説明

ガス系消火設備

【課題】ガス系消火設備の点検時における消火剤及び起動用ガスの両方の誤放出を確実に防止する。
【解決手段】防護区画6内に二酸化炭素ガスを放出して消火を行うガス系消火設備において、制御盤16に配設して監視モードから点検モードへの切替えを行う点検スイッチ60と、起動用ガス容器11用の開放器26の取外しを検出する開放器取外し検出手段62と、点検スイッチ60により点検モードに切替えられた場合には火災感知器21,22又は操作箱18からの起動信号と開放器取外し検出手段62からの開放器取外し信号とのアンド出力によって開放器作動信号を生成し出力する制御手段63と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護区画内に二酸化炭素ガスを放出して消火を行うガス系消火設備における点検時(メンテナンス時)の誤放出防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素ガスを消火剤として用いるガス系消火設備の一例を図3に示す。図3において、1は消火剤貯蔵容器で、この消火剤貯蔵容器1内に充填されている消火剤(二酸化炭素ガス)は、容器弁2(開放器付き)から導管3を介して集合配管4へと導かれ、集合配管4から分岐配管5を介して各防護区画6内に配設された各噴射ヘッド7へと導かれる。集合配管4の途中には安全装置8が設けられ、安全装置8の二次側には閉止弁9が設けられ、各分岐配管5が閉止弁9の二次側の集合配管4からそれぞれ選択弁10を介して分岐される。11は起動用ガス容器で、この起動用ガス容器11内に充填されている起動用ガスは、容器弁12(開放器付き)から導管13を介して選択弁10の起動用ガス導入口へと導かれ、選択弁10の排気口から導管14及び逆止弁15を介して消火剤貯蔵容器1の容器弁2に着脱自在に取り付けられた開放器の起動用ガス導入口へと導かれる。16は監視室17に配設される制御盤、18は防護区画6の出入り口19付近に配設された操作箱(手動式起動装置)、21,22は各防護区画6内に配設された異なる種類の火災感知器、23は防護区画6の出入り口19付近に配設された充満表示灯、24は各防護区画6内に配設されたスピーカー(音声警報装置)、25は各防護区画6に配設された電動シャッター、26は各起動用ガス容器11の容器弁12に着脱自在に取り付けられた開放器、27は各選択弁10の二次側の分岐配管5の途中に設けられた圧力スイッチ、30は各防護区画6に接続され換気口にダンパー31を有する換気ダクト、32は各防護区画6内の分岐配管5から導管33を介して二酸化炭素ガスを導くピストンレリーザである。
【0003】
次に、前記制御盤16の制御回路20の概要を図4に示す。図4において、制御回路20はマイクロコンピューターで構成される。この制御回路20には、制御盤16に配設する火災灯、放出灯、自動灯、手動灯、電源灯、操作箱扉開灯、起動灯、故障灯、スイッチ注意灯、閉止弁開灯、閉止弁閉灯などの盤内表示灯40、自・手動切替スイッチ、警報停止スイッチ、ブザー停止スイッチ、システム復旧スイッチ、機器停止移報停止スイッチなどの盤内操作スイッチ41、放出遅延時間を設定する放出遅延時間設定器42及びその設定値を表示するとともに設定された放出遅延時間をカウントダウン表示するセブンセグメント式のカウントダウン表示器43、ブザー46、電話ジャック(図示せず)、操作箱16に配設する火災灯、放出灯、起動灯、自動灯、手動灯、電源灯、点検注意灯、閉止弁閉灯などの操作箱表示灯48、設定された放出遅延時間をカウントダウン表示するセブンセグメント式のカウントダウン表示器49、自・手動切替スイッチ、扉開スイッチ、起動スイッチ、非常停止スイッチなどの操作箱操作スイッチ50、電話ジャック(図示せず)と、前記各火災感知器21,22、充満表示灯23、スピーカー24、シャッターモータ51、開放器26のソレノイド、圧力スイッチ27と、閉止弁9の開(検出)スイッチ52及び閉(検出)スイッチ53と、蓄電設備付きの電源回路54と、地絡検出回路や回路異常検出回路(図示せず)と、防護対象の外部機器や換気ファン(図示せず)などが接続される。
【0004】
前記ガス系消火設備は、初期消火を目的として、自動起動が原則とされており、自動起動の動作フローを図5に示す。自動起動(制御盤16及び操作箱18の自・手動切替スイッチがともに人為的に自動側に切り替えられ、制御回路20が自動灯の点灯による自動表示を行う自動監視モード状態)の場合、ある防護区画6において火災が発生すると、制御回路20が1種類の火災感知器21の作動(火災検知)に基づいて外部機器停止移報表示を行うとともに、火災灯の点滅による火災表示を行い、もう1種類の火災感知器22の作動に基づいて、つまり2種類の火災感知器21,22のアンド動作によって前記火災灯の点灯による火災表示及びスピーカ24により音声による退避警報を行う。次いで、制御回路20が起動灯の点灯による消火設備起動表示、スピーカー24により音声による起動警報、放出遅延用タイマの起動、シャッターモータ51を作動させてのシャッター25の閉鎖及び換気ファンの停止、外部機器の停止などを行う。次いで、放出遅延時間内に人為的な非常停止スイッチの操作がない場合、制御回路20が放出遅延時間経過後に起動用ガス容器11の容器弁12の開放器26(のソレノイド)を作動させる。この開放器26の作動によって起動用ガスが放出しそのガス圧力で選択弁10が開放され、消火剤貯蔵容器1の容器弁2もこの開放器を介して開放される。消火剤貯蔵容器1の容器弁2の開放によって消火剤が噴射ヘッド7から防護区画6内に放出され、そのガス圧力でピストンレリーザ32が作動してダンパー31が閉鎖されるとともに、圧力スイッチ27が作動し制御回路20が放出灯の点灯及び充満表示灯23の点滅による消火剤の充満表示を行う。
【0005】
一方、手動起動(制御盤16及び操作箱18の自・手動切替スイッチがともに人為的に手動側に切り替えられ、制御回路20が手動灯の点灯による手動表示を行う手動モード状態)の場合、操作箱18の扉が人為的に開かれ、これを制御回路20が扉開スイッチのオン信号で検出すると、その制御回路20が操作箱扉開灯の点灯による操作箱開表示、外部機器停止移報表示を行うとともに、火災灯の点灯による火災表示及びスピーカ24により音声による退避警報を行う。次いで、防護区画6内の人の退避を確認した後、起動スイッチを人為的にオン操作すると、制御回路20が起動灯の点灯による起動表示、スピーカ24による音声による起動警報、放出遅延用タイマの起動、シャッターモータ51を作動させてのシャッター25の閉鎖、換気ファンの停止、外部機器の停止などを行う。次いで、放出遅延時間内に人為的な非常停止スイッチのオン操作がない場合、制御回路20が放出遅延時間経過後に起動用ガス容器11の容器弁12の開放器26を作動させる。これ以降の動作は自動起動の場合と同じである。
【0006】
以上のように、前記ガス系消火設備は火災感知器21,22の動作に基づく自動起動機能又は操作箱18からのスイッチ操作に基づく手動起動機能により、防護区画6内に消火剤を放出して消火を行うもので、このような機能を適正に維持するため、消防法にて定期点検及び報告が義務付けられている。
【0007】
そして、ガス系消火設備の点検作業は、その実施前に前記閉止弁9を閉じた後、消火剤貯蔵容器用又は起動用ガス容器用の開放器を取外し、この状態で作動試験等を行うことになっている。
【特許文献1】特開2005−58460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、従来のガス系消火設備では、閉止弁9を閉じても、開放器を取外し中に誤って起動されたり、開放器を取外すことなく起動された場合、消火剤貯蔵容器から放出された消火剤は閉止弁で止められ、防護区画内の点検者に危険が及ぶことはないが、消火剤貯蔵容器から閉止弁までの配管内には放出されており、消火剤貯蔵容器及び起動用ガス容器の交換や配管内に放出された消火剤及び起動用ガスの処理等を含め、多大な手間と費用のかかる無駄な復旧作業が必要になる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るガス系消火設備は、制御盤に配設して監視モードから点検モードへの切替えを行う点検スイッチと、起動用ガス容器用の開放器の取外しを検出する開放器取外し検出手段と、点検スイッチにより点検モードに切替えられた場合には火災感知器又は操作箱からの起動信号と開放器取外し検出手段からの開放器取外し信号とのアンド出力によって開放器作動信号を生成し出力する制御手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明に係るガス系消火設備は、上記請求項1に記載の発明に、点検スイッチにより点検モードに切替えられた場合に作動する点検中報知手段を、制御盤と防護区画の出入り口付近に設けたことを付加したものである。
【0011】
請求項3に記載の発明に係るガス系消火設備は、上記請求項2に記載の発明に、制御盤側の点検中報知手段がブザーであり、防護区画側の点検中報知手段が充満表示灯であることを付加したものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ガス系消火設備の点検時に、消火剤及び起動用ガスの両方の誤放出を確実に防止できるので、誤放出に伴う無駄な復旧作業をなくすことができるとともに、ガス系消火設備の点検を安全に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、制御盤側と防護区画側のそれぞれの点検者に点検中であることを知らせることができ、その報知形態を、起動用ガス容器用の開放器を取外す前と後で異ならせることで、誤放出防止作業の進行状況を各点検者に知らせることもでき、一層確実な誤放出防止対策を講じることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、既存のブザーと充満表示灯を有効利用して制御盤側と防護区画側のそれぞれの点検者に点検中や誤放出防止作業の進行状況を知らせることができるので、コストの上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明のガス系消火設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態に係るガス系消火設備は図3〜図5に示したガス系消火設備と基本的に同じ構成を有し、同じ方法で起動するので、異なる点について説明する。
【0016】
図1は前記制御盤16の制御回路20における本発明部分のブロック図である。図1において、60は制御回路20に接続される盤内操作スイッチ41の一つとして、制御盤16に配設して監視モードから点検モードへの切替えを行う点検スイッチであり、各火災感知器21,22からの起動信号(火災信号)や操作箱18の起動スイッチからの起動信号を制御回路20に出力する起動信号出力ライン61を、前記点検スイッチ60によって二系統に分け、一方を監視モード時の出力ライン61aとし、他方を点検モード時の出力ライン61bとしている。そして、点検スイッチ60が監視モード側に操作されている場合には、各火災感知器21,22や操作箱18の起動スイッチからの起動信号は点検スイッチ60を介して監視モード時の出力ライン61aから制御回路20に入力され、その入力された起動信号に基づいて制御回路20が起動用ガス容器11用の開放器26の作動信号を出力し、ガス系消火設備を自動起動又は手動起動させる。
【0017】
また、62は起動用ガス容器11用の開放器26の取外しを検出する開放器取外し検出手段としての開放器取外し検出スイッチであり、さらに、63は制御回路20に有する点検時の起動用ガス容器11用の開放器26の作動信号生成用のアンド回路であり、このアンド回路63の一方の入力に前記点検モード時の出力ライン61bを接続するとともに、他方の入力に前記開放器取外し検出スイッチ62を接続している。そして、点検スイッチ60が点検モード側に操作されている場合には、各火災感知器21,22や操作箱18の起動スイッチから点検スイッチ60を介して点検モード時の出力ライン61bから制御回路20の前記アンド回路63の一方に起動信号が入力され、かつ、前記開放器取外し検出スイッチ62から制御回路20の前記アンド回路63の他方に開放器取外し信号が入力されたとき、前記アンド回路63からのアンド出力によって制御回路20が開放器作動信号を生成し出力し、ガス系消火設備を自動起動又は手動起動させる。
【0018】
以上の構成において、ガス系消火設備の点検作業を実施する前に、点検スイッチ60を操作して制御回路20を監視モードから点検モードに切替えて作動試験等を行うことにより、閉止弁9を閉じた後、起動用ガス容器11用の開放器26を取外し中に誤って各火災感知器21,22や操作箱18の起動スイッチからの起動信号が出力されて起動されたり、起動用ガス容器11用の開放器26を取外すことなく誤って各火災感知器21,22や操作箱18の起動スイッチからの起動信号が出力されて起動されても、起動用ガス容器11用の開放器26が取外されておらず、開放器取外し検出スイッチ62から開放器取外し信号が出力されないため、制御回路20から開放器作動信号が出力されることはない。これによって、ガス系消火設備の点検時の消火剤や起動用ガスの誤放出を確実に防止している。
【0019】
また、図1において、64は制御回路20に接続される盤内表示灯40及び操作箱表示灯23の表示灯の一つとして制御盤16と操作箱16にそれぞれ配設する点検灯であり、、前記点検スイッチ60を操作して制御回路20を監視モードから点検モードに切替えたとき、制御回路64は前記点検灯64を点灯させるとともに、制御盤16に配設されたブザー46を鳴動させることによって、監視室17内の制御盤16側の点検者に点検中であることを知らせると同時に、前記充満表示灯23を点灯させることによって、防護区画6側の点検者にも点検中であることを知らせるように構成している。
【0020】
ここで、点検時に点検中報知手段として用いるブザー46や充満表示灯23は、監視モードからの起動時の鳴動や点灯とは明らかに異なる鳴動や点灯形態で点検中であることを報知するようにしており、例えば監視モードからの起動時に連続鳴動するブザー46の場合には点検時に所定の時間周期で間欠鳴動させ、監視モードからの起動時に所定の時間周期で点滅する充満表示灯23の場合には点検時に監視モードからの起動時よりも著しく異なる所定の時間周期で点滅させることによって、既存のブザー46や充満表示灯23を点検時に点検中報知手段として適正に用いるように構成している。
【0021】
また、点検中報知手段としての前記点検灯64及びブザー46や充満表示灯23における点検中報知形態を、前記開放器取外し検出スイッチ62から制御回路20に入力される開放器取外し信号を用いて、起動用ガス容器11用の開放器26を取外す前と後で異ならせることで、誤放出防止作業の進行状況を各点検者に知らせるようにしている。例えば前記点検スイッチ60を操作して制御回路20を監視モードから点検モードに切替えたとき(開放器取外し前)には、前記点検灯64を所定の時間周期で点滅させ、前記ブザー46を前記所定の時間周期で間欠鳴動させ、前記充満表示灯23を前記所定の時間周期で点滅させる一方、前記開放器取外し検出スイッチ62から制御回路20に開放器取外し信号が入力されたとき(開放器取外し後)には、前記点検灯64を連続点灯させ、前記ブザー46を前記鳴動を停止させ、前記充満表示灯23を連続点灯させることによって、誤放出防止作業の進行状況を各点検者に知らせるように構成している。
【0022】
図2は開放器取外し検出手段の具体例を示し、図2の実線で示すように、起動用ガス容器11用の開放器26における外箱26aの容器弁接続口26bの突出側面にスイッチ取付け金具65を介してオンオフスイッチである開放器取外し検出スイッチ62を取付けている。また起動用ガス容器11の容器弁12における開放器接続口12aの近傍にはスイッチ操作金具66を取付けている。そして、容器弁12の開放器接続口12aと開放器26の容器弁接続口26aとを接続した状態で容器弁12に開放器26を取付けたとき、開放器26側の開放器取外し検出スイッチ62のスイッチアーム62bを容器弁12側のスイッチ操作金具66に当接させてオン位置からオフ位置に押圧保持し、開放器取外し検出スイッチ62をオフ状態に保持する一方、開放器接続口12aと容器弁接続口26aとの接続を解いて容器弁12から開放器26を取外したとき、開放器取外し検出スイッチ62のスイッチアーム62bをオフ位置からオン位置に復帰させ、開放器取外し検出スイッチ62をオン作動させることで、起動用ガス容器11用の開放器2の取外しを検出するように構成している。なお、開放器取外し検出スイッチ62を容器弁12側に取付け、スイッチ操作金具66を開放器26に取付けてもよい。また開放器26の取外し検出を開放器取外し検出スイッチ62のオン作動で行うようにしたが、オフ作動でも行えることは言うまでもない。
【0023】
この他、起動用ガス容器11用の開放器26は容器弁12から取外された後、取付け時における外箱26aの下側面を床面等の平らな載置面に接合させてその載置面に取付け姿勢で置くことになっている。このため、開放器取外し検出スイッチ62は、図2の仮想線に示すように、外箱26aの内側下部に収容し、スイッチアーム62bの先端部を外箱26aの下側面に突出させておき、開放器26が容器弁12から取外された後、床面等の平らな載置面に置かれたとき、開放器取外し検出スイッチ62をオフ状態からオン作動させ、起動用ガス容器11用の開放器2の取外しを検出するようにしてもよい。
【0024】
以上のように、本発明の実施の形態に係るガス系消火設備は、制御盤16に配設して監視モードから点検モードへの切替えを行う点検スイッチ60と、起動用ガス容器11用の開放器26の取外しを検出する開放器取外し検出手段62と、点検スイッチ60により点検モードに切替えられた場合には火災感知器21,22又は操作箱18からの起動信号と開放器取外し検出手段62からの開放器取外し信号とのアンド出力によって開放器作動信号を生成し出力する制御手段63と、を設けたことによって、ガス系消火設備の点検時に、消火剤及び起動用ガスの両方の誤放出を確実に防止できるので、誤放出に伴う無駄な復旧作業をなくすことができるとともに、ガス系消火設備の点検を安全に行うことができる。
【0025】
また、点検スイッチ60により点検モードに切替えられた場合に作動する点検中報知手段64,46,23を、制御盤16と防護区画6の出入り口付近に設けたことによって、制御盤16側と防護区画6側のそれぞれの点検者に点検中であることを知らせることができ、その報知形態を、起動用ガス容器11用の開放器26を取外す前と後で異ならせることで、誤放出防止作業の進行状況を各点検者に知らせることもでき、一層確実な誤放出防止対策を講じることができる。
【0026】
さらに、制御盤16側の点検中報知手段がブザー46であり、防護区画6側の点検中報知手段が充満表示灯23であり、既存のブザー46と充満表示灯23を有効利用して制御盤16側と防護区画6側のそれぞれの点検者に点検中や誤放出防止作業の進行状況を知らせることができるので、コストの上昇を抑えることができる。
【0027】
以上、本実施の形態は本発明の好適な実施の形態の一例を示したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。例えば本発明は二酸化炭素ガス以外の窒素、アルゴンの不活性ガス単体又は混合体で構成されるイナート系ガスやハロゲン元素(臭素、フッ素など)、炭素、水素の化合物であるフッ素系ガスを消火剤として用いるガス系消火設備の他、粉末系消火設備にも好適に実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ガス系消火設備の制御盤の制御回路における本発明部分のブロック図である。
【図2】開放器取外し検出手段の具体例を示す起動用ガス容器用の開放器の側面図である。
【図3】ガス系消火設備の一例を示す構成図である。
【図4】ガス系消火設備の制御盤の概略を示すブロック図である。
【図5】ガス系消火設備の動作概要を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1 消火剤貯蔵容器
6 防護区画
16 制御盤
11 起動用ガス容器
18 操作箱
20 制御回路
21,22 火災感知器
23 充満表示灯(点検中報知手段)
26 起動用ガス容器用の開放器
46 ブザー(点検中報知手段)
60 点検スイッチ
62 開放器取外し検出スイッチ(開放器取外し検出手段)
63 アンド回路(制御手段)
64 点検灯(点検中報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防護区画内に二酸化炭素ガスを放出して消火を行うガス系消火設備において、制御盤に配設して監視モードから点検モードへの切替えを行う点検スイッチと、起動用ガス容器用の開放器の取外しを検出する開放器取外し検出手段と、点検スイッチにより点検モードに切替えられた場合には火災感知器又は操作箱からの起動信号と開放器取外し検出手段からの開放器取外し信号とのアンド出力によって開放器作動信号を生成し出力する制御手段と、を設けたことを特徴とするガス系消火設備。
【請求項2】
点検スイッチにより点検モードに切替えられた場合に作動する点検中報知手段を、制御盤と防護区画の出入り口付近に設けた請求項1に記載のガス系消火設備。
【請求項3】
制御盤側の点検中報知手段がブザーであり、防護区画側の点検中報知手段が充満表示灯である請求項2に記載のガス系消火設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−68639(P2007−68639A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256501(P2005−256501)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000114905)ヤマトプロテック株式会社 (46)
【Fターム(参考)】