説明

シードテープ用シート被覆装置

【課題】シードテープ用シート被覆装置を提供する。
【解決手段】本発明によるシードテープ用シート被覆装置1は、走行可能な台車型機枠に取り付けられ、シート部材Pをシードテープと同期して繰り出し、開口形成予定部を切断し、鎮圧ローラ6によりシートをシードテープに被覆するシードテープ用シート被覆装置である。シート部材Pを巻回装備したシートリール3と、シート部材Pを切断位置に案内する案内手段34A,34Bを備えている。補助ローラ36は切断位置に配置され、カッターローラ35は、前記補助ローラ36に離接可能に配置されている。そして切断時にシート部材Pを前記補助ローラ36間に挟持して回転し切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として田畑耕土上に敷設されたシードテープの上を例えばポリエチレンシートもしくはビニールシート等の合成樹脂製のシート部材で被覆するためのシードテープ用シート被覆装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、すでに種テープ敷設機におけるシート被覆装置(特許文献1)を提案している。この装置は、種テープの所定間隔毎に設けられた種取付部分のみをシート部材より露出させておくために、種取付位置に合致すべく所定間隔毎に穿孔装置により予め孔部を穿設加工してから使用するのであった。また、この孔部を形成する替わりに、例えば切断装置により、シート部材面に略コの字形状の切断部を形成しておいてから種テープの種取付部分のみをこの切断部によって形成される孔部でもって露出させた状態で耕土上に敷設しておく場合もあった。
【特許文献1】実開昭54−70842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の如き孔部を予め穿設加工して使用する場合、シート部材の孔部周辺にかかる引っ張り力に対する強度が非常に弱くなるためシート部材をシートリールから引き出してから鎮圧ローラによって耕土上に敷設させるまでの間にシート部材の孔部周辺が破損してしまう。また、シート部材面に略コの字形状の切断部を形成しておいてから種テープの種取付部分のみをこの切断部によって露出させた状態で耕土上に敷設しておく場合では、切断片がひらひらと風で煽られてしまうため種の芽生育にとって多大な弊害をもたらす結果となりかねない等の問題点を有していた。
【0004】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたものである。
シートリールから引き出された状態では孔部が形成されておらず、鎮圧ローラによってシート部材が耕土上に敷設させる直前に孔部が形成されるようにすることで、シート部材の孔部周辺の破損を未然に防止できるようにする。
また、シート部材の略コの字形状の切断部によって形成される孔部を切断片の煽りによって塞いでしまう如き、種の芽生育に弊害をもたらすことなく、種テープが敷設された耕土を種部分を確実に残して容易に覆うことができ、しかも土中に残存しないタイプのシート部材を使用することで環境汚染を防止できるものとしたシート被覆装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載のシート被覆装置は、
走行可能な台車型機枠に取り付けられ、シート部材をシードテープと同期して繰り出し、開口形成予定部を切断し、鎮圧ローラによりシートをシードテープに被覆するシードテープ用シート被覆装置であって、
シート部材を巻回装備したシートリールと、
シート部材を切断位置に案内する案内手段と、
切断位置に配置された補助ローラと、
前記補助ローラに離接可能に配置され切断時にシート部材を前記補助ローラ間に挟持して回転し切断するカッターローラと、から構成されている。
【0006】
なお、前記被覆装置のカッターローラで、前記補助ローラに離接可能に配置され切断時にシート部材を前記補助ローラ間に挟持して回転し開口形成のための引き千切り部を残して切断するようにし、前記補助ローラに設けられた突き刺し尖端により開口の際の残滓を取り除き、収容する収容部を設けることができる。
【0007】
前記構成の本発明に係るシート被覆装置にあっては、走行可能な台車型機枠に取り付けられたシート被覆装置1であって、シート部材Pを巻回装備したシートリール3と、シートリール3から引き出されたシート部材Pに切断部Qを形成する切断機構部2と、形成された切断部Qを折曲部分を介して折曲させる折曲機構部5と、切断部Qの折曲方向が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させる鎮圧ローラ6とから構成することもできる。
切断機構部2は、シート部材Pの長手方向に沿って左右縁部側の等間隔位置に略コの字形状の切断部Qを形成する略コの字型の刃部をローラ周面に有するカッターローラとすることができる。
また、切断機構部2には、シート部材Pに形成した略コの字形の切断部Qの非切断部側近傍に、等間隔ドット状もしくは連続ライン状に接着剤Sを塗布させる接着剤塗布装置を付設することができる。
折曲機構部5は、シート部材Pの切断部Qを押圧開放させる押圧バネ5Aと、開放された切断部Qを折曲部分を介して折曲させるようシート部材P外側から当接配置させた折曲規制用ローラ5Bとを備えて成るものとすることができる。
また、折曲機構部5は、シート部材Pの切断部Qを押圧開放させる跳ね上げ式の押圧バネ15Aと、開放された切断部Qを折曲部分を介して左右端部方向に折曲させるようシート部材P上側から当接配置させた略L字型の折曲規制用フレーム15Bとを備えて成るものとすることができる。
切断機構部2は、略コの字形状の切断部Qの形成に加えて、若干離れて長目の1本の切り込み部21を設け、対向配置した一対の抜きローラ22A,22Bでもって切断部Qを挟持しながら巻き込み破断除去させ、引き千切られたシート片をゴミ受け23に収容させることで孔部Rを形成する抜き方式によるものとすることができる。
また、切断機構部2は、上下位置に設けたガイドローラ34A,34Bの中央部に配したシート部材Pの孔開け切断用のカッターローラ35と、カッターローラ35による切断後のシート片を剥離してゴミ受け23内に収容するよう複数等間隔の尖端部36Aを周設してある補助ローラ36とにより構成することができる。
走行可能な台車型機枠の前方上方に装備した種テープリールと、下部に装備した種テープガイドと、種テープリールと種テープガイドの中間部に検出ガイドローラとこれの外周に沿って、検出装置の検出アームを対向配置する一方、機枠の後方に前記シート被覆装置1を取付け、前記検出装置による種検出信号に同期してシート被覆装置1の切断機構部2が作動することで、耕土T上に敷設される種テープの種部と、種テープ上を被覆するシート部材Pの孔部Rとが合致する状態となってシート部材Pが敷設される。
一方、本発明に係る装置にあっては、台車の走行動作に連動してシートリール3からシート部材Pが切断機構部2下方位置に案内搬送され、シート部材Pの長手方向に沿って等間隔位置に切断機構部2によって略コの字形状の切断部Qを形成すると共に、必要に応じて切断部Qの非切断部側近傍に接着剤Sが塗布された後、折曲機構部5によって切断部Qを押圧開放させ且つ開放された切断部Qを折曲部分を介して折曲させ、必要に応じて前記接着剤Sにより、折曲された切断部Qをシート部材P面に接着固定させて孔部Rが形成され、その後、鎮圧ローラ6によって切断部Qの折曲方向側のシート面が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させることができる。
【0008】
以上のように構成された本発明に係るシート被覆装置において、台車の走行動作に連動してシートリール3から切断機構部2下方位置に案内搬送され、シート部材Pの長手方向に沿って等間隔位置に切断機構部2によって略コの字形状の切断部Qが形成されると同時に接着剤塗布装置により切断部Qの非切断部側近傍には接着剤Sが塗布される。
折曲機構部5における押圧バネ5Aによって切断部Qを押圧開放させると同時に、開放された切断部Qを折曲規制用ローラ5Bにより折曲部分を介して折曲させ、非切断部側近傍に塗布された接着剤Sにより、折曲された切断部Qがシート部材P面に接着固定されることで孔部Rが形成される。
鎮圧ローラ6は、切断部Qの折曲方向側のシート面が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させる。
検出装置は、これの種検出信号に同期してシート被覆装置1の切断機構部2を作動させ、耕土T上に敷設される種テープの種部と、種テープ上を被覆するシート部材Pの孔部Rとが合致する状態となってシート部材Pを敷設させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明による装置は、以上のように構成され、動作するものであるから、シートの切断残滓を散逸させることのないシードテープ用シート被覆装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明によるシードテープ用のシート被覆装置の配置例を示す図である。シート被覆装置1は、例えば電動駆動源によって走行可能な台車型の不図示の機枠に取り付けられている。
このシート被覆装置1は、シート部材Pに略コの字形の切断部Qを形成する切断機構部2と、合成樹脂製のシート部材Pを巻回装備したシートリール3と、シート部材Pを切断機構部2下方位置に案内させるガイドローラ4A,4Bと、切断部Qを切断されていない折曲部分を介して反対側に折曲させる折曲機構部5と、切断部Qの折曲方向側のシート面が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させるための鎮圧ローラ6とから構成されている。尚、図中において台車の機枠、前輪、尾輪、および電動駆動源等の図示による説明は省略してある。
【0011】
切断機構部2は、当該切断機構部2下方位置で且つ前後に配した一対のガイドローラ4A,4Bによって案内されてきたシート部材Pの長手方向に沿って左右縁部側の等間隔位置に略コの字形状の切断部Qを形成するための略コの字型の刃部をローラ周面に備えた不図示のカッターローラを備えると共に、シート部材Pに形成した略コの字形の切断部Qの非切断部側近傍に、等間隔ドット状に接着剤Sを塗布させ、後述する折曲機構部5によって切断部Qが折曲された際に、塗布された接着剤Sにより当該切断部Qがシート部材P面に接着固定させるための不図示の接着剤塗布装置を付設してある。
【0012】
シートリール3は、無公害でしかも耕土T中に残存しない物性を備えた例えばポリエチレンシート、あるいはビニールシート等の合成樹脂製のシート部材Pを巻回装備し、機枠に軸支された状態で回動可能に配置されている。
【0013】
折曲機構部5は、シート部材Pの切断部Qを押圧開放させる押圧バネ5Aと、開放された切断部Qを切断されていない折曲部分を介して折曲し、シート部材P裏面側に当接保持させておくために、シート部材P外側から当接配置させた折曲規制用ローラ5Bとを備えている。
【0014】
鎮圧ローラ6は、シート部材Pを耕土T上に敷設させるために前記シートリール3よりも若干下方位置において機枠に対し回転可能に軸支されている。
【0015】
また、本実施の形態におけるシート被覆装置は、本出願人自身が先に考案した実開昭54−70842号公報に開示してある種テープ敷設機に搭載して使用されるものとしても良い。すなわち、走行可能な台車型の機枠において、この前方上方に種テープリールを装備し、下部に種テープガイドを装備し、種テープリールと種テープガイドの中間部に検出ガイドローラとこれの外周に沿って、ランプと受光器とから成る検出装置から下方に突出した検出アームを対向配置する一方、機枠の後方に本実施の形態によるシート被覆装置を取付け、前記検出装置による種検出信号に同期してシート被覆装置の切断機構部2が作動することで、耕土T上に敷設される種テープの種部と、種テープ上を被覆するシート部材Pの孔部Rとが合致する状態となってシート部材Pが敷設されるようにしてある。
【0016】
次に以上のように構成された実施の形態についての使用、動作の一例を説明する。台車の走行動作に連動してシートリール3からシート部材Pが一対のガイドローラ4A,4Bによって切断機構部2下方位置に案内搬送され、シート部材Pの長手方向に沿って等間隔位置に切断機構部2によって略コの字形状の切断部Qを形成する。このとき切断部Qの非切断部側近傍には、等間隔ドット状に接着剤Sが塗布される。次に、折曲機構部5における押圧バネ5Aによって切断部Qを押圧開放させると同時に、開放された切断部Qを折曲規制用ローラ5Bにより折曲部分を介して折曲させ、非切断部側近傍に塗布された接着剤Sにより、折曲された切断部Qがシート部材P面に接着固定されることで孔部Rが形成される。その後、鎮圧ローラ6によって切断部Qの折曲方向が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させる。このように本実施の形態における穿孔方式は、略コの字型の刃部をローラ周面に備えた不図示のカッターローラによりシート部材Pの縁部に等間隔となって略コの字形状に予め切断してからこれを折曲部分を介して反対側に折り曲げることで孔部Rを形成する所謂折曲方式によるものである。
【0017】
尚、本実施の形態における切断機構部2では、ローラ周面に刃部を備えた不図示のカッターローラを採用しているが、その他の構成として図示を省略したが、熱による溶融加工方式によって孔部Rを形成することも可能である。また、孔部Rの形状は、図5に示すように、略U字形状の切断部Qによって略横長半円状(図5(a)参照)に形成されていたり、略くの字形状の切断部Qによって略三角状(図5(b)参照)に形成されていたり、その他種々な形状となって形成されていたりしても良い。さらに、種テープの所定間隔毎に設けられた種取付部分のみをシート部材より露出させておくために、種取付位置に合致すべく所定間隔毎に穿孔装置により予め孔部を穿設加工して成る市販のシート部材を購入して使用しても良い。
【0018】
また、図2には本発明によるシードテープ用シート被覆装置の他の配列を示している。図1と同一の構成部分については同一の符号が付されることでその詳細な説明は省略されている。図2に示したものは、図1に示したシート部材Pの切断部Qの方向を長手方向に対して横向きに形成されるように設定し、且つ折曲機構部5は、シート部材Pの切断部Qを押圧開放させる跳ね上げ式の押圧バネ15Aと、開放された切断部Qを折曲部分を介して左右端部方向に折曲させるためにシート部材P上側から当接配置させた略L字型の折曲規制用フレーム15Bとを備えているものである。すなわち、切断機構部2は、シート部材Pの搬送方向に対して横向きに配置した略コの字型の刃部をローラ周面に備えた不図示のカッターローラによりシート部材Pの左右端縁部に等間隔となって横向きコの字形状に切断部Qを形成するものとしてある。そして、折曲規制用フレーム15Bは水平斜向部16Aと、起立部16Bとによって形成されており、押圧バネ15Aの跳ね上げ動作によってシート部材Pの切断部Qを押圧開放させ、開放された切断部Qを、水平斜向部16Aにより誘導されながら起立部16Bによって捲り上げるようにして折曲するものとしてある。また、このように切断部Qの方向を設定配置することで、接着剤塗布装置による接着剤Sの塗布は、シート部材Pの長手方向に沿ってライン状に連続して塗布することができる。
【0019】
図3は、本発明によるシート被覆装置の抜き方式による孔部(開口)形成の概念を示す構成図である。図1と同一の構成部分については同一の符号が付されることでその詳細な説明は省略されている。この実施の形態にあっては、前述(図1)の例におけるように略コの字形状の切断部Qの折曲部分を折り曲げることで孔部Rを形成する所謂折曲方式の替わりに、略コの字形状の切断部Qの形成に加えて、若干離れて長目の1本の切り込み部21を入れておき、対向配置した一対の抜きローラ22A,22Bでもって切断部Qを挟持して巻き取ることで切断部Qの端部が切り込み部21に達して引き千切られたシート片をゴミ受け23に収容させることで孔部Rを形成する所謂抜き方式によるものである。
【0020】
図4は、本発明によるシート被覆装置の抜き方式による孔部(開口)形成の詳細例を示す図である。図1と同一の構成部分については同一の符号が付されることでその詳細な説明は省略されている。この図4の実施の形態にあっては図1の例における切断機構部2の詳細例または変形例として、上下位置に配したガイドローラ34A,34Bの中央部に例えば矩形状の刃部35Aを備えたカッターローラ35と、複数等間隔の尖端部36Aを周設してある補助ローラ36とを配し、カッターローラ35を補助ローラ36に対して進退可能となるように配置することでシート部材Pを挟持しながら切断部Qが形成されると共に、補助ローラ36の尖端部36Aによってシート部材Pの切断部Qに囲まれたシート片部中央を突き刺してこれを取り除き、ゴミ取り板37でもって尖端部36Aに突き刺さっているシート片を剥離してゴミ受け38内に収容するようにしてある。
【0021】
本発明は以上のように構成されているために、シートリール3から引き出された状態では孔部Rが形成されておらず、鎮圧ローラ6によってシート部材Pが耕土T上に敷設させる直前に孔部Rが形成されるようにすることで、シート部材Pの孔部R周辺の破損を未然に防止できる。また、シート部材Pの略コの字形状の切断部によって形成される孔部Rを切断片の煽りによって塞いでしまう如き、種の芽生育に弊害をもたらすことなく、種テープが敷設された耕土Tを種部分を確実に残して容易に覆うことができ、しかも土中に残存しないタイプのシート部材Pを使用することで環境汚染を防止できるシート被覆装置を提供できる。
【0022】
すなわちこれは本発明に係るシート被覆装置が、走行可能な台車型機枠に取り付けられたシート被覆装置1であって、シート部材Pを巻回装備したシートリール3と、シートリール3から引き出されたシート部材Pに切断部Qを形成する切断機構部2と、形成された切断部Qを折曲部分を介して折曲させる折曲機構部5と、切断部Qの折曲方向が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させる鎮圧ローラ6とから構成されているからである。
【0023】
切断機構部2は、シート部材Pの長手方向に沿って左右縁部側の等間隔位置に略コの字形状の切断部Qを形成する略コの字型の刃部をローラ周面に有するカッターローラを備え、またシート部材Pに形成した略コの字型の切断部Qの非切断部側近傍に接着剤Sを塗布させる接着剤塗布装置を付設したものとし、一方、折曲機構部5は、シート部材Pの切断部Qを押圧開放させる押圧バネ5Aと、開放された切断部Qを折曲部分を介して折曲させるようシート部材P外側から当接配置させた折曲規制用ローラ5Bとを備えて成るものとしたり、あるいは折曲機構部5は、シート部材Pの切断部Qを押圧開放させる跳ね上げ式の押圧バネ15Aと、開放された切断部Qを折曲部分を介して左右端部方向に折曲させるようシート部材P上側から当接配置させた略L字型の折曲規制用フレーム15Bとを備えて成るものとしたので、切断部Q形成後の当該切断部Qの折曲がスムーズに行なうことができ、撓曲変形のないきれいな孔部Rを容易に形成することができる。
【0024】
切断機構部2は、略コの字形状の切断部Qの形成に加えて、若干離れて長目の1本の切り込み部21を設け、対向配置した一対の抜きローラ22A,22Bでもって切断部Qを挟持しながら巻き込み破断除去させ、引き千切られたシート片をゴミ受け23に収容させることで孔部Rを形成する抜き方式によるものとしたので、切断部Q形成後の当該切断部Qの引き抜き作業による除去がスムーズに行なうことができ、撓曲変形のないきれいな孔部Rを容易に形成することができる。しかも、切断されたシート片はゴミ受け23内に集められるのでゴミが周囲に散らばらない。
【0025】
切断機構部2は、上下位置に設けたガイドローラ34A,34Bの中央部に配したシート部材Pの孔開け切断用のカッターローラ35と、カッターローラ35による切断後のシート片を剥離してゴミ受け23内に収容するよう複数等間隔の尖端部36Aを周設してある補助ローラ36とにより構成したので、切断部Q形成後の補助ローラ36による除去作業でもって切断部Qの除去がスムーズに行なうことができ、撓曲変形のないきれいな孔部Rを容易に形成することができる。しかも、切断されたシート片はゴミ受け23内に集められるのでゴミが周囲に散らばらない。
【0026】
走行可能な台車型機枠の前方上方に装備した種テープリールと、下部に装備した種テープガイドと、種テープリールと種テープガイドの中間部に検出ガイドローラとこれの外周に沿って、検出装置の検出アームを対向配置する一方、機枠の後方に前記シート被覆装置1を取付け、前記検出装置による種検出信号に同期してシート被覆装置1の切断機構部2が作動することで、耕土T上に敷設される種テープの種部と、種テープ上を被覆するシート部材Pの孔部Rとが合致する状態となってシート部材Pが敷設されるものとしたので、種テープが敷設された直後の耕土Tを当該種テープの種部分を露出させた状態でシート部材Pにより耕土T上を短時間で容易に覆うことができる。
【0027】
一方、本発明に係る装置では、台車の走行動作に連動してシートリール3からシート部材Pが切断機構部2下方位置に案内搬送され、シート部材Pの長手方向に沿って等間隔位置に切断機構部2によって略コの字形状の切断部Qを形成すると共に、必要に応じて切断部Qの非切断部側近傍に接着剤Sが塗布された後、折曲機構部5によって切断部Qを押圧開放させ且つ開放された切断部Qを折曲部分を介して折曲させ、必要に応じて前記接着剤Sにより、折曲された切断部Qをシート部材P面に接着固定させて孔部Rが形成され、その後、鎮圧ローラ6によって切断部Qの折曲方向側のシート面が下向き状態となるようにしてシート部材Pを耕土T上に敷設させるものとしたので、鎮圧ローラ6によってシート部材Pが耕土T上に敷設させる直前に孔部Rが形成され、シート部材Pの孔部R周辺の破損を未然に防止することができ、また種テープが敷設された耕土Tを種部分を残してスムーズに覆うことができる。
【0028】
要するに、本発明によれば、シートをシードテープに合わせて加工することができる上、開口部に原因する残滓の悪影響を完全に解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるシート被覆装置の概略を示す構成図である。
【図2】本発明によるシート被覆装置の概略を示す他の構成図である。
【図3】本発明によるシート被覆装置の抜き方式による孔部(開口)形成の概念を示す構成図である。
【図4】本発明によるシート被覆装置の抜き方式による孔部(開口)形成の実施例を示す構成図である。
【図5】シート部材の孔部(開口)形状の他の具体例を示すもので、(a)は横長半円形状の孔部を有するシート部材の一部を示す平面図、(b)は三角形状の孔部を有するシート部材の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0030】
P シート部材
Q 切断部
R 孔部
S 接着剤
T 耕土
1 シート被覆装置
2 切断機構部
3 シートリール
4A,4B ガイドローラ
5 折曲機構部
6 鎮圧ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な台車型機枠に取り付けられ、シート部材をシードテープと同期して繰り出し、開口形成予定部を切断し、鎮圧ローラによりシートをシードテープに被覆するシードテープ用シート被覆装置であって、
シート部材を巻回装備したシートリールと、
シート部材を切断位置に案内する案内手段と、
切断位置に配置された補助ローラと、
前記補助ローラに離接可能に配置され切断時にシート部材を前記補助ローラ間に挟持して回転し切断するカッターローラと、
から構成したシードテープ用シート被覆装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−115854(P2006−115854A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363420(P2005−363420)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【分割の表示】特願2001−105950(P2001−105950)の分割
【原出願日】平成13年4月4日(2001.4.4)
【出願人】(000229977)日本プラントシーダー株式会社 (10)
【Fターム(参考)】