説明

コンテンツ再生装置用クレードル

【課題】 複数のコンテンツ再生装置に同一のコンテンツが記録されている場合に同一のコンテンツが重複して出力されることを防止する。
【解決手段】 再生コンテンツリスト生成部は、複数のコンテンツ再生装置から取得したコンテンツリストを統合して再生コンテンツリストを生成する。このとき、複数のコンテンツ再生装置のコンテンツリストに重複している同一コンテンツについては1つのみが再生コンテンツリストに登録され、2つ目以降は再生コンテンツリストに登録されない。すなわち、他のコンテンツ再生装置がクレードルに既に接続されている状態で、コンテンツ再生装置がクレードルに接続されたとき、再生コンテンツリスト生成部が、新たに接続されたコンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて、再生コンテンツリストに未だ登録されていないコンテンツのみを前記再生コンテンツリストに登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置用クレードルに関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、本出願人が特願2010−89792において開示するコンテンツ再生装置用クレードルを示す。携帯型コンテンツ再生装置(以下、DAPという。)2のオーディオデータを、クレードル1を介して増幅装置5に出力する(すなわち、DAP2再生状態の)場合、スイッチ1Gはコネクタ1Lとホストコントローラ1Bとを接続する。一方、DAP3のオーディオデータを、クレードル1を介して増幅装置5に出力する(すなわち、DAP3再生状態の)場合、スイッチ1Gはコネクタ1Mとホストコントローラ1Bとを接続する。
【0003】
ここで、クレードル1が、DAP2、DAP3の各々から曲リストを取得して、これらの曲リストを統合し、統合した曲リストに含まれる曲ファイルを例えばシャッフル再生やランダム再生等により連続再生することを考える。通常、1つのDAPの曲ファイルをシャッフル再生する場合には、1つの曲ファイルが何度も連続して再生されないように曲ファイルを自動的に選択するよう設計される。しかし、ユーザによって複数のDAPに同一曲ファイルを記録することがあり得るが、クレードル1を介して複数のDAPの曲ファイルをシャッフル再生する際には、複数のDAPに記録されている同一曲ファイルが非常に近い時期に連続的に再生されてしまうことがあり、ユーザに不快感を与えてしまうと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−244607号公報
【特許文献2】特開2007−68333号公報
【特許文献3】特開2006−246217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のコンテンツ再生装置に同一のコンテンツが記録されている場合に同一のコンテンツが重複して出力されることを防止するクレードルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるクレードルは、複数のコンテンツ再生装置が接続可能であり、前記複数のコンテンツ再生装置の各々から、前記各コンテンツ再生装置が記録するコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得するコンテンツリスト取得部と、前記複数のコンテンツ再生装置に記録されている同一コンテンツが重複して登録されないように、前記複数のコンテンツ再生装置のコンテンツリストを統合し、再生コンテンツリストを生成する再生コンテンツリスト生成部と、前記再生コンテンツリストに登録されているコンテンツを順次選択する選択部と、選択されたコンテンツデータを前記複数のコンテンツ再生装置のいずれかから受信するコンテンツ受信部と、受信されたコンテンツデータを出力する出力部とを備える。
【0007】
再生コンテンツリスト生成部は、複数のコンテンツ再生装置から取得したコンテンツリストを統合して再生コンテンツリストを生成する。このとき、複数のコンテンツ再生装置のコンテンツリストに重複している同一コンテンツについては1つのみが再生コンテンツリストに登録され、2つ目以降は再生コンテンツリストに登録されない。従って、クレードルは、複数のコンテンツ再生装置から同一コンテンツを受信して出力することを防止することができる。
【0008】
好ましい実施形態においては、未だ他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されていない状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、前記再生コンテンツリスト生成部が、接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストのみから前記再生コンテンツリストを生成し、他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに既に接続されている状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、前記再生コンテンツリスト生成部が、新たに接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて、前記再生コンテンツリストに未だ登録されていないコンテンツのみを前記再生コンテンツリストに登録する。
【0009】
上記の処理によって、新たにコンテンツ再生装置がクレードルに接続される場合に再生コンテンツリストを再生成することができ、複数のコンテンツ再生装置に重複する同一コンテンツを再生コンテンツリストに重複して登録されないようにすることができる。
【0010】
好ましい実施形態においては、他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに既に接続されている状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、新たに接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツと同じコンテンツであっても、そのコンテンツ品質が前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツのコンテンツ品質よりも優れる場合には、前記再生コンテンツリスト生成部が、当該コンテンツを前記再生コンテンツリストに登録し、既に前記再生コンテンツリストに登録されている同じコンテンツを前記再生コンテンツリストから削除する。
【0011】
この場合、複数のコンテンツ再生装置に同一コンテンツが重複している場合、最もコンテンツ品質が優れるコンテンツが再生コンテンツリストに登録される。従って、クレードルは、コンテンツ品質が高いコンテンツを受信して出力することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに既に接続されている状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、新たに接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツと同じコンテンツであっても、その再生回数が前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツの再生回数よりも多い場合には、前記再生コンテンツリスト生成部が、当該コンテンツを前記再生コンテンツリストに登録し、既に前記再生コンテンツリストに登録されている同じコンテンツを前記再生コンテンツリストから削除する。
【0013】
この場合、複数のコンテンツ再生装置に同一コンテンツが重複している場合、最もコンテンツ回数が多いコンテンツが再生コンテンツリストに登録される。従って、クレードルは、ユーザが最も所望すると考えられる再生回数が最大のコンテンツを受信して出力することができる。
【0014】
好ましい実施形態においては、前記再生コンテンツリスト生成部が、前記複数のコンテンツ再生装置に記録されている同一コンテンツが所定曲数以上の間または所定時間以上、重複して再生されないように、前記複数のコンテンツ再生装置のコンテンツリストを統合し、前記再生コンテンツリストを生成する。
【0015】
この場合、クレードルは、所定曲数の間または所定時間、複数のコンテンツ再生装置から同一コンテンツを受信して出力することを防止することができる。
【0016】
好ましい実施形態においては、同一コンテンツを記録している前記コンテンツ再生装置が複数存在する場合に、前記再生コンテンツリスト生成部が、前記再生コンテンツリストにおいて1つ前のコンテンツの送信元に決定されているコンテンツ再生装置を送信元のコンテンツ再生装置に決定する。
【0017】
この場合、コンテンツ送信元のコンテンツ再生装置の切替動作の回数を低減することができる。
【0018】
好ましい実施形態においては、前記再生コンテンツリストにおいて1つ前のコンテンツの送信元に決定されているコンテンツ再生装置が存在しない場合に、前記再生コンテンツリスト生成部が、1つ後のコンテンツを記録しているコンテンツ再生装置を送信元のコンテンツ再生装置に決定する。
【0019】
この場合、コンテンツ送信元のコンテンツ再生装置の切替回数を低減することができる。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態によるクレードルは、第1コンテンツ再生装置が接続可能な第1接続部と、第2コンテンツ再生装置が接続可能な第2接続部と、コンテンツデータを出力する出力部と、前記第1コンテンツ再生装置、または、前記第2コンテンツ再生装置を制御するコントローラと、前記第1接続部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記第2接続部と前記コントローラとを接続するかを切り換えるスイッチと、前記スイッチを切り換え制御するスイッチ制御部と、前記第1コンテンツ再生装置に記録されている複数のコンテンツのコンテンツリストを前記第1コンテンツ再生装置から取得し、前記第2コンテンツ再生装置に記録されている複数のコンテンツのコンテンツリストを前記第2コンテンツ再生装置から取得するコンテンツリスト取得部と、両方の前記コンテンツ再生装置に記録されている同一コンテンツが重複して登録されないように、前記第1コンテンツ再生装置のコンテンツリストと、前記第2コンテンツ再生装置のコンテンツリストとを統合し、再生コンテンツリストを生成する再生コンテンツリスト生成部と、前記再生コンテンツリストに登録されているコンテンツを順次選択する選択部とを備え、選択された前記コンテンツが前記第1コンテンツ再生装置に記録されているコンテンツである場合、前記スイッチ制御部が、前記スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、前記コントローラが、前記第1コンテンツ再生装置に選択された前記コンテンツを再生させ、選択された前記コンテンツが前記第2コンテンツ再生装置に記録されているコンテンツである場合、前記スイッチ制御部が、前記スイッチに前記第2接続部と前記コントローラとを接続させ、前記コントローラが、前記第2コンテンツ再生装置に選択された前記コンテンツを再生させる、クレードル。
【発明の効果】
【0021】
複数のコンテンツ再生装置に同一のコンテンツが記録されている場合に同一のコンテンツが重複して出力されることを防止するクレードルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のクレードル1および増幅装置5等を示すブロック図である。
【図2】クレードル1等のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】クレードル1等の外観図である。
【図4】DAP2の曲リストを示す図である。
【図5】DAP3の曲リストを示す図である。
【図6】DAP2の曲リストとDAP3の曲リストとを統合した再生曲リストを示す図である。
【図7】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図8】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図9】DAP2の曲リストとDAP3の曲リストとを統合した再生曲リストを示す図である。
【図10】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図11】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図12】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図13】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図14】DAP2の曲リストとDAP3の曲リストとDAP100の曲リストとを統合した再生曲リストを示す図である。
【図15】本発明のクレードル1および増幅装置5等を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態によるクレードル1、携帯型コンテンツ再生装置(以下、DAP(Digital Audio Player)という。)2,3、増幅装置5、およびリモコン送信機6,7を示す図である。クレードル1には、USB(Universal
Serial Bus)等の任意の通信ラインを介してDAP2,3が接続可能である。なお、USBの代わりにIEEE1394やHDMI等が採用されてもよい。クレードル1は、デジタルオーディオケーブル及び制御信号ケーブルを介して増幅装置5に接続可能である。また、3つ以上のDAPがクレードル1に接続可能でもよい。
【0024】
クレードル1は、DAP2,3に直流電源電圧を供給することにより、DAP2,3にバッテリを充電させる。DAP2,3は、ホストコントローラと通信しているときに(例えば、ホストコントローラからUSBを介して充電コマンドを所定時間間隔で受信しているときに)バッテリに充電を実行し、ホストコントローラと通信していないときに(例えば、ホストコントローラからUSBを介して充電コマンドを所定時間間隔で受信していないときに)バッテリに充電を実行しない。従って、クレードル1は、DAP2,3を継続的に充電するために、ホストコントローラからDAP2,3に充電コマンドを所定時間間隔で送信し続けなければならない。
【0025】
DAP2、3は、各々が内蔵するHDDやフラッシュメモリ等の記録媒体に記録されたコンテンツ(曲ファイル)を再生(例えばデコード)し、オーディオデータをUSB経由でクレードル1に送信する。クレードル1は、DAP2、3から受信したオーディオデータを増幅装置5に送信する。増幅装置5はクレードル1から受信したオーディオデータを再生(例えば、DA変換、音量調整および増幅)し、外部に接続された図示しないスピーカーから音声を出力する。
【0026】
増幅装置5は、ユーザ操作に応じてリモコン送信機6からリモコン信号を受信すると、クレードル1に制御信号(例えば、DAP2又は3を再生開始させる制御信号)を送信する。クレードル1は、増幅装置5から制御信号を受信すると、DAP2又は3を制御する制御信号に変換し、DAP2又は3に送信し、DAP2又は3を制御する。クレードル1は、ユーザ操作に応じて、リモコン送信機7からリモコン信号を受信する、又は、クレードル1に設けられた操作部が操作されると、制御信号をDAP2又は3に送信し、DAP2又は3を制御する。
【0027】
図2は、クレードル1等のハードウェアを示す概略ブロック図である。図3は、クレードル1の外観図である。クレードル1は、マイコン(スイッチ制御部)1Aと、ホストコントローラ1Bと、スイッチ1Gと、電源部1Iと、リモコン受信部1Jと、操作部1Kと、コネクタ(第1接続部)1Lと、コネクタ(第2接続部)1Mと、デジタルオーディオ出力端子(以下、出力端子という。)1Oと、制御信号入出力端子1Pとを備える。
【0028】
マイコン1Aは、図示しないメモリに格納されたプログラムに基づいてクレードル1全体を制御する。マイコン1Aは、操作部1Kのユーザ操作、リモコン受信部1Jに入力されるリモコン信号、増幅装置5から受信する制御信号、および、再生曲リストによる再生対象のDAPに応じて、スイッチ1Gを切り換え制御する。
【0029】
マイコン1Aは、DAP2、3の各々が記録する曲ファイルのコンテンツ情報の一覧であるコンテンツリスト(以下、曲リストという。)をDAP2、3から取得し、メモリに保存する。コンテンツ情報は、曲ファイルを特定する特定情報(メタデータ)であり、例えば、曲名、アーティスト名等である。図4はDAP2の曲リストの一例を示し、図5はDAP3の曲リストの一例を示す。これらの曲リストには、曲IDに対応付けて、曲名、アーティスト名、曲ファイルのビットレート、曲ファイルの再生回数が登録されている。
【0030】
マイコン1Aは、DAP2の曲リストと、DAP3の曲リストとを統合し、再生コンテンツリスト(以下、再生曲リストという。)を生成する。DAP2の曲リストと、DAP3の曲リストとで重複している曲ファイル(つまり、同一曲)については、いずれか一方の曲ファイルのみが再生曲リストに含められる。本実施形態においては、複数のDAPに重複している曲ファイルについては、最初にクレードル1に接続されたDAPの曲ファイルが再生曲リストに含められる。
【0031】
図6は、図5の曲リストと図6の曲リストとを統合した再生曲リストの一例を示す。再生曲リストは、曲IDに対応付けて、曲名、アーティスト名、及び、曲ファイルを記録しているDAP特定情報を含む。DAP特定情報は、例えばDAPの機種情報や識別情報等であるが、曲ファイルを記録しているDAPが接続されているコネクタ1L又は1Mの情報を管理してもよい。
【0032】
マイコン1Aは、再生曲リストに登録されている曲ファイルの再生順序を必要に応じシャッフルする。マイコン1Aは、再生曲リストに登録されている再生順番で(つまり再生曲リストの上から順に)、曲ファイルのオーディオデータをDAPから取得して、増幅装置5にオーディオデータを出力するようにクレードル1の各部を制御する。
【0033】
ホストコントローラ1Bは、スイッチ1Gと、出力端子1Oと、マイコン1Aとに接続されている。ホストコントローラ1Bは、DAP2に接続されているとき、マイコン1Aからの制御信号をDAP2に送信し、DAP2を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP2に接続されているとき、DAP2からオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5に出力する。また、ホストコントローラ1Bは、DAP3に接続されているとき、マイコン1Aからの制御信号をDAP3に送信し、DAP3を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP3に接続されているとき、DAP3からオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5に出力する。
【0034】
なお、本発明の構成には必須ではないが、実際の製品の場合には、ホストコントローラ1Bと出力端子1Oとの間には、ホストコントローラ1BからのオーディオデータをSPDIF形式に変換するデジタルオーディオ送信部が設けられるとよい。
【0035】
スイッチ1Gは、コネクタ1L(すなわち、DAP2)とホストコントローラ1Bとを接続させるか、又は、コネクタ1M(すなわち、DAP3)とホストコントローラ1Bとを接続させるかをマイコン1Aからの指示に基づいて切り換える。スイッチ1Gは、例えば、USB2.0対応高速バススイッチ等が採用される。
【0036】
マイコン1Aは、再生曲リストにおいて再生対象の曲ファイルがDAP2の曲である場合、スイッチ1Gにコネクタ1L(つまり、DAP2)とホストコントローラ1Bとを接続させる。ホストコントローラ1Bは、マイコン1Aの指示に応じて、再生曲リストにおいて再生対象の曲ファイルを再生するようにDAP2にコマンドを送信する。つまり、このコマンドには、曲ID、及び/又は、曲名およびアーティスト名の組合せが含まれている。DAP2は、当該コマンドを受信すると、受信したコマンドで特定される曲ファイルを再生し、オーディオデータをクレードル1のコネクタ1Lに出力する。
【0037】
マイコン1Aは、再生曲リストにおいて再生対象の曲ファイルがDAP3の曲である場合、スイッチ1Gにコネクタ1M(つまり、DAP3)とホストコントローラ1Bとを接続させる。ホストコントローラ1Bは、マイコン1Aの指示に応じて、再生曲リストにおいて再生対象の曲ファイルを再生するようにDAP3にコマンドを送信する。つまり、このコマンドには、曲ID、及び/又は、曲名およびアーティスト名の組合せが含まれている。DAP3は、当該コマンドを受信すると、受信したコマンドで特定される曲ファイルを再生し、オーディオデータをクレードル1のコネクタ1Mに出力する。
【0038】
電源部1Iは、図3に示す電源コネクタから商用交流電源が供給され、商用交流電源から直流電源電圧を生成し、クレードル1の各部に供給し、かつ、コネクタ1Lを介してDAP2に供給する。DAP2に供給された直流電源電圧は、DAP2がバッテリを充電するために使用される。また、電源部1Iは、直流電源電圧を、コネクタ1Mを介してDAP3に供給する(図示せず)。DAP3に供給された直流電源電圧は、DAP3がバッテリを充電するために使用される。
【0039】
リモコン受信部1Jは、クレードル1用のリモコン送信機7からリモコン信号を受信し、マイコン1Aに制御信号を供給する。
【0040】
操作部1Kは、ユーザ操作に基づく指示を受け付けるものである。操作部1Kは、オーディオセレクタスイッチであるDAP2ボタン、DAP3ボタンを含む。DAP2ボタンは、クレードル1がDAP2からのオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5へと出力する状態(以下、DAP2再生状態という。)に切り換えるためのボタンである。DAP3ボタンは、クレードル1がDAP3からのオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5へと出力する状態(以下、DAP3再生状態という。)に切り換えるためのボタンである。これらのボタンはリモコン送信機7にも同様に設けられている。
【0041】
コネクタ1Lは、DAP2のコネクタと接続可能である。コネクタ1Lは、USB端子(データラインD+,D−及び5V電源ラインの各端子)、及び、DAP2から接続検出信号を受信する端子を含む。コネクタ1Lは、マイコン1A、スイッチ1Gおよび電源部1Iに接続されている。
【0042】
コネクタ1Mは、DAP3のコネクタと接続可能である。コネクタ1Mは、USB端子(データラインD+,D−及び5V電源ラインの各端子)、及び、DAP3から接続検出信号を受信する端子を含む。コネクタ1Mは、マイコン1A、スイッチ1Gおよび電源部1Iに接続されている。
【0043】
制御信号入出力端子1Pは、マイコン1Aに接続されており、増幅装置5に制御信号ラインを介して接続可能である。増幅装置5は、増幅装置5用のリモコン送信機6からのリモコン信号を受信すると、制御信号を制御信号入出力端子1Pに送信する。制御信号入出力端子1Pは、増幅装置5からの制御信号を受信し、マイコン1Aに供給する。マイコン1Aは、制御信号入出力端子1Pを介して、増幅装置5に制御信号を送信する。
【0044】
DAP2は、HDD2Aおよび再生部2B等を備える。再生部2Bは、HDDに記録されたコンテンツ(つまり、曲ファイル)を再生し、クレードル1にオーディオデータを出力する。DAP3は、HDD3Aおよび再生部3B等を備える。再生部3Bは、HDDに記録された曲ファイルを再生し、クレードル1にオーディオデータを出力する。DAP2、3自体は一般的なものが採用されるとよい。
【0045】
以上の構成において、3つ以上のDAPがクレードル1に接続可能な場合にも、上記の説明を援用する。
【0046】
以下、クレードル1の動作を説明する。図7は、マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。マイコン1Aは、コネクタにDAPが接続されたか否かを判断している(S1)。DAPが接続されたか否かは周知の方法によって判断されるとよい。DAPが接続された場合(S1でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Gに、新たに接続されたDAPとホストコントローラ1Bとを接続させる。マイコン1Aは、ホストコントローラ1Bを介して新たに接続されたDAPから機種情報を取得する(S2)。続いて、マイコン1Aは、ホストコントローラ1Bを介して新たに接続されたDAPから曲リストを取得する(S3)。例えば、DAP2がコネクタ1Lに接続された場合には、図4の曲リストが取得され、DAP3がコネクタ1Mに接続された場合には、図5の曲リストが取得される。
【0047】
マイコン1Aは、他のDAPが既に接続されているか否か、つまり既に再生曲リストが他のDAPの曲リストに基づいて生成済みであるか否かを判断する(S4)。コネクタ1L、1MのいずれもDAPが接続されていないときに、DAPがコネクタに接続された場合(S4でNO)、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPから取得した曲リストに含まれている全ての曲ファイルの情報を再生曲リストに登録する(S5)。つまり、新たに接続されたDAPから取得した曲リストの全曲ファイルの曲ID、曲名、アーティスト名が再生曲リストに登録され、DAP特定情報として新たに接続されたDAPの機種情報などが登録される。その後、処理はS10に進む。
【0048】
一方、他のDAPが既に接続されている場合、つまり、再生曲リストが生成済みである場合(S4でYES)、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの曲リストの曲ファイルを上から順に1つ選択する(S6)。例えば、DAP2が接続済みの状態で、コネクタ1MにDAP3が新たに接続された場合、図5の曲リストにおいて、曲名yyy、アーティスト名YYYの曲ファイルが選択される。マイコン1Aは、曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みであるか否か、すなわち接続されている他のDAPに同一曲ファイルが記録されているか否かを判断する(S7)。
【0049】
曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みでない場合(S7でNO)、マイコン1Aは、選択された曲名、アーティスト名の曲ファイルを再生曲リストに登録し(S8)、S9に進む。例えば既にDAP2が接続されており図4のDAP2の曲リストに基づく再生曲リストが生成済みであり、S6で選択された曲ファイルが図5のDAP3の曲リストの曲名yyy、アーティスト名YYYの曲ファイルである場合、曲名yyy、アーティスト名YYYの曲ファイルは再生曲リストには登録されていない。従って、図6に示すように、選択された曲名yyy、アーティスト名YYYの曲ファイルが再生曲リストに登録される。そして、DAP特定情報として、新たに接続されたDAP3のDAP特定情報が登録される。
【0050】
一方、曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みである場合(S7でYES)、マイコン1Aは、選択された曲名、アーティスト名の曲ファイルを再生曲リストに登録せずに、S9に進む。例えば既にDAP2が接続されており図4のDAP2の曲リストに基づく再生曲リストが生成済みであり、S6で選択された曲ファイルが図5のDAP3の曲リストの曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルである場合、曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルは再生曲リストには登録されている。従って、図6に示すように、曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルが再生曲リストに登録されない。
【0051】
S9において、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの曲リストの全ての曲ファイルについて再生曲リストへの登録の必要性を判断済みであるか否かを判断する。未だ判断済みでない場合(S9でNO)、S6に戻って、新たに接続されたDAPの曲リストの次の曲ファイルを選択し(S6)、上記の処理を繰り返す。これにより、新たに接続されたDAPの曲リストの全ての曲ファイルについて、再生曲リストに登録されていない曲ファイルを再生曲リストに登録する処理が実行される。従って、既に再生曲リストに登録されている曲ファイルが再生曲リストに再度登録されることはないので、再生曲リストに重複して同じ曲ファイルが登録されることを防止できる。
【0052】
マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの曲リストの全ての曲ファイルについて再生曲リストへの登録の必要性を判断済みである場合(S9でYES)、S10に進む。S10では、マイコン1Aは、再生曲リストに登録されている曲ファイルの再生順番を必要に応じてシャッフル(並べ替え)する。シャッフルの方法自体は周知の任意の方法が採用されるとよい。
【0053】
マイコン1Aは、再生曲リストに登録されている再生順番に(上から順番に)、曲ファイルを1つ選択する。マイコン1Aは、選択した曲ファイルのDAP特定情報から曲ファイルを記録しているDAPを判断し、そのDAPに、選択された曲ファイルを再生し、オーディオデータをクレードル1に対して出力するようにコマンドを送信する。また、マイコン1Aは、DAPからのオーディオデータを受信できるように、スイッチ1Gをオーディオデータを受信する方のDAP側のコネクタに切替えさせる。ホストコントローラ1Bは、DAPから受信したオーディオデータを増幅装置5に出力する。
【0054】
以上のように、本実施形態によると、DAP2、3に記録されている曲ファイルを統合してシャッフル再生することができ、DAP2、3に重複して記録されている同一曲ファイルを重複して再生することを防止することができる。
【0055】
次に、別の好ましい実施形態を説明する。図8は、本例の処理を示すフローチャートであり、図7と同じ処理には同一符号を付し、説明を省略する。S7において、曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みである場合、すなわち既に接続されている他のDAPに同一曲ファイルが記録されている場合(S7でYES)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルのビットレートが、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルのビットレートよりも大であるか否かを判断する(S12)。つまり、S6で選択された曲ファイルのコンテンツ品質が、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルのコンテンツ品質よりも優れるか否かを判断する。コンテンツ品質は、ビットレートの他に、曲ファイルのファイルサイズ(大きい方が品質が優れる)や、曲ファイルの圧縮フォーマット(MP3やWMA等)でもよい。
【0056】
S6で選択された曲ファイルのビットレートが、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルのビットレートよりも大である場合(S12でYES)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルを再生曲リストに登録し、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルを再生曲リストから削除する(S8)。従って、クレードル1に接続された複数のDAPに重複して記録されている曲ファイルについては、ビットレートが高い方が優先的に再生曲リストに登録されるので、ビートレートが高い方の曲ファイルのオーディオデータを増幅装置5に出力することができる。例えば、DAP2が先に接続され図4の曲リストに基づいて再生曲リストが生成されており、DPA3が新たに接続された場合に、S6において図5に示すDAP3の曲リストから曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルが選択されたとき、DAP3の曲ファイルの方がビットレートが高い(DAP3が256kbpsで、DAP2が128kbps)ので、図9の再生曲リストに示すように、DAP3の曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルが再生曲リストに登録され、DAP2の曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルが再生曲リストから削除される。
【0057】
S6で選択された曲ファイルのビットレートが、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルのビットレート以下である場合(S12でNO)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルを再生曲リストに登録せずに、S9に進む。例えば、DAP2が先に接続され図4の曲リストに基づいて再生曲リストが生成されており、DAP3が新たに接続された場合に、S6において図5に示すDAP3の曲リストから曲名eee、アーティスト名EEEの曲ファイルが選択されたとき、DAP3の曲ファイルのビットレートがDAP2の曲ファイルのビットレート以下である(DAP3が96kbpsで、DAP2が128kbps)ので、図9の再生曲リストに示すように、DAP3の曲名eee、アーティスト名EEEの曲ファイルが再生曲リストに登録されず、DAP2の曲名eee、アーティスト名EEEの曲ファイルが再生曲リストに残される。
【0058】
次に、さらに別の好ましい実施形態を説明する。図10は、本例の処理を示すフローチャートであり、図7と同じ処理には同一符号を付し、説明を省略する。S7において、曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みである場合、すなわち既に接続されている他のDAPに同一曲ファイルが記録されている場合(S7でYES)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルの再生回数が、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルの再生回数よりも多いか否かを判断する(S13)。
【0059】
S6で選択された曲ファイルの再生回数が、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルの再生回数よりも多い場合(S13でYES)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルを再生曲リストに登録し、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルを再生曲リストから削除する(S8)。従って、クレードル1に接続された複数のDAPに重複して記録されている曲ファイルについては、再生回数が多い方が優先的に再生曲リストに登録されるので、ユーザが所望すると考えられる再生回数が多い方の曲ファイルのオーディオデータを増幅装置5に出力することができる。
【0060】
S6で選択された曲ファイルの再生回数が、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルの再生回数以下である場合(S13でNO)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルを再生曲リストに登録せずに、S9に進む。
【0061】
次に、さらに別の好ましい実施形態を説明する。図11は、本例の処理を示すフローチャートであり、図7と同じ処理には同一符号を付し、説明を省略する。S7において、曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みである場合、すなわち既に接続されている他のDAPに同一曲ファイルが記録されている場合(S7でYES)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルを再生曲リストに登録し、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルを再生曲リストから削除する。その他の処理は、図7と同じである。
【0062】
次に、さらに別の好ましい実施形態を説明する。図12は、本例の処理を示すフローチャートであり、図7と同じ処理には同一符号を付し、説明を省略する。S7において、曲名およびアーティスト名の組合せが同じ曲ファイル(すなわち同一曲ファイル)が再生曲ファイルに登録済みである場合、すなわち既に接続されている他のDAPに同一曲ファイルが記録されている場合(S7でYES)、マイコン1Aは、S6で選択された曲ファイルを、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルから所定曲数(例えば30曲)以上離して、再生曲リストに登録する。但し、既に複数の同一曲ファイルが再生曲リストに登録されている場合、最後に再生曲リストに登録された(つまり再生曲リストの一番下側に登録されている)曲ファイルから所定曲数以上離して登録されるとよい。なお、所定曲数離することができない場合には図7の場合と同様に登録しないようにするとよい。その他の処理は、図6と同じである。この場合には、複数のDAPに同一曲ファイルが記録されている場合でも、少なくとも所定曲数については、重複した曲ファイルが再生されることを防止することができる。
【0063】
また、図12の処理において同一曲ファイルの再生時期を所定曲数以上離す代わりに、既に再生曲リストに登録されている同一曲ファイルと所定再生時間(例えば3時間)以上離すようにして、再生曲リストに登録してもよい。この場合、各DAPから取得する曲リストには各曲ファイルの再生時間の情報が含まれており、各曲ファイルの再生時間を合計することによって、同一曲ファイルの再生時期を所定時間以上離すようにして再生曲リストに登録される。
【0064】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、複数のDAPに同じ曲ファイルが記録されている場合に、曲ファイルを再生曲リスト順に再生したときに再生対象(コンテンツ送信元)のDAPの切替動作を可能な限り防止するように、再生対象のDAPを選択する。再生対象のDAPを切替える際にはスイッチ1Gの切替音が発生するので、切替音の発生回数を低減するためである。また、再生対象のDAPを切替える際に、複数のDAP間で音切れ無く連続的に曲データを出力するのが困難だからである。図13は、本例の処理を示すフローチャートであり、図14は再生曲リストを示す図である。なお、本例においては、クレードル1に3つのDAP(DAP2、DAP3、DAP100)が接続される場合を説明するが、DAPが2つ接続されている場合や、4つ以上接続されている場合も同様である。
【0065】
図13に示すように、マイコン1Aは、3つのDAPからそれぞれ曲リストを順次取得する(S21)。マイコン1Aは、取得した曲リストから図14に示すように再生曲リストを生成する(S22)。再生曲リストは、再生番号を示すインデックスiに対応付けて、曲名と、アーティスト名と、各DAP毎に曲IDと再生対象であるか否かを示すフラグが登録される。曲IDは、そのDAPに曲ファイルが記録されている場合に登録され、曲ファイルが記録されていない場合には登録されない。図14では、曲名aaa、アーティスト名AAAの曲ファイルは、DAP2のみに記録されており、曲IDはID1aである。また、曲名ccc、アーティスト名CCCの曲ファイルは、DAP2とDAP3とに記録されており、その曲IDはそれぞれID1c、ID2aである。再生対象のフラグは、○が登録されているDAPは曲ファイルを再生する再生対象のDAPであり、×が登録されているDAPは曲ファイルを再生しない再生対象ではないDAPである。従って、同じDAPで可能な限り連続して再生対象フラグに○が登録されるように再生対象を決定することで、再生対象のDAPの切替動作の回数を低減することができる。
【0066】
S24〜S31では再生対象を決定する。マイコン1Aは、再生曲リストの再生番号iを1に設定する(S23)。マイコン1Aは、再生番号iで特定される曲ファイルが複数のDAPに記録されているか否かを、再生曲リストを参照して判断する(S24)。曲ファイルが1つのDAPにしか記録されていない場合(S24でNO)、マイコン1Aは、当該曲ファイルを記録している唯一のDAPを自動的に再生対象に決定し、再生曲リストの再生対象フラグに○を登録する(S25)。その後、処理はS31に進む。例えば、曲名aaa、アーティスト名AAAの曲ファイルや、曲名bbb、アーティスト名BBBの曲ファイルは、DAP2しか記録していないので、自動的にDAP2が再生対象となる。
【0067】
一方、曲ファイルが複数のDAPに記録されている場合(S24でYES)、マイコン1Aは、再生番号iの曲ファイルを記録している複数のDAPのうち、再生番号iで特定される曲ファイルの1つ前の曲ファイル(再生番号i−1)の曲ファイルの再生対象となっているDAPが存在するか否かを判断する(S26)。存在する場合(S26でYES)、マイコン1Aは、再生番号i−1の曲ファイルの再生対象となっているDAPを再生対象に決定し、再生曲リストの再生対象フラグに○を登録する(S27)。1つ前の曲ファイルの再生対象となっているDAPを再生対象とすることによって、再生対象のDAPを切替える必要がなくなるからである。例えば、曲名fff、アーティスト名FFFの曲ファイルは、DAP2とDAP3とに記録されているが、1つ前の曲ファイルの再生対象がDAP2であるので、DAP2が再生対象に決定される。
【0068】
S26において存在しないと判断される場合(S26でNO)、マイコン1Aは、再生番号iの曲ファイルを記録している複数のDAPのうち、再生番号iで特定される曲ファイルの1つ後の曲ファイル(再生番号i+1)の曲ファイルを記録しているDAPが存在するか否かを判断する(S28)。存在する場合(S28でYES)、マイコン1Aは、再生番号i+1の曲ファイルを記録しているDAPを再生対象に決定し、再生曲リストの再生対象フラグに○を登録する(S29)。1つ後の曲ファイルを記録しているDAPを再生対象と決定し、かつ、次のS26、S27の処理において、同じDAPを1つ後の曲ファイルの再生対象として決定することによって、再生対象のDAPを切替える必要がなくなるからである。例えば、曲名eee、アーティスト名EEEの曲ファイルは、DAP2とDAP100とに記録されているが、1つ後の曲ファイルをDAP2が記録しているので、DAP2が再生対象に決定される。なお、S29において、再生番号i+1の曲ファイルを複数のDAPが記録している場合には、そのうちの任意のDAPが再生対象として決定される。好ましくは、再生番号i+2の曲ファイルも記録しているDAPが存在すれば、そのDAPを再生対象として決定するとよい。
【0069】
一方、S28において存在しないと判断された場合(S28でNO)、マイコン1Aは、再生番号iの曲ファイルを記録している複数のDAPのうち、任意のDAPを再生対象に決定する(S30)。例えば、記録している曲ファイルの数が最大であるDAPを選択してもよく、これまでに再生対象に決定された曲ファイルの数が最大であるDAPが選択されるとよい。
【0070】
マイコン1Aは、再生番号iが再生曲リストに登録されている曲ファイルの総数に達したか否か、すなわち、再生曲リストに登録されている全ての曲ファイルについて、再生対象のDAPを決定したか否かを判断する(S31)。未だ全ての曲ファイルについて再生対象のDAPを決定していない場合(S31でNO)、マイコン1Aは、再生番号iをインクリメントし(S32)、S24に戻って、上記の処理を繰り返す。全ての曲ファイルについて再生対象のDAPを決定した場合(S31でYES)、処理を終了する。
【0071】
以上の処理によって、可能な限り再生対象のDAPを切替えないようにすることができるので、スイッチ1Gの切替動作に伴う切替音の発生回数を減らすことができる。
【0072】
図15は、本発明の別の好ましい実施形態によるクレードル101のハードウェア構成を示す図である。このクレードル101は、PC4がUSB端子1Nに接続可能である。PC4もHDD4Bに複数の曲ファイルが記録しており、曲リストをクレードル1に供給する。クレードル1のマイコン1Aは、DAP2、3に加えてPC4から受信した曲リストを統合し、再生曲リストを生成する。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。オーディオデータの代わりに映像データや静止画データが採用されてもよく、これらを総称してコンテンツという。コンテンツを所定フォーマットでエンコードしたものをコンテンツファイルという。また、本発明は、上記のクレードルの動作をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムという形態で提供することもできる。携帯型コンテンツ再生装置は、携帯電話、ポータブルカーナビ、ポータブルTV、ポータブルCDプレーヤ、携帯ゲーム機等でもよい。また、本発明は、クレードル1と増幅装置5とが1つの筐体内に設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、コンテンツ再生装置のクレードルに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0075】
1 クレードル
1A マイコン(スイッチ制御部)
1B ホストコントローラ
1G スイッチ
1I 電源部
1J リモコン受信部
1K 操作部
1L DAP接続コネクタ
1M DAP接続コネクタ
1O 出力端子
1P 制御信号入出力端子
2 携帯型コンテンツ再生装置
3 携帯型コンテンツ再生装置
5 増幅装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツ再生装置が接続可能であり、
前記複数のコンテンツ再生装置の各々から、前記各コンテンツ再生装置が記録するコンテンツの一覧であるコンテンツリストを取得するコンテンツリスト取得部と、
前記複数のコンテンツ再生装置に記録されている同一コンテンツが重複して登録されないように、前記複数のコンテンツ再生装置のコンテンツリストを統合し、再生コンテンツリストを生成する再生コンテンツリスト生成部と、
前記再生コンテンツリストに登録されているコンテンツを順次選択する選択部と、
選択されたコンテンツデータを前記複数のコンテンツ再生装置のいずれかから受信するコンテンツ受信部と、
受信されたコンテンツデータを出力する出力部とを備える、クレードル。
【請求項2】
未だ他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されていない状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、前記再生コンテンツリスト生成部が、接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストのみから前記再生コンテンツリストを生成し、
他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに既に接続されている状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、前記再生コンテンツリスト生成部が、新たに接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて、前記再生コンテンツリストに未だ登録されていないコンテンツのみを前記再生コンテンツリストに登録する、請求項1に記載のクレードル。
【請求項3】
他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに既に接続されている状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、新たに接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツと同じコンテンツであっても、そのコンテンツ品質が前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツのコンテンツ品質よりも優れる場合には、前記再生コンテンツリスト生成部が、当該コンテンツを前記再生コンテンツリストに登録し、既に前記再生コンテンツリストに登録されている同じコンテンツを前記再生コンテンツリストから削除する、請求項2に記載のクレードル。
【請求項4】
他のコンテンツ再生装置が前記クレードルに既に接続されている状態で、前記コンテンツ再生装置が前記クレードルに接続されたとき、新たに接続された前記コンテンツ再生装置のコンテンツリストにおいて前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツと同じコンテンツであっても、その再生回数が前記再生コンテンツリストに既に登録されているコンテンツの再生回数よりも多い場合には、前記再生コンテンツリスト生成部が、当該コンテンツを前記再生コンテンツリストに登録し、既に前記再生コンテンツリストに登録されている同じコンテンツを前記再生コンテンツリストから削除する、請求項2に記載のクレードル。
【請求項5】
前記再生コンテンツリスト生成部が、前記複数のコンテンツ再生装置に記録されている同一コンテンツが所定曲数以上の間または所定時間以上、重複して再生されないように、前記複数のコンテンツ再生装置のコンテンツリストを統合し、前記再生コンテンツリストを生成する、請求項1に記載のクレードル。
【請求項6】
同一コンテンツを記録している前記コンテンツ再生装置が複数存在する場合に、前記再生コンテンツリスト生成部が、前記再生コンテンツリストにおいて1つ前のコンテンツの送信元に決定されているコンテンツ再生装置を送信元のコンテンツ再生装置に決定する、請求項1に記載のクレードル。
【請求項7】
前記再生コンテンツリストにおいて1つ前のコンテンツの送信元に決定されているコンテンツ再生装置が存在しない場合に、前記再生コンテンツリスト生成部が、1つ後のコンテンツを記録しているコンテンツ再生装置を送信元のコンテンツ再生装置に決定する、請求項6に記載のクレードル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−198955(P2012−198955A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61660(P2011−61660)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】