説明

ガス遮断装置

【課題】流量変化有とならない徐々に変化する流量を監視することで、利便性と安全性を担保すること。
【解決手段】流量検出部11、流量算出部12、増減算出部13、増減判定部14、計時部15、弁駆動部16、弁17、報知部18、流量帯変化判定部19とを備え、流量帯変化判定部19が流量変化有とならない場合でも徐々に変化する流量Bを監視し、最大変化量Iと徐々に変化した流量差分との和が流量帯を跨ぐ場合に、第3使用許可時間Jまたは第2予告時間Kに調整することで、早いタイミングでガス供給者に報知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス遮断装置の流量監視機能を向上させるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガス遮断装置は、特許文献1に記載するような構成としてに記載されている。
【0003】
図6は、本発明との比較をし易くするために、特許文献1に記載された従来のガス遮断装置をブロック図で示したものである。
【0004】
図6に示すように、従来のガス遮断装置は流量検出部1、流量算出部2、増減算出部3、増減判定部4、計時部5、弁駆動部6、弁7、報知部8から構成され、以下にその役割を記載する。
【0005】
流量検出部1ではガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号aを出力すし、流量算出部2では流量検出部1の流量信号aを用いて流量bを算出する。
【0006】
増減算出部3では流量算出部2の流量bを用いて前々回取得した流量bの値と今回取得した流量bとを比較し、3%以上の流量変化があれば変化量cを出力し、3%以上の流量変化がなければ保持している複数の変化量cの和と最新の流量bの差が一定流量でかつ保持している複数の変化量cの和が最新の流量bよりも大きければ補正信号mを出力する。
【0007】
増減判定部4では増減算出部3が出力した変化量cが増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして変化量cを追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量cを削除しながら複数の変化量cを管理し、複数保持している変化量cを大きなものから順番にならべ直し、ならべ直したあと保持している変化量cの一番大きな最大変化量が属する流量帯に基づく使用許可時間dを抽出して、使用許可時間dから予め保持している所定時間を差し引いた予告時間eを算出し、使用許可時間dと予告時間eを出力し、増減算出部3が出力した補正信号mがあれば流量算出部の最新の流量bを取得し、保持している複数の変化量cの和から最新の流量bを引いた差分値を求め、さらに最大変化量から差分値を引いたものを新たな最大変化量とし保持し、新たな最大変化量に基づいた使用許可時間dと予告時間eを求め出力する。
【0008】
計時部5では増減判定部4の使用許可時間dを受け取ると使用時間の計時を開始し、増減判定部4から新たな使用許可時間dを取得する前に、使用時間が増減判定部4の予告時間eに至れば予告信号fを出力し、さらに使用時間が増減判定部4の使用許可時間dに至れば弁駆動信号gを出力する。
【0009】
弁駆動部6では計時部5の弁駆動信号gを受け取ると閉栓信号hを出力し、弁7では弁駆動部6の閉栓信号hを受け取るとガス通路を閉栓する。
【0010】
更に、報知部8では計時部5の予告信号fを受け取ると外部機器であるガス漏れ警報器9に警報予告信号nを出力するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−30976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来の構成では、以下の様な課題があった。
【0013】
図7(a)はガス遮断装置が予め保持している流量帯と使用許可時間dの対応を表した流量帯区分表の一例である。例えば、従来の構成のガス遮断装置が保持している変化量が1つの場合、すなわち最大変化量(変化量1)のみでその保持値が403L/hとすると図7(a)より変化量1は403L/hなので流量帯はnとなる。そして変化量cの和は403L/hなので、その3%は12.09L/hとなり、前々回の流量bと今回の流量bの差が12.09L/h以上なければ流量変化有とはならない。このため図7(b)に示すように流量bが徐々に減っていき流量変化有とならなければ、403L/h−21L/hの382L/hに至るまで補正が働かないこととなる(従来例では、実施の形態で第2判定基準の一定流量は21L/hと記載されている。仮にこの値が21L/hではなく1L/hとしても同様の隙間ができる現象が発生することとなる)。このため、流量bが流量帯の境界(一点破線で示した400L/h)を越えたにも係わらず399L/hから383L/hまでは補正が働かない未対応領域となり、従来例で解決しようとしていた新たな流量帯に基づく監視ができないと言う課題を有していた。
【0014】
あるいは、従来の構成のガス遮断装置が保持している変化量cが2つ以上の場合、例えば、最大変化量(変化量1)の保持値が420L/hで2番目に大きな変化量cが405L/hで、2つの変化量が同じ流量帯であったとする。この時、図7(b)と同様に流量bが徐々に減っていき流量変化有とならなければ、変化量cの和は825L/hなので今回の流量bが804L/h時点(第2判定基準の一定流量が21L/hの場合)で補正処理が実施され、最大変化量である変化量1は420L/h−(825L/h−804L/h)=399L/hとなり、補正処理後の最大変化量は変化量1を399L/hに置き換えることになるため、変化量1は流量帯n−1に属することとなる。
【0015】
よって、使用許可時間dは図7(a)より流量帯nの60分から流量帯n−1の80分に変更されることになる。つまり、補正処理前は図7(a)より変化量1も変化量2も同じ流量帯nに属しており矛盾は発生しなかったが、補正処理後の変化量2は405L/hのままなので補正処理後の変化量1よりも大きな値となり、この変化量2に基づき使用許可時間dが60分とならなければならないが、補正処理により80分に変更されるため矛盾が発生する(従来例では、実施の形態で第2判定基準の一定流量は21L/hと記載されている。仮にこの値が21L/hではなく1L/hでも変化量1と変化量2が同値の400L/hであれば同様の矛盾が発生することとなる)と言う課題を有していた。
【0016】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、定期的に計測される流量と基準値との差分を元に最大変化量を補正して、流量帯を判断することにより、使用許可時間を変更したり、予告時間を変更することで、安全が担保できるタイミングでガス遮断装置を監視しているガス供給者が異常なガスの使われ方をしていないかの注意喚起を行えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追
加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が増加方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間から所定時間を差し引いた時間を予告時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴とするもので、ガス遮断装置が変化量として検出できず管理できていない微少な流量変動を監視することができ、流量変化有による明確なガス器具の点火や消火、あるいはガス器具流量の調整に基づき管理している複数の変化量を変更することなく使用許可時間や予告時間を調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のガス遮断装置は流量帯近辺の流量が出現し最大変化量として登録され、その後例えば、ガスファンヒーター等の自動温度調整によるガスの微少な増加減少によりガスの使用量が変化しても、流量帯を跨ぐとすぐに補正が行えるようになるため未対応領域はなくなり、かつ安全が担保できるタイミングで注意喚起を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の機能ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるプログラムフロー図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における流量帯と使用許可時間の関係を示す図、(b)流量増加時の補正処理を説明する為の図、(c)流量減少時の補正処理を説明する為の図
【図4】本発明の実施の形態1におけるヒステリシス処理を説明する図
【図5】本発明の実施の形態1における時間変更の遅延処理を説明する図
【図6】従来のガス遮断装置の機能ブロック図
【図7】(a)従来のガス遮断装置における流量帯と使用許可時間の関係を示す図、(b)同ガス遮断装置の流量減少時の補正処理を説明する為の図
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1の発明は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が増加方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量
帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間から所定時間を差し引いた時間を予告時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴とするもので、流量が徐々に増加して、最大流量の流量帯が大きい流量帯区分に変わったと判断された場合、本来の予告時間よりも早いタイミングで警報報知することが可能となり、ガスユーザのガスの使用を監視しているガス供給者が警報報知を受け取ることで適正にガスが使われているか否かを早いタイミングで判断することが可能となり、ガス使用の利便性と安全性を両立させることができる。
【0021】
第2の発明は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が減少方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間を新たな使用許可時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴とするもので、流量が徐々に減少して、最大流量の流量帯が小さい流量帯区分に変わったと判断された場合、本来の予告時間はそのままとし、使用許可時間は本来の使用許可時間よりも伸ばすことで、使用許可時間に対しては早いタイミングで警報報知することが可能となり、ガスユーザのガスの使用を監視しているガス供給者が警報報知を受け取ることで適正にガスが使われているか否かを早いタイミングで判断することが可能となり、ガス使用の利便性と安全性を両立させることができる。
【0022】
第3の発明は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が増加方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間から所定時間を差し引いた時間を予告時間に変更し、前記差分が減少方向で、かつ前記差分と前記最大変化
量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間を新たな使用許可時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴とするもので、流量が徐々に増加して、最大流量の流量帯が大きい流量帯区分に変わったと判断された場合、本来の予告時間よりも早いタイミングで警報報知することが可能となり、また、流量が徐々に減少して、最大流量の流量帯が小さい流量帯区分に変わったと判断された場合、本来の予告時間はそのままとし、使用許可時間は本来の使用許可時間よりも伸ばすことで、使用許可時間に対しては早いタイミングで警報報知することが可能となるので、使用許可時間に対しては早いタイミングで警報報知することが可能となり、ガスユーザのガスの使用を監視しているガス供給者が警報報知を受け取ることで適正にガスが使われているか否かを早いタイミングで判断することが可能となり、ガス使用の利便性と安全性を両立させることができる。
【0023】
第4の発明は、特に第1の発明において、最大変化量と差分の和が流量帯区分表の境界流量を跨いで流量帯区分が変更された後、再び跨ぐ前の流量帯区分に戻る場合には、判定した前記境界流量にヒステリシスを設けることでハンチングを防止するものである。
【0024】
第5の発明は、特に第1〜4のいずれか1つの発明において、最大変化量と差分の和が流量帯区分表の境界流量を跨いだと判定した後、所定時間跨いだ後の流量帯であれば予告時間または使用許可時間を変更することを特徴とするもので、流量が安定していることを確認することで、予告時間や使用許可時間が不用意に変更されることを防止できる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
【0027】
図1において、実施の形態1のガス遮断装置は流量検出部11、流量算出部12、増減算出部13、増減判定部14、計時部15、弁駆動部16、弁17、報知部18、流量帯変化判定部19とから構成され、以下にその役割を記載する。
【0028】
流量検出部11は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的(例えば、1秒毎でも良いし、1分毎でもよい)に流量信号A(例えば、ガス通路内に対向した超音波センサを取り付け超音波の伝播時間の違いからガス流量を検知してもよいし、ガス通路内にガスが流れる経路を作成しガスが経路を流れるときに発生する振動からガス流量を検知しても良いし、所定のガスが流れる毎に出力されるパルスを検出しても同様の効果が得られる)を出力する。
【0029】
流量算出部12は、流量検出部11の流量信号Aに基づいて流量B(例えば、予め保持している流量信号Aに対する重み付けを持たせた係数を流量信号Aに掛けて流量Bを算出してもよい。なお単独の流量信号Aから流量Bを求めても良いし、複数の流量信号Aから平均した流量Bを求めてもよい)を算出する。
【0030】
増減算出部13は流量算出部12の流量Bを用いて前回あるいは前々回(例えば、前回または前々回のどちらかだけを今回取得した流量Bとの比較対照としてもよいし、前回と前々回の両方を今回取得した流量Bとの比較対照としてもよい)取得した流量Bの値と今回取得した流量Bとを比較し、変化がなければ何も実施しないで、変化があれば(例えば
、所定の差分値以上で判定しても良いし、変化率で判定しても同様の効果が得られる)変化量C(ガス器具流量)を出力する。
【0031】
増減判定部14は、増減算出部13が出力した変化量Cが増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして変化量Cを追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい(例えば、保持している変化量C毎に減少量を引き算し、その絶対値が一番小さなものを一番近しい変化量Cとしてもよい)変化量Cを削除しながら複数の変化量Cを管理し、その後、複数保持している変化量Cを大きなものから順番にならべ直し、ならべ直したあと保持している変化量Cの一番大きな最大変化量Iが属する流量帯(例えば、図3(a)の表から最大変化量Iが600L/hの場合は流量帯はnとなる)に基づく使用許可時間D(例えば、流量帯nの使用許可時間Dは60分となる)を抽出して、使用許可時間Dから予め保持している所定時間(例えば、5分)を差し引いた予告時間E(例えば、流量帯nの使用許可時間Dの60分から所定時間の5分を引くと55分となる)を算出し、使用許可時間Dと予告時間Eと最大変化量Iを出力する。
【0032】
計時部15は、増減判定部14の使用許可時間Dを受け取ると使用時間の計時を開始し、増減判定部14から新たな使用許可時間Dを取得する前に、流量帯変化判定部19の第2予告時間Kを受け取っていれば使用時間が第2予告時間Kに至れば予告信号F(例えば、第2予告時間Kが出力されたときに使用時間がすでに第2予告時間Kを越えたいた場合は第2予告時間Kが出力された時点で予告信号Fを出力してもよい)を出力し、流量帯変化判定部19の第2予告時間Kを受け取っていなければ使用時間が増減判定部14の予告時間Eに至れば予告信号Fを出力する。さらに流量帯変化判定部19の第3使用許可時間Jを受け取っていれば使用時間が第3使用許可時間Jに至れば弁駆動信号Gを出力し、流量帯変化判定部19の第3使用許可時間Jを受け取っていなければ使用時間が増減判定部14の使用許可時間Dに至れば弁駆動信号Gを出力する。
【0033】
弁駆動部16は、計時部15の弁駆動信号Gを受け取ると閉栓信号Hを出力する。弁17は、弁駆動部16の閉栓信号Hを受け取るとガス通路を閉栓する。
【0034】
報知部18は、計時部15の予告信号Fを用いて警報報知(例えば、LCDやLEDに表示することでガスを使用しているガスユーザがその表示をみてガス供給者に電話等で連絡してくるようにしてもよいし、有線や無線の公共の通信回線を介して通信するようにしてもよいし、インターネット等による通信でガス供給者に通報しても同様の効果が得られる)する。
【0035】
流量帯変化判定部19は、増減判定部14の最大変化量Iを受け取ると流量算出部12の流量Bを取得して基準値とし、増減判定部14から新たな最大変化量Iを受け取るまで(即ち、次にガス器具の点火や消火、あるいはガス器具流量の調整が行われて流量変化有となるまではガスが安定して使用されているとみなすため、最大変化量Iは変わらない)基準値と定期的に出力される流量算出部12の流量Bとの差分を求め、差分(例えば、流量変化有とならずに徐々に変化した量が200L/h場合)が増加方向で差分と最大変化量Iとの和(例えば、最大変化量Iが600L/hで差分が200L/hの場合は800L/hとなる)が流量帯を跨ぐ場合(例えば、図3(b)の場合)は、跨いだあとの流量帯に基づく第2使用許可時間(例えば、図3(a)より最大変化量Iが600L/hでは流量帯はnで、差分が200L/hの場合は最大変化量Iと差分の和は800L/hとなり流量帯はn+1となる。従って第2使用許可時間は40分となる)を抽出して、第2使用許可時間から予め保持している所定時間(例えば、5分)を差し引いた第2予告時間K(例えば、流量帯n+1の40分から所定時間の5分を引くと35分となる)を算出して出力し、差分(例えば、流量変化有とならずに徐々に変化した量が−201L/h場合)
が減少方向で差分と最大変化量Iとの和(例えば、最大変化量Iが600L/hで差分が−201L/hの場合は399L/hとなる)が流量帯を跨ぐ場合(例えば、図3(c)の場合)は、跨いだあとの流量帯に基づく第3使用許可時間J(例えば、図3(a)より最大変化量Iが600L/hでは流量帯はnで、差分が−201L/hの場合は最大変化量Iと差分の和は399L/hとなり流量帯はn−1となる。従って第3使用許可時間Jは80分となる)を抽出して出力する。
【0036】
以上のように、本実施の形態においては、流量帯変化判定部19が最大変化量Iに流量Bと基準値との差分を加味して流量帯を跨ぐか否かを判定することで、第2予告時間K(例えば、上記例より35分)または第3使用許可時間J(例えば、上記例より80分)の抽出が可能となる。これにより第2予告時間Kよる本来の予告時間E(例えば、上記例より時間帯nの使用許可時間Dは60分で60分から所定時間の5分を引いた55分)よりも早いタイミングで警報報知することが可能となり、あるいは本来の第3使用許可時間Jに基づく第3予告時間(例えば、上記例より80分から所定時間の5分を引いた75分)ではなく予告時間Eのままにすることで第3予告時間に比べ早いタイミング(最大変化量Iが登録あるいはならべ直された時点から、従来例では自動的に変更するので75分経過時点となるが、本発明では55分のままとなる)で警報報知することが可能となる。
【0037】
従って、ガスユーザのガスの使用を監視しているガス供給者が警報報知を受け取ることで適正にガスが使われているか否かを早いタイミングで判断することが可能となり、ガス使用の利便性と安全性を両立させることができる。
【0038】
次に、図2に示すプログラムフロー図を用いて動作を説明する。
【0039】
流量検出部11において処理S01は、ガスユーザのガスの使用に対応した流量信号A(例えば、ガス通路内に対向した超音波センサを取り付け超音波の伝播時間の違いからガス流量を検知してもよいし、ガス通路内にガスが流れる経路を作成しガスが経路を流れるときに発生する振動からガス流量を検知しても良いし、所定のガスが流れる毎に出力されるパルスを検出しても同様の効果が得られる)を出力(例えば、1秒毎でも良いし、1分毎でもよい)して処理S02に移行する。
【0040】
流量算出部12において処理S02は、流量信号Aから流量B(例えば、予め保持している流量信号Aに対する重み付けを持たせた係数を流量信号Aに掛けて流量Bを算出してもよい。なお単独の流量信号Aから流量Bを求めても良いし、複数の流量信号Aから平均した流量Bを求めてもよい)を求め処理S03に移行する。
【0041】
増減算出部13において処理S03は増減流量(前回あるいは前々回取得した流量Bの値と今回取得した流量B)を算出して処理S04へ移行する。処理S04は増減流量に基づき変化の有無(例えば、所定の差分値以上で判定しても良いし、変化率で判定しても同様の効果が得られる)を判定し、変化があれば増減流量を変化量Cとして処理S05へ移行し、変化がなければ処理S10へ移行する。
【0042】
増減判定部14において処理S05は変化量Cが増加量なのか減少量なのかを判定し、増加量であれば処理S06へ移行し、減少量であれば処理S07へ移行する。
【0043】
処理S06は変化量Cを登録しながら複数の変化量Cを管理し、保持している複数の変化量Cを大きいものから順番にならべ直し、ならべ直したあと保持している複数の変化量Cの中から一番大きな変化量Cを最大変化量Iとし、最大変化量Iが属する流量帯に基づく使用許可時間D(例えば、図3(a)の表から最大変化量Iが600L/hの場合は流量帯はnとなり、流量帯nの使用許可時間Dは60分となる)と予告時間E(例えば、時
間帯nの使用許可時間Dは60分で60分から所定時間の5分を引いた55分)を算出して処理S08へ移行する。
【0044】
処理S07は複数保持している中で一番近しい(例えば、保持している変化量C毎に減少量を引き算し、その絶対値が一番小さなものを一番近しい変化量Cとしてもよい)変化量Cを削除しながら複数の変化量Cを管理し、その後、保持している複数の変化量Cを大きなものから順番にならべ直し、ならべ直したあと保持している複数の変化量Cの中から一番大きな変化量Cを最大変化量Iとし、最大変化量Iが属する流量帯(例えば最大変化量Iが600L/hの場合は流量帯はnとなる)に基づく使用許可時間D(例えば、流量帯nの使用許可時間Dは60分となる)を抽出して、使用許可時間Dから予め保持している所定時間(例えば、5分)を差し引いた予告時間E(例えば、流量帯nの使用許可時間Dの60分から所定時間の5分を引くと55分となる)を算出して処理S08へ移行する。
【0045】
流量帯変化判定部19において処理S08は流量Bを基準値として保持して処理S09へ移行する。処理S09は使用許可時間Dに至るまでの経過時間のカウントを行う経過タイマをクリアして処理S01へ移行する。
【0046】
処理S10は定期的に取得した流量Bと基準値との差分を算出して処理S11へ移行する。
【0047】
処理S11は、流量Bと基準値との差分と最大変化量Iの和が流量帯を跨るか否か(例えば、図3(a)に示す表の境界を越えた場合)を判定し、流量帯を跨れば処理S12へ移行し、流量帯を跨らなければ処理S15へ移行する。
【0048】
処理S12は流量Bと基準値との差分が増加方向か減少方向かを判定し、増加方向であれば処理S13へ移行し、減少方向であれば処理S14へ移行する。
【0049】
処理S13は流量Bと基準値との差分と最大変化量Iとの和(例えば、最大変化量Iが600L/hで差分が200L/hの場合は800L/hとなる)が流量帯を跨ぐ場合(例えば、図3(b)の場合)は、跨いだあとの流量帯に基づく第2使用許可時間(例えば、図3(a)より最大変化量Iが600L/hでは流量帯はnで、差分が200L/hの場合は最大変化量Iと差分の和は800L/hとなり流量帯はn+1となる。従って第2使用許可時間は40分となる)を抽出して、第2使用許可時間から予め保持している所定時間(例えば、5分)を差し引いた第2予告時間K(例えば、流量帯n+1の40分から所定時間の5分を引くと35分となる)を算出して処理S15へ移行する。
【0050】
処理S14は流量Bと基準値との差分と最大変化量Iとの和(例えば、最大変化量Iが600L/hで差分が−201L/hの場合は399L/hとなる)が流量帯を跨ぐ場合(例えば、図3(c)の場合)は、跨いだあとの流量帯に基づく第3使用許可時間J(例えば、図3(a)より最大変化量Iが600L/hでは流量帯はnで、差分が−201L/hの場合は最大変化量Iと差分の和は399L/hとなり流量帯はn−1となる。従って第3使用許可時間Jは80分となる)を抽出して処理S15へ移行する。
【0051】
計時部15において処理S15は経過タイマを計時して処理S16へ移行する。
【0052】
処理S16は第2予告時間Kがあれば経過タイマと第2予告時間Kが一致したかを判定し一致した場合(例えば、第2予告時間Kが出力されたときに経過タイマがすでに第2予告時間Kを越えたいた場合は第2予告時間Kが出力された時点で処理S17へ移行してもよい)に処理S17に移行し、あるいは第2予告時間Kがなければ経過タイマと予告時間
Eが一致したかを判定し一致した場合に処理S17に移行し、予告時間Eまたは第2予告時間Kと一致しなければ処理S18へ移行する。
【0053】
報知部18において処理S17は警報報知(例えば、LCDやLEDに表示することでガスを使用しているガスユーザがその表示をみてガス供給者に電話等で連絡してくるようにしてもよいし、有線や無線の公共の通信回線を介して通信するようにしてもよいし、インターネット等による通信でガス供給者に通報しても同様の効果が得られる)して処理S01へ移行する。
【0054】
計時部15において処理S18は第3使用許可時間Jがあれば経過タイマと第3使用許可時間Jが一致したかを判定し一致した場合に処理S19へ移行し、あるいは第3使用許可時間Jがなければ使用許可時間Dが一致したかを判定し一致した場合に処理S19へ移行し、使用許可時間Dまたは第3使用許可時間Jと一致しなければ処理S01へ移行する。
【0055】
弁駆動部16において処理S19は弁17を使用してガス通路を閉栓して処理を停止する。(なお、ガス通路を開栓した場合は再び処理S01から処理を実施するものとする)
また、流量帯変化判定部19は最大変化量Iに流量Bと基準値との差分を加味して流量帯(例えば流量帯n→流量帯n−1)を跨いだと判定したあと、差分を加味した最大変化量Iが再び跨ぐ前の流量帯(例えば、(流量帯n→)流量帯n−1→流量帯n)に戻る場合に、跨ぐ前の流量帯側の判定にヒステリシス(図3(d)に示すように、流量帯遷移点の右側で一旦流量帯n−1になったあと再び流量帯nになるような場合、流量帯の遷移を頻繁に繰り返すこととなるため、例えば、流量帯nに10L/hのヒステリシスHを持たせる)を設けている。
【0056】
従って、流量帯が頻繁に入れ替わる所謂ハンチングを防止することができる。
【0057】
さらに、流量帯変化判定部19は、最大変化量Iに流量Bと基準値との差分を加味して流量帯(例えば流量帯n→流量帯n−1)を跨いだと判定したあと、差分を加味した最大変化量Iが再び跨ぐ前の流量帯(例えば、(流量帯n→)流量帯n−1→流量帯n)に戻らないことを第2の所定期間T(例えば、1分間)まで監視することで、第2予告時間または第3使用許可時間の出力を遅延するようにしている。
【0058】
従って、流量帯変化判定部19で図3(d)に示すような流量Bの揺らぎがないことを第2の所定期間Tの間監視して、その後第2予告時間または第3使用許可時間に置き換えることで流量Bの安定度を加味することができる。
【0059】
この処理は、図2のプログラムフロー図において、処理S11内で第2の所定期間T(例えば1分)を判定し、第2の所定期間に達すれば処理S12へ移行し、第2の所定期間に達していなければ処理S15へ移行するようにしている。
【0060】
以上の様に、最大変化量Iに基準値と流量Bとの差分を加味して流量帯を跨ぐか否かを判定し、跨いだ場合には第2予告時間または第3使用許可時間による監視をガス供給者が行うことで安全性を担保すると同時にガス遮断装置の利便性を損なわないようにすることができる。
【0061】
なお、本実施の形態において、最大流量と差分との和が、増加する場合と減少する場合を合わせて説明したが、増加する場合のみ、或いは減少する場合のみでも、本発明の目的とする早期に警告を発することが出来ることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は流量変化有とならない徐々に変化する流量を監視し、使用許可時間や予告時間を補正し早いタイミングで供給者に報知することができるので、ガスを電気や水等に置き換えれば、電気メータや水道メータ等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0063】
11 流量検出部
12 流量算出部
13 増減算出部
14 増減判定部
15 計時部
16 弁駆動部
17 弁
18 報知部
19 流量帯変化判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が増加方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間から所定時間を差し引いた時間を予告時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴としたガス遮断装置。
【請求項2】
ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が減少方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間を新たな使用許可時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴としたガス遮断装置。
【請求項3】
ガス通路内を通過するガス流量に対応して定期的に流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を用いて前回あるいは前々回取得した前記流量の値と今回取得した前記流量とを比較し、変化があれば変化量を出力する増減算出部と、区分された流量帯毎に使用許可時間を定めた流量帯区分表と、前記変化量が増加量であれば新たなガス器具の使用を開始したとして前記変化量を追加して保持し、減少量であればガス器具の使用を停止したとして保持している中で一番近しい変化量を削除しながら複数の変化量を管理し、保持している前記複数の変化量の内の最大変化量と、前記流量帯区分表において前記最大変化量が属する流量帯の使用許可時間と、前記使用許可時間から所定時間を差し引いた予告時間とを出力する増減判定部と、前記使用許可時間を受け取ると使用時間の計時を開始し、前記使用
時間が前記予告時間に至れば予告信号を出力し、さらに前記使用許可時間に至れば弁駆動信号を出力する計時部と、前記最大変化量を受け取ると前記流量算出部の流量を取得して基準値とし、前記基準値と定期的に出力される前記流量算出部の流量との差分を求め、前記差分が増加方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間から所定時間を差し引いた時間を予告時間に変更し、前記差分が減少方向で、かつ前記差分と前記最大変化量との和が前記流量帯の境界流量を跨いだ場合は、跨いだ後の流量帯に基づく使用許可時間を新たな使用許可時間に変更する流量帯変化判定部と、前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁と、前記予告信号を用いて警報報知する報知部とを備えたことを特徴としたガス遮断装置。
【請求項4】
最大変化量と差分の和が流量帯区分表の境界流量を跨いで流量帯区分が変更された後、再び跨ぐ前の流量帯区分に戻る場合には、判定した前記境界流量にヒステリシスを設けることでハンチングを防止する請求項3記載のガス遮断装置。
【請求項5】
最大変化量と差分の和が流量帯区分表の境界流量を跨いだと判定した後、所定時間跨いだ後の流量帯であれば予告時間または使用許可時間を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス遮断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−58700(P2011−58700A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207704(P2009−207704)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】