説明

コンバインのモニタ表示制御装置

【課題】各種の機器情報が機器状況に応じてモニタ画面に適宜切替え表示されるとともに、グレンタンクの貯留量情報を必須とする所定の作業状況の間は、同情報を中断することなく最優先でモニタ画面に表示することができるコンバインのモニタ表示制御装置を提供する。
【解決手段】コンバインのモニタ表示制御装置は、コンバインを構成する各機器の情報を受けてグレンタンクの穀粒貯留量情報を含む機器情報をモニタ画面2に表示する制御部41から構成され、上記制御部41は、刈脱モノレバー入の検出S3、機体走行動作の検出S4、刈取部の未刈穀稈の不検出S5の3条件を満たす場合に上記穀粒貯留量情報をモニタに強制表示するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインを構成する各機器の情報を受けてグレンタンクの穀粒貯留量情報を含む機器情報を運転台のモニタ画面に表示するためのコンバインのモニタ表示制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の記載のように、コンバインのモニタ表示を制御する制御装置が知られている。この制御装置は、コンバインを構成する各機器の情報を受け、表示内容の切替えにより各種の機器情報を運転台のモニタ画面に表示するように構成されている。この制御装置は、同文献の図27の記載のようにグレンタンク内の籾貯留量を表示することができるので、その表示内容に基づき、1つの刈取行程が終了に近づくとオペレータは次の刈取行程に入るか又は籾排出作業に移るかを判断することにより、圃場の状況に合わせて刈取作業を効率よく進めることができる。
【0003】
表示切替え
また、上記制御装置は、機器状況が所定の条件を満たすとその表示内容の切替えを行い、例えば、同公報の図26の画面表示例のように、機器異常が検出されると注意表示を優先的に表示するべく画面を切替えることにより、モニタ画面を介して必要な情報提供を可能とする。
【特許文献1】特開2005−80549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記モニタ画面の表示情報は、機器状況と対応して表示が切替えられるので、作業状況と無関係に画面切替えが発生して作業に必要な情報が遮断される場合がある。例えば、刈取行程間の回行走行作業においてその作業過程に必須の籾貯留量情報がモニタ画面から失われると、以後の作業の進行に支障を来たして刈取作業の効率低下を招くという問題が生じる。
【0005】
解決しようとする問題点は、各種の機器情報が機器状況に応じてモニタ画面に適宜切替え表示されるとともに、グレンタンクの貯留量情報を必須とする所定の作業状況の間は、同情報を中断することなく最優先でモニタ画面に表示することができるコンバインのモニタ表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、コンバインを構成する各機器の情報を受けてグレンタンクの穀粒貯留量情報を含む機器情報を運転台のモニタ画面に表示する制御部からなるコンバインのモニタ表示制御装置において、上記制御部は、刈脱モノレバー入の検出、機体走行動作の検出、刈取部の未刈穀稈の不検出の3条件を合わせて満たす場合に上記穀粒貯留量情報をモニタに強制表示することを特徴とする。
上記モニタ表示制御装置により、コンバインを操作するオペレータに各種の機器情報が適宜提供されるとともに、上記3条件を満たす作業の間について穀粒貯留量情報が強制表示される。
【0007】
請求項2の発明は、コンバインを構成する各機器の情報を受けてグレンタンクの穀粒貯留量情報を含む機器情報を運転台のモニタ画面に表示する制御部からなるコンバインのモニタ表示制御装置において、上記制御部は、エンジン駆動中の検出、オーガ排出クラッチ入の検出の2条件を合わせて満たす場合に上記穀粒貯留量情報をモニタに強制表示することを特徴とする。
上記モニタ表示制御装置により、上記2条件を満たす作業の間について穀粒貯留量情報が強制表示される。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の構成において、前記制御部は、強制表示される前記穀粒貯留量情報を単独構成した画面によりモニタに表示することを特徴とする。上記モニタ画面には、穀粒貯留量情報が単独で表示される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の構成により、運転台のオペレータに各種の機器情報が適宜提供されるとともに、所定の3条件と対応する場合、すなわち、刈取作業の区切りとなる刈取走行の一行程と次の一行程との間の回行走行時に穀粒貯留量情報が強制表示される。したがって、刈取作業における判断材料として欠くことのできない重要情報が、必要な作業タイミングに合わせてモニタ上に中断することなく最優先で表示されるので、次の刈取行程に突入すべきか否か、又は、穀粒排出をすべきか否かを迅速かつ的確に判断して刈取作業を効率よく進めることが可能となる。
【0010】
請求項2の構成により、所定の2条件と対応する場合、すなわち、オーガ排出作業の間について穀粒貯留量情報が強制表示される。したがって、中断することなく強制表示される穀粒貯留量情報に基づき、残りの作業時間を見当して次の刈取り作業や籾を運搬するトラックの調整について迅速な判断が可能となる。
【0011】
請求項3の構成により、上記モニタ画面には穀粒貯留量情報が単独で表示される。したがって、必要な情報のみに限定された表示画面を介して、オペレータが容易に情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図10は、本発明の制御装置を備えるコンバインの左側面図である。
コンバインは、穀稈を案内しつつ刈取る分草杆と切刃を備えて昇降調節可能な刈取部a、この刈取部aから搬送コンベア介して受けた穀稈を脱穀する脱穀部b、脱穀により分離された籾を一時貯留する収納部c、貯留された籾を機外に排出する搬出部d等の作業機器、走行用の左右のクローラe,e、機体の前部で作業機および機体の走行を運転操作するための運転操作部f等を備える。また、変速伝動部(不図示)を左右のクローラe,eの間に搭載し、左右のクローラe,eの回動速度を無段階に調節する変速機構と旋回走行のために左右のクローラe,eの回動速度を左右個別に調節する旋回機構を内設する。
【0013】
(運転台)
コンバインの運転台には、機体走行および各種作業機器の操作のために、オペレ―タの座席1を中心に、メータパネル2および各種のスイッチ、操作レバー、ペダル等が配置される。
【0014】
詳細には、運転台の機器配置例の斜視図を図1に示すように、座席1の正面にメータパネル2が配置され、その右側に左右旋回と刈取昇降の操作用のパワーステアリングレバー3を配置し、乗降用把持部3bを運転台の右側前端に形成してその上部からパワステレバー3の近傍に手置台3aを片持ち支持し、運転台の左側前部にはスイッチパネル4aを前上がりに傾斜して起立形成し、このスイッチパネル4aからメータパネル2を運転台の正面中段位置に片持ち支持してメータパネル2の下方空間から機体直前部を視認可能に構成する。
【0015】
運転台側方位置には、右側にスタータキースイッチ1s、オーガ操作リモコン1rを配置し、左側に副変速機構の速度帯域選択用の副変速レバー5a、エンジン回転数を変更して保持するアクセルレバー5b、正逆転を含む無段変速操作用の主変速機構の走行変速レバー5c、刈取部と脱穀部を駆動する刈脱モノレバー5d等のレバー類とともに飲み物置き台5eを形成する。床面には、畦際等で機体を停止させて刈取脱穀を行う掻込ペダル6a、機体を停止させてブレーキを掛ける駐車ペダル6b、足置台6c等が配置される。
【0016】
(スイッチパネル)
スイッチパネル4aは、例えば、図2の配置図に示すように、上段、中段、下段、基段のブロック別に各種設定スイッチを配置する。
【0017】
上段は刈脱関係の設定ブロックであり、刈高調節ダイヤルスイッチ31a、オートリフトスイッチ31b、畦際スイッチ31c、こぎ深さスイッチ31d、方向スイッチ31eを配置する。それぞれについては、刈高調節ダイヤルスイッチ31aは回すと刈高さ調節、押すと自動刈高さ「入」として刈高さを自動制御する。オートリフトスイッチ31bは「入」で穀稈センサオフのまま所定距離走行時に刈取部を自動上昇する。畦際スイッチ31cは「入」で刈取部上昇時に停車した状態で刈取部と脱穀部を駆動する。こぎ深さスイッチ31dは「入」で自動扱深さ制御をする。方向スイッチ31eは「入」で分草杆のセンサによる自動方向制御をする。
【0018】
中段は機体姿勢関係の設定ブロックであり、傾き調節ダイヤルスイッチ32a、湿田スイッチ32b、前後スイッチ32cを配置する。それぞれについては、傾き調節ダイヤルスイッチ32aは「入」で自動左右水平制御をする。湿田スイッチ32bは「入」で後進時にピッチング前上げと刈取部上昇を制御する。前後スイッチ32cは「入」で自動前後水平に制御する。
【0019】
下段はエンジン制御関係の設定ブロックであり、走行モードスイッチ33a、自動アクセルスイッチ33bを配置する。それぞれについては、走行モードスイッチ33aは緩旋回と標準旋回の旋回パターンを選択する。自動アクセルスイッチ33bはエンジン自動制御をする。このエンジン自動制御は、自動アクセルスイッチ33bを「入」にすると、走行変速レバー5cが中立の時にエンジンをアイドリングとし、走行変速レバー5cを前後進操作または籾排出レバーを「入」にするとエンジンを定格回転に制御する。
【0020】
基段は選別設定ブロックであり、シーブスイッチ34aおよびウィンドスイッチ34bを配置する。上記シーブスイッチ34aは、回すとシーブ開閉量の調節、「入」でシーブ自動調節をする。上記ウィンドスイッチ34bは、回すと唐箕風量の強弱調節、「入」でベルコン回転数調節により唐箕風量を自動制御する。
【0021】
(モニタシステム)
図3は、モニタ表示装置のシステム構成図である。モニタ表示装置は、コンバインのモニタ表示情報を処理する制御部としての機器制御コントローラ41と、そのモニタ表示情報を受信して画像出力するモニタ表示部2dを組込んだメータパネル2とから構成される。
【0022】
詳細には、上記機器制御コントローラ41は、コンバインの機器制御をするための各種機能の他に、モニタ表示制御装置として、メータパネル2との間のデータ通信をするモニタ通信手段41c、モニタ表示部2dの画面切替えの条件判定をするモニタ表示検出手段41mのほか、グレンタンクの満量までの残余刈取距離を算出する走行距離検出手段41dおよびその時間カウント用のタイマカウント検出手段41t等により構成される。
【0023】
モニタ表示制御装置としての機器制御コントローラ41の入力側には、第1段階から第5段階(満量)の貯留量を検出する1番〜5番の籾センサ42、未刈稈を検出する左右の穀稈センサ43、刈脱モノレバー5d、排出クラッチセンサ44、HSTセンサ5c、車速センサ45、エンジン回転センサ46等の機器信号を受け、出力側にはメータパネル2を接続してモニタ表示情報を送信することにより、所定の表示条件に沿ってモニタ表示するためのモニタ表示装置が構成される。
【0024】
メータパネル2には、液晶ディスプレー等によるモニタ表示部2dのほかに、ディスプレーに対する画像構成処理のための画像制御部2pを備え、機器制御コントローラ41から受けたモニタ表示情報を画像として表示する。例えば、図4の画面切替え表示構成に示すように、通常時(a)は車速(図例は0.9km/h)と籾貯留量(図例は3番の籾センサ42と対応する第3段階)を同時表示し、機器制御コントローラ41により籾優先表示と判定された時は、籾貯留量の単独表示(b)、または、籾貯留量の拡大表示(c)を行う。
【0025】
上記機器制御コントローラ41における詳細なモニタ表示制御は、図5のフローチャートに示すように、エンジン回転数が所定値超による動力出力中、および、排出クラッチが「入」の2条件の判定処理ステップ1,2(以下において「S1,S2」のように記載する)により共に該当する場合、または、刈脱モノレバー「入」、機体走行中、および、穀稈センサが非「オン」の3条件の判定処理(S3〜S5)により共に該当する場合について、籾センサ情報取得処理(S6)と籾センサ情報表示処理(S7)を行う。
【0026】
上記機体走行中の判定については、車速センサが所定値超またはHSTが前進操作により作業走行と対応する場合について該当と判定し、このような上記2条件(S1,S2)または3条件(S3〜S5)の判定処理により、オーガ排出作業中または刈取走行の行程間回行作業中という特定の作業状況について籾貯留量が単独で強制表示される。
【0027】
また、上記の場合を除き、表示切替操作検出処理(S11)に続いて表示切替え「有」の判定処理(S12)をし、該当する場合には、対応する機器情報を表示するために、籾センサ情報表示解除処理(S13)および表示情報セット処理(S14)を行う。すなわち、オーガ排出作業中または刈取走行の行程間の回行走行中という特定の作業状況を除き、表示切替操作検出処理(S11)によって機器状況に対応する情報が表示される。
【0028】
上記構成のモニタ表示制御装置により、運転操作するオペレータに各種の機器情報が適宜提供されるとともに、刈取作業の区切りとなる刈取走行の一行程と次の一行程との間の回行走行時について穀粒貯留量情報が強制表示される。したがって、刈取作業における判断材料として欠くことのできない重要情報が、必要な作業タイミングに合わせてモニタ上に中断することなく最優先で表示されるので、次の刈取行程に突入すべきか否か、又は、穀粒排出をすべきか否かを迅速かつ的確に判断して刈取作業を効率よく進めることが可能となる。例えば、グレンタンクが満量でなくても、次行程の途中で満量となり、トラックの場所へ移動して帰る必要がある場合には、穀粒の排出を行う。
【0029】
また、籾排出の際は、オーガによる排出作業と対応して穀粒貯留量情報が強制表示される。したがって、中断することなく強制表示される穀粒貯留量情報に基づき、残りの作業時間を見当して次の作業計画との調整について迅速な判断が可能となる。例えば、トラックの荷台が満杯となり、グレンタンク内に穀粒が残る場合には、別のトラックを呼ぶなどする。
【0030】
次に、上記モニタ表示部の別の画面構成について説明する。
図6は、満杯走行距離を籾貯留量と並べて表示するものである。満杯走行距離はグレンタンクが満量に至るまでの刈取走行可能距離であり、同図(a)の満量近傍の所定の籾量(図例は第4段階)に達した場合に籾貯留量と並べて籾満杯距離(図例は「約12m」)を表示し、それ以降においては、同図(b)のように、籾貯留量と籾満杯距離の変化状況(図例は第5段階および「約3m」)を表示するようにモニタ表示制御装置を構成する。このように籾貯留量と並べて表示される満杯走行距離に基づき、的確な作業判断が可能となる。
【0031】
このモニタ表示制御装置の具体的なモニタ表示制御は、図7のフローチャートに示すように、満杯距離測定中についての判定処理(S21)により、非測定中であれば測定開始条件を判定し、グレンタンクの籾貯留量が満量近傍の所定量に達した場合、すなわち、4番籾センサ「オン」についての判定処理(S22)によって該当の場合には、予め定めた可能な残り走行距離を設定する可能走行距離セット処理(S23)および満杯走行距離測定開始処理(S24)を行う。
【0032】
上記距離測定開始の場合を含め、満杯距離測定中は車速センサによる走行距離取得処理(S25)をし、その走行距離を可能走行距離から減算する検出処理分減算処理(S26)をして可能走行距離表示処理(S27)を行う。上記走行距離の減算については、次の穀稈センサ「オン」の状態における走行距離を使用する。
次いで、満量近傍の所定の籾量に達していない場合を含め、籾センサ情報表示処理(S28)を行うことによって籾貯留量を表示する。
【0033】
(オーガモニタシステム)
次に、オーガ操作に関するモニタ表示について説明する。
オーガ操作に係るモニタ表示システムは、その構成図を図8に示すように、前記同様のモニタ通信手段51cのほか、モニタ表示検出手段51m、ラジコン入力手段51r等を備える機器制御コントローラ51により、オーガ操作信号に応じてメータパネル2のモニタ画面に必要な情報を表示するべく構成する。
【0034】
機器制御コントローラ51の入力側には、コンバインの運転台に配置されたオーガ操作のスイッチ群としてオーガ自動収納スイッチ52a、オーガ自動張出スイッチ52b、オーガ自動停止スイッチ53a、オーガ自動排出スイッチ53bの信号のほかに、オーガラジコン入力ユニット61を介して入力されたラジコン操作による信号群としてオーガ上下操作信号62、オーガ左右操作信号63、オーガ伸縮操作信号64、オーガ自動旋回信号65、オーガ自動排出信号66a、オーガ自動停止信号66b等を受ける。
【0035】
機器制御コントローラ51は、これらの操作信号に応じてモニタ画面を表示制御する。
ラジコンの操作が行われた場合は、「ラジコン操作中」、または、「ラジコンにて操作中」をモニタ表示する。また、図9に一例を示すように、操作内容を具体的に表示するように構成する。このようなモニタ表示により、オペレータ以外の者がラジコン操作をした際に、意図せぬオーガ動作に戸惑って混乱を招くという事態を防止することができる。
【0036】
具体的には、ラジコンからズーム伸縮操作信号64を受けた場合は、図例(a,b)の「ズーム伸」「45%」、「ズーム縮」「60%」およびその図形表示のように、ラジコンのズーム操作によるオーガ長さの伸縮率と動作方向を表示する。
ラジコンからオーガ上下操作信号62を受けた場合は、図例(c、d)の「オーガ上」および下2段目からオーガ上昇矢印、「オーガ下」および上2段目からオーガ下降矢印」のように、ラジコンの上下操作による高さ位置および動作方向を表示する。
ラジコンからオーガ左右操作信号63を受けた場合は、図例(e,f)の「オーガ左」およびオーガ左旋回矢印、「オーガ右」およびオーガ右旋回矢印のように、ラジコンの左右操作による動作方向を表示する。
ラジコンからオーガ収納またはオーガ張出の信号を受けた場合は、図例(g、h)の「オーガ収納」「戻」およびオーガ左旋回矢印、「オーガ張出」「出」およびオーガ右旋回矢印のように、ラジコンの収納張出操作による動作方向を表示する。
ラジコンからオーガ自動排出信号66a、オーガ自動停止信号66bを受けた場合は、図例(j、k)の「籾排出」および籾排出を示す矢印、「籾排出停止」のように、ラジコンの操作内容を表示する。
籾排出中にオーガの自動収納操作信号を受けた場合は、図例(m)の籾量段階表示(第3段階の例)と並べて「排出中!」「自動収納/張出できません。」を警告表示し、また、オーガの自動収納/張出中に排出信号を受けた場合は、図例(n)の籾量段階表示(第3段階の例)と並べて「自動収納/張出中!」「排出できません。」を表示することにより注意を促す。
【0037】
以上のほかに、排出クラッチセンサ信号により排出動作中の旋回牽制を行うオーガ装置において、排出クラッチ「入」の検出下にあって自動収納または自動張出の操作信号を受けた時は、「排出中」または「自動旋回不可」を注意表示する。
従来のオーガ装置においては、排出クラッチセンサの不具合によって旋回牽制がなされるとオーガ自動旋回ができないことから、これをオーガ自動関連の不具合によるものと見誤って混乱を招くことがあるので、上記のモニタ表示よって状況の正確な把握が可能となり、そのような事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンバインの運転台の機器配置斜視図である。
【図2】メータパネルの拡大図である。
【図3】モニタ表示装置のシステム構成図である。
【図4】画面切替え表示例(a〜c)である。
【図5】図4のモニタ表示制御のフローチャートである。
【図6】別の画面表示例である。
【図7】図6の画面構成のためのフローチャートである。
【図8】オーガ操作に係るモニタ表示システムの構成図である。
【図9】図8のモニタ表示システムによる画面表示例(a〜n)である。
【図10】コンバインの左側面図である。
【符号の説明】
【0039】
2 メータパネル(モニタ)
2d モニタ表示部
2p 画像制御部
5c 走行変速レバー
5d 刈脱モノレバー
41 制御部(機器制御コントローラ)
41m モニタ表示検出手段
41t タイマカウント検出手段
41d 走行距離検出手段
42 籾センサ
43 穀稈センサ
44 排出クラッチセンサ
45 車速センサ
46 エンジン回転センサ
S1 エンジン回転数が所定値超判定
S2 排出クラッチ入判定
S3 刈脱モノレバー入判定
S4 機体走行中判定
S5 穀稈センサオン判定

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバインを構成する各機器の情報を受けてグレンタンクの穀粒貯留量情報を含む機器情報を運転台のモニタ画面に表示する制御部からなるコンバインのモニタ表示制御装置において、上記制御部は、刈脱モノレバー入の検出、機体走行動作の検出、刈取部の未刈穀稈の不検出の3条件を合わせて満たす場合に上記穀粒貯留量情報をモニタに強制表示することを特徴とするコンバインのモニタ表示制御装置。
【請求項2】
コンバインを構成する各機器の情報を受けてグレンタンクの穀粒貯留量情報を含む機器情報を運転台のモニタ画面に表示する制御部からなるコンバインのモニタ表示制御装置において、上記制御部は、エンジン駆動中の検出、オーガ排出クラッチ入の検出の2条件を合わせて満たす場合に上記穀粒貯留量情報をモニタに強制表示することを特徴とするコンバインのモニタ表示制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、強制表示される前記穀粒貯留量情報を単独構成した画面によりモニタに表示することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のコンバインのモニタ表示制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−129939(P2007−129939A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−325291(P2005−325291)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】