ステータ及びブラシレスモータ
【課題】インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータについて、小型化及び低コスト化を実現する。
【解決手段】ステータ10は、環状の継鉄40を構成すると共に継鉄40の周方向に分割された複数の継鉄構成部22と、それぞれ継鉄構成部22から継鉄40の径方向内側に向けて突出された複数のティース部24とを一体に有する複数のコア構成部14と、それぞれティース部24に巻回された巻回部26を複数有し、U相、V相、W相を構成する複数の巻線16と、U相、V相、W相毎に設けられて、各コア構成部14に一体化されティース部24と巻回部26とを絶縁する絶縁部32を複数有すると共に、継鉄40と同軸上に設けられ複数の絶縁部32を連結する連結部34を有する複数のインシュレータ18とを備えている。
【解決手段】ステータ10は、環状の継鉄40を構成すると共に継鉄40の周方向に分割された複数の継鉄構成部22と、それぞれ継鉄構成部22から継鉄40の径方向内側に向けて突出された複数のティース部24とを一体に有する複数のコア構成部14と、それぞれティース部24に巻回された巻回部26を複数有し、U相、V相、W相を構成する複数の巻線16と、U相、V相、W相毎に設けられて、各コア構成部14に一体化されティース部24と巻回部26とを絶縁する絶縁部32を複数有すると共に、継鉄40と同軸上に設けられ複数の絶縁部32を連結する連結部34を有する複数のインシュレータ18とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ及びブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラシレスモータに用いられるステータとしては、例えば、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1に記載の電機子において、継鉄は、軸方向に分割された複数のリング状の継鉄構成部によって構成されており、各継鉄構成部には、径方向外側に向けて突出する複数の歯部が一体に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−322441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術をインナロータタイプの回転電機に用いられる電機子に適用した場合、複数の歯部は、各継鉄構成部の径方向内側に向けて突出することになる。このため、コイルを各継鉄構成部の径方向外側からフライヤ装置のフライヤによって巻回することが困難となる。従って、コイルを各継鉄構成部の径方向内側からノズル装置のノズルによって巻回する必要があるが、この場合には、ノズルが通過するスペースを確保する必要があるため、コイルの高占積化が困難となり、回転電機の小型化に不利となる。また、ノズル装置を用いる場合には、フライヤ装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が低いため、コイルを巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減による低コスト化に不利となる。
【0005】
なお、フライヤ装置は、フライヤを歯部の周囲を旋回するように円運動させながら、可変フォーマでコイルを整列させて歯部に巻回する装置であり、ノズル装置は、ノズルを歯部の周囲に旋回させる工程とノズルを軸方向にスライドさせる工程とを交互に繰り返してコイルを歯部に巻回する装置である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータについて、小型化及び低コスト化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のステータは、環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、前記複数のインシュレータの各々に設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、を備えている。
【0008】
このステータは、上記構成により、例えば、次の要領で製造される。すなわち、先ず、各インシュレータの絶縁部にコア構成部を一体化して、複数の相毎にサブアッセンブリを形成する。続いて、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線をフライヤ装置を用いて巻回して、複数の相毎にステータ構成部を形成する。そして、この複数のステータ構成部を互いに組み付けてステータを形成する。以上の要領により、ステータは製造される。
【0009】
ここで、このステータでは、継鉄が周方向に分割された複数の継鉄構成部によって構成されている。このため、継鉄の径方向内側に向けて複数のティース部が突出された所謂インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータであっても、上述のように、複数の相毎にサブアッセンブリを形成し、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線をフライヤ装置を用いて巻回することができる。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がないため、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0010】
しかも、上述のように、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0011】
また、フライヤ装置を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が高いため、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0012】
また、複数のインシュレータの各々には、端子部が設けられており、この端子部には、複数の巻線の各々の端末部が接続されている。従って、巻線の端末部の位置決めを容易に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載のステータは、請求項1に記載のステータにおいて、前記連結部が、前記継鉄の径方向内側に位置され、前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部に、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出された突出部が形成され、前記端子部が、前記突出部に設けられた構成とされている。
【0014】
このステータによれば、端子部が、連結部に対して継鉄の側に突出された突出部に設けられているので、端子部と連結部との干渉を抑制して、端末部を容易に位置決めすることができる。
【0015】
請求項3に記載のステータは、請求項2に記載のステータにおいて、前記突出部に、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、前記端子部が、前記差込溝に差し込まれた構成とされている。
【0016】
このステータによれば、突出部に形成された差込溝に端子部を差し込むことにより、端子部を突出部に容易に固定することができる。
【0017】
請求項4に記載のステータは、請求項2又は請求項3に記載のステータにおいて、前記連結部が、前記複数の絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配置され、前記端子部が、前記連結部における前記継鉄の側の表面に当接された構成とされている。
【0018】
このステータによれば、端子部は、連結部における継鉄の側の表面に当接されているので、端子部のがたつきを抑制することができる。
【0019】
請求項5に記載のステータは、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のステータにおいて、前記複数の巻線の各々が、前記複数の巻回部を接続すると共に前記絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配線された渡り線を有し、前記端子部が、前記継鉄の軸方向における前記渡り線と反対側に設けられた構成とされている。
【0020】
このステータによれば、端子部は、継鉄の軸方向における渡り線と反対側に設けられているので、渡り線と反対側において端子部と制御回路部とを容易に接続することができる。
【0021】
また、前記課題を解決するために、請求項6に記載のステータは、環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、前記複数のインシュレータの各々に設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、を備えている。
【0022】
このステータは、上述の請求項1に記載のステータと同様に製造される。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がないため、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0023】
しかも、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0024】
また、フライヤ装置を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が高いため、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0025】
また、複数のインシュレータの各々には、継鉄の軸方向に沿ってガイド部が形成されており、複数の巻線の各々の端末部は、このガイド部によってガイドされている。従って、巻線の端末部の位置決めを容易に行うことができる。
【0026】
請求項7に記載のステータは、請求項6に記載のステータにおいて、前記連結部が、前記継鉄の径方向内側に位置され、前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部に、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出されると共に、前記継鉄の周方向を向く側面を有する突出部が形成され、前記ガイド部が、前記側面に設けられた構成とされている。
【0027】
このステータによれば、ガイド部が、連結部に対して継鉄の側に突出された突出部に設けられているので、端末部と連結部との干渉を抑制して、端末部を容易に位置決めすることができる。
【0028】
また、前記課題を解決するために、請求項8に記載のステータは、環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、前記複数の継鉄構成部のいずれかに設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、を備えている。
【0029】
このステータは、上述の請求項1に記載のステータと同様に製造される。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がないため、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0030】
しかも、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0031】
また、フライヤ装置を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が高いため、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0032】
また、複数の継鉄構成部のいずれかには、端子部が設けられており、この端子部には、複数の巻線の各々の端末部が接続されている。従って、巻線の端末部の位置決めを容易に行うことができる。
【0033】
請求項9に記載のステータは、請求項8に記載のステータにおいて、前記複数の継鉄構成部のいずれかに、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、前記端子部が、前記差込溝に差し込まれた構成とされている。
【0034】
このステータによれば、継鉄構成部に形成された差込溝に端子部を差し込むことにより、端子部を継鉄構成部に容易に固定することができる。
【0035】
また、前記課題を解決するために、請求項10に記載のブラシレスモータは、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のステータと、前記ステータが形成する回転磁界によって回転されるロータと、を備えている。
【0036】
このブラシレスモータによれば、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のステータを備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】参考例に係るステータの斜視図である。
【図2A】図1に示されるU相のステータ構成部の斜視図である。
【図2B】図1に示されるV相のステータ構成部の斜視図である。
【図2C】図1に示されるW相のステータ構成部の斜視図である。
【図3A】図1に示される複数のステータ構成部が互いに組み付けられる過程を示す斜視図である。
【図3B】図3Aよりも組み付けが進行した状態を示す斜視図である。
【図4】フライヤ装置によって巻線を巻回する様子を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るステータの斜視図である。
【図6】図5に示されるU相のステータ構成部の斜視図である。
【図7】図5に示されるステータに制御回路部を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図8】図5に示されるステータの第一変形例を示す斜視図である。
【図9】図5に示されるステータの第二変形例を示す斜視図である。
【図10】図5に示されるステータの第三変形例を示す要部拡大斜視図である。
【図11】図5に示されるステータの第四変形例を示す要部拡大斜視図である。
【図12】図5に示されるステータの第五変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るブラシレスモータが適用されたモータポンプの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[参考例]
はじめに、図1〜図4を参照しながら、参考例について説明する。
【0039】
図1に示される参考例に係るステータ10は、インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるものであり、図2A〜図2Cに示されるU相のステータ構成部12U、V相のステータ構成部12V、W相のステータ構成部12Wによって構成されている。
【0040】
図2Aに示されるように、U相のステータ構成部12Uは、複数のコア構成部14Uと、巻線16Uと、インシュレータ18Uを有して構成されている。複数のコア構成部14Uは、後述するV相の複数のコア構成部14Vと、W相の複数のコア構成部14Wとでコア20(いずれも図1参照)を構成するものであり、それぞれ複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uとを有している。
【0041】
複数の継鉄構成部22Uは、後述するV相の複数の継鉄構成部22Vと、W相の複数の継鉄構成部22Wとで環状の継鉄40(いずれも図1参照)を構成するものであり、それぞれ円弧状に形成されている。複数のティース部24Uは、それぞれ継鉄構成部22Uに一体に形成されており、この継鉄構成部22Uから継鉄40(図1参照)の径方向内側に向けて突出されている。
【0042】
巻線16Uは、U相を構成しており、複数の巻回部26Uと、複数の渡り線28Uとを有している。複数の巻回部26Uは、それぞれ後述する絶縁部32Uを介してティース部24Uに集中的に巻回されており、複数の渡り線28Uによって互いに接続されている。渡り線28Uは、複数の巻回部26Uを接続しており、後述するインシュレータ18Uに形成された連結部34Uの外周面に沿って配線されている(巻き付けられている)。また、巻線16Uの両端側の端末部30Uは、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出されており、渡り線28Uは、端末部30Uと同じ側に位置されている。
【0043】
インシュレータ18Uは、樹脂製とされており、複数の絶縁部32Uと、連結部34Uとを一体に有している。複数の絶縁部32Uは、上述の複数のティース部24Uと同数設けられており、後述する連結部34Uに対して継鉄構成部22Uの側(図1に示される継鉄40の側)に突出されている。この複数の絶縁部32Uは、絶縁本体部32U1と延出部32U2を有している。絶縁本体部32U1は、上述の複数のコア構成部14Uの表面にそれぞれ一体成形や装着嵌合される等により一体化されており、コア構成部14Uに形成されたティース部24Uと巻回部26Uとを絶縁している。延出部32U2は、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されると共に、絶縁本体部32U1から継鉄40の軸方向一方側(Z1側)に沿って延出されている。
【0044】
連結部34Uは、複数の絶縁部32Uに対して継鉄40の軸方向一方側(Z1側)にずれて配置されており、リング状に形成されている。この連結部34Uは、複数の絶縁部32U(より具体的には、複数の絶縁部32Uにおける延出部32U2の延出端部(Z1側の端部))を連結しており、コア構成部14Uよりも継鉄40の径方向内側(図1に示される継鉄40の径方向内側)に位置されている。この連結部34Uの外周面における複数の絶縁部32Uの間には、突起状の保持部36Uが径方向外側に向けて複数突出されている。この保持部36Uは、上述の渡り線28Uを連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持している。また、連結部34Uにおける複数の絶縁部32Uの間には、軸方向他方側(矢印Z2側)に開口する切欠き38Uが複数形成されている。
【0045】
図2Bに示されるV相のステータ構成部12Vは、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このV相のステータ構成部12Vは、複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも図2A参照)に相当するものである。なお、このV相のステータ構成部12Vにおいて、連結部34Vは、リング状に形成されると共に、上述のU相の連結部34U(図2A参照)よりも小径に形成されている。また、保持部36Vは、渡り線28Vを連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Vよりも径方向内側に位置されている。
【0046】
図2Cに示されるW相のステータ構成部12Wも、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このW相のステータ構成部12Wは、複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも図2A参照)に相当するものである。なお、このW相のステータ構成部12Wにおいて、連結部34Wは、リング状に形成されると共に、上述のV相の連結部34V(図2B参照)よりも小径に形成されている。また、連結部34Wからは上述の切欠き(図2Aの切欠き38U参照)が省かれている。また、保持部36Wは、渡り線28Wを連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Wよりも径方向内側に位置されている。
【0047】
そして、図1に示されるように、この複数のステータ構成部12U,12V,12Wは、後に詳述する如く、互いに組み付けられて、ステータ10を構成している。また、このステータ10では、複数の継鉄構成部22U,22V,22Wによって環状の継鉄40が形成されている。つまり、換言すれば、継鉄40は、周方向に複数の継鉄構成部22U,22V,22Wに分割されている。この複数の継鉄構成部22U,22V,22Wは、それぞれ両側に隣り合う一対の継鉄構成部の間に嵌合されている。
【0048】
また、複数の連結部34U,34V,34Wは、継鉄40の径方向内側に径方向に間隙を有して配置されると共に、継鉄40と同軸上に設けられている。また、V相の保持部36Vは、U相の連結部34Uの内周面と嵌合されており、W相の保持部36Wは、V相の連結部34Vの内周面と嵌合されている。そして、これにより、複数の連結部34U,34V,34Wは、互いに径方向に離間した状態で保持されている。つまり、保持部36U,36V,36Wは、複数の連結部34U,34V,34Wの径方向間に設けられ、複数の連結部34U,34V,34Wを互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサの役割も果たしている。
【0049】
さらに、上述のように、複数の連結部34U,34V,34Wが継鉄40の径方向に間隙を有して配置された状態では、V相の渡り線28Vは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側を通過しており(切欠き38Uに収容されており)、W相の渡り線28Wは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側を通過している(切欠き38Uと切欠き38Vとに収容されている(図3Bも参照))。
【0050】
次に、上記構成からなるステータ10の製造方法について説明する。
【0051】
先ず、図2Aに示されるように、インシュレータ18Uの絶縁部32Uにコア構成部14Uを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14UからなるU相のサブアッセンブリ42Uを形成する。同様に、図2Bに示されるように、インシュレータ18Vの絶縁部32Vにコア構成部14Vを一体化して、インシュレータ18V及び複数のコア構成部14VからなるV相のサブアッセンブリ42Vを形成する。また、図2Cに示されるように、インシュレータ18Wの絶縁部32Wにコア構成部14Wを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14VからなるW相のサブアッセンブリ42Wを形成する。そして、このようにして、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42U,42V,42Wを形成する(サブアッセンブリ形成工程)。
【0052】
続いて、図2Aに示されるように、U相のサブアッセンブリ42Uの各ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uをフライヤ装置100(図4参照)を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Uに複数の巻回部26Uが形成されたU相のステータ構成部12Uを形成する。なお、フライヤ装置100は、図4に示されるように、ティース部24の周囲を旋回するように円運動して巻線16を巻回するフライヤ101と、ティース部24に巻回された巻線16を整列させる可変フォーマ102と、これらを制御する駆動回路103とを有している。
【0053】
同様に、図2Bに示されるように、V相のサブアッセンブリ42Vの各ティース部24Vに径方向外側から巻線16Vを上述のフライヤ装置100を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Vに複数の巻回部26Vが形成されたV相のステータ構成部12Vを形成する。また、図2Cに示されるように、W相のサブアッセンブリ42Wの各ティース部24Wに径方向外側から巻線16Wを上述のフライヤ装置100を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Wに複数の巻回部26Wが形成されたW相のステータ構成部12Wを形成する。
【0054】
このとき、図2Aに示されるように、複数の渡り線28Uについては、連結部34Uの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Uを突起状の保持部36Uによって連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持する。同様に、図2Bに示されるように、複数の渡り線28Vについては、連結部34Vの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Vを突起状の保持部36Vによって連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。また、図2Cに示されるように、複数の渡り線28Wについては、連結部34Wの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Wを突起状の保持部36Wによって連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。
【0055】
また、図2Aに示されるように、巻線16Uの両端側の端末部30Uについては、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出させる。同様に、図2Bに示されるように、巻線16Vの両端側の端末部30Vについては、ティース部24Vからステータ10の軸方向一方側に導出させる。また、図2Cに示されるように、巻線16Wの両端側の端末部30Wについては、ティース部24Wからステータ10の軸方向一方側に導出させる。そして、このようにして、U相、V相、W相毎にステータ構成部12U,12V,12Wを形成する(ステータ構成部形成工程)。
【0056】
続いて、図3A,図3Bに示されるように、W相のステータ構成部12Wに対し、V相のステータ構成部12Vを周方向に所定の角度ずらした状態で、V相のステータ構成部12Vを軸方向一方側(矢印Z1側)からW相のステータ構成部12Wに組み付ける。また、V相のステータ構成部12Vに対し、U相のステータ構成部12Uを周方向に所定の角度ずらした状態で、U相のステータ構成部12Uを軸方向一方側(矢印Z1側)からV相のステータ構成部12V及びW相のステータ構成部12Wに組み付ける。
【0057】
このとき、この複数の継鉄構成部22U,22V,22Wについては、それぞれ両側に隣り合う一対の継鉄構成部の間に嵌合する。また、V相の保持部36Vについては、U相の連結部34Uの内周面に嵌合し、W相の保持部36Wについては、V相の連結部34Vの内周面に嵌合する。そして、このようにして、複数の連結部34U,34V,34Wを突起状の保持部36U,36V,36Wによって互いに径方向に離間した状態で保持する。
【0058】
さらに、このときには、V相の渡り線28Vを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側に通過させ、W相の渡り線28Wを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側に通過させる。そして、このようにして、複数のステータ構成部12U,12V,12Wを互いに組み付けてステータ10を形成する(ステータ形成工程)。なお、端末部30U,30V,30Wについては、図示しないバスバー等により結線する。以上の要領により、ステータ10は製造される。
【0059】
次に、参考例の作用及び効果について説明する。
【0060】
なお、以下の説明において、各部材及び各部について、U相、V相、W相の区別をしない場合には、便宜上、符合の末尾からU,V,Wの記載を省略する。
【0061】
参考例に係るステータ10によれば、継鉄40が周方向に分割された複数の継鉄構成部22によって構成されている。このため、継鉄40の径方向内側に向けて複数のティース部24が突出された所謂インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータであっても、上述のように、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42を形成し、この各サブアッセンブリ42の各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100(図4参照)を用いて巻回することができる。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部24の間にスペースを確保する必要がないため、巻線16の高占積化が可能となり、ステータ10の小型化を実現することができる。
【0062】
しかも、上述のように、継鉄40は、周方向に複数の継鉄構成部22に分割されているので、例えば、継鉄40が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータ10を軸方向に小型化することができる。
【0063】
また、フライヤ装置100を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線16の巻回速度が高いため、巻線16を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータ10の低コスト化を実現することができる。
【0064】
また、U相の連結部34U及びV相の連結部34Vには、渡り線28V,28Wが内側を通過する切欠き38U,38Vが形成されている。従って、連結部34U,34Vと渡り線28V,28Wとの干渉を回避することができるので、渡り線28V,28Wの長さが長くなることを抑制することができる。これにより、ステータ10のより一層の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0065】
また、U相のステータ構成部12Uにおいて、延出部32U2は、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されている。従って、ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uをフライヤ装置を用いて巻回する際に、フライヤ装置のフライヤと延出部32U2や連結部34Uが干渉することを抑制することができる。
【0066】
また、V相のステータ構成部12V、及び、W相のステータ構成部12Wにおいて、連結部34V,34Wは、コア構成部14V,14Wよりも径方向内側にそれぞれ位置されている。従って、ティース部24V,24Wにそれぞれ径方向外側から巻線をフライヤ装置を用いて巻回する際に、フライヤ装置のフライヤと連結部34V,34Wが干渉することを抑制することができる。
【0067】
また、各連結部34は、自身に配線された渡り線28を保持する保持部36を有している。従って、例えば、上述のように、複数のステータ構成部12を互いに組み付けてステータ10を形成する際には、渡り線28を保持部36によって連結部34に保持させることができるので、複数のステータ構成部12を互いに組み付ける際の作業性を良好にすることができる。また、ステータ10をブラシレスモータに組み込んだ後においても、渡り線28が保持部36によって連結部34に保持されるので、渡り線28のばたつきを抑制することができ、異音や故障の発生を抑制することができる。
【0068】
また、複数の連結部34を突起状の保持部36によって互いに径方向に離間した状態で保持することができる。これにより、複数の連結部34の径方向間に渡り線28を配線するためのスペースを確保することができると共に、複数の連結部34のがたつきも抑制することができる。また、複数の連結部34を全周に亘って互いに嵌合する場合に比して、複数の連結部34を互いに組み付ける際の作業性も良好にすることができる。
【0069】
また、複数の継鉄構成部22は、ティース部24に一体に形成されているので、例えば、先端部が互いに薄肉状の橋渡し部で連結された複数のティース部と、このティース部の基端部を連結する継鉄とを独立した部材として有する二分割タイプのコアに比べて、各連結部での磁気ロスを抑制することができる。つまり、二分割タイプのコアでは、隣り合う一対のティース部の先端部間の橋渡し部と、一対のティース部の基端部及び継鉄の連結部との3箇所で磁気ロスが生じる。これに対し、本実施形態のステータ10では、隣り合う一対の継鉄構成部22間の連結部の1箇所で磁気ロスが生じるだけであるので、磁気ロスを低減することができる。これにより、より一層の小型化、軽量化を図ることが可能となる。
【0070】
また、渡り線28によって複数の巻回部26が接続されているので、複数の巻回部26を接続するためのバスバーが不要である。従って、部品点数を削減することができるので、このことによっても、低コスト化することができる。
【0071】
また、渡り線28を各連結部34に巻き付けることができるので、巻線16の巻回速度を高めることができると共に、巻線16を巻回した後の渡り線28の整形工程も廃止することができる。従って、このことによっても、低コスト化することができる。
【0072】
また、参考例に係るブラシレスモータによれば、上述のステータ10を備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0073】
また、参考例に係るステータの製造方法によれば、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42を形成し、この各サブアッセンブリ42の各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100を用いて巻回するので、ノズル装置を用いた場合のようにティース部24の間にスペースを確保する必要がない。従って、巻線16の高占積化が可能となり、ステータ10の小型化を実現することができる。
【0074】
また、フライヤ装置100を用いるので、ノズル装置を用いる場合に比して巻線16の巻回速度が高いため、巻線16を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータ10の低コスト化を実現することができる。
【0075】
また、連結部34が、継鉄40と同軸上に設けられているので、構造を簡素化することができる。また、保持部36が、突起状に形成されているので、このことによっても、構造を簡素化することができる。
【0076】
次に、参考例の変形例について説明する。
【0077】
参考例において、ブラシレスモータは、一例として、8極12スロットとされていたが、磁極の数及びスロットの数は、その他の組み合わせとされていても良い。
【0078】
また、複数の巻線16U,16V,16Wの結線方法は、直列及び並列ともに、スター結線、デルタ結線とされていても良い。
【0079】
また、保持部36は、渡り線28を保持する保持部としての機能と、複数の連結部34を互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサとしての機能を有していたが、保持部36及びスペーサがそれぞれ独立して設けられていても良い。
【0080】
また、保持部36は、全ての連結部34に形成されていたが、U相の連結部34U及びW相の連結部34Wから保持部36U,36Wが省かれる代わりに、V相の連結部34Vの外周面及び内周面にU相の連結部34Uの内周面及びW相の連結部34Wの外周面と嵌合されるスペーサが保持部36とは別に形成されていても良い。
【0081】
また、連結部34は、複数の絶縁部32Uの軸方向一方側(Z1側)にのみ設けられていたが、複数の絶縁部32Uの軸方向他方側(Z2側)にのみ、又は、複数の絶縁部32Uの軸方向両側に設けられていても良い。
【0082】
また、連結部34は、継鉄40と同軸上に設けられていたが、継鉄40と同軸上に設けられていなくても良い。また、連結部34は、リング状に形成されていたが、例えば、多角形状に形成されていても良く、また、その他の形状とされていても良い。
【0083】
また、切欠き38U,38Vには、本発明における他の部材の一例として、渡り線28V,28Wが収容されていたが、その他の部材が収容されても良い。
【0084】
また、保持部36は、突起状に形成されていたが、例えば、ステータ10の周方向に沿って円弧状に延びていても良く、また、その他の形状とされていても良い。
【0085】
また、U相のインシュレータ18Uにのみ延出部32U2が形成されていたが、この延出部32U2と同様の延出部がV相のインシュレータ18VやW相のインシュレータ18Wに形成されていても良い。
【0086】
また、連結部34Uは、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されていたが、インシュレータ18が延出部32U2を有していれば、コア構成部14Uよりも径方向外側に位置されていても良い。このことは、V相のインシュレータ18VやW相のインシュレータ18Wに延出部が形成された場合も同様である。
【0087】
[本発明の一実施形態]
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0088】
図5〜図7に示される本発明の一実施形態に係るステータ110は、上述の参考例に係るステータ10に対し、次の如く構成が変更されている。なお、本発明の一実施形態において、上述の参考例と同様の構成については、同一の符合を用い、その説明を省略する。
【0089】
図5に示されるように、複数のインシュレータ18U,18V,18Wの各々には、導電性を有する長尺板状の端子部112U,112V,112Wが設けられている。この端子部112U,112V,112Wには、複数の巻線16U,16V,16Wの各々の端末部30U,30V,30Wが接続されている。端子部112U,112V,112Wは、継鉄40の軸方向一方側(矢印Z1側)、つまり、連結部34と同じ側に設けられている。これらの端子部112U,112V,112Wには、端末部30U,30V,30Wと接続される舌片状の結線部113U,113V,113Wがそれぞれ形成されている。
【0090】
また、図6に示されるように、U相のインシュレータ18Uにおいて、各絶縁部32Uにおける継鉄40(継鉄構成部22U)と反対側の端部には、連結部34Uに対して継鉄40の側に突出された突出部114Uが形成されている。この突出部114Uは、継鉄40の軸方向に沿って延びる板状に形成されており、連結部34Uよりも厚肉とされている。この突出部114Uには、継鉄40の軸方向一方側(矢印Z1側)を向く端面114U1が形成されている。また、いずれかの絶縁部32Uの端面114U1には、継鉄40の軸方向に開口する差込溝116Uが形成されている。そして、上述の端子部112Uは、この差込溝116Uに差し込まれる(圧入される)ことで、突出部114Uに設けられている。また、この端子部112Uは、連結部34Uよりも継鉄40の軸方向に突出されている。
【0091】
また、図5に示されるように、端子部112V,112Wも、端子部112Uと同様に、いずれかの絶縁部32V,32Wの突出部114V,114Wにおける端面に形成された差込溝116V,116Wにそれぞれ差し込まれることで、この突出部114V,114Wに設けられている。これらの端子部112U,112V,112Wは、連結部34Uの外周面34U1(継鉄40の側の表面)に当接されている。
【0092】
また、図6に示されるように、インシュレータ18Uには、上述の継鉄40(図5参照)の軸方向に沿って溝状のガイド部118Uが形成されている。このガイド部118Uは、より具体的には、突出部114Uの側面114U2(継鉄40の周方向を向く側面)に形成されている。そして、巻線16Uの端末部30Uは、このガイド部118Uによってガイドされている。なお、この場合の端末部30Uは、例えば、スナップフィットにより溝状のガイド部118Uに嵌め込まれる。
【0093】
また、図5に示されるように、突出部114V,114Wの側面にも、上述のガイド部118Uと同様のガイド部118V,116Wが形成されており、巻線16V,16Wの端末部30V,30Wは、このガイド部118V,116Wによってガイドされている。
【0094】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について、上述の参考例の場合と異なる点を説明する。
【0095】
なお、以下の説明において、各部材及び各部について、U相、V相、W相の区別をしない場合には、便宜上、符合の末尾からU,V,Wの記載を省略する。
【0096】
本発明の一実施形態に係るステータ110によれば、複数のインシュレータ18の各々には、端子部112が設けられており、この端子部112には、複数の巻線16の各々の端末部30が接続されている。従って、この端末部30の位置決めを容易に行うことができる。
【0097】
また、端子部112は、連結部34よりも継鉄40の軸方向に突出されているので、図7に示されるように、端子部112と制御回路部とを容易に接続することができる。
【0098】
また、端子部112が、連結部34に対して継鉄40の側に突出された突出部114に設けられているので、端子部112と連結部34との干渉を抑制して、端末部30を容易に位置決めすることができる。
【0099】
また、突出部114に形成された差込溝116に端子部112を差し込むことにより、端子部112を突出部114に容易に固定することができる。
【0100】
また、端子部112は、連結部34Uの外周面34U1に当接されているので、端子部112のがたつきを抑制することができる。
【0101】
また、複数のインシュレータ18の各々には、継鉄40の軸方向に沿ってガイド部118が形成されており、複数の巻線16の各々の端末部30は、このガイド部118によってガイドされている。従って、このことによっても、端末部30の位置決めを容易に行うことができる。
【0102】
また、ガイド部118が、連結部34に対して継鉄40の側に突出された突出部114に設けられているので、端末部30と連結部34との干渉を抑制して、端末部30を容易に位置決めすることができる。
【0103】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0104】
上記実施形態において、突出部114は、各絶縁部32に形成されていたが、複数の絶縁部32のうち端子部112が配置される絶縁部32にのみ形成されていても良い。
【0105】
また、ガイド部118U,116V,116Wは、溝状に形成されていたが、溝状以外の形状とされても良い。
【0106】
また、端子部112は、中性点としての各端末部30を結線していても良い。
【0107】
また、図8に示されるように、上述の端子部112U,112V,112Wは、継鉄40の軸方向における渡り線28(連結部34)と反対側に設けられていても良い。このように構成されていると、渡り線28と反対側において端子部112と制御回路部とを容易に接続することができる。
【0108】
また、図9に示されるように、上述の端子部112(図5〜図7参照)が省かれても良い。また、この場合には、端末部30が上述の端子部112を介さずに制御回路部に直接的に接続されても良い。
【0109】
また、ガイド部118は、突出部114の両側の側面114U2にそれぞれ形成されていたが、突出部114のうち片方の側面114U2にのみ形成されていても良い。
【0110】
また、図10,図11に示されるように、複数の継鉄構成部22のうちいずれかの継鉄構成部22に、継鉄40の軸方向に開口する差込溝126が形成され、端子部112は、この差込溝126に差し込まれることにより、この継鉄構成部22に設けられても良い。このように構成されていても、端末部30の位置決めを容易に行うことができる。また、継鉄構成部22に形成された差込溝126に端子部112を差し込むことにより、端子部112を継鉄構成部22に容易に固定することができる。
【0111】
また、図10に示されるように、結線部113は、溝状に形成されても良く、また、図11に示されるように、舌片状に形成されても良い。なお、図10の場合には、差込溝126への端子部112の挿入と同時に端末部30の被覆が剥がされて端末部30と端子部112とが導通される。一方、図11の場合には、端末部30が作業者の手によって結線部113に引っ掛けられ、これにより、端末部30と端子部112とが導通される。
【0112】
また、図12に示されるように、複数の絶縁部32は、継鉄40の軸方向における連結部34と反対側(矢印Z2側)において円弧状の補強部128により連結されていても良い。このように構成されていると、インシュレータ18の剛性を向上させることができる。
【0113】
また、インシュレータ18の剛性を向上させるために、連結部34に金属製リングや針金等の補強部材130がインサート成形により埋設されていても良い。また、インシュレータ18は、二色成形により、連結部34が高強度の樹脂で形成され、連結部34以外が通常の強度の樹脂で形成された構成とされていても良い。
【0114】
[本発明の一実施形態の適用例]
次に、図13を参照しながら、本発明の一実施形態の適用例について説明する。
【0115】
図13に示される流体ポンプ210は、上述のステータ110が適用されたものである。この流体ポンプ210は、上述のステータ110及び制御回路部120に加え、ポンプハウジング212と、モータハウジング214と、エンドハウジング216と、インペラ218と、ロータ220と、モータシャフト222とを備えている。ステータ110及びロータ220は、ブラシレスモータを構成している。
【0116】
そして、この流体ポンプ210では、制御回路部120からステータ110に電流が供給されると、ステータ110によって回転磁界が形成され、これにより、ロータ220と共にインペラ218が回転する。また、インペラ218が回転すると、吸入口230から流体が吸入されてポンプ室228に搬送され、ポンプ室228に搬送された流体は排出口232から排出される。
【0117】
この流体ポンプ210(ブラシレスモータ)によれば、ステータ110を備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0118】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
10・・・ステータ、12,12U,12V,12W・・・ステータ構成部、14,14U,14V,14W・・・コア構成部、16,16U,16V,16U・・・巻線、18,18U,18V,18W・・・インシュレータ、20・・・コア、22,22U,22V,22W・・・継鉄構成部、24,24U,24V,24W・・・ティース部、26,26U,26V,26W・・・巻回部、28,28U,28V,28W・・・渡り線、30U,30V,30W・・・端末部、32U,32V,32W・・・絶縁部、32U1・・・絶縁本体部、32U2・・・延出部、34,34U,34V,34W・・・連結部、36,36U,36V,36W・・・保持部(スペーサ)、38U,38V・・・切欠き、40・・・継鉄、42,42U,42V,42W・・・サブアッセンブリ、50・・・ロータ、60・・・ブラシレスモータ、100・・・フライヤ装置、110・・・ステータ、112,112U,112V,112W・・・端子部、113,113U,113V,113W・・・結線部、114,114U,114V,114W・・・突出部、114U1・・・端面、114U2・・・側面、116,116U,116V,114W・・・差込溝、118,118U,118V,116W・・・ガイド部、120・・・制御回路部、126・・・差込溝、128・・・補強部、210・・・流体ポンプ、212・・・ポンプハウジング、214・・・モータハウジング、216・・・エンドハウジング、218・・・インペラ、220・・・ロータ、222・・・モータシャフト
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ及びブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラシレスモータに用いられるステータとしては、例えば、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1に記載の電機子において、継鉄は、軸方向に分割された複数のリング状の継鉄構成部によって構成されており、各継鉄構成部には、径方向外側に向けて突出する複数の歯部が一体に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−322441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術をインナロータタイプの回転電機に用いられる電機子に適用した場合、複数の歯部は、各継鉄構成部の径方向内側に向けて突出することになる。このため、コイルを各継鉄構成部の径方向外側からフライヤ装置のフライヤによって巻回することが困難となる。従って、コイルを各継鉄構成部の径方向内側からノズル装置のノズルによって巻回する必要があるが、この場合には、ノズルが通過するスペースを確保する必要があるため、コイルの高占積化が困難となり、回転電機の小型化に不利となる。また、ノズル装置を用いる場合には、フライヤ装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が低いため、コイルを巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減による低コスト化に不利となる。
【0005】
なお、フライヤ装置は、フライヤを歯部の周囲を旋回するように円運動させながら、可変フォーマでコイルを整列させて歯部に巻回する装置であり、ノズル装置は、ノズルを歯部の周囲に旋回させる工程とノズルを軸方向にスライドさせる工程とを交互に繰り返してコイルを歯部に巻回する装置である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータについて、小型化及び低コスト化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のステータは、環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、前記複数のインシュレータの各々に設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、を備えている。
【0008】
このステータは、上記構成により、例えば、次の要領で製造される。すなわち、先ず、各インシュレータの絶縁部にコア構成部を一体化して、複数の相毎にサブアッセンブリを形成する。続いて、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線をフライヤ装置を用いて巻回して、複数の相毎にステータ構成部を形成する。そして、この複数のステータ構成部を互いに組み付けてステータを形成する。以上の要領により、ステータは製造される。
【0009】
ここで、このステータでは、継鉄が周方向に分割された複数の継鉄構成部によって構成されている。このため、継鉄の径方向内側に向けて複数のティース部が突出された所謂インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータであっても、上述のように、複数の相毎にサブアッセンブリを形成し、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線をフライヤ装置を用いて巻回することができる。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がないため、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0010】
しかも、上述のように、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0011】
また、フライヤ装置を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が高いため、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0012】
また、複数のインシュレータの各々には、端子部が設けられており、この端子部には、複数の巻線の各々の端末部が接続されている。従って、巻線の端末部の位置決めを容易に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載のステータは、請求項1に記載のステータにおいて、前記連結部が、前記継鉄の径方向内側に位置され、前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部に、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出された突出部が形成され、前記端子部が、前記突出部に設けられた構成とされている。
【0014】
このステータによれば、端子部が、連結部に対して継鉄の側に突出された突出部に設けられているので、端子部と連結部との干渉を抑制して、端末部を容易に位置決めすることができる。
【0015】
請求項3に記載のステータは、請求項2に記載のステータにおいて、前記突出部に、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、前記端子部が、前記差込溝に差し込まれた構成とされている。
【0016】
このステータによれば、突出部に形成された差込溝に端子部を差し込むことにより、端子部を突出部に容易に固定することができる。
【0017】
請求項4に記載のステータは、請求項2又は請求項3に記載のステータにおいて、前記連結部が、前記複数の絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配置され、前記端子部が、前記連結部における前記継鉄の側の表面に当接された構成とされている。
【0018】
このステータによれば、端子部は、連結部における継鉄の側の表面に当接されているので、端子部のがたつきを抑制することができる。
【0019】
請求項5に記載のステータは、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のステータにおいて、前記複数の巻線の各々が、前記複数の巻回部を接続すると共に前記絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配線された渡り線を有し、前記端子部が、前記継鉄の軸方向における前記渡り線と反対側に設けられた構成とされている。
【0020】
このステータによれば、端子部は、継鉄の軸方向における渡り線と反対側に設けられているので、渡り線と反対側において端子部と制御回路部とを容易に接続することができる。
【0021】
また、前記課題を解決するために、請求項6に記載のステータは、環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、前記複数のインシュレータの各々に設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、を備えている。
【0022】
このステータは、上述の請求項1に記載のステータと同様に製造される。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がないため、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0023】
しかも、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0024】
また、フライヤ装置を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が高いため、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0025】
また、複数のインシュレータの各々には、継鉄の軸方向に沿ってガイド部が形成されており、複数の巻線の各々の端末部は、このガイド部によってガイドされている。従って、巻線の端末部の位置決めを容易に行うことができる。
【0026】
請求項7に記載のステータは、請求項6に記載のステータにおいて、前記連結部が、前記継鉄の径方向内側に位置され、前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部に、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出されると共に、前記継鉄の周方向を向く側面を有する突出部が形成され、前記ガイド部が、前記側面に設けられた構成とされている。
【0027】
このステータによれば、ガイド部が、連結部に対して継鉄の側に突出された突出部に設けられているので、端末部と連結部との干渉を抑制して、端末部を容易に位置決めすることができる。
【0028】
また、前記課題を解決するために、請求項8に記載のステータは、環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、前記複数の継鉄構成部のいずれかに設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、を備えている。
【0029】
このステータは、上述の請求項1に記載のステータと同様に製造される。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がないため、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0030】
しかも、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0031】
また、フライヤ装置を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が高いため、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0032】
また、複数の継鉄構成部のいずれかには、端子部が設けられており、この端子部には、複数の巻線の各々の端末部が接続されている。従って、巻線の端末部の位置決めを容易に行うことができる。
【0033】
請求項9に記載のステータは、請求項8に記載のステータにおいて、前記複数の継鉄構成部のいずれかに、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、前記端子部が、前記差込溝に差し込まれた構成とされている。
【0034】
このステータによれば、継鉄構成部に形成された差込溝に端子部を差し込むことにより、端子部を継鉄構成部に容易に固定することができる。
【0035】
また、前記課題を解決するために、請求項10に記載のブラシレスモータは、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のステータと、前記ステータが形成する回転磁界によって回転されるロータと、を備えている。
【0036】
このブラシレスモータによれば、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のステータを備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】参考例に係るステータの斜視図である。
【図2A】図1に示されるU相のステータ構成部の斜視図である。
【図2B】図1に示されるV相のステータ構成部の斜視図である。
【図2C】図1に示されるW相のステータ構成部の斜視図である。
【図3A】図1に示される複数のステータ構成部が互いに組み付けられる過程を示す斜視図である。
【図3B】図3Aよりも組み付けが進行した状態を示す斜視図である。
【図4】フライヤ装置によって巻線を巻回する様子を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るステータの斜視図である。
【図6】図5に示されるU相のステータ構成部の斜視図である。
【図7】図5に示されるステータに制御回路部を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図8】図5に示されるステータの第一変形例を示す斜視図である。
【図9】図5に示されるステータの第二変形例を示す斜視図である。
【図10】図5に示されるステータの第三変形例を示す要部拡大斜視図である。
【図11】図5に示されるステータの第四変形例を示す要部拡大斜視図である。
【図12】図5に示されるステータの第五変形例を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るブラシレスモータが適用されたモータポンプの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[参考例]
はじめに、図1〜図4を参照しながら、参考例について説明する。
【0039】
図1に示される参考例に係るステータ10は、インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるものであり、図2A〜図2Cに示されるU相のステータ構成部12U、V相のステータ構成部12V、W相のステータ構成部12Wによって構成されている。
【0040】
図2Aに示されるように、U相のステータ構成部12Uは、複数のコア構成部14Uと、巻線16Uと、インシュレータ18Uを有して構成されている。複数のコア構成部14Uは、後述するV相の複数のコア構成部14Vと、W相の複数のコア構成部14Wとでコア20(いずれも図1参照)を構成するものであり、それぞれ複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uとを有している。
【0041】
複数の継鉄構成部22Uは、後述するV相の複数の継鉄構成部22Vと、W相の複数の継鉄構成部22Wとで環状の継鉄40(いずれも図1参照)を構成するものであり、それぞれ円弧状に形成されている。複数のティース部24Uは、それぞれ継鉄構成部22Uに一体に形成されており、この継鉄構成部22Uから継鉄40(図1参照)の径方向内側に向けて突出されている。
【0042】
巻線16Uは、U相を構成しており、複数の巻回部26Uと、複数の渡り線28Uとを有している。複数の巻回部26Uは、それぞれ後述する絶縁部32Uを介してティース部24Uに集中的に巻回されており、複数の渡り線28Uによって互いに接続されている。渡り線28Uは、複数の巻回部26Uを接続しており、後述するインシュレータ18Uに形成された連結部34Uの外周面に沿って配線されている(巻き付けられている)。また、巻線16Uの両端側の端末部30Uは、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出されており、渡り線28Uは、端末部30Uと同じ側に位置されている。
【0043】
インシュレータ18Uは、樹脂製とされており、複数の絶縁部32Uと、連結部34Uとを一体に有している。複数の絶縁部32Uは、上述の複数のティース部24Uと同数設けられており、後述する連結部34Uに対して継鉄構成部22Uの側(図1に示される継鉄40の側)に突出されている。この複数の絶縁部32Uは、絶縁本体部32U1と延出部32U2を有している。絶縁本体部32U1は、上述の複数のコア構成部14Uの表面にそれぞれ一体成形や装着嵌合される等により一体化されており、コア構成部14Uに形成されたティース部24Uと巻回部26Uとを絶縁している。延出部32U2は、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されると共に、絶縁本体部32U1から継鉄40の軸方向一方側(Z1側)に沿って延出されている。
【0044】
連結部34Uは、複数の絶縁部32Uに対して継鉄40の軸方向一方側(Z1側)にずれて配置されており、リング状に形成されている。この連結部34Uは、複数の絶縁部32U(より具体的には、複数の絶縁部32Uにおける延出部32U2の延出端部(Z1側の端部))を連結しており、コア構成部14Uよりも継鉄40の径方向内側(図1に示される継鉄40の径方向内側)に位置されている。この連結部34Uの外周面における複数の絶縁部32Uの間には、突起状の保持部36Uが径方向外側に向けて複数突出されている。この保持部36Uは、上述の渡り線28Uを連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持している。また、連結部34Uにおける複数の絶縁部32Uの間には、軸方向他方側(矢印Z2側)に開口する切欠き38Uが複数形成されている。
【0045】
図2Bに示されるV相のステータ構成部12Vは、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このV相のステータ構成部12Vは、複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも図2A参照)に相当するものである。なお、このV相のステータ構成部12Vにおいて、連結部34Vは、リング状に形成されると共に、上述のU相の連結部34U(図2A参照)よりも小径に形成されている。また、保持部36Vは、渡り線28Vを連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Vよりも径方向内側に位置されている。
【0046】
図2Cに示されるW相のステータ構成部12Wも、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このW相のステータ構成部12Wは、複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも図2A参照)に相当するものである。なお、このW相のステータ構成部12Wにおいて、連結部34Wは、リング状に形成されると共に、上述のV相の連結部34V(図2B参照)よりも小径に形成されている。また、連結部34Wからは上述の切欠き(図2Aの切欠き38U参照)が省かれている。また、保持部36Wは、渡り線28Wを連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Wよりも径方向内側に位置されている。
【0047】
そして、図1に示されるように、この複数のステータ構成部12U,12V,12Wは、後に詳述する如く、互いに組み付けられて、ステータ10を構成している。また、このステータ10では、複数の継鉄構成部22U,22V,22Wによって環状の継鉄40が形成されている。つまり、換言すれば、継鉄40は、周方向に複数の継鉄構成部22U,22V,22Wに分割されている。この複数の継鉄構成部22U,22V,22Wは、それぞれ両側に隣り合う一対の継鉄構成部の間に嵌合されている。
【0048】
また、複数の連結部34U,34V,34Wは、継鉄40の径方向内側に径方向に間隙を有して配置されると共に、継鉄40と同軸上に設けられている。また、V相の保持部36Vは、U相の連結部34Uの内周面と嵌合されており、W相の保持部36Wは、V相の連結部34Vの内周面と嵌合されている。そして、これにより、複数の連結部34U,34V,34Wは、互いに径方向に離間した状態で保持されている。つまり、保持部36U,36V,36Wは、複数の連結部34U,34V,34Wの径方向間に設けられ、複数の連結部34U,34V,34Wを互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサの役割も果たしている。
【0049】
さらに、上述のように、複数の連結部34U,34V,34Wが継鉄40の径方向に間隙を有して配置された状態では、V相の渡り線28Vは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側を通過しており(切欠き38Uに収容されており)、W相の渡り線28Wは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側を通過している(切欠き38Uと切欠き38Vとに収容されている(図3Bも参照))。
【0050】
次に、上記構成からなるステータ10の製造方法について説明する。
【0051】
先ず、図2Aに示されるように、インシュレータ18Uの絶縁部32Uにコア構成部14Uを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14UからなるU相のサブアッセンブリ42Uを形成する。同様に、図2Bに示されるように、インシュレータ18Vの絶縁部32Vにコア構成部14Vを一体化して、インシュレータ18V及び複数のコア構成部14VからなるV相のサブアッセンブリ42Vを形成する。また、図2Cに示されるように、インシュレータ18Wの絶縁部32Wにコア構成部14Wを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14VからなるW相のサブアッセンブリ42Wを形成する。そして、このようにして、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42U,42V,42Wを形成する(サブアッセンブリ形成工程)。
【0052】
続いて、図2Aに示されるように、U相のサブアッセンブリ42Uの各ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uをフライヤ装置100(図4参照)を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Uに複数の巻回部26Uが形成されたU相のステータ構成部12Uを形成する。なお、フライヤ装置100は、図4に示されるように、ティース部24の周囲を旋回するように円運動して巻線16を巻回するフライヤ101と、ティース部24に巻回された巻線16を整列させる可変フォーマ102と、これらを制御する駆動回路103とを有している。
【0053】
同様に、図2Bに示されるように、V相のサブアッセンブリ42Vの各ティース部24Vに径方向外側から巻線16Vを上述のフライヤ装置100を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Vに複数の巻回部26Vが形成されたV相のステータ構成部12Vを形成する。また、図2Cに示されるように、W相のサブアッセンブリ42Wの各ティース部24Wに径方向外側から巻線16Wを上述のフライヤ装置100を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Wに複数の巻回部26Wが形成されたW相のステータ構成部12Wを形成する。
【0054】
このとき、図2Aに示されるように、複数の渡り線28Uについては、連結部34Uの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Uを突起状の保持部36Uによって連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持する。同様に、図2Bに示されるように、複数の渡り線28Vについては、連結部34Vの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Vを突起状の保持部36Vによって連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。また、図2Cに示されるように、複数の渡り線28Wについては、連結部34Wの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Wを突起状の保持部36Wによって連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。
【0055】
また、図2Aに示されるように、巻線16Uの両端側の端末部30Uについては、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出させる。同様に、図2Bに示されるように、巻線16Vの両端側の端末部30Vについては、ティース部24Vからステータ10の軸方向一方側に導出させる。また、図2Cに示されるように、巻線16Wの両端側の端末部30Wについては、ティース部24Wからステータ10の軸方向一方側に導出させる。そして、このようにして、U相、V相、W相毎にステータ構成部12U,12V,12Wを形成する(ステータ構成部形成工程)。
【0056】
続いて、図3A,図3Bに示されるように、W相のステータ構成部12Wに対し、V相のステータ構成部12Vを周方向に所定の角度ずらした状態で、V相のステータ構成部12Vを軸方向一方側(矢印Z1側)からW相のステータ構成部12Wに組み付ける。また、V相のステータ構成部12Vに対し、U相のステータ構成部12Uを周方向に所定の角度ずらした状態で、U相のステータ構成部12Uを軸方向一方側(矢印Z1側)からV相のステータ構成部12V及びW相のステータ構成部12Wに組み付ける。
【0057】
このとき、この複数の継鉄構成部22U,22V,22Wについては、それぞれ両側に隣り合う一対の継鉄構成部の間に嵌合する。また、V相の保持部36Vについては、U相の連結部34Uの内周面に嵌合し、W相の保持部36Wについては、V相の連結部34Vの内周面に嵌合する。そして、このようにして、複数の連結部34U,34V,34Wを突起状の保持部36U,36V,36Wによって互いに径方向に離間した状態で保持する。
【0058】
さらに、このときには、V相の渡り線28Vを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側に通過させ、W相の渡り線28Wを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側に通過させる。そして、このようにして、複数のステータ構成部12U,12V,12Wを互いに組み付けてステータ10を形成する(ステータ形成工程)。なお、端末部30U,30V,30Wについては、図示しないバスバー等により結線する。以上の要領により、ステータ10は製造される。
【0059】
次に、参考例の作用及び効果について説明する。
【0060】
なお、以下の説明において、各部材及び各部について、U相、V相、W相の区別をしない場合には、便宜上、符合の末尾からU,V,Wの記載を省略する。
【0061】
参考例に係るステータ10によれば、継鉄40が周方向に分割された複数の継鉄構成部22によって構成されている。このため、継鉄40の径方向内側に向けて複数のティース部24が突出された所謂インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータであっても、上述のように、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42を形成し、この各サブアッセンブリ42の各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100(図4参照)を用いて巻回することができる。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部24の間にスペースを確保する必要がないため、巻線16の高占積化が可能となり、ステータ10の小型化を実現することができる。
【0062】
しかも、上述のように、継鉄40は、周方向に複数の継鉄構成部22に分割されているので、例えば、継鉄40が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータ10を軸方向に小型化することができる。
【0063】
また、フライヤ装置100を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線16の巻回速度が高いため、巻線16を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータ10の低コスト化を実現することができる。
【0064】
また、U相の連結部34U及びV相の連結部34Vには、渡り線28V,28Wが内側を通過する切欠き38U,38Vが形成されている。従って、連結部34U,34Vと渡り線28V,28Wとの干渉を回避することができるので、渡り線28V,28Wの長さが長くなることを抑制することができる。これにより、ステータ10のより一層の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0065】
また、U相のステータ構成部12Uにおいて、延出部32U2は、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されている。従って、ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uをフライヤ装置を用いて巻回する際に、フライヤ装置のフライヤと延出部32U2や連結部34Uが干渉することを抑制することができる。
【0066】
また、V相のステータ構成部12V、及び、W相のステータ構成部12Wにおいて、連結部34V,34Wは、コア構成部14V,14Wよりも径方向内側にそれぞれ位置されている。従って、ティース部24V,24Wにそれぞれ径方向外側から巻線をフライヤ装置を用いて巻回する際に、フライヤ装置のフライヤと連結部34V,34Wが干渉することを抑制することができる。
【0067】
また、各連結部34は、自身に配線された渡り線28を保持する保持部36を有している。従って、例えば、上述のように、複数のステータ構成部12を互いに組み付けてステータ10を形成する際には、渡り線28を保持部36によって連結部34に保持させることができるので、複数のステータ構成部12を互いに組み付ける際の作業性を良好にすることができる。また、ステータ10をブラシレスモータに組み込んだ後においても、渡り線28が保持部36によって連結部34に保持されるので、渡り線28のばたつきを抑制することができ、異音や故障の発生を抑制することができる。
【0068】
また、複数の連結部34を突起状の保持部36によって互いに径方向に離間した状態で保持することができる。これにより、複数の連結部34の径方向間に渡り線28を配線するためのスペースを確保することができると共に、複数の連結部34のがたつきも抑制することができる。また、複数の連結部34を全周に亘って互いに嵌合する場合に比して、複数の連結部34を互いに組み付ける際の作業性も良好にすることができる。
【0069】
また、複数の継鉄構成部22は、ティース部24に一体に形成されているので、例えば、先端部が互いに薄肉状の橋渡し部で連結された複数のティース部と、このティース部の基端部を連結する継鉄とを独立した部材として有する二分割タイプのコアに比べて、各連結部での磁気ロスを抑制することができる。つまり、二分割タイプのコアでは、隣り合う一対のティース部の先端部間の橋渡し部と、一対のティース部の基端部及び継鉄の連結部との3箇所で磁気ロスが生じる。これに対し、本実施形態のステータ10では、隣り合う一対の継鉄構成部22間の連結部の1箇所で磁気ロスが生じるだけであるので、磁気ロスを低減することができる。これにより、より一層の小型化、軽量化を図ることが可能となる。
【0070】
また、渡り線28によって複数の巻回部26が接続されているので、複数の巻回部26を接続するためのバスバーが不要である。従って、部品点数を削減することができるので、このことによっても、低コスト化することができる。
【0071】
また、渡り線28を各連結部34に巻き付けることができるので、巻線16の巻回速度を高めることができると共に、巻線16を巻回した後の渡り線28の整形工程も廃止することができる。従って、このことによっても、低コスト化することができる。
【0072】
また、参考例に係るブラシレスモータによれば、上述のステータ10を備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0073】
また、参考例に係るステータの製造方法によれば、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42を形成し、この各サブアッセンブリ42の各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100を用いて巻回するので、ノズル装置を用いた場合のようにティース部24の間にスペースを確保する必要がない。従って、巻線16の高占積化が可能となり、ステータ10の小型化を実現することができる。
【0074】
また、フライヤ装置100を用いるので、ノズル装置を用いる場合に比して巻線16の巻回速度が高いため、巻線16を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータ10の低コスト化を実現することができる。
【0075】
また、連結部34が、継鉄40と同軸上に設けられているので、構造を簡素化することができる。また、保持部36が、突起状に形成されているので、このことによっても、構造を簡素化することができる。
【0076】
次に、参考例の変形例について説明する。
【0077】
参考例において、ブラシレスモータは、一例として、8極12スロットとされていたが、磁極の数及びスロットの数は、その他の組み合わせとされていても良い。
【0078】
また、複数の巻線16U,16V,16Wの結線方法は、直列及び並列ともに、スター結線、デルタ結線とされていても良い。
【0079】
また、保持部36は、渡り線28を保持する保持部としての機能と、複数の連結部34を互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサとしての機能を有していたが、保持部36及びスペーサがそれぞれ独立して設けられていても良い。
【0080】
また、保持部36は、全ての連結部34に形成されていたが、U相の連結部34U及びW相の連結部34Wから保持部36U,36Wが省かれる代わりに、V相の連結部34Vの外周面及び内周面にU相の連結部34Uの内周面及びW相の連結部34Wの外周面と嵌合されるスペーサが保持部36とは別に形成されていても良い。
【0081】
また、連結部34は、複数の絶縁部32Uの軸方向一方側(Z1側)にのみ設けられていたが、複数の絶縁部32Uの軸方向他方側(Z2側)にのみ、又は、複数の絶縁部32Uの軸方向両側に設けられていても良い。
【0082】
また、連結部34は、継鉄40と同軸上に設けられていたが、継鉄40と同軸上に設けられていなくても良い。また、連結部34は、リング状に形成されていたが、例えば、多角形状に形成されていても良く、また、その他の形状とされていても良い。
【0083】
また、切欠き38U,38Vには、本発明における他の部材の一例として、渡り線28V,28Wが収容されていたが、その他の部材が収容されても良い。
【0084】
また、保持部36は、突起状に形成されていたが、例えば、ステータ10の周方向に沿って円弧状に延びていても良く、また、その他の形状とされていても良い。
【0085】
また、U相のインシュレータ18Uにのみ延出部32U2が形成されていたが、この延出部32U2と同様の延出部がV相のインシュレータ18VやW相のインシュレータ18Wに形成されていても良い。
【0086】
また、連結部34Uは、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されていたが、インシュレータ18が延出部32U2を有していれば、コア構成部14Uよりも径方向外側に位置されていても良い。このことは、V相のインシュレータ18VやW相のインシュレータ18Wに延出部が形成された場合も同様である。
【0087】
[本発明の一実施形態]
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0088】
図5〜図7に示される本発明の一実施形態に係るステータ110は、上述の参考例に係るステータ10に対し、次の如く構成が変更されている。なお、本発明の一実施形態において、上述の参考例と同様の構成については、同一の符合を用い、その説明を省略する。
【0089】
図5に示されるように、複数のインシュレータ18U,18V,18Wの各々には、導電性を有する長尺板状の端子部112U,112V,112Wが設けられている。この端子部112U,112V,112Wには、複数の巻線16U,16V,16Wの各々の端末部30U,30V,30Wが接続されている。端子部112U,112V,112Wは、継鉄40の軸方向一方側(矢印Z1側)、つまり、連結部34と同じ側に設けられている。これらの端子部112U,112V,112Wには、端末部30U,30V,30Wと接続される舌片状の結線部113U,113V,113Wがそれぞれ形成されている。
【0090】
また、図6に示されるように、U相のインシュレータ18Uにおいて、各絶縁部32Uにおける継鉄40(継鉄構成部22U)と反対側の端部には、連結部34Uに対して継鉄40の側に突出された突出部114Uが形成されている。この突出部114Uは、継鉄40の軸方向に沿って延びる板状に形成されており、連結部34Uよりも厚肉とされている。この突出部114Uには、継鉄40の軸方向一方側(矢印Z1側)を向く端面114U1が形成されている。また、いずれかの絶縁部32Uの端面114U1には、継鉄40の軸方向に開口する差込溝116Uが形成されている。そして、上述の端子部112Uは、この差込溝116Uに差し込まれる(圧入される)ことで、突出部114Uに設けられている。また、この端子部112Uは、連結部34Uよりも継鉄40の軸方向に突出されている。
【0091】
また、図5に示されるように、端子部112V,112Wも、端子部112Uと同様に、いずれかの絶縁部32V,32Wの突出部114V,114Wにおける端面に形成された差込溝116V,116Wにそれぞれ差し込まれることで、この突出部114V,114Wに設けられている。これらの端子部112U,112V,112Wは、連結部34Uの外周面34U1(継鉄40の側の表面)に当接されている。
【0092】
また、図6に示されるように、インシュレータ18Uには、上述の継鉄40(図5参照)の軸方向に沿って溝状のガイド部118Uが形成されている。このガイド部118Uは、より具体的には、突出部114Uの側面114U2(継鉄40の周方向を向く側面)に形成されている。そして、巻線16Uの端末部30Uは、このガイド部118Uによってガイドされている。なお、この場合の端末部30Uは、例えば、スナップフィットにより溝状のガイド部118Uに嵌め込まれる。
【0093】
また、図5に示されるように、突出部114V,114Wの側面にも、上述のガイド部118Uと同様のガイド部118V,116Wが形成されており、巻線16V,16Wの端末部30V,30Wは、このガイド部118V,116Wによってガイドされている。
【0094】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について、上述の参考例の場合と異なる点を説明する。
【0095】
なお、以下の説明において、各部材及び各部について、U相、V相、W相の区別をしない場合には、便宜上、符合の末尾からU,V,Wの記載を省略する。
【0096】
本発明の一実施形態に係るステータ110によれば、複数のインシュレータ18の各々には、端子部112が設けられており、この端子部112には、複数の巻線16の各々の端末部30が接続されている。従って、この端末部30の位置決めを容易に行うことができる。
【0097】
また、端子部112は、連結部34よりも継鉄40の軸方向に突出されているので、図7に示されるように、端子部112と制御回路部とを容易に接続することができる。
【0098】
また、端子部112が、連結部34に対して継鉄40の側に突出された突出部114に設けられているので、端子部112と連結部34との干渉を抑制して、端末部30を容易に位置決めすることができる。
【0099】
また、突出部114に形成された差込溝116に端子部112を差し込むことにより、端子部112を突出部114に容易に固定することができる。
【0100】
また、端子部112は、連結部34Uの外周面34U1に当接されているので、端子部112のがたつきを抑制することができる。
【0101】
また、複数のインシュレータ18の各々には、継鉄40の軸方向に沿ってガイド部118が形成されており、複数の巻線16の各々の端末部30は、このガイド部118によってガイドされている。従って、このことによっても、端末部30の位置決めを容易に行うことができる。
【0102】
また、ガイド部118が、連結部34に対して継鉄40の側に突出された突出部114に設けられているので、端末部30と連結部34との干渉を抑制して、端末部30を容易に位置決めすることができる。
【0103】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0104】
上記実施形態において、突出部114は、各絶縁部32に形成されていたが、複数の絶縁部32のうち端子部112が配置される絶縁部32にのみ形成されていても良い。
【0105】
また、ガイド部118U,116V,116Wは、溝状に形成されていたが、溝状以外の形状とされても良い。
【0106】
また、端子部112は、中性点としての各端末部30を結線していても良い。
【0107】
また、図8に示されるように、上述の端子部112U,112V,112Wは、継鉄40の軸方向における渡り線28(連結部34)と反対側に設けられていても良い。このように構成されていると、渡り線28と反対側において端子部112と制御回路部とを容易に接続することができる。
【0108】
また、図9に示されるように、上述の端子部112(図5〜図7参照)が省かれても良い。また、この場合には、端末部30が上述の端子部112を介さずに制御回路部に直接的に接続されても良い。
【0109】
また、ガイド部118は、突出部114の両側の側面114U2にそれぞれ形成されていたが、突出部114のうち片方の側面114U2にのみ形成されていても良い。
【0110】
また、図10,図11に示されるように、複数の継鉄構成部22のうちいずれかの継鉄構成部22に、継鉄40の軸方向に開口する差込溝126が形成され、端子部112は、この差込溝126に差し込まれることにより、この継鉄構成部22に設けられても良い。このように構成されていても、端末部30の位置決めを容易に行うことができる。また、継鉄構成部22に形成された差込溝126に端子部112を差し込むことにより、端子部112を継鉄構成部22に容易に固定することができる。
【0111】
また、図10に示されるように、結線部113は、溝状に形成されても良く、また、図11に示されるように、舌片状に形成されても良い。なお、図10の場合には、差込溝126への端子部112の挿入と同時に端末部30の被覆が剥がされて端末部30と端子部112とが導通される。一方、図11の場合には、端末部30が作業者の手によって結線部113に引っ掛けられ、これにより、端末部30と端子部112とが導通される。
【0112】
また、図12に示されるように、複数の絶縁部32は、継鉄40の軸方向における連結部34と反対側(矢印Z2側)において円弧状の補強部128により連結されていても良い。このように構成されていると、インシュレータ18の剛性を向上させることができる。
【0113】
また、インシュレータ18の剛性を向上させるために、連結部34に金属製リングや針金等の補強部材130がインサート成形により埋設されていても良い。また、インシュレータ18は、二色成形により、連結部34が高強度の樹脂で形成され、連結部34以外が通常の強度の樹脂で形成された構成とされていても良い。
【0114】
[本発明の一実施形態の適用例]
次に、図13を参照しながら、本発明の一実施形態の適用例について説明する。
【0115】
図13に示される流体ポンプ210は、上述のステータ110が適用されたものである。この流体ポンプ210は、上述のステータ110及び制御回路部120に加え、ポンプハウジング212と、モータハウジング214と、エンドハウジング216と、インペラ218と、ロータ220と、モータシャフト222とを備えている。ステータ110及びロータ220は、ブラシレスモータを構成している。
【0116】
そして、この流体ポンプ210では、制御回路部120からステータ110に電流が供給されると、ステータ110によって回転磁界が形成され、これにより、ロータ220と共にインペラ218が回転する。また、インペラ218が回転すると、吸入口230から流体が吸入されてポンプ室228に搬送され、ポンプ室228に搬送された流体は排出口232から排出される。
【0117】
この流体ポンプ210(ブラシレスモータ)によれば、ステータ110を備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0118】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
10・・・ステータ、12,12U,12V,12W・・・ステータ構成部、14,14U,14V,14W・・・コア構成部、16,16U,16V,16U・・・巻線、18,18U,18V,18W・・・インシュレータ、20・・・コア、22,22U,22V,22W・・・継鉄構成部、24,24U,24V,24W・・・ティース部、26,26U,26V,26W・・・巻回部、28,28U,28V,28W・・・渡り線、30U,30V,30W・・・端末部、32U,32V,32W・・・絶縁部、32U1・・・絶縁本体部、32U2・・・延出部、34,34U,34V,34W・・・連結部、36,36U,36V,36W・・・保持部(スペーサ)、38U,38V・・・切欠き、40・・・継鉄、42,42U,42V,42W・・・サブアッセンブリ、50・・・ロータ、60・・・ブラシレスモータ、100・・・フライヤ装置、110・・・ステータ、112,112U,112V,112W・・・端子部、113,113U,113V,113W・・・結線部、114,114U,114V,114W・・・突出部、114U1・・・端面、114U2・・・側面、116,116U,116V,114W・・・差込溝、118,118U,118V,116W・・・ガイド部、120・・・制御回路部、126・・・差込溝、128・・・補強部、210・・・流体ポンプ、212・・・ポンプハウジング、214・・・モータハウジング、216・・・エンドハウジング、218・・・インペラ、220・・・ロータ、222・・・モータシャフト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、
前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
前記複数のインシュレータの各々に設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、
を備えたステータ。
【請求項2】
前記連結部は、前記継鉄の径方向内側に位置され、
前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部には、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出された突出部が形成され、
前記端子部は、前記突出部に設けられている、
請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記突出部には、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、
前記端子部は、前記差込溝に差し込まれている、
請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記連結部は、前記複数の絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配置され、
前記端子部は、前記連結部における前記継鉄の側の表面に当接されている、
請求項2又は請求項3に記載のステータ。
【請求項5】
前記複数の巻線の各々は、前記複数の巻回部を接続すると共に前記絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配線された渡り線を有し、
前記端子部は、前記継鉄の軸方向における前記渡り線と反対側に設けられている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項6】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、
前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
前記複数のインシュレータの各々に前記継鉄の軸方向に沿って形成され、前記複数の巻線の各々の端末部をガイドするガイド部と、
を備えたステータ。
【請求項7】
前記連結部は、前記継鉄の径方向内側に位置され、
前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部には、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出されると共に、前記継鉄の周方向を向く側面を有する突出部が形成され、
前記ガイド部は、前記側面に設けられている、
請求項6に記載のステータ。
【請求項8】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、
前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
前記複数の継鉄構成部のいずれかに設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、
を備えたステータ。
【請求項9】
前記複数の継鉄構成部のいずれかには、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、
前記端子部は、前記差込溝に差し込まれている、
請求項8に記載のステータ。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のステータと、
前記ステータが形成する回転磁界によって回転されるロータと、
を備えたブラシレスモータ。
【請求項1】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、
前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
前記複数のインシュレータの各々に設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、
を備えたステータ。
【請求項2】
前記連結部は、前記継鉄の径方向内側に位置され、
前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部には、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出された突出部が形成され、
前記端子部は、前記突出部に設けられている、
請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記突出部には、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、
前記端子部は、前記差込溝に差し込まれている、
請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記連結部は、前記複数の絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配置され、
前記端子部は、前記連結部における前記継鉄の側の表面に当接されている、
請求項2又は請求項3に記載のステータ。
【請求項5】
前記複数の巻線の各々は、前記複数の巻回部を接続すると共に前記絶縁部に対して前記継鉄の軸方向にずれて配線された渡り線を有し、
前記端子部は、前記継鉄の軸方向における前記渡り線と反対側に設けられている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項6】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、
前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
前記複数のインシュレータの各々に前記継鉄の軸方向に沿って形成され、前記複数の巻線の各々の端末部をガイドするガイド部と、
を備えたステータ。
【請求項7】
前記連結部は、前記継鉄の径方向内側に位置され、
前記複数の絶縁部のうち少なくともいずれかの絶縁部における前記継鉄と反対側の端部には、前記連結部に対して前記継鉄の側に突出されると共に、前記継鉄の周方向を向く側面を有する突出部が形成され、
前記ガイド部は、前記側面に設けられている、
請求項6に記載のステータ。
【請求項8】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有し、複数の相を構成する複数の巻線と、
前記複数の相毎に設けられて、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
前記複数の継鉄構成部のいずれかに設けられ、前記複数の巻線の各々の端末部と接続された端子部と、
を備えたステータ。
【請求項9】
前記複数の継鉄構成部のいずれかには、前記継鉄の軸方向に開口する差込溝が形成され、
前記端子部は、前記差込溝に差し込まれている、
請求項8に記載のステータ。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のステータと、
前記ステータが形成する回転磁界によって回転されるロータと、
を備えたブラシレスモータ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−90420(P2013−90420A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228258(P2011−228258)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
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