コンバイン
【課題】刈取装置6から脱穀装置3へ穀稈を搬送する搬送エレベーター20内の塵埃の除去の効率低下。穀粒の汚染。
【解決手段】刈取装置6の基部を前記脱穀装置3に接続した搬送エレベーター20の先端に取付け、該搬送エレベーター20は、左右一対の側板21と底板22と天板23とにより四角筒形状に形成した搬送ケース24内に搬送コンベア25を設けた構成とし、前記搬送ケース24の天板23は、該天板23の前後方向の中間所定位置に頂部30を形成し、該頂部30より基部側の部位を基部側天板31に、前記頂部30より先端側の部位を先端側天板32に夫々形成し、該先端側天板32に前記搬送ケース24内の塵埃を吸引する吸引排塵ファン33を設けたことを特徴とするコンバイン。
【解決手段】刈取装置6の基部を前記脱穀装置3に接続した搬送エレベーター20の先端に取付け、該搬送エレベーター20は、左右一対の側板21と底板22と天板23とにより四角筒形状に形成した搬送ケース24内に搬送コンベア25を設けた構成とし、前記搬送ケース24の天板23は、該天板23の前後方向の中間所定位置に頂部30を形成し、該頂部30より基部側の部位を基部側天板31に、前記頂部30より先端側の部位を先端側天板32に夫々形成し、該先端側天板32に前記搬送ケース24内の塵埃を吸引する吸引排塵ファン33を設けたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下方に走行装置を設けた機体フレームの上方に脱穀装置を設け、該脱穀装置の側方にグレンタンクを設け、該グレンタンクの前方に操縦部を設け、操縦部の前方に、オーガーフレームにオーガーとリールと刈刃とを設けて構成した刈取装置を設け、刈取装置を取付ける搬送エレベーターの搬送ケースの天板に吸引排塵ファンを設けた構成は、公知である(特許文献1)。
一般的に、大豆等の背丈の低い穀稈には多量の泥土が付着しており、この穀稈を刈り取って搬送する際にはこの泥土による粉塵や穀稈から生じる屑などの塵埃が発生する。
上述の吸引排塵ファンは、この塵埃を吸い出して排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−101883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、単に、搬送ケースの天板に吸引排塵ファンを設けているので、刈取装置に戻る上側の搬送コンベアの搬送チエンおよび搬送体が持ち帰る穀稈を、吸引排塵ファンが吸引して吸引力が低下するという課題がある。
即ち、天板を平担に形成しているので、戻る上側の搬送コンベアの搬送チエンおよび搬送体が持ち帰る穀稈は吸引排塵ファンに接近し、穀稈を吸引排塵ファンが吸引し、吸引力が低下する外に、故障の原因となる課題がある。
本願は、搬送ケース内の塵埃を吸引排塵ファンで吸い出し、作業に支障のない方向へ排出しようとするものであり、吸引排塵ファンの設置構成を工夫し、吸引効率を向上させ、吸引排塵ファンのメンテナンスを容易にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の上方に脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の側方にグレンタンク4を設け、該グレンタンク4の前方に操縦部5を設け、操縦部5の前方には、左右側壁10と底板12と左右の側壁10と底板12とを連結するように設けた後壁13により構成したオーガーフレーム14に、前記側壁10に軸装したオーガー11と、該オーガー11の上方に位置するリール15と、刈刃16とを設けて構成した刈取装置6を設け、該刈取装置6の基部を前記脱穀装置3に接続した搬送エレベーター20の先端に取付け、該搬送エレベーター20は、左右一対の側板21と底板22と天板23とにより四角筒形状に形成した搬送ケース24内に搬送コンベア25を設けた構成とし、前記搬送ケース24の天板23は、該天板23の前後方向の中間所定位置に頂部30を形成し、該頂部30より基部側の部位を基部側天板31に、前記頂部30より先端側の部位を先端側天板32に夫々形成し、該先端側天板32に前記搬送ケース24内の塵埃を吸引する吸引排塵ファン33を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、走行装置2により機体を走行させ、リール15が回転して未刈稈を掻き込み、掻込んだ穀稈を刈刃16で刈取り、刈取った穀稈を回転するオーガー11により集めて搬送エレベーター20内へ供給し、搬送エレベーター20により脱穀装置3へ供給して脱穀する。
搬送エレベーター20が穀稈を搬送中に、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内を、吸引排塵ファン33の軸心方向に塵埃を吸引する。
吸引排塵ファン33はケース天板23の先端側天板32に設けられているので、搬送ケース24内の搬送コンベア25から離れたところから塵埃を吸引排出する。
請求項2記載の発明は、前記吸引排塵ファン33は、天井板46および反操縦部5側に下向きに塵埃を排出する塵埃排出ダクト45を有する吸引排塵ボックス35内に設け、該吸引排塵ボックス35は前記搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付ける構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ファン33は塵埃排出ダクト45により搬送ケース24内の塵埃を反操縦部5側に下向きに塵埃を排出し、吸引排塵ボックス35を吸引排塵ファン33ごと搬送ケース24の開口部36から外して、点検等のメンテナンス作業を行って、メンテナンス作業終了後再び、吸引排塵ボックス35を吸引排塵ファン33ごと搬送ケース24の開口部36に取付ける。
請求項3記載の発明は、前記吸引排塵ファン33は、該吸引排塵ファン33の回転軸37を前記吸引排塵ボックス35の枠体38に、前記吸引排塵ボックス35内に設けたモータ39により駆動回転するように軸装し、前記吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設け、前記吸引排塵ファン33の上方の前記吸引排塵ボックス35には天井板46および天井板46に続く塵埃排出ダクト45を設け、前記吸引排塵ボックス35は前記吸引排塵ファン33と前記モータ39と前記除塵網40ごと搬送ケース24に対して着脱する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ファン33は吸引排塵ボックス35内のモータ39により駆動回転して搬送ケース24内を吸引し、搬送ケース24内の塵埃は除塵網40から吸引されて、ボックス天井板46と塵埃排出ダクト45に案内されて排出される。
吸引排塵ファン33はモータ39および除塵網40と共に吸引排塵ボックス35と一緒に搬送ケース24に対して着脱する。
請求項4記載の発明は、前記吸引排塵ボックス35は、該吸引排塵ボックス35の一方側を、係合孔50と係合部材51による係合固定とし、他方側に搬送ケース24側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具53により搬送ケース24に吸引排塵ボックス35を固定するように構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ボックス35の一方側を、係合孔50と係合部材51によって搬送ケース24に係合固定させ、次に、吸引排塵ボックス35の他方側を搬送ケース24側の係合部係合部52に係止具53によりワンタッチで係合させて固定する。
請求項5記載の発明は、前記吸引排塵ボックス35は前記搬送ケース24に対して反操縦部5側を取付軸58により回動自在に取付け、前記吸引排塵ボックス35は、前記先端側天板32の上面に位置する横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ボックス35を先端側天板32の上面に位置する横向き姿勢にさせて搬送ケース24内を吸引し、吸引排塵ボックス35を搬送ケース24に対して反操縦部5側に取付軸58中心に回動させて起立姿勢に切替え、操縦部5周辺の塵埃を吸引除去する。
請求項6記載の発明は、前記吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45の排出口60には、該排出口60から排出される塵埃を排出案内する排塵案内部材61を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ボックス35を先端側天板32の上面に位置させた横向き姿勢と起立姿勢とに切り替えて、排塵案内部材61により排出口60から排出される排塵を排出案内する。
請求項7記載の発明は、前記吸引排塵ファン33は前記搬送ケース24の先端側天板32に対して軸心を反操縦部5側が高くなるように傾斜させて吸引排塵ボックス35内に軸装し、吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検用開口部70を形成し、該点検用開口部70にはシャッタ71を着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、シャッタ71により点検用開口部70を閉塞すると、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内を吸引し、作業状態に応じて、シャッタ71を外して点検用開口部70を開口させて、操縦部5周辺の塵埃も回収除去し、また、開口させた点検用開口部70から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内の点検等を行う。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内の搬送コンベア25から離れたところから塵埃を吸引排出するので、穀稈の吸引を防止し、吸引効率の低下を防止することができ、故障の原因となる穀稈の吸引を防止するので、故障発生の頻度を低くでき、また、先端側天板32に吸引排塵ファン33を設けているので、搬送エレベーター20の先端の供給口34に近く、オーガーフレーム14内の塵埃を吸引して除去でき、そのため、操縦部5の前方視界および操縦部5の衛生環境を良好にでき、また、単に平板な天板23に吸引排塵ファン33を取付けた場合に比し搬送ケース24の容積を大きくし、搬送ケース24内の塵埃による穀粒の汚染を抑制できる。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ボックス35を吸引排塵ファン33ごと搬送ケース24の開口部36から外せるので、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ファン33をモータ39および除塵網40と共に吸引排塵ボックス35と一緒に搬送ケース24に対して着脱でき、着脱を容易にできる。
請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ボックス35の着脱を容易にできて、メンテナンス作業を容易にすることができる。
請求項5記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ファン33による搬送ケース24内の吸引と、操縦部5周辺の塵埃の吸引除去と吸引排塵ファン33の作業形態を選択することができ、作業適応範囲を広げることができる。
請求項6記載の発明では、上記請求項5記載の発明の効果を奏する上に、搬送ケース24内の塵埃除去と操縦部5周辺の塵埃の回収除去とを合わせて行うことができる。
請求項7記載の発明では、上記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明の効果を奏する上に、作業状態に応じて、シャッタ71により点検用開口部70を開閉でき、搬送ケース24内の吸引と、操縦部5周辺の塵埃の回収除去と、また、開口させた点検用開口部70から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内の点検等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】同平面図。
【図3】吸引排塵ボックス付近の側面図。
【図4】吸引排塵ボックスの取付前側面図。
【図5】同平面図。
【図6】吸引排塵ボックスの取付後側面図。
【図7】排塵状態の一例を示す平面図。
【図8】他の実施例のコンバインの側面図。
【図9】同平面図。
【図10】他の実施例の吸引排塵ボックスの背面図。
【図11】他の実施例の吸引排塵ボックスの背面図。
【図12】他の実施例の吸引排塵ボックスの背面図。
【図13】他の実施例の吸引排塵ボックスの側面図。
【図14】同背面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は刈り取った圃場の稲麦・大豆・小豆・そば等の穀稈を投入して脱穀する所謂汎用コンバインの機体フレームであり、機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方には脱穀装置3を設け、脱穀装置3の側方にグレンタンク4を設け、グレンタンク4の前方に操縦部5を設け、操縦部5の前方には刈取装置6を設けている。
刈取装置6は、左右側壁10と、側壁10に軸装したオーガー11の下方に位置する底板12と、左右の側壁10と底板12とを連結するように設けた後壁13により構成したオーガーフレーム14に、リール15と、刈刃16と前記オーガー11を設けて構成し、オーガーフレーム14には搬送エレベーター20の先端を取付け、搬送エレベーター20の基部は脱穀装置3の脱穀室に接続する。前記オーガー11は前記操縦部5のすぐ前方に位置させ、前記搬送エレベーター20は前記操縦部5の側部に位置させる。
また、刈取装置6は、搬送エレベーター20と共に、搬送エレベーター20の基部を回動中心にして上下するように構成している。
【0009】
搬送エレベーター20は、左右一対の側板21と底板22と、ケース天板(天板)23とにより四角筒形状に形成した搬送ケース24内に、搬送コンベア25を設けて構成する。搬送コンベア25は、詳細は省略するが、搬送ケース24の先端に従動歯車26を軸装し、搬送ケース24の基部に駆動歯車27を軸装し、従動歯車26と駆動歯車27との間に搬送体28(図10参照)を複数設けたチエン29を掛け回して構成している。
前記搬送ケース24のケース天板23は、ケース天板23の前後中間位置に頂部30を形成し、頂部30より基部側を基部側天板31に、頂部30より先端側を先端側天板32に夫々形成し、先端側天板32には搬送ケース24内を吸引する吸引排塵ファン33を設ける。
そのため、搬送ケース24内の塵埃(粉塵)の排出効率を向上させる。
即ち、搬送ケース24内には、搬送ケース24内で発生する塵埃の他に、吸引排塵ファン33により搬送ケース24内が吸引されているので、搬送エレベーター20のオーガーフレーム14との接続部分に形成された供給口34から塵埃が流入するが、本願では、供給口34に近いケース天板23の先端側天板32に吸引排塵ファン33を設けているので、吸引排塵ファン33は搬送エレベーター20の始端部で塵埃を機外(搬送ケース24外)に排出するので、排出効率を向上させる。
【0010】
また、先端側天板32は、ケース天板23の頂部30に至るに従い高く傾斜させる。
そのため、先端側天板32は、供給口34から流入して舞い上がる塵埃を吸引排塵ファン33に案内し、塵埃の排出効率を向上させる。
また、大豆等の豆類の刈取作業では、豆類の塵埃の汚染を抑制する。
また、吸引排塵ファン33は供給口34からオーガーフレーム14内の塵埃の吸引作用が期待でき、操縦部5の前方のオーガーフレーム14からの塵埃の立ち上りを抑制し、操縦部5の前方視界を良好にする。
吸引排塵ファン33は吸引排塵ボックス35内に設け、吸引排塵ボックス35は搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付ける。
この場合、吸引排塵ファン33の回転軸37を吸引排塵ボックス35の枠体38に軸装し、吸引排塵ボックス35内に設けたモータ39により駆動回転させる。
また、吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設ける。
したがって、搬送ケース24内の穀稈を吸引排塵ファン33が吸引するのを防止し、吸引排塵ファン33の故障の発生を防止する。
また、吸引排塵ボックス35に、吸引排塵ファン33とモータ39と除塵網40を設けているので、着脱を容易にする。
【0011】
吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検窓41を設け、反操縦部5側には塵埃排出ダクト45を設け、塵埃排出ダクト45は下向きに塵埃を排出するように構成している(図7)。
したがって、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45は、反操縦部5側に下向きに塵埃を排出するので、一層、操縦部5の前方視界を良好にする。
46は、吸引排塵ファン33の上方に設けた塵埃排出ダクト45に塵埃を案内するボックス天井板(天井板)であり、塵埃排出ダクト45に塵埃を誘導するように、中央部が高く左右側を低く傾斜させている。
したがって、点検窓41は吸引排塵ボックス35のボックス天井板46の右側傾斜面に設けている。
吸引排塵ボックス35は、搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付け、吸引排塵ボックス35毎吸引排塵ファン33を外すと、開口部36から搬送ケース24内を点検可能として、合理的構成にしている。
それゆえ、吸引排塵ボックス35は、吸引排塵ボックス35の一方側を、係合孔50と係合部材51による係合固定とし、他方側に搬送ケース24側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具53により吸引排塵ボックス35を固定するように構成すると、着脱が容易になって、メンテナンス作業を容易にする。
【0012】
また、塵埃排出ダクト45の塵埃排出方向を、走行停止状態において、走行装置2の駆動輪55と駆動輪55の直ぐ後方の転輪56との間の側面視後下がり部分のクローラー57に向けると(図8,図9)、塵埃排出ダクト45から排出された塵埃をクローラー57が踏みつぶし、塵埃の舞い上がりを抑制して、好適である。
しかして、図10の吸引排塵ボックス35は搬送ケース24に対して左側を取付軸58により回動自在に取付け、吸引排塵ボックス35は先端側天板32の上面に位置する搬送エレベーター20の横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在に構成する。
吸引排塵ファン33は、横向き姿勢のときは軸心が縦になって搬送ケース24内の塵埃を排出するのみならず、起立させると、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
そのため、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
なお、図示は省略するが、起立させたとき、搬送ケース24の開口部36は別途設けた蓋部材により閉塞する。
59は起立状態を保持するロッドである。
また、横向き姿勢のとき吸引排塵ボックス35の右側はボルト等の任意の手段で固定する。
【0013】
また、吸引排塵ボックス35の位置切替自在構成にした場合、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45の排出口60には、排塵案内部材61を設け、吸引排塵ボックス35の位置により塵埃排出ダクト45からの排塵方向を切り替えるように構成する(図11)。
排塵案内部材61は、左右側板62と天板63を有し、天板63を吸引排塵ボックス35に取付軸64により回動自在に取付け、側板62に設けた長孔65に係止具66を取り付けている。
排塵案内部材61は、塵埃排出方向が下方となるように、吸引排塵ボックス35が起立姿勢とき、吸引排塵ボックス35が横向き姿勢のときよりも回動量を大きくする。
そのため、搬送ケース24内の塵埃排出および刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃回収に際して、塵埃を搬送ケース24の左下方に案内して操縦部5の前方視界を良好にする。
しかして、図12の吸引排塵ファン33は搬送ケース24の先端側天板32に対して軸心を左上がりに傾斜させて吸引排塵ボックス35に設け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検用開口部70を形成し、点検用開口部70にはシャッタ71を着脱自在に取付ける。
【0014】
シャッタ71を外すと、点検用開口部70が開口し、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内のみならず、操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
そのため、操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
この場合、吸引排塵ファン33は、シャッタ71を装着時は搬送ケース24内のみの塵埃除去し、シャッタ71を外して搬送ケース24内および操縦部5周辺の塵埃を除去し、また、搬送ケース24の開口部36を任意部材により閉塞すると、操縦部5周辺の塵埃の除去でき、塵埃除去形態を選択でき、適応作業範囲を広げ、汎用性を向上させられる。
また、図13,図14の実施例では、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検用開口部70に加えて吸引排塵ボックス35の刈取装置6側に前側点検用開口部73を形成し、前側点検用開口部73にはシャッタ74を着脱自在に取付け、シャッタ74を外すと、吸引排塵ファン33は操縦部5周辺の塵埃の回収のみならず、刈取装置6上方周辺の塵埃を回収して除去する。
【0015】
しかして、上記吸引排塵ファン33の各実施例において、吸引排塵ファン33を設けた吸引排塵ボックス35には、作業灯75を取付け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検窓41あるいはシャッタ71を透明部材により形成し、点検窓41あるいはシャッタ71から作業灯75の明かりが吸引排塵ボックス35から搬送ケース24内に届くように構成する。
即ち、点検窓41より後方に作業灯75を配置し、吸引排塵ボックス35および搬送ケース24内に光が届くことを期待している。
そのため、夜間作業でも、操縦部5側から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内を視認して、刈取作業を行える。
また、作業灯75を吸引排塵ボックス35に取付けるので、特別に作業灯75専用の取付部材を省略でき、コストダウンできる。
【0016】
(実施例の作用)
しかして、エンジンを始動し、走行装置2により機体を走行させると、リール15が回転し、未刈稈を掻き込み、掻込んだ穀稈を刈刃16で刈取り、刈取った穀稈を回転するオーガー11により集めて搬送エレベーター20内へ供給し、搬送エレベーター20により脱穀装置3へ供給して脱穀する。
搬送エレベーター20は、搬送ケース24内を搬送コンベア25の搬送体28が脱穀装置3に向けて移動し、刈取った穀稈を脱穀装置3へ供給搬送する。
搬送エレベーター20の搬送ケース24は、左右一対の側板21と、底板22と、ケース天板23とにより四角筒形状に形成し、搬送ケース24のケース天板23は、ケース天板23の前後中間位置に頂部30を形成し、頂部30より基部側を基部側天板31に、頂部30より先端側を先端側天板32に夫々形成し、先端側天板32には搬送ケース24内を吸引する吸引排塵ファン33を設けているので、搬送ケース24内の塵埃(塵埃)の排出効率を向上させる。
【0017】
吸引排塵ファン33により搬送ケース24内が吸引されることで、搬送ケース24内で発生する塵埃の他に、搬送ケース24内には搬送エレベーター20のオーガーフレーム14との接続部分に形成された供給口34から塵埃が流入するが、本願では、供給口34に近いケース天板23の先端側天板32に吸引排塵ファン33を設けているので、吸引排塵ファン33は搬送エレベーター20の始端部で塵埃を機外(搬送ケース24外)に排出し、排出効率を向上させる。
搬送ケース24の頂部30の先端側天板32は、ケース天板23の頂部30に至るに従い高く傾斜させているので、先端側天板32は、供給口34から流入して舞い上がる塵埃を吸引排塵ファン33に案内し、塵埃の排出効率を向上させる。
また、搬送ケース24のケース天板23には、ケース天板23の前後中間位置の頂部30の前後に基部側天板31と先端側天板32を夫々形成しているので、単に、平板なケース天板23に比し搬送ケース24の容積を大きくし、搬送ケース24内の塵埃による穀粒の汚染を抑制し、特に、大豆等の豆類の刈取作業では、豆類の塵埃の汚染を抑制する。
【0018】
また、吸引排塵ファン33は供給口34から刈取装置6のオーガーフレーム14内の塵埃の吸引作用が期待でき、操縦部5の前方のオーガーフレーム14からの塵埃の立ち上りを抑制し、操縦部5の前方視界を良好にする。
吸引排塵ファン33は吸引排塵ボックス35内に設け、吸引排塵ボックス35は搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付けているので、吸引排塵ファン33の取付けが容易になる。
この場合、吸引排塵ファン33の回転軸37を吸引排塵ボックス35の枠体38に軸装し、吸引排塵ボックス35内に設けたモータ39により駆動回転するように構成し、吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設けているので、吸引排塵ボックス35ごと、吸引排塵ファン33とモータ39と除塵網40を着脱でき、吸引排塵ファン33の着脱を容易にする。
また、吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設けているので、搬送ケース24内の穀稈が吸引排塵ファン33の吸引作用により吸引排塵ボックス35内に入るのを防止でき、吸引排塵ファン33の故障の発生を防止する。
【0019】
この点で、搬送ケース24のケース天板23の頂部30の前後に基部側天板31と先端側天板32を夫々形成しているので、単に、平板なケース天板23に比し吸引排塵ファン33による穀稈の吸引を一層防止でき、好適である。
吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検窓41を設け、反操縦部5側には塵埃排出ダクト45を設け、塵埃排出ダクト45は下向きに塵埃を排出するように構成しているので、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45は、反操縦部5側に下向きに塵埃を排出し、操縦部5の前方視界を良好にする。
また、吸引排塵ボックス35は、搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付けているので、吸引排塵ボックス35毎吸引排塵ファン33を外すと、開口部36から搬送ケース24内を点検できる。
また、吸引排塵ボックス35は、例えば、吸引排塵ボックス35の一方側を図示は省略するが係合溝と係合部材による係合固定とし、他方側に搬送ケース24側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具53により吸引排塵ボックス35を固定する構成とすると、一層、着脱が容易になって、メンテナンス作業を容易にする。
【0020】
吸引排塵ファン33は、搬送ケース24の先端側天板32に対して略垂直に軸装され、縦方向に塵埃を搬送ケース24から吸引し、吸引された塵埃は、吸引排塵ボックス35の天板に案内されて搬送ケース24の左側に誘導され、塵埃排出ダクト45により搬送ケース24の左側下方に向けて排出される。
この場合、塵埃排出ダクト45の塵埃排出方向を、走行停止状態において、走行装置2の駆動輪55と駆動輪55の直ぐ後方の転輪56との間の側面視後下がり部分のクローラー57に向けているので、塵埃排出ダクト45から排出された塵埃をクローラー57が踏みつぶし、塵埃の舞い上がりを抑制する。
しかして、図10の吸引排塵ボックス35は搬送ケース24に対して左側を取付軸58により回動自在に取付け、吸引排塵ボックス35は先端側天板32の上面に位置する搬送エレベーター20の横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在に構成しているので、吸引排塵ファン33は横向き姿勢で搬送ケース24内の塵埃を排出するのみならず、起立させると、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
【0021】
したがって、吸引排塵ファン33は、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
また、吸引排塵ボックス35の位置切替自在構成にした場合、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45の排出口60には排塵案内部材61を設け(図11)、吸引排塵ボックス35の位置により塵埃排出ダクト45からの排塵方向を切り替えるように構成しているので、排塵案内部材61は吸引排塵ボックス35が横向き姿勢のとき、塵埃を搬送ケース24の左側下方に向けて排出し、吸引排塵ボックス35が起立姿勢ときも、吸引排塵ボックス35が横向き姿勢のときよりも排塵案内部材61の回動量を大きくして、塵埃排出方向を下方にする。
そのため、搬送ケース24内の塵埃排出および刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃回収に際して、塵埃を搬送ケース24の左下方に案内して操縦部5の前方視界を良好にする。
しかして、図12の吸引排塵ファン33は搬送ケース24の先端側天板32に対して軸心を左上がりに傾斜させて吸引排塵ボックス35に設け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検用開口部70を形成し、点検用開口部70にはシャッタ71を着脱自在に取付けているので、シャッタ71を外すと、点検用開口部70が開口し、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内のみならず、操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
【0022】
したがって、操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
この場合、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検用開口部70に加えて吸引排塵ボックス35の刈取装置6側に前側点検用開口部73を形成すると、シャッタ74も外すことにより吸引排塵ファン33は操縦部5周辺の塵埃の回収のみならず、刈取装置6上方周辺の塵埃を回収して除去を行える。
しかして、上記吸引排塵ファン33の各実施例において、吸引排塵ファン33を設けた吸引排塵ボックス35には、作業灯75を取付け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検窓41あるいはシャッタ71を透明部材により形成し、点検窓41あるいはシャッタ71から作業灯75の明かりが搬送ケース24内に届くように構成しているので、夜間作業でも、操縦部5側から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内を視認して、刈取作業を行える。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0023】
1…フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…グレンタンク、5…操縦部、6…刈取装置、10…側壁、11…オーガー、12…底板、13…後壁、14…オーガーフレーム、15…リール、16…刈刃、20…搬送エレベーター、21…側板、22…底板、23…ケース天板(天板)、24…搬送ケース、25…搬送コンベア、26…従動歯車、27…駆動歯車、28…搬送体、29…チエン、30…頂部、31…基部側天板、32…先端側天板、33…吸引排塵ファン、34…供給口、35…吸引排塵ボックス、36…開口部、37…回転軸、38…枠体、39…モータ、40…除塵網、41…点検窓、45…塵埃排出ダクト、46…ボックス天井板(天井板)、50…係合孔、51…係合部材、52…係合部、53…係止具、55…駆動輪、56…転輪、57…クローラー、58…取付軸、59…ロッド、60…排出口、61…排塵案内部材、62…側板、63…天板、64…取付軸、65…長孔、66…係止具、70…点検用開口部、71…シャッタ、73…前側点検用開口部、74…シャッタ、75…作業灯。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下方に走行装置を設けた機体フレームの上方に脱穀装置を設け、該脱穀装置の側方にグレンタンクを設け、該グレンタンクの前方に操縦部を設け、操縦部の前方に、オーガーフレームにオーガーとリールと刈刃とを設けて構成した刈取装置を設け、刈取装置を取付ける搬送エレベーターの搬送ケースの天板に吸引排塵ファンを設けた構成は、公知である(特許文献1)。
一般的に、大豆等の背丈の低い穀稈には多量の泥土が付着しており、この穀稈を刈り取って搬送する際にはこの泥土による粉塵や穀稈から生じる屑などの塵埃が発生する。
上述の吸引排塵ファンは、この塵埃を吸い出して排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−101883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、単に、搬送ケースの天板に吸引排塵ファンを設けているので、刈取装置に戻る上側の搬送コンベアの搬送チエンおよび搬送体が持ち帰る穀稈を、吸引排塵ファンが吸引して吸引力が低下するという課題がある。
即ち、天板を平担に形成しているので、戻る上側の搬送コンベアの搬送チエンおよび搬送体が持ち帰る穀稈は吸引排塵ファンに接近し、穀稈を吸引排塵ファンが吸引し、吸引力が低下する外に、故障の原因となる課題がある。
本願は、搬送ケース内の塵埃を吸引排塵ファンで吸い出し、作業に支障のない方向へ排出しようとするものであり、吸引排塵ファンの設置構成を工夫し、吸引効率を向上させ、吸引排塵ファンのメンテナンスを容易にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の上方に脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の側方にグレンタンク4を設け、該グレンタンク4の前方に操縦部5を設け、操縦部5の前方には、左右側壁10と底板12と左右の側壁10と底板12とを連結するように設けた後壁13により構成したオーガーフレーム14に、前記側壁10に軸装したオーガー11と、該オーガー11の上方に位置するリール15と、刈刃16とを設けて構成した刈取装置6を設け、該刈取装置6の基部を前記脱穀装置3に接続した搬送エレベーター20の先端に取付け、該搬送エレベーター20は、左右一対の側板21と底板22と天板23とにより四角筒形状に形成した搬送ケース24内に搬送コンベア25を設けた構成とし、前記搬送ケース24の天板23は、該天板23の前後方向の中間所定位置に頂部30を形成し、該頂部30より基部側の部位を基部側天板31に、前記頂部30より先端側の部位を先端側天板32に夫々形成し、該先端側天板32に前記搬送ケース24内の塵埃を吸引する吸引排塵ファン33を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、走行装置2により機体を走行させ、リール15が回転して未刈稈を掻き込み、掻込んだ穀稈を刈刃16で刈取り、刈取った穀稈を回転するオーガー11により集めて搬送エレベーター20内へ供給し、搬送エレベーター20により脱穀装置3へ供給して脱穀する。
搬送エレベーター20が穀稈を搬送中に、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内を、吸引排塵ファン33の軸心方向に塵埃を吸引する。
吸引排塵ファン33はケース天板23の先端側天板32に設けられているので、搬送ケース24内の搬送コンベア25から離れたところから塵埃を吸引排出する。
請求項2記載の発明は、前記吸引排塵ファン33は、天井板46および反操縦部5側に下向きに塵埃を排出する塵埃排出ダクト45を有する吸引排塵ボックス35内に設け、該吸引排塵ボックス35は前記搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付ける構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ファン33は塵埃排出ダクト45により搬送ケース24内の塵埃を反操縦部5側に下向きに塵埃を排出し、吸引排塵ボックス35を吸引排塵ファン33ごと搬送ケース24の開口部36から外して、点検等のメンテナンス作業を行って、メンテナンス作業終了後再び、吸引排塵ボックス35を吸引排塵ファン33ごと搬送ケース24の開口部36に取付ける。
請求項3記載の発明は、前記吸引排塵ファン33は、該吸引排塵ファン33の回転軸37を前記吸引排塵ボックス35の枠体38に、前記吸引排塵ボックス35内に設けたモータ39により駆動回転するように軸装し、前記吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設け、前記吸引排塵ファン33の上方の前記吸引排塵ボックス35には天井板46および天井板46に続く塵埃排出ダクト45を設け、前記吸引排塵ボックス35は前記吸引排塵ファン33と前記モータ39と前記除塵網40ごと搬送ケース24に対して着脱する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ファン33は吸引排塵ボックス35内のモータ39により駆動回転して搬送ケース24内を吸引し、搬送ケース24内の塵埃は除塵網40から吸引されて、ボックス天井板46と塵埃排出ダクト45に案内されて排出される。
吸引排塵ファン33はモータ39および除塵網40と共に吸引排塵ボックス35と一緒に搬送ケース24に対して着脱する。
請求項4記載の発明は、前記吸引排塵ボックス35は、該吸引排塵ボックス35の一方側を、係合孔50と係合部材51による係合固定とし、他方側に搬送ケース24側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具53により搬送ケース24に吸引排塵ボックス35を固定するように構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ボックス35の一方側を、係合孔50と係合部材51によって搬送ケース24に係合固定させ、次に、吸引排塵ボックス35の他方側を搬送ケース24側の係合部係合部52に係止具53によりワンタッチで係合させて固定する。
請求項5記載の発明は、前記吸引排塵ボックス35は前記搬送ケース24に対して反操縦部5側を取付軸58により回動自在に取付け、前記吸引排塵ボックス35は、前記先端側天板32の上面に位置する横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ボックス35を先端側天板32の上面に位置する横向き姿勢にさせて搬送ケース24内を吸引し、吸引排塵ボックス35を搬送ケース24に対して反操縦部5側に取付軸58中心に回動させて起立姿勢に切替え、操縦部5周辺の塵埃を吸引除去する。
請求項6記載の発明は、前記吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45の排出口60には、該排出口60から排出される塵埃を排出案内する排塵案内部材61を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、吸引排塵ボックス35を先端側天板32の上面に位置させた横向き姿勢と起立姿勢とに切り替えて、排塵案内部材61により排出口60から排出される排塵を排出案内する。
請求項7記載の発明は、前記吸引排塵ファン33は前記搬送ケース24の先端側天板32に対して軸心を反操縦部5側が高くなるように傾斜させて吸引排塵ボックス35内に軸装し、吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検用開口部70を形成し、該点検用開口部70にはシャッタ71を着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、シャッタ71により点検用開口部70を閉塞すると、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内を吸引し、作業状態に応じて、シャッタ71を外して点検用開口部70を開口させて、操縦部5周辺の塵埃も回収除去し、また、開口させた点検用開口部70から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内の点検等を行う。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内の搬送コンベア25から離れたところから塵埃を吸引排出するので、穀稈の吸引を防止し、吸引効率の低下を防止することができ、故障の原因となる穀稈の吸引を防止するので、故障発生の頻度を低くでき、また、先端側天板32に吸引排塵ファン33を設けているので、搬送エレベーター20の先端の供給口34に近く、オーガーフレーム14内の塵埃を吸引して除去でき、そのため、操縦部5の前方視界および操縦部5の衛生環境を良好にでき、また、単に平板な天板23に吸引排塵ファン33を取付けた場合に比し搬送ケース24の容積を大きくし、搬送ケース24内の塵埃による穀粒の汚染を抑制できる。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ボックス35を吸引排塵ファン33ごと搬送ケース24の開口部36から外せるので、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ファン33をモータ39および除塵網40と共に吸引排塵ボックス35と一緒に搬送ケース24に対して着脱でき、着脱を容易にできる。
請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ボックス35の着脱を容易にできて、メンテナンス作業を容易にすることができる。
請求項5記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果を奏する上に、吸引排塵ファン33による搬送ケース24内の吸引と、操縦部5周辺の塵埃の吸引除去と吸引排塵ファン33の作業形態を選択することができ、作業適応範囲を広げることができる。
請求項6記載の発明では、上記請求項5記載の発明の効果を奏する上に、搬送ケース24内の塵埃除去と操縦部5周辺の塵埃の回収除去とを合わせて行うことができる。
請求項7記載の発明では、上記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明の効果を奏する上に、作業状態に応じて、シャッタ71により点検用開口部70を開閉でき、搬送ケース24内の吸引と、操縦部5周辺の塵埃の回収除去と、また、開口させた点検用開口部70から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内の点検等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】同平面図。
【図3】吸引排塵ボックス付近の側面図。
【図4】吸引排塵ボックスの取付前側面図。
【図5】同平面図。
【図6】吸引排塵ボックスの取付後側面図。
【図7】排塵状態の一例を示す平面図。
【図8】他の実施例のコンバインの側面図。
【図9】同平面図。
【図10】他の実施例の吸引排塵ボックスの背面図。
【図11】他の実施例の吸引排塵ボックスの背面図。
【図12】他の実施例の吸引排塵ボックスの背面図。
【図13】他の実施例の吸引排塵ボックスの側面図。
【図14】同背面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は刈り取った圃場の稲麦・大豆・小豆・そば等の穀稈を投入して脱穀する所謂汎用コンバインの機体フレームであり、機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方には脱穀装置3を設け、脱穀装置3の側方にグレンタンク4を設け、グレンタンク4の前方に操縦部5を設け、操縦部5の前方には刈取装置6を設けている。
刈取装置6は、左右側壁10と、側壁10に軸装したオーガー11の下方に位置する底板12と、左右の側壁10と底板12とを連結するように設けた後壁13により構成したオーガーフレーム14に、リール15と、刈刃16と前記オーガー11を設けて構成し、オーガーフレーム14には搬送エレベーター20の先端を取付け、搬送エレベーター20の基部は脱穀装置3の脱穀室に接続する。前記オーガー11は前記操縦部5のすぐ前方に位置させ、前記搬送エレベーター20は前記操縦部5の側部に位置させる。
また、刈取装置6は、搬送エレベーター20と共に、搬送エレベーター20の基部を回動中心にして上下するように構成している。
【0009】
搬送エレベーター20は、左右一対の側板21と底板22と、ケース天板(天板)23とにより四角筒形状に形成した搬送ケース24内に、搬送コンベア25を設けて構成する。搬送コンベア25は、詳細は省略するが、搬送ケース24の先端に従動歯車26を軸装し、搬送ケース24の基部に駆動歯車27を軸装し、従動歯車26と駆動歯車27との間に搬送体28(図10参照)を複数設けたチエン29を掛け回して構成している。
前記搬送ケース24のケース天板23は、ケース天板23の前後中間位置に頂部30を形成し、頂部30より基部側を基部側天板31に、頂部30より先端側を先端側天板32に夫々形成し、先端側天板32には搬送ケース24内を吸引する吸引排塵ファン33を設ける。
そのため、搬送ケース24内の塵埃(粉塵)の排出効率を向上させる。
即ち、搬送ケース24内には、搬送ケース24内で発生する塵埃の他に、吸引排塵ファン33により搬送ケース24内が吸引されているので、搬送エレベーター20のオーガーフレーム14との接続部分に形成された供給口34から塵埃が流入するが、本願では、供給口34に近いケース天板23の先端側天板32に吸引排塵ファン33を設けているので、吸引排塵ファン33は搬送エレベーター20の始端部で塵埃を機外(搬送ケース24外)に排出するので、排出効率を向上させる。
【0010】
また、先端側天板32は、ケース天板23の頂部30に至るに従い高く傾斜させる。
そのため、先端側天板32は、供給口34から流入して舞い上がる塵埃を吸引排塵ファン33に案内し、塵埃の排出効率を向上させる。
また、大豆等の豆類の刈取作業では、豆類の塵埃の汚染を抑制する。
また、吸引排塵ファン33は供給口34からオーガーフレーム14内の塵埃の吸引作用が期待でき、操縦部5の前方のオーガーフレーム14からの塵埃の立ち上りを抑制し、操縦部5の前方視界を良好にする。
吸引排塵ファン33は吸引排塵ボックス35内に設け、吸引排塵ボックス35は搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付ける。
この場合、吸引排塵ファン33の回転軸37を吸引排塵ボックス35の枠体38に軸装し、吸引排塵ボックス35内に設けたモータ39により駆動回転させる。
また、吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設ける。
したがって、搬送ケース24内の穀稈を吸引排塵ファン33が吸引するのを防止し、吸引排塵ファン33の故障の発生を防止する。
また、吸引排塵ボックス35に、吸引排塵ファン33とモータ39と除塵網40を設けているので、着脱を容易にする。
【0011】
吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検窓41を設け、反操縦部5側には塵埃排出ダクト45を設け、塵埃排出ダクト45は下向きに塵埃を排出するように構成している(図7)。
したがって、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45は、反操縦部5側に下向きに塵埃を排出するので、一層、操縦部5の前方視界を良好にする。
46は、吸引排塵ファン33の上方に設けた塵埃排出ダクト45に塵埃を案内するボックス天井板(天井板)であり、塵埃排出ダクト45に塵埃を誘導するように、中央部が高く左右側を低く傾斜させている。
したがって、点検窓41は吸引排塵ボックス35のボックス天井板46の右側傾斜面に設けている。
吸引排塵ボックス35は、搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付け、吸引排塵ボックス35毎吸引排塵ファン33を外すと、開口部36から搬送ケース24内を点検可能として、合理的構成にしている。
それゆえ、吸引排塵ボックス35は、吸引排塵ボックス35の一方側を、係合孔50と係合部材51による係合固定とし、他方側に搬送ケース24側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具53により吸引排塵ボックス35を固定するように構成すると、着脱が容易になって、メンテナンス作業を容易にする。
【0012】
また、塵埃排出ダクト45の塵埃排出方向を、走行停止状態において、走行装置2の駆動輪55と駆動輪55の直ぐ後方の転輪56との間の側面視後下がり部分のクローラー57に向けると(図8,図9)、塵埃排出ダクト45から排出された塵埃をクローラー57が踏みつぶし、塵埃の舞い上がりを抑制して、好適である。
しかして、図10の吸引排塵ボックス35は搬送ケース24に対して左側を取付軸58により回動自在に取付け、吸引排塵ボックス35は先端側天板32の上面に位置する搬送エレベーター20の横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在に構成する。
吸引排塵ファン33は、横向き姿勢のときは軸心が縦になって搬送ケース24内の塵埃を排出するのみならず、起立させると、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
そのため、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
なお、図示は省略するが、起立させたとき、搬送ケース24の開口部36は別途設けた蓋部材により閉塞する。
59は起立状態を保持するロッドである。
また、横向き姿勢のとき吸引排塵ボックス35の右側はボルト等の任意の手段で固定する。
【0013】
また、吸引排塵ボックス35の位置切替自在構成にした場合、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45の排出口60には、排塵案内部材61を設け、吸引排塵ボックス35の位置により塵埃排出ダクト45からの排塵方向を切り替えるように構成する(図11)。
排塵案内部材61は、左右側板62と天板63を有し、天板63を吸引排塵ボックス35に取付軸64により回動自在に取付け、側板62に設けた長孔65に係止具66を取り付けている。
排塵案内部材61は、塵埃排出方向が下方となるように、吸引排塵ボックス35が起立姿勢とき、吸引排塵ボックス35が横向き姿勢のときよりも回動量を大きくする。
そのため、搬送ケース24内の塵埃排出および刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃回収に際して、塵埃を搬送ケース24の左下方に案内して操縦部5の前方視界を良好にする。
しかして、図12の吸引排塵ファン33は搬送ケース24の先端側天板32に対して軸心を左上がりに傾斜させて吸引排塵ボックス35に設け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検用開口部70を形成し、点検用開口部70にはシャッタ71を着脱自在に取付ける。
【0014】
シャッタ71を外すと、点検用開口部70が開口し、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内のみならず、操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
そのため、操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
この場合、吸引排塵ファン33は、シャッタ71を装着時は搬送ケース24内のみの塵埃除去し、シャッタ71を外して搬送ケース24内および操縦部5周辺の塵埃を除去し、また、搬送ケース24の開口部36を任意部材により閉塞すると、操縦部5周辺の塵埃の除去でき、塵埃除去形態を選択でき、適応作業範囲を広げ、汎用性を向上させられる。
また、図13,図14の実施例では、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検用開口部70に加えて吸引排塵ボックス35の刈取装置6側に前側点検用開口部73を形成し、前側点検用開口部73にはシャッタ74を着脱自在に取付け、シャッタ74を外すと、吸引排塵ファン33は操縦部5周辺の塵埃の回収のみならず、刈取装置6上方周辺の塵埃を回収して除去する。
【0015】
しかして、上記吸引排塵ファン33の各実施例において、吸引排塵ファン33を設けた吸引排塵ボックス35には、作業灯75を取付け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検窓41あるいはシャッタ71を透明部材により形成し、点検窓41あるいはシャッタ71から作業灯75の明かりが吸引排塵ボックス35から搬送ケース24内に届くように構成する。
即ち、点検窓41より後方に作業灯75を配置し、吸引排塵ボックス35および搬送ケース24内に光が届くことを期待している。
そのため、夜間作業でも、操縦部5側から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内を視認して、刈取作業を行える。
また、作業灯75を吸引排塵ボックス35に取付けるので、特別に作業灯75専用の取付部材を省略でき、コストダウンできる。
【0016】
(実施例の作用)
しかして、エンジンを始動し、走行装置2により機体を走行させると、リール15が回転し、未刈稈を掻き込み、掻込んだ穀稈を刈刃16で刈取り、刈取った穀稈を回転するオーガー11により集めて搬送エレベーター20内へ供給し、搬送エレベーター20により脱穀装置3へ供給して脱穀する。
搬送エレベーター20は、搬送ケース24内を搬送コンベア25の搬送体28が脱穀装置3に向けて移動し、刈取った穀稈を脱穀装置3へ供給搬送する。
搬送エレベーター20の搬送ケース24は、左右一対の側板21と、底板22と、ケース天板23とにより四角筒形状に形成し、搬送ケース24のケース天板23は、ケース天板23の前後中間位置に頂部30を形成し、頂部30より基部側を基部側天板31に、頂部30より先端側を先端側天板32に夫々形成し、先端側天板32には搬送ケース24内を吸引する吸引排塵ファン33を設けているので、搬送ケース24内の塵埃(塵埃)の排出効率を向上させる。
【0017】
吸引排塵ファン33により搬送ケース24内が吸引されることで、搬送ケース24内で発生する塵埃の他に、搬送ケース24内には搬送エレベーター20のオーガーフレーム14との接続部分に形成された供給口34から塵埃が流入するが、本願では、供給口34に近いケース天板23の先端側天板32に吸引排塵ファン33を設けているので、吸引排塵ファン33は搬送エレベーター20の始端部で塵埃を機外(搬送ケース24外)に排出し、排出効率を向上させる。
搬送ケース24の頂部30の先端側天板32は、ケース天板23の頂部30に至るに従い高く傾斜させているので、先端側天板32は、供給口34から流入して舞い上がる塵埃を吸引排塵ファン33に案内し、塵埃の排出効率を向上させる。
また、搬送ケース24のケース天板23には、ケース天板23の前後中間位置の頂部30の前後に基部側天板31と先端側天板32を夫々形成しているので、単に、平板なケース天板23に比し搬送ケース24の容積を大きくし、搬送ケース24内の塵埃による穀粒の汚染を抑制し、特に、大豆等の豆類の刈取作業では、豆類の塵埃の汚染を抑制する。
【0018】
また、吸引排塵ファン33は供給口34から刈取装置6のオーガーフレーム14内の塵埃の吸引作用が期待でき、操縦部5の前方のオーガーフレーム14からの塵埃の立ち上りを抑制し、操縦部5の前方視界を良好にする。
吸引排塵ファン33は吸引排塵ボックス35内に設け、吸引排塵ボックス35は搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付けているので、吸引排塵ファン33の取付けが容易になる。
この場合、吸引排塵ファン33の回転軸37を吸引排塵ボックス35の枠体38に軸装し、吸引排塵ボックス35内に設けたモータ39により駆動回転するように構成し、吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設けているので、吸引排塵ボックス35ごと、吸引排塵ファン33とモータ39と除塵網40を着脱でき、吸引排塵ファン33の着脱を容易にする。
また、吸引排塵ファン33の下方の吸引排塵ボックス35には除塵網40を設けているので、搬送ケース24内の穀稈が吸引排塵ファン33の吸引作用により吸引排塵ボックス35内に入るのを防止でき、吸引排塵ファン33の故障の発生を防止する。
【0019】
この点で、搬送ケース24のケース天板23の頂部30の前後に基部側天板31と先端側天板32を夫々形成しているので、単に、平板なケース天板23に比し吸引排塵ファン33による穀稈の吸引を一層防止でき、好適である。
吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検窓41を設け、反操縦部5側には塵埃排出ダクト45を設け、塵埃排出ダクト45は下向きに塵埃を排出するように構成しているので、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45は、反操縦部5側に下向きに塵埃を排出し、操縦部5の前方視界を良好にする。
また、吸引排塵ボックス35は、搬送ケース24の開口部36に着脱自在に取付けているので、吸引排塵ボックス35毎吸引排塵ファン33を外すと、開口部36から搬送ケース24内を点検できる。
また、吸引排塵ボックス35は、例えば、吸引排塵ボックス35の一方側を図示は省略するが係合溝と係合部材による係合固定とし、他方側に搬送ケース24側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具53により吸引排塵ボックス35を固定する構成とすると、一層、着脱が容易になって、メンテナンス作業を容易にする。
【0020】
吸引排塵ファン33は、搬送ケース24の先端側天板32に対して略垂直に軸装され、縦方向に塵埃を搬送ケース24から吸引し、吸引された塵埃は、吸引排塵ボックス35の天板に案内されて搬送ケース24の左側に誘導され、塵埃排出ダクト45により搬送ケース24の左側下方に向けて排出される。
この場合、塵埃排出ダクト45の塵埃排出方向を、走行停止状態において、走行装置2の駆動輪55と駆動輪55の直ぐ後方の転輪56との間の側面視後下がり部分のクローラー57に向けているので、塵埃排出ダクト45から排出された塵埃をクローラー57が踏みつぶし、塵埃の舞い上がりを抑制する。
しかして、図10の吸引排塵ボックス35は搬送ケース24に対して左側を取付軸58により回動自在に取付け、吸引排塵ボックス35は先端側天板32の上面に位置する搬送エレベーター20の横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在に構成しているので、吸引排塵ファン33は横向き姿勢で搬送ケース24内の塵埃を排出するのみならず、起立させると、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
【0021】
したがって、吸引排塵ファン33は、刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
また、吸引排塵ボックス35の位置切替自在構成にした場合、吸引排塵ボックス35の塵埃排出ダクト45の排出口60には排塵案内部材61を設け(図11)、吸引排塵ボックス35の位置により塵埃排出ダクト45からの排塵方向を切り替えるように構成しているので、排塵案内部材61は吸引排塵ボックス35が横向き姿勢のとき、塵埃を搬送ケース24の左側下方に向けて排出し、吸引排塵ボックス35が起立姿勢ときも、吸引排塵ボックス35が横向き姿勢のときよりも排塵案内部材61の回動量を大きくして、塵埃排出方向を下方にする。
そのため、搬送ケース24内の塵埃排出および刈取装置6上方および操縦部5周辺の塵埃回収に際して、塵埃を搬送ケース24の左下方に案内して操縦部5の前方視界を良好にする。
しかして、図12の吸引排塵ファン33は搬送ケース24の先端側天板32に対して軸心を左上がりに傾斜させて吸引排塵ボックス35に設け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側には点検用開口部70を形成し、点検用開口部70にはシャッタ71を着脱自在に取付けているので、シャッタ71を外すと、点検用開口部70が開口し、吸引排塵ファン33は搬送ケース24内のみならず、操縦部5周辺の塵埃を回収して、搬送ケース24の左側方に排出する。
【0022】
したがって、操縦部5周辺の塵埃除去を行え、操縦部5の前方視界を良好にする。
この場合、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検用開口部70に加えて吸引排塵ボックス35の刈取装置6側に前側点検用開口部73を形成すると、シャッタ74も外すことにより吸引排塵ファン33は操縦部5周辺の塵埃の回収のみならず、刈取装置6上方周辺の塵埃を回収して除去を行える。
しかして、上記吸引排塵ファン33の各実施例において、吸引排塵ファン33を設けた吸引排塵ボックス35には、作業灯75を取付け、吸引排塵ボックス35の操縦部5側の点検窓41あるいはシャッタ71を透明部材により形成し、点検窓41あるいはシャッタ71から作業灯75の明かりが搬送ケース24内に届くように構成しているので、夜間作業でも、操縦部5側から吸引排塵ボックス35内および搬送ケース24内を視認して、刈取作業を行える。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0023】
1…フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…グレンタンク、5…操縦部、6…刈取装置、10…側壁、11…オーガー、12…底板、13…後壁、14…オーガーフレーム、15…リール、16…刈刃、20…搬送エレベーター、21…側板、22…底板、23…ケース天板(天板)、24…搬送ケース、25…搬送コンベア、26…従動歯車、27…駆動歯車、28…搬送体、29…チエン、30…頂部、31…基部側天板、32…先端側天板、33…吸引排塵ファン、34…供給口、35…吸引排塵ボックス、36…開口部、37…回転軸、38…枠体、39…モータ、40…除塵網、41…点検窓、45…塵埃排出ダクト、46…ボックス天井板(天井板)、50…係合孔、51…係合部材、52…係合部、53…係止具、55…駆動輪、56…転輪、57…クローラー、58…取付軸、59…ロッド、60…排出口、61…排塵案内部材、62…側板、63…天板、64…取付軸、65…長孔、66…係止具、70…点検用開口部、71…シャッタ、73…前側点検用開口部、74…シャッタ、75…作業灯。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の側方にグレンタンク(4)を設け、該グレンタンク(4)の前方に操縦部(5)を設け、操縦部(5)の前方には、左右側壁(10)と底板(12)と左右の側壁(10)と底板(12)とを連結するように設けた後壁(13)により構成したオーガーフレーム(14)に、前記側壁(10)に軸装したオーガー(11)と、該オーガー(11)の上方に位置するリール(15)と、刈刃(16)とを設けて構成した刈取装置(6)を設け、該刈取装置(6)の基部を前記脱穀装置(3)に接続した搬送エレベーター(20)の先端に取付け、該搬送エレベーター(20)は、左右一対の側板(21)と底板(22)と天板(23)とにより四角筒形状に形成した搬送ケース(24)内に搬送コンベア(25)を設けた構成とし、前記搬送ケース(24)の天板(23)は、該天板(23)の前後方向の中間所定位置に頂部(30)を形成し、該頂部(30)より基部側の部位を基部側天板(31)に、前記頂部(30)より先端側の部位を先端側天板(32)に夫々形成し、該先端側天板(32)に前記搬送ケース(24)内の塵埃を吸引する吸引排塵ファン(33)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記吸引排塵ファン(33)は、天井板46および反操縦部(5)側に下向きに塵埃を排出する塵埃排出ダクト(45)を有する吸引排塵ボックス(35)内に設け、該吸引排塵ボックス(35)は前記搬送ケース(24)の開口部(36)に着脱自在に取付ける構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記吸引排塵ファン(33)は、該吸引排塵ファン(33)の回転軸(37)を前記吸引排塵ボックス(35)の枠体(38)に、前記吸引排塵ボックス(35)内に設けたモータ(39)により駆動回転するように軸装し、前記吸引排塵ファン(33)の下方の吸引排塵ボックス(35)には除塵網(40)を設け、前記吸引排塵ファン(33)の上方の前記吸引排塵ボックス(35)には天井板(46)および天井板(46)に続く塵埃排出ダクト(45)を設け、前記吸引排塵ボックス(35)は前記吸引排塵ファン(33)と前記モータ(39)と前記除塵網(40)ごと搬送ケース(24)に対して着脱する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記吸引排塵ボックス(35)は、該吸引排塵ボックス(35)の一方側を、係合孔(50)と係合部材(51)による係合固定とし、他方側に搬送ケース(24)側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具(53)により搬送ケース(24)に吸引排塵ボックス(35)を固定するように構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記吸引排塵ボックス(35)は前記搬送ケース(24)に対して反操縦部(5)側を取付軸(58)により回動自在に取付け、前記吸引排塵ボックス(35)は、前記先端側天板(32)の上面に位置する横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項6】
請求項5において、前記吸引排塵ボックス(35)の塵埃排出ダクト(45)の排出口(60)には、該排出口(60)から排出される塵埃を排出案内する排塵案内部材(61)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項において、前記吸引排塵ファン(33)は前記搬送ケース(24)の先端側天板(32)に対して軸心を反操縦部(5)側が高くなるように傾斜させて吸引排塵ボックス(35)内に軸装し、吸引排塵ボックス(35)の操縦部(5)側には点検用開口部(70)を形成し、該点検用開口部(70)にはシャッタ(71)を着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の側方にグレンタンク(4)を設け、該グレンタンク(4)の前方に操縦部(5)を設け、操縦部(5)の前方には、左右側壁(10)と底板(12)と左右の側壁(10)と底板(12)とを連結するように設けた後壁(13)により構成したオーガーフレーム(14)に、前記側壁(10)に軸装したオーガー(11)と、該オーガー(11)の上方に位置するリール(15)と、刈刃(16)とを設けて構成した刈取装置(6)を設け、該刈取装置(6)の基部を前記脱穀装置(3)に接続した搬送エレベーター(20)の先端に取付け、該搬送エレベーター(20)は、左右一対の側板(21)と底板(22)と天板(23)とにより四角筒形状に形成した搬送ケース(24)内に搬送コンベア(25)を設けた構成とし、前記搬送ケース(24)の天板(23)は、該天板(23)の前後方向の中間所定位置に頂部(30)を形成し、該頂部(30)より基部側の部位を基部側天板(31)に、前記頂部(30)より先端側の部位を先端側天板(32)に夫々形成し、該先端側天板(32)に前記搬送ケース(24)内の塵埃を吸引する吸引排塵ファン(33)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記吸引排塵ファン(33)は、天井板46および反操縦部(5)側に下向きに塵埃を排出する塵埃排出ダクト(45)を有する吸引排塵ボックス(35)内に設け、該吸引排塵ボックス(35)は前記搬送ケース(24)の開口部(36)に着脱自在に取付ける構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記吸引排塵ファン(33)は、該吸引排塵ファン(33)の回転軸(37)を前記吸引排塵ボックス(35)の枠体(38)に、前記吸引排塵ボックス(35)内に設けたモータ(39)により駆動回転するように軸装し、前記吸引排塵ファン(33)の下方の吸引排塵ボックス(35)には除塵網(40)を設け、前記吸引排塵ファン(33)の上方の前記吸引排塵ボックス(35)には天井板(46)および天井板(46)に続く塵埃排出ダクト(45)を設け、前記吸引排塵ボックス(35)は前記吸引排塵ファン(33)と前記モータ(39)と前記除塵網(40)ごと搬送ケース(24)に対して着脱する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記吸引排塵ボックス(35)は、該吸引排塵ボックス(35)の一方側を、係合孔(50)と係合部材(51)による係合固定とし、他方側に搬送ケース(24)側の係合部52にワンタッチで着脱係合する係止具(53)により搬送ケース(24)に吸引排塵ボックス(35)を固定するように構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記吸引排塵ボックス(35)は前記搬送ケース(24)に対して反操縦部(5)側を取付軸(58)により回動自在に取付け、前記吸引排塵ボックス(35)は、前記先端側天板(32)の上面に位置する横向き姿勢と、起立させた起立姿勢とに切替え自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項6】
請求項5において、前記吸引排塵ボックス(35)の塵埃排出ダクト(45)の排出口(60)には、該排出口(60)から排出される塵埃を排出案内する排塵案内部材(61)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項において、前記吸引排塵ファン(33)は前記搬送ケース(24)の先端側天板(32)に対して軸心を反操縦部(5)側が高くなるように傾斜させて吸引排塵ボックス(35)内に軸装し、吸引排塵ボックス(35)の操縦部(5)側には点検用開口部(70)を形成し、該点検用開口部(70)にはシャッタ(71)を着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−109939(P2011−109939A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267317(P2009−267317)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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