を参照して、ユーザ50,60がカメラ1dを用いて、第1シャッター11を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ60が左手63を使用して自分撮りをする際、図17(a)に示すように左手63が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1dを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。また例えば、ユーザ50が右手51で被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像)、図17(b)に示すように右手51が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1dを保持しながら、第1シャッターを押下することによって被写体画像を取得する。
【0064】
上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1dを保持する場合にユーザの手51,63の圧力がかかる位置に設けられている。そのため、判定手段19dは、図17(a)及び図17(b)に示すようにユーザ50,60がカメラ1dを保持すると、圧力センサ195にユーザの手がかからず、圧力が検出されないため、第1シャッター11を有効なシャッターと判定する。
【0065】
なお、判定手段19dにおける判定は、電源がオンにされてから定期的なタイミングで判定することが考えられる。電源がオンにされてから有効シャッターの判定を定期的に行う場合、ユーザが通常の被写体画像の取得や自分撮りを交互に行う場合であっても、ユーザの利用方法に合わせて有効シャッターの設定も切り替えられる。
【0066】
他の各機能構成については、図1乃至図3を用いて上述した第1の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。
【0067】
以下に、図18に示すフローチャートを用いて、第3の実施の形態に係るカメラ1dにおいて、図14に示すように本体部10dとリモコン部10dが接続されている状態で、自動で有効シャッターを設定して被写体画像を取得する処理の一例について説明する。
【0068】
まず、ステップS31において、カメラ1dでは、判定手段19dは、所定のタイミングで圧力センサ195において検出される圧力を取得する。
【0069】
その後、ステップS32において、判定手段19dが、圧力センサ195におけるの圧力の検出に基づいて、有効シャッターを判定する。具体的には、ユーザが図16(a)又は図16(b)に示すようにカメラ1dを保持し、圧力センサ195が圧力を検出していると、判定手段19dは、第2シャッター21を有効シャッターと判定する。一方、ユーザが図17(a)又は図17(b)に示すようにカメラ1dを保持し、圧力センサ195が圧力を検出していないと、判定手段19dは、第1シャッター11を有効シャッターと判定する。
【0070】
判定手段19dが有効シャッターを判定すると、ステップS33において、設定手段18が、ステップS32の判定に基づいて、画像取得部17に有効シャッターを設定する。その後、画像取得部17は撮影信号の入力を待機し、ステップS34において第1シャッター11又は第2シャッター21が押下され、信号入力部16を介して第1撮影信号S1又は第2撮影信号S2を入力すると、ステップS35において、画像取得部17が入力した撮影信号が有効シャッターとして設定されているシャッターから送信されたか否かを判定する。
【0071】
ステップS35で、入力した撮影信号が有効シャッターの押下によって生成されたものであると判定された場合、ステップS36において画像取得部17が、被写体画像を取得して処理を終了する。一方、ステップS35で入力した撮影信号が有効シャッターから送信されたものでないと判定された場合、画像取得部17は、画像を取得せずにステップS34に戻り、新たな撮影信号の入力を待機する。
【0072】
上述した第3の実施の形態に係るカメラ1dによれば、リモコン部10dを本体部10dに着脱可能とし、本体部10dに接続されている状態ではリモコン部10dが備えるシャッター21を左側のシャッターとし、カメラ1dの右側と左側にシャッターを備えるようにする。このようにカメラでよく用いられているリモコンを左側シャッターと共有することにより、ユーザは自分の使いやすいシャッターを任意に選択して利用することができる。
【0073】
また、ユーザは、利き手に応じて左右のシャッターから有効シャッターを設定することができるとともに、自動的に有効なシャッターとして設定でき、手ブレを防止した上、誤操作なく被写体画像を撮影できる。
【0074】
なお、上述した第3の実施の形態に係るカメラ1dにおいては、便宜上、被写体画像を取得するユーザからみて、第1シャッター11が右側にあり、リモコン部10dに設けられる第2シャッター21がユーザから見て左側にあるとして説明したが、第1の実施の形態と同様、第1側面10Rを右手側に選択するか左手側に選択するかは任意であるので、逆であっても同様である。
【0075】
また、第3の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態の変形例にあるように、信号入力部16及び信号出力部22を有さない構成であっても適用することができる。
【0076】
[第3の実施の形態の変形例]
図19に示すように、第3の実施の形態の変形例に係るカメラ1eは、図14を用いて上述した第3の実施の形態に係るカメラ1eと比較して、圧力センサ195が備えられる位置が異なる。図19に示すカメラ1eは、第2シャッター21に圧力センサ195を設置している。すなわち、図19に示すように圧力センサ195は、第2シャッター21を押下して被写体画像を取得するようにユーザにカメラ1eが保持される場合に圧力が検出される位置に設置されている。他の構成は図15で説明したカメラ1eと同様であるため、図示を用いた説明を省略する。カメラ1eに備えられる圧力センサ195は、第2シャッター21と対応しており、圧力センサ195の圧力の検出に基づいて判定手段19dでは第2シャッター21を有効シャッターと判定する。
【0077】
図20を参照して、ユーザ50,60がカメラ1eを用いて、第2シャッター21を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ50が右手51を使用して自分撮りをする際、図20(a)に示すように右手51の一部が第2シャッター21に備えられる圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1eを保持しながら、第2シャッター21を押下することによって画像を取得する。また例えば、ユーザ60が左手63により被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像取得)、図20(b)に示すように左手63の一部が圧力センサ195にかかって圧力が検出されるようにカメラ1eを保持しながら、第2シャッターを押下することによって画像を取得する。
【0078】
図19を用いて上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1eを保持する場合にユーザの手51,63が触れる位置に設けられている。そのため、ユーザ50,60がカメラ1eを保持した際、判定手段19dは、図16(a)及び図16(b)に示すように圧力センサ195にユーザ50,60の手51,63がかかり圧力が検出されて、第2シャッター21を有効なシャッターと判定する。
【0079】
図21を参照して、ユーザ50,60がカメラ1eを用いて、第1シャッター11を押下して画像を取得する場合について説明する。例えば、ユーザ60が左手63を使用して自分撮りをする際、図21(a)に示すように左手63が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1eを保持しながら、第1シャッター11を押下することによって被写体画像を取得する。また例えば、ユーザ50が右手51で被写体画像を取得する際(自分撮りでない画像)、図21(b)に示すように右手51が圧力センサ195に接触しないようにカメラ1eを保持しながら、第1シャッターを押下することによって被写体画像を取得する。
【0080】
図19を用いて上述したように、圧力センサ195は、第2シャッター21を押下する際にカメラ1eを保持する場合にユーザの手51,63の圧力がかかる位置に設けられている。そのため、判定手段19dは、ユーザ50,60がカメラ1eを保持した際、図21(a)及び図21(b)に示すように圧力センサ195にユーザの手がかからず、圧力が検出されないとき、第1シャッター11を有効なシャッターと判定する。
【0081】
上記のように、本発明を各実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0082】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明に記載した事項と自明な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図2】図1に示したカメラの本体部からリモコン部を取り外した場合を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るカメラでユーザが右手を用いて自分撮りする様子と判定用画像の一例である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るカメラでユーザが左手を用いて自分撮りする様子と判定用画像の一例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るカメラで被写体画像を取得する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るカメラでユーザが右手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るカメラでユーザが左手を用いて被写体画像を取得する場合の他の例について説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るカメラで被写体画像を取得する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るカメラの機能構成を説明する図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係るカメラでユーザが右手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係るカメラでユーザが左手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係るカメラで被写体画像を取得する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施の形態の変形例に係るカメラについて説明する外観構成図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態の変形例に係るカメラでユーザが右手を用いて被写体画像を取得する場合の一例について説明する図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態の変形例に係るカメラでユーザが左手を用いて被写体画像を取得する場合の他の例について説明する図である。
【符号の説明】
【0084】
1a〜1e…カメラ
10a〜10e…本体部
10R…第1側面
10L…第2側面
11…第1シャッター
13…信号受信部
16…信号入力部
17…画像取得部
20a〜20e…リモコン部
21…第2シャッター
22…信号出力部
23…信号送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側面及び前記第1側面に対向する第2側面を有する筐体、前記筐体の第2側面より前記第1側面に近い位置に設置され、押下により第1撮影信号を生成する第1シャッター、第3撮影信号を受信する信号受信部、前記第1撮影信号、前記第3撮影信号に反応して、被写体の画像を取得する画像取得部を有する本体部と、
第2シャッター、前記第2シャッターが押下されると前記第3撮影信号を無線信号として送信する信号送信部を有し、前記第2側面に着脱可能に接続されるリモコン部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記本体部が、前記リモコン部に接続されている状態において、前記第1シャッター又は前記第2シャッターの一方を有効シャッターとし、前記画像取得部に対し、前記有効シャッターで生成された撮影信号が入力された場合に被写体の画像を取得するように前記画像取得部に設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載のカメラ。
【請求項3】
前記本体部が、
前記第1シャッター又は前記第2シャッターのうち、いずれのシャッターを有効にするかを判定する判定用データが予め記憶される判定用データメモリと、前記画像取得部に判定用画像を取得させる判定用画像取得手段と、取得された前記判定用画像を記憶する判定用画像メモリとを含み、前記判定用画像を前記判定用データと比較して、有効シャッターを判定する判定手段を更に有し、
前記設定手段は、前記判定手段の判定に基づいて有効シャッターを設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項4】
前記本体部が、
前記第1シャッター又は前記第2シャッターのいずれか一方のシャッターに近い位置に当該シャッターと対応して接触を感知するタッチパネルセンサを含み、前記タッチパネルセンサで接触が感知されると、対応するシャッターを有効シャッターとして判定する判定手段を更に有し、
前記設定手段は、前記判定手段の判定に基づいて有効シャッターを設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項5】
前記本体部が、前記第1シャッター又は前記第2シャッターのいずれか一方のシャッターに近い位置に当該シャッターと対応して圧力を感知する圧力センサを含み、前記圧力センサで圧力が感知されると、対応するシャッターを有効シャッターとして判定する判定手段を更に有し、
前記設定手段は、前記判定手段の判定に基づいて有効シャッターを設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項1】
第1側面及び前記第1側面に対向する第2側面を有する筐体、前記筐体の第2側面より前記第1側面に近い位置に設置され、押下により第1撮影信号を生成する第1シャッター、第3撮影信号を受信する信号受信部、前記第1撮影信号、前記第3撮影信号に反応して、被写体の画像を取得する画像取得部を有する本体部と、
第2シャッター、前記第2シャッターが押下されると前記第3撮影信号を無線信号として送信する信号送信部を有し、前記第2側面に着脱可能に接続されるリモコン部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記本体部が、前記リモコン部に接続されている状態において、前記第1シャッター又は前記第2シャッターの一方を有効シャッターとし、前記画像取得部に対し、前記有効シャッターで生成された撮影信号が入力された場合に被写体の画像を取得するように前記画像取得部に設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載のカメラ。
【請求項3】
前記本体部が、
前記第1シャッター又は前記第2シャッターのうち、いずれのシャッターを有効にするかを判定する判定用データが予め記憶される判定用データメモリと、前記画像取得部に判定用画像を取得させる判定用画像取得手段と、取得された前記判定用画像を記憶する判定用画像メモリとを含み、前記判定用画像を前記判定用データと比較して、有効シャッターを判定する判定手段を更に有し、
前記設定手段は、前記判定手段の判定に基づいて有効シャッターを設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項4】
前記本体部が、
前記第1シャッター又は前記第2シャッターのいずれか一方のシャッターに近い位置に当該シャッターと対応して接触を感知するタッチパネルセンサを含み、前記タッチパネルセンサで接触が感知されると、対応するシャッターを有効シャッターとして判定する判定手段を更に有し、
前記設定手段は、前記判定手段の判定に基づいて有効シャッターを設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項5】
前記本体部が、前記第1シャッター又は前記第2シャッターのいずれか一方のシャッターに近い位置に当該シャッターと対応して圧力を感知する圧力センサを含み、前記圧力センサで圧力が感知されると、対応するシャッターを有効シャッターとして判定する判定手段を更に有し、
前記設定手段は、前記判定手段の判定に基づいて有効シャッターを設定することを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−64973(P2008−64973A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241709(P2006−241709)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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