説明

スイッチング電源方式

【課題】本発明は、インダクタンス電流の最大値付近の値を使用することで、電圧モードでありながら、安定動作をする電流モードの利点を兼ね備え、かつインダクタンス電流に乗るノイズに影響されず、また電流モードに必要なスロープ補償が要らないスイッチング電源を提供する。
【解決手段】インダクタンス電流の最大値付近の値をサンプルホールド回路によって切り取り、その信号を、出力電圧を分圧した値と基準電圧値を誤差増幅器に入力した結果の信号に加え、その結果の信号をその後の比較器によってランプ信号と比較し、その出力信号によってスイッチングトランジスタを制御する事を特徴としたスイッチング電源方式。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源に関するものであり、特に電圧モード制御に電流情報を加味する事によって電流モード制御と同等の安定動作が行える制御方式(以下は、擬似電流モード制御と称す)を実現するものである。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源は、制御方式から大きく分類すると電圧モード制御方式と電流モード制御方式が存在する。一般的に、電流モード制御方式の方が電圧モード制御方式に比べて、動作安定度は優れている事で知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】電流モード制御 DC-DCコンバータの設計(トランジスタ技術 2004年4月号)。
【0003】
従来の電流モード制御を行うスイッチング電源を図1に示す。このスイッチング電源は、スイッチングトランジスタM1と整流ダイオードD1とを備え、インダタンスL、インダクタンス電流検出抵抗Rsens、出力容量Cout、出力電圧検出抵抗R1、R2、及び、他の帰還制御回路から成り立っている。
【0004】
出力端子Voutの出力電圧からR1とR2で分圧された電圧が誤差増幅器に入力される。他方の入力には基準電圧となるVrefが与えられ、その出力電圧Verrは比較器に入力される。また、インダクタンスを流れる電流ILは電流検知抵抗Rsensで捕えられ、電流検知増幅器に導かれる。その出力Vsensは比較器のもう一方に入力される。
【0005】
比較器では電流検知増幅器の信号Vsensが誤差増幅器の信号Verrよりも大きくなった時に、出力信号Vcompを反転する。比較器の後のR/Sフリップフロップのセット側(S)にはパルス波発生器からの信号が入力され、リセット側(R)には比較器からの信号Vcompが入力される。まず、セット側の信号によってR/SフリップフロップはスイッチングトランジスタM1をONするようにQ出力が1から0に変化する。この後、比較器の出力信号Vcompが1から0に変化する事によって、R/Sフリップフロップのリセット側(R)に信号が入力されるので、その時QはM1をOFFするように0から1に変化する。
【0006】
動作波形を図2に示す。上から、パルス波形、誤差増幅器の出力信号Verrと電流検知増幅器の出力信号Vsens、比較器の出力信号Vcomp、R/Sフリップフロップの出力信号Q、および負荷電流が多い時の重負荷時の期間を示すT1、負荷電流が少ない時の軽負荷時の期間を示すT2である。
【0007】
まず、パルス波形が1から0に変化した場合、R/Sフリップフロップの出力Qは1から0に変化し、スイッチングトランジスタM1を導通させる(矢印a)。その結果、M1に電流が流れ始め、Vsens信号は線形に増加する(矢印b)。電流検知増幅器の出力信号Vsensが誤差増幅器の出力信号Verrと交差すると比較器は出力信号Vcompを反転させる(矢印c)。その結果、R/Sフリップフロップがリセットされて出力Qは0から1に変化する(矢印d)。すると、M1は遮断されるので電流が流れず、インダクタンスに蓄積された電磁エネルギーはダイオードD1を通過しながら線形的に減少する。そのため、VerrがVsensよりも下回ると(矢印e)、比較器の出力Vcompは再び0から1に反転する(矢印f)。この状態は、パルス波形が再び1から0に変化する時(TA)まで持続される。
【0008】
図中、T1は大きな負荷電流が流れる状態の重負荷の期間を示し、T2は小さな負荷電流が流れる軽負荷の期間を示している。T1期間に比較してT2期間は負荷電流が少ないため、それに応じて誤差増幅器からの出力信号Verrも(破線のB)、重負荷の時期のVerr(破線のA)に比べて少なくなっている。
【0009】
ところで、一般的にスイッチング電源の効率の観点から、スイッチングトランジスタM1および整流ダイオードD1は大面積のデバイスが使用される。そのために、ゲートドレイン間容量、ゲートソース間容量などの寄生容量値が大きく、そのためスイッチング時にノイズが発生しやすい。このノイズが主にグランドラインを伝わって電流検知増幅器、誤差増幅器等に影響を与え、以下に述べるような不具合を引き起こす恐れがある。
【0010】
図3は電流検知増幅器の出力信号Vsensにスパイク状のノイズが重畳された状態を示している。T1の重負荷期間では信号自体が大きいのでノイズの影響は受けないが、T2の軽負荷期間では信号が小さいため、パルス波形の出力が1から0に変化した結果、Qが0から1に変化した後に(矢印g)、Vsensに重畳されたノイズ波形が誤って誤差増幅器の出力信号のVerrと交わり、その結果、本来ならばR/Sフリップフロップの出力信号Qが反転してはならない時期に誤って0から1に変化をする事になる(矢印hとi、波形Qの破線は、本来正しい動作を行った時の波形)。これによって、本スイッチング電源は正しい制御が出来なくなり、誤った出力電圧を出力する結果となる。
【0011】
従来の電流モード制御方式ではこの不具合を避けるための1つの方法として、ノイズが乗る恐れがある期間はVsens信号をマスクして、Verrとの比較を行えないようにブランキングタイムを設定していた。しかし、このために最小OFF時間が生じてしまい、それが最大オンデューティを決定し、スイッチング周波数が高い時にはその影響は無視出来ないこととなった。
【0012】
また、電流モード制御方式にはサブハーモニックと呼ばれる問題がある。これは負荷電流が大きい重負荷時に電流波形が0レベルまで達せず再び上昇する電流連続モードの状態の場合に、負荷電流が急に変化した時にインダクタンス電流が基本スイッチング周波数の1/nの振動を起こす現象として知られている。この現象を回避する方法としてスロープ補償を行う事が一般的である(例えば、前述の非特許文献1参照)。
【0013】
図4は、図1の比較器に入力される電流検知増幅器の出力波形Vsensと誤差増幅器の出力波形Verrの様子を示している。(A)はスイッチングトランジスタのON時間に当たるVsens波形がスイッチング周期(T2)の1/2以下のT1以前にVerr電圧に達した場合を示している。ここで、負荷電流がT4で突然減少して破線の示す状態となったとする(delta I1)。しかし、その後のT2とT4(このT2、T4は実際には2周期後の値)における波形の変化(delta I2とdelta I3)は徐々に少なくなり波形としては収束する事になる。
【0014】
次に、スイッチングトランジスタのON時間がT1よりも長い状態を考える。この場合は(B)に示すように、Vsens波形はT1後にVerr電圧に達している。この場合に、T4で負荷電流が急に低下して破線の状態になった時に、T2、T4(このT2、T4は実際には2周期後の値)での波形は元の波形に対してdelta I2、delta I3となり徐々に大きくなっている。この為に、Vsens波形は収束することなく、所謂サブハーモニックと呼ばれる発振現象を引き起こす。
【0015】
このサブハーモニック現象を回避するために、一般的に用いられる方法としてスロープ補償が知られている。これは、Verr波形に右下がりの傾斜を設けて、Vsensとの接点をT1以前に移動させる事によって問題を回避する方法である。(C)にスロープ補償を行った場合の状態を示す。
【0016】
ここで、Seはスロープ補償の傾斜を示し、SonとSoffはスイッチングトランジスタがそれぞれON時とOFF時の傾斜を示している。この時、以下の条件を満足する事がサブハーモニックを回避する条件となる(前述の非特許文献1参照)。

delta In/delta In-1 = (Soff - Se)/(Son - Se) < 1

図中では、delta I1からdelta I2、delta I3となるにつれて、変化分が減少するために最終的に波形は収束して発振を起こさない。
【0017】
図5は、スロープ補償回路を追加した電流モード制御方式のスイッチング電源の回路ブロックを示している。比較器の前にスロープ波形発生器を設け、比較器内で等価的にVerr波形にスロープを付加している。ところで、実際にはスロープ係数(Se)をどのように最適にすれば良いのかは一般的ではなく、スロープ係数が大きいと必要なインダクタンス電流を流す事が出来ず、また、係数が少ないとインダクタンス電流が増加した時にサブハーモニックに陥るなど問題がある。さらにスロープ係数も最初はゆるやかで後になるほど傾斜を急にするなどの工夫が必要となる場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、負荷電流が少ない軽負荷状況においてもノイズの影響を受ける事なしに、正確に出力電圧を供給する事が可能であり、電流モード制御方式に必要なスロープ補償回路を必要としないスイッチング電源を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は電流波形の最大値付近を切り取り、それを誤差増幅器の出力信号に重畳した結果の信号と、ランプ波形との比較を取り、その比較結果によってスイッチングトランジスタを制御する方式をとった、電圧モード制御に電流情報を加味した擬似電流モード制御を行う事を特徴とするスイッチング電源方式である。
【発明の効果】
【0020】
本発明のスイッチング電源の電流値検出は、その電流値が最大になる付近の情報を使うために、スイッチングトランジスタ等の動作により例え電流波形にノイズが乗ったとしても誤動作することなく、また、ノイズの影響を避けるためのブランキング期間を設ける必要も無いので、最大オンデューティの制限がなく、結果として正確な出力電圧値を供給する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
インダクタンス電流の最大値付近の値を切り取るためのサンプルホールド機能と、その結果の信号を誤差増幅器の出力信号と足し合わせる手段を備え、その結果をランプ波形と比較して、その比較結果によってスイッチングトランジスタを制御する構成から成る。
【実施例1】
【0022】
図6は本発明の1実施例のスイッチング電源の回路ブロック図であり、従来回路の図1と同じ機能を行う部分と信号には同じ名前が付けられている。
【0023】
本構成では、まずインダクタンス電流が電流検知増幅器によって出力信号Vsensとして得られ、その後のサンプルホールド回路によって最大値付近の情報が出力信号Vshとして出力される。一方、出力電圧Voutは分圧抵抗R1とR2によって分圧後に誤差増幅器に入力される。他方の入力には基準電圧Vrefが入力され、誤差増幅器の出力信号Verrとして出力される。出力信号Verrは加算器によってインダクタンス電流の情報であるサンプルホールド回路の出力信号Vshと加算され(Vsh+Verr)、比較器の一方の入力端子に入力される。比較器の他方の入力端子にはランプ波形が入力されている。比較器の出力信号Vcompはスイッチングトランジスタの制御信号として使用されると共に、微分回路を通してサンプルホールド回路の制御信号として使用される。
【0024】
本発明のスイッチング電源の動作波形を図7に示す。上から、インダクタンス電流、サンプルホールド信号、サンプルホールド波形、サンプルホールド波形Vshと誤差増幅器の出力信号Verrを加算した波形(Vsh+Verr)とランプ波形、比較器の出力信号Vcomp、および時刻を示す。
【0025】
最初にスイッチングトランジスタM1がON状態になった時から考える。その時、インダクタンス電流は線形的に上昇を始める(図中のC)。この時、サンプルホールド回路はホールド状態にあり、出力Vshは前の信号の値を保持している。このVshは誤差増幅器の出力信号Verrと加算されて比較器に入力され、他方の入力信号のランプ信号と比較される。ランプ信号がVshとVerrの加算信号よりも大きくなった瞬間に比較器出力信号Vcompは0から1に変化する(矢印j)。
【0026】
そのVcompの0から1への変化を受けて微分回路はパルス幅の狭いサンプルホールド信号を作り出す(矢印k)。この信号によってサンプルホールド回路のスイッチが閉じて、インダクタンス電流の情報を保持容量に導く。しかし、サンプル期間(S)は短いためすぐにホールド期間(H)に移行するようにスイッチが開き、その結果、保持容量にインダクタンス電流のほぼ最大値の情報が蓄積される(矢印l)。なお、サンプルホールド信号は微分回路によって作成すると説明したが、もちろんこれに限定されるものでは無い事は自明である。
【0027】
一方、比較器出力信号Vcompが0から1に変化したため、スイッチングトランジスタM1は非道通となる。そのため、インダクタンスに蓄積された電磁エネルギーによる電流は、整流ダイオードD1を通過しながら線形的に減少する事になる(図中のD)。この状態は、ランプ波形の一周期が終わる事により、比較器の出力信号が1から0に瞬時に反転して(時刻TB)、スイッチングトランジスタM1が導通状態に変化する事によって最初の状態に戻る時まで持続する。
【0028】
ここで、T1期間は重負荷期間であり、T2期間は軽負荷期間を示している。T2期間の矢印 は各波形の変化状態を示していて、基本的に重負荷の状態と同じである。
【0029】
図8はインダクタンス電流波形にスパイク上のノイズが重畳された場合の状況を示している。T2の軽負荷状態においてインダクタンス電流が少なくなり、ノイズ波形が目立つ程度の大きさとなった状態である。
【0030】
この場合、例えインダクタンス電流が少ない軽負荷状態においても、サンプルホールド信号はインダクタンス電流の最大値付近を切り取る事になるので、その出力信号であるサンプルホールド波形Vshにはノイズの影響が現れず、比較器はランプ波形との比較が正確に行える事になる(矢印, m, n,o)。
【0031】
また、本発明の方式は電圧モード制御方式が基となっているので、電流モード制御方式に必須なスロープ補償を行う必要がないため、先に述べたスロープ補償をかける場合の種々の問題を回避出来る。
【実施例2】
【0032】
図9(A)は、本発明の他の実施例を示す。この図では、図6の整流ダイオードD1の代わりにトランジスタM2が使用されている。このトランジスタは比較器の出力信号Vcompをインバータに通した信号で制御されているため、M1と相補的に動作する。すなわち、M1が導通状態の時にM2は非導通状態であり、M1が非導通状態の時にM2は導通状態となる。
【0033】
トランジスタM2の役目は効率改善にあり、図6の整流ダイオードD1を用いる方式ではD1が導通した時に、順方向電圧による電圧降下に伴う無駄な消費電力が生じるが、本方式ではトランジスタを用いるのでこの問題を無くす事が出来る。図10は、この回路ブロックの波形であり、図7の波形と異なる部分は、インダクタンス電流が少ないT2期間で、図7のようにグランドレベルで一定にならず負の領域まで入り込んでいる事である。
【0034】
しかし、インダクタンス電流が負の領域に入り込めばそれだけ消費電力が増し、効率を劣化しかねない。そこで、図9(B)に示したように、M2の電流が反転した事を検知する手段を設けて、それによってM2を遮断する事が考えられる。
【実施例3】
【0035】
図11は本発明の他の実施例を示す。この図では、インダクタンス検知抵抗Rsensをインダクタンスの後ではなく、スイッチングトランジスタのドレイン側に配置している。こうする事によって、スイッチングトランジスタM1をICに集積するならばRsensから電流検知増幅器までの配線をIC内にレイアウトする事が出来るため、図6の場合に比較してボンディングパッドを減らす事が出来て、チップサイズ及びパッケージのピン数の削減を行う事が可能となる。
【0036】
図12は図11の動作を示すものである。図6と同じ波形および記号は同じ名前を付けている。一番上は、インダクタンス電流(CとDの実線)と、スイッチングトランジスタM1に流れる電流(CとEの破線だが実際にはCとFの破線、理由は後述)を示している。Vcomp波形はその上のサンプルホールド波形VshとVerr波形の合計の波形がランプ波形を交差した時に0から1に変化し、その結果でスイッチングトランジスタM1は遮断状態となる。また、微分回路はVcompの0から1の変化を感知して細いサンプルホールド信号を出力する。この場合、サンプル信号(1レベル)でM1に流れる電流を検知し、ホールド信号(0レベル)でM1に流れる電流の最大値付近の情報を捕える。
【0037】
実際には、図12のCとEの波形で示したような単調増加後に瞬時に低レベルまで降下する事はなく、波形Fで示したように前段の増幅器などの応答性から波形が鈍るので、ホールド信号(矢印l)はインダクタンス電流の最大値付近の情報を取り込む事が出来る。
【実施例4】
【0038】
しかし、サンプル期間が長い場合は信号の取り込む位置が遅れてしまう事も考えられる。そこで、図13に示すように、比較器とスイッチングトランジスタM1の途中に適当な遅延回路を設ける事も考えられる。この時サンプルホールド回路は遅延回路の入力側に接続する。
【実施例5】
【0039】
その他の方法として、図14に示したように、3端子入力の比較器の2つの端子入力に、ランプ波形とそのランプ波形に若干のDC電圧を引いた波形をそれぞれ同時に加え、第3の入力端子に加えたVsh+Verrと(ランプ波形−DC電圧)の比較結果による出力信号をVcomp1としてスイッチングトランジスタの制御信号に使い、その信号の反転信号とVsh+Verrとランプ波形との比較結果による出力信号Vcomp2とのアンドを取った信号をサンプルホールド回路の制御信号として用いる事により、等価的にスイッチングトランジスタM1の動作を遅らせる構成も考えられる。
【0040】
以上本発明の実施形態について述べたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項の記載の範囲内において、各種の変形、組合せ、変更が可能な事は当業者には自明の事であろう。
【産業上の利用可能性】
【0041】
インダクタンス電流の最大値付近の値をサンプルホールド回路によって切り取り、その結果のホールド信号を誤差増幅器の出力信号と加算し、さらにその結果を比較器によってランプ信号と比較し、その結果の制御信号によってスイッチングトランジスタを制御することにより、例え、インダクタンス電流にノイズが重畳されても誤動作に至らないスイッチング電源を実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来の電流モード制御によるスイッチング電源の回路ブロック
【図2】従来のスイッチング電源の動作波形
【図3】従来のスイッチング電源の動作波形であり、ノイズによる影響によって誤動作をした状態
【図4】サブハーモニック現象とスロープ補償の動作を説明するための図
【図5】スロープ補償回路を付加した従来の電流モード制御方式の回路ブロック
【図6】本発明の電流値加算を行う電圧モード制御方式(擬似電流モード制御方式)のスイッチング電源の回路ブロック
【図7】本発明のスイッチング電源の動作波形
【図8】本発明のスイッチング電源の動作波形であり、ノイズが有っても誤動作をしない状態を示した状態
【図9】(A)本発明の他の実施例であり、(B)は(A)の変形例
【図10】図9(A)の回路図の動作波形
【図11】本発明の他の実施例
【図12】図11の回路図の動作波形
【図13】本発明の他の実施例
【図14】本発明の他の実施例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対のスイッチングトランジスタと整流ダイオードと、それに接続するインダクタンスと、インダクタンス電流を検知する検知方法と、出力電圧を帰還して該スイッチングトランジスタを制御する方式のスイッチング電源方式であって、該インダクタンス電流の最大値付近を保持する手段と、その結果の信号を該電圧帰還の信号に加味する手段を設け、その結果とランプ波形を比較する比較器を有し、その結果によってスイッチングトランジスタの制御信号を作り出す事を特徴とするスイッチング電源方式。
【請求項2】
インダクタンス電流の最大値付近を保持する手段はサンプルホールド回路であって、サンプルホールド回路の保持容量への電荷を保持する役目のスイッチは、該比較器の出力信号あるいはこれに準ずる信号から作られるサンプルパルスによって駆動される事を特徴とするスイッチング電源方式。
【請求項3】
インダクタンス電流を検知する手段はインダクタンスの後に配置されるか、もしくはスイッチングトランジスタに流れる電流を直接、あるいは間接的に検知する手段を配置する事を特徴とするスイッチング電源方式。
【請求項4】
1対のスイッチングトランジスタと整流ダイオードの内、整流ダイオードに代わって該スイッチングトランジスタが非導通となる期間に導通となるように接続された他のスイッチングトランジスタを有する事を特徴とするスイッチング電源方式。
【請求項5】
請求項4の構成にあって、スイッチングトランジスタを制御する信号は、比較器の出力信号を利用する構成にあたり、その出力信号からスイッチングトランジスタの入力端子の間に遅延を設ける手段を有する事を特徴とするスイッチング電源方式。
【請求項6】
請求項5の構成にあって、整流ダイオードの代わりに配置されたトランジスタに流れる電流を検知する手段を設け、そこに流れる電流の向きが反転した事を検知してそのトランジスタを非導通とする手段を有する事を特徴とするスイッチング電源方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−104285(P2008−104285A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284416(P2006−284416)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(301068767)エーシーテクノロジーズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】