コンバイン
【課題】センサを設けず、扱深調整搬送体の移動を機械構成上又は制御上の不都合が生じない所定範囲に規制する。
【解決手段】前処理部で刈り取られた穀稈を脱穀部に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体と、該扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータと、扱深制御を行う制御部とを備え、制御部が扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させるコンバインにおいて、前記扱深調整搬送体が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動されると、それ以降、制御部が、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードから所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動された方向に扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードに移行する。
【解決手段】前処理部で刈り取られた穀稈を脱穀部に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体と、該扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータと、扱深制御を行う制御部とを備え、制御部が扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させるコンバインにおいて、前記扱深調整搬送体が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動されると、それ以降、制御部が、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードから所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動された方向に扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードに移行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、前処理部で刈り取られた穀稈を前記走行機体の脱穀部に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体と、走行機体の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部と、前処理部で刈り取られた穀稈を前記走行機体の脱穀部に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体と、該扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータと、扱深制御を行う制御部とを備え、制御部が扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させる特許文献1に示すコンバインが公知となっている。
【特許文献1】特開2005−6555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記文献のコンバインは、扱深調整搬送体を所定以上浅扱ぎ方向に移動させないための浅扱ぎ側リミットスイッチと、扱深調整搬送体を所定以上深扱ぎ方向に移動させないための深扱ぎ側リミットスイッチとを備え、扱深調整搬送体の移動を機械構成上又は制御上の不都合が生じない所定範囲に規制しているが、上記2つのリミットスイッチ(センサ)を設ける必要があるため、コストが高くなってしまう課題がある。くわえて、上記2つのリミットスイッチは取付位置を厳密に調整する必要があるため、設置コストの観点及び品質の均一化の観点からも課題が残る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明のコンバインは、第1に走行機体2と、走行機体2の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部3と、前処理部3で刈り取られた穀稈を前記走行機体2の脱穀部8に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体17と、該扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータ19と、扱深制御を行う制御部57とを備え、制御部57が扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させるコンバインにおいて、前記扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動されると、それ以降、制御部57が、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードから所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動された方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードに移行することを特徴としている。
【0005】
第2に、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードの制御部57は、扱深調整搬送体17が他方向にインチング駆動又は連続駆動されると、通常駆動モードに移行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明のコンバインによれば、リミットスイッチ等のセンサ類を設けることなく扱深調整搬送体の移動を所定範囲内に規制できるため、コンバインの製造コストを低く抑えることが可能になる。くわえて、リミットスイッチ等のセンサ類の厳密な取付位置調整も不要になるため、コンバインの製造効率が向上するとともに品質のばらつきも抑制できる。
【0007】
また、制御部の変則駆動モードから通常駆動モードへの切換が自動的に行われるため、変速駆動モードの解除を手動で行う必要がなく、利便性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1及び2は本発明の適用したコンバインの左側面図及び右側面図である。本コンバインは、左右一対のクローラ式の走行部1L,1Rと、該左右の走行部1L,1Rに支持される走行機体2と、走行機体2の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部3とを備えており、走行機体2の右部前側には運転席4が設けられている。
【0009】
前処理部3の下端部に設置されたレシプロ式の刈取刃(図示しない)で刈り取られた穀稈は、搬送装置6及びフィードチェーン7を介して、走行機体2の左部に設けられた脱穀部8に搬送される。フィードチェーン7は穀稈の穂先が扱室(図示しない)を通過するように穀稈の株元を後方に挟持搬送するように構成されている。そして、脱穀部8内の扱胴(図示しない)等は扱室を通過する穀稈の脱穀処理を行う。
【0010】
扱室で扱ぎ降ろされた扱降物は、扱室下方の選別室(図示しない)に漏下し、選別室内で起風される後方斜め上方向の選別風によって藁屑と穀粒とに選別され、藁屑は機体後方から機外に排出され、穀粒は走行機体2の右部後側のグレンタンク9内に収容される。グレンタンク9内に収容された穀粒は、走行機体2に水平回動自在且つ上下揺動自在に支持されたオーガ11を介して、機外に排出される。
【0011】
上記前処理部3は、前方に向かって下方に傾斜した縦筒12によって走行機体2に昇降自在に連結支持されている。縦筒12内には回転自在に伝動軸(図示しない)が支持されており、該伝動軸を介して、走行機体2側の動力が前処理部3側に伝動される。
【0012】
上記搬送装置6は、穀稈の株元を挟持搬送する複数の株元搬送体13と、穀稈の穂先を搬送する複数の穂先搬送体14と、穀稈の株元を上記フィードチェーン7に渡す後方株元搬送体16と、扱深調整搬送体17とを備えている。複数の株元搬送体13が上記刈取刃で刈り取られた穀稈を後方の合流部(図示しない)に合流搬送する。上記合流部に集められた穀稈の株元は、扱深調整搬送体17によって、後方株元搬送体16に送られる。そして、複数の穂先搬送体14は、上記株元搬送体13、扱深調整搬送体17及び後方株元搬送体16の株元挟持搬送に同調して穀稈の穂先を走行機体2側に搬送する。
【0013】
上記扱深調整搬送体17は、回動軸18を介して縦筒12に支持され、電動式のアクチュエータであるこぎ深さモータ19(図6参照)によって扱深調整搬送体17の搬送下流側が後方株元搬送体16の搬送上流側に対して近接及び離間する方向に回動駆動される。
【0014】
扱深調整搬送体17の搬送下流側を後方株元搬送体16の搬送上流側に近接する方向に移動させると、後方株元搬送体16の穀稈挟持位置がより株元側に変位する一方、扱深調整搬送体17の搬送下流側を後方株元搬送体16の搬送上流側から離間する方向に移動させると、後方株元搬送体16の穀稈挟持位置がより穂先側に変位する。
【0015】
これに伴ってフィードチェーン7の穀稈挟持位置がより株元側又はより穂先側に変位し、穀稈の扱室への挿入量が変化するため、穀稈の扱深さが調整される。すなわち、後方株元搬送体16の搬送上流側に対して扱深調整搬送体17の搬送下流側が近接する方向が深扱ぎ方向であり、離間する方向が浅扱ぎ方向となる。
【0016】
図3は扱深さ検出手段による検出状態を示すものであり、(a)は扱深調整搬送体を深扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示し、(b)は扱深調整搬送体を移動させる必要がない検出状態を示し、(c)は扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示している。上記搬送装置6によって搬送されてくる穀稈の扱深さは搬送下流側の穂先搬送体14の上方に設置された扱深さ検出手段21によって検出される。
【0017】
扱深さ検出手段21は、こぎ深さメインセンサ22(メインセンサ)と、こぎ深さ株元センサ23(株元センサ)と、こぎ深さ穂先センサ24(穂先センサ)とから構成される。上記3つのセンサ22,23,24は、搬送されてくる穀稈の稈長方向に並べて設置され、メインセンサ22→株元センサ23→穂先センサ24の順に穀稈の株元から遠くなるように配置されている。
【0018】
穀稈の稈長が、同図(a)に示すように、メインセンサ22のみをONする程度の長さである場合には、そのままフィードチェーン8に渡すと、穀稈の扱室への挿入量が少なく効率の良い脱穀処理を行うことができない。このため、扱深調整搬送体17を深扱ぎ方向に回動駆動させる必要がある。
【0019】
穀稈の稈長が、同図(b)に示すように、メインセンサ22及び株元センサ23をONする程度の長さである場合には、そのままフィードチェーン8に渡しても、穀稈の扱室への挿入量が適切であるため、効率の良い脱穀処理を行うことができる。このため、扱深調整搬送体17の回動駆動を停止させる。
【0020】
穀稈の稈長が、同図(c)に示すように、メインセンサ22、株元センサ23及び穂先センサ24の全てをONする程度の長さである場合には、そのままフィードチェーン8に渡すと、穀稈の扱室への挿入量が多すぎて効率の良い脱穀処理を行うことができない。このため、扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向に回動駆動させる必要がある。
【0021】
本コンバインは、以上のように扱深さ検出手段21の検出結果に基づいて扱深調整搬送体17を回動駆動させることにより、穀稈の扱深さを自動的に最適制御することが可能である。くわえて、運転席4の後述する扱深さ手動操作具26,27(図4参照)により扱深調整搬送体17の操作を行い、穀稈の扱深さを手動で調整することもできる。
【0022】
図4は、運転席の平面図である。運転席4はオペレータが着座する座席28と、オペレータの足を置くステップ29と、座席28前方に設置されたマルチレバー31と、座席28の左斜め前方に設置された前後進レバー32と、前後進レバー32の後方且つ座席28の左側方に設けられた方向自動スイッチ33と、方向自動スイッチ33の後方且つ座席の左側方に設けられたこぎ深さ自動スイッチ34とを備えている。
【0023】
ステップ29は、平面視座席28とマルチレバー31との間に固設された略直方体形状且つ中空状のステップフレーム36(図2参照)の上面に形成されている。ステップフレーム36の内部には、後述するチェッカー37(図12参照)が設置されている。ステップ29は、左端部を支点として開閉可能に構成されている。そして、ステップ29を開くことにより作業者が上記チェッカー37にアクセスできるようになっている。
【0024】
前後進レバー32を前後揺動操作することにより、揺動方向に機体を走行駆動させる。前後進レバー32の前面側には扱深さ手動操作具として、扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向に回動駆動させる浅扱ぎスイッチ26(こぎ深さ手動スイッチ)と、扱深調整搬送体17を深扱ぎ方向に回動操作する深扱ぎスイッチ27(こぎ深さ手動スイッチ)とを備えている。
【0025】
マルチレバー31を前後揺動操作することにより前処理部3の昇降操作を行うとともに、マルチレバー31を左右揺動操作することにより機体の操向操作を行う。具体的には、マルチレバー31を左右揺動操作すると、揺動方向側の走行部1L,1Rが減速され、左右の走行部1L,1Rに生じた駆動スピード差により、機体が旋回駆動される。くわえて、マルチレバー31の上面には、機体の左右向きの微調整を行う左操向スイッチ38(操向スイッチ)及び右操向スイッチ39(操向スイッチ)が設けられている。
【0026】
方向自動スイッチ33は、機体の左右向きが圃場の穀稈の条列方向に自動的に向くように制御する方向自動制御のON/OFFの切換を行うスイッチである。なお、圃場の穀稈の条列方向に対する機体の相対的な傾きは、方向センサ41(図6参照)によって検出される。
【0027】
こぎ深さ自動スイッチ34は、扱深さ検出手段21の検出結果に基づいて扱深調整搬送体17の駆動を制御することにより、穀稈の扱深さを自動的に最適制御するこぎ深さ自動制御のON/OFFの切換を行うスイッチである。
【0028】
図5は、本コンバインの伝動系統図である。本コンバインは、油圧式無段階変速機42(HST)及びトランスミッション43を介して、エンジン44の動力を左右の走行部1L,1Rのドライブ軸46L,46Rに伝動する。トランスミッション43は、HST42からの回転動力を種々の伝動軸及びギヤを介して出力軸47と一体回転する出力ギヤ48に伝動する。出力軸47には軸方向にスライド自在且つ軸回りに回転自在な略筒形状の動作体49L,49Rが左右一対で設けられている。
【0029】
各動作体49L,49Rの内側端部と出力ギヤ48側面との間には出力ギヤ48の動力を動作体49L,49Rに伝動するサイドクラッチ51が構成され、各動作体49L,49Rの外側端部とミッションフレーム52との間には動作体を制動するサイドブレーキ53が構成され、各動作体49L,49Rの周面上には動作体49L,49Rと一体回転するギヤ54が突出形成されている。左動作体49Lのギヤ54は上記左ドライブ軸46Lと一体回転する左ドライブギヤ56Lと、右動作体49Rのギヤ54は上記右ドライブ軸46Rと一体回転する右ドライブギヤ56Rとそれぞれ常時噛合っている。
【0030】
動作体49L,49Rを出力ギヤ48から離間する方向にスライド移動させると、サイドクラッチ51が切操作されるとともに、サイドブレーキ53がON操作される。一方、動作体49L,49Rを出力ギヤ48に近接する方向にスライド移動させると、サイドクラッチ51が入操作されるとともに、サイドブレーキ53がOFF操作される。すなわち、動作体49L,49Rはサイドクラッチ51とサイドブレーキ53を選択的に動作させる。そして、各動作体49L,49Rは、常時、バネ等の弾性部材(図示しない)により出力ギヤ48側に付勢され、サイドクラッチ51が入状態、サイドブレーキ53がOFF状態となっており、出力ギヤ48の動力が左右の各走行部1L,1Rに伝動される。
【0031】
この状態から、前述したマルチレバー31を左右の一方側に揺動操作すると、アクチュエータである図示しないサイドシリンダー(油圧シリンダー)が揺動方向側の動作体49L,49Rを外方にスライド移動させる。そして、サイドシリンダーは、マルチレバー31の揺動角が次第に大きくなるにつれて、「サイドクラッチ51の切動作」→「サイドブレーキ53のON動作」→「サイドブレーキ53の動作圧力の増加による制動力の上昇」の順に状態を変化させる。
【0032】
すなわち、本コンバインは、マルチレバー31の左右揺動角度が大きくなると、それに応じて揺動方向側の走行部1L,1Rの制動力が大きくなるように構成されている。なお、マルチレバー31の左右揺動角度の増加に対する走行部1L,1Rの制動力の増加割合は後述する手段によって変更することが可能であり、これによって、マルチレバー31のフィーリングが圃場条件に合わせ柔軟に変更できる。くわえて、方向センサ41によって検出される圃場の穀稈の条列方向に対する機体の相対的な傾きに対応させる走行部1L,1Rの制動力の増加割合も後述する手段によって変更できる。
【0033】
図6は、本コンバインに搭載した制御装置のブロック図である。本コンバインに搭載した制御装置56は、マイコン57(制御部)と、マイコン57の入力側に接続される各種機器と、出力側に接続される各種機器とにより構成される。
【0034】
マイコン57の入力側には、扱深さ検出手段を構成する上記3つのセンサ22,23,24と、上記2つのこぎ深さ手動スイッチ26,27と、上記方向自動スイッチ33と、上記こぎ深さ自動スイッチ34と、上記2つの操向スイッチ38,39と、方向センサ41と、本コンバインの電源スイッチであるイグニッションスイッチ58と、ホーン59を鳴動させるホーンスイッチ61と、マルチレバー31の左右揺動角を検出するマルチレバーポテンショ62とが接続されている。
【0035】
マイコン57の出力側には、上記チェッカー37及びホーン59の他、こぎ深さ自動制御がON状態の際に点灯するこぎ深さ自動ランプ63と、前述のこぎ深さモータ19を正逆転駆動させるこぎ深さモータリレー64と、前述のサイドシリンダーによって左動作体49Lを外方にスライド移動させる左比例制御弁66L(比例制御弁)と、前述のサイドシリンダーによって右動作体49Rを外方にスライド移動させる右比例制御弁66R(比例制御弁)と、方向自動制御がON状態の際に点灯する方向自動ランプ67とが接続されている。なお、左比例制御弁66Lは該左比例制御弁66Lを開閉駆動させる左比例制御弁ドライバー68L(比例制御弁ドライバー)を介してマイコン57に接続され、右比例制御弁66Rは該右比例制御弁66Rを開閉駆動させる右比例制御弁ドライバー68R(比例制御弁ドライバー)を介してマイコン57に接続されている。
【0036】
マイコン57は、入力側に接続された各種機器からの入力信号に応じて、出力側に接続された各種機器に出力信号を出力して、各種機器を制御する。
【0037】
図7は、制御装置のこぎ深さ制御に関するメインフロー図である。制御装置56による処理が開始されると、ステップS1において、こぎ深さ手動制御のルーチンが処理され、ステップS2に進む。ステップS2では、こぎ深さ自動制御のルーチンが処理され、ステップS3に進む。ステップS3では、こぎ深さリミット制御のルーチンが処理され、ステップS4に進む。ステップS4では、こぎ深さ出力制御のルーチンが処理され、ステップS1に処理を戻す。
【0038】
図8は、制御装置のこぎ深さ手動制御に関する処理フロー図である。こぎ深さ手動制御のルーチンが開始されると、まずステップS11に進む。ステップS11では、深扱ぎスイッチ27のON/OFFの検出を行い、OFFであればステップS12に進む。ステップS12では、浅扱ぎスイッチ26のON/OFF検出を行い、ONであればステップS13に進み、OFFであれば図7に示すメインフローに処理を戻す。ステップS13では、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に駆動されるようにセット(浅扱ぎ出力セット)して処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0039】
ステップS11において、深扱ぎスイッチ27のON状態が検出されると、ステップS14に進む。ステップS14では、浅扱ぎスイッチ26のON/OFF検出を行い、OFFであればステップS15に進み、ONであれば図7に示すメインフローに処理を戻す。すなわち、浅扱ぎスイッチ26と深扱ぎスイッチ27の両方がONである場合には、誤操作等を考慮して扱深調整搬送体17を回動駆動させない。ステップS15では、扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向に駆動されるようにセット(深扱ぎ出力セット)して処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0040】
図9は、制御装置のこぎ深さ自動制御に関する処理フロー図である。こぎ深さ自動制御のルーチンが開始されると、ステップS21に進む。ステップS21では、2つのこぎ深さ手動スイッチ26,27が両方ともOFFであるか否かの検出を行い、両方ともOFF状態であればステップS22に進み、何れか一方でもON状態であれば図7に示すメインフローに処理を戻す。すなわち、こぎ深さ自動制御のルーチン処理に優先して、こぎ深さ手動制御のルーチン処理が実行され、こぎ深さ自動制御中でも扱深さ手動操作具による扱深調整搬送体17の手動操作が可能である。
【0041】
ステップS22では、こぎ深さ自動スイッチ34のON/OFFの検出を行い、OFFであれば図7に示すメインフローに処理を戻し、ONであればステップS23に進む。すなわち、こぎ深さ自動スイッチ34がON操作されない限り、こぎ深さ自動制御は実行されない。ステップS23では、メインセンサ22のON/OFF検出を行い、OFFであれば穀稈が搬送されてない状態が想定されるため図7に示すメインフローに処理を戻し、ONであればステップS24に進む。
【0042】
ステップS24では、株元センサ23のON/OFF検出を行い、ONであればステップS25に進む。ステップS25では、穂先センサ24のON/OFF検出を行い、OFFであれば、前述した図3(b)に示す状態であるため処理を図7に示すメインフローに戻す。一方、穂先センサ24がONであれば、前述した図3(c)に示す状態であるため、ステップS26に処理を進め、浅扱ぎ出力セットして処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0043】
ステップS24において、株元センサ23がOFFであれば、ステップS27に進む。ステップS27では、穂先センサ24のON/OFF検出を行い、ONであれば、穀稈の穂先が株元センサ23に達していない状態で穂先センサ24がONになっているため、検出エラーの可能性を考慮して、何もせずに図7に示すメインフローに処理を戻す。一方、穂先センサ24がOFFであれば、前述した図3(a)に示す状態であるため、ステップS28に処理を進め、深扱ぎ出力セットして処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0044】
以上、こぎ深さ手動制御又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットが実行され、出力要件が定まると、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいてマイコン57がこぎ深さモータ19に出力信号として方形波を出力し、扱深調整搬送体17を所定方向に所定回数インチング駆動させる。この際、扱深調整搬送体17の移動量は、インチング駆動の回数によって検知できる。このため、インチング駆動の回数は、マイコン57の入力側接続機器や出力側接続機器や内部のカウンタ等により構成されるインチングカウンタによってカウントする。なお、インチングカウンタとしては、浅扱ぎ方向のインチングカウンタ(浅扱ぎインチングカウンタ)と深扱ぎ方向のインチングカウンタ(深扱ぎインチングカウンタ)との2つのインチングカウンタを用意する。
【0045】
図10は、制御装置のこぎ深さリミット制御に関する処理フロー図である。こぎ深さリミット制御のルーチンが開始されると、ステップS31に進む。ステップS31では、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットされたか否か(出力要件が定まったか否か)の検出を行い、セットされていないことが検出されるとステップS32→ステップS33と処理が進む。ステップS32及びステップS33では、浅扱ぎインチングカウンタ及び深扱ぎインチングカウンタが0回にリセットされ、ステップS34に進む。
【0046】
ステップS31において、浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットされていることが検出されると、ステップS35に進む。ステップS35では、浅扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウント数になっているか否かを検出し、所定回数に達していればステップS36に進む。ステップS36では、扱深調整搬送体17が所定回数浅扱ぎ方向にインチング駆動されているため、それ以上浅扱ぎ方向に回動駆動されないようにフラグである仮想浅扱ぎ側リミットスイッチ(仮想リミットスイッチ)をONにしてステップS37に進む。ステップS35において、浅扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウントに達していなければ、ステップS36の処理を行わず、ステップS37に進む。
【0047】
ステップS37では、深扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウント数になっているか否かを検出し、所定回数に達していればステップS38に進む。ステップS38では、扱深調整搬送体17が所定回数深扱ぎ方向にインチング駆動されているため、それ以上深扱ぎ方向に回動駆動されないようにフラグである仮想深扱ぎ側リミットスイッチ(仮想リミットスイッチ)をONにしてステップS34に進む。ステップS37において、深扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウントに達していなければ、ステップS38の処理を行わず、ステップS34に進む。
【0048】
以上、ステップS35〜ステップS38の処理により、扱深調整搬送体17の移動を機械構成上又は制御上の不都合が生じない所定範囲に規制する。なお、上記2つの仮想リミットスイッチは、初期状態においてOFFにセットされ、扱深調整搬送体17は、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の中間(中立位置)に位置決めされている。
【0049】
ステップS34では、浅扱ぎ出力セットがされているか否かの検出を行い、浅扱ぎ出力セットが検出されるとステップS39に進む。ステップS39では、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に駆動予定で、その後は扱深調整搬送体17を深扱ぎ方向に駆動しても良い状態になるため、仮想深扱ぎ側リミットスイッチをOFFにセットしてステップS40に進む。
【0050】
ステップS34において、浅扱ぎ出力セットがされていない場合には、ステップS41に進む。ステップS41では、深扱ぎ出力セットがされているか否かの検出を行い、深扱ぎ出力セットが検出されるとステップS42に進み、セットされていないとステップS40に進む。ステップS42では、扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向に駆動予定で、その後は扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向に駆動しても良い状態になるため、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチをOFFにセットしてステップS40に進む。
【0051】
以上、ステップS34、ステップS39、ステップS41及びステップS42の処理によって、2つの仮想リミットスイッチのON/OFFを状況に応じて切り換える。
【0052】
ステップS40では、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチのON/OFFの検出を行い、ONであればステップS43に進む。ステップS43では、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチがONされているため、こぎ深さ手動制御又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて行われた浅扱ぎ出力セットをキャンセルし、ステップS44に進む。ステップS40において、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチがOFFであればステップS44にそのまま進む。
【0053】
ステップS44では、仮想深扱ぎ側リミットスイッチのON/OFFの検出を行い、ONであればステップS45に進む。ステップS45では、仮想深扱ぎ側リミットスイッチがONされているため、こぎ深さ手動制御又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて行われた深扱ぎ出力セットをキャンセルし、図7に示すメインフローに処理を戻す。ステップS44において、仮想深扱ぎ側リミットスイッチがOFFであれば、そのまま図7に示すメインフローに処理を戻す。
【0054】
以上、ステップS40、ステップS43、ステップS44及びステップS45の処理により、本コンバインは、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に回動駆動されない又は扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向に回動駆動されない変則駆動モードと、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に回動駆動される通常駆動モードとの2モードを有することになる。
【0055】
そして、上記した状態変化によりこの2モードの切換が行われる。具体的には、通常駆動モードから変則駆動モードへの移行をステップS35〜ステップS38の処理において行い、変則駆動モードから通常駆動モードへの移行をステップS34、ステップS39、ステップS41及びステップS42の処理において行う。
【0056】
このようにして、図7に示すメインフローのこぎ深さ手動制御及びこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットが行われ出力要件が決定された後、こぎ深さリミット制御の処理ルーチンにおいて通常駆動モードと変則駆動モードの切換が行われるとともに、必要に応じて浅扱ぎ出力セットや深扱ぎ出力セットのキャンセル処理が行われ、その後に、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいて、扱深調整搬送体17の駆動出力制御が行われる。
【0057】
図11(a)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(b)は(a)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャート図であり、(c)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(d)は(c)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャートである。
【0058】
まず、同図(a)及び(b)に示す例について説明する。ステップS1又はステップS2において、浅扱ぎ出力セットが一定時間行われ、それに伴って扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向にインチング駆動される。そして、浅扱ぎインチングカウンタが所定回数のインチングを検出すると、通常駆動モードから変則駆動モードに移行する。その後は浅扱ぎ出力セットがされている場合でも浅扱ぎ出力セットがキャンセルされ、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に回動駆動されなくなる。
【0059】
次に、同図(c)及び(d)に示す例について説明する。ステップS1又はステップS2において、浅扱ぎ出力セットが一定時間行われ、それに伴って扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向にインチング駆動される。そして、浅扱ぎインチングカウンタが所定回数のインチングを検出すると、通常駆動モードから変則駆動モードに移行する。さらに、その後に深扱ぎ出力セットが行われると、変則駆動モードから通常駆動モードに再び移行するとともに扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向にインチング駆動される。そして、その後に浅扱ぎ出力セットがされると、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向にインチング駆動される。
【0060】
以上のように構成される本コンバインによれば、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動されると、それ以降、マイコン57が該方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動させない変則駆動モードに移行する。また、この状態のマイコン57は、扱深調整搬送体17が他方向にインチング駆動されると、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードに移行する。
【0061】
また、こぎ深さモータ19に過電流や異常電流等を防止するサーキットブレーカを内蔵している場合、こぎ深さモータ19を一定以上連続的に出力すると、上記サーキットブレーカが作動して所定時間こぎ深さモータ19が使用できなくなるが、前述した通常駆動モードから変則駆動モードへの移行により、上記のような事態も防止できる。
【0062】
なお、図7〜11では、こぎ深さ手動制御の処理ルーチン又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットが実行され、出力要件が定まると、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいてマイコン57がこぎ深さモータ19に出力信号として方形波を出力し、扱深調整搬送体17を所定方向に所定回数インチング駆動させる例につき説明したが、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいてマイコン57がこぎ深さモータ19に出力信号を出力し、扱深調整搬送体17を所定方向に連続駆動させてもよい。
【0063】
この際、扱深調整搬送体17の移動量は、連続駆動時間によって検知できる。このため、連続駆動時間は、マイコン57の入力側接続機器や出力側接続機器や内部のカウンタ等により構成されるタイムカウンタによってカウントする。なお、タイムカウンタとしては、浅扱ぎ方向のタイムカウンタ(浅扱ぎタイムカウンタ)と深扱ぎ方向のタイムカウンタ(深扱ぎタイムカウンタ)との2つのタイムカウンタを用意する。この2つのタイムカウンタを、前述した2つのインチングカウンタの変わりに、こぎ深さリミット制御の処理ルーチンにおいて用いる。すなわち、こぎ深さリミット制御の処理ルーチンにおいて、2つのタイムカウンタの何れかによって連続駆動時間が所定時間に達したことが検出されると、対応する仮想リミットスイッチがONにセットされ、通常駆動モードから変則駆動モードへの移行が行われる。
【0064】
以上のように構成される本コンバインによれば、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定時間以上連続駆動されると、それ以降、マイコン57が該方向に扱深調整搬送体17を連続駆動させない変則駆動モードに移行する。また、この状態のマイコン57は、扱深調整搬送体17が他方向に連続駆動されると、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体を連続駆動させることが可能な通常駆動モードに移行する。
【0065】
図12は、チェッカーの平面図である。チェッカー37は、チェック部69と、表示部71とを備えている。チェック部69は、方向センサ41等の各種センサ類の故障をLEDの点灯の有無により確認するためのものである。表示部71は7つのセグメントにより構成され、「0」〜「9」までの数字が表示可能になっており、各種情報を出力表示する。
【0066】
なお、本コンバインは、所定の操作を行うと、通常モードからメモリバックアップモードに移行して、チェッカー37の表示部71に表示される情報から各種の設定を行うことが可能になっている。くわえて、コンバインは、略同一の構成のものにおいても、幾つかの型式に分類され、各型式によってマイコン57による制御パラメータが微妙に異なっている。例えば、型式が異なると、扱深調整搬送体17の回動範囲やトランスミッション43の左右の動作体49L,49Rの移動範囲も微妙に異なる。
【0067】
本コンバインでは、イグニッションスイッチをON操作して電源を入れると、チェッカー37の表示部に型式が1回だけ出力表示される。例えば、型式「VS38」のコンバインの場合、電源投入時に表示部に1回だけ「3」→「8」の順に数字が表示される。この表示により、作業者はコンバインの型式を容易に知ることができる。ちなみに、表示部71に2桁以上の数字を表示させる手段は、上記のように、桁数の大きな方から順番に数字が表示していく。例えば「321」という数字を表示する場合は、「3」→「2」→「1」の順に表示部71に表示していく。
【0068】
また、作業者は、マイコン57の設定をコンバインの型式に合せて変更することができる。具体的には、前述したコンバインをメモリバックアップモードに切換操作した後、ホーンスイッチ61をON操作すると、型式選択モードに移行する。例えば、略同一構成のコンバインの型式が5つあり、それが「VM218」、「VM219」、「VM221」、「VS321」及び「VS323」である場合、マルチレバー31を中立位置から最左方揺動させると表示部71に「2」「1」「8」が表示され、マルチレバー31を中立位置から少し左方揺動させると表示部71に「2」「1」「9」が表示され、マルチレバー31を中立にすると表示部71に「2」「2」「1」が表示され、マルチレバー31を中立位置から少し右方揺動させると表示部71に「3」「2」「1」が表示され、マルチレバー31を中立位置から最右方揺動させると表示部71に「3」「2」「3」が表示される。
【0069】
そして、所望の型式が表示部71に表示されている際に、ホーンスイッチ61を再度ON操作すると、マイコン57がその型式に設定変更される。以上のようにして、作業者がマイコン57の型式変更を容易に行うことができるため、利便性が高い。
【0070】
さらに、作業者は、前述したようにマルチレバー31の左右揺動角度の増加に対する走行部1L,1Rの制動力の増加割合と、方向センサ41によって検出される機体の傾きに対応させる走行部1L,1Rの制動力の増加割合とを、まとめて変更できる。
【0071】
具体的には、前述したコンバインをメモリバックアップモードに切換操作した後、上記2つの操向スイッチ38,39を同時にON操作すると、設定変更モードに移行する。設定変更モードでは、チェッカー37の表示部71に「0」〜「9」までの数字が表示される。表示される数字が大きいほど、マルチレバー21の揺動角度及び方向センサ41の検出角度に対して走行部1L,1Rの制動力の増加割合が大きいことを意味している。
【0072】
そして、マルチレバーの前後揺動操作により表示部71に表示される数字を1きざみで増減させ、所望の値が表示部71に表示された際に、上記2つの操向スイッチ38,39を同時にON操作すると、マルチレバー21の揺動角度及び方向センサ41の検出角度に対して走行部1L,1Rの制動力の増加割合が、その値で設定される。以上のようにして、圃場の状況等に対応させてマルチレバー31の操作フィーリング、自動方向制御の感度を自由に設定変更できるため、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の適用したコンバインの左側面図である。
【図2】本発明の適用したコンバインの右側面図である。
【図3】扱深さ検出手段による検出状態を示すものであり、(a)は扱深調整搬送体を深扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示し、(b)は扱深調整搬送体を移動させる必要がない検出状態を示し、(c)は扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示している。
【図4】運転席の平面図である。
【図5】本コンバインの伝動系統図である。
【図6】本コンバインに搭載した制御装置のブロック図である。
【図7】制御装置のこぎ深さ制御に関するメインフロー図である。
【図8】制御装置のこぎ深さ手動制御に関する処理フロー図である。
【図9】制御装置のこぎ深さ自動制御に関する処理フロー図である。
【図10】制御装置のこぎ深さリミット制御に関する処理フロー図である。
【図11】(a)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(b)は(a)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャート図であり、(c)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(d)は(c)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャートである。
【図12】チェッカーの平面図である。
【符号の説明】
【0074】
2 走行機体
3 前処理部
17 扱深調整搬送体
19 こぎ深さモータ(アクチュエータ)
57 マイコン(制御部)
【技術分野】
【0001】
この発明は、前処理部で刈り取られた穀稈を前記走行機体の脱穀部に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体と、走行機体の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部と、前処理部で刈り取られた穀稈を前記走行機体の脱穀部に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体と、該扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータと、扱深制御を行う制御部とを備え、制御部が扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させる特許文献1に示すコンバインが公知となっている。
【特許文献1】特開2005−6555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記文献のコンバインは、扱深調整搬送体を所定以上浅扱ぎ方向に移動させないための浅扱ぎ側リミットスイッチと、扱深調整搬送体を所定以上深扱ぎ方向に移動させないための深扱ぎ側リミットスイッチとを備え、扱深調整搬送体の移動を機械構成上又は制御上の不都合が生じない所定範囲に規制しているが、上記2つのリミットスイッチ(センサ)を設ける必要があるため、コストが高くなってしまう課題がある。くわえて、上記2つのリミットスイッチは取付位置を厳密に調整する必要があるため、設置コストの観点及び品質の均一化の観点からも課題が残る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明のコンバインは、第1に走行機体2と、走行機体2の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部3と、前処理部3で刈り取られた穀稈を前記走行機体2の脱穀部8に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体17と、該扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータ19と、扱深制御を行う制御部57とを備え、制御部57が扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させるコンバインにおいて、前記扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動されると、それ以降、制御部57が、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードから所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動された方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードに移行することを特徴としている。
【0005】
第2に、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードの制御部57は、扱深調整搬送体17が他方向にインチング駆動又は連続駆動されると、通常駆動モードに移行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明のコンバインによれば、リミットスイッチ等のセンサ類を設けることなく扱深調整搬送体の移動を所定範囲内に規制できるため、コンバインの製造コストを低く抑えることが可能になる。くわえて、リミットスイッチ等のセンサ類の厳密な取付位置調整も不要になるため、コンバインの製造効率が向上するとともに品質のばらつきも抑制できる。
【0007】
また、制御部の変則駆動モードから通常駆動モードへの切換が自動的に行われるため、変速駆動モードの解除を手動で行う必要がなく、利便性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1及び2は本発明の適用したコンバインの左側面図及び右側面図である。本コンバインは、左右一対のクローラ式の走行部1L,1Rと、該左右の走行部1L,1Rに支持される走行機体2と、走行機体2の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部3とを備えており、走行機体2の右部前側には運転席4が設けられている。
【0009】
前処理部3の下端部に設置されたレシプロ式の刈取刃(図示しない)で刈り取られた穀稈は、搬送装置6及びフィードチェーン7を介して、走行機体2の左部に設けられた脱穀部8に搬送される。フィードチェーン7は穀稈の穂先が扱室(図示しない)を通過するように穀稈の株元を後方に挟持搬送するように構成されている。そして、脱穀部8内の扱胴(図示しない)等は扱室を通過する穀稈の脱穀処理を行う。
【0010】
扱室で扱ぎ降ろされた扱降物は、扱室下方の選別室(図示しない)に漏下し、選別室内で起風される後方斜め上方向の選別風によって藁屑と穀粒とに選別され、藁屑は機体後方から機外に排出され、穀粒は走行機体2の右部後側のグレンタンク9内に収容される。グレンタンク9内に収容された穀粒は、走行機体2に水平回動自在且つ上下揺動自在に支持されたオーガ11を介して、機外に排出される。
【0011】
上記前処理部3は、前方に向かって下方に傾斜した縦筒12によって走行機体2に昇降自在に連結支持されている。縦筒12内には回転自在に伝動軸(図示しない)が支持されており、該伝動軸を介して、走行機体2側の動力が前処理部3側に伝動される。
【0012】
上記搬送装置6は、穀稈の株元を挟持搬送する複数の株元搬送体13と、穀稈の穂先を搬送する複数の穂先搬送体14と、穀稈の株元を上記フィードチェーン7に渡す後方株元搬送体16と、扱深調整搬送体17とを備えている。複数の株元搬送体13が上記刈取刃で刈り取られた穀稈を後方の合流部(図示しない)に合流搬送する。上記合流部に集められた穀稈の株元は、扱深調整搬送体17によって、後方株元搬送体16に送られる。そして、複数の穂先搬送体14は、上記株元搬送体13、扱深調整搬送体17及び後方株元搬送体16の株元挟持搬送に同調して穀稈の穂先を走行機体2側に搬送する。
【0013】
上記扱深調整搬送体17は、回動軸18を介して縦筒12に支持され、電動式のアクチュエータであるこぎ深さモータ19(図6参照)によって扱深調整搬送体17の搬送下流側が後方株元搬送体16の搬送上流側に対して近接及び離間する方向に回動駆動される。
【0014】
扱深調整搬送体17の搬送下流側を後方株元搬送体16の搬送上流側に近接する方向に移動させると、後方株元搬送体16の穀稈挟持位置がより株元側に変位する一方、扱深調整搬送体17の搬送下流側を後方株元搬送体16の搬送上流側から離間する方向に移動させると、後方株元搬送体16の穀稈挟持位置がより穂先側に変位する。
【0015】
これに伴ってフィードチェーン7の穀稈挟持位置がより株元側又はより穂先側に変位し、穀稈の扱室への挿入量が変化するため、穀稈の扱深さが調整される。すなわち、後方株元搬送体16の搬送上流側に対して扱深調整搬送体17の搬送下流側が近接する方向が深扱ぎ方向であり、離間する方向が浅扱ぎ方向となる。
【0016】
図3は扱深さ検出手段による検出状態を示すものであり、(a)は扱深調整搬送体を深扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示し、(b)は扱深調整搬送体を移動させる必要がない検出状態を示し、(c)は扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示している。上記搬送装置6によって搬送されてくる穀稈の扱深さは搬送下流側の穂先搬送体14の上方に設置された扱深さ検出手段21によって検出される。
【0017】
扱深さ検出手段21は、こぎ深さメインセンサ22(メインセンサ)と、こぎ深さ株元センサ23(株元センサ)と、こぎ深さ穂先センサ24(穂先センサ)とから構成される。上記3つのセンサ22,23,24は、搬送されてくる穀稈の稈長方向に並べて設置され、メインセンサ22→株元センサ23→穂先センサ24の順に穀稈の株元から遠くなるように配置されている。
【0018】
穀稈の稈長が、同図(a)に示すように、メインセンサ22のみをONする程度の長さである場合には、そのままフィードチェーン8に渡すと、穀稈の扱室への挿入量が少なく効率の良い脱穀処理を行うことができない。このため、扱深調整搬送体17を深扱ぎ方向に回動駆動させる必要がある。
【0019】
穀稈の稈長が、同図(b)に示すように、メインセンサ22及び株元センサ23をONする程度の長さである場合には、そのままフィードチェーン8に渡しても、穀稈の扱室への挿入量が適切であるため、効率の良い脱穀処理を行うことができる。このため、扱深調整搬送体17の回動駆動を停止させる。
【0020】
穀稈の稈長が、同図(c)に示すように、メインセンサ22、株元センサ23及び穂先センサ24の全てをONする程度の長さである場合には、そのままフィードチェーン8に渡すと、穀稈の扱室への挿入量が多すぎて効率の良い脱穀処理を行うことができない。このため、扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向に回動駆動させる必要がある。
【0021】
本コンバインは、以上のように扱深さ検出手段21の検出結果に基づいて扱深調整搬送体17を回動駆動させることにより、穀稈の扱深さを自動的に最適制御することが可能である。くわえて、運転席4の後述する扱深さ手動操作具26,27(図4参照)により扱深調整搬送体17の操作を行い、穀稈の扱深さを手動で調整することもできる。
【0022】
図4は、運転席の平面図である。運転席4はオペレータが着座する座席28と、オペレータの足を置くステップ29と、座席28前方に設置されたマルチレバー31と、座席28の左斜め前方に設置された前後進レバー32と、前後進レバー32の後方且つ座席28の左側方に設けられた方向自動スイッチ33と、方向自動スイッチ33の後方且つ座席の左側方に設けられたこぎ深さ自動スイッチ34とを備えている。
【0023】
ステップ29は、平面視座席28とマルチレバー31との間に固設された略直方体形状且つ中空状のステップフレーム36(図2参照)の上面に形成されている。ステップフレーム36の内部には、後述するチェッカー37(図12参照)が設置されている。ステップ29は、左端部を支点として開閉可能に構成されている。そして、ステップ29を開くことにより作業者が上記チェッカー37にアクセスできるようになっている。
【0024】
前後進レバー32を前後揺動操作することにより、揺動方向に機体を走行駆動させる。前後進レバー32の前面側には扱深さ手動操作具として、扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向に回動駆動させる浅扱ぎスイッチ26(こぎ深さ手動スイッチ)と、扱深調整搬送体17を深扱ぎ方向に回動操作する深扱ぎスイッチ27(こぎ深さ手動スイッチ)とを備えている。
【0025】
マルチレバー31を前後揺動操作することにより前処理部3の昇降操作を行うとともに、マルチレバー31を左右揺動操作することにより機体の操向操作を行う。具体的には、マルチレバー31を左右揺動操作すると、揺動方向側の走行部1L,1Rが減速され、左右の走行部1L,1Rに生じた駆動スピード差により、機体が旋回駆動される。くわえて、マルチレバー31の上面には、機体の左右向きの微調整を行う左操向スイッチ38(操向スイッチ)及び右操向スイッチ39(操向スイッチ)が設けられている。
【0026】
方向自動スイッチ33は、機体の左右向きが圃場の穀稈の条列方向に自動的に向くように制御する方向自動制御のON/OFFの切換を行うスイッチである。なお、圃場の穀稈の条列方向に対する機体の相対的な傾きは、方向センサ41(図6参照)によって検出される。
【0027】
こぎ深さ自動スイッチ34は、扱深さ検出手段21の検出結果に基づいて扱深調整搬送体17の駆動を制御することにより、穀稈の扱深さを自動的に最適制御するこぎ深さ自動制御のON/OFFの切換を行うスイッチである。
【0028】
図5は、本コンバインの伝動系統図である。本コンバインは、油圧式無段階変速機42(HST)及びトランスミッション43を介して、エンジン44の動力を左右の走行部1L,1Rのドライブ軸46L,46Rに伝動する。トランスミッション43は、HST42からの回転動力を種々の伝動軸及びギヤを介して出力軸47と一体回転する出力ギヤ48に伝動する。出力軸47には軸方向にスライド自在且つ軸回りに回転自在な略筒形状の動作体49L,49Rが左右一対で設けられている。
【0029】
各動作体49L,49Rの内側端部と出力ギヤ48側面との間には出力ギヤ48の動力を動作体49L,49Rに伝動するサイドクラッチ51が構成され、各動作体49L,49Rの外側端部とミッションフレーム52との間には動作体を制動するサイドブレーキ53が構成され、各動作体49L,49Rの周面上には動作体49L,49Rと一体回転するギヤ54が突出形成されている。左動作体49Lのギヤ54は上記左ドライブ軸46Lと一体回転する左ドライブギヤ56Lと、右動作体49Rのギヤ54は上記右ドライブ軸46Rと一体回転する右ドライブギヤ56Rとそれぞれ常時噛合っている。
【0030】
動作体49L,49Rを出力ギヤ48から離間する方向にスライド移動させると、サイドクラッチ51が切操作されるとともに、サイドブレーキ53がON操作される。一方、動作体49L,49Rを出力ギヤ48に近接する方向にスライド移動させると、サイドクラッチ51が入操作されるとともに、サイドブレーキ53がOFF操作される。すなわち、動作体49L,49Rはサイドクラッチ51とサイドブレーキ53を選択的に動作させる。そして、各動作体49L,49Rは、常時、バネ等の弾性部材(図示しない)により出力ギヤ48側に付勢され、サイドクラッチ51が入状態、サイドブレーキ53がOFF状態となっており、出力ギヤ48の動力が左右の各走行部1L,1Rに伝動される。
【0031】
この状態から、前述したマルチレバー31を左右の一方側に揺動操作すると、アクチュエータである図示しないサイドシリンダー(油圧シリンダー)が揺動方向側の動作体49L,49Rを外方にスライド移動させる。そして、サイドシリンダーは、マルチレバー31の揺動角が次第に大きくなるにつれて、「サイドクラッチ51の切動作」→「サイドブレーキ53のON動作」→「サイドブレーキ53の動作圧力の増加による制動力の上昇」の順に状態を変化させる。
【0032】
すなわち、本コンバインは、マルチレバー31の左右揺動角度が大きくなると、それに応じて揺動方向側の走行部1L,1Rの制動力が大きくなるように構成されている。なお、マルチレバー31の左右揺動角度の増加に対する走行部1L,1Rの制動力の増加割合は後述する手段によって変更することが可能であり、これによって、マルチレバー31のフィーリングが圃場条件に合わせ柔軟に変更できる。くわえて、方向センサ41によって検出される圃場の穀稈の条列方向に対する機体の相対的な傾きに対応させる走行部1L,1Rの制動力の増加割合も後述する手段によって変更できる。
【0033】
図6は、本コンバインに搭載した制御装置のブロック図である。本コンバインに搭載した制御装置56は、マイコン57(制御部)と、マイコン57の入力側に接続される各種機器と、出力側に接続される各種機器とにより構成される。
【0034】
マイコン57の入力側には、扱深さ検出手段を構成する上記3つのセンサ22,23,24と、上記2つのこぎ深さ手動スイッチ26,27と、上記方向自動スイッチ33と、上記こぎ深さ自動スイッチ34と、上記2つの操向スイッチ38,39と、方向センサ41と、本コンバインの電源スイッチであるイグニッションスイッチ58と、ホーン59を鳴動させるホーンスイッチ61と、マルチレバー31の左右揺動角を検出するマルチレバーポテンショ62とが接続されている。
【0035】
マイコン57の出力側には、上記チェッカー37及びホーン59の他、こぎ深さ自動制御がON状態の際に点灯するこぎ深さ自動ランプ63と、前述のこぎ深さモータ19を正逆転駆動させるこぎ深さモータリレー64と、前述のサイドシリンダーによって左動作体49Lを外方にスライド移動させる左比例制御弁66L(比例制御弁)と、前述のサイドシリンダーによって右動作体49Rを外方にスライド移動させる右比例制御弁66R(比例制御弁)と、方向自動制御がON状態の際に点灯する方向自動ランプ67とが接続されている。なお、左比例制御弁66Lは該左比例制御弁66Lを開閉駆動させる左比例制御弁ドライバー68L(比例制御弁ドライバー)を介してマイコン57に接続され、右比例制御弁66Rは該右比例制御弁66Rを開閉駆動させる右比例制御弁ドライバー68R(比例制御弁ドライバー)を介してマイコン57に接続されている。
【0036】
マイコン57は、入力側に接続された各種機器からの入力信号に応じて、出力側に接続された各種機器に出力信号を出力して、各種機器を制御する。
【0037】
図7は、制御装置のこぎ深さ制御に関するメインフロー図である。制御装置56による処理が開始されると、ステップS1において、こぎ深さ手動制御のルーチンが処理され、ステップS2に進む。ステップS2では、こぎ深さ自動制御のルーチンが処理され、ステップS3に進む。ステップS3では、こぎ深さリミット制御のルーチンが処理され、ステップS4に進む。ステップS4では、こぎ深さ出力制御のルーチンが処理され、ステップS1に処理を戻す。
【0038】
図8は、制御装置のこぎ深さ手動制御に関する処理フロー図である。こぎ深さ手動制御のルーチンが開始されると、まずステップS11に進む。ステップS11では、深扱ぎスイッチ27のON/OFFの検出を行い、OFFであればステップS12に進む。ステップS12では、浅扱ぎスイッチ26のON/OFF検出を行い、ONであればステップS13に進み、OFFであれば図7に示すメインフローに処理を戻す。ステップS13では、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に駆動されるようにセット(浅扱ぎ出力セット)して処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0039】
ステップS11において、深扱ぎスイッチ27のON状態が検出されると、ステップS14に進む。ステップS14では、浅扱ぎスイッチ26のON/OFF検出を行い、OFFであればステップS15に進み、ONであれば図7に示すメインフローに処理を戻す。すなわち、浅扱ぎスイッチ26と深扱ぎスイッチ27の両方がONである場合には、誤操作等を考慮して扱深調整搬送体17を回動駆動させない。ステップS15では、扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向に駆動されるようにセット(深扱ぎ出力セット)して処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0040】
図9は、制御装置のこぎ深さ自動制御に関する処理フロー図である。こぎ深さ自動制御のルーチンが開始されると、ステップS21に進む。ステップS21では、2つのこぎ深さ手動スイッチ26,27が両方ともOFFであるか否かの検出を行い、両方ともOFF状態であればステップS22に進み、何れか一方でもON状態であれば図7に示すメインフローに処理を戻す。すなわち、こぎ深さ自動制御のルーチン処理に優先して、こぎ深さ手動制御のルーチン処理が実行され、こぎ深さ自動制御中でも扱深さ手動操作具による扱深調整搬送体17の手動操作が可能である。
【0041】
ステップS22では、こぎ深さ自動スイッチ34のON/OFFの検出を行い、OFFであれば図7に示すメインフローに処理を戻し、ONであればステップS23に進む。すなわち、こぎ深さ自動スイッチ34がON操作されない限り、こぎ深さ自動制御は実行されない。ステップS23では、メインセンサ22のON/OFF検出を行い、OFFであれば穀稈が搬送されてない状態が想定されるため図7に示すメインフローに処理を戻し、ONであればステップS24に進む。
【0042】
ステップS24では、株元センサ23のON/OFF検出を行い、ONであればステップS25に進む。ステップS25では、穂先センサ24のON/OFF検出を行い、OFFであれば、前述した図3(b)に示す状態であるため処理を図7に示すメインフローに戻す。一方、穂先センサ24がONであれば、前述した図3(c)に示す状態であるため、ステップS26に処理を進め、浅扱ぎ出力セットして処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0043】
ステップS24において、株元センサ23がOFFであれば、ステップS27に進む。ステップS27では、穂先センサ24のON/OFF検出を行い、ONであれば、穀稈の穂先が株元センサ23に達していない状態で穂先センサ24がONになっているため、検出エラーの可能性を考慮して、何もせずに図7に示すメインフローに処理を戻す。一方、穂先センサ24がOFFであれば、前述した図3(a)に示す状態であるため、ステップS28に処理を進め、深扱ぎ出力セットして処理を図7に示すメインフローに戻す。
【0044】
以上、こぎ深さ手動制御又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットが実行され、出力要件が定まると、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいてマイコン57がこぎ深さモータ19に出力信号として方形波を出力し、扱深調整搬送体17を所定方向に所定回数インチング駆動させる。この際、扱深調整搬送体17の移動量は、インチング駆動の回数によって検知できる。このため、インチング駆動の回数は、マイコン57の入力側接続機器や出力側接続機器や内部のカウンタ等により構成されるインチングカウンタによってカウントする。なお、インチングカウンタとしては、浅扱ぎ方向のインチングカウンタ(浅扱ぎインチングカウンタ)と深扱ぎ方向のインチングカウンタ(深扱ぎインチングカウンタ)との2つのインチングカウンタを用意する。
【0045】
図10は、制御装置のこぎ深さリミット制御に関する処理フロー図である。こぎ深さリミット制御のルーチンが開始されると、ステップS31に進む。ステップS31では、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットされたか否か(出力要件が定まったか否か)の検出を行い、セットされていないことが検出されるとステップS32→ステップS33と処理が進む。ステップS32及びステップS33では、浅扱ぎインチングカウンタ及び深扱ぎインチングカウンタが0回にリセットされ、ステップS34に進む。
【0046】
ステップS31において、浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットされていることが検出されると、ステップS35に進む。ステップS35では、浅扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウント数になっているか否かを検出し、所定回数に達していればステップS36に進む。ステップS36では、扱深調整搬送体17が所定回数浅扱ぎ方向にインチング駆動されているため、それ以上浅扱ぎ方向に回動駆動されないようにフラグである仮想浅扱ぎ側リミットスイッチ(仮想リミットスイッチ)をONにしてステップS37に進む。ステップS35において、浅扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウントに達していなければ、ステップS36の処理を行わず、ステップS37に進む。
【0047】
ステップS37では、深扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウント数になっているか否かを検出し、所定回数に達していればステップS38に進む。ステップS38では、扱深調整搬送体17が所定回数深扱ぎ方向にインチング駆動されているため、それ以上深扱ぎ方向に回動駆動されないようにフラグである仮想深扱ぎ側リミットスイッチ(仮想リミットスイッチ)をONにしてステップS34に進む。ステップS37において、深扱ぎインチングカウンタのカウントが所定カウントに達していなければ、ステップS38の処理を行わず、ステップS34に進む。
【0048】
以上、ステップS35〜ステップS38の処理により、扱深調整搬送体17の移動を機械構成上又は制御上の不都合が生じない所定範囲に規制する。なお、上記2つの仮想リミットスイッチは、初期状態においてOFFにセットされ、扱深調整搬送体17は、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の中間(中立位置)に位置決めされている。
【0049】
ステップS34では、浅扱ぎ出力セットがされているか否かの検出を行い、浅扱ぎ出力セットが検出されるとステップS39に進む。ステップS39では、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に駆動予定で、その後は扱深調整搬送体17を深扱ぎ方向に駆動しても良い状態になるため、仮想深扱ぎ側リミットスイッチをOFFにセットしてステップS40に進む。
【0050】
ステップS34において、浅扱ぎ出力セットがされていない場合には、ステップS41に進む。ステップS41では、深扱ぎ出力セットがされているか否かの検出を行い、深扱ぎ出力セットが検出されるとステップS42に進み、セットされていないとステップS40に進む。ステップS42では、扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向に駆動予定で、その後は扱深調整搬送体17を浅扱ぎ方向に駆動しても良い状態になるため、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチをOFFにセットしてステップS40に進む。
【0051】
以上、ステップS34、ステップS39、ステップS41及びステップS42の処理によって、2つの仮想リミットスイッチのON/OFFを状況に応じて切り換える。
【0052】
ステップS40では、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチのON/OFFの検出を行い、ONであればステップS43に進む。ステップS43では、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチがONされているため、こぎ深さ手動制御又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて行われた浅扱ぎ出力セットをキャンセルし、ステップS44に進む。ステップS40において、仮想浅扱ぎ側リミットスイッチがOFFであればステップS44にそのまま進む。
【0053】
ステップS44では、仮想深扱ぎ側リミットスイッチのON/OFFの検出を行い、ONであればステップS45に進む。ステップS45では、仮想深扱ぎ側リミットスイッチがONされているため、こぎ深さ手動制御又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて行われた深扱ぎ出力セットをキャンセルし、図7に示すメインフローに処理を戻す。ステップS44において、仮想深扱ぎ側リミットスイッチがOFFであれば、そのまま図7に示すメインフローに処理を戻す。
【0054】
以上、ステップS40、ステップS43、ステップS44及びステップS45の処理により、本コンバインは、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に回動駆動されない又は扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向に回動駆動されない変則駆動モードと、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に回動駆動される通常駆動モードとの2モードを有することになる。
【0055】
そして、上記した状態変化によりこの2モードの切換が行われる。具体的には、通常駆動モードから変則駆動モードへの移行をステップS35〜ステップS38の処理において行い、変則駆動モードから通常駆動モードへの移行をステップS34、ステップS39、ステップS41及びステップS42の処理において行う。
【0056】
このようにして、図7に示すメインフローのこぎ深さ手動制御及びこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットが行われ出力要件が決定された後、こぎ深さリミット制御の処理ルーチンにおいて通常駆動モードと変則駆動モードの切換が行われるとともに、必要に応じて浅扱ぎ出力セットや深扱ぎ出力セットのキャンセル処理が行われ、その後に、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいて、扱深調整搬送体17の駆動出力制御が行われる。
【0057】
図11(a)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(b)は(a)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャート図であり、(c)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(d)は(c)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャートである。
【0058】
まず、同図(a)及び(b)に示す例について説明する。ステップS1又はステップS2において、浅扱ぎ出力セットが一定時間行われ、それに伴って扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向にインチング駆動される。そして、浅扱ぎインチングカウンタが所定回数のインチングを検出すると、通常駆動モードから変則駆動モードに移行する。その後は浅扱ぎ出力セットがされている場合でも浅扱ぎ出力セットがキャンセルされ、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向に回動駆動されなくなる。
【0059】
次に、同図(c)及び(d)に示す例について説明する。ステップS1又はステップS2において、浅扱ぎ出力セットが一定時間行われ、それに伴って扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向にインチング駆動される。そして、浅扱ぎインチングカウンタが所定回数のインチングを検出すると、通常駆動モードから変則駆動モードに移行する。さらに、その後に深扱ぎ出力セットが行われると、変則駆動モードから通常駆動モードに再び移行するとともに扱深調整搬送体17が深扱ぎ方向にインチング駆動される。そして、その後に浅扱ぎ出力セットがされると、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向にインチング駆動される。
【0060】
以上のように構成される本コンバインによれば、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動されると、それ以降、マイコン57が該方向に扱深調整搬送体17をインチング駆動させない変則駆動モードに移行する。また、この状態のマイコン57は、扱深調整搬送体17が他方向にインチング駆動されると、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードに移行する。
【0061】
また、こぎ深さモータ19に過電流や異常電流等を防止するサーキットブレーカを内蔵している場合、こぎ深さモータ19を一定以上連続的に出力すると、上記サーキットブレーカが作動して所定時間こぎ深さモータ19が使用できなくなるが、前述した通常駆動モードから変則駆動モードへの移行により、上記のような事態も防止できる。
【0062】
なお、図7〜11では、こぎ深さ手動制御の処理ルーチン又はこぎ深さ自動制御の処理ルーチンにおいて浅扱ぎ出力セット又は深扱ぎ出力セットが実行され、出力要件が定まると、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいてマイコン57がこぎ深さモータ19に出力信号として方形波を出力し、扱深調整搬送体17を所定方向に所定回数インチング駆動させる例につき説明したが、こぎ深さ出力制御の処理ルーチンにおいてマイコン57がこぎ深さモータ19に出力信号を出力し、扱深調整搬送体17を所定方向に連続駆動させてもよい。
【0063】
この際、扱深調整搬送体17の移動量は、連続駆動時間によって検知できる。このため、連続駆動時間は、マイコン57の入力側接続機器や出力側接続機器や内部のカウンタ等により構成されるタイムカウンタによってカウントする。なお、タイムカウンタとしては、浅扱ぎ方向のタイムカウンタ(浅扱ぎタイムカウンタ)と深扱ぎ方向のタイムカウンタ(深扱ぎタイムカウンタ)との2つのタイムカウンタを用意する。この2つのタイムカウンタを、前述した2つのインチングカウンタの変わりに、こぎ深さリミット制御の処理ルーチンにおいて用いる。すなわち、こぎ深さリミット制御の処理ルーチンにおいて、2つのタイムカウンタの何れかによって連続駆動時間が所定時間に達したことが検出されると、対応する仮想リミットスイッチがONにセットされ、通常駆動モードから変則駆動モードへの移行が行われる。
【0064】
以上のように構成される本コンバインによれば、扱深調整搬送体17が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定時間以上連続駆動されると、それ以降、マイコン57が該方向に扱深調整搬送体17を連続駆動させない変則駆動モードに移行する。また、この状態のマイコン57は、扱深調整搬送体17が他方向に連続駆動されると、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体を連続駆動させることが可能な通常駆動モードに移行する。
【0065】
図12は、チェッカーの平面図である。チェッカー37は、チェック部69と、表示部71とを備えている。チェック部69は、方向センサ41等の各種センサ類の故障をLEDの点灯の有無により確認するためのものである。表示部71は7つのセグメントにより構成され、「0」〜「9」までの数字が表示可能になっており、各種情報を出力表示する。
【0066】
なお、本コンバインは、所定の操作を行うと、通常モードからメモリバックアップモードに移行して、チェッカー37の表示部71に表示される情報から各種の設定を行うことが可能になっている。くわえて、コンバインは、略同一の構成のものにおいても、幾つかの型式に分類され、各型式によってマイコン57による制御パラメータが微妙に異なっている。例えば、型式が異なると、扱深調整搬送体17の回動範囲やトランスミッション43の左右の動作体49L,49Rの移動範囲も微妙に異なる。
【0067】
本コンバインでは、イグニッションスイッチをON操作して電源を入れると、チェッカー37の表示部に型式が1回だけ出力表示される。例えば、型式「VS38」のコンバインの場合、電源投入時に表示部に1回だけ「3」→「8」の順に数字が表示される。この表示により、作業者はコンバインの型式を容易に知ることができる。ちなみに、表示部71に2桁以上の数字を表示させる手段は、上記のように、桁数の大きな方から順番に数字が表示していく。例えば「321」という数字を表示する場合は、「3」→「2」→「1」の順に表示部71に表示していく。
【0068】
また、作業者は、マイコン57の設定をコンバインの型式に合せて変更することができる。具体的には、前述したコンバインをメモリバックアップモードに切換操作した後、ホーンスイッチ61をON操作すると、型式選択モードに移行する。例えば、略同一構成のコンバインの型式が5つあり、それが「VM218」、「VM219」、「VM221」、「VS321」及び「VS323」である場合、マルチレバー31を中立位置から最左方揺動させると表示部71に「2」「1」「8」が表示され、マルチレバー31を中立位置から少し左方揺動させると表示部71に「2」「1」「9」が表示され、マルチレバー31を中立にすると表示部71に「2」「2」「1」が表示され、マルチレバー31を中立位置から少し右方揺動させると表示部71に「3」「2」「1」が表示され、マルチレバー31を中立位置から最右方揺動させると表示部71に「3」「2」「3」が表示される。
【0069】
そして、所望の型式が表示部71に表示されている際に、ホーンスイッチ61を再度ON操作すると、マイコン57がその型式に設定変更される。以上のようにして、作業者がマイコン57の型式変更を容易に行うことができるため、利便性が高い。
【0070】
さらに、作業者は、前述したようにマルチレバー31の左右揺動角度の増加に対する走行部1L,1Rの制動力の増加割合と、方向センサ41によって検出される機体の傾きに対応させる走行部1L,1Rの制動力の増加割合とを、まとめて変更できる。
【0071】
具体的には、前述したコンバインをメモリバックアップモードに切換操作した後、上記2つの操向スイッチ38,39を同時にON操作すると、設定変更モードに移行する。設定変更モードでは、チェッカー37の表示部71に「0」〜「9」までの数字が表示される。表示される数字が大きいほど、マルチレバー21の揺動角度及び方向センサ41の検出角度に対して走行部1L,1Rの制動力の増加割合が大きいことを意味している。
【0072】
そして、マルチレバーの前後揺動操作により表示部71に表示される数字を1きざみで増減させ、所望の値が表示部71に表示された際に、上記2つの操向スイッチ38,39を同時にON操作すると、マルチレバー21の揺動角度及び方向センサ41の検出角度に対して走行部1L,1Rの制動力の増加割合が、その値で設定される。以上のようにして、圃場の状況等に対応させてマルチレバー31の操作フィーリング、自動方向制御の感度を自由に設定変更できるため、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の適用したコンバインの左側面図である。
【図2】本発明の適用したコンバインの右側面図である。
【図3】扱深さ検出手段による検出状態を示すものであり、(a)は扱深調整搬送体を深扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示し、(b)は扱深調整搬送体を移動させる必要がない検出状態を示し、(c)は扱深調整搬送体を浅扱ぎ方向に移動させる必要がある検出状態を示している。
【図4】運転席の平面図である。
【図5】本コンバインの伝動系統図である。
【図6】本コンバインに搭載した制御装置のブロック図である。
【図7】制御装置のこぎ深さ制御に関するメインフロー図である。
【図8】制御装置のこぎ深さ手動制御に関する処理フロー図である。
【図9】制御装置のこぎ深さ自動制御に関する処理フロー図である。
【図10】制御装置のこぎ深さリミット制御に関する処理フロー図である。
【図11】(a)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(b)は(a)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャート図であり、(c)は出力要件の一例を示すタイムチャート図であり、(d)は(c)の出力要件に対する駆動出力のタイムチャートである。
【図12】チェッカーの平面図である。
【符号の説明】
【0074】
2 走行機体
3 前処理部
17 扱深調整搬送体
19 こぎ深さモータ(アクチュエータ)
57 マイコン(制御部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(2)と、走行機体(2)の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部(3)と、前処理部(3)で刈り取られた穀稈を前記走行機体(2)の脱穀部(8)に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体(17)と、該扱深調整搬送体(17)を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータ(19)と、扱深制御を行う制御部(57)とを備え、制御部(57)が扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させるコンバインにおいて、前記扱深調整搬送体(17)が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動されると、それ以降、制御部(57)が、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードから所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動された方向に扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードに移行するコンバイン。
【請求項2】
浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードの制御部(57)は、扱深調整搬送体(17)が他方向にインチング駆動又は連続駆動されると、通常駆動モードに移行する請求項1のコンバイン。
【請求項1】
走行機体(2)と、走行機体(2)の前方で穀稈の刈り取りを行う前処理部(3)と、前処理部(3)で刈り取られた穀稈を前記走行機体(2)の脱穀部(8)に向けて扱深さ調整可能に搬送する扱深調整搬送体(17)と、該扱深調整搬送体(17)を浅扱ぎ方向及び深扱ぎ方向に駆動させるアクチュエータ(19)と、扱深制御を行う制御部(57)とを備え、制御部(57)が扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させるコンバインにおいて、前記扱深調整搬送体(17)が浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動されると、それ以降、制御部(57)が、浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の両方向に扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させることが可能な通常駆動モードから所定回数以上インチング駆動又は所定時間以上連続駆動された方向に扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードに移行するコンバイン。
【請求項2】
浅扱ぎ方向と深扱ぎ方向の内の一方向に扱深調整搬送体(17)をインチング駆動又は連続駆動させない変則駆動モードの制御部(57)は、扱深調整搬送体(17)が他方向にインチング駆動又は連続駆動されると、通常駆動モードに移行する請求項1のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−72095(P2009−72095A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243399(P2007−243399)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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