クローラ走行装置
【課題】本発明は、部品点数を削減できるようにしながら、急旋回のときに、補助リンクを設けていた場合のように融通部に大きな曲げ力が作用しないクローラ走行装置を提供することを目的とする。
【解決手段】機体フレーム5に左右それぞれ横軸心Xa,Xb回りに揺動自在に支持された前側の揺動アーム28aの揺動端部と後側の揺動アーム28bの揺動端部とをトラックフレーム22に連結して、機体フレーム5に対して揺動アーム28a,28bを介してトラックフレーム22を昇降自在に支持してあるクローラ走行装置において、前側の揺動アーム28a及び後側の揺動アーム28bのうち、一方の揺動アーム28bの揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部84を介してトラックフレーム22に連結してある。
【解決手段】機体フレーム5に左右それぞれ横軸心Xa,Xb回りに揺動自在に支持された前側の揺動アーム28aの揺動端部と後側の揺動アーム28bの揺動端部とをトラックフレーム22に連結して、機体フレーム5に対して揺動アーム28a,28bを介してトラックフレーム22を昇降自在に支持してあるクローラ走行装置において、前側の揺動アーム28a及び後側の揺動アーム28bのうち、一方の揺動アーム28bの揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部84を介してトラックフレーム22に連結してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体フレームに左右それぞれ横軸心回りに揺動自在に支持された前側の揺動アームの揺動端部と後側の揺動アームの揺動端部とをトラックフレームに連結して、機体フレームに対して揺動アームを介してトラックフレームを昇降自在に支持してあるクローラ走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラ走行装置において、機体フレームとトラックフレームを連結するリンク機構の連結部に融通がないと高精度な部品の製作並びに組付けが必要となる。従来は、例えば、特許文献1に示されているように、揺動アームの揺動端部とトラックフレームとの間に融通部を構成する上下方向に立ち姿勢の補助リンクを設けて、機体フレームとトラックフレームと揺動アームによるリンク機構の動きを、補助リンクの揺動による融通機能によって補償していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−276671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立ち姿勢の前記補助リンクを採用した場合、機体が急旋回してクローラ走行装置に横方向の大きな外力が作用したときに、上から機体荷重がかかっている補助リンクに対して大きな曲げ力が作用するので、耐久性及び信頼性の面で改善の余地がある。又、融通機能をもたせるために補助リンク及びこれの連結部品からなる一つのリンクのセットが余分に必要となる。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を削減できるようにしながら、急旋回のときに、立ち姿勢の補助リンクを設けていた場合のように融通部に大きな曲げ力が作用しないクローラ走行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔第1発明の構成〕
第1発明は、機体フレームに左右それぞれ横軸心回りに揺動自在に支持された前側の揺動アームの揺動端部と後側の揺動アームの揺動端部とをトラックフレームに連結して、前記機体フレームに対して前記揺動アームを介して前記トラックフレームを昇降自在に支持してあるクローラ走行装置において、前記前側の揺動アーム及び前記後側の揺動アームのうち、一方の揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部を介して前記トラックフレームに連結してあることを特徴とする。
【0007】
〔第1発明の作用〕
第1発明によれば、トラックフレームを昇降させる揺動アームの揺動端部を、前後方向に摺動可能な案内部を介してトラックフレームに連結してあるので、揺動アームの昇降による前後の揺動アームの揺動端部間の寸法変化を、前後方向に摺動自在な案内部により揺動アームの揺動端部及びトラックフレームの一方を他方に対して前後摺動させることで吸収することができ、従来のトラックフレームと揺動アームとの間に補助リンクを採用した場合のように、機体を急旋回したときにクローラ横方向に大きな外力を受け、それにより補助リンクが大きな曲げ力を受けるという状態は生じない。
【0008】
前記案内部を備えたことによって、各部品を高い精度の要求されない部品で構成することが可能になるとともに、部品の組み付けも精密さが要求されないので生産性が向上する。従来に比べてリンク及びこれを取り付けるピンなどの部品が一組省略できるので、信頼性及び生産性が向上する。又、自走機体の旋回により横方向の外力を受けたとき、融通部として立ち姿勢の補助リンクを設けていた場合のように補助リンクが大きな曲げ力を受けるという状態が生じないようにすることができ、強度面での信頼性が向上する。
【0009】
〔第1発明の効果〕
従って、第1発明によれば、部品点数を削減でき、組み付けも精度も要求されないので生産性が向上できる。又、急旋回のときに、補助リンクを設けていた場合のように大きな曲げ力が作用せず、耐久性及び信頼性が向上する。
【0010】
〔第2発明の構成〕
第2発明は、第1発明の構成において、前記一方の揺動アームの揺動端部に連結ピンを備え、前記トラックフレームに前記案内部を備えるとともに、前記案内部を前記連結ピンと嵌合する前後に長い長孔で形成してある。
【0011】
〔第2発明の作用効果〕
第2発明によれば、前記案内部を連結ピンと嵌合する前後に長い長孔で形成してあるので、簡素な構成で、生産性の向上並びに耐久性の向上が期待できる。
【0012】
〔第3発明の構成〕
第3発明は、第2発明の構成において、前記一方の揺動アームの揺動端部に二股状のボス部を備え、前記二股状のボス部に前記連結ピンを取り付けることにより、前記連結ピンを前記案内部に支持させてある。
【0013】
〔第3発明の作用効果〕
第3発明によれば、案内部を構成する長孔に挿通して連結する連結ピンが二股状に両持ち支持されているので、揺動アームの揺動端部の連結ピンが長孔の摺動端部に衝突して衝撃荷重が加わったとしても連結ピンを強固に支持することができ、案内部と連結ピンによる連結部の構造が構造簡単でしかも破損し難いものとすることができた。
【0014】
〔第4発明の構成〕
第4発明は、第2発明または第3発明の構成において、前記連結ピンにローラを外嵌し、前記ローラを挟んで前記トラックフレームの上方に前記ローラの上部に接当する受け部を形成して、前記トラックフレームの上面と前記受け部とで案内部を形成し、前記ローラを前記トラックフレームの上面と前記受け部との間で転動可能に構成してある。
【0015】
〔第4発明の作用効果〕
第4発明によれば、揺動アームの昇降による前後の揺動アームの揺動端部間の寸法変化が、トラックフレームの上面と受け部とで前後に案内されるローラの移動で吸収されるので、案内部の磨耗が少なく耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態のコンバインの全体側面図である。
【図2】第1の実施の形態のコンバインの全体平面図である。
【図3】第1の実施の形態の原動部の一部縦断背面図である。
【図4】第1の実施の形態の冷却ファンの構成を示す一部縦断背面図である。
【図5】(a)は第1の実施の形態の順風生起状態を示す一部縦断背面図、(b)は逆風生起状態を示す一部縦断背面図である。
【図6】第1の実施の形態の冷却ファンの中心部の構成を示す拡大縦断側面図である。
【図7】第1の実施の形態の穀粒タンクと穀粒搬出装置を示す右側面図である。
【図8】第1の実施の形態の縦搬送装置と中継搬送装置と横搬送装置の接続部の構造を示す展開断面図である。
【図9】第1の実施の形態のクローラ走行装置を示す側面図である。
【図10】第1の実施の形態のクローラ走行装置を示す一部破断平面図である。
【図11】第1の実施の形態のトラックフレームと前側の揺動アームの連結部の構造を示す側面図である。
【図12】第1の実施の形態のトラックフレームと前側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図13】第1の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す側面図である。
【図14】第1の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図15】第1の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断側面図である。
【図16】(a)は第1の実施の形態の機体フレームを下降させたクローラ走行装置を示す側面図であり、(b)は第1の実施の形態の機体フレームを上昇させたクローラ走行装置を示す側面図である。
【図17】第2の実施の形態のクローラ走行装置を示す側面図である。
【図18】第2の実施の形態のクローラ走行装置を示す一部破断平面図である。
【図19】第2の実施の形態のトラックフレームと前側の副トラックフレームと前側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図20】第2の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断側面図である。
【図21】第2の実施の形態のトラックフレームと後側の副トラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図22】その他の実施の形態のコンバインの一部破断側面図である。
【図23】その他の実施の形態のクレーンを備えたコンバインの全体側面図である。
【図24】その他の実施の形態のクレーンを備えたコンバインの走行機体に対して刈取り前処理部と脱穀装置と穀粒タンクを分離した状態の側面図である。
【図25】(a)(b)は、その他の実施の形態のクレーンを備えたコンバインに搭載される穀粒タンクをトラックに搭載した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1の実施の形態〕
図1、図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走し、運転座席2が装備された搭乗型の運転部3、運転座席2の下方にエンジン95(図3参照)を有した自走機体4の機体フレーム5の前部に、刈取り前処理部6の前処理部フレーム7の基端側を機体横向きの軸心回りで回動自在に連結するとともに、前記機体フレーム5に脱穀装置8および穀粒タンク9を搭載して、コンバインを構成してある。
【0018】
図3に示すように、前記運転座席2を載置支持するエンジンボンネット45の下方内部に、横向きに水冷式のエンジン95が配設され、エンジン95の右外側方にラジエータ96が配置され、エンジン95とラジエータ96との間に、冷却ファン97が配置されている。
図4に示すように、入力プーリ98は、回転軸99の突出端に固着された第1回転体100に4本のボルト101で連結されている。
【0019】
図5に示すように、前記冷却ファン97は、外気を吸引してラジエータ96に供給するように通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きに通風させる逆風モードとに切換え自在に構成されており、以下、その構成について説明を加える。
【0020】
図4、図5に示すように、冷却ファン97は、回転軸99の軸心P1を回転軸心として回転軸99とともに回転駆動されるハブ102や、このハブ102の軸心P1周りでの一体回転で起風する複数の起風翼103を備えて構成されている。ハブ102の外周部には、ボス状の複数の支持部104が周方向に一定間隔を隔てる状態で形成され、それらの各支持部104に、起風翼103の支軸105が軸心P1と直交する方向に設定された軸心P2周りに回動可能に支持されている。
【0021】
前記ハブ102の凹入空間には、入力プーリ98とともに第1回転体100と一体回転するように4本のボルト101で連結される第2回転体106が配備され、この第2回転体106の中心部には、その軸心を回転軸99の軸心P1に一致させた状態で配備される断面円形の支軸107が、第2回転体106と一体回転する状態に圧入嵌合されて装備され、その支軸107に、ハブ102が軸心P1に沿う方向に相対摺動可能に、カラー48を介して嵌合支持されている。
【0022】
前記ハブ102の中央部には、支軸107の先端にボルト連結されたバネ受具52とハブ102との間に介装され、ハブ102を入力プーリ98側に向けて付勢する圧縮バネ108が介装されている。
【0023】
前記第2回転体106の外周部には、この第2回転体106の回転によってハブ102を回転させるための4本の連動軸109が、第2回転体106の周方向に所定間隔を隔てて嵌合装備され、これら4本の連動軸109が、ハブ102の中央部にその周方向に所定間隔を隔てる状態で穿設された4つの貫通孔110の夫々に対して、軸心P1に沿う方向に相対摺動可能に挿通されている。
【0024】
図6に示すように、各連動軸109と貫通孔110の間にはカラー111が内嵌され、その外側に筒状シール112が嵌入されている。筒状シール112は、鍔部112aがハブ102にビス止めされるリング状の押さえ金具113に押さえられることよって抜け止めされている。
【0025】
前記筒状シール112の外端部には連動軸109と接触する接触部112bを設けてある。これにより、筒状シール112の可撓性が大きくなって連動軸109に追従しやすくなり、芯ずれが発生し難くなる。又、筒状シール112の筒部112cを長くして、取付け部である外向き鍔部112aとシール接触部である内向きに膨出させた接触部112bとを離すことで連動軸109を長く覆うことができ、これによって、潤滑物の流出及び外部からのゴミ、ほこりの浸入を良好に防止することができるとともに、潤滑物が消失しないため、スライドが滑らかで、連動軸109の磨耗もし難い。従って連動軸109の磨耗によるスライド不良と、ファン全体の発振も防止できる。
【0026】
図4に示すように、前記各起風翼103の支軸105には、その軸心P2周りに揺動する揺動アーム114が固着され、各揺動アーム114は、その揺動端部に、第2回転体106に向けて突出する連係ピン115が装備され、それらの各揺動アーム114や各連係ピン115などによって連係機構116が構成されている。第2回転体106の周方向の外縁部に所定間隔を隔てて複数の溝部122が形成され、それら溝部122に連係ピン115が係合されている。
【0027】
図5に示すように、エンジン95には、支持部材117を介してシフトフォーク118が軸心P1に沿う方向に揺動可能に連結され、シフトフォーク118の揺動により、入力プーリ98の外周筒119に沿って軸心P1方向に摺動する移動部材120及びラジアルベアリング121を介してハブ102が変位し、ハブ102が正逆に変位すると、各起風翼103が軸心P2周りに姿勢変更し、エンジン95による入力プーリ98の同一回転方向による回転に対して、起風翼103による起風方向が正逆に切り換わる。つまり、順風モード(図5(a)参照)では、エンジンボンネット45の各通気口46から取り込んだ外気をラジエータ96やエンジン95などに供給してそれらを冷却し、逆風モード(図5(b)参照)では、エンジンボンネット45の各通気口46から排出する熱気で除塵網47に付着した塵埃などを機外に吹き飛ばし、これにより吸気機能を低下させないようにすることができる。
【0028】
このコンバインは、稲・麦などの穀粒を収穫するものであり、前処理部フレーム7に連結している油圧式のリフトシリンダ(図示せず)を操作すると、このリフトシリンダが前処理部フレーム7を上下に揺動操作して刈取り前処理部6を地面上近くまで下降した作業位置と、地面上から高く浮上した上昇非作業位置とに昇降操作する。刈取り前処理部6を下降作業位置にして自走機体4を走行させると、刈取り前処理部6が刈り取り対象の複数の植付け条の植立茎稈を機体横方向に並ぶ複数の引起装置11によって各別に引起し処理するとともにバリカン型の刈取装置12によって刈り取り処理し、刈取り穀稈を株元側に作用する挟持搬送装置と穂先側に作用する係止搬送装置とで成る搬送装置13によって機体後方側に搬送する。搬送装置13からの刈取穀稈を脱穀フィードチェーン14によって機体後方向きに搬送しながら穂先側を扱室に供給して脱穀処理し、穀粒タンク9に脱穀装置8からの脱穀粒を回収して貯留していく。
【0029】
図7に示すように、前記穀粒タンク9の下部には、脱穀粒を横搬送して機外のスクリュー式の穀粒搬出装置60へ向けて搬出する底スクリュー61を備えている。穀粒搬出装置60は、穀粒タンク9の後方に位置して立設されるスクリュー式の縦搬送装置62と、縦搬送装置62の上端に連通接続されたスクリュー式の横搬送装置63と、縦搬送装置62と横搬送装置63とを接続する中継搬送装置64とから構成されており、穀粒搬出装置60全体が、縦搬送装置62のスクリュー軸心と同芯の縦向き軸心Pを中心にして旋回移動可能となっている。
【0030】
前記穀粒タンク9の下部後端には底スクリュー61におけるスクリユー軸61aの後端部を支持する搬出ケース65が連結されている。穀粒タンク9は前記縦向き軸心P周りに旋回可能に支持され、メンテナンスをするときに、穀粒タンク9を縦向き軸心P周りに回動させて、脱穀装置8の外面を開放する。
【0031】
前記穀粒搬出装置60における縦搬送装置62は、丸筒材からなる縦向きの搬送ケース66に縦送りスクリュー67を内装して構成されており、搬送ケース66の下端部が前記搬出ケース65の上端部に接続され、搬送ケース66の上端部が中継搬送装置64の固定中継ケース68aに接続されている。
【0032】
前記底スクリュー61におけるスクリュー軸61aの搬出ケース65への挿通部には掻出し羽根61bが備えられており、掻出し羽根61bによって穀粒が縦送りスクリュー67の下部に円滑に受け渡されるようになっている。
【0033】
前記穀粒搬出装置60の横搬送装置63は、丸筒材からなる搬送ケース69に横送りスクリュー70を内挿して構成されており、搬送ケース69の先端部には下向きに開口した吐出口71が備えられている。
【0034】
図8に示すように、前記固定中継ケース68aは、エルボ状に90度屈曲しており、下端が縦向き搬送ケース66に連結され、横向き開口端に可動中継ケース68bが縦向き搬送ケース66の軸心Pに対して直行する横向き軸心Q周りに回動可能に嵌合連結されている。
【0035】
前記横向き軸心Q上には、中継スクリュー72が配備されるとともに、中継スクリュー72におけるスクリュー軸72aの両端が、縦送りスクリュー67におけるスクリュー軸67aの上端と、横送りスクリュー70におけるスクリュー軸70aの基端とにベベルギヤで連動されている。これによって、底スクリュー61の回転に連動して縦送りスクリュー67および横送りスクリュー70が同調駆動され、穀粒タンク9から送出された穀粒が縦搬送装置62によって揚送された後、横搬送装置63によって横搬送されて吐出口71から排出されるようになっている。
【0036】
従来は、縦向きの搬送ケース66の軸心Pと固定中継ケース68aの軸心Q、及び固定中継ケース68aの軸心Qと可動中継ケース68bの出口部及び可動中継ケース68bに接続される横送り搬送ケース69の軸心Rはそれぞれ直交していたが、この実施の形態では、縦向きの搬送ケース66の軸心Pと固定中継ケース68aの軸心Qとは直交するように配設されているのに対して、横送り搬送ケース69の軸心Rは、固定中継ケース68aの軸心Qに対して90度よりも大きな鈍角(125度前後)に形成されている。これにより、中継搬送装置64の固定中継ケース68aから可動中継ケース68bに接続された横送り搬送ケース69への屈曲度が55度程度となるので、中継搬送装置64の固定中継ケース68aから可動中継ケース68bを介した横搬送装置63の横送り搬送ケース69への穀粒の送りの屈曲角度が90度より小さくなるから、固定中継ケース68a及び可動中継ケース68bの屈曲部の穀粒の送り抵抗が全体として軽減される。
【0037】
前記中継搬送装置64の固定中継ケース68aと横向き軸心Q周りで回動する可動中継ケース68bとに亘って油圧シリンダ73が支持枠74を介して架設され、この油圧シリンダ73の伸縮作動によって可動中継ケース68bに連結された横搬送装置63が前記横向き軸心Q周りに上下に駆動揺動するように構成されている。
【0038】
図9はクローラ走行装置1の側面図、図10は同平面図である。クローラ走行装置1は、機体前方側の駆動スプロケット16、機体後方側のクローラ緊張輪17、これらの間に配備された複数の接地転輪18,18a、クローラベルト19を内周側から支持する上部転輪であるキャリアローラ20、クローラベルト19の外れ止め用のガイド15を備え、ゴム製のクローラベルト19は、駆動スプロケット16とキャリアローラ20とクローラ緊張輪17と接地転輪18,18aとに亘って巻回張設されている。
【0039】
トラックフレーム22は、各接地転輪18を支持する下部トラックフレーム22aと、下部トラックフレーム22aの上側に連結された上部トラックフレーム22bを有する。上部トラックフレーム22bは、市販の鋼製で断面四角形状の角パイプで構成してある。
【0040】
前後5個の接地転輪18は下部トラックフレーム22aに軸支され、接地転輪18aは上部トラックフレーム22bの上面に固設したボス78に支承された揺動アーム79に支持され、図示しないバネで下方に付勢され、一対のストッパー80に規制された範囲で揺動できるように構成されている。
【0041】
前記駆動スプロケット16とキャリアローラ20は機体フレーム5を構成する固定フレーム25に支持され、クローラ緊張輪17と接地転輪18,18aはトラックフレーム22に支持されている。クローラ緊張輪17は、トラックフレーム22の機体前後方向の後端側に装備したクローラ緊張装置38に装着してある。
【0042】
図9、図10に示すように、前記クローラ緊張装置38は、上部トラックフレーム22bの後端部分で構成されている角筒状のガイドレール部39と、クローラ緊張輪17と、ガイドレール部39に支持されるクローラ緊張輪支持部材40と、クローラ緊張輪17によってクローラベルト19に付与する張力を調節するための調節ネジ軸41とを有する。
【0043】
前記調節ネジ軸41は、ガイドレール部39に対するクローラ緊張輪支持部材40の差し込み深さを調節することにより、クローラ緊張輪17の支持位置を機体前後方向に変更してクローラベルト19に付与する張力を調節するものである。
【0044】
前記接地転輪18,18aは左右のクローラベルト19の内周面側に突出する左右一対の芯金突起23を外側左右から跨ぐように装着されており、クローラ緊張輪17及びキャリアローラ20は左右の芯金突起23の間に係入するように装着されている。前記駆動スプロケット16は、クローラベルト19の前後の芯金突起23の間に形成された駆動孔に咬合されている。
【0045】
前記機体フレーム5は、自走機体4の下部の略全幅に亘るデッキ状に構成されており、上述した脱穀装置8等が搭載されているデッキフレーム24と、駆動スプロケット16とキャリアローラ20とを支持する固定フレーム25とを備えている。
【0046】
前記固定フレーム25はデッキフレーム24の下面側に固定してあり、固定フレーム25とトラックフレーム22とに亘って、機体フレーム5に対するトラックフレーム22の姿勢を上下方向に変更可能な揺動機構26を設けてある。
【0047】
前記前後の揺動機構26は、固定フレーム25とトラックフレーム22とに亘って設けてある。前記前後の揺動機構26は、図9、図10に示すように、固定フレーム25に横向きに支持してある支軸27a,27bと、当該支軸27a,27bに上下揺動自在に支持してある揺動アーム28a,28bと、操作アーム29a,29bとを備え、支軸27a,27bの夫々はクローラベルト19の内周側に入り込んでトラックフレーム22よりも高い位置に配置してある。
【0048】
前記支軸27a,27bの夫々は、固定フレーム25を貫通する状態で、当該固定フレーム25に横軸心Xa,Xb周りで回転自在に支持され、支軸27a,27bの機体外方側への突出端側に揺動アーム28a,28bが一体に固定され、支軸27a,27bの機体内方側への突出端側に操作アーム29a,29bが一体に固定されている。揺動アーム28a,28bの夫々は、当該揺動アーム28a,28bの一端側に一体に備えたボス30a,30bに支軸27a,27bを内嵌して、当該支軸27a,27bに一体に固定されている。
【0049】
図10〜図12に示すように、前記前側の揺動機構26における揺動アーム28aの揺動端側に二股状のボス部31aを備え、二股状のボス部31aの間に位置する状態で、トラックフレーム22に固定した左右一対のブラケット81に単一のボス部82を取り付け、二股状のボス部31aと単一のボス部82とに亘って連結ピン83を挿通することにより、揺動アーム28aをトラックフレーム22に揺動自在に取り付けてある。
【0050】
図10、図13〜図15に示すように、前記後側の揺動機構26における揺動アーム28bの揺動端側に二股状のボス部31bを備えている。上部トラックフレーム22bの上面に固定された平板状の受け板76と、側面視で下向きのコ字状に折り曲げられて受け板76に固定された受け部75と、上部トラックフレーム22bの横側面及び受け部75に固定された縦壁状の一対のブッラケット84aとを備え、左右のブラケット84aに前後方向に長い左右の長孔77を形成して案内部84が構成されている。
【0051】
受け部75は、前後向きの上部部分と、上部部分の前端から斜め前方下方向きに延出された前側部分と、上部部分の後端から斜め後方下方向きに延出された後側部分とを備えて、側面視で前側部分と後側部分との前後間隔が除々に下側に向かって広くなる台形状に形成されている。二股状のボス部31bの間に案内部84が位置する状態で、二股状のボス部31bと案内部84の長孔77とに亘って、ローラ85を外嵌した連結ピン86を挿通し、ローラ85を介して連結ピン86を案内部84に前後摺動(転動)自在に支持させてある。
【0052】
図面(図13〜図15)には現れていないが、ローラ85が受け台76及び長孔77の下端に接当した状態で、ローラ85の上部と受け部75の上端部下面及び長孔77の上端との間には僅かな隙間を形成してあり、これによってローラ85が長孔77に沿って前後方向に摺動(転動)自在に構成してある。
【0053】
案内部84を構成する左右一対のブラケット84a,84aと二股状のボス部31b,31bとの間で、且つ、ローラ85に外嵌される状態でスペーサ35,36を介在させてある。このスペーサ35,36は、後の揺動アーム28bの左右の位置合わせをするためのものである。
【0054】
図11、図12に示すように、前記前側の揺動機構26における連結ピン83、及び後側の揺動機構26における連結ピン86の外側一端部に、ピン回り止め部材87が溶着され、ピン回り止め部材87をボルト88により二股状のボス部31a,31bの外側面に固定してある。
【0055】
前側の連結ピン83は、長手方向中間部で二つに分離できる2部品で構成されている。ピン回り止め部材87を取り付けている一方の第1連結ピン部分89にネジ孔90を形成し、他方の第2連結ピン部分91の一端側にネジ孔90に螺合するネジ部92を形成し、他端側の露出部にスパナ掛けのできるように、平行な切り込み部93を形成してある。
【0056】
これにより、メンテナンスのためにトラックフレーム22を取り外す場合に、連結ピン83が錆び付いて二股状のボス部31aに固着して抜けないときは、スパナで第2連結ピン部分91を第1連結ピン部分89に対して外す方向に回転させて、錆び付きによるボス部31aと第2連結ピン部分91の固着部を解消させる。次に、第2連結ピン部分91を締め込んで、第1連結ピン部分89に締め付けた後、更に第2連結ピン部分91を同方向に強く回して、第1連結ピン部分89と二股状のボス部31aとの錆び付きを解消する。このように、二股状のボス部31aに対する第1連結ピン部分89と第2連結ピン部分91の錆び付きを別々に解消するようにすることによって、両者の錆び付きを同時に解消する場合に比べて、スパナの回す負荷を半減させることができ、容易に錆び付きを解消することができる。
【0057】
図9、図10に示すように、前記前後の揺動機構26の操作アーム29a,29bどうしを連結ロッド33で連結して四連リンクを構成してあり、後部の揺動機構26の操作アーム29bとデッキフレーム24とを油圧シリンダ34で連結してある。
【0058】
したがって、油圧シリンダ34の収縮作動で各揺動アーム28a,28bを上向きに駆動揺動させると、トラックフレーム22が機体フレーム5の側に近接するように上方へ移動して、機体フレーム5の地上高が低くなる。図16(a)は、機体フレーム5の地上高が最も低い状態を示している。
【0059】
逆に、図16(b)に示すように、油圧シリンダ34の伸長作動で各揺動アーム28a,28bを下向きに駆動揺動させると、トラックフレーム22が機体フレーム5の側から離間するように下方へ移動し、機体フレーム5の地上高が高くなる。
【0060】
よって、左右のクローラ走行装置1における揺動機構26の夫々に備えた油圧シリンダ34を独立して操作することで、機体フレーム5の左右における地上高を変更調節して、傾斜地においても機体フレーム5の姿勢を略水平に保持することができる。
【0061】
〔第2の実施の形態〕
図17〜図21は、クローラ走行装置1の第2の実施の形態を示す。
図17、図18に示すように、固定フレーム125に上下揺動可能に後向きに前後一対の揺動アーム123,124を枢支連結し、揺動アーム123,124の揺動端部に二股状のボス部123a,124aが形成されていて、揺動アーム123,124の機体内方側に位置して、前後の揺動アーム123,124に亘ってトラックフレーム126がボス部123a,124aに挿通支持した連結ピンとしての支軸127,128を介して連結されている。
【0062】
前記前後の揺動アーム123,124の二股状の左右のボス部123a,124aの間に位置する支軸127,128に副トラックフレーム129,130の前後中間部位がそれぞれ天秤揺動可能に枢支連結されるとともに、各副トラックフレーム129,130に接地転輪18が複数個ずつ(この例では4個ずつ)遊転自在に軸支されている。
【0063】
前記後側の副トラックフレーム130の後部上方にはジャッキボルト131を介して前後調節可能にスライドブラケット132が装備されており、このスライドブラケット132の後端部にクローラ緊張輪17が遊転自在に軸支装着されている。
【0064】
前記前側の副トラックフレーム129の後端部には後方に向けて後向き突起133が設けられ、後側の副トラックフレーム130の前端部には前方に向けて前向き突起134が設けられ、前記トラックフレーム126に、前記両突起133,134に係合する長孔135が形成されて副トラックフレーム129,130の揺動範囲を規制する上下牽制部136が備えられている。
【0065】
図19に示すように、前側の副トラックフレーム129に単一のボス部139を貫通固定し、この単一のボス部139を挟む状態で配置した二股状のボス部123aと、前記単一のボス部139と、揺動アーム123の機体内側に配設したトラックフレーム126の前端部とに亘って支軸127を挿通することにより、揺動アーム123に対してトラックフレーム126と副トラックフレーム129とを揺動自在に取り付けてある。
【0066】
前記前側の支軸127の外側一端部に、ピン回り止め部材143が溶着され、ピン回り止め部材143をボルト144により二股状のボス部123aの外側面に固定してある。支軸127は、長手方向中間部で二つに分離できる2部品で構成されている。ピン回り止め部材143を取り付けている一方の第1連結ピン部分145にネジ孔146を形成し、他方の第2連結ピン部分147の一端側に前記ネジ孔146に螺合するネジ部148を形成し、他端側の露出部にスパナ掛けのできるように、平行な切り込み部149を形成してある。
【0067】
これにより、メンテナンスのためにトラックフレーム126及び副トラックフレーム129,130を取り外す場合、留め具150を外してトラックフレーム126を支軸127の第2連結ピン部分147の軸芯方向に対して摺動自在にしておき、支軸127が錆び付いて二股状のボス部123aに固着して抜けないときは、先にスパナで第2連結ピン部分147を第1連結ピン部分145に対して外す方向に回転させて、錆び付きによるボス部123aと第2連結ピン部分147の固着を解消する。次にボルト144を取り外し、第2連結ピン部分147を締め込んで、第2連結ピン147と第1連結ピン145とを一緒に回転させて、第1連結ピン部分145と二股状のボス部123aとの錆び付きを解消する。
【0068】
図20、図21に示すように、後側の副トラックフレーム130に単一のボス部141を貫通固定し、この単一のボス部141を挟む状態で配置した二股状のボス部124aと、前記単一のボス部141と、揺動アーム124の機体内側に配設したトラックフレーム126の後端部とに亘って支軸128を挿通してある。そして、トラックフレーム126と揺動アーム123,124による四連リンクの組み付け誤差を吸収するためにトラックフレーム126の後端部に前後方向に長い長孔142を形成し、支軸128を長孔142に挿通してあり、支軸128を介して揺動アーム124に対してトラックフレーム126と副トラックフレーム130とを揺動自在に取り付けてある。上記長孔142は後側の揺動アーム124の揺動端部(支軸128)に対する相対的な摺動移動を許容する案内部として機能する。なお、図示しないが、支軸128の端部にローラを回動自在に外嵌させて、このローラを介して支軸128を長穴142に挿通させる構造を採用してもよい。
【0069】
この実施の形態では、トラックフレーム126は、揺動アーム123,124と共に四連リンクを構成するリンク部材として機能するもので、自走機体4の荷重は揺動アーム123,124を介して直接副トラックフレーム129,130に支持されている。
【0070】
〔その他の実施の形態〕
(1)図22に示すように、脱穀装置8の後部の排塵口151を塞ぐ着脱自在は閉塞板152を設けるとともに、脱穀装置8の側板153に開閉自在な採風口154を形成する。脱穀装置8の外回りやクローラ走行装置1を掃除するときに、排塵口151を別に用意した閉塞板152で閉じるとともに、採風口154を開いて先端にエアーガン155を取り付けたホース156を繋ぐ。脱穀装置8を駆動させて、唐箕158で発生する風を利用して、エアーガン155より放出される風で、脱穀装置8の外回りやクローラ走行装置1を掃除する。これにより、コンバインをエアーガン155で掃除するための電源が不要となり、又、用意しなければいけない道具を削減することができる。
【0071】
(2)図23、図24に示すように、自走機体4の右側前部にエンジン95及び運転部3を備え、運転部3の後方の自走機体4の左右中心部に手動操作式又は自動操作式のクレーン157を取り付け、脱穀装置8、穀粒タンク9及び刈取り前処理部6を自走機体4に対して着脱自在に装備することによりコンバインを構成する。クレーン157は、機体フレームから立設された支柱と、支柱の上端部から水平方向に延出されたアーム部と、アーム部の先端部に設けられた巻き上げ部とを備えて構成されている。これにより、例えば、クレーン157を利用して、脱穀装置8、穀粒タンク9及び刈取り前処理部6を自走機体4から取り外すことで、自走機体4を運搬台車として使用したり、自走機体4から脱穀装置8等を取り外してメンテナンスを行ったりすることが可能になる。なお、この実施の形態では、脱穀装置8、穀粒タンク9及び刈取り前処理部6を自走機体4に対して着脱自在に装備した例を示したが、これらのうちのいずれか一つ又は二つを自走機体4に着脱自在に装備してもよい。また、クレーン157としては、手動操作式又は自動操作式(電動式や油圧式等)のいずれのものを採用してもよく、その機能も巻き上げや旋回等の種々の機能を備えたものを採用できる。
【0072】
(3)図23、図24に示された穀粒タンク9は穀粒搬出装置60を備えているが、図25に示す実施の形態では、穀粒搬出装置60を備えていない着脱自在な穀粒タンク9を備えており、別途、同形の穀粒タンク9を複数個用意する。作業中、穀粒タンク9が満タンになったときは、穀粒タンク9の図示しない固定具の固定を解除して、穀粒タンク9を図25(a)に示すクレーン157で図25(b)に示すようにトラック159に移載し、別途用意した空の穀粒タンク9をクレーン157で自走機体4に搭載して図示しない固定具で固定する。これにより、穀粒タンク9に積み替え用の穀粒搬出装置60が不要で、収穫した穀粒を積み替える手間も不要となり、穀粒が満タンになった穀粒タンク9をそのままトラック159に積載するので、作業能率が向上する。
【0073】
(4)上記(1)〜(3)のその他の実施の形態においては、第1の実施の形態で示したクローラ走行装置1と同じ構成を備えている。
【0074】
(5)第1及び第2の実施の形態におけるクローラ走行装置1では、後側の揺動アーム28b(124)の揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部84(142)を介してトラックフレーム22(126)に連結した例を示したが、前記案内部84(142)に代えて揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動させる案内部84(142)を前側の揺動アーム28a(123)とトラックフレーム22(126)との連結部に備えてもよい。
【0075】
(6)第1及び第2の実施の形態におけるクローラ走行装置1では、案内部84(142)をトラックフレーム22(126)側に設けた例を示したが、揺動アーム28b(124)の揺動端部側に設けられた案内部をトラックフレーム22(126)側に設けたピン等に挿通する構造を採用してもよい。
【0076】
(7)第1及び第2の実施の形態におけるクローラ走行装置1では、案内部84(142)として長孔77(142)を採用した例を示したが、案内部として異なる摺動構造のもの、例えばスライドレール構造等により揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動させるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、コンバインの他、農用トラクタなどの農作業車やバックホーなどの建設作業車において好適に実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
5 機体フレーム
22,126 トラックフレーム
28a,123 前側の揺動アーム
28b,124 後側の揺動アーム
31a,31b ボス部
123a,124a ボス部
75 受け部
76 トラックフレームの上面(受け台)
77,142 長孔
84 案内部
85 ローラ
86,128 連結ピン(支軸)
142 案内部(長孔)
Xa,Xb 横軸心
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体フレームに左右それぞれ横軸心回りに揺動自在に支持された前側の揺動アームの揺動端部と後側の揺動アームの揺動端部とをトラックフレームに連結して、機体フレームに対して揺動アームを介してトラックフレームを昇降自在に支持してあるクローラ走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラ走行装置において、機体フレームとトラックフレームを連結するリンク機構の連結部に融通がないと高精度な部品の製作並びに組付けが必要となる。従来は、例えば、特許文献1に示されているように、揺動アームの揺動端部とトラックフレームとの間に融通部を構成する上下方向に立ち姿勢の補助リンクを設けて、機体フレームとトラックフレームと揺動アームによるリンク機構の動きを、補助リンクの揺動による融通機能によって補償していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−276671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立ち姿勢の前記補助リンクを採用した場合、機体が急旋回してクローラ走行装置に横方向の大きな外力が作用したときに、上から機体荷重がかかっている補助リンクに対して大きな曲げ力が作用するので、耐久性及び信頼性の面で改善の余地がある。又、融通機能をもたせるために補助リンク及びこれの連結部品からなる一つのリンクのセットが余分に必要となる。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を削減できるようにしながら、急旋回のときに、立ち姿勢の補助リンクを設けていた場合のように融通部に大きな曲げ力が作用しないクローラ走行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔第1発明の構成〕
第1発明は、機体フレームに左右それぞれ横軸心回りに揺動自在に支持された前側の揺動アームの揺動端部と後側の揺動アームの揺動端部とをトラックフレームに連結して、前記機体フレームに対して前記揺動アームを介して前記トラックフレームを昇降自在に支持してあるクローラ走行装置において、前記前側の揺動アーム及び前記後側の揺動アームのうち、一方の揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部を介して前記トラックフレームに連結してあることを特徴とする。
【0007】
〔第1発明の作用〕
第1発明によれば、トラックフレームを昇降させる揺動アームの揺動端部を、前後方向に摺動可能な案内部を介してトラックフレームに連結してあるので、揺動アームの昇降による前後の揺動アームの揺動端部間の寸法変化を、前後方向に摺動自在な案内部により揺動アームの揺動端部及びトラックフレームの一方を他方に対して前後摺動させることで吸収することができ、従来のトラックフレームと揺動アームとの間に補助リンクを採用した場合のように、機体を急旋回したときにクローラ横方向に大きな外力を受け、それにより補助リンクが大きな曲げ力を受けるという状態は生じない。
【0008】
前記案内部を備えたことによって、各部品を高い精度の要求されない部品で構成することが可能になるとともに、部品の組み付けも精密さが要求されないので生産性が向上する。従来に比べてリンク及びこれを取り付けるピンなどの部品が一組省略できるので、信頼性及び生産性が向上する。又、自走機体の旋回により横方向の外力を受けたとき、融通部として立ち姿勢の補助リンクを設けていた場合のように補助リンクが大きな曲げ力を受けるという状態が生じないようにすることができ、強度面での信頼性が向上する。
【0009】
〔第1発明の効果〕
従って、第1発明によれば、部品点数を削減でき、組み付けも精度も要求されないので生産性が向上できる。又、急旋回のときに、補助リンクを設けていた場合のように大きな曲げ力が作用せず、耐久性及び信頼性が向上する。
【0010】
〔第2発明の構成〕
第2発明は、第1発明の構成において、前記一方の揺動アームの揺動端部に連結ピンを備え、前記トラックフレームに前記案内部を備えるとともに、前記案内部を前記連結ピンと嵌合する前後に長い長孔で形成してある。
【0011】
〔第2発明の作用効果〕
第2発明によれば、前記案内部を連結ピンと嵌合する前後に長い長孔で形成してあるので、簡素な構成で、生産性の向上並びに耐久性の向上が期待できる。
【0012】
〔第3発明の構成〕
第3発明は、第2発明の構成において、前記一方の揺動アームの揺動端部に二股状のボス部を備え、前記二股状のボス部に前記連結ピンを取り付けることにより、前記連結ピンを前記案内部に支持させてある。
【0013】
〔第3発明の作用効果〕
第3発明によれば、案内部を構成する長孔に挿通して連結する連結ピンが二股状に両持ち支持されているので、揺動アームの揺動端部の連結ピンが長孔の摺動端部に衝突して衝撃荷重が加わったとしても連結ピンを強固に支持することができ、案内部と連結ピンによる連結部の構造が構造簡単でしかも破損し難いものとすることができた。
【0014】
〔第4発明の構成〕
第4発明は、第2発明または第3発明の構成において、前記連結ピンにローラを外嵌し、前記ローラを挟んで前記トラックフレームの上方に前記ローラの上部に接当する受け部を形成して、前記トラックフレームの上面と前記受け部とで案内部を形成し、前記ローラを前記トラックフレームの上面と前記受け部との間で転動可能に構成してある。
【0015】
〔第4発明の作用効果〕
第4発明によれば、揺動アームの昇降による前後の揺動アームの揺動端部間の寸法変化が、トラックフレームの上面と受け部とで前後に案内されるローラの移動で吸収されるので、案内部の磨耗が少なく耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態のコンバインの全体側面図である。
【図2】第1の実施の形態のコンバインの全体平面図である。
【図3】第1の実施の形態の原動部の一部縦断背面図である。
【図4】第1の実施の形態の冷却ファンの構成を示す一部縦断背面図である。
【図5】(a)は第1の実施の形態の順風生起状態を示す一部縦断背面図、(b)は逆風生起状態を示す一部縦断背面図である。
【図6】第1の実施の形態の冷却ファンの中心部の構成を示す拡大縦断側面図である。
【図7】第1の実施の形態の穀粒タンクと穀粒搬出装置を示す右側面図である。
【図8】第1の実施の形態の縦搬送装置と中継搬送装置と横搬送装置の接続部の構造を示す展開断面図である。
【図9】第1の実施の形態のクローラ走行装置を示す側面図である。
【図10】第1の実施の形態のクローラ走行装置を示す一部破断平面図である。
【図11】第1の実施の形態のトラックフレームと前側の揺動アームの連結部の構造を示す側面図である。
【図12】第1の実施の形態のトラックフレームと前側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図13】第1の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す側面図である。
【図14】第1の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図15】第1の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断側面図である。
【図16】(a)は第1の実施の形態の機体フレームを下降させたクローラ走行装置を示す側面図であり、(b)は第1の実施の形態の機体フレームを上昇させたクローラ走行装置を示す側面図である。
【図17】第2の実施の形態のクローラ走行装置を示す側面図である。
【図18】第2の実施の形態のクローラ走行装置を示す一部破断平面図である。
【図19】第2の実施の形態のトラックフレームと前側の副トラックフレームと前側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図20】第2の実施の形態のトラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断側面図である。
【図21】第2の実施の形態のトラックフレームと後側の副トラックフレームと後側の揺動アームの連結部の構造を示す一部縦断背面図である。
【図22】その他の実施の形態のコンバインの一部破断側面図である。
【図23】その他の実施の形態のクレーンを備えたコンバインの全体側面図である。
【図24】その他の実施の形態のクレーンを備えたコンバインの走行機体に対して刈取り前処理部と脱穀装置と穀粒タンクを分離した状態の側面図である。
【図25】(a)(b)は、その他の実施の形態のクレーンを備えたコンバインに搭載される穀粒タンクをトラックに搭載した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1の実施の形態〕
図1、図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走し、運転座席2が装備された搭乗型の運転部3、運転座席2の下方にエンジン95(図3参照)を有した自走機体4の機体フレーム5の前部に、刈取り前処理部6の前処理部フレーム7の基端側を機体横向きの軸心回りで回動自在に連結するとともに、前記機体フレーム5に脱穀装置8および穀粒タンク9を搭載して、コンバインを構成してある。
【0018】
図3に示すように、前記運転座席2を載置支持するエンジンボンネット45の下方内部に、横向きに水冷式のエンジン95が配設され、エンジン95の右外側方にラジエータ96が配置され、エンジン95とラジエータ96との間に、冷却ファン97が配置されている。
図4に示すように、入力プーリ98は、回転軸99の突出端に固着された第1回転体100に4本のボルト101で連結されている。
【0019】
図5に示すように、前記冷却ファン97は、外気を吸引してラジエータ96に供給するように通風させる順風モードと、その順風モードとは通風方向を逆向きに通風させる逆風モードとに切換え自在に構成されており、以下、その構成について説明を加える。
【0020】
図4、図5に示すように、冷却ファン97は、回転軸99の軸心P1を回転軸心として回転軸99とともに回転駆動されるハブ102や、このハブ102の軸心P1周りでの一体回転で起風する複数の起風翼103を備えて構成されている。ハブ102の外周部には、ボス状の複数の支持部104が周方向に一定間隔を隔てる状態で形成され、それらの各支持部104に、起風翼103の支軸105が軸心P1と直交する方向に設定された軸心P2周りに回動可能に支持されている。
【0021】
前記ハブ102の凹入空間には、入力プーリ98とともに第1回転体100と一体回転するように4本のボルト101で連結される第2回転体106が配備され、この第2回転体106の中心部には、その軸心を回転軸99の軸心P1に一致させた状態で配備される断面円形の支軸107が、第2回転体106と一体回転する状態に圧入嵌合されて装備され、その支軸107に、ハブ102が軸心P1に沿う方向に相対摺動可能に、カラー48を介して嵌合支持されている。
【0022】
前記ハブ102の中央部には、支軸107の先端にボルト連結されたバネ受具52とハブ102との間に介装され、ハブ102を入力プーリ98側に向けて付勢する圧縮バネ108が介装されている。
【0023】
前記第2回転体106の外周部には、この第2回転体106の回転によってハブ102を回転させるための4本の連動軸109が、第2回転体106の周方向に所定間隔を隔てて嵌合装備され、これら4本の連動軸109が、ハブ102の中央部にその周方向に所定間隔を隔てる状態で穿設された4つの貫通孔110の夫々に対して、軸心P1に沿う方向に相対摺動可能に挿通されている。
【0024】
図6に示すように、各連動軸109と貫通孔110の間にはカラー111が内嵌され、その外側に筒状シール112が嵌入されている。筒状シール112は、鍔部112aがハブ102にビス止めされるリング状の押さえ金具113に押さえられることよって抜け止めされている。
【0025】
前記筒状シール112の外端部には連動軸109と接触する接触部112bを設けてある。これにより、筒状シール112の可撓性が大きくなって連動軸109に追従しやすくなり、芯ずれが発生し難くなる。又、筒状シール112の筒部112cを長くして、取付け部である外向き鍔部112aとシール接触部である内向きに膨出させた接触部112bとを離すことで連動軸109を長く覆うことができ、これによって、潤滑物の流出及び外部からのゴミ、ほこりの浸入を良好に防止することができるとともに、潤滑物が消失しないため、スライドが滑らかで、連動軸109の磨耗もし難い。従って連動軸109の磨耗によるスライド不良と、ファン全体の発振も防止できる。
【0026】
図4に示すように、前記各起風翼103の支軸105には、その軸心P2周りに揺動する揺動アーム114が固着され、各揺動アーム114は、その揺動端部に、第2回転体106に向けて突出する連係ピン115が装備され、それらの各揺動アーム114や各連係ピン115などによって連係機構116が構成されている。第2回転体106の周方向の外縁部に所定間隔を隔てて複数の溝部122が形成され、それら溝部122に連係ピン115が係合されている。
【0027】
図5に示すように、エンジン95には、支持部材117を介してシフトフォーク118が軸心P1に沿う方向に揺動可能に連結され、シフトフォーク118の揺動により、入力プーリ98の外周筒119に沿って軸心P1方向に摺動する移動部材120及びラジアルベアリング121を介してハブ102が変位し、ハブ102が正逆に変位すると、各起風翼103が軸心P2周りに姿勢変更し、エンジン95による入力プーリ98の同一回転方向による回転に対して、起風翼103による起風方向が正逆に切り換わる。つまり、順風モード(図5(a)参照)では、エンジンボンネット45の各通気口46から取り込んだ外気をラジエータ96やエンジン95などに供給してそれらを冷却し、逆風モード(図5(b)参照)では、エンジンボンネット45の各通気口46から排出する熱気で除塵網47に付着した塵埃などを機外に吹き飛ばし、これにより吸気機能を低下させないようにすることができる。
【0028】
このコンバインは、稲・麦などの穀粒を収穫するものであり、前処理部フレーム7に連結している油圧式のリフトシリンダ(図示せず)を操作すると、このリフトシリンダが前処理部フレーム7を上下に揺動操作して刈取り前処理部6を地面上近くまで下降した作業位置と、地面上から高く浮上した上昇非作業位置とに昇降操作する。刈取り前処理部6を下降作業位置にして自走機体4を走行させると、刈取り前処理部6が刈り取り対象の複数の植付け条の植立茎稈を機体横方向に並ぶ複数の引起装置11によって各別に引起し処理するとともにバリカン型の刈取装置12によって刈り取り処理し、刈取り穀稈を株元側に作用する挟持搬送装置と穂先側に作用する係止搬送装置とで成る搬送装置13によって機体後方側に搬送する。搬送装置13からの刈取穀稈を脱穀フィードチェーン14によって機体後方向きに搬送しながら穂先側を扱室に供給して脱穀処理し、穀粒タンク9に脱穀装置8からの脱穀粒を回収して貯留していく。
【0029】
図7に示すように、前記穀粒タンク9の下部には、脱穀粒を横搬送して機外のスクリュー式の穀粒搬出装置60へ向けて搬出する底スクリュー61を備えている。穀粒搬出装置60は、穀粒タンク9の後方に位置して立設されるスクリュー式の縦搬送装置62と、縦搬送装置62の上端に連通接続されたスクリュー式の横搬送装置63と、縦搬送装置62と横搬送装置63とを接続する中継搬送装置64とから構成されており、穀粒搬出装置60全体が、縦搬送装置62のスクリュー軸心と同芯の縦向き軸心Pを中心にして旋回移動可能となっている。
【0030】
前記穀粒タンク9の下部後端には底スクリュー61におけるスクリユー軸61aの後端部を支持する搬出ケース65が連結されている。穀粒タンク9は前記縦向き軸心P周りに旋回可能に支持され、メンテナンスをするときに、穀粒タンク9を縦向き軸心P周りに回動させて、脱穀装置8の外面を開放する。
【0031】
前記穀粒搬出装置60における縦搬送装置62は、丸筒材からなる縦向きの搬送ケース66に縦送りスクリュー67を内装して構成されており、搬送ケース66の下端部が前記搬出ケース65の上端部に接続され、搬送ケース66の上端部が中継搬送装置64の固定中継ケース68aに接続されている。
【0032】
前記底スクリュー61におけるスクリュー軸61aの搬出ケース65への挿通部には掻出し羽根61bが備えられており、掻出し羽根61bによって穀粒が縦送りスクリュー67の下部に円滑に受け渡されるようになっている。
【0033】
前記穀粒搬出装置60の横搬送装置63は、丸筒材からなる搬送ケース69に横送りスクリュー70を内挿して構成されており、搬送ケース69の先端部には下向きに開口した吐出口71が備えられている。
【0034】
図8に示すように、前記固定中継ケース68aは、エルボ状に90度屈曲しており、下端が縦向き搬送ケース66に連結され、横向き開口端に可動中継ケース68bが縦向き搬送ケース66の軸心Pに対して直行する横向き軸心Q周りに回動可能に嵌合連結されている。
【0035】
前記横向き軸心Q上には、中継スクリュー72が配備されるとともに、中継スクリュー72におけるスクリュー軸72aの両端が、縦送りスクリュー67におけるスクリュー軸67aの上端と、横送りスクリュー70におけるスクリュー軸70aの基端とにベベルギヤで連動されている。これによって、底スクリュー61の回転に連動して縦送りスクリュー67および横送りスクリュー70が同調駆動され、穀粒タンク9から送出された穀粒が縦搬送装置62によって揚送された後、横搬送装置63によって横搬送されて吐出口71から排出されるようになっている。
【0036】
従来は、縦向きの搬送ケース66の軸心Pと固定中継ケース68aの軸心Q、及び固定中継ケース68aの軸心Qと可動中継ケース68bの出口部及び可動中継ケース68bに接続される横送り搬送ケース69の軸心Rはそれぞれ直交していたが、この実施の形態では、縦向きの搬送ケース66の軸心Pと固定中継ケース68aの軸心Qとは直交するように配設されているのに対して、横送り搬送ケース69の軸心Rは、固定中継ケース68aの軸心Qに対して90度よりも大きな鈍角(125度前後)に形成されている。これにより、中継搬送装置64の固定中継ケース68aから可動中継ケース68bに接続された横送り搬送ケース69への屈曲度が55度程度となるので、中継搬送装置64の固定中継ケース68aから可動中継ケース68bを介した横搬送装置63の横送り搬送ケース69への穀粒の送りの屈曲角度が90度より小さくなるから、固定中継ケース68a及び可動中継ケース68bの屈曲部の穀粒の送り抵抗が全体として軽減される。
【0037】
前記中継搬送装置64の固定中継ケース68aと横向き軸心Q周りで回動する可動中継ケース68bとに亘って油圧シリンダ73が支持枠74を介して架設され、この油圧シリンダ73の伸縮作動によって可動中継ケース68bに連結された横搬送装置63が前記横向き軸心Q周りに上下に駆動揺動するように構成されている。
【0038】
図9はクローラ走行装置1の側面図、図10は同平面図である。クローラ走行装置1は、機体前方側の駆動スプロケット16、機体後方側のクローラ緊張輪17、これらの間に配備された複数の接地転輪18,18a、クローラベルト19を内周側から支持する上部転輪であるキャリアローラ20、クローラベルト19の外れ止め用のガイド15を備え、ゴム製のクローラベルト19は、駆動スプロケット16とキャリアローラ20とクローラ緊張輪17と接地転輪18,18aとに亘って巻回張設されている。
【0039】
トラックフレーム22は、各接地転輪18を支持する下部トラックフレーム22aと、下部トラックフレーム22aの上側に連結された上部トラックフレーム22bを有する。上部トラックフレーム22bは、市販の鋼製で断面四角形状の角パイプで構成してある。
【0040】
前後5個の接地転輪18は下部トラックフレーム22aに軸支され、接地転輪18aは上部トラックフレーム22bの上面に固設したボス78に支承された揺動アーム79に支持され、図示しないバネで下方に付勢され、一対のストッパー80に規制された範囲で揺動できるように構成されている。
【0041】
前記駆動スプロケット16とキャリアローラ20は機体フレーム5を構成する固定フレーム25に支持され、クローラ緊張輪17と接地転輪18,18aはトラックフレーム22に支持されている。クローラ緊張輪17は、トラックフレーム22の機体前後方向の後端側に装備したクローラ緊張装置38に装着してある。
【0042】
図9、図10に示すように、前記クローラ緊張装置38は、上部トラックフレーム22bの後端部分で構成されている角筒状のガイドレール部39と、クローラ緊張輪17と、ガイドレール部39に支持されるクローラ緊張輪支持部材40と、クローラ緊張輪17によってクローラベルト19に付与する張力を調節するための調節ネジ軸41とを有する。
【0043】
前記調節ネジ軸41は、ガイドレール部39に対するクローラ緊張輪支持部材40の差し込み深さを調節することにより、クローラ緊張輪17の支持位置を機体前後方向に変更してクローラベルト19に付与する張力を調節するものである。
【0044】
前記接地転輪18,18aは左右のクローラベルト19の内周面側に突出する左右一対の芯金突起23を外側左右から跨ぐように装着されており、クローラ緊張輪17及びキャリアローラ20は左右の芯金突起23の間に係入するように装着されている。前記駆動スプロケット16は、クローラベルト19の前後の芯金突起23の間に形成された駆動孔に咬合されている。
【0045】
前記機体フレーム5は、自走機体4の下部の略全幅に亘るデッキ状に構成されており、上述した脱穀装置8等が搭載されているデッキフレーム24と、駆動スプロケット16とキャリアローラ20とを支持する固定フレーム25とを備えている。
【0046】
前記固定フレーム25はデッキフレーム24の下面側に固定してあり、固定フレーム25とトラックフレーム22とに亘って、機体フレーム5に対するトラックフレーム22の姿勢を上下方向に変更可能な揺動機構26を設けてある。
【0047】
前記前後の揺動機構26は、固定フレーム25とトラックフレーム22とに亘って設けてある。前記前後の揺動機構26は、図9、図10に示すように、固定フレーム25に横向きに支持してある支軸27a,27bと、当該支軸27a,27bに上下揺動自在に支持してある揺動アーム28a,28bと、操作アーム29a,29bとを備え、支軸27a,27bの夫々はクローラベルト19の内周側に入り込んでトラックフレーム22よりも高い位置に配置してある。
【0048】
前記支軸27a,27bの夫々は、固定フレーム25を貫通する状態で、当該固定フレーム25に横軸心Xa,Xb周りで回転自在に支持され、支軸27a,27bの機体外方側への突出端側に揺動アーム28a,28bが一体に固定され、支軸27a,27bの機体内方側への突出端側に操作アーム29a,29bが一体に固定されている。揺動アーム28a,28bの夫々は、当該揺動アーム28a,28bの一端側に一体に備えたボス30a,30bに支軸27a,27bを内嵌して、当該支軸27a,27bに一体に固定されている。
【0049】
図10〜図12に示すように、前記前側の揺動機構26における揺動アーム28aの揺動端側に二股状のボス部31aを備え、二股状のボス部31aの間に位置する状態で、トラックフレーム22に固定した左右一対のブラケット81に単一のボス部82を取り付け、二股状のボス部31aと単一のボス部82とに亘って連結ピン83を挿通することにより、揺動アーム28aをトラックフレーム22に揺動自在に取り付けてある。
【0050】
図10、図13〜図15に示すように、前記後側の揺動機構26における揺動アーム28bの揺動端側に二股状のボス部31bを備えている。上部トラックフレーム22bの上面に固定された平板状の受け板76と、側面視で下向きのコ字状に折り曲げられて受け板76に固定された受け部75と、上部トラックフレーム22bの横側面及び受け部75に固定された縦壁状の一対のブッラケット84aとを備え、左右のブラケット84aに前後方向に長い左右の長孔77を形成して案内部84が構成されている。
【0051】
受け部75は、前後向きの上部部分と、上部部分の前端から斜め前方下方向きに延出された前側部分と、上部部分の後端から斜め後方下方向きに延出された後側部分とを備えて、側面視で前側部分と後側部分との前後間隔が除々に下側に向かって広くなる台形状に形成されている。二股状のボス部31bの間に案内部84が位置する状態で、二股状のボス部31bと案内部84の長孔77とに亘って、ローラ85を外嵌した連結ピン86を挿通し、ローラ85を介して連結ピン86を案内部84に前後摺動(転動)自在に支持させてある。
【0052】
図面(図13〜図15)には現れていないが、ローラ85が受け台76及び長孔77の下端に接当した状態で、ローラ85の上部と受け部75の上端部下面及び長孔77の上端との間には僅かな隙間を形成してあり、これによってローラ85が長孔77に沿って前後方向に摺動(転動)自在に構成してある。
【0053】
案内部84を構成する左右一対のブラケット84a,84aと二股状のボス部31b,31bとの間で、且つ、ローラ85に外嵌される状態でスペーサ35,36を介在させてある。このスペーサ35,36は、後の揺動アーム28bの左右の位置合わせをするためのものである。
【0054】
図11、図12に示すように、前記前側の揺動機構26における連結ピン83、及び後側の揺動機構26における連結ピン86の外側一端部に、ピン回り止め部材87が溶着され、ピン回り止め部材87をボルト88により二股状のボス部31a,31bの外側面に固定してある。
【0055】
前側の連結ピン83は、長手方向中間部で二つに分離できる2部品で構成されている。ピン回り止め部材87を取り付けている一方の第1連結ピン部分89にネジ孔90を形成し、他方の第2連結ピン部分91の一端側にネジ孔90に螺合するネジ部92を形成し、他端側の露出部にスパナ掛けのできるように、平行な切り込み部93を形成してある。
【0056】
これにより、メンテナンスのためにトラックフレーム22を取り外す場合に、連結ピン83が錆び付いて二股状のボス部31aに固着して抜けないときは、スパナで第2連結ピン部分91を第1連結ピン部分89に対して外す方向に回転させて、錆び付きによるボス部31aと第2連結ピン部分91の固着部を解消させる。次に、第2連結ピン部分91を締め込んで、第1連結ピン部分89に締め付けた後、更に第2連結ピン部分91を同方向に強く回して、第1連結ピン部分89と二股状のボス部31aとの錆び付きを解消する。このように、二股状のボス部31aに対する第1連結ピン部分89と第2連結ピン部分91の錆び付きを別々に解消するようにすることによって、両者の錆び付きを同時に解消する場合に比べて、スパナの回す負荷を半減させることができ、容易に錆び付きを解消することができる。
【0057】
図9、図10に示すように、前記前後の揺動機構26の操作アーム29a,29bどうしを連結ロッド33で連結して四連リンクを構成してあり、後部の揺動機構26の操作アーム29bとデッキフレーム24とを油圧シリンダ34で連結してある。
【0058】
したがって、油圧シリンダ34の収縮作動で各揺動アーム28a,28bを上向きに駆動揺動させると、トラックフレーム22が機体フレーム5の側に近接するように上方へ移動して、機体フレーム5の地上高が低くなる。図16(a)は、機体フレーム5の地上高が最も低い状態を示している。
【0059】
逆に、図16(b)に示すように、油圧シリンダ34の伸長作動で各揺動アーム28a,28bを下向きに駆動揺動させると、トラックフレーム22が機体フレーム5の側から離間するように下方へ移動し、機体フレーム5の地上高が高くなる。
【0060】
よって、左右のクローラ走行装置1における揺動機構26の夫々に備えた油圧シリンダ34を独立して操作することで、機体フレーム5の左右における地上高を変更調節して、傾斜地においても機体フレーム5の姿勢を略水平に保持することができる。
【0061】
〔第2の実施の形態〕
図17〜図21は、クローラ走行装置1の第2の実施の形態を示す。
図17、図18に示すように、固定フレーム125に上下揺動可能に後向きに前後一対の揺動アーム123,124を枢支連結し、揺動アーム123,124の揺動端部に二股状のボス部123a,124aが形成されていて、揺動アーム123,124の機体内方側に位置して、前後の揺動アーム123,124に亘ってトラックフレーム126がボス部123a,124aに挿通支持した連結ピンとしての支軸127,128を介して連結されている。
【0062】
前記前後の揺動アーム123,124の二股状の左右のボス部123a,124aの間に位置する支軸127,128に副トラックフレーム129,130の前後中間部位がそれぞれ天秤揺動可能に枢支連結されるとともに、各副トラックフレーム129,130に接地転輪18が複数個ずつ(この例では4個ずつ)遊転自在に軸支されている。
【0063】
前記後側の副トラックフレーム130の後部上方にはジャッキボルト131を介して前後調節可能にスライドブラケット132が装備されており、このスライドブラケット132の後端部にクローラ緊張輪17が遊転自在に軸支装着されている。
【0064】
前記前側の副トラックフレーム129の後端部には後方に向けて後向き突起133が設けられ、後側の副トラックフレーム130の前端部には前方に向けて前向き突起134が設けられ、前記トラックフレーム126に、前記両突起133,134に係合する長孔135が形成されて副トラックフレーム129,130の揺動範囲を規制する上下牽制部136が備えられている。
【0065】
図19に示すように、前側の副トラックフレーム129に単一のボス部139を貫通固定し、この単一のボス部139を挟む状態で配置した二股状のボス部123aと、前記単一のボス部139と、揺動アーム123の機体内側に配設したトラックフレーム126の前端部とに亘って支軸127を挿通することにより、揺動アーム123に対してトラックフレーム126と副トラックフレーム129とを揺動自在に取り付けてある。
【0066】
前記前側の支軸127の外側一端部に、ピン回り止め部材143が溶着され、ピン回り止め部材143をボルト144により二股状のボス部123aの外側面に固定してある。支軸127は、長手方向中間部で二つに分離できる2部品で構成されている。ピン回り止め部材143を取り付けている一方の第1連結ピン部分145にネジ孔146を形成し、他方の第2連結ピン部分147の一端側に前記ネジ孔146に螺合するネジ部148を形成し、他端側の露出部にスパナ掛けのできるように、平行な切り込み部149を形成してある。
【0067】
これにより、メンテナンスのためにトラックフレーム126及び副トラックフレーム129,130を取り外す場合、留め具150を外してトラックフレーム126を支軸127の第2連結ピン部分147の軸芯方向に対して摺動自在にしておき、支軸127が錆び付いて二股状のボス部123aに固着して抜けないときは、先にスパナで第2連結ピン部分147を第1連結ピン部分145に対して外す方向に回転させて、錆び付きによるボス部123aと第2連結ピン部分147の固着を解消する。次にボルト144を取り外し、第2連結ピン部分147を締め込んで、第2連結ピン147と第1連結ピン145とを一緒に回転させて、第1連結ピン部分145と二股状のボス部123aとの錆び付きを解消する。
【0068】
図20、図21に示すように、後側の副トラックフレーム130に単一のボス部141を貫通固定し、この単一のボス部141を挟む状態で配置した二股状のボス部124aと、前記単一のボス部141と、揺動アーム124の機体内側に配設したトラックフレーム126の後端部とに亘って支軸128を挿通してある。そして、トラックフレーム126と揺動アーム123,124による四連リンクの組み付け誤差を吸収するためにトラックフレーム126の後端部に前後方向に長い長孔142を形成し、支軸128を長孔142に挿通してあり、支軸128を介して揺動アーム124に対してトラックフレーム126と副トラックフレーム130とを揺動自在に取り付けてある。上記長孔142は後側の揺動アーム124の揺動端部(支軸128)に対する相対的な摺動移動を許容する案内部として機能する。なお、図示しないが、支軸128の端部にローラを回動自在に外嵌させて、このローラを介して支軸128を長穴142に挿通させる構造を採用してもよい。
【0069】
この実施の形態では、トラックフレーム126は、揺動アーム123,124と共に四連リンクを構成するリンク部材として機能するもので、自走機体4の荷重は揺動アーム123,124を介して直接副トラックフレーム129,130に支持されている。
【0070】
〔その他の実施の形態〕
(1)図22に示すように、脱穀装置8の後部の排塵口151を塞ぐ着脱自在は閉塞板152を設けるとともに、脱穀装置8の側板153に開閉自在な採風口154を形成する。脱穀装置8の外回りやクローラ走行装置1を掃除するときに、排塵口151を別に用意した閉塞板152で閉じるとともに、採風口154を開いて先端にエアーガン155を取り付けたホース156を繋ぐ。脱穀装置8を駆動させて、唐箕158で発生する風を利用して、エアーガン155より放出される風で、脱穀装置8の外回りやクローラ走行装置1を掃除する。これにより、コンバインをエアーガン155で掃除するための電源が不要となり、又、用意しなければいけない道具を削減することができる。
【0071】
(2)図23、図24に示すように、自走機体4の右側前部にエンジン95及び運転部3を備え、運転部3の後方の自走機体4の左右中心部に手動操作式又は自動操作式のクレーン157を取り付け、脱穀装置8、穀粒タンク9及び刈取り前処理部6を自走機体4に対して着脱自在に装備することによりコンバインを構成する。クレーン157は、機体フレームから立設された支柱と、支柱の上端部から水平方向に延出されたアーム部と、アーム部の先端部に設けられた巻き上げ部とを備えて構成されている。これにより、例えば、クレーン157を利用して、脱穀装置8、穀粒タンク9及び刈取り前処理部6を自走機体4から取り外すことで、自走機体4を運搬台車として使用したり、自走機体4から脱穀装置8等を取り外してメンテナンスを行ったりすることが可能になる。なお、この実施の形態では、脱穀装置8、穀粒タンク9及び刈取り前処理部6を自走機体4に対して着脱自在に装備した例を示したが、これらのうちのいずれか一つ又は二つを自走機体4に着脱自在に装備してもよい。また、クレーン157としては、手動操作式又は自動操作式(電動式や油圧式等)のいずれのものを採用してもよく、その機能も巻き上げや旋回等の種々の機能を備えたものを採用できる。
【0072】
(3)図23、図24に示された穀粒タンク9は穀粒搬出装置60を備えているが、図25に示す実施の形態では、穀粒搬出装置60を備えていない着脱自在な穀粒タンク9を備えており、別途、同形の穀粒タンク9を複数個用意する。作業中、穀粒タンク9が満タンになったときは、穀粒タンク9の図示しない固定具の固定を解除して、穀粒タンク9を図25(a)に示すクレーン157で図25(b)に示すようにトラック159に移載し、別途用意した空の穀粒タンク9をクレーン157で自走機体4に搭載して図示しない固定具で固定する。これにより、穀粒タンク9に積み替え用の穀粒搬出装置60が不要で、収穫した穀粒を積み替える手間も不要となり、穀粒が満タンになった穀粒タンク9をそのままトラック159に積載するので、作業能率が向上する。
【0073】
(4)上記(1)〜(3)のその他の実施の形態においては、第1の実施の形態で示したクローラ走行装置1と同じ構成を備えている。
【0074】
(5)第1及び第2の実施の形態におけるクローラ走行装置1では、後側の揺動アーム28b(124)の揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部84(142)を介してトラックフレーム22(126)に連結した例を示したが、前記案内部84(142)に代えて揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動させる案内部84(142)を前側の揺動アーム28a(123)とトラックフレーム22(126)との連結部に備えてもよい。
【0075】
(6)第1及び第2の実施の形態におけるクローラ走行装置1では、案内部84(142)をトラックフレーム22(126)側に設けた例を示したが、揺動アーム28b(124)の揺動端部側に設けられた案内部をトラックフレーム22(126)側に設けたピン等に挿通する構造を採用してもよい。
【0076】
(7)第1及び第2の実施の形態におけるクローラ走行装置1では、案内部84(142)として長孔77(142)を採用した例を示したが、案内部として異なる摺動構造のもの、例えばスライドレール構造等により揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動させるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、コンバインの他、農用トラクタなどの農作業車やバックホーなどの建設作業車において好適に実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
5 機体フレーム
22,126 トラックフレーム
28a,123 前側の揺動アーム
28b,124 後側の揺動アーム
31a,31b ボス部
123a,124a ボス部
75 受け部
76 トラックフレームの上面(受け台)
77,142 長孔
84 案内部
85 ローラ
86,128 連結ピン(支軸)
142 案内部(長孔)
Xa,Xb 横軸心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームに左右それぞれ横軸心回りに揺動自在に支持された前側の揺動アームの揺動端部と後側の揺動アームの揺動端部とをトラックフレームに連結して、前記機体フレームに対して前記揺動アームを介して前記トラックフレームを昇降自在に支持してあるクローラ走行装置において、
前記前側の揺動アーム及び前記後側の揺動アームのうち、一方の揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部を介して前記トラックフレームに連結してあることを特徴とするクローラ走行装置。
【請求項2】
前記一方の揺動アームの揺動端部に連結ピンを備え、前記トラックフレームに前記案内部を備えるとともに、前記案内部を前記連結ピンと嵌合する前後に長い長孔で形成してある請求項1記載のクローラ走行装置。
【請求項3】
前記一方の揺動アームの揺動端部に二股状のボス部を備え、前記二股状のボス部に前記連結ピンを取り付けることにより、前記連結ピンを前記案内部に支持させてある請求項2記載のクローラ走行装置。
【請求項4】
前記連結ピンにローラを外嵌し、前記ローラを挟んで前記トラックフレームの上方に前記ローラの上部に接当する受け部を形成して、前記トラックフレームの上面と前記受け部とで案内部を形成し、前記ローラを前記トラックフレームの上面と前記受け部との間で転動可能に構成してある請求項2または3記載のクローラ走行装置。
【請求項1】
機体フレームに左右それぞれ横軸心回りに揺動自在に支持された前側の揺動アームの揺動端部と後側の揺動アームの揺動端部とをトラックフレームに連結して、前記機体フレームに対して前記揺動アームを介して前記トラックフレームを昇降自在に支持してあるクローラ走行装置において、
前記前側の揺動アーム及び前記後側の揺動アームのうち、一方の揺動アームの揺動端部を前後方向に摺動自在な案内部を介して前記トラックフレームに連結してあることを特徴とするクローラ走行装置。
【請求項2】
前記一方の揺動アームの揺動端部に連結ピンを備え、前記トラックフレームに前記案内部を備えるとともに、前記案内部を前記連結ピンと嵌合する前後に長い長孔で形成してある請求項1記載のクローラ走行装置。
【請求項3】
前記一方の揺動アームの揺動端部に二股状のボス部を備え、前記二股状のボス部に前記連結ピンを取り付けることにより、前記連結ピンを前記案内部に支持させてある請求項2記載のクローラ走行装置。
【請求項4】
前記連結ピンにローラを外嵌し、前記ローラを挟んで前記トラックフレームの上方に前記ローラの上部に接当する受け部を形成して、前記トラックフレームの上面と前記受け部とで案内部を形成し、前記ローラを前記トラックフレームの上面と前記受け部との間で転動可能に構成してある請求項2または3記載のクローラ走行装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−156975(P2011−156975A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20608(P2010−20608)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]