説明

ガラスアンテナ

【課題】H/V合成後の指向特性に落ち込みを生じさせることなく、全方位にわたり受信性能の向上を図った、ガラスアンテナを提供する。
【解決手段】ガラスアンテナ1を、1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる第1のアンテナ素子(AMアンテナ素子20)と、第1のアンテナ素子の上部に実装され、第1のアンテナパターンの最上部に位置する水平導体と容量結合された第2のアンテナ素子(FMメインアンテナ素子30)と、第1のアンテナ素子の下部に実装され、第1のアンテナパターンの最下部に位置する水平導体と容量結合された1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる防曇用通電加熱ヒータ(デフォッガ40)と、により構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス面に、アンテナパターンと、ガラス面の側辺コーナ部に実装されてアンテナパターンに電力を供給する給電点とが形成された、ガラスアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のリアウインドウにアンテナパターンが形成されるガラスアンテナは、従来のロッドアンテナに比べて意匠面で出っ張りがないために外観上優れ、破損の心配がなく、風切り音が発生しない等の理由により、広く使用されるようになった。
【0003】
又、AM(Amplitude Modulation)/FM(Frequency Modulation)兼用のアンテナパターンが実装されたガラスアンテナも普及し、従来、防曇用通電加熱ヒータ(以下、デフォッガという)を構成するブスバーとアース間にRFC(高周波チョークコイル)を挿入することで、このデフォッガをアンテナとしても使用することのできるガラスアンテナが知られている(例えば、特許文献1(図8)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭57−188102号公報(「図8」)
【0005】
特許文献1を次図に基づいて説明する。図5に示されるように、車両に用いられるガラスアンテナ100Aは、AMアンテナ素子101とデフォッガ102との間に実装されたFMメインアンテナ素子103と、デフォッガ102の下部に実装されたFMサブアンテナ素子104とからFMダイバーシティアンテナが構築されている。そして、デフォッガ102の各ブスバーと不図示のアースとの間には、例えば、1.0μHのRFC105が接続されている。又、AMアンテナ素子101に給電点106aが、FMメインアンテナ素子103に給電点106bが、FMサブアンテナ素子104に給電点106cが備えられ、それぞれに電力が供給されるようになっている。
【0006】
ところで、上述したFMメインアンテナ素子103とFMサブアンテナ素子104により構成されるダイバーシティアンテナの受信性能は、以下に列挙する(1)〜(4)の指標を用いて評価されてきた。
(1)水平偏波(以下、H偏波という)、垂直偏波(以下、V偏波という)のそれぞれで、FMメインアンテナ素子103、FMサブアンテナ素子104の各周波数の指向性を全方位にわたり平均した感度(以下、指向性平均感度という)
(2)指向性平均感度をさらにFM周波数帯域で平均した感度(以下、周波数平均感度という)と、その最小値
(3)H偏波、V偏波のそれぞれで、FMメインアンテナ素子103、FMサブアンテナ素子104の各周波数の指向性をダイバーシティ合成(0°〜360°の各測定ポイントで、感度の大きい方を選択する)した後の指向性の平均感度と最小値
(4)FMメインアンテナ素子103とFMサブアンテナ素子104の周波数平均感度の差
【0007】
しかしながら、これらの指標と、実際に北米のFM放送地域を走行した際の聴感とは、必ずしも相関がとれていない。そこで、より相関がとれる指標として、FMメインアンテナ素子103において、H偏波、V偏波の各周波数の指向性を全方位にわたり足し合わせ(以下、H/V合成という)、その指向性の最小値で評価する方法を採用することとした。
【0008】
このH/V合成を指標とする理由は、実際にフィールドで測定したときの指向性と、電波暗室で測定したH/V合成後の指向性との間に相関が認められたためである。北米では、円偏波でのFM放送が多く、H偏波、V偏波それぞれでの指標より、H/V合成の指標で評価した方がより実際の電波環境に即しているためと考えられる。
【0009】
ところで、H/V合成後の指向性最小値の目標値としては、弱電界中でステレオ/モノラル切り替わりによる音揺れを防ぐため、60dBuV/m電界中で45dBuV(但し、アンプゲイン差し引き後であって、最適には47dBuV/m以上)の出力が求められる。また、FM放送波がマルチパスにより到来する環境でも良好な受信性能を得られるダイバーシティアンテナとなるように、FMメインアンテナ素子103とFMサブアンテナ素子104間の相互干渉を少なくするように配慮する必要もある。
【0010】
上述したH/V合成後の指向性最小値が目標値以上となるためには、H偏波、V偏波のそれぞれの指向性が感度の低い部分をカバーし合う形になっている必要がある。そのような指向性を持つガラスアンテナを形成するためには、例えば、図6のガラスアンテナ100Bに示すように、FMメインアンテナ素子103の給電点106bを、ガラス面の上辺略中央部に形成する「上辺給電」とすれば良いことがわかった。
【0011】
しかしながら、「上辺給電」する場合は、図5のガラスアンテナ100Aに示したように、ガラス面の側辺コーナ部から給電する「側辺給電」の場合に比べてコストが高いアンテナアンプを使用する必要がある。理由は、車両生産工場での部品の組み付け作業順によるものである。具体的に、リアガラス周辺部は、アンテナアンプ、ルーフ内装材、リアガラスの順に組みつけが行われる。このとき、ガラス上辺部に差込みタイプのアンテナ端子を実装すると、ルーフ内装材に隠れてしまうため、作業者は差込み作業を行うことができない。
【0012】
そのため、ガラス上辺部には差込み作業を行う必要のない、比較的高価な接触タイプのアンテナ端子を実装する必要がある。接触タイプのアンテナアンプは、差込みタイプのものに比べてコスト高となるため、廉価モデルの車両には採用されていないのが現状である。
【0013】
しかしながら、差込みタイプのアンテナアンプを使用した場合、上述した部品組み付け順の問題から、図5に示す「側辺給電」によるガラスアンテナ100Aにする必要があり、そのようなアンテナパターンを実装した場合、H/V合成後の指向性に落ち込みが生じてしまう。この理由を、図7、図8を参照しながら説明すると以下のようになる。
【0014】
図6に示した「上辺給電」によるガラスアンテナ100Bの構成を電気的に表現すると、図7に示す模式図で示される。又、図8は、FMメインアンテナ素子103のH/V合成後における指向性と利得を、「上辺給電」の場合と「側辺給電」の場合で、図8(a)、図8(b)としてそれぞれ示した図である。図8(a)、図8(b)共に、H偏波の指向性は点線表記され、V偏波の指向性は実線表記され、HV合成後の指向性は太線表記されている。
【0015】
図7の模式図に示されるように、「上辺給電」によるガラスアンテナ100Bは、FMメインアンテナ素子103とAMアンテナ素子101との間、AMアンテナ素子101とデフォッガ102との間を、それぞれ容量結合151、152することによって、AMアンテナ素子101とデフォッガ102の各縦線を利用したλ/4モノポールアンテナ150として機能する。このガラスアンテナ100Bは、車両前後方向からはV偏波のモノポールアンテナとみなすことができ、車両横方向からは、ガラス面が水平に近いことからH偏波のモノポールアンテナと見なすことができる。従って、その指向性は、図8(a)に示すように、H偏波、V偏波それぞれの指向性が感度の低い部分をカバーし合う形となる。
【0016】
しかしながら、図5に示した側辺給電によるガラスアンテナ100Aでは、FMメインアンテナ素子103は、図7に示すような理想的なモノポール形状にならないため、その指向性は、図8(b)に示す形になり、H/V合成後の指向性に落ち込み(図中のハッチング部分)が生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、H/V合成後の指向特性に落ち込みを生じさせることなく、全方位にわたり受信性能の向上を図った、ガラスアンテナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1に係る発明では、ガラス面に、アンテナパターンと、前記ガラス面の辺に実装されて前記アンテナパターンに電力を供給する給電点とが形成されたガラスアンテナであって、1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる第1のアンテナパターンを有する第1のアンテナ素子と、前記第1のアンテナ素子の上部に実装され、前記第1のアンテナパターンの最上部に位置する前記水平導体と容量結合された、前記第1のアンテナ素子とは受信帯域が異なる第2のアンテナパターンを有する第2のアンテナ素子と、前記第1のアンテナ素子の下部に実装され、前記第1のアンテナパターンの最下部に位置する前記水平導体と容量結合された1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる防曇用通電加熱ヒータと、を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項2に係る発明では、請求項1記載のガラスアンテナにおいて、前記防曇用通電加熱ヒータの下部に実装され、前記第2のアンテナ素子と協働してダイバーシティ受信を行う第3のアンテナ素子と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項3に係る発明では、請求項1記載のガラスアンテナにおいて、前記防曇用通電加熱ヒータを、前記第2のアンテナ素子と協働してダイバーシティ受信を行う第3のアンテナ素子としても使用することを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明では、請求項1記載のガラスアンテナにおいて、前記ガラス面の辺は、側辺であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明では、ガラスアンテナを、1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる第1のアンテナ素子と、第1のアンテナ素子の上部に実装され、第1のアンテナパターンの最上部に位置する水平導体と容量結合された第2のアンテナ素子と、第1のアンテナ素子の下部に実装され、第1のアンテナパターンの最下部に位置する水平導体と容量結合された1本の縦向きブスバーに直交させた複数の水平ブスバーからなる防曇用通電加熱ヒータと、により構成した。
【0023】
発明者らの評価では、第2のアンテナ素子を第1のアンテナ素子の上部に実装することで、「側辺給電」でありながら「上辺給電」の場合と同様の指向性が得られることがわかった。従って、接触タイプのアンテナアンプを必要とせず、部品の組み付けも容易になり、アンテナアンプのコスト抑制が可能になる。又、第2のアンテナ素子を第1のアンテナ素子の最上部に位置する水平導体と容量結合させることで、第2のアンテナ素子長を特定の周波数帯域受信用に調整し、且つ第2のアンテナ素子の一部として機能する第1のアンテナ素子の縦向き導体、及び防曇用通電加熱ヒータの縦向きブスバーをガラス面の略中央に実装することができる。これらにより、H/V合成後の指向特性に落ち込みを生じさせることなく、全方位にわたり受信性能の向上を図った、ガラスアンテナを提供することができる。
【0024】
請求項2に係る発明では、第2のアンテナ素子と協働してダイバーシティ受信を行う第3のアンテナ素子を、防曇用通電加熱ヒータの下部に実装した。このため、第3のアンテナ素子を第2のアンテナ実装位置から極力離して実装することができ、このため、第2のアンテナ素子と第3のアンテナ素子との間の相互干渉の度合いを少なくし、従って、マルチパス環境下でも良好な受信性能を得ることができるダイバーシティアンテナを構築することができる。
【0025】
請求項3に係る発明では、防曇用通電加熱ヒータを、第2のアンテナ素子と協働してダイバーシティ受信を行う第3のアンテナ素子とし使用する。このため、部品点数が減り、一層のコスト抑制を図りながら良好な受信性能が得られるダイバーシティアンテナを構築することができる。
【0026】
請求項4に係る発明では、ガラス面の辺は、側辺とした。このため、「側辺給電」でありながら「上辺給電」の場合と同様の指向性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例に係るガラスアンテナのアンテナパターンの一例を示す図である。
【図2】図2に示したガラスアンテナの指向性特性について、従来例と対比して示した図である。
【図3】図2に示したガラスアンテナの受信感度をグラフで示した図である。
【図4】図1のアンテナパターンの変形例を示す図である。
【図5】従来のガラスアンテナのアンテナパターンの一例を示す図である。
【図6】従来のガラスアンテナのアンテナパターンの他の例を示す図である。
【図7】図6のアンテナパターンを電気的に見た場合の模式図である。
【図8】従来のアンテナパターンの指向性特性を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0029】
(実施例の構成)
先ず、本発明の実施例の構成を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施例に係るガラスアンテナ10は、リアガラス10のガラス面に、AMアンテナ素子20と、FMメインアンテナ素子30と、デフォッガ40と、FMサブアンテナ素子60とが実装されている。そして、AMアンテナ素子20には給電点71,FMメインアンテナ素子30には給電点72,FMサブアンテナ素子60には給電点73を介して電力が供給される。これら給電点71〜73は、リアガラス10の向かって左側辺コーナ部に形成されている(側辺給電)。
【0030】
AMアンテナ素子20は、1本の縦向き導体21に直交させた複数の水平導体22(22a〜22e)からなる第1のアンテナパターンを有する第1のアンテナ素子である。FMメインアンテナ素子30は、AMアンテナ素子20の上部に実装され、AMアンテナ素子20を構成するアンテナパターンの最上部に位置する水平導体22aとは50pF以下で容量結合される。
【0031】
デフォッガ40は、AMアンテナ素子20の下部に実装され、AMアンテナ素子20のアンテナパターンの最下部に位置する水平導体22eと容量結合された1本の縦向き導体41に直交させた複数の水平導体42からなる。なお、デフォッガ40を構成する各ブスバー41、42と、アース間には1.0μHのRFC50が挿入されており、このデフオッガ40をFMメインアンテナ素子30の一部として使用している。
【0032】
FMサブアンテナ素子60は、デフォッガ40の下部に実装され、FMメインアンテナ30と協働してダイバーシティ受信を行う。
【0033】
(実施例の作用)
実施例に係るガラスアンテナ1は、特徴的には、第1に、給電点72により電力が「側辺給電」されるFMメインアンテナ素子30をAMアンテナ素子20の上側に実装したことにある。そして、FMメインアンテナ素子30を、AMアンテナ素子20の最上部に位置する水平導体22aと50pF以下の容量で容量結合した。第2に、FMサブアンテナ素子60をデフォッガ50の下部に実装し、FMメインアンテナ素子30の実装位置と極力離したことにある。
【0034】
上述したように、FMメインアンテナ素子30をAMアンテナ素子20の上部に実装することにより、「側辺給電」でありながら「上辺給電」の場合と同様の指向性が得られる。又、AMアンテナ素子20のアンテナパターン(水平導体22)のうち、最上部に位置する水平導体22aとFMメインアンテナ素子30とを容量結合させることで、FMメインアンテナ素子30の素子長を、受信するFM周波数帯域に調整し、且つFMメインアンテナ素子30の一部として機能するAMアンテナ素子20の縦向き導体21と、デフォッガ40の縦向き導体41とをリアガラス10の略中央に実装することができる。
【0035】
また、FMサブアンテナ素子60をFMメインアンテナ素子30からなるべく離して実装することにより、両アンテナ間の相互干渉の度合いを少なくしている。このため、FM放送波がマルチパスにより到来する環境下でも良好なダイバーシティ受信が可能になる。
【0036】
以下にこれらの根拠について、図2(a)(b)に示すFM帯域毎の指向性特性図、及び図3に示すFM帯域の受信感度特性図に基づいて説明する。
【0037】
図2は、FMメインアンテナ素子30のHV合成後における指向性と利得を、FM受信周期数(88MHz、98MHz、108MHz)毎に、合成前のH偏波、V偏波と共に測定して示した図であり、図1に示すアンテナパターンを有する実施例1のガラスアンテナ1(図2(a))と、図5に示すアンテナパターンを有する従来のガラスアンテナ100A(図2(b))とを対して示してある。いずれも、H偏波の指向特性は点線表記され、V偏波の指向特性は実線表記され、HV合成後の指向特性は太線表記されている。
【0038】
図2(a)から明らかなように、従来は、各周波数帯(88MHz、98MHz、108MHz)のいずれにおいてもH/V合成後の指向性に落ち込みが目立つのに対し、図2(b)から明らかなように、実施例1によれば、HV合成後の指向性は、各周波数帯のいずれにおいても、H偏波、V偏波それぞれの指向性が感度の低い部分をカバーし合う形になっている。このように、H/V合成後の指向特性に落ち込みを生じさせることなく、全方位にわたって指向特性が改善されていることが理解できる。
【0039】
図3は、縦軸に60dBuV/m電界中でのアンテナ出力を目盛り、横軸に周波数を目盛った場合の、FMメインアンテナ素子30によるHV合成後の指向性最低利得を測定した図である。図3において、実線は目標値、点線は従来例、太実線は実施例1を示す。
【0040】
図3から明らかなように、その最低利得は、全てのFM受信周波数帯域で目標値である45dBuV以上となっており、そのほとんどの周波数帯域で推奨値の47dBuV以上になっており、受信性能が向上していることが理解できる。
【0041】
(実施例の効果)
本発明の実施例に係るガラスアンテナ1によれば、側辺給電でありながら上辺給電の場合と同様の指向性が得られる。従って、接触タイプのアンテナアンプを必要とせず、部品の組み付けも容易になるため、アンテナアンプのコスト抑制、工数削減が可能になる。又、FMメインアンテナ素子30をAMアンテナ素子20の最上部に位置する水平導体22aと容量結合させることで、FMメインアンテナ素子30の長さをFM周波数帯域受信用に調整し、且つFMメインアンテナ素子30の一部として機能するAMアンテナ素子20の縦向き導体22aとデフォッガ40の縦向き導体41とをリアガラス10のガラス面の略中央に実装することができる。
【0042】
又、FMメインアンテナ素子30と協働してダイバーシティ受信を行うFMサブアンテナ素子60を、デフォッガ40の下部に実装し、FMサブアンテナ素子60をFMメインアンテナ素子30の実装位置から極力離すことで、アンテナ間の相互干渉の度合いを少なくし、従って、マルチパス環境下でも良好な受信性能を得ることができるダイバーシティアンテナを構築できる。
【0043】
(変形例)
尚、上述したアンテナパターンの代わりに、FMサブアンテナ素子60をデフォッガ40と共用する、変形例として図4に示す構成を用いても上記と同様の効果が得られる。この場合、部品点数が減るため、一層のコスト抑制を図りながら良好な受信性能が得られるダイバーシティアンテナを構築することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のガラスアンテナ1は、車両の窓ガラス、特に、リアガラス10に適用して顕著な効果が得られる。車両部品のコスト削減傾向は日増しに強くなり、アンテナについても一層のコス削減が要求されている中で本発明により得られる効果は大きい。
【符号の説明】
【0045】
1…ガラスアンテナ、10…リアガラス、20…AMアンテナ素子、21…縦向き導体、21(22a〜22e)…水平導体、30…FMメインアンテナ素子、40…デフォッガ(防曇用通電加熱ヒータ)、41…縦向き導体、42…水平導体、50…RFC、60…FMサブアンテナ素子、71、72、73…給電点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス面に、アンテナパターンと、前記ガラス面の辺に実装されて前記アンテナパターンに電力を供給する給電点とが形成された、ガラスアンテナであって、
1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる第1のアンテナパターンを有する第1のアンテナ素子と、
前記第1のアンテナ素子の上部に実装され、前記第1のアンテナパターンの最上部に位置する前記水平導体と容量結合された、前記第1のアンテナ素子とは受信帯域が異なる第2のアンテナパターンを有する第2のアンテナ素子と、
前記第1のアンテナ素子の下部に実装され、前記第1のアンテナパターンの最下部に位置する前記水平導体と容量結合された1本の縦向き導体に直交させた複数の水平導体からなる防曇用通電加熱ヒータと、
を備えたことを特徴とするガラスアンテナ。
【請求項2】
前記防曇用通電加熱ヒータの下部に実装され、前記第2のアンテナ素子と協働してダイバーシティ受信を行う第3のアンテナ素子と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のガラスアンテナ。
【請求項3】
前記防曇用通電加熱ヒータを、前記第2のアンテナ素子と協働してダイバーシティ受信を行う第3のアンテナ素子としても使用することを特徴とする請求項1記載のガラスアンテナ。
【請求項4】
前記ガラス面の辺は、側辺であることを特徴とする請求項1記載のガラスアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−166233(P2011−166233A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23475(P2010−23475)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】