説明

コンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置

【課題】コンバインにおいて操作性の向上を図れる穀粒排出用オーガの操作装置を提供する。
【解決手段】走行機体に備えられた穀粒排出用オーガの旋回並びに昇降を指令する手動操作式の指令スイッチ47,48と、穀粒排出用オーガの穀粒排出状態と穀粒停止状態とを切り替える揺動式の排出クラッチレバー45とを、運転座席13の横側の位置に配置された操作パネル27に設けてあるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、操作パネル27は、第1操作パネル部27Aと、その前方で一段低く形成された第2操作パネル部27Bとを備えて構成してあり、排出クラッチレバー45は、第1操作パネル部27Aに前後に揺動自在に配置してあり、指令スイッチ47,48は、第2操作パネル部27Bの上面に配置してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に備えられた穀粒排出用オーガの旋回並びに昇降を指令する手動操作式の指令スイッチと、前記穀粒排出用オーガの穀粒排出状態と穀粒停止状態とを切り替える揺動式の排出クラッチレバーとを、運転座席の横側の位置に配置された操作パネルに設けてあるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置としては、同一平面の一つの操作パネルに、排出クラッチレバーと、指令スイッチとを隣接する状態に配置してあるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−019480号公報(段落番号〔0041〕、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置によれば、同一平面の一つの操作パネルに、排出クラッチレバーと、指令スイッチとを隣接する状態に配置してあるから、排出クラッチレバーが直立状態にあるときには、排出クラッチレバーの操作部分は指令スイッチの操作部分とは離れているから、夫々の操作が干渉することはない。
しかし、排出クラッチレバーが揺動操作されて倒れ状態にあるときには、排出クラッチレバーの操作部分は操作パネルに近い位置まで下がってくるから、指令スイッチの操作部分と近接する関係となり、相互の操作が干渉する虞がある。
従って、排出クラッチレバーや指令スイッチが操作し難い配置となっており、操作性の向上が望まれていた。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、操作性の向上を図れるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、走行機体に備えられた穀粒排出用オーガの旋回並びに昇降を指令する手動操作式の指令スイッチと、前記穀粒排出用オーガの穀粒排出状態と穀粒停止状態とを切り替える揺動式の排出クラッチレバーとを、運転座席の横側の位置に配置された操作パネルに設けてあるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、前記操作パネルは、第1操作パネル部と、その前方で一段低く形成された第2操作パネル部とを備えて構成してあり、前記排出クラッチレバーは、前記第1操作パネル部に前後に揺動自在に配置してあり、前記指令スイッチは、前記第2操作パネル部の上面に配置してあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、排出クラッチレバーを、第2操作パネル部より一段高い第1操作パネル部に配置してあるから、排出クラッチレバーが倒れ状態にあるときでも、一段下の第2操作パネル部に配置されている指令スイッチとの間に距離を確保することができる。
従って、指令スイッチの存在を気にすることなく、排出クラッチレバーの揺動操作を行うことができるようになり、操作性の向上を図ることができる。
また、これと同様に、指令スイッチの操作についても、排出クラッチレバーの操作エリアが干渉しないから、操作上の拘束を受けることなく自由に効率よく操作することができる。
更には、排出クラッチレバーを、前後方向に揺動操作できるように構成してあるから、運転座席から操作する場合にも、不自然な姿勢になり難く、効率よく操作することができる。
以上の結果、排出クラッチレバーや指令スイッチを、自由に効率よく操ることができ、操作性の向上を図ることができる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記指令スイッチは、前記排出クラッチレバーの揺動軌跡と平面的に干渉しない位置に配置してあるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、排出クラッチレバーの揺動軌跡が、指令スイッチと平面的に干渉しないから、排出クラッチレバーと指令スイッチとの操作部どうしが、縦方向のみならず、横方向にも離間し、より確実に操作性の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記指令スイッチは、揺動下端部まで倒した入り操作状態の前記排出クラッチレバーの横側に配置してあるところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、指令スイッチと排出クラッチレバーとが干渉しないことに加えて、排出クラッチレバーを倒して入り操作状態にしたときに、指令スイッチが横側に位置しているから、相互の操作をするのに、手を大きく移動させずに実施することができ、より操作性の向上を図ることができる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記第1操作パネル部には、前記排出クラッチレバーの側方に間隔をあけて、脱穀装置の排稈処理切替レバーを並べて配置してあり、
前記第2操作パネル部に設けてある前記指令スイッチは、前記排稈処理切替レバーの揺動軌跡と平面的に干渉しない位置に配置してあるところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、排稈処理切替レバーの揺動軌跡が、指令スイッチと平面的に干渉しないから、排稈処理切替レバーと指令スイッチとの操作部どうしが、縦方向のみならず、横方向にも離間し、より確実に操作性の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の第5の特徴構成は、前記指令スイッチは、揺動下端部まで達した状態の前記排稈処理切替レバーの横側に配置してあるところにある。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、指令スイッチと排稈処理切替レバーとが干渉しないことに加えて、排稈処理切替レバーを倒した操作状態にしたときに、指令スイッチが横側に位置しているから、相互の操作をするのに、手を大きく移動させずに実施することができ、より操作性の向上を図ることができる。
【0016】
本発明の第6の特徴構成は、前記指令スイッチの操作部は、前記第1操作パネル部より下方に位置させてあるところにある。
【0017】
本発明の第6の特徴構成によれば、第1操作パネル部に設置されているレバー(排出クラッチレバーや排稈処理切替レバー)を、真横に倒した姿勢に揺動操作しても、更に、その下方側に指令スイッチの操作部が位置しているから、それぞれの操作範囲が重ならず、操作し易い。従って、より確実に操作性の向上を図ることができる。
【0018】
本発明の第7の特徴構成は、運転座席の後方で前記操作パネルの横に、エアクリーナを設置したクリーナ設置部が設けてあり、前記排出クラッチレバーの上端操作部は、前記クリーナ設置部の最上部より上方に設置してあるところにある。
【0019】
本発明の第7の特徴構成によれば、排出クラッチレバーを、クリーナ設置部に近接させて配置したとしても、排出クラッチレバーの上端操作部が、クリーナ設置部の最上部より上方に設置してあるから、上端操作部を握って操作する際にクリーナ設置部が邪魔になることが無く、円滑にレバー操作を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コンバインの右側面図
【図2】コンバインの左側面図
【図3】コンバインの平面図
【図4】コンバインのキャビン配設部の一部切欠右側面図
【図5】コンバインのキャビン配設部の一部切欠左側面図
【図6】運転部の平面図
【図7】排出クラッチレバーの設置状況を示す要部斜視図
【図8】操作パネルの支持構造を示す正面視説明図
【図9】操作パネルの支持構造を示す詳細断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明に係る穀粒排出用オーガの操作装置を搭載したコンバインについて説明する。
図1〜図3に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1の駆動により走行機体2が走行自在に構成され、その走行機体2の前部に、圃場の植立穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を後方に搬送する刈取部3が横軸芯P1周りに揺動自在に設けられている。
【0022】
刈取部3は、刈取対象穀稈を分草する分草具4、倒伏姿勢の植立穀稈を立姿勢に引起す引起し装置5、植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置6、及び、刈取穀稈を後方に搬送する縦搬送装置7等を備えて構成されている。
【0023】
走行機体2は、刈取部3にて刈り取られた刈取穀稈を受け取って脱穀および選別処理する脱穀装置8と、脱穀装置8にて脱穀および選別処理することにより得られた穀粒を貯留する穀粒タンク9とが機体フレーム10に搭載されるとともに、機体フレーム10に支持される状態で穀粒タンク9の前方箇所に運転部11が設けられ、運転部11の上方を覆うキャビン12が備えられている。
【0024】
脱穀部4は、脱穀フィードチェーン30にて刈取穀稈を搬送しながら扱室内で穂先側を扱胴31によって脱穀処理して(図2参照)、その脱穀処理で得られた処理物を下方に位置する揺動選別機構32による篩い選別や唐箕37からの選別風による風力選別などを施して、処理物を、単粒化穀粒、枝梗付き穀粒やワラ屑などの混在物、及び、切れワラやワラ屑などに選別し、単粒化穀粒を回収して穀粒タンク9に供給するように構成されている。尚、風力選別における唐箕37の風量を調節するのは、運転部11に備えたトウミ風量調節レバー36によって実施される。
又、脱穀処理されたあとの排稈は排稈処理装置33にて細断処理されるように構成されている。
【0025】
排稈処理の切替操作は、運転部11に備えた排稈処理切替レバー34によって実施される。排稈処理装置33の上面部には開閉操作自在な上面カバー35が排稈の通過経路に臨ませて設けてあり(図2参照)、排稈処理切替レバー34によって上面カバー35を開閉操作することによって、排稈の処理経路を切り替えることができる。
即ち、上面カバー35を開状態に操作することで、排稈処理装置33に達した排稈は、開口部分から排稈処理装置33内に入り、細断された後、コンバインの後方側に排出される。
一方、上面カバー35を閉状態に操作することで、排稈は上面カバー35の上を通過し、細断されないままの状態でコンバインの後方側に落下する。
【0026】
次に穀粒タンク9に貯留された穀粒を排出するための構成について説明する。
図1に示すように、穀粒タンク9の底部に前後方向に沿う状態で底部横送り搬送スクリュー40が設けられ、その底部横送り搬送スクリュー40の搬送終端部から上方に向けて、穀粒排出用オーガ42の縦送りスクリューコンベア42Aが延設され、この縦送りスクリューコンベア42Aの上部に、穀粒排出用オーガ42の横送りスクリューコンベア42Bの基端部が横軸芯Y2周りに揺動操作自在で、且つ、縦軸芯Y3周りに旋回操作自在に装備されている。
尚、図2、図3には、穀粒排出用オーガ42が格納用旋回位置に旋回した状態を示し、この格納用旋回位置に旋回した状態で穀粒排出用オーガ42を下降させて格納用保持具としての受止具43に受け止めさせて格納することになる。
底部横送り搬送スクリュー40の搬送始端部には、機体右前部に設けたエンジン23からの動力伝達を断続するベルトテンション式の穀粒排出クラッチの出力プーリ44が装着されており(図1参照)、穀粒排出クラッチの入切り操作は、運転部11に備えた排出クラッチレバー45によって実施できる。
また、縦送りスクリューコンベア42A、及び、横送りスクリューコンベア42Bで構成されている穀粒排出用オーガ42は、底部横送り搬送スクリュー40の駆動に対して従動するように構成されている。
【0027】
また、穀粒排出用オーガ42は、旋回用アクチュエータとして設けられた旋回用電動モータMにより走行機体2に対して旋回操作自在に、且つ、昇降用アクチュエータとして設けられたオーガ昇降シリンダ46により走行機体2に対して昇降操作自在に備えられている。
旋回用電動モータMの駆動操作は、運転部11に備えた旋回スイッチ(指令スイッチに相当)47によって実施でき(図6、図7参照)、オーガ昇降シリンダ46の駆動操作は、運転部11に備えた昇降スイッチ(指令スイッチに相当)48によって実施できる。
【0028】
図4及び図5に示すように、運転部11は、運転座席13の前方側に運転部ステップ14から立設する状態で操縦塔15が設けられ、この操縦塔15の上部には、操縦レバー16や各種の情報を表示する表示装置17等を備えたフロントパネル18が備えられている。運転座席13の左側には、変速レバー19その他の操作具を備えたサイドパネル20が設けられ、そのサイドパネル20の後方側には、主に穀粒排出用オーガ42の操作具を備えたサイドリアパネル(操作パネルに相当)27が設けられている。
【0029】
サイドパネル20は、図8に示すように、機体フレーム10に立設した第1支持フレームF1と、無段変速装置Hへの入力軸を覆うカバー筒Haに立設した第2支持フレームF2とによって支持されている。
第2支持フレームF2に関しては、入力軸の回転によって振動がサイドパネル20に伝達して騒音のもとになる虞があるため、第2支持フレームF2を長手方向に2分割に構成し、分割部材どうしの連結部に防振ゴムGを介在させて防振を図ってある。尚、第2支持フレームF2と機体フレーム10とには、ターンバックル付きのロッドF3を斜めに架け渡してあり、第2支持フレームF2の支持姿勢の安定と、補強とを図っている。
【0030】
サイドパネル20の下方側の右側面は壁体21によって機体内部と仕切られており、運転座席13の下側は、エンジンボンネット22の前側カバー部22Aによって原動部内部と仕切られている。又、運転座席13の後部側も後述するように外部と仕切られる構成となっている。
そして、この運転部11は上方がキャビン12によって覆われ、運転部11には外部空間と仕切られる状態で閉塞された空間である運転室R1が形成されている。
【0031】
運転座席13の後方側には、エンジン23における燃焼空気吸気系に接続されるエアクリーナ24を備えた給気部(クリーナ設置部に相当)R2が備えられ、エアクリーナ24に吸気ホース25を介して連通接続されたプレクリーナ26がエアクリーナ24の上方側の高い位置に配備され、機体上方の塵埃の少ない外気がプレクリーナ26およびエアクリーナ24で浄化されてエンジン燃焼空気として供給されるように構成されている。
運転室R1と給気部R2との間は、カバー部材29によって仕切られている。
【0032】
運転室R1内において、給気部R2の横側に位置するサイドリアパネル27について説明する。
サイドリアパネル27は、図6に示すように、サイドパネル20の後方側で、且つ、給気部R2の左側方、即ち、運転座席13の左後方に設けられており、サイドパネル20の上面より高い位置に配置されている。
サイドリアパネル27は、図7に示すように、運転室R1の後端部に位置する第1操作パネル部27Aと、その前方で一段低く形成された第2操作パネル部27Bとを備えて構成してある。
【0033】
第1操作パネル部27Aには、給気部R2に近い方から、排出クラッチレバー45、トウミ風量調節レバー36、排稈処理切替レバー34が間隔をあけて並列状態に配置されている。これらのレバーは、すべて前後方向に揺動操作できるように構成されている。
【0034】
給気部R2に最も近接している排出クラッチレバー45は、その上端操作部45aが、給気部R2のカバー部材29の最上部より上方に位置するように形成してあり、排出クラッチレバー45が直立状態で、排出クラッチが「切」となり、前方に倒した状態で、排出クラッチが「入」となる。
また、排出クラッチレバー45の上端側は、カバー部材29から遠ざかる方向へ屈曲させてあり、揺動操作の際に手がカバー部材29に摺れるのを防止し、操作性の向上を図っている。
【0035】
トウミ風量調整レバー36は、前端側が風量最大、後端側が風量最小となるように操作でき、揺動操作範囲は、排出クラッチレバー45や排稈処理切替レバー34に比べて小さい。
【0036】
排稈処理切替レバー34は、直立状態で、上面カバー35が閉状態、前方に倒した状態で、上面カバー35が開状態となる。
【0037】
第2操作パネル部27Bには、給気部R2に近い方から、旋回スイッチ47と、昇降スイッチ48とが、間隔をあけて設けてある。また、他のスイッチ類も設けられている。
旋回スイッチ47と昇降スイッチ48とは、トウミ風量調整レバー36と排稈処理切替レバー34との揺動軌跡を含む縦面どうしの間に配置してあり、各スイッチの操作部47a,48aは、第1操作パネル部27Aより下方に位置させてある。
従って、排出クラッチレバー45や排稈処理切替レバー34を、揺動下端部まで倒して状態で、旋回スイッチ47や昇降スイッチ48は、それらの間(横側)に位置し、揺動軌跡と平面的に干渉しない。
【0038】
旋回スイッチ47は、機体横幅方向一方への倒れ操作と機体横幅方向他方への倒れ操作にて右旋回及び左旋回を指令するシーソー型の3位置切換スイッチにて構成されている。
【0039】
昇降指令スイッチ48は、機体前方への倒れ操作と機体後方への倒れ操作にて上昇及び下降を指令するシーソー型の3位置切換スイッチにて構成されている。
【0040】
次に、キャビン12の構成について説明する。
図1、図2、図4、図6に示すように、キャビン12は、操縦塔15の上部に位置して上部側ほど機体前方側に位置する斜め姿勢に形成される前部ガラス面50及びその左右両側に連なる側面視で略三角形状の側部ガラス面51とを備えた前面部52、運転座席13の左側に位置して、横方向にスライドさせることにより開閉自在なスライド式窓部53を備えた左側面部54、運転座席13の後方に位置して、左右両側の円弧状のガラス面55及びそれらの間で平面状のガラス面56を備えた後面部57、及び、上方の全面を覆う略板状の天井部58の夫々によりキャビン本体59が構成されている。又、このキャビン本体59の右側部には乗降用の開口60(図6参照)が形成され、この乗降用の開口60を閉じる閉状態と乗降用の開口60を形成する開状態とにわたり、機体前部側の縦向き軸芯Y1周りで揺動開閉自在にドア61が備えられている。尚、天井部58には、運転室R1の内部を空調する空調装置62やラジオ63が装備されている(図4、図5参照)。
ラジオ63は、左右中央部に設けられている。
また、後面部57の内、左側の円弧状のガラス面55は、スモークガラスで構成してあり、更に、その室内側に、間隔をあけて不透明の内壁55aが設けてある。ガラス面55と内壁55aとの間の空間vには、ヒューズボックス55bが設置してある。
【0041】
尚、キャビン12は、運転座席13の上方を覆う状態(図1〜6参照)と、図には示さないが、刈取部3の上に被さって運転座席13の上方を開放する開放状態とに切り替えることができるように構成されている。
【0042】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0043】
〈1〉 第1操作パネル部27Aには、先の実施形態では複数の操作レバーが配置されたものを説明したが、排出クラッチレバー45と他の操作レバーの組合せは自由に設定できる。
また、排出クラッチレバー45のみが設けてあってもよい。
排出クラッチレバー45の揺動方向は、前後方向に限るものではなく、左右方向であってもよい。
【0044】
〈2〉 指令スイッチは、2つのシーソー型の3位置切換スイッチ47,48にて構成されるものを示したが、例えば、4方向に倒し操作自在な十字形の指令スイッチで構成してもよく、縦姿勢のレバーを前後方向並びに左右方向夫々に倒し操作することで昇降及び旋回を指令するような構成としてもよい。
【0045】
〈3〉 前記操作パネルは、先の実施形態では、運転座席13の左後方側のサイドリアパネル27として構成したものを説明したが、運転座席13の側方に配置してあってもよい。
【0046】
〈4〉クリーナ設置部は、先の実施形態では、エアクリーナ24とその上に設けられたカバー部材29とを備えたものを説明したが、この構成に限るものではなく、例えば、エアクリーナ24のみを設け、カバー部材29を設けてない場合もある。このときは、クリーナ設置部の最上部は、エアクリーナ24の上面部となる。また、この場合は、エアクリーナ24の上面部より上方に、排出クラッチレバー45の上端操作部45aが位置するように構成してあることが好ましい。
【0047】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、普通型のコンバインや運転部を覆うキャビンを備えていない自脱型や普通型のコンバインにも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
2 走行機体
8 脱穀装置
13 運転座席
24 エアクリーナ
27 サイドリアパネル(操作パネルに相当)
27A 第1操作パネル部
27B 第2操作パネル部
34 排稈処理切替レバー
42 穀粒排出用オーガ
45 排出クラッチレバー
45a 上端操作部
47 旋回スイッチ(指令スイッチに相当)
47a 操作部
48 昇降スイッチ(指令スイッチに相当)
48a 操作部
R2 給気部(クリーナ設置部に相当)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に備えられた穀粒排出用オーガの旋回並びに昇降を指令する手動操作式の指令スイッチと、
前記穀粒排出用オーガの穀粒排出状態と穀粒停止状態とを切り替える揺動式の排出クラッチレバーとを、
運転座席の横側の位置に配置された操作パネルに設けてあるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、
前記操作パネルは、第1操作パネル部と、その前方で一段低く形成された第2操作パネル部とを備えて構成してあり、
前記排出クラッチレバーは、前記第1操作パネル部に前後に揺動自在に配置してあり、前記指令スイッチは、前記第2操作パネル部の上面に配置してあるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項2】
前記指令スイッチは、前記排出クラッチレバーの揺動軌跡と平面的に干渉しない位置に配置してある請求項1に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項3】
前記指令スイッチは、揺動下端部まで倒した入り操作状態の前記排出クラッチレバーの横側に配置してある請求項1又は2に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項4】
前記第1操作パネル部には、前記排出クラッチレバーの側方に間隔をあけて、脱穀装置の排稈処理切替レバーを並べて配置してあり、
前記第2操作パネル部に設けてある前記指令スイッチは、前記排稈処理切替レバーの揺動軌跡と平面的に干渉しない位置に配置してある請求項1〜3の何れか一項に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項5】
前記指令スイッチは、揺動下端部まで達した状態の前記排稈処理切替レバーの横側に配置してある請求項4に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項6】
前記指令スイッチの操作部は、前記第1操作パネル部より下方に位置させてある請求項1〜5の何れか一項に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項7】
運転座席の後方で前記操作パネルの横に、エアクリーナを設置したクリーナ設置部が設けてあり、前記排出クラッチレバーの上端操作部は、前記クリーナ設置部の最上部より上方に設置してある請求項1〜6の何れか一項に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−13333(P2013−13333A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146238(P2011−146238)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】