説明

サンダル

【課題】 鼻緒を備えるサンダルにおいてフィット感や履き心地を向上する。
【解決手段】 足載せ台1と、足載せ台1より立設された鼻緒2と、足載せ台1に対して足の甲を押さえつける甲押さえ帯体3と、を備えるサンダルである。甲押さえ帯体3に対する鼻緒2の頂部22の取付位置を調節可能なように、該頂部22を甲押さえ帯体3に対して着脱自在に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンダルに関する。
【背景技術】
【0002】
鼻緒を備える従来の一般的なサンダルは、鼻緒と甲押さえ帯体とが一体的に構成されている。
【0003】
本発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1がある。
【0004】
特許文献1のサンダルは、足載せ台より立設された鼻緒と、足載せ台の右側に一端が固定された第1甲押さえ帯体と、足載せ台の左側に一端が固定された第2甲押さえ帯体と、を備え、第1及び第2甲押さえ帯体が面ファスナー構造により相互に着脱自在とされ、鼻緒が足の指の間を上側に突き付けるように足を足載せ台に載せた状態で、第1及び第2甲押さえ帯体を鼻緒の頂部を通過するようにして互いに接続し、第1及び第2甲押さえ帯体によって足の甲を上側から押さえるように構成されている。
【特許文献1】実開昭62−024701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同じサイズの足であっても足の親指辺りの分厚さには個人差があるが、鼻緒を備える従来の一般的なサンダルは鼻緒と甲押さえ帯体とが一体的に構成されているため、足の親指辺りの分厚さによっては、足載せ台と甲押さえ帯体との間が窮屈であったり逆に隙間が大きかったりというように、フィット感が得られないという問題があった。
【0006】
また、特許文献1のサンダルの場合も、足載せ台から鼻緒の頂部までの高さが略一定に保たれる構造であるため、足の親指辺りの分厚さによっては、同様に、フィット感が得られないという問題もある。
【0007】
また、特許文献1のサンダルの場合、鼻緒の頂部が甲押さえ帯体に対して固定される訳ではない。このため、鼻緒の姿勢を保ち足をサンダル内に好適にホールドするために、鼻緒がさほど変形しないよう鼻緒をある程度以上の固さの素材により構成する必要がある。よって、履き心地が良くないといった問題や、“鼻緒ずれ”を起こしやすいという問題がある。特に、外反母趾などを患う使用者にとってはなおさら問題が深刻である。
【0008】
また、足における指の配置にも個人差があるため、鼻緒の位置が一定であると、人によっては、フィット感が得られず、履き心地が良くない或いは鼻緒ずれを起こしやすいといった問題を生じる。この場合も、外反母趾などを患う使用者にとっては問題が深刻である。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決することが可能なサンダルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のサンダルは、足載せ台と、前記足載せ台より立設された鼻緒と、前記足載せ台に対して足の甲を押さえつける甲押さえ帯体と、を備え、前記甲押さえ帯体に対する前記鼻緒の頂部の取付位置を調節可能なように、該頂部を前記甲押さえ帯体に対して着脱自在としたことを特徴としている。
【0011】
本発明のサンダルにおいては、前記甲押さえ帯体は、相互に接続及び分離可能な第1及び第2部分からなることが好ましい。
【0012】
本発明のサンダルにおいては、前記鼻緒の前記頂部を前記第1部分と前記第2部分との間に挟み込むようにして取付可能であることが好ましい。
【0013】
本発明のサンダルにおいては、前記頂部は扁平に形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明のサンダルにおいては、前記鼻緒の前記頂部は面ファスナー構造により前記甲押さえ帯体に対して着脱自在とされていることが好ましい。
【0015】
本発明のサンダルにおいては、前記鼻緒の頂部は面ファスナー構造により前記第1部分及び前記第2部分に対して着脱自在とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、甲押さえ帯体に対する鼻緒の頂部の取付位置を調節可能なように、鼻緒の頂部を甲押さえ帯体に対して着脱自在であるので、甲押さえ帯体に対する鼻緒の頂部の位置を適宜に調節することにより、足載せ台から鼻緒の頂部までの高さをも同時に調節することができる。すなわち、足の親指辺りの分厚さの個人差に応じて、足載せ台から鼻緒の頂部までの高さを適宜に調節することにより、フィット感があるようにサンダルを履くことが可能である。
【0017】
同様に、足における指の配置の個人差に応じて鼻緒の位置を調節することができるため、フィット感があるようにサンダルを履くことが可能である。
【0018】
また、特許文献1とは異なり、鼻緒の頂部が甲押さえ帯体に対して取り付けられるので、鼻緒がさほど固い素材でなくても、鼻緒の姿勢を一定に保ち、足をサンダル内に好適にホールドすることができる。すなわち、特許文献1と比べると、鼻緒の素材を柔らかいものにすることができるので、履き心地が良好となるとともに、鼻緒ずれを起こしにくいようにできる。特に、外反母趾などを患う使用者にとっては、改善効果が高いと言える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0020】
〔第1の実施形態〕
図1及び図3は第1の実施形態に係るサンダル100の斜視図、図2はサンダル100の側面図である。
【0021】
なお、図1乃至図3には、サンダル100の左足部分のみを示している。サンダル100の右足部分は、左足部分と左右対称に構成されているため、図示及び説明を省略する。また、以下では、便宜上、図1乃至図3に示す左足部分のみを指して“サンダル100”と称する。
【0022】
また、図2においては、便宜上、甲押さえ帯体3における第1部分31(後述)の図示を省略している。
【0023】
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係るサンダル100は、使用者の足が載せられる足載せ台1と、この足載せ台1における前部より立設された鼻緒2と、足載せ台1に対して使用者の足の甲を押さえつける甲押さえ帯体3と、使用者の足首を保持する足首保持部4と、を備えて構成されている。
【0024】
足載せ台1は、足の外形に沿うような平面形状に形成された台状のものであり、サンダル底と称される。
【0025】
鼻緒2は、足載せ台1の前部より起立するように足載せ台1に設けられた鼻緒本体21と、この鼻緒本体21の上端に連なるように該鼻緒本体21と一体的に設けられた頂部22と、を備えて構成されている。
【0026】
鼻緒2は、例えば、その全体が可撓性の素材により構成されている。
【0027】
鼻緒本体21は、その下端部23が足載せ台1の前部に固定されている。
【0028】
鼻緒本体21の下端部23の位置は、例えば、サンダル100を履く使用者の足の親指と人差し指との間に鼻緒本体21が挟まれるような配置に設定されている。
【0029】
頂部22は、例えば、扁平に形成された本体部25(図2)と、該本体部25の一方の面に設けられた第1面ファスナー23(図2)と、該本体部25の他方の面に設けられた第2面ファスナー24と、を備えて構成されている。
【0030】
第1及び第2面ファスナー23,24のうち、一方の面ファスナー23は、例えば、甲押さえ帯体3の後述する第1部分31の第3面ファスナー34に対して着脱されるようになっている。また、他方の面ファスナー24は、例えば、甲押さえ帯体3の後述する第2部分32の第4面ファスナー36に対して着脱されるようになっている。
【0031】
つまり、頂部22は、甲押さえ帯体3の第1部分31及び第2部分32に対してそれぞれ着脱自在となっている。
【0032】
なお、頂部22は、甲押さえ帯体3の第1及び第2部分31,32にそれぞれ取り付けし易いように、鼻緒本体21よりも後傾していることが好ましい。このため、例えば、図2に示すように、鼻緒2は、側面から見ると、鼻緒本体21と頂部22との境界において、くの字状に屈折している。
【0033】
次に、甲押さえ帯体3は、本実施形態の場合、相互に接続及び分離が可能な第1部分31と第2部分32とからなる。
【0034】
第1部分31は、可撓性の素材からなる帯状体である本体部33と、この本体部33の片面に設けられた第3面ファスナー34と、を備えて構成されている。第1部分31の本体部33は、その一端部が、足載せ台1の前部における左端に沿って固定されている。第3面ファスナー34は、具体的には、例えば、第1部分31が第2部分32と接続された際に上側を向く面に備えられている。
【0035】
同様に、第2部分32は、可撓性の素材からなる帯状体である本体部35と、この本体部35の片面に設けられた第4面ファスナー36と、を備えて構成されている。第2部分32の本体部35は、その一端部が、足載せ台1の前部における右端に沿って固定されている。第4面ファスナー36は、具体的には、例えば、第2部分32が第1部分31と接続された際に下側を向く面に備えられている。
【0036】
第3面ファスナー34と第4面ファスナー36とは、相互に貼り合わせることにより一体化する。この一体化により、図3に示すように、第1部分31と第2部分32とが相互に接続され、これら第1部分31と第2部分32が一体の甲押さえ帯体3として機能するようになっている。
【0037】
また、第3面ファスナー34と第4面ファスナー36とを相互に引き剥がすことにより、図1に示すように、第1部分31と第2部分32とを相互に分離させることができる。
【0038】
なお、例えば、第3面ファスナー34と第4面ファスナー36とのうちの何れか一方はフック状に起毛されたフック面、何れか他方はループ状に起毛されたループ面であることが挙げられるが、面ファスナー34、36ともにフック状起毛とループ状起毛の双方を備えており、フック面とループ面との区別がないようにしても良い。要するに、第3面ファスナー34と第4面ファスナー36とは相互に接続及び分離が可能であれば、その具体的構造は問わない。
【0039】
同様に、鼻緒2の頂部22の第1面ファスナー23は、第3面ファスナー343と相互に接続及び分離が可能であれば、その具体的構造は問わない。同様に、鼻緒2の頂部22の第2面ファスナー24は、第4面ファスナー36と相互に接続及び分離が可能であれば、その具体的構造は問わない。
【0040】
次に、足首保持部4は、足載せ台1の後部における左右両端からそれぞれ起立する左右一対の起立部41,42と、この起立部41,42の上端に一体的に設けられ足首に巻き付けられる巻き付け部43と、を備えて構成されている。
【0041】
左の起立部41は、その下端部が足載せ台1の後部における左端部に固着され、足の形に沿うように外側に膨らむようにして上側に向けて起立している。
【0042】
同様に、右の起立部42は、その下端部が足載せ台1の後部における右端部に固着され、足の形に沿うように外側に膨らむようにして上側に向けて起立している。
【0043】
巻き付け部43は、例えば、足首の後側に沿わされる後側帯体44と、足首の前側に沿わされる前側帯体45と、この前側帯体45が通される通し環46と、を備えて構成されている。
【0044】
このうち後側帯体44は、足首の形に沿うよう後側に膨らむようにして、起立部41の上端部における後部から起立部42の上端部における後部に亘って架け渡され、起立部41及び起立部42と一体的に設けられている。
【0045】
前側帯体45は、後側帯体44のおよそ2倍程度の長さに設定されている。
【0046】
前側帯体45は、その一端が起立部41の上端部に一体的に設けられている。
【0047】
そして、前側帯体45において、起立部41に近い側の半部45Aには第5面ファスナー47が、起立部41から遠い側の半部45Bには第6面ファスナー48が、それぞれ備えられている。
【0048】
第5面ファスナー47と第6面ファスナー48とは、相互に接続及び分離が可能である。
【0049】
通し環46は、起立部42の上端部における前部に設けられている。
【0050】
次に、使用者がサンダル100を履く動作の一例を説明する。
【0051】
例えば、先ず、足を足載せ台1上に載せる。この際、足の親指と人差し指との間に鼻緒本体21を挟み込むようにする。なお、この段階では、例えば、甲押さえ帯体3の第1部分31と第2部分32とは分離しており、また、鼻緒2の頂部22は第1部分31及び第2部分32の何れとも分離しているものとする。
【0052】
次に、甲押さえ帯体3の第1部分31を足の甲に沿って配置する。
【0053】
次に、鼻緒2の頂部22の第1面ファスナー23を、第1部分31の上面の第3面ファスナー34に対して貼り付けることにより、頂部22を第1部分31に取り付ける。この際、第1部分31に対する頂部22の取付位置は、鼻緒本体21が足にフィットするような取付位置に調節する。すなわち、第1部分31に対する頂部22の取付位置は、前後・左右において、適宜に調節することができる。
【0054】
この段階での鼻緒2と第1部分31との位置関係は、図1に示すような状態である。
【0055】
次に、甲押さえ帯体3の第2部分32を、第1部分31及び頂部22を上側から覆うようにして足の甲に沿って配置するとともに、第4面ファスナー36を第2面ファスナー24及び第3面ファスナー34に対して貼り付ける。つまり、第2部分32を頂部22及び第1部分31に対して取り付ける。この際に、第1部分31及び頂部22に対する第2部分32の取付位置は、甲押さえ帯体3と足の甲とのフィット感が得られるように、適宜に調節する。
【0056】
この段階での鼻緒2、第1部分31及び第2部分32の位置関係は、図3に示すような状態である。
【0057】
次に、例えば、足首保持部4の巻き付け部43の前側帯体45が通し環46から外れていれば、前側帯体45を足首の前側を介して通し環46に通す。そして、前側帯体45を通し環46にてループ状に折り返し、第6面ファスナー48を第5面ファスナー47に対して貼り付ける。この際、巻き付け部43の後側帯体44及び前側帯体45が足首に対してフィット感があるように巻き付くように、第5面ファスナー47に対する第6面ファスナー48の貼り付け位置を適宜に調節する。
【0058】
この段階での足首保持部4は、図3に示すような状態である。
【0059】
なお、上述したようなサンダル100を履くときの動作は一例を示したに過ぎず、手順は様々に変化しても良いのは勿論である。
【0060】
以上のような第1の実施形態によれば、甲押さえ帯体3(第1部分31及び第2部分32)に対する鼻緒2の頂部22の取付位置を調節可能なように、頂部22を甲押さえ帯体3に対して着脱自在であるので、甲押さえ帯体3に対する頂部22の位置を適宜に調節することにより、足載せ台1から頂部22までの高さをも同時に調節することができる。すなわち、鼻緒本体21の下端部23の位置は足載せ台1に対して不変であるが、頂部22の位置を調節可能であることから、該頂部22の位置の変化に応じて鼻緒本体21の位置(経路ないしは姿勢)も変化させることができ、その変化に伴い、足載せ台1から頂部22までの高さも調節することができる。よって、足の親指辺りの分厚さの個人差に応じて、足載せ台1から鼻緒2の頂部22までの高さを適宜に調節することにより、フィット感があるようにサンダル100を履くことが可能である。
【0061】
同様に、足における指の配置の個人差に応じて、鼻緒本体21の位置(経路ないしは姿勢)を調節することができるため、フィット感があるようにサンダルを履くことが可能である。
【0062】
また、特許文献1とは異なり、鼻緒2の頂部22が甲押さえ帯体3に対して取り付けられるので、鼻緒本体21がさほど固い素材でなくても、鼻緒本体21の姿勢を一定に保ち、足をサンダル100内に好適にホールドすることができる。すなわち、特許文献1と比べると、鼻緒本体21の素材を柔らかいもの(例えば、合皮など)にすることができるので、履き心地が良好となるとともに、鼻緒ずれを起こしにくいようにできる。特に、外反母趾などを患う使用者にとっては、改善効果が高いと言える。
【0063】
また、本実施形態の場合、甲押さえ帯体3が相互に接続及び分離が可能な第1部分31と第2部分32とからなるので、第1部分31と第2部分32との相互の取付位置を適宜に調節することにより、足の甲の分厚さや幅に応じて、甲押さえ帯体3のループ長を調節することができる。
【0064】
また、本実施形態の場合、鼻緒2の頂部22を第1部分31と第2部分32との間に挟み込むようにして取り付けるため、その取付強度を確保しやすく、また、頂部22が直接足の甲に触れることに起因する履き心地の悪さも回避できる。
【0065】
また、鼻緒2の頂部22が扁平に(薄く)形成されているので、頂部22の感触が足の甲に伝わりにくく、より一層履き心地を快適にすることができる。
【0066】
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態では、甲押さえ帯体3が第1及び第2部分31,32からなる例を説明したが、第2の実施形態では、甲押さえ帯体3が一体のアーチ状の帯状体からなる例を説明する。
【0067】
図4は第2の実施形態に係るサンダル200の斜視図である。
【0068】
なお、図4には、サンダル200の左足部分のみを示している。サンダル200の右足部分については、左足部分と左右対称に構成されているため、図示及び説明を省略する。また、以下では、便宜上、図4に示す左足部分のみを指して“サンダル200”と称する。
【0069】
サンダル200は、その甲押さえ帯体3及び鼻緒2の構造のみが上記の第1の実施形態に係るサンダル100と相違し、その他はサンダル100と同様に構成されているため、以下では、甲押さえ帯体3及び鼻緒2以外の構成についての説明は省略する。
【0070】
図4に示すように、本実施形態の場合、甲押さえ帯体3は、一体のアーチ状の帯状体からなる。すなわち、甲押さえ帯体3の一端部は足載せ台1の前部における左端に沿って固定され、他端部は足載せ台1の前部における右端に沿って固定されている。なお、甲押さえ帯体3は全体が可撓性の素材からなる。
【0071】
この甲押さえ帯体3は、その下面に、上記の第1の実施形態における第4面ファスナー34に相当する面ファスナー(図示略)を備えている。
【0072】
また、本実施形態の場合、鼻緒2は、上記の第1の実施形態の場合の鼻緒2から第1面ファスナー23を除いた構成となっている。すなわち、本実施形態の場合、鼻緒2は、上記の第1の実施形態における第2面ファスナー24に相当する面ファスナー(図示略)を備えている。
【0073】
従って、本実施形態の場合、甲押さえ帯体3に対する鼻緒2の頂部22(図示略)の取付位置を調節可能なように、該頂部22を甲押さえ帯体3の下面に対して着脱自在となっている。
【0074】
以上のような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0075】
ただし、第1の実施形態とは違って、甲押さえ帯体3が元々一体的に構成されているため、足の甲の分厚さや幅に応じて、甲押さえ帯体3のループ長を調節することはできない。
【0076】
また、鼻緒2の頂部22を第1部分31と第2部分32との間に挟み込むようにして取り付ける訳ではないため、甲押さえ帯体3に対する頂部22の取付強度は第1の実施形態よりも劣り、頂部22が直接足の甲に触れるため、履き心地の面でも第1の実施形態よりも劣る。
【0077】
〔第3の実施形態〕
上記の第2の実施形態では、甲押さえ帯体3が元々一体的に構成されている場合において、鼻緒2の頂部22が直接足の甲に触れる例を説明したが、第3の実施形態では、甲押さえ帯体3が元々一体的に構成されている場合において、鼻緒2の頂部22が直接足の甲に触れないようにした例を説明する。
【0078】
図5は第3の実施形態に係るサンダル300の斜視図である。
【0079】
なお、図5には、サンダル300の左足部分のみを示している。サンダル300の右足部分については、左足部分と左右対称に構成されているため、図示及び説明を省略する。また、以下では、便宜上、図5に示す左足部分のみを指して“サンダル300”と称する。
【0080】
サンダル300は、その甲押さえ帯体3及び鼻緒2の構造のみが上記の第2の実施形態に係るサンダル200と相違し、その他はサンダル200と同様に構成されているため、以下では、甲押さえ帯体3及び鼻緒2以外の構成についての説明は省略する。
【0081】
図5に示すように、本実施形態の場合も、甲押さえ帯体3は、第2の実施形態と同様に、一体のアーチ状の帯状体からなる。
【0082】
ただし、この甲押さえ帯体3は、その上面に面ファスナー37を備えているが、下面には面ファスナーを備えていない。
【0083】
また、本実施形態の場合、鼻緒2は、上記の第1の実施形態の場合の鼻緒2から第2面ファスナー24を除いた構成となっている。すなわち、本実施形態の場合、鼻緒2の頂部22は、第2面ファスナー24を備えている。
【0084】
第2面ファスナー24は、面ファスナー37と相互に接続及び分離が可能である。
【0085】
従って、本実施形態の場合、甲押さえ帯体3に対する鼻緒2の頂部22の取付位置を調節可能なように、該頂部22を甲押さえ帯体3の上面に対して着脱自在となっている。
【0086】
以上のような第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0087】
しかも、頂部22が直接足の甲に触れないため、第2の実施形態よりも良好な履き心地が得られる。
【0088】
なお、上記の第1の実施形態のように甲押さえ帯体3が第1部分31と第2部分32とからなる場合においても、上記の第3の実施形態と同様に鼻緒2の頂部22を甲押さえ帯体3の上面に対して着脱可能であるように構成しても良い。
【0089】
また、上記の各実施形態では、サンダル100,200,300がそれぞれ足首保持部4を備えている例を説明したが、サンダル100,200,300は足首保持部4を備えていなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1の実施形態に係るサンダルの斜視図であり、特に、甲押さえ帯体の第1部分と第2部分とを分離させた状態を示す。
【図2】第1の実施形態に係るサンダルの側面図である。ただし、甲押さえ帯体の第1部分の図示を省略している。
【図3】第1の実施形態に係るサンダルの斜視図であり、特に、甲押さえ帯体の第1部分1と第2部分とを接続させた状態を示す。
【図4】第2の実施形態に係るサンダルの斜視図である。
【図5】第3の実施形態に係るサンダルの斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1 足載せ台
2 鼻緒
22 頂部
23 第1面ファスナー
24 第2面ファスナー
3 甲押さえ帯体
31 第1部分
32 第2部分
34 第3面ファスナー
36 第4面ファスナー
37 面ファスナー
100 サンダル
200 サンダル
300 サンダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足載せ台と、前記足載せ台より立設された鼻緒と、前記足載せ台に対して足の甲を押さえつける甲押さえ帯体と、を備え、
前記甲押さえ帯体に対する前記鼻緒の頂部の取付位置を調節可能なように、該頂部を前記甲押さえ帯体に対して着脱自在としたことを特徴とするサンダル。
【請求項2】
前記甲押さえ帯体は、相互に接続及び分離可能な第1及び第2部分からなることを特徴とする請求項1に記載のサンダル。
【請求項3】
前記鼻緒の前記頂部を前記第1部分と前記第2部分との間に挟み込むようにして取付可能であることを特徴とする請求項2に記載のサンダル。
【請求項4】
前記頂部は扁平に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項5】
前記鼻緒の前記頂部は面ファスナー構造により前記甲押さえ帯体に対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項6】
前記鼻緒の頂部は面ファスナー構造により前記第1部分及び前記第2部分に対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項3に記載のサンダル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−254551(P2009−254551A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106690(P2008−106690)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000139562)株式会社愛邦 (11)
【Fターム(参考)】