説明

コンバインの刈取装置

【課題】刈取ユニットの搬送装置に備える左右の搬送体間の間隔を容易に調整可能とする。
【解決手段】左右一対の分草板41・41と、該分草板の後方に配設する搬送装置42と、該搬送装置の下方に配設する刈刃44とを有する刈取ユニットを備えたコンバインの刈取装置5において、前記搬送装置42を左右一対の搬送体55・55から構成し、該搬送体55・55を支持する左右の搬送フレーム54・54の下方に、ネジ軸100bを左右方向に機体側に支持し、前記左右の各搬送フレーム54・54より支持アーム105・105を突設して、該支持アーム105・105の突出側端部にネジボス105a・105aを設けて前記ネジ軸100bに螺装し、該ネジ軸100bを回動することにより左右の搬送フレーム54・54を、互いに離れる方向または近づく方向に移動可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数条分の刈取ユニットを備えてコンバインの前部に設けられる刈取装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、機体前部に掻込リールと刈刃などからなる刈取装置の代わりに、大豆などを刈り取るロークロップヘッダ装置として複数条の刈取ユニットからなる刈取装置を装着するコンバインは公知となっている。刈取装置の各刈取ユニットは左右一対の分草板や、分草板の後方に配設する搬送装置、搬送装置の下方に配設する刈刃などからなり、分草板で分草された穀稈を搬送装置で後方に搬送し、該穀稈の搬送過程において刈刃で切断した後、該穀稈を脱穀装置にフィーダハウスを介して連通するプラットホーム内まで搬送するように構成されている。
【0003】
このような刈取ユニットにおいて、搬送装置は当該搬送装置を構成する左右の各搬送体に複数の孔を設けた取付部を形成するとともに、その下方に配置される左右の各支持フレームに複数の孔を設け、各搬送体の取付部を支持フレームに取り付けてピンにて係止することで、支持フレームに支持されていた。そして、該搬送体の取付部を支持フレームに係止するピンの位置を変更することで、左右の搬送体間の間隔が調整可能とされていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭63−15738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のような構成では、左右の搬送体間の間隔を調整する際に、まず搬送体の取付部及び支持フレームの孔からピンを抜き、該ピンを抜いた状態で搬送体を左右方向に移動させて再度ピンにて搬送体の取付部を支持フレームに係止する必要があるため、作業工数が多くなって作業性が悪くなっていた。また、搬送体の取付部及び支持フレームに設けた孔のピッチ幅により、左右の搬送体間の間隔が制限されるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、左右一対の分草板と、該分草板の後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを有する刈取ユニットを備えたコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を左右一対の搬送体から構成し、該搬送体を支持する左右の搬送フレームの下方に、ネジ軸を左右方向に機体側に支持し、前記左右の各搬送フレームより支持アームを突設して、該支持アームの突出側端部にネジボスを設けて前記ネジ軸に螺装し、該ネジ軸を回動することにより左右の搬送フレームを、互いに離れる方向または近づく方向に移動可能に構成したものである。
【0007】
請求項2においては、前記刈取ユニットを前記ネジ軸に対して機体左右方向に複数並設したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、別途道具を必要とすることなく、ネジ軸を回転操作するだけの簡単な作業で、左右の搬送フレームを互いに逆方向に移動して左右の搬送体間の間隔を調整することが可能となる。よって、左右の搬送体間の間隔を調整する際の作業工数が少なくなり、作業性の向上を図ることができる。また、左右の搬送体間の間隔を無段階に調整することが可能となり、搬送装置の穀稈の種類や状態に対する適応性を改善することができる。さらに、左右の搬送体間の間隔を穀稈に対し最適な間隔に容易に調整して刈取作業を行うことができるので、穀稈を搬送装置でプラットホーム内まで確実に搬送してヘッドロスを低減することができる。
【0010】
請求項2においては、ハンドルの回転操作で、全ての刈取ユニットで搬送装置の左右の搬送体間の間隔を同時に同寸法だけ調整することができる。よって、左右の搬送体間の間隔を調整する際の作業工数が少なくなり、作業性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の一実施例に係る刈取装置を装着したコンバインの側面図、図2は同じく平面図、図3は刈取ユニットの構成を示す側面図、図4は同じく平面図、図5は伝動軸の軸受部の構成を示す断面図、図6は前搬送体を設けた状態の刈取ユニットの構成を示す側面図、図7は搬送フレームの平面図、図8は搬送フレームの背面図である。
【0012】
まず、本発明に係る刈取装置を装着したコンバインの全体構成について説明する。なお、本実施例においては、大豆用コンバインを用いて説明する。
【0013】
図1、図2に示すように、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2が戴置され、該機体フレーム2上に脱穀装置3及び選別装置4が設けられている。そして、脱穀装置3の前方に刈取装置5が設けられて、コンバインはクローラ式走行装置1で圃場を走行移動しながら穀稈を刈取装置5で連続的に刈り取り、刈取後の穀稈を脱穀装置3で脱穀することができるように構成されている。
【0014】
そしてさらに、前記脱穀装置3及び選別装置4の側方に脱穀装置3から選別装置4を経て選別された穀粒を揚穀コンベア6を介して貯溜する穀物タンク7が設けられ、該穀物タンク7の後方及び上方に穀粒排出装置8が設けられて、コンバインは穀物タンク7内の穀粒を穀粒排出装置8で機体外部に搬出することができるように構成されている。また、穀物タンク7の前方に各装置を操作するための操作手段を備えるキャビン9が設けられている。
【0015】
次に、前記刈取装置5について説明する。
【0016】
図1、図2に示すように、刈取装置5には、複数の(本実施例では二つの)刈取ユニット40・40、プラットホーム31、横送りオーガ32、フィーダハウス33などが備えられ、前記脱穀装置3に連通されたフィーダハウス33の前端にプラットホーム31が固設され、該プラットホーム31の前端に取り付けられた取付フレーム46に刈取ユニット40・40が上下方向に回動可能に支持されている。
【0017】
そして、前記プラットホーム31内に横送りオーガ32が横設され、該横送りオーガ32によって刈取ユニット40・40で刈り取られ且つ後方に搬送された穀稈が後方へ送り出され、フィーダハウス33に内装された搬送コンベア35により脱穀装置3へ搬送されるように構成されている。また、フィーダハウス33と機体フレーム2との間にはシリンダ36が介装され、該シリンダ36の伸縮作動によって刈取りユニット40・40を含む刈取装置5が昇降可能とされている。
【0018】
前記刈取ユニット40は、図3、図4に示すように、分草板支持フレーム72の前端に平面視「V」字状に分草杆を備える分草板41や、分草板41で分草された穀稈の葉茎部を後上方に搬送する搬送装置42、搬送装置42により搬送される穀稈の茎部を搬送始端部側の地面近くにおいて切断する、前方下方に傾斜した円盤型の刈刃44、これらの対地高さを一定に保持するゲージホイル43などから構成されている。
【0019】
前記刈取ユニット40においては、プラットホーム31に連結された取付フレーム46上の左右両側に支持部47・47が立設され、該支持部47・47に駆動軸48及び搬送用駆動軸49が横架され、該搬送用駆動軸49を外嵌する伝動パイプ50が支持部47・47に対し回動自在に枢支されている。そして、伝動パイプ50の中途部に適宜間隔をあけてギヤケース51・51が設けられ、該ギヤケース51・51から上方に伝動軸を内装した駆動ケース52・52が立設されて、該駆動ケース52・52及び取付フレーム46から立設された支持フレーム53・53の上端に搬送フレーム54・54が固設されている。
【0020】
前記搬送フレーム54・54上には搬送装置42が前低後高となるように設けられている。搬送装置42は、左右一対の搬送体55・55から構成されている。左右の各搬送体55は無端帯の搬送用ベルト56を搬送体55の後端部で軸60にて回転自在に支持された駆動プーリ57と、前端部で軸61にて回転自在に支持された従動プーリ58とで巻回支持して構成され、搬送カバー59で覆われている。各搬送用ベルト56には、一定長さの突起56aが前後方向に所定間隔ごとに付設され、搬送用ベルト56の搬送面に上下二列となるように配置されている。
【0021】
そして、前記軸60に駆動プーリ57とともに出力スプロケット62が設けられるとともに、搬送用ベルト56近傍まで突出された伝動軸63に入力スプロケット64が設けられ、該出力スプロケット62と入力スプロケット64との間にチェン65が巻回支持されている。こうして、左右の搬送用ベルト56・56が、搬送用駆動軸49から伝動軸63や軸60を介して動力を得て互いに向かい合って反対方向に回転され、搬送用ベルト56・56の突起56a・56a・・・で刈取前の穀稈を引き込み、挟持して、搬送用ベルト56・56の間に形成される搬送経路20に沿って後方へ搬送するように構成されている。
【0022】
前記入力スプロケット64は、図5に示すように、伝動軸63の軸受け66の直上方に入力スプロケット64と軸受け66との間隔が可及的に小さくなるように配置されている。そして、該入力スプロケット64の軸受け側となる下部64aの外径が軸受け66のシール部66aの外径よりも大きくなるように構成されて、軸受け66のシール部66aの上方が入力スプロケット64で覆われている。こうして、入力スプロケット64によってシール部66aから軸受け66内への土や泥の侵入を阻止することで、軸受け66の破損の防止が図られている。
【0023】
また、図6に示すように、搬送装置42において、左右の搬送体55・55の前下方(または前上方)にそれぞれ前搬送体95・95を設けることもできる。すなわち、左右の各前搬送体95は一定長さの突起96aが所定間隔ごとに付設された無端帯の搬送用ベルト96から構成され、その始端(前端)が搬送体55の始端(前端)よりも前方に突出して、刈刃44の前端と略同じ高さに位置し、終端(後端)が搬送体55の始端(前端)と刈刃44との間に位置するように前低後高に配置される。
【0024】
そして、左右の各前搬送体95の搬送用ベルト96が、それぞれ搬送体55の搬送用ベルト56の回転に伴ってその従動プーリ58を支持する軸61から動力を得て互いに向かい合って回転され、搬送用ベルト96の突起96a・96a・・・で刈取前の穀稈の株元を引き込み、挟持した状態で刈刃44近傍まで搬送するように構成される。これにより、前搬送体95・95を設けた場合には、丈の低い穀稈でも確実に引き込むことが可能となる。
【0025】
また、左右の各搬送フレーム54の前部には支持ステー70が支点軸71で回動自在に支持され、該支持ステー70に分草板支持フレーム72の中途部が固設されている。該分草板支持フレーム72の前端に分草板41が固設されて、分草板41が支点軸71を支点として上下方向に回動可能とされている。またさらに、搬送フレーム54の前部に支持ロッド73の基部が支点軸74で回動自在に支持され、該支持ロッド73に分草板支持フレーム72の後端に設けられた摺動体75が外嵌されている。そして、該摺動体75が支持ロッド73の下部に設けられたバネで付勢されて、分草板41の下方への回動が規制されている。
【0026】
また、前記ギヤケース51・51の一側には搬送用駆動軸49と平行に刈取駆動軸67が軸支され、該刈取駆動軸67に駆動ケース68の後端部が支持され、該駆動ケース68の先端部が前下方へ延設されている。該駆動ケース68の先端部上面には前上方へ突出するように刈刃軸69が回転自在に支承され、該刈刃軸69に刈刃44が固設されている。そして、該刈刃44が搬送装置42の前部下方で前下方に傾斜するように配置され、刈取駆動軸67から駆動ケース68内の動力伝達機構を介して駆動力を得て回転するように構成されている。
【0027】
このようにして、刈取ユニット40・40は分草板41で案内された穀稈が搬送装置42の先端に達すると、左右の各搬送用ベルト56に付設された突起56a・56a・・・・により後方へ取り込まれて、搬送装置42の搬送経路に沿って搬送され、その途中で刈刃44により切断された後、穀稈が更に後方へ搬送されて、搬送装置42の後端から該搬送装置42の後方に配設されたプラットホーム31内の横送りオーガ32に搬送されるように構成されている。
【0028】
また、各刈取ユニット40においては、搬送装置42の左右一側で搬送フレーム54の前部にL字状のアーム80の一側端部が支点軸81にて上下方向に回動可能に支持され、該アーム80の他側端部にゲージホイル43が回転自在に支持されている。また、搬送フレーム54の前後中央部に左右一側に突出するように支持フレーム82が設けられ、該支持フレーム82に上方に突出するようにブラケット83が設けられている。そして、前記アーム80の中央部とブラケット83との間にシリンダ84が介装され、該シリンダ84の伸縮動作によりアーム80が支点軸81を中心として回動されて、ゲージホイル43の上下位置が調節可能とさている。
【0029】
そして、ゲージホイル43の上下動しながら畝と畝との間の地面上を転動する際に、搬送フレーム54が搬送用駆動軸49を支点として上下方向に回動されて、穀稈の刈取作業時には刈取ユニット40の分草板41や搬送装置42、刈刃44がゲージホイル43によって畝と畝との間の地面の高さに追従して昇降され、その対地高さが一定に保持されるように構成されている。
【0030】
また、前記支持部47・47の一側にロッド86の基部が枢支され、該ロッド86の中途部に摺動体87が外嵌されて、該摺動体87に突設されたピン88が搬送フレーム54の後部に枢結されている。そして、摺動体87がロッド86の先端部に設けたバネ89で付勢され、搬送フレーム54の後部が搬送用駆動軸49を支点として上方へ回動するように構成されて、刈取ユニット40が常時下方へ回動するように付勢されている。なお、刈取ユニット40の下方への回動は、搬送フレーム54が回動するときに支持フレーム82に下方へ突出するように設けられた規制部材90が取付フレーム46の前端部に設けられた規制部材90の受部46aに当接することで規制される。
【0031】
次に、各刈取ユニット40における搬送装置42を支持する左右の搬送フレーム54の取付構成について詳細に説明する。
【0032】
図7に示すように、搬送フレーム54の後部に伝動軸63を挿入する長孔状の挿入孔54aが左右方向に設けられるとともに、該挿入孔54aの周囲に左右方向に長い複数の長孔状の取付孔54b・54b・・・が平行に所定間隔ごとに設けられている。そして、該搬送フレーム54の後部を支持し、伝動軸63を内挿する駆動ケース52の取付部52aに前記各取付孔54bに対応するようにボルト22がネジ軸を上方へ突出するように設けられている。
【0033】
また、前記搬送フレーム54の前後中央部に複数の長孔状の取付孔54c・54cが左右方向に前記取付孔54b・54b・・・と平行に設けられている。そして、該搬送フレーム54の前後中央部を支持する支持フレーム53の取付部53aに前記各取付孔54cに対応するようにボルト22がネジ軸を上方へ突出するように設けられている。
【0034】
そして、駆動ケース52から突出される伝動軸63を搬送フレーム54の挿入孔54aに合わせて挿入するとともに、駆動ケース52の取付部52aのボルト22・22・22・22を搬送フレーム54の後部に設けた取付孔54b・54b・・・にそれぞれ合わせて挿入し、取付孔54b・54b・54b・54bの任意位置で各ボルト22にナット23を搬送フレーム54上方から螺合することで、搬送フレーム54の後部がその左右位置を変更されて駆動ケース52の取付部52aに固定されるように構成されている。
【0035】
同様に、支持フレーム53の取付部53aのボルト22・22を搬送フレーム54の前後中央部に設けた取付孔54c・54cの任意位置にそれぞれ合わせて挿入し、取付孔54c・54cの任意位置で各ボルト22にナット23を搬送フレーム54上方から螺合することで搬送フレーム54の前後中央部がその左右位置を変更されて支持フレーム53に固定されるように構成されている。
【0036】
こうして、各搬送フレーム54がその左右位置を取付孔54b・54b・54b・54bや取付孔54c・54cの範囲で変更できるように駆動ケース52及び支持フレーム53に固定されている。そして、このような搬送フレーム54の固定作業の際に、各刈取ユニット40における搬送フレーム54の左右位置を変更する手段として後述するハンドル100が搬送フレーム54の下方に設けられている。
【0037】
図7、図8に示すように、前記ハンドル100は把持部100aとネジ部100bとから構成され、ネジ軸としたネジ部100bの一側に把持部100aが一体に連結されている。そして、把持部100aとネジ部100bとの連結部及びネジ部100bの他側端部がそれぞれ左右の刈取ユニット40・40のギヤケース51・51の外側端に取り付けられたフレーム101・102に回転自在に支持されて、ネジ部100bが左右の刈取ユニット40・40の各搬送フレーム54の下方に左右方向に配置され、把持部100aが左右一側の刈取ユニット40の機体外側に位置するように配置されている。
【0038】
また、左右の各刈取ユニット40において、左右の搬送フレーム54・54後部の一側に下方に突出するように支持アーム105・105が設けられ、該支持フレーム105・105の突出側端部にネジボス105a・105aが形成されている。ここで、各支持アーム105のネジボス105aのうち、左側の搬送フレーム54に設けられた支持アーム105の左ネジボス105aLには左ネジの螺旋溝が形成され、右側の搬送フレーム54に設けられた支持アーム105の右ネジボス105aRには右ネジの螺旋溝が形成されている。
【0039】
そして、ハンドル100のネジ部100bに右ネジと左ネジの螺旋溝が左右交互に等間隔ごとに形成されて、該ネジ部100bが支持アーム105・105の左ネジボス105aL及び右ネジボス105aRに螺挿されている。つまり、ハンドル100のネジ部100bが左ネジの螺旋溝で左側の搬送フレーム54に設けられた支持アーム105の左ネジボス105aLと螺合され、右ネジの螺旋溝で右側の搬送フレーム54に設けられた支持アーム105の右ネジボス105aRと螺合するように構成されている。
【0040】
したがって、ハンドル100の把持部100aでネジ部100bが右ネジ方向に回転されると、左右の各刈取ユニット40において、ネジ部100b上の左右のネジボス105aL・105aRが互いに近づく方向に移動し、左右の搬送フレーム54・54間の間隔が小さくなって、図4及び図8に示す搬送フレーム54・54上の左右の搬送体55・55間の間隔L1が小さくなる。逆に、ハンドル100の把持部100aでネジ部100bが左ネジ方向に回転されると、左右の各刈取ユニット40において、ネジ部100b上の左右のネジボス105aが互いに離れる方向に移動し、左右の搬送フレーム54・54間の間隔が大きくなって、図4及び図8に示す左右の搬送体55・55間の間隔L1が大きくなる。
【0041】
つまり、前記ハンドル100の回転操作によりハンドル100のネジ部100bに対する各搬送フレーム54に設けた支持アーム105のネジボス105aの螺合位置を変化させることで、左右の搬送フレーム54・54を互いに逆方向に移動して左右の搬送体55・55間の間隔L1を調整することが可能となる。また、このときには全ての刈取ユニット40が同一の動作を行うことになるため、図4及び図8に示す条間隔に対応する左右の刈取ユニット40・40間の間隔L2は変化せず一定間隔に保持される。
【0042】
このように構成することにより、別途道具を必要とすることなく、ハンドル100を回転操作するだけの簡単な作業で、左右の搬送体55・55間の間隔L1を調整することができる。また、全ての刈取ユニット40において、左右の搬送体55・55間の間隔L1を同時に同寸法だけ調整することができる。よって、左右の搬送体55・55間の間隔L1を調整する際の作業工数が少なくなり、作業性の向上を図ることができる。
【0043】
また、左右の搬送体55・55間の間隔L1を無段階に調整することが可能となり、搬送装置42の穀稈の種類や状態に対する適応性を改善することができる。そしてさらに、左右の搬送体55・55間の間隔L1を穀稈に対し最適な間隔に容易に調整して刈取作業を行うことができるので、穀稈を搬送装置42でプラットホーム31内まで確実に搬送してヘッドロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例に係る刈取装置を装着したコンバインの側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】刈取ユニットの構成を示す側面図。
【図4】同じく平面図。
【図5】伝動軸の軸受部の構成を示す断面図。
【図6】前搬送体を設けた状態の刈取ユニットの構成を示す側面図。
【図7】搬送フレームの平面図。
【図8】搬送フレームの背面図。
【符号の説明】
【0045】
5 刈取装置
40 刈取ユニット
41 分草板
42 搬送装置
44 刈刃
46 取付フレーム
54 搬送フレーム
55 搬送体
100 ハンドル
100a 把持部
100b ネジ部(ネジ軸)
105 支持アーム
105a ネジボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の分草板と、該分草板の後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを有する刈取ユニットを備えたコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を左右一対の搬送体から構成し、該搬送体を支持する左右の搬送フレームの下方に、ネジ軸を左右方向に機体側に支持し、前記左右の各搬送フレームより支持アームを突設して、該支持アームの突出側端部にネジボスを設けて前記ネジ軸に螺装し、該ネジ軸を回動することにより左右の搬送フレームを、互いに離れる方向または近づく方向に移動可能に構成したことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項2】
前記刈取ユニットを前記ネジ軸に対して機体左右方向に複数並設したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの刈取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−254706(P2006−254706A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72405(P2005−72405)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】